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※紙面抜粋

※2026年3月31日 日刊ゲンダイ2面
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備蓄放出など焼け石に水 石油ショック再来へのカウントダウンが始まった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/385906
2026/03/31 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

無為無策(C)日刊ゲンダイ
イランとの戦闘は停戦合意が夢となり、完全に新たな局面に突入した。トランプに媚を売る高市政権は備蓄放出と補助金で乗り切れると思っているのか。高市インフレに原油高騰、品切れ、円安の三重苦、四重苦。バカげた戦争支援をすぐやめさせる国民運動が必要だ。
◇ ◇ ◇
「高市トレード」ともてはやされた株高が無残に雲散霧消だ。
30日の日経平均株価は、またもや大幅続落。前週末終値からの下げ幅は一時2800円を超え、節目の5万1000円を割り、今年の取引時間中の最安値を更新した。
日経平均が一時5万9000円台をつけ、「史上初の6万円突破も時間の問題」と騒がれたのは2月26日のこと。1カ月チョットで9000円近くも暴落し、衆院選で高市自民が圧勝した直後の高揚感は見る影もない。
円安傾向も続き、長期金利も上昇(価格は下落)。30日は新発10年債の利回りが一時2.390%と約27年2カ月ぶりの高水準をつけ、「トリプル安」の様相だ。
背景にあるのは言うまでもなく、中東情勢の混乱長期化への警戒感だ。米国とイスラエルのイラン攻撃から1カ月が経過。トランプ米大統領は攻撃開始の翌3月1日に「4週間以内」の目標達成と戦闘終結の見通しを示したが、当初掲げたイランの体制転換は実現できず、誤算の連続である。
報復としてイランがエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖し、湾岸諸国のエネルギー施設を次々と攻撃。
原油高騰につながる想定外の抵抗に遭い、トランプとしても一刻も早く停戦に持ち込みたいのが本音だろう。米国内のガソリン価格高騰が、政権支持率や11月の中間選挙の結果に直結するからだ。
イランとの停戦協議についてトランプは当初5日だった交渉期限をさらに10日延長すると表明。しかしイランにホルムズ海峡を明け渡す気配はなく、トランプはトランプで支離滅裂な発言を繰り返すばかり。
29日には、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、イラン北部ペルシャ湾にある原油積み出し拠点・カーグ島の早期制圧に着手する可能性に言及。「望ましいのはイランの石油を奪うことだ」と言ってのけた。実行すれば、イランがホルムズ海峡の完全封鎖に踏み切り、さらなる原油高を招くのは必至だ。
海峡封鎖は全産業に壊滅的なダメージ
トランプの態度はコロコロ変わり「和」か「戦」か、どっちつかずの言動はエスカレート。停戦合意など夢のまた夢で、イランとの戦闘は「誤算の1カ月」から完全に新たな局面に突入した。
ズバリ、原油の供給途絶の長期化である。
日本は原油の9割超を中東産の輸入に頼る「持たざる国」。その大半がホルムズ海峡を経由し、海峡封鎖は経済の生命線を揺るがす脅威だ。過去の石油危機でも経験のない非常事態である。
日本の輸入指標となる中東産ドバイ原油は空前の高値となり、30日は1バレル=132.40ドルまで上昇。国際指標の米WTIや北海ブレントよりも、30ドルほど高い状況が続く。理由は中東産原油を巡るアジア諸国との激しい争奪戦だ。すでにイラン攻撃直前からの上げ幅は2倍強に達し、海峡封鎖が長引くほど、3倍、4倍と跳ね上がりかねない。「狂乱物価」を招いた1974年の石油ショックの再来だ。
73年10月の第4次中東戦争で、中東の産油国がイスラエル支援の西側諸国向けの原油を禁輸したのを機に、原油価格が4倍以上に高騰。日本国内ではあらゆるモノが値上がりし、消費者物価上昇率は73年に11%、74年は24%と天井を突破した。翌75年には福田赳夫経企庁長官(当時)が、日本経済は「全治3年の重症」と評したほどだ。
今回もすでに燃料費が跳ね上がり、電気代やガス代、輸送費のコスト増は幅広い分野に波及していく。「ナフサ」など原油由来原料の中東依存度も高く、サプライチェーンの裾野は極めて広い。調達が滞ればペットボトルや自動車の内外装部品、半導体、農薬、医療器具……数え切れないほどの製品の値上げや品不足は避けられず、日本の全産業に壊滅的なダメージを与えかねないのだ。
野放図対応は70年代の危機とは雲泥の差

