NO.6 殉教者を作り上げるパタ−ン

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投稿者 ロバート・オッペンハイマー 日時 2000 年 11 月 12 日 04:08:38:

回答先: NO.5 証拠の捏造・隠滅 投稿者 ロバート・オッペンハイマー(無記名改) 日時 2000 年 11 月 12 日 04:05:26:

殉教者を作り上げるパタ−ン

 終戦直後に立て続けに発生した鉄道関係事件がある。下山事件、三鷹事件、松川事
件である。
 下山事件は、1949年7月6日、国鉄常磐線北千住・綾瀬間の線路上で、初代国
鉄総裁・下山貞則(49)が轢死体で発見された事件。死体発見直後、吉田内閣の官
房長官・増田甲子七は、「下山は他殺と推定される」旨、さっそく政府見解を発表し
た。下山の死体は東京大学法医学教室へ運ばれ、同教授・古畑種基立ち合いのもと、
解剖に付された。死因不明、死後経過時間不明、死後轢断という鑑定結果が出た。死
後轢断となれば、自殺ではなく他殺である。当時の状況を見ると、国鉄は、1949
年6月1日、公共企業体として新発足、初代総裁となった下山は、GHQの指示で約
9万5000人の国鉄労働者の首切りをしなければならなかった。国鉄労組は大反対、
各地でストが相次いだ。6月末、労働者が警察署を占拠した福島・平事件が起こった。
7月1日、2日の両日、労使は会合を開く。両者の意見は対立、国鉄当局は話し合い
打ち切りを通告。7月5日、第1次人員整理案を出すことにした。こうした最中の下
山の死だった。
 首切りの元凶である下山殺しの疑いは共産党側にかかった。しかし松本清張は『日
本の黒い霧』の中で、犯人は米軍の謀略機関であると推理している。米国は、来るべ
き朝鮮戦争に備え、国鉄改革を急いだ。戦時、鉄道輸送は軍事作戦であるのに、国鉄
では共産党などの先鋭分子の勢力が強い。彼らを一掃するには衝撃的事件を起こし、
彼らの犯行であるように見せアカへの恐怖を煽るのが効果的だ。現に下山の死で、大
量整理は成功した。
 革新陣営の中には、この説を歓迎する向きが多かった。マスコミ関係では、朝日新
聞は他殺説、毎日新聞は自殺説で、論争を繰り返した。自殺説を取る者は、下山はG
HQと労組の板挟みになり自ら命を絶ったものと見た。自殺説を取っていた警視庁は
早期に捜査を打ち切った。

 三鷹事件とは、1949年7月15日午後9時23分ごろ、国鉄三鷹電車区車庫に
停車中の7両連結六三型電車が突然動き出し、三鷹駅1番ホ−ムの車止めを突破して
脱線転覆、付近に居合わせた市民6人が轢死または圧死した事件。
 同夜、駅から約50m南の小間物店2階では、三鷹電車区共産党細胞と同党三鷹町
委員会の会合が開かれていた。起訴された者のうち竹内景助を除く9名がこの日の会
議の出席者だった。判決は1・2審とも9人は無罪。竹内は1955年12月24日、
死刑が確定。以後も無実を主張して再審を求めたが1967年1月18日、獄死した。

 松川事件は、1949年8月17日午前2時9分、東北本線松川駅北約1.8┥の
場所で旅客列車が脱線転覆し機関士ら3名が死亡、乗客ら約30名が負傷した事件。
線路破壊工作による計画的な犯行の結果だった。下山事件、三鷹事件の衝撃と相乗し
て、国民は日本共産党に対し恐怖心を抱き、当時最大の実力を持っていた国鉄労働組
合の首切り反対闘争は完全に腰が砕けた。この一連の事件により、吉田内閣は数十万
に及ぶ人員整理を難なく実行しえた。
 この事件で国鉄労働者10名、東芝松川工場労働者10名が逮捕され、列車転覆致
死罪の共謀共同正犯で起訴された。1963年9月12日、最高裁は上告を棄却、被
告全員に無罪を言い渡した。

 松本清張によると、三鷹事件も松川事件ももちろん米軍の謀略である。アメリカの
占領政策が「民主化から反共の砦へ」転換したちょうどその時に発生しているからで
ある。アカ狩り、労働組合運動つぶしが一連の謀略事件の目的であった。逮捕された
被告はスケ−プ・ゴ−ト、後に無罪判決が言い渡されている。国家権力に対する人民
の闘争の輝かしい勝利だ。今から考えて見ると、これ程分かり易い事件はない。分か
り易いから曲者であるのだ。悪者は米軍であり善玉は共産党であった。共産党は犯罪
の濡れ衣を着せられることで、言われなき迫害を受けることで、自らの正義を国民に
アピ−ルできたのである。これら鉄道関係3事件は、長い目で見れば共産党にとって
有利に作用したのである。松本清張が『日本の黒い霧』で占領軍の謀略を暴露した時
期も興味深い。『日本の黒い霧』が文藝春秋に連載されたのは、1960年であった。
筆者が改めて指摘するまでもなく、この年は60年安保闘争が荒れ狂った年であった。
6月15日には安保反対闘争の可憐な殉教者も出ている。東大生・樺美智子さんが警
官に虐殺されたのだ。10月12日にはもう一人の殉教者が出た。浅沼稲次郎社会党
委員長が右翼少年・山口二矢に公衆の面前で刺殺されたのだ。
 自らを犠牲にして利益を得る、この戦略は一般の人にはなかなか理解しづらいかも
しれない。一時的にもせよ彼らが自分の不利になることを行うなど想像もつかないだ
ろう。彼らと大衆の相違は、その視野の長さにある。大衆は目先の利益しか追い求め
ない。しかし秘密結社は、10年20年50年100年200年500年1000年
先のことを考えて行動しているのだ。彼らの陰謀が大衆に気付かれないのも、このた
めである。100年200年先のことを考えた陰謀が存在するなど思いもつかない。
仕掛けとしてはわりと単純な陰謀が易々とまかり通ってしまうのも、大衆の想像力の
貧困さにその原因があると言える。
 ところでこの「自己犠牲戦略」はアメリカ本国でも使われた。アカ狩り、マッカ−
シ−旋風が吹き荒れたことで、「共産主義者の陰謀」という主張が単なる妄想だと思
われるようになってしまった。中世ヨ−ロッパの異端審問、魔女狩りについてもこれ
と同じことが言える。20世紀になってカトリック信仰が廃れ、魔術が復権したのも、
すべてこの愚かしい行為のおかげであった。迫害は殉教者を作り、殉教をバネにして
教えは広まる、このことを何よりも良く心得ていたのが秘密結社であった。異端審問
官には秘密結社のエ−ジェントも含まれていたのだ。
 少し説明不足だったので付け加えるが、秘密結社は基本的に共産主義が大好きなの
である。何故なら共産主義はユダヤの発明物だからだ。だから彼らは世界中に共産主
義を布教しようとした。その一方で彼らは資本主義政府を裏から操っている。そして
共産主義と資本主義をうまく使い分けながら、一国の政府、ひいては世界中をコント
ロ−ルしてきたのだ。日本の場合、彼らは共産主義革命を起こすつもりはなかった。
西側自由主義陣営の一員として、日本をコントロ−ルすることを選択したのだ。しか
し国内では安保闘争、学生運動などの反体制運動を扇動し、日本社会を混乱させ分断
して自らの支 配力を強化する戦略を用いた。旧世代とヤング・ジェネレ−ションの対
立を煽り、古い価値観を葬り去った。ビ−トルズの歌が世界中を席巻し、マリファナ
をふかしたヒッピ−がベトナム反戦の曲をギタ−で奏でる。ケネディは暗殺され、マ
リリン・モンロ−は謎の自殺を遂げた。人類は月にその一歩をしるし、世界は確実に
狭くなった。愛よりも憎しみが強くなり、予言者は不機嫌になった。人類は変わった。
J・G・バラ−ドはこう述べている。「眩しいまでに光輝く王国を支配するのは、宇
宙開発競争、ベトナム戦争、ケネディの暗殺、マリリン
・モンロ−の自殺といったイメ−ジだ・・ほかに類を見ない錬金術が使われ、われわ
れの想像力が変質させられた。感覚と感情が消滅し、愛情は死滅した。変質した想
像力は、太陽のように君臨した。ただしそれは、あの忌まわしい十年間の地上にふ
さわしい、不気味で病的な太陽だった」
 東欧民主化、ソ連邦消滅と共産主義が崩壊したのは、これも秘密結社のシナリオ通
りであった。世界支配の道具としての共産主義を、もはや必要としなくなったのだ。
それだけ彼らの世界支配が完成に近づいたと言える。共産主義の脅威を言い立てるこ
とで、軍事力経済力を己に集中させてきた。何時の時代も理想追及の先頭に立って活
躍してきた若者は、すっかり腑抜けとなってしまった。現代の若者には学生運動とい
う偽反体制運動を与える必要もない。理想を失い、金とセックスにしか興味のないミ
ニオヤジのようになってしまったからだ。かくして人類の錬金術的精神改造は成功裏
に達成された。これが秘密結社の究極的な目標であり、その目標達成ために共産主義
という似非ユ−トピア理論が発明利用されたのである。

