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アンプの音はトランスで殆ど決まってしまう
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/760.html
投稿者 中川隆 日時 2017 年 9 月 21 日 09:59:31: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 本当のオーディオファイルは「ミニマリスト」を目指す 投稿者 中川隆 日時 2017 年 2 月 13 日 09:20:55)


今でも鮮明に思い出すのは、1971年秋、五反田卸売センターでのオーディオ・フェアにおける「無線と実験」誌のブースでの、真空管アンプの鳴き合わせです。

一方はKT-88のPPアンプで、確か片ch70〜80Wも出力の取れるもので、外観的にも超弩級、大変に見事な出来栄えであり、また20dB以上の負帰還をかけ静特性に関しては全く非のつけようもない仕上がりでした。

しかしこの大出力、高負帰還のアンプは、大出力が空振りしているような良くも悪くもまことに普通過ぎる音でした。

もう一方はカンノアンプと呼ばれていた、WE300Bのシングル無帰還アンプ、

それもアウトプットだけでなく段間にもインターステージ・トランスを採用した、いわゆるトランス結合という極めてプリミティブな形式のアンプで、

出力も高々6W〜8Wの出力しか取り出せません。

ただし、そのトランスはウェスターンのコア材を徹底的に調べ上げ、そのコア材から金属メーカーに特注したという高価なパーマロイ・コアによるもので、一般には入手困難な希少な物という事でした。

またスピーカーは名器と称されたALTEC A-5、システムとしても100dB近くの高能率の物で、真空管アンプの比較試聴には大変にマッチしていて、この2つのアンプのサウンドの差を我々の前に圧倒的な明晰さで表現してくれました。

この時のカンノアンプの音色の美しさには言葉を失いました。

多くの聴衆のかなり後方で聴いていたのですが、何か空間に透明なエーテルが漂っているのではないか、と錯覚させるような“美音”、まさに“音楽”が鳴っていたのです
http://www.spec-corp.co.jp/audio/rsa-f1/message2.html

北九州市の菅野製作所(株)の会長で居られた故菅野省三氏が、自分の音楽の趣味のため資材、私財を投入し、昭和30年台に、当時としては珍しい電子顕微鏡!!までをを購入し、米国WE ウエスタンエレクトリック(株) の真空管アンプ類を分解し、音の秘密がコア材のパーマロイにあることを発見されます。

石にも目があるように、金属にも目があります。

金属結晶の分子列配合です。

石の目にそって鏨(タガネ)を入れると、僅かな力で石は目に沿って割れます。
TVなどでも石切場で見られたことと思います。

昔の方はどのようにして金属の目を見つけるのか?

それは光線の縞に答えがあります。

同じパーマロイ厚板から切断しても、組み方が違えば同じ音にはなりません。

そんなことはない!!と言われる方も多いですが、事実、組み手が変われば音は変わります。それは長い熟練と経験と音楽に対する造指の上に完成します。
http://www.auduo-1.com/trivia/casa/invitation/casa_007/casa_007.html

キット屋コラム「私のオーディオ人生」第38回
Westem Electric 618Bは凄いのか!
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-038.html

 MCカートリッジの昇圧トランスと云えばWestem Electric の WE−618BがMCトランスの中では最高峰に挙げられています。

最近のeBayで出品されている価格を見ますと2個で何と!7800ドルもしますが今後百万円を超えるようになるはず、

こんなトランスにどこに魅力を感じるのだろうか、

 このトランスはほとんどのオーディオマニアは試聴された経験は少なくほんの一部のコレクターの方だけがお持ちですから我々庶民のマニアにはこのトランスを聴くと云うことは皆無に近い、

 キット屋さんに載せているシルバーオーディオの「いだてんさん」のブログを読みますとこの618Bを聴いた後自分のトランスが聴けなくなりますと注意書きが書いてありました、

では現代のトランスで有名なカートリッジメーカーや国産のコアを使ったMCトランスが販売されている高価なトランスならどうだ!と云いたいですが

残念ながらこの618Bに近づくことも追い越すことも出来ない、

このように書きますと国産の高価なトランスに満足されて楽しんでいる方はショップや評論家のお墨付きでこのトランスは最高と思って購入はずなのに・・・・・・

完全シールドを施した618B、黒色の塗装にステンレスパネルを取り付けてのドレスアップ
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_01.jpg


本物と偽物


 オーディオに限らず高価でよく売れる商品には必ず偽物があります。

目利きのある方なら簡単に見破れるのですが素人ですとどっちが本物なのか見分けが付きません。

 オーディオの場合に限って時々偽物を見ることがあります。

私も以前安く購入したウェスタンの274Bプリントを買ったのですが良く見ますとウェスタンのロゴマークが不自然で球のトップマイカがおむすび型ではなく普通のマイカでしかも管壁に5U4Gと薄く入っていました、

多分どこかのショップか海外でシルバニアの5U4Gをプリントしたものと思われますが非常に悪質に思います。知らない方が買ったらその時は満足ですが偽物とわかれば頭に血が昇るほど腹が立ちますよね、


特にWestem Electricの製品は高値で取引きされていますから悪徳な業者はシールやプリントを変えてあたかもこれがウェスタンだと偽物を売りつける業者もいるみたい、

 Westem ElctricのWE−618BやノイマンのBV−33も偽物が出回っているらしい

例えばノイマンのカッティングマシンに使われていたトランスはドイツのハーフェ社のトランスで型番はBV−33、ノイマンのカッティングマシンは当時沢山作られたとは思えないのにトランスだけが沢山出ているのは不自然ではないだろうか、

またカッティングマシンをバラしてトランスだけ売るのはおかしい、

WEの618BもWEのアンプにしか使われなかったのにトランスだけ沢山あるのはどう見てもおかしい、

40〜50年前はこのようなトランスを知らないのと人気もないので偽物が出回っていなかったのに最近このようなトランスを見かけるのは本物なのか疑いたくなる。


 悪質な方法として手の込んだやり方は618Bのケースだけを使い中のトランスを抜き取り安物のトランスを入れてあたかもオリジナルトランスと称して平然として売っている、

また抜き取ったオリジナルトランスは別で売れば大変高価で取引される一石二鳥のぼろ儲けになる。

また同じようなケースを作り汚れたウェスタンのシールを貼ればオリジナル618Bの出来上がりだ、


 オリジナルの618Bの音を知らないから簡単に騙せる。

またヤフオクやeBayなどのオークションに出品されている物は特に注意が必要です。

トランスの中身を入れ換えれば立派なウェスタン618Bに変身しますが目利き耳利きがないと見破れません。


 仮に偽物の618Bを買ってもオリジナルの音はわかりませんから本物かどうかはオリジナルと比較試聴しないとわかりません。

 これから購入されるのであればWestem Elctricの真空管、トランス類に詳しいマニアか信頼できるショップで聞いてからでないと手を出してはいけませんがひょっとして本物も混じっているかも知れませんからここは自己責任で購入してほしい、
 


トランスカバーを外した状態は大変汚くこんなトランスに価値があるのだろか
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_02.jpg


Western Electricのシールも汚れているのと取付け金具も錆びている
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_03.jpg


トランス上部に618Bのスタンプが押してある
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_04.jpg


大橋氏の万華鏡のブログに登場
 
 昨年の4月のショールーム開放日にWE−618B持ち込んで「道場破り」当日は沢山の熱心なマニアがお見えでこの618BとAWAのトランスを持ち込んで皆さんに評価して頂いたが どちらのトランスも甲乙付けがたく意見が分かれましたが

AWAに比べると618Bはゲインが低いのが気になったがさすがに618Bは絹ずれした良い音で女性ボーカルを聴くとウェスタンは素晴らしいサウンドを聴かせてくれたが

無名のAWAのトランスとは互角ではどうも納得できないのが気残りであったが618Bで聴くMIDのスピーカーがウェスタンの香りがしていたのが印象に残る。


 入り口がウェスタンだとスピーカーの音色もウェスタンサウンドになるのは当然である。

618Bを使用してタンノイのオートグラフ、GRFを鳴らしたらどんなサウンドになるのだろう、私の想像ではタンノイの原点はロンドンウェスタンになりますからタンノイもきっとウェスタンサウンドに似た音になるはず勿論上質のアンプを使った場合の話である。


 私はAWAのトランスを高く評価していましたから618Bはこの程度のトランスで大騒ぎすることはないと私個人は評価した、世の中探せば618B以上のトランスが存在するはずですから618Bに拘らなくてもAWAのトランスで十分楽しめると思ったのだが・・・・・・

 また価格も40倍以上の開きがありますから618Bはオーディオ庶民派には縁が無いトランスだ、
 

俺もアホだ!


 前所有者から譲り受けた618Bの配線接続を同じように結線して楽しんでいたのだが・・・・

ところがである。大阪の今田氏からWE−618Bの資料がメールで届いた、この資料は英文ですがインピーダンスはプライマリー30Ωと600Ωでセカンダリー25KΩと記載されている。しかも結線の線色と特性表まで載っていた、

 再度トランスケースを開けて確認すると「あれっ」この接続を見るとプライマリー600Ωで入力Pinに配線してあるではないか!

これでは618Bの本領が発揮できない、

インピーダンスのミスマッチングでゲインも低いのと分解能も悪いため並みのMCトランスとは変わらない、

前所有者も知らずに50年以上使っていたのだがこれを鵜呑みにして使っていた俺もアホだ!


 こんなインピーダンスのミスマッチングの状態でショールーム開放日に持ち込んでこれが618Bだと云っていたのが恥ずかしい、

再度プライマリー30Ωに変更して音出し、DENONの103を使って聴きなおしたらゲインも上がり今まで聴いていた103とはすべてに違っていた、


 一般のトランスで聴く103は無機質なつまらない音とよく言われるが(私もそう思う)この618Bを繋ぐと今までの103のイメージが崩れ去ったぐらい変化したのは驚いた、618Bの秘められたポテンシャルは凄い、

 またMCカートリッジと云えばオルトフォンのSPUだがこのトランスを使えば相性はピッタリでSPUの良さが前面に出て素晴らしいサウンドを奏でてくれる。

MCトランスはカートリッジより音の変化があり重要だと思う、たかがトランスされどトランス、

 今月のキット屋さんのショールーム開放日に持ち込んでリベンジとしようと思う、前回の持ち込んだ時はインピーダンスの間違いで実力が発揮しなかったのと本当の音でなかったから今度こそWestem Elctricの618Bと私好みのAWAのトランスのサウンドの比較を私も含め皆さんのご自身の耳で評価して頂きたい、面白くなりそうだ!

トランスの聴き比べ


さていよいよ本題に入る。

「618Bは凄いのか」他のトランスとの比較試聴になる。

トランスは6個用意しての比較だがメーカー現行品の場合は名前を出すわけにはいきませんからその点をご了承ください。

また618Bをリファレンスに使いそれより上か下か優劣と偏見で一刀両断で評価します。


使用トランス

Westem Elctric WE−618B

AWAオーストラリア     型番不明

スタンコア          EIコアを使った鉄コア

UTC            C−2080軍用マイクトランス


A社  国内の有名カートリッジメーカーのトランス

B社  昔から有名なカートリッジの知名度のある現行品トランスの最高級品以上の6個 試聴になります。


使用カートリッジはDENON DL−103

使用アンプはマランツ#7

VT52武蔵アンプ

スピーカー ヴァイタボックス 30cmコアキシャル

使用音源はブレンデルのバッハとヨーヨーマのバッハ無伴奏チェロソナタ、ビルエバンスの名盤

MCトランスの比較


トップバッターはA社の昔から出ていた有名なトランスで皆さんも一度は使われたと思う評判の良いMCトランスから試聴になります。

A社のトランスのPinを接続後早速音出し開始になりますが618Bの音は知っていますから一聴してすぐにわかりました、

出てきた音はつまらん音でシステムがグレードダウンした感じになった、

一言で云えば折角の良いカートリッジなのに良さが出てこない、

103との組み合わせはベストと云われているが中に使ってあるトランスが悪いと思いネジを外してケースの中を見るとやっぱりこのメーカーのトランスは良くない

どうしてこんなつまらん音になるのか、レコードに針を下して1分後にやめた、


2番手は現在でも発売されている現行品の最高機種になる。
コア材も有名な金属会社のコアを使いコストと手間がかかっている。

見た目に高級感があり音もよさそうだ、現在ここのメーカーのMCトランスが一番売れているみたいだ、

早速Pin接続を変更してブレンデルのバッハを聴く、出てきたサウンドは大変透明感に優れ音の粒立ち立ち上がりの良さと非常に歪み感のない優等生なトランス、

音の広がりも文句なしで現代的な鳴り方だが何か物足らない、

上も下も伸ばしたため中域が痩せて聴こえてくる。

一言で云うと最近の整形美人的な鳴り方だがこのようなサウンドなら必ず飽きが来てしまう、


このサウンドを聴いた後早速618Bに接続して音出し開始、レコードに針を下して鳴りだした瞬間、音の系統と音楽の空気感が違う、

WE−618Bの音は絹ずれした品位品格が前面に出て上流社会の貴婦人的な鳴り方でいつまでも聴いていたい音で音色音質とも文句なし

特にこの品位はウェスタンでしか味わえない、

当時のウェスタンエレクトリックは現代で云うNASAのようなものでこの程度のトランスでWE−618Bと同じ土俵で比較するのが間違いかも・・・・・・

それだけ618Bは素晴らしかった!

国産の2種類のトランスの比較でしたが空気感を伴った618Bのようなサウンドは今後もう作れないのと618Bは価格がとんでもない価格になっているがそれだけの価値はあると思う、
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-038.html


Western Electricのトランスの話:WE618A

Western Electric(WE)社は、1878年イライシャ・グレイによって創設されました。このグレイは、電話機の発明でグラハム・ベルに1876年2月14日、たった2時間差で敗れた人物で、後にWEはアメリカン・ベル電話会社の製造部門として活躍。1897年にAT&T(American Telephone and Telegraph)に吸収合併されます。

AT&Tは当時は米国最高の頭脳集団と言われ、AT&TあるいはWE関連の特許や素晴らしい製品開発は数多く、


1912年プッシュプル増幅回路、
1924年の電気録音方式、
1927年NFB回路理論、
1927年トーキー映画システム、
1927年の555レシーバー、
1928年世界初のステレオレコーディング、
1931年テープレコーダー試作、
1932年300A,
1934年86型300Aプッシュプルパワーアンプ、
1936年594Aコンプレッションドライバー、
1937年91型300Bシングルアンプ、
1951年接合型トランジスター開発、
1957年45回転ステレオディスクの開発


など、オーディオの原点とも言うべき様々な基本開発研究を行っています。

さて、この618Aトランスですが、元々はWE No.117-A typeのプリアンプなどで使用されていた入力トランスで、30〜15,000Hzと、当時としてはかなりの広帯域を誇り、A typeは入力側のインピーダンスが30 or 250、出力側が50k、一般的に出回っている、B typeが出力側のインピーダンスがその半分です。
従ってAtypeの方がゲインが取れるのでMC用昇圧トランスとしては使いやすいかと思われます。

WE No.92-B typeのパワー段の入力トランスの特性が、50〜7,000Hzだそうで、これは当時のトキー・フォト・セルが100〜6,000Hzだったことを考慮しての、帯域特性だと思われますが、それから考えても、30〜15,000Hzがいかに広帯域だったかが、しのばれます。

あのWE No.86Bでさえ、トータルの周波数特性が40〜15,000Hzだったりしますので、当時としては十分な帯域特性だったのでしょう。

WEは元々、電話中継器をなど、通信関連を手がけていたため、いかに聴きやすい声を提供するかに重点が置かれ、当時の技術では、たとえばUTCなど、その気になれば50kHzクラスの周波数特性のトランスを作れたそうですが、WEはトランス設計の段階に於いて、「帯域制限」の考えがあったと当時の技術に詳しい小山内氏はおっしゃっております。

インピーダンスに関しては、、SPUなどのロー・インピーダンスのカートリッジでも、受けるトランスのインピーダンスがこのくらいなら、あまり問題にならないのではないかと思います。

ちなみに618BはWE No.120-A typeや129-A typeミキシングアンプなど、様々な機器に使われて< います。

6L6をパラプッシュにして、35〜15,000Hzの当時としては広帯域を誇る劇場用アンプWE No.118-A type Power Amp.が出たのが1939年ですから、このトランスは約60年前に現役だったと思われます。


真空管回路技術&トランスのお話

1929年という年は、真空管アンプの回路技術に関しても優れたものが発表されています。
ロフティン・ホワイト直結増幅器というもので、電圧増幅段と電力増幅段をトランスやC・Rなどのカップリング・デヴァイスを使わずに直結としたことにより、音質がトランスやC・Rの呪縛から解き放たれ、コストも抑えられると言うことで、人気を呼びました。

しかし、電子部品の精度と信頼性がイマイチだった当時のこと、アマチュアにはもてはやされましたがプロ用には1926年頃からR・C結合アンプがイギリスのアマチュアに端を発し、ようやく普及してきた段階で、WE No.59ですべてトランス結合だったのが、No.86で段間トランスが一つ減ってR・C結合になった程度でした。

トランスを使用すると低域において時定数を1段、高域においては2段、つまり低域に於いては位相が90度、高域に於いては位相が180度偏移します。R・C結合では、低域の時定数が1段、位相が 90度ズレてしまいます。

そう言う意味では、トランスよりもR・C結合の方が、出来ればカップリング・デヴァイスなど無い方が良いわけなのですが、ところがどっこい、実際に音を聴いてみると、帯域の狭い筈のウエスタンのトランスの奏でる音の、何と伸びやかで聴きやすく落ち着いていることか。

電話の中継トランスとして作られた111Cに至っては、これをライントランスとして使った方が高域も素直に伸びやかで、低域には芯があり、かえって帯域が広く感じられるほどです。本来ならノイズをカットし電話の会話を聴きやすくするために帯域を制限しているトランスの筈なのですが……。

英国フェランティー社、米国WEにUTCそしてピュアレス社、フランスはピーバル社にドイツのテレフンケン……。

「真空管アンプってのはね、トランスに一番お金をかけなきゃ駄目だよ。マッキントッシュやマランツの音が良いのは、あれはトランスに金がかかっているからだよ」

とおっしゃった大先達の言葉が、今更のように思い出されます。

現代でも音が良いアンプ、EAR861やC.R.ディベロップメンツ、そして国産のウエスギ・アンプにおいても、トランスが十分吟味され、その性能を発揮されているからこそ、あれだけの音が出てくるのだと思います。

また、1937年にはWEとAT&Tが共同設立したベル研究所のH.S.ブラックによるNFB理論がWEの91Aには使われていること、

そのNFBを20dBほど使って超低域から超高域までフラットな周波数特性と、低歪率を誇ったウイリアムソン・アンプが1947年にイギリスの「ワイヤレス・ワールド」誌に発表されています。
http://k-d.jpn.com/audio/audionote.html


WEのトランスのデータです。
http://blogs.yahoo.co.jp/fareastern_electric/62006702.html


1937年ということでWEの映画システムのトランスがほとんど載っています。

特に91アンプは入力トランスの285Aも出力トランスの171Aも、ともに100〜6000Hzの再生帯域なのでその間にどんなに広帯域の高NFBアンプを持ってこようと特性はトランスによって決まってしまいます。


Western Electric Amplifier の周波数帯域

WE86 : 40〜10000 Hz
WE91 : 50〜 8000 Hz

なにせ入力トランスも出力トランスも100〜6000 Hz ですから。
http://n-nobo.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1-eeb8.html


 

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コメント
 
1. 中川隆[-6331] koaQ7Jey 2017年9月22日 08:01:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

ウェスタンのOEMのトランス シカゴトランスを使ったEL34 PPアンプ


Vitavox DU120 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=emtUZgmV9NM

Y下さん宅にてメトロ劇場で使われていた古モノラルアンプを見事にリビルド。
シカゴトランス搭載の EL34PP です。
ヴァイタボックスDU120から出てくるサウンドは他では聞いたことがない!見事です。

Vitavox DU120サウンド + METRO AMP EL34PP - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=WN6CfaaWczQ

Y下さん宅にて。METRO AMP EL34PP

このアンプから奏でられるサウンドは素晴らしい趣のあるとても温かなものです。
Vitavox DU120スピーカの中にアコースティックの楽器が入ってるんじゃないかと勘違いするような心休まるサウンドです。
決め手は Cicago Transでしょうか?
またVitavox DU120との相性も抜群!


西山淳
EL34PPのアンプ、メタリック塗装にピカピカのステンレスプレート、トランスカバーといい素敵ですね!
カートリッジはオルトフォン、ガラスターンテーブルシート、
極めつけはとても珍しいヴァイタボックスの12インチコアキシャルDU120ですね。


________


キット屋コラム「私のオーディオ人生」 by Y下
亡き友のオーディオの遺品

 9月の中旬に他界されたオーディオマニアの友人が使っていたオーディオ関係の真空管とパーツ一式を奥様から譲り受けました、

またレコード盤も数百枚集められていてその中にコラムでご紹介した「小池レコード」も含まれていた、

彼は小池レコード店に通って沢山のレコードを購入した熱心なマニアでもありました。
小池レコードに関してはある程度の年齢の方なら小池レコードの輸入盤の音の良さとそこで鳴らされていたサウンドに多くの方は感動され何時までも脳裏に焼きついていると思う、

小池サウンドとはいったいどんなサウンドで鳴らされていたのかその辺もご報告したい

とんでもないアンプだった

 彼が自作で製作された数多くのアンプがありましたが、

今回ご紹介する自作アンプは見た目は大変汚く、尚且つ内部の半田付けや配線を見ますと汚いのを通り越してこれでも鳴るのかと思えるぐらい酷いアンプですが

使ってあるトランス類は巷ではまず手に入ることのないレアなトランスみたいで

この汚い自作アンプの原器は名古屋駅前にあった有名なメトロ劇場で使われていたアンプらしい、

 劇場用アンプはほとんど一般には手に入りませんがどこで手に入れたのか詳細は不明だ、

又どこのトランスなのか大変気になることだが色々調べて見ますと、当時の劇場アンプは信頼度から云って出力トランス、電源トランス、チョークなどは町のトランス屋で巻いたものとは思えないのと、トランスと云えばラックス、タムラ、山水、タンゴではないはずだ、

   劇場で使われたアンプ類は果たしてどこのメーカーなのか、この件に関して大阪のヴィンテージマニアでRCAアンプやパルメコスピーカーをお持ちの今田氏にお聞きしましたところ詳しい情報を教えていただきました、

 当時の劇場用スピーカー、アンプ類はウェスタンとビクターが沢山の劇場に納入していたらしく、ビクターと云えば馬鹿にしますが本家は米国のRCAになる。

メトロ劇場も米国RCAのスピーカーとアンプが使われていたのではないかと推測できます。

 この点を今田氏にお聞きしますと

RCAのアンプに内蔵されていたトランス類は米国シカゴ製のトランスで、此処のトランスはウェスタン、スタンコア、ランジュバン等から受注して製作されていたらしい、

もし本当ならばとんでもない凄いトランスで音響的には最高のサウンドで鳴るはずだが、本当にメトロ劇場で使われたスクリーン用アンプのトランスなのかは半信半疑だ、

結果は音を聴けば答えは返ってくるから試聴してみることにしたが、使用球は6L6GCだがせっかく手持ちのTelefunken/MAZDAのEL34が4本ありますからPin接続を追加してこれを使えば面白いのでは・・・・・


 スピーカーはヴァイタボックスのフルレンジを使いこのアンプを鳴らす前にWE−300Bを先に試聴してみた、

さすがWE−300Bは音色、音質とも素晴らしいサウンドである。室内楽でとりわけヴァイオリンを聴くと何とも云えない心地よさが感じ取れヴァイタボックスの持ち味が十分堪能できる。やはり個人的には3極管は私好みの音だ、

※この試聴にはアナログレコードでコレルリのヴァイオリンソナタをリファレンスに使用した、

 それに比べて5極管のEL34は過去に使った経験からすると少し大味的な感じと細身な部分があるから、私の好みからすると長く使いたいとは思わない球でほとんど期待していないのだが、果たして今回はどんなEL34の音が出てくるのか期待せずに接続した、

 このアンプは初段、電圧増幅共6SN7GTを使い回路は内部配線やパーツやトランスを見るとウィリアムソン回路を採用しているみたいだが、

こんな商品価値のない汚いトランス類で本当に音が出るのか、

また汚い配線と下手くそな艶のない素人の半田付けでいい音がする道理は無い、

電源投入後にスピーカーから若干ではあるがハム音がでているが試聴位置では気にならないが相当トランスからのリッケージフラックスに伴うノイズが出ているみたい、


何だい!この音は

 早速、同じトラックに針を下ろして鳴り出すのを待った、

出てきた音は「何だい!この音は」にぴったりな表現、

今までのオーディオの概念を覆すほどの特徴を持ったサウンド、

ヴァイタボックスのフルレンジがこんな音で鳴るのは初めての経験、

ジャズ喫茶のDaysを含めて京都のヤマトヤなどで沢山のヴァイタボックスを聴いてきたがこんなヴァイタボックスの音は聴いたことがない、

 私が聴かせていただいた三上先生宅や伊勢市のWEC5、東京のウェスタンサウンドインクで聴いたウェスタンの555のドライバーを使ったスピーカーシステム、WE−755Aとはまったく違う異質な鳴り方だ、

勿論アルテック、JBL、タンノイとはベクトルの違う音で部屋全体に鳴り響くのには脅威を感じた、

ではどんなサウンドの音色、音質かと聞かれても返答に困るのと言葉では言い表せない未体験のサウンドとしか云えない、

 もしこのサウンドを他のマニア宅で聴かされたら私は完全にノックアウトされてしてしまうか、自分のシステムの音を聴く気になれなくなるだろう、

今使用中のロンドンウェスタン直系のスピーカーも良いが、
このアンプを使ったヴァイタボックスは見えない糸に引き付けられる麻薬的な要素を持ったサウンドで一度聴いたら忘れられない音だ、

 このアンプに使用してあるトランスはタムラ、タンゴ、LUX、ファインメットコア、オリエントコアの特性ばかり追っかけた自作マニアが使うトランスでは残念ながらこの音は出てこない、

このトランスは外観こそお粗末だが間違いなしに米国シカゴのトランスと思う、

昔も今も真空管アンプはトランスが一番重要と・・・・・

このサウンドは何処かで聴いたことがあるぞ

 色々聴いていくうちにこのサウンドは遠い昔に何処かで聴いたことがあるぞ、そうだ思い出した!

このサウンドの特徴は小池レコード店で聴かされたサウンドと同じだ、

小池レコードのスピーカーはもう完全に手に入らない1950年代のスピーカーだが、ヴァイタボックスのフルレンジも同じ1950年代に登場したスピーカーであるから音はほとんど共通点を持っていると言うか製造元は同じところで作ったのではと思えるぐらい似ている。

 接続するアンプがWE−300B、PP5/400のアンプを使うと小池サウンドにはならない標準的なヴァイタボックスサウンドになってしまう、

今回初めてこのアンプで鳴らしたサウンドは小池レコードの伝説のサウンドと瓜二つの音だが、遠い〜昔に高校生の頃、小池氏の新幹線と東海道線の話がこのサウンドと共に蘇った気がしてならない、

小池レコード伝説のエピソード

 今になって小池レコードは伝説になってしまったが此処で鳴らすサウンドは誰しも一度聴くと魅了されてしまう音であったのは間違いない、

今でも私の周りにも小池レコード店に通われた方が沢山います。
その方達とお話しますと「あの小池の音は素晴らしかった」と口にする。

 噂では小池レコード店に関西では有名なオーディオマニアでもある落語家がこの店に訪れた、小池氏は黙って一枚のレコードをかけて落語家に聴かせた、落語家は落胆して店を出てから付き添い人に「もうオーディオはやめよう」と洩らしていた、相当ショックを受けたのかもしれない、

 またこの店にタンノイのオートグラフを持っているオーディオマニアが訪れた、小池氏は口論になるとタンノイマニアに一枚のレコードを聴かせた、小池氏は強い口調で「タンノイでこの音が出るか!」と一喝したらしい、

タンノイマニアは黙って店を出て行ったと後から聞かされた、多分あのサウンドとレコードを聴かされて頭の中が真っ白になったかも(このタンノイマニアは私のオーディオ仲間でもあった)


 今回は亡き友人の遺産のパートUになりましたが彼が作った弁当箱を使ったようなシャーシーと高価でもないパーツ、汚いが穴明け加工から組み立てまで考えて製作した努力は自作マニアの中でも大したものだ、

こんな音が出るのならこのアンプをオーバーホールして新しく作り直そう、

 またこのアンプは名古屋の委託販売のショップの棚に置いてあったが誰も見向きもせず埃が被っていた哀れなアンプだった、

彼のために弔い合戦とはいかないが自分のスキルを屈指して新規に作り直そう、

折角作るのであれば真空管アンプでは価格も高く評価の高い新藤ラボラトリーが有名だが新藤ラボラトリーでも真似の出来ないそれ以上のレベルで亡くなった彼のためにY下オリジナルを作ろう、

次回のコラムはシカゴトランスを使ったEL34 PPアンプの製作記事と試聴になります。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-033.html

 

シカゴトランスを使ったウィリアムソンアンプ
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-034.html

 第34回のブログは彼の作ったアンプを解体して新規に作り直してEL34を使ったウィリアムソンアンプの製作と試聴になります。

ウィリアムソンアンプは1948年に発表された高NFBをかけたアンプでウィリアンソンアンプの原型の出力管は KT−66PP ですが

今回は彼の遺品でもあるドイツMAZDAのEL34を若干ではありますが時定数を変更してウィリアムソンアンプを忠実に再現して製作しましたが、

今回ほど大変苦労をしたアンプはないのと、皆さんの前にお披露目できるものではなく又自慢できる程のアンプはありませんが、音質的には素晴らしいのを持っていましたのでこのコラムで製作と試聴をご報告させて頂きます。


グリーンメタリック塗装を施しY下のお家芸であるステンレスアッパーパネルを採用したEL34−PPモノラルアンプ
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ウィリアムソンアンプの製作

 ウィリアムソンアンプは1940年代の終わりごろ英国のウィリアンソン博士が発表した高帰還型アンプでマニアの間では音の良いアンプと云われていました、

 当時発表された真空管構成は 6SN7−6SN7−KT−66を使い、整流管は53KU(コッソー)、トランスはパートリッジです。

既製のアンプではこの回路を採用したアンプはほとんど見かけません。

回路の複雑化と部品点数の多さとそれに見合う良質なトランスがないため本来の良さが発揮されないのかそれとも回路が古すぎて採用しなかったのではと考えられる。

 私が思うには、ウィリアンソンアンプは出力トランスが決め手ですから、自作マニアが国産の既製のトランスを使って回路を真似ても残念ながら本来のウィリアンソンアンプの良さは出てこないと思う、

ウィリアムソンアンプこそ出力トランスが音を決定すると云っても言い過ぎではない、

オリジナルは英国のパートリッジを使っていましたからその良さが引き出されていたと考えられる。

もし私がシカゴトランスを手に入れなければウィリアムソンアンプは作らなかったと思う、

英国パートリッジのトランスの良いのは認めるが、シカゴトランスはパートリッジには負けないウェスタンのOEMのトランスですから作る意欲が出て来るのは当然かも・・・・・・


彼が残したシカゴトランスを使ったウィリアムソンアンプは日本のトランスにはない最高のサウンドを聴かせてくれたが、今回はトランスと一部真空管だけ残してY下アンプの製作になります。まずは写真をご覧ください。


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これがメトロ劇場で使われていたRCAアンプに内蔵されたシカゴ出力トランス、年代を感じさせるが汚すぎる!


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 パターン設計から製作したプリント基板で上のボードは電源平滑用で下側のボードはCRボードになります。抵抗はすべてアーレンブラッドレーを使用

今回は予算の関係上あまりお金をかけずに作るのがコンセプトになりますが、これ程苦労して製作したことはありませんが目標は高級マニアの間では有名な新藤ラボラトリーの真空管アンプにすべてを超えるのが目標ですから十分構想を練ってからスタートしました、

アンプ製作の苦労

シャーシーは1.2tの鋼板を使いY下お家芸のステンレスアッパーパネルと
トランスがあまりにも汚いのでトランスカバーも作りました。

1.シャーシーは全て穴加工を自分で行い細かい部分はヤスリを使って仕上げ
  加工を施した、

2.ステンレスのパネルは研磨剤を使って鏡面処理を施しましたが鏡面処理は
  時間と労力だけではステンレスの鏡面にはなりませんからこの部分は失敗が許されないですから大変苦労をした部分であります。

3.内部配線に関してオール手配線を止めてCRボードをプリント基板で作成しました、
  又プリント基板設計はなれていますから回路図を頭に入れれば苦になりません。

4. モノラルアンプですから電源部関係は2倍のコストがかかった、

5. 仕上げ塗装はプラモ用のMrカラーのスプレーを購入してサフェーサーを吹き付けてからペーパーで仕上げてメタリックグリーン塗装にした、
  最後に車用2液ウレタン塗装を吹き付けて仕上げしました、

6. 引き回しワィヤリングは同一色に統一した、
  モノラルの場合は2台とも同じワィヤリングをしないと音に影響を及ぼす

7. ヒーター配線はAC点火ですが今回は真似ては困るのですがヒーター線をツィストペアせずストレート配線を行いましたが完成後のハムの影響がどれだけ出るか、

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配線前のアンプ内部写真、SPターミナルの所に見えるのがDC,ACバラン
スボリューム、右側が電源トランスになります。


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  配線及び半田付けがすべて完了、これで完成になります。

 彼のアンプをオーバーホールして再度製作しましたが今迄沢山の真空管アンプ製作の中ではトップクラスの難易度だったが今後アンプ作りは卒業したいが、まだ珍しい名球が2本あるからこれを作って最後にしたいのだけどいつもこれが最後と云いつつあれから何台作ったやら・・・・・・・・

 このアンプも大変苦労をして製作したが前回製作した91B交流点火アンプよりシャーシー構造が複雑と部品配置とワィヤリングが立体のため遥かに作りにくいアンプになった

 またトランスと球があれば出費は少ないと思っていましたら意外や意外パーツだけでも軽く10万以上かかってしまったが見えない部分の費用は予想外でした。
 

アンプの使用パーツと配線

ウィリアムソンアンプに使用したパーツで抵抗はアーレンブラッドレー、カップリングコンデンサーはスプラグのブラックビューティー、真空管ソケットはオムロンの8Pinモールドタイプ、プリント基板はガラスエポキシ、電解コンデンサーは一般市販されている日本ケミカルを使いました。今回も採用しましたスプラグのブラックビューティーはマニア間では最高と評価されています。

このコンデンサーをチェッカーでチェックしましたが容量抜け電流漏れはまったくありませんでした、(ブラックビューティーの購入先はバンテック)です。

引き回しワィヤリングは3次元立体方式を採用したが動作上の問題が生じた為ワィヤリングを変更して組み直したが今回も納得のいく作品ではなかったのが少し残念だ、

ウィリアムソンアンプの音の評価

 使用真空管は初段が日立の6SN7ドライバー管はマツダの6SN7です。

ここの部分に拘りを持ったマニアはRCA,シルバニアなどを使いますが国産球でもヴィンテージ菅は海外の球にも負けず劣らず良い音がします。

出力管はドイツMAZDAのEL34、整流管はザイレックスのGZ32を使いました、(ザイレックスは英国の真空管商社)ザイレックスの場合は実際どこのメーカー球か不明ですが多分球の形状を見ますとSTCと思われます。

 RCAの5U4GBも使いましたが主役のEL34が脇役になるのと直熱整流管ですと+Bの電圧の立ち上がりが早いので球を痛める恐れがあり精神衛生上テストだけで終わりましたのとバランスを考えて却下、アンプの製作日数は構想から45日、約一ヶ月半を要しました、

 出力は3結アンプですから約14.3W、残留雑音は0,8mmVで負帰還量は15dBです。

早速音の評価ですが私1人の評価だと自分が作ったアンプですから悪いとは書けず又最高と書けば自惚れになりますからあえて自己評価はしません。

 またヒーター配線の基本はツィストペアで行いますが今回はストレートでの配線にしましたがハムノイズはほとんど影響なくトランスのリッケージフラックスの問題もトランスカバーを付けた結果心配したハムノイズは生じなかった、この辺はPPアンプの良さかも知れません。

 今回はヴィンテージマニアで大変仲の良い西山氏に同席して頂いて率直な意見を云って頂きました。西山氏にもこのサウンドは一度も聴かせていませんからどんな評価されるのか、

 西山氏曰くバッハのバイオリンを聴くと「木の香りがプンプン漂う一度聴くと忘れられないサウンド」また「小池のじぃちゃんの音」と同じと大変うれしい評価を頂きました、

シカゴトランスを使ったウィリアムソンEL34アンプは期待以上の鳴り方には安心した、

 数日後の日曜日にはJBLのエベレストを上手く料理してクラシックを見事なサウンドを鳴らしている豊橋のオーディオクラブに所属する高橋氏が言うには

このサウンドは他のマニアには聴かせてはならないサウンドで、オーディオマニアが聴けばレッドカードを付き付けられカルチャーショックを受けるからと忠告、

褒めているのか貶しているのかはわかりませんが高橋氏のサウンド評価は二重丸と太鼓判を押して頂きました。

 今回はウィリアムソンアンプの実力を見せつけられたが、シカゴトランスの実力が十分発揮されたのではと思う、

シカゴトランスはウェスタンエレクトリックのOEMメーカーだけはある。

自作マニアが国産のトランスで作ったEL34アンプだとこんな音はまずは出てこないと思う、
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キット屋コラム「私のオーディオ人生」第37回門外不出!二管流アンプ武蔵誕生
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二管流アンプ「武蔵」

WE−300BとVT52刻印の二刀流アンプ


 WE−300Bは巷では最高に人気がありますがVT52は300Bの陰に隠れて評価はイマイチですがWEのVT52刻印は上手く設計して良いパーツを使えば300B以上の音と云われています。

音でVT52とよく似た球は同じウェスタンの300A、205Dがあります。
この3種類の球こそウェスタンサウンドの象徴と云えるかも知れません。

近年VT52はヨーロッパ、中国、ロシアでは生産されていませんからこの球を使った既成アンプはほとんど見かけないのと自作マニアでも300Bは製作してもVT52は作ったこともなくVT52のサウンドはほとんどの方は聴いていないと思います。


  今回の製作に関して真空管アンプの音はトランスが最大のキーパーソンを握っています。

出力管の交換は同等管の場合大きな変化はありませんがトランスを交換しますと劇的な変化が認められます

面白い事にトランスにもお国柄がありこの部分の比較も面白いのではと思います。

  WE−300BとVT52の特性を比較しますと共通点が多く見られますから回路を変更すれば簡単に差し替えは可能です

300BもVT52もソケットは同じですがプレート電圧、プレート電流、ヒーター電圧、ヒーター電流などの違いがありますから一つ間違えると大切な出力管を駄目にしますから一般的にはお薦めできない上級者向けになります。

  今回は製作途中でVT52と300Bも切り換えて聴けるように改造を施しました


ウェスタンのVT52の謎


  ウェスタンのVT52は1940年代の初めごろ軍用機の通信管として開発されたらしくこの球に関しての特性表がありませんが規格の値を守れば超寿命の球の一つです。またヒーター電圧が6,3Vと7,0Vの2種類の規格がありますがどちらも正しいと思われます。

  一説によると航空機で飛行している時は7,0V、地上で待機している時は6,3Vで使われていたと云われていますがヒーター電圧が6,3Vと7,0Vでは必ず音は違うはずです、この部分での比較も考えて報告したいと思います。

VT52は1940年代の初めの頃軍用機の通信システムに搭載されていた、太平洋戦争中に米軍が日本を爆撃する時B−29が無線送信していたのなら好きになれない球ですが多分ヨーロッパ戦線で使用したのでは・・・・・

  自作マニアで特に音に拘りを持っているオーディオの達人なら300BよりVT52のが音は良いといいます。

300A、205Dに良く似た音色はVT52と云われこの球も今後は手の届かない価格になると思います

VT52のウェスタン球のプリントタイプもよく見かけますがどうも偽物臭い感じがあります。


  特にウェスタン球のトップマイカはおむすび型ですからすぐに見分けることが出来ます。

VT52の刻印タイプは音が良いと云われますから刻印タイプを求めれば間違いありません。

同じVT52もシルバニアや他メーカーでも出ていますがやはり本家のVT52刻印を聴きますと他メーカーのVT52は残念ながら音もさることながら価値観や魅力に欠けるがヴィンテージ管をヤフオクなどで購入される場合は特に注意しないと後で痛い目に合いますから気を付けてください。
 

真空管アンプのルックスとワイヤリング


真空管アンプのキーパーソンは出力トランスですからこの部分には特に拘る必要があります。

ましてや使用球がWE製VT52ですから本来はウェスタンを使いますが、今回はドイツのシングルトランスを使いました

このトランスもほとんど市場に出てこない大変レアなトランスでメーカー名はENGELでテレフンケン、ノイマン、シーメンスに納入している実績のあるトランスメーカーです。 

  今回私も初めて使いますがドイツのサウンドはゲルマン民族らしい真面目で几帳面な音が特徴ですが、その点米国のトランスはアメリカ人らしい豪快さがあり多少雑なところを持ち合わせている。

また日本のトランスはビールで云うならコクとキレが薄い、

やはりビールもトランスもドイツに限ります。

これはトランスに使用してあるコアと巻き線技術の差だと思う、

その点ヨーロッパ系のトランスは質の良い鉄鉱石が採掘されていますから鉄鉱石の違いかも、

WEのトランスは音が良いと云われていますがこのトランスもひょっとしたらヨーロッパのコア材を使っているのではと思いますが詳細は不明です。

トランスもお国柄がありどれが最高とは云えませんが自分がどんな音が好みなのか色々試して聴くのも面白い、

使用パーツと回路構成


 今回は最後の自作アンプですから自分なりに拘ったパーツを採用しました、

出力トランス ドイツENGEL社シングル10W

チョークコイル ヒューレットパッカード社の5H250mmH

抵抗 リケンオーディオ抵抗

コンデンサー カップリング スプラグ ブラックビューティー

カソードパスコン スプラグ 銀タンタルコンデンサー

ヒーター整流 東芝ショットキーバリアダイオード

スイッチ類 日本開閉器 トグルスイッチ

ボリューム アーレンブラッドレー

真空管 初段はテレフンケンダイヤマーク ECC−802S

ドライバー管 NEC 12BH7A

出力管 WE−VT52刻印

整流管 WE−274B刻印


 回路構成は簡単なCR結合3段増幅でNFBは5dBの低帰還になります。NFBなしでもテストしましたが無しの場合は低域が多少ボン付く傾向がありますからここは多少でもNFBを掛ける必要があります。

アンプ内部はラグ板を一斉使わず自分で設計を施したパターン化した自作基板を製作しました、本来はラグ板にCR類を並べてオール手配線で製作しますが「武蔵アンプは」プリント基板がメインでラグ板は一斉使っていません。


 アンプの出力は3.5W×3.5Wです。

もう少しIpを上げればPOWERが取れますが球の寿命を考えて低めに抑えて使用、ヒーター電圧VT52は7V、1.18A,300Bは5V,1.2Aの直流点火にしました、

交流点火も考えたのですが7Vの交流点火ではハムが取れません。
また300Bは私の作ったSV−91Bタイプに交流点火がありますからあえて交流点火にはしませんでした、

直流点火にしたWE−300Bは本来の300Bの音とは違いますが、今回のメインはVT52が主役です。遊び心で300Bも使えるようにしただけと金銭的に困った時にWE−300Bを予備球として付属してやればそれなりの価格で売れるのではないか、


WE−300Bを実装
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ウェスタンの刻印VT52を実装
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ウェスタンのVT52とWE300Bの比較、VT52は一回り小さい
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幻の整流管WE−274B刻印
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試聴用システムの紹介


 今回はアナログでの試聴にしました、

アナログ

フォノモーター ヤマハGT−1000

アーム GRACE G−565F

カートリッジ オルトフォン SL−15E

昇圧トランス ウェスタンエレクトリック WE−618B

AWA オーストラリア

ブリアンプ マランツ#7

スピーカー ヴァイタボックス 30cmフルレンジ

試聴用アナログ キースジャレット ケルンコンサート、バッハ、無伴奏チェロの1番

比較アンプ PP5/400シングルアンプ

 すべてのセッティングが終了して早速VT52シングルアンプの電源を立ち上げた、調整中にハムバランサーは最少の位置に設定してありますからスピーカーからはほとんどハムは聞えません。

最初にキースジャレットのケルンコンサートの試聴から開始、出てきた音に愕然、

ピアノの粒立ち奥行感を伴ったホールトーンの響きとスピーカーの存在感が消える素晴らしい空気感のある音、音色もこれがウェスタンを強調するようなサウンドには参った!

これは使ってあるVT52だけでなくトランスがドイツ製だからアメリカ的な明るいサウンドを抑えて伸びやかに音楽を聞かせてくれる。

 このような音になるのは勿論昇圧トランスのWE−618B、テレフンケンECC−802S高信頼管とWE−274B刻印が寄与しているのは間違いない、

次に試聴したマイスキーの無伴奏チェロも奥行感を伴った小ホールで聴く雰囲気たっぷりのあるサウンドになった、
 

WE−VT52は凄い!


 ウェスタンマニアがウェスタンは最高と云っていますがまんざら嘘ではない、

このVT52に対抗できるのは205Dか300Aしかないのでは、

それだけ素晴らしい球なのに情報量が少ないのか音を聴いたことがないのかわからないのか一度体感してみるとその良さがわかるのではないだろうか、

この球こそコクとキレに音楽性をプラスしたサウンドには偽りはない、VT52恐るべき!

VT52とWE−300Bの対決


 「知らぬが仏」と云うことわざがあります。これをオーディオに当てはめると「聴かぬが仏」つまり良いアンプを聴いてしまうと悪いアンプは聴けなくなる。自分のアンプに満足しているのならば聴かない方のが自分の為と思う、

 最初に書きましたように同等管なら差し替えて比較できますが球の種類が違う場合同じ回路同じパーツを使ってこそ球の比較が出来るのですが残念ながらアンプも違えば使ってある出力トランス、回路が別の場合は比較としての意味は持ちません。やはりここは同一パーツと同じ回路を使わない限り正確な答えにはなりません。

 WE−300Bは巷では最高峰の真空管として君臨していますがではVT52と比較したらどんな結果になるのか、今回は私個人の比較試聴とこのアンプを大阪の今田氏宅に持ち込んで聴いて頂いた、

  早速VT52を接続しての試聴です。スピーカーはRCAのLS12フルレンジを使用、このスピーカーは30cmタイプなのに高域が良く伸びています。

出てきた音は空気感を伴った懐の深いサウンド、長時間聴いても疲れにくくトップクラスの音だ、

RCAはアルテック、JBLとは異なる大変渋いサウンドで私が愛用しているヴァイタボックスとは少し表現力が違いますがジャズもボーカルもOKだ、

  VT52を堪能した後300Bに交換して10分後に同じトラックからの試聴開始、

出てきた音は300Bマニアには申し訳ないがVT52と比較しますと300Bは先ほどの深みとコクが薄くなり少し派手やかな明るいサウンドが特徴で音の渋さが後退してしまう、

それに対してVT52は絵画で例えるなら水彩画を見るようなイメージとしっとり感とシルクの肌触りがありオールド的な雰囲気を持ち合わせている。

WE−300Bも決して悪くない球だがVT52を聴いてしまうと興味が薄れてしまう、

  VT52を聴かずに300Bだけで聴いていますとまったく不満がなくさすが300Bは最高の球だと頷けます。これこそ「知らぬが仏」になります。

  ウェスタンフリークは300Bには関心を示さず205Dや300Aしか興味湧か湧かないのが理解できる。

同聴して頂いた今田氏も300Bにはガッカリ、二回と300Bを聴こうとしなかったのが印象に残こった、

今田氏も大変ショックを受けオーディオ仲間に今回のVT52の良さを話したら仲間曰く300Bでは勝ち目がなく対抗できる球は205Dしかないと云っていた、


PP5/400とVT52武蔵との対決


PP5/400シングルアンプは今田氏に譲ったアンプで回路、パーツ類はほぼ同じものを使っていますがトランスだけは台湾のジェームスです。

ジェームスは台湾のメーカーでトランスのコアは日本製のオリエントHi-Bコアを使ったトランスで大変知名度があり自作マニアが良く使うトランスです。

  早速比較の為に接続を変えて試聴開始、出てきた音は甲高なサウンドであまりにもVT52とは違いなさ過ぎて私もショックだった、英国の名出力管がこんなはずではない、

  違うのはトランスと整流管だけですからトランスを変えれば違った意味での良さが出るはずだがこのアンプをVT52に改造するのは簡単ですが肝心の出力トランスがありませんからこのアンプはこれで良しにすべきと思う、

このPP5/400も以前有名なメーカーの845PPと鳴き比べした時、圧倒的な表現力の差が出た良いアンプであったがVT52と比較すると残念ながらその差歴然だ、

  PP5/400は自分が作ったアンプですからどちらが良くても不満はないがメーカー製のアンプや自作アンプとの鳴き比べはご法度であるのとモラルの問題ですから今後は門外不出にして道場破り、他流試合はやらないことにした、


私が製作した名出力管PP5/400とVT52武蔵アンプ
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6.3Vと7.0Vのヒーター電圧の比較


 VT52のヒーター電圧の違いを比較しました、6.3Vでは多少音の潤い感とハリがなくなり7.0Vにしますと「これがウェスタンだ」と云えるサウンドになりました、今後は変更せずに7.0Vで使い切りますが今は武蔵を聴くのがもったいなくて外野席でお休み中です。

 これからは試聴に来られるマニアにはWE−300Bと5U4GBの組み合わせで聴かそう、帰った後こっそりとVT52,274B刻印に戻して自分だけで良いサウンドを楽しもう、マニアには申し訳ないが極上の組み合わせを聴かせるのがもったいない、
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2. 中川隆[-6330] koaQ7Jey 2017年9月22日 09:03:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

真空管の音だと思っているのは、実はトランスの音だった


真空管アンプは音が良いか?(1)

オーディオもやや再燃した感じもする中、真空管アンプの情報が多くなってきました。

ところで、真空管アンプがもてはやされるのは、本当に音が良いからなのでしょうか?

