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2025年5月24日07時30分 〜
記事 [政治・選挙・NHK297] 農相更迭劇の裏で学術会議潰し 無為無策だけではない石破政権の危険性(日刊ゲンダイ)

※2025年5月23日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し


※紙面抜粋


※2025年5月23日 日刊ゲンダイ


国民を食わせる政治はなおざりで「学問の自由」潰しはシャカリキ(C)日刊ゲンダイ

 江藤更迭ではマンガのような迷走を見せた支持率最低内閣だが、肝心のことはやらないくせに、「学問の自由」潰しはシャカリキだ。衆院を通過した学術会議法人化法案に改めて学者の間から「大反対」の声が上がっているが、なぜか大メディアは無反応。

  ◇  ◇  ◇

 コメの値札を見ては嘆息する消費者をヨソに「家に売るほどある」と自慢したコメ持ち農相がスッタモンダで更迭され、自称「コメ担当大臣」が爆誕した。この国の政治はマンガみたいだ。先代から農水族の江藤拓前大臣は失言を重ね、急転直下でクビ。それで後釜に座ったのは、親譲りの新自由主義者である小泉進次郎元環境相。スーパー店頭のコメ販売価格は過去最高値を更新し続けている。泥縄内閣に加わった進次郎は「コメの高騰に対し、スピード感を持って対応できるように全力を尽くしたい」と意気込むが、ハッピーエンドは期待できない。

 運用を変更して3月中旬以降に3回も放出した備蓄米は、小売店にちっとも届かない。消費者がヤキモキする中、神経逆なで発言を連発した江藤は論外だが、自民党農林部会長時代の「改革意欲」を買われたという進次郎も不安だらけだ。官邸へ呼び込み後、報道陣から「普段、お米を何キロくらい買っていますか」と問われ、こう答えていた。

「まあ、いろんなお米を買いますね。息子も娘もまだ小さいもんですから、時短であげなきゃ、って時なんかはパックご飯も買います」

 なぜ数量で返答しない──。2キロか、5キロか。4人家族であれば、まとめ買いで10キロか。難問ではないし、機微にも触れないだろう。実際に購入していれば即答できる。加工米飯しか買わないのか。実のところはパン派なのか。「新しい時代の農林水産行政を築いて、消費者の理解と生産者の意欲との距離感が縮まるような関係が築ければ、前向きな方向に転換できるチャンスにもできる」なんて言っているが、消費者目線があるのか極めて怪しい。

 石破内閣の支持率は下落の一途だ。個別面接方式のため信頼度が高いとされる時事通信の世論調査(16〜19日実施)で、支持率は前月比2.2ポイント減の20.9%。2カ月連続で発足以降最低を更新した。不支持率は1.7ポイント増の52.9%。迷走する石破政権は自民党随一の「人寄せパンダ」の進次郎に一縷の望みを託し、局面転換を図りたいところ。大臣交代を機に、石破首相は備蓄米の業者売り渡しについて随意契約を検討するよう指示。28〜30日に予定していた4回目の入札は中止になった。張り切る進次郎は「需要があった場合は無制限に出す」とまで言い出した。どこにそんなコメがあるのか。「進次郎構文」にしたって、デタラメが過ぎる。

備蓄米の在庫は適正水準の3割

 自民党政権による減反政策の実質継続で、コメの供給量は圧倒的に不足している。1993年の大凶作で起こった「平成の米騒動」をきっかけに、94年に成立した食糧法は必要量の確保を規定。現状の適正水準は、毎年6月末に100万トン程度の備蓄とされている。しかし、今年はすでに31万トンを放出。5〜7月に毎月10万トン出す予定で、買い戻し期限を「1年以内」から「5年以内」に延長もした。計画通りに実施すれば、備蓄米は昨年6月時点の91万トンから31万トンに激減する。災害大国ニッポンの備えは枯渇寸前だ。

 戦後80年。国民を食わせる政治の務めはなおざりなのに、「学問の自由」潰しにはシャカリキ。暮らしを不安定化させる石破政権の危険性は無為無策にとどまらない。物価高対策に世間が気を取られているドサクサに紛れて、「学者の国会」と呼ばれる国の特別機関の日本学術会議を特殊法人化する法案が13日、原案通りに衆院を通過。自公与党と日本維新の会などの賛成多数で参院に送付された。学術会議の自律性を根拠づける現行法の「前文」を削除し、首相任命の監事や会員解任規定を新設するなど、政府や財界の意に沿う組織に変質させる内容だ。2代前の菅首相による会員の任命拒否で露呈したアカデミー弱体化の総仕上げと言っていい。

 学術会議は科学者が戦争に動員され、兵器開発に協力した反省から、軍事目的のための科学研究拒否を貫く。集団的自衛権の行使容認をはじめ、軍拡路線に舵を切った第2次安倍政権から目の敵にされた。