 燃え上がった理想主義を打ち砕くパタ−ン

 これについては多言を要しない。連合赤軍のリンチ殺人事件、東アジア反日武装戦
線の連続企業爆破事件、中核派と革マル派の血で血を洗う内ゲバ殺人。学生運動の理
想は費えた。残されたものは、青少年の心の中で深く深く潜行するニヒリズム的感情
であった。

 現代の教育制度ではもう駄目だのパタ−ン

 いじめ、自殺、登校拒否、教師の生徒に対する暴力、生徒の教師に対する暴力、校
内暴力、偏差値教育の落とし子である家庭内暴力、家庭内暴力に耐えきれず親が子供
を殺してしまう反家庭内暴力、非行、少年犯罪、数え上げればきりがない。現代教育
が行き詰まっているのは目に見えている。いくつか具体例をあげる。

 1977年10月30日の未明、東京の名門高校・開成高校2年生の一人息子(1
6)が父親(47)に絞殺された。凄まじい家庭内暴力に耐えかねての犯行であった。
学校ではおとなしい息子が、帰宅すると大暴れ。「人を殺したい気持ちを我慢してき
た」と泣き叫んでは、手当たり次第に物を投げ、部屋中に水を撒き、布団を池に投げ
込み、69歳になる祖母や母(44)を殴る、蹴る。
 息子は殺された夜、「青春を返せ!人生を返せ!メチャメチャにしたのはお前らだ」
と叫んで母親を追い回した。思い余った父が寝入っている息子の首を絞めて殺害。優
秀な成績を取ることだけに、青春のすべてを費やした青年の哀れな末路であった。

 1979年1月14日、東京・世田谷の自宅で、高校生が祖母を惨殺。自分も3┥
ほど離れたビルの14階から飛び降りて自殺するという事件が起きた。この高校生は
早稲田高等学院の1年生で、父は大学教授、母は脚本家。両親は事件の1年前に性格
の不一致で離婚しており、少年は母方の家族と暮らしていた。祖父は父の師で、元東
大教授、高名なフランス文学者。祖母は孫をわが子のように溺愛。少年の自室には、
遺書として3冊の大学ノ−トが残されていた。
 犯行動機として「・エリ−トをねたむ貧相で無教育で下品で無神経で低能な大衆・
劣等生どもが憎いから。そしてこういう馬鹿を一人でも減らすため・(・)の動機を
大衆・劣等生に知らせて、少しでも不愉快にさせるため・父親に殺されたあの開成高
校生に対して、低能大衆がエリ−ト憎さのあまり行なったエリ−ト批判に対するエリ
−トからの報復攻撃」と記している。

 「青春を返せ!」でもいい、「エリ−ト批判に対するエリ−トからの報復攻撃」で
も構わない。殺されたり、自殺してしまっては何にもならない。頭がいいなら、もう
少し別の活路を見出せなかったのかと悔やまれる。もっとも事件の背後に謀略が存在
していたならば、彼らとて如何ともしがたかったに違いない。1980年11月29
日に川崎市で起きた予備校生金属バット殺人事件とあわせて、秘密結社がこれらの事
件を引き起こした目的は、偏差値偏重の現代教育ではもうだめだ、ということを示す
ことにあったのだ。これは、現在さかんに取り沙汰されている教育改革の必要性を先
取りしたような事件であった。


 学校教育ではもはや手に負えない子供たちが激増していることはよく分かった。し
かしだからと言って、学校教育以外の私人による特殊教育も我々には許されていない
のである。
 1983年6月13日、愛知県知多郡美浜町、戸塚ヨットスク−ル校長・戸塚宏(4
2)が訓練生(13)を暴行し死亡させた傷害致死容疑で逮捕された。戸塚ヨットス
ク−ルでは、この訓練生を含め死者3人、行方不明2人を出した。戸塚校長は太平洋
横断単独ヨットレ−スの優勝者。同校は、1976年、家庭内暴力や登校拒否などの、
情緒障害児を集団生活とヨット訓練によって矯正、治療する目的で開校した。当時、
登校拒否、校内、家庭内暴力、非行などが急速に増加、これらの子供の親たちはわが
子に手を焼き、学校、各種相談所、警察、病院などを訪ね歩いた末、万策つきて、戸
塚ヨットスク−ルに辿り着いたのである。
 戸塚ヨットスク−ルの常識を超えたスパルタ訓練、厳しい体罰としごきは世間の指
弾を浴びたが、心身ともに健康になった子供も少なくなかった。ヨットスク−ル摘発
後も入校希望者は減らず、退寮者も少なかった。

 戸塚は誰もが見放した問題児を預かり、ヨットの訓練を通じて彼らを矯正しようと
したのである。『私が直す!』と豪語する戸塚に、行き場を失った親たちは最後の望
みを託した。そして戸塚が言うように、実際によくなった子供たちも多かったのであ
る。しかし戸塚ヨットスク−ルは潰された。秘密結社にとっては、子供の精神障害が
直ろうが直るまいがどうでもいいのである。かえって危ない子供たちが増えてくれた
方が有難いのだ。教育制度改革の口実になるからである。戸塚のように、あっさりと
問題児を直してしまう救済者が現れては困る。教育制度の改革は、あくまで 秘密結社
の敷いた公的レ−ルの上で行われなければならないのだ。
 戸塚はひとかどの人物であった。戸塚に感謝している訓練生の親も多い。子供たち
の心がすさんで教育が荒廃すると、戸塚のような変わり種の教育者が出現するから人
生は面白い。しかし秘密結社にとっては、戸塚は単に排除すべき異物の一つ、時期を
見てスキャンダルを起こして葬り去ってしまうべき存在に過ぎなかった。
 戸塚ヨットスク−ルで死亡した訓練生3人は、おそらく医者によって殺されたのだ
ろう。貨客船から行方不明になった訓練生2人は、秘密結社のエ−ジェントによって
船から突き落とされたに違いない。これもすべて戸塚ヨットスク−ルの評判を落とし
て解体に持っていくためであった。

