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※2025年12月23日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2025年12月23日 日刊ゲンダイ2面
勇ましさに高支持率 危うい世論をバックの翼賛政治
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/382016
2025/12/23 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

満面の笑みを披露(C)日刊ゲンダイ
高市内閣の支持率はどの世論調査でも目を剥くような数字だ。中国発言や物価対策でも評価が高いのは強く見えるリーダーへの待望なのか。この世論をバックに進む翼賛体制、戦争国家づくり、外国人排斥、さながら軍事国債の財政軽視に識者の懸念。
◇ ◇ ◇
「就任2カ月になりましたが、ようやく走り始めたところでございます。今の暮らしへの不安ですとか、未来の日本への不安、これを安心と希望にしっかりと変えていけるように、政策を打っていきたい」
22日、都内で開かれている「2025年報道写真展」を訪れた高市首相はこう話し、トランプ米大統領とのツーショットの前では、同じポーズをリクエストする報道陣に満面の笑みで応じてみせた。
ゴキゲンな笑顔の大きな理由は、高い内閣支持率を維持していることに違いない。
先週末に行われた各社世論調査の結果は、軒並み高支持率をキープ。どれも目を剥くような数字が並んでいる。
日経新聞とテレビ東京が19〜21日に実施した世論調査では、高市内閣の支持率は75%で前回の11月調査から横ばい。不支持率は18%だった。10月の政権発足後、3カ月連続で7割台の支持率を叩き出した。
同期間に読売新聞とNNNが行った調査でも、高市内閣を「支持する」と答えた人は73%と高水準。「支持しない」は14%だった。通常、政権発足直後は“ご祝儀相場”で支持率が高めに出るが、徐々に落ちていくものだ。発足から2カ月後も支持率70%以上を維持したのは、細川、小泉の両内閣に続く3例目だという。
20、21日に産経新聞とFNNが行った調査では、高市内閣の支持率は前回調査から0.7ポイント増の75.9%で、3カ月連続の75%超え。現行の調査形式になった2021年以降で最高を更新した。
同じく20、21日に実施した毎日新聞の調査でも支持率は67%で、前回調査から2ポイントアップ。共同通信の調査では支持率67.5%で、前回からは2.4ポイント減ったものの高い水準を維持している。
朝日新聞の同日調査でも支持率は68%で、3カ月連続で7割近い支持率をキープする堅調ぶりだ。不支持率は19%だった。また、中国に対する高市の姿勢については「評価する」が55%、「評価しない」が30%だった。
高市支持派一種の現実逃避
高市が国会答弁で「台湾有事が存立危機事態になり得る」と発言し、日中関係は急速に悪化。経済や文化交流面に大きな影響が出ている。それでも、高市の対中姿勢を評価する人が過半数を占めたのである。これは、なんとも剣呑な現象ではないか。
毎日新聞の調査でも、日本の対中政策について「もっと中国に厳しく対応すべきだ」が55%と過半数を占め、「中国にはもっと柔軟に対応すべきだ」の24%を大きく上回った。
共同通信の調査では、台湾有事をめぐる高市の国会答弁で日中関係が悪化したことが日本経済に「悪い影響を与える」と回答したのは、「どちらかといえば」を合わせると59.9%と多数派だったが、答弁自体については「不用意だったとは思わない」が57.0%に上り、「不用意だったと思う」の37.6%を上回った。
「非常に危険な兆候です。中国に対して勇ましいことを言うリーダーがもてはやされるのは、日本の国力が衰退して自信を失っていることが影響しているのでしょう。見下していた中国や韓国に追い抜かれてしまったことを認めたくない人々が、中国に対して強硬姿勢を取る高市首相の言動に留飲を下げ、支持を与えている。ただ、それは一種の現実逃避です。国力が落ちたのは長年の自民党政治のせいなのに、外国人排斥に矛先を向けるのは筋違いだし、戦争をしたくてたまらない権力者の思うツボなのです。逆に言えば、こういう状況だからこそ、高市政権が誕生したのかもしれない。日中関係が緊張を高めるほど高市首相に支持が集まる現状は、ヒトラーが権力を掌握して国を破滅に導いた経緯を彷彿とさせます」(政治評論家・本澤二郎氏)
