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※紙面抜粋
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本丸は「積極財政」より「憲法改正」 美辞麗句が散らばった高市施政方針演説の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/384454
2026/02/21 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

作り笑いで欺瞞を隠す(C)日刊ゲンダイ
成長のスイッチを押して押して、と強調していたが、積極財政によるインフレ政策で庶民生活はどうなるのか。後半に押し込められたタカ派政策こそ、高市政治の本質ではないのか。皇室典範に急いで踏み込む野望の政治家が高市早苗。
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「とにかく成長のスイッチを押して! 押して! 押して! 押して! 押しまくってまいります!!」──。高市首相が作り笑いを一転させ、“どや顔”で力説を畳みかけると、自民党が戦後最多316議席を占める衆院本会議場は割れんばかりの拍手に包まれた。
高市は20日の施政方針演説で砕けた表現を多用し、「旋風」の一因となった「飾らない姿勢」を改めてアピール。「国民から力強く背中を押していただけた」と、歴史的大勝で得た強固な政権基盤を背景に、自信たっぷりで「国論二分」の政策実現に突き進む姿勢を全開にした。
約50分、文字数にして約1万2900字と平成以降3番目に長い今回の演説で強調したのが「強い経済」の実現だ。本人が「かなり赤ペンを入れた」(首相周辺)という原稿には「強い経済」が計5回も登場した。その実現に向け、高市は「政策の在り方を根本的に転換してまいります」と宣言。国内投資促進の「本丸」に掲げたのが、毎度おなじみの「責任ある積極財政」である。
「責任」「積極」という言葉は力強く響くかもしれないが、その内実は極めて危うい。
そもそも高市が今回も示した「長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る」という認識さえ怪しいものだ。
「未来への投資」は絵に描いた餅
第2次安倍内閣以降、自民党政権の当初予算額は毎年のように過去最大の更新を重ね、巨額の経済対策を編成してきた。高市政権も同様に今年度補正予算でも、すでに「危機管理投資」や「成長投資」に6.4兆円を計上。その財源の多くは国債で賄っている。
今年度末には、国債残高が1129兆円に達する見込み。日本の財政状況は先進国でも最悪の水準だ。「長年続いてきた過度な緊縮志向」とは程遠い現状ではないか。
高市の主張は、まるで財務省を諸悪の根源とする陰謀論者に毒されているかのようだ。経済評論家の斎藤満氏が言う。
「まず『危機管理投資』も『成長投資』も出資をどこから募るのか。これまでも政府主体で数多くの『官民ファンド』を設立してきましたが、ことごとく投資に失敗。巨額の赤字を積み上げただけです。それだけ中長期の成長産業を見極めるのは難しい。高市政権なら成功する保証はどこにもないのです。日本から5500億ドル(約84兆円)もの出資金を強引に巻き上げたトランプ米大統領なら、いざ知らず。『高市ファンド』などと称して国内企業から直接出資を呼びかけるにしても、高市首相は投資の素人。巨額のカネを託すわけにはいきません。『未来への投資』に向けた『積極財政』は、絵に描いた餅にすぎません」
マーケットは正直だ。高市の施政方針演説の直後、為替市場は「ビジョンなき投資」と「無責任な放漫財政」をあざ笑うかのように、円売りが加速。午前中の1ドル=154円台後半から一時は155円台半ばまで円安に振れた。長期金利もジワジワと再上昇している。
「住宅ローン金利も引き上げられ、円安放置で物価上昇も止まらない。積極財政によるインフレ政策は、庶民生活を苦しめるだけです。高市首相は今回の演説で『強い経済』を『税率を上げずとも税収が自然増に向かう』と定義づけましたが、物価上昇とともに庶民の税負担が増える『インフレ増税』を意味します。それこそが彼女の望みなのでしょう」(斎藤満氏=前出)
