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《石油のための戦争》論の虚構:J.ペトラス「シオン権力と戦争」全訳シリーズB
http://www.asyura2.com/07/war98/msg/185.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2007 年 11 月 15 日 23:36:02: SO0fHq1bYvRzo
 

(写真はガザ地区で自らの喜びのために残虐行為を繰り返すシオン・ファシスト兵士)

《石油のための戦争》論の虚構:J.ペトラス「シオン権力と戦争」全訳シリーズB


これは次の投稿の続きです。この作品と作者についての説明は「全訳シリーズ@」をご覧ください。次回(全訳シリーズC)が最終回です。

http://www.asyura2.com/07/war97/msg/854.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2007 年 11 月 10 日 08:39:54:
《石油のための戦争》論の虚構:J.ペトラス「シオン権力と戦争」全訳シリーズ@
http://www.asyura2.com/07/war98/msg/129.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2007 年 11 月 12 日 23:15:39:
《石油のための戦争》論の虚構:J.ペトラス「シオン権力と戦争」全訳シリーズA

また、次の拙稿も参照してください。

http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/1611.html
【ビデオ】イスラエルによるパレスチナ婦女と若者に対する虐殺(Global Researchより)
http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/1657.html
コイツらがテロリストだ!:ガザ虐殺証拠写真集(Global Research)
http://www.asyura2.com/0610/war86/msg/828.html
【全訳】米国の本当の大統領はオルメルト:偏在するユダヤ・ロビー(IAR-Notocias)
http://www.asyura2.com/0601/war84/msg/417.html
「ヤツラは我々を動物のように扱う」:ガザに対するイスラエルの停戦無き攻撃(AIR-Noticias/Socialist Worker)
http://asyura2.com/0601/war83/msg/852.html
【人体を内側から直接破壊】イスラエル軍が使用した未知の虐殺手段(Global Research)
http://www.asyura2.com/07/war88/msg/525.html
【全訳】なぜメディアはブレジンスキーの警告(ブッシュ政権による新たな9/11でっち上げの可能性)に沈黙するのか?

********************************************************************

(原文)
http://www.lahaine.org/petras/b2-img/petras_zion.pdf
Zion-power and War: From Iraq to Iran  
The Deadly Embrace
James Petras (November 2007)


【イスラエル・ロビーか?またはシオニスト権力構造か?】

ミアシャイマーとウォルトは親イスラエル勢力の機構を「ロビー、米国にある他のロビーと同様なもの」、政府外にある「個人やグループのゆるやかな集合体」として描いた。それがイスラエルの利益のために動いている、というわけだが、これほど真実に遠いものはない。米国におけるこのイスラエルの権力は、極めて組織化され十分に資金を与えられ、そして米国中で中央の指令どおりに動く複合体を通して発揮されるのだ。このシオニスト権力構造には無害そうな名前で様々な種類の政治的提案を行う団体がある。少なくとも12のプロパガンダ製造工場(「シンクタンク」)が主としてワシントンと東海岸の高度に連携した数多くの元政策立案者を雇っており、また52の大きな米国ユダヤ人組織が「米国主要ユダヤ人組織代表者会(CPMAJO)」の傘下に結集する。AIPACなどの全国組織(ADLやAJCなど)は連邦議会幹部へのロビー活動レベルで重大な影響力を持つ。しかし、批判者を探り排斥し、地方のメディアをコントロールし市や町や村全体の世論を形成することにおいて、同様に、あるいはより重要ものは地域のユダヤ共同体連合と組織であり、それらは地域の文化計画担当者、編集者、書店、大学、教会そして市民グループを威嚇して、イスラエルとそのシオニストの子分たちを批判する演説者や作家や芸術家や宗教活動家などの公的な言論活動を拒否するようにさせるのである。

