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ウクライナで戦っているのはロシアとNATOであり、ロシアにとって祖国防衛戦争
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202507130000/
2025.07.13 櫻井ジャーナル
ロシア軍は7月4日にキエフを激しく攻撃して以来、ウクライナに対する攻撃を激化させている。7月4日には一晩に数百機のドローンとミサイルが投入されたという。その目標はウクライナ軍の基地だけでなく、NATO軍の施設も含まれ、NATO加盟国の軍人が死亡したとも伝えられている。ロシアにとってこの戦争の真の相手はNATOにほかならない。
この戦争は2022年2月24日に始まったとされている。実際は2014年2月にアメリカのバラク・オバマ政権がキエフでクーデターを成功させたところから始まった。
2月24日にロシア軍がウクライナの軍事基地や生物化学兵器の研究開発施設などをミサイルで攻撃しはじめるが、その直後からイスラエルやトルコを仲介役とする停戦交渉が始まり、実現しそうだった。仲介役のひとりだったイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットは交渉の内容を長時間のインタビューで詳しく話している。
ベネットは2022年3月5日にモスクワへ飛んでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を殺害しないという約束をとりつけることに成功、その足でベネットはドイツへ向かってオラフ・ショルツ首相と会っている。
その3月5日、SBU(ウクライナ保安庁)のメンバーがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームで中心的な役割を果たしていたデニス・キリーエフを射殺した。クーデター後、SBUはCIAの配下で活動している治安機関だ。
停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われ、やはり停戦でほぼ合意に達している。その際に仮調印されているのだが、その文書をプーチン大統領はアフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問した際に示している。
2023年6月17日に会談した際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示しているのだ。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。
それに対し、2022年4月9日、イギリスの首相だったボリス・ジョンソンがキエフへ乗り込み、ロシアとの停戦交渉を止めるように命令(ココやココ)、その後も姿勢を変えることはなかった。
4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。こうした動きを見てロシア政府は話し合いで問題を解決できないと腹を括ったようで、2022年9月に部分的動員を発表した。
アメリカ/NATOは2014年から22年にかけてキエフのクーデター体制の戦力を増強、反クーデター軍が支配する東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)に対する大規模な攻撃を計画していたが、その直前にロシア軍が動いたのだ。
当初、ウクライナ軍の戦力はロシア軍の数倍あったと言われているものの、戦況はロシア軍が有利。アメリカが兵器を供給するものの、兵力が減少していき、イギリスの国防相を務めていたベン・ウォレスは2023年10月1日にテレグラフ紙へ寄稿した論稿の中で、ウクライナ兵の平均年齢はすでに40歳を超えていると指摘していた。現在の状況は当時よりはるかに状況は悪化、徴兵担当者が街中で男性の通行人を拉致する様子が撮影され、世界に発信されている。
そうしたこともあるのか、最近はウクライナで活動するNATO加盟国の軍人が増えているようで、ロシア軍はそうした軍人も攻撃の対象にしている。停戦が実現すれば、その間にウクライナ側へ兵器を供給するだけでなく、NATO各国の軍人を入れようとしていたが、ミンスク合意で煮湯を飲まされたロシア政府はその手に乗らない。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの政府がイライラしているのは、そのためだろう。
テロ攻撃で対抗するしかなくなっているNATO側は今年6月1日、SBUを使い、ロシア領内のレニャ(ムルマンスク)、ベラヤ(イルクーツク)、イバノボ(イバノボ)、ディアギレフ(リャザン)、ウクラインカ(アムール)の戦略核基地をドローンやミサイルで攻撃した。
ドローンやミサイルは大半がロシア領内から発射されたと見られているが、この攻撃には地上の工作員だけでなく、協力者のネットワークや衛星を利用した情報収集や誘導が必要。アメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6が支援した可能性が高い。
アメリカやイギリスをはじめとする西側諸国は、1991年12月にソ連が消滅した段階で「勝った」と信じ、ロシアを含む旧ソ連圏を食い物にする一方、世界を制覇するプロジェクトをスタートさせた。それを本格化させたのが2001年9月11日の出来事にほかならない。
ところが、その直後からそうした目論見が崩れ始める。ウラジミル・プーチンを中心にして、ロシアが再独立を実現してしまったのだ。ロシアを屈服させたという前提で始まった世界制覇プロジェクトは揺らぎ始めるのだが、プロジェクトを始めたネオコンたちはロシアを再植民地化しようとしはじめ、ロシアは防衛戦争を始めたわけだ。
ロシアを制覇しようとする計画がイギリスに現れるのは、遅くとも19世紀のこと。ブリティッシュ・イスラエル主義と帝国主義が一体化、イギリス政府は1838年にエルサレムで領事館を建設、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査、イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収した。
そのディズレーリが書いた小説『コニングスビー』の中に、次のようなことが書いてある。
「(ジョン・)ハムデン(オリバー・クロムウェルの従兄弟)による最初の運動から1688年の最後の最も成功した運動(名誉革命)に至るまで、イングランドにおけるホイッグ党指導者たちの最大の目的はベネツィア共和国をモデルとした高貴な貴族制の共和国をイングランドに樹立することであり、当時のあらゆる思索的な政治家がそれを研究し称賛することだった。」
名誉革命以降、イギリスは寡占体制になり、それは西ヨーロッパ全域に広がった。アメリカもEUもそうした体制だ。ドナルド・トランプには「大統領」というタグがつけられているが、そうした体制の中で彼は権力者として振る舞うことはできない。
体制を動かしているネットワークはロシアや中国を制圧、世界を支配するという長期戦略を持っている。これを放棄することはない。そうした勢力とロシアはウクライナで戦っているのであり、どちらかが滅びない限り、戦争が今年で終わることはない。ロシア政府はそう認識しているはずで、長期戦の構えだ。西側諸国もわかっているだろうが、問題はロシアに押されている現状。日本に対しても、ロシアや中国と敵対しろと圧力をかけてくるだろうが、それに従うと日本は滅ぶ。
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