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奇襲攻撃でイランの体制転覆に失敗した米国の敗北を隠しきれなくなっている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202604270000/
2026.04.27 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプ大統領は繰り返しイランに勝利したと宣言しているが、イランからイスラエルや西アジアにあるアメリカ軍基地に対するミサイルとドローンによる攻撃は弱まらない。最近ではアメリカの大手メディアもイランが西アジアのアメリカ軍基地に与えた被害はアメリカ政府が公式に認めている以上に深刻だと認めている。イランに対する新たな軍事攻撃はアメリカ軍にとって大惨事になる。
4月25日時点でイランがホルムズ海峡を通過させたのは同国が許可した中国の石油タンカーやギリシャの貨物船など5隻だけで、アメリカの制裁対象になっているイラン船籍のばら積み貨物船もトランスポンダーを作動させた状態で中国に向けて海峡を抜けたと伝えられている。
アメリカ海軍はこの地域へ空母エイブラハム・リンカーンと空母ジェラルド・R・フォードを派遣していたが、空母ジェラルド・R・フォードは船内で大規模な火災が発生して離脱、修理には1年以上かかると言われている。そこで空母ジョージ・H・W・ブッシュを代わりに派遣した。
空母エイブラハム・リンカーンは3月にイラン南部沿岸から約340キロメートルの地点まで接近したものの、イラン軍のミサイルとドローンによる攻撃を受け、イラン沿岸から約1100キロメートルの地点まで離れざるをえなくなった。
それに対し、イラン革命防衛隊(IRGC)はホルムズ海峡で大型コンテナ船2隻、パナマ船籍のフランチェスカとリベリア船籍のエパミノンダスを拿捕、イラン領海まで移動させたという。IRGCはこれらの船舶はイスラエルと関係があると主張している。
ホルムズ海峡の航行をコントロールしているのはIRGCであり、アメリカ軍ではないと見られているが、ここにきて海峡の海底にあるケーブルが注目されている。海峡の海底には主要なものだけで7本のケーブルが敷設され、膨大な量のデータを伝送しているが、イランはこれらのケーブルへの依存度が低い。もしイランがこの海底ケーブルを切断した場合、ペルシャ湾岸諸国はインターネットから遮断され、銀行業務は停止、データセンターは機能しなくなり、金融危機を引き起こし、経済を破綻させる。

こうした状況を生み出したのは2月28日にアメリカとイスラエルが実行したイランに対する奇襲攻撃だ。イランの最高指導者を務めていたアヤトラ・アリ・ハメネイ師のほか、アブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、そして最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニを含むイランの要人が殺害されている。
その「斬首攻撃」でイランは屈服するとトランプ大統領は信じていたのだろうが、そうした展開にはならず、イスラエルとアメリカは窮地に陥っている。西側の大手メディアはそうした実態を伝えないが、イランが勝利しているという事実は変えられない。
イスラエルとアメリカを戦争へと向かわせた西側の勢力はウクライナでロシアとの戦争を始めた勢力と重なる。この勢力はユーラシア大陸の周辺部を支配し、内陸部の中国とロシアを締め上げて世界を征服するという長期戦略を持っている。
その手段のひとつがエネルギー資源の支配。バラク・オバマ政権がキエフでクーデターを実行した理由のひとつはロシアから西ヨーロッパへ天然ガスを運ぶパイプラインを抑えることにあった。ロシアから市場を奪い、ヨーロッパから安価なエネルギー資源の供給源をなくすということだ。イランとの戦争はホルムズ海峡の封鎖を招き、世界、特に東アジアへ石油供給を断ち切ることになる。ベネズエラの指導部を買収して同国の油田を奪ったことも目的は同じ。アメリカは石油と天然ガスを今のところ自給できる。
イランの体制転覆はシオニストが計画してきた大イスラエル構想ともつながる。西アジア全域をイスラエルが支配するということで、これはヨーロッパの帝国主義国、イギリスとフランスが結んだサイクス・ピコ協定と重なる。
この協定の存在はロシア十月革命で成立したウラジミル・レーニンを中心とするソ連が明らかにした。1917年11月ことだが、その月にアーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ書簡を出してイスラエル建国への道を切り開いた。いわゆる「バルフォア宣言」だ。1948年5月にイスラエルの建国が宣言された後、イスラエルが西側勢力が西アジアを支配する拠点になる。
現在、イスラエルを支配しているのは、ウラジミール・ジャボチンスキーが創設した「修正主義シオニスト世界連合」の一派。その系譜に属すベンヤミン・ネタニヤフはナイル川からユーフラテス川に至る大イスラエルを創設するという「歴史的かつ精神的な使命」を宣言した。その勢力を支えているのはアメリカのキリスト教シオニスト。キリスト教原理主義者、聖書根本主義者、福音派とも呼ばれている。この宗派はネオコンと同じく1970年代に台頭した。
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