シオニスト権力構造の土台は地域の活動家である医者、歯医者、弁護士、不動産ブローカー、地主達であり、彼らは地域の連合会を主催しその何万人という共謀者達を治める。選出された議員達に嫌がらせをし悩ませ威嚇しカネを巻き上げプロパガンダの馬鹿騒ぎを組織するのは、そしてイスラエルの戦争を支持し米国からイスラエルへの何十億ドルもの援助一式を増やしているのは、実にこの連中なのだ。この各地域でのシオニスト権力の構造は、年金用の基金を抑えて見込みの無いイスラエルの国債に何十億ドルも使わせ、イスラエルが名指しする「敵の国家テロリストども」と金融取引をする企業への投資を止めさせるキャンペーンを上手にやり遂げる。米国の大学教授をスパイするのはユダヤ人をベースにした親イスラエル学生組織なのだ。誰がイスラエルに批判的であるのかを調べ、地方版と全国版の報道機関でこき下ろし、大学当局に彼らを首にするように圧力をかける。ユダヤ人人口が1%に満たない場所であっても、シオニストのゼロテ党員【訳注:古代ユダヤでローマ帝国支配に抵抗した過激な民族主義者】たちは、デスモンド・ツツ司教のようなノーベル平和賞を受賞した神学者をキャンパスでの講演会から排斥するように、小さなキリスト教系の私立大学に圧力をかける力があるのだ。シオニストのタコは大都市や国家の権力中枢をはるかに超えてその触手を伸ばし、遠い地方の町や文化圏にまで届かすのである。米国の小さな町の死亡記事でさえも例外ではない。コネチカットの新聞が、著名なパレスチナの老婦人でヘブロン出身のコミュニティ指導者である61歳のシャディーン・アブ・ヒジレフ(Shadeen abu Hijleh)の死亡広告を掲載した(2003年5月)。彼女は故国でイスラエル兵に撃ち殺されたのだが、イスラエル軍の犯罪を表ざたにしたことにその地域のユダヤ人連合のメンバーが激昂し、結局、死亡欄に彼女の米国人の友人や親族が書いた感動的な寄稿ページを検閲し削除させたのだった。

中央集権的な仕組み、つまり同調された製作、攻撃目標、役割分担、資金の吸い上げ、大規模な特別のキャンペーン、ブラックリスト(「反ユダヤ主義者=anti-Semites」および「自虐ユダヤ人=self-hating Jews」)、そしてネットワークの全てが集合して、シオニズム権力構造を作り上げているのである。ミアシャイマーとウォルトは、この主要な親イスラエル・ユダヤ組織の首脳部と地方スタッフおよび地域組織の関係の分析をし忘れている。さらに、発言者や活動や資金提供者をイスラエルの利益に都合の良いように中傷し検閲しあるいは支援するために彼らがいかに迅速に動きを起こすことができるのかを分析し忘れている。

国内中で地域のユダヤ共同体関係委員会(Jewish Community Relations Councils)の発表する記事が、ミアシャイマーとウォルトの本「イスラエル・ロビー」を非難する声をオウム返しにするか中傷的なデッチ上げを繰り返して流している。MとW(ミアシャイマーとウォルト)の議論についての実にデタラメな情報に基づく戯画からみると、彼らがその本の表紙すらほとんど見ていないことが明らかである。

この本に対する圧倒的なユダヤ人の知的攻撃からでてくる巨大な感情の噴出から一つのことが明らかである。現代ユダヤ知識人の知的レベルが、共同体的なねたみや悪意と党派心からのこき下ろしが、データと論理の理性的な検討よりも重要視される程度にまで、深刻に劣悪化しているということである。MとH【訳注:作者は‘H’としているがこれはウォルトの‘W’の間違いではないか?】に対して返答するADLのエイブラハム・フォックスマンの文学的な努力は、1930年代のモスクワ公開裁判の間に呼び物となったスターリニストの悪罵の仕方を思い起こさせるものだ(アンドレイ・ヴィシンスキーの我がユダヤ版として)。これらの知的下劣さの影響を説明するものは彼らの毒に満ちた文章から立ち上る邪悪な気でも理性への訴えかけでもない。進歩派シオニスト(もしそのようなものがあるとすればだが)たちによる理性的な議論にみせかけたものはある。しかし実際には、彼らのメッセージの繰り返しが競争相手のいないマスメディアの情報吐き出し口全部を通して循環するのみである。