 最後に子供の自殺についてざっと触れておく。1979年9月9日、埼玉県上福岡
市で「壁」と呼ばれていた中1生・林賢一君(12)が、飛び降り自殺した。「いじ
め」の背景に陰湿な民族差別と偏見があった。林君の父親は朝鮮人で、母親は日本人。
 1986年2月1日、国鉄盛岡駅ビル地下1階男子トイレで、東京・中野富士見中
2年生、鹿川裕史君(13)が首吊り自殺した。遺書には、「このままじゃ『生き地
獄』になっちゃうよ」と書かれていた。
 1994年11月27日、愛知県西尾市の中2生・大河内清輝君(13)が、自宅
裏庭の柿の木で首をつって自殺した。
 少年たちの死は本当に自殺だったのだろうか?はなはだ疑問である。

 児童ポルノを規制しようのパタ−ン

 アダルト・ビデオやポルノ漫画、ロリコン雑誌やアニメ、ホラ−映画に影響されて
凶悪な性犯罪を犯してしまったのが、女子高生コンクリ−ト詰め殺人事件の少年たち
や、幼女連続誘拐殺人事件の宮崎勤君であった。
 1989年3月30日、別件の婦女暴行容疑で逮捕されていた足立区の少年2人(1
7と18)が女子高生を拉致、40日間にわたって監禁・暴行したうえ、1989年
1月、リンチを加え殺害、死体をドラム缶に入れ、コンクリ−ト詰めにして江東区内
の埋め立て地に捨てたことを自供。同日、女子高生の死体を発見、少年たち(主犯格
Aが18、B・D17、C16でいずれも高校中退)を再逮捕した。
 少年たちの女子高生に対する暴行が凄まじい。ホテルに連れ込み輪姦、その後Cの
家に連れ込み監禁。殴ったり、蹴ったり、手足の甲にライタ−の火を押しつけたりし
た。女子高生はろくに食事も与えられず、風呂にも入れず、傷ついた体は悪臭を放ち、
自力では立てなくなっていたという。
 まさに常軌を逸した犯罪だが、こんな少女に対する凌辱シ−ンはコミック雑誌では
お馴染みの世界だ。毎度毎度同じパタ−ンで凌辱場面が続くので、当たり前過ぎて飽
きられているくらいだ。それでもこの手のポルノ雑誌がコンビニに行くと何冊も並ん
でいるので、それなりに需要はあるのだろう。コミック雑誌に影響された少年たちの
病んだ頭の中で、空想と現実の区別がつかなくなった。凶暴な性欲を持て余した少年
たちは、コミックの凌辱シ−ンを実行に移したのだ、というのがマスコミの解釈であ
る。
 筆者の解釈は違う。彼らは殺人犯ではない。事件はでっち上げ、少年たちはスケ−
プ・ゴ−トである。暴行監禁凌辱殺人事件でっち上げの目的に関しては、筆者も首を
ひねったものだ。この事件の場合、悪者にされているのはもちろん少年たちだが、犯
行の動機にポルノの影響が指摘されてもいる。目的達成のために事件を起こす、とい
うのが謀略のパタ−ンであるので、この場合秘密結社の狙いはポルノ規制にあったと
考えなければならない。これが論理的思考方法というものだ。だが現実を見てみると
どうだろうか。規制どころか、ヘア解禁等、ポルノはますます野放し状態になってい
るではないか。どうもおかしいぞとずっと考え続けてきたのだが、最近になって得心
するものがあった。それは、児童買春・児童ポルノ規制の動きである。児童買春・児
童ポルノ処罰法違反で実際に逮捕者も出ている。そうか、分かった、ポルノは結構だ
が、児童ポルノに関してはご法度なのだな、と納得した。常識的に考えたら、児童ポ
ルノだろうが成人ポルノだろうが悪いものは悪い。ポルノはポルノ、精神に悪影響を
与えるのは変わらない。これが児童ポルノに関してだけ取締りが厳しくなってきたの
は、日本も欧米並の基準に近づいたということだ。アメリカでもヨ−ロッパでも、チ
ャイルド・アビュ−ズ(児童虐待)に対する世間の目は厳しい。だがその反面、ポル
ノは大手を振って歩いている。何しろ表現の自由が保証された先進国なのだ。イスラ
ム世界とはわけが違う。
 いずれにしろ児童買春・児童ポルノ規制、大いに結構ではないか、とのご意見もあ
ろう。ごもっともである。しかし世界のエリ−ト階級が本気で倫理道徳を追求しよう
としていると考えてはならない。元合衆国大統領ジョ−ジ・ブッシュなど、筋金入り
のペドフィリア(幼児性愛者)である。つまりこういうことだ。これからの世の中は、
金と権力さえあれば特権的快楽はいくらでも手に入る。日の当たる表の世界では、犯
罪に対する法の目が光っている。しかし裏世界ではドラッグ、セックス、ポルノ、ス
ナッフなどが闇で高額で取り引きされているのだ。エリ−トはこの裏世界にこっそり
とアクセスできる。ただし庶民はこれらの特権から締め出されている。貧乏人は年増
の中年女で満足しろ、ということなのかもしれない。
 ここで頭のいい人なら、一つの疑問を提起するだろう。児童買春・児童ポルノを規
制しようとするなら、何故初めから厳しく取り締まろうとしないのかと。何故、有害
情報を野放しにして置いたのかと。実はそれでいいのだ。問題が発生するまで放置す
る、これが正しい戦略なのである。青少年の心が有害ポルノに汚染されているからこ
そ、女子高生コンクリ−ト詰め殺人事件のような事件が起こっても説得力を持つのだ。
これがもし健全な青少年の中で突発的に発生した突然変異的な事件であったなら、単
なる狂人の犯罪で終わってしまうだろうし、これでは社会に対するインパクトも皆無
だろう。誰でもこういう凶悪な犯罪を犯してしまうかも知れない時代であるからこそ、
事件が世間の人に与える影響は大きいのである。ひょっとしたら家の息子も?あるい
は近所のA君も?家の娘が犠牲になったかも知れない、うかうか一人で夜道も歩けな
い。こんなシュ−ルな恐怖感が大衆の心を覆う。そしてこの恐怖感を利用して、国家
は大衆に対する管理を強化していく。つまりこの殺人事件は現代という時代が生んだ
犯罪、すなわち象徴殺人であらねばならなかったのだ 。事件が起きた段階で誰もが、
ああやっぱりそうだったのか、こんな時代だからな、と思ってしまう雰囲気が存在し
ていることが重要だったのである。
 もう少し分かりやすい例をあげると、援助交際がある。援助交際も様々な問題を引
き起こしたということで、法的に規制されるようになった。しかしもし女子高生の間
で援助交際がポピュラ−にならなかったならば、当然援助交際に対する規制の動きな
ど生じなかったであろう。単なる非行少女、不良少女の売春で話は終わってしまうか
らだ。そうならないためには、規制の動きが生じる前に、いったんは援助交際がブ−
ムになることが必要であったのだ。そのために権力者は援助交際を野放しにした、い
やむしろ影でブ−ムを作って援助交際を煽ったのである。自分の体を売って金を儲け
て何が悪い、大人だって汚いことやって金儲けしてるじゃない、という考えをマスコ
ミを使って女子高生に吹き込んだ。親父は親父でくたびれ果てた古女房よりも、若く
新鮮な肉体の方が魅力的なのは当然だ。それが2万や3万円で手に入るのだから堪ら
ない。週刊誌を読むと結構援交にはまっている人も多いみたいだ。これはやらねば損
だ、と思ってしまった。
 もう一つ別の例をあげよう。宗教である。大金を騙し取られた、無茶な修行で死亡
した、自殺者が出た。問題のある宗教は数知れない。権力者は何故こんな危険な宗教
を野放しにして置くのであろうか。問題が生じる前に規制は出来なかったのか。疑問
に思う人は多いだろう。中にはテレビ番組で好意的に取り上げられた宗教団体もあっ
た。それが後になってトンでもないインチキ宗教であったことが暴露される。政府は
いったい何をやっているのか、無為無策ではなかったのかと批判が噴出する。国家権
力とはこんなに無能な存在なのだろうか。実はそうではないのである。彼らはわざと
問題のある宗教を放置しているのである。何故か。
 それは問題が生じる前にあらかじめ危険な芽を摘み取ってしまえば、宗教に対する
規制ができないからである。宗教団体によるトラブルが発生してこそ、宗教団体規制
に対する口実ができるのだ。世間を説得する材料としても使える。これがもし宗教団
体側に何も問題がなければ、無謀な規制は出来ない。やれ宗教弾圧だ、やれ信教の自
由の侵害だ、やれ憲法違反だ、と国民が騒ぐのが目に見えている。こうなっては困る。
だから政府はわざと問題を放置する、あるいは問題がなければでっち上げてしまう。
最初に宗教団体を自由放任にしておいて、後で問題が発生した時にここぞとばかりに
攻撃する、これが真実有効な支配の手段なのである。例えばオウム真理教の場合、国
家権力に追い込まれて毒ガスを製造しようとしていたことは確かであろう。米軍か自
衛隊か知らないが、実際に毒ガス攻撃を受けていたことも間違いないだろう。そして
国家権力は追い詰められた彼らが自衛のため毒ガスを製造しようとするまで、わざと
彼らを放置して置いたのである。公安警察はオウム真理教が毒ガスを製造しようとし
ていることなど事前に察知していた。当たり前のことだ。それぐらいの働きをしてい
なければ、税金泥棒と言われてもしかたがない。しかし国家権力はこの段階でオウム
真理教を摘発するつもりはなかった。オウム真理教を追い詰めて彼らが法に触れる行
動に出るのをじっと待ったのだ。だからと言って地下鉄サリン事件はオウム真理教が
引き起こしたものであると言っているわけではない。彼らにあれだけ完璧な軍事行動
を取れる能力などなかったことは明白である。地下鉄サリン事件は秘密結社が演出し
たものである。だがもしオウム真理教が毒ガスを製造しようとしていなかったならば、
オウム真理教が地下鉄にサリンを撒いたというシナリオに説得力は生じなかったであ
ろう。火のない所に煙は立たない、誰でもそう考えるからだ。オウム真理教事件の場
合、少なくとも煙はあったのである。しかし彼らが大火事を起こしたというわけでは
ないのだ。

