http://www.asyura2.com/25/warb26/msg/574.html
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田中宇の国際ニュース解説 無料版 2026年6月8日 https://tanakanews.com/
■要約
イスラエルが米高官をスパイしているとの報道は、両者の対立を装う巧妙な**「演技」だ。実際には、イスラエルは911以降、英国系を排除して米諜報界を完全掌握しており、トランプもその傀儡として動いている。両者の真の狙いは、ホルムズ海峡の閉鎖を恒久化させ、旧来の英国系や中共が好むグローバリズムを破壊し、「米露イスラエル覇権」**という新たな多極型秩序を確立することにある。
この新秩序では、米国の軍事・諜報技術がイスラエルと完全に一体化されることが法制化(NDAA224条)されつつあり、米軍は実質的にイスラエルの支配ツールと化している。表向きの「喧嘩」や「スパイ疑惑」は、こうした覇権転換の真相から大衆の目を逸らすための目くらましに過ぎない。世界は人々が欺かれたまま、イスラエルを隠然たる盟主とする新体制へと塗り替えられているのである。
■本文
イスラエルが米国の対イラン戦略を知るために、トランプ政権の高官たちのスマホに通信傍受(盗聴)アプリを密かにインストールするなどの不正なスパイ行為を激化している。
イスラエルは、トランプ政権の中東担当特使であるスティーブ・ウィトコフらを主な標的にしている。米国の戦争省(国防総省)の諜報部門(DIA)が最近そのような報告書を作成したと報じられている。
https://www.nbcnews.com/politics/national-security/pentagon-raised-threat-israeli-spying-us-highest-level-sources-say-rcna348565
Pentagon raised threat of Israeli spying on U.S. to highest level, sources say
DIAは、世界各国から米国に対するスパイ行為を監視し、必要に応じて段階的な警告を発している。DIAは最近、イスラエルによるスパイ行為について、最高位の危険性を示す警告を発したと、NYタイムスやNBCなどが報じている。
報道について、DIAはノーコメントで、在米イスラエル大使館は真っ赤なウソだと全否定している。
https://www.jpost.com/international/article-898525
Pentagon raises Israel's espionage threat level to 'critical' amid tensions with US
世の中の「常識」として、今のタイミングでイスラエルが米高官たちへのスパイ行為を強めるのは十分あり得る話だ(以下しばらく常識論)。
トランプは、イスラエルから歪曲情報を注入され、快勝できると思い込んでイラン戦争を開始して失敗し、ホルムズ海峡を再開するためにイランと停戦交渉しようともがいている。
イランの現政権を完全破壊するまで停戦したくないイスラエルは、トランプ政権をスパイして対イラン戦略を把握し、先回りして停戦を妨害しようとしている。
https://www.ibtimes.co.uk/pentagon-israel-counterintelligence-threat-iran-war-1801089
America's Closest Ally Israel Branded as Its 'Highest-Level Spy Threat', Pentagon Assessment Reveals
停戦を希求する米国と、停戦したくないイスラエルとの齟齬と対立が激化している。先日は、トランプとネタニヤフが電話会談で大喧嘩した。米国に対するイスラエルのスパイ行為が激化し、あまりにひどいのでDIAが警告を発した。
最強で超親密だった米国とイスラエルの同盟関係が、急速に崩壊している。いずれイスラエルは米国に見放され、イランやヒズボラやハマスに猛反撃され、潰れていくだろう。
無駄にプライドが強いイスラエルは、潰れる前に世界各地に核兵器を撃ち込んで全人類を道連れにするかもしれない。ナチスをはるかに超える極悪な人道犯罪組織であるイスラエルが早く滅ぶよう頑張るしかない。(常識論ここまで)
https://tass.com/world/2143603
Israel goes too far by trying to uncover US position on Iran through espionage
