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【「東奥日報」事件関連記事集】 <その1> 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 16 日 22:35:27:

(回答先: 「武富士」弘前支店強盗放火殺人事件で逮捕された人物は真犯人か? 《酒鬼薔薇事件A君と似た自供過程》 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 16 日 22:28:29)

『東奥日報』《「武富士」弘前支店強盗放火殺人事件関係記事》

2001年5月8日(火)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士弘前に強盗放火、5人死亡

 八日午前十時五十分ごろ、弘前市田町五丁目の成田ビル三階の消費者金融「武富士弘前支店」(鳥居義尚店長)に、作業服姿の男が押し入りいきなり店内にガソリンのようなものをまいて現金を要求、放火した後に逃走した。放火直後に店から110番通報、店内には従業員ら男女数人が取り残され、五人が死亡。さらに四人がヤケドを負って近くの病院に運ばれ手当を受けている。身元の確認を急でいる。弘前消防署などが消火に当たった結果、火は午前十一時ごろ鎮火したが、被害者の死因、現金被害などは分かっていない。弘前署と県警捜査一課は強盗と放火殺人事件とみて、同五十分、同署内に「強盗放火殺人事件捜査本部」(本部長・木村哲県警刑事部長)を設置し百八十人体制で捜査。隣接署に緊急配備を敷いて全力でこの男の行方を追っている。

 これまでの捜査や目撃者などによると、犯人の男は四十歳ぐらで、水色の上下のつなぎを着ており、胸には黄色のハンカチ様のものを付けていたもようだ。この日は午前九時半ごろから営業を始めていた。犯人の男はガソリンのような物をまき「金を出せ」と脅したが、同店長に断られたためまいた油に火を放ち逃走。火は店内に燃え広がった。

 捜査本部は特徴のある服装に重大な関心を寄せるとともに、人目につきやすい現場の状況から目撃情報の収集に全力を挙げ男の行方を追っている。また、まかれた油はガソリンの可能性が強いとみて種類特定などを急いでいる。これまでの調べに、同支店は顧客とのトラブルなどはなかったという。

 店内には従業員九人(店長ら男性三人と女性社員四人と、パ−ト女性従業員二人)がいた。弘前署は死亡した五人やヤケドを負った四人の身元について調べている。 事件現場は、JR弘前駅から北に約二キロ離れた通り沿い。建物は三階建ての雑居ビルで、一、二階がCD、ビデオ店、三階が「武富士弘前支店」だった。

 事件に一、二階のビデオレンタル店の店長(37)は「営業中に電灯がちらついていて『助けて』と悲鳴が聞こえた。外に出て上を見たら窓ガラスがバンバン割れて火が見えた」と市街地の白昼の、突然の事件に青ざめた表情で語った。

 事件発生後、付近は消防車、救急車など約二十台が駆け付け、現場は騒然となった。付近はしばらく通行止めとなった。

 【行方不明の5人】
 田澤伸治さん(36)=弘前市東城北三丁目▽笹森容子さん(46)=同市松原東四丁目▽太田はるかさん(20)=板柳町横沢富永▽葛西志保里さん(22)=弘前市小比内五丁目▽福井貴子さん(30)=藤崎町藤崎村元
 【けがをした4人】
 鳥居義尚さん(30)=弘前市稲田一丁目▽中村祐貴さん(19)=同市原ケ平四丁目▽清野美奈子さん(20)=同市桔梗野四丁目▽阿部美智子さん(22)=同市和徳町

※写真は強盗放火で5人死亡した武富士弘前支店=8日午前11時10分ごろ

 ◇

 商業地区の白昼、黒煙を上げて燃える消費者金融会社。「火事だ」と叫ぶ声。火を付けた男はあっという間に逃走した−。八日午前、弘前市の「武富士」で起きた放火事件は、五人が死亡する大惨事になった。

 小雨の中、現場のビルは窓ガラスが焼け落ち、窓枠は大きくゆがんだ。付近の住民らは激しい炎に顔をこわばらせた。

 現場近くのすし店の女性店員(27)は「『火事だ』という声が聞こえたので、窓の外を見ると、ビル三階から黒い煙が激しく上がっていた」と話す。

 武富士の向かいにある眼鏡店の女性店員は「消防車のサイレンで火事に気付いた。五人も亡くなったなんて信じられない」と興奮した様子。近くのレストラン店長(46)は「まさか五人も亡くなるなんて…」と話していた。