 これまでの説明で、秘密結社の心理戦争の戦術というものが分かって頂けたと思う。
彼らは自分たちの欲する方向に大衆を誘導するために、一度はそれとは正反対の方向
に大衆を誘導する。そしてそこで大失敗をさせて、二度と同じ道を歩むことは避けよ
うという雰囲気を作りあげるのだ。希望が大きければ大きい程、失敗した後で落ち込
む絶望も深い。光が強ければ強い程、闇もまた濃くなるのだ。オカルト秘密結社はこ
の人間心理を熟知している。一見回りくどいようだが、この逆転の発想は大衆支配に
極めて有効なのだ。大失敗がなければ、懲りずに同じ道を歩こうとする者が必ず出て
来るからだ。ところが失敗して懲りた後では、余程の愚か者以外は以前と同じ道を歩
もうとする者はいなくなるだろう。逆に言えば、それでも以前と同じ轍を踏もうとす
る者がいたなら、そいつは余程の愚か者であると見なされてしまう。ナチスの登場に
より西欧におけるユダヤ人迫害は死滅したし、大東亜戦争のおかげで神州日本・「神
の国」は時代錯誤となった。オウム真理教のせいで新新宗教ブ−ムに楔が打たれたし、
バブル崩壊のせいで日本の大企業は多国籍企業に乗っ取られてしまった。そして性道
徳の乱れは男女関係の国家管理への道を開いてしまった。国家によるセックスの管理、
これは究極的には自然な男女関係の破壊にまで突き進む恐れがある。男と女の区別は
薄れ、人類は限りなく中性化する。自然の生態系は破壊され、後には無機的な死の街
だけが残される。街を行き交うのはロボットかサイボ−グ、あるいはクロ−ン人間だ
けである。超高層ビルのオフィスに陣取る特権階級と、スラムで残飯を漁る浮浪者の
群れ、これが秘密結社の描く未来の見取り図なのである。

 宮崎勤君事件については皆さんよくご存じだと思うので、ここで詳しく述べない。
幼女を自己の欲望充足の対象として誘拐して殺害したロリコン青年、現実の社会や人
間との接触を恐れ、ビデオの映像世界に閉じ籠もったおたく族、これが宮崎君に与え
られた世間の評価であった。

 昔の街並みを破壊して、新しい都市計画を敷くパタ−ン

 考えてもみて欲しい。古い木造家屋を取り壊して新しいビルを建てるのがどれほど
大変な作業であるかを。まず大家の猛反対が予想される。地域住民も昔の住環境を残
そうとして、都市開発に反対するかもしれない。他の大家が全員立ち退きに同意して
も、開発地区の中に一件だけぽつんと頑固者の大家が居残っていたならビルは建てら
れない。説得するのに時間もかかるし、ごねられて立ち退き料もかさむかも知れない。
正規の手続きを取っていたら、それこ そ時間と金がいくらあっても足りないのだ。だ
がこの難問を一挙に解決する良策がある。火事である。火事が出て木造家屋が丸焼け
になってしまえば、取り壊しの手間が省ける。大家も自分で火を出した手前、諦めざ
るを得ない。万事解決である。これが最近木造家屋の焼失が多い本当の理由なのであ
る。つまり火事の原因は失火ではなく、放火であるということだ。
 古い都市を一挙に破壊して復興計画を施行することができる、もっと効果的な方策
もある。地震である。つまり人工地震を起こして都市を破壊し、建築の不備を指摘し
て新たな建築基準で都市を復興させようとするのだ。新しくビルが建つことで、ゼネ
コン各社も儲かる。これぞ正に悪魔的な発想である。1995年1月17日に起きた
阪神・淡路大震災でも、地震による高速道路の倒壊、中高層ビルの崩壊、火災による
被害は甚大であり、耐震構造基準、公園などの都市施設の在り方が問われた。その反
省の上に、神戸市復興計画が策定されたのである。
 ここで大切なことは、自然に地震が起きて都市計画の不備が明らかにされたのでは
なく、新都市計画を施行するために人工的に地震が引き起こされたという点である。
すると阪神・淡路大震災だけではなく、過去の大地震も人工地震であった可能性が俄
に浮上してくる。何故ならこれらの地震が起こった後も、神戸市復興計画と同じパタ
−ンを辿っているからである。
 まず関東大震災について。1923年9月1日の関東大震災の翌月10月6日に、
アメリカの都市計画専門家ビア−ドが、内相・後藤新平の招きで来日している。ビア
−ドは後藤の「帝都復興案」を具体的な復興計画書の形にするが、政府内ではこの大
構想をまともに取り上げず、予算も減額される。しかし12月の臨時議会では後藤の
「帝都復興計画法案」は「特別都市計画法」と修正され、3億4200万円があてら
れることになる。
 阪神・淡路大震災が起きた時、大阪ではちょうど「日米都市防災会議」が開かれて
いた。彼らは震災後すぐに神戸入りし、その被害状況を詳しく調べている。そして救
援活動にはいっさい関わることなく、神戸を離れ、日本の建築の不備だけを指摘して
いるのである。
 またあのFEMA(連邦緊急事態管理庁)のウィット長官を代表とする調査団一行
9人も1月31日に来日し、被災現地の視察を行って2月4日に帰国している。これ
は関東大震災後の状況にそっくりだ。すると我々は関東大震災も人工地震であったと
結論せねばならなくなる。これが論理的思考方法というものだ。関東大震災だけでは
ない。明治維新後の日本の地震はすべて、人工地震である可能性が高いのである。

