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なぜ「敗戦責任」にこだわるのか
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 25 日 19:14:37:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: Re: 「敗戦責任」とは何か への返答です 追伸 投稿者 戦争屋は嫌いだ 日時 2003 年 10 月 25 日 08:20:19)


戦争屋は嫌いださん、レスありがとうございます。

● 大陸政策について

戦前の日本は英国流の対外政策を範としながら国策を進め、戦後の日本は米国の世界戦略に乗っかりながら国策を進めてきたと大枠的に捉えています。

戦前の日本は、アジアで唯一の「近代国家」となる一方で、英仏などがドイツやロシアなどとの対抗関係のためにアジアに力を注げなくなるという状況のなかで大陸での権益を拡大していきました。

1902年の日英同盟は、手薄になったアジアでの利権確保と極東ロシアの南下牽制を日本の手を借りて実現するという英国の思惑から締結されたものです。

1900年の北清事変(義和団の乱)を鎮圧した列強国で最大の部隊を派遣したのは日本です。

そして、現実的な問題であったことは確かでしたが、英国が展開したロシア脅威論が日本の軍部・政界・思想界に深く浸透し、その後の国策を強く規定するようになります。(英国とロシアの対抗関係は、中東・中央アジアから東アジアまで1万キロを超える範囲で存在していました)

英国自身が最大の脅威と考えていたのはドイツです。それは、直接的な脅威だという共通認識(国策)にまでは至っていなかった18世紀後半のジョージ三世治下から「ドイツ問題」(当時のドイツはフリードリッヒ大王時代)として重要な政策課題になっています。

英国は、拡張した大英帝国の利権を、アフリカ・中東・東南アジアではフランスとの協調路線で、アジアでは日本を維持ないし他国牽制手段として使うことで維持しようとしたわけです。
(英国とオランダは、特殊な関係でもあり17世紀から棲み分けしながら権益拡大を続けていました)

日本は、日英同盟を基礎に、朝鮮及び南満州の権益で衝突していたロシアと戦端を開き、戦闘で勝利します。
(バルチック艦隊は、大型艦船はアフリカ南端を回り日本海まで遠征してきましたが、ほとんどの領域が英国支配であったため、補修・補給・休養もままならないまま日本近海にたどり着き、あの日本海海戦では、大きく喫水線を下げ運動能力も劣化させるほど石炭を満載したまま戦っています)

ご存知のように、日露戦争の結果、朝鮮に対する“保護権”・南満州鉄道利権・南樺太を手に入れ、不平等条約是正も実現しましたが、三国干渉を受けて遼東半島など中国での領土的利権は放棄することになります。(メディアや言論界が煽ったとはいえ、10万将兵の血で勝ち取った戦果の少なさに国民は大きな怒りをぶつけています)

保護国化していた韓国を併合(半植民地化)し、続いて第一次世界大戦(欧州戦争)で戦勝国となった日本は、いわゆる列強の地位を獲得することになりました。
(韓国は、保護国化した状態で富国強兵を手助けし、その完了をもって対露牽制のための独立同盟国として遇するほうがよかったと考えています)

この時点から、明治維新を通じて「近代」を選び取った日本は、昭和20年の敗戦に向けひたすら進み続けたと考えています。

対華21か条要求を打ち出して中国中心部での権益拡大を公然と叫び、中国人の反感を駆り立てるとともに、英米に対して「日本問題」を大きく喚起させることになります。
それが、ワシントン軍縮会議(軍艦建造規制や9カ国条約)・日英同盟破棄につながっていき、米国の仮想敵国第一位は日本になります。

日露戦争そして第一次世界大戦までの日本は、英米の“お仲間”になる(認められる)ことに心し、戦争捕虜の扱いや対外権益の扱いも極めて遵法的で慎重なものでした。
しかし、第一次世界大戦後は、英米と並ぶ列強の位置に立ったと慢心し、英米との摩擦を覚悟しながら対外権益の拡大をめざすともに、他のアジア諸国とりわけ中国に対して優等国という態度を露骨に示すようになります。
英国が中国に対して行ったことを日本が行うことに躊躇や恥じらいをなくしてしまった人たちが増大したのです。

米国が日本人の移民排斥を決定したため、「近代」化の宿命とも言える過剰人口の主要な捌け口を失うことになります。(米国の日本を標的にした移民排斥は対米開戦の芽になったと考えています)
これが、人口過疎で資源豊富な満州を領有ないし保護国化するという満州事変の構想につながっていきます。
(満州事変の直前までは、金食い虫で利益が上がらない南満州利権を放棄すべきという声が大きかったくらいです)

