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縄文ビトさんの意図や趣旨がよくわからないままですが...
http://www.asyura2.com/0510/idletalk15/msg/140.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 06 日 04:32:16: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: あっしらさん教えてください 投稿者 縄文ビト 日時 2005 年 10 月 05 日 07:51:09)


縄文ビトさん、どうもです。

まず、今回の投稿が「あっしらさん教えてください」というタイトルになっている理由が今もって理解できません。

それは、末尾にまとめているこれまでの経緯を踏まえても質問の内容が明確でないことに尽きますが、縄文ビトさんの貨幣論とケインズの乗数理論がどのような関係にあるのかが見えてこないことも一因としてあげることができます。

そのようななかで書いたものだとご承知いただきお読みいただきたいと思っております。


[縄文ビトさん]
「むしろ私が提示したA〜Eの製造者であり販売者という関係のものは、未来社会における人間のあり方を考える基礎となるものです。A〜Eの関係と二通り(貸付と貨幣発行者の買い入れ)の方法は基礎的なものであり、ここから導き出される回答は貨幣が発明されてから現在社会の貨幣の使われ方までを見たとき、一言で言えば『貨幣は猿知恵の中で発明され、現在でも猿知恵の中で使われていると言えます。そこには人間の知恵は残念ながら現在段階では皆無といえます』

A〜Eの関係で見たとき未来の人間社会は人間の知恵が生かされた『貨幣』の使い方で全ての人々が人生を謳歌することが出来ると感じられます。

それがこれから書こうとしている課題です。」


[あっしら]
縄文ビトさんが常々言われている労働力の買い入れという問題を脇に置くと、「A〜Eの製造者であり販売者という関係」は、未来社会と言うまでもなく、現在の社会の基礎となっているものです。
だからこそ、貨幣経済と誰もが思う現実になっているわけです。


「A〜Eの関係と二通り(貸付と貨幣発行者の買い入れ)の方法は基礎的なもの」というのは、なにがなににとって基礎的なのでしょうか?
A〜Eの関係が存続するためには(貸付と貨幣発行者の買い入れ)が基礎的な条件ということなのか、「A〜Eの関係と二通り(貸付と貨幣発行者の買い入れ)の方法」は歴史を超えて社会にとっての基礎なのか、それとも未来社会の話なのか、読んだ範囲ではわかりません。


また、貨幣の使い方が稚拙ということの比喩だと思いますが、貨幣に関する猿知恵と人間の智恵にどのような違いがあるのか具体的に説明していただけなければ、どう稚拙なのかわかりません。
その後ろでケインズの乗数理論の概略的説明がなされていますが、それと貨幣の使い方がどう関わってくるのかも、なんとなくという勝手な想像のレベルでしか察知できません。

「A〜Eの関係で見たとき未来の人間社会は人間の知恵が生かされた『貨幣』の使い方で全ての人々が人生を謳歌することが出来ると感じられます」という認識が、現在考えられている貨幣論を説き起こす主たる目的だと推察しますが、貨幣は、ある歴史的社会における人々の関係性に由来するものであるとともに、その関係性に基づく経済活動を制御(円滑化)するための手段ですから、『貨幣』の使い方に先立って、その考察及びめざす関係性の提示が必要だと思います。
その後で、貨幣が引き続き手段として必要なのか、必要だとしても現在の貨幣と同じ機能を必要するのかなどの考察に向かうべきだと考えます。

[縄文ビトさん]
「意味4 波及効果とは最初に一兆円投下された資金が、仮定として一兆円の需要を呼び起こし、さらに新たな一兆円の需要創出を作りだす。そしてそれが回数的なものと考えるならば上記文章にある無限という回数回、繰り返されることになるとケインズは考えたことになる。それが乗数理論という意味となる。

ちなみに縄文ビトは回数的な関係の言葉よりも時間的な継続として永遠に継続するという意味で永遠という言葉を使いました。」


[あっしら]
ケインズの乗数理論に関して説明されている後半はこの部分に集約できると判断し、ここだけを対象とさせていただきます。


まず、固定資本形成需要と消費財需要を区分する必要があります。
固定資本形成に投じられた貨幣は、固定資本形成の活動に従事した人たちの所得となり、そのある部分(消費性向)が生活のために消費されます。
道路などの固定資本形成は手段のための生産活動ですから、それに従事した人々が生きていくためには、自分が生産したものではなく、他の人々によって生産された消費財を購入する必要があります。

これが“波及効果”の基本です。

「同規模の減税と公共投資とでは公共投資の方がGDPをより上昇させる」という説明もこれに由来します。(以前書いたように、GDPの計算には異論がありますが、通説に従うと..)