 例えば、1891年10月28日午前6時半、美濃・尾張を中心に発生した、濃尾
地震。明治以後最大の内陸地震である。マグニチュ−ド8.4で、福井県から岐阜県
まで実に100┥もの長い断層ができ、上下に6m、水平に4mもずれた根尾谷断層
は天然記念物として保存されている。地震の被害は死者7273人で倒壊家屋14万
2177件、岐阜市街が南の一部を除き全焼している。
 しかし火災よりショッキングだったのは、洋式建築物、とくに煉瓦造りの建物の多
くがもろくも崩壊したことだ。この被災の規模に驚いた政府は、地震現象をよく調査
研究し地震に強い建築法を開発する必要性を痛感し、翌年6月に「震災予防調査会」
を発足させた。関東大震災の翌々年に設立された地震研究所の前身として、震災予防
調査会は、日本の地震研究の中心となった。
 地震発生後に「震災予防調査会」が発足している所が、この濃尾地震が人工地震で
あった疑いを濃くしているのである。

 1948年6月28日午後5時14分、福井平野に大地震が発生した。福井地震で
ある。死者3895人、福井市・丸岡町・春江などでは木造家屋の倒壊率が実に80
〜100%にもなった。このため、それまで最高6までであった震度階が7に改めら
れた。その惨状を視察したアメリカ軍が「ペ−パ−・ハウスはだめだ」と叫んだとい
う有名な話がきっかけで、1950年に建築基準法が設定された。
 「ペ−パ−・ハウス」だろうが何だろうが大きなお世話だ。木造家屋も日本の伝統
文化の一つなのである。それはともかく、地震発生後に建築基準法が設定されたとい
うことが、福井地震が人工地震であったことを暗示している。

 ところで人工的に地震を起こすなど本当に可能なのか、疑問を持たれた読者も多い
に違いない。そのメカニズムが解明されてない以上、筆者も敢えて人工地震説をごり
押しするつもりはない。しかし筆者自身は人工地震は確実に存在していると思ってい
る。しかもその起源は明治時代まで逆上ると考えている。筆者は少なくとも1880
年までには人工地震は起こされていたと考えている。1880年2月22日(明治1
3)には、横浜で地震が起きている。これを機に日本地震学会(世界最初の地震学会)
が設立された。もう説明する必要はないだろう。この横浜地震も人工地震であった可
能性が高いのだ。

 危機管理が必要であるというパタ−ン

 1999年5月24日、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法
が成立した。ガイドライン法の「周辺事態法」の第1条にはこうある。

 この法律は、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのあ
る事態等我が国周辺の地域における我が国の平和および安全に重要な影響を与える事
態(以下「周辺事態」という)に対応して我が国が実施する措置、その実施の手続き
その他の必要な事項を定め、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障
条約(以下「日米安保条約」という)の効果的な運用に寄与し、我が国の平和及び安
全の確保に資することを目的とする。

 ここで「周辺事態」ということで、北朝鮮を念頭に置いていることは間違いない。
こんな法律が出来たのも、北朝鮮が日本にミサイルを打ち込んだせいである。前年の
1998年8月に北朝鮮が「テポドン」を発射し、日本列島を飛び越え三陸沖の太平
洋に着弾している。北朝鮮は「人工衛星の打ち上げ」と主張し、米国も「人工衛星の
打ち上げの失敗」との見解を発表したが、日本は「弾道ミサイル発射の可能性が高い」
と結論づけた。
 「テポドン」発射後、日本は北朝鮮との国交正常化交渉や食料などの人道支援の凍
結を表明、情報収集衛星の導入を決めた。さらに99年度から戦域ミサイル防衛(T
MD)の日米共同技術研究を始めるために約10億円の予算を計上した。
 日米の防衛当局にとっては、正に北朝鮮さまさまである。北朝鮮がなかったらガ イ
ドライン法が成立することは難しかっただろう。野党の反対もあるし、国民の警戒心
も強い。北朝鮮危機がガイドライン法やむなしの世論を形成したのである。う−ん、
ちょっとここで立ち止まって考えてみよう。日本に飛んできたのは本当に「弾道ミサ
イル」だったのだろうか。北朝鮮もアメリカも「人工衛星」だと言っている。日本だ
け「弾道ミサイル」ではないかと主張しているが、ミサイルが落ちたのが日本海か太
平洋か分かりもしない自衛隊に何も言う資格はないだろう。「テポドン」発射はガイ
ドライン法成立にうまく利用された、これが筆者の結論である。

 「テポドン」発射以上にガイドライン法成立に寄与した事件は、ガイドライン法の
審議中に起きた北朝鮮の不審船による領海侵犯であった。不審船事件で政府は199
9年3月24日午前1時前、自衛隊史上初めての自衛隊法に基づく海上警備行動を発
令し、自衛艦が警告射撃や爆弾投下をした。23日の深夜、防衛庁のある幹部は言っ
た。「テポドンの発射や相次ぐ日本人の拉致事件、最近の朝鮮民主主義人民共和国(北
朝鮮)による半潜水艇の行動など、これまでの経過から、現政権としてはもはや看過
しがたいという判断だ」

 北朝鮮の不審船による領海侵犯は、ガイドライン法の審議中という正に絶妙のタイ
ミングで起きた。それ故、筆者はこれは北朝鮮の工作船ではなかったと結論するので
ある。タイミングが良過ぎるからである。繰り返し述べるように、陰謀学では「原因
ありて結果あり」ではなくて、「欲する結果を得るために、原因を作る」と考えるの
である。この事件の場合は北朝鮮の工作船による領海侵犯が起きたからガイドライン
法が成立したのではなくて、ガイドライン法を成立させるために北朝鮮の工作船を偽
装した不審船による領海侵犯事件が演出されたと考えるのである。いや、そもそもの
初めから領海侵犯など存在していなかったのである。不審船は日本から出航した、と
いうのが筆者の考えである。政府が日本国内の秘密工作員を使って事件を起こしたの
だ。
 1999年はガイドライン法成立だけではなく、8月に入って国旗・国歌法、通信
傍受法、改正住民台帳法が次々に成立している。国家による大衆への締めつけが強化
された1年間であった。

 さてここまでは基礎固めである。これからは例題を解いていくことになる。読者は
もう陰謀学の理論をよくご存じだろうから、事件についてくどくどと述べることはし
ない。最近起こった怪事件をざっと振り返ってみて、事件の真の動機に軽く触れてい
きたい。