率直に言うと、私は、真空管アンプは音が良いという意見には懐疑的です。

真空管アンプの音の評価は、まろやか、暖かみがあるなどの言葉が多く使ってあります。

本当にそうなのでしょうか?

私は何十年も前から、真空管アンプを製作してきました。
だから、真空管アンプを知り尽くしているとは言いませんが、それでも真空管アンプの音の印象というものには、一定の感触を持っています。

そして、このごろは、実は真空管の音というのは、真空管の音ではないとの印象を強くしています。

と言うと、真空管アンプの音を聞いて真空管アンプの音ではないというのはどういうことかという質問をしたくなる人もいると思います。

ズバリ、多くの人が「真空管(アンプ)の音は・・・」と言っているのは、真空管の音ではなく、トランスの音ではないかと思っています。

その証拠に、トランジスタアンプの終段にトランスをつけて、スピーカーにつなぐと真空管アンプのような音になります。

真空管アンプは、まず、ほとんどトランスを介してスピーカーに接続するようになっています。

そのせいで、真空管アンプの特性(性能)は大部分がトランスの性能に支配されてしまいます。

だから、真空管の音だと思っているのは、実はトランスの音であるという根拠がここにあると思うのです。
http://bestmusic.seesaa.net/article/106623581.html


真空管アンプは音が良いか?(2)

真空管アンプの音作りに大きく影響しているのがトランス(Output Trans)なら、トランスを排除して直接スピーカーに繋げばいいわけです。

しかし、真空管アンプの出力はプレートであり、プレートには通常、数百ボルトの直流電圧がかかっています。

その途中にスピーカーを直接繋ぐことはできません(スピーカーは壊れてしまいます)。

これを回路的に解決するためには、ホイートストーンブリッジという回路を使う方法があります。

左の図がホイートストーンブリッジを使った回路です。

http://bestmusic.seesaa.net/article/106675646.html

ABCDは真空管で、図の真ん中にあるようにスピーカーを繋ぎます。

こういうアンプをBTL(Bridged Trans Less)アンプと言います。

私はこの回路を使った真空管アンプを、昔、製作したことがあります。
ずいぶん大がかりなものになってしまいました。

実際、作ってみるとブリッジにかかる電圧のバランスが不安定で、怖くてなかなかスピーカーを繋ぐことができないという笑い話になってしまいました。

バランスをとるのが難しいのは、真空管の内部抵抗が高い、つまりそれだけ真空管アンプは不安定要素を持っているということでもあります。

最近のトランジスタアンプは2台用意して、簡単にBTLアンプを実現できる製品も見られます。

真空管アンプでBTLアンプを実現すれば、真空管そのものの持つ個性的な音を聞くことができます。

周波数特性や位相などをトランスに制限されることもありません。

しかし、BTLはかなり大がかりなものになってしまいますから、それよりトランスに性能のよいもの使うとか、トランスによって積極的に音作りをするという考えもあります。

アンプの音色は、配線材、抵抗、コンデンサなど、どの回路素子を変えても変わります。

それが、アンプ製作者の主張になるとも言えます。

また、低域から高域まで特性のよいトランスを使うとなると、トランスにかける費用は大きくなります。

そういう点では、トランスを使わないトランジスタアンプが有利とも言えます。
http://bestmusic.seesaa.net/article/106675646.html

真空管アンプは音が良いか?(4)

Triode_vacuum_tube.jpg真空管の模式図

http://bestmusic.seesaa.net/article/107070643.html

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より


「真空管アンプは音が良いか?」と題して、真空管アンプの音作りに大きく影響しているのはOUTPUTトランスであると述べた。

だから「真空管の音は・・・だ」という意見の中には、トランスの特徴を指して言っていることが多いのではないかと思うということも述べた。

これは、言い換えると、[真空管アンプの音=トランスの音]と言っているのではない。

真空管アンプにとって、真空管そのものは主役であり、当然、アンプ全体の特徴を表している。

もし、[真空管アンプの音=トランスの音]であるなら、わざわざKT-88やWE-300Bを使わないで、6BM8、6BQ5あたりを使っておけばよいことになる。

問題は、アンプ全体にどの程度影響を与えているかと言うと、トランスの善し悪しが80%を占めると言う人もいる。

そういうトランスの影響だけでなく、私は常々疑問に思い、まだ誰も言及していないのではないか(少なくとも、私は知らない)と思うことがある。

中学生の頃、真空管アンプよく作ったのだが、ある日、スピーカーからは音が出ていないのだが、何やら小さな音で音楽が聞こえてくることに気がついた。

その音の出所をつきとめると、それは真空管であった。
真空管が鳴っているのに驚いた。

それで、真空管は鳴るんだということを知った。

それから以後、オーディオに親しんでいくうちに、鳴るのは真空管ではなくケープルも、いやコンデンサーも・・・いろいろな部品が鳴る(鳴く)ということを知った。

そして、スピーカー以外のものが鳴くということはHIFIとしては有害であるとの説明があることも知った。

だから、オーディオには鳴きを止める対策がいろいろなところにある。

ところが、冒頭の真空管の模式図を見るとわかるように、真空管はガラスのチューブの中に電極があり、これらの電極は足の部分は固定されているものの、大半の部分は宙に浮いた状態で振動はかなり自由である。
(だから、真空管は鳴くのだと思うけど)

振動を抑える対策は、真空管に対しては不可能ではないかと思う。
ここは、真空管をHIFIとして使うための致命的な部分ではないだろうか?
http://bestmusic.seesaa.net/article/107070643.html

真空管アンプは音が良いか?(8)

「音が良いか?」というのは曖昧な表現である。

良いと思うかどうかは個人によって違うからである。
だから良いか悪いかより好きか嫌いかと言った方がよいと思う。

そうすると、真空管の音が良いという人は、真空管の音が好きだということになる。

では、真空管の音とはどんな音なのか?

そういう観点でみると、たいていは、真空管のアンプについての批評はマイルドなとか暖かみのあるという表現が出てくる。

真空管の音は本当にマイルドで暖かいのだろうか?
逆にトランジスタの音はマイルドでなく、暖かくないのだろうか?

いや、トランジスタアンプでマイルドで暖かみのある、つまり真空管の音という先入観を持った音を出すことは可能である。

それは、以前にも書いたが、トランジスタアンプにも出力トランスをつければよい。

もちろん、真空管特有の音はある。


例えば、今でも6BQ5という真空管はよく使われるようだが、私はこの真空管を昔よく使った。
6BQ5のプッシュで、あの有名なスピーカー、ダイヤトーンのP-610を鳴らした時は感動した。

しかし、そのころ東芝が独自に6BQ5によく似た6R-P15という真空管を発売した。
6BQ5とは少し電気的特性が異なっていた。
私はこの6R-P15の音の方がデリケートに感じて好きだった。

真空管はアンプはその性能のほとんどが出力トランスに影響されるものの、アンプ全体のキャラクターには真空管個々の個性は表れる。

昔も、真空管アンプの自作が流行ったが、トランスは山水やLUXが自作マニアにとって憧れで、懐に余裕のある人はそれらを使った。

今日では、真空管アンプとトランジスタアンプの比較論はあまり意味がないと思っている。

それは、比較する土俵が違いすぎるからである。

もちろんこの話は、グレードの高いアンプでの話である。

真空管アンプが論じられるとき、そのパワーは数ワットからせいぜい50ワットどまりぐらいである。

真空管アンプで50Wというと、私は6GB8という真空管を思い出すが、この真空管は昔、学校の校内放送用によく使われていた。
パワーが出るということで使われていたのだが、音質そのものは観賞用には向いていない(と私は思う)。

211Aという真空管はプレート電圧を1000Vぐらいかける大がかりなもので、真空管の好きな人は使った人がいるようである。

かなりおおがかりになり、ヒーターのあかりで新聞が読めると聞いた。
しかし、ここまでやろうとすると、一般家庭ではあまり実用的とは言えない。

問題はやはり出力トランスである。
とてつもないトランスを使うことになる。

最近、6BQ5を使ったアンプを売り出している会社を見たが、パワーは1.5Wで、セットでスピーカーもつけて売ろうとしている広告もあった。

いくら、ドライブ能力はパワーだけではないと言っても、1.5Wで87dBのスピーカーを鳴らすという構想そのものが、いかにも箱庭的であり、部屋の空間を使ってゆったりとオーケストラを聴くという様にはなり得ないと思う。

学習机の上において、近い距離で聴くという感じならいいかも知れない。
それは、イヤースピーカーという感覚に近い。

真空管アンプを作っていたマニアもなんとか出力トランスの影響を廃したいと考え、OTLアンプに挑戦した記事が雑誌に紹介されていたことがある。

今日、数ワット程度のトランジスタアンプはそのほとんどが低価格路線の製品であり、同程度のパワーの真空管アンプとの比較では、真空管アンプ対トランジスタアンプという構図にはなり得ない。

私が実際試聴した感じでは真空管アンプは低域、高域が伸びきっていなくて苦しい。

トランスの特性の限界が現れているように思う。
周波数特性は概してかまぼこ型であり、こういうかまぼこ型の音が好きな人はいるようである。

グレードの高いトランジスタアンプは低域、高域ともストレスなく伸びきっている。

音源(ソース)そのものの素材をダイレクトに現す。
硬い音は硬く、柔らかい音は柔らかくである。

今日のトランジスタアンプでは2000W(1Ω)というパワーを出すものもあるが、これはAccuphaseのM-8000で亡くなった先代の春日社長は「静かな音を聴きたいから開発した」と言ってみえた。

オーディオ用の大出力アンプは、大音量で聴きたいというのではなく、静かに音楽を聴きたいからというのが、多くの経験をしてきた人の考えだと思う。

私もいつかこのAccuphaseのパワーアンプを使ってみたいと思うが、昨年640W(8Ω)のパワーアンプに換えたところ、ヴァイオリンなどの弦楽器の音がきれいになった。

特にアナログのレコードを再生した時、それまでとげとげしくささくれだった音に聞こえていたのが、きれいになったというより、その楽音でない弦をこするような雑音も忠実に余裕をもって再生することにより、耳障りでなくなったというのが実感である。

つまり、非常にするどいパルス状の信号により、アンプに余裕がないと、再生できないために他の音を汚してしまうような気がした。
http://bestmusic.seesaa.net/article/112420633.html


真空管アンプは音が良いか?(7)


左のアンプはEAR-859、特別に開発された真空管を使い、話題になったアンプである。

http://audio-heritage.jp/EAR/amp/ear859.html
https://www.yoshinotrading.jp/products/ear/


トランスも職人が一つずつコイルを巻いて作っていると聞いた。
気になる値段は¥448,000。

この値段が高いか安いかは、個人の関心によって違うだろうが、一般の家電品の値段と比べるとかなり高いだろう。

興味を持った一家の主が買おうとしても、奥さんの理解が得られないかも知れない。
一般サラリーマンの年収が500万ぐらいとすると、その1割近い金額は家計を考えると非常識かも知れない。

筆者はかねがね思っていることに、洗濯から乾燥まで一気にやってくれるドラム式洗濯機があったらどんなに便利だろうと思い、いつか欲しいと思っている。

家電店の展示を見て歩くと、25万ぐらい用意すれば買えると思うのだが、これが高いと感じてしまう。

ところが、EAR-859の¥448,000はそんなことを考えずすぐに買ってしまった。
生活のバランス感覚が狂っていると言われても仕方がないかも知れない。

本題から大分はずれたが、このEAR-859はオークションで売ってしまった。
すぐに売れたところをみると、フアンは多いのだろうと思った。

パラピッチーニの設計とか、先ほどの新開発真空管とか、トランスとかの雑音(?)に惑わされた感もなくはない。

実際に手にしてみると、物量を投入しているところから、価格競争で優位に立とうとした製品ではないこともわかる。

13W×2という出力は、率直に言って小さいと感じる。

だが、真空管アンプの話となると、真空管アンプは小出力でもドライブ能力が高いという話が必ずというぐらい出てくる。

もちろん、ドライブ能力さえあれば数字はどうでもよい。
やたらに馬力の数値だけは高いが、運転してみると実感がないという車もよくないのと似ている。

結論、売ってしまったのはドライブ能力に不満があったからである。
ドライブ能力だけでなく、音質も試してみた。

先入観として、これで高音を再生したらきっときれいだろうなと思っていた。
それで、私のスピーカーはトライワイヤー接続ができるので、高音にこのアンプを持っていった。

中音、低音にはそれぞれ150W×2のトランジスタアンプを使った。

つまり、アンプ3台でドライブしたわけである。
これは、当初、EAR-859だけで試みたが、とてもスピーカーを鳴らしきっているとは感じられなかったからである。

さすが、アンプ3台でのドライブは余裕があった。
ところが、高音がどうしてもきつくなる。
それで、このスピーカーの個性と思ってあきらめていた。

ある日、実験のつもりで、中音域の150W×2のトランジスタアンプと高音域のEAR-859(13W×2)と入れ替えてみたところ、驚いたことに高音がすごくきれいになった。
その上、スピード感が出るようになった。

何台ものアンプを使ってドライブするとき、高音域にはパワーは必要ない、それより高音のきれいなアンプを使うべきとある。
具体的には、高音域は数ワットもあればよいとされている。

しかし、実際に試してみると、アンプの持つパワーは数値だけではわからないドライブ能力を持っていると感じた。

非力なアンプでは高音が汚くなる(音が暴れた感じになる)し、スピード感がない。
不思議なのは、周波数特性を見ると、20KHzを遙かに超えているのに、高音はストレスを感じ窮屈に聞こえる。

結果的に今の装置で浮気は起こらず落ち着いているのだが、最新のアンプを売り払って、いにしえの名器VICTORのM-L10victor_ml10_2.jpgを2台手に入れて中高音用と低音用に分けてバイアンプでドライブすることになった。

PL-10はVICTORのオーディオが一番元気な時に作られた最後の製品で、中をあけてパーツを見ると、VICTORが力を入れた様子がわかる。

VICTORに限らず、この頃のいわゆるオーディオのバブル期には各社の力作があり、その力を発揮させれば現在でも十分ハイクオリティな音を楽しむことができる。
現在でもというより、この頃オーディオは頂点に達したと言ってよいと思う。

だから、あえて、このころの重量級のアンプの中古を買い使っている人もいる。
決して、安くあげたいからではない。

問題は修理体制である。

メーカーに依頼しても、部品がないと言って断られることがほとんどである。
AMP修理センターとかAMP修理工房では、メーカーに修理不能と言われたものでも、オーバーホールや修理を引き受けてくれる。

部品がない場合は代替部品などを使ったり加工したりして、元の性能に復帰させてくれる。
10万円以上かけてここへ依頼している人もいる。

私の使っているM-L10は3台入手して相互に部品を融通して2台にしたものである。
パワーは160W×2で、フラグシップのアンプとしては驚く数値でもない。

だが、アンプのドライブ能力はパワーの数値だけではないということは、現在お休みしているプリメインで、やはりパワーは同等ぐらい出るものと換えてみると、みすぼらしい音になることからはっきりわかる。

違いは何か?

両者を比較して一目瞭然は電源部である。
空けてみると、M-L10は大半がトランスである。

そのトランスを囲むようにして大容量のブロックコンデンサーが囲んでいる。
トランスだけで15Kgありアンプの総重量は30Kgぐらい。

電源が70%ぐらいアンプの性能を支配するというのが、この頃のVICTORの開発部の文献にある。

VICTORに限らず、このころ競った製品としてはDENON、ONKYO、EXCLUSIVE、LO-D、YAMAHA、ACCUPHASE、SONY、SANSUI、Technics、KENWOOD、LUX、Aurex、などなどの製品に修理代を投入してもそれだけの価値があるものも多い。
http://bestmusic.seesaa.net/article/112344376.html


真空管の音が好きなのか?真空管が好きなのか?


やはり、真空管ブームなのですかねえ?

ところで、オーディオ(ステレオ)に真空管アンプを使う場合、真空管の音が好きなのか、真空管アンプが好きなのかどうなんだろうと思う場合があります。
もちろん、両方という場合もあるでしよう。

私は真空管アンプそのものは好きです。
機械としての、あの造形美がいいなあと思います。

しかし、音楽を最も良い状態で聞きたいと思ったら、真空管アンプ、正確に言うとパワーアンプとしての真空管アンプはバツ(×)です。

帯域の狭いものを聴くならなんとか聴けますが、編成の大きいオーケストラなどでは、真空管アンプではだめですね。

これは、スピーカーを鳴らすためのアンプということです。
だから、ヘッドフォンのアンプならいいと思います。

具体的には、6BM8という複合管でいいじゃないかと思います。
現実に、6BM8ではないですが、スタックスのコンデンサーイヤフォンのアンプはトランジスタより真空管の方がよかったです。

真空管アンプのだめなところは、なんと言ってもパワーが足りないことです。
昔の100dBを超えるようなスピーカーならいいかも知れませんが、現代の能率の低いスピーカーを鳴らすには不向きです。

特に小型のスピーカーでは、帯域を広げるために能率が犠牲になっているため、さらに真空管のパワーアンプでは不利になります。

現在、トランジスタアンプは物理的特性において、真空管アンプを遙かに上回っています。

だから、トランジスタアンプで真空管のような音を出すのは容易なのです。
それで、DTMに使うシーケンサーソフトでは、最終的に音を処理するために、真空管をシュミレートするプログラムを持っています。


http://bestmusic.seesaa.net/article/140405373.html


これはシーケンサーソフトSONAR8についている、真空管をシュミレートするプログラムです。

最近EINSTEIN社が出したCDプレーヤーは真空管を使っています。
これを、真空管の音を出したかったからと思う人がいるかも知れませんが、私はそうではないと思っています。

EINSTEIN社は、より性能のよい機器を作ろうとしている会社だと思うからです。
それでは、なぜ真空管を使ったのか、それはダイナミックレンジの広さだと思います。
真空管の有利さはダイナミックレンジの広さだと思うのです。

つまり、信号の入り口が広い。だから、瞬間的な大きな信号に対してもクリップしにくいという有利さがある。

真空管の一つの特徴として、高電圧で動作させるということがあります。
この高電圧が入り口の広さ、ダイナミックレンジの有利さになっていると思うのです。

だから、真空管は初段に有利と言えます。

そういう意味では、プリアンプ(コントロールアンプ)では、優れたアンプも作れるのではないかと思います。
http://bestmusic.seesaa.net/article/140405373.html


3. 中川隆[-11876] koaQ7Jey 2018年5月03日 22:03:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13066]

CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic

メーカー希望小売価格 890,000円(クロム仕上げ・税別)・798,000円(ブラック仕上げ・税別)

チューブの特性にマッチするように仕立てられたEAR の心臓部である出力トランスは、パラヴィチー二自身が手巻きで納得する音が得られるまで、幾度と無く試行錯誤を繰り返した後に完成させたオリジナルスペシャルメイドのデザインを採用しています。
https://www.yoshinotrading.jp/product-details/acute-classic/
https://www.ippinkan.com/ear_marantz_sa10.htm


EAR DAcute

真空管アンプで有名なEARです。この DAC はかなりアナログ的で濃い音がするのですが、中身はこんな感じです。真空管関係はあまり詳しくないので正確なことはさほど言えませんが、真空管とトランスがこのDACの音の秘密だとは思っているのでそれについて書きます。間違ってるところもあるかもしれませんのでこの項目は話半分でお願いします。

正直DAC基板自体はとても平凡な設計です。これだけではまず大した音は出ないです。それ以降のアナログ段に音の秘密があります。EARのパラヴィチーニが発言していたことですが、実は真空管はなんでもよく重要なのはトランスだそうです。トランスは市販品では満足できず元々手巻きで自作していたというお話があります。トランスの特性が音を決めるということですね。

トランスの特性で重要なのはアイソレートとLPFを兼ねていることだと思っています。特に現代のDACの場合はどちらの特性も重要です。現代のDAC基板は音声を作り出す源流でもありますが音声帯域外ノイズ源にもなっています。現在ではほとんどのDACが帯域外ノイズを吐き出すデルタシグマ式です。このDACも例外ではなくWM8741を使っています。DAC素子が直接置かれている基板はDACの動作とクロック信号によって汚れています。なので直接この基板にアナログ回路を接続することは帯域外ノイズの音質的影響が無視できません。この帯域外ノイズは配線を接続しただけでGNDにも伝わりますしアナログ信号路にも伝わります。マルチビットDACだと無対策でもこの帯域外ノイズが圧倒的に少ないことが最大の優位性だと考えています。

そこでトランスの出番です。GNDを物理的に分割できる上に周波数特性も制限されるトランスはこの帯域外ノイズをGNDからも音声信号ラインからも除外する役割を果たします。EARの設計は信号伝達の全段にトランスを挟み込むのが特徴ですが、このトランス段を通過する度に帯域外ノイズを遮断し基板間のノイズ伝達を防ぎます。それが結果として広帯域で見ればSNを向上させることになります(帯域内SNは変わらない)。これがEARの音の良さの秘密その1であると考えます。

次に真空管です。よく真空管は特性が悪いが音は良いと言われますが、真空管の最大の音質的優位性はその動作電圧だと考えています。動作電圧と信号電圧が高いということは外来ノイズや抵抗から発生するノイズを見た目上小さくすることが可能です。真空管では電源が300Vで信号が50Vとかが普通にあります。特に抵抗ノイズは音質的影響がかなり大きいですのでこれは重要です。抵抗は値が2倍になってもノイズ発生量は2倍になりません。真空管をつかうと信号レベルを大幅に上げることができるので半導体アンプと比べて伝達中の信号SNの観点で優位性がある、これが音の良い理由だと思います。

以上のようにEARの優位性は多段トランスと真空管の組み合わせによって広帯域SNの向上と信号帯域SNの確保、この2つの要因によって達成されていると思っています。このような設計なら緻密なノイズ対策や部品選定など一切やらなくてもよくなると思います。だからEARの内部は音が良さそうに見えません。

補足ですが、SNという概念で重要なのが音質では実測ノイズフロアだけが支配的ではないところです。オーディオではノイズ成分にも音の善し悪しがあって脳がノイズNを分離処理できるときは同じノイズフロアでも音質は悪化しません。そういうNは音質劣化の小さいNです。なので一見SN性能が同じように見えてもN成分の由来によってそこには音の善し悪しが発生します。人間の脳はNに埋もれた情報を取り出す能力があります。それは下記記事にまとめています。


人間の聴覚と音質について


帯域外ノイズの半導体への影響についてはこちらの記事に記載しました。


オーディオ小ネタあれこれ
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


要はいかに質の悪いNを排除するか、それが高音質のDAC設計には重要だということです。質の悪いNには帯域外ノイズ成分が含まれることもありますし、帯域外ノイズが半導体によって帯域内に変換されて入り込んでくることもあります。これも重要です。

EARの設計はこの人間的な要求事項に最適化した設計であるからこそ、測定値が悪くても人間が聞いて高音質に感じるのだと思っています。測定至上主義の無意味さは人間が測定器ではないこと=測定器と原理も方式も違うことが理由です。測定データはメーカーの技術力指標として、まともなものを作っているかどうかの最低限の評価にしかならず、それだけで音はわかりません。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=9015


ティム・デ・パラヴィチーニについては

CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic _ ティム・デ・パラヴィチーニの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/853.html


4. 中川隆[-11874] koaQ7Jey 2018年5月03日 22:22:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13066]
2016年12月 marantz SA10とEAR Acute Classic 音質比較 (字幕修正版) - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=CvEMKdasY34


オーディオ逸品館 2016年11月 
EAR Acute Classic vs. marantz SA10 音質比較テスト
https://www.ippinkan.com/ear_marantz_sa10.htm


真空管らしい艶やかで滑らかな音質が高く評価された「Acute(アキュート)が、2016年10月「Acute Classic」として、純粋に「CD」の音を音楽的に追求するためのCDプレーヤーとして再登場しましたが、CDプレーヤーの需要は年を追うごとに縮小し、「EARのような小規模メーカーがCDプレーヤーを制作する」には、高いコストとリスクが生じるようになりました。新発売されるAcuteも、非常に簡単なメカニズムしか搭載しないにもかかわらず、90万円近い高価な製品になっています。

他方、Esoteric や marantz(DENON)などの大規模オーディオメーカーは、「自社でメカニズムを作る」という手段を講じながらも企業規模の利点を生かし、販売される製品は高級デジタルプレーヤーとしては、比較的低価格に収まっています。

Acute Classic と対照的に、marantzからは「オリジナルメカニズム」と「オリジナルDAC」を搭載しながら60万円という挑戦的な値付けがなされた「SA10」が新発売され、双方のデジタルセクションや機能などを比較すると「SA10」の最新ないメース時に対して、「Acute Classic」はやや時代遅れとさえ感じられてしまいます。そして、その価格は内容を考えると高額に思えます。

そこで「実際の音」が価格に比例するのか?あるいは、Acute Classicが無為に高い機器なのか?を両機を比較試聴して見極めることにしました。


EAR Acute Classic メーカー希望小売価格 890,000円(クロム仕上げ・税別)・798,000円(ブラック仕上げ・税別)


EARの創始者であり主任設計技師である「パラヴィチーニ氏」は、「King of Analog」の異名を持ほど真空管を使ったアナログサウンドの響きを愛してやみません。しかし、パラヴィチーニ氏は、日本で広く愛された「Musical Fidelity A1」の画期的なトランジスター回路の設計も行うなど、彼は真空管アンプだけではなくトランジスターアンプの設計にも鬼才を発揮できるのです。

このようにトランジスター回路と真空管回路のどちらにも優れた手腕を持つ彼が、CDプレーヤーに「真空管出力回路」を使ったのは、単なる彼のノスタルジーではなく、彼が目標とする「理想のサウンド」の実現には、真空管アナログ回路が不可欠だからです。「Acute Classic」は、最新の優れたデジタル回路と、パラヴィチーニが理想とする真空管アナログ回路が組み合わさった、アナログ/ デジタルハイブリッドと言うべきCDプレーヤーなのです。

「Acute classic」がこれまでのモデルと大きく違っているのは、真空管の配置を水平方向の横置きとすることで、シャーシ全体のスリム化に成功し、シャープなイメージを醸し出す薄型デザインが採用していることです。また、このデザインの実現のため筐体や回路のすべてが新設計されています。フロントパネルには、伝統のハンドポリッシュのクロムメッキ仕上げのパネルが採用され、最新のモダンなインテリアにもマッチして、美しいコントラストが目を楽しませてくれることでしょう。

EAR伝統のチューブ・サウンドをこのモデルにしっかりと宿らせるために、パラヴィチーニ氏は他のEAR のプロ用オーディオ機器と同様にトランスフォーマーをカップリングしたチューブ式{ ECC88 (PCC88) x 2 } ライン出力段をアナログフィルターと出力回路に用いました。そしてチューブの特性にマッチするように仕立てられたEAR の心臓部である出力トランスは、パラヴィチー二自身が納得する音が得られるまで、手巻きで幾度と無く試行錯誤を繰り返した後に完成させたオリジナルスペシャルメイドのデザインが採用されます。


この優れたトランス出力回路は、アナログアウトプット(フローティングバランスXLR、及び同等クオリティーのアンバランスRCA)に備わり、バランス/ アンバランスともに最大5Vrms の出力を持っています。これは一般的なCDプレーヤーの2Vrmsの約2.5倍の高出力ですが、出力を高めたことで音楽のダイナミズムが拡大しています。また、この高出力をフロントパネルのアナログ式ヴォリュームにより音量可変出力することで、「Acute Classic」はプリアンプの助けを借りずに、パワーアンプを良好な音質で駆動することを可能としています。

さらにAcute Classicは、Wolfson社製「WM8741 DAC」とそれに対応するS/PDIF レシーバーが搭載され、USB1系統を含む合計3系統のデジタル入力(USB、Coaxial S/PDIF、Toslink Optical S/PDIF)が装備されています。もちろん、いずれのデジタル入力を使っても、パラヴィチーニの理想とするアナログレコードのようなサウンドを奏でるように音質が整えられています。

手段がどうであれ、パラヴィチーニが目指すものは「いい音を届けたい」という信念です。デジタル/ アナログという音源の違いに関係なく、現在のパラヴィチーニの理想に最も近い音を奏でる再生機が、この「Acute Classic」です。パラヴィチーニの新たなる挑戦を是非お楽しみ頂き、その音の響きを味わいください。

CD:44.1KHz, 16bit PCM

S/PDIF:同軸(RCA) 192KHz, 24 bit PCM、Toslink upto 96KHz,24bit PCM

USB 2.0:44.1K - 192KH, 16 - 24 bit PCM


marantz SA10 メーカー希望小売価格 600,000円(税別)


SA11S3の後継機として発売される、SA-10にはマランツオリジナルのディスクリートD/Aコンバーター「Marantz Musical Mastering(MMM)」が搭載されています。このディスクリートDACは、プログラムしたアルゴリズムでデジタル演算を行える「DSP(Digital Signal Processor)を使用することで、一般的なDACチップが行うすべての処理をmarantzがプログラムしたオリジナルのアルゴリズムと専用設計の回路に置き換えることで、より理想的なサウンドを実現するために開発されました。

DACに必要な機能

デジタル信号をアナログ信号に変換するために使われる「DAC」は、オーバーサンプリング・デジタルフィルター、ΔΣモジュレーター、DAC、I/Vコンバーターで構成されます。

・オーバーサンプリング・デジタルフィルター

DACに入力されるデジタル信号の「細かさ」を向上するための演算ロジックです。
オーディオで使われるPCM信号は、縦軸が音量で横軸が時間に当てはまる方眼グラフ上の交点にデーターが置かれるような変換方式でアナログ信号をデジタルにしています。

PCMデジタル信号をアナログに戻すと、出力される波形はサンプリングされる前の「曲線」ではなく、「階段状の線」として出力されます。オーバーサンプリング・フィルターを使うことで、この「階段の段差」が細かくなり、出力される波形がアナログ信号の「曲線」に近づきます。

このとき「元々なかった点(デジタルデーター)」を作り出さなければいけないのですが、前後のデーターの中間にデーターを追加するだけでは、もとあった曲線の膨らみが再現されません。そこで、前後いくつかのデーターを参照にしながら「元々の曲線により近いデーター」を演算により生成します。

「MMM」には、元フィリップスでアプリケーションラボに所属し、「DAC7」でビットストリームDACの開発を担当、「CD-7」のデジタルフィルタの開発者でもあり、現在はマランツヨーロッパリージョンの音質担当者でもあるライナー・フィンク氏が、そのフィルター演算プログラムの開発に参加しています。


・ΔΣモジュレーター

PCMデーターは、「方眼紙上の点」です。この点は「電圧軸・時間軸」の絶対的な座標を持っているので、マルチビットDACではその座標に従って、定められたタイミング(時間軸のデーター)で定められた電圧(電圧軸のデーター)を連続して発生し「階段状の曲線」を出力します。後にこの「階段の角の部分」をローパスフィルターで削ることにより、元のアナログ曲線が出力されます。

ΔΣ変換とは、あらかじめ「点座標」で供給されるPCMデーターを「連続する点(ビットストリーム)」に置き換える変換です。わかりやすく言うなら、PCM信号をDSD信号に変換するための仕組みです。


・DAC
デジタルデーターから、アナログ信号を作り出す仕組みです。
ここまでの「3つの仕組み」が、「MMM」ではmarantzがプログラムしたDSPで行われます。


・I/Vコンバーター
電流として出力されるDACの信号を、オーディオ機器が扱う電圧に変換するための回路です。SA10ではこの部分にビシェイの高精度・高音質抵抗が使われるなど、一般的なICではなくディスクリート回路で構成されます。


・新世代のオリジナルメカエンジン「SACDM-3」
ディスクドライブには、marantzがピックアップの制御とデコードを行なう回路を新開発し、回路を最短、最小化。余分な電流やノイズの発生を抑えた、最新世代のオリジナルメカエンジン「SACDM-3」が採用されます。

出力回路
アンバランス出力、バランス出力は完全に同等グレードで構成され、バランス出力のHOT/COLDの反転は、信号劣化のないデジタル位相反転機能が採用されています。

アナログ基板
左右のアナログ出力回路はシンメトリーにレイアウトされ、チャンネルセパレーションや空間表現力が高められています。

高音質パーツ
アナログ出力回路には、純銅箔を採用した最上グレードのオリジナルフィルムコンデサ「ブルースターキャップ」や、高音質電解コンデンサなどを投入され、電源トランスには、SA-7S1と同等コアサイズのトロイダルコアトランスが採用され、巻線には高純度なOFCが使われます。

アナログ回路とDAC回路に給電するブロックケミコンには、4,700μFのマランツ専用カスタム品が使われます。

アナログ出力端子には、純銅削り出しのピンジャックが使われます。


ヘッドホンアンプ
フルディスクリートで、HDAM-SA2による高速電流バッファアンプが使われ、3段階のゲイン切り替えもできる。本格的なヘッドホンアンプが採用されています。この回路は、メイン回路を高音質化するためOFFできます。


試聴環境

メーカーから届けられた「Acute Classic」を箱から出して聞いたときは、「やはりEARのような小規模メーカーが、CDプレーヤーを初発売するのは無理がある」と感じました。

音の滑らかさ、雰囲気の良さは感じられるものの、同じ条件で聞いたことのある、marantz SA10と比べて情報量(音数)が明らかに少ないと感じられたからです。

試聴は、その後60時間近く連続で再生してから後に行いました。


 Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) 

 AIRBOW PM11S3 Ultimate 

 AIRBOW MSS-i5 MsHD 6.7


試聴したソフトは、いつもの5曲です。これらの曲をダビングしたCD-Rを聞きました。

さらにCDの音とUSB入力の音を比較するため「新世界より」をAIRBOW MSS-i3 MsHD(HQ Player、88.2kHz/24bit出力)と組み合わせて聞いてみました。


2016年12月 marantz SA10とEAR Acute Classic 音質比較 (字幕修正版) - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=CvEMKdasY34

Della
「せせらぎ」

Liza Ferschtman
「BACH VIOLIN SOLO」

Grace Mahya
「Last Live at DUG」

noon
「500 Miles」

DENON
「新世界」

・EAR Acute Classic 890,000円(クロム仕上げ・税別)

 せせらぎ

水の流れる音には十分な高周波成分が含まれ、SACDの助けを借りなくてもすっきりと伸びきったサウンドがCDから再現されます。これは、真空管とトランスを使った良質なプリアンプ「EAR 912」をCDプレーヤーに接続したときに得られる、音質改善と同じです。音の広がりも自然で、手前の水音と近くの鳥の鳴き声、遠くの鳥の鳴き声が、部屋の壁の向こう側から聞こえてきます。

特徴的なのは、音の重なりに一切の濁りがなく、手前の音の向こう側に遠くの音が透けて見えるように聞こえることですが、この透明感の高さにアナログの鬼才と呼ばれるパラヴィチーニの技術が生かされています。

ただ、CDのメカニズムやDACといった「デジタル構成部」は、特別なものが使われているわけではありませんから、marantz SA10のようなぎっしりと音が詰まった密度の高さ、4Kデジタル映像のような緻密さは持ち合わせていません。
フィルム映画を見るような透明感とデリケートな色彩の再現能力を持つ、Acute Classicはディスクに記録された音を「情報」としてではなく、あたかも生演奏を聞く時のような豊かな響きと色彩で「生々しく」再現してくれました。

 バッハ バイオリンソロ

バイオリンから一音が出るその瞬間、弓と弦が触れた音だ出て、それから弦全体が安定した音階で鳴り、それが楽器全体に広がってゆく、その「響きのイメージ」がとても正確に再現されます。今聞いているのは「生楽器の音である」、「生演奏の再現である」ということがダイレクトに伝わってくる音の出方です。

従来のAcuteとの違いは、良い意味でその「響きの乗せ方」にEAR臭さがなく、アナログ回路で「特別な音作りをしている様子」を一切感じさせないことです。

高音はすっきりと伸び、中音は太く響き、低音は豊になる。本当に生楽器をホールで聞いているのと同じような音が出ます。

これこそがEARマジックなのですが、最新のAcute Classicは、本当に自然でその魔法が「見えない(感じられない)」ことが、一番の特徴だと思います。

こういう生々しい音を出すCDプレーヤーは、真空管を使うEARでなければ作れないでしょう。

 モナリザ

ギターの響きが部屋いっぱいに広がります。ボーカルは滑らかで艶やか。レコードを聴くときと寸分違わぬイメージでこの曲が鳴ります。今聞いているのは、ハイブリッドディスクのCD層をリッピングし、今はもうない高音質の「ゴールドCD-R」に焼いたものですが、下手なSACDプレーヤーで聞くSACD層を上回る程高域が滑らかで、高域の倍音もすっきりと伸びています。

驚かされるのは、デジアルのつきものの「ノイズ感」や「粉っぽさ」が全く感じられず、本当にレコードやアナログテープを聴いているのと同じ感覚で、CD(デジタル)が鳴ることです。

こういう音作りに、アナログサウンド30年以上の歴史を持ち、現場でのレコーディングの経験も深い、パラヴィチーニの経験が生きていると思います。

目の前で、人間が、生楽器を演奏している音で、モナリザが美しく鳴りました。

 500miles

ピアノの音と人間の声の違いが、とても良く伝わります。
特にこのディスクでは「ピアノの高い音」がやや硬く、ピアニストのタッチが粗く聞こえがちなのですが、そういう荒々しさは全く感じられません。ピアノの音は滑らかで響きが豊かですが、濁りが少なく透明感たっぷりに美しく響きます。
ボーカルはボディーがしっかり出て、肉付きのよい女性らしい柔らかな音で鳴ります。

驚かされるのはピアノの最低域の基音、そしてペダルを踏む音まではっきりと「生々しく」聞こえることです。今までこれほど深みのある自然な低域をこのディスクから再現するプレーヤーに出会ったことはありません。Acute Classicでこの曲を聴くと、中音が少し前に出てピアノがその後方に位置し、ピアノの高音が上方向に広がり、低音がやや遅れて地を這うような、「音の高低による時間差」が本当に見事に再現されます。

こういう音は、「現場の音」をしっかりと記憶している、パラヴィチーニが「生音に近くなるようなアナログ回路」をAcute Classicに与えたからこそ実現した音で、デジタル回路だけで作られた機器ではとうてい実現できないでしょう。なぜなら、再生時の「響き」がなければ、実現しない音だからです。

私は2016年末発行のDMにオーディオ機器は、失われた響きを再現し、入力される音よりも出力される音をより「生々しくできる」という持論を掲載しましたが、今聞いている音は、まさしくそういう「失われた響きが見事に復元された音」です。

 新世界より

楽曲が始まる部分での、金管楽器の響き、弦楽器の響きの再現が見事です。Acute ClassicはEAR製品全般に通じることですが、「響き」の再現性、その「芸術性」の醸し出し方が実に見事です。

デジタルの音はアナログに比べると、動きが少なく「静止して」感じられる事があるのですが、Acute Classicで聞く新世界よりには「生きた時間の流れ」が感じられます。

演奏が進むにつれて刻々と変化する「響きの変化」に夕日が雲を照らし、刻々とその美しさを変えて行く様子が感じられます。響きの広がりと収束。色彩感の変化。本格的な交響曲ならではの「リッチな時間の味わい」が見事に再現されます。
今聞いているのは「音」ではなく、演奏そのものです。それも、生よりもさらに素晴らしく作り上げられた、再生芸術(演奏)そのものです。オーディオ機器は、生演奏をより美しく、生々しく再現出来るという「事実」をAcute Classicは、聞かせてくれます。

  新世界より(USB入力)

CDに比べるとほんの少しだけ響きが減った分、演奏が落ち着いて感じられます。CD-Rで聞くこの曲が「春から初夏」にかけての雰囲気だとすれば、USB入力で聞くこの曲は「夏の終わりから秋」に欠けての雰囲気です。

音質的にそれほど大きな変化は感じられませんが、雰囲気が一ついて少し「客観的」な部分が醸し出され、普段聞いているこの曲の雰囲気に近くなります。

素晴らしいと思うのは、CDの再生、USBでの再生に関わらず、CD(44.1kHz)にありがちな高域の閉塞感が全く感じられず、高域の倍音がすっきりと伸びていることです。

今聞いている音であれば「ハイレゾ」でなくても、十分アナログに匹敵するサウンドが得られます。少なくとも下手なデジタル機器で聞くハイレゾよりも、遙かに高域ののびは良く、楽器の音が自然に聞こえます。

色彩感も豊かで、この音であればUSB-DACとしても価格相応の価値を十分感じ取っていただけることでしょう。


・marantz SA10 メーカー希望小売価格 600,000円(税別)

 せせらぎ

今までのフラッグシップモデル「SA11S3」では少し気になっていた、高域のざらつきや堅さが完全に消えているところに「MMM」を採用した「SA10の良さ」が感じられます。水の流れる音、鳥の鳴く声は柔らかく、十分な厚みがありますが、すっきりと明快なサウンドで「ぼやけた感じ」が一切ありません。

Acuteとの違いは、水泡がはじけたときに飛び散る「細やかな水しぶき」が伝わる感覚、いわゆる「空気感」が弱いことです。しかし、これはSA10が弱いのではなく、Acuteの「真空管を使った音作り(本来録音されていないものを、あたかも存在するように感じさせる力)」を褒めるべきでしょう。

立体感はスケールが若干小さいですが、それが逆に「空間の密度感を上昇」させることにつながっているので、善し悪しではなく、好みの判断になるでしょう。
PCMのように輪郭が強くなりすぎる事がなく、下手なDSDのように滑らかになりすぎる事もなく、marantzらしい暖かく滑らかな音でせせらぎが鳴りました。

 バッハ バイオリンソロ

Acuteで聞くこの曲に比べると、SA10は表現がやや穏やかですが、細やかな楽器の音の変化や奏法のバリエーションがきちんと再現されるので、演奏にじっくりと耳を傾けたくなります。

Esotericのように堅くなく、LUXMANのように柔らかくなく、Accuphaseのように色が薄くなく、SA10のバランスはとてもニュートラルです。音が滑らかで密度も高く、バイオリンの鋭さと柔らかさのバランスが秀逸です。

Acuteのような「海外製品」と比べると、落ち着いたムードになりますが、フェルシュトマンが自分の音のじっくりと耳を傾けながら、知的にバッハを奏でている様子が伝わります。

プレーヤーで極度に色づけしない「端正な音」が魅力的に感じられました。

 モナリザ

切れ味の良い透明な響きを聞かせたAcuteとは違って、ギターのサイズが一回り大きくなったように、低音の響きが太くなり、その部分の余韻が長く感じられるようになります。けれど、変わるのは低音だけで、中高音の響きの量や余韻の長さは、Acuteと同じです。

ボーカルはギターと分離して聞こえます。この部分、ギターとボーカルの絡みがとても親密に感じられたAcuteとは一線を画します。

質が高く端正な音ですが、Acuteと比べるとやや「艶」が少なく感じられました。

 500miles

Acuteで聞くこの曲は「生演奏を聞いている雰囲気」を持っていました。SA10では「レコーディング現場」が見えてきます。

ピアノとボーカルの立体関係はややあやふやで、音像も肥大します。密度は高いのですが、それぞれの音が出てくる「タイミング」が同一なので、音が空間でかぶっています。

一つずつの音は悪くない、むしろ優れているのですが、音楽表現で重要な「間」が形成されません。

B&Wのスピーカーもそう聞こえますが、B&Wをモニターとして作られたSA10も同じ傾向を感じさせます。

 新世界より

録音の良いこのソフトではSA10の持つ「音の良さ」がしっかりと発揮されます。
PCMをすべてDSDに変換してからD/A変換する良さでしょうか?音が本当に滑らかで、良質なアナログソースを聞いているような「厚み」も感じられます。

金管楽器や弦楽器の音が重なる部分では、それぞれの音が見事に分離し、団子状に重なることがありません。あくまでも、細やかな音が美しく重なり合っているように聞こえます。

演奏の流れはとても穏やかで、不安なく新世界に踏み出していける、希望にあふれた音楽に聞こえます。また、ノイマンの指揮らしい「一糸乱れぬ統一感」も強く出ます。
音の量、厚み、すべてが満足できるレベルです。


  新世界より(USB入力)


S/N感、密度感、低域の安定感でUSB入力はCD-Rを上回ります。

しかし、その差はそれほど大きいものではなく、CD-Rでの再生とほとんど変わらない雰囲気で新世界よりが聞けます。黙って切り替えられたなら、どちらがそれとは言い当てられないほどの差でしょうか。

それでも中低音のハーモニーの厚み、小音量部の音の数、音が消え入る部分の静寂感など、回転していないものからデーターが取り出されているという「安定感」が感じられます。

ダイナミックレンジも少し拡大し、最大音量部の音量がわずかに大きくなっているようにも感じられます。

USB入力でこの音が出るのであれば、CDの再生でディスクにこだわる必要はないと思います。


試聴後感想

試聴レポートの最初に書きましたが、「最新技術を惜しみなく投入した marantz SA10」と「ノスタルジックな真空管を搭載したAcute Classic」では、全く勝負にならないと考えていました。

しかし、比較試聴を追えた今、その考えが全く違っていたことを知りました。

私自身
「デジタル機器はスペックではなく、出てくる音で選ぶべきだ」、
「デジタル機器の音質のキーポイントは、デジタル回路のスペックではなくアナログ回路の優劣だ」

と何度も書いてきていたにもかかわらず、今回はあまりにも違う「スペックの差」に完全に目が曇ってしまったのです。

SA10 はこの価格でよくぞここまで!と賞賛できる音質です。同じ国産製品で比較するならば、その価格は他社製品の1.5〜2倍くらいに匹敵するでしょう。特に、今回はメカニズム、DAC共にオリジナル化してこの価格ですから、その努力の実現は高く評価されるべきです。

しかし、EAR Acute Classicは「音楽の再現性」において、SA10をあっさりと退けてしまいました。

詳しい音質の違いは「試聴レポート」に記述したので省きますが、Acute Classicは「出力回路にEAR 912をおごっている」あるいは「CDプレーヤーと素晴らしいプリアンプが一体化したモデル」と考えなければなりません。

良質なプリアンプをCDプレーヤーとパワーアンプの間に使うと、音質がワンランクあるいはそれ以上アップすることはよく知られています。Acute Classicはまさしくそういう「プレーヤー」です。

このプレーヤーなら、高級なプリアンプを使わずに内蔵のボリュームを使ってパワーアンプに直結したり、あるいはプリメインアンプに繋いでも、100万円以上のプリアンプを使ってそれらを繋いだときと同等の「響きの良さ」が実現するでしょう。そう考えれば、その価格は思わず「バーゲンプライス!」と叫びたくなるほどの価値を持ちます。

