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立憲主義理解できない高市首相
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2026年4月13日 植草一秀の『知られざる真実』
4月12日に開かれた自民党大会で自民党党首である高市氏が演説した。
このなかで憲法改正に前のめりの発言が示された。
日本国憲法は第99条で総理を含む国務大臣、国会議員などに憲法尊重擁護義務を課している。
憲法尊重擁護義務を課せられている国会議員が憲法違反の疑いのある憲法改正案を提示している政党の会合で憲法改正を求めるのは憲法違反の疑いがある。
しかも、自民党が2012年4月に発表した憲法改正草案は日本国憲法の基本原理を否定するもの。
現行憲法を基準とすれば違憲である条文を含む憲法改正案を提示している。
現行憲法の基本原理を否定する内容を含む改正案を提示している政治勢力がその憲法改正を推進すること自体が違憲行為である疑いが強い。
高市首相は自民党大会で次のように述べた。
https://www.jimin.jp/news/press/212972.html
「私たち自民党は、立党から70年、憲法改正の旗を掲げ続けてまいりました。
自主独立の権威の回復」に向けて、日本人の手による自主的な憲法改正は、わが党の党是です。
自民党立党直後の所信表明演説で、初代総裁である鳩山一郎総理は次のようにおっしゃいました。
「民主政治は断じて力による政治であってはなりません」。
民主主義における「議論の重要性」については、論をまちません。」
自主独立の権威の回復
の表現は「自主独立の権威の回復」とカギ括弧で括るべきと思われるが、自民党公式サイトでは
自主独立の権威の回復」
と記述されており、前のカギ括弧がない。
「自主独立の権威の回復」
の表現は現行の日本国憲法がGHQ主導で制定されたとの、いわゆる
「押しつけ憲法論」
の立場に立つ主張と見られるが、日本国憲法制定の過程では、極めて質の高い憲法条文制定に向けての日本の国会での論議が行われている。
「土着の憲法」にするための議論は十分に行われている。
鳩山一郎元総理、自民党総裁の
「民主政治は断じて力による政治であってはなりません」
の言葉をどのような意図で引用したのかは不明。
高市首相が国会における数の力に頼る横暴な政策運営をしていることについての自覚がひょっとするとあるのかも知れない。
当然のことだ。
数の力で強引に押し通す憲法論議を行うべきでない。
高市首相は憲法について次のように述べた。
「どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法です。
私たちの物語を、理想の日本国を、文字にして、歴史という書物の新たなページに刻もうではありませんか。」
これが高市首相の憲法観であるのか。
憲法は権力が暴走することを防ぐ砦である。
権力の暴走を許さぬよう、政治権力の行動にタガをはめるのが憲法の基本的な役割だ。
これが立憲主義の下における憲法である。
現代社会の立憲主義の重要性を理解していないとしか考えられない。
このことを示す典型的な事例が自民党憲法改正草案の第102条。
現行憲法は99条で「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」に憲法尊重擁護義務を課す。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
この条文が自民党憲法改正草案で全面的に書き換えられる。
自民党憲法改正草案第102条
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
権力を縛るために存在する憲法が、国民を縛るための存在に変わる。
「どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語る」
ことよりもはるかに重要なことは
「権力の暴走を防ぐための明確な歯止め」を憲法に明記することである。
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