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※紙面抜粋
物価高対策はその場しのぎ…負けた政党同士が暴政の倒錯
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/381260
2025/12/06 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

一気に右旋回(C)日刊ゲンダイ
議員定数削減の横暴にも呆れるがこんなもんはまだ序の口。維新がやりたいのか、高市がやらせたいのか、着々と進む国家改造。まともな自民党議員もいるだろうが、内閣の高支持率に様子見、沈黙の情けなさ。
◇ ◇ ◇
民主主義は原則、多数決ではある。しかし、少数意見の尊重や途中の議論をすっとばして、とにかく強行。数だけかき集めて、成立のためなら何でもアリ。実におぞましい光景だ。
もはや“天下の悪法案”である。自民党と日本維新の会が5日、衆院議員定数を削減するための工程を定めた「プログラム法案」を衆院に共同提出した。現行の定数465から1割を目標に45以上減らすと規定。1年以内に結論が出なければ小選挙区25、比例代表20を「自動削減」する条項が盛り込まれた。
民主主義の根幹である選挙制度を“強制的”に削減などあり得ない。法案の中身がデタラメなら、進め方もデタラメだ。今月17日に会期末が迫る中、自維にとって今国会中の成立が連立維持の必達目標。自維は揃って多数派工作に動き、衆院では維新を除名になった無所属3人を自民会派に取り込み、過半数をクリアした。よりによって、である。維新もよくぞ反対しなかったものだ。
参院は過半数に6議席足りないが、維新の藤田共同代表が、こちらもよりによって“排外主義”の参政党に賛同を呼びかけ。4日の会談で、参政の神谷代表は条件次第で協力する考えを示唆した。「条件」とは、参政が重視する「スパイ防止法案」や、日本国旗を傷つける行為を処罰する「日本国国章損壊罪」を盛り込んだ刑法改正案への協力などというバーターだ。
元朝日新聞政治部次長でジャーナリストの脇正太郎氏が言う。
「参政党が協力条件として示した『スパイ防止法』には、高市首相も意欲を燃やしていますから好都合でしょう。制定に向けては『国家の安全』が強調される。ですが、政権に都合の悪い思想や結社の封殺こそが真の狙いに違いありません。戦前の治安維持法が引き起こした人権侵害の悪夢を再現させます。既に参政党は参院に関連法案を提出済みで、『外国からの指示などで日本の選挙や政策決定に影響を及ぼすおそれがある活動』を処罰の対象と定めている。その類いの活動の担い手は、韓国がルーツで“反日”の教義を持つ世界平和統一家庭連合(旧統一教会)でした。この教団には高市氏をはじめ同調者の多くが深い関わりを持ってきた。彼らがスパイ防止法に矛盾を感じないのは、敵対勢力を圧殺する狙いを込めているからでしょう」
クーデター政権が地獄のフタを開けた
与党の横暴には呆れるが、こんなもんはまだ序の口。「スパイ防止法」同様、自維の連立政権合意書に書き込まれた事項の検討が、どんどん前に進められている。
殺人兵器も輸出できるように「防衛装備移転三原則」で定められた「5類型」を撤廃。原子力潜水艦の保有。緊急事態条項を創設するための憲法改正。9条改憲。国家安全保障戦略など「安保関連3文書」の前倒し改定。それに伴い「非核三原則」の見直しも検討されている。核兵器を「持ち込ませず」の概念が、米国の核抑止力の実効性を低下させかねないとの理由からだ。
