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※紙面抜粋

※2026年3月3日 日刊ゲンダイ2面
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トランプは脅威を捏造、先制攻撃 改めて恐ろしい米国追随、安保法制
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/384784
2026/03/03 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

最悪の巡りあわせ(代表撮影)
米国のイラン攻撃でまざまざと見せつけられたのが、脅威をでっちあげて、先制攻撃に踏み込むデタラメだ。議会の承認、国民への説明も有名無実化し、なんでもありの力の横暴。そんな米国と一緒に集団的自衛権を行使する日本に歯止めはあるのか。存立危機事態なんて、言葉遊びになる懸念。
◇ ◇ ◇
求心力低下が著しい米国のトランプ大統領と、イスラエルのネタニヤフ首相がおっぱじめた対イラン軍事作戦「壮絶な怒り(エピック・フューリー)」は、中東全域に戦禍をまき散らしている。最高指導者ハメネイ師を殺害され、指導部がガタガタになったイランは報復攻撃を激化。精鋭の革命防衛隊は、石油輸送の要衝ホルムズ海峡などで米英の石油タンカー3隻をミサイル攻撃したと表明した。標的はイスラエルのほか、米軍基地を抱えるペルシャ湾岸諸国などに広がっている。
イランの支援を受ける中東の武装組織ネットワーク「抵抗の枢軸」の代表格であるレバノン拠点のヒズボラも動き出し、イスラエルを攻撃。トランプは作戦期間の見通しを「4、5週間」としているが、抵抗の枢軸が本格参戦すれば戦線拡大は避けられない。交戦長期化も不可避だ。
イラン攻撃開始から50時間以上が経過した2日、ヘグセス米国防長官と軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長が会見。ヘグセスは国内世論の反発を意識したエクスキューズに終始した。米国を疲弊させた2003年のイラク戦争を引き合いに、「これはイラクではない。終わりなき戦争ではない」「いわゆる体制転換のための戦争ではない」と強調。当面の作戦の目的がイランのミサイルや生産施設、海軍などの破壊にあると説明し、「核兵器を永遠に保有できなくする」ことが狙いだとした。一方、「戦場は広大だ」とし、作戦期間については「4週間、2週間あるいは6週間……。前倒しになる可能性もあるし、遅れる可能性もある」と明言を避けた。綿密な戦略に基づく武力行使とは程遠いことをうかがわせる。
そもそも、イランの核開発をめぐる外交交渉中の先制攻撃に大義があるわけがない。トランプは「イランの体制からの切迫した脅威を取り除き、米国民を守る」「イランが核計画の再開や長距離ミサイルの開発継続を試みている」と主張し、「高貴な使命」とか言って圧政に苦しむイラン国民の解放を装ってもいるが、デマカセもデマカセ。事態をややこしくしたのは、1期目の一方的なイラン核合意離脱だ。11月の中間選挙が迫る中、インフレ対策失敗への批判、そしてエプスタイン文書をめぐる疑惑から目をそらすのが最大の動機なのは明白である。
端緒になり得る「恥かかせるな」
イラン攻撃でまざまざと見せつけられたのが、脅威をでっちあげ、先制攻撃に突き進むトランプのデタラメ。戦後の国際社会で自由と民主主義の手本とされてきた米国で、踏むべき手順はすべて有名無実化。国連安全保障理事会の決議も、米議会の承認もすっ飛ばし、米国民への説明もおざなり。遡ること2カ月前、麻薬対策を理由にベネズエラを武力攻撃し、反米左派のマドゥロ大統領を拘束した際は「私には国際法は必要ない」「私自身の道徳観。私自身の心。それが私を止められる唯一のものだ」と居直っていた。保身しか頭にない大統領の胸三寸で、何でもありの力の横暴。およそ2週間後に訪米し、狂気の老人と日米首脳会談に臨むのが、よりによって従米タカ派の高市首相なのは、何という巡り合わせなのか。トランプは何事においても負担の押し付けが行動原理だ。トランプが「偉大な友人」と呼び、高市が政治の師と仰ぐ安倍元首相が強行にまとめた安保法制に基づく集団的自衛権の行使を要求されるリスクが高まっている。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう指摘する。
「安保法制をめぐる10年前の国会審議では、集団的自衛権を行使する『存立危機事態』の要件を満たす事例として、ホルムズ海峡の機雷除去があげられていた。日本が輸入する原油の9割超を中東に依存し、その大半が海峡を経由することなどから、米側の要請に応じて自衛隊が出動するとの説明だった。足元では革命防衛隊がホルムズ海峡の船舶通過を禁じ、攻撃を辞さない構えです。木原官房長官は『存立危機事態』にも『重要影響事態』にも該当しないとしていますが、そもそもの政府解釈に照らせば現状は切迫し、『存立危機事態』が近づいていると言っていい。台湾有事答弁で集団的自衛権の行使に前のめりな一面を見せたように、高市首相の発言には不安定さがつきまとう。トランプ氏にすり寄って例のごとく口を滑らせ、自衛隊派遣の端緒を開いてしまいはしないか。先週の衆院予算委で日米関税交渉を担う赤沢経産相に対し、〈『ワタクシに恥をかかせるな』と言ったよね?〉とドスを利かせたノリで、官僚に類推適用の範囲を広げさせやしないか。高市首相やその周辺は憲法9条の制約を取り払うために、改憲に突き進む発想です。なし崩しになっていく不安は尽きません」
迫る訪米「法的評価は差し控える」