 まず、茨城県東海村のウラン加工施設「ジェ−・シ−・オ−(JCO)」東海事業
所で1999年9月30日に起こった臨海事故について。この事故は日本の原子力計
画の分岐点になった。死者を出し、住民も被爆したことで、多くの人は初めて原子力
に対する現実的な不安を感じた。日本の原子力開発はこれから衰退の一途を辿るだろ
う。国内のこの動きは、1979年の米スリ−マイル島原発事故、1986年の旧ソ
連チェルノブイリ原発事故で欧米の原発離れが決定的になった潮流と合致する。
 核エネルギ−の平和利用は何故歓迎されないのだろうか。これはやはりジョン・コ
−ルマン博士が正しかったと言わざるを得ない。すなわち「300人委員会」は脱工
業化ゼロ成長政策に基づき、すべての工業化と核エネルギ−による電力供給を廃止し
ようとしているのだ。コンピュ−タ−とサ−ビス産業は免除される。では原子力に変
わる電力供給はどのように行われることになるのか。この問題を考えている時に、ふ
とある新聞記事に目が止まった。「宇宙太陽光発電」である。これは宇宙空間に長さ
数キロの巨大な太陽電池を備えた衛星を浮かべ、電気エネルギ−を電磁波に変換して
地球に送電するシステムである。宇宙太陽光発電は、悪天候でも発電が可能で、環境
保護や発電所の立地問題も解決できるため、「究極のクリ−ンエネルギ−」と期待さ
れている。原子力とは違い環境破壊の恐れがないというわけだ。
 これからの時代は脱工業化ゼロ成長政策により、少ないパイを大勢の人間が奪い合
う弱肉強食の社会が出現するだろう。工業化によりパイ自体を大きくして分け前を増
やそうという時代は終焉したのだ。能力のない者、力の弱い者にとっては辛い時代に
なりそうな予感がする。サラリ−マン諸君、頑張ろうではないか。

 1999年10月26日、埼玉県のJR桶川駅西口前で、跡見学園女子大2年、猪
野詩織さん(21)が小太りの男に刺された。猪野さんは搬送先の病院で、間もなく
死亡した。猪野さん殺害の実行犯として逮捕された久保田祥史(34)に殺害を依頼
したとして、12月20日、風俗店の実質的経営者の小松武史(33)が殺人容疑で
逮捕された。小松武史は猪野さんをつけ回すスト−カ−行為を続けていた元交際相手・
小松和人(27)の兄で、久保田ら店の従業員に猪野さん殺害を依頼したという。殺
害報酬は1000万円とも2000万円とも言われている。
 翌2000年の1月27日、全国に指名手配されていた小松和人の遺体が、北海道
の屈斜路湖で発見された。死因は水死。北海道警と埼玉県警は「自殺の可能性が高い」
と見ている。事件の「最重要人物」である小松和人の死により、警察は「事件の真相
解明は厳しくなった」と事件に幕を引いた。

 しかし小松和人自殺説には疑問が投げかけられている。「実は、小松は北海道で滞
在していたホテルから、知人や自宅に電話を掛け、近況を語っているんです。が、そ
れは決して逃亡生活に疲れたという内容ではない。『どうして自分がこんな目に遭わ
なくてはならないんだ』というような、身勝手な嘆き節が中心だったようです」(『週
刊文春』2000.2.17)
 小松和人は周囲に対して一貫して無罪を主張していた。陰謀学に通じた読者はもう
お分かりだろう。小松和人は猪野さん殺害の犯人ではない。小松武史も久保田も同様
である。小松和人は自殺に見せかけられて殺された。事件の動機についてはもうお分
かりだろう。猪野さん殺害に続く何件かのスト−カ−殺人のおかげで、スト−カ−規
制法が無事に成立した(2000年5月18日)。猪野詩織さんと小松和人は、スト
−カ−規制法成立の生贄に供されたのである。

 1999年11月12日未明、千葉県警の捜索により、成田市内のホテルの一室か
らミイラ化した死体が発見された。兵庫県川西市在住の元会社員、小林晨一さん(6
6)のものだった。司法解剖の結果、死因は脳内出血と判明したが、同宿していた家
族らは「死んでいない」と訴えている。小林さんと家族は、 自己啓発セミナ−「ライ
フスペ−ス」のメンバ−で、800万円を払い、団体の主宰者である高橋弘二(62)
の独自の治療を受けていた。
 筆者は高橋弘二を一目見て似ているな、と思った。その風貌が某新興宗教団体の教
祖にそっくりなのだ。言わずと知れた麻原彰晃である。まず長く伸ばした髪と顎ひげ、
それに片目が失明していること。高橋弘二は明らかに麻原彰晃の物真似だなと思った。
そして高橋が行っていた治療の名前が、シャクティパットである。麻原彰晃も宗教儀
式として、シャクティ−パットを行っていた。
 11月15日の警察の司法解剖の直前、小林さんの家族や「ライフスペ−ス」のメ
ンバ−が数人で成田署に押しかけ、「小林さんを返せ。解剖したら本当に死んでしま
う」と強く訴えた。「ライフスペ−ス」はミイラ化した死体を「まだ生きている」と
言い張る、狂気のカルト集団と揶揄された。しかし小林さんは本当に死んでいたのだ
ろうか。「ライフスペ−ス」側は、「小林さんの脈が取れる」「回復傾向のピ−クで
警察が連れ出した。小林さんは衰弱体だった」と主張している。筆者は、小林さんが
警察病院で殺された可能性は否定できないと考えている。
 ではこの事件の真の動機は何だったのだろうか。事件と平行して、医療ミスによる
患者の死亡事件がマスコミを賑わせていた。現在、医療制度改革の必要性が声高に叫
ばれている。しかしいくら医療制度改革が必要であると言っても、「ライフスペ−ス」
のような現代医療を否定するシャクティ治療では困るのである。医療制度改革は現代
医療の枠組みの中で行われなければならない、これがこの事件で世間に発せられたメ
ッセ−ジだったのである。

 1999年12月1日、横浜市都筑区の北川直貴ちゃん(1)が市内の病院で死亡
した。直貴ちゃんは父親の北川和徳(28)に階段下の廊下に数回、叩きつけられる
ように投げ出され、死亡した。和徳は当初、階段から突き落としたのは妻の方だと主
張していたが、やがて自分の犯行だと供述した。
 この事件だけではない。最近、幼児虐待が急増している。男友達と外泊して次男を
置き去りにして窒息死させた24歳の母親。泣き止まない次男を殴りつけ重傷を負わ
せた22歳の父親。要するに、子供を生んで育てる資格のない親が増えているという
ことだ。この幼児虐待については陰謀の影は薄いと考える人がいるかもしれない。し
かし筆者は幼児の死因には疑わしい点があると考えている。子供たちは本当に親に殺
されたのか。あるいは家庭内に侵入した秘密結社のエ−ジェントによって殺されたの
か。それとも病院で殺されたのか。疑問は尽きない。ところで児童虐待の先進国アメ
リカでは、虐待防止の取り組みがなされているという。