GDP(国内総生産)比2%への防衛費の増額も、中ぶらりんだった財源の所得税増税について2027年1月から引き上げる方向で検討に入った。さっそく野党からは「1000億円以上、予算の使い残しがあるのに、規模ありきの増税はおかしい」(立憲民主党・野田代表)と批判が上がっているが、連立合意に沿って着々と進む国家改造。維新がやりたいのか、高市がやらせたいのか。両者の思惑と打算が一致しているとみていい。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「一種のクーデター政権ですよね。極右に乗っ取られた自民党が、維新というアクセルを取り付け、高い内閣支持率の世論をターボエンジンにして、高市首相は一気に右旋回のハンドルを切った。昔の自民党は安全保障問題や憲法の制約についても『自制的』で、専守防衛など一定の枠内で、外国に脅威を与えないようにしてきた。それを完全に吹っ飛ばし、あらゆる面で地獄のフタが開いてしまった。そもそも、今回のような定数削減法案が出されるなんて、これまでは考えられませんでした。審議を1年で区切って、結論が出なければ自動的に45議席削減ですからね。時限爆弾を前にして『さあどうだ、議論しろ』と急がせる。国会の熟議と議会制民主主義を自己否定するような、まさにクーデター法案ですよ」
国民生活より連立、与党でいることが大事

おぞましい会談(4日午後、国会)/(C)共同通信社
衆院議員の定数削減法案は政治改革特別委員会で審議されることになるが、同委では先に、企業・団体献金の規制強化の法案が審議中だ。自維の定数削減法案はこれに割って入る形で提案され、野党は「政治とカネ問題への妨害策だ」と批判を強める。
自民党内でも法案提出までにスッタモンダした。維新から「連立離脱」の脅しをかけられ、高市執行部は「自動削減」規定を受諾。しかし、党会合は紛糾。いったん、了承を見送り、翌日、政治制度改革本部長に一任された。5日も法案提出に先立ち開かれた総務会で、異論を唱え途中退席する議員も出た。
とはいえ、最終的には了承だ。まともな議員もいるだろうが、全体としてはおとなしく従う格好。文句も会合後に囁く程度で、高市内閣の7割超という驚異の高支持率に様子見、沈黙の情けなさだ。
「維新ペースでの定数削減に強い違和感を抱いている自民党議員さえ、執行部の意向に押し切られてしまいそうな気配なのは、維新の連立離脱が怖くてならないからです。結局、与党でい続けたいという思惑が透けて見えます。このままでは、民主主義の土俵の選挙制度を与党による脅しと拙速で歪めてしまうむちゃ、逸脱が押し通されてしまう。しかし、市民の関心事は定数削減より、企業・団体献金の扱いにある。それは裏金事件の発覚以来、変わっていない。定数削減を目くらましに使おうとしても、国民はそこまで愚かでしょうか」(脇正太郎氏=前出)
臨時国会は役割は物価高対策と政治改革のはず
自民も維新も夏の参院選で惨敗し、民意に否定された政党だ。それが徒党を組んで暴政とは、倒錯としか言いようがない。
国民が切望する物価高対策は業界利権が疑われる「おこめ券」や毎度の電気・ガス代補助など、その場しのぎのショボいバラマキ。高市が「最優先で取り組む」としていたはずが、維新が「改革のセンターピン」と執着する定数削減にすっかりお株を奪われている。高市本人はもちろんのこと自維議員は揃って、国民生活より連立、自分の身分が大事という卑しさなのだ。
「結局、参院選後に自民党の内紛があり、総裁選もあって政治空白が続き、その間、物価高は放置されてきた。今度の臨時国会の役割は、物価高対策と政治改革のはずでした。一日でも早く国民生活を支援し、政治とカネに対する国民の不信感を取り除く。そうした努力をするのが国会の使命だった。ところが、高市自維政権が力を入れるのは不要不急の議員定数削減。物価高と政治改革という喫緊の課題を後回しにして、与党で勝手に余計なことをやっている。酷い政権です」(五十嵐仁氏=前出)
5日、永年在職25年の表彰を受けた立憲民主党の辻元清美参院議員が本会議場での挨拶で、自民党の重鎮から党派を超えて授けられた、次のような“金言”を紹介した。
「加藤紘一先生からは、考えの違う人の意見こそ丁寧に聴きなさい」
「青木幹雄先生からは、国民のためには与野党の審議が大事」
「宮沢喜一先生からは、外交は3割は相手の顔を立て、のりしろをしっかり作りなさい」
どれもこれも、今の高市政権が軽視していることばかりだ。
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