★阿修羅♪エイズミステリー 序文


献辞 謝辞 序文
第1章 「ゲイ」の癌という神話
第2章 ストレッカーとの出会い
第3章 癌ウィルス学者とその使命
第4章 動物実験者とエイズ
第5章 B型肝炎ワクチン試験(1978-1981年)
第6章 「ゲイの疫病」
第7章 アフリカとハイチのつながり
第8章 エイズの世界的蔓延
第9章 エイズの政治学
第10章 エイズをめぐる陰謀
第11章 エイズと世界の狂気
エピローグ 参考文献 解説(中川米造)

エイズ・ミステリー

すべての人間に感染する可能性を持つエイズが、 なぜゲイの病気として始まったのか?


ノーマン・L・ラルフと
ノーマ・ジーンを
心からしのんで

「肉体と夢と自我が去るとき、ひとは、自分が永遠に存在しつづけることを知る。これは死によ ってのみ達成されるひとは考えるかもしれないが、死をとおして達成されるものは何もない。死 は無だからである。すべては生をとおして達成される。そして、生は心のものであり、心の中にあ る。肉体は生きもしなければ死にもしない。なぜなら肉体は、生である人間をその中に閉じこめ ておくことができないからである。」

                                 ──奇跡の道

謝辞

 この本は、1986年夏のある出会いから生まれたものである。その出会い は、私の人生におけるもっとも重要な出来事のひとつになった。長年の友人で もあり師でもあるヴァージニア・リヴィングストン=ウィーラー医学博士と、 その夫君であられるオーウェン・ウィーラー医学博士に、あの特別な会合に招 いてくださったことを感謝したい。そこではじめて私は、エイズは生物兵器実 験であるという理論に関するまじめな議論に接したのであった。

 ロサンゼルスのカイザー財団病院医学図書館のジュディ・ダウド、リンダ・ ヨコヤマ、ジェフ・エルザーの各氏には、本書の執筆に必要な医学資料を入手 するのに大いに骨を折っていただいた。

 また、原稿の執筆に携わったこの1年の間に、多くの友人が、新聞や雑誌そ の他の情報源から、エイズに関する貴重な情報源を提供してくださった。本書 に収載させていただいたものが数多くある。次に記す友人諸氏に厚くお礼を申 しあげたい。アーマンド・オーガー医学博士、オリン・ボーステン、エドワー ド・ジョージ・ガレン、ヴァーン・ハドン、バリー・ラインズ、イーヴリン・ ネイデル、ハワード・クウォンデ、フランク・A・シナトラ、ミラード・ティ ップ、ジャック・トルー。

 ジョン・ラポポートが序文の執筆を引き受けてくださったことは、私にとっ てたいへんな光栄である。エイズ起源に関するジョンの独創性に富んだ記事の 数々が、、多くの新聞雑誌に掲載されているが、それらはエイズに関してこれ まで発表された記事のなかで、もっとも刺激的であり、注目に値するものであ る。

 ロン・アンダレッグには、その芸術的才能でもって表紙のデザインをしてい ただいたことに対し、また、本書の執筆を励まし支援してくださったことに対 し、心より感謝の意を表したい。

 編集に携わってくださったスザンヌ・ヘニッグ教授からは、文章に関する貴 重な意見と原稿の諸所についての鋭い分析を頂いた。本書の質が最終的に大幅 な向上をみたのは、ひとえに彼女のおかげである。

 最後に、ロバート・ストレッカー医学博士に衷心より謝意を表したい。彼と の親交を得たこの1年のうちに、私の人生は、エイズ起源に関する彼のユニー クな考えによって甚大な影響を受けた。私の友人となり師となった彼は、豊富 な科学の資料に私の心を向けさせてくれたのである。それによってエイズの実 態についての私の見方は、すっかり変わってしまった。

 いろいろな意味で、この本はストレッカーのものである。

 この機会に、エイズに関して論争を巻き起こしているいくつかの見解を多く の人と分かちあえることを感謝したい。それとともに、新しい考えや再生した 理想が、かつて地球に解き放たれたもっとも忌まわしい病気を征服する助けと なるよう願わずにはいられない。

序文

 人はだれでも、何ヶ月かのあいだ調査をしてまわり、多くの質問を繰り返す うちに、エイズと呼ばれるこの病気に対して新しい見方をするようになる。そ して、この病気を解明する可能性のある理論がすべて公平な扱いを受けている か、はなはだ疑問に思うようになる。

 他のどの機関もそうであるが、エイズの研究機関を運営しているのは一握り の人間であり、その代表者が、最新の研究成果や治療法の開発に関する情報 を、報道機関に与えている。

 報道に携わる科学記者が手がかりを得るのは、これらの代表者をとおしてで ある。そこには当然のごとくに、記者に与えられるのは最新にして最重要な情 報であり、それ以外の情報は存在しないのだという思い込みがある。

 もちろんこうしたやり方は、探求心に富む記者なら満足できるはずはない。 ところで、ほとんどの人は最初は、だれであれ何かを管理する立場にある人間 は善意の人である、と考えているのではないだろうか。権威者はつねに最善を つくそうと努力しているのだ、と信じているのである。指導者の関心は政治よ りも真実に向けられているのだ、と考えているのである。

 だが、そこへ何かが起こる──スキャンダルが、いざこざが、人を当惑させ る愚劣な事件が。幕が上がって、胸をむかつかせるニュースの一端が明るみに 出る。そこで人々は考えを改めるのだ。

 エイズを調べているとだれでも疑問を抱かずにはいられない。

 国立衛生研究所(NIH)の人間は、この病気に関して、なぜ一つの理論にし か関心を示さないのだろうか?資金を供与し研究してみるだけの価値がある理 論がほかにいくつもあるのに、なぜそれらには目もくれないのだろう?