少なくともクラシックやバラードなど、じっくり聞きたい本格的な演奏では、私は SA10 ではなく Acute Classic を選びます。

また、USB入力でもそのアナログ的な雰囲気が味わえる Acute Classic は、SA10 を超えるムードの濃さで音楽を再生したのです。

Acute Classic が SA10 を超えたのは、パラヴィチーニの経験が成し遂げた奇蹟でしょう。

聞かなければ信じられない。聞けば虜になる。それが、Acute Classicの魅力です。

逸品館代表 清原裕介
https://www.ippinkan.com/ear_marantz_sa10.htm
 

▲△▽▼


37 :ヤフオクの詐欺師、denden95でございます。:2008/06/07(土) 16:44:45 ID:w+QT+D9P

EAR はイギリス人のティム・デ・パラビチーニが日本人スチュワーデス吉野をなんぱして、手篭めにしああげく女房にして立ち上げた管球オーディオブランドなのです。

造るやつがエロいので、音のほうもエロいんですが内部の真空管がロシア製なので、エロいアンプが台無しです。


45 : 仙人短 ◆TANPanX3xc : 2008/06/07(土) 17:12:21 ID:UbVbvxUd
>>37
エロいので〜

オーディオにエロさが無くなれば、それはよもや、オーディオではない。
僕等がそれに注目出来る訳は、そこに、理(タナトス)ではなく。感情(エロス)と見ているからです。

魔王「あんたの話も、ようワカランが。つまり?」

閻魔「エロい方が、むしろ正解。オーディオ的には、だけど・・・」

短「閻魔は最近、凄い事言うよね・・・」


58 : 自称ヤフオクのアタナトス帝王、denden95でございます。 : 2008/06/08(日)

EAR MC-4 は買わないほうが良い。あれはティム自身がトランス巻いてないぞ。

どうやら部下にやらせているのだ。

狙い目は初期の MC-3だ。

834P−5 もダメ。5Ωからで2〜3Ωには対応できていないし、下っ端の技術者にトランス巻かせてる。

初期の834P を中古で手に入れて真空管を全て交換するのがベストじゃ。

現行品には手を出さないほうが良い。


859/861/834L/834P/V20 まではティムの本物の手巻きのトランスだ。

それ以降はやめておくことじゃ。

EAR の製品の価値はティムの手巻きのトランスにあるのだからな。
http://mimizun.com/log/2ch/pav/1212015207/


5. 中川隆[-11887] koaQ7Jey 2018年5月04日 07:53:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13084]

Innocent Key 音質と過渡応答と残留ノイズの関係
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


ざっくりとした経験則なのですが、100kHz程度までの信号過渡応答を保つこと、音声帯域を超える領域を含めた全帯域でのランダムノイズを極限まで減らすこと、この2つが特に音質の確保のために重要のようです。

一般論として人間の聴覚は上限20kHzと言われています。サイン波での測定では確かにその通りです。それ以上の高周波は普通に音として聞くことが出来ないということになっていますし、自分自身もサイン波は16kHzくらいまでしか聞こえません。

しかし可聴帯域外に含まれている高調波成分の違いが不思議な事に人間は感じ取ることが出来ており、実は聴覚の限界よりずっと高い周波数を何らかの方法(耳以外の感覚器官の影響も?)で捉えることが出来るように思えます。

たとえばDACの矩形波応答をアナログフィルタで調整すると音は変わって聞こえます。ここで変化が起きている帯域は明らかに20kHz以上の領域なのですが音は変わります。音声信号以外の残留ノイズも同様で100kHz以上の残留ノイズをカットすることでも質感が変化したりします。

オーディオでは実は20-20kHzの挙動だけではなく、もっとずっと高周波まで含めた成分を考慮することも重要だと考えます。一般論とは異なり人間は1MHz以内くらいまでの挙動は音の差として判別できる可能性があるようです。

帯域外ノイズの影響

では上記のように遥かに高い周波数領域の違いを人間がそのまま感じ取ることが出来ているのでしょうか?体感上はそのような帯域でも音質に影響を与えている可能性について書きましたが、それを裏付けるような資料もあります。

ここで指摘されているのはRF(ラジオ周波数)領域の半導体の挙動尾についての話です。この資料によると帯域外ノイズであっても低周波への影響は観測上無関係ではない可能性があることを示しています。

高周波雑音によるアナログICの誤動作に関する研究
http://repo.lib.nitech.ac.jp/bitstream/123456789/433/1/ot0167.pdf

この資料が指摘するように高周波がDCになってしまう現象が起きるとしたら、DCだけではなく低周波のノイズへと変換されることもありえると思います。なぜならRFノイズの変動によって変換されたDCレベル自体も変動すれば、それは低周波の変動となり、揺らぎ方次第では可聴帯域内周波数へのノイズへ変化するかもしれません。

もともとは超高周波のノイズだったものが音声帯域のノイズへと実は変換されて現れる=高周波領域の挙動を聞き取ることが出来る、という可能性もあるわけです。

実際に実験した体感上でも可聴帯域のはるか外であっても現実的には音質へ大きな影響を与えていると感じています。ですがこの資料を見るとその原因は上記のような半導体の性質にありそうです。

「人間がMhz以上の超高周波を聞きとれている」というちょっと怪しい話ではなく、半導体によって高周波ノイズが低周波へ変換されてしまっているとしたら、高周波領域のノイズ差も直接音質に影響を与えることは実は一般的な現象だと言えそうです。

これがどうオーディオに影響するか?といえばたとえばDACの残留ノイズの問題や、ディスクリートとオペアンプの違いに影響があるように思えます。

はっきりとした根拠があるわけではないのですがICオペアンプの音が悪い理由とも何か関係があるような気がします。素子の数が多いほど高周波ノイズを低周波ノイズに変換している等。また超シンプルなディスクリート回路が特性が最悪でも意外と音が良い理由等。

DACの残留ノイズは特にデルタシグマDACは良くないって通説にも繋がりそうな話です。ノイズシェーピングは後段にノイズの影響を与えないならば最良ですが、今回の話を参考にするなら現実的にはそううまい話ではないという話になります。DACにトランスをつけると音が良いという話がありますがトランスは半導体ではないのでノイズが変換されない&帯域が制限される=音質が良いということにもなりそうです。マルチビットDACとデルタシグマDACにトランスを付けてトランスの有無の音質差が気になります。

バランス入出力のピン1問題

意外と見過ごしているかもしれないポイントです。要するにバランス端子のホット、コールド(ピン2-3)以外の部分。シールドとシグナルGND(ピン1)の処理についての考え方です。


こちらはよくあるピン1を信号のGNDとして扱う図ですがこの図は良くないということのようです。


AESではこちらの接続を推奨しているようです。違いがわかりますか?基板上のシグナルGNDをピン1に接続するかどうかが最大の違いです。ピン1を基板のGNDに接続するかわりにケースをピン1に接続、そしてケーブルシールドもピン1と接続します。

考え方としては、バランス信号はホットとコールドで完結しており、それ以外はシールドとして接続するということになります。ケースもシールドですからピン1はケースとケーブルシールドと同等とみなせます。

このピン1を基板上のGNDに接続するとハムの原因になったりシールド経由の外来ノイズが基板に流入したり、各種ノイズ問題の原因になることがあるそうです。

詳しくはリンク先を見てください。

http://www.rane.com/note110.html

Bruno Putzeys氏による文献

だいぶ前から紹介しようと思っていた文献です。正直英語がよくわかる方は下のPDFを直接見てもらうと良いと思います。結構重要な内容だと思います!わかりにくいところは補足もいれています。もちろん自分の解釈も完全じゃないかもしれません。ですが何らかの参考になればと思います。

https://www.hypex.nl/img/upload/doc/an_wp/WP_The_G_word.pdf

実は上記バランス端子のピン1処理の方法についてもこの文章内に記載がありますが、ここで紹介するのはそれではなくバランス回路とGNDの考え方についてです。結構重要な考え方ですし、面白い回路も記載されています。興味があれば原文を見ることをおすすめします。

http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087

この写真には本当に間違ったことがあります。見えますか?あなたがそれを見つけられるかどうか見てみましょう。ここには何がありますか?この図の出力信号は何ですか?私たちは魔法のユニリード電圧計をもう一度出ますか?私たちはこれについて真剣に考えなければなりません。すべての信号は2本のワイヤです。二つを描きなさい。

よくあるオペアンプの回路ですが、これだと「差動信号」の考え方としては不十分ということでしょう。

http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087

それははるかに良いです。我々はスイングに入っている。この回路が行うことは、入力電圧をRf / Riで増幅し、オペアンプの出力ノードとRflが接続されている基準電位との間の電圧を発生させることです。
これはどのように動作するのですか:

Fig9と同じ回路ですが、この書き方のほうがより「差動」を意識した考え方です。

http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


これは、差動増幅器を見る別の方法を提供する。 これは参照トランスレータです。 これは浮遊電圧源のようなもので、好きな場所で参照することができます。 しかし、ここではショックを受けています。逆変換バージョンを構築できる限り、任意の回路に参照変換機能を追加することができます。

うーん、翻訳ではよく意味がわからないですね。分かる人にはわかるかもしれませんがかなりわかりにくい感じです。なので個人的解釈による補足を追記します。

まず入力と出力の電圧信号リファレンスがそれぞれどこになるかを示した図で、入力信号はGNDを基準とした信号としてアンプに入力されますが、Out-で図のように1Vが接続されるとオペアンプの動作によってOut+も1Vになります。

しかし普通のアナログオーディオの回路図ではどちらもGNDで設計することが多いと思います。しかも1V側の端子はFig9のように入力側に近いGNDとして描かれることが多く、Out-出力であると考えることは少ないかと思います。

実際の基板ではどちらもGND点に接続しますが、実は現実の配線では離れた場所にある点が基準となる可能性が高いわけです。現実のOut-側GNDは理想的なGNDではなく抵抗を持つ配線であり、入力GNDと個別に変動しているとみなせます。そうすると図のようにOut+に入力信号と無関係なGND変動が乗ってしまうということです。

ベタアースでも理想GNDではないので場所が離れていれば変動する可能性はありえます。

そしてここではOut-を入力側GNDではなくて差動出力として考えていることが重要です。差動なら後段回路で変動をキャンセルできる可能性があります。逆に差動信号という考え方が不十分だった場合は、Out+に乗った変動は永遠に除去できないノイズ信号です。

http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


Fig11で色々書きましたが、動作をよく理解している方からしたら次の説明のほうがより正確で分かりやすいかと思います。

もともと、 “グランド”と呼ばれるあいまいなノードに結ばれていたノードは、オペアンプの入力をコモンモード信号で過負荷から保護する必要がなければ、どこにでも接続する必要はありません。その場合、実際の場所はオペアンプのデカップリング・キャップの近くのグランド・プレーン上にあります。これは暗黙的にオペアンプのHFリファレンスであるためです。理想的には、この点から差動出力電圧へのフィードスルーはゼロです。そのために自由度があります。

これで適切な差動ペアができました。 1本のワイヤはオペアンプによってアクティブに駆動され、2本目は低インピーダンスのタイによってグランド・プレーンに受動的に駆動され、ほとんどどこでも作成できます。重要なことは、トレース全体がこのような接続を1つしか持たないため、このように変換された次の段階では、フィードバックネットワークと同じノードペアの間で入力が行われることです。磁気ピックアップを最小限に抑え、容量ピックアップのバランスを取るために、常に信号を2本のワイヤーとして配線します。第2のワイヤが別のネットとして扱われることをPCBレイアウトソフトウェアが理解できるようにするには、ゼロオーム抵抗を介してパッシブドライブ接続を行う必要があります。それでもある時点でGNDと呼ばれるものに電気的に1点で接続されています。

http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


このプリアンプを構築する場合は、2つを作成してください。 そのようにして、ボリュームコントロールのA / Bスイッチとして2番目のプリアンプを使用して比較することができます。 高価なハイエンドプリアンプ(ユニティゲインに設定)、この小さなプリアンプ(これもユニティゲイン)、それとソースへの直接接続。 2つのプリアンプの出力のどれが入力信号に最も似ているかを聞きます。 あなたははっきりした経験をするかもしれません。

これは上記の話を応用したプリアンプの例です。非常に面白い回路だと思います。多分MolaMolaのプリアンプはこの回路を使っているのでしょう。時間があったらこの回路にもチャレンジしてみたいです。おそらくですがほとんどの電子ボリュームを使ったプリアンプよりも優秀じゃないかと思います。

でもこれだけで完璧でしょうか?そうは思いません。

今回の話はアンプの動作や部品が理想的で完璧な場合にのみ成立する話だと思われるので、一部には机上の理論でしかない側面も持ち合わせていると思われます。それはまさにこのページの一番上で紹介した帯域外ノイズやアンプのRF動作の問題も含まれるでしょう。

なので現実には理想から遠い部分をどうやって実装上でカバー出来るかが重要となると思います。このまま適当に作ってもよくある電子ボリュームキットよりは良いでしょうが、それだけでは真のハイエンドクオリティにはならないと予想します。

MolaMolaの製品はそういう対策を含めた付加価値を載せていて、その部分で絶対の自信があるからこそ、このような基礎技術を公開しているものと思うべきでしょう。誰にでも真似ができるならmakuaのような高額製品には価格に見合う価値はないと思います。

しかし回路だけ真似しても音質は同じにならない。だからむしろプリアンプの回路を公開してしまう。これはBrunoからの挑戦状のようなものかもしれません。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


6. 中川隆[-11933] koaQ7Jey 2018年5月04日 11:26:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13141]
>>5 リンク訂正

高周波雑音によるアナログICの誤動作に関する研究
https://nitech.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3366&item_no=1&page_id=13&block_id=21


7. 中川隆[-11988] koaQ7Jey 2018年5月04日 16:36:35 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13207]

オーディオデザインのコラム


2010年7月19日 CDプレーヤー(DAC)の本当の実力 -オーディオ30年における悲しい現実-
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=799

これまでジッターなどに関連していくつか説明してきましたが、それではCDプレーヤー(あるいはDAC)の音質を決める主要因は何でしょうか?

その質問に私なりに正直にお答えすると、DACチップ以降のアナログ部の性能特に高周波ノイズというか発振の有無なのです。もちろんジッターも影響しますし、ジッター性能がを極端に良くなるとかなり音質も向上するのですが、高周波ノイズの方が全体の音質を決める上で支配的で、これで全体の音質の半分くらい(あるいはもっと)は決まってしまうと思っています。

高周波ノイズって具体的に何?そんなのあるのか?と思われるでしょうが、実はほとんどのCDP(CDプレーヤー)であるのです。

ここで極端に高周波ノイズ(というか発振波形)が多いCDPの出力波形を見てみましょう

これはあるCDプレーヤーの1KHzの-15dB(最大出力の約1/5)の信号波形です。

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=799

よくわかりませんか?
それでは綺麗にした波形を出してみましょう。

ぜんぜん違う事がお分かりいただけると思います。

上の波形が無処理(CDP出力そのもの)下がCDPの出力の後にLPF(ローパスフィルター)を通した波形です。上の波形はかなり線がゲジゲジしている事がわかると思います。これはなぜかというと余計な高周波成分が重畳しているからです。これは極端な例ですが、多かれ少なかれ高額なCDPでも同様の現象が見られます。つまり高周波ノイズにまみれているのです。


コメント


佐藤 2010年7月22日 5:18 AM より:

いつも興味深く拝見しております。もう四半世紀も前にできたCDプレーヤーと、それに付随するDAコンバーターに、昔ならいざしらず、今でも高周波の問題があったとは驚きです。

巷のCDプレーヤーでは、音質を電気的に改善できないという理由で、特にトランスポート部分に物量を投入し、結果超高価格となったプレーヤーが多いと感じます。
巨大なクランパーでディスクを押し付けるもの。ピックアップを固定してスピンドルを動かすもの。

同じくDAコンバーターも金属のカタマリの筐体で、DAのチップが重要、アナログ出力段が重要、クロックが重要、電源が重要といろいろと言われています。
16bit 44.1kHz のCDの規格を読み取って、DA変換してアナログ出力するだけなのにも関わらず、未だ完全に問題を解決した機種が出て来ないのが不思議で仕方がありません。

オーディオデザイン 2010年7月22日 9:41 PM より:

そうなんです、今でもたいして進歩してないんです。
それには(進歩しない)明確な理由があると考えていますので、その辺も含めておいおい紹介していきます。
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=799


2010年8月3日 CDプレーヤー(DAC)の本当の実力 -高周波ノイズはこんなです(2)-
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=801&

前回CDPの高周波ノイズについて紹介しましたが、100KHz程度なので「こんなの高周波じゃねー」って言われそうですね。
それでは本当の高周波ノイズをお見せしましょう。

これはある50万円のCDPの出力ノイズをFFT解析した結果です。
横軸は0-50MHzです。

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=801&

これすごいですね、もう高周波ノイズがテンコ盛りです。
上図は電源を入れてPauseの状態で出力を見ています。
この状態で電源をOFFにしたときのノイズスペクトルはこちらになります。

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=801&

ですので、観測された高周波ノイズは測定系のノイズではなく、CDP本体が出すノイズだと思います。
順序が逆ですがノイズ波形はこれ

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=801&

10mVレベルのノイズが乗っています。これ結構なレベルですよ。
同じくCDPの電源をOFFにすると

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=801&

これは測定系の残留ノイズですね。

この波形を見てからこの(50万円の)CDPを聴く気になれなくなりました。

え?気にするなって・・・・・・無理です。

コメント


佐藤 2010年8月9日 7:14 AM より:

50万の高級機でも、このような高周波が信号にのっているとは驚きです。
人間が音質としてどのように、この高周波を知覚しているのか、まだ分かりませんが、こういう高周波を含んだCDプレーヤーなら、並列にキャパシターを配置した電線で、音が変わる可能性もあったのかと思います。

オーディオデザイン 2010年8月9日 9:01 AM より:

驚かれるのも当然と思います(私もビックリしましたから)。
高周波ノイズの原因にもよりますが、音質にもある程度影響していると思います。
この辺の帯域になると内部で飛び回りますし、アースを通じて他の機器に伝搬する事もあると思います。
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=801&

2010年10月29日 CDプレーヤーの音質と特性(1)…..家政婦は見てしまった…
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326


最近DAコンバーターをようやく製品化しました。

DAコンバータ(あるいはCDプレーヤー)の音質にはどの様な特性が影響しているのでしょうか?

オーディオデザインなりのDAコンバーターに対する考え方を紹介したいと思います。

まず最初に所有しているCDプレーヤー(CDP)の基本特性について紹介します。

一般にCDプレーヤーあるいはDAコンバーターの基本特性を見ても面白くないですよね、皆同じ様なものですから。

私が最も音質に強い相関があると思っているのは、実は高周波ノイズです。
今回は私が考えるCDPの音質の肝、その辺を紹介することになります。

高周波ノイズはオーディオ帯域の信号を再生し、デジタルオシロで見ると観測できます。

無線と実験誌が行っているのは0dBの信号観測ですが、それでは見えません。
今回-15dBの1Khzのサイン波形を再生しデジタルオシロ(200MHz)で観測した波形を紹介します。(波形の線の太さに着目してくださいね)


CDP-555ESD(ソニー)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326&

ソニーがオーディオに力を入れていた頃(20年前?)のすごいCDPです。15万円で当時の最高峰でした。

私がオーディオに興味を持っていた末期に購入したものです。
このCDPは(当時のCDPとしては皆そうなのですが)いわゆるデジタルくさい音がします。

硬いというか高音がきついというか、ぷつぷつした音というかそんな感じです。
ただ低音の剛性感というかゴリゴリした音がして非常に気持ちいい部分もあります。

波形は凄いですね、高周波ノイズがこれだけ乗っているのは珍しいです。もっともこの波形を見たので高周波ノイズが乗っていると気づいたのですが。
この中高音のデジタルくさい音はLPFを入れると見事に取れます(波形はAV-600並みになります)。そうすると、すばらしい音になります。

ただ残念な事は何しろ年数が経っているのでCDの1割位はトレースしなくなっている事です。


X-30(エソテリック)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326&

エソテリックの波形は悪くありません。音質は力強くやはり低音がゴリゴリ気持ちいいです。

ただこのCDPは高音が結構強く聴こえます。決して耳障りではないのですが例えていうならトーンコントロールでトレブルを2,3dB上げた感じに聴こえます。
なのでシステム全体のバランスによって合う場合と合わない場合があるかもしれません。

1KHzの波形には癖はないのですが、10KHzの波形が結構すごい事になっています。


DV-600AV(パイオニア)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326&

有名なパイオニアのDVDプレーヤーです。恐ろしく綺麗な波形です。
内部構成は何の変哲もないミドルクラスのDACチップ(PCM1742と4580OPアンプ)を使用した回路です。

このDVDPの音質は帯域バランスがすばらしいです。低音が非常にもりもり聞こえ、まるで良質のアナログレコードを再生した様なバランスです。JAZZなんかは聴いていて気持ちいいです。

高音は分解能が無いので音が団子になっているというか、濁るという感じです。(だから低音が良く聴こえるのかもしれません)

SACD も再生できるのですが、これはおまけです。濁ってしまってまるでカセットテープの様な音質です。SACDはおまけですね。


50万円CDP(国産)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326&

数年前までxxグランプリとかで常に 1位だったCDPです。

購入当時はいいと思って使用していましたが、次第に中高音に独特の付帯音(キーンとかカーンとか)が付いているようで気になって仕方がなくなりました。

よく言えば余計に響きが付くので、これを綺麗な音がするという人もいると思います。チョイ聴きでは受けるでしょう。

ボーカルでは子音・サ行がきつく聴こえます(他の良質なCDPを聴かなければわからないのですが)
また低音が弱いですね。がーンと来ないです。

波形を見ると高周波ノイズが乗っていますね。パッシブのLPFを入れると高周波ノイズが とれ、付帯音の様なものも軽減されます。

このCDPは重いです。いわゆるオーディオ界の定説みたいなものはてんこ盛りです。でもそれがまったく音質に効いてないって事ではないでしょうか?
このCDP、ほぼ定価で購入しましたが、いい勉強になりました。

5万円CDP(国産)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326&

安物のCDPです。ESD-555しか持っていないときにSACDを聞きたくて購入しました。音も安物です。

波形は綺麗です、音も綺麗なのですが、なぜか感動できません。
このCDPはDACチップのすぐ後(IVコンバーターの前)にパッシブのLCRフィルターを入れています。

そうすると高周波ノイズは抑制できるかもしれませんが、周波数の高い領域でインピーダンスが上昇するのでDACが理想的な動作をしなくなってしまいます。
回路的に気になる回路を使用していますね(悪い意味で)。

上記のCDPの中でそれぞれ特徴はありますが、ほぼ音質のいい順に並べています。ただしESD-555はパッシブLPFを入れるという条件付です。

上の3つは特に順位が付くというものではなくそれぞれいいという感じでしょうか。
下2つは、高い方は特に価格も考慮すると、とてもお勧めできるものではありません(持っている方ごめんなさい)。

ただCDPの場合はいい、悪いといっても結構微妙な差ですから(SPほどは変わらないので)、その様に読み取ってください。
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=326

2010年12月16日 CDプレーヤーの音質と特性(3)…..家政婦は分析した…
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341&

CDプレーヤーが発生する高周波ノイズについて、音質への影響を述べましたが、ここではさらに高周波ノイズについてさらに詳しく説明します。

一般にCDプレーヤーあるいは DAC が発生する高周波ノイズは2種類あります。
一つは100KHz近辺のノイズ、もう一つは数十MHz帯のノイズです。

まづここでは数十MHz帯の高周波ノイズについてみてみましょう。

これから紹介する高周波ノイズは CDP を PAUSE にした状態で測定したノイズスペクトルです。

測定に使用したのはデジタルオシロで、デジタルオシロ上で FFTスペクトルを計算しました。

また以下の図で横軸は0-50MHz、縦軸は-110dBから50dBです。

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341


1. CDP−555ESD の高周波ノイズ(全体にまんべんなく出ている、凄い)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341

2. 50万円のCDPの高周波ノイズ(強烈なピークがあります)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341

3. DV-600AVの高周波ノイズ(比較的少なめですがピークあり)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341

4. オーディオデザイン DAC-FA0 の高周波ノイズ(目だったピークはありません。FA0の測定時期が異なるせいか、線の見え方が異なりますが条件は同じ(はず))
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341

以上の図を比較していただくと、機種間でかなりの差があることがわかります。
またスペクトルの特徴として全体のベースライン(基底線)が機種によって異なるほか、特定の周波数でピークのあるものもあります。
18MHz と 36MHzあたりにピークがあるものが多いようです。また弊社オーディオデザインのDACは高周波ノイズが 非常に少ないことがわかります。

ちなみに 一番凄いノイズを発生する CDP−555ESD でも前に紹介したパッシブLPFを通すとこうなります。

CDP−555ESD + パッシブLPFの高周波ノイズ(ノイズがほとんど取れている)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341

もうノイズはほとんど取れています。
高周波ノイズはもちろん直接聴こえませんが、これだけ高い周波数ですと機器内を飛び回りますし、信号ケーブル、さらに電源ケーブルを通じても伝播している可能性もあります。
この様なもともとの信号に無い高周波信号はそもそも制御されたものではないので、その振幅、周波数も変動しやすいわけです。
例えば 50MHzの高周波信号に例えば0.01%周波数変動(5KHZ)が生じると5KHZの信号として聴こえてしまう可能性もあります(ヘトロダイン効果といいます)。

ですので高周波だから放置して良いというわけではなく、DACの微妙な音のニュアンスにはこの辺も影響していると考えているのです。
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=341&


2011年2月15日 CDプレーヤーの音質と特性(4)…..家政婦は分析した、の続き…
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=289&

はじめに
前回は数十MHz帯の高周波ノイズを見てもらいました。
この辺はマスタークロック、ビットクロック、さらにはデータから漏れて来たノイズだと思います。
ノイズにはこの辺の高周波の他に、100KHzくらいの可聴帯域の少し上にもノイズが発生しています。
ここでは100KHz帯域のノイズを見ていきましょう。

測定方法
測定方法1KHzのサイン波(-15dB)を再生し、デジタルオシロのFFTスペクトルを観察しました。
前回の「CDプレーヤーの音質と特性(3)」では数十MHz帯の高周波ノイズを見ましたが、この辺はクロックあたりの漏れと考えられます。
ここでみている 250KHz帯のノイズは、信号処理過程で出た副次的な成分で、本来フィルターで取り除かれているべきものと考えられます。

可聴帯域外ノイズスペクトル一覧

1. CDP−555ESD
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=289
特に馬鹿でかいピークはないのですが、100-250KHz帯に小さなピークがたくさんあります。またベースライン(基底)も全体的にやや高めです。


2. 50万円のCDP
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=289
このプレーヤーは 165KHzと 225KHzにはっきりしたピークがあります。

3. DV-600AV
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=289
ピークはないのですが 100KHzを越えたあたりからややこんもり盛り上がっています。高域が濁ってい聴こえることと関係している様に思います。

4. オーディオデザイン DAC-FA0
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=289
特にピークは見当たりません。また高域でもベースラインが低く抑えられておりいい特性です。


以上が比較的低い帯域の高周波ノイズでした。結構出ているものです。
この辺のノイズスペクトルと音質にはやはり相関があって、ノイズが多いほどうるさい音になっています。
また前回説明した数十MHzの高周波ノイズと(あるないという意味では)相関はありますが、機種によってはノイズの有無が帯域によって異なっています。

いずれにしても可聴帯域外のノイズは無い方がもちろん良いのです。
この辺のノイズが多いと中高音がうるさく、何か付帯音が付いた様な音質になります。
その傾向はアンプ・スピーカーなどを良くすればするほどはっきりわかるようになるので(気になってくるので)始末に悪いのです。

弊社オーディオデザインの DAC-FA0 はこの辺のノイズ対策を入念に行っています(たまたまノイズが無いのでは有りません)。
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=289&


ハイレゾ下さーい! はい、”つゆだく”になりますけどよろしいですか? 2016年2月21日
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=2687

最近、ハイレゾ対応のポータブル・デジタル音楽プレーヤー(DAP)を購入してみました。
当初、バランス駆動でデジタル出力も出るものを買おうと思ったのですが、現物をみると大きいのと、バッテリーが1日しか持たないそうなので、気持ちが萎えて、結局3万円くらいの安価でバランス対応なし、デジタル出力無しのベーシックなものをかってみました。

ハイレゾを再生してみると、何の問題もなく 192Hz, 24bit や DSD音源を再生できて、非常に良く出来ている。
特性をちょっと調べて見ると(これは私の癖)、面白かったので紹介します。

http://audiodesign.co.jp/blog/?p=2687

購入したプレーヤーはこれ、プレーヤーとしては良く出来ていて、唯一難点をあげればアルバムの写真をタグ付けするソフトが無いことくらいです(PCソフトが無い)。
音質は悪く無いと思います。特に刺激的というわけではなく、また物足りないというわけでもなく、普通に良く出来ています。

ただ、ハイレゾ音源を再生してみるとなんだか大変なことになっている様です。


CD音源再生時のスペクトル (0-2Mhzスケール)
—CD音源再生時の信号スペクトル
(0−2MHzスケール)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=2687


これが通常のCD音源再生時の信号波形のスペクトルです。これは何の問題ないのです。
(ポータブルプレーヤーはスペアナ50Ωを充分駆動できるので、スペアナにそのまま直結して測定しています)


ハイレゾ再生時の信号スペクトル(0-2MHzスケール)
—ハイレゾ再生時の信号スペクトル(0−2MHzスケール)
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=2687


ところが、ハイレゾ音源を再生すると(96Khzでも192Khzでも)ものすごい高周波ノイズを発生しています。

その高周波ノイズの周波数帯はMHz帯です。

動画プレーヤー
http://audiodesign.co.jp/blog/wp-content/uploads/2016/02/PADwave.mp4


加えて時々発振しているようで、発振波形の振幅は信号波形の振幅よりも大きいくらいです。(トーンバースト波形の様に時々出ているのが発振波形です)

やはり小さい筐体に機能を盛り込んでいるので、いろいろなことが起きているようです。この辺の対策を施したら良くなるんでしょうか?ということで、逆にいろいろと興味が湧いてきました。それに、デジタル出力やバランス駆動に改造してみるのもいいかなと、思っています。

またこのポータブルプレーヤーだけが多量の高周波ノイズを出しているわけではなく、ほとんどの機種で似たような状況になっているのではないかと考えています。

そういえば、弊社のポタアンPEHA-100はノイズのまったく無いアナログアンプですが、展示会などで聴いてもらっていると、まれにノイズが出ているという人がいました。

各自のデジタル音源+DAC などを接続するので、凄い高周波ノイズが出ている場合にアナログアンプを通して可聴帯域にノイズが降りてきているのではないかと思います。

これだけ、あるいはこれ以上にRFノイズが出ているとそういうことが起きても不思議はありません。

ということで、ハイレゾにすると高周波ノイズがつゆだくで(ごはんの量よりつゆが多いくらいに)付いてきますというお話でした。
http://audiodesign.co.jp/blog/?p=2687


8. 中川隆[-12269] koaQ7Jey 2018年5月11日 09:43:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13717]

大型スピーカーはいくら能率が高くても 電源トランスが小さい真空管アンプではドライブできない

EAR-859 は音が良いか? 2009年01月08日
http://bestmusic.seesaa.net/article/112344376.html

左のアンプは EAR-859、特別に開発された真空管を使い、話題になったアンプである。
トランスも職人が一つずつコイルを巻いて作っていると聞いた。
気になる値段は ¥448,000。

この値段が高いか安いかは、個人の関心によって違うだろうが、一般の家電品の値段と比べるとかなり高いだろう。

興味を持った一家の主が買おうとしても、奥さんの理解が得られないかも知れない。
一般サラリーマンの年収が500万ぐらいとすると、その1割近い金額は家計を考えると非常識かも知れない。

筆者はかねがね思っていることに、洗濯から乾燥まで一気にやってくれるドラム式洗濯機があったらどんなに便利だろうと思い、いつか欲しいと思っている。

家電店の展示を見て歩くと、25万ぐらい用意すれば買えると思うのだが、これが高いと感じてしまう。
ところが、EAR-859 の ¥448,000 はそんなことを考えずすぐに買ってしまった。
生活のバランス感覚が狂っていると言われても仕方がないかも知れない。

本題から大分はずれたが、このEAR-859 はオークションで売ってしまった。
すぐに売れたところをみると、フアンは多いのだろうと思った。

パラピッチーニの設計とか、先ほどの新開発真空管とか、トランスとかの雑音(?)に惑わされた感もなくはない。

実際に手にしてみると、物量を投入しているところから、価格競争で優位に立とうとした製品ではないこともわかる。
13W×2という出力は、率直に言って小さいと感じる。

だが、真空管アンプの話となると、真空管アンプは小出力でもドライブ能力が高いという話が必ずというぐらい出てくる。

もちろん、ドライブ能力さえあれば数字はどうでもよい。
やたらに馬力の数値だけは高いが、運転してみると実感がないという車もよくないのと似ている。

結論、売ってしまったのはドライブ能力に不満があったからである。
ドライブ能力だけでなく、音質も試してみた。
先入観として、これで高音を再生したらきっときれいだろうなと思っていた。
それで、私のスピーカーはトライワイヤー接続ができるので、高音にこのアンプを持っていった。

中音、低音にはそれぞれ150W×2のトランジスタアンプを使った。

つまり、アンプ3台でドライブしたわけである。
これは、当初、EAR-859だけで試みたが、とてもスピーカーを鳴らしきっているとは感じられなかったからである。

さすが、アンプ3台でのドライブは余裕があった。
ところが、高音がどうしてもきつくなる。
それで、このスピーカーの個性と思ってあきらめていた。

ある日、実験のつもりで、中音域の150W×2のトランジスタアンプと高音域のEAR-859(13W×2)と入れ替えてみたところ、驚いたことに高音がすごくきれいになった。
その上、スピード感が出るようになった。

何台ものアンプを使ってドライブするとき、高音域にはパワーは必要ない、それより高音のきれいなアンプを使うべきとある。
具体的には、高音域は数ワットもあればよいとされている。

しかし、実際に試してみると、アンプの持つパワーは数値だけではわからないドライブ能力を持っていると感じた。

非力なアンプでは高音が汚くなる(音が暴れた感じになる)し、スピード感がない。
不思議なのは、周波数特性を見ると、20KHzを遙かに超えているのに、高音はストレスを感じ窮屈に聞こえる。

結果的に今の装置で浮気は起こらず落ち着いているのだが、最新のアンプを売り払って、いにしえの名器VICTORのM-L10victor_ml10_2.jpgを2台手に入れて中高音用と低音用に分けてバイアンプでドライブすることになった。

PL-10はVICTORのオーディオが一番元気な時に作られた最後の製品で、中をあけてパーツを見ると、VICTORが力を入れた様子がわかる。

VICTORに限らず、この頃のいわゆるオーディオのバブル期には各社の力作があり、その力を発揮させれば現在でも十分ハイクオリティな音を楽しむことができる。
現在でもというより、この頃オーディオは頂点に達したと言ってよいと思う。

だから、あえて、このころの重量級のアンプの中古を買い使っている人もいる。
決して、安くあげたいからではない。
問題は修理体制である。

メーカーに依頼しても、部品がないと言って断られることがほとんどである。
AMP修理センターとかAMP修理工房では、メーカーに修理不能と言われたものでも、オーバーホールや修理を引き受けてくれる。
部品がない場合は代替部品などを使ったり加工したりして、元の性能に復帰させてくれる。
10万円以上かけてここへ依頼している人もいる。

私の使っているM-L10は3台入手して相互に部品を融通して2台にしたものである。
パワーは160W×2で、フラグシップのアンプとしては驚く数値でもない。
だが、アンプのドライブ能力はパワーの数値だけではないということは、現在お休みしているプリメインで、やはりパワーは同等ぐらい出るものと換えてみると、みすぼらしい音になることからはっきりわかる。

違いは何か?

両者を比較して一目瞭然は電源部である。
空けてみると、M-L10は大半がトランスである。
そのトランスを囲むようにして大容量のブロックコンデンサーが囲んでいる。
トランスだけで15Kgありアンプの総重量は30Kgぐらい。

電源が70%ぐらいアンプの性能を支配するというのが、この頃のVICTORの開発部の文献にある。

VICTORに限らず、このころ競った製品としてはDENON、ONKYO、EXCLUSIVE、LO-D、YAMAHA、ACCUPHASE、SONY、SANSUI、Technics、KENWOOD、LUX、Aurex、などなどの製品に修理代を投入してもそれだけの価値があるものも多い。

これらはオーディオ懐古録というサイトが参考になる。

オーディオ懐古録掲示板
https://jbbs.shitaraba.net/music/11602/

この記事へのコメント


すみません、45万ですか? いまなら半値でもっと優秀なアンプが購入できますよ
そうですVintageです真空管アンプは新品を買ってはダメです!

アンプを買うと思っちゃダメです、巨大なトランスを買おうと思うのです、

50年前の真空管全盛時代50年代〜60年代のアメリカ製管球アンプがお勧めです。

e-bayにたくさん出ていますよ。あ、アンプの自作修理の出来ない人は手を出してはダメです、先生になれとは言いませんが、生徒なら誰でもなれるはず、がんばってください。
Posted by 管球マニア at 2011年02月27日 15:41


管球マニア 様
>すみません、45万ですか? いまなら半値でもっと優秀なアンプが購入できますよ

具体的にはどんなアンプですか?
真空管がおすすめなのですか?

ドライブ能力で難点があると思っていますが、いかがでしょう?
現代のスピーカーでは、ドライブしきれないと思っていますが。
Posted by dolce at 2011年02月28日 15:45
http://bestmusic.seesaa.net/article/112344376.html


▲△▽▼


たこ焼きとオーディオ 2012年03月06日
http://bestmusic.seesaa.net/article/256045958.html

下の写真は、パワーアンプの電源部である。

http://bestmusic.seesaa.net/article/256045958.html

前面に見える円柱状のものが、ブロックコンデンサーで、その奥の四角な箱のようなものが電源トランスである。

この電源トランスだけで15Kgある。
コンデンサーは15000μFの容量のものが4本。

http://bestmusic.seesaa.net/article/256045958.html

この強力な電源がアンプの良し悪しの大半を左右する。
ところで、このようなアンプの電源スイッチを入れると、この大きなコンデンサーにためるための大電流が流れる。この電流を突入電流と言い、このままでは何百Aという電流で端子が溶けてしまうほどになったりする。

そこで、徐々にコンデンサーへ電気をためるようにしなければならない。
つまり、いきなり大電流が流れないようにするわけである。
そして、ゆっくり電気をためた後に回路が動作するようにするわけである。
この説明は、以前に回路図を用いて説明した。

http://bestmusic.seesaa.net/article/256045958.html

アンプのスイッチを入れても、すぐに起動しないのは、電気がたまるのを待っているからである。

徐々に電気をためるためには、回路図にあるように直列に抵抗を入れる。
言い方を変えれば、抵抗が直列に入ることにより電流は小さくなり、動作は遅くなるということだ。

これは、電気回路としては「たこ焼き器」も同じだ。

たこ焼き器にはコンデンサーは使ってないが、消費電力はおよそ1000Wぐらいである。
これは、電源が100Vであるから10Aの電流が流れることになる。

たこ焼き器を電源につなぐと、たこ焼き器は10A要求するわけである。

だから、10Aを瞬時に供給できれば、たこ焼き器はすぐに加熱されるわけであるが、10Aも流せない細いコード(ケーブル)を使うと、ケーブルの抵抗が大きいので、電流は小さくなりあたたまり方は遅くなる。

結局、これはケーブルが細いと、スピーカーからの音の出だしが遅くなるのと同じである。
http://bestmusic.seesaa.net/article/256045958.html

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オーディオ訪問記〜2017・6・8〜 - 「音楽&オーディオ」の小部屋
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e16281b44609e98769590adb619fce87

オーディオを長くやっていると誰しも一つや二つぐらいは「想い出の音」というのがあるはず。

自分の場合は以前のブログにも記載したことがあるが、たしか30代の頃だったと思うが、フラリと入ったオーディオショップで聴いた「CN191コーナーホーン」の音がそれだった。まるで宝石をちりばめたようなキラキラ光る音が音響空間のすべてを埋め尽くしているみたいで、思わず茫然として立ちすくんだ。

「なんていい音なんだろう!」

駆動しているアンプは忘れもしないパイオニアのA級アンプ「M5」(モノ×2台)だった。

もちろん当時は安サラリーマンの身なので、「CN191」は当然のごとく「高嶺の花」だったが、とうとう現在に至るまで縁がなく手に入らず仕舞いだった。しかし、今でも「想い出の音」として脳裡に深〜く刻み込まれている。

そして、このほどようやくその「初恋の人」に巡り会った。

         

奥に鎮座しているのが、その「CN191コーナーホーン」(ヴァイタボックス:オリジナル)である。

しかも、組み合わせられている機器が凄かった。

まずプレイヤーが「927ST」(EMT)。「930ST」ならよく見かけるが1ランク上の「927ST」となると極めて珍しい。中古の相場をググってみると450万円なり(笑)。

          

そして駆動しているアンプはプリアンプがマッキントッシュの「MC22」で、パワーアンプが「MC275」。もちろん、いずれもオリジナル。

           

カーティス・フラーの「ブルースェット」を聴かせていただいたがサックスのふてぶてしい音にぶったまげた!

           

日頃から「フルレンジ」スピーカーのミニチュア的で端正な音の世界に慣れ親しんでいる人間にとっては出てくる音のすべてがカルチャーショック以外の何物でもなかった。

低音から高音までレンジが広くて密度がメチャ濃い感じ。この音ならスーパーウーファーもツィーターもまったく必要ない。

ウ〜ン、参った!

