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※紙面抜粋

※2025年12月8日 日刊ゲンダイ2面
頼みは一過性の支持率だけ 高市政権はグロテスクな砂上の楼閣
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/381305
2025/12/08 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

両者には原罪がある(C)共同通信社
7割を超える支持率で、高市政権がやりたい放題を加速化させているが、弱小政党に振り回され、付け込まれているのが本当だ。
議員定数削減のためには参政党にも頭を下げ、こちらにも難題をのまされ、国の形はどんどん歪に変わっていく。そんな醜悪にいつまで支持率が持つものか。
◇ ◇ ◇
自維連立政権によって、衆院の議員定数削減法案が5日、衆院に提出されたが、案の定、評判はボロクソだ。この法案は唐突に45議席以上の削減を打ち出し、具体的な方法を与野党で協議するプログラム法案。まとまらなければ、1年後に小選挙区25、比例代表20議席を自動的に削減するという「爆弾条項」を入れた乱暴なものだ。
なぜ、議員定数削減が「政治改革」になるのか。なぜ、1割減なのか。なぜ、1年後に強制終了、自動削減なのか。どこにも理屈がないのである。
さすがに読売新聞も<小政党が極端な主張を唱え、大政党を振り回し、民主主義の根幹にかかわるような重要課題の行方を左右するのは、憲政の常道に反する>(6日社説)と書いた。7日、NHKの日曜討論では日本保守党の島田洋一衆院議員に「国会議員でもない(吉村)大阪府知事に鼻面引きずり回されて、自民党は恥ずかしくないのかな」と皮肉られる始末だ。
実際、この法案提出の舞台裏を見ていくと、島田が言う通り。チンピラ維新に高市自民が引きずり回されたのがよくわかる。臨時国会でのプログラム法案提出、成立させること、1年後強制削減の爆弾条項を盛り込み、実効性を担保すること等々、自民はタカをくくっていたらみんな、維新にしてやられたのである。
「連立離脱しても知らんで〜」と自民に脅し
毎日新聞がこう書いている。
<定数削減協議の実務者トップを務める加藤勝信前財務相が27日、維新の担当者の浦野靖人衆院議員との非公式協議で『実効性の担保を入れろ』との指示は首相から飛んでいない。そんなことはできないと発言したという。すぐに浦野氏から報告を受けた遠藤氏(国対委員長)は態度を硬化させ、自民党側へ「連立離脱カード」を突きつけることを最終判断した。幹事長、政調会長ら党幹部から現場の交渉担当者まで、維新はそれぞれの自民のカウンターパートへ「このままでは連立離脱になる」と一斉に通告したという>(6日)
慌てた木原稔官房長官ら自民党幹部は鳩首会談を開き、対応を協議。爆弾条項の受け入れを決意し、その代わり削減は比例だけでなく、小選挙区も盛り込むことでようやく、維新をなだめたのだ。
その際の維新の言い草は「連立離脱しても知らんで〜」だったというから、チンピラさながらだ。
恐らく、今後も自民はことあるごとに「離脱しても知らんで〜」と言われ続けることになる。そのたびに揉めて妥協を余儀なくされていく。悪い男につかまって骨までしゃぶられるようなものだ。
自民党のマトモな議員たちは今、間違いなく、「組んだ相手を間違えた」と後悔しているのではないか。棚橋泰文元国家公安委員長は怒りのあまり、議論の場から途中退席したそうだ。維新と組んでいる限り、自民はこうした極端な政策を乱暴にのまされ、主客転倒の政治になっていく。
高支持率に浮かれている高市政権だが、一皮むけば、これが実態。グロテスクで薄氷の政権運営なのである。
安住幹事長も「いなくなってせいせいした」

