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日本へ引き渡す予定の巡航ミサイルを米国はイランを攻撃するために配備
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2026.05.05 櫻井ジャーナル
自衛隊は5月4日、フィリピンでアメリカ軍やフィリピン軍の合同軍事演習「バリカタン」に参加、3カ国合計約800名のうち約40名は陸上自衛隊の「水陸機動団」に所属する隊員だったという。2024年3月に陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を一元的に指揮する常設組織として統合作戦司令部が編成されて以降、自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入ったと考えられている。アメリカ軍の下部組織としての演習だと言えるだろう。



2023年2月、防衛大臣だった浜田靖一は自衛隊は亜音速巡航ミサイル「トマホーク」を導入する予定だと発表した。当初の計画では、2026年度と27年度に射程距離1600キロメートルのトマホークを最大400発導入するとしていたが、10月になると木原稔防衛相はアメリカ国防総省でロイド・オースチン国防長官と会談した際に、旧タイプのトマホークを1年前倒しで最大200機購入することを決めたという。
アメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が2022年4月に発表した報告書によると、GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を彼らは持っている。日本は国防総省の計画に基づき、GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を進め、自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させた。中国を攻撃する準備が粛々と進められている。辺野古へ人々の注意を逸らさせる必要はなくなった。
2022年10月になると、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル『トマホーク』の購入を米政府に打診している」とする報道があった。亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。
トマホークは核弾頭を搭載でる亜音速ミサイルで、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートル。核弾頭を搭載することも可能で、中国やロシアの内陸部にある軍事基地や生産拠点を先制攻撃できる。
アメリカでの改修を完了したイージス駆逐艦「鳥海」にトマホークの発射能力が付与されたが、今年4月にアメリカは日本に対し、2028年3月までに納入される予定だった400発のトマホークの引き渡しが遅れると伝えたとされている。アメリカとイスラエルが始めた対イラン戦争でミサイルが枯渇したためだろう。
アメリカは他国を攻撃するためにトマホークを使ってきた。例えば2017年4月、地中海に配備していた2隻の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイルのトマホーク59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射。この攻撃はドナルド・トランプ大統領がフロリダ州で中国の習近平国家主席とチョコレート・ケーキを食べている最中に実行されている。
トランプ大統領は中国を恫喝するつもりだったのだろうが、発射されたミサイルのうち6割が無力化された。恫喝できなかっただけでなく、ロシア製防空システムの優秀さを示すことになり、トランプ政権の思惑は外れた。
その1年後の2018年4月、アメリカ軍はイギリス軍をフランス軍と合同でシリアに対し、100機以上のトマホークを地中海、紅海、ペルシャ湾から発射した。ミサイルの数も倍増させたのだが、7割が無力化されている。この攻撃は板門店で韓国と朝鮮の首脳が会談する13日前に実施された。短距離用防空システムのパーンツィリ-S1が効果的だったと言われている。その後、ロシアの防空はこのコンビネーションが使われているようだ。
アメリカ海軍はイランに対してもトマホークを使ったのだが、イランはロシアの防空システムを使っていない。しかもイランが開発した防空システムも意図的に使わなかった可能性がある。システムやミサイルを地下施設に隠し、アメリカやイスラエルにミサイルを使わせようとしたというのだ。これを「モハメド・アリ戦法」と呼ぶ人もいた。
アメリカとイスラエルがイランを奇襲攻撃した直後、イランからの報復攻撃は始まり、イスラエルの主要都市や西アジアのアメリカ軍基地が大きな損害を受けたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。イランを短時間で屈服させることができなかったアメリカやイスラエルは攻撃用ミサイルも足りなくなる。アメリカが生産できる量の2年間分がすでに消費されたと言われている。そこで、日本へ引き渡す分を西アジアの部隊への補充に回さなければならなくなったわけだ。
日本に配備されるトマホークをアメリカがどのように使うつもりかはイランに対する攻撃を見ると推測できる。中国や朝鮮は日本に配備されるミサイルが自分たちに向いていると考えるはずであり、報復攻撃の準備もするだろう。
その考えに基づき、1992年2月にアメリカ国防総省のDPG(国防計画指針)草案として作成されたネオコンの世界征服プロジェクト、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」の最優先事項は新たなライバルの出現を防ぐことだが、ドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に統合し、民主的な「平和地帯」を創設する、つまりドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、アメリカの支配地域を広げるということも謳われている。ネオコンの計画通りに進んでいる。日本はウクライナやペルシャ湾岸産油国のようになりかねない。
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