シオニスト権力構造はデータの捏造を通して戦争行動を組織化したのだが、それは2名のペンタゴン官僚(ウォルフォヴィッツとダグラス・ファイス)、副大統領室(ワースマーとアーヴィング・スクーター・リビー)そして国家安全保障省(エリオット・エイブラムズ)の経路を通し、大統領室(アリ・フレイシャー)が組織し、そしてブッシュの予防戦争の演説を書いた(デイヴィッド・フラム)ものである。彼らは今や、何千人もの兵士の死亡に悩む米国国民の怒りに直面することを恐れており、それはこのイスラエルのための戦争の筋書きを作った者や手先となった者達が経験したことのないレベルにまで達している。この悲惨な戦争の正体を突き止められないように、シオニスト権力構造の戦争計画者たちとプロパガンディストたちは再び嘘を持ち出し(米国を戦争に連れ込む際のイスラエルの決定的な役割の否定)、アラン・グリーンスパンのようなもう少し賢い情報操作屋が思考力の無い米国左翼と一緒になって「石油のための戦争」という古臭いデマを引きずり出すのである。


【石油のための戦争か、イスラエルのための戦争か:公にされた記録】

シオニスト権力構造のイラク戦争支持は、52の主要なユダヤ組織とともに、有名な作家、時事評論家そして団体指導者たちによる、開けっぴろげで執拗なプロパガンダ・キャンペーンであった。そこには何一つ「陰謀」も「謀略」も無かったのだ。シオニストのキャンペーンは厚かましいほどに公表され攻撃的で繰り返されたものであった。

米国主要ユダヤ人組織代表者会の広報誌の重要なプロパガンダ機関であるデイリー・アラート紙、2002年から2007年9月までの1760部をきちんと読み直してみるならば、我々はシオニスト権力構造の見解の科学的なサンプルを手に入れることができる。それぞれの紙面には平均して5つのイラクおよび/またはイランとの戦争、あるいはそれに向けての動きに都合の良い記事が書かれていた。デイリー・アラートは、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・サン、ザ・ニューヨーク、ロサンジェルス・タイムズ、そしてロンドンのデイリー・テレグラフやタイムズ、Yネットその他の新聞で常連の主だったリベラルや保守、そしてシオン・ファシストの作家や学者たちによる評論記事を大きく取り上げた。言い換えると、戦争開始前と侵略後の時期に、親イスラエル・ユダヤ諸組織はおよそ8800ものイラク戦争賛成のプロパガンダを作成し、それを傘下の組織と連邦議員全員、上級機関の指導的な地位にある者達全員に配布し、各地域の活動家とワシントン・ロビイストたち(AIPACだけでも150名)の軍勢、さらには各地域と地方の支部から来る何百名ものフルタイムの活動家達にフォロー・アップさせていたのである。

主要なアングロ・アメリカ系の産業経済新聞、ファイナンシャル・タイムズの2002年から2007年9月までを調査して比較するならば、イラクとの戦争および現在のイランに対する巨大石油産業の政策についてはもはや明白である。私はファイナンシャル・タイムズその社説、論説および意見記事の1872件を調査してみたが、大手(あるいは中小)石油企業のスポークスマンや代表者によるイラク侵略と占領、およびイランへの爆撃を求めているような記事や寄稿は唯の一つとして存在しない。石油ロビーも無いし、議会とブッシュ政権に米国の石油利権を防衛するために戦争に向かうように要求する草の根的な組織なども無かった。しかしシオニスト権力構造は活動的であり、武装解除され制裁を受けるイラクが核武装のイスラエルに対する「現存の脅威」であるかのような虚構を全面に出した。

米国によるイランとの軍事的対決を求めるプロパガンダに関しても、シオニストと巨大石油産業の同様な比較によって、米国がイスラエルのための中東戦争に加わるようにせきたてる主要なユダヤ人組織の集中ぶりについての同様な見解が裏付けられる。2004年から2007年9月までの間(3年と9ヶ月間)、例のシオニスト・プロパガンダ紙であるデイリー・アラートは、960部の中で平均して6つの記事が、米国かイスラエルによる即座のあるいは近い将来のイランに対する予防的な軍事攻撃と、国連安保委員会が支持できるものよりも強力な経済制裁、組織的な資本引き揚げとイラン・ボイコットを強く求めている。同じ期間にあるファイナンシャル・タイムズの1053部を調査してみると(ファイナンシャル・タイムズは週に6回、デイリー・アラートは週に5回発刊されるのだが)、巨大石油企業の代表者や広報官による対イラン戦争を支持する寄稿や論評記事はただのひとつとして見つからない。逆に、イラクの場合と同様にだが、主要な石油企業のリーダー達は、イスラエルにそそのかされた戦争がこの地域全体を不安定化させ現存の石油施設の破壊を導き、輸送ルートと航路をだめにし、そして有利な取引契約を取りやめにさせる懸念と恐れを表明する。昨今のシオニスト・プロパガンダとは対照的に、ビッグ・オイルは米国がイランでの投資活動に反対する制裁措置を解除するように求めている。ビッグ・オイルが競争相手よりも有利な取引を失っているからである。

