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WTC爆破解体レビュー(6)『微粒子の雲』を作った巨大エネルギー
http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/514.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2006 年 11 月 16 日 10:04:23: SO0fHq1bYvRzo
 

【写真はWTC第1ビル崩壊に伴う粉塵の『雲』】

この投稿は下記に続くものです。
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http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/207.html
WTC爆破解体レビュー(1):吹き飛ばされた巨大な「壁」【倒壊2日後の写真より】
http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/264.html
WTC爆破解体レビュー(2)爆破によって転倒し始めた第2ビル上層階
http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/322.html
WTC爆破解体レビュー(3)爆破で中空に消え去ったWTC第2ビル上層階
http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/413.html
WTC爆破解体レビュー(4)爆風の噴出(squibs)とNISTの虚説「空気ポンプ」
http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/444.html
WTC爆破解体レビュー(5)断末魔の告発:崩壊後も立ち続けたコア鉄柱群
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WTC爆破解体レビュー(6)『微粒子の雲』を作った巨大エネルギー


 今回はWTC崩壊の大きな問題点の一つである「ミクロン単位の粉末にまで砕かれて巨大な『雲』となって流れたWTCタワーのコンクリートの謎」について語ることにしたい。話の性質上、途中から化学と物理学の専門用語や理屈や数字が多くなる「辛気臭い」投稿になるだろうが、今回ばかりはご勘弁願いたい。


●●重力による位置エネルギーで説明可能なのか?●●

 『重力による垂直崩壊』説では、崩壊開始以後に起こったあらゆる現象について、その主要な原因を、いやが応でも「WTCタワーが持っていた重力の位置エネルギー」の解放によるものとせざるを得ない。

 航空機燃料火災は上層階の限られた部分のみで起こり、NISTですら最初の10分以内でケロシンの大半が燃え尽きていたことを認めざるを得ない。さらに明らかな酸素不足の不完全燃焼状態が1時間以内とか1時間半ほど続いた程度である。これが崩壊開始以後のビルの振る舞いに特に重要な役を果したとは考えられない。(一部のプロパガンダ機関が垂れ流す「エレベーター・シャフトをケロシンが燃えながら落ちてコアを800℃にした」などという何一つ根拠の無い話は検討の対象とすらなりえない。)

 崩壊開始以後に起こった現象には、@大量のコンクリート材の粉塵および数多くの鉄骨材が上の方から次々と大きな水平方向の運動量を持って飛び出したこと、Aコンクリートだけではなく様々な材質の建材や家具、設備や装置、犠牲者の遺体までも(紙製品を除く)そのほとんどが原形を留めずに粉砕されたこと、B落下するビルの残骸が地面を打って地震波を作ったこと、Cコアおよび地下の基礎部分にあった鉄骨構造が原形を留めずに破壊されたこと、D以上のような破壊を上の方から順々に行いながらなおかつ地球重力による真空中の落下速度に順ずる速度でビルの破壊が進んだこと、などが含まれる。
【写真:崩壊開始直後の第1ビル】
http://homepage.mac.com/ehara_gen1/jealous_gay/images/wtc1_demolition.jpg

 果たしてこれら全ての現象の主原因を重力の位置エネルギーとできるかどうか? しかしこの投稿ではあくまでコンクリートを微粒子にまで砕いて巨大な『雲』を形作るために必要なエネルギーだけに話を絞る。

 もしWTCが持っていた位置エネルギーがそれを十分な余裕を持ってカバーするのであれば、その他の現象も重力で説明できる可能性が生まれよう。もしそれでは到底不足だとすれば「重力による垂直崩壊」説は根底から崩れ消え去ることとなる。


●●『微粒子の雲』が形成されるプロセスは?●●

 WTCビルが微粉末の『雲』になっていく様子は次の各ビデオで確認できる。
【ビデオ:WTC1崩壊、東側から、全体像】
http://www.youtube.com/watch?v=eO2cQOC7hxY&mode=related&search=
【ビデオ:WTC2崩壊、北東側から】
http://www.911research.com/wtc/evidence/videos/docs/wtc2_abc_3.mpg
(もし上のビデオが直接にリンクできなければ次のサイトで上から6番目の「South Tower collapse from northeast」を見てほしい)
http://911research.wtc7.net/wtc/evidence/videos/index.html