2001年5月8日(火)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士強盗放火殺人犯の行方追う

犯人の似顔絵
 八日午前、弘前市田町五丁目の雑居ビル三階に入居する消費者金融「武富士弘前支店」(従業員九人)で、男が現金を要求し放火。店内に取り残された五人が死亡、四人が重軽傷を負った強盗殺人・放火事件で、弘前署の捜査本部(本部長・木村哲県警刑事部長)は捜査員百八十人体制で捜査を続け、逃走した男の行方を追っている。これまでの調べで、現場で火災が発生した直後に、同ビル駐車場に止めてあった薄緑色か紺色のワンボックス型の軽自動車に男が急ぎ乗り込み、北方の弘前署方向へ走り去ったのを、通行人が目撃していることが分かった。捜査本部は犯人の似顔絵を作成するとともに、この情報に重大な関心を寄せ捜査しているが、店内の防犯カメラが焼けるなど同日夜までに犯人に直接結び付く情報は得られていないもようだ。

 乗車した男の服装などがはっきりしないことに加え、駐車車両を火事から避難させた行動にも考えられることから、犯人と同一人物かどうか慎重に調べを進めている。

 捜査本部の調べによると、逃走した男は四十−四十五歳くらい。身長は一六〇−一六五センチの中肉で、津軽弁だったという。水色の上下のつなぎ服で、同日午後には新たに紺色のウインドブレーカーを着ていたことも分かった。

 捜査本部は関係者の情報を基に似顔絵を作成し公開した。それによると、男は前髪が立つ特徴のある髪型で、白髪と黒い髪が半分ずつぐらい。額は広く、目は大きく上がり気味。両ほおに数本の縦しわがある印象的な顔つきだった。しかし、救出された鳥居義尚支店長(30)=弘前市稲田一丁目=らは、「犯人の男とは面識がない」と話している。

 八日現在、このほか、事件前後に犯人らしい男を目撃したとの情報は得られていない。

 捜査本部によると、一一〇番通報があったのはり同日午前十時四十八分。男性の声で「田町五丁目の武富士弘前支店です。今、ガソリンみたいなのをまかれ火を付けられた。犯人は逃走しています」と告げた。

 火は激しく燃え広がり、同十一時十六分に鎮火したものの、焼け跡から五人の遺体が見つかった。捜査本部は行方が分からなくなっている女性四人、男性一人の同店従業員とみて、身元の確認を急いでいる。

 この火災で、店内の防犯カメラは焼損。遺体は炭化し、男女の区別がつかない状態だという。遺体については九日午前九時から弘大医学部で司法解剖を行い、身元と死因の特定を進める。

 捜査本部は現場の実況見聞、周辺の聞き込みなどの捜査に全力を挙げている。同本部は九日午前八時からあらためて実況検分を行う。

 同日夕には木村哲捜査本部長が記者会見、「事件直後から全県に緊急配備を敷いており、犯人が県外に出たとは考えにくい」と述べた。

2001年5月9日(水)
-------------------------------------------------------------------------------- 「金は出せない」直後、火の海に 

 あまりに短かった犯人と店長とのやりとり、そして一見短絡的とも思われる極めて残忍な放火。犯行の手口や現場の状況からは犯人の姿は、いまひとつその像を結ばない。事件発生から約六時間半後、弘前署内で初めての記者会見に臨んだ木村哲捜査本部長、五十嵐正幸弘前署長の表情は硬かった。

 犯人と店員の会話のやりとりは、「金を出せ、出さねば火をつける」(犯人)。それに応じた鳥居支店長の「金は出せない」のわずかふた言だけ。直後に犯人が火を放った。

 店内にいた時間については「定かではない。しかし、せいぜい二、三分だったのではないか」と述べ、犯行が文字通りほんの一瞬だったことを物語った。木村操作本部長によると、店長のほか数人の従業員はともに「犯人とは面識がない」と話しているという。