中国側の反発は織り込み済みで軍拡化に利用する

着々と「戦争国家」づくりへ(C)日刊ゲンダイ
日中関係が悪化しているさなか、台湾を訪れた萩生田幹事長代行が22日、頼清徳総統と会談。当然、中国側は猛反発だが、今後も与党議員の訪台は続き、この年末年始で数十人が台湾を訪問する予定だという。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう懸念する。
「中国側の反発は織り込み済みで、あえて挑発しているように見える。その方が政権にとって都合がいいのでしょう。中国に対する敵意をあおるのは、大軍拡を進めていく布石で、この構図は戦前の日本とよく似ている。こういうタイミングで官邸幹部の『核保有すべき』という発言が出てくるのも、その一環と言えます。緊張をたきつけ、中国への厳しい姿勢を大衆が支持して、抑止力を高める必要があるという国民世論が醸成されれば、安保3文書の前倒し改定や防衛費増額もスンナリ通る。この世論をバックに危険な翼賛体制が進みかねません」
政府は現在、来年度の当初予算案を編成中だが、防衛費を過去最大の9兆円超で調整していることなどから、一般会計の総額は今年度予算の115兆1978億円を上回り、過去最大の120兆円超になる見通しだ。
バラマキ補正予算に賛成した国民民主党は、主張していた「年収の壁」178万円までの引き上げで自民党と合意したことで、来年度予算案への賛成を決め込んでいる。
自民と国民民主の合意書には、「今回の合意を第一歩として更に協力を進めていく」と書かれ、来年度の税制改正法案と来年度予算についても、「年度内の早期に成立させる」と記載がある。予算案の中身を見る前から賛成するなんて、もう完全に与党気分なのだ。
その国民民主と参政党は、与党が進めようとしている防衛装備品の輸出を非戦闘目的の5類型に限定する現行ルールの撤廃にも賛成だという。高市政権は、早ければ来年4月にも5類型を撤廃する方針だ。
高市財政でインフレ税を負担
「高市政権は野党を取り込むために財政規律を犠牲にし、さらには防衛費も一気に増額して、それを国債の乱発で賄おうとしている。さながら軍事国債の様相です。この放漫財政にマーケットは警鐘を鳴らしているのに、世論調査では高市政権の経済政策を支持する声が多い。『年収の壁』引き上げも評価されていますが、それで減税される額なんて微々たるものです。これから始まる防衛増税と円安による物価高で相殺どころか、庶民生活の収支はマイナスになる可能性が高い。目先のパフォーマンスにだまされ、感情的に反応する世論がイケイケドンドンで高市氏を後押しすれば、外交安保も経済政策もドツボにはまっていくだけなのです。危うい世論をバックに、野党がこぞってスリ寄る翼賛政治が進めば、亡国への道まっしぐらです」(本澤二郎氏=前出)
22日の国債市場では、財政悪化への懸念から長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、2.1%まで上昇した。1999年以来、約27年ぶりの高水準だ。
外国為替市場でも円安圧力が止まらない。日銀が追加利上げに踏み切ったにもかかわらず、22日の円相場は1ドル=157円台前半から半ばで推移。円安は輸入物価の上昇を招き、インフレを助長する。物価が上がれば、その分だけ支払う消費税も増える。それで喜ぶのは政府であり、国民は気づかないうちにインフレ税を支払わされているのである。ここ数年、国の税収が過去最高を更新しているのは、物価高によるインフレ税を国民が負担していることが大きいのだ。
経済的な不満が排外主義に向かった時に、ポピュリズムは台頭する。トップリーダーの勇ましい発言を国民が支持すれば、政治もそちら側に引っ張られていく。相互に影響し合い、ブレーキ役の言葉も届かなくなり、何かの拍子に破滅への道に突っ込んで行きかねない。
そういう意味で、いまの日本は瀬戸際にあるのだが、高市を支持する世論には、その覚悟が本当にあるのだろうか。
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