 第1ビルでも第2ビルでも、まずビル内の固体と気体が混合して上から次々と押し出されていった。このときにはすでにコンクリートの多くがある程度の細かさにまで砕かれていたと思われる。
【写真:崩壊中の第1ビル】
http://www.asyura2.com/bigdata/bigup1/source/055.jpg
【写真:同上第2ビル】
http://www.positiontoknow.com/S-11/img/imdf11092001111318a.jpg

 中には下の写真に見るように大きな塊状で落下したものもあるが、結果として地上には何一つそのような塊は残されなかった。
【写真:西隣の第3ビルに崩れかかる第2ビルの一部】
http://algoxy.com/psych/images/wtc2coreonto3.gif
【写真:事件後のWTC地区衛星写真】
http://www.noaanews.noaa.gov/stories/images/wtc-photo-cropped.jpg

 ビデオで確認してみればよいが、落下したのはビルそのものの塊ではなく、ビル内にあった気体と砕かれた固体が作る流動的な混合物、いわばある種の『流体』だった。そしてそれがさしたる空気抵抗も受けずに大きなスピードで落下し、鉄骨と共に地震波を作るほど激しく地面に激突したことから、落下途中ではその固体成分の多くが未だ微粒子状にまでなっていなかったこと、および、その気体成分がさほど大きくは膨張しておらず『流体』の比重が十分に大きかったことが分かる。
【図表:地震計記録】
http://www.ditrianum.org/Graphics/911_seismic_records.jpg

 しかし崩壊終了後のWTCビルの破片は直径数十ミクロン(μm)単位の粉末を中心としており、金属以外で塊状になった物体は皆無に近かった。小石状の物体すらほとんど見られなかったのだ。この『流体』に含まれる固形物の多くが地面付近で微粒子状にまで砕かれ、同時に自らの内的なエネルギーの働きによって気体部分の体積を一気に膨張させて『雲』を形作ったのである。
【写真:『雲』の形成】
http://www.positiontoknow.com/S-11/img/site1086.jpg
【写真:やや後の上と同じ場所】
http://www.positiontoknow.com/S-11/img/P7300437.jpg
【写真:成長しながら街路を埋め尽くす『雲』】
http://www.positiontoknow.com/S-11/img/thirdexplosion.jpg
【写真:ハドソン川にとどいた『雲』】
http://www.positiontoknow.com/S-11/img/z6t4bigg.jpg
【『雲』を作った粒子に関する参考文献】
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http://www.ehponline.org/docs/2002/110p703-714lioy/abstract.html
Environmental Health Perspective: Characterization of the Dust/Smoke Aerosol that Settled East of the World Trade Center (WTC) in Lower Manhattan after the Collapse of the WTC 11 September 2001
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 高密度に微粒子が集まった『できたての雲』の内部に向けて、極めて短時間で外部の空気が大量に入り込んで膨張させることは考えにくい。それを大きく膨張させる原因はやはり主要にその内部に求めなければならない。膨張したとはいえ相当に高密度な状態だったことは写真でも確認できる。『雲』と周辺の空気との間に明らかな境界面が作られているのだ。それが少し時間のたったものでは、やはり周辺の空気と混じって「薄められて境界がぼやけた」状態になりつつあるのが分かる。

 その主要な原因となったのは水などの液体の沸騰による膨張だろうが、それには大量の熱エネルギーが必要である。液体状の水のほかに、固体成分の中に若干でも水分があればそれが沸騰して膨張する際には固体を粉末に砕きながら一気に1680倍(1気圧のもと)に膨れ上がるだろう。コンクリートは遊離水のほかに多量の結晶水を含む。また可能性としては小さいが、コンクリート中の水酸化カルシウムは600℃弱の熱で分解され水が発生することがありうるし、あるいは30年近い年月を経たコンクリートの中に炭酸カルシウムが作られており、これは相当の高熱(900℃)が必要だが、分解して二酸化炭素を発生させるかもしれない。

 それにはケロシン火災の熱も多少は加わったのかもしれないが、もし他に何のエネルギーも加わっていないとするなら、その大半が重力の位置エネルギーを起源とするものであったはずだ。

 中には次のような誤解する人がいるのかもしれない。WTCの『雲』は、例えば埃だらけの床に本のような平たいものを落とした場合に空気が埃を巻き上げるようなものではなかったのか、と。今までに述べたように現実に起こったWTCタワーの崩壊は、そのような落下する物体の運動エネルギーによって空気が運動しそれが予めそこにある塵埃を巻き上げた、というものとは根本的に異なる。


●●「火砕流」と言えるか?●●

 米国の学者や911真相解明に当たる人々はよくこの『雲』の動きをpyroclastic flows(火砕流)と表現し火山のそれと同一視するかのような表現をする。確かに外見は似ているが、はたしてそのように言うことができるかどうか?