 捜査本部によれば、犯人は一斗缶の半分ぐらいの金属製の缶に、ガソリンのようなものを入れて現場に持ちこんでおり、犯行は一方で計画性をうかがわせている。

2001年5月9日(水)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士強盗殺人瞬く間に広がる炎

 「金を出せ。出さなければ火をつけるぞ」。脅し文句から数分。男が叫び、一瞬にして燃え上がった炎は瞬く間に広がり、従業員とみられる五人の命を奪った。惨劇の現場となった弘前市田町五丁目の三階建てビルの最上階。武富士弘前支店は出入り口は一カ所しかなかった。窓から救出された四人の従業員たちは「まだ中にいる」と語ったきり、言葉を失った。遺体は逃げ場のないカウンター内の奥の管理室で見つかった。不明の従業員の中には、就職がしたばかりで来年成人式を迎える女性、そして長男が生まれたばかりの男性も。「とても信じられない」。瞬時に、予想もしない凶悪極まりない犯行に巻き込まれた従業員の家族らはただ、ぼうぜんとするだけだった。

 「助けて」「もう駄目だ」。ビル最上階の三階の窓枠に足をかけ身を乗り出して叫ぶ女性従業員。室外機にしがみついて救助を待つ男性従業員。八日、弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で起きた強盗放火殺人事件。店を突然襲ったパニックの中、従業員四人が近くの市民に救助された。しかし、従業員の女性四人、男性一人とみられる五人はあっという間に命を落とした。出入り口は一カ所のみの建物の構造。犠牲になった五人は、燃え盛る炎に阻まれ、逃げ道を失った。

 捜査本部などの調べによると、同支店の店舗はビルの三階にあり、出入り口は北側の一カ所のみ。三階へは一階から細い階段を使って出入りするが、五人の遺体は店舗南側の管理室の窓・壁際に集中していた。管理室は出入り口から見て、ATM(現金自動預払機)やカウンターの奥にある。犯人はガソリンのようなものをカウンター内に向けてまき、放火。燃え上がったカウンター付近は近付ける状態にはなく、ATMも壁で仕切られ、出入り口を通って避難する道は無念にも絶たれたようだった。

 管理室の南西角には唯一避難器具(緩降機)が設置されてあった。しかし、弘前地区消防事務組合東消防署の川村崇副署長は「五人は窓から逃げようとしていたようだが、器具を使った形跡などはなかった」としている。火の回りが極めて速かったことをうかがわせた。

 一方、従業員四人は、道路を挟んで斜め向かいにあるマクドナルド弘前堅田店の加藤善浩店長(31)らに救助された。加藤店長は同店の看板などの清掃をしていた業者の従業員二人とともに、業者の約十メートルのはしごを持って現場に駆け付けた。店舗南側の窓から男性一人と女性二人、西側の室外機付近から男性一人を助け出すのに成功した。

 加藤店長によると四人は、はしごを立てたら自力で降りてきたが、すすだらけになりながらも「だれが降りてきたのか、あと何人残っている?」などと、他の従業員の安否を確認していたという。

 加藤店長は「月一回業者に頼んでいる看板や窓の清掃日で、きょうでなければ長いはしごもなかった」と振り返り、「よく店に来てくれる従業員を助けられたが、全員救助できなくて残念」と話していた。

 救助された四人は近くの病院で手当てを受け、三人は入院した。

2001年5月9日(水)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、現場からガソリン

 八日、弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で男が現金を要求し放火、従業員五人が死亡した強盗殺人・放火事件で、弘前署の捜査本部は九日までに、犯人がまいて火をつけた油類を分析し、ガソリンと断定した。また同日朝、全焼した同店内の現場検証を始めた。捜査本部は、大型連休明けという消費者金融の繁忙期を計画的に狙った金欲しさからの犯行の可能性があるとみて捜査を進める一方、犯人が素顔をさらしている点や極めて乱暴な手口に注目して変質者の割り出しにも着手した。

 捜査本部のこれまでの調べによると、犯行時、同店管理室にある金庫には約一千万円の現金があったが、被害はなかった。犯行は二−三分程度の短い時間に行われ、犯人は何も奪わないまま逃走したとみられる。犯人がガソリンを入れて持ち込んだ金属製の缶は発見されておらず、捜査本部は現場周辺の現場検証で遺留品の発見に全力を挙げている。

 大型連休明けは、消費者金融の融資が増える繁忙期。このため、捜査本部は同支店にまとまった現金があると考えた計画的な犯行の可能性があるとみて、経済的に苦しい事情を抱えていた人物がいなかったか調べを進めている。ガソリンや金属製の缶の購入経路も捜査を急ぐ。