一般的に「いい音」の判断材料とされる「音像定位」とか「奥行き感」とか、「音の艶」などがやたらにチマチマしたものに思えてきて、まるでそういうものを吹き飛ばすかのような「野太さと力感」の勢いにまったく言葉を失ってしまった。

「低音なんか二の次、三の次でいい」と、豪語していたのはいったい誰だ!(笑)

それにしても「MC22」と「MC275」のコンビのオリジナルの純正品を聴くのは初めてだったが、有名なアンプなのでこれまでいろんな噂を耳にしてきている。

どちらかといえば否定的な評価が多かったが、実際に聴いてみるとこの弩迫力はこのコンビしか出せない音だと感心した。その昔、このコンビを称して「ネス湖の怪物だ」(「ステレオ サウンド」誌)と記載されていたが、成る程とようやく合点がいった。

持ち主さんによると、八方手を尽くしてこのアンプを手に入れたものの、音質に不満があったので開けてみたら内部のコンデンサーに国産のものが使ってあってガッカリ。以後、海外も含めてオリジナルのコンデンサーを時間をかけて手に入れすべて入れ替えられたそうでようやく現在の音に辿りつかれた由。

出力管「KT88」についても今や稀少管となった「ゴールド モナーク」ブランドを4ペア完備されているとのこと。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e16281b44609e98769590adb619fce87

可愛い子供を旅に出してはみたものの・・・ - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2017年06月30日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi

昔から憧れのスピーカーだった「CN191コーナーホーン」(ヴァイタボックス)を使っておられるUさん。

       

大のレコード愛好家で使用されているプレイヤーが「927ST」(EMT)、プリアンプがマッキントッシュの「MC22」、パワーアンプが同じくマッキンの「MC275」という豪華メンバーだ。

そのUさんが先日我が家にお見えになったときに、「AXIOM80」の繊細なヴァイオリンの音がいたく気に入られたご様子なので、「よろしかったら71系のアンプが遊んでますので1台お貸ししてもいいですよ。マッキンのアンプにはない音が期待できるかもしれませんね。」と、持ちかけたところ「それはありがたいですね。ぜひお願いします。」というわけで、めでたく話が成立。

この5月に「WE300Bシングル」が1年2か月ぶりに戻ってきたので、随分と71系アンプの出番が減ってしまったのも水を向けた理由の一つ(笑)。

さあ、どのアンプをお貸ししようか。71系アンプは3台あって「171シングル」をはじめ「71Aシングル」、そして「71Aプッシュプル」(ナス管4本使用)といろいろある。

「いずれアヤメかカキツバタ」といったところだが、相手が大物の「CN191コーナーホーン」となると選抜も厳しくなる。

散々迷った挙句、結局「171シングル」を持って帰っていただくことになった。とてもいい音色だし、使ってある真空管は1940年代前後の製造の滅多に手に入らない古典管ばかり使ってあって、何だか最愛の子供を旅に出すような気分だ(笑)。

          

初段管がMH4(マルコーニ:メッシュプレート仕様)、出力管が171(トリタン仕様)、整流管が480(SPARTON)、インター・ステージ・トランス入り(UTC:アメリカ)というシンプルな構成。


さて、2週間ほど経過してから「お返しします。」とUさんがアンプを我が家に持参されたのは去る25日(日)のことだった。

興味津々で「どうでしたか?」

すると、「ヴァイオリンは良かったのですが、どうしても(音を)押し出す力が弱くてイマイチでした。」との率直なご返事。

「そうですか・・・」とうれしさ半分、悲しさ半分といったところかな(笑)〜。

実を言うと、Uさんの使っておられる出力が70ワット近くあるアンプと比べると、力感上ではたかだか出力1ワット前後のアンプが太刀打ちできるはずはないのだが、繊細さと音色の美しさで勝負できるかもしれないと淡い期待を抱いていた。

あのタンノイあたりの焦点のぼやけた低音ならうまくいきそうな気もするが、CN191の引き締まった音とは相性が悪かったようだ。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi


S. Mcintosh MC275 の仕様(マニアル・カタログより)

型式 管球式ステレオパワーアンプ MC275
定格出力 Stereo=75W+75W(4Ω、8Ω、16Ω)
Mono= 150W(2Ω、4Ω、8Ω)
周波数特性 16Hz〜60kHz/−0,5dB

使用真空管
電圧増幅・ドライバー管=12AZ7、12BH7、12AU7、12AX7
出力管 =KT88×4

スピーカー出力端子 1系統×3=4Ω/8Ω/16Ω
入力端子 RCA=3系統

最大外形寸法 幅311mm×高さ203mm×奥行438mm
重量 30.5kg
http://amp8.com/vv-amp/mcintosh/mc275-5.htm

▲△▽▼


音機館ジャズ|オーディオ史に残る名器、マッキントッシュMC275 (文 葛西唯史) 2016/07/11
http://onkikan.com/mcintosh/

今回はオーディオ史に残る名器として、マッキントッシュのMC275を取り上げたいと思います。

MC275以外にも少々触れますが、これらのビンテージ真空管アンプ時代のマッキントッシュを考察すれば、
トランジスター・アンプになってからのマッキントッシュの総体も見えて参ります。

1・マッキントッシュMC275登場の背景

McIntosh275_01
http://onkikan.com/mcintosh/

マッキントッシュは大出力を誇る真空管アンプとして、マランツの#2、#9共々に、1950年代後半から
アメリカ国内を中心に注目をされていました。

1950年代の後半にマッキントッシュ社は、出力管に6L6GCを用いたMC30、6550を用いたMC60を開発、販売していましたが、
その2機種は、群を抜くスピーカーのドライブ能力を有していました。
当時のスピーカーは、オール・ホーン型のものが多く、高能率のスピーカーも多かったのですが、
例えばイギリスのタンノイ・オートグラフ、アメリカにおけるエレクトロ・ボイスのパトリシアン600の様な大きなスピーカーもあり、
そうした巨大なスピーカーを十分に鳴らしきる為には、スピーカーを「箱鳴り」させる必要がありました。

それを踏まえますと、小出力のパワー・アンプでは、「箱鳴り」をさせることができず、スピーカーから
出てきた音楽に生命力を宿すことが不可能でした。

そうしたことから、マッキントッシュ社は巨大なオール・ホーン型のスピーカーを十分に鳴らすことを目的として、
MC30やMC60の様な、高いドライブ能力をもったパワー・アンプを開発し、販売していました。
されど、1960年代に入ってから、スピーカー・メーカーにもアンプ・メーカーにも「コスト」という概念が定着しました。
コストを度外視して製品を作っていたのでは、会社の存在自体が危うくなります。
そうしたことから、製造コストが高いオール・ホーン型のスピーカーは徐々に消え去っていきました。
アンプ・メーカーであるマッキントッシュ社も例外ではなく、コストを度外視して作ったMC30とMC60に代わる
パワー・アンプを開発せざるを得なかったのです。
そこで、マッキントッシュ社はステレオ型のパワー・アンプの開発、販売に踏み切りました。
そして、MC275やMC240と言ったステレオ型のパワー・アンプが登場しました(MC75、MC40という
モノラル機もありましたが、その生産台数は少なかったのです)。
マッキントッシュのライバルであるマランツは、#8(B)を除けばモノラル型を堅持していましたが、
コスト高の為に、会社が行き詰まってしまいました。


2・マッキントッシュ真空管アンプの大いなる遺産

McIntosh275_02
http://onkikan.com/mcintosh/

筆者はMC275を愛器とし、MC30もMC60も使用していたから解るのですが、MC275の方が、スピーカーのドライブ能力は
MC30とMC60より低いのです。

また、整流管を用いたMC30とMC60の方が、音が瑞々しくて良いと思います。
ですが、マッキントッシュ社は、スピーカーのドライブ能力が落ちようとも、音質が落ちようとも、
なかば強引にステレオ・パワー・アンプに切り替えました。

ただ、マッキントッシュ社には、それでも十分なドライブ能力と音質の良さを併せ持った技術があったのです。

それが、ユニティ・カップルド・サーキットという回路なのです。
このユニティ・カップルド・サーキットは未だにその全てが解明されてはおらず、筆者自身もユニティ・カップルド・サーキットに
関するウンチクを語る術がありません。
オーディオ評論家の弁も当てにはならず、多分、ユニティ・カップルド・サーキットを一番解明している人は、
極めて優秀な一握りのビンテージ・マッキントッシュの修理屋さんでしょう。
しかし、これだけは断言できます。ユニティ・カップルド・サーキットとは、極めて効率よく(短時間で)音楽信号を流せる回路である、と。

このユニティ・カップルド・サーキットが、MC275、MC240、MC225と言ったステレオ機にも搭載可能であったことにより、
後のマッキントッシュのアンプづくりにおける大きな遺産となったのです。


3・トランジスター・アンプにおけるマッキントッシュ

McIntosh275_03
http://onkikan.com/mcintosh/

時代は変わり、大方が真空管アンプからトランジスター・アンプへと変更されていきました。

ですが、真空管アンプからトランジスター・アンプへ巧く切り替えられたのは、クォードもありますが、
何と言ってもマッキントッシュになるでしょう。

マッキントッシュ社はMC2300の開発に当たって、ユニティ・カップルド・サーキットにアレンジを施した回路を搭載しました。
すなわち、大出力を保証し、極めて効率よく(短時間で)音楽信号を流せる回路です。

現に、マッキントッシュのトランジスター・パワー・アンプは、他社のパワー・アンプに比べるとNFBを余りかけられていないのです。
また、マッキントッシュがトランジスター・アンプになってもアウトプット・トランスを搭載している理由を簡単に述べます。

マッキントッシュ社のゴードン・J・ガウ氏が言ったように、「音が良いから」、ということがあるのかも知れません。

ただ、某オーディオ評論家の弁による、「アウトプット・トランスを搭載しているから、如何なるインピーダンスにおいても
同一の出力を保証する」、というものは真空管アンプならOTLのものを除けば当然のことであって、的を射ていません。

最大の理由は、NFBを余りかけることなく、大出力と共に極めて効率よく(短時間で)音楽信号を流せる回路を搭載している以上、
アウトプット・トランスにより動作を安定させることを目的としていることにあります。

これが現在までのマッキントッシュのトランジスター・パワー・アンプに受け継がれています。

筆者は、音楽を聴く際に、MC275をよく見ますが、MC275を見る度に、マッキントッシュ社への尊敬の念を覚えずにはいられません。
http://onkikan.com/mcintosh/

VITAVOX CN-191 Corner Horn エンクロージャー:¥483,000(1台、1970年代前半頃)

通称”クリプッシュホーン・リプロデューサー”で知られる最高級コーナー型スピーカーシステム。

クリプッシュ氏の原設計になる音響的にきわめて優れたコーナー型ホールデッド(折り曲げ)・ホーン・エンクロージャーにAK-157、S-2を組み合わせた2ウェイ構成となっています。

低域には38cmコーン型ウーファーAK-157を搭載しています。
大型の強力な磁気回路とキャストフレームに良質繊維をハードプレスしたコーン・アッセンブリーを組合せ、過渡特性の良い低音再生を実現しています。

高域にはドライバーユニットS-2とホーンを組み合わせたトゥイーターユニットを搭載しています。

音質と優美なデザインのエンクロージャーは、熟練した木工技術者による丹念な手仕上げによるものでで、最高級品にふさわしい美しさを誇っています。


方式 2ウェイ・2スピーカー・オールホーン方式・コーナー型
キャビネット コーナー型・ホールデット・ホーンエンクロージャー

使用ユニット 初期 後期
低域用: 38cmコーン型(AK-155) 38cmコーン型(AK-157)
高域用: ホーン型(S-2+CN-157) ホーン型(S-2+CN-481)
その他: ネットワーク(NW-500)

出力音圧レベル(未公表) 100dB/1m 程度

定格インピーダンス 15Ω
再生周波数帯域 20Hz〜20kHz
クロスオーバー周波数 500Hz

最大入力
80W(初期)
100W(後期)

外形寸法 幅760x高さ1,300x奥行684x684mm
重量 115kg
http://audio-heritage.jp/VITAVOX/speaker/cn-191.html
http://audiosharing.com/review/?cat=88


CN-191 CLASSIC “Corner Horn” 復刻版
英国製オリジナル・キャビネット 現行復刻版 販売価格 ¥8,000,000
http://www.imaico.co.jp/
https://audiodripper.jp/vitavox-cn191-used

▲△▽▼


我が、蹉跌のオーディオファイル#01. 現装置 ヴァイタボックス・システム にたどり着くまで


終戦直後、まだ音楽など聴く余裕は我々国民には無かったが、当時レコードといえばSP、若い諸君にはピンと来ないかもしれないが、78回転でぶんぶん回るレコード盤に竹や鉄の針で音を拾い、ザーザーいう雑音の中から音楽を聴き分ける。超アナログの世界しかなかった。

片面の演奏時間はせいぜい5分だから、頻繁に裏返したりレコードを換えたり、とてもじゃないが落ち着いて音楽を聴いては居られないのだが、この時代にはこれしかないのだから、それを特に不便とも煩わしいとも思わず、音楽鑑賞の妨げになるものは何も感じなかった。適応とはそういうもので、より便利なものを知りさえしなければかなりラフな 環境にも人間はちゃんと順応するように出来ている。

アマゾンやボルネオの密林深く住み着いた人々を不幸と思うのは文明(と云っても多寡が知れているが)の中に居る我々 の思い上がりと勘違いでしかない。

我家にも数枚のSPと電蓄があった。

ワインガルトナー指揮する第9もその中にあり、8枚組だから第9一曲聴き終わるまでに16回立ったり座ったりしなければならなかった。
だから滅多に聴くことはなく、その分聴いたときの感動は何時も新鮮だった事を覚えている。

その後 SP から LP時代に移行した
レコードは一気にステレオの世界に突入した。

巷ではコンソール型ステレオが発売され、やがてコンポーネントステレオで自由に機器を組み合わせることが出来るよう になった頃から今迄は極限られた少数の音キチという奇妙な人種が次第に一般化し始め、互いの持ち物に羨望の眼差しを向け合い、電機メーカーと提灯持ちのオー ディオ評論家達の巧みな話術に乗せられ、悲惨な出費をする者が多発した。僕がこの人たちに担がれてこの世界に巻き込まれたのは昭和48年だった。

オーディオ評論家を信用しなくなったのは彼らが異口同音に誉めちぎる JBL のがさつな音に起因するが、それはさておき、その1年後にはVITAVOX(ヴァイタヴォック ス)CN191、Machintosh(マッキントッシュ)C-22、MC-275、MARANTZ(マランツ)10B,TEACのオープンデッキに換わった。

昼はレストランで御飯だけ頼み、塩をかけて食べた。

やがてマッキンのブワブワした音が気になり始め、色々物色したけれども、これといったものに当たらず、ものは試に本郷の小さな新藤ラボラトリーに飛び込んで実情を話すと、答えは明快で、C-22 と MC-275はそういう音なのだと云う。

VITAVOX CN191もオリジナルその儘では低音がぶわつく傾向がある。

「だからお前は悩むべくして悩んでおるのだ。お気のどくなことだ」だと。

そう云うかい。ならば買おうじゃないか。ということになってこの新藤ラボラトリーの アンプを買った。

それにプレイヤー装置は Garrard(ガラード) 301とOrtofon(オルトフォン)RMG309と SPU-A。

ご飯が小盛りになった。それから35年このシステムを持ち続けた。

このシステムで鳴らすレコードの音は一つの完成をみている事は確かで、大概何処の音を聴いても羨ましいと思ったことは無かった。

この35年の間に、オーディオ界はデジタル時代に突入していて今やレコードなどはすっかりCDに駆逐された。しかし断言してもよいが、その現在にあってまだ、CDの音はレコードの音に遠く及ばない。

我家にあったSPの第九をCD化したものがあったので過日買い求めたが、雑音だらけのSPの方が 遥かに音楽的なのに吃驚したことがある。それ以来CDはずっと敬遠してきた。
http://audio-file.jugem.jp/?month=201007

僕がヴァイタボックス・コーナーホーン(Vitavox CN-191)を見付けたのは、当時良く通っていたオーディオ店の小部屋であった。まるで隠すように置いてあったのを目敏く見付け「これを聴かせて欲しい」と云ったら何となく渋っていた。

値段を聴いたら156万円だとどういう訳か渋々答え、「買う」と云うと値が張るのでローン会社の信用がつくかどうか、とまた渋った。

僕の誤解かもしれないが、余り売りたくない様子が見て取れ、ローン会社の信用が付くととても残念そうだった。どうしてだか解らなかったが、このVitavox CN-191は最後のUKオリジナル品と後でわかった。

が、兎も角このVitavox CN-191が僕の部屋に安置された。

素晴らしい音だ、とは残念ながら云えなかった。原因がこのスピーカーを鳴らすアンプやカートリッジその他のレベルが低すぎるところに有ることは解っていた。

色々探した結果、最終的に選んだのはマッキン(Mcintosh C22、MC275)だった。当時最高のアンプだと各誌が誉め讃え、評論家も挙ってこれ以上のアンプは無いと絶賛しているから間違いは無かろうと思ったのである。当時の趨勢はとっくにトランジスタに換わっていたのと、このアンプを手放す人が少なかったのか市場には殆ど出回る事が無く、探すのには時間が掛ったが。

何とか見付けて欣喜雀躍音を出したがそれは酷いものだった。
LAXの真空管アンプよりはスケールが大きかったが音質は大差ない。
僕が評論家に疑問を持ったのはこの時である。

プレイヤーはこれも彼らが絶賛するトーレンス(THORENS TD124)。
アームは矢張り先生方ご推薦のSME3012,
カートリッジはエンパイア(EMPIRE 1000ZEX)。

低音がぶかぶかで、音は出たが音楽にならなかった。

プレイヤーが悪いかと思ってマイクロの、巨大なターンテーブルを空気で浮かし、糸で回す奴に買い替えたが、これは一段と酷い物で空気が漏れてターンテーブルが傾きシャーシーに触れて一周毎にゴトゴト音がした。アフターサービスも最悪で新品の欠陥品は結局治らないまま、正常なものとの交換も無かった。当時力は滅法あったので海に投げ込んだ。売るにも売れないし、付け物は家では付けて居なかったし、バーベルなら持っていたのでもういらない。第一見るのも嫌だった。

だが、音の悪い原因がプレイヤーに有る訳ではなかった様だから、ならば原因はアンプしかない事になる。買ったばかりのマッキンを買い替えねばならんとは不愉快の極みだが駄目なんだから仕方あるまい。

とは云うもののどんなアンプがあるか知っているわけではないし、当てがあるわけでもなかった。しょうがないから当時出版されていたオーディオ機器の総目録を隅から隅まで読んだ。巻末のスペック集は論評なしだったから、そこばかり何回も読み直したが、本から音が出る訳でなし決定打が打てる筈も無かったが、藁おも掴む思いで印象に残ったものを拾い出し、それを何回も見比べて最後に残ったものの音を聴いて確認することにした。

最後に残ったのは「RA1474」 とメインアンプの「124D」だった。
メーカーは新藤ラボラトリーとある。聞いたことが無い。
どうせ碌でも無かろうが音が悪けりゃ買わなければいい。
兎も角行ってみることにした。
http://audio-file.jugem.jp/?eid=4


救世主、新藤ラボ 

新藤ラボラトリー
http://www.shindo-laboratory.co.jp/Front/indexj.html


小さな扉を見付けるのに苦労し、やっと探し当てて開けると狭い階段があって、登り切った所が新藤ラボだった。

音が鳴った。素晴らしかった。

RA1474はフォノ専用のイコライザーアンプ。

124DはWE-350Bプッシュプルのメインアンプで迫力満点、加えて繊細でもあるからVitavox CN-191を鳴らすのには理想的だろうとこの時半ば確信していた。

数日後再度新藤ラボを訪ねた時、体中の全ての輪郭が猛烈にはっきりした人物が入ってきた。その人が新藤さんだった。

新藤さんは好人物であった。嘘を言わず、云った事はやり、出来ない事は云わない人だった。この時の印象は35年たった今でも変わることは無い。メーカーや販売店に有り勝ちな虚飾が一切なく、右だと云ったら左でも中間でもなく徹底して右だから解り易くもあった。

Mcintosh C22,MC275に関してはぼろ糞で、そもそも音全体に締りのないアンプだから、音のバランスを期待する方が間違っている。

「あそう、買っちゃったの」・・・・
「お気の毒」・・・

の一言でちょん。もう少しやさしい言葉はねーのかい。ねーんだなこれが。

RA1474 と124Dはキットで買うことになり週2度程此処に来て自分で組み立てることになった。キットと云っても部品は既に取り付けられており、配線だけすれば良い状態だったから不器用な僕にも出来たのだが、半田鏝と机が用意され、それから一ヶ月半程通った間新藤さんとは随分色々な話をした。

常に明快な人だから解りやすく、物事に対する考え方は良く理解できて、音造りと云うのは要するに人柄だということがこの時良くわかった。

僕は写真をやるが、写真は撮り手の性格が出る。怖いほど出る。
撮った被写体の影に自分が映っているのである。
音造りもやはり造り手の音が鳴っているものだ。

日本人の美に対する感覚は欧米人とはちょっと違って、音でいえば水琴窟や鼓、といった単音に感じ入る様な繊細さを持っている。反面グランドキャニオンの巨大な静けさやナイアガラの爆音の様なスケール感に欠けるところがある。

環境が違うから当り前のことだが、音楽にはこの二つの要素が必要で、新藤さんの音はそれに近かった。最近では新藤アンプは寧ろ海外で注目されているというところが、何やらこんなところにも国情が反映されているようで悲しい。65年の間に我々日本民族が失ったのは、こうした無形の心に拘わる感性ではなかったか。


Vitavox CN-191は見違えるような音で鳴り出した。

結構僕は満足していたが、新藤さんはVitavox CN-191の欠陥を二つばかり挙げ、これだけは直しておこうという事になった。

中高音用S-2ドライバーの裏蓋がプラスティックなので此処で音が死んでいる、従ってこれをステンの削り出しで造り直す。
ネットワークがチャチでここでも音が死んでいるのでしっかりしたものに造り直す。

という2点だった。特性のコイルとオイルコンデンサーを使って造り直し、この2か所の改良で夢の様な音に変身した。
序にスピーカーの内部配線も良質の物に換えた。

これで僕は充分満足だった。有難うを僕は連発したが、まだあった。
これはスピーカーの欠陥ではなく、我家の普請の問題だった。

このスピーカーは部屋のコーナーに嵌めこむように造られていて、裏から見るとだから骨組みだけでがらんどうである。
従って壁が低音ホーンの一部を代用するように出来ているので、理想的な低音を出すには壁がしっかりしている必要がある。我家は2×4の安普請だから、建てるときに気を使って壁に木の板を張り付けていたが充分ではないとのことで、裏蓋を付ける事になった。

これで低音はぐっと締りが付いて、音全体のバランスがぴったりとれた。
序にウーハーを外し、エッジに何やら塗り、乾くとこれで孫の代までエッジがへ垂れることは無いという。

Vitavox CN-191に施した改良は以上である。おそらくこれでVitavox CN-191コーナーホーンの持つ可能性の殆ど全てを引き出すことに成功したと僕は思っている。
新藤さんは何も言わなかったが、おそらく同様に思っていることだろう。それ以降スピーカーについては発言が無い。

これをRA1474と124Dで鳴らし、プレイヤーはGarrard 301のセンタスピンドルを改良してでかいターンテーブルを乗せ、アームにOrtofon RF297に厳選したSPU-Aをチューンアップした眼も眩むようなカートリッジ, という組み合わせが出来上がった。

それから35年僕はこのシステムで音楽を聴いた。オーディオには幾つか頂点があるが、このシステムも一つの頂点だったと思っている。

当然、これ以上の音が存在することを僕は知っているが、果たして家庭に持ち込むに相応しいかどうか聴いてみて疑問を感じたことがあった。


ウェスタンの15Aホーン である。

某所で聴いたがこれは凄かった。
ピアノがピアノよりピアノらしかった。もう桁違いで比較対象の問題ではなかった。

15Aホーンは御承知の通り劇場や映画館用であり、客席は20〜50メートル以上離れたところにあり、且つ天井はビルの数階分の高さがあることを想定して、観客に如何に心地よくしかも巨大なスケール感を味あわせるかという事がコンセプトだったろうから桁違いは寧ろ当然の性能と云ってよいが、それをこの時は距離約4メートル程、天井高2.5メートル程の所で聴いたのだから、それは腰も抜けよう凄まじさだった。

この時ハスキルは正しく男だった。「げー」と僕はのけ反った。僕の大好きなハスキルが。

家に帰っていそいそと僕は同じレコードをVitavox CN-191で聴いた。
紛れもなくハスキル はエレガントな女流ピアニストだった。

ハスキルのモーツアルト、これ程無心で典雅な音楽は無い。Vitavox CN-191ならずともこれがちゃんと聴けるなら、スピーカーは何だっていい。

新藤ラボの音造りは要するにハスキルのピアノをハスキルのピアノで聴かせてくれるのである。

この人に出会わなかったら、僕は未だに迷い続けていただろう。
http://audio-file.jugem.jp/?eid=5


9. 中川隆[-12268] koaQ7Jey 2018年5月11日 09:49:46 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13717]

大型スピーカーはいくら能率が高くても 電源トランスが小さい真空管アンプではドライブできない

ウェスタン・エレクトリックの小出力アンプだけ例外的にドライブ力が有る理由


ウェスタン・エレクトリックは色気より駆動力を重視

ウェスタンサウンドは人の声が良い

 今まで沢山のウェスタンサウンドを聴いてきましたがどのサウンドも一つの共通点がありました、

ウェスタンの音は一言で云うなら音にコクと味が少なくしかも奥に展開するサウンドにはならない、

聴いていると味のない食パンを食べているようなサウンドだ、

また劇場用のサウンドは観客席に攻めてくるサウンドが特徴ですが、以前有名な方がウェスタンの594を持ち込んで試聴会を開いたことがありましたが、ウェスタン特有の音の浸透力に乏しくこのサウンドには魅力を感じなかったのが残念であったが人の声だけは良かった、

 ウェスタンのシステムを採用した劇場を調べますとピンク映画館が多いのがわかった、

なぜならピンク映画館の女性の声は生々しく聞こえないとしらけますね、

特に人気のあった日活ロマンポルノあれは良かった!

 ウェスタンで聴かされる大事な場面での彼女達の声に色気があった、

今思うとウェスタンサウンドは人の声は素晴らしい!
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-036


ウエスタン・エレクトリックという迷路

欧米のハイエンド製品を手にしても満足が得られなかったユーザーは、次に禁断の世界に入り込みます。

ご承知の通り米国の頂点、ウエスタン・エレクトリック(WE)の扉を開くことになります。

この時、この道を歩む人は冷静さを失っていました。なぜならば、WEの機器を使用している環境や背景を全く考慮していなかったからです。

この時代の米国には優れた業務用の機材がたくさんあります。1920年以降米国の優れたエンジニアは通信や映画産業に関わりをもちます。その結果WEのみならずRCAやランシング、アルテック等がすばらしい製品を生み出しました。しかしこれらのポテンシャルが如何に優れていても映画館や大きいホールで発揮されるものです。

少なくとも50畳以上の部屋があればある程度本来の能力を発揮するとは思いますが、こうした恵まれたリスニングルームを所有できる人は例外中の例外ではないでしょうか?

私もかつては、音楽再生ではWE594Aを上回る最高級ドライバーといわれるランシングのドライバーに、ウーファーの最高傑作の一つであるRCAのユニットをダブルで使用しました(もちろんフィールド型ユニットです)。 ベートーベンのシンフォニーをかけると30m離れた隣地のテニスコートで、街の雑音に打ち消されることなく明確に聞こえ驚きました(駆動アンプは300Bシングルで最大出力は7Wです)。

なんと家の中よりはるか離れた外の方がしっかり聞こえるのです。ここにWEの業務用機器の本質があるのではないでしょうか?

多量の空気があって初めて素晴らしく聞こえるのです。

また、現存するこれらの機器で良品は少なく、その上相当高額です。家一軒分をつぎこんでも多くの人はオーディオのターミナル(終着駅)とは感じないようです。 日本人特有の舶来信奉とWEという究極のブランドがそうさせるのかも知れません。
http://www.rrltd.co.jp/rrplaza/episode/vol04.html

個々の機器は小さな原子核反応炉のようなものであり、それが相互に結びつくと、大きな反応体として動作していると想像してみてください。 私自身の体験からいって、反応炉どうしが反応し合わなければ、いかに大型フロアスピーカーでも、ラジカセ並みの音しか出ません。 

デッカアーク型スピーカーを例に挙げてみましょう。 キャビネットに組み込まれているグッドマン社製20cmフルレンジユニットのマグネットは、500円硬貨より少し大きい位で一見非力なスピーカー。 それに極めて小さな出力(1Wそこそこ)のパイ社製ブラックボックスアンプリファイアーを接続すると、50畳あまりのオフィスいっぱいに良質な再生音で満たされるます。 それを一度聴いていただければ、たちどころに反応力というものを理解していただけます。 現代の数百ワット出力アンプリファイアーを使用して低能率スピーカーを駆動するのとは、まったく異なったスタイルで動作しているとしか考えられません。 

ここに電気信号再生の本質的な問題の根源があります。 ヴィンテージオーディオの時代、電気信号の伝達に使われる電流の量は、質的なものを伝える為だけ有れば十分でした。 電気信号という船を浮かべ進めるだけの水量があれば、それ以上必要はなく、それ以上あると、かえって反応力を損なってしまうのでした。 それゆえにむやみな大出力アンプは製造されませんでしたし、必要もなく、当時のスピーカーに接続しても良い成果は決して得られません。 例をあげてみましょう。 今日のヴィンテージオーディオファンであればどなたでも御存じである、WEのトーキー用スピーカーで説明してみます。

WEシアターサプライスピーカーは、基本的に低域、高域にホーンロードをかけています。 そのため巨大なものになり、初期の555レシーバーをフルレンジに使ったシステムでも長大なホーンロードと開口部が必要です。 のちのTA4181Aと594A型ユニットを搭載したミラフォニックシステムは、さらに巨大な仕掛けのものになります。
 
スピーカーは大きいのに、アンプリファイアーの出力はとりわけ大きなものではなく、555レシーバー専用アンプリファイアーであった41、42、43アンプリファイアーでも、今日のトランシスターアンプ出力から考えれば、特別大きな出力ではありません。 そうした比較的小出力で劇場での使用に耐え、なおかつ効果的な広告が可能です。
 
WEのトーキーシステムの中で働いている、電気信号自体の性質が、現代のオーディオとは全く別の力を保持しているのです。 それこそが核反応的な連鎖であり圧縮、拡張と言うやり取りの後に、再生結果として提示されるのです。 ただアンプリファイアーが連結して圧縮、拡張を行っていっても、そのままでは核反応を発生させることは出来ません。 問題は電気信号の圧縮と拡張が、何のために行われているかです。 

今日のオーディオでは、この圧縮と拡張は利得を得る為であるとか、アンプリファイアーの出力の増大として解釈されていますが、この時代のシアターシステムはそうではありません。 それは電気信号の加工に使われたのです。 加工され、可変された電気信号は、アンプリファイアーの出力という船に乗って、スピーカーに送り届けられ確実に爆発します。 しかしこれだけでは核反応爆発力を長続きさせることは難しい。 確実に誘爆させ、それを連続的爆発に導くには、スピーカーを臨界に保ち、いったん電気信号が入ったらそのまま臨界点に達する様にしなければなりません。 

そこでコンシューマーユースホームオーディオとは、全く別の仕掛けを持った機材が必要になってきます。 WEのアンプリファイアーがその大きさの割に出力が小さいのは、ここに仕掛けが施されているからです。 出力より反応力の方に重きを置いたアンプリファイアーだったのです。 アンプリファイアーに限らず、光学式サウンドトラックフィルムの入力から、終段のスピーカーシステムに到るまで、あらゆる個所に反応する仕掛けが仕込んであります。 つまりWEのトーキーシステム全体が反応体の固まりであり、そのシステムブロックの一個一個が原子核反応炉みたいなものです。 こうした仕掛けがあるからこそ、小さな出力であっても大規模な拡声が可能です。 逆にいえばWEのスピーカーシステムの優秀さの証しでもあります。 

およそWEのトーキーシステム全体を見渡し、その反応力の値を考えた場合、もっとも強力な力を示すのはスピーカーです。 WEに関わらずRCAやヴァイタヴォックス、BTH、アルティック等のシアターシステムのスピーカー能率は大変高く、標準的には1W入力あたり105〜110 dbほどになります。 これはコンシューマーユースのものと比べればかなりの高能率であり、音圧も出るのですが、それはあくまで1W入力時の話です。 劇場で使用する際は、もちろん1Wで済むはずがありません。 当然もっと多くの入力信号を送ることになりますが、さて、ここで能率と音圧の秘密をお話ししなければなりません。

WEのトーキースピーカーは、入力信号の上昇に対してリニアに追従して働きます。 入った分だけ音圧が大きくなるのです。 なんだそれは当り前ではないかと思われるかもしれませんが、失礼ですがそう思う方は真のトーキー用スピーカーの何たるかを知らず、ちゃんと聴いたことが無い方です。 何故ならWEだけでなく真のトーキー用システムが、圧縮、拡張、反応力の三つの力を総動員して、核反応力を発生させたなら、人間はそのすさまじい音圧にリスニングルームに座っていることすら不可能です。 トーキーシステムとはその様なものです。

 スピーカー自体の入力信号に対する変換効率、能率がコンシューマーユースのものとはまったく別物であることを意味しています。 WEトーキーシステムにとってスピーカーの能率とは、再生音における最低保証値であり、1W入力−105/110dbという値は、アイドリング時のエンジン回転数と同じ状態にあるのです。 

ところがこの値はコンシューマーユースにあってはこの値はむしろ、最大音圧レベルに近いものであり、これを考えると両者のIW入力−105−110dbという値は業務用の場合は最低値を示し、コンシューマーユースは最高値であると言うことになります。 そして反応力という立場からみると、両者の能率、音圧レベル特性値とは、1W入力に対する反応力の値であるということに思い当たります。 これがマジックです。 

私達はこのことを知らずに来てしまった。 

確かに能率という面から見ればシアター用スピーカーは1Wでも鳴ります。 しかしそれは反応力がなければ、ただ鳴っているだけです。 シアタースピーカーシステムを鳴らすには、たとえ1Wでも確実に核反応を発生させるアンプリファイアーでなくては、シアタースピーカーの真の能力を示すことは出来ません。 しかしシアタースピーカーを家庭で使用する場合、そのほとんどが核反応力が殺されているのが現実です。 そうでなければ、すさまじい音圧レヴェルでレコードを鑑賞することになり、これは劇場かそれに準じるスペースを確保されている方にのみ許されることです。 

たとえ、そうした空間で映画を上演するならまだしも、レコードを再生するとなると、それは家庭で鑑賞するために制作されたレコード本来の音質とは程遠いものであるのは、ユーザーご自身が良くわかっていることでしょう。 それでは反応力で動くスピーカーが、他の様式で動作して生み出される再生音は、どうでしょうか。
 
シアターサプライ用システムを開発した会社は、家庭での音楽の繊細な表現に用いるためのコンシューマーユースも研究開発しました。 シアターシステムを家庭でそのままレコード再生に使用するとなると単なるPAにすぎなくなり、ホームユースオーディオシステム全体が難聴患者のための拡声機となってしまいます。 したがって転用するにあたって、シアター用とはまた異なる仕掛けが必要になってきます。 特にフォノイコライザーとその後のラインプリに重きを置き、多種多様な可変機能を付属させていきます。 それはレコードという音楽媒体に対して反応させるものです。 一時流行した入力信号を可変させないプリアンプが、大出力パワーアンプと組み合わされた時、拡声機的な再生音となることを思い出していただきたいのです。 

こうした拡声器的再生音は、ヴィンテージ時代のハイフィデリティではまずありえないものでした。 信号とは可変されるもの、というのがポリシーだったからです。 

それではここでシアターシステムスピーカーを汎用転用して、ホームユースとして製造されたモデルについて書いてみましょう。  これらの品は生まれはPAですが、ホームユース品として販売され、なおかつ評判も良いスピーカーシステムです。 米国JBL・ハーツフィールド、パラゴン、エレクトロヴォイス・パトリシアン、英国ヴァイタヴォックスコーナーホーン型等がざっと思い当たります。 アルテック、A7、A5を入れなかったのは、これらは完全なPAであるためです。 又独オイロダインもPAの部類に入るので書きません。 

上記のスピーカーシステム群における共通点は、クリップシュ型の変形コーナーホーンを採用していることです(パラゴンはフロントロードですが。 これらのスピーカーシステムは、一見1Wあたりの入力をコンパクトなボディで、シアターシステム並の音圧レベルを得る為のものにみえますが、実際にPAとして使うと問題が生じます。 PAにとって必要欠かさざる音の到達距離がより短いのです。 確かに家庭用としては他の形式のものより、格段に音は飛びます。 しかし、純粋なシアターPAと比べるとかなり落ちるのです。 

私はこれを試したことがあります。 アルテック1570Bアンプリファイアーで音圧レベルは小さな劇場並みで実験したのですが、10mまではヴァイタヴォックスコーナーホーンもロンドン・ウエストレックスホーンシステムも、音圧と浸透力いずれも変わりません。

 15mを過ぎると途端にヴァイタヴォックスの方が落ちてきて、20mを過ぎると完全にウエストレックスによる再生音が到達してきます。 これは1570Bの入力ボリューム目盛6くらいのポジションでのことで、ゲインをもっと開放するとその差はさらに広がります。 これがクリップッシュ型コーナーホーンの特性で、ハーツフィールド、EVパトリシアン、英ヴァイタヴォックス各社が、コーナー型クリップッシュホーンを用いたのは、業務用機のPA臭を取り除き、ホームユース用に仕立てる為、絶妙なる仕掛けを仕込んだからです。
 
これらはいずれもコーナー型である為、中高音用ホーンがリスナー正面に向くことはなく、中高域を反射させてきつくなるのを避けています。 それでもコンプレッションドライバーの再生音は、他のコンシューマーユースのモデルと比較すれば相当エネルギーは強いのです。 そこで製作者は、中高音ホーンをキャビネットでカバーしたのです。

 ヴァイタヴォックスコーナーホーンや、EVパトリシアンの中高音ホーンがキャビネットに内蔵されているのは、ただ全体としてのデザインを考慮しただけではなく、それなりの理由があります。 ヴァイタヴォックスコーナーホーンの中高音カバーを取り去ると、再生音は途端にPAくさくなります。 そして低音ホーン開口部面積と、中高音ホーンの開口面積比率にも念入りに計算された意味があります。 中高音ホーン開口面積に対し、低音ホーンの開口面積はかなり大きくなっており、それはとりもなおさず、ホームユース的に豊かな低音再生を狙ったがゆえなのです。
 
反応力という観点から見れば、反応力自体をコントロールしていることにもなります。

 それは事実であり必要なことでもあります。 ホームユースは最大音圧というものが限定されているからです。 それは慎重に製作者側の意図する所によって音響デザインされており、シアター用スピーカーをホームユースに使われる方がしばしば陥る音優先のシステムとは異なるのです。 なぜなら、これらのスピーカー群はレコード再生に必要な音色とゆたかな音楽性を備えています。 全ては有能なエンジニア達が音楽の為に考案製造したシステムであり、反応力の抑制は音楽の女神へ捧げられた供え物でもあったのです。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51748646.html
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51749181.html
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51749261.html

振動系は軽く帯域を欲張っていないスピーカーが良い


部屋の大きさやスピーカーの能率によって必要なアンプの出力が違ってくることは当然です(スピーカーの能率が10dB/m違えば、同じ音量を得るのにアンプの出力は10倍違う)

昔のスピーカーは、振動系が軽く、低音を出すためには大きなエンクロジャーに入れないといけないようなものが多かったのですが、同じ口径のユニットであっても、今日のユニットは振動系を重くしてボイスコイルのインピーダンスを下げること、ストロークを大きく取ることで、小容積のエンクロジャーでも、ある程度しっかりした低音が出てくるような設計が多くなっています。

その結果、アンプの駆動力に寄りかかるようなスピーカーが多くなりました。まず、能率が低いこと、インピーダンスが低いこと、ネットワークが複雑化しその結果、周波数−インピーダンス曲線のうねりの大きいものが増えて、ダンピング・ファクタが大きくても10程度で出力が10W程度の管球シングルアンプでは充分にドライブしきれず、スカスカの音でしか鳴ってくれないものがあり、大出力で低インピーダンス負荷に強く、ダンピングファクタも大きなソリッドステートアンプの方が鳴りっぷりが良いスピーカーが多くなっています。

アルテック604−8Gのような古いユニットでは、低音を充分伸ばすためにはバスレフでもかなり大きな箱が必要で、38cm口径のユニットが入るエンクロジャーも必然的に大型となります。

    

自作620Aもどきに入ったアルテック604−8Gウーレイ仕様


ミスマッチの状態では、良い音は得られない

管球アンプが好きでいろいろおやりになっているのに、使っているスピーカーが管球アンプに不向きな機種だったら、それこそ泥沼です。でも、そういう人をみかけます。アンプとスピーカーのマッチングは重要です。アルテック/ウーレイ604−8Gの入った620Aもどきのスピーカーは、わずか2W程度の出力しかない6EM7ロフティン・ホワイトアンプでも充分な音量が得られ、もっとグレードの高いアンプと聴き比べさえしなければ、結構満足のいく音で鳴ります。

しかし、この6EM7ロフティン・ホワイトアンプは、能率が90dB/mもないソナス・ファベール コンチェルティーノを充分に鳴らすことはできません。ソナス・ファベール コンチェルティーノは、もっとドライヴ能力があって出力の大きなアンプが欲しいです。

10W弱の出力の自作300Bシングルで何とか鳴る感じで、30W程度の出力がある三栄無線845シングルや自作F2a11プッシュプルだとそのウーハーが一回り口径が大きくなったような低音が出て、かなり鳴りっぷりが良くなります。

逆に、アルテック/ウーレイ604−8Gの入った620Aもどきのスピーカーは能率が高いので、出力が小さくてもS/Nが良く高品位な音のするアンプのほうがマッチングが良く、残留雑音が2mV程度ある三栄無線845シングルでは、深夜に至近距離で聴くのにはハムが気になって音楽を楽しめません。

アルテック/ウーレイ604−8Gの入った620Aもどきでは、至近距離で使う場合にはアンプの残留雑音の許容は0.7mVぐらいまででしょう。
http://www.geocities.jp/asd2251sxl2001sax2251/speakerfortubeamp.htm

スピーカーの能率

■能率の低いスピーカーは鈍感でボロいものしかありませんから、騙されてはなりません。

■80dB台の低能率の「ボロい」スピーカーなどに数十万円も支払っていてはなりません!

■高能率スピーカーはレンジが狭いなどというデタラメがあちこちに書き込まれています(要注意!)。


■スピーカーの能率(最重要・基本中の基本)

スピーカーの能率は、オーディオの最も重要な基本事項であって、まず最初に知るべきことです。スピーカーには、「能率」という表示がされています。それは、「dB」という単位で表示されています。

ごく普通の能率のスピーカーは、その能率は、90dBくらいでしょう。ヤマハのNS1000MやNS10Mあたりのスピーカーで、能率90dBです。

年齢50代以上の経験豊かなマニアのかたの大半は、スピーカーの能率につきましては、知っておられます。30代以下のかたのほどんどは、その逆で、何も知らないことが大半であることが分かりました。ごく初歩の基本すら知らないということは、非常に危険です。


■スピーカーの能率の計算方法(最重要)

能率が3dB違いますと、音量が、2倍違います。87dBの能率のスピーカーは、能率90dBの、NS1000Mに比べて、同じワット数を入れても半分の音量しか出ません。逆に、能率93dBのスピーカーは、同じワット数を入れても、能率90dBのYAMAHA NS1000Mあたりのスピーカーの、2倍の音量が出ます。

さて、ここから先が重要です。能率が6dB違っていますと、2×2=4倍違います。9dB違いますと、2×2×2=8倍の音量の差になります。

アルテック(Altec)A7、A5というような往年のプロ用スピーカーを例にします。世界中のコンサートホール、映画館用のスピーカーで、今も、あちこちのホールで使われているものです。アルテックA7、A5の能率は、105dBにも及びます。90dBと比較すると、15dBも違いますから、3dBが5回分です。能率90dBのスピーカーとの音量差は、32倍です。能率の計算は、2×2×2×2×2です。

32倍も音量が違うということは、能率90dBのスピーカー、YAMAHA NS1000Mで、100Wのアンプを使わなければ鳴らせなかった場所でも、能率105dBのスピーカーさえあれば、たったの3W程度で、同じ音量で鳴るということを意味します。

スピーカーの品質、能率は、時代とともに、どんどん落ちているかのようです。ひどいスピーカーですと、能率がたったの84dBしかない小さなスピーカーが、50万円や100万円近い値段であったりします。その84dBという能率と、105dBという能率で、再計算してみます。

2×2×2×2×2×2×2=128倍の音量差です。

能率84dBのスピーカーで普通に聞くのに、50Wのアンプが必要だとします。能率105dBのアルテック A7、A5というようなスピーカーには、たったの、0.4Wのアンプがあれば十分です。1Wもいらないです。

さて、この話には先があって、さらに面白くなります。1930年代頃のWE(ウェスタンエレクトリック)の38センチや46センチ口径などのフィールドスピーカーというような類のスピーカーの能率は、実に、115dBもあります。こればかりは、あまり知られていません。

115dBー84dB=31dBの能率差です。

2を10回かけた数字より上ですから、1024倍よりも上で、1200倍くらいでしょうか。仮に、3万ワット×2のステレオアンプがなければ、84dBのスピーカーでは、武道館でのコンサートは出来なかったとします。しかし、能率115dBのフィールドスピーカーを持ってくれば、たったの25W×2のステレオアンプで、つまり、クラウンD45で、武道館ですら鳴らせるということを意味しています。コンサートホールだから大きなアンプが必要なわけではなく、スピーカー次第、全くもって、スピーカーの能率次第です。

数字が大きすぎて分かりにくいかもしれません。能率84dBのスピーカーに100Wのアンプをあてがうとします。115dBのフィールドスピーカーに、0.083Wのアンプをあてがうのと、全く同じ音量です。0.1Wもいらないことになります。

このことを知っているか知らないかによって、アンプの選択は、根底から変わってしまうと思います。スピーカー次第で音量が簡単に100倍以上、場合によっては、1000倍以上も違ってしまうのですから、50Wのアンプか100Wのアンプかなどという選択など、まったく無意味であることは、誰にでも分かることです。

また、能率90dBのスピーカー、ヤマハのNS1000Mなどで10Wもあれば十分過ぎるほど十分な爆音が出ます。したがって家庭での使用に300Wや500Wなどのアンプなどは、全く不要であり、音も悪いので、使う意味があるとは思えません。

ただし、能率115dBというような、WE(ウェスタンエレクトリック)のフィールドスピーカーの本物は、あまりにも高性能過ぎて、非常に危険なものであるうえ、非常に高額です(誰が本物のF1マシンを運転できましょうか?)。絶対に近づかないでください。あまりにも鋭く敏感であるゆえ、セッティングできるはずがありません。この種のものを使い切るには、クラウンD45など、プロ用の中でも、小型の、超高性能アンプが、まず第一に必要ですが、それだけでうまくいくとは思えません。近づかないほうが無難です。

オーディオやスタジオモニターには、100dBくらいの超高性能ではあるが、危険というほどでもないという程度のスピーカー、100dBというのは、そのギリギリのラインですが、そのあたりこそが理想的でしょう。

ボロくて高額というようでは、お話にならないのです!!


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これより先は、「お客様の声」とします。
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Aさんのコメント: WE社の本当の技術力! 

Subject: WE社の技術力

貴社のサイト上にて度々紹介されている「ウエスタン・エレクトリック」という会社がいかなるものか、非常に興味が出て来た為に調べてみましたら○○○○○○○で以下の様な記述を発見致しました。

「1929年ごろ、ウェスタン・エレクトリックは映画館の音響システムの製造も行っていた。ウェスタン・エレクトリックの Universal Base は、サイレントの映写機しかない映画館でトーキーを上映できるようにするシステムであった。また、映画館用広音域ホーン・スピーカーも設計している。これは効率が高く、3ワットのアンプで映画館全体に音を響かせることができた。当時、高出力のオーディオ用真空管はほとんどなかったため、この開発は重要だった。」

・・・ハッとしました。
「3ワットのアンプで、映画館全体に音を響かせることができた」

ウエスタン・エレクトリック社のスピーカーの能率がいかに高かったものか、心底思い知らされました。また、それと共にプロケーブル様がおっしゃる「スピーカーの能率の重要性」が「基本中の基本」であるかも再認識致しました。「まったくもってスピーカーの能率次第」・・・まさにおっしゃる通りです。

現状のオーディオメーカー各社のホームページにてどのスピーカーを調べても、せいぜい高くて能率は90dB程度にとどまっています。
それに対し、貴社のサイト上で見かける記述では「ウエスタン・エレクトリックのスピーカー能率は115dB」(アルテック?間違いでしたらすいません)音量差は500倍以上です。

アンプの増幅デバイスが真空管からトランジスタへと変わり出力ワット数が飛躍的に高まりました。本来それはそれとしてスピーカーの能率は下げるべきでは無かった所を、アンプの高出力化=アンプの高性能化という「勘違い」もしくは「メーカーにとっての、都合の良い解釈」により、コストダウンの為スピーカーの能率は下げられてしまったとしか考えられません。

結果、高額なだけの「ボロいゴミスピーカー」ばかりが溢れかえってしまっているのが現代なのでしょうね。

「デジタルは音質劣化が無い」という文句と同等に、「アンプは出力が高ければ高いほど性能が良い」という様な文句もオーディオメーカー内では「邪教の念仏」としてはびこってしまっているのではないかと推測している次第です。

「アンプのワット数の違い=使用用途の違い」であり、アンプのクオリティの差では無いという事をメーカー各社は再認識すべきではないかと考えます。

耳に届く音量は能率の高い低い関係無く同じにする事は出来るかと思いますが、その出音の「内容」はやはり能率が高い方が有利なのでしょうね。


プロケーブル注:)素晴らしいコメントをいただきました。まさにこの通りです。

90dBと115dB、この数字はおそらく300倍くらいと思います。
80と115ですと、もうとんでもない事になって、3000倍!くらいの違いになります。


1Wのアンプと3000Wのアンプで同じ音量?? 

誰だって、「ふざけるな!!」とまで言いたくなるような、そこまでの事でしょう。

しかし同時に他のページでも書かせていただいている通り、能率の高過ぎるスピーカーは扱うのが非常に危険でデリケートです。そこまで高くては普通は扱えませんので、多くとも100dB前後を限度にしたほうが安全と感じています。アルテックともなると100を完全に越えますので、すでに完全なる危険領域です。


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Aさん再登場!:

Subject: サイト掲載御礼

我々の世代は、自分で金銭を稼いで自分でオーディオ機材を買える様になった頃、アンプの増幅デバイスは既にトランジスタ全盛。アンプの高出力化をいい事に民生オーディオメーカーがスピーカーの性能を既に下げてしまった時代です。

私個人の見解としては真空管はごく一部のもの好き(失敬)な人向けの物くらいの認識でした。

またアンプの出力は2ケタワットで当たり前、スピーカーの性能は再生可能な周波数範囲で決まる、という価値基準でした。それらを高らかに謳っているオーディオメーカーのカタログしか見た事なければ、誰もが間違いなく同じ様な認識となって しまう事は無理の無い事かと。これがまさしく、知識のない消費者へのメーカーによる「洗脳」ですね。

プロケーブル様が推奨される「SR用スピーカー」ですが、以前お伝えした様に私は かつてバンド活動を盛んに行っておりまして、ライブハウスなんかではその類のスピーカーを良く目にしており、また、その出音も知っていたつもりでした。

「音楽を流していない時は常に「サー」という音がする、ノイズの多いスピーカー」

と捉えていました。 今にして思えば、スピーカーの個体差もあったかも知れませんが、この様なノイズは

「感度が高い故に、わずかな電気信号のノイズまでも耳に届くレベルにまで拡大していた」

という事なのでしょうね。もちろん、その他の機材のアナログケーブル・電源ケーブルから伝わってくるノイズなど複合的要因の結果が「サー」音の原因と思われますが。

だからこそ、オーディオにはまずもって「電源」「電源ケーブル」が大事という事であると今では認識しております。電源類の重要性は「電気信号を忠実に再生する、性能の高いスピーカー(言わば、スピーカーとしての本来あるべき役割を果たせるスピーカー)」・・・高額なだけのオモチャではない「真のスピーカー」に対してこそ、 活きてくる事でありましょう。

能率の低いスピーカーでは「わずかな」電気信号のノイズを感知する事自体が夢の また夢で至難の業=音声信号に対しても鈍感、なのですね。


プロケーブル注:)ミキサーの使い方を一つ間違えると、コンサートホールやライブハウスなど大音量で鳴らす場所では、このかたの言われるような「サーッ」というノイズが入ります。結局、SN比が悪い場合です。このかたの言われている要因もあるでしょうが、まずは、SN比です。

これはミキサーの0dB管理を徹底して行う事により、かなり静かになります。

が、家庭ではそこまで大音量にしませんので、SN比が悪くとも気付かないケースが多いのです。で、最良の音になっていないケースが発生します。ミキサーを購入されたかたは、まずは説明書を読まれて、0dB管理、つまりミキサーに付いているメーターの使い方をしっかり覚えられてください。

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プロの中のプロのレコーディングエンジニアが低能率スピーカーを斬る!

これは鬼門コーナー61番、マイクの使い方の最終回答(検証中に)登場してこられた熟練のレコーディングエンジニア、関井さんというかたから低能率スピーカーをモニターに使った際の現象などの実例を報告いただいたものです。


プロケーブル様

○○○のスピーカーはモニターには不適切です。

音の輪郭は出ていますが音楽の表現が薄い状態です。

理由は簡単で能率が88dbのスピーカーでは音楽の微妙なニュアンスは表現出来ておりません。

その具体的な例を書きます。

高能率のスピーカーでは例えばリバーブの消えて行く様子が最後まで聞き取れますが、低能率のSPではあるレベルまで小さく成るとストンと消えてしまいます。
そうとう大きな音で再生しなければ繊細で微妙な弱音まで聴こえず、大きな音は部屋の影響も大きく、多くのその他の問題が生じます。

○○○の持ち主は皆さん大きな音で聴いています。
決して悪い物ではありませんが、値段を考えると、全面的に無条件に相談を受けた場合に推薦するとは限りません

個人的な意見としては私はモニターとして使用しません

ただニアフィールドモニターはあまり能率にこだわる必要はありません、距離が近いので解像力が高ければ能率が低くても上記の問題は生じません。

今回、貴殿に送ったCD「b-flat」高能率のSPと低能率のSPでは聴こえ方が全く違います。ぜひ同じ音量で聞き比べして下さい。
Moon Cold Studio 関井久夫

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Bさんのコメント: 能率88dBのスピーかーでは、本当にダメだった!

メールのタイトル:「能率の違い」これほどとは…。

実は、小型スピーカーを「○○○○sch ○○-51?」に買い替えまして能率の違いに驚いているところです。

今までは88dbでしたが、今度は92db。
その差は4db。
音量の差もさることながら音の濃さが全然違う。
88dbでは「リバーブが消える。」と書いてあった記憶がありましたが、まさにそうですね。

ネットで見た「スピーかーの能率の差」という事で面白かったのが、低能率のスピーカーでは「さっきの音は無かった事にしておこう。」とありました。

つまり、その情報に音として反応出来ない。
低能率スピーカーはまさに鬼門ですね。

聞き比べると、全く面白くない。全然音楽じゃないです。ゴミというのがよくわかります。

スピーカーの能率が90dbを超えないとアンプの性能の比較は出来ないんじゃないでしょうか?