減税は、消費財需要の増加には大きく寄与しますが、固定資本形成の増加については住宅の需要を引き上げる程度になります。
そして、消費財需要の増加で消費財供給活動に従事している人々の所得は増加しますが、失業者(家族)であっても生きているわけですからそこそこの消費はしており、それほどの所得増加にはつながらず失業者の大きな減少にもつながりません。
(救貧活動で得る消費財と給与で購入できる消費財がイコールであれば、失業者が減っても、消費需要は拡大しません)


ですから、前提条件抜きに、「波及効果とは最初に一兆円投下された資金が、仮定として一兆円の需要を呼び起こし、さらに新たな一兆円の需要創出を作りだす。そしてそれが回数的なものと考えるならば上記文章にある無限という回数回、繰り返されることになるとケインズは考えたことになる」とは言えません。

公共事業に投じられた1兆円は、1兆円に相当する労働(力)の追加需要、すなわち、公共事業に従事した労働者(及び管理・経営者)の追加所得となり、その1兆円の消費性向に見合う消費財供給活動(労働(力))に対する追加需要となるというのが基本です。

(公共事業=固定資本形成は生活のために消費されるものを生産するわけではないので、1兆円は総需要の純増になります。消費財需要については減税で説明した打消し要素が入り込みますが、失業者向け給付と賃金に大きな開きがあれば、すなわち賃金が生存維持費を大きく超えたものであれば、消費財需要の拡大に大きく貢献します)

公共事業(固定資本形成)は、非消費財供給活動であることで、消費財とダブルの需要を生み出すことがミソなのです。

この問題のポイントは、公共事業1兆円がなくなったときにどうなるかです。
消費財供給活動は前回の公共事業のおかげで拡大していますから、なくなった1兆円がすぐにそっくり需要の落ち込みになるわけではありません。増大した消費財需要にために雇用された人たちの所得が落ち込みを防ぐからです。
しかし、1兆円の需要がなくなったことで、徐々に雇用が削減され、総需要が減少してゆきます。

では、政府が投じた1兆円はどこに行ってしまうのでしょうか。消費財供給主体と銀行そして政府部門です。
需要が減少すれば利益を目的とする企業(供給主体)は生産を縮小しますから、回収したお金を再生産のために回さず手元に残すことになります。(再生産に回さないということは雇用減少を意味する。手元に残すということは銀行預金になること)
借り入れをしている企業や家計は、利息と元本の一部を銀行に支払います。
公共事業によって人々や企業が得た所得の一部は税金として政府に戻ります。

そのようにして発生した“余剰貨幣”は、国内の実物経済にはない利を求めて、投機市場や海外向け貸し出しに使われることになります。

このように、公共事業に投じられた1兆円は、消えてなくなることはありませんが、必ずしも繰り返しの需要になるわけではないのです。
これは、回数的な関係としても、時間的な継続としても、永遠に継続するわけではないことを意味します。

公共事業に関する的確な表現は、公共事業で増加した需要を維持するためには繰り返し公共事業を行わなければならないというものです。


※ それどころか、公共事業が赤字国債で行われていれば、その利払いと償還の償還のために将来の所得の租税負担が増大することになりますから、その分を補うために公共事業を増やさなければなりません。


レスが縄文ビトさん意図したものになっているかどうか自信はありません。
意図からズレていたり、ご不明の点はご指摘いただければ思っております。
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[これまでの経緯]

縄文ビトさん『お金の話のことですが』
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/580.html

あっしら『社会的分業の実現方法』
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/581.html

縄文ビトさん『貨幣論の入り口として書いたつもりでした』
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/582.html

あっしら『縄文ビトさんの「貨幣論」について簡単に..』
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/587.html

縄文ビトさん『暫時休業宣言』
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/592.html


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