 また、同支店に絡む顧客トラブルは確認されておらず、同社の協力を得て顧客リストの提出を求める方針。近隣店舗などの防犯カメラに不審人物が映っていないか調べることにしている。

 一方、捜査本部は、犯人が帽子やサングラスなどを着用せず素顔のままで犯行に及んだ点に注目。水色の上下のつなぎ服という比較的目立つ服装だったことや、現金の要求を断られていきなり火をつけた乱暴な手口から、弘前署管内などの変質者の割り出しを進めている。

 放火後に救出された従業員四人の供述から、男は四十−四十五歳くらいとみられており、捜査本部は八日に公開した似顔絵を基に、現場周辺の聞き込み捜査で逃走経路の特定を急いでいる。火災時、同支店が入店する雑居ビル駐車場から走り去った軽自動車についても重大な関心を寄せて捜査を続けているが、この車に乗り込んだ男と犯人が同一人物か否かは九日午前までに判明していない。


武富士、弘前に対策本部設置へ

 事件の知らせを受けて八日午後に弘前入りした武富士本社(東京)広報部の澤田雄二担当部長は九日、「市内にホテルがとれ次第、対策本部を設置する」と語った。

 同社によると鳥居支店長は三月一日付で同支店に配属になった。温厚な性格で顧客とのトラブルは特になかった。犯人に面識はなかったという。


2001年5月10日(木)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件遺留品や残がい分析へ

 五人の命が奪われた弘前市田町五丁目の事件発生現場では、九日朝から現場検証が行われ、午後には断続的に、遺留品や残がいなどを入れた段ボール箱が車に運び込まれた。その数は約三十箱にも及び、県警鑑識課、科学捜査研究所などで詳しい分析が行われる。

 現場検証の間にも、雑居ビルの前には不明者の家族や友人・知人らが訪れ、ビル前の路上は献花で埋まった。不明者の一人、福井貴子さん(30)の父や兄らは昼すぎに花束を供えると、沈痛な表情で車に乗り込んだ。午後には武富士本社の笠原明道常務取締役(63)が訪れ、「貴重な人材を失い、胸がふさがる思い…」と口をつぐんだ。

 午後四時すぎ、現場の道路沿いに犯人の情報提供を呼び掛ける看板が設置された。午後七時四十分、木村守男知事が駆け付け建物に向かい手を合わせた。知事は時折言葉を詰まらせながら「なんとしても解決してほしい」と語った。

 ◇

 五人の遺体は九日、弘前大学での司法解剖で行方不明だった従業員と確認され、遺族は同日夜、遺体と悲しみの対面をした。

 亡くなった従業員・太田はるかさん(20)=板柳町横沢富永=の母校・東奥義塾高校では同日、追悼礼拝が開かれ、全校生徒・教職員約千百二十人がめい福を祈った。

 一方、事件現場を学区に持つ時敏小など小中学校四校は九日も、児童らを集団下校させるなどの措置を取った。


2001年5月10日(木)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件で目撃の車種特定

 弘前市田町五丁目の雑居ビル内の消費者金融「武富士弘前支店」で八日、男が現金を要求し放火、五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、弘前署と県警の捜査本部は九日までに、火災の際、現場から立ち去った軽自動車の車種を、スバルの「サンバー・ディアス・クラシック」とほぼ絞り込み、聞き込みなどの捜査を続けている。同本部は、運転していた人物が、事件について何らかの事情を知っている可能性が高いとみて、所有者の割り出しを急いでいる。

 調べによると、火災時、現場を通り掛かった人が、武富士弘前支店が入居する雑居ビル駐車場から急いで走り去る軽自動車を目撃した。目撃者の証言などから、同本部は、車の車種をスバル製のサンバー・ディアス・クラシックとほぼ絞り込んだ。車体色は当初、薄緑色や紺色とされていたが、深緑とみている。

 関係者の話によると、サンバー・ディアス・クラシックは、ワンボックスタイプの軽自動車で、目撃された車は現行モデルではなく、一九九三年十一月から九九年一月まで生産された旧モデルとみられる。自動車販売関係者によると、県内で走行している同タイプの車はさほど多くない。

 捜査本部は、車を運転していた人物が、事件について事情を知っている可能性が高いとみて、捜査している。しかし、サンバー・ディアス・クラシック以外の車種を改造したため外観が似通っていたことも考えられ、同本部は、別の車種の可能性も視野に入れ、調べを進めている。