 この病気を治療することに主眼を置いているのだろうか?それとも、連邦政 府からの巨額な資金を左右できる一握りの人間の手に、研究を握っておくのが 目的なのだろうか?

 いうまでもなく、巨額の研究資金を確保するためには、科学者はうわべだけ でも立派な成果と進歩のあとを示す必要がある。弱さや自信のなさを見せるわ けにはいかない。HIV(エイズウィルス)からいかがわし いワクチン計画へ、エイズ問題をこの地上から一掃する魔法の弾丸へと、着実 に前進していく必要があるのだ。

 活躍している科学者のだれでもいいから、エイズが研究室の事故によって発 生した可能性があるか尋ねてみるがいい。10人が10人とも一笑に付すに違 いない。こちらを見返す彼らの顔はこう言っているだろう。「なんだって、ば かなことを言うんじゃない。非常識にもほどがある。そんなくだらないたわご とを口にするのは、ちゃんとした経歴も信用もなく、博士号も持っていない無 教養な人間だけだ。」

 現実はどうなのだろう。1987年現在、世界中には何千という研究室があ って、何万もの実験が行われている。事実、この研究室の集合体はそれ自体が ジャングルであり、ウィルスの巨大な貯蔵所である。そこで紛失したウィルス や新たに発見されたウィルスが、細胞系や実験を汚染するのは珍しいことでは ない。

 だから、こういう疑問を抱くのはしごく当然のことなのだ──ひょっとし て、エイズは研究室から逃げ出したのだろうか、と。世界中で研究室の事故や 安全性への違背行為が頻発している。エイズのような新しい病気が突然に発生 したとき、まず最初に調べられなければならない場所の一つが研究室なのは当 然である。

 ここ数ヶ月間、私はエイズの調査と記事の執筆にあたってきたが、いわゆる 最高の学者とやらが、この病気の扱い方を心得ているようにはまったく見受け られなかった。大学の2,3の科学者からも、同じことをこっそりと打ち明け られた。

 マイケル・ゴールドが書いた『細胞の共謀』(1986年)という本を是非読んで みられるがいい。そして、自分たちのずさんさ、しくじった実験、浪費した時 間と金、こういったものを突きつけられたとき、科学者たちがいかに真実を認 めようとしないか、嘘をつこうとするか、非難の出所を疑ってかかろうとする かを見てみるといい。インチキを見破られた卑劣な詐欺師のごときふるまいを するかを見てみるといい。さらにまた、真理という彼ら自慢の観念に何が起こ るかを、じっくり見てみるといい。

 アラン・キャントウェルのこの本をぜひ読んでいただきたい。彼はエイズに 関する政策綱領を、善なる神から賜った言葉としてうのみにすることはしな い。

 彼は疑うことを知っている。そして、そのことこそが私の気に入っている点 である。彼は、科学の守護者はつねに真実を語るものだ、という前提を認めな い。と同時に彼は、自分がすべての答えをもっているわけではないことを認め ている。

 キャントウェルは、自分が医者であることをかさに着て、他人に意見を押し 付けることはしない。学問の香をたいて資格やら地位やらを呼びだし、ありも しない階級の高みから人を見下すこともしない。

 今回のこれが終わるまでに、エイズは微生物をめぐるごたごたと関係がある ことが明らかになるかもしれない。たとえば、研究室内で行われていること や、ワクチンの製造、あるいは、違う種の動物から取りだしたあらゆる細菌 を、別の動物に接種するといったたぐいのことである......。

 これらすべてについて、キャントウェルは何かを知っている。彼は科学の玉 座を永久に守ろうとするような男ではない。読者が考えるべきことを、彼は語 ってくれるだろう。彼の言葉に耳を傾けようではないか。
                         ジョン・ラポポート
 ロサンゼルス 1987年8月




(ジョン・ラポポートはフリーランスの記者として、『スターン』『イン・ジーズ・タイムズ』『ヴィレッジ・ヴォ
イス』『ニューヨーク・ネイティヴ』『LAウィークリー』『スポーツ・インターナショナル』等をはじめ、米国やヨ
ーロッパの数多くの新聞に記事を書いてきた。現在は、エイズの起源に関する記事を執筆中である。)




  目次
献辞
謝辞
序文
第1章 「ゲイ」の癌という神話
第2章 ストレッカーとの出会い
第3章 癌ウィルス学者とその使命
第4章 動物実験者とエイズ
第5章 B型肝炎ワクチン試験(1978-1981年)
第6章 「ゲイの疫病」
第7章 アフリカとハイチのつながり
第8章 エイズの世界的蔓延
第9章 エイズの政治学
第10章 エイズをめぐる陰謀
第11章 エイズと世界の狂気
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