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ロシア軍に包囲されているポクロフスクの中にCIAの上級工作員がいる可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202511040000/
2025.11.04 櫻井ジャーナル
ウクライナ東部の都市で兵站の要衝としても知られているポクロフスクをロシア軍は包囲、残されたわずかな隙間から脱出を試みるウクライナ兵もいるが、全て阻止されていると伝えられている。降伏するか戦死するしかない状態なのだが、そこへウクライナの情報機関GUR(国防省情報総局)が特殊部隊をUH-60Aブラック・ホークで運び、不思議に思う人が少なくなかった。
まず10月28日にGURの特殊部隊11名。この部隊のメンバーがヘリコプターから降り、ロシア軍に殲滅される様子をロシア軍の偵察ドローンが撮影している。10月30日には2機のブラックホークで約20名から24名の特殊部隊員を送り込んだが、最初のケースと同じように殲滅されている。
こうした無謀な作戦を強行したのは、それでも救出を試みなければならない人物、あるいはグループが包囲網の内部にいるからだと考えられている。
NATOの将校という見方もあるが、元CIA分析官のラリー・ジョンソンは、作戦を指揮したのがキリーロ・ブダノフGUR総局長であり、GURは事実上CIAの下部機関であることから、CIAの準軍事組織に属す複数の上級エージェントが閉じ込められていると推測している。ロシア軍は10月下旬までにポクロフスクの約80%を制圧していることから、救出できないと、中にいる人たちは捕虜になるか戦死する可能性が高い。CIAの上級エージェントが拘束されることをドナルド・トランプ政権は望まないだろう。
ちなみに今年8月2日、ロシアのスペツナズ(特殊部隊)はオデッサに近いオチャコフでイギリス陸軍のエドワード・ブレイク大佐とリチャード・キャロル中佐、そしてMI6の工作員ひとりを拘束している。ロシア深奥部に対するミサイル攻撃やテロ攻撃はイギリスの情報機関が指揮していると言われているが、そのMI6はオデッサを拠点にしている。
ベトナム戦争の時に明確になったが、アメリカには二つの戦闘組織が存在している。ひとつ正規軍であり、もうひとつは情報機関と特殊部隊で、指揮系統は全く別だ。1968年3月に南ベトナムのソンミ村でアメリカ陸軍のウィリアム・カリー大尉が率いる小隊に農民が虐殺されたが、これは情報機関と特殊部隊が展開していた農民皆殺し作戦「フェニックス・プログラム」の一環だった。このプログラムを実行したCIAの秘密工作部門は東南アジアのケシを材料にして製造されたヘロインの密輸で資金を稼いでいた。
この作戦が始まったのは、ベトナム戦争が泥沼化した1967年。リンドン・ジョンソン大統領、ディーン・ラスク国務長官、ロバート・マクナマラ国防長官、ジョージ・クリスチャン報道官、ウオルト・ロストウ国家安全保障補佐官、そしてNSC(国家安全保障会議)に所属していたCIAのロバート・コマーが話し合った結果だ。
その直後にコマーはサイゴンへ入り、CIAとMACV(ベトナム軍事支援司令部)が共同でICEXを始動させ、エバン・パーカーを責任者に選んだ。このICEXはすぐに「フェニックス・プログラム」と呼ばれるようになった。その実働部隊としてCIAはPRU(地域偵察部隊)という傭兵部隊を組織している。
SEALs(アメリカ海軍の特殊部隊)の隊員だったマイク・ビーモンによると、PRUを構成していたのは殺人やレイプ、窃盗、暴行などで投獄されていた囚人たちが中心で、フェニックスは「ベトコンの村システムの基盤を崩壊させるため、注意深く計画されたプログラム」だという。
アメリカでCIAと特殊部隊が緊密な関係にあるのは第2次世界大戦中に設置された組織に起因している。
大戦でドイツ軍の主力はソ連へ攻め込んだが、西側に残った僅かな戦力と戦ったのはレジスタンスだった。西側でドイツと戦った国は存在しない。
東部戦線での戦いは1943年2月にスターリングラードでドイツ軍がソ連軍に降伏した時点で勝敗の帰趨は明らかだった。ソ連がドイツへ向かうことだけでなく、レジスタンスの影響力が強くなることが予想されたのだが、レジスタンスの主力はコミュニストだ。そこでイギリスのSOE(特殊作戦執行部)とアメリカのOSS(戦略情報局)内のSOはゲリラ戦部隊のジェドバラを編成する準備を1943年12月にスタートさせ、翌年にフランスで編成された。
大戦後にOSSは廃止されるが、ジェドバラ人脈は生き残り、アメリカでは破壊工作機関OPCや特殊部隊へ流れた。OPCは1950年10月にCIAへ吸収され、翌年1月にはSOを指揮していたアレン・ダレスがCIAは副長官として乗り込んできた。この人脈はNATOの内部へも入り込んだ。このジェドバラ人脈は現在、ウクライナでロシア軍と戦っている。
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【櫻井ジャーナル(note)】
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