 捜査本部は、九日も現場の実況見分を実施。店内は金属物以外がすべて焼け落ちた状態だが、これまでの捜査で、男が店内のカウンター上に油をまいたことが判明した。

 また同日、事件現場に通じるビル内二−三階の階段にある手すり(木製)から指紋を採取。同日夜、手すりを県警本部に運び、鑑定作業を進めている。また、油を入れる容器のふたがビル駐車場内から発見されており、事件との関連の有無を調べている。


2001年5月10日(木)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件で階段から足跡採取

 弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で男が現金を要求し放火、従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、弘前署の捜査本部は事件現場のビル階段の木製手すりからの指紋と、階段に残されていた複数の足跡を採取、容疑者に結び付く重要な証拠となる可能性があるとみて鑑定を急いでいる。一方、逃走車両に絞り込んだ深緑色とみられる「サンバー・ディアス・クラシック」旧モデルの特徴ある車両について、津軽地域をはじめ広域で所有者の割り出しに全力を挙げている。

 捜査本部は九日に、同支店が三階に入居する三階建てビル内二−三階の階段にある木製手すりから、複数の人物のものとみられる指紋を採取。同日中に手すりを県警本部に運び、十日もさらに詳しく調べている。九日の実況見分では、同ビル駐車場周辺から、金属製のキャップ一個を発見しており、捜査本部は、階段の手すりから採取したものと一致する指紋が検出されないか詳しく分析を進める。

 同キャップはねじ式ではなく、表面を指で押して開け閉めする形式だったことが分かっており、どのような容器のキャップだったのかについても調べている。

 ビル内の鑑識捜査は、内部の状況から容易ではないが、十日までにビル三階の「武富士」につながる階段から複数の足跡や微細物を採取した。捜査本部は犯人に結び付く手掛かりがないか、靴型などの分析を急いでいる。

 一方、火災時、現場付近を通り掛かった人が、同ビル駐車場から男性が軽自動車で急いで走り去ったのを目撃しており、捜査本部は、車種を深緑色とみられるスバル(富士重工)製の「サンバー・ディアス・クラシック」旧モデルとの見方を固めた。

 複数の関係者によると、同車種では、車体が深緑色がアズキ色とともに人気が高かった。県内で現在も走行しているものは、さほど多くないという。一九九三年に製造が開始された後、九五年にマイナーチェンジをしており、深緑色の塗装は九八−九九年に製造されたモデルが中心。後部を荷台として広く使えることから業務用車両も多いという。

 捜査本部は、この車で走り去った男性が、事件前後の事情を知っている可能性が高いとみて、同タイプの車の所有者の割り出しを急ぐ一方、引き続き県内各署からの応援を得て二百五十人態勢で聞き込みなどの捜査を続け、遺留品の発見や目撃情報の収集などに全力を挙げている。

2001年5月11日(金)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件40分前に駐車か

 弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で男が現金を要求し放火、従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、事件発生から約四十分前の八日午前十時十分ごろ、現場のビル一階部分の駐車スペースに、犯人が逃走に用いたとみられる深緑色の軽自動車と同一とみられる車両が一台だけ駐車していたのを、弘前市内の女性が目撃していたことが十日分かった。同情報で、犯人が同ビル周辺で数十分前から同支店への客の出入りをうかがっていた可能性が出てきた。

 目撃情報を本紙に寄せたのは、弘前市の三十代の女性会社員。

 女性は事件発生から約四十分前の八日午前十時十分ごろ、同市田町五丁目の県道を、車を運転して弘前郵便局側から弘前署方向へ進行。「武富士弘前支店」が入居するビル一階部分の駐車スペースに、深緑色のワンボックス型の軽自動車が駐車していたのを目撃したという。

 この車両は、同ビル一階の吹き抜け部分にある手狭な駐車スペースの中央部分に駐車し他車が入りにくい状態で、女性は「とてもマナーが悪い車だ−と感じた」という。その後間もなく事件発生を知り、深緑色の車が駐車していた同ビルの様子が強く印象に残っていた。

 ナンバープレートは、軽自動車に付く黄色だった。女性は車に詳しく、車種は「車後部のデザインなどから、スバル製のサンバー・ディアス・クラシックの旧タイプだったと思う」と話している。

