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新規国債の発行禁止について
http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/1330.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 9 月 08 日 17:44:48:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: 「国債」についてちょっと無知な質問を。 投稿者 エンセン 日時 2003 年 9 月 08 日 11:55:49)


エンセンさん、こんにちわ。


>もし、国債の発行を、今後一切禁止したら、どーなるのでしょうか。

発行される国債には新規発行分と借り換え分があり、合わせて105兆円(新規発行分36兆円+借り換え分69兆円)ほどです。

新規発行分は当年度の財政支出を賄うためのもので、借り換え分は国債を通じての政府債務の想定償還期限60年と個別国債の償還期限(3ヶ月から20年?)の落差を埋めるためのものです。

既発国債の利払いと60年計画に基づく償還を行なうために、現在、20兆円ほどの国債費が計上されています。


新規発行分と借り換え分の両方を一切禁止することにすれば、個別国債の償還期限で処理しなければならないので借り換え分69兆円も現金で償還しなければならなくなり、政府歳入(42兆円)のすべてを国債費に回してもそれを賄い切れないことになります。
(借り換え分69兆円+通常国債費20兆円で、90兆円ほどの資金が毎年必要になります)
これは現実性に乏しい想定なので、借り換え分は許容され、新規発行分のみが禁止されるという想定にします。


そのような状況に対して政府が日銀やその他の金融機関から直接借り入れを行なうという逃げ道もありますが、債券を発行するか政府保証の借り入れを行なうかの違いですし、政府が借金をやめたらという問いもありますから、それも禁止されると考えることにします。


新規発行分の国債禁止が、国民経済にどのような影響を与えるかざっと考えてみます。

[政府]

歳出を36兆円減少させなければならなくなります。
国債費20兆円は債務不履行を避けるために削れないとすれば、事業費・政策経費・人件費を削ることになります。
政府は供給主体ではなく需要者ないし需要補填者ですから、政府が支出を36兆円減らすということは、企業が需要を36兆円減らすことを意味します。
(ODAや国際機関供出金に手を付けなければ内需が36兆円そっくり減少することになります)

36兆円はGDPの8%に相当するものですが、産業連関的な因果を考慮すると、名目ベースで10%ほどのGDP縮小要因になると考えられます。

[企業及び家計]

政府が需要を減らしたことで、供給主体である企業は売上(収入)を減らすことになります。
一義的には官需を受注する企業の売上減少ですが、それに伴い該当企業の仕入れや発注が減少するので取引先の売上も減少することになります。
そして、売上が減少した企業に活動力を売って給与を得ている従業員は首切りにあったり給与削減の憂き目にあうはずですから、可処分所得が減った家計の増加で官需とは直接関係しない企業の売上も減少することになります。

このような変動は所得税・消費税・法人税の減少を招くので、歳入を減らした政府の支出は年を追うごとにさらに減少していくことになります。

[銀行]

新規国債の発行がなくなることで、銀行の資金運用というか収益確保が厳しくなります。
そして、官需が不良債権の増加を抑制していますから、36兆円の歳出削減で、不良債権が急激に増加することになります。

対民間部門貸し出しは、借りて欲しい企業や個人の資金需要は少なく、あまり貸したくない企業や個人が借り入れを求めるという状況にあり、リスクに敏感な銀行は、貸し渋りや貸し剥がしに動いています。(貸し出し残高は、年率5%ほどの減少を続けています)
国債の発行がなくなれば、銀行は、リスクが高い運用に動くことになるはずです。(米国債など)


[総括]

新規国債の発行をなくしても国民経済がうまく回るためには、民間部門の余剰貨幣を税で吸い上げて歳出規模をできるだけ維持するしかありませんが、現状の価値観でそれを実現するのは無理でしょう。

あり得ないことですが、減少した36兆円分を輸出の増加という外需で補えたとしても、輸出企業がそれで得た利益を内需増加に回すということは考えられないので、それまでの国民経済を維持することはできません。
(外需が増加するためには、米欧を中心に需要が増加するか、競争関係にある外国の輸出を奪わなければなりませんが、そのようなことが10兆円を超える規模で実現できる世界経済状況ではありません。輸出が増加しても、せいぜい、減少した雇用の若干の穴埋めが行なわれたり、設備投資の限られた増加で終わるはずです。1兆円の利益を上げているトヨタのベースアップはゼロです)

亀井氏を中心に積極財政で景気回復を誘導するという政策が唱えられていますが、実質日銀引き受けで国債を消化するとしても、景気回復を目的としたものである限り賛同することはできません。(企業の利益を拡大するための“社会主義”政策になるだけです)
将来にツケを残さない国債発行形態であっても、政策及び経済論理で100年かけて作り上げられてきた産業構造を、現実の世界経済を睨みながら、国民が安寧に生活できるものに改編していくという目的でなければ意味を持たないと考えています。

「近代経済システム」が先進国でも行き詰まりの段階に達しているという認識がなければ、現在及びこれからの政策として有効なものは提起できないはずです。

小泉氏と亀井氏のいずれを選択するかという問いを投げ掛けられたら、より悪くないと判断する亀井氏を選択しますが、ずるずると「近代」的繁栄を追い求めるよりも小泉的破壊を通じて人々の価値観が変わるのを期待したほうがいいのかもとも思っています。

亀井氏の政策は説明不足で、90年代中盤に採られた政策の焼き直しやバラマキという捉え方をされるはずですから、亀井氏がブームを起こし自民党総裁に選ばれることはないと見通しています。
亀井氏は価値観や総体的な経済論理まで踏み込んだ説明をすべきですね。


★ 参照書き込み

【国債問題への定量的アプローチ】その1:国債発行高と国債償還の推移
( ttp://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/736.html )
【国債問題への定量的アプローチ】その2:デフレ下とインフレ下での国債負担の差異
【国債問題への定量的アプローチ】その3:“非金融経済主体”の国債保有増加がもたらす「国債サイクル」の歪み
【国債問題への定量的アプローチ】その4:「国債原資」である預貯金・保険料の残高見通し
【国債問題への定量的アプローチ】その5:「構造改革」的税制変更は税収増大をもたらすか?
【国債問題への定量的アプローチ】その6:財務省の国債償還プラン
【国債問題への定量的アプローチ】その7:ムーディーズの“思考停止”コメントに沿って
【国債問題への定量的アプローチ】その8:ハイパーインフレによる政府債務の実質切り捨て=デフォルトへの道
【国債問題への定量的アプローチ】参考書き込みリスト

※ 「その2」以降は、「その1」のレスのかたちでぶら下がっています。

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