「せいせいした」と立憲民主の安住淳幹事長(C)日刊ゲンダイ
維新の性悪さといえば、立憲民主党の安住淳幹事長のセリフも気になった。6日の講演でこう切り捨てたのである。
「(維新は)ひどかった。野党でまとまって交渉しようと思ったら、自民とつるんで最後に必ず裏切る」「本当に(野党勢力から)いなくなってせいせいした」
公党の幹事長がここまで言うのだから相当だ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が言う。
「野党の役割とは時の政権と対峙して、権力のチェック機能を果たすことです。ところが、チェックしているのかと思っていたら、裏でつるんでいる。対峙ではなく、取引している。そんな場面がたくさんあったのでしょう。そこに政党としての矜持や哲学は感じられません。あるのは薄っぺらな目先の打算、その場しのぎなんですね。それは与党になっても変わらない。だから、民主主義の根幹を左右する選挙制度すら脅しに使う。地に足がついた民主主義ではなくて、裏取引やら、脅しやら、そんな政治ごっこばっかりです」
もちろん、ふざけているのは維新だけではなくて、高市自民もこうした政治ごっこの中にいる。どっちもどっちで「一連の連立合意は高市首相がやりたいのか、維新がやりたいのか、両方なのか。いずれにしてもずるさは同じ」(角谷浩一氏=前出)ということだ。そんな連中がつるんで、国民は頼みもしなかった議員定数削減や防衛費増、非核三原則の見直し、武器輸出解禁、はたまた夫婦別姓潰しにまで邁進している。その議員定数削減では、参院の数が足りないものだから、「スパイ防止法」をネタに参政党に急接近のおぞましさだ。
こうして、選挙の時には考えられなかった方向に国がどんどん歪められていく怖さ。そんな政権が今なお、高支持率を誇っているのだから、背筋が寒くなってくる。
これだけの原罪を背負った政権は長続きしない
果たして、これほどグロテスクな政権が今後ももつのか。それとも、こうした混乱が多党乱立時代の宿命なのか。ジャーナリストの高野孟氏はこう言った。
「こんな砂上の楼閣のような政権は到底、長続きはしないと思います。なぜなら、有権者が望みもしなかったことをひたすら政権維持のため、連立維持のために勝手にやり続ければ、政治不信を招くだけだからです。考えてみれば、高市政権は当初から少数与党で、維新を連立に引き込まなければ成り立たなかった。そこで、毒を食らわば皿までもとばかりに、何でも丸のみした結果が爆弾条項入りの議員定数削減法案なのです。その意味で、この政権には生まれた時から原罪を背負っている。この原罪からは逃れられない。加えて、高市首相の資質です。台湾発言、“そんなことより”発言でハッキリしたのは首相の思慮の浅さ、言葉の軽さです。周辺大臣、維新の醜聞も次々に発覚している。高支持率に陰りが見え始めたときに、この政権は一気に瓦解すると見ています」
そもそも、先の衆参選挙で国民がノーを突きつけたも同然なのが自民と維新だ。
そんな政党同士がくっつく倒錯と原罪は拭い難いものがある。
「選挙で国民が求めたものは物価高対策による減税です。選挙に忠実であるならば消費税減税を目的とし、時限的な連立政権を組む選択肢もありました。多党時代というけれど、多党であればあるほど、連立の議論はオープンにし、“これだけやります”という連立が望ましいのです。その意味で自民と維新は最も組んではいけないパートナーだった。国民が求めた政治とカネの決着をゴマカすための議員定数削減連立なんて、おぞましさの極みです」(高野孟氏=前出)
政権崩壊の引き金は維新の離脱
その醜悪さを隠すために、安全保障の厳しさを強調、火のないところに煙を立て、あと先見ないバラマキ補正で、これまた景気底上げを演出する。失敗したアベノミクスの「夢よもう一度」で、リフレ派学者をかき集め、単年度プライマリーバランスの黒字化も放棄して、軍拡予算もガンガンだ。
とはいえ、「打ち出の小づち」はないのだから、いつか破綻する「その場しのぎ」。
議員定数はもとより、日中関係も解決は見えず、トランプからは正式に軍事費増を求められている今、原罪に悶絶する砂上の楼閣政権が長続きするのは至難の業だ。
崩壊の引き金を引くのは維新の離脱という気がする。
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