

トランプ関税交渉破綻!参院選前に「国難解決」のアテが外れ…与党の過半数割れにトドメ
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2025/07/09 日刊ゲンダイ
むなしく響く「国益を守る」/(C)日刊ゲンダイ
淡い期待は見事に外れた。参院選まっただ中の日本政府に対し、トランプ米大統領が新たに税率25%の「相互関税」を課すと通告する書簡を突きつけた。石破首相は8日、「8月1日の新たな期限に向け国益を守りつつ、日米双方の利益となる合意を目指す」と強調したが、もはや打つ手なし。参院選への打撃は避けられない。
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参院選前に関税交渉を決着させ、外交実績をアピールする──。もともと石破首相はそんな青写真を描いていた。トランプ関税を「国難」と位置づけたのもそのため。国難回避を実現すれば選挙に勝てると踏んだのである。
トランプも最初の交渉相手に日本を選び、4月の第1回協議には自ら出席。政権には楽観ムードが漂い、一時は「GW後半に総理が電撃訪米し、関税交渉は決着」(官邸事情通)との情報も流れたほどだ。
参院自民の改選組も浮足立ったが、その後の協議は難航。待てど暮らせど「朗報」は届かず、ジリジリと選挙本番のリミットに近づいていった。とうとう石破首相は先月のG7サミットでトランプに直談判。結果は何の成果も出せず、不発に終わった。それでも石破首相は「選挙期間中でも必要があれば訪米する」と意欲を示し、党内も期待を寄せた。しかし希望を打ち砕くように、先月下旬になってトランプの「ジャパン・バッシング」はエスカレート。視界不良のまま参院選に突入し、ついには有無を言わさぬ一方的な書簡公表に至ったのだ。
下手に動けば足元を見られるだけ
突き付けられた書簡(トランプ米大統領が自身のSNSで公開=トゥルース・ソーシャルから)
露呈したのは、石破首相の「甘すぎる読み」と「何をやってもうまくいかない」という拭い難いイメージである。ジャーナリストの山田惠資氏は「安易に妥協して『弱腰だ』と批判されるよりは、少しだけマシですが」と前置きし、こう言った。
「結局、関税交渉は振り出しに戻っただけ。予測不能なトランプ氏相手の交渉とはいえ、この間にも日本経済の基幹を成す自動車産業は高関税で大打撃を受けています。いくら石破首相が『国益を守る』と毅然としたポーズを取ってみても、選挙にプラスとはならない。むしろ交渉継続となったことで、下手に事態の打開に動けば、トランプ氏に足元を見られるだけ。ますます逆鱗に触れて大失敗に終わったら保守票は完全に逃げ出す。今となっては、有権者もトランプ氏から全面譲歩を引き出さなければ納得しないでしょう。石破首相は身動きが取れず、ズルズルと投開票日を迎えることになりそうです」
関税交渉の破綻によって、石破首相が勝敗ラインに掲げた「非改選を含めた自公与党の過半数維持」は「微妙な情勢」から今や「完全にムリ筋」だ。
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「公明新聞」が異例すぎる選挙分析…なんと公明党候補“全員落選”危機だとか。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。
http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/629.html