88dbという低い能率のスピーカーですと音が薄くて判別が難しい。92dbあると細かい音がよく出ます。
非常にリアルで、分解能力にアンプの限界すら感じます。

個人的には「○○○○sch ○○-51?」は良いスピーカーのように思えます。
と言うのも、慣らし(エージング)が2.3時間も鳴らせば十分だからです。とにかくウーファーが軽い。

とにかく、出てくる音が段違いで楽しいです。
これは非常に貴重な体験でした。

○○ ○○


プロケーブル注:)当店もスピーカーの性能差を分ける基準は、90dB以上か、未満か、というところで、ラインを引いています。そのあたりが、高性能とゴミとを分ける基準でしょう。

ただ、小型スピーかーのところで、当店が記述している通り、音楽というのは、ラジカセ的、AMラジオ的に楽しむということが、本当に貴重な体験として、貴重な趣味として、あるのです。むしろそのほうが良かったりもするくらいですので、分かっていたうえで、88dBのスピーかーを使われるには、それでいいでしょう。
http://www.procable.jp/setting/03.html


エジソンが出た直後から米国には、「WE」(ウェスタン・エレクトリック)という会社が登場しています。途中で社名をルーセント・テクノロジーに変えており、米国では、一種の謎めいた、帝国的な存在になってしまいましたが、今もそれは伝説的に、「WE」(ウェスタン・エレクトリック)と呼ばれています。

50年も60年も前の「WE」(ウェスタン・エレクトリック)の真空管アンプは、とてもタフで、今も映画館などで現役で使用されており、それが放出されると、200万円だの、状態の良いものですと、それ以上の値段で取引されている代物です。勿論、音が素晴らしく良いから、その値段が付くものですが、60年前の骨董品のようなプロ用アンプに、民生用のどれを持って来ても、到底かなわないという事実が、面白いと思います。それは、スピーカーケーブル一つとっても、全く同じ現象が起きています。
http://www.procable.jp/products/replica_we18.html


■WE(ウェスタンエレクトリック)の、最高峰の真空管アンプにつきまして

60年から70年前の、WEの真空管アンプが、今でも、どのような民生用アンプをも越えていることは事実です。なぜそうなのかは、それが往年のプロ用のアンプだったからに他なりませんが、その後トランジスタアンプが出現し、最初にそれを使ったプロのかたがたは、トランジスタのものは使えないと、結論づけてしまいました。

「WE」(ウェスタン・エレクトリック)の音とはなんぞや、ということについては、実態が良く分からないかたもおられると思います。

それは、ハイエンドオーディオの世界とは全く別の次元の世界であり、レースで言えば、F1級の世界であり、そこにおられるかたがたは、まさしく「僧侶の修行」というような様子を呈しておられるかたがたが多いと、証言させていただきます。それは悟りにも近い世界であるがゆえ、我々凡人では、まかり間違うと、人格さえ崩壊しかねない世界ですので、その種の次元のかたにしか存在できない世界であると言えます。したがって、おおざっぱではありますが、どなたにでも、こう言えます。

「WEの世界には近づかないほうがいいです。」。

それは刀で言えば、戦国時代の妖刀さながらの危険なものです。「妖刀」は、使い手次第では、己自身を斬ってしまいます。

「フィールドスピーカー」というWEの1930年頃のスピーカーは骨董品どころか、現代のスピーカーなど、おもちゃ同然で全く問題にもならないほどの、F1級のものです。スピーカーだけは、昔のもののほうが圧倒して優れていて、能力が、「月とすっぽん」というほどに、高いのです。このことは、どなたも知っておかれたほうがいい事実です。ただしそれはスピーカーだけです。

アルテックのオールドスピーカーあたりから先が「F1」の世界であり、それを鳴らすには、とんでもないレベルのアンプが必要です。

オーディオ界で名機と呼ばれているアンプはいくらでもあります。プレミアムが付いているほど、非常に高額なものもあります。しかし、「名機」では、妖刀クラスのスピーカーは扱いきれません。力不足もはなはだしいのです。このことこそが、アルテックやWEのスピーカーを(アルテックはWEの技術部門が独立して出来たメーカーですのでWEの一部と言えます)、一生涯かけてもオーディオマニアのかたが鳴らしきれず、「泥沼」に陥ってしまわれる最大の理由です。

「名機」と、それらのアンプとでは、実力があまりにも遠く、隔たっています。その距離感、隔たりの度合いが分かりにくいです。「名機」のアンプを使って「化け物」を鳴らすことが、どういうことを意味しているのか、分かりやすく、極めて正確に表現するよう、言葉を選びます。

「F1マシンに、ゴーカートのエンジンを乗せて、無理矢理走らせようとする、愚行」


驚かれるかたもみえるかもしれません。「実態」は、その表現で、適正です。

ですから、生涯にわたってそれを続けても、得られるものは何もないことは明らかです。それどころか、F1マシンが走らない理由も分からず、次々に高額でぼろい「名機」ばかり買い集めなくてはなりません。それは泥沼です。

これは「オーディオ地獄」の最も代表的なものであり、あちこちで、非常に多く見受けられるパターンの一つです。悩み抜いても打つ手が分からなければ、巷で聞く噂、デタラメの真似ごとに終始するしかなく、それこそ「フランケンシュタイン症候群」の重度障害になってしまいます。

したがって、WEチームのかたがWEレベルのアンプを必要とされているのは当たり前のことであって、いたって自然なことです。

そうかといって、それでは、F1のエンジンを乗せたF1マシンが、ここにあるとします。そんな大それた代物を、誰がいったい操れましょうか。それができるのはプロフェッショナルだけです。

アンプがいかに優れていても、いや、優れていればこそ、それは本物のF1になってしまいますから、我々は、やはりそのような化け物には、近づかないほうがいいのです。

さて、「化け物」「妖刀」などという表現をしなくてはならない種類のスピーカーとはうってかわって、WEのアンプのほうは、全く違う顔を持っています。とても優しい顔をしているうえ、高性能スピーカーが秘めている危険性とは180度違って、非常に安全です。それは文字通り「刀」ではありません。


■理想のパワーアンプ

自宅利用で、理想のパワーアンプは、スピーカーの能率さえ高ければ、25W〜50Wほどのアンプです。真空管アンプをお使いのかたは、このあたりの事情は良く分かっておられると思います。

シングルエンド回路の3Wのアンプ、5Wのアンプ、プッシュプルでも8W 程度のアンプこそが、最も音が良いことを、体で理解されてきておられることと思います。

アンプというものは、最大出力の60%ほどを出している時こそが、最も性能を発揮します。最大が5Wのアンプの、3Wを使えば(自宅ではせいぜい3Wくらいの使用です)最も良い音になるという事実、このことは、メーカーのエンジニア、電気に詳しいエンジニアのかたならば、誰でも知っている周知の事実です。

パワーが大きいほうが余裕がある・・・・、そのような真っ赤なデタラメが、呪文のように繰り返されて、価格だけが、どんどん吊り上がっていったということです。

プロ用には、とことん大きなアンプも存在します。1000W×2などというものもありますが、それは、屋外ホール、野球ドームなどを鳴らさなければならないからであって、音の良さのためのものではありませんので、家庭使用には全く不向きです。レコーディングスタジオとて、それは全く無意味どころか逆効果で、最近の1000Wのアンプ内蔵モニターなどというものではいけません。

能率90dBのスピーカーで、爆音で鳴らして、約10W使用です。それを基準にされてください。その10Wの爆音は耳が痛いほどであり、近所の苦情が集中するほどであり、普段は、オーディオの場合、2Wか3Wしか出していないのが、実態です。
http://www.procable.jp/products/s_75.html



10. 中川隆[-12383] koaQ7Jey 2018年5月12日 08:47:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13846]
>>8
>大型スピーカーはいくら能率が高くても 電源トランスが小さい真空管アンプではドライブできない

>EAR-859 は音が良いか? 2009年01月08日

の続きですが


EAR もスピーカーの変化に合わせて 名機の誉れ高かった V20 を販売終了して、出力を2.5倍にした後継モデル V12 を出したりしています:


管球式プリメインアンプ EAR V20 発売時期 1997年10月 ¥498,000

実効出力:20W+20W(4Ω、8Ω/A級動作時)

使用真空管:ECC82×4、ECC83×26

アウトプットダンピングファクター:10

サイズ W(幅) : 427 mmH(高さ) : 139 mmD(奥行) : 426 mm
重量 21 kg
http://www.audiounion.jp/ct/detail/used/49643/
http://hard-off-nonoichi.seesaa.net/article/237929647.html

EAR V20 はスペック上の実行出力は20wだが、所有していた友人の話では草が生えるほど非力で「本当に20wあるのかこれ?」という製品仕様だったそうです。

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管球式プリメインアンプ EAR V12 発売時期 2011年8月  \1,200,000(税別)

クラスA級 パラレルプッシュプル

出力:           50W/chステレオ

使用真空管:         ECC83 x 10 、EL84 x 12

出力ダンピングファクター: 10

重量:           23.6kg
サイズ:          W428 x D440 x H150 (mm)

EAR V12 は V20の後継モデルとして開発された製品です。

メンテナンスに問題があった(故障が多かった)V20の反省から、入力は2本のECC88(12AX7)で増幅され、次に3本(出力管1本につき一つの専用エレメントが割り振られます)のECC88(12AX7)で出力段用の反転出力が作られた後に、V20から変更された出力段の各チャンネル6本(トリプルプッシュ)のEL84が駆動されます。

強度の高い小型の真空管を使うことでEARらしい低歪みと広帯域(特に高域が良く伸びます)を損なわず、大出力(最大出力の1/2:25Wで12Hz-60KHz-3db)を得ることに成功しています。

この特殊な回路を実現するため、出力トランスにはEARオリジナルの高音質スペシャル品が使われます。
https://www.yoshinotrading.jp/product-details/v12/
https://www.ippinkan.com/ear_v12.htm

楠 薫のオーディオ三昧 EAR V12

使用真空管はECC88(12AX7) 10本、EL84 12本。

入力段にECC88を片チャンネル2本使用し、さらに3本のECC88で位相反転し、出力段に送られ、V20とは違って、片チャンネル6本のEL84と EARオリジナルのスペシャルトランスの組み合わせで、50Wの出力を叩き出します。

V20のような細身ではなく、中低域は実に分厚く濃厚です。

V20 では高域がやや荒く、僅かに歪みっぽさがありましたが、V12 はボリュームを上げていってもまったくそのような感じがありません。

それでいて繊細さに加え、透明感も V20 を遙かに凌駕しています。

幼い頃は膝上にだっこして一緒に音楽を聴いたりしていた遠縁の親戚の子が久しぶりに姿を見せたと思ったら、アニメ顔負けの はちきれんばかりの胸元Yラインの見事な美少女に成長していて、
「こんなに大きくなっちゃったら、だっこしてエスカフローネを聴かせて、 なんて、もう、言えないね」
と、ソファーに並んで座って、鼻が触れ合うくらいの距離、吐息が頬を撫でていく近さでニッコリ微笑まれ、 しどろもどろになってしまう感じ、

と言いましょうか(あ、これ、今年のお正月の実話です)、 元 V20遣いとしては、いやはや本当にビックリ、目を見張るほどの音です。
http://www.kusunoki.jp.net/audio/EAR/EAR_V12.html



▲△▽▼


EAR のフラッグシップモデル EAR 509 は パラヴィチーニが設計した Michaelson & Austin TVA-1 と同じ 1979年発売のアンプ

どちらも特別注文の巨大出力トランスを搭載した大出力アンプで大型スピーカー向けですが、EAR 509 はプロスタジオ仕様のモニター用アンプなので民生用の TVA-1 と違って原音再生を目指しているのですね。

EAR509 はその後 Mk.I、Mk.II とリファインされています。

EAR のパワーアンプで最近の原音再生仕様の大型スピーカーに使えるのは EAR509 II だけでしょう。


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Michaelson & Austin TVA-1 ¥590,000(1979年発売)

Michaelson & Austin が最初に発表した管球式ステレオパワーアンプ。
出力管には選りぬかれた GEC製 KT-88 を採用しています。
このKT-88の良さを最大限生かしつつ欠点を補うため、特別注文の巨大な出力トランスを搭載しています。

回路構成はAB1クラスとし NFB は14dB以下に抑えられています。


型式 管球式ステレオパワーアンプ

実効出力 70W+70W

使用真空管: 
KT88 (SOVTEK) × 4 this
12AX7 / ECC83 (SIEMENS) × 2 Books
12AT7 / ECC81 (MAZDA)
12AT7 / ECC81 (unknown)

外形寸法 幅457x高さ190x奥行280mm
重量 32kg
http://audio-heritage.jp/MICHAELSONandAUSTIN/amp/tva-1.html


ドイツのケルン・オーディオショーに出品され、管球アンプの黄昏れ時代に世界をあっと言わせた。

選りぬかれた GEC製 KT-88 出力管と巨大な特注トランスによって出力70+70W、

多くのタンノイフアンが好んで使用する。
https://blog.goo.ne.jp/royce7777/e/a421bfcea2af0cc934e71713a9d346f0


Michaelson & Austin TVA−1
音を聞くと、初めTR(トランジスター)AMPと思わせる、これ真空管AMPと疑う!
この巨大(強力)なトランスがその原動力でしょう
マッキンのMC60/275の「出力トランスの特殊サンドイッチ巻き+カソード帰還」による、高域の歪みの軽減の音とは対照的な、力強いく荒々しい低音の音が光ります
http://amp8.com/vv-amp/michaell/tva-1-a.htm

回路は普通のKT88のPPですが、75W+75W 出せるのは巨大な電源トランス+出力トランスによるものです。
音は非常に派手で、ドスが利きます。
ALTECのA5が吠えます!凄い!
http://www.auduo-1.com/newgoods/M-N/MichaelsonAustin/TVA-1/TVA-1.html

2007.3.
かなりのハイパワーアンプですので、チョイ寿命が短めです。もう使っている人いないかな?

何台か修理(改造)しましたので、僕なりの経験です。整流直後に入っている800μのコンデンサー二個。ブルーの奇麗なコンデンサーですが、兎に角パンクしやすいです。単にパンクだけで済めば良いのですが、其のコンデンサーの下側に電源基板があって、電解液が掛かり全てオジャン。

良質な国産に替える事をお勧めします。此れの設計者は半導体に慣れてしまっている様で、800μは大き過ぎ。精々100μ。でも此れではリップルが取れ切れない。

そこでチョークです。2〜3Hで十分です。チャントしたπ型フィルターを作って上げましょう。残留ノイズも減り、音質もはるかに上質に。更に故障も減る一石三鳥の改造です。

プッシュブルですから理論上はリップルが有ってもハムの発生は無い。との設計でしょうが、経験不足を露呈しています。

バイアス回路の22μのコンデンサーの質で、音色は面白い程変わります。好みのコンデンサーを見つける楽しみが有ります。

KT88のカソードに入っている47Ωは電流チェック用ですが、完全に狂っているのを何個か見受けました。それに気付かずに電流調整をしますと、プッシュブル動作が出来ません。シッカリとした抵抗に交換です。

トランス類は丈夫ですので、若干手を入れるだけで使えるアンプです。
http://hayashilab.syuriken.jp/autva101.htm


_____

EAR 509 1979年発売
EAR 509 II ¥1,890,000(モノラル・ペア・税別)

ヤフオク! - 「EAR509」の検索結果
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search?auccat=&tab_ex=commerce&ei=utf-8&aq=-1&oq=&sc_i=&p=EAR509&fixed=0&x=22&y=24

パラヴィチーニ/EARの名を世に知らしめたプロスタジオ仕様パワーアンプの歴史的傑作。プロ録音現場が生んだウルトラナチュラルな音世界。

1978年、ティム・デ・パラヴィチーニは自らが主宰するEAR社を英国に設立しました。 そのEARブランドの顔となるべく、満を持して発表されたプロフェッショナル仕様 100Wモノブロック パワーアンプが「EAR 509」です。

この業務用パワーアンプは、世界中のプロ録音スタジオやプロエンジニア、更にはオーディオファイル達の間でもビッグヒットとなり、瞬く間にEAR/パラヴィチーニの名前を世に広めることとなりました。

パラヴィチーニ自身が「最も愛しい作品」と語るほどに、彼の情熱と天才的な感性と技巧が結晶した製品で、発表以来、Mk.I、Mk.II とリファインされながら、実に30年以上に渡ってEARエンスージアスト達から羨望の眼差しで見続けられるロングセラーモデルです。

パラヴィチーニ/EARサウンドの源泉となる出力トランスと真空管をカップリングしたパラヴィチーニオリジナルの特別回路「バランス・ブリッジ・モード」をここに採用しました。

これはアノードとカソードをそれぞれ2重巻きの出力トランスの捲線へ50/50の比率でキャパシターと併せてクロスカップリングし、常にスイッチオン側のデバイスが、反対側のスイッチオフデバイスに作用するようにして、アノードとカソードが同一のインピーダンスで反応しあうという斬新なデザインになっています。

また、パラヴィチーニのトレードマークでもあるネガティブフィードバックを掛けないという大胆な回路設計により、パワーバンドは 9Hz - 85KHz (-3dB)までに及び、同時に真空管の音は決して「レトロ」ではなく、現代的な素晴らしい音楽を再生する能力に長けている事を実証する事にもなりました。

伝統的な真空管アンプの回路デザインでは、トランスの能力が適切でない限り、ハイフリークエンシー時におけるプッシュプル動作が追従しきれなくなり、また同時にハイフリークエンシー時には出力トランスからインプットへ掛けられたネガティブフィードバックが、出力トランスのディレイ(遅れ)により、ややポジティブ側へ振れてしまう事が多々あります。

これによりアウトプットダンピングファクターや歪率が悪化し、クリアーな高域を再生することが困難になってしまうのです。

「EAR 509 II」はパラヴィチーニがデザインした”機械独自の音を持たない” 、まさにプロフェッショナル仕様のパワーアンプです。

多くの真空管アンプが先に述べた構造的な理由から高域が伸びないために「温かい/ウォームな」という言葉で表現されますが、「EAR 509 II」はその言葉の範疇に収まらない、特筆すべきクリアーさと高い透明度、そしてリアルなベースとナチュラルなトップを持ち、音楽のディテールと生命感を力強く伝えてくれることでしょう。

プロスタジオの現場で培われたパラヴィチーニの最先端の技術と感性が結晶した「EAR 509 II」。全てのパラヴィチーニ/EAR製品の起源は、まさにここにあるのです。

パラヴィチーニのデビュー作でもある EAR509 パワーアンプに1978年当時、テレビ管のみに使用されていた PL519 をオーディオ出力管として世界で初めて採用したことで、オーディオ界に衝撃を与えました。

■パワーアンプ クラスAB級  プッシュプル

●出力:           100W(モノ)

●出力ダンピングファクター: 20(0.4Ω+ 4uH)

●使用真空管: 
PL509/PL519(40KG6)または EL509/EL519(40KG6 )x2 、ECC83 x 2, ECC85 x 1

●重量:           14.8kg (ペア29.6kg)
●サイズ:          W320 x D255 x H167mm
https://www.yoshinotrading.jp/product-details/ear-509/


11. 中川隆[-13448] koaQ7Jey 2018年7月03日 19:39:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16315]

真空管アンプの音質は出力トランスの質で殆ど決まってしまいます。


佐久間式アンプはトランスを多く使いますが、良いトランスは沢山使うと何とも言えない良い音がでます。


真空管アンプは基本的に


1. 真空管アンプの音質や音色は出力トランスで殆ど決まってしまう

2. 真空管アンプは佐久間アンプみたいに高級なトランスを沢山使えばいい音になる

3. 出力管は出力が小さい程音が良い

4. 出力管は製作年代が古い程音が良い

5. 直流点火より交流点火の方が音が良い

6. CR結合よりトランス結合の方が音が良い


▲△▽▼


今、真空管アンプで一番評価が高い EAR の音の秘密も佐久間アンプ同様、トランスの使い方にあるのですね:


37 :ヤフオクの詐欺師、denden95でございます。:2008/06/07(土) 16:44:45 ID:w+QT+D9P

EAR はイギリス人のティム・デ・パラビチーニが日本人スチュワーデス吉野をなんぱして、手篭めにしああげく女房にして立ち上げた管球オーディオブランドなのです。

造るやつがエロいので、音のほうもエロいんですが内部の真空管がロシア製なので、エロいアンプが台無しです。


45 : 仙人短 ◆TANPanX3xc : 2008/06/07(土) 17:12:21 ID:UbVbvxUd
>>37
エロいので〜

オーディオにエロさが無くなれば、それはよもや、オーディオではない。
僕等がそれに注目出来る訳は、そこに、理(タナトス)ではなく。感情(エロス)と見ているからです。

魔王「あんたの話も、ようワカランが。つまり?」

閻魔「エロい方が、むしろ正解。オーディオ的には、だけど・・・」

短「閻魔は最近、凄い事言うよね・・・」


58 : 自称ヤフオクのアタナトス帝王、denden95でございます。 : 2008/06/08(日)

EAR MC-4 は買わないほうが良い。あれはティム自身がトランス巻いてないぞ。

どうやら部下にやらせているのだ。

狙い目は初期のMC-3だ。

834P−5 もダメ。5Ωからで2〜3Ωには対応できていないし、下っ端の技術者にトランス巻かせてる。

初期の834P を中古で手に入れて真空管を全て交換するのがベストじゃ。

現行品には手を出さないほうが良い。


859/861/834L/834P/V20 まではティムの本物の手巻きのトランスだ。

それ以降はやめておくことじゃ。

EAR の製品の価値はティムの手巻きのトランスにあるのだからな。
http://mimizun.com/log/2ch/pav/1212015207/


EARのパラヴィチーニが発言していたことですが、実は真空管はなんでもよく重要なのはトランスだそうです。トランスは市販品では満足できず元々手巻きで自作していたというお話があります。トランスの特性が音を決めるということですね。

トランスの特性で重要なのはアイソレートとLPFを兼ねていることだと思っています。特に現代のDACの場合はどちらの特性も重要です。現代のDAC基板は音声を作り出す源流でもありますが音声帯域外ノイズ源にもなっています。現在ではほとんどのDACが帯域外ノイズを吐き出すデルタシグマ式です。このDACも例外ではなくWM8741を使っています。DAC素子が直接置かれている基板はDACの動作とクロック信号によって汚れています。なので直接この基板にアナログ回路を接続することは帯域外ノイズの音質的影響が無視できません。この帯域外ノイズは配線を接続しただけでGNDにも伝わりますしアナログ信号路にも伝わります。マルチビットDACだと無対策でもこの帯域外ノイズが圧倒的に少ないことが最大の優位性だと考えています。

そこでトランスの出番です。GNDを物理的に分割できる上に周波数特性も制限されるトランスはこの帯域外ノイズをGNDからも音声信号ラインからも除外する役割を果たします。EARの設計は信号伝達の全段にトランスを挟み込むのが特徴ですが、このトランス段を通過する度に帯域外ノイズを遮断し基板間のノイズ伝達を防ぎます。それが結果として広帯域で見ればSNを向上させることになります(帯域内SNは変わらない)。これがEARの音の良さの秘密その1であると考えます。

次に真空管です。よく真空管は特性が悪いが音は良いと言われますが、真空管の最大の音質的優位性はその動作電圧だと考えています。動作電圧と信号電圧が高いということは外来ノイズや抵抗から発生するノイズを見た目上小さくすることが可能です。真空管では電源が300Vで信号が50Vとかが普通にあります。特に抵抗ノイズは音質的影響がかなり大きいですのでこれは重要です。抵抗は値が2倍になってもノイズ発生量は2倍になりません。真空管をつかうと信号レベルを大幅に上げることができるので半導体アンプと比べて伝達中の信号SNの観点で優位性がある、これが音の良い理由だと思います。

以上のようにEARの優位性は多段トランスと真空管の組み合わせによって広帯域SNの向上と信号帯域SNの確保、この2つの要因によって達成されていると思っています。このような設計なら緻密なノイズ対策や部品選定など一切やらなくてもよくなると思います。だからEARの内部は音が良さそうに見えません。

補足ですが、SNという概念で重要なのが音質では実測ノイズフロアだけが支配的ではないところです。オーディオではノイズ成分にも音の善し悪しがあって脳がノイズNを分離処理できるときは同じノイズフロアでも音質は悪化しません。そういうNは音質劣化の小さいNです。なので一見SN性能が同じように見えてもN成分の由来によってそこには音の善し悪しが発生します。人間の脳はNに埋もれた情報を取り出す能力があります。それは下記記事にまとめています。


人間の聴覚と音質について
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=5214

帯域外ノイズの半導体への影響についてはこちらの記事に記載しました。

オーディオ小ネタあれこれ
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=8087


要はいかに質の悪いNを排除するか、それが高音質のDAC設計には重要だということです。質の悪いNには帯域外ノイズ成分が含まれることもありますし、帯域外ノイズが半導体によって帯域内に変換されて入り込んでくることもあります。これも重要です。

EAR の設計はこの人間的な要求事項に最適化した設計であるからこそ、測定値が悪くても人間が聞いて高音質に感じるのだと思っています。測定至上主義の無意味さは人間が測定器ではないこと=測定器と原理も方式も違うことが理由です。測定データはメーカーの技術力指標として、まともなものを作っているかどうかの最低限の評価にしかならず、それだけで音はわかりません。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=9015

トランスを使用すると低域において時定数を1段、高域においては2段、つまり低域に於いては位相が90度、高域に於いては位相が180度偏移します。R・C結合では、低域の時定数が1段、位相が 90度ズレてしまいます。

そう言う意味では、トランスよりもR・C結合の方が、出来ればカップリング・デヴァイスなど無い方が良いわけなのですが、ところがどっこい、実際に音を聴いてみると、帯域の狭い筈のウエスタンのトランスの奏でる音の、何と伸びやかで聴きやすく落ち着いていることか。

電話の中継トランスとして作られた111Cに至っては、これをライントランスとして使った方が高域も素直に伸びやかで、低域には芯があり、かえって帯域が広く感じられるほどです。本来ならノイズをカットし電話の会話を聴きやすくするために帯域を制限しているトランスの筈なのですが……。

「真空管アンプってのはね、トランスに一番お金をかけなきゃ駄目だよ。マッキントッシュやマランツの音が良いのは、あれはトランスに金がかかっているからだよ」

とおっしゃった大先達の言葉が、今更のように思い出されます。

現代でも音が良いアンプ、EAR861やC.R.ディベロップメンツ、そして国産のウエスギ・アンプにおいても、トランスが十分吟味され、その性能を発揮されているからこそ、あれだけの音が出てくるのだと思います。
http://k-d.jpn.com/audio/audionote.html


12. 中川隆[-13447] koaQ7Jey 2018年7月03日 19:40:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16315]

そういえば、こういうアホもいましたね:

佐久間駿氏のこと


 私の住んでる県には有名な佐久間駿氏の店がある。私は行ったことはないが、知人のうち三人(いずれも県外)が彼の店に行った。三人のうち良い音で鳴っていたと言った人はいない。うち一人は音は兎も角として性格は良い人みたいだ、という話だった。

 いわゆる技術雑誌(いわゆると言ったのはもはやそうは呼べないと思うからだ)を読まなくなって随分経つ。昔は武末氏が書いておられた号のラジオ技術はだいたい買った。無線と実験は森川さんや浅野さん伊藤さんが書かれたときは殆ど買った。佐久間駿氏の記事が出る頃から買わなくなった。佐久間氏が書いたから買わないのではなく、正確に言えば、彼の製作記事が載るようでは技術雑誌とは呼べないと思ったからだ。技術雑誌と言うのはそれによって教えられるメリットが有ってはじめて買う気になる。何も学ぶことが無いのだったら買う意味が無い。

 佐久間氏の記事で一番面食らったのはトランスの使い方だった。多数のトランスを使う目的や意図が分らなかった。数学や物理とは無縁の世界でそこにあるのはただ文学的表現のみである。

 佐久間駿氏の記事が出るから買わないという人はいないだろう。いたとしても多分ごく少数で、実際は出るから買わない人より、出るから買う人のほうが多いと思う。

 オーディオという趣味はこのようにして理論無視が幅を利かす世界になってしまった。オーディオ・アンプ製作において測定器を持ってると言うのは、或る特定の興味の方向、例えば超三結が好き、小出力アンプが好き、ディジタルアンプに凝るといった類のことでしかない。必ずしも必要な道具とは見做されていない。

 まぁいい、こんなことはどうでもよくなってしまった。


 黒川さんの記事は読みたいが、書いておられないようだ。今はこういう雑誌は本屋においてないし、定期購読などとてもする気にならない
http://blog.goo.ne.jp/homebrewer_2008/e/ad01b5c9ffdac9fcf2a34acb721600ab


あまりの知性と教養の欠如に呆れてしまいました。 そもそも物理特性だけで音が決まるなら、この現代に真空管アンプやアナログ・プレーヤーが残っている訳も無いんですけどね。

ここに明快な回答が書かれていたので転写しておきます:


真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。

このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。


音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。
http://www.ippinkan.com/triode_PSVANE-300B.htm


クレデンザで聴くSP原盤と「倍音」再生


電気オーディオを語る時、「倍音」を正しく理解しておかなければならない。

ここで、78回転SP盤、Gid Tanner and His Skillet Lickers(ギド・タナーとスキレット・リッカーズ) のストリング・バンドの名演奏、「Turkey in the Straw」(「藁の中の七面鳥」)を聴いてみよう。Colombia のオリジナル原盤を聴いてみよう。

1926年4月17日、ジョージア州アトランタでの録音である。一人一人の名人が構成するグループが奏でるもの凄い演奏だ。Gid Tanner のフィドル、 Riley Puckettのギターとリード・ヴォーカル、が奏でるオールド・タイム・マウンテン・ミュージックの素晴らしい感動の名演奏である。

この盤を私のクレデンザで再生させて聴くと、正に当時の生演奏を彷彿とさせる感動の音と音楽が再生される。聴き手である私の心に躍動のリズムが生まれ無我夢中の感動の連続の中で曲が終わる。

周波数はせいぜい上限5000ヘルツ程度の音である。しかし、その周波数の上限詰まりを感じることはまったくない。感動の音楽の世界へと引き込まれてしまう。

何故だろう? 

その原因は、倍音(ハーモニー)が充分に出ているからである。


今度は、オリジナル復刻CD盤で電気オーディオで聴いてみよう。バイタル化しないオーディオで聴いてみよう。


なんだ、一体どうした? 
駄目だ、さっぱり駄目だ。

出ない、出ない、倍音が無い。

もはや、音楽ではない、単なる音の世界だ。

いわゆる「虚音の世界」(電気の音)だ。
http://vitalsound.exblog.jp/4652767/


ヴィンテージ・オーディオの存在価値は原音より遥かに良い音を創り出す所に有るのですね。 原音を忠実に再生するだけなら生コンサートに行った方がいいのです:


佐久間駿
『生より悪かったら、なんでオーディオやるの?』


佐久間 駿さんの店 レストラン・コンコルド


沢山のマスメディアに登場する佐久間さん、そして、レストラン・コンコルド

「あまりにも有名に成りすぎて、地元の客は来ない」(笑)

と、彼は、冗談を交えながら話します。ハンバーグを焼き、好きな音楽を聴くための地道なアンプ製作に人生を費やし¬て来た一途さが、彼の風貌に、近頃、頓に、にじみ出て来ているように感じられます。


コンコルドは千葉県館山市にあります。館山市は房総半島の先端の観光都市です。
コンコルドの営業は、月、水、土、日11:30からです。(火、木、金曜日定休)
電話 0470-22-8715(11:30から21:00)
http://www10.big.or.jp/~dh/codo/visit/index_j.html


13. 中川隆[-13446] koaQ7Jey 2018年7月03日 19:42:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16315]

手回し蓄音器より良い音は絶対に出せない

70歳以上のオーディオ・ファイルが口を揃えて言う言葉


「色々なハイエンドオーディオ器を聴いてきたけど、子供の頃聴いた手回し蓄音器が一番いい音だった」


どんな言葉を使ってもビクトローラ・クレデンザの素晴らしさを表現するのは難しい。 これまでどれほど多くの賛辞がこの蓄音機に贈られたことだろう。 傑作機、最高峰、耽美な音色、そして希代の名機等々。どれもこれもそのとおりであるのだけれど、それだけではこの名機を表現するのにはまだ足りない。

 試作回数は100回に及び、キャビネットに折りたたんで収納されたホーンの長さは1.8m。

当時の様々な工夫が詰め込まれたこの蓄音機は、その音色、音質、音量、どれをとっても文句のつけようがなく、リスナーに驚愕さえ与えてしまうのである。

 クレデンザに言葉は不要だ。 針を落とせばクレデンザが語ってくれるのだから。


メーカー: Victor Talking Machine

原産国:  米国

本体サイズ: H:1150 x W:800 x D:555 mm


1925年〜1928年 $275〜$405 VV8-30型U.S.A
1926年〜1927年 $650
http://www.enokiya.com/hanbai/files/519e1fb5282da5a97013ba75916e7a16-6.html


14. 中川隆[-13333] koaQ7Jey 2018年10月15日 22:58:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19204] 報告

トランス結合は CR結合回路、SRPP回路より音がいい


一般に使用されているトランジスターアンプは、多量のNFBで物理特性(周波数特性、歪率特性)を良くしております。

しかし、NFBで物理特性を改善されたアンプは、音楽信号の為には音の広がり、奥行き、響き、音像定位に悪い影響を与え、色付け、個性の強い不自然な音になってしまいます。

真空管アンプの中でも物理特性を良くする為に、NFBや、トランスに並列に抵抗を接続してインピーダンスを強制的に補正したアンプは、NFBと同じ現象の音になり、真空管の球種による音の差もなく、どれも同じ様な音のアンプになってしまいます。


良いアンプの条件は、NFBを使用しない裸特性の良い物です。

更に、自然な音で音楽性を要求される場合は、CR結合回路、SRPP回路より、トランス結合の真空管アンプを選ぶことです
http://www.audiotekne.com/policy_6.html

15. 中川隆[-13402] koaQ7Jey 2018年11月02日 11:26:46 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19834] 報告

TAMURA や TANGOのトランスフォーマーを使ったアンプはその時点で EAR より格下の音しか出ない。

真空管アンプの音質の7割はトランスによって左右されてしまう為。EAR のアンプは安い汎用部品やプリント基板で構成されているが、真空管は自作勢も多く、EAR の初期のプリメインは中古で十数万で買えるので、EAR のトランスだけ取り外して使う自作派もいる。

EARトランスは現代的で洗練され、かつ官能性も高いので人気があるが、線が細くハイプレッシャーサウンドからは遠いので JBL にはミスマッチ。

ティム・パラヴィチーニが雑誌インタビューで「私のトランスだけ使っても EAR の音にはならない」とわざわざ言及。

プリント基板を使った製品は真空管のマニアからは格下に見られるので、真空管を熟知した人はアンプの中身を見てプリント基板が使われていたら即座に興味を失ってしまう。だけど TAMURA よりも EAR の方が現実として音は良いので、手配線で高価なパーツを使えばと考える訳です。

ちなみにTAMURA>>TANGO。


16. 中川隆[-12575] koaQ7Jey 2019年1月31日 12:01:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告

クラシック音楽の再生では周波数帯域は 80〜 5000 Hz で必要十分


Western Electric 755A
再生周波数帯域 70〜13,000Hz 


私の書斎にWestern Electric 755A がやってきた日のことは、忘れられない。
システムに繋いで、そろそろと音出しをしてみる。

  聴きなれたレコードを何枚かかけてみると、愕然としてしまった。
当然のことではあるが、愛聴盤というものは、どこにどんな音が入っているかを暗記しているものであるが、

このスピーカーで聴くそれは、まったく別物であった。今迄聴こえていなかった音が、豪華絢爛に再現されてくるのであった。  

それはあたかも、澱んだ東京の空に浮かぶ見慣れた星空から、一転して空気の澄み切った山の頂きから仰ぎ観る天空の星星の情景そのままに、

天空一面、星、星、星のショーの大星夜を目の当たりにしたようなものだった。


  星星が煌く音となり、その微粒子が壮大な音楽を構築しているかのようであった。
今迄、自分は一体、何を聴いてきたのだろうという悔しさと、
まだレコードにもCDにもいくらでも秘められた音が入っているのだという嬉しさが頭の中を過ぎった。
http://mikami.a.la9.jp/audio/we755a/we755a.htm


▲△▽▼

ウェスタン・エレクトリックのオリジナル アンプ・トランスの周波数帯域

WEのトランスのデータです。
http://blogs.yahoo.co.jp/fareastern_electric/62006702.html


1937年ということでWEの映画システムのトランスがほとんど載っています。

特に91アンプは入力トランスの285Aも出力トランスの171Aも、ともに100〜6000Hzの再生帯域なのでその間にどんなに広帯域の高NFBアンプを持ってこようと特性はトランスによって決まってしまいます。


Western Electric Amplifier の周波数帯域

WE86 : 40〜10000 Hz
WE91 : 50〜 8000 Hz

なにせ入力トランスも出力トランスも100〜6000 Hz ですから。
http://n-nobo.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1-eeb8.html

▲△▽▼

23年前の雑誌から、

Western electric

WE41.42セットが 300万円
WE86が 250万円
WE91が 200万円
WE124が 90万円
WE142が 90万円
WE143が 75万円


となっています。WEは数年前アジア圏からバイヤーがやってきて買い占めて行きましたが、その前から200万円くらいまで値段が高騰してました。女性ボーカル(バラッド)なら最高峰


▲△▽▼


ウェスタンサウンドは人の声が良い

 今まで沢山のウェスタンサウンドを聴いてきましたがどのサウンドも一つの共通点がありました、

ウェスタンの音は一言で云うなら音にコクと味が少なくしかも奥に展開するサウンドにはならない、

聴いていると味のない食パンを食べているようなサウンドだ、

また劇場用のサウンドは観客席に攻めてくるサウンドが特徴ですが、以前有名な方がウェスタンの594を持ち込んで試聴会を開いたことがありましたが、ウェスタン特有の音の浸透力に乏しくこのサウンドには魅力を感じなかったのが残念であったが人の声だけは良かった、

 ウェスタンのシステムを採用した劇場を調べますとピンク映画館が多いのがわかった、

なぜならピンク映画館の女性の声は生々しく聞こえないとしらけますね、

特に人気のあった日活ロマンポルノあれは良かった!

 ウェスタンで聴かされる大事な場面での彼女達の声に色気があった、

今思うとウェスタンサウンドは人の声は素晴らしい!
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-036.html



▲△▽▼


2013.12.20
我が、蹉跌のオーディオファイル #28.欲しかったスピーカー
http://audio-file.jugem.jp/?eid=34

オーディオに興味を持ち始めてから約40年程経つが、当初最も欲しかったスピーカーにクラングフィルム、(後にシーメンス)オイロダインがある。

引き出しを整理していたらシーメンス当時のカタログが出てきて、オイロダインのスペックが載っていた。

ちょっと驚くのは再生周波数で、何と50Hz〜15,000Hzとあった。

今時数万円のスピーカーだって人間の可聴範囲20Hz〜20,000Hz付近をカバーしている。

そこで、スピーカーの再生周波数に付いて一寸調べてみたら、どうやらこういう事らしい。

スペックがどの様な数字であるかは兎も角、「実際にスピーカーから出る低音の60Hz以下は音というよりも風圧として肌で感じるもので、強烈なドラムやベースの唸りの様な低音は大概80Hz〜100Hzくらいである」という。だから、60Hzが出れば通常僕らが聴いているオーディオの低音に何ら不足を感じるものではなく、まして50Hzが出るなら映画館などの大鉄桟を巨大な大砲の発射音や炸裂音で揺るがすに実は充分な低音が出る事をオイロダインのスペックから読み取る事が出来るのだそうだ。

そして高音は「4KHz〜6KHz以上の純音の音色を判別する事は非常に難しく」この辺りで音程に対する判断は鈍って来るものらしい。

僕らが聴く「スピーカーの音(無論録音前の原音も)を決定づけるのは純音ではなく倍音であって、倍音は整数倍で膨らんで、大体13〜14KHzほど先からは殆ど聴こえてこない」ものらしい。

だから、オイロダインの50Hz〜15KHzという周波数帯域はこれらの条件を低音で10Hz、高音で1KHzばかり其々上回っており、従ってオイロダインで聴けない音は無いといってもよいという事になるらしい。

だから、2〜3万ながら矢鱈に周波数帯域の優秀なスピーカーが量販店などに出回っているのは、要するに僕ら消費者が悪いという事になるようだ。

つまり、食紅で真っ赤な蛸しか買わないとか、胡瓜や大根や長芋も真直ぐなものしか買わないとか、そうした次元と同じ事で、本質よりも見た目を重視する発想と同じ理屈になると考えてよいだろう。

生産者は売れなければ困るから、食紅が体に毒だろうが薬だろうが兎も角真赤っかに塗りたてちまう。流石に近頃では暮れの御徒町でもこんな蛸は滅多に見掛けないが、一昔前は真っ赤っかが常識だった。

食の安全が叫ばれる現在でも、野菜などは相当にいかがわしい色付けや型の細工、或は遺伝子の組み換え、延命処置などをしてあるものが出回っているようだ。
そういうものでなければ、僕らが買わないから、言い換えるなら、音が良かろうが悪かろうが最低でも20Hz〜20KHz出る事にしなければ買う人が居ないから、メーカーは無理してでもこういうものを造るし、測定の仕方で再生周波数表示などどうとでも云える事でもあるから、何が何でもこれ以下の数字は発表すまいとする。

基より、こんな数字は音質には何の係わりもない事で、それは曲った胡瓜も真っ直ぐな胡瓜も味や栄養価に変わりが無いどころか寧ろひん曲った胡瓜の方が(自然栽培)数段勝るというのと同じ事であるようだ。

従って周波数50Hz〜15KHzのオイロダインのスペックは、実質的に巨大空間における再生音に何の不足もないということを示しているのだが、既に各メーカーの宣伝文句に毒されてしまっている僕らは、この数字に目を疑い「そんな程度のものか」と吃驚して「大したこと無い」と見下してしまう。


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40万の法則とスピーカー

シングルユニットスピーカー好きの戯言

「40万の法則」というのを聞いたことがある、あるいは知っている方は経験豊富なオーディオファイルではないでしょうか。

戦後(昭和20年代中盤)NHKによる「快い音」の研究成果の一つで、 快く聞こえる音は、最低遮断周波数と最高遮断周波数の積がおよそ40万になっているというものです。

周波数帯域でいうと、

200Hz〜2kHz(電話レベル)
100Hz〜4kHz(構内放送、ボイスチャットレベル)
80Hz〜5kHz(AM放送レベル)
27Hz〜15kHz(FM放送レベル)
20Hz〜20kHz(人の可聴域、HiFiオーディオレベル)

というくくりになろうかと思います。

中心周波数は、40万の平方根であるおよそ630Hzで、これは人間の内耳、口腔の共振周波数とおおむね一致します。

内耳の自然共振周波数を中心とした確率分布(標準偏差)のエネルギーバランスをもつ音(つまり40万の法則にあう音)が、人にとって最も受け入れやすい、快い音となる。

と言い換えると分かりやすいでしょうか。

また、楽器や声などの個別の音色は、基本となる周波数の音(基音)と、倍音と呼ばれる高調波成分の音の混ざり具合と、それぞれの成分の時間変化が音色を決定するのですが、人の感覚は、特に耳の感度が落ちる低い音程域(主にベースパート)では倍音成分がしっかり聞こえていれば基音が欠落していてもあたかも基音があるかのように聞こえる(補完して音程が取れる)という特性があります。
このため、再生帯域がより広くなるときは、40万より大きい数字になっても快さは低下しないとする説もあります。

ここから導き出されることは、再生周波数帯域を広げてもそれだけでは快い音は得られず、帯域の取り方とエネルギー分布(バランス)が重要だ。ということです。

気を付けなければいけないのは、40万の法則は「必要条件」でも「十分条件」でもなく、当てはまっていなければ快い音がしないというものではありませんし、ましてや当てはまっていれば必ず快い音がするというものでもありません。

音の快さの傾向として周波数レスポンスを考えた時、どのようにまとめられているかとか、システムの設計/製作にあたってのターゲット設定の指標の一つとしての役割でしかありません。

語弊を恐れず言い換えると、オーディオ機器は重い方が良い結果を得る確率が高い。というのと同レベルで、40万の法則への当てはまり度合が高い方が、好ましい結果を得る確率が高くなる。といった程度のものです。
これは、音の傾向、快さは、周波数レスポンスだけでは決まらないからです。

また、40万という帯域の指定より、中心周波数630Hzの方が大切です。

それらをふまえて。。

現代のオーディオ機器で考えた場合、ラインレベルの音源(ソース)とアンプについては人の可聴域である20Hz〜20kHzがフラットに出せない機械を探す方が難しいくらいに高性能ですが、厄介なのがスピーカーです。

一般的なダイナミック(マグネチック)スピーカーは、磁界の中に振動版と連結したコイルを置き、コイルに交流の信号電流を流して発生した力で振動板を前後に動かして音波に変換する、線速度一定型のデバイスです。

線速度一定ということは、周波数と振幅が反比例する(周波数が低いほど振幅が大きく、周波数が高いほど振幅が小さくなる)ということです。

物理(物性)的にみると、周波数が高くなるほど振動系の重さと振動板のたわみでコイルと振動板の追従性が悪くなり、歪んだりレベル低下したりします。

高い周波数で歪まず音圧を得るには、剛性が高く追従性の良い、強くて軽い振動系が必要で、サービスエリアを広くするには口径を大きくできません。

一方、低い周波数では口径を大きくするか、感度と直線性を保ったままストローク(振幅)を大きくしないと必要な音圧が得られません。

周波数が低いほど必要な振幅が大きくなるので、スイングさせようとボイスコイル幅をむやみに大きくしても、コイルに磁界の掛かっていない部分が多くなるので効率が悪くなったり、振幅の限界近くで直線性が悪化したり、そもそも振幅が取れず底突きしたりなんていうことが起きます。

フルレンジユニットで考えた場合、20Hzと20kHzは周波数で1000倍違いますので、20kHz時と同じ音圧を20Hzで得るのに、20kHzの時の1000倍の振幅が必要となります。
口径が大きなユニットの場合、低域の必要振幅は確保できても高域の追従性と指向性が問題になりますし、口径が小さい場合、良好な高域特性は得られても低域で必要な振幅が取れなくなるという、完全に二律背反の世界です。

つまり、振動板の前後運動(ピストンモーション)だけでオーディオ帯域をリニアかつフラットに再生しようとするならば、物理的、物性的な制約からスピーカーユニットごとの受け持ち周波数帯域を分割したマルチウエイスピーカーでなければ到底無理ということになります。

ところが、趣味の世界はおかしなもので、評価の高いスピーカーにはフルレンジユニットのものが少なくありません。

レンジは狭くともバランスのとれた周波数レスポンスを持つものであったり、音の評価は周波数レスポンスだけで決定されるものではないということの現れですね 。

可聴帯域全域でリニアでフラットな特性を得るにはマルチウェイが必然的に必要となるのですが、マルチウェイならそれでよいかといわれると、20Hzの再現なんて超大型システムでもなければ望むべくもなく、40Hzでさえ、きちんとピストンモーションで鳴らせるスピーカーシステムはお父さんのお小遣い(現実的な価格)とウサギ小屋に収まる現実的なサイズでお目にかかることはほぼ出来ません。
それどころか、巷にはマルチウェイであっても先の人の基音部補正能力を逆手に取ったかのような低音域の雑なスピーカーで溢れているのが残念無念だったりします。

また、マルチウエイシステムには受け持ち帯域を分割する際に起きる特性の変化があり、境界付近の周波数ではユニット同士から発生する音波を合成したときに起きるさまざまな問題の解決も必要となり、実はこれがかなりの難問だったりします。

つまり、スピーカーシステムは、マルチウェイでもフルレンジでも、構成や使用するパーツによって大なり小なり特性や性能に何かしらの妥協が必要になります。

マルチウェイシステムは真面目に作ればどうしても高価になりますし、組み合わせや測定など開発にそれなりのリソースが必要になり、ちゃんとしたメーカーのちゃんとした製品に個人で太刀打ちするのは容易ではありません。

逆に、フルレンジ一発でもユニットとキャビネットの組み合わせと、40万の法則にあるように、無理に再生帯域を広げなくとも再生出来る周波数帯域の使い方が上手であれば大型マルチウエイに負けない感動体験は得られる訳で、メーカーでは対応できない(工業製品としては採用できない)工夫もできるこちらの方が個人でメーカー製品に対抗するには有利です。
(もちろん、負けないと言っても同じ土俵で戦うというわけではありませんので念のため。)

さて、そのフルレンジスピーカー。
メリットはユニットから直接放射される音域ではほぼ点音源であることに由来します。

複数ユニットで帯域分割されていないことから、ユニットごとの受け持ち帯域間のいわゆる「つながり」にまつわる問題が原理的に存在しないため、空間表現が自然で上手と言われています。

デメリットは分割振動による高音域での歪み増加が避けられず、ツィーターより歪みや周波数特性の暴れが大きくなること、直接放射による低域再生に無理がある(限界が早く現れる)ことなどが挙げられます。
昔は6インチ(16cm)級のダブルコーン型が主流でしたが、最近は5インチ、4インチのシングルコーンが多い感じです。

口径が小さくなっているということは、分割振動の問題が以前より小さくなり高域特性はよくなっていても、低域の再生能力が問題になります。

先ほどの40万の法則を考えるならば、小口径化で高い方に伸びた特性のぶん、低域側も伸ばす必要があります。

そのためには高性能なユニット(低い共振周波数と大きくリニアな振幅特性)、振動板からの直接放射だけに頼らないキャビネット(形式、実装)の工夫が必要となります。

スピーカーユニットが良好な高域特性を持ちつつ大きくリニアな振幅特性を持つということは、軽く頑丈な振動系であることに加え、ダンパー、サスペンションの柔らかさ、機械的な振幅余裕が必要です。

この場合、バスレフやバックロードホーンで低域の音圧を得るか、エアサスペンション(密閉)ならば真空管アンプなど出力インピーダンスの高いアンプで低域共振周波数周辺をブーストするなどの補正が必要になります。

そこで問題になるのが、バスレフやバックロードの低域の立ち上がりの遅さや収束の悪さであったり、周波数特性の大きな凸凹だったり、ブーストする場合の大きな振幅増加です。

どんなに素晴らしいユニットを使っても、単純に周波数特性だけ狙って作ると音圧は得られてもブーミーで締まりのないゆるゆるな低音になったり、振幅不足で歪みっぽい低域になったりします。
ここの処理が腕の魅せ所ですね。

余談になりますが、いわゆる「ハイレゾロゴつき製品」のうち、スピーカーについては高域側の再生周波数が40kHzをクリアしていればよいこと(しかもレベルはメーカーお任せ)になっており、歪みや低域側の特性については規定がありません。
周波数特性150Hz〜40kHzなんていう手のひらサイズのスピーカーにハイレゾマークがついてたりするのは、ギャグか何かかと思ってしまいます。

更に余談ですが、基音部がないと気持ち悪かったり、変な基音部ならないほうがマシと言われる方には楽器演奏に長けた方が多いように思います。
http://www.ezto.info/stpress/2016/01/563.html


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蓄音機の周波数特性 2016年11月12日
http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-852.html

蓄音機の周波数特性を見つけたのでご紹介します。

横浜蓄音機ミュージアムのサイト
http://emgmark7.com/dish.html

をご覧ください。


ヒズマスターズボイスというモデルだそうです。

https://blog-imgs-91-origin.fc2.com/c/h/e/cheapaudio/20161112090211c86.jpg

100Hzと4kHzがほぼ同じレベルですから、40万ヘルツの法則通りですね。具合良く聞こえるよう、ホーンの形状を入念に作り込んだのだと思います。帯域は狭いですが、高低のバランスが良いので十分に音楽を楽しめたのでしょうね。

タブンこういう形の装置だと思います。

https://blog-imgs-91-origin.fc2.com/c/h/e/cheapaudio/HMV.jpg

装置の下部に大きなホーンが格納されています。一切電力を使わない超エコシステムですね。

これに比べると、現代の一般的な小型ブックシェル サイズのバスレフ型は明らかに高い方へ偏り過ぎでしょう。しかも、最近は蝙蝠さん領域まで特性を一生懸命に伸ばしていますよね。私としては、まず低い方向へ伸ばすよう努力するのが筋だと思うのですが。。。ドナンデショーカ?????