私から見ると、イスラエルが米高官たちをスパイしているのは多分事実だが、トランプとイスラエルはそれも含めて合意している。
イスラエルは1970年代ぐらいから米政府や米議会の主要人物たちをスパイし続けて影響力を強め、911以後は米諜報界を丸ごと乗っ取る(以前の支配者だった英国系を追い出す)動きを進めて完遂している。トランプはその上に乗っている。
https://tanakanews.com/260604iran.htm
計画通りのホルムズ恒久閉鎖
トランプは1期目から、諜報支配を強めるイスラエルに支援されて大統領になった。トランプはもともとイスラエル傀儡でなく、当時の諜報界(DS)を支配していた英国系と戦うために立候補した。
トランプ以前のオバマ大統領(民主党)は英国系で、イスラエルの諜報支配と戦って負けた。2016年の大統領選に際し、民主党候補になったヒラリー・クリントンがイスラエルにすり寄って傀儡化したため、オバマはDNC(民主党本部)サーバー機密漏洩事件を暴露してヒラリーを潰し、ライバルのはずのトランプを勝たせた。
https://tanakanews.com/161103clinton.php
土壇場のクリントン潰し
オバマは同時に、トランプが対露和解して英国系支配の中心構造だったロシア敵視の冷戦構造を破壊するのを妨害するため、ロシアゲートの濡れ衣を据えた。トランプは、それを逆手に取り、今でも表向き米露対立を維持しつつ、裏で米露隠然同盟を構築している)
https://tanakanews.com/170108hack.php
トランプと諜報機関の戦い
オバマは、イスラエル傀儡のヒラリーよりも、反英国系のトランプの方がましだと考えたのだろうが、当選後のトランプはしだいにイスラエルと折り合って取り込まれ、返り咲いた2期目は完全にイスラエル傀儡となった(イスラエルは、2024年の選挙の1年前にトランプと話をつけ、今に続くイスラエル覇権拡大の端緒となるガザ戦争を開始した)。
https://tanakanews.com/260302libe.php
英国系からリクード系に変わる世界
こうした10年余りの歴史を見ると、米高官に対するイスラエルのスパイ行為の強まりを問題にするなんて、何をいまさらな感じがする。
標的にされているウィトコフは、トランプ女婿のクシュナーと合わせ、トランプの特使というよりも「トランプがイスラエルに貸し出している特使」だ。
https://tanakanews.com/250807russia.htm
ウソの敵対を演じる米露
イスラエルは自国の覇権拡大のため、米国だけでなくロシアやアラブ諸国との交渉が必要になっていたが、ウィトコフとクシュナーは、ロシアやアラブ諸国との交渉も手掛けてきた。2人は表向きトランプの特使だが、実はイスラエルの意志をトランプに伝えるネタニヤフの特使に近い。クシュナーがユダヤ人だから云々という話は浅薄だ。
https://tanakanews.com/250412iran.htm
イランと和解するトランプ<この題名からして私自身も騙されて浅薄だが>
ウィトコフらは表向きトランプの代理として、実際はイスラエルの代理として、プーチンやサウジのMbSと会っていた。ウィトコフとプーチンは、ウクライナ問題を話し合うと言って会い、実際はロシアとイラン(やアサドやヒズボラ)との関係について話していたと考えられる。
プーチンは、シリアのアサド転覆への協力など、イスラエルの意向を機微に十分に汲み取ってくれたので、いま立ち上がってきた米露イスラエル覇権体制の一翼を担い(中共の自主的な縮小と対照的に)ロシアの優勢が増している。これは、トランプの協力があったからでもある。
https://tanakanews.com/260606oil2.php
米露資源同盟の台頭
疑り深いイスラエルは、ウィトコフやクシュナーを通信傍受し続けてきただろう。しかし、それは諜報界のプロトコル(しきたり、仕様)の一つであり、当事者間で目くじらを立てる対象でない。
(諜報界は全人類のスマホを好き放題に通信傍受できるが、ほとんどの人はそれを甘受している)
これまで何度も書いているが、イラン戦争でイランの好戦的な革命防衛隊の政権が、軍事的に弱体化されただけで潰れずに残り、好戦的なイランが米国との交渉で譲歩を拒否してホルムズ閉鎖を長引かせているのは、トランプとイスラエルが開戦前から話し合って決めた意図的な戦略だ。
https://tanakanews.com/260421iran.htm
イラン強硬派政権を弱めた上で永続させる?