 内政で采配を振っていたのが、官房長官時代の菅だ。子飼いの坂井内閣府担当相は「特定のイデオロギーや党派的主張を繰り返す会員は今度の法案で解任できる」と国会答弁。特殊法人化の意図はあからさまである。

憲法、学術会議法、公文書管理法を吹っ飛ばす暴挙


政府や財界の意に沿う組織に変質させる(日本学術会議歴代会長3人が会見=日本記者クラブ)/(C)共同通信社

 学術会議は4月の総会で法案修正を求めたが、石破政権は徹底無視。危機感を強める歴代会長6人は20日、連名で「政府による科学の独立性の軽視だ」と批判して廃案を求めた。梶田隆章前会長らは日本記者クラブで会見したほか、国会内の緊急集会でも「幾重にも政府の監視を強め、コントロールしているように感じられる。『理念なき法人化が日本の学術の終わりの始まり』になることを強く懸念しています」と強調。4代前の広渡清吾元会長、日弁連の藤田祐子副会長、法大の田中優子元総長、早大の長谷部恭男教授、東大の隠岐さや香教授も集会に参加した。任命拒否の当事者である東大の加藤陽子教授は、拒否に至る情報開示請求訴訟の経過を報告。「公文書管理法、日本学術会議法に対して違法な決定がなされた。ここが肝心です」「安倍内閣の杉田和博官房副長官は2012年の副長官就任まで(警察庁)警備局長、公安情報を扱うような人事をやっていた。こういう方が関与したということは意味があります」などと訴えた。

 改めて関係者の間から「大反対」の声が上がっているのだが、大手メディアの報道は総じてベタ記事扱い。ほぼ無反応だ。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう指摘する。

「そもそも戦争放棄や戦力不保持、交戦権の否認をうたう憲法9条の下では、学術の軍事利用は正当化されません。それに加え、憲法15条は公務員の選定と解任を国民固有の権利であると定めている。学術会議の会員は国家公務員法2条が定める特別職国家公務員ですから、主権者国民の求めに応じて任命拒否の理由は明らかにされなければならない。菅元首相の決定を岸田前首相も石破首相も踏襲してきたのです。まず現首相がなすべきことは説明に尽きる。それをしないまま、会員の選定や解任、方針決定に至る組織運営の根幹を事実上、首相の専権事項とするような法整備に突っ走るなんてとんでもない暴挙です」

東京地裁の判決は「全面開示」

 任命拒否をめぐっては、立憲民主党の小西洋之参院議員が起こした訴訟でひとつの司法判断が下された。「首相が任命拒否できる」とした法解釈の検討過程に関する文書の全面開示を国に求めたのに対し、東京地裁は16日、一部を不開示とした国の決定を取り消し、全面開示を命じた。国の現在の法解釈について、判決は1983年に示された考え方と異なると指摘。当時の中曽根首相は「政府が行うのは形式的任命にすぎません」と国会答弁していたためだ。篠田賢治裁判長は「首相の任命権を考えるにあたって有用な文書で公益性は極めて大きい」とした。控訴期限は月末。至極まっとうな判断に石破政権はどう応えるのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

「石破政権は安倍、菅政権と本質的に変わらないことがいよいよハッキリした。政治とカネ、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との腐れ縁、経済・金融政策、軍拡、そして学術会議。当事者がこれほど反対している特殊法人化を許せば、いつの日か国民生活に跳ね返ってくるでしょう。この問題は平和国家としての歩み、非戦、民主主義と密接に関わっているからです。求心力のない政権が短期間で強引にやっていいことではない。将来に禍根を残すことになる」

 コメ持ち江藤の更迭を決定づけたのは、野党が結束して不信任決議案の提出をチラつかせたことだった。会期末まで1カ月足らず。立憲は学術会議の独立性を明記し、安定した財源確保に向けた規定を追加するなどした修正案を近く取りまとめ、国会に提出する構えだ。参院では自公与党が過半数を占めてはいるものの、あらがう時間は十分にある。

http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/363.html

記事 [政治・選挙・NHK297] 「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑(日刊ゲンダイ)

「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/372221
2025/05/23 日刊ゲンダイ


公開したのはこの場面だけ(江藤前農相から引き継ぎを受ける小泉農相=右)/(C)共同通信社

 ピンチヒッターで「コメ担当大臣」に起用された小泉進次郎農相だが、21日の就任初日から各方面で不安の声しきりだ。環境相時代の「セクシー」発言など、弁舌爽やか、でも中身スカスカ、意味不明な語り口は、「進次郎構文」と呼ばれる。進次郎大臣が首相官邸で記者団に囲まれた際に、「さっそく炸裂した」とネット上で話題になった。