我々の感覚は非常に相対的です。

低音が十分と感じるかどうかは、高音の大きさによって左右されるという事です。
同様に、快適な再生音量も周囲の暗騒音レベルによって左右されます。静まりかえったクラシックのコンサートであっても、何百人もびっしりと人が居るわけですから、自分の部屋でヒトリ静かに聞く場合に比べて暗騒音は相当大きいはずです。ロックコンサートなら、それはもう凄まじい暗騒音でしょう。ですから、オウチでヒトリ静かに音楽を聴く際に、ライブと同じ音量にして聞く必要は全くアリマセン。相当な苦痛を強いられるはずですから。脂汗が出そう。。。耳にも良くないし。。
http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-852.html


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☆ 私と蓄音器EMGマークZ との出会い その1 ☆
http://emgmark7.com/dish.html

私は昭和23年生まれで今年2013年で65歳になります。大田区、久が原に中学時代までいました。。そこには祖父の卓上蓄音器(ビクトローラVV1−90)が家にあり私が4〜5歳の頃、姉がゼンマイを巻き聴いていました。小さいながらも、黒い盤が回るのを見たり、中を覗き込んだり、後ろに回って誰かが中にいて唄っているのではないかと、その当時は不思議に思ったものでした。

また父は音キチでステレオに凝りマッキントシュのアンプやタンノイのスピーカなどが沢山転がっていました。私が中学時代にどっちのスピーカの音が良いか、よく聴き比べを父に頼まれ、何回も聴き比べをしていくうちに耳が肥えていったように思います。

そんな環境で育ったため私は大学では音響の専門機関である財団法人―小林理学研究所と関連のある大学へ行き物理の中でも音響学の勉強をしました。専門は室内音響で当時のコンサートホールの残響時間や室内の周波数特性の測定でした。

40年位前になりますが、その当時の新宿厚生年金会館のホール音響はひどいものでした、ニニー・ロッソが毎年日本に来てクリスマスコンサートをしていました、トランペットをニニーが吹くと1秒くらい遅れて後ろの壁から反射して聞こえて来ます。壁や天井・床が並行のため反射して戻ってきます。そんなことで小林理研に依頼があり部屋の残響時間や周波数特性の測定に駆り出されたことを今でも思い出します。

もちろん今ではコンサートホールは並行な壁や天井はなく音の良いホールになりましたが、いまだに音の悪いホールは初台のオペラシテイー位になりました。

その後、私は補聴研究室へ配属になり、補聴器のフィッテイングの研究をし、昭和60年に独立、補聴器フィッテイング研究所を設立、当時、補聴器のフィッテイングの技術が世界的に無かったため、外耳道の鼓膜面までの共鳴を考慮した調整法を確立し、現在では、日本全国から補聴器の調整を求めて来所されます。

また趣味としては、父からステレオ装置を譲り受け、CDの音を聞いていましたが、なかなか良い音に巡り合えず、昔聴いた蓄音器の音が懐かしく思っていました。しかし蓄音器には全く知識が無く、踏み込めないでいました。

そんな時、15年位前から、私は茶道を始め、毎年正月には初釜をして楽しんでいました。9年位前に知人から港南台に茶室を造った家があるので見に行かないかと誘われ訪問しましたら、そこの旦那さんが蓄音器を持たれており久しぶりに聴かせていただきました。昔聴いた懐かしい音に感動し、そこで初めて銀座に蓄音器の老舗シェルマンがあることを教えてもらいました。

2003年11月21日、東銀座のシェルマンに行きました。二階に上がり磯貝社長にお目にかかり、言いました。

『ここに並んでいる蓄音器を順番に聴かせて下さい、私が聞いて一番音の良いと思う蓄音器を一台購入します。』

その当時は蓄音器に関する知識が全く無く、1台目は確かアメリカのものだと言っていました、聴いた瞬間、音の抜けが悪く、ボーカルは遠くで唄っている声でした。

二番目はイギリスのもので、一番大型のサイズだと言う2種類でした、アメリカのとは違い音の抜けは良かったです、大きさは同じでしたが、後の方が音の艶がありました。

4番目は上にラッパが出ていてこれもイギリス製と言っていました。大きな音で鳴っていましたが、低音と高音のバランスが悪く低音ばかりが大きく聞こえます。しかも低音が絞まらずボンボンと聞こえます。

5台目も同じメーカーでフロア型でした。これを聴いた瞬間、鳥肌が立つようでした。高音も良く出ていて、低音もズンズンと絞まっています。高音と低音のバランスがとても良く、ボーカルは音がフォーカスされ、目の前で唄ってくれているようでした。音楽が終わらないうちに、これを下さいと言っていました。

あと2〜3台未だ聴いていない蓄音器はあったのですが、もうこれ以上の蓄音器はないだろうとその時、思いました。蓄音器の知識が全く無い訳ですから、頼りになるのは私の耳だけでした。若い頃から耳は訓練していたため、スピーカからの音楽を聴いて周波数特性がある程度描ける位の耳は持っていました。

この蓄音器マークZの周波数特性はピーク・デップの無い比較的フラットな特性で、しかも今まで聴いた蓄音器の中でも高音から低音まで良く再生している広帯域特性とその時、判断しました。これが、私が初めてEMGマークZに出会った瞬間でした。


☆ 蓄音器 EMGマークZ とは! その2 ☆

それから1週間くらいして、自宅にマークZを設置にシェルマンの磯貝社長が来られました。設置を見ながら社長に聞きました。

『この蓄音器はシェルマンでは何台位扱いましたか?』

かなりの台数が出ているだろうと、予想していたのですが、以外な回答でした。

実はこの蓄音器はシェルマンでは、初めてと言うこと、EMGの蓄音器の中でも大変珍しく幻の蓄音器と言われている事を聞きビックリしました。

では、日本では何台位入って来ていますか?と聞くと、数年前に梅屋さんが初めて入手し、世界の蓄音機の本に掲載されている写真がその実物で、多分これが1台目ではないか、しかしこの蓄音器は回転むらがあったと聴いているとのこと。今日納めたこの蓄音器がおそらく日本で2台目ではないかと思うと言われていました。

そんなに珍しい蓄音器だと言うことを全く知らずに手に入れた事に感銘しました。そして、更にこの蓄音器について知りたいと思い、書物を探しましたがなかなか見当たりませんでした。インターネットでEMG蓄音器で検索すると静岡の林コレクションが見つかり、早速、連絡を取り遊びに静岡の林コレクションへ出向きました。

なんと林静雄さんもEMGの熱烈な愛好者で、EMGの息子さんのジョー・E・ジンと家族ぐるみで交流があり、以前に家族でイギリスの自宅に遊びに行った話をいろいろとお聞きし大変、参考になりました。静岡にお邪魔した時に聴かせて頂いたEMGマーク\もマークZ程ではないが、乗用車に乗るためにコンサートなどの移動用に便利な蓄音器と思い求めました。鎌倉のコンサートで使用していたマーク\はこの時に求めたものです。

林さんにお聞きしましたら、EMGの息子さんの家に殆どんの蓄音器の機種が残っていたが、マークZだけが息子さんの家にはすでに無かったそうです。EMGの蓄音器をあれ程、情熱を持って集められておられる林さんでもマークZには未だ一度も出会ったことが無いと言う話を聞き、益々この蓄音器に興味が出て文献を探すことにしました。

間もなくしてE,M,G,STORYと言う書物が見つかりました。この書物によると、マークZは1928年7月に発売され、1927年に出たHMV202より共鳴管は少し短めだが、マークZの音は繊細で、今まで世に出た蓄音器の中でも、低音から高音まで一番広帯域である。EMGの蓄音器の中でも一番良いモデルである。と書かれており、HMVの蓄音器を意識して造った事が読み取れます。

また、林さんに指摘されて初めて知って調べましたら、マークZは世界の蓄音機ではホーンはパピエ・マーシュ(紙)と書いてありますが、本当はエボナイトだと言うことが本を読んで分かりました。実際にマークZの下から頭を入れて、見えない部分をカッターで削ってみました、紙の上にコーテイングしているのではなく、確かにエボナイトむき出しでした。このことで、低音がズンズンと絞まった音の理由が分かりました。

低音は波長が長いため、材料が軽くて軟らかいと振動で動き音が歪ます。低音を再生するには、重くて硬い材料が良いのですが、HMVのように金属にすると重すぎて移動が困難になります。そこで、金属でなく、紙でない、中間のエボナイトを採用したことが成功した一因と思います。

更に箱に入れてホーンの周りを固定したことで低周波数でもホーンが動かず歪の少ない音になったと思われます。また更に調べていくとEMGは全ての蓄音器がエクスポーネンシャルホーンと言うこと、これは全ての周波数の共鳴がホーンの真ん中に音像が出来、ボーカル等は、点音源になることです。従ってボーカルは声がフォーカスされ、そこで唄っているようにリアルに聞こえます。

また他社の大型蓄音器はリエントラントホーンと言う構造、これは点音源にならず、横に広がった線音源になります。しかも共鳴管の途中で管を二つに分けたため、聴く場所によって、上のスピーカから出た音と、下のスピーカーから出た音で干渉し、ある周波数では位相が反転すると言うとんでもないことが起こっているのです。聴くと音はフォーカスされず、広がってしまいます。カメラで言えばピンボケの状態です。しかし、一長一短があります。エクスポーネンシャルホーンはどの位置で聴いても位相が反転するようなことは起こらず、ボーカルやバイオリンソロなどはとても良いのですが、大編成の交響曲などは、点音源のため、全ての音が真ん中に集中し広がりが無くつまらない音になります。

リエントラントホーンはフォーカスはしないものの、交響曲は広がりがあり聴き易くなります。オールマイテーの蓄音器はリエントラントホーンかもしれません。このように蓄音器の構造を調べて行くと、EMG蓄音器の中でもマークZだけに、エボナイトを使用したこと、またマークZだけが、ホーンを箱に入れて固定したことで、EMGの蓄音器の中でも最高の音を造ることが出来たと思われます。

またEMGがHMVよりも更にハイファイの音を求めたため、エクスポーネンシャルホーンに執着したこともうなずけます。

このように私は、良い音の蓄音器が見つかると、どうして音が良いかを音響的に解明していく事に興味を持っています。また音の良くない蓄音器に出会うと、どうして音が悪いかを音響的に解明しようとします。その点では少し異色の趣味かもしれません。 

   


☆ 蓄音器EMGマークZ その3 ☆

私はこの蓄音器マークZの音がとても気に入り、もう1台、イギリスでマークZが出たら購入することを磯貝社長に伝えましたら、翌年、もう1台出て来ました、残念なことに、すでにモーターは電気に交換されていましたが、音は問題無く繊細な音を聞かせてくれています。

マークZの箱の模様は一台一台、異なっており、箱はデザイン会社 に注文して製作したそうです。2か月前にマック杉崎さんとお会いしましたら、初めのマークZはマックさんが所有されていたそうで、その後手放されて、現在は茨城県石岡の 世界的蓄音器マニアと私が思っている、青柳さんが所有されています。

2004年の雑誌、ステレオサウンドNo153に菅野沖彦さんのレコード演奏家訪問に青柳さんの自宅の写真 が載っておりマークZがあるのにビックリして磯貝さんにすぐ連絡しましたらこの蓄音器が一台目のものと分かりました。この機種はEMG STORYの本の写真に掲載されているものと同一で、模様が放射状になっている蓄音器です。この写真の実物が日本に入って来たことになり、林さんがEMGの息子さんの家に行ったときにはマークZだけは無かった、 つまり、既に日本に来ていた事になりつじつまが合います。

ではEMGの蓄音器はいったい何台位、造られたのでしょうか?
文献によると、マーク]は150台、マーク]aが75台、 マーク]bがオーバーサイズを含めても、たった50台だそうです。マークWが350台、マーク\が350台。

ではマークZはと言うと、これは記録が無く推測でしかないそうですが 数十台のようです。この数を見ると]bが50台と言うことは、もう既に日本にその殆どが入って来てしまったようで、もうイギリスで見つけようとしても難しい状況になっているようです。 しかもマークZは市場に出ることが殆ど無いことからかなり製造した台数は少ないと想像されます。

私は、こんなに良い音の蓄音器を独り占めしてはいけないと思い、8年前から 毎年10月の戸塚のフォーラム祭りの市民持ち込み企画に申し込み、EMG蓄音器クラブとして9時から4時まで約7時間コンサートを開催し、毎年70人くらいの方が聞きにきてくれています。去年は年を召したご婦人の方が一番で来られて最後までおられ、曲をリクエストされていました。毎年2〜3人ですが、EMGのマークZの音を日本ではどこで聴けるのか、検索をかけると私の掲示板に書かれているマークZの記事を読み、連絡が入ります。自宅に来られてマークZを聴いてもらうと、その音にびっくりされて帰られます。今度上京した時には、自分のSPレコード盤を持参するので、また是非聴かせて欲しいと言われます。

そんな方が全国に15人位おられるため、EMG蓄音器クラブなるものを 8年前に立ち上げました。会員は全国に散らばっているため、全員が一同に会する事はありませんが、クラブの年1回の行事として、毎年10月にコンサートを開催している訳です。

蓄音器の老舗シェルマンでは、以前に蓄音器の周波数特性の測定をするため、私が以前、所属していた小林理学研究所に依頼をしたそうですが、見積もりが高額のため実現出来なかったそうです。 そんなことで、私がシェルマンの蓄音器の周波数特性を測定するようになりました。

新しい蓄音器が入荷すると、周波数特性を取り、音を聞き良い音の蓄音器は店に展示する前に 私がゲット出来る特典があります。

平成17年にHMV194の素晴らしい音に巡り合いました。やはり聴いた瞬間にこの蓄音器を下さいと言っていました。

HMVのフロア型蓄音器ですが、もともとリエントラントホーンは音が良くないと言う私の先入観があったのですが、この194を聴いて考えが変わりました。後で周波数特性を測定しましたら、図―1のように200Hzから3000Hzまで周波数がフラットでした。その後も他の194を沢山聞きましたが、これ程の蓄音器に未だ出会っていません。

図―2はマークZの周波数特性です。周波数特性だけで音の良し悪しは勿論分かりませんが、一つの参考データです。

蓄音器の周波数の測定には2種類あり、一つは、周波数特性測定用のSPレコード盤があります。三分の一オクターブバンド毎の純音が録音されており再生しながら、騒音計でレベルを読み取って行きグラフを作成します。

もう一つの方法はクリック音を再生しマイクで受けてその信号をファースト・フーリエ変換(FFT)と言う手法でパソコンで計算し周波数軸に変換します。クリック音はレコード盤に縦に傷を一定間隔で入れ、再生します。

下の図は前者の方法で測定したものです。蓄音器によっては、ある機種の蓄音器は4台位測定しても周波数特性が殆ど不変と言うものもありますし、ある機種では、4台測定すると4台共、周波数が異なると言う機種もあります。蓄音器の周波数特性を図にして発表することも考えましたが、蓄音器の優劣に直結する可能性があり、差し控えております。

以上、私が9年前にEMGに出会い現在までやって来た事です。あまり参考にはならないと思いますが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。なお今年の4月、湘南SPレコード愛好会にEMGマークZを持参しますので、興味のある方は聴きに来て下さい。


☆ 蓄音器による鉄針・ソーン針・竹針の周波数特性の違い ☆
ゲストルーム
一般的に鉄の針は強い音、竹の針は柔らかい音と言うイメージがあるが、一体どのような周波数特性なのか大変興味があるところです。今回は蓄音器シェルマンの2階でHMV203の蓄音器をお借りして、実験を行いました。

図−3の赤線が鉄針ミデイアムを使用したときの周波数特性。青線がソーン針を使用した時、黒線が竹針を使用した時のものです。

まず、黒(竹針)と青(ソーン針)を比較してみると、250Hzでは両者とも同じレベルの90dBSPLであることが分かります。

500Hzでは8dBソーン針の方が音が大きい、1KHz、2KHz、4KHzでは10dBソーン針の方が音が大きいことが読み取れます。

即ち、低音域よりも高音域の方が竹針の減衰が大きいことが分かります。

次に赤(鉄針)と黒(竹針)を比較しますと、250Hz以下の低音部分は4dB位、鉄針の方が音が大きいことが分かります。しかし高音域1KHz,2KHzでは15dB位、4KHzでは約20dB位鉄針の方が音が大きいことが読み取れます。

従って竹針は低音域よりも高音域の減衰が多いため、音が柔らかく感じる訳です。この図を見るとソーン針は鉄針と竹針の略中間の特性と言うことが分かります。何かの参考になれば、幸いです。 


☆ 蓄音器の周波数特性 ☆


初めて銀座のシェルマンに伺い、聴かせていただいた時の蓄音器の特性を後日、測定させていただきました。最初に聴いたのがアメリカ製のビクトローラ・クレデンザでした、その時の蓄音器の特性が図―5の赤線の特性です。

500Hzが80dBSPLと他の蓄音器と比較すると10dBから20dBも弱いことが分かります。500Hzが弱いと音の抜けが悪い事につながります。この蓄音器もシェルマンで中も解体しメンテナンスが済んだ状態でした。

またこの図の黒線はもう1台別のクレデンザの特性です。このようにクレデンザは製造期間が長かったことと、製造台数が多かったため、中の構造に多少の変更などがあり、周波数特性にかなりのバラツキが見られます。

黒線の特性は500Hzが102dBSPLも出ていて、音の抜けはかなり良いです。クレデンザには当たり外れがありますので、音を良く聴いて抜けの良い蓄音器を選ぶことが必要です。

次に聴いたのがイギリスのHMV202とHMV203でした。その時の周波数特性を図―6と図―7に示します。サイズはどちらも同じと言うことですが、

比較すると500Hzで202型は90dBSPL,203型は100dBSPL出ていて、10dBも203型が出ています。従って音の抜けの良いのは203型かもしれません。HMV202と203型は比較的個体によるバラツキは少ないようです。

次に聴いたのが図ー8のEMG ]bオーバーサイズでした。周波数特性を見ても、明らかなように1KHzと500Hzは100dBSPLも出ているのに、3KHzでは80dBと高音域が出ていないことが分かります。エクスポーネンシャル・ホーンの径が大きくなり共鳴管の長さが長くなるほど、高音域の減衰が大きく、低音と高音のバランスが悪い事が分かります。

そして、最後に聴いて、鳥肌が立つようだったのが、EMGマークZアップライト・グランド型でした。その特性が図―2です。フラットに近い特性が読み取れるでしょうか?

このように、私の耳で聞いて感じたことが周波数特性を取って見ると、略特性に出ている事が分かります。私が蓄音器の音を聞いて聴き終わらないうちに、購入を決めたのは、図ー2のマークZと図―1のHMV194の2台だけでした。


☆ 針の太さの違いによる、周波数特性の変化 ☆

鉄針のラウド(太針)とソフト(細針)は、いったい、どのような周波数特性になっているのでしょうか?

一般的にはラウドは大きい音、ソフトは小さい音と言うイメージがあるが本当にそうでしょうか?

私もこのことには、大変興味があり、蓄音器の老舗シェルマンの二階をお借りして実験を行いました。使用の蓄音器はEMG―]bです。図−4の赤線がラウド(太針)の特性であり、黒線がソフト(細針)の特性です。

これを比較すると、1000Hzから低い音は、どちらも同じ大きさの100dBSPL音ですが、2000Hzでは、5dB位太い針の方が音が大きい、また3000Hzでは約8dB.4000Hz以上の高音域では、約10dB位太い針の方が音が大きい事が分かります。

従って、針の太さがラウドとは、全体の音が大きくなるのではなく、高音域が出るのがラウドと言う事になります。針の太さを太くすればするほど、高音域が出てきます。これは、ソーン針でも同じ結果になりますので、高音域を出したい時は太い針を使用した方が良い事になります。

しかし、どちらの針も騒音計で音圧レベルを測定すると略同じレベルになります。何故かと言うと500Hz〜1000Hzの音のレベルが100dBSPLもあり、高音域3000Hz〜4000Hzでは、太い針で90dBSPL、細針で80dBSPL位なので、全体の音のエネルギーはどちらの針も同じ略100dBSPLと言うことになります。
http://emgmark7.com/dish.html






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CDのスペクトラム(周波数帯域) Uploaded Jan.28th,2010
http://web1.kcn.jp/oshikuma_lab/theatertopics4.html


市販CDソース(新旧)の中から優秀録音と思われるものを含めてそのスペクトラムを調べて各々のソースに必要とされる帯域とそのピークエネルギ−に対する情報を得ることにする。測定は各ジャンル毎に分類して行った。測定サンプル数は多くないが傾向を把握することができる。詳細な測定結果を次に示す。


1) オーケストラのスペクトラムは全帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっている。フルバンドジャズやフュージョンのスペクトラムは広帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっており、オーケストラ同様に全体のバランスをチェックする目的に適している。


2) 大太鼓の基音は約40Hzであるから、大太鼓を十分再生するには40Hz以上の再生帯域が必要である。一方、オルガン曲では、測定した2曲共にアナログ録音であるが、約30Hzから録音されている。オルガン曲を十分再生するには30Hz以上の再生帯域が必要である。


3) オーケストラやフルバンドジャズのピーク音圧は高いので、広帯域特性とダイナミックレンジを備えたスピーカを選択することが必要である。


4) これらとは対照的に小編成のジャズ、室内楽、ソロ楽器、ボーカルの帯域は相対的に狭いので、広帯域でなくとも必要とする帯域をカバーするスピーカであれば大きな問題は発生しないと思われる。

かって、故池田圭氏宅で男性ボーカル録音をWE555で試聴したことがあったが、再生帯域上の問題は感じられず堂々とした再生音が得られていたと記憶している(WE555+15Aホーンの組み合わせによる音圧周波数特性は 5kHz以上でロールオフ特性となるが、高音域成分の少ない男性ボーカル帯域を再生する目的には特性上の問題は少ない)。


5) (1)、(4)からスピーカ再生帯域は、通常言われているクラシック向き、ジャズ向きという分類でなく、種類や編成によることがわかる。

以下の測定では、測定用として特性を管理したCDプレーヤと半導体アンプ(プリ部)を用いて、プリ出力として得られる各曲のピーク値を記録している。


オーケストラ

スペクトラムは全帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっているため、全体のバランスをみる目的に適している。

橙: ミネソタオーケストラ/RR907CD/Track7(Tchaikovsky/Hopak from Mazeppa)/Eiji Oue
緑: ドイツグラモフォンベストレコーディング(Stereo Sound Reference Record Vol.9)/C30G00102/Track10&11(ストラヴィンスキー火の鳥)/ブーレーズ指揮、シカゴ交響楽団
紫: ワーグナー ニベルングの指輪/SICC20008/Track2(ワルキューレの騎行)/ジョージ・セル指揮, クリーブランドオーケストラ
黄: ストラビンスキー春の祭典/SICC 20040/Track2-3/ブーレーズ指揮,クリーブランドオーケストラ
青: ベートーベン前奏曲集/TDGD90013/Track2(Coriolan)/サー・コリン・デイヴィス指揮, バイエルン放送交響楽団


室内楽

測定した2曲の帯域は狭く高域のエネルギーが少ない。広帯域特性よりも質感の再生が重要となってくる。

緑: モーツァルト ピアノトリオ/UCCG-1285/Track7/アンネ・ソフィー・ムター, アンドレ・プレヴィン, ダニエル・ミュラー・ショット
紫: ヴィヴァルディ 四季/UCCP-9057/Track1(春 第一楽章)/イ・ムジチ


オルガン

2曲共にアナログ録音であるが、約30Hzから録音されており、低域テスト用として十分である。

緑: サンサーンス交響曲第3番/3UCCD7056/Track2/エルネスト・アンセルメ指揮, スイス・ロマンド管弦楽団
紫: 菅野レコーディング Best Sound Selection/SSSA1(TGGS119)/Track2(JSバッハ/オルガン・コラール)


ピアノ曲

測定した3曲のスペクトラムは、非常によく似ており、帯域は70Hz-数kHzとなっている。

紫: リスト 超絶技巧練習曲/UCCG-1440/Track13(ラ・カンパネラ)/アリス=紗良オット
緑: 献呈/TOCE55880/Track3(ショパン 幻想即興曲)/蔵島由貴
橙: Stereo Sound Best Sound Selection柳沢功力/SSRR1/Track7(シューベルト 楽興の時)/内田光子


弦楽器(ソロ)

バイオリンソロに比べてチェロソロは低域に伸びており、しかも高域にもスペクトラムが広がっている。スペクトラムの観点からみるとチェロがソロ楽器として全帯域のスムーズなつながりのテストに用いることができる。

緑: バッハ & イザイ/NF-53002/Track7(Obsession)/ジョゼフ・リン(violin)
紫: 菅野レコーディング Best Sound Selection/SSSA1(TGGS119)/Track1(パガニーニの主題による変奏曲/ヤーノシュ・シュタルケル(cello))


女性ボーカル

4曲/4人とも非常によく似た狭帯域スペクトラムとなっている。8kHz付近のピークに違いがありレベルこそ低いものの声の特徴に影響を与える(聴感上の違いと一致する)。ボーカルを生かすために伴奏のエネルギーが控えめとなっていることが読み取れる。

紫: イタリア歌曲集/POCL1753/Track1(アラゴネーゼ)/チェチーリア・バルトリ(メッゾ・ソプラノ)
青: スペイン歌曲集/457 726/Track4(エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ))
橙: 鮫島有美子/SD104/Track2(この道)
緑: さくら横丁/VICC60276-3/Track3(からたちの花)/佐藤美枝子


男性ボーカル

男性ボーカルは女性ボーカルに比べて数100Hzのエネルギーが大きいことが特徴であり、この帯域の再生能力が影響する。また、5-10kHz付近のピークはレベルこそ低いものの声の特徴に影響を与える。

緑: ロンドンベストレコーディング(Stereo Sound Reference Record Vol.9)/C30L00101/Track4(ペーター・シュライアー(バリトン))
紫: スペイン歌曲集/457 726/Track1(ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(バリトン))


ジャズ&フュージョン

フルバンドジャズやフュージョンのスペクトラムは広帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっており、オーケストラ同様に全体のバランスをチェックする目的に適している。オーケストラやジャズのピーク音圧は高いので、広帯域かつ大音圧再生可能なスピーカを選択することが必要である。

一方、これらとは対照的に、小編成のジャズの帯域は50Hz-5kHzに偏っており、新旧録音で大差ない。そのため、古典的な30-38cmシングルコーンでも再生できそうな特性である。

緑: My Funny Valentine/TKCV-35348/Track6(It's all right with me)/Eddie Higgins Quartet
紫: 甦るビッグバンドサウンド/MLZJ2001/Track10(シング・シング・シング)/角田健一ビッグバンド
橙: マーカスミラー/VICJ-61266/Track9(シルバー・レイン)
青: Alfie/A9111/Track1(Alfie's Theme)/Sonny Rollins with orchestra conducted by Oliver Nelson


ポップス

スペクトラムの主要な帯域は、50Hz-5kHz程度で低域のエネルギーを必要する一方、高域にかけてなだらかに減衰する。中低域中心の伴奏とボーカルという構成となっているためと思われる。

緑: ビートルズフォアエバー(1993年版)/UND-2/Track3(Rock and Roll Music)/ザ・ビートルズ
橙: Stereo Sound Best Sound Selection ノンサッチ/SSRR2(WQCP745)/Track1(After the Gold Rush)/k.d.Lang
青: Stereo Sound Best Sound Selection ノンサッチ/SSRR2(WQCP745)/Track8(Tan Bi)/Youssou N'Dour
紫: 大吟醸/YCCW0034/Track8(時代)/中島みゆき
黄: Taking a Chance on Love/SICP 632/Track5(I won't dance)/Jane Monheit, Michael Buble

http://web1.kcn.jp/oshikuma_lab/theatertopics4.html


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ピアノの音響特性 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E7%89%B9%E6%80%A7

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音階の周波数
https://tomari.org/main/java/oto.html


音階は、「音を高低の順番に並べたもの」あり、音の高低は周波数で表します。

音は、周波数が半分になると1オクターブ低くなり、周波数が倍になると1オクターブ高くなります。

1オクターブには12の音があり

(@ド、Aド#(レ♭)、Bレ、Cレ#(ミ♭)、Dミ、Eファ、Fファ#(ソ♭)、Gソ、Hソ#(ラ♭)、Iラ、Jラ#(シ♭)、Kシ)、

その12の音は、隣り合う半音間での周波数の比率が同じです。
(音階に対して等比数列的に増える)

音の周波数を a0,a1,a2・・・・a12 とし、この等比数列の公比をrとすると、

a12 = a0r12 = 2a0 であるから、r12 = 2 より r=12√2(r=1.059463094)、

よって

an =a0rn = a0*(2(1/12))n

となります。

通常常音階の基準音として使用される「ラ」の音 (ピアノ鍵盤の49番目) は、440Hz の音が使われております。

この基準音階周波数と上記の式より、ピアノの鍵盤(通常88)の周波数を計算すると下記の表になります。音のサンプル波形は正弦波形です。


ピアノの鍵盤の音階と周波数

鍵盤番号 周波数(Hz) 音階名※

1 27.500 ラ A0
2 29.135 A#0
3 30.868 シ B0
4 32.703 ド C1
5 34.648 C#1
6 36.708 レ D1
7 38.891 D#1
8 41.203 ミ E1
9 43.654 ファ F1
10 46.249 F#1
11 48.999 ソ G1
12 51.913 G#1
13 55.000 ラ A1
14 58.270 A#1
15 61.735 シ B1
16 65.406 ド C2
17 69.296 C#2
18 73.416 レ D2
19 77.782 D#2
20 82.407 ミ E2
21 87.307 ファ F2
22 92.499 F#2
23 97.999 ソ G2
24 103.826 G#2
25 110.000 ラ A2
26 116.541 A#2
27 123.471 シ B2
28 130.813 ド C3
29 138.591 C#3
30 146.832 レ D3
31 155.563 D#3
32 164.814 ミ E3
33 174.614 ファ F3
34 184.997 F#3
35 195.998 ソ G3
36 207.652 G#3
37 220.000 ラ A3
38 233.082 A#3
39 246.942 シ B3
40 261.626 ド C4
41 277.183 C#4
42 293.665 レ D4
43 311.127 D#4
44 329.628 ミ E4
45 349.228 ファ F
46 369.994 F#4
47 391.995 ソ G4
48 415.305 G#4
49 440.000 ラ A4
50 466.164 A#4
51 493.883 シ B4
52 523.251 ド C5
53 554.365 C#5
54 587.330 レ D5
55 622.254 D#5
56 659.255 ミ E5
57 698.456 ファ F5
58 739.989 F#5
59 783.991 ソ G5
60 830.609 G#5
61 880.000 ラ A5
62 932.328 A#5
63 987.767 シ B5
64 1046.502 ド C6
65 1108.731 C#6
66 1174.659 レ D6
67 1244.508 D#6
68 1318.510 ミ E6
69 1396.913 ファ F6
70 1479.978 F#6
71 1567.982 ソ G6
72 1661.219 G#6
73 1760.000 ラ A6
74 1864.655 A#6
75 1975.533 シ B6
76 2093.005 ド C7
77 2217.461 C#7
78 2349.318 レ D7
79 2489.016 D#7
80 2637.020 ミ E7
81 2793.826 ファ F7
82 2959.955 F#7
83 3135.963 ソ G7
84 3322.438 G#7
85 3520.000 ラ A7
86 3729.310 A#7
87 3951.066 シ B7
88 4186.009 ド C8


※音階名は国際式音名表記です。

人間が聞くことが出来る周波数は、個人差や年齢差はありますが20Hz〜20000Hzと言われています。

聴力は年齢を重ねるとともに衰えていき、とくに高い周波数の音が聞こえづらくなっていき、15000Hz以上の音は20代後半ごろよりだんだん聞こえなくなるようです。

下記の周波数音も、どのように聞こえるかお試しください。


https://tomari.org/main/java/oto.html


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ピアノの一番低い音は聞こえない
http://myamada.my.coocan.jp/003-piano.html


楽器の音というと,心地よく聴けて当然と思っていた.しかも,誰もが聞いたことがあるピアノが出す音ならば聞こえて至極当然だ.しかし,驚いたことに3割の人にはピアノの一番低い音(一番左端の白鍵)の周波数(27.5Hz)(参照)の音が全く聞こえていないし,残りの7割の人にもあまりはっきりとは聞こえていない.
 
人の可聴域は 20Hz〜20000Hz ときく.可聴域には個人差があるし,高齢になると高音域が聞こえにくくなるので,誰にでも 20Hz〜20000Hz が聴こえるわけではない.よく話題に上るのは,お年寄りが耳が遠くなって大声を出さないと会話できなくなることだ.私の父も,普段はテレビを高音域を強めに調整して且つ大音量で鳴らしている.母は父より耳が聞こえるのでその音量に少々げんなりしているようだ.たまに帰省したときは,少し音量を下げてもらったり,耳栓をしたりしている.要するに,可聴域というと高音域側が問題になることが多い.
 
「可聴域と音程の判別能力」について記述したサイトによると,138名へのアンケート調査(有効回答の年齢幅は5〜56才)で,可聴域の上限は,およそ 9000Hz〜22000Hz で,平均は約 18000Hz とのこと.また,別のサイトで可聴域の年齢テストをやってみたら,私は 16000Hz までは辛うじて聞こえた(音程の違いは判らなくて,鳴っていること だけが判る)が,17000Hz は全く聞こえなかった.さらに,また別のサイトの可聴周波数域チェッカで自分の可聴域をチェックすると 13750Hz だった.2つのテストで少々結果が違うのだが,聴こえる高い音には限界があるということは実感できた.音程が非常に高い音や非常に低い音は,アンプやスピーカーの特性によっては鳴りにくいことも考えられるので,正確にはちゃんとしたスピーカーでテストした方がよい(今回は,PC用のスピーカーでやったので鳴りにくかったということはあり得る).いずれにしても,ピアノや他の楽器の一番高い音は 4000Hz 程度なので,健常者には充分に聴こえる周波数だ.
 
さて,本題の低音側だが,上記サイトによると,可聴域の下限は,およそ 11Hz〜73Hz で,バラつきが大きく,年齢による傾向は特に認められないとのこと.私がここに掲載されていたグラフの点を数えてみると,下限が30Hz以上の人は(2点以上が重なっているものは1点として数えた),16人/57人=0.281 となった.つまり,約3割の人は30Hzの低音が(音量をいくら大きくしても)全く聞こえない.私の場合,低音に関しても,可聴周波数域チェッカで自分の可聴域をチェックしてみると(10Hzきざみ),30Hz は何とか聴こえたが,20Hz は音量を上げても全く聴こえなかった.こんな私には,いったいピアノの最低音 27.5Hz が聴こえているのだろうか?
 
そんなことを考えながら,家のピアノの一番左側のキーを叩いて耳を澄ましてみると,最低音のあたりは「ビーン」という雑音ばかりが目立ち,ピアノらしい澄んだ音色とは掛け離れた音であることにあらためて気づく.以前から,ピアノの一番低い音の辺りはビンビンした音で,あまりきれいな音ではないなあと感じており,ピアノの性能が悪いのが低音の音色の悪い原因と思っていた.しかし,実は自分の耳が悪かったためなのかもしれない.きっと倍音ばかりが聴こえていて肝心の基音がほとんど聴こえていないのだ.今まで,聴こえている気がしていただけだったのか‥‥‥ (;_;)
 
ネットで調べていて,ピアノよりも低い音がでる楽器を見つけた.ベーゼンドルファー社のピアノには,一般的なピアノの最低音のラ(27.5Hz)よりさらに低音のド(16Hz)まで出るものがあるという.16Hzになると過半数の人が聴こえないのではないか.そして,極めつけは,パイプ・オルガンで,さらに1オクターブ下のド(8Hz)の音が出るものがあるらしい.ここまでになると殆どの人が聴こえないはずだ.だいたい,8Hzというと,1秒間に8回だ.太鼓を1秒間に8回叩くぐらいなら私にもできるが,それによって聴こえる超低周波音だ.何か聴こえる人いますか?
http://myamada.my.coocan.jp/003-piano.html


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高音と低音は音ではなく色や体振動として感知される

耳トレ!

耳トレ!-こちら難聴・耳鳴り外来です。 – 2011/10/3 中川雅文 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E8%80%B3%E3%83%88%E3%83%AC-%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E9%9B%A3%E8%81%B4%E3%83%BB%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A%E5%A4%96%E6%9D%A5%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82-%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E9%9B%85%E6%96%87/dp/476781202X

                      

大学教授で現役のお医者さんが書いたこの本には「耳の健康」に対する情報が満載で実に”ため”になる本だった。


☆ 日本語は世界一「難聴者」にやさしい言語

どの国の言語にもそれぞれ固有の周波数帯というものがあり、母国の言語を繰り返し聞いて育つうちにその周波数帯以外の音を言語として聞き取る脳の感受性が失われていく。

そのため生後11歳くらいまでには母国語を聞いたり発音する能力に特化した脳が出来上がる。

日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツで、英語は200〜12000ヘルツと随分と違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

したがって、英語民族は高齢になると早い段階で高い音が聞き取りにくくなって不自由を感じるが、日本人はすぐには不自由を感じない。その点で日本語は世界一難聴者にやさしい言語である。

※ これは一人で二か国の言語を操るバイリンガルの「臨界期」が10歳前後と言われる所以でもある。また、英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がる。


☆ 聴力の限界とは

音の高い・低いを表す単位がヘルツなら、音の強さや大きさ(=音圧レベル)は「デシベル(dB)」であらわす。

人間が耳で聞き取ることのできる周波数の範囲は「20〜2万ヘルツ(空気中の1秒間の振動が20回〜2万回)」の間とされているが、イルカやコウモリなどは耳の形や構造が違うのでこの範囲外の超音波でさえ簡単に聞き取れる。

ただし人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。

※ 人間の耳は一人ひとりその形も構造も微妙に違うし、音を認知する脳の中味だって生まれつき違う。したがって同じオーディオ装置の音を聴いたとしても各人によって受け止め方が千差万別というのが改めてよくわかる。

自分でいくら「いい音だ」と思ってみても、他人にとっては「それほどでもない」という日常茶飯事のように起こる悲劇(?)もこれで一応説明がつくが、音に光や色彩感覚があるように感じるのは超高音域のせいだったのだ!


☆ 音が脳に伝わるまでの流れ

耳から入った空気の振動は外耳道と呼ばれる耳の穴を通り、アナログ的に増幅されて鼓膜に伝わり、アブミ骨などの小さな骨に伝わってリンパ液のプールである蝸牛へ。そこで有毛細胞によって振動が電気信号に変換され、聴神経から脳に伝わる。これで耳の中の伝達経路はひとまず終了。

この電気信号が言語や感情と結びついた「意味のある音」として認識されるまでにはもう少し脳内での旅が続く。

電気信号が聴神経や脳幹を経て脳内に入ると、まず、大脳の中心部にある「視床」に送られる。ここは、脳内の情報伝達の玄関口となっている。視覚、聴覚、皮膚感覚などあらゆる感覚情報が必ず通る場所で、単純に音だけを聴いているつもりでも、様々な感覚情報とクロスオーバーしている。

また「視床」を通過すると音の伝達経路は「言語系ルート」と「感情系ルート」の二つに大きく分かれる。前者は最終的に「言語野」に到達するが、後者は大脳の一次聴覚野を通らず、いきなり「扁桃体」に直結していて「イヤな音」「うれしい音」というように音を直感的・情緒的に受け止める。

※ 音楽を聴くときにカーテンなどでスピーカーを隠してしまったり、あるいは目を瞑って聴いたりすると、機器の存在を意識しないでより一層音楽に集中できるのは経験上よく分かる。

さらに、直感的なイメージとしてオーディオマニアが音楽を聴くときには主として「感覚系ルート」がはたらき、それ以外の人たちが(音楽を)聴くときには主として「言語系ルート」が働いているように思うが果たしてどうだろうか・・・。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c85e3a32c3aca5331dd2fb7adaf73d2a

17. 中川隆[-9220] koaQ7Jey 2019年7月07日 13:01:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3460] 報告

自宅システムもやっと一息 - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2019年07月07日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1fa78a4adca12c9bde0e7323eca24fc8


アンプの場合、コンデンサーの種類や容量の大きさで「音色」や「音数」が変わる事は承知していますが、私から言わせれば「些細な変化」です。「内部配線」の交換は「革新的変化」をもたらします。


自宅システムも昨年からアンプの入れ替えが続き、落ち着かない日々が続いていましたがやっと安息の日が訪れ様としています。


LUXMAN M06α→クレルKST-100→エクスクルーシブM4→ディネッセン:アンタレス

と目まぐるしくアンプ交換して来て、今年に入りネットワークシステムでの「Wアンプ化」実験をして、ようやく元の鞘のWE101Dppパワーアンプ×2台のWアンプ化にこぎつけました。当初の構想から10年もの月日が経ってしまいました。

管球プリアンプとWE101Dppパワーアンプの内部配線は「特殊な銀線」に全て交換しています。クラスは当方の「ゴールドスターシリーズ」と同じ配線です。

一般の内部配線が銅線のφ0.5mm程度に対し、20倍以上の断面積と銀線の伝送特性です。超ハイスピードなアンプにしています。


サウンドトレール「ケーブルカタログ」
http://soundtrail.co.jp/p06.html


アンプの場合、コンデンサーの種類や容量の大きさで「音色」や「音数」が変わる事は承知していますが、私から言わせれば「些細な変化」です。「内部配線」の交換は「革新的変化」をもたらします。「劇薬」にも例えられるでしょう。

現在はパワーアンプの活性化(多分約1か月くらいで完了すると思う)中で、バッハ:チェンバロ協奏曲集をMDで、おとなしいサウンドで楽しんでいます。

非常に穏やかなサウンドで音数が多くてSPの存在が消えています。SP間の音の密度が市販のアンプとは違います。多分「蜜月」の時代かも知れません。最新のアンプの音の出方とは一線を画します。真空管自体が100年前くらい古いものですので「古臭い音」と感じる事も有りましたが、今回の組み合わせで「一つの世界」を描いています。ないものねだりしても仕方がないし、このサウンドで充分満足しているのでこのまま使い続けていくだろうと思います。予備の真空管も十分ストックを持っています。多分出力管のWE101Dは私の代では消耗することはないと思います。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1fa78a4adca12c9bde0e7323eca24fc8

18. 中川隆[-8897] koaQ7Jey 2019年8月05日 16:28:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3835] 報告

プロケーブル(ProCable)
鬼門・オーディオ編/ その泥沼的な廃退の真相を公開!
https://procable.jp/setting/index.html


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プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力 その1
http://japanese-audio.com/


実はプロケーブル(ProCable)がやってきた事を数え上げたらきりがない事をご存知のかたは、非常に多いと思います。

それはプロケーブル(ProCable)からオーディオファンへの、心からの献身的な貢献であったと同時に、オーディオ界にとっては、プロケーブル(ProCable)のやってきた事は、恐ろしい限りの破壊力を持つ、その種の影響力であった事でしょう。それこそ、大企業が倒産しかねないほどの事を、プロケーブル(ProCable)社はやってきたのです。


プロケーブル(ProCable)という会社は、そういう会社であるということは、深く認識しておくと、プロケーブル(ProCable)にまつわる「えせ情報」や、「オーディオゾンビ」どもの書いている、「いびつで、なおかつ、ねじ曲がった」意見などに惑わされる事も、今後は無くなると思います。


プロケーブル(ProCable)社が世に登場してから、2017年の年末である今で、はや16年以上の歴史を数えます。


最初に、プロケーブル(ProCable)が、この16年間でやってきた事というのは、箇条書きにしたほうが、プロケーブル(ProCable)の正体やオーディオ界で起きていた実態を、より鮮明に浮かび上がらせる事ができると思いますので、箇条書きにて、プロケーブル(ProCable)社の「栄光の軌跡」を、羅列したいと思います。


★プロケーブル(ProCable)の正体(箇条書きにてそれを明らかにします!)


