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イラン攻撃が招く原油爆騰インフレの恐怖「サナエノミクス」で庶民への打撃拡大…それでも「利上げ」に反対なのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/384719
2026/03/03 日刊ゲンダイ

庶民の敵(C)日刊ゲンダイ
早くも「大動脈」が目詰まりを起こしている。日本郵船と商船三井、川崎汽船の海運大手3社は1日、ホルムズ海峡の航行を停止したと明らかにした。もちろん、米国とイスラエルによる国際法無視のイラン攻撃の影響だ。
イランに面するホルムズ海峡は、世界需要の2割にあたる原油や液化天然ガスが通過する要衝だ。特に日本は、輸入原油の94%を中東地域に依存。大半がホルムズ海峡を経由して輸送されている。
商船三井によると、イラン当局が「航行を禁止する」と船舶に無線で通告したという。航行できない状況が長引けば、日本経済にとっては死活問題となる。
昨年末時点で日本の石油備蓄は、官民合計で国内需要の254日分。すぐに流通が途絶えることはないとはいえ、原油価格の暴騰は必至だ。国際指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は直近で1バレル=67ドル台に上昇。中東情勢の緊迫を受け、既に年初を10ドル程度上回っていた矢先のイラン攻撃である。世界的な供給不安により、さらなる高騰は避けられない。
原油価格が上昇すれば、ガソリン価格も高騰する。輸送コストが跳ね上がり、食品や日用品の価格にも波及していく。ますます物価高が加速し、庶民の暮らしを圧迫するのだ。
ホルムズ海峡完全封鎖なら日本の物価は1年間で1.14%上昇

ホルムズ海峡を航行する原油タンカ=2018年12月(C)ロイター=共同
野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、イラン攻撃が日本経済に与える影響を試算。イランがホルムズ海峡を完全封鎖に踏み切る最も悲観的な想定で、WTIが足元の2倍超となる1バレル=140ドルまで上昇した場合、日本の物価は1年間で1.14%上昇すると見込んだ。
問題は、原油の輸入に直結する円安が収まらないことだ。要因は高市首相の金融・財政政策「サナエノミクス」。高市首相は先月16日に日本銀行の植田総裁と会談した際、円安対策や金融正常化に向けた追加利上げに難色を示したと報じられた。日銀の次期審議委員人事では、利上げなど金融引き締めに否定的な「リフレ派」の候補2人を国会に提示。利上げ反対の姿勢を鮮明にし、日銀への圧力を強める始末だ。
日銀の次回の金融政策決定会合は今月18、19日。高市首相の訪米日程と重なり、早くも「恥をかかせるな」の対立回避ムードから利上げ見送りの観測が強まっている。慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)が言う。
「この流れを受け、再び1ドル=156円台まで円安が進み、一方で日経平均株価は史上初の6万円台目前です。欲ボケの投資家を喜ばせるだけで、資産を持たない庶民は置いてけぼり。高市首相は経済成長で政府債務残高の対GDP費を減らすとうそぶいていますが、円安効果で名目GDPを膨らませるマヤカシです。円安と原油高騰の同時進行で、ますます輸入コストを押し上げ、少なくともガソリン価格の暫定税率廃止効果は吹き飛ぶ。植田日銀にとって4月会合が試金石。2回連続で利上げを見送れば、円安・原油暴騰がもたらす物価高に拍車がかかる恐れがあります」
ハッキリ言う。高市首相は「庶民の敵」だ。
◇ ◇ ◇
高市首相の経済オンチぶりについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
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