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※紙面抜粋

※2026年1月22日 日刊ゲンダイ2面
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高市早苗という目くらまし 世にもふざけた裏金、統一教会頬かむり選挙
https://www.nikkan-gendai.com/?p=news_detail&id=383191
2026/1/22 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

自民党の政策パンフレット(C)日刊ゲンダイ
それにしても驚かされたのが自民党の選挙公約。パンフレットには高市早苗の写真満載だ。「私に託して」という異様な独裁志向、 ナルシシズムの裏に潜む思惑と危うさ、薄気味悪さ。責任ある積極財政を持ち出すまでもなく、この首相の言うことなすこと二枚舌。
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「国民政党」を標榜する自民党に世論が背を向けた要因は、大きく2つある。反日カルトの統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との半世紀を超える癒着、そして宿痾である「政治とカネ」をめぐる問題だ。いずれも、いまだに決着がついていない。23日召集の通常国会が慣例通りに運べば、高市首相は間違いなく集中砲火を浴び、立ち往生は必至だった。高市が打とうとしている異例ずくめの衆院解散は、自民および自身の疑惑を吹き飛ばすため。世にもふざけた頬かむり総選挙なのだ。
21日も自民をめぐる大きな動きがあった。2022年7月に奈良市で参院選の応援演説中だった安倍元首相を銃撃し、殺人や銃刀法違反などの罪に問われた山上徹也被告の裁判員裁判で、奈良地裁(田中伸一裁判長)は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。公判で明らかになったように、山上家は教団に傾倒する母親の高額献金によって困窮。山上が慕った兄は母親と衝突し、自殺した。「統一教会に一矢報いるのが人生の意味」と考えるに至った山上は、総裁の韓鶴子被告(韓国の政治資金法違反罪などで公判中)を狙うもコロナ禍などで実行できず、標的を安倍に変えた。21年の教団関連団体のイベントに送ったビデオメッセージで「韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」と称賛し、お墨付きを与えたからだ。
結果、憲政史上最長政権を率いた元首相は横死。自民とカルト教団のずぶずぶの関係を再び白日のもとにさらした。山上の不遇な生い立ちと犯行の関連性について、判決は「大きく影響したとは認められない」と判断し、自身の都合を優先させたとしたが、独善的なのはどっちか。自民はきのう、次期衆院選の第1次公認候補284人を発表。教団と関係した議員も、裏金議員も、ロクに説明もしないのに「禊は済んだ」とばかりに名を連ねている。争点化せずにまんまと再選させようものなら、連中の思うツボだ。
牧島元IT相に「思想講義」
統一教会問題を追及する新たな材料になっているのが、韓国発の教団内部文書「TM(トゥルーマザー)特別報告」だ。日本側の2代前の会長だった徳野英治氏が18年から22年にかけ、「真の母」と呼ばれる韓鶴子に政界工作などを報告したもの。21年10月の衆院選後には「我々が応援した国会議員の総数は、自民党だけで290人に達する」と記されている一方、安倍死去から2カ月後の22年9月に自民が公表した自己申告方式の点検結果では、会派に所属する379人のうち、接点があったのは179人だけ。選挙支援を受けるなどして氏名公表されたのは、安倍-徳野面談を6回もアレンジして「エルメスのネクタイ」を贈られたという萩生田光一(東京24区)ら121人にとどまる。
〈我々に近いキーパーソンで今回当選した国会議員たち〉として21年11月に紹介されていたのは萩生田のほか、山際大志郎元経済再生相(神奈川18区)、当選13回を誇る超ベテランの逢沢一郎議員(岡山1区)、国政復帰を目指す武田良太元総務相(福岡11区)ら。教団の悲願だった名称変更が認証された時期に文科相だった浪人中の下村博文元政調会長(東京11区)についても、〈我々と非常に近い人物〉と報告。大なり小なり、点検結果で氏名を公表されている面々だ。非公表の牧島かれん元IT担当相(神奈川17区)については、関連団体が〈思想講義を行いました〉という。
官房副長官と銃撃事件、そして教団支援

