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[政治・選挙・NHK214] 党名を自由党と変更し、新たなスタートを切ることとなりました。ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。 小沢一郎(事務所 赤かぶ
63. 母系社会[1235] leqMbo7Qie8 2016年10月14日 19:17:06 : RXpUDEGYqk : OnC1ezfs_XY[1]

●真の「自由の拡大」は、「表現の自由」などの自由権を保障するだけでは実現できない。

真に自由を拡大することとは、マルクスが主張したように、「義務的労働時間」を出来るだけ短くして、自由時間を出来るだけ長くすることです。

「資本論」では、繰り返し「労働時間の短縮」の実現が訴えられています。マルクスは、「労働時間の短縮」を、初期の頃から晩年まで、一貫して訴えていました。というのは、近代の資本主義社会では、誰もが「専門馬鹿」になってしまうからです。

1865年、マルクスは「国際労働者協会」(第1インターナショナル)の会議で「賃金、価格および利潤」というテーマで講演しました。この講演は「賃労働と資本/賃金・価格・利潤 」という本になり、今でも手に入りますが、「光文社古典新訳文庫」の 「賃労働と資本/賃金・価格・利潤 」には・・・

<<「時間は人間の発達の場である。いかなる自由な時間を持たない者、睡眠や食事などによる単なる生理的中断を除いて、その全生涯が資本家のための労働に吸い取られている人間は、役畜にも劣る。彼は単に他人の富を生産するための機械にすぎないのであり、体は壊され、心は荒れ果てる。だが、近代産業の全歴史が示しているように、資本は、阻止されないかぎり、しゃにむに休むことなく労働者階級全体をまさにこのような最大限の荒廃状態に投げ込むことだろう」>>と書かれています。

マルクスは、人間の理想的な生活を「朝には狩りをし、午後には魚をとり、夕には家畜を飼い、食後には批判的評論をするが、狩人にも、漁師にも、牧者または評論家にもならない」という比喩で表現しています。要するに、「専門馬鹿」にならずに、人々が「全面的に発達」する社会が、マルクスの理想社会=自由社会だったわけです。

●一方でマルクスは、マルクス自身がこうした社会を理想社会と思ってしまうのは、マルクスが生きた時代の資本主義社会では、人間が奇形化しているとしか思えないからです。

それで、マルクス自身が「全面的発達」を理想と思ってしまうことを自覚していました。ですから、これは、あくまでも「暫定的な理想社会論」であり、究極的な理想社会論ではありません。

というのは、別のマルクスの唯一の哲学を書いた「ドイツ・イデオロギー」には、共産主義運動とは、永遠の現状否定運動=永久革命運動であり、実現すべき特定の理想社会などないという趣旨が書かれているからです。

また、マルクス弁証法の意識説や、人間の知性には限界があるという弁証法的な人間観に基づけば、当然のことだからです。ですから、当面の目標社会であって、万一予想外の欠陥が見つかれば、断固として「反共産主義」になるという半ばアナキズム的な共産主義運動がマルクス派の神髄です。

ある特定の社会を究極的な理想社会としてしまうと、現在の新自由主義派のように、特殊な自由社会を究極的理想と思い込み、批判の声を無視する一種の「自由主義ファシズム運動」になってしまうからです。

●先日、電通の若い社員が過労で自殺したように、「過労死」や「ブラック企業」、「メンタル・ヘルス労災」などが深刻化し、現代資本主義は、150年前の野蛮な資本主義と、本質的には同じであることはわかります。資本家が同じ賃金を払うなら、極少数の専門家が行う高度な頭脳労働は別だが、通常労働の場合の労働時間は10分でも20分でも長くした方が、労働の搾取量が増えて儲かるからです。

★つまり、「社会主義=共産主義」とは、人々の「自由時間の拡大」ということが、福祉などと同じくらい大きな社会の目的になった社会のことです。

●ソ連では、革命が成功した直後に、当時では世界でも最も短い「8時間労働制」を導入し、世界中の労働者が絶賛しました。

というのは、「8時間労働制」の実現には大量の血が流れたからです。イギリスで1760年代〜1830年代にかけて起きた「産業革命」の頃の労働時間は、1日10時間〜16時間でした。それで、時には弾圧で死者までも出しながら、各国の労働者は1日8時間労働や10時間労働制を訴えて運動し、イギリスでは1847年に、ようやく若年労働者と女性労働者に限って10時間労働制が実現しました。

フランスでも「1848年革命」後に、1日12時間労働制が実現し、アメリカでも、労働者が8時間労働制を要求して運動し、1886年には、労働組合員が謀略的冤罪で4名も死刑となった大弾圧事件「ヘイマーケット事件」が起きたり、ストライキをすると、資本家が雇った暴力団が銃で武装して攻撃してくるとことも珍しくはありませんでした。(現在の日本でも、組合を結成したりすると暴力団幹部が一時的に会社の幹部になったりして組合を潰しにかかるようなことが、平然と行われていますが)

