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※紙面抜粋

※2026年2月27日 日刊ゲンダイ2面
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武器商人で経済成長、株価の熱狂 この国はとことん狂ったと改めて実感
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/384641
2026/02/27 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

法改正も国会審議もなく、たった1週間で、自民党内だけで絶人兵器輸出全面解除を決定(C)日刊ゲンダイ
ギアを上げると女王気取りが凄んだ通り、自民党があっという間にまとめた殺人兵器輸出の全面解禁。歯止めもないまま、それが安全保障で経済成長などとうそぶく狂気を宮沢喜一や後藤田正晴は草葉の陰でどう見ているのか。
◇ ◇ ◇
日経平均株価が連日、過去最高値を更新。26日は一時、取引時間としては初めて5万9000円台に乗せ、6万円の大台は目前だ。マーケットだけが浮かれる中、この国は大事な理念を失おうとしている。
戦後80年、曲がりなりにも築いてきた「平和国家」の看板を、高市政権はいとも簡単に下ろそうとしているのだ。
真っ先に手を付けたのが、武器輸出ルールを定める「防衛装備移転三原則」の見直し。自民党の安全保障調査会が25日に取りまとめた提言は「救難・輸送・警戒・監視・掃海」という非戦闘目的の「5類型」に限ってきた輸出制限を撤廃。殺傷能力を持つ武器輸出を全面的に解禁する。憲法の平和主義に基づき、国際紛争を助長しないという国の基本姿勢を大きく転換するものだ。
自民党が衆院選を挟み、「5類型」撤廃の議論を再開させたのは、今月19日。たった1週間足らずで一気に提言を仕上げたのだ。衆院選圧勝後、「政策実現に向けギアをさらに上げていく」と、女王気取りの高市首相が凄んだ通り。熟議をすっ飛ばし、あっという間に殺人兵器輸出を全面解禁とは乱暴の極みだ。
この国の安全保障政策の大転換であるにもかかわらず、法改正の必要はなく、国会審議もスルー。おかげで高市自民はやりたい放題だ。今後は日本維新の会とともに与党の提言をまとめ、3月上旬に政府に提出。高市が訪米する3月半ばまでには、関係9閣僚だけが出席する国家安全保障会議(NSC)でサッサと正式決定する腹積もりである。
つまり殺人兵器輸出の全面解禁は、高市がトランプ米大統領と会談する際に渡す“手土産”代わり。平和を捨てた「死の商人国家」への変質をカタログギフト扱いするとは、ゾッとするようなセンスではないか。
全て政府一存フリーハンドの「死の商人」
昨年10月の維新との連立政権合意書で「5類型」撤廃を明記していたとはいえ、これだけ拙速な議論だけに、武器輸出が際限なく広がることを防ぐ「歯止め策」は驚くほど、おざなりだ。
「現に戦闘が行われていると判断される国」への輸出は「原則不可」だが、「安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合」は可能となる。いきなり例外を設けた時点で怪しいが、「特段の事情」の有無は時の政権による「政治判断」と、ますますアヤフヤ。極端に言えば、高市の一存でどうにでもなるのだ。
武器の輸出先は「防衛装備品・技術移転協定」の締結国に限るが、締約相手国も国会の関与なく、時の政権の一存で決められる。締結国は2013年の英国を皮切りに拡大の一途。今年に入ってからもカナダ、バングラデシュと相次いで署名し、カナダとの協定が発効すれば18カ国目となる。
必要となればすぐに締結可能で、与党内にはロシアから侵攻を受けるウクライナへの輸出に期待する声もある。小野寺五典・安保調査会長は「今後、どの国と協定を結ぶかは政府の判断」と含みを持たせ、紛争助長に道を開く決断も高市にゲタを預けたわけだ。
提言では政府に「国会や国民への説明を充実させる方法」を求めてはいるが、具体策はナシ。例えば米国では一定額以上の取引については武器輸出管理法に基づき、大統領には議会側への通知義務がある。議会が認めなければ輸出許可の承認は下りない。それだけ議会が尊重されている証拠だが、日本の政府・与党はとことん、国会を軽視。全面解禁される武器輸出に関してノーチェックのまま、あのトランプでさえ、認められていない「死の商人」のフリーハンドを高市に与えることになりかねない。正真正銘の「独裁」である。
兵器輸出で稼ぐしかないほど落ちぶれた日本