ホルムズ閉鎖の恒久化により、エネルギー主導で世界の政治経済の構造を転換し、米露イスラエル覇権体制を強化するのが戦略の意図だろう。
世界はトランプに対し「早くホルムズ海峡を再開してくれ」と懇願・加圧し続けるが、それを煙に巻くための新たな目くらましが「好戦的なイスラエルが、トランプの対イラン交渉を妨害している」という演技だ。
https://tanakanews.com/260511iran.htm
ずっと続くイラン戦争
この方向性の演技は繰り返し演じられ、人々やマスコミ権威筋の軽信や怒りを誘発し続ける。トランプとネタニヤフが電話会談で大喧嘩したとか、トランプがその大喧嘩を記者に問われて認めたとか、事実っぽく演技が厚塗りされていく。
https://www.rt.com/news/640942-trump-netanyahu-lebanon-iran/
Trump confirms calling Netanyahu 'f***ing crazy'
トランプは悪乗りして、モジタバ・ハメネイと会うつもりがあると言ったりもしている。モジタバが実はもう生きていないとしたら、トランプやネタニヤフはそれを知っているだろうから、なかなかのジョークになる。
https://www.zerohedge.com/geopolitical/trump-says-hed-meet-irans-new-supreme-leader-we-probably-will
Trump Says He'd Like To Meet Iran's New Supreme Leader: 'We Probably Will'
米国は覇権国としてグローバリズム(世界一体市場)を維持したいはずだから、トランプがホルムズ閉鎖を放置したいはずがない、という指摘もある。
だが、実のところグローバリズムは、一つ前の英国系の米単独覇権の勢力(や、その分割された非米側を主導した中共やBRICS)が好んだ構造であり、英国系(や中共)を押しのけて出てきた米露イスラエルが求めるところでない。
米イスラエルは、グローバリズムを潰すためにホルムズ閉鎖を恒久化している。覇権構造の転換は隠然と進行しており、マスコミ権威筋(=英傀儡)もほとんど気づいていないから、昔の構図で分析してしまう。
https://tanakanews.com/260426iran.htm
イラン戦争は英国系潰し、グローバリズムの破断策
今回の「イスラエルが米高官をスパイしている。けしからん」という話は、米諜報界にまだ潜んでいる英国系のあぶり出し策も兼ねているだろう。流れに便乗して「そうだそうだ、けしからん」と言ってしまうと、英国系として疑われ、無力化されていく道に入る。
https://www.zerohedge.com/geopolitical/has-trump-opened-pandoras-box
Has Trump Opened Pandora's Box?
「常識論」の範疇では、米国とイスラエルの齟齬対立が強まっているが、現実はその正反対の方向に進んでいる。米国とイスラエルは、軍事や諜報の分野で、対立するどころか一体化を強めている。イスラエルによる米軍の乗っ取りが進んでいる。
米イスラエルの軍事一体化は、米議会下院で審議中の「2027年度防衛権限法案」(NDAA)の224条に盛り込まれている。
https://responsiblestatecraft.org/us-israel-military-congress/
Pro-Israel voices win out, kill bill to stop US-Israel military integration
その本質は、イスラエルが米国の軍事と諜報に関する技術や情報を自由に取っていけるようにするものだ。軍事部門のAIや自動化、バイオ=生物化学兵器、インターネット上の攻撃防御や情報操作など、最先端を含むすべての軍事諜報の技術と情報が含まれる。
https://en.wikipedia.org/wiki/United_States-Israel_FUTURES_Act
United States-Israel FUTURES Act - Wikipedia
イスラエルは以前から米諜報界を乗っ取っており、米国の軍事と諜報の全情報を好きなように取っていけた。イスラエルは2024年後半、ヒズボラの指導者ナスララをピンポイント攻撃で殺し、シリアのアサド政権を傀儡化したアルカイダ(HTS)に政権転覆させたが、それらは米諜報をこっそり自由に取れたから実現できた。
今回のNDAA224条は、それを正式な米国の法律として制度化、恒久化する。トランプが任期満了して次(やその次)の政権になっても継続される。
https://responsiblestatecraft.org/us-israel-integration/
US-Israel integration is far from 'America First'
米軍がイスラエルを守るというより、イスラエルが米軍のちからを自分のものにして、中東などイスラエルの覇権地域(アフリカ北半分、コーカサス、東地中海など)を支配する。
ホルムズ海峡を閉鎖するイランの革命防衛隊政権は、イスラエルの支配体制を強化するために、今後も延命していく。
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/260608israel.htm
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