 アメリカの取り組みは第1に、児童虐待の早期発見である。教師も医師も看護婦も、
虐待を見つけたら報告する義務があり、報告を怠れば罰せられる。その代わり、虐待
でないケ−スを勘違いして報告した場合には免責される。
 一般の人々も虐待に関しては非常に関心が高い。他人の生活に干渉しないと思われ
ているアメリカ社会だが、児童虐待をはじめとする社会的不正義には敏感だ。ス−パ
−マ−ケットの駐車場の車中に子供を置いて買い物をしていた日本人女性が、通報さ
れ拘束されたケ−スもある。(『週刊新潮』1999.12.16)

 「日本でも児童福祉法の整備を急げ!」と訴えるこんな記事が登場したかと思うと、
2000年5月17日には児童虐待防止法が成立してしまった。児童虐待防止法の何
がいけない、とお叱りを受けそうなので、ここで筆者の未来ビジョンをお話してその
答えに代えたいと思う。児童虐待防止法では、「児童相談所長は、親の意に反し、施
設に入所させた子どもへの親の面会や通信を制限できる」とある。問題のある親から
子どもを取り上げることができるのだ。この延長線上に、国家が子どもの養育を行う
社会をかいま見ることができる。子どもは生まれるとすぐ、親の手を離れて国家の教
育機関で育てられる。最終的には、女性が子どもを生まない社会が出現するだろう。
小子化などその前兆である。おいおいそれじゃ人類は死滅するじゃないか、と反論な
さるかも知れない。心配御無用、その頃にはクロ−ン技術が完成していて、人間コピ
−の大量生産が可能になっているからだ。馬鹿やブスは未来社会から一掃される。秘
密結社にとって理想的な社会が出現するのだ。


 1999年12月21日、京都市伏見区の日野小学校校庭で遊んでいた小2生・中
村俊希君(7)が、フ−ド付き青ジャンパ−に柄物ズボンを穿いた男に惨殺された。
犯人は、いきなり背後から包丁で俊希君の首に切りつけ、防ごうとした俊希君の手や
腕も構わず、十数回にわたって執拗に切り続けた。
 「それは酷い殺し方でした。首は左右両側から深く切り込まれ、ほとんど骨だけで
つながっている状態でした。赤い血潮が飛び散りましたが、犯人はひるむことなく、
犯行を継続している。おそらく首を切断するつもりだったのではないか」(『週刊新
潮』2000.1.20)。事件現場には、「私は日野小学校を攻げきします。理由
はうらみがあるからです。今はにげますがあとで名前を言うつもりでいます。後で手
紙をかきます。だから今は追わないでください。私を見つけないでください。私を識
別する記号→てるくはのる」という犯行声明文が残されていた。
 現場に多くの遺留品が残されていたことや、犯行声明文の筆跡などから、事件は早
期解決が予想された。しかし意外にも捜査は壁に突き当たってしまう。ところが翌2
000年2月5日になって、京都府警に任意同行を求められた俊希君殺害の容疑者・
岡村浩昌(21)がリュックを投げつけ説得先の公園から逃走、団地から飛び降りて
自殺してしまったのだ。
 「投げ捨てられたリュックの中から、十通ほどの文書が見つかりました。『日野の
事件は自分がやった』とか、『自殺』をほのめかす内容でした」(『週刊文春』20
00.2.17)。しかし岡村と日野小学校との直接の繋がりはない。小学校2年ま
で、日野小のすぐ近くの小学校に通っていたというだけである。さらに不思議なのは、
事件当初、犯人の身長は160・前後、犯人は小学校高学年から中学生ぐらいとされ
ていたことである。岡村は立派な成人男子である。事件の動機についてもさっぱり分
からない。岡村は教育制度への恨みがあったというが、それが小学生殺害と一体どう
繋がると言うのか。矛盾だらけである。

 岡村と同じような母子家庭の引きこもり青年が犯した超弩級の犯罪が、新潟の少女
監禁 事件である。2000年1月28日に新潟県柏崎市で保護された女性(19)は
9年前に新潟県三条市内で行方不明になった下谷貞子さん(=仮名、当時小学校4年
生)と判明したのだ。貞子さんは佐藤宣行(37)に下校途中に誘拐され、柏崎市内
の佐藤の自宅2階の部屋に監禁されていた。同居している佐藤の母親(73)は、息
子の暴力を恐れて2階に上がったことはなく、少女の存在を知らなかったという。

 だがちょっと待って欲しい。こんな馬鹿なことが現実的に起こるはずがない。常識
で考えても分かる。住宅街の民家の2階に少女を9年間も監禁しておいて、近所の住
民にも同居の母親にも気づかれなかった、などということは小説や映画の中だけに起
こる話である。SF作家・星新一氏の小説に『月の光』という作品がある。15歳の
混血少女を赤ん坊の頃からペットとして飼育するという話だ。佐藤もこの小説に影響
されて、貞子さんをペットとして自分の物にしていこうという異常な欲望があったの
ではないか、と指摘されている。
 ペットとその飼い主という主題は、竹中直人主演の映画『完全なる飼育』でも描か
れている。中年男に誘拐され、男の自宅アパ−トに監禁された女子高生がやがて男に
愛着を覚えるようになり、最後には恋人関係になるという話だ。主題はおもしろいが、
これもやはり映画の中でしか起こりえない話だろう。ボロアパ−トに少女を監禁する
という設定自体に無理がある。アパ−トには他の住民もいるし管理人もいる。部屋の
壁は薄いし、窓もある。中年男は日中は仕事で部屋を開ける。少女は逃げようと思え
ばいくらでも逃げられるのだ。これと同じことが現実に起きた新潟事件についても言
える。貞子さんが佐藤の自宅に監禁されていた、というシナリオ自体に無理があるの
だ。筆者は貞子さんは絶対に脱出不可能かつ外部の人間にその存在を知られることの
ない場所に監禁されていたと考えている。

 さて事件の動機について。佐藤はわいせつ未遂の前科があるし、精神異常だったと
言われている。新潟県警の失態の一つとして、佐藤の前科のデ−タベ−ス入力漏れが
指摘されている。この事件のせいで精神病者に対する管理は強化されていくであろう。
 彼らの目的は刑法に保安処分を導入することにあると考えられる。昭和49年に公
表された改正刑法草案(97〜111条)に盛り込まれた保安処分には「禁絶処分」
(アルコ−ルおよび薬物使用対象)と、「治療処分」とがあり、後者については前期
98条で以下のように定めている。「精神の障害により、16条2項(責任能力)に
規定する能力のない者(現刑法にいう心神喪失者)又はその能力の著しく低い者(現
刑法の心神耗弱者)が、禁錮以上の刑にあたる行為をした場合において、治療及び看
護を加えなければ将来再び禁錮以上の刑にあたる行為をするおそれがあり、保安上必
要があると認められるときは、治療処分に付する」とある。しかし流石にこのナチス
ばりの予防拘禁政策は、未だに実現の目処が立っていない。だが、油断は禁物である。
 