 また、同車を目撃した直前に使用した携帯電話の発信履歴は同十時七分だったという。

 弘前署と県警の捜査本部のこれまでの調べによると、武富士弘前支店の従業員から放火を告げる一一〇番通報が同十時四十八分。この直後、同ビル駐車スペースに止めてあったサンバー・ディアス・クラシックの旧タイプとみられる深緑色の軽自動車に、男が急いだ様子で乗り込み、弘前署方向へ走り去ったのが目撃されている。

 捜査本部は、犯人がこの車両で逃走したとの見方をほぼ固め、同車種の所有者の割り出しを急いでいる。

2001年5月11日(金)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、階段に紙の燃えかす

 弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で男が現金を要求し放火、従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、火災現場の支店から歩道へ通じるビルの階段二階部付近に、新聞か雑誌の一部とみられる紙の燃えかすが残っていたことが、十日までの弘前署と県警の捜査本部の調べで分かった。この紙は、事件直後、三階にある支店階下のビル内にいた人物に燃えている状態で目撃されていたとされ、捜査本部は既にこの燃えかすを採取。犯人が、紙を放火のため使用して逃走し、階段を下りる際に投げ落とした、犯行の計画性を裏付ける重大な物証の可能性もあるとみて捜査している。

 調べによると男は八日、同支店内で、持参した容器のガソリンをカウンター内にまいた後に現金を要求したが、断られると瞬時に火を放ち逃走した。捜査本部は事件後の鑑識活動で、階段二階部分に当たる場所に残っていたこの紙の燃えかすを発見、採取した。

 これまでの捜査で、紙は文字が確認できるもようで、新聞か雑誌の一部とみられている。火災の直後、ビル内では、階段の二階付近で、丸まった紙に火がついていた状態が目撃されており、捜査本部は、犯人が紙に火をつけて放火した後、逃走する時に落とした可能性もあるとみて、燃えかすの種類などの特定に全力を挙げている。

 十日には、現場付近の住宅街のごみを収集する際、作業員が、新聞などが不自然に抜き取られた形跡があるごみに気付かなかったかどうかなど、弘前市に協力を要請。燃えかすにつながる不審なごみ類の有無についても捜査している。

 支店が入居するビルの階段は、両壁の間が狭いうえ、傾斜がきついが、ビル関係者によると、支店のある三階から一階までは人目につかずに、短時間で駆け下りることが可能という。

田端新県警本部長「必ず検挙する」

 十日付で着任した田端智明県警本部長が同日午後、弘前市の事件現場のを確認、献花して亡くなった五人のめい福を祈った。

 田端本部長は同日午後二時ごろ、弘前署に到着。捜査本部で事件の経過説明を受けた後、現場に向かい、建物内部の惨状を確認した。

 その上で「凶悪かつ悲惨な事件なので県警の総力を挙げて捜査する。今後も県民に積極的な情報提供をお願いし、必ず検挙に結びつけたい」と早期解決への決意を示した。


2001年5月11日(金)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、深緑色新車は200台

 弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で発生した強盗殺人・放火事件で、弘前署と県警の捜査本部は、犯人の男が逃走に使ったとみられるスバル(富士重工)製「サンバー・ディアス・クラシック」旧モデルの深緑色タイプの割り出しを進めている。同モデルで深緑色タイプの新車は、県内では約二百台販売されていたことが分かっており、津軽方面での販売台数はさらに少数だったとみられ、捜査本部は一台ずつ確認作業を進めている。

 県内にある同車の販売店を統括している「青森スバル自動車」(青森市)によると、同車種が県内で新車として販売されたのは、一九九三年の発売開始から九九年までの旧モデルが約四百台、モデルチェンジした九九年から現在まで新モデルが約百台の計五百台となっている。

 旧モデルは九五年にマイナーチェンジしているが、色などに目立った変更はなく、逃走車両とみられる深緑色タイプの販売台数は約二百台に上っている。

 同社は事件発生翌日の九日夕、捜査本部からの要請を受けて購入者リストを含めたデータを提出。捜査本部は購入者が重要な手掛かりになるとみて、購入者や車両の確認作業を進めている。

 ◇

支店北側の階段、事件直後に足音

 「武富士弘前支店」が入居している三階建ての雑居ビルで、事件発生直後一階に居合わせた三十代の男性が、北側の階段をバタバタと駆ける音を聞いていたことが分かった。この男性はほぼ同時に「助けて」という叫び声が聞こえたと話しており、階段の足音は犯人が駆け下りた際のものだった可能性が高い。