全米3000カ所以上で一斉抗議デモ、実に800万人以上の米国民がトランプ米大統領に「NO!」/(C)ロイター
それなのに高市政権の危機感は薄い。いきなり、
赤沢経産相を「重要物資安定確保担当大臣」に任命したが、対応が遅すぎる。当座しのぎも石油備蓄の放出とガソリン補助金だけ。これで令和の石油ショックを乗り切れると思っているのなら、大間違いだ。
まず石油の備蓄量が怪しい。254日分あるとされる石油備蓄(民間込み)から約45日分の放出を決定。うち国の備蓄(約146日分)から約2割、国内消費量の1カ月分に該当するという約5300万バレルを石油元売りに順次引き渡す。
1カ月=30日で割れば1日あたり約176.7万バレル。しかしロンドンに本拠を置く国際エネルギー産業団体「エネルギーインスティテュート」(EI)の統計によると、日本の1日あたりの石油消費量は336.6万バレル(23年)だ。実に約160万バレルもの開きがある。
放出する5300万バレルは、EI統計に基づくと16日分しかないこととなり、国の備蓄量も2カ月チョットで底をつく計算となる。消費量を過分に低く見積もっている恐れがあり、専門家からも「本当の備蓄量は半分以下」と疑問の声が上がるほど。さらに、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)は揮発性が高く、民間在庫は2〜4週間分、ナフサは20日分しかないというから、いよいよ、心もとない。
備蓄放出など焼け石に水。石油ショック再来の緊迫度を考えれば、高市首相も国民に「省エネ」「節電」を呼びかけてもよさそうなのに、悠長なもの。逆に〈いつものペースで給油を〉と自身のXで要請する始末だ。
日本にも「王はいらない」の波及を
根拠はガソリン補助金の復活だ。1リットル=170円に抑え込む計画だが、早くも綻びが生じている。当初財源の基金残高2800億円が4月中にも枯渇する恐れがあり、25年度の予備費から約8000億円を積み増し。それでも足りなければ26年度予算の予備費も取り崩すことも検討している。
「破壊された中東施設の供給回復には、年単位の時間を要します。その間、原油高騰が続けば補助金は青天井です」と言うのは、経済評論家の斎藤満氏だ。こう続けた。
「財政悪化への懸念から、1ドル=160円前後の歴史的な円安水準をさらに急落させるリスクを強めるだけです。今や米国は世界最大の産油国。『有事の』というよりも原油高騰による『ドル買い』の側面が強い。半面、日本の貿易赤字の拡大が意識され、円はますます売られる。いざ為替介入に踏み切っても、効果は数日で消えるでしょう。原油高騰にインフレ、品薄、加えて円安まで重なれば国民生活は三重苦、四重苦です。景気悪化よりもインフレ退治を優先させた金融引き締めが、70年代の石油危機の教訓です。結果、74年に天井を破った物価上昇率は翌75年は14.2%、76年は8.8%に抑制。同時に省エネ化の推進と高付加価値製品への産業転換を迅速に進めた対応は世界の称賛を得たものです。高市首相のインフレ野放図財政とは雲泥の差です」
徹夜で「世界に平和をもたらすのはドナルドだけ」とヨイショのセリフを考え、トランプに媚を売る高市に任せていたら、令和の石油ショックは乗り切れない。最後はバカげた戦争支援に駆り出されるのがオチだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「28日に全米各地で計800万人以上が参加した『NO KINGS(王はいらない)』デモを、日本にも波及させるべきです。米国のデモは伝え、国内のデモを報じないメディアも問題ですが、イラン攻撃に民意の約9割が不支持です。高市首相もトランプ大統領に面と向かって『協力できない』とは言えないなら、戦争不支持の民意を活用すればいい。日米同盟はあくまで『日本の繁栄のため』。繁栄度外視の同盟関係はあり得ません」
バカげた戦争支援をすぐやめさせる国民運動が必要である。
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