安保法制は安倍元首相の「遺産」/(C)共同通信社
2日の衆院予算委員会では、共産党の田村智子委員長が「各国の主権の尊重、武力行使の禁止は国連憲章、国際法の大原則だ。主権国家を先制攻撃し、国家体制の転覆を行うことが認められたら、戦後の平和の国際秩序は崩壊する。米国とイスラエルに先制攻撃をやめるよう求めるべきではないか」と追及。答弁に立った高市は「これが自衛のための措置なのかどうかを含め、詳細な情報を持ち合わせているわけではない。我が国として法的評価は差し控える」と歯切れが悪かった。
高市の首相就任後初の訪米をめぐっては、いくつも懸念が指摘されている。GDP比2%に前倒しで引き上げた防衛費をさらに増額し、5%をのまされるのではないか。武器輸出ルールを定める「防衛装備移転三原則」の見直しを一気呵成に進めようとしているのは、訪米の手土産ではないか。非戦闘目的の「救難・輸送・警戒・監視・掃海」とする「5類型」に限ってきた輸出制限を撤廃し、殺傷能力を持つ武器輸出を全面的に解禁するのは、米国製の武器弾薬を大量購入する原資を殺傷兵器のセールスであがなう魂胆だというのである。そこへイラン攻撃も降って湧いた。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「世界中に展開する米軍が日本を、自衛隊をどう活用するか。可能性を最大限に広げるためにまとめられたのが安保法制です。ソマリア沖に出没する海賊対処の名目で自衛隊は11年以降、アフリカ東部のジブチに拠点を構えている。護衛艦や哨戒機を派遣し、オマーン湾やアラビア海北部などで活動しています。集団的自衛権行使に対応し得る装備を整え、訓練も重ねてきたとみていい。急襲解散・総選挙の圧勝で巨大与党を手に入れた高市首相が独裁を始めたのは紛れもない事実です。国家主義者の高市首相が目指す到達点は戦争ができる国。集団的自衛権の行使はそのシナリオのひとつに過ぎない。そこを見誤ってはいけません」
自衛権封じないとディストピア
右旋回を強める高市は「国論を二分する政策」の実現に躍起だ。防衛費のさらなる増額に道筋をつける安全保障関連3文書を年度内に改定するほか、インテリジェンス(情報収集・分析)政策の司令塔となる「国家情報局」の創設、治安維持法を再来させるスパイ防止法制、「表現の自由」に抵触する日本国国章損壊罪の制定を推し進めようとしている。憲法9条や緊急事態条項をめぐる改憲議論の加速にもハッパをかける。
「戦後の国際社会は国連を中心に、戦争のない平和な世界を目指し、紆余曲折を経ながらも歩みを進めてきた。それがトランプ大統領の再登板で蹴散らされ、世界はディストピアになった。ウクライナ侵攻を始めたロシアのプーチン大統領も、反撃するゼレンスキー大統領も、イスラエルを奇襲したイスラム組織ハマスも、パレスチナ自治区ガザを猛攻するネタニヤフ政権も、国連憲章51条に基づく自衛権の行使を主張している。米国のイラン攻撃でハッキリしたのは、国連憲章で『自衛のための戦争』も禁じない限り、地球上から戦争はなくならないという現実です。それを説得力をもって訴えられるのは、憲法9条を80年近く守り続けてきた日本しかない。高市政権が数の力を得た今、正念場です」(金子勝氏=前出)
無批判な米国追従、そして改憲アクセルはこの国をズタズタにし、暮らしをめちゃくちゃにする。渦中でその恐ろしさに気づいても、取り返しがつかない。
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