 どうやら火山国日本でも「火砕流」という言葉の定義に揺れが出てきているようである。以前は数百度以上の高温の火山噴出物(気体を含む)によってできるある種の『流体』を指していたが、30℃ほどに温度が低くても「火砕流」と呼ぶ「広い定義」が生まれているようである。引用はしないが下のサイトをご覧いただきたい。
【資料文献:「言葉の定義は不変か?」】
http://rimrpost.rimr.akita-u.ac.jp/~ksaiki/miyake/pflow.html

 とすると、WTCの『雲』も「火砕流」と比較することはあながち間違いではないのかもしれない。ただいずれにしても「イコール」ではないし、「火砕流に似ているから爆破である」という短絡した反応を呼びかねない。私としてはあくまでこのような言い方には賛同できない。

 しかし一方で次のような興味深いレポートもある。1991年6月に大規模な火砕流災害を引き起こした雲仙の記録である。
【資料文献:「火砕流に伴う地震動・空振の研究」】
http://homepage3.nifty.com/hyamasat/unzen/pyro-j.html
【写真:1991年の雲仙火砕流】
http://georoom.hp.infoseek.co.jp/7old/3litho/image72.jpg

 ここに火砕流(規模としてはむしろ小さなもの)が普賢岳を下るときの地震計の記録がある。同じものとは言わないが、WTCの『雲』が発生するプロセスにとって、部分的にだが、一つの近似的なモデルとなりうるかもしれない。

 火砕流に含まれる火山砕屑物にはいろんな種類があるが、細かく砕かれた火山灰は主に溶岩の発砲、つまり溶岩中に閉じ込められていた水蒸気や二酸化炭素、硫化水素などの火山ガスが、落下のショックによって爆発的に膨張するプロセスで生まれる。

 雲仙ではほとんど流動性の無い安山岩質の溶岩ドームが崩壊して火砕流が発生した。崩れた岩は激しく地面と衝突しながら斜面を下り地震波の振動を作った。同時に岩石はそのショックで急速に細かい砂様の火山灰に砕かれ、それが急速に膨張する気体と混じって極めて流動性に富む『流体』のようにふるまったのだ。それは粉砕と膨張を重ねて次々と体積を増しながら流れ落ち43名の人々を巻き込んでいった。その膨張はあくまでも内的なエネルギーによるものである。犠牲者の中には世界的な火山学者クラスト夫妻も含まれる。

 こうしてみると、地震の振動を作りながら発生したWTCの『雲』を火山の火砕流と比較してみることも、案外と無駄とは言い切れないかもしれない。


●●コンクリートを微粉末に砕くのに必要なエネルギー●●

 さて、『雲』発生のメカニズムを解く際の最初の問題は、コンクリートのほぼ全てを微粒子にまで砕き、そしてそれと気体との混合物を膨張させたエネルギーの総量である。もちろん落下中や落下後に外部から新たに混入した空気も相当量あったはずだが、『雲』形成のエネルギーを算出する際にはこの分を割り引いておかねばならない。

 ここでご紹介するのは9/11 Research.comの主要な論者となっているジム・ホフマンによる試算であり、参照する論文は次である。
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http://911research.wtc7.net/papers/dustvolume/volumev3.html
The North Tower's Dust Cloud
Analysis of Energy Requirements for the Expansion of the Dust Cloud Following the Collapse of 1 World Trade Center
by Jim Hoffman October 16, 2003 [Version 3]
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 このホフマンの論文は次のサイト(Physics 911.ca)にも転載されている。
http://physics911.ca/org/modules/news/article.php?storyid=12

 またこの論文はかなりの量があり、少々面倒なデータ処理や科学的考察もあるため、この投稿では主要部分をご紹介するにとどめる。細かく検討したい方はどうか原文のほうをご参照願いたい。またここで試算されているのは第1ビルの例のみである。

 まず、WTCがどれくらいの重力の位置エネルギーを持っていたのかという最も基本的な数字だが、WTCの建設に関しては担当した企業によって秘密にされているデータも多く厳密には知ることができない。しかしFEMAはWTC1が持っていた重力ポテンシャルを4×[10の11乗]J(ジュール)超と発表した(総重量1.97×[10の11乗]g=19万7千トン、平均落下距離207m)。この数字はおよそ11万1千KWH(キロワット時)に当たる。(1KWHは3600KJ、つまり約864Kcal)

