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※紙面抜粋

※2026年4月15日 日刊ゲンダイ2面
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高市政権は無為無策 庶民は狂乱物価高に覚悟が必要
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/386536
2026/04/15 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

やる気のある無能(C)日刊ゲンダイ
首相がいくら足りていると言っても市場は疑心暗鬼で金利上昇。ナフサも「足りている」といっても在庫があるだけで、その先の見通したたず。そんな中、戦況は最悪の泥沼化へ。やってるふりの政権ではもう限界だし、そもそも、インフレ加速予算の大誤算。
◇ ◇ ◇
「課題を知った時に出来ない理由ではなく、出来る方法を考えてほしい」
6日に都内で行われた今春入省の国家公務員の合同研修で、こう訓示していた高市首相。「現場の声を聞き、学び続けてほしい」「困難を避けて挑戦しないと絶対に後悔する」とも言っていたが、外交も内政も逃げてばかりの高市政権が何をエラソーに言っているのか。
米国とイスラエルによる国際法違反のイラン攻撃にはダンマリを続け、先の衆院選で「私の悲願」とまで言い切った消費減税はほぼ手付かず状態で、円安と物価高に対しては相変わらず打つ手なし。
「働いて×5」と言いながら、この国難とも呼ぶ時に首相公邸に閉じこもってSNSで愚痴をこぼす日々。「出来る方法」を考えるどころか、「困難に挑戦」することもせず、「現場の声」に耳を傾けることも、素直に「学ぶ」こともしない。
松下政経塾出身の高市が尊敬する故・松下幸之助氏は「素直な心」が座右の銘だったという。「素直な心」を持つことで、先入観や感情に縛られず、客観的に物事や状況を判断できること。自分一人の考えに固執せず、他人の意見を謙虚に聞き、良いものを取り入れることができる──と説いていたが、高市の政治姿勢はすべて真逆だ。
高市が一人で勝手に考え、事態がどんどん悪い方に
集団的自衛権の行使容認をめぐる答弁では、先入観と感情をあらわにしたまま台湾有事に踏み込んで中国を刺激。
野党(他人)の意見を謙虚に聞いて発言を撤回すれば大事に発展することはなかったのに、自分一人の考えに固執した結果、中国から日本の企業・団体が軍民両用(デュアルユース)品の輸出規制を受ける事態に陥った。
およそ「素直な心」を持っているとは言い難い高市政権の無為無策に呆れ、疑心暗鬼になっている国民は少なくないだろう。
その見方が如実に表れているのが市場だ。
13日の東京債券市場は、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時2.490%に上昇。日本相互証券によると、約27年ぶりの高水準で、1999年(運用部ショック=2.440%)を上回った。背景にあるのは中東情勢の悪化による原油価格の上昇と、それに伴うインフレ懸念だ。
ニューヨーク原油先物相場の時間外取引は米国産標準油種WTIが1バレル=100ドルを突破する動きがみられ、これに連動して米長期金利が上昇。日本国債にも売りが波及した。
株式市場も不安定化している。
14日の東京株式市場は「イランが合意を望んでいる」とするトランプ大統領の発言で持ち直した米国市場の流れを受けて改善傾向が見られたものの、依然として激しく乱高下する状態が続いている。
為替市場では「有事のドル買い」による円安が進行し、1ドル=159円台に。
日本市場は株安・円安・債券安のトリプル安がいつ起きても不思議じゃないのに高市政権は傍観したまま。楽観視しているかのような雰囲気さえ漂っているからワケが分からない。
経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「今の高市首相にイラン情勢や日本経済を取り巻く危機的な状況、データなどがきちんと報告されているのか。そして、それを分析した上で的確な政策を考えているのか。政権の動きを見ている限り、現実離れしているというのか、能天気というのか危機感が乏しい。高市首相が現状を理解しないまま何でも一人で勝手に考え、事態がどんどん悪い方に向かっている。市場もそれを見透かして呆れていると言っていいでしょう」
「働いて×5」と言いながら有事に対してピント外れの高市