 同ビルは二階がビデオレンタル店、一階はビデオレンタル店に通じる玄関・階段と同店の倉庫で、三階部分を占める武富士弘前支店には北側の階段でしか出入りできない。足音を聞いた男性はビデオ店の関係者で、事件発生当時一階の倉庫に居合わせて、階段の足音を壁越しに聞いたという。

 階段途中からは犯人が残したとみられる新聞か雑誌の燃えかすが見つかっており、この男性が聞いたという足音の情報と総合すると、犯人が犯行直後に階段を一気に駆け下りたのはほぼ間違いないようだ。捜査本部は、この男性とは別の目撃者が、ビル一階の駐車スペースに止まっていた車にビル裏手の方から走って来て乗り込んだ人物がいることをつかんでおり、階段を一気に駆け下りたとみられる犯人が、この車に乗り込んだ男性かどうか調べている。

 同ビルと北側に隣接する建物との間には人が通れる細いすき間がある。


2001年5月11日(金)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、新たに詳細な似顔絵

 弘前市田町五丁目で起きた消費者金融「武富士弘前支店」の強盗放火・殺人事件で、弘前署と県警の捜査本部は十一日までに、犯人の新たな似顔絵を作成した。新たな似顔絵は犯人のさらに詳細な特徴を加えたカラー版。捜査本部は、この似顔絵を基に、過去に武富士から金を借りた顧客がいないかなど、情報収集に全力を挙げている。また、これまでの調べで黒石市内のガソリンスタンドで容疑車両とみられる軽自動車に乗り、犯人像によく似た男がガソリンを携行缶で購入していたことが新たに分かった。

 捜査本部が事件直後に公表した似顔絵によると、現場に放火して逃走した男は、四十−四十五歳。前髪が立つ特徴のある髪形で、白髪と黒髪が半分ずつぐらい、額が広く、目が大きく上がり気味。両ほおに数本の縦じわがある。

 新たに作成した似顔絵は、カラー版で、写真に近い詳細なもの。当初の似顔絵に比べ、薄い唇のほか、鼻筋、目元、まゆなどの特徴がより分かりやすい絵になっている。

 事件では、同支店内にいた従業員九人のうち五人が焼死。四人がやけどを負って入院した。捜査本部は、やけどを負った従業員らから事情聴取し、事件発生直後に似顔絵を作成、公表していた。

 やけどを負った四人のうち、鳥居義尚支店長(30)=同市稲田一丁目=はその後も面会謝絶の状態が続いているが、ほかの三人は次第に症状が軽減。このため、捜査本部は時間を限定しながら、三人から事情聴取を重ねている。

 方、捜査本部のこれまでの調べなどで、容疑者によく似た男が黒石市内のガソリンスタンドに幾度か現れ、金属製の携行缶といわれる容器に給油していることも新たに分かった。ガソリンスタンドの話などから、この男は弘前市田町の事件現場から立ち去ったスバルの深緑色の「サンバー・ディアス・クラシック」で訪れていた可能性も強まった。

 また、これより前にも携行缶で燃料用の油類を購入していたことが分かった。

 捜査本部は、この事実に重大な関心を寄せ捜査。これらを総合した結果、これまで公表されている似顔絵よりも、より詳しい犯人像が判明。新たな似顔絵の作成にこぎ着けた。

 捜査本部は十一日、新たな似顔絵を基に、さらに情報収集に乗り出した。鳥居支店長は事件直後、「犯人の男とは面識がない」と証言しているが、捜査本部は同武富士の他支店に出入りしていた者の犯行の可能性もあると判断。同社の県内外各支店に新たな似顔絵を配り、過去に同社から金を借りたり、トラブルのあった男がいなかったかなどについて、あらためて確認を進めてもらっている。


2001年5月12日(土)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、ビル階段から油検出

 弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で起きた強盗殺人・放火事件で、弘前署と県警の捜査本部は十一日までに、支店が入居するビル階段の二階付近の床面からガソリン様の油を検出、成分分析を急いでいる。また、犯人が逃走に使ったとみられるスバル(富士重工)製の深緑色の「サンバー・ディアス・クラシック」旧タイプの同型・同色の新車は、県内で約二百台が販売されたことが分かり、捜査本部は購入者リストなどから、所有者の確認を急いでいる。捜査本部は同日、カラー版の新たな似顔絵を公表し、弘前市内を中心に配布し始めた。