「左翼」のトロツキスト・シオニスト連が主要な戦争推進者として巨大石油企業を指名するのとは全くもって逆であり、テキサスの巨大石油企業はサダム・フセインのイラクともうかる商売をしていたのであり、このすでに処刑された指導者との違法な契約で何億ドルも稼いでいたのである。テキサスの石油長者であるオスカー・ワイアット(Oscar Wyatt)が最近、サダム・フセインに賄賂を渡していたことで起訴されたのだが、戦争前のイラクとの有利な石油取引に携わっていた多くのビッグ・オイル・ディーラーたちの一人である。(ファイナンシャル・タイムズ、2007年10月2日、2ページ)


【シオニストの戦争挑発:恐怖と毒】

米国中心のイランに対する軍事攻撃を求めるイスラエルからの圧力が高まり、シオニストの強圧と政策立案者たちによる全面的な操作に対する米軍高官たちと一般大衆の憎しみが増すに連れて、外国勢力に仕える売国的な者としてその反対者達を黙らせる努力をしながら、シオニスト権力構造がその独裁性を激しくむき出しにしつつある。過去において外国勢力のエージェントは、いったん発覚したが最後、厳しい制裁を受けるかもっと悪いことになっていた。今日、イランとの新たな戦争による大きな犠牲がはっきり見えてくるにつれて、膨大な数のシオニスト・インサイダーたちは自分達がますます危険なゲームを行っていると、そしてイスラエルにいる「操り手たち」が自分達にそのアジェンダの第一としてイランへの攻撃を推進させるように圧力をかけていると、気が付いている。

究極的にいうと、シオニスト権力構造は、その財力と今の米国中東政策に対する支配力にもかかわらず、自分達が全人口の1%未満を代表するに過ぎないことを知っている。彼らは巨大な基盤を持たないエリートたちなのだ。彼らは他の99%の人々が動き出さずにイスラエルの利益につくすように操作されあるいは怯えさせられている限りにおいて、力を持つのである。しかし、イスラエル人に指導されるシオニスト権力構造とその破滅的な戦争挑発活動に注意を呼びかける本や記事や演説が増えてくるにつれて、自分たちのメンバーを聡明な大学教授や、ビジネスや投資の世界で成功するリーダーや、米国の最大の国益に仕える憐れみ深い政治家として、手前味噌に押し付けてきたイメージが崩れ始めている。そのイスラエルへの奴隷的な忠誠心の醜い面、傲慢さ、イスラエル自身を地域の挑戦者無き権力として確立させるために米国を戦争への道に駆り立てる人種主義的な植民権力が、米国人のおおっぴらな議論のテーマに入っているのである。

シオニスト権力構造はその政治的な力のピークに、あるいはその近くに達している。議会において、政府指導部において、祖国安全保障省において、そして予想される司法長官で、「文化」とマス・メディアのプロパガンダにおいてである。しかし皮肉なことに、シオニスト権力構造がピークに立つときに、同時にそれ以上の姿をさらけ出しているのだ。米国国民によってこのように見られたいと望んでいる姿をはるかに超えたものとしてである。