「普段、キロ数で言うとお米をどれくらい買われているのか?」

 記者のこの質問に進次郎大臣はこう答えたのだ。

「いろんなお米を買いますね。息子も娘もまだ小さいので、時短であげなきゃというときは、パックご飯も買います」

 購入しているコメの「量」を聞かれているのに、「いろんなコメ」「パックご飯」って……。質問と答えが噛み合っていない。

一夜にして180度方向転換

 独特の「進次郎構文」は、農水省内に早くも混乱を招いているという。

「就任早々、職員らが大臣から『君は改革派? 保守派?』と聞かれ困惑し、答えに窮したそうです。いろいろ説明しても、大臣の理解力が乏しいのか、理解したくないのか、なかなか分かってもらえず、職員らが既に疲弊しています」(農水省関係者)

 22日は新旧大臣の事務引き継ぎ式があったが、メディアには引き継ぎ書を手渡す場面を撮らせただけで、それぞれの発言は公開しなかったという。

 江藤前農相は、農協や農家など生産者に寄り添う典型的な農水族議員。かつて「農協解体」に手をつけようとした進次郎氏は農協の“敵”みたいなものだ。大臣が一夜にして保守派から改革派に180度変わったことも、省内を混乱させている。今月下旬に予定されていた4回目の備蓄米入札を中止し、随意契約のしくみを検討するなど、コメ農政は従来方針から一変することになった。

「きれいに舗装した道路を壊して、逆方向に新たな道路をつくるようなものですから、本当に大変です」(別の農水省関係者)

 農水省は長年、自民党の農水族との“協調関係”で農政を動かしてきた。それが今のコメ高騰とコメ不足を招いているのだから、政策の失敗と言うしかないが、農水族のドンは森山幹事長だ。

 大臣か族議員か、どっちを向いたらいいのか──。農水省職員らの苦悶の日々は続く。

  ◇  ◇  ◇

 小泉進次郎氏の農相就任で妻・滝川クリステルにも注目が集まるが、反応はイマイチのようで…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/364.html

記事 [政治・選挙・NHK297] “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由(日刊ゲンダイ)

“虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/372222
2025/05/23 日刊ゲンダイ


大屋根リングのエレベーター付近に見られた「ユスリカ」(C)共同通信社

 ホンマに夢洲でやるべきだったんか?

 大阪・関西万博の会場内で蚊に似た羽虫のユスリカが大量発生し、「気持ち悪い」「不快」との声が上がっている。万博協会は雨水をためる設備や水たまりが発生しやすい植栽などに薬剤を散布し、ユスリカの繁殖を抑える対策を取り始めた。また、大阪府の吉村知事は今月21日の会見で、殺虫剤などを製造する「アース製薬」(東京)に駆除の協力を要請したことを明らかにした。

 ただ、ユスリカは突然どこかから飛んできたわけじゃない。夢洲では以前から確認されていた。大阪自然環境保全協会は「環境影響評価準備書に関する公述意見書」(2021年12月11日公聴会)で、夢洲の生物多様性に言及。「今の夢洲は虫の王国です。多くのバッタ、多くのトンボ、多くのチョウ、そして恐ろしいほどの数のユスリカがいます」と指摘していた。

捕食者がいなくなったからか

 1977年に埋め立てが始まった夢洲は、万博の会場建設が始まるまで湿地や草地、砂れき地などの環境があり、希少種を含む多様な野生動植物の生息が確認されていた。ユスリカも魚や鳥のエサになるなど生態系を支えていたが、会場建設でこうした自然のバランスが崩れることが懸念されていたのだ。同協会の夏原由博会長が言う。

「生物多様性を保つよう意見書なども提出したが、主催者側はそこまで理解を示してくれているようには見えませんでした。結局、開発で緑地が減るなどして生物が減少し、私も会場に行ったのですが、かつてのような多くの鳥や虫はいなかった。ユスリカも鳥などの捕食者がいなくなり、大量発生のような異常が生じているのではないでしょうか」

 会場の中心にあり、1500本の樹木が植えられている「静けさの森」周辺でも、ユスリカが確認されている。ここについて万博協会は「生態系と共存し未来を共創する」と誇らしげだが、舌先三寸もいいところだ。

「生態系が損なわれ、殺虫剤がまかれるような事態になったのは非常に残念です。ユスリカによる健康被害もあるので放置はできませんが、せめて生態系に影響が及ばないような形で対応してほしい。万博は『いのち輝く』とうたいますが、頭にあるのは人の命だけではないのか。豊かな生活のためには自然が不可欠ですし、閉幕後は夢洲の自然回復に努めてほしいです」(夏原由博会長)

 人工島とはいえ、自然が残る場所に人間が乗り込み、今度は殺虫剤をばらまく。動物たちがすみかを追われる様子はさながら、ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のようだ。

  ◇  ◇  ◇

 大阪・関西万博を巡る混乱ぶりは、関連記事に網羅している。

http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/365.html

   

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