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保守系の週刊新潮・週刊文春にも叩かれる高市早苗の薄っぺらさ 週刊誌からみた「ニッポンの後退」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/381914
2025/12/21 日刊ゲンダイ

高市時代は二度とパンダは見られない(上野動物園のパンダ=シャオシャオ)/(C)共同通信社
私は高市早苗首相が嫌いだ。
理由はいくつもある。一つは、子供の夢を壊す人間に、この国の未来を託すわけにはいかないからだ。
1972年の日中国交正常化以来、子供たちの“国民的アイドル”になったパンダが一頭もいなくなる。前から決まっていたことだが、中国との関係がこれほど冷え切っていなければ、上野公園のシャオシャオとレイレイに代わるパンダが、中国側の好意で贈られるという希望はあった。だが、「台湾有事」という致命的な失言をした高市日本に習近平がそうした“配慮”をすることなどないだろう。
高市首相よ、日本中の子供たちの悲鳴が聞こえないか?
「鉄の女」ならぬ「カンナくずの女」
政権が発足して2カ月経つが、高市首相の発言や政策を追っていると、どれもこれも「場当たり的」でしかない。台湾有事をめぐる唐突で強硬な答弁と、その後のお粗末な対応。財源の裏付けが薄いバラマキ的経済政策。日本維新の会との議員定数削減合意──いずれもその場をしのぐために妥協に妥協を重ねているだけで、「信念を持った保守派宰相」という前宣伝は虚妄に過ぎなかったことがはっきりした。
彼女が敬愛するサッチャー元英国首相が生きていたら、「私は鉄の女。あなたはペラペラよく燃えるカンナくずのような女よ」と目を背けるに違いない。
私が一番呆れたのは、11月26日の党首討論で、野田立憲民主党代表から企業・団体献金について追及された際の、「そんなことより」発言である。
慮るに、裏金問題の“巨魁”萩生田光一を幹事長代行に据えたことを追及されるのを恐れ、話を無理やり変えようとして出た「本音」であろう。後々まで語り継がれるだろうこの迷言こそ、流行語大賞にふさわしかったはずである。
週刊誌の論調にも変化が出てきている。週刊新潮、週刊文春はもともと保守色が強い。とくに新潮の中国嫌いは“病膏肓(こうこう)”といっては失礼だが、筋金入りである。当初、高市首相の習近平に銃を向けるかのような発言に喝采を送った。
だが、新潮の論調が変わってきた。12月18日号のトップで「高市首相に地元宗教法人から3000万円の違法献金疑惑」があると報じている。
民族派団体代表だった父親が開設した宗教法人を娘が継いだが、くだんの神社には留守番の女性しかおらず、信者も氏子もいないという。高市が代表を務める「自民党奈良県第二選挙区支部」に宗教法人が3000万円を寄付する場合は、前年にかかった「経費」が6000万円以上なければならない。“疑惑は深し桜島山”である。
文春(同)は高市首相が師と仰ぐ安倍晋三が「アベノミクス3本の矢」戦略を打ち出した際の“知恵袋”浜田宏一エール大学名誉教授にインタビューしている。
浜田教授の大前提は、安倍政権の頃はデフレ、今はインフレと状況が真逆だというもの。それを高市首相は見間違えていると手厳しく批判している。
「人手不足などの供給制限がある現在のような状況で財政赤字を濫用し、大規模な財政出動をすることは、今、日本経済の最大の問題であるインフレをさらに助長する。とんでもないことです」
ガソリン減税は、かえって車の利用が増えてガソリンの消費が加速し、インフレを強めかねない。おこめ券など地方への交付金や子供1人あたり2万円給付は、「まさにバラマキ」だと一刀両断。今は、「しっかりと緊縮財政に向かわなければ“高市不況”がやってくる」と警鐘乱打する。
外国籍の人たちを労働力としてしか見ず、生活者としての視点が決定的に欠如しているなど、高市首相のものの考え方には首をかしげざるを得ないものが多い。これでもあなたは高市政権を支持するのか? 私には“亡国”政権としか思えない。(文中一部敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)
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