有名大学や「シンクタンクのプロパガンダ製造工場」に身を潜める横着で図々しいシオニストの論客どもは、その公的な立場への懸念と、おそらく個人的な心配をも感じ始めている。それを感じるからこそ、彼らは自分の身をひるがえして、今や大変な不人気にさらされるイラク侵略を導くあらゆる戦争計画とプロパガンダに残る自分の指紋を覆い隠そうとしているのだ。彼らは否定や共謀や「戦争挑発」のあり方について露骨な嘘に逃げ込む。言語道断の嘘が蔓延しているのだ! シオニスト権力構造の売国的な役割と彼らの共謀を暴露される場合、より攻撃的で頑迷なシオン・コンたちは即座の獰猛な応答をし、そのご自慢の学術界での地位にふさわしからぬ人身攻撃的な悪たれつきの下品な言葉を用いて、学術的長談義をすることになる。シオニスト権力構造とその代書人ども、そのスパイどもと権力ブローカーどもはひ弱な存在なのだ。彼らは米国民の利益に対して莫大な犯罪をしでかしてきた。彼らの行動は何万人という米国兵士を死と不具においやってきたが、その99.9%は、偉大なイスラエルや米国内にいるそのエージェントどもに対する「忠誠心」など持ち合わせていないのだ。そのエージェントどもは自分の子弟には豪勢な社会的経歴を追及させているわけである。最近の推計では、イラクの地で米国兵士として勤める者の中で0.2%未満が米国のユダヤ人だった。その一部は元ソ連からのユダヤ人移民であった。イラクとイランを侵略し破壊するシオニストの強い圧力にも関わらずそうなのだ。ブッシュ政権を押してイラクを侵略させ占領させる際のシオニスト権力構造による不正操作は、米国軍を前例の無い不和と士気の喪失に追い込んでいる。何千人もの士官が早く退職したがり、何千人もの兵士が無許可で離隊して軍法会議にかけられ、怒りを表明する退職した上級士官たちの数が増え続ける。国防長官のロバート・ゲイツがイランへの即時侵攻に反対して中東にいる軍高官達の支持を固めたのは驚くに値しない。

批判者に対するシオニストの悪口雑言は、彼らの二枚舌、およびイスラエルの植民政策と米国人の民主主義的価値観を混同させる嘘を暴露され表ざたにされることへの恐怖感を表現している。他の何によってもその金切り声の人格攻撃を説明できない。不愉快な現実を直視し悲惨な状況を修正する作業にかかるよりも、むしろメッセンジャーを殺しにかかるのである。イラク占領が面倒なことになり米国人がイラン攻撃の金切り声の呼びかけに抵抗するにつれて、イスラエル国家は米国内のプロモーターたちを不愉快な立場に追いやっているのだが、それにもかかわらずイスラエルは実際の勝者の姿を現している。つまり、イラクの統一性と世俗的共和制の破壊を成し遂げたのだ。


【かすり傷から壊疽へ:シオニズムからシオン・ファシズムへ】

シオニスト保守派の「主流」たちは早くから、何十万ものパレスチナ人を家と土地から追い出すイスラエルの残虐な戦いに対する心からの無条件な支持を通して、その独裁主義的な政策を誇示した。それに続いてシオン・コンたちは、イスラエルの軍事占領に抵抗する何千何万人ものパレスチナ市民を殺し投獄し、西岸地区占領地とガザを500以上の軍駐屯地と道路封鎖箇所を持つ「天井の無い」強制収用所に作りかえることを、完璧に疑問の余地無しに推奨してきた。近年には、シオン・コンとシオン・リブの両方から成り立つ主要なユダヤ組織の指導部全体が、イスラエルによる30メートルの巨大な壁の建設を防衛したが、それはナチスによってワルシャワの大きなユダヤ人地区囲んで作られた壁とそっくりに、パレスチナ人全体をゲットーの中に効果的に囲い込むものである。その壁と軍駐屯地は占領地から市場や学校や病院に向かう交易や人々と食糧の輸送を妨げる。農民達がその土地を耕すことをすら妨害するのである。

2007年10月10日付のエルサレム・ポスト紙はイスラエル国防軍(IDF)国防大学で調査員と講師の長を務めるアロン・ソッファ(Aron Soffer)の文章を引用した。4人の子供の父親で8人の孫の祖父であるこの71歳の老人は2004年5月21日に次のように言った。「閉じ込められたガザに250万の人が住むなら、それは人間性を破滅させるだろう。これらの者達は気の狂ったイスラム原理主義者の手によって今よりももっと獰猛な動物となるだろう。境界線に対する圧力は恐ろしいものになる。だからもし我々が生き延びたいのなら、殺して殺して殺し尽くさなければならない。1日中、毎日だ。」

これが卓越したシオン・ファシストの講師によって最も進歩した軍の学校でイスラエル士官たちに教えられる文字通り殺しのメッセージなのだ。このことによって我々は占領地でのイスラエル兵士のむき出しの暴力性と残虐な振る舞いを理解できるのである。

