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※紙面抜粋

※2025年12月9日 日刊ゲンダイ2面
「定数削減」よりもこっちだろう 酷評おこめ券…高市内閣の物価高対策はてんでダメ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/381365
2025/12/09 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

外交もダメ、経済もダメ…(C)共同通信社
おこめ券に象徴されるように物価高の根本を見据えず、付け焼き刃の目くらましだけでは、インフレの流れは止められない。
リフレ派政策を続ける高市、その圧力に恐る恐るの植田日銀、利上げ前から金利上昇、自治体のおこめ券反発……。この政権は外交もダメ、経済もダメのないないづくし。
◇ ◇ ◇
ここまで毛嫌いされる経済対策も珍しいのではないか。
高市政権が物価高対策として打ち出した「おこめ券の配布」に対して批判が噴出している。「おこめ券」配布の実務を担う地方自治体からは「わが街はやりません!」と反発の声が相次ぐ始末だ。仙台市、江戸川区、静岡市、大阪府交野市、北九州市……とキリがない。
「おこめ券」の配布は、高市政権の総合経済対策の柱である「重点支援地方交付金」のなかに盛り込まれたものだ。各自治体は交付金の使い道を自由に決められるが、なぜか政府は「おこめ券」の配布を推奨している。
自治体が「おこめ券」にノーを突きつけるのは、当たり前だ。既存の「おこめ券」は、全農と全米販の2団体が発行している。1枚500円だが、印刷代やマージンとして60円(12%)が引かれ、実際には440円分のコメしか買えない。住民に配布すれば、郵送費もかさむ。かなり効率が悪いのだ。経費率は25%に達するという。1万円の税金を使っても、住民に届くのは7500円分しかない。
この状況では「おこめ券」を配る自治体は、ほとんどないのではないか。
それにしても、なぜ高市政権は「アベノマスク以来の愚策」と揶揄されるような政策を推し進めているのか。
「鈴木農相のゴリ押しですよ。鈴木さんは農水省出身。選挙区はコメどころの山形県。農協が全面バックアップしている筋金入りの農水族です。農協に利益誘導したいと考えても不思議ありません。全国の自治体が『おこめ券』を配布したら、農協には多額の利益が転がり込むという声もあります」(霞が関関係者)
それよりなにより、「おこめ券」への批判が強いのは、物価高対策にならないからだろう。むしろ、コメの価格を押し上げかねない。
「5キロ=5000円もするコメは、庶民にはなかなか手が出ない。さすがに高くなりすぎて、いずれ値下がりし、庶民も買えるようになるのでは、という期待があります。なのに『おこめ券』の配布は、結果的にコメを買い支え、高い価格を維持することになりかねません。『おこめ券』は物価高対策の一環だそうですが、やっていることはアベコベです」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
「物価高対策」が物価高騰を招くバカらしさ

なぜ、「おこめ券」?(C)共同通信社
高市政権が打ち出している「物価高対策」は、一事が万事、すべてこの調子だ。
高市政権が閣議決定した「総合経済対策」の規模は約21兆円。8日国会に提出した補正予算案の歳出規模は、18兆3000億円という巨額なものだ。もちろん、コロナ禍以降、過去最大の予算規模である。
約21兆円の「総合経済対策」を閣議決定した後、高市首相は会見を開き、「内閣発足以来、国民の皆さまが直面する物価高への対策を最優先に掲げてまいりました」と胸を張ってみせている。
しかし、この経済対策で物価高騰を抑制できると考えている専門家は、ほとんどいないのではないか。
たしかに「物価高対策」として、子ども1人あたり2万円の給付に3677億円、電気・ガス料金補助として5296億円、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」として2兆円を計上している。
しかし、18兆3000億円もの財政を出動させたら、需要を喚起し、むしろインフレを加速させることは目に見えているのではないか。物価高対策と称して「おこめ券」を配ったら、コメの需要を喚起し、高値が維持されるのと同じである。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「高市政権が打ち出している政策は、インフレ促進策そのものです。政府がカネをばらまけば、消費が増え、物価を押し上げるという悪循環に陥りかねない。物価高騰を抑えるために必要な政策は、『緊縮財政』と『金融の引き締め』です。なのに、リフレ政策を進める高市政権は、正反対のことをやっている。物価高対策として『電気代やガス代の補助』『子どもへの2万円の給付』などを掲げていますが、しょせん痛み止めにすぎない。正面から対応しなければ、この物価高は収まりませんよ。国民の多くも、一時的な痛み止めではなく、物価そのものを下げて欲しいと考えているはずです。そのためには、まず、利上げすべきです。金利を上げれば、行き過ぎた円安も止まるでしょう。円高になれば、円安によって高騰している輸入物価も落ち着くはずです」
高市政権の「物価高対策」は、無意味どころか、さらなる物価高騰を招きかねないということだ。
ホンネでは「インフレ大歓迎」
いったい高市政権は、この物価高をどう考えているのか。維新との約束である「議員定数の削減」にシャカリキになっているようだが、最優先させるべきは、物価高対策なのはハッキリしているはずだ。
総務省によると、生鮮食品をのぞく「消費者物価指数」の上昇率は、足元の2025年10月まで、3年7カ月連続で前年同月比2%以上の伸びがつづいているという。これほど長くつづいたのは、バブル期以来だ。
今年も食料品は空前の値上げラッシュとなっている。帝国データバンクによると、飲食料品の値上げは2万609品目に達するという。昨年と比べて64%も増えている。
4年近くも物価高騰がつづき、さすがに庶民生活も限界に近づいているのではないか。
日銀の「生活意識に関するアンケート調査」(25年9月)によると、暮らし向きに「ゆとりが出てきた」は、わずか4.5%。対して「ゆとりがなくなってきた」は56.1%だった。
なのに高市政権は、「おこめ券」や「電気・ガス代の補助」など、対症療法に終始しているのだから、どうしようもない。信じられないのは、この物価高を歓迎しているフシがあることだ。
3月の経済財政諮問会議で、東大大学院の渡辺努教授が、インフレ率が0%から2%に移行すれば「政府は180兆円の利得を手にする」との試算を示しているのだ。
物価高によって、政府は恩恵を受けているということだ。
「インフレが政府に恩恵をもたらし、庶民に打撃を与えることは、紛れもない事実です。インフレが進むと自然に税収が増え、政府の借金も目減りします。実際、物価高が本格化してから国の税収は急速に増えている。いわゆる『インフレ税』です。一方、庶民は物価高に苦しむだけでなく、預金が目減りし、消費税の負担も増えてしまう。庶民の不満を抑えるために、高市首相は『子どもへの2万円給付』などを打ち出し、物価高と戦うポーズを見せていますが、ホンネではインフレを放置したいはず。物価高騰を抑えようとは考えていないはずです」(斎藤満氏=前出)
4年近くも物価高がつづき、とうとう多重債務者が急増している。物価高が重荷になり、企業倒産も2年つづけて1万件を超えそうだという。庶民の暮らしは、猛スピードで破壊されている。
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