 またホフマンは、1トンのコンクリートを60ミクロンレベルの粒子にまで砕くのに必要なエネルギーを1.5KWHとしている。これについての詳しいことは次のサイトをご覧いただきたい。
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http://www.911-strike.com/powder.htm
9-11 Strike.com:Powder analysis
http://www.b-i-m.de/public/ibac/mueller.htm
REQUIREMENTS ON CONCRETE FOR FUTURE RECYCLING
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 ただPowder analysisの著者であるJerry Russellは上の論文で一つのWTCタワーのコンクリートを60万トンと推測しているが、ホフマンによると、後に彼はFEMAの発表に近い9万トンに訂正した。その上で、WTC1全体のコンクリートを60ミクロンの単位に砕くエネルギーを13万5千KWHと算出した。

 これはすでにFEMAが主張する重力ポテンシャルを超えている(!!)と思われるが、ホフマンは他の研究者の試算も参考にしてこの13万5千KWH数字が妥当なものであると語る。


●●『微粒子の雲』はどのくらいの量があったのか●●

 次に『微粒子の雲』を形作るエネルギーである。WTCタワーから出た粉塵と気体は30秒ほどの間にタワーの体積の何倍もの大きさに膨れ上がって巨大な『雲』を作った。それは広がり盛り上がりそして最後にはハドソン川とイースト川に流れ込んだ。

 それはさておき、『雲』が形作られて以降は、それは流体が重力に従って流れるような振る舞いをすることだろう。また周辺の空気を巻き込んで薄まり、さらに粒子の大きなものから地面に落ちていくことだろう。したがって、何よりも最初の一定時間に十分の厚みで広がった時の体積とそのときまでの膨張の仕方を検討しなければなるまい。

 原因として(1)熱による空気の膨張、(2)液体や固体の気化による膨張、(3)化学変化によるガス分子の増大による体積の膨張の3つが考えられる。しかし(3)は十分に小さいと思われる。そこで(1)と(2)を中心に見ていくことにする。

 次のことを知る必要がある。
(A) 崩壊開始から一定時間たったときの『雲』の総体積
(B) 粒子と周辺の空気の混ざり具合とその体積との関係、およびそれによって、元々ビル内にあった物体の塵や気体から作られた部分の体積がどのように計算できるか
(C) その体積と元々のビルの体積との比
(D) その比を作るためにどれほどの熱エネルギーが必要であるのか

 ここでホフマンは崩壊開始30秒後の『雲』の体積を計算する。用いる資料は次の写真(この投稿の最初にアップしたものと同じ)である。これは崩落開始からほぼ30秒後のものと見られる。
http://physics911.ca/org/images/911/wtc1/wtc1_dust_2en.jpg

 詳しい計算過程は省くが、ホフマンはこれをおよそ850万㎥と算出している。ここから『雲』形成後に外部から混入した空気を除き、ビル自体から発生した粉塵とガスを起源とした『雲』の体積を出す。これも詳しい考察過程は省略するが、およそ570万㎥とされる。WTCビルの体積は約166万㎥。したがってこれが膨張した割合は約3.41倍ということになる。(原文では単位がフィート、インチ、マイルなどになっているが、ここではメートル法に換算している。)

 もちろんここまでの計算でも、この『雲』の体積や密度分布、温度分布などを正確に知ることはおそらく不可能に近く、相当に誤差のある数字と見ておかねばならないだろう。しかしWTC倒壊で放出されたエネルギーの総量を算出するための貴重な「たたき台」となる研究である。


●●気体の膨張に必要な熱エネルギーの計算●●

 さて、この3.4倍という膨張を作り出したのは何か? まず熱による気体の膨張がある。次に液体(主要に水)の沸騰によるものが考えられる。固体の気化には通常非常な高熱が必要で、WTC崩壊の場合には現実味に欠けるためここでは考えない。

 もし水の蒸発を考えないという極端な設定の場合なら、気体方程式PV=nRTから絶対温度で1020K、つまり720℃という温度が必要となる。空気の比熱やビル建材の比熱を考えて、23℃からそこまで上昇させるのに必要なエネルギーを計算すると、空気の膨張に40万KWH、そして建材をその温度にするのにおよそ1130万KWH、合計で1170万KWHとなる。それにコンクリートを砕くエネルギーを入れると1183万5千KHW、FEMA公表の重力によるエネルギーの100倍を超える。

