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[2016新潟県知事選挙]問われる政策実現力|県政課題 原発問題に埋没|ほか(新潟日報)
http://www.asyura2.com/09/ishihara13/msg/766.html
投稿者 烏滸の者 日時 2016 年 10 月 19 日 23:09:48: hk3SORw2nEVEw iUef9YLMjtI
 

問われる政策実現力


新潟日報[1面] 2016年10月17日 


解説[投稿者注:選挙結果を報じた1面トップ記事の解説]


 知事選で米山隆一氏が激戦を制した。争点を東京電力柏崎刈羽原発に絞り、有権者に再稼働への賛否を迫る県民投票的な戦いが奏功したといえる。県民の原発への強い不安が顕在化した格好で、同原発の再稼働は一層困難になったことは間違いない。ただ県政には原発以外にも課題は山積している。人口減少が続き、県勢振興は待ったなしだ。国政、県政とも自民党の「1強」状態にあり、県政初の野党系知事の手腕が問われる。


 米山陣営は事実上の「原発ワンイシュー(単一争点)」選挙を展開。与党が推薦する森氏を「再稼働にノーと言えるわけがない」と批判し、原発推進派と位置付けるイメージ戦略が成功した。


 現職の泉田裕彦氏は再稼働への賛否は明確にしてこなかったが、米山氏は選挙戦で再稼働を「認められない」と踏み込んだ。新潟日報社の世論調査で6割超を占めた再稼働反対の声の受け皿となった。


 森氏の全国市長会長などの経験を逆手に取って「古いタイプの政治家」と強調。原発を推進する自民党への県民の不信感も勝利の背景にあったとみられる。


 ただ、県の課題は原発だけではない。「米山県政」に求められるのは、幅広い分野の政策実現力だ。


 県議会では議席の6割超を占める自民党との対立も予想される。米山氏は過去に自民党を離党しており、自民県議とは確執がある。同様に政府与党との関係悪化も懸念される。大半が森氏を支援した市町村長との連携も課題だ。他県では、野党推薦で初当選した知事が県議会と対立し1年ほどで失職した例もある。


 米山氏は、原発対応は「泉田路線を継承する」としたが、他の分野での姿勢は明確ではない。日本海横断航路の船購入問題など、「機能不全」が指摘される泉田県政の負の遺産にどう対処するか。徹底した情報の開示も必要になる。


 米山氏は行政経験がなく、政治手腕も全く未知数だ。「原発は動かないが、他の政策も動かない」とはならないよう、停滞を招かない県政運営を求めたい。




県政課題 原発問題に埋没


報道部長 三島亮 新潟日報[3面] 2016年10月17日


 本県の新たなリーダーとして選ばれたのは、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を最大の争点に掲げた米山隆一氏(49)=共産、自由、社民推薦=だった。野党系の知事が誕生するのは県政史上初である。


 米山氏は、東電福島第1原発事故の検証なしには再稼動議論はできないとする泉田裕彦知事の路線を継承する。原発に反対する野党3党の支援を受けた米山氏が、前長岡市長の森民夫氏(67)=自民、公明推薦=を破ったことで、安倍政権が進める原発の再稼働路線に県民が「NO」を突きつけた形だ。


 選挙戦はさながら再稼働の是非を選択する県民投票と化した。福島事故以降はとりわけ県民の間で再稼働に反対する声が高まった。それが米山氏を知事の座に押し上げたのは間違いない。


 知事選で原発問題が大きな争点となったことは非常に意義があったと思う。先の参院選もそうだが、国政選挙では政治的思惑から争点化を避けられてきた経緯もあるからだ。


 とはいえ原発問題ばかりに焦点を当てるような選挙戦には違和感を抱いた。


 もちろん重要な問題だが、生活に直接関わる県政課題はほかにもある。人口減少対策や子育て支援、医療・福祉の充実、拠点化など山積する課題の論議が埋没した印象は否めない。


 日本海横断航路計画の船購入問題をはじめとする泉田県政のマイナス面が覆い隠されたかのようになったことも問題だ。


 米山氏は、原発問題への対応で泉田路線を引き継ぐとしている。ただ、賛否が分かれる問題なのにその路線には暖昧さがつきまとってきた。


 泉田知事は、東電や原子力規制委員会を厳しく批判する一方、原発に対する自らの考えは明らかにしていない。実際、「反原発」とは一度も言っていない。態度を明確にしないことで推進、反対ともに期待を抱かせるような手法といえる。


 米山氏は路線継承と言うだけでなく、今後の対応を含めてもっと具体的に説明するべきだ。福島事故後も原発を推進するべきだと述べていた経緯がある。なぜ考えが変わったのか。県民はさらに詳しく聞きたいだろう。立地地域にも丁寧に対応してほしい。


 森民夫氏の出馬の原点は泉田県政に対する批判だった。北陸新幹線の負担金間題で国や近隣県との軋轢を生じさせたほか、県内市町村との対立も招いたとして、県政の再生を訴えていた。


 ところが、選挙戦では泉田氏批判はトーンダウンした。米山氏との対立軸を明確に示せなかったのが最大の敗因だろう。背景には、自民党内の泉田派と反泉田派の対立が尾を引き、泉田氏批判を封じられた実情がある。最後まで一枚岩になれなかった。


 選挙戦終盤には、二階俊博自民党幹事長が党本部で泉田知事に対し、森氏への支援を求める場面もあった。このこと自体、自民党の危機感と焦りを表していた。自民党自らが12年前に誕生させた泉田知事に足元を見られた格好でもある。