「禊は済んだ」わけがない(C)日刊ゲンダイ
銃撃事件の契機となった応援演説の対象だった高市側近もまた、教団の選挙支援を受けていた。内閣発足で官房副長官に抜擢された佐藤啓参院議員(奈良選挙区)だ。裏金議員でもある。
「TM特別報告」によると、教団は当日午前、奈良教区の信者を総動員した出発式を開催。10時から奈良家庭教会で佐藤の応援集会を行ったものの、11時から安倍の応援演説があったため、本人は不在。名代として夫人が参加したという。その後、一部の信者は応援演説を聞くために現場へ向かい、残りの信者は佐藤再選を期す〈電話かけ大会を行っていました〉とある。事件を知り、〈山上徹也が大和郡山教会の所属となっているため、本部の田中会長の指示により、会員記録を削除しました〉とも書かれている。
年明け、山上と2回接見したジャーナリストの鈴木エイト氏はこう言う。
「殺害は正当化されませんが、安倍元首相は政治家として一点の曇りがなかったと言えるのか。山上被告の公判が始まる前に『TM特別報告』の存在が明るみに出ていれば、判決内容に少なからず影響を与えた可能性がある。山上被告は社会から排除され、教団と癒着してきた政治家はシレッと表舞台で活動を続けるのはいびつです。佐藤官房副長官は教団との関係について口を閉ざしてる。説明責任を果たす必要があります。もっとも、自民党に自浄作用は期待できない。選挙戦に突入すれば、公平性を意識するメディアは関連報道を自粛するでしょうが、ウヤムヤにしていい問題ではありません」
山上公判に検察側証人として出廷した佐藤は、「私のせいで安倍先生が命を失ったという思い。昭恵夫人や安倍家、岸家、山口県民など、多くの安倍先生を慕うみなさんに申し訳ない」「選挙は民主主義の根幹をなす。銃撃は言論を暴力で封殺することで、民主主義への挑戦だ。許すことはできない」などと、怒りをブチまけていた。しかし、教団の支援はおくびにも出さなかったのである。
1次公認に裏金議員37人
自民の1次公認には1年3カ月前の総選挙で非公認だった萩生田をはじめ、旧安倍派を中心とする裏金議員もズラリ。比例重複も認める方向だ。武田や下村ら37人がリストアップされた。
それにしても驚かされるのが、自民の公約だ。「日本列島を、強く豊かに。」がキャッチコピーの政策パンフレットは高市の写真が満載。「総理は写真うつりやレイアウトを非常に気にかけていた」(自民関係者)という。解散表明会見で「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか、いま主権者たる国民の皆さまに決めていただく、それしかない」と力んでいたのは伊達や酔狂ではなく、本気で「高市早苗」を目くらましにしようとしている。高市にも降りかかる「政治とカネ」については、〈禁止よりも公開〉程度しか記載がない。「私に託して」と有権者に迫る異様な独裁志向、ナルシシズムの裏に潜む思惑、危うさ、薄気味悪さ。十八番の「責任ある積極財政」の欺瞞を持ち出すまでもなく、この首相はやることなすこと二枚舌なのだ。
法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう指摘する。
「高市首相が出しては引っ込める2年間限定の食品消費税ゼロを再び出してきたのは、野党への抱きつき。消費税を争点化しないためです。本気でやる気はないから、通常国会で設置予定の『国民会議』で〈実現に向けた検討を加速します〉と逃げを打っている。首相は自身への信任の是非を争点にしようとしていますから、自民党を勝たせれば、首相に白紙委任状を託したも同然になる。フリーハンドを得たと曲解し、国家像を変容させてしまいかねません。推し進めたいのは、外交・安保、インテリジェンスの強化。首相が目指す〈普通の国〉は平和国家とは真逆なのです」
そうして、都合の悪いことはすべて頬かむり。分かり切ったシナリオに踊らされたら、この国はいよいよ取り返しのつかないところに突き進む。
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