朝鮮や中国で経済権益を獲得したとはいえ、日本は農林水産業と軽工業を中心とした発展途上国であり、朝鮮や中国とは水平分業ができる経済段階ではなく、もろにぶつかり合う競争関係にありました。(対米開戦時でも鉄鋼生産高は400万トンしかありませんでした)

もちろん、中国や朝鮮とは生産性で勝っていましたが、彼らとて生活を賭けて経済活動をし、貨幣的富も少ないわけですから、自国で生産できるものを日本から輸入するというわけにはいきません。
このため、支配地域を通じた密輸(阿片やヘロインを含む)が横行します。

満州領有を企図したグループの一人である石原莞爾の構想は、日満一体となった重化学工業化の達成で、日本−中国の水平分業すなわち共栄圏をつくりだすというものです。
これが実現できない限り、アジアの共栄と同盟は達成できないと考えていたわけです。

しかし、日本の支配層の多くは、そのような構想を軍備強化のためには必要だとは考えても、アジアの共栄というより、とにかく市場と資源の略奪的拡大をめざすという政策に流れていきます。(政府が打ち出した大東亜共栄圏というスローガンは、対米英戦争が不可避と意識されるなかで、その正当化理由として持ち出されたものです)


※ 「敗戦責任」問題を考えるに当たって共通の理解が必要だと思われるので、戦前の国策をごく簡単にまとめてみました。
意図は推測していますが、合理性や善悪の判断はあまり含めていないつもりです。

● 民間人殺戮問題


>よしんば当時の日本の大陸侵攻策を帝国主義競争下の不可避的選択として是とした上
>でも、民間人の虐殺はやはり到底受け入れることはできません。これは超法規的な観
>点からも、やはり人類に対する犯罪として処断されるべきものです。

中国戦線で民間人の虐殺や強姦はあったと思っています。
それを便衣隊だったからだとか、正規軍が逃げた後民間人のかっこうで攻撃してきたから仕方がなかったという説明でよしとはしませんが、そのようなことが行われたのなら、日本の国内法や軍規で処罰しなければなりません。

ことさら意味不明の「人類に対する犯罪」という観念を持ち出さずとも、日本自身が持っていた法規で処罰できるものです。
それを現地の指揮官や司令官が見逃したのなら、指揮官や司令官も法規違反ですから処罰の対象になります。
(南京攻略の司令官だった松井石根大将は、南京入城後の日本軍将兵の規律違反行動を嘆いた日記を残していますが、そのような行動を犯した将兵を軍法会議にかけずに見逃していたのなら、それだけで重罰に処せされても仕方ありません。中国人に法規に触れる何かをしたからといって部下である日本軍将兵を裁くというまともな判断ができなくなっていたことは間違いありません。なんと言っても、シナ事変を拡大させた“精神”は、「中国にナメられたり排除的言動をされたら、懲らしめて目にものみせる」というものでしたから)

もちろん、戦後中国でも日本軍の戦争犯罪が裁かれたように、裁きにかけられないで放置されていた戦争犯罪ないし国内法規違反行為を中国などが裁くことは正当だと思っています。

しかし、この問題は、国家指導層に対するいわゆる「戦争責任」(平和に対する罪や人道に関する罪)とは関係ありません。
(極東軍事裁判で裁かれた国家指導層の一部は、うすうすは知っていたかもしれませんが、好ましいものではないと思っていたはずですし、現地司令官が対処すべき問題だと思っていたはずです。強姦などの問題を知っていたからこそ、慰安所の設立に動いています)

>英米の軍隊は少なくとも第二次大戦時点では民間人の大量殺戮は行っていない。(ド
>イツ・日本の無差別爆撃・原爆投下はあるが、非侵略国に対して行ったわけではなく、>一種の報復という形だった関係で自他ともに罪の意識が希薄となっている。ドイツ空
>軍もロンドンに最初に無差別爆撃を仕掛けたし、日本も戦争初期に南京・上海などに
>無差別爆撃を行っている。また捕虜を万単位で死なせている)。とはいえ大規模な都
>市絨毯爆撃・原爆投下は無論決して許されることではありませんが。(さらにアメリ
>カは後にベトナムで、皇軍どころではない非人道的な虐殺・化学兵器を使用したが、
>責任者はもちろん人類に対する犯罪のかどで極刑に処せられるべきものです)

米英が、「第二次大戦時点では民間人の大量殺戮は行っていない」という理由に、「非侵略国に対して行ったわけではなく、一種の報復という形だった関係で自他ともに罪の意識が希薄」だとか、「日本も戦争初期に南京・上海などに無差別爆撃を行っている」といったことを持ち出されるのは心外です。