経産相も頼りない…(C)日刊ゲンダイ
こうした動きは、市場が政府の説明を信用していない証左とも言えるだろう。赤沢経済産業相は7日の参院予算委員会で、中東情勢の悪化により調達難が懸念される石油について「8カ月分(の備蓄)は確保している」と強調。中東以外からの代替調達を進め、安定供給に問題はないとの強気の姿勢を崩していないが、重要なのは備蓄量ではなく、その先の持続性だ。
特に懸念されているのがナフサだ。ナフサはプラスチックや合成繊維など生活必需品の原料となる基礎化学品の出発点であり、供給網が複雑だ。
政府は「必要量は確保されている」と繰り返すのだが、現場では流通の目詰まりが発生。シンナーなど一部製品はすでに供給不安に加え、高額転売も確認され始めている。
深刻なのは石油と同様、ナフサが「足りている」といっても在庫があるだけで、その先の供給に対する不透明感がぬぐえず、見通しがたたずという点だろう。
政府は4月の中東以外からの調達量が通常の倍に当たる90万キロリットルとなる見通しを示し、高市も「在庫期間は半年以上に伸びる」と強調。だが、実際は化学業界が中東以外の調達先を増やしたり、減産などで対応したりしているという。
つまり、今の政府対応は場当たり的な延命措置に過ぎず、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化すれば、いずれナフサの在庫は底をつき、供給網全体に影響が及ぶのは、避けられなくなるわけだ。
今の日本は「世界の隅っこで孤立する」状態だ
こうした経済の不安定化と並行して、戦況は最悪の泥沼化の様相を強めている。パキスタンで行われた米イランの停戦協議は合意に至らなかったどころか、トランプはホルムズ海峡の逆封鎖で対抗する措置をとるなど、むしろ緊張は高まっていると言っていい。
この状況下の日本政府の対応といえば、高市が今さらパキスタンのシャリフ首相と電話会談し、「事態の早期沈静化」や「ホルムズ海峡の安定回復」に向けて協力することで一致したなどと報じられているから唖然呆然。周回遅れの電話会談に一体なんの意味があるのか。「やってるふり」のパフォーマンスに興じている場合じゃないだろう。
日銀が10日発表した3月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は129.5で、前年同月比2.6%上昇。3月の指数は前月比でも0.8%上昇し、上げ幅は2月から0.7ポイント拡大。ガソリンや軽油といった「石油・石炭製品」が7.7%、プラスチックや合成ゴムの原料ベンゼンなどの「化学製品」が1.7%上昇。言わずもがな、原油高や石油製品ナフサの供給懸念が理由だ。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストの試算によると、ナフサ由来製品の値上げで、4人家族の家計の年間負担額は2万2500〜3万5100円増加。「消費者物価は一時的に1%弱上昇する見通し」と指摘しているから恐ろしい。
すでに、ごみ袋や包装フィルム、合成繊維などで値上げが続出。今後、電気代やガス代などエネルギー価格が上昇すれば負担はさらに膨らむ。まさにオイルショックを契機に物価が急騰し、消費者物価指数が20%以上上昇した1974年の「狂乱物価高」と同じだ。
今こそ、政府が機動的な政策を打ち出すべきなのだが、高市政権が組んだ「責任ある積極財政予算」とやらは物価上昇を十分に織り込んでおらず、結果としてインフレ加速予算の大誤算となる可能性があるだろう。
物価上昇に対する抑制策が不十分なまま需要が維持されれば、さらなる価格上昇を招くリスクがあるからだ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。
「『世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す』と言っていたが、結果として、今の日本は『世界の隅っこで孤立する』状態となった。もはや誰も日本を相手にしていないでしょう。経済も無策の極み。今回と同様に原油不安が叫ばれた第1次オイルショックの際、日本政府は省エネを呼びかけ、代替エネルギーの開発などに取り組んだが、高市政権は何もしない。どうしようもありません」
「働いて×5」と言いながら有事に対してピント外れの高市は、組織を最もダメにする人物評の「やる気のある無能」そのもの。庶民はこの先に待ち受ける狂乱物価高に覚悟が必要だ。
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