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「お米券」の裏側にある利権構造
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2025年12月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
大阪交野市(かたのし)の山本景市長が
「お米券は絶対に配りません」
とXで発信して話題を呼んだ。
最大の問題は経費率が高いこと。
週刊新潮インタビューで山本市長はこう述べた。
「お米券とは、全国米穀販売事業協同組合が発行する「おこめ券」と、JA全農が発行する「おこめギフト券」の2種類があるのですが、どちらも1枚500円で440円分の米が購入できる、というもの。
差額60円分は券の印刷代や流通経費、マージンなどに充てられるので、この段階で経費率は12%。
さらにこの券を住民に郵送するとなると、名簿を作り、切手を貼るなどの作業が生じ、業者に委託することになる。とすると、経費率は20%程度まで上がってしまい、極めて効率が悪い。
「プレミアム商品券」を配ったこともあるのですが、これも経費は20%程度かかった。
券を配るという方法では、どうしても少なくない経費が発生し、その分の恩恵が住民に行き渡らなくなるわけです。」
高市内閣が編成した18.3兆円の補正予算。
〈生活の安全保障・物価高への対応〉への予算配分8.9兆円のうち、〈足元の物価高への対応〉が2.9兆円。
そのうち〈重点地方交付金の拡充〉が2兆円で、そのなかに
〈食料品の物価高騰に対する特別加算4000億円〉
が計上された。
政府が自治体に示した資料には「食料品の物価高騰に対する特別加算」の具体例として、
「プレミアム商品券」、「電子クーポン」と並列して「いわゆるお米券」
が記載されており「お米券推し」が示されている。
こうした「商品券」の類ではなく「現金給付」を行う場合でも、銀行振込等で10%程度の経費率が発生してしまうという。
こうしたことから山本景市長は市町村が運営する水道と下水道の基本料金を免除することを提案する。
水道及び下水道の基本料金を免除するかたちで交付金を使うとシステムを改修するだけで実施できる。
そうなると経費はほとんどかからない。
山本市長は経費率を1%程度に抑制できるという。
素晴らしい提案である。
コメの価格高騰が大騒動に発展したが高騰したコメの代わりに他の穀物を摂取する選択肢もある。
生活文化の違いによっては米以外の穀物を主食にする場合もある。
「お米券」には全国米穀販売事業協同組合が発行する「おこめ券」とJA全農が発行する「おこめギフト券」の2種類があるが、発行元が2団体に絞られており、山本市長は
「これでは限られた業界への利益誘導だと言われても仕方ない」
と指摘する。
貴重な財政資金。
可能な限り効率の良い使い方を検討すべきことは当然。
ところが現実は逆行している。
その理由を洞察することが重要。
政府は財政資金配分を「できるだけ複雑に実施する」ことを目指す。
なぜか。
「経費率が高い」というのは、そこに「中抜き」が発生することを意味する。
山本市長が
「差額60円分は券の印刷代や流通経費、マージンなどに充てられるので、この段階で経費率は12%。さらにこの券を住民に郵送するとなると、名簿を作り、切手を貼るなどの作業が生じ、業者に委託することになる。
とすると、経費率は20%程度まで上がってしまう」
と述べたが、この経費がその委託事業を行う事業者の収入になる。
政治権力と関係の深い事業者が事業を受託して財政資金で利潤を得ることになる。
これが「利権財政支出」の典型的な一類型。
政府は財政資金を「利権」にするためにできるだけ不透明で複雑な財政支出方法を用いる。
真の財政改革とは、このような「利権財政」を排除することである。
続きは本日の
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