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米の意向に従って中露に対する軍事力を増強する高市政権の政策を隠す財政の議論
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2026.01.14 櫻井ジャーナル
日本の政策は富を一部の人びとに集中させることを是とする「新自由主義」に基づいて決められてきた。このシステムが存在している以上、貨幣供給量を変えても意味はなく、「緊縮財政」と「積極財政」を対立させる議論は新自由主義を継続させるための三文芝居にすぎない。
日本政府はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動を利用して多額の資金を医療分野へ流し込んだが、それで景気が良くなったわけではない。軍事力の行使に積極的な高市早苗首相は軍事分野へ資金を投入したいのだろうが、それはアメリカ政府の意向でもある。そうしたことに国民が気づかないうちに高市政権は選挙を実施したいかもしれない。
1990年代から日本の景気は低迷しているが、これを失政のせいにするのは正しくないだろう。1991年12月にソ連が消滅した直後、アメリカの外交や軍事をコントロールしていたネオコンは自国が唯一の超大国になったと認識、他国に気兼ねすることなく、好き勝手に行動できる時代になったと考えた。
そして1992年2月、アメリカの国防総省はDPG(国防計画指針)草案として世界征服計画を作成している。作成の中心は国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツだったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれてきた。



その中で、アメリカが目指すべき第一の目標は、かつてソ連がもたらした脅威と同程度の脅威をもたらす新たなライバルの出現を阻止することにあり、世界規模の力を生み出すのに十分な資源を有する地域を敵対勢力が支配することを防がなくてならないとしている。そうした地域には旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、そして南西アジアが含まれている。ソ連消滅後、ネオコンは日本も潜在的なライバルだと認識したはずだ。
その一方、日本はドイツと同様、アメリカが動かす戦争マシーンにおいて重要な役割を果たすと考えているだろう。DPGでは、日独両国がアメリカ主導の集団安全保障体制に統合されたとしている。1992年2月にネオコンは世界征服プロジェクトの開始を決めたが、必然的に日本もそのプロジェクトに加担させられることになった。日本がネオコンに屈服し、その戦略に従うことを決めたのは1995年だったはずだ。
2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州のアーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、それを利用してアメリカ政府はウォルフォウィッツ・ドクトリンを指導させた。国内の刑務所化を推進すると同時に、国外で侵略戦争を始めたのだ。2003年3月のイラクに対する先制攻撃もそうした流れの中での出来事だ。
しかし、ソ連消滅後に欧米の属国と化していたロシアが21世紀に入って再独立の成功して状況は大きく変化する。ネオコンがウクライナでネオ・ナチを利用したクーデターを実行した2014年、香港では佔領行動(雨傘運動)と呼ばれる反中国運動が引き起こされた。それ以降、中国はアメリカから離れてロシアへ接近、アメリカにとって日本の軍事的な意味は再び大きくなった。
緊縮財政なのか積極財政なのかという通貨カルト的な議論はアメリカの世界征服プロジェクト、そして日本をそのプロジェクトを動かす歯車のひとつにしようとする勢力の思惑を隠す役割を果たしている。経済問題を議論するなら、不公正な仕組みを壊し、富の偏在を防ぐための経済システムをどのように築くかをテーマにすべきだろう。
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【櫻井ジャーナル(note)】
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