 米山県政は県議会では少数与党となる。最大会派の自民党への対応次第では、県政が大混乱に陥る可能性がある。


 原発再稼働に対する民意が明確に示された一方で、県政運営に欠かせない国や市町村との連携はどうなるのか。横断航路問題といった泉田県政の負の遺産への対応も待ち構えている。




単一争点化の劇場型/幅広い政策論争に至らず/田村秀・新大法学部教授


新潟日報[2面] 2016年10月17日


 16日に投開票された知事選は、共産党など野党3党が推す医師の無所属新人・米山隆一氏(49) が、自民、公明両党が推薦する前長岡市長の同・森民夫氏(67)を破り、新知事に就くことになった。この結果の意味を新潟大法学部の田村秀教授に聞いた。


 良くも悪くも東京電力柏崎刈羽原発再稼働の「ワンイシュー(単一争点)」、白黒を迫る住民投票の構図になった。ここ10年来の劇場型の選挙だ。理性でなく、感性の選択になったといえる。それは直近で見ると、イギリスのEU離脱と近い。こうすればばら色の未来になる、というイメージに持ち込んだ住民投票。与党や権力への反発という意味では、米大統領選でのトランプ現象とも共通している。


 参院選新潟選挙区での野党候補勝利の影響も大きい。その流れのままで投票した人も多いだろう。ただ、何人もいる中の一人である国会議員とオンリーワンの知事では違う。本来は違う軸で考えなければならなかった。


 知事は原発だけではなく、産業や福祉などさまざまな分野を担っている。本来であれば討論会などで全体的な政策論争をすべきだったが、いかんせん時間がなかった。原発に隠れ、泉田県政の問題点も論点になりきれなかった。


 米山氏は自民や維新といった政党を渡り歩いてきた。以前は原発を推進してきたのに、今回の出馬に当たってころっと考えを変えた。これは非常に怖いことだし、究極のポピュリズム。本来政治家は、何かを実現するための手段であるはずなのに、米山氏は政治家になることが目的になっていると見えてしまう。


 地方は厳しい状況にあり、県政の課題は山積している。行政経験の全くない新知事を選んだことは、非常に大きなリスクをはらむ。
 
 
 たむら・しげる  北海道出身。東大卒業後、旧自治省に入省し三重県財政課長などを務める。2007年から現職。専門は行政学、地方自治。
 



各党談話


新潟日報[3面] 2016年10月17日


結果受け止め/分析これから
長島忠美・自民党県連会長 結果は受け止めるが、原発への民意を含め敗因分析はこれからだ。党としては選挙対策本部で方針を決め、下部組織を含めて精いっばいやってきた。県議会で自民党は多数野党ということになるが、県議が真摯に向き合っていくだろう。


県議会議論は/「是々非々で」
志田邦男・公明党県本部代表 原発問題だけに全てをかき消されてしまった。森氏の幅広い主張は浸透できなかった。米山氏は農業、人口減少などについてほとんど考えを示していない。県議会では県民益のため、真っ正面から是々非々で議論していく。


自主投票判断/一部に混乱も
大渕健・民進党県連幹事長 自主投票としたが、県連の一部国会議員らが支援したことは米山知事誕生の一翼を担ったのではないか。自主投票が県民や支援団体、党組織に混乱を生じさせたことは否めない。結果を重く受け止め、県連としてしっかり総括する。


参院選を経験/共闘スムーズ
樋渡士自夫・共産党県委員長 現職の原発政策の継承路線を示し、さらに「再稼働に同意できない」と踏み込んだことが大きな勝因だ。参院選を受け、野党共闘もスムーズだった。今後は県民世論に依拠した県政を進めることが、課題解決のポイントになると思う。


歴史の転換点/全国にも影響
森裕子・自由党県連代表 原発問題を初めて大きな争点とした選挙戦で、再稼働に反対する民意を示すことができた。非常に大きな勝利だ。歴史の大きな転換点になるだろう。今後、全国のさまざまな選挙に影響が波及すると思うし、拡大させていきたい。


再稼働是非で/関心高まった
小山芳元・社民党県連代表 原発再稼働の是非が初めて争点となり、有権者の関心が高まったと思う。再稼働を許さないという県民の思いが、候補の訴えにもつながっていった。夏の参院選に続き、市民の力が政治を動かした。県民に寄り添う政治を期待したい。
 



各界談話


新潟日報[3面] 2016年10月17日


新潟の繁栄へ/責任果たして
泉田裕彦知事 当選された米山氏に心からお祝いを申し上げる。未来への責任をしっかり果たし、新潟を繁栄させるよう頑張ってほしい。


米山新知事と/意見交換する
篠田昭・新潟市長 選挙戦が原発再稼働のワンイシューとなってしまい、他の県政課題が埋没してしまったのは残念。県市長会が森氏の推薦を決めた段階で、米山氏は出馬表明していなかった。わだかまりはない。新知事としっかりと意見交換していきたい。


中小企業への/支援が不可欠
福田勝之・新潟商工会議所会頭 県内経済を支える中小企業の経営環境はまだまだ厳しく、支援が不可欠だ。販路拡大、新製品開発への支援といった産業振興策や観光振興、雇用対策など地域活性化に向けた経済政策を強力なリーダーシップの下、推進してほしい。


TPPなどの/農政課題山積
今井長司・県農業協同組合中央会会長 国会で承認案などが審議入りした環太平洋連携協定(TPP)や、2018年産以降のコメ政策見直しへの対応など、重要な農政課題が山積している。新知事となる米山氏には、本県農業の振興にご尽力願いたい。




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