2名の心理学者による最近のイスラエルでの研究によると、イスラエルの軍事学校が教え込み首相室を含むイスラエルのトップの政治家たちが推奨するサディズムと人種差別主義の激しい重圧ぶりが、具体的に示されている。2007年9月21日のハアレツ紙の記事によると、2名のイスラエル人心理学者が21名のイスラエル兵士に聞き取り調査をした。彼らは「彼らが加わったぞっとするような犯罪行為についての心底から熱情」と表現した。それは「殺害、パレスチナ人の子供の骨をへし折ること、屈辱を与える行為、資産の破壊、窃盗と強盗」である。そのイスラエル人心理学者の一人は「兵士達が『権力中毒』を楽しみ暴力を振るうことに喜びを感じていると知ってショックを受けた」のである。彼女は言う。「私が聞き取り調査をした者のほとんどは占領中にその自己誘発的な暴力を楽しみました。」(ハアレツ、2007年9月21日)絶対的な植民地支配が占領軍に精神異常の傾向をもたらす。兵士Cが証言した。「もし自分がラファー(ガザにあるパレスチナの都市)に暴動鎮圧のために行かないとしたら、少なくとも週に1回は切れて暴れるだろうな」。以前の植民地支配のように、イスラエル兵士達は全体主義的「優越民族感覚」の様相を呈するのである。兵士Dは語った。「何がすごいかって、何の法律にもルールにも従わないで済むんだ。自分が法律なんだって感じだよ。占領地に行きさえすれば誰でも神になれるんだ!」調査をした者達の目には、この兵士の内面に植え付けられた強力なシオン・ファシズムのイデオロギーが、男性の睾丸を切り落とし、女性の抵抗者の顔を殴りつけ、無害な旅人を撃ち殺し、4歳の子供の腕をへし折り、そしてその他の「無料の」気まぐれな暴力行為に対する自己弁護をさせていると映ったのである。

米国主要ユダヤ人組織代表者会はいまだかつて、このイスラエル軍による日常的な気のふれた行動を、批判はおろか、語ったことすらない。有力なユダヤ人億万長者の博愛主義者達は、あのイスラエルでの研究テーマとなったイスラエル兵による残虐な喜びで描かれるイスラエル軍の暴力的な占領をパレスチナ市民に対する抑圧を支援するために、何億ドルもの献金を行うのである。実際に、民主党最大のシオニスト援助者(2002年には1230万ドル)であるハイム・サバン(Haim Saban)は「戦うイスラエル兵士を溺愛」している。ハアレツ紙(2006年9月12日)によると、サバンは「私は戦うイスラエル兵士について論じることができない。私が彼らと何かの交流を行うときにはいつでも・・・、私は泣いてしまう」。ここに、イスラエルのシオン・ファシズムと米国内でのその片割れとをつなぐ強烈な情緒的連携があるのだ。サバンは厚かましくもそのイスラエルに対する忠誠心を最優先のものとするのである。「私は米国の中で孔雀のように胸を張って歩く。そして私はイスラエル・アメリカ人だと言う。いいかね?イスラエル・アメリカ人なんだ。(ハアレツ、2007年10月14日)」以前は栄誉あるブルッキングズ研究所だったのだが、いまやハイム・サバンが資金をつぎ込む「サバン・センター」の校舎となり、ブルッキングズは他の12のプロパガンダ製造工場に加わり、イスラエル国防軍とその指導的な調査主任およびイスラエル首相による全体主義の振る舞いに対する弁明を垂れ流している。イスラエル国防軍にいる精神病者たちに向けるこのイスラエル・アメリカ人億万長者の致死的な「情緒」は、イラクで米国兵士としてイスラエルの利益に尽くしイスラエルの地域覇権を拡大させる戦争の責務に苦しめられる若い米国人に広がっては行かない。サバンは、他の実力ある大部分のシオニスト組織のリーダー達と同様に、もう一つの戦争を推進している。今回はイランである。サバンによれば「まず私は他の事どもやってみるだろうが、しかしそれがうまくいかない場合には、攻撃だ・・・。イランであなた方は進攻し彼らの諸施設を完全に拭い去る。彼らを闇の中に放り込む。彼らの水を止めてしまう。(ハアレツ、2007年10月14日)」これは決してパレスチナの羊飼いの少年をぶん殴っている狂信的ユダヤ人入植者による殺人者のわめき声ではない。サバンはAIPACでの主要なリーダーでありクリントン家と現イスラエル指導部全員の家族ぐるみの友人で政治ブローカーなのだ。彼が出す28億ドルは主だった米国大統領の「ユダヤ人の支援を希求する候補たち(MSNBC、2007年10月14日)」のゴマスリ根性を買い取るわけである。