フランス革命百周年記念日となった1890年5月1日、フランスを本部とする「第二インターナショナル」が世界の労働者に、「仕事に8時間を、休息に8時間を、おれたちがやりたいことに8時間を!」をスローガンにして集会を開催することを訴え、メーデーが始まりました。そして、ついに1917年に「ロシア革命」が起こり、ソ連が最初の法律として「8時間労働制」を布告したのです。

それで、ソ連のような革命が起きるのを恐れた西側の資本家たちも、「8時間労働制」の導入を認めるようになり、1919年の「国際労働機関」(ILO)第1回総会で、「1日8時間・週48時間労働制」が決定され、西側にも導入されました。

日本が法律で正式に「8時間労働制」の導入を決定したのは、戦後の1947年の「労働基準法」ですから、「国民は天皇の赤子」だと言って、国民を戦場に送りながら、皇族は誰一人として戦死しなかった戦前の天皇制国家の本質は、このことだけでもわかります。

●つまり、1917年の「ロシア革命」により、ロシアの労働者が大量の血を流してくれたので、現在、日本も含めた西側諸国の労働者も「8時間労働制」を享受できるようになったのです。しかし、残念ながら、「ロシア革命」が起きた時、日本やアメリカ、イギリス、フランス、カナダ、イタリア、中華民国などの西側諸国は、ロシアに軍隊を送り、ロシアの反革命勢力を支援しました。

特に、日本は最大の兵力を投入して、ロシア人を大量に殺したのですが、その時、余りにも酷いことを日本兵がしたので、当時の右翼「黒龍会」さえもが機関紙で批判しました。というのは、動員された部隊の日本兵だけでなく幹部たちも、何のためにシベリアで戦い、部下や戦友が死ななければならないのか、その戦いの意義が理解できなかったからです。(シベリア出兵)

一度は「8時間労働制」の導入を決定したが、革命直後から始まった内戦では、多くのロシア軍が反革命勢力化してしまい、労働者はプロの軍隊と戦うことになり、また、元々当時のロシアは遅れた農業国だったので、赤軍側にはロクな武器もありませんでした。更に、内戦には当時の全ての西側先進国が軍を派遣して軍事干渉したために、誕生したばかりの赤軍は、全世界の最強軍隊と戦う事態になってしまったのです。

内戦は、軍事的天才でもあったトロツキーが赤軍を指導したことや、ソ連政府が「農地解放」を宣言して、貴族などの大地主が独占していた農地を、農民に平等に分配すると宣伝したことで農民の支持を得られたこともあり、何とか勝利したのですが、赤軍に参加した共産党の古参党員や、革命支持派の熟練労働者が大量に戦死してしまいました。

それで、当初は「8時間労働制」の導入を決定したソ連政府でしたが、急速な「工業化」=「軍事国家化」を決定し、超過労働を奨励・賛美する「スタハノフ運動」などで事実上、「8時間労働制」を放棄してしまったのです。

これは、中国や東欧、ベトナム、キューバなどでも皆同じです。だから、遅れた農業国から移行して形成されたソ連や中国などの「現実社会主義」=「国家社会主義国」では、「義務的労働時間の短縮」=「自由時間の拡大」ということが、社会の目的になったこと一度もありません。

それどころか逆に、政府は西側諸国からの反革命侵略を防ぐために、国民に労働を奨励=半強制したので、マルクスが理想とした「社会主義=共産主義」は、一度も実現しないまま、崩壊してしまったのです。

しかもソ連では、共産党の古参党員や、革命支持派の熟練労働者が大量に戦死してしまったために、社会主義の理論や理念をほとんど知らない者たちが大量に入党してスターリン派に加わり、レーニンの死後、革命戦争の英雄トロツキーさえも追放される大弾圧でスターリン派の独裁体制が確立してしまったのです。

★しかし、マルクスが予想したような先進国ではなく、開発途上国で左派政権が誕生したこと、また革命党が反革命党へと変質したことなども事実ですから、マルクス理論の吟味・検証は必要です。それは、中国を除けば、世界最多のマルクス学者を擁する日本のマルクス学者が行うことになると思われます。

その中心となる理論家は、マルクス理論に仏教と同じ「関係主義」を見出し、<「物的世界観」から「事的世界観」へ>と提唱して、「西洋思想」に対する「東洋思想」の優位(つまり新型の「攘夷論」)を説いて、多くの点で共通の文化を持つ日本と中国が連携して、世界を立て直す道を説いた廣松渉ではないかと思われます。

★ですから、仏教徒と思われる小沢一郎氏をはじめ、自由党の皆さんにも、是非、廣松渉をお読み頂き、廣松を乗り越える政治理論の構築をお願いしたいと思います。とにかく、自由は権利の問題であることは間違いありませんが、それだけでは言い尽せないことも間違いありません。


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