 捜査本部は鑑識活動で、ビルの支店(三階)に通じる階段の二階付近の床に残っていたガソリンとみられる油を採取した。現在、成分を詳しく分析しており、火災現場の店内の残存物から検出されたガソリン様の油と同一なものかどうかなどについて、調べを進める。また、成分から、製造会社や販売先などを絞り込めないか慎重に調べている。

 捜査本部は同じ場所から、新聞や雑誌の一部分とみられる紙の燃えかすを発見し採取。紙は事件直後、丸まった形で燃えている状態だったことから、捜査本部は、犯人が、店内で紙に火をつけて放火したとの見方を強め、鑑定を急いでいる。

 また、捜査本部は、現場から走り去った深緑色の「サンバー・ディアス・クラシック」旧モデルの所有者割り出しを急いでいるが、県内の同車販売店を統括する「青森スバル自動車」(青森市)によると、県内で新車販売された同モデルは一九九三年から九九年までで約四百台に上る。このうち、深緑色の販売台数は県内で約二百台で、津軽方面での販売台数はさらに少数。捜査本部は、一台ずつ購入者や車両の確認作業を進めている。

 また、犯人に似た人物がサンバー・ディアス・クラシックに乗り、黒石市内のガソリンスタンドを訪れていた−との情報も浮かんでいたが、捜査本部のその後の調べで、この人物と事件の関連は薄いとの見方が強まった。

※写真は新たに作成した似顔絵の描かれたチラシを配布し、捜査への協力を求める警察官=11日午後7時すぎ、弘前バスターミナルの待合室


2001年5月13日(日)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、階段の紙は新聞紙

 弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で男が現金を要求し放火、従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、弘前署と県警の捜査本部は十二日までに、事件現場のビル二階付近の階段に残された燃えかすの紙は新聞紙だったことを突き止め、紙名を絞り込んだ。武富士をはじめ、同ビルのほかの入居店舗もこの新聞を定期講読していなかった。捜査本部は、犯人が放火の火種にするため、新聞紙を事前に用意し持ち込んだ可能性が高いとみてさらに詳しく調べている。

 捜査本部はこれまでに、犯人が逃走した同ビル北側の階段二階付近で、紙の燃えかすを発見。犯人の男が武富士店内にガソリンをまいた後、この紙に火をつけて放火したとみて鑑定作業を進めていたが、十二日までに、判読が可能だった文字などから新聞紙と断定するとともに、紙名も絞り込んだ。

 また、新聞紙の発行日時は、事件が発生した八日当日の朝刊ではなく、古新聞だったことも突き止めたもようだ。

 同新聞は、犯罪の対象となったビル三階に入居していた事件現場の武富士、その階下、二階、一階のビデオ店の二店とも定期講読はしていないことがはっきりした。このため、犯人が古新聞をガソリンに点火する火種にする目的で外部から持ち込んだ可能性が高く、捜査本部は、犯行の計画性を裏付ける物証とみて重大な関心を寄せている。

 さらに、新聞の入手経路については、犯人の男が定期購読者だった可能性のほか、現場周辺などで拾ったなどの線も含めて幅広く調べを進めている。

 一方、捜査本部は、十二日までの調べでは特定の容疑者は捜査線上に浮上していない−としている。犯人像の似顔絵に関係して、新たな似顔絵を含め、一般からは同日までに二百件を超える情報が寄せられており、捜査が続けられている。しかし、捜査本部によると、県内で所在が分かり裏付けがとれた複数の人物に限れば、十二日現在、容疑者に結び付く不審者はいなかったとされる。

 ◇

缶のふたは犯人が落とした可能性

 武富士弘前支店の強盗殺人放火事件で、支店があるビル一階の駐車場で見つかった金属製のふたは、犯人が店内にまいたガソリンを入れた缶のふたの可能性が高いことが、弘前署と県警の捜査本部の十二日までの調べで分かった。

 捜査本部は事件直後、この駐車場から金属製で押し込み式のふたを発見、犯行前後に落としたとみて、缶の特定や指紋の採取に全力を挙げている。

 駐車場前の道路では、今年三月末まで行われていた側溝工事でオイル缶が使用されており、工事業者がふたを落とした可能性もあったが、業者の缶はすべてふたが付いたまま会社に保存されているのを確認した。


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