シオニスト権力構造は、イスラエルによるパレスチナの植民占領を終了させるために考案された3つのトップレベルの政治提言を葬り去った。ブッシュ大統領とライス国務長官へ宛てた一つの声明が、ブレジンスキー、リー・ハミルトン、ブレント・スコウクラフトなどを含む元トップ政治家達から送られたのだが、それはイスラエルに国連安全保障委員会解決案242および338その他の決定を受け入れるように呼びかけていた。しかしこれは民主党の議会と共和党政権によって完璧に退けられた。それは、イスラエル国家のこの声明に対する完全な拒否に従うシオニスト権力構造が介入して、ブレジンスキーを「イスラエルに対する悪意」と決めつけた後のことである。「4勢力による和平実現使節(Quartet Peace-Making Mission)」の責任者として行ったトニー・ブレアーの努力はことごとく失敗に終りパレスチナ人の人間的な苦境をすら解決できなかった。それはこの今や控え目になった(元は狂乱状態だった)元英国首相との陳腐な対話以外のすべてを拒否するイスラエルのかたくなな態度に直面したためである(ガーディアン、2007年10月13日)。メリーランド州アナポリスでこの10月末に行われた中東和平会議を主催したライス国務長官の努力は、イスラエルの声明によって水の泡と消えてしまった。イスラエルは、境界線、日程、エルサレム、入植地、領土などのあらゆる具体的な合意を全て拒絶する。彼らは頑固にこの会議の焦点を何にも結びつかない無意味な一般的合意に向ける。米国国務長官ライスをさらに辱めるように計画された行動として、イスラエル政府は何百エーカーものパレスチナの土地を収奪した。これは明らかに入植地の拡大の例である(アルジャジーラ、2007年10月14日)。うすのろの頭でスタイリッシュに取り繕おうと務めながら、ライス国務長官はこのイスラエルによるパレスチナの土地の新たな徴収が「2国並立による解決に向けての各部門の行動における信頼関係を崩す」かもしれないと返答した(BBC、2007年10月14日)。

交渉に向かう彼女の立場とシオニスト権力構造が完全に結び付いていることを考慮するならば、彼女はイスラエルから何一つ具体的なものを引き出すことはできない。ライス国務長官は「より小さな期待」と呼ぶことによってアナポリス会議が無駄な努力であることを示唆している。それは何の具体的な合意をももたらさない。イスラエルとその第5列がブッシュ自身のアナポリス提言を上手に雲散霧消させてしまった。エジプト、サウジアラビア、ヨルダンといった親米諸国やパレスチナの傀儡アッバスでさえも、国境線に関する具体的な合意が無かったために疑念を表明した。その種の合意はイスラエルとシオニスト権力構造が受け入れないものである。この会議が「延期され」ようが実際に行われようが、このことは間違いなく何にも結び付かない新たなジェスチャーであり、米国の新たな中東での敗北であり、イスラエル植民国家の新たな勝利であり、したがって中東でのアラブ人の抵抗が強まる新たな理由ともなる。

もっと不吉なことに、イスラエルとシオニスト権力構造は、ホワイトハウスによるアナポリス和平会議をうまくぶち壊したことによって、パレスチナ占領地のさらなる暴力的な収奪を推し進めることができると知るだろう。それはさらに進んで、新たなそして致命的なレバノンとシリアへの侵攻に、そしてイランとの戦争に向けての圧力をますます高めることになるだろう。米国の中東政策に対してシオン・ファシズムは抵抗不可能な権力の意識を膨れ上がらせ、そしてそれは米国の中にある全ての主要な勢力に向かうのである。それがイスラエルの意思に従わないものであれば。

独裁的な解決に向かうイスラエルの圧力に関係するシオン・コンのイデオロギーの右翼的な先鋭化とともに、指導的なシオン・コンの代弁者達と特に米国学術界にいるプロパガンディストたちから、人種主義的な反イスラム、反アラブ、反ペルシャの行動や発言が全面開示された。

戦争プロパガンダと軍事的解決がシオン・コンのレトリックを支配する。最初に対パレスチナ、次にアフガニスタン、イラク、レバノン、シリア、ソマリア、スーダンであった。シオン・コンのレトリックの先鋭化に付き添っているものは、米国社会内部での抑圧的な行為の増大である。

(全訳シリーズC:最終回に続く)

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