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田中宇の国際ニュース解説 無料版 2025年8月19日 https://tanakanews.com/
■Perplexity AI要約
ウクライナ戦争は、長期化によって英国や西欧が自滅するため、トランプとプーチンのこれまでの長期化戦略から方針が転換し、ウクライナが親露に転向することで終結に向かっていると分析されています。
ゼレンスキーは、自身の延命を最重要視しており、ドンバスとクリミアがロシア領であることを認め、見返りにロシア主導の多極型国際機構から安全保障を得ることで、戦争を終わらせることに合意しました。これにより、戦後のウクライナはロシアの傘下に戻ることになります。
この新しい国際機構による安全保障案は、2022年3月の「イスタンブール協定」に盛り込まれていた内容を格上げしたものです。トランプは、米国をウクライナ戦争から引き抜き、英欧に対し、この案を受け入れるか、米国抜きで戦争を続けるかの二者択一を迫りました。英欧に単独で戦争を続ける余力がないため、トランプ案が受け入れられ、英国も同意せざるを得ない状況でした。今後、トランプ、プーチン、ゼレンスキーの三者会談が数週間以内に行われると報じられています。
■全文
ウクライナ戦争は、長期化するほど、これまで米覇権の黒幕だった英国やその傀儡である西欧(総称して英国系)が政治経済の両面で自滅していく。
そのため、既存の米覇権体制を壊して世界を多極型に転換させたいトランプとプーチンは、ウクライナ戦争を早く終わらせたいと言いつつ、実際は長期化するつもりだと私は分析してきた。8月15日のアラスカでの米露首脳会談についても、私はその線で見ていた。
だが8月18日、ゼレンスキーと英仏独伊など欧州の首脳たちが大挙して訪米してトランプと話し合った後のトランプやゼレンスキーの言動を見ると、今回の米露首脳会談に関する私の分析が間違っていたと感じられる。
https://tanakanews.com/250812putin.htm
米露首脳会談を今やる意味
ゼレンスキーは、自分の政治的・生物的な延命を最重要に考えている。トランプとプーチンは、これまでウクライナ戦争の長期化を画策してきたが、今回方針を大転換し、ゼレンスキーを誘って延命させる代わりに、ゼレンスキーはドンバスとクリミアがロシア領になったことを認め、見返りにロシアなどから(自分と国家の)安全を保障してもらい、ウクライナ戦争を終わらせることにした。
これから、戦後のウクライナの安全を保障するため、国連P5(米露中英仏)を中心とした多極型の国際機構を新たに作る。冷戦型(露敵視)のNATOでなく、多極型の新機構がウクライナに安全を与える。
新機構の主導役はロシアだ。要するに、戦後のウクライナはロシアの傘下に戻る。ゼレンスキーは当面、戦後のウクライナの大統領として延命する。
https://www.moonofalabama.org/2025/08/europe-demands-security-guarantees-for-ukraine-russia-can-give-those.html
Europe Demands 'Security Guarantees' For Ukraine ... Russia Can Give Those
https://www.rt.com/news/623235-trump-putin-ukraine-guarantees/
Putin has agreed to ‘security guarantees’ for Ukraine - Trump
これらのことは、まだ発表されていないが、あちこちに片鱗が見える。首脳たちが「ウクライナはNATOに加盟しないが、NATOの5条のような形でのウクライナへの安全保障の付与は行う」と表明している。8月18日のトランプとゼレンスキーらの会合の主な議題が、終戦後のウクライナへの安全保障のやり方についてだったことも報じられている。
https://responsiblestatecraft.org/security-guarantees-ukraine/
'Security guarantees' take center stage at White House meetings
https://responsiblestatecraft.org/white-house-meeting-zelensky/
Zelensky White House meeting today could spell end of the war
新機構を作ってウクライナの安全を保障する案は、開戦から1か月後の2022年3月末にロシアが提案し、ウクライナもいったん同意したが英国の横やりが入って拒絶に転じた「イスタンブール協定」の中に、すでに盛り込まれていた。
https://www.glostat.com/documents-countries/main-provisions-of-treaty-on-ukraines-security-guarantees-istanbul-communiqu%C3%A9-2022/
Main Provisions of the Treaty on Ukraine's Security Guarantees (Istanbul Communiqu?) (2022)
トランプやマクロンは、トランプとプーチンとゼレンスキーの三者会談が、数週間以内に行われると言っている。その会談をいつどこでやるかを相談するために、トランプがゼレンスキーらとの会合を中座してプーチンに電話して40分間話し合ったと報じられている。