宣戦布告をもって戦争状態にある二つの国家に侵略国とか非侵略国といった概念は適用できません。
また、罪の意識が希薄であることは罪を回避させるものでもありません。

真珠湾奇襲攻撃でも、日本海軍が爆撃した対象は軍艦と軍事施設だけです。
錦州・南京・上海・重慶その他の都市に空爆を加えていますが、無差別というわけではなく、戦線・軍事施設・政治施設を狙ったものです。
(航空機や爆弾をそれほど浪費できる状況にはなかったという現実もありました)

余計なお世話ですが、ドイツ空軍のロンドン爆撃やVロケット攻撃も、民間人やその居住施設ではなく、軍事施設と政治施設を狙ったものです。(もちろん、誤爆や近隣民間施設に被害を及ぼしています)

日本が中国で民間人と殺戮したのは、善い悪いは別として、軍事的敵対行動者という判断があったからです。(共産党やそのシンパがゲリラ戦なども仕掛けていたのですから、現状のイラク占領米軍と同じように、まわりは民間人であってもみんな敵という意識で動いていたはずです)

しかし、米国の日本都市空襲や原発投下は、戦争遂行手段の生産に従事している人を減らす、戦争遂行意欲を減退させる、米国の力を思い知らせる、新兵器の威力を実験する、戦後占領支配での抵抗をなくすなど、相手が民間人であることを明確に認識した上で行われたものです。


● 責任問題

>貴殿の「さらに言えば、“一億総懺悔”ではなく国家指導層やマスコミの責任は特段
>だが、国民にもそれなりに責任があるという話にもなるかもしれません。」について
>は若干同意しかねる部分があります。国民を教育・教宣によって戦争政策漬けで洗脳
>し、200万以上の死者を出した一義的責任はやはり、当時の支配層にあった。

国民の責任とは、洗脳されてしまった責任です。
選挙権は男性のみで情報は限定され、メディア報道や学校教育で価値観や国策に関する強烈な方向付けがなされていたとしても、洗脳されていたから責任はないとすれば、当時の日本は、愚昧の民で満ち満ちていたという結論になるだけです。

(それが自分自身だという人は少なくなっていますが、親や祖父母である人だという人が現在の日本人のほとんどです。「洗脳されていた」とか、「軍部が悪かった」という総括でよしとする人には、いつまでも自覚なき“奴隷”もしくは道具的存在として生きてくださいと申し上げます)

限られた情報や培われた価値観のなかで、「米国と戦争をしても勝てないだろう」、「息子が戦場に送られて死ぬのはイヤだ」などといった判断はありながらも、「戦うしかない」という結論を持った人が多数派だったと思っています。

戦争の判断(統帥問題)は国会でさえ口出しできるものではありませんでしたら、統帥部構成員及び天皇が「敗戦責任」を主として負い、外交や予算そして内政で戦争遂行に関わっていた内閣構成員も重い責任を負い、国会議員もそれに次ぐ責任を負います。

ご指摘の財閥は、国家支配層に含まれると考えていますし、彼らがどのような行動をとったのかを明確にし、責任を問われるべきだと思っています。

(「敗戦責任」問題に蓋をしていることで、戦前及び戦時中の資料や情報が隠されたままになっています。これが、南京虐殺問題や従軍慰安婦問題をこじらせている要因でもあります。事実を知るためにも、「敗戦責任」問題を国家として取り上げさせる必要があると思っています)

前にも書きましたが、誰に責任があり誰が悪ったということも重要だと思っていますが、どうしてあのような膨大な犠牲と災厄が道具化された被支配層の手によって現出することになったのかということを明らかにするほうがより重要なことだと思っています。


今でも、「あまりよく知らない国で殺戮される人たちがいるとしても、それで現在の生活が良くなったり維持されるのならば仕方がない」とか、「米国の意向に逆らってこれからの見通しが悪くなるのなら、米国のやり方はとんでもないが、国策としては支持するしかない」と判断する人は少なからずいると思っています。
(貴殿が言われる洗脳状況は、手法や内容は違っても変わらず続いています)

そして、それらの人が被支配層に属しているのなら、ひとの命を代償にそこそこの生活を維持するという考えはとんでもないものだと言って非難する気にはなりません。

非難ではなく、ひとの命を代償にした生活の維持という方法を選ばなくとも、人の命を尊重しながら自分もより好ましい日々がおくれる方法があることや、経済条件を維持するために必要悪だと思って見逃している国策はこの先経済条件を悪化させるものだということを示す道を選択します。

その一環として、「敗戦責任」問題を通じた日本近代史の総括を位置付けています。
「敗戦責任」を論理的に追及していくなかで、そうならば、今の日本はどうしなければならないのかということも見えてくると確信しています。


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