19. 秘密のアッコちゃん[576] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年9月22日 16:26:53 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[141]
日曜経済講座
2024/9/22 11:00
https://www.sankei.com/article/20240922-DNPZE5PXTBNBFBHHYE2VUI2DYU/
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、米国で加速する内向き志向の産業政策が大統領選を通して浮き彫りになっている。
民主党と共和党で分断が進む中でも、USスチールに関しては買収阻止で両党の足並みが揃っていて、海外企業による基幹産業への投資が政治案件化するリスクが高まる恐れもある。
日鉄によるUSスチール買収が政治案件化するきっかけとなったのが、全米鉄鋼労働組合(USW)が表明した買収への反対だ。
日鉄が買収計画を発表した2023年12月、USWはすぐに反対声明を出し
「失望したと言っても言い過ぎではない」
と非難した。
USWは
「USスチールは労働者の懸念を脇に押しやった」
とも指摘。
外国企業の買収によって、米市民の雇用が脅かされるという空気が広まり民主、共和両党の議員からも懸念の声が上がった。
こうした動きを見逃さなかったのが、大統領への返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領だ。
トランプ氏は今年1月、労組関係者と面会後、記者団に
「USスチールは日本に買収されようとしている」
「酷い話だ」
と述べ、買収阻止を表明した。
当時、トランプ氏は共和党の大統領候補指名をヘイリー元国連大使らと争っていた最中で、11月の本選を含め労組や労働者の票獲得を狙ったことは想像に難くない。
聴衆を熱狂させるトランプ節で
「私なら即座に阻止する」
「絶対にだ」
とも語気を強めた。
「米国第一」
主義を掲げてきたトランプ氏にとっては、労働者を守る強いリーダー像を示すことにもなる。
そのトランプ氏の行動に焦りを感じざるを得なかったのが、再選を目指していた民主党のバイデン大統領だ。
民主党は労組を支持基盤とし、11月の本選に向けて労組の票固めに奔走していたからだ。
しかも、USスチール本社がある東部ペンシルベニア州は、大統領選の勝敗を大きく左右する接戦州の一つ。
USWの本部もあり、買収に弱腰姿勢を示せば、自身が票田としたい労組をトランプ氏に切り崩されることになる。
バイデン氏は3月、
「国内で所有、運営される米国の鉄鋼企業であり続けることが不可欠だ」
との声明を出し、買収阻止を明言しない形で反対姿勢を強く滲ませた。
11月の投開票日が近づくと買収阻止に向けた動きが強まる。
バイデン氏の出馬辞退で民主党の大統領候補となったハリス副大統領は祝日のレーバーデー(労働者の日)である今月2日、ペンシルベニア州で演説し、
「米国内で所有、運営されるべきだ」
と表明。
労組に寄り添う姿勢を鮮明にした。
すると4日、バイデン氏が買収を阻止する方向で最終調整に入ったと複数の欧米メディアが報じ始めた。
バイデン氏はハリス氏について
「(大統領選で勝利すれば)労組寄りの歴史的な大統領になる」
とも語っていた。
買収阻止は、大統領選でトランプ氏と激しく競り合うハリス氏への援護射撃を狙ったとみられる。
しかし、ここでバイデン氏側の見通しの甘さが露呈する。
日鉄の買収が不成立となった場合、合理化などで地元経済に影響が及ぶ可能性があることから、米紙が13日、バイデン氏の買収阻止に対し投資家や同州の民主党関係者、労働組合の一部から懸念が出て、
「ホワイトハウスは各方面からの反発に驚いた」
と報じた。
世論の動きを読み切れていなかったのだ。
接戦州では僅かな票差が明暗を分けることになる。
そのプレッシャーから票獲得を意識し過ぎて冷静な判断を欠く恐れもある。
バイデン氏がトランプ氏に勝利した2020年の前回大統領選で、接戦州の中西部ウィスコンシン州の得票率の差は僅か0.6ポイントだ。
民主党と共和党による意見対立や分断が進む中でも、両党の大統領候補が同じ政策を語るのは、
「接戦を制するため少しでも支持拡大に繋がる施策に寄るからだ」
と米政府関係者は指摘する。
米企業への買収や投資が政治案件化しやすくなるのは4年に1回の大統領選だけではない。
大統領選の中間年に実施される連邦議会や州知事などの