1)プロケーブル(ProCable)社は、まず第一に、デジタルケーブルの情報の欠落を問題にしました。米国の、ベルデン1506Aという、世界最高峰のオールテフロン絶縁の「デジタルケーブル」を日本に紹介しました。重要なのは、その1506Aには、日本のカナレ社の75オームのプラグが必要だとプロケーブル(ProCable)社が断定して、常にそれが付いていた事です。
 このデジタルケーブルこそが、非常に音が濃密で、アナログのような濃密な音がするものでした。そして、ここから先が、プロケーブル(ProCable)社が本領を発揮したところなのです。


プロケーブル(ProCable)社は、デジタルケーブルによって音が違うなどということは、どちらかのデジタルケーブルが、デジタル情報が大幅に欠落しているからなのだと、断定しました。


オーディオ店で売られているデジタルケーブルのほとんどは、高額でぼろいものばかりなのだと、オーディオ界を「告発」したのです。


それまでは、デジタルケーブルはものによって音が違うので、色々なデジタルケーブルで様々な音を楽しんで下さいというほど、今にして思えばあきれかえるほどに、オーディオ界のレベルは低く、オーディオマニアは、お人好しばかりだったのです。


2)プロケーブル(ProCable)社は次に、アナログケーブルの切り札を日本に紹介してきました。これは実は、デジタルケーブル、1506Aを使ったかたからのリクエストでした。「これほど1506Aが凄いのなならば、アナログケーブルも紹介してください。」との意見が殺到したのです。

プロケーブル社がリクエストに応えて紹介したのは、米国ベルデン社の8412という型番のマイクケーブルでした。
そして、プロ用マイクケーブル=アナログケーブル(インターコネクトケーブル)なのであるからして、非常に高額なオーディオ用ケーブルに惑わされてはならないと、なんと、プロケーブル(ProCable)社は、マイクケーブル=インターコネクトケーブル(アナログケーブル)だと、日本ではじめて本当の事を大声で語りはじめ、国民を啓蒙しはじめました。
なぜ8412という型番のマイクケーブルが切り札だったのかにつきましては、色々な意見があるところでしょうが、プロケーブル(ProCable)が発見した事は、その深みを知る人にとっては、実に衝撃的な事だったのです。


「米国のスタジオで録音された音というのは、その録音時に使ったケーブルで再生すると、完璧なフラットを演出出来るのだ。」という、「公式」こそが、それでした。


確かに、ジャズを8412で慣らしますと、豊穣で、こんな音は聞いた事が無い!、というほどの音が出て来るのです。その場にマイルス・デイビスが蘇って生き返っているかのような錯覚を覚えるほどの音、そう、それは恐ろしいほどの音だったのです。


そして、1506Aと8412ブームによって、プロケーブル(ProCable)社は、徐々に全国的に有名になっていきます。


3)次にプロケーブル(ProCable)社は、切り札的なスピーカーケーブルを発表してきました。ベルデン8460、8470というスピーカーケーブルと、WE(ウェスタン・エレクトリック)の18GA、16GAというものがそれです。そして、それらのケーブルの使い方さえ、プロケーブル(ProCable)社は、克明に説明していったのです。これが世界で初めて発見され、発表された、「音の焦点」というものでした。

お客様サービスに徹底していたのも、プロケーブル(ProCable)社の特徴でした。それは今もプロケーブル(ProCable)社の伝統として、プロケーブル(ProCable)社は、会社をあげて、そうしているようです。


さて、それまでは、米国ベルデン社と言えば、オレンジ色と黒色のケーブルがきつくよってある、9497というものが、日本では主流でした。なぜプロケーブル(ProCable)社は、この9497を無視したのでしょうか。それはプロケーブル(ProCable)社が、簡単に言ってのけるところの、フラットな音を出すケーブルではなかった、というだけの理由ですが、その背景には、プロケーブル(ProCable)社による、非常に深い洞察がありました。


誰もが知る、ベルデン9497というスピーカーケーブルをプロケーブル(ProCable)社が否定したには、きちんとした理由がありました。ベルデン9497は、日本の輸入業者が改変してしまっており、音がおかしくなっているということと、それのみならず、ここはプロケーブル(ProCable)社の「技術的説明」になり、難解な部分ではありますが、きつくオレンジと黒の線材がよってある理由は、ベルデン9497がメッキ線材であるがゆえ、長く引くと音が硬くなる種類の線材ではあるが、きつくよる事によって、コイル効果(音を柔らかくする効果)により長く引いても音が固くならないという理論によって、ベルデン社が9497を設計する段階で、仕組んでいたものであるという説明でした。

この事は、プロケーブル(ProCable)社によると、「音の焦点」について何も知らない人にとっては、むしろ有難い事だったのかもしれませんが、本当のところは(蓋を開けてプロケーブル(ProCable)社が、その真実を覗いてみると)、このコイル効果こそが、スピーカーケーブルにとっては命取りになるということだったのです。

「音の焦点」というような概念は、それまで(プロケーブル(ProCable)社が提唱して全国に広めるまで)は、世界広しといえども、全く存在すらしていなかったわけですから、ベルデン9497が、有り難がられて使われていたのも、無理はなかった事なのかもしれません。ただし、それはプロケーブル(ProCable)が登場してきて、「音の焦点」を発表して広めていくと同時に、価値が全く無くなっていってしまったのです。その証拠に、現在となっては、ベルデン9497などを有り難がって使っている人は、ネットの出来ない老人以外、ほとんどいなくなってしまったのです。


つまり、ベルデン社の9497というスピーカーケーブルは、その設計思想の反動で(コイル効果を持たせてある反動で)、フラットな音を、完膚なきまでに壊してしまうのだと、つまり、プロケーブル(ProCable)の主張によれば、ベルデン9497は、とても「生音」が出せるほどのレベルのケーブルではない、というような、驚くべき説明であったのです。


そして、生音を出す方法を、またしても、日本国民に伝授し、啓蒙をはじめます。それと同時に、生音が出せる種類のベルデン社のスピーカーケーブルや、WE(ウェスタン・エレクトリック社)のスピーカーケーブルを、次々に発表していきます。その生音を出す方法こそが、あの有名な「音の焦点」というもので、これもまた、オーディオ界では初めての発見であり、プロケーブル(ProCable)社の技術力がいかに高いかの証明だったのです。詳しくは、上記のリンク先をご覧下さい。


メッキ線材は、長く引くと音が硬くなる、短く引くと音が柔らかくなる、太いケーブルだと音が柔らかくなる、細いケーブルだと音が硬くなる、というものが、プロケーブル(ProCable)社の語る論理でした。


これが、あの有名な「音の焦点」です。


この「音の焦点」という論理につきましては、プロケーブル(ProCable)社の鬼門コーナーの28番に、「音の焦点」として、全てが克明に記載されていますので、プロケーブル(ProCable)社のサイトで、誰もがいつでも読めるようになっております。


◎音の焦点


この論理の深みと、正しさを体で知ってしまったオーデョオファンは、プロケーブル(ProCable)社の技術なしでは、もはやオーディオは成り立たない、とすら、考えるに至っていったのです。

    魂のないやつ100人集まったってダメなんだ!

      ひとりの強力な個人(会社?)になれ!

                   落合信彦
http://japanese-audio.com/


プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力 その2
http://neworleans-jazz.com/


★さて、この「その2」こそは、劇的なほどに魅惑的な内容になりますうえ、その1よりもさらに強烈無比なるプロケーブル(ProCable)の正体を克明に描写するものになりますが、まずは分かりやすいよう、その1のおさらいをします。


「プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力 その1」では、プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響の三つを解説致しました。


1)デジタルケーブルの情報の欠落という大問題について、プロケーブル(ProCable)は解析しました。
2)ベルデン8412という切り札的なアナログケーブルを、プロケーブル(ProCable)は、その使い方を解説したうえで発表しました(米国ジャズは8412で鳴らすのがベスト)。
3)最優秀なスピーカーケーブルの発表と、その使い方をもプロケーブル(ProCable)は(音の焦点)、克明に解説してみせました。


以上の三つが、(その1)でした。


普通はこれで終わるでしょう。三つもオーディオ業界全体に破壊的な影響を与えるような仕事をすれば、プロケーブル(ProCable)社の影響力は、それで終わるのが普通なのです。後は、革命などをするだけの力は残っておらず、通常業務をしているのが普通の会社でしょう。その点、プロケーブル(ProCable)社は、常識を超えていました。


プロケーブル(ProCable)社は、まったくとどまる事を知らないかのようでした。まるでダンプカーのごとき勢いで、さらなる猛スピードで突っ走っていったのです。


そして、プロケーブル(ProCable)社が発表した4番めの真実は、ついには、恐ろしいばかりの影響力を、全国に、放っていました。


4)プロ用の小型パワーアンプは、いかなるアンプより優れている。1950年代のWE(ウェスタン・エレクトリック)の真空管アンプより優れているのだ。WE越えである。皆でWE越えをしようではないか!!


という、信じがたいような事こそが、恐ろしいほどに衝撃的なるプロケーブル(ProCable)の発表そのものだったのです。


なぜそのプロケーブル(ProCable)の発表が、あまりにも衝撃的だったかと言いますと、WE(ウェスタン・エレクトリック)の真空管アンプより優れているということは、オーディオ界の、あらゆるアンプより優れているという事を意味していたからです。プロケーブル(ProCable)は、たかだか、5万円台のアンプが、○ッキン○ッシュのアンプよりも、○ーク○○○○ンのアンプよりも、○○ルのアンプよりも優れているのだと、言い放ったも同然だったからです。


そして、非常に多くのお客様がたが、その隠された真実を知る事になっていったのです。多くのお客様がたは、プロケーブル(ProCable)が当時売っていた米国のクラウン社のD45というアンプを購入していったのです。


(プロケーブル(ProCable)価格が59,800円だったので、騙されたつもりで試せた事も、この事実が一気に広まった原因かと思います。)


そして、ほとんどのかたが、今まで使っていた、100万円も200万円もするアンプを(時には30万円、50万円のアンプを)、その事実をまだ知らされていないかたがたに、オークションなどで、数十万円で売却していたのです。


これには、特筆すべき、逸話もあります。


WE(ウェスタン・エレクトリック)の真空管アンプの300Bではなく、もっと優秀であった、さらに時代をさかのぼる、同じく WEの205D真空管アンプ(一台500万円のアンプが、ステレオ再生では二台必要・つまり1000万円のアンプです)を使っていた人物が、プロケーブル(ProCable)のお客様の中に、なんと、混じっていたのです。


そのかたは、プロケーブル(ProCable)のクラウンD45を入手して、そちらのほうが優秀だと見切ってしまい、205D真空管のWEのアンプを、さっさと売却してしまったのです。


まさに、プロケーブル(ProCable)社がやっていた事は、アンプそのものの「革命」だったのです。そして、今もプロケーブル(ProCable)革命はアンプの世界において、脈々と続いており、クラウンD45が生産中心になると、ほぼ同時に、さらに凄いアンプを発表してきます。

プロケーブル社は、まるでクラウンD45が生産中止になる事を見抜いていて、あらかじめ、それより凄いものを、虎視眈々と用意していたかのように思えたほどです。真偽はどうなのでしょう?

それが、thomann S-75mk2、というアンプでした。このthomann S-75mk2というアンプは、さらにさらに、恐ろしくも凄いものでした。WEの真空管アンプを越えるクラウンD45より、数段上の、このドイツ製のアンプが、今のプロケーブル(ProCable)売価では、たったの2万数千円なのです。


★ドイツ製アンプに関する注意事項 その@

プロケーブル(ProCable)は一年の保証付きです。このアンプは「必ず」保証付きのものを入手してください。保証なしの売りっぱなしの業者が多いですから、この点だけは、厳重に注意してください。「ドイツまで送って直してもらって下さい。ドイツの保証が付いています。」などと、彼らは本当に言いかねません、というような注意もしております。確かにオーディオ業界のモラルは、詐欺師的であり、その程度のレベルに過ぎないのだと思える事、多々なのです。


★ドイツ製アンプに関する注意事項 そのA

両端ともメッキプラグの最悪の仕様の115Vへの昇圧トランスとのセット売りもみかけられますが、それが両端メッキですから、メッキの音が厳しすぎて高域が上昇してしまい、音楽用途には、使い物になりません。これにも、厳重にご注意下さい。プロケーブル(ProCable)仕様のアンプのオプションで選べるようになっている安価な昇圧トランスは、特別注文品仕様ですが、それでも6800円です。それは、両端がきちんと非メッキになっている、音楽用途に適合させてあるものです)。


さて、これでは(たったの2万数千円のアンプが、アンプ業界の最高峰であるならば、)オーディオ業界が壊れてしまっても無理はありません。


そして、次にプロケーブル(ProCable)は、さらにさらに、恐ろしい事をやってのけました!!


5)CDプレーヤーが、欠陥品である事を、プロケーブル(ProCable)社は、全国に向かって、大々的に、公に発表しました!!


そして、半年の期間を置いて(オーディオメーカーが倒産しないよう、プロケーブル(ProCable)なりの猶予期間を空けていたのです)、iPodこそが、最良のCDプレーヤーだと、プロケーブル(ProCable)社は、世に、これでもかと、言い放ちました!!、さらには、その記述のタイトルには、これはプロケーブル社の冗談なのでしょうか?、(公示)とすら、末尾に書かれていたのです。


◎CDプレーヤーの最終解答(公示)


そして、そこには、論理的な分析から、実験結果まで、詳細に記されていたのです。
(圧縮しない、つまり音質を悪くしない、WAVファイル形式か、AIFF形式でなければならない)


絶句です。それを読まれた当時のオーディオマニアのかたがたは、間違いなく絶句したに違いないのです。そして、iPodというのは、すでに市民権を得ていて、オーディオマニアの友達、子供、知り合いなど、誰かが必ず持っているというほどに普及していたのです。


プロケーブル(ProCable)社の、この発表をもってして、高額なCDプレーヤーの歴史は、幕を閉じていく事になります。そして、プロケーブル(ProCable)のおかげで、行き先を失ったオーディオメーカーは、ネットワークオーディオなどという、中途半端な事しか、する事が無くなってしまいました(注意してください。ネットワークオーディオなどというものも、詐欺同然の子供騙しなのです!)。


今振り返ると、プロケーブル(ProCable)社というのは、なんと恐ろしい事をしていたのでしょうか。


実は、AirMacエクスプレスや、MacBookなどのイヤホン端子から直接音をとっても、あらゆるCDプレーヤーを越えていたのですが、プロケーブル(ProCable)社は、あえて、当時、G5と比べて、iPodが最優秀だと言い放ったのです。


プロケーブル(ProCable)社は、真実を、一気に全国に広めようとしたのでしょうか。


そして、さらにプロケーブル(ProCable)社のオーディオ革命は、とどまることなく続きます。


6)そのような、大それた事をしながらも、プロケーブル(ProCable)は、英国音楽はバイタル、日本の音楽はモガミ2534、又はカナレ4E6S、ドイツ音楽はノイマンで鳴らすと、完璧なフラットで鳴るとの発表を、次々に行っていきます。さらにはプロ用と言いながら、除外すべきケーブルについても語ります。ゴッサム(Gotham)はダメだと言い切ったのです。それは民生用ほどボロい事はないが、いかなる国籍の音楽を再生するにも不完全であり、フラットともほど遠いという発表も、同時に行っていきます。

確かにゴッサムを使った人々は、お金をドブに捨てたようなものだと、非常に後悔されているのです。なんたる正確無比な、プロケーブル社の判断力なのでしょう。それが即座に分かるシステムをプロケーブル社が社内に持っているとしか思えない節さえあります。

このように、あらゆる面において、プロケーブル(ProCable)社は、手取り足取り、皆さんと、オーディオ業界とを、牽引していきました。まさに「手取り足取り」という表現が当たっているでしょう。


大胆さと緻密さの融合、まさにそれこそが、プロケーブル(ProCable)社の真骨頂なのでしょうか。


さらにプロケーブル(ProCable)社は、機材同士を接続する場合には、ベルデン社の88760であり、同じくベルデン社の88770こそが、最優秀であり、それは国籍の問題を越えた次元において、完璧なフラットのケーブルだからであるとの発表もしております。


ということは、ベルデン社の、88760と88770だけは例外として除外すれば・・・、


良い音のアナログケーブル=その国籍のプロ用スタジオで「頻繁に」使われているマイクケーブルであるという事実を、プロケーブル(ProCable)社は、次々に証明していったのです。
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プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力 その3
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★この「その3」でこそ、ほとんどのオーディオ業界は、実質的には、終焉を迎えました。終わらせたのは、勿論プロケーブル(ProCable)です。一体全体、プロケーブル(ProCable)社が、どのように、オーディオ業界を終わらせたのかは後述するとしまして、まずは「その2」のおさらいをします。


4)WE越えの現代のプロ用小型アンプを、プロケーブル(ProCable)社は、日本に紹介して、オーディオ業界を騒然とさせ、オーディオ業界の、アンプ関係の地図を、塗り替えてしまいました。


5)さらにプロケーブル(ProCable)社は、CDプレーヤーが欠陥品である事を、そのデジタルのエラー訂正という観点から、パソコンより劣っている事を「公示」してしまいました。これにより、オーディオ業界におけるCDプレーヤーというものが、プロケーブル(ProCable)社の多大なる影響力によって、ほとんど売れなくなってしまったこと。


6)そうこうしながらも、プロケーブル(ProCable)社は、プロ用オーディオケーブルの使い方を煮詰めていき、米国の音楽のみならず、ドイツの音楽、日本の音楽、英国の音楽などに適正なケーブルを、発表しつづけていったこと。また、そのプロケーブル(ProCable)社の偉業により、オーディオ界の民生用のRCAケーブルは、プロ用ケーブルに押されて、ほとんど壊滅状態に追い込まれていってしまったこと。


以上の三つが「プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力(その2)」でした。


(その1)の三つも破壊的な威力だったのですが、さらに破壊的な事を、プロケーブル(ProCable)は、(その2)で、やってのけたのです。


★さて、今回は、「プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力 その3」です。


もうこれで、ほとんどのオーディオの常識は、プロケーブル(ProCable)によって、壊滅させられます。残るは、パソコンを操る事が出来ない世代のかたがたで、プロケーブル(ProCable)の存在を知らないかたがたが、「ぼったくりオーディオ業界」から、今もオーディオ機器を買っているのみです。


さて、ついに、このシリーズの最後となる、「プロケーブル(ProCable)がオーディオ業界に与えた破壊的なる影響力 その3」を発表します。


下記が、その3の三つです。
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7)今まで誰も目に止めもしなかった、「電源」というものに、プロケーブル(ProCable)社は、電源トランスを使って、メスを入れていきました。電源ノイズこそが、音を濁らせている真犯人だという仮定からスタートして、見事にそれを商品化して、世に見せ付けました。プロケーブル(ProCable)社に言わせれば、これは簡単な事で、「電源」は、車にとっての、ガソリンである。汚れきった「粗悪ガソリン」で、車がまともに走るだろうか?、という事のようです。


驚くべき事に、インターネットの速度さえもが、劇的に上昇したり、パソコンのスピードが、CPUを倍速にしたかのように高速化されるというような事態さえ起きはじめました。プロケーブル(ProCable)社が販売した電源トランスは、一つ残らず、その種の威力がありました。ネット等の速度につきましては、様々な人がネット上の計測サイトで実測して、「数字で」証明されています。詳しくは、プロケーブル(ProCable)社の電源トランスのコーナーの「お客様の声」を参照ください。実に色々な実験結果が登場しています。


勿論、音、つまり「オーディオ」に対する改善効果は、プロケーブル(ProCable)の最重要事項、主眼であり、それは目を見張るべきほどのものでした。これにて、プロの現場から、アマチュアの自宅レコーディング環境から、PAに至るまで、日本の音楽現場は、電源というものに目を向けざるを得なくなり、プロケーブル(ProCable)社の存在によって、劇的な進化を遂げていったのです。


8)さて、次にプロケーブル(ProCable)社が手がけたのは、音響理論でした。プロケーブル(ProCable)社は、なんと、今まで百年以上もの長い間、闇に包まれていた、「音響」というものの正体を、見事に、これでもかというほど明瞭に、暴いてみせました。


そして、音響理論の特許を取りました。プロケーブル(ProCable)のする事には、すぐに追従する業者が出て来ますから、特許を取らざるを得なかったものです。それによって、確かに業者は、プロケーブル(ProCable)に、音響という意味では追従できなくなったようです。

ただし、特許の期間は20年くらいに過ぎませんから、それが過ぎれば、即、ある種の業者はプロケーブル(ProCable)に追従していくことでしょう。さて・・、この特許技術(発明)によって、


プロケーブル(ProCable)は、部屋というものの音響環境が、実は最善の環境であった事を証明してみせました。これは、実は驚嘆すべき事でした。今までは、部屋という環境は音響的に最悪だとばかり、100年以上もの長きにわたって(日本のオーディオの黎明期以前から、その後も)、オーディオ界がこぞって宣伝してきた事だったのです。


プロケーブル(ProCable)社は、その悪習をひっくり返してしまったのです。部屋の音響を最悪だとする事によって、音響屋などというものすら存在しており、その種の音響屋に部屋の改造を依頼するだけで、五百万円以上は、軽く飛んでいたのです。かたやプロケーブル(ProCable)社のほうは、それに対して、たったの39800円でした。

なぜたったの39800円で済んでしまったのかを書きますと、スピーカースタンドだけで、その「結界音響」とプロケーブル(ProCable)社が呼ぶところの音響環境が、実現されてしまったからです。


そのうえ、自分で積み木で「結界音響」を張っていただいてもいい、つまり、個人さんは真似をしていただいてもいい、プロケーブル(ProCable)社は、その場合には特許を主張しないとして、プロケーブル(ProCable)の技術を広くアマチュアのかたがたに開放してしまいました。(プロの場合でも、その特許を使ったという連絡さえくれればいい、とのことですが、連絡してくるプロは少ないようです。)


さて、これでとうとう、百年以上も続いた「閉ざされた音響の歴史」と、それに伴う「デマ」は、「日本では」という限定付きではありますが、幕を閉じる事になります。部屋における「音響理論」は、すでに丸ごと、プロケーブル(ProCable)によって、ひっくり返されてしまっています。


9)さらに、プロケーブル(ProCable)社は、バランス転送用プラグ、つまり、XLRプラグの使い方を、世界で初めて、皆さんに正しく伝えました(こんなバカな事すら、本当に世界ではじめての事であって、それまでは、プロケーブル(ProCable)社以外の世界中の一人たりとも、正しく理解していなかったのです。)

注:)この簡単な驚くべき事実は、プロケーブル(ProCable)社の発見ですが、実は、あっという間に電光石火で日本中に広まっていきました。口コミでプロのレコーディング現場、マスタリング現場にさえ広まっていったと聞いております。理由は、誰にでも試すことが出来て、しかも、誰にでも即座に理解できるほどに、簡単な事であったからと想像します。

本来は、プロの世界こそが、何事に対しても進んでいなくてはならないにも関わらず、実際には、許容性が足りないのでは?、と、感じる事も、多々あります。


しかし、XLRプラグの使い方に限っては、プロの間にもあっという間に広まりました。プロで、この事を胸を張って語っているものがいたとしたら、それはプロケーブル発で広まった情報が、あなたの耳にも入っただけですよと、教えてあげてください。


さて、この発見の内容はと言いますと、機材側が金メッキのプラグであった場合には、銀メッキのXLRプラグが付いた、プロ用ケーブルを使って下さい、機材側が銀メッキのプラグであった場合には、金メッキのXLRプラグが付いた、プロ用ケーブルを使って下さい、という事でした。

★なんと単純なことだったのでしょうか!?

それだけの事です。それだけの事なのですが、プロケーブル(ProCable)社以外の、世界の誰もが、それに気づかなかったのです。


それだけ音というもののセッティングは難しく、プロといえども、皆目あてずっぽうだったのが現実だったのです。プロだからといって、こんな事では、胸を張れましょうか。まして、オーディオマニアとなると、数千万円もの大金をぼったくられても、まだ分からないというケースが大半だったでしょう。


そういう背景を従えて、プロケーブル(ProCable)社は、現代の音楽産業の中に、登場してきました。


さて、話は、プロケーブル(ProCable)社が、少々の実験をしただけで、実に簡単に発見してしまった、XLRプラグの使いかたに戻ります。


機材の組み合わせによっては、XLR銀メス---XLR金オス、などという変則的なプロ用ケーブルが必要になる事もあるということです(ケーブルは全てプロ用を使って下さい)。
 さて、この法則は絶対であり、スキのあるような種類のものではありませんでした。それゆえ、あっという間に全国のオーディオファンと、ほとんどのプロフェッショナルの人々に広まっていきました。それと同時に、プロケーブル(ProCable)社という名前も、これだけが理由ではありませんが、あっという間にオーディオマニアの人たちの間での常識となっていったのです。むしろ今も遅れているのは、プロのスタジオなど、一番それを必要としている現場の一部なのではないでしょうか?
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他にもプロケーブル(ProCable)社の行った偉業は、非常に多くあります。それはプロケーブル(ProCable)社のホームページをみていただくと、一目瞭然だと思います。具体的には、PA用の38cmウーファーのプロ用スピーカーの5万円ほどのものは、民生用の100万円のスピーカーに劣るものではない、という事実の発表や、世界最良のファイヤーワイヤーケーブルやLANケーブルの発表など、次々に斬新な真実を発表していった事です。中には、オーディオ界をひっくり返すような発表も、これ以外にも、プロケーブル(ProCable)社は普通に行っていたのです。


★プロケーブル(ProCable)シリーズに書かなかった、超衝撃的だった発表とは・・・

中でも超衝撃的であったのは、電源関連の品物、つまり、電源タップ、電源トランス、電源ケーブル、その他全て、電源関連の道具のプラグ類は、全て真鍮の非メッキのものでなくてはならない、という、驚くような発表だったのではないでしょうか。その為、プロケーブル(ProCable)社が売ってもいない、パナソニックの1512Kという壁コンセントが最良との発表は衝撃的でした(重要な事は、プロケーブル(ProCable)は一円も儲からないのです。)。

ところが、プロケーブル(ProCable)社の見解は、驚くべきものでした。「この程度の事は誰もでも分かるほどに簡単な事であり、今まで誰にも分かっていなかった事のほうが、幼稚過ぎて、むしろ信じられない事だ。」というのです。

いづれにしましても、

これでロジウムメッキもののバカ高い壁コンセントなどは、非常にボロく、全く音楽用として使い物にならないという事が判明してしまったわけです。PCOCCなどという素材の銅もそうですが、これまで、その種のぼったくり商売は、全てのオーディオ業者がやっていたと断言します。それをプロケーブル(ProCable)社が、単独で、日本中から排除して、一網打尽にしてしまったのです。

このように、プロケーブル(ProCable)社の偉業の数々は、オーディオにまつわる様々な事を、全て破壊してしまって、一から再構築してしまったというところにこそ、その真価があります。


特に「結界音響」理論につきましては、発表当初から、ノーベル賞並みの発見だとの噂すら広まっていました。ただ、プロケーブル(ProCable)社は、それを音響学会で発表するつもりは皆目無さそうですし(音響学会で発表すれば、世界的に有名な理論になっていくに違いありませんが)、それよりも皆さんの財産として、自由に使っていただければいいというくらいに、プロケーブル(ProCable)社は、今も考えているようです。
http://black-music.info/


▲△▽▼


プロケーブル(ProCable)がのさばると非常に困るオーディオ業者!?
http://tokyo-audio.com/


今まで皆さんから莫大な金銭をぼったくってきたオーディオ業者は、プロケーブル(ProCable)がのさばればのさばるほど、「倒産」という危機が、現在迫っています。それが理由でプロケーブル(ProCable)の批判ばかり、あらゆる手を使って、ネット上で行っているというのが、ネット状況です。


彼等古くからのオーディオ業者の評判は、年々落ちていくばかりで、もはや歯止めが聞かない状態に陥っています。


この理由ははっきりしています。プロケーブル(ProCable)の評判が、一般のオーディオマニアに、あまりにも良過ぎるからと、プロケーブル(ProCable)が、オーディオ業界の地図を塗り替えてしまったからです。プロケーブルの試聴室の評判もあまりにも良い。100人中、99人が絶賛して帰っていくほどなのですから、オーディオ業者は、この事態を放っておくわけにはいかないのです。なんとしてでも、プロケーブル(ProCable)を批判(誹謗中傷?)して、プロケーブル(ProCable)の評判を落とさなくてはなりません。その為になら、少しのおこづかいをあげてでも「オーディオチンピラ(オーディオゾンビ?)」にプロケーブルの誹謗中傷の記事を書かせるのは、普通の事ではないですか?、まして、詐欺師同然の、ぼったくりオーディオ屋のする事なんですよ。


さて、ここで、プロケーブルの大阪店の試聴室から出てきたかた(ショックを受けたかた)の表情や仕草を皆さんも知っておいて下さい。それがいかにえげつないものかが、わかります。プロケーブル大阪店の試聴室が、いかにすさまじいものであるかが、手に取るように、分かります。


1)呆然と立ち尽くしているかた。

2)大阪店の天井を見上げて、一言も喋れなくなってしまったかた。

3)独り言を、うつむいて一人で喋り続けているかた。

4)店長を相手に、のべつまくなしに感動の気持ちを喋り続けているかた。

5)何一言喋らずに、店を出て行くかた(このタイプは、能面のように無表情だそうです)。

6)持っている金銭を全部使って、片っ端からケーブル類を購入していくかた。

7)オーディオ屋の悪口を、激しくののしりながら大声で叫んでいたかた。

8)「俺が家族を犠牲にしていたんだ。」「俺がバカだったんだ。」などと言いながら涙を浮かべておられたかた。

9)プロケーブル、プロケーブル、プロケーブル、と、つぶやき続けているかた。

10)感動の?涙を目に溜めて試聴室から出てこられるかた(これはかなり多いそうです)。

11)「ちきしょう!ちきしょう!」と叫びながら、試聴室の出口の柱に額を打ち付けていたかた。

12)その他色々(大阪店の店長に聞いていただくと色々出てくると思います。)

などなど、店長に改めて聞いたら、私が知っている以上の出来事が、さらに出てきましたので、追加しました。

いづれにしても、大阪店のプロケーブル試聴室の音は、異次元なのです。他のいかなる試聴室に比べても、圧倒的なんです。
しかし、本当の事を告白しますと、プロケーブル最強の試聴室といえども、あまり恐ろしい音になってもいけないだろうと、あえて、ウェスタンエレクトリック(WE)の復刻版のスピーカーケーブルを使わずに、ベルデンの8470にしてあったのです。

そうやって、音のランクをワンランクからツーランク、落としてあったのだ、ということも、知っておいて下さい。これは皆さんの心の(精神の?)安全の為に、わざと、そうしていたものです。

が、ついに、ウェスタンエレクトリック(WE)の復刻版のスピーカーケーブルに、に交換してきました。やるなら徹底的にせよ!、ですよ。(これにつきましては、2017年の12月に交換してきました。今や、世界最高峰のWEの音で、プロケーブルの大阪試聴室は鳴っています。まさに、プロケーブルの大阪試聴室は、とんでもない音になりました。)


さて、プロケーブル(ProCable)のオーディオへのアプローチの方法は、前例がまったく無かったがゆえ、このようなオーディオ業者(プロケーブル)が登場してくる事自体、誰にも予測不可能であったがゆえに、既存のぼったくりオーディオ業者には、プロケーブルを批判して阻止することが、当初は、不可能だったのです。

まさに彗星の如くプロケーブルが登場してきたがゆえに、プロケーブルに対抗する時間も手段もないまま、今までのオーディオ業者は衰退してしまったのです。あれよあれよという間に衰退していくのですから、既存のオーディオ業者は、たまったものではありません。プロケーブルの大阪店が登場してから、大阪のオーディオのメッカ、日本橋のオーディオ店が何軒倒産したでしょう。7件か8件以上は、ゆうに倒産していると思います。


実は、プロケーブルにとっては、いつまでも元気で居て欲しかったハイファイ堂さんですら、大幅な規模縮小をしてしまい、困ってしまったほどです(当店は、ハイファイ堂さんのような中古業者は、競合相手にはならないと、実は、考えており、中古の商品をハイファイ堂さんに買いに行ったかたが、ついでに寄ってくれて、プロケーブルで、ケーブル一本でも、買っていってくれるのを期待していたのです。)。

このハイファイ堂さんの話は、今でこそ明かせる話です。プロケーブル側が、ハイファイ堂さんに片想いしていただけで、ハイファイ堂さんから見たら、少しお隣にあるプロケーブルの大阪店は、鬱陶しい限りの存在だったのかもしれません。

それだけ当プロケーブル(ProCable)の威圧感や、オーディオ業界への影響力には、凄いものがあったのだろうかと・・・、今振り返りますと、確かにプロケーブルには、それがあったと思える節が、過去の事ではありますが、あちこちに見受けられるのです。


ネットだけを見ていると、現在、倒産しかかっている業者は、必死になって赤字情報をカモフラージュしようとしているように見受けられます。そこのところが、我々の目には、よく見えていないのです。


評判がいくら悪くても、年々客の数が減っていっているにも関わらず、「やらせ」、「偽り」、「うそ」、他店の「批判」、実に様々な手を使って、自社の評判が良いように見せかけているだけというのが、ぼったくりオーディオ業界の実態なのかもしれません。


今も順次オーディオ業者は倒産していっていますが、近いうちに、大手のオーディオ業者が倒産して、皆さんは、びっくりされることと思います(2018/2/9記述:これはその後、日本ビクターの倒産・ケンウッドとの合併で、事実となりましたが、次に倒産する大企業、もしくは有名企業も出てくるでしょう)。


反面、当プロケーブル(ProCable)側は、いくら評判を貶めるような「やらせ」や「うそ」や「徹底した、しつこい批判」という憂き目に会っていても、堂々としているように、見えるのではないでしょうか。ただし、彼らのような「最底辺のオーディオゾンビ」を許しておくことは、いくら寛大なプロケーブルとはいえ、もう出来ません。やはり、ウソに騙されて、オーディオ屋にぼったくられ続けているかたがたが、後を絶たないからです。

★プロケーブルの実態


実態は、毎日のように、お客様がたからかかってくる電話、メールなどによって、感謝の内容、そして、深く御礼をされているのが実態です。プロケーブル(ProCable)の社員は、それが普通の事になっています。ただ、皆さんに対する感謝の気持ちは、全員が深く深く、持ち続けております。お客様あってのプロケーブルだと、オーナーからの教育が徹底しているからです。

皆さんの幾人かのかたがたが想像しているような、プロケーブルに対する、批判めいたメールや電話などは、本当に皆無に近いのです。あえて本当の事を言えば、年に一回あるかな?くらいです。


プロケーブル(ProCable)の商品や鬼門コーナーの記事の下には、全て、お客様のコメントが掲載されていますが、その数と評判の良さには、圧倒されるのみです。批判も一つもありませんん。これはプロケーブル(ProCable)の批判側に言わせると、プロケーブル(ProCable)は、わざと批判的なメールを掲載していない、などと言っておりますが、そんなメールは一通たりとも来ていないのです。

そして、プロケーブルサイトに、誰でも書けるようにすれば、真っ先に、ぼったくりオーディオ界に雇われた「オーディオチンピラ」が、これでもかと、誹謗中傷を掲載してくるに決まっているのです。

彼らは極めつけの「オーディオチンピラ」です。寄せ付けないほうがいいに決まっているでしょう。そこのあなた!「オーディオチンピラ」と付き合いたいですか??、プロケーブルに限らず、誰でも嫌でしょう?、ということなんです。

実に、プロケーブル(ProCable)で商品を購入されて、その異次元の性能を実感された人からの批判など、皆無に近いのが実態です。


と同時に、批判のメールをいただく事も、まずありません。これはネットばかり見ていて疑いの目でプロケーブル(ProCable)を見ている人には「完全なる盲点」になっているのではないでしょうか。


プロケーブル社には、批判的メールが毎日のように舞い込んでいるのではないか?などと思われるのが普通でしょう。しかしその種のメールや電話は、プロケーブル(ProCable)には、年間に、オーディオゾンビつまり、「オーディオチンピラ」からのメールなど、一通か二通しか無いというのが、本当のところです。批判ではなく、感謝。誹謗ではなく、お礼。それがプロケーブルの実態です。


実際のところ、この異常なるプロケーブル(ProCable)に関するネット現象というのは、プロケーブル(ProCable)の存在感が、はじめから圧倒的であったがゆえの事と思われるのです。彼らは、はじめからプロケーブル(ProCable)には、非常な危険を感じていたのでしょう。ただ、最初から批判する元気までは無かった。


途中から気づいた事だとは思いますが、生き残りの為にはプロケーブル(ProCable)を放っておくわけにはいかなかった、様々な業者に依頼してでも、徹底的にプロケーブル(ProCable)を批判して、プロケーブル(ProCable)の評判を地に落とさなくてはならないというのが、彼らの本音なのでしょう。


ところが、ぼったくりオーディオ業者にとっては、時すでに遅しだったのです。動くのが遅かったのではなく、プロケーブルの動きが、あまりにも早過ぎたのです。ぼったくりオーディオ業者の立場に立って、プロケーブルを見ると、その事が良く分かります。

最初は、デジタルケーブルだけならいいだろうと思っていた筈です。一ヶ月後には、ベルデン8412が出てきた。

何が起きているのかが、まだ分かっていないのです。

それから、8460、8470の、米国から直輸入の現物が出てきた。

続けて即座に、容易に手に入らない、ウェスタンエレクトリック(WE)のスピーカーケーブルさえ、米国経由で、出てきた。

そして、世界最高峰のアンプが出てきて、アンプ革命がおきて、アンプの地図が塗り替えられてしまった(注:これは二段階に渡って行われました。当初は、クラウンのD45、これも当時は世界一だったのです。クラウンD45が製造中止になるやいなや、次なるアンプの切り札、ドイツ製の、thomann S-75mk2、を、プロケーブルは出しました。これはクラウンをも、ツーランク上回るものでした。)。

そして、音の焦点の記述が出てきて、オーディオ屋が扱うケーブルがいかにボロいかが、証明されてしまったのです。

そして、CDプレーヤーの最終解答(公示)が出てきて、iPodこそが、CDプレーヤーより遥かに言いと(公示)してしまった。

CDプレーヤーメーカー(大企業)ですら、CDプレーヤーはもはや衰退の一途を辿るばかりになってしまい、赤字体質へと落ち込んでいくことになった。

のんのんと暮していたぼったくりオーディオメーカーや、業者には、とてもプロケーブル(ProCable)の、光速のスピードには、付いて行けなかったのです。


さて、話は変わりまして・・・、

プロケーブル(ProCable)がiPodが最高のCDプレーヤーだと言うとします(実際に公開しましたが)。iPodなどは誰もが持っているものですので(お子さんが持っている場合も多いでしょう)、すぐに実験出来てしまうのです。アップルのMacBookプロでもいいのですが、iPodでデジタルの16ビット、44.1キロヘルツの、アナログレコード並みに濃い音は、十二分に理解出来ると思います。という事を、当プロケーブル(ProCable)は、継続的に、公開してきました。継続的にです。あらゆるオーディオ用品に対してです。


この威力には凄まじいものがあったものであり、当プロケーブル(ProCable)ですら、驚いている始末です。


さて、このiPodの情報の伝播の速度には、尋常ではないものがありました。あっという間に、高額なCDプレーヤーは、市場から消え去っていってしまい、その代わりに、ネットワークオーディオや、音楽用パソコンなどが主流の時代になったのは、皆さんの、まだ知るところでしょう(それらも残念ながらボロ過ぎるのです)。


そして、アンプ類までもが、同様の運命を辿ります。高額なほど良かれという発想は、ことオーディオには全く通用しない事が、オーディオマニアの半数以上が、知るところになってしまいました。こうなると、後は口コミでどんどん広まります。今では老人しか高級オーディオなど買っていないでしょう。老人がいなくなったら、高級オーディオは本当の意味で終わります。


さて、今までの高額なアンプの評判は、みるみるうちに、悪くなっていくばかりだったのです。このようにプロケーブル(ProCable)があってこそ、オーディオ界は改革されていき、オーディオマニアのかたがたは、その多大なる恩恵を、プロケーブルから、まさに受けたかたがたの張本人であったがゆえ、普通に考えれば、批判などあろう筈がないのです。


それがネット上ではプロケーブル(ProCable)に対する批判が多くのさばっているというのは、一体全体、どこの誰が犯人なのでしょうか。いつか犯人達の素顔は、暴かれる運命にあります。


皆さん、惑わされないで下さい。プロケーブル(ProCable)の評判は、全日本レベルで、すこぶる良いのです。


その証明として、何をやっても、MacBook Proの、イヤホン端子からの音にかなうものは、容易には無いという事を確認されてください。MacBook Proが入手出来なければ、iPodに、16ビット、44.1キロヘルツの情報量を持っているファイル形式の、AIFFファイル、又は、WAVファイルで、最初にパソコンに音を取り込み、それをiPodに移して、そのイヤホン端子からアンプに接続して、音を聞いてみて下さい。この場合には(iPodを使う場合には)、マックの無いかたは、ウィンドウズマシンでも、構いません。


本当の16ビット、44.1キロヘルツの音がいかに濃いものであったのか。


昔は評判の良かった(雑誌などで評判が良かったというだけで、本当はダメなボロだったのですが)高額なCDプレーヤーを誇らしげに使っているかたは、恥じ入る運命になることでしょう。当プロケーブル(ProCable)を批判する気も、まったく無くなることでしょう。ネットの評判など全くあてにもならない事を、心底、思い知る事でしょう。


実に、皆さんが必要なのは、MacBook Proだけで十二分なのです。iTunesが、CD情報を取り込んでくれて、MacBook Proで、取り込んだCDの情報を再生すれば、事は済んでしまうのです。


もうアナログプレーヤーの時代でもありません。しかし、アナログだけは、まだ音がいいほうですから、アナログファンのかたは、それを続けてもいいのではないですか?(注:マックブックプロの、アナログ初期版をも完全に超えている「音の濃さ」には、完全に負けてしまいますが)。

いづれにしても、デジタルになってから、CDプレーヤーが出て来てから、音がおかしくなっていったのです。が、アップル社のiPodなり、マックブックプロなりが、それを逆転してくれました。いまや、アナログにこだわる理由は、ほとんど無いと言えます。


現代では絶対の知識も、ここに公開しておきます。ウィンドウズより、Macのほうが遥かに音が良く、オーディオマニアの評判もマックのほうがいい事です。これは知っておいて損は無いと思います。


良いDAコンバーターに「プロケーブル(ProCable)が販売しているレベルの」良いデジタルケーブルで、マックのパソコンからダイレクトに接続すれば、さらに音は良くなりますが、その種の事は、後の課題でいいです。まずはアップルコンピューターの、マックというパソコンを入手してください。


このように、プロケーブル(ProCable)社は、真実の情報の宝庫であり、真実の情報の発見者であると共に、同時に、その伝道者でもあったので、皆さんからの評判もすこぶるよく、批判もあろう筈が無いのです。うそばかりのオーディオ業者とは、雲泥の差が始めからあったのです。


しかし、まだまだ、情報が行き渡っていない節もあり、今になっても、お客様から、プロケーブル(ProCable)に出会って救われましたというメールを、毎日のようにいただいております。批判の文章をネットで見て、惑わされていましたという謝罪をすら、常時いただいているのが実態です。


いかにオーディオの泥沼が、底なし沼になってしまっていたのか?、既存のオーディオ業者は、いかに長い時間をかけて、それを深くて暗い泥沼にしてきたのかの証明でもある、ということは、忘れないでいただきたいと思います。
http://tokyo-audio.com/

19. 中川隆[-14857] koaQ7Jey 2019年11月17日 21:05:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1945] 報告


CDラインのライントランスについて - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2019年11月17日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/45212c5e2d5c4b3821fd91bfb3d4e39c

CDラインに「ライントランス」を使っています。最初は小さなタムラトランスのモノから、平田電機のモノへ、更にUTCのライントランスと色々な種類のライントランスを試しました。最後はWEのライントランスにたどり着きました。ライントランスもサイズや重量でスケール感や質感が大きく左右されます。ライントランスを使うとCDPそのままでは「二次元の世界」が「三次元の世界」に変わり、アナログに近い表現力をして来ます。上の写真はWE#15Aトランスです。おそらく100前の代物でしょう。


WEのライントランスは1個2Kg有ります。上の写真では左右でLch・Rchを構成します。合計で4Kgの重量になります。WEのライントランスは、111c、93F、93A、91A、63C,63A、50A、そして15Aと試して来ました。

上の写真は15A入手時の写真です。WEのエナメル線で配線されています。個人的に音数が全く足りない、質感も繊細感は有るがスケール感がない。ただこのトランスの素性は「只モノではない」と感じました。

箱の設計をして、愛知県のリンホフ工房さんにお願いして、花梨材で特注の箱を作成していただきました。


WEのトランスは型番が少なる(古いものほど)音質が良いです。特に50Aや15Aはその後のトランスとは違う傾向の音質のトランスです。「音のキレ」がまるで違います。

箱内配線はお見せできませんが、111cや91Aと同じ配線でも、63Aや50A・15Aは別物の質感です。現在は50Aは自宅システムで、15Aはオリンパスシステムで使っています。もはやこれを聴いたら外せません。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/45212c5e2d5c4b3821fd91bfb3d4e39c


20. 中川隆[-14838] koaQ7Jey 2019年11月18日 11:30:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1926] 報告
アナログプレーヤーを聴かなくなった - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2019年11月18日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/829a971b7d3ff15c5d1fc1088f77ff49


10年程前まではアナログプレーヤーも使っていた。CDラインにWEのライントランスを入れる前までは良く使っていた。WEのライントランス(91A)を使う様になってから、メインソースがCDに変わった。

カートリッジは色々遍歴が有るが、SPUにしてようやく落ち着いた。現在も予備も含めて3セットは所有している。自宅システムにはSPUリファレンスを奢っているが、現在ではほとんど出番が無くなった。LPも700枚ほど所有しているが、LPを聴くだけの「心の余裕」が無い。その点CDやMDは何の気なしに使える。自宅システムにもWEのライントランス(50A)を使っている。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/829a971b7d3ff15c5d1fc1088f77ff49

21. 中川隆[-14778] koaQ7Jey 2020年1月07日 09:35:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1760] 報告

新春早々の試聴会 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年01月07日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e5a622a893111bacac3822649af6450d

東京在住の「S」さんに2年間ほど貸していた「2A3」アンプが戻ってきてからおよそ2か月余り。

手を変え品を変え、だんだんと我が家のシステム環境に馴染ませている。

たとえばカップリングコンデンサーにWE製のマイカコンデンサーをパラってみたり、前段管の「6DE7」のブランドを「RCA」から「レイセオン」に差し替えてみたり〜。多分に気休めの感もあるのだが(笑)。

そして、この度「北国の真空管博士」から「使ってみませんか」とご提供があったのが前段管の「6EW7」だった。

左が新たな「6EW7」で右は従来の「6DE7」。

大きさが随分違いますねえ!

両者ともテレビ用の球だが、前者が「カラーテレビ用」だとすると後者は「白黒テレビ用」とのこと。

   

この「6EW7」は「前段管機能」と「ドライバー管機能」とが一体となって内蔵されており、シンプルな構成と徒に場所を取らない、いかにもテレビ用の球としての特徴を持っている。

このテレビ球を使った背景に言及しておくと、

音質がいいとされている「三極管」をベストの状態で鳴らすためには「インターステージトランス」(以下、「インター」)を使って増幅してやるのが一番いいとされている。

しかし、今となっては良質の「インター」を手に入れるのがメチャ難しい時代になっている。

また手に入れるにしてもメチャ高い!そして質のいい「インター」ほど細い線が巻いてあるので「断線」しやすい。

博士によると、古い文献には「インター」の断線を防止するための「保護回路」のツクリ方がこと細かに書いてあるそうだが、いまどきそういう文献を読む方が少ないので頻繁に「断線」が起こっているそうだ。

どうしてもオーディオの口伝えには限界があるので、結局そういう古い文献を根気よく集めるしかないそうですよ!

というわけで、中途半端な「インター」を使うよりも、むしろ強力な「テレビ球」でドライブしてやる方がベターというわけで、この「2A3」アンプ仕様になった次第。

その効果は歴然としており、とにかく元気が良くて生気に溢れた音が出る。しかも新たな「6EW7」はそれに一層輪をかけたような音で前段管はずっとこれで行こうと思わせるほどの決定力を有していた。

さっそく、4日(土)になって、新春初めての試聴会を開催した。

「新春早々」だからと若干気兼ねしながら(笑)、お目当てのYさんに「今、何をやってますか?」「ハイ、電源コードをつくってます」「よろしかったらお見えになりませんか」「ハイ、今からお伺いします」

オーディオ機器の場合の「品定め」となると、一番いい方法は似た者同士をお互いに競い合わせて比較することに尽きる。

今回のライバルは昨年の12月以降話題となっている「6098シングル」アンプだ。

   

さあ、いよいよ「2A3」アンプとの興味津々の一騎打ちである。

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e5a622a893111bacac3822649af6450d

22. 中川隆[-14775] koaQ7Jey 2020年1月07日 18:59:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1743] 報告


インターステージトランスの活用 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年03月26日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/6dc3ba45f0c6541dc2e0441505af80fa


すっかり忘れていた。

2週間ほど前の記事「AXIOM80愛好家の集い〜第10回・その2〜」(2016.3.10)の中で、次のようなことを記載していた。

Kさん宅の「WE349A・PPアンプ」はインターステージトランスを使っていないのにどうしてあんなに「いい音」がしたんだろう?