危険な正体を醸し出す“ほほ笑みの独裁者”

与党席は拍手喝采、野党席は意気消沈(C)日刊ゲンダイ
「責任ある積極財政」は庶民にとって百害あって一利なし。力強い“魔法の言葉”にダマされてはいけないのだが、高市はこの手の詭弁が大の得意だから厄介なのだ。
施政方針演説にも衆院選スローガンの「日本列島を、強く豊かに。」をはじめ、「日本と日本人の底力を生かす」「稼ぐ力を抜本的に強化」「攻めの予防医療」「投資と賃上げの好循環」「平和と繁栄を創る『責任ある日本外交』」「日本人の誰もが、日本国の主役」などなど、フワッとした美辞麗句をちりばめた。
最後は「今年初めて投票して下さった18歳の若者も、生まれたばかりの赤ちゃんも、その多くが、22世紀を迎えることができるでしょう」と壮大な話を持ち出し、「その時に、日本が安全で豊かであるように」と情感たっぷりに締めくくった。
発する言葉の意味はよく分からずとも、ハッキリした物言いと、スパッと言い切る勇ましさに、コロッとダマされてしまう人も多いのだろう。
一方で高市は遠慮なく「熟議の国会」をかなぐり捨てる。与党が衆参両院で過半数割れしていた昨年10月の所信表明演説では「各党からの政策提案をお受けする」と低姿勢で野党に呼びかけたものだが、衆院選圧勝でどこ吹く風。今回は「力を合わせたい」とか言いながら、「しかし、大胆に、政権運営に当たっていく」と居直った。
その口ぶりに迷いは見えず、2026年度予算案の「年度内成立」に向けた超スピード審議も視野に入れる。そのため、前面に打ち出したのが、いわゆる「教育無償化」の4月実施だ。無償化を待ち望む子育て世帯を“人質”に取り、野党に審議なき成立をのませようとするのだ。シャ乱Qじゃないが、「ズルい女」としか言いようがない。
複数年度予算は戦前の二の舞いに
ここまでコケにされても、衆院選で壊滅的敗北を喫した中道改革連合を筆頭に、もはや野党に抵抗する力はないのか。衆院本会議場の野党席からは国会名物のヤジは聞こえず、お通夜のような静けさ。今後の国会審議が不安になるほどで、ますます高市は図に乗り、国民軽視の欺瞞も見逃されかねない。
今回の演説で高市は、3月から提示する「官民ロードマップ」に盛り込む戦略17分野の1つに「防衛」が含まれることを伏せた。多くの専門家が「令和の治安維持法」と警鐘を鳴らす「スパイ防止法」制定も、「外国からの不当な干渉を防止するための制度設計を進める」と言い換えた。国民を欺くペテンのような言説は“ほほ笑みの独裁者”の危険な正体見たりである。
さらなる防衛費拡大に道を開く「安保関連3文書の前倒し改定」、殺傷能力のある武器輸出解禁に向けた「防衛装備移転三原則の5類型見直し」「国家インテリジェンス機能の抜本的強化」──。演説の後半にギュッと押し込んだタカ派政策こそ、高市政治の本質だ。それでも「高市1強」の翼賛国会では、美辞麗句の裏の危険な本性はカキ消されてしまうのか。
「恐ろしいのは高市首相が『責任ある積極財政』の一環で、複数年度予算の導入を大胆に進めると言い出したことです」と言うのは、立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)だ。こう続けた。
「対象は戦略17分野から選ぶ見込みで『防衛』がその対象となれば、戦前の二の舞いです。明治憲法下の政府は、戦争遂行の予算を一般会計から切り離し、開戦から終結までを1会計年度とみなす複数年度予算を認めてきました。戦艦大和の莫大な建造費も複数年度予算で賄われ、無軌道な軍事費が戦後の財政破綻を招いたのです。その反省に立ち、現憲法は86条で予算の単年度主義を原則に定めています。複数年度予算は憲法違反で、財政民主主義にも背く禁じ手です。しかし高市首相は衆院選の歴史的大勝で全能感に包まれ、完全にタガが外れています。今回の演説でも歴史に名を残す政治家気取りで、改憲発議や皇室典範の改定に急いで踏み込み、誰もが成し遂げられなかった野望を隠そうともしないのが何よりの証拠です」
高市の本丸は「積極財政」より「憲法改正」。もっと言えば「戦争できる国」づくりだ。それこそ「22世紀を迎える若者の未来」を考えれば、野党に意気消沈の暇はない。
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