https://tass.com/world/2004383
EU, US expect Putin-Zelensky meeting to take place soon
https://www.rt.com/russia/623249-trump-putin-call/
Trump puts European leaders on hold to talk with Putin
ロシアは、開戦直後から断続的に行われてきたイスタンブールでのウクライナとの交渉の体制を格上げして、今後の三者会談の枠組みとして使いたいと言っている。
今後いきなりトランプとプーチンとゼレンスキーが会うのでなく、先にイスタンブール交渉を再開して露ウクライナ間で実務者協議をして概要を決めてから首脳鼎談することになるかもしれない。
https://www.jpost.com/international/article-864609
Trump interrupts Ukraine talks with European leaders to call Putin
ゼレンスキーは、トランプが大統領に返り咲いてから何度か会ってきたが、8月18日の会合が一番良い会合だったと話している。
もしかするとゼレンスキーは、以前からトランプに、ウクライナをロシアの傘下に戻す形で戦争を終結したいと非公式に提案していたが、トランプやプーチンは、英欧がもっと自滅するまでウクライナ戦争を続けたいので無視していたのかもしれない。
https://www.rt.com/russia/623261-zelensky-best-meeting-trump/
Zelensky hails ‘best’ meeting with Trump
トランプは再就任後、米国をウクライナ戦争から引き抜いて、英仏独EUなど欧州の英国系だけがウクライナ支援とロシア敵視を続ける構図に移行する作業を続けてきた。
英欧は、自分たちだけでウクライナ戦争を背負うと、財政的・経済的に破綻してしまうのでやりたくない。できない。
トランプは、英欧の反対を押し切って、ウクライナ戦争からの米引き抜きと英欧化をどんどん進め、8月15日には勝手にプーチンをアラスカに呼んで野合してしまった。突然、世界の中心に米露の協調体制が出現した。
https://tanakanews.com/250817trump.php
米露協調体制の確立
トランプは、ウクライナの戦争終結に関するプーチンの要求をすべて入れた終戦案を自分の案としてゼレンスキーや英欧に提示した。
ドンバスとクリミアの公式なロシア領化、ウクライナの非武装化と中立化(露側が言うところの非ナチ化)、ロシア主導の多極型国際機構によるウクライナへの安保付与などだ。
トランプはゼレンスキーや英欧に対し、この案に沿って終戦するか、この案を拒否して米国抜きで(米国から高価な兵器を買い続けて)ロシアと戦争し続ける(そして英欧は財政破綻する。米国は諜報面でロシアを支援する)のか、二者択一を迫った。
米国抜きで、英欧は勝てない。英欧とゼレンスキーは、トランプ案を受け入れて終戦する道を選んだ。
https://www.kunstler.com/p/an-offer-he-cant-refuse
An Offer He Can't Refuse
英国のスターマー首相は、ゼレンスキーに同行して訪米しつつ、トランプにどう対処するかゼレンスキーに教授していたと露側で報じられている。
英国は今回、ウクライナがロシア傘下に戻ることに同意したのか?。それとも、英国自身は猛反対したが、独仏伊など他の欧州諸国がトランプ案を受け入れたので、孤立を避けるためにやむをえず同意したとか?。
https://www.rt.com/news/623252-keir-coached-zelensky-trump/
Starmer instructed Zelensky how to behave around Trump
実のところ、スターマーにも選択肢はなかった。就任から3か月しか経っていないのに、スターマーの支持率はどんどん落ちており、英国は総選挙の前倒しが求められている。
諜報界のリクード系(反英派)が英国の左翼やイスラム主義者(移民)を過激化して社会の破壊を進めた結果、英国は草の根右派と左派・イスラム過激派との内戦が近いと指摘されている。
英国自身、米国抜きでウクライナを支援してロシア敵視を続ける余力はもうない。
https://modernity.news/2025/08/16/british-army-colonel-civil-war-is-coming/
British Army Colonel: Civil War Is Coming
ウクライナは、冷戦終結で崩壊したソ連から分離独立した後、親ロシアと親西欧(英国系)との間を行ったり来たりしてきた。
ウクライナは今回、多大な犠牲をはらって親西欧の動き(ウクライナ人が決めたのでなく英国系が政権転覆して引っ張った)をして失敗し、これから親露の方向に戻っていく。
ウクライナは、英国系の傘下にいるより、ロシアの傘下にいる方がましだ。日本人の多数を占める「うっかり英傀儡」の人々には理解不能だろうが。
https://tanakanews.com/250814russia.htm
米露対話と日本
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/250819ukrain.htm
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