もっともこれはありえない。コンクリートも水を含んでいただろうしビルの中には消火用の水や手洗い所、水道管の中などにも水が豊富にあったはずだ。第一、その温度では周辺の物体や巻き込まれた人たちが焼け爛れてしまう。実際にはそんなことは起きなかった。

 そこで水の沸騰による膨張を計算に入れることにしよう。水が沸騰して水蒸気になるときには体積が1680倍になるのだ。『雲』内部の温度が100℃であり、熱エネルギーが空気の膨張および水の気化熱として使われた場合を想定する。23℃から100℃となる空気の膨張で不足する分を水の沸騰による膨張として、ホフマンは水の量を2380トンと推定している。

 その量の水を気化させるために必要な熱量は149万6千KWHに相当する。また空気とビル建材を100℃にまで上昇させるために必要なエネルギーは合計で118万6千KWHと算出される。合計268万2千KWHである。これにコンクリートを粉々に砕くエネルギーを加えると、281万7千KWHという結論が出る。FEMAが公表した重力によるエネルギーが11万1千KWH超であるので、この試算ではその25倍である。

 もちろん以上の試算結果には相当の誤差があること覚悟しなければならない。しかし私は、この試算を何度も読み返し検討してみて、少なくともこの281万7千KWHという数字が10分の1未満になるだろうという根拠を見出せない。たとえ10分の1となったとしても重力による位置エネルギーの2.5倍なのだ。


●●結論:「重力による垂直崩壊」説の全面崩壊!●●

 以上のようにホフマンは、「重力による垂直崩壊」説にとってほとんど唯一の便りの綱である位置エネルギーの何倍も大きなエネルギーがこの『微粒子の雲』の形成に必要であると算出した。そしてこの試算は十分に評価できるものである。

 (ここから先はホフマンではなく私の結論である。) 

 これはあくまでもコンクリートのみを計算したものであり、その他に、ビル内のコンクリート以外の建材や家具や設備類をもほぼ粉砕したエネルギー、鋼鉄の骨組みをバラバラに引きちぎって破壊したエネルギー、多数の鉄骨と多量の建材を水平方向に吹き飛ばしたエネルギー等々が加わることになる。重力エネルギーで到底まかないきれる範囲ではない。ここでも「重力による垂直崩壊」説はあっけなく文字通り《垂直崩壊》する。

 以上の現象を説明するためには、いやが応でも重力以外に強力なエネルギー源を想定する必要がある。強力な発熱と破壊を伴う、爆発物によるエネルギーである。

 『雲』の形成には確かに落下の運動エネルギー(つまり重力)による部分もあっただろう。しかしそれだけでは説明不可能である。爆破によってビルから高速で放出された『流体』内ではすでに固形物が相当のレベルにまで砕かれていたのだ。またそれらは爆破による過剰な内部エネルギーを抱え極めて不安定な状態で落下しただろう。

 そして、地面との衝突の機械的なショックと同時に、固体内に閉じ込められていた高圧の水蒸気が固形物を大量の微粒子へと砕きながら爆発的に膨張した。同時に墜落時の破壊が最終的に熱エネルギーとなることも加わって、WTC内部にあった大量の液体の水を沸騰させ、また『流体』内部の空気と共に周辺から巻き込んだ空気をも膨張させながら、濃密な『雲』を形作った。同時に、『流体』がビルから噴出する際に持っていた水平方向の速度(もちろん爆破による)が、『雲』を横に広げ上昇させるための重要なエネルギー源の一部となったのではないか。


 もちろん先ほどのジム・ホフマンの試算は厳密なものではない。しかしこれ以上の研究を行うためには、多くの計算モデルを使い大型のコンピューターと数多くの研究員を駆使しなければならない。彼の追及はあくまでも「たたき台」となるべきものだろう。

 それでも私はこのジム・ホフマンの努力には素直に敬服する。私はしばしばホフマンと彼に同調するグループの悪口を言う。しかしWTC崩壊に対する彼らの態度は真摯である。上の試算を行った論文では、やはり真面目な科学者らしい視点と思考が隅々にまで貫かれているのだ。


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 次回の投稿までには少し間が開くかもしれないが、いまのところ、WTCタワーの地下基礎部分に関する投稿を行う予定である。

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