マーケットだけが浮かれる。日本は、これでいいのか?(C)日刊ゲンダイ
何の歯止めもないまま、平和国家が「死の商人」に成り下がれば、国際社会に余計なあつれきを生むのではないか。ましてや、高市の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との国会答弁以降、日中の緊張はエスカレート。24日には、中国商務省が三菱重工業やIHIなど20の日本企業・団体を対象にデュアルユース(軍民両用)品目の輸出を禁止すると発表したばかり。25日には中国外務省の報道官が、武器輸出の全面解禁に対し「深刻な懸念」を表明した。
「殺人兵器の全面輸出解禁となれば、中国にさらなる対抗措置の口実を与えるだけです。中国に限らず、先の大戦で日本の侵略を受けたアジア諸国にすれば、嫌な記憶を思い出させることになる。日本側の本意はどうあれ、アジアの安全を脅かす存在として受け止められかねず、国際社会における『平和国家』として日本の信頼とブランド力が一気に損なわれるのです。そのデメリットは、はかりしれません」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
それでも、高市は国内の防衛産業の育成と発展を「成長戦略」の柱に位置づけ、武器輸出の全面解禁を「日本経済の成長につながる」とうそぶく。1967年、佐藤栄作政権が「武器輸出三原則」を掲げて以来、約60年。歴代政権が忌避し続けてきた「死の商人国家」へと邁進する高市の狂気を自民党の先人たちは、草葉の陰でどう見ているだろうか。
「わが国は兵器の輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれてはいない。もう少し高い理想を持った国として今後も続けていくべきだ」
ちょうど半世紀前。76年5月14日の衆院外務委員会でそう言い切ったのは、当時、三木内閣の外相だった宮沢喜一氏だ。戦争体験者であり、ハト派の重鎮として反戦・平和主義を貫いた人物だが、この理念はどこへいったのか。今の高市政権には、もはや見る影もない。
「アリの一穴」どころか今や大穴
「宮沢氏の国会答弁から50年。この国は殺人兵器を海外に売らなければいけないほど貧しくなってしまったのです」と言うのは前出の五野井郁夫氏だ。こう続けた。
「その貧しさを招いたのは、言うまでもなく歴代自民党政権の失政のツケ。人殺しの兵器を売ってカネを稼ぐのは本来、恥ずべきことです。平和国家としての稼ぎ方は、いかようにもあるはず。高付加価値食品のブランド力で堅調に輸出黒字を拡大しているイタリアが、いい見本です。恥も外聞もかなぐり捨て、殺人兵器で儲けようなんて愚の骨頂。そこまで日本は落ちぶれてしまったのか」
反戦主義の自民の大物といえば、元官房長官の後藤田正晴氏の言葉も思い出す。彼もまた戦争経験者。警察庁出身のタカ派とも称されながら、時代の右傾化に警鐘を鳴らし続けた信念の政治家だった。90年の湾岸戦争の際、米国から「国際貢献」の名の下に自衛隊の多国籍軍参加を迫られた当時の海部俊樹首相に対し、こう忠告して思いとどまらせたのは有名な話だ。「たとえアリの一穴でも開けてはならない」と。今や「アリの一穴」どころか、高市は大穴を開けようとしている。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「宮沢氏は50年前の国会答弁で『経済政策的に言えば兵器産業は非生産的で、経済発展にはあまり寄与しない』とも語っていました。戦後の軽武装・経済重視路線が、この国に高度経済成長をもたらしたのは論をまたない。高市首相の『安保で成長』にはムリがある。トランプ政権にGDP比5%の防衛費を求められ、今後も大量の高額兵器を買わされるのは明らか。その穴埋めに殺人兵器の輸出を充てようとしているなら、本末転倒です」
なりふり構わず「武器で稼ぐ」の戦争のリアリティーなき高市の姿と「稼ぐが勝ち」の株高の熱狂は、奇妙にシンクロする。「戦争を知らない世代が日本の中枢になった時が危ない」と言ったのは田中角栄元首相だが、彼の死去から30年以上が経つ。角栄の予言通り、この国はとことん狂ったと改めて実感させられる。
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