「中間選挙」
もその恐れがある。
中間選挙で上院(定数100)は約3分の1、下院(定数435)は全ての議席が改選され、両院の多数派を巡る戦いとなる。
多数派を握れば法案審議に加え、大統領の政権運営にも大きな影響力を与えることができる。
このため、中間選挙や大統領選と同時実施の上下両院選のタイミングで多数派を狙った人気取りの政策になりやすい。
また、両党を支持しない無党派層が雇用維持に高い関心を示せば、その票を得ようと両党の産業政策がより内向きになることは避けられない。
USスチール買収計画“米政府が日本製鉄の再申請認める見通し”
2024年9月18日 9時08分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240918/k10014584491000.html
日本製鉄によるアメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールの買収計画について審査を進めているアメリカ政府の対米外国投資委員会が、日本製鉄が買収承認の審査を再申請することを認める見通しだと欧米メディアが相次いで伝えました。
この買収計画は11月に行われるアメリカ大統領選挙に向けて政治的な論争の的となってきましたが、ブルームバーグは買収を承認するかの判断は大統領選挙後になる可能性があると報じています。
日鉄のUSスチール買収阻止は対中競争と日米強化に逆行 米有識者「安保リスクない」
2024/9/18 9:02
https://www.sankei.com/article/20240918-2J5VQOQZIZM3RDFQBSYJVPTVNM/
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収をめぐり、バイデン大統領が阻止すれば、米国の最大脅威の中国との競争にマイナスとなり、対中戦略の要である日米関係の強化にも逆行するとの見解を知日派の有識者が相次ぎ表明した。
政権が理由に挙げる
「安全保障上の懸念」
にも一様に異議を唱えている。
全米鉄鋼労働組合(USW)が計画に反対し、
「史上最も親労組の大統領」
を自認するバイデン氏は対米外国投資委員会(CFIUS)の勧告を待って買収禁止命令を下す方針とみられる。
CFIUSは日鉄買収が米国内の重要事業を支える鉄鋼供給に悪影響を及ぼす
「安全保障上の懸念がある」
と伝えたとされる。
これに対し、米シンクタンク、ハドソン研究所のケネス・ワインスタイン日本部長は取材に
「安保上のリスクはない」
と指摘。
「日鉄による投資でUSスチールはより強い経済プレーヤーとなり、米国はより効果的に中国と競争することが可能となる」
と訴えた。
米国の鉄鋼業は中国などとの価格競争によって衰退した。
中国は世界鉄鋼生産の5割超を支配。
米国は4%にとどまる。
同研究所のウィリアム・ジョー日本副部長は
「鉄鋼は重要な国家資源」
とする一方、
「実際に国防総省は米国生産の鉄鋼の3%しか使用していない」
とのデータを挙げ、
「安保上の懸念との主張は政治的動機に基づくものだ」
と強調した。
ジョー副部長はまた、
「中国は国際市場を支配して外国が中国に依存する状況を作るため、意図的に過剰生産を続ける」
と指摘。
「習近平政権下の中国は法の支配に基づく秩序に従って行動したいとは思わない」
「日米はこのことを共に理解するからこそ緊密に協力する必要がある」
と訴えた。
日鉄の計画はUSスチールを149億ドル(約2.1兆円)で買収し先端技術導入で国内生産能力と供給網を強化、既存生産拠点に27億ドルを投資する。
ジョー氏は日鉄を含む日本の対米投資は、中国の挑戦に対処するため深化してきた
「過去10年の日米関係の偉業」
に沿うものだとも語る。
チャーリー・デント元下院議員(共和党)は米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿し
「米国は軍事、経済、文化上の深い絆を日本と共有し、日本企業には米国に責任ある投資を行ってきた実績がある」
と指摘。
安保上の懸念との論拠は
「時代遅れの発想で、信頼された同盟国と協力する戦略的利益を無視する」
と再考を求めた。
バイデン氏の最終判断は大統領選以降となる見通しだが、任期終了までに阻止に動けば自らの外交レガシー(遺産)に禍根を残す可能性もある。
http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/542.html#c19