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ロシア軍の進撃を止められないトランプ大統領は必死のパフォーマンス
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202507310000/
2025.07.31 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプ米大統領は7月28日、停戦合意の期限を50日ではなく10日から12日後に短縮すると発表した。この要求をウラジミル・プーチン露大統領が呑まなければ、ロシアからの輸入品に100%の関税を課すとともに、ロシアとの取引を継続する国や企業に対して二次的な制裁を課すという脅しだが、この脅しに効果があるとは思えない。
期限を短縮した理由はウクライナ情勢の急速な悪化にあると考える人は少なくない。ロシア軍は自軍の犠牲者を極力少なくするような作戦を展開、じっくり余裕をもって攻めてきたが、要衝を次々と陥落させ、進撃のスピードは速まっている。できるだけ早い段階に何らかのアクションをアメリカ政府は起こしたいのかもしれないが、ロシア軍には関係のない話だ。
そうした中、ロシアの対外情報局SVRは、キエフ政権のキリロ・ブダノフ国防情報局長、アンドリー・イェルマーク大統領府長官、バレリー・ザルジニー駐英大使がアルプス山脈で秘密会合を開き、ウォロディミル・ゼレンスキーの後任をザルジニーにするかどうかについて協議したと発表した。キエフ政権側はこの主張を否定しているが、イギリスなど西側にゼレンスキーを支持する勢力が存在することは間違いない。
ザルジニーは2023年末、エコノミスト誌のインタビューでキエフ側の反撃は失敗したと認めてゼレンスキーと対立、24年2月8日には最高司令官の職を解かれ、ロンドンへ追放されている。西側に押し付けられた作戦は失敗したと考える彼はジョー・バイデン米政権の意向に背き、兵士の犠牲を少なくする作戦を採用しようとしていた。
エコノミスト誌はイギリスの金融界と関係が深く、2023年末の段階でゼレンスキーからザルジニーへ交代させようと考える勢力が西側には存在していたと言える。2022年7月にゼレンスキーの妻、オレーナ・ゼレンシカをアメリカのファッション誌VOGUEが取り上げているが、今月、VOGUEウクライナはザルジニーを取り上げたことにも意味はあるだろう。
ミンスク合意で煮湯を飲まされたロシア政府が停戦に応じないため、欧米の私的権力が目論んだウクライナでの利権が減少している。トランプの焦りはそのあたりから出ているのだろうが、敗北が目前に迫っているということになると、戦争の継続が難しくなる。兵器も兵士も不足している現状ではNATOにうつ手はないのだが、ウクライナを利用して少しでもロシアを疲弊させたいと願う人たちもいる。ナチスが始めたバルバロッサ作戦でソ連は疲弊、結局、消滅するまで立ち直れなかった。同じようにロシアを疲弊させたいのかもしれないが、実現しそうにない。
それでもそうした幻想に浸っている人はいるようで、アメリカの情報機関の内部からロシア軍が疲弊しているという話が出てくる。ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、ロシア軍の死傷者数は2022年2月から200万人だとアメリカの軍や情報機関は主張しているようだが、これは現実からかけ離れた数字だと元CIA分析官のラリー・ジョンソンは分析している。
訓練された正規軍の兵士は農民に取って代わられ、優秀な中級将校と下士官は皆戦死、最新式の装甲車両と戦闘車両はすべてガラクタだというのだが、ロシア軍が余裕を持って戦っていることは戦況を見れば明白で、欧米の兵器はロシア軍の兵器に圧倒されている。欧米の生産力がロシアより劣っていることは西側でも認められている。
ラリー・ジョンソンの分析によると、現在戦闘に参加しているロシア軍の兵力は113万5000人から132万人。2022年2月から徴兵されたり契約を結んだ兵士は、退役、契約満了、死傷などがなかったと仮定するならば242万0500人。足りない人数は128万人から110万人ということになるが、実態は半分程度だろう。いずれにしろ、200万人ということはありえない。死亡者と負傷者の比率は1対4とされているので、戦死者数は最大で22万人から25万人、実態は12万人強だとみられている。この戦死者数に基づくと負傷者数は48万人、合計すると60万人だ。祖国防衛戦争を戦うロシア側の士気は高い。
ウクライナでは徴兵担当者が街中で男性を拉致、そうした様子を撮影した少なからぬ映像が世界に発信、最近では家から引き摺り出される様子も撮影されている。拉致された人は十分な訓練を受けないまま前線に送られ、数週間で戦死すると報告されている。
ウクライナの兵士不足は2023年の段階ですでに深刻で、この年の8月31日までイギリスの国防大臣を務めていたベン・ウォレスは同年10月1日、テレグラフ紙に寄稿した論稿の中でウクライナ兵の平均年齢はすでに40歳を超えていると指摘している。その後、状況はさらに悪化している。
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