 以上が事件の動機の一つである。しかし筆者は京都の事件にしろ新潟の事件にしろ、
もっと視野を広げて考えてみた方が良いと思っている。前にも述べたように、両事件
のキ−
・ワ−ドは「引きこもり」である。1999年の末頃から「引きこもり」というマス
コミ用語が頻繁に登場するようになった。自室に引きこもり、社会との接触を絶っ
てしまう男性女性が急増しているというのだ。彼らは世間からダメ人間の烙印を押
されているが、筆者は彼らの気持ちも分からないではないと考えている。最近街を
歩くと不快な現象に遭遇することが多いからだ。
 臭いとほざく糞ばばあ、大股開きの雌犬姐ちゃん、鼻つまみのしょんべん小娘、小
生意気な洟垂れ小僧、にやけ笑いの腑抜け野郎、空威張りのノ−タリン親爺など、引
きこもり青年でなくともうんざりしてしまうような汚物が街中に沢山転がっているか
らだ。無神経な馬鹿者は自分を誤魔化しながらこの怪現象と折り合いをつけている。
だが、元来神経きめ細やかで繊細な感受性を持つ引きこもり青年は、こんな醜悪な現
実に耐えられないのである。要するに根が真面目なのだ。人は傷つけたくないし自分
が傷つくのも嫌だ。だから彼らは他人との接触を避けて「引きこもる」のである。
 そんな彼らと外界との唯一の接点は、インタ−ネットである。人と顔を合わせずに
会話ができる。同じ悩みを持った人と相談できる。引きこもり青年もインタ−ネット
では心を開いて他人とコミュニケ−ションができるのだ。だから何なんだ、と読者は
問うかも知れない。筆者が言いたいのは、引きこもり現象の増加とコンピュ−タ−、
インタ−ネットの普及は無関係ではないということだ。引きこもり青年の社会復帰も
重要な課題ではあるが、彼らがインタ−ネットを通して人との繋がりを持ち、それを
仕事に役立てることも大いに期待されているのだ。引きこもり青年タイプの方がえて
して、コンピュ−タ−等の技術的知識に明るく、特殊技能や才能を有しているもので
ある。これからの時代は、自宅にいながらにして仕事ができるSOHO〔small
 office home office〕のような職業形態がポピュラ−になるだ
ろう。ソ−ホ−(SOHO)とは、パソコンを活用し、自宅などで新ビジネスを行う
職業形態である。自宅と会社がコンピュ−タ−で直結されるという、SF小説に描か
れた世界が現実となる日も近いのだ。

 1999年3月24日、埼玉県警は本庄市の金融業者・八木茂(50)ら4人を公
正証書原本不実記載・同行使容疑で逮捕した。もちろん本命の保険金殺人容疑を追及
するためである。八木は知人の男性に多額の生命保険に加入させ、風邪薬を飲ませて
殺害して保険金を騙し取ろうとした。
 正直に言ってまたか、という感じだ。保険金殺人事件には、古くは1974年11
月に大分県で起きた「荒木虎美3億円保険金殺人事件」、1977年から79年にか
けて起きた「愛知連続保険金殺人事件」、1981年に起きた「ロス疑惑」事件、最
近の事例では1991年に起きた「トリカブト保険金殺人事件」、1998年に起き
た「和歌山毒カレ−殺人事件」がある。
 八木が風邪薬の「アセトアミノフェン」で人を殺そうとしたというのは嘘であろう。
事件の真の動機は、保険制度改革にあると思われる。奥さんや旦那、子供や従業員に
保険金を掛けて殺す。こんな極悪非道の仕打ちが許されて良いはずはない、誰でもそ
う考える。「和歌山毒カレ−殺人事件」以来、保険金受取の審査の基準が厳しくなっ
たと聞く。保険制度の面でも日本はようやく、外資や欧米の基準に近づきつつあるの
だ。勿論それによって得をするのは掛金を支払う庶民ではなく、生命保険各社という
ことになろう。

 いよいよ最後になった。最後に来るのはやはり少年犯罪でなければならない。19
83年2月12日、神奈川県警は横浜市中区の横浜スタジアム、山下公園などで無抵
抗の浮浪者を襲っていた少年10人を、傷害致死の疑いで逮捕した。彼らは、横浜市
と川崎市の市立中学の2、3年生が5人、横浜市立定時制高校生1名、無職少年4名
のグル−プだった。逮捕された少年たちは、こう供述した。
 「浮浪者は抵抗しないし、追いかけるのはスリルがあって面白かった。喧嘩の練習
にもなったし、汚いやつらがいなくなれば、街がきれいになっていいと思った」

 なんという悪ガキだと世間は非難するだろう。しかし少年を非難する当の本人も、
道端で浮浪者がダンボ−ルにくるまって寝ころがっているのに遭遇しても、侮蔑の視
線を投げかけて通り過ぎるだけで何もしようとはしない。こういう人を偽善者と言う
のである。政府もマスコミも一般大衆も皆、偽善者なのだ。しかし政府にとっては、
この「風太郎狩り」事件は有難かったに違いない。
 当時政府は少年法の改正?に着手していた。この事件は「少年犯罪を何とかしろ」
という世論作りにもってこいだった。政府はさっそく、「非行防止対策推進連絡会」
を開催。「非行防止」を名目に、学校の管理強化に乗り出す。「風太郎狩り」はこの
ために起こされた事件だったのだ。

 1999年4月14日、山口県光市で、会社員木村洋さん(23)の妻と長女の2
人が殺された。犯人は事件当時18歳の少年。水質検査を装い、新日鉄の社宅に侵入、
部屋にいた主婦、弥生さん(23)を絞殺し、遺体を凌辱。さらに、生後11ヵ月の
娘、夕夏ちゃんが泣き叫んだため、床に叩きつけた末に、絞め殺した。木村さんは少
年の実名報道と少年に対する死刑判決を強く望んでいる。

 1997年に起きた「酒鬼薔薇聖斗事件」、2000年5月に入って立て続けに起
きた17歳の少年による殺人事件。5月1日に愛知県豊川市で17歳の少年が主婦を
刺殺。5月3日、佐賀市内の17歳の少年による高速バス乗っ取り事件発生。いま現
在、政府による少年法改悪は正念場を迎えつつある。

 最後に秘密結社の構成員が犯罪に果たしている役割を整理して、終わりとしたい。
まず在日X人が犯行を実行する。警察は真犯人を見逃してスケ−プ・ゴ−トを逮捕す
る。犠牲者が運ばれた病院では、医者が生贄にとどめを刺す。犠牲者が万一生き返っ
ては困る。殺人事件にならなければ、大衆に対するインパクトが少ないからだ。マス
コミはセンセ−ショナルに事件を報道し、世論を一定の方向にうまく誘導する。裁判
官は無実の被告に有罪を宣告する。ごくたまに再審無罪で冤罪が晴らされるのは、刑
事裁判が正常に機能しているという幻想を大衆に与えるためである。そして疑うこと
を知らない大衆は正義が行われたと錯覚する。この陰謀の輪には僧侶も一枚噛んでい
る。風邪が吹けば桶屋が儲かるかどうか知らないが、人が死ねば坊主は確実に儲かる
からである。こんな誰もが夢想だにしない陰謀が現に秘かに進行中なのである。

 古代ケルト社会の祭司「ドルイド」は、小枝で編んだ人形の巨像に詰められた人間
と動物を焼き殺したという。生贄である。これを見た農民たちは恐怖を感じて、支配
者の持つ権力の絶対性を再認識させられた。人身供犠は支配者の政治的コントロ−ル
に使われたのである。古代の農民たちは自分らが恐怖することを支配者は望んでいる
のだ、ということを知っていた。一方、現代人はオカルト的な恐怖のテクノロジ−な
ど存在するわけがないと信じ込んでいる。その実、あっさりと受け入れているのだ。
凶悪な殺人事件に恐怖を感じた大衆は、マスコミの煽動に簡単に乗せられてしまう。
それが残酷な宗教儀式であることも知らずにだ。そう、この世には魔女も存在してい
るし魔術も存在している。そして悪魔的な陰謀のネットワ−クが世界を覆っている。
この現実を大衆が受け入れない限り、邪教徒による不滅の心理劇が繰り返されること
になるのだ。






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