<昨日(9日)、この疑問を率直に「北国の真空管博士」(以下、「博士」)にぶつけたところ、実に興味深い回答が返ってきたが長くなるのでここでは省略し、稿を改めて紹介することにしよう。>

その「稿を改めて」が今回の記事。

もっとも、読者から「あの続きはいったいどうなったのか?」との問い合わせがいっさい無かったので、気にしているのはおそらくじぶんだけだろうが(笑)。

さて、博士の回答はこうだった。

「インターステージトランスの可否についてはPPであるかシングルであるかには関係しません。どのような球にどのようなインターステージトランスを組み合わせるのか、OPTやインプットトランスの合成特性がどのようになるのかにかかっています。

インターステージトランスを使用したアンプの作製は複雑なパズルを紐解くようなものなのです。

うまくいけばCR結合アンプには無い耳当たりの良い音が実現できますが、使い方が拙ければCR結合には及びません。(出力管の)171系、245系、250系はインターステージトランスをあまり選ばない傾向がありますが、WE300B、PX25、DA30、2A3等の出力管はインターステージトランスとの相性問題があります。

インターステージトランスを使いこなすにはそれなりの経験と技術が要求されるといえます。ご存知のとおりWE349Aは五極管ですが、五極管やビーム管は高価なインターステージトランス使用しなくても良いように開発された球です。

また、五極管は三極管よりも入力容量が小さいため、三極管の使用を前提に設計されたインターステージトランスと組み合わせると高域に著しいピークが出ることがあります。出力管が多極管の場合インターステジトランスを使わない方が好結果を得られることが殆どです。

個人的にはCR結合でトランス結合的な音が出ないか日々考えていますがいまだ良い案は浮かんでいません。独SIEMENSが製造したクラングフィルムのシアターアンプは、出力の小さなRE604のシングルを採用したCR結合タイプです。

私はその音を聴いたことがないのですが、ヨーロッパのマニアの間では非常に評価が高いようです。今、私が少しずつ製作を進めているアンプは、このクラングフィルムのアンプの回路を参考にしています。どのような音がでてくるのか楽しみですが、完成は少々先になりそうです。」

というわけで疑問が氷解した。

インターステージトランスの活用はいろんな条件のもとで「複雑なパズルを紐解くようなもの」というのだから、まずもって製作者の力量に負うところ大で、ただ単純にアンプの回路に挿入すればいいというものではなさそう。

ところで、なぜ、それほど「貴方はインターステージトランスにこだわるのか」と問われそうなので我が家の実例をご紹介しよう。

          

まったく同じタイプの「71A」アンプが二つ並んでいる。初めに左側のアンプを購入し、とても素直な71Aの音に惚れ込んでスペアとして右側のアンプを購入した。前者を「71A・1号機」、後者を「71A・2号機」としておこう。

ところが程なく「71A・2号機」が故障。2台とも同じアンプでは芸がないので、この際とばかりドライバー管を「AC/HL」(英国マツダ)に、そして「UTCのインターステージトランス」を挿入して大幅改造してもらったところ、音が激変。

「71A・2号機」の方が、音の艶といい、奥行き感といい、分解能といい段違いに良くなった。そこで真空管アンプはインターステージトランスを挿入したものに限ると思ったわけだが、前述どおりそれほど単純なものではなくこれでは短慮の謗りを受けても仕方がない。

さて、いよいよ今日(26日)は我が家が当番となって「AXIOM80愛好家の集い〜第11回〜」の日である。

まるでピアノ教室に通う小学生が発表会を迎えるような気分だ(笑)。

この「71Aアンプ・2号機」をはじめ「71A・PPアンプ」そして「PP5/400アンプ」たちと3系統のスピーカーの百花繚乱となるが、試聴結果やいかに〜。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/6dc3ba45f0c6541dc2e0441505af80fa 

23. 中川隆[-14774] koaQ7Jey 2020年1月07日 19:25:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1742] 報告

トランスとアナログ感 ~ 中国音楽の再生と録音 - 二胡弦堂
http://www.cyada.org/oto/audio/053trans.html

 音響というものはコイル、つまり鉄心に銅線を巻いたものが最も重要であることについてはすでにお話してきました。

マイク、スピーカーはボイスコイルを持っていますし、アンプに使われるトランスもおおまかに、電源トランス、チョークコイル、出力トランス、インターステージトランス、インプット・アウトプットトランスがありますが、すべて決定的に重要です。

しかし世間一般ではこの見解は否定的な方が多く、トランスを使うと音の鮮度が失われると考える人が多くいます。本当に素晴らしいトランスは多くはない、楽器と一緒ですのでトランスに否定的な見解が多くなるのはもっともなことです。

 トランスというとやはり代表的な人物はRupert Neveです(Neveは実務に携わっている人にしては珍しい論客で自社製品のセールス文さえおそらく自分でやっていますが商業的にそれほど成功してきませんでした。本家Neve Electronics社は独Siemensに買収(以降 AMS Neve)されたのでNeve(以下"爺")の元にはないし、爺はというとテキサスの砂漠に追いやられて(自分で行ったと言っていますが英国から出たわけですから)小規模なオフィスを構えているだけです。経済面以外は圧倒的に成功しているのですが、それでも最近は若い人に経営を任せ、自分は製品開発に注力する方向で安定はしているようです)。その爺が設計したアンプの、爺自らによるセールス文にWhy Transformers?というのがあります(現在は日本語に改められ表現が柔らかくなっています)。「何でトランス?」という意味です。その出だしからこれです「トランスに関する冗長な議論は、ここでは不適切です」・・爺は新作の機器にトランスを入れると反対意見があるだろうと予想してこの項を設けたわけです。それなのに初っぱなから「議論は要らん!」の一喝で突き放しています。そして続く説明ではわかっている人間にしかわからないことを言っています。これ、セールスページだったのでは? 爺自らがかつて設計したシステムはトランジスタとトランスで成功したというようなことを言っています。モトローラのトランジスタとマリンエア・トランスに感動したことのある人間には効果のある袖から出してきた印籠的一撃ですが、知らない人間には意味がわからない、外人に印籠のようなものです。結局爺の言いたいことは、現代でもNeveのヴィンテージシステムが使われて録音が行われているぐらいトランス主体のアンプが力を持っているのに、お前たちはそれでもまだ否定するのか?という半ば呆れてしまった、もう帰れ的な、二度と来るなというそういうことなんだと思います。そして唐突にノイズとデシベルについて測定とか、いきなりお堅い教科書的話題に移っていますが、トランスの特性面を批判する連中にはしっかり測って勉強しろということなんだろうと思います。びっくりしました。素人が爺のアンプを偉そうに批評するからイラっと来ることもあるのでしょう。ところでセールスはどうなったのでしょうか? しかし爺の中では迷走ではない通常運転・・あっぱれです。こういう内容では株主総会で投資家から何か言われたりはしないのでしょうか。株主の言うことは聞かんでしょうね。爺はトランスについて熱く語るのをやめたようなので、本稿においても追随したいということで、トランス使用の是非についてはこれぐらいにしておきたいと思います。爺が音響界に蔓延した無知に対して何か言いたいのはわかりますが、それだったら本を出したらおもしろいでしょうね。しかし中国においては、トランスが価値があるというのは常識です。古い機器からトランスを外して使うのも常識です。否定する人はこれまで見たことがありません。トランスの必要性についての議論自体が存在していません。

 写真は爺によるPortico II Channel Stripの中身ですが、上は海外の専門サイトが2010年に撮影したもので、下はイケベ楽器さんが2014年に撮影したものです。よく比べるとかなりマイナーチェンジされていることがわかります。特にはっきりわかるのは出力トランスです。2010年にはケースでシールドされていましたが、2014年のものでは剥き出しのトロイダルに変わって大型になっています。マイクの入力に使っている小型のトロイダルはどちらもシールドされていません(2010年の方では右下隅)。ハイエンドメーカーがこのように長年販売し続けている製品を改良し続けるのは珍しいことではありませんが、トランスまで調整してゆくというのは大変なことです。顧客からフィードバックがあっての改良と思われます。昔の機器ではそういうことはなされず、製作者側の主観が相当に反映されたものでしたからトランスも後々変更ということはほとんどなかったようですが、現代では音楽が多様化しているのでそういうわけにはいかないのでしょう。

 コンシューマー(民生)再生機器の場合は、プリアンプというのがあってイコライザーがついていたりします。しかしこんなものは要らんという意見が多くあります。ラウドネスとかドルビーのスイッチがハイエンド機器からなくなっていくぐらいの頃からイコライザー機能も邪魔ではないかという見解が主流になってきて、そのプリアンプ自体も不要という風になっていきました。トランスが不要というのと同じ理由です。余計なものを無駄に通して音が劣化するだけというものです。プロ機器の場合は基本が再生ではなく録音なので、ここで言うプリアンプなるものはないですが、だけどイコライザーは通すし、コンプレッサーやその他いろんなアウトボードを通します。いろいろ通して劣化しないのでしょうか。それどころかラインアンプにも通すことがあります。ラインアンプとは何でしょうか。ラインとはケーブルのことです。ケーブルのように素通しする以外何もしないものです。そういうアンプがあります。その単体では基本的に音を入れて出すだけです。それでツマミなどの外部からアクセスするものは何もありません。外観はただの箱です。後ろで入出力端子を挿すだけです。中はアンプなのですからゲインを持っていますが、接続によってゲインを0にできれば、60dBぐらいは持たせることもできるものもあるのでマイクアンプに使うことが可能なものもあります。しかしコンソールにはマイクアンプはそのために設計されたものを使うので当然ラインアンプはラインアンプとして使います。昔はテープを使って録音し、持っているチャンネル以上のトラックが必要な時には一旦ミックスして空いたトラックを作ってそこへまた録音する必要があるなど、音が劣化する原因がありました。そのため音の鮮度を保つ努力が必要なのですが、それなのにそこへさらにラインアンプでした。もちろん意味もなく入れてはいません。ビートルズは真空管式のテレフンケン V72をラインアンプにして常に最終段に入れていたと言われています。トランジスタ全盛の時代に真空管です。しかも通すだけです。真実は「良いものに通したら良くなるし、悪いものに通したら悪くなる」というそれだけです。だから、プリアンプを使ったら音が悪くなると言っている人はかわいそうです。民生用のプリアンプでも感動的なものはあるからです。業務機器は素晴らしい音がしますが、ラインアンプのように無理がない、どうしても20~40dBの増幅ぐらいはするようですが、そういうものは特別美しい音が鳴ります。コンソールはモジュールの組み合わせなので、それらを前後で繋ぐときにマッチングが悪い場合、ラインアンプあるいはハイインピーダンスからローに変換するバッファーとも言いますが、そういうものを間に挟んで使います。今でもバッファーは単体だけで商品として成立するぐらい使う人はいます。こういう一見して良さがわからないものを勧めるメーカーというのはかなり真面目に仕事をしているところだと思います。業務用のラインアンプは最低でもトランスは2つ入っているので、その機能の乏しさと比較すれば非常に贅沢なものです。そして覚醒すると、世の中で最も素晴らしいアンプは、ラインアンプであるということに目覚めるでしょう。デジタルは色々通すと劣化しますが、アナログはそうではないということにも開眼するでしょう。

 トランスにしろ、アンプや、トランスが内蔵されたアンプにしても、音を通せば良くなるのであれば、たくさん使ったらどうでしょうか。これは素人でも考えたらすぐに思いつくので古くから使われてきたテクニックでした。問題点もあったりして実施には注意が必要ですしコストもかかりますが、その問題点を解決して一台に組み込んでしまう、すでに上手くチューニングされた複数回路を通過できる形式で難しいことを抜きにして簡単に優れた効果を得るというものがあります。有名なものでは、FMR AUDIO RNC1773のスーパーナイスモードがあります。連結された3台のコンプを通すことでナチュラルさを得るというものです(実際はデジタル制御で3回回しているだけ)。本当に3台繋ぐと細心の調整が必要ですが、そこをボタン1つでONにしたらOKとシンプルにしているというわかりやすさです(RNC1773はAMEK System 9098のコンプ部を参考にし、ほぼ同様の回路構成と言われています。AMEK 9098は爺の有名な製品の一つです)。しかしRNC1773はスーパーナイスモードを切ると全くナイスではありません。米では「クールじゃない」と言うんですかね? 皆さんの方が詳しいかもしれないので慎重に言葉を選びたいですが、とにかくつまみを多少なりとも回しすぎたら使えないですね。PAとかで割とイージーに使いたい環境では良いかもしれない、小店はどこからもスポンサードされていないので率直に言いますと、RNC1773は20万の機材に匹敵するとされていますがそれは絶対ない、スイートスポットでは割と使える、しかしインプットゲインボリューム以外にもスイートスポットが存在する時点でどうなのか、漠然とした言い方ですが、真ん中あたりで前後にチョロっと回す分には良い、この値段だからしょうがないのでしょう。使いようでしょうね。いわゆるナイスな位置で使う分には十分いけるので適材適所で考えると安いとなるでしょうね。小さいですし。ナイスな位置が存在しているという事実を評価したいところです。

 爺の現代の設計で、昔のテープの音を再現するという機材(機器?)があります。Portico 542 Tape Emulatorというものです。デジタルは便利が良いので良いところだけ取って後はアナログで行こうという潔さの最たるものという気がします。ここで言う「テープ」とはレコーディングスタジオや放送局で使われていたオープンリールデッキのことですが、民生用のウォークマンとか、そういうものも基本的には同じで、その最上質のものを再現しますということです(あえて民生用の方を再現するというものもあります)。YouTubeでいろんな人が実際にこの機器を使って実験していますので感じは掴めると思います。爺はやっぱり中途半端な仕事はしないと思いますね。テープに記録するところをテープヘッドと言いますが、これもコイルなのでトランスの一種です。それでこのテープエミュレーターではテープヘッドに相当するところにトランスで代用しています。テープデッキの回路をそのまま載せているという本格的なものです。しかし肝心のテープは入っていないのです。リンク先説明文の表面パネル説明写真がある左側に「一台で3基のトランスを自在に可変制御できる」という気になる記述があります。この辺がテープの部分だと思うのですが、中は見たことがないので定かではないですが、書いてあるので実際に3つのトランスが入っているのでしょう。爺も相当なトランスマニアですね。開発に当って「数え切れないくらいのトランスや回路デザインを検討しました」と言っているので、ここが要である、ということになるのだろうと思います。複数のものを通すとそれだけ難しくはなりますが、上手くチューンできればより優れた効果が得られるということだろうと思います。トランスは作るのがやっかい、コスト高ですので、爺の技術力を以て3つを1つに減らせないでしょうか。そういうことを言うとあなたが大株主でも爺に「ばかやろう!」を喰らうでしょう。これは素人目にも作るのが難しいんじゃないかと思いますが確かにその通りで、他にはDIYRE 15IPS Tape Saturation Colour KitかKUSH AUDIO UBK FATSOぐらいしかありません。あんまり需要がないのでしょうか。そんなことはありません。マスタリングでリミッターを使うのはテープのリミット感を再現する目的も1つにあって、この目的の機器では実際に本物のテープを内蔵して書き込んだらすぐに出力という方法でテープサウンドを抽出するというもので名機が幾つか知られている程です(以前にうっかりローランドのテープエコーなるものを購入しかけたことがあります)。この種は現代では作っていないと思います。違う個性のコンプを2つ繋いで後ろの方をリミッター設定で使うといったことはあると思います(貸しスタジオで初めからそういう設定で置いてあるところが多いようです)。使い方にはいろんな可能性があるので、コンプの場合自分の音楽には合わないという場合でも売り払ってはいけないとよく言われます。テープが最高の記録媒体の1つであるのは現代でも変わっていないし(ここにきてテープの生産数が増えているという奇妙な現象が発生しているらしいです)、ハードでテープの再現は難しくともソフトだと何とかなるということでエミュレーションプラグインはたくさんあるようです。フリーまで出るぐらい盛況で、かなり人気があります。だけどソフトとハードでは圧倒的にハードの方が良い、それどころかソフトは散々批判されていて比較の対象にすらなっていないという状況なので、ハードがもっと出てきても不思議はありません。しかし始めから爺にこういうクォリティのものを出されると後発がお手上げでしょうね。とりあえず現状本格的なものは爺のところしか設計できないようです。あまりにも本格的過ぎて本物のデープデッキと同じ問題も出るというというようなことまで書かれています。テープの効能はアナログ時代から積極的に用いられ、60年代に英国の天才エンジニア ジョー・ミーク Joemeekが、すでにコンプで圧縮済みの音源をさらに真空管を使ったテープレコーダーに記録する作業を意図的に1段追加し、そこからレコードのマスターにカッテングするという方法で斬新なサウンドを作り出しました。Joemeekが1967年に37歳で亡くなった後にも彼の名を冠した音響会社が存続し、現代でも中国深圳で生産しています。爺はというと経営に行き詰まりNeve Electronics社を売却、その後も設計者として留まりますがやがて居場所を失い、それから現在のRupert Neve Designsを設立するまで様々な会社で設計していました。その内の1つがJoemeek社との提携で、この時にVC3というマイクアンプ、コンプ、エンハンサーを小さな筐体に詰め込んだ安価な製品を発売しています。英国製の初期型が爺の設計で生産台数は言い伝えによると1000台を超えるぐらいで、すぐに別回路に変更されて現在に至っています。これはトランスが入っていません。それでも濃厚な英国サウンドを堪能できます。かなり強烈なブリティッシュサウンドなので、用途も限られてくる可能性はあります。

 冷戦時代に香港と大陸はどれぐらいの交流があったのかわかりませんが、英国領という状況において当時のいわゆる資本主義国と経済的関係にあって、大陸とはそれなりの壁があったのは間違いないと思われます。それでも工業製品は上海製造のものが香港に輸出されたりもしていました。今では製造業は広東省全域に移っているので、香港にはほとんど工場はないと思いますが、以前は香港製というものがありました。上のラジオはその1つです。香港製ですが英国特許とあり、スピーカーは台湾製と明記されています。一体どんな音が鳴るのかと思って聞かせて貰いますと、これはバリバリのブリティシュでした。不思議なものです。この種のラジオでトランスが2つ入っているものは高級品だったものです。

 確かに一口にUK(英国)の音と言っても色々あります。UKのヴィンテージトランスも様々なメーカーがあってそれぞれの音ですが、それでも全部UKの音でいずれも評価されています。トランスが入っていない機器でも以前はUKの音がしていました。Neveもトランスの有無に関わらずUKの音でした。従って、NeveがUKの音を作っていたのではなく、UKで作っていたからUKの音になったという考え方はできます。というのもRupert Neveは17歳までアルゼンチンで育った人で、その後英国には渡りますが大戦中だったので通信の部隊に所属していました。中国で生まれて育った日本人、満州育ちとかそういうのではなくて、完全に中国だったところで育った人というとイメージしやすいでしょう。ほとんど中国人ですが親が日本人なので日本にも親和性があるという特殊な立ち位置の人間です。つまり大雑把にはNeve Electronicsはアルゼンチン人が英国機器を設計していた会社なのです。ブエノスアイレスはタンゴの国、アルゼンチンは当時南米で最も経済発展した国でした。そういう国から欧州に戻った人としてはカルロス・クライバーが有名ですが、イタリアとかスペインとは全然違うラテン系の人間になってしまっていて、元がドイツ人とは到底思われません。しかし文化水準の高いブエノスアイレスからやってきたというのは大きなアドバンテージで、しかも生粋の南米人ではなかった、親がドイツ人であったり英国人だったりしたわけですから家では南米人ではなかったといういささか複雑な背景が独特の芸術を生み出す土台になっていました。生粋の英国人よりも魅力的なものが作れる素地がありました。Neveのあのサウンドの色合いはブエノスアイレスのもの、当地の音楽のルーツはスペイン・ロマ(ジプシー) - アラブ - オリエントを源流としたエキゾチックなもので、それが英国の重厚感に包まれた時に魅力を放ったと考えられます。Neveは結婚する時の条件として定職に就くことを求められたので、英国のトランスメーカーで主任を務めていました。その経験が後にサウンドの肝となりました。そしてJoemeek VC3を設計した時に重要な手段を失いました。トランスが使えなかったからです。そのことによってVC3はブエノスアイレスから解放され、ゴリゴリの英国調になったものと想像されます。しかしNeveによって設計されたことによって細部に至るまで配慮された傑作になったものと観て良いでしょう。

 この写真には繁体字で、入力トランスと出力トランスの2つが示されています。入力トランスのインピーダンスはインターステージと見做した方が良い数値ですが。電波を高周波回路から低周波に変え、カソードフォロワー回路でインピーダンスを下げて入力トランスに入れるという順序になっているものが結構あります。アンプ部で前段からインターステージトランスで位相反転を行い出力段に送るというものもありますが、この場合も慣例?なのか入力トランスと呼ばれます。このトランス2つ式の回路も掲載しておきます。B1とB2がトランスです。当時のラジオの場合、トランスが1つだけとか全く使っていないものもありました。このトランスは中華の音色を決定づける重要なパーツです。そうすると、香港製のラジオに組み込まれているトランスはどこで巻いたものでしょうか。英国からの輸入ではないと思いますし、これは香港製だと思います。本当はこのラジオは英国というより香港の音だったのかもしれません。ほとんど市場価値のないものではありますが、今となっては珍しいものではあると思います。

 中国で公園に行くとお年寄りが多いことに気がつきます。彼らの定番の持ち物は幾つかありますが、1つにラジオ、テープデッキがあります。コンパクトなもので紐を腕に掛けて落さないようにできるタイプが多いように思います。自転車に乗るとラジオを前の籠に入れて鳴らしながら帰宅します。鳴らすのは北京であれば決まって京劇です。こういう視聴環境はもはや伝統であるらしく、もうかれこれ何十年もこうやって楽しんできたのだと思います。中国音楽を聴く、おそらく最良の方法は1つはここにあります。家でパソコンのmp3(中華では「エムピーサン」と言います)で京劇を聴いて何が良いのかさっぱりわからなくても、公園に行って老人らと陽に当っておればその魅力がわかることがあります。

 ラジオというものは、放送局の最高の機器で音楽を聴けるものです。特に国営放送はその国の基調をなす個性を体現しています。理由はわかりませんが、なぜか国営放送というものはお国柄を反映します。自国の企業と共同開発するからかもしれません。最高峰の音響技術が投入されているものでもあります。FMを聴かないと本物のサウンドはわからないと言っても良い程です。この種のラジオのスピーカーは中国伝統のチューニングになっています。現代でも国内向けに生産しているスピーカーは伝統を維持する方向で作ってあって、そういうものは外国に出荷していません。特に伝統音楽を聞く人からだけ支持されているわけでもありません。中国人は何を聴く場合でも、それほど意識せずに国産のスピーカーから出る音を好む傾向があります。もっともこういう傾向は中国人に限らないと思います。外国のものはそれはそれで楽しみますが、国産も同列に評価しています。伝統的な中華系機材というものがまだ生産されていて、ラジオもその一種なのでしょうけれども伝統音楽をより良く聴く条件としては比較的良好ということは言えると思います。

 イコライザーは、周波数を決めるために抵抗、コンデンサー以外にインダクターを使うものもあります。これはコイルです。抵抗の代わりにインダクターを使うのですが、これはトランスを使うか使わないかという違いと共通します。抵抗を使う場合でもどの種類の抵抗を使うかで特徴が変わってきますので、設計者の音色に対する狙いが表れますが、その中の1つの選択肢としてインダクターがあります。コスト高なのにインダクターを巻く旧式の方法に拘るのは、やはりコイル特有のサウンドを求めているからに他なりません。

(クリックしたら拡大します)
 例は米Quad Eigut 712 イコライザーの回路図ですが、全部で7つのインダクターを使っています。設計の難易度や製造コスト、開発費と時間などあらゆる点でインダクターは不利です。そこを使っていく、それもこれだけ使うというのは普通ではない、かなり贅沢な品です。


 インダクターは電源回路にも使われることがあります。これはチョークコイルと呼ばれます。しかしほとんどの使用例は真空管回路で、ディスクリート初期のドイツ製のコンソールにも時に使われていました。真空管回路用は特に耐圧が必要なので大型です。電源回路は信号の主要経路ではありませんが、音の傾向に対して大きな影響があります。抵抗を使うのに比べて非常にコスト高で設置スペースも必要なので贅沢なものでしたが、それでもその大きな効果から積極的に多用されていました。しかしドイツのコンソールモジュールはプロ用の機材であるため、全ての方法が慎重に検討されていたことで常にチョークコイルが使われていたわけではなく、必要なところへ投入されるに限られていました。信号経路にもインダクターがフィルターとして入れられることがあり、これは古いドイツモジュール独特の特徴です(左写真 Siemens V274)。カソードに入れられている例もあります(右写真 Telefunken V72)。このようなものはドイツモジュール以外ではほとんど見られないと思います。ドイツの巻線技術でようやく成し得たという考え方もできるでしょう。おそらく真空管式コンプレッサーのみに採用されていたと思われますが、インプットトランスから初段管の間にローパスフィルターが置かれている例があります。Telefunken U73では1段(正負でインダクターは2つ)でしたが、左下写真例、1967年製造のU71では2段(4つ)に強化されています。インプットトランスにワイドレンジのものを使わなければ良いだけのようにも見えますから、このような手の込んだものが採用されている例は他にはないと思います。Fairchild 660/670にもありません。U71より少し早く設計されたディスクリートのU273/U274にもインダクターは採用されていませんでした。ドイツでは真空管式コンプレッサーにはどうしても必要という考え方があったようです。しかしディスクリート時代にインダクターが消滅したわけではなく、イコライザー以外にも散見されます。より広帯域を求める場合は不要なので、古いモジュールを入手した時には既に後代のエンジニアによる改造でバイパスされている例が多くあります。ドイツの設計師たちが無駄に加えているなら、全ての設計でインダクターが採用されている筈なので、熟慮の上で入っているものを外すということなのですから、ちょっと違ったものになってしまいます。このような改造は元に戻さなければ音に落ち着きを取り戻せないと思えます。インプットトランスを外してしまうのも同じことが言えます。インダクターに関わらず、ドイツのモジュールに手を入れて好結果を得ることは稀であろうと思います。

 人間の耳は、20~20kHzまで聞こえるとされますが、音楽や音声の再生は必ずしもその枠を守ることが快適とは限らず、音響の黎明期から様々な試みがなされてきました。初期の頃はまず電話から、そして映画館でした。電話は送受信機の規格を整備することで音響を一定に保ちやすいですが、映画館は建物の影響を受けるのでかなり苦労があったようです。世界大恐慌で経済的に難しい時代でもありましたが、まだテレビがなく娯楽も少ない中で映画は大人気となり、多額の投資が可能だったことで優れた開発や研究が行われていました。映画館経営者の方からも品質に関する要求がかなりあり、他の映画館よりも優れたサウンドを提供するためには幾ら払っても良いという感じだったようです。当時の技術的水準は、現代と比べるとまだ存在していないものも、例えばトランジスタやICはありませんでしたが、コスト圧力が低かった状況で、むしろ現代よりも高品質な製品が提供されていました。可能再生周波数帯域についても、十分にハイファイなものも開発に成功していたようですが、採用されたものはそういうものではありませんでした。すでにSPレコードで8kHzまで、実際にはもっと入るようですがこれぐらいがベストというところで収録されていた時代に、映画館では電話やラジオと同じような帯域で放映されていました。

・蓄音機 SPレコード ラッパ吹込 (200~4kHz)
・蓄音機 SPレコード マイクとアンプ (100~8kHz)
・LPレコード (70~10kHz) レコードを生産している東洋化成によるとこの周波数帯が最もカッティングに適しているということです。当時のノイマンマイクは40~16kHzぐらいと当時としては広帯域でしたし、レコードもこれぐらいの周波数帯はカバー可能なので、広帯域で録音されていたものもあったようです。しかしLPレコードに最適なスペックで収めるため、多くのイコライザーに10kHzのローパスが用意されていました。SPの後期とスペックはほとんど変わらなかったことになります。
・CD (20~20kHz)
・電話 (300~3.4kHz)
・ラジオ (150~3kHz)

 これぐらいの帯域に制限して音を送るのが一番人間にとって快適だという研究に基づいてこういう規格になっており、トーキー映画時代には欧米では大きく3社、米ウェスタン・エレクトリック(WE)の特許を使用したワーナー・ブラザーズ、米ジェネラル・エレクトリック General Electric(GE)の特許を使用したRCA、独テレフンケン(クラングフィルム)の特許を使用したUFAで覇権が争われ技術の向上が競われていましたが(後に独占禁止法回避のためエリアで担当を分けるようになりました)、それでも大原則は全く変わらず、周波数帯域がむやみに広げられることはありませんでした。それは各家庭に電話やラジオなどの端末が普及するようになった時にも一貫していました。古い音楽を古い装置で聴くと驚くほど美しいが、現代のステレオで聴くと全くスカスカになるのはこの辺りに理由があります。そうすると聴く音楽によって時代ごとに装置を用意せねばならないということになって、実際にそうするマニアもいます。場所を取るし、古い機器のメンテナンスなどとても大変なことなので、トランスの差し替えで対応する人もいます。この場合、古い音楽はイコライザーではなく帯域が制限されたトランスを繋いで聴きます。帯域を絞って収録されているものをハイファイで聴くのは周波数特性が狂っているということになり、本質がよくわからない、演奏を分析しようにもおかしくてよくわからないということになります。演奏の細かい部分まで分析するのにも支障を来します。

 中国にも19世紀末より上海にSPが入ってきて外国の企業が覇権を争っていました。いくつかの企業があるのでここにまとめます。

・百代(仏パテ。1928年に本体のパテが英コロンビアに買収され、さらに31年にコロンビアがHMVと合併しEMI。インド製が多い)
・勝利(米ビクター)
・高亭(独オデオン)
・蓓開(独ベカ)
・歌林(英コロンビア。インド製が多い)
・宝塔(米RCA)

 周波数帯域を考慮する場合、大まかに3段階で捉えることができます。4kHz以下、8kHz以下、それ以上の3種です。古いものがハイファイでないということはなく、業務録音機器用のトランスは半世紀以上前のものでも広帯域です。医療用も広帯域ですし、高周波用すらもあります。一方で再生に使うものは帯域を絞ってあります。中国音楽においても同様で、具体的には4kHz以下ではラジオに入っている小型のトランス、8kHz以下では蓄音機に入っています(写真例は蓄音機のハラワタで、左下端に2つのトランスが見えます)。中華蓄音機に内蔵されているトランスは中国国内では人気があって結構取引されています。流通量は少ないですが、かなり濃い音が鳴るので古い音楽やクラシックなシステムに合わせて使われています。しかしハイファイなトランスはもっと高値で取引されていて、これも中華風の濃厚なサウンドが楽しめます。軍や放送局、レコーディング会社などに供給されていたタイプです。ハイファイなものは音自体を変えてしまうぐらいのインパクトのある変化はしないですが、その微妙なさじ加減が重要なのであって、長く聴いていると大きな違いと感じられます。

 トランスを使う場合、前後のインピーダンスマッチングに留意する必要があります。機器にはいろんな規格、スペックがありますが、各機器を連結していく時に参照するのはインピーダンス(内部抵抗)です。もし機器に抵抗がなければ電気は素通りして留まることはありません。電球はフェラメントがあるのでそこで電気が停滞し光り輝きます。同様に機器も内部抵抗が必要です。出力端子のインピーダンスに対する入力側インピーダンスとの関連性が合わないと周波数特性に狂いが生じます。昔のプロ機器は600Ω同士で合わせる転送方法が多くあります。現代はもっと高くて4.7kΩ基準のようです。機器は単体で設計され、前後にどのような機器を連結しても使えるようになっているものは、入力インピーダンスはマイク入力は最低でも1KΩ、ここはマイクしか繋がないので特に問題にならないと思いますが、その他はラインは10kΩ、楽器は470kΩぐらいです。この値より低いインピーダンスのものであれば接続できます。一方、出力は150Ωぐらいのようです。後段に低すぎる特殊なもの以外、大抵の機器は繋げられます。40Ωぐらいまでであれば大体20kHzまでは保障しているようです。

 ラジオの回路図を載せていますが、インターステージトランスの前にトランジスタが1つあります。そのさらに前に47kΩのボリュームがあります。ここを入力にしてそれより前のラジオを切り離せばアンプだけ使えます。ペアで揃えるのは困難なのでモノラルになりますが、中国音楽を聴くのにはベストのアンプの1つであろうと思います。どうしてもトランス単体として用意したい場合はおそらく最も無難なのは米国の電話用のトランスを使うことだと思います。これはギターのDIに使うのにもちょうど良いので市場に割と出ています。戦前の中国音楽はこのタイプが特に合うと思います。1920年代頃のラジオ初期はパーツ販売で、つまりスピーカーやトランスをバラ売りで買ったりセットもありますが、自分で必要物を連結して使うものでした。それでトランスだけというものが商品としてありました。トランスを金属ケースに収めて外部に端子を出してコードをネジで固定できるようになっていました。このタイプは真空管用でインピーダンスが高いのですが、広帯域は問わない用途なのでより低いインピーダンスで使用してもほとんど影響がありません。もちろん試しにインピーダンスがきちんとマッチングする接続でも使い確認しますが、聴感上でも測定でもほとんど変わりません。写真例のトランスは表面のラベルには「2.2:1」という比率(レシオ)が書いてあります。つまりインピーダンスが明記してありません。トランス単体で販売されていたわけですから何に接続されるかわからない状況が想定されているため、インピーダンスに関係なく巻線比率だけで使えるようになっています。音質はデジタル時代の現代でも対応できるほど素晴らしいものです。非常に暖かい音で柔らかい、それでいて結構明晰な音が鳴ります。どちらの場合でも、個性は生産地の影響が大きく、用途はほとんど影響ありません。材料も時代によって異なるので年代も影響があります。

 ここで、世界のトランスにはどういうものがあるのか見ておきたいと思います。トランスの個性は国によって特徴があります。

・アメリカ Western Electric(WE)、UTC、JENSEN、TRIAD、Peerless(ALTEC)などのメーカー、ブランドがありますが、UTCが作ったものをWE銘で販売したりといったことがあって、主に公共のライフラインに関係していますので全体で1つの企業体、半国営カルテルですから、まとめて"米国産"というくくりで考えられます。ジャズであれば米国産が最良の選択です。
・英国 当初は米国からの技術の輸入でWE子会社のロンドン・ウェストレックス London Westrexから、すぐに独自開発に切り替え、マルコーニ Marconi、パルメコ Parmeko、フェランティ Ferranti、パートリッジ Partridge、ガードナーズ Gardners、GEC、マリンエア Marinair、セント.アイヴス ST.IVES、ベルクリア Belclereなどがありますが、いずれも大人気で入手は比較的難しい傾向があります。この系譜は現在カーンヒル Carnhill(旧 ST.IVES)やソーター Sowterによって受け継がれています。重量感のある有機的で含蓄の籠った響きです。いわゆる"ブリティッシュ・サウンド"と言われます。ロック系に合うとされます。
・ドイツ プロ機器用の製造は真空管時代からトランジスタの初期までクラングフィルム Klangfilm/シーメンス Siemensが製造し、それ以降はアウフェ Haufe銘に変わり、ほとんどのトランスを製造していました。少数ですがベイヤー製もあります。IC時代に入ってくるとピカトロン Pikatron製に切り替わりますが、古いアウフェ・トランスの絶対的な信用は現代でも揺るぎないものがあります。清らかな響きです。クラシックに合います。
・日本 代表はタムラです。古典的な和の音がします。ハシモト(旧山水。トランジスタ用は安価で、"ローファイ"というハイファイと逆の言葉がありますが、蓄音機時代の音を現代の装置でリアルに再現して聴くためのアナログパーツとして一定の人気があります)、東栄(チョークコイルの欄の下方に太文字でラインナップしています。驚異的な安さです。これだと中国の一般のより安いです。秋葉原の部品屋さんです。かなり音が硬く、エージングも効かないらしいので機械巻きだと思います。このあたりについてはK&T完全手巻ピックアップを参照して下さい)、タンゴ、日本光電、理研、春日無線、ゼネラルトランス、染谷電子、大阪高波、共立電子産業、アテネ電機、エイトリック・トランスフォーマーなどがあります。

 トランスは鉄心に銅線を巻き付けただけの単純な構造の物体ですが、どうしてこうもお国柄が音に反映されるのか不思議なものがあります。"楽器"と見做すべきでしょう。もちろんその他の音響機器もすべて楽器と見做すべきです。そしてケーブルさえも楽器として扱うのはプロの現場では当たり前です(ケーブルは曲げるなど金属ストレスを与えてはいけません)。トランスは楽器を選ぶように吟味すべきものです。スウェーデンのトランスメーカー・ルンダール Lundahl社はドイツ系です。クラングフィルム系のメーカーがプロ機器の中でも特別仕様のグレードを作る場合、北欧の工場で作らせていましたので、北欧も高い技術力があります。その系譜の中で最も有名なのはデンマークのオルトフォン Ortofonです。レコードのカートリッジを作るメーカーですがこれも製造はトランスと同じコイルです。デンマークのコイルトランス関係はJSが作っています。オランダのフィリップス Philipsはドイツ系の影響は受けつつもセンスは異なるので、ドイツ系の少し違ったタイプと見なせますが業務機器は評価は高いものの数は少ない傾向があります。スイスのステューダー Studer、EMTもドイツの上位モデルを生産し、解像度の高さに定評があります。

 中国の音ということと、トランスは手工品ゆえ楽器のようなものなのでお国柄を反映するということを考え合わせた場合、中国音楽に対しては中国のトランスが最良なのは間違いありません。中国の工場の整備は大躍進政策時に一度行われ、再度文革が始まってすぐの66年頃にも行われたのですが、生産が伸びてきたのは70年代ぐらいからです。文革で学生が学校に来なくなったため、工業学校を閉鎖して工場に変え、教職員を開発製造に当たらせるという例までありました。皮肉にもそれで開発が加速し、工業の質が高められたともされています。文革期には人材や技術の交流も活発だったようです。我々が手に入れられる中華のクラシックなトランスというと大躍進時代の工場群製造による50年代以降のものになると思います。中国のトランス製造地はかなり多く、詳しいデータがありません。音響関係者に評価が高いのは上海無線電27廠です。中華牌の機材を作っていた頃の中国唱片廠の中国音楽録音はあまねく27廠のトランスを使用しており、上海におけるプロの音響機材というといずれも27廠のトランスが使われていました。上海でトランスを製造していたのは27廠だけではありませんでしたが、民生機器、カラオケの高級モデルにも27廠のトランスが使われていました。中華トランスに関しては北京無線電1廠(現・797音響)、杭州無線電廠もあって、いずれも味は異なりますが、中華の毒はまず27廠について語られます。大陸にはこの27廠トランスを以って「国宝」という人もいます。27廠に関しては聖地ということで、現在の様子をストリートビューで確認します。

 大きな広場があります。そして奥に双子のビルが渡り廊下のようなもので繋がれています。左の方にはロゴがあります。見えにくいですが「双灯」とあります。27廠は元々2廠からの分家で、2廠製品では「紅灯牌」を使っていました。「双灯牌」は27廠製品のブランドでした。右のビルは道路に面していますので、その方に回ります。

 幽霊ビルです。これは使っていないように見えるし、そもそも窓や壁がなく内部が完全に外に解放されているような酷い状態です。明らかに廃墟です。しかし何故かもう1つのビルからは比較的新しい廊下で繋がれて支えられています。現場に赴けば当然新ビルの方には侵入を検討したいのですが、こちらの方は現在「上海双灯电子技术开发实业公司」という会社になっています。企業情報によると照明器具以外に、テレビの部品、トランスもまだ作っているとあり、その他あまりにも広範で、百貨経営方式服務ともあります。この会社について詳細を調べるもほとんど何もわかりません。何をやっているのかわかりません。トランスを巻いているようには見えません。27廠が前身ということも明らかにしていません。社長が誰かもわかりません。製造ではなくて研究機関のように見えるし、それも表向きにやっているところでない気はします。幽霊ビルは外から見えるところでわざと残しているのでは?もうそっとしてあげた方がいいのでしょうか。いずれにしても、かつてはトランスが巻かれていたであろう幽霊ビルが、理由はなんであれ残されているのは良かった・・何が良いのかわかりませんが、歴史的建造物ですからね、暇な方は、中華の音響への思い入れにもよるのでしょうけれども、見に行っていただければ。尚、この事情であれば侵入は控えた方が良いでしょう。幽霊ビルの写真もビルの向かって左側に保安がいますのでそこで事情を説明してから撮影するようにして下さい。自分は音響関係者で、ここは27廠のビルだから、とか言えば問題ないと思います。保安は大抵教育水準が低すぎるのに権限は持っているという極めてややこしい、つきあいにくい人たちで、道理は一切通らないということと、怒鳴られても喧嘩しないように注意して下さい。幽霊ビルよりも生きている人間の方が怖いんじゃないですか。まあ、行かないのが無難でしょう。位置は、丹阳路60号です。

 新品のトランスは音が硬いです。二胡と一緒ですね。やっぱり楽器みたいなものなんでしょうね。しばらく使わないと本領は発揮しないし、それに真の実力を予測するのも難しいものです。たいてい優秀なトランスでまだポテンシャルを発揮していないものは機械的な程ガチガチです。ある意味データ的には優秀と言ってもいいぐらいです。エージングが進むと角が取れて良い具合になります。1,2時間程鳴らしてほっておくと翌日には柔らかくなっていますが、これを繰り返すと甘くなってきます。それからでないと評価できません。古いヴィンテージトランスでしばらく使われていなかったものも同じです。眠っておられるんでしょうね。起きたらすぐに活発になるものもあれば、しばらくまどろんでいるものもあります。評価は急がないということですね。

 トランスがこんなに素晴らしいものであればどうして現代の多くの音響機器には使われていないのでしょうか。重い、コスト高、大きくなる、良いものは作るのが難しい、といったいろんな障害があります。もちろん機械を使って自動でも作れるので産業用はそのように作っていますが、音響用トランスは手工生産です。職人技です。設計も職人技で企業秘密です。設計会社と製造会社間で情報を秘匿し絶対に漏らさないという暗黙の了解が(中国以外で)あります。中国の場合は確かに一般企業が洩らす場合もありますが、基本的にそういう技術、外国から入手したものだけでなく自社で開発したものなど何でも国に申告し、国全体で技術を共有することが法律で義務付けられているので、完全に概念が異なっている、かなり特殊なところです。職人技をコンピューターで解析すればどうでしょうか。現状これには成功していません。職人がどうしても必要、数も潤沢に提供できません。現代では作れなくなった巻き方のトランスさえあります。だからトランスを入手して使うということはとても贅沢なことです。トランスを巻く職人を育てるのに力を入れている企業もあります。

 特殊なトランスで高周波用というものがあります。ラジオとか無線機器用のものです。オーディオ用の低周波は周波数特性でトランスの性能を表示しますが、高周波用はパルスの応答速度で表示します。周波数特性は100k~50MHzで低周波用とは使う帯域が異なっています。これは低周波に使ってはいけないのでしょうか。そこで実験いたしました。巻線比の関係である程度の増幅率が見込めるところでしたが、逆に音量は低下しました。20dBぐらい減少しています。当然でしょう。100kHzから降下して可聴帯域の20kHzあたりに達した時にはすでに下がりきっているからです。しかし音はしっかり抜けるところからすると低空飛行である程度は一定しているものと思われます。それよりも目立ったのは、サウンドの優れた応答速度です。極めてスムージーな、歯切れの良い音が鳴って曖昧さが感じられません。それぐらいでないと高周波では使えないのでしょう。中国物ともなるとそこへ独特の甘さも加わります。これは演奏の研究用には細かいところも見えますのでベストです。失ったゲインさえしっかり補償すれば十分に使えます。音楽鑑賞用としても問題はありませんが、基本的には演奏の細かいところまで聞き取るための研究用という感じがします。超高域スピーカーという可聴帯域を超えた聞こえない高域を出すという特殊なスピーカーがあります。TAKE T BATPUREというものです。全く聞こえないわけではなく、耳を近づけるとシャラシャラした音は鳴りますが、聞こえる程鳴っているのは音が大きすぎるので実際の使用では聞こえない状態に抑えます。聞こえないのに影響は大きいので、聞こえない音の音量調整が必要という、聞こえる音でそのバランスで調整するという、そういう特殊なスピーカーです。写真は拙宅での視聴実験の様子ですが、このBATPUREに高周波用トランスはかなり相性が良くサウンドはより鮮明になり奥ゆかしさもあります。しかしトランスを使うならアンプは別に用意しなければならず、この場合ではインターフェースに付いているヘッドフォン端子から出力してBATPURE専用に供給しています。トランスを使わない場合でもBATPUREには別個にアンプを使う方が好結果です。

 アナログとデジタルの録音が違うのは言うまでもないことなのですが、最初にどのように記録するかも大きな影響があるように思います。つまり、テープで録音するのとパソコンを使うのは違うのですが、最終的にテープの質感が欲しいという時に、デジタルで録っておいて後からテープに通すのと、初めからテープというのは随分違うということです。かといって、アナログが良いからといってテープを用意するというのはかなり面倒なことです。デジタルもどんどん良くなってきていますし、一方でアナログにも問題がないわけではないので、ちょうど良い具合を探りたいというのはあると思います。そもそも何でこういう話が出るかというと、中国楽器はデジタルだと難しくなる、アナログとデジタルは空間、響きの捉え方が変わるような気がするし、アナログであれば割とそれなりに録れてしまうところにデジタルとなるとハードルが高くなるように思います。その要因として市販の機器が西洋中心で、デジタルだとその特性が露骨に出るということがあると思います。だけど今更アナログは避けたいというところで折衷案のようなものが得られれば、何もしないよりは味わいのある音が採れると思うのです。デジタルで収録するにしても記録する前の段階でそれなりに対応できないかということなのです。しかしこの段階で西洋色が出てしまうので少なくともそれだけはなんとかせねばなりません。中国の技術者はやはり本場ということで、この辺の対応は巧みですが、国産で一定の水準のものが用意できないとか特注で機器を用意するのでなければ西洋のものでも色付けがないとされる個性を極力省いたもので対応したりする例があります。アナログ感と東洋感のこの2つの方面から考える必要があります。

 たまたま池上通信機の昭和30年代のアンプがジャンク品で見つかったので修理して使ってみると独特の東洋的アナログの質感が得られたのでラインアンプ、プリアンプなどを介する類の1つの可能性ではありますが、場合によってはこういうものを使うこともできると思うようになりました。この個体は「増幅器」と記載がありますが、コンソールに差し込んだ時に見えなくなる側面に高域と低域を調整できるボリュームがあります(写真では側面に穴が2つ見えますがここをマイナスドライバーで調整)。イコライザーなのですが調整は固定で使うのが前提になっているということになります。ということはこれはテープのカーブを調整するものであろうと思われます。テープは特性上フラットには記録できないのでズレた分を再生側で戻すのですが、それでも高域と低域はそれぞれ減衰しやすいのである程度補償しておく必要がある場合があります。それでこのイコライザはどちらもプラスにのみ調整できるようになっています。テープデッキに繋がないのであればフラットのままで良いのでそれだと普通の増幅器になります。ダイヤルは0が最大で測りますと+50dB、20が+30dBでした(つまり20は-20dBの意)。∞はOFFでした。イコライザを使うと減衰しますが使わなければ最大50dBのゲインがあるということになります。もしこの回路をコピーして製作する場合はイコライザは3連ボリュームも面倒ですし、使わないのにコストの無駄になるので省くのも1つの方法です。しかし僅かであれば善用も可能なのでもっと小さい値のボリュームと固定抵抗に変えて運用するという方法であれば使いようもありそうです。結構ナチュラルで快適な効き具合です。

 修理の時に回路図を書きましたので左側に貼ってありますが(クリックで拡大します)、インプットトランスが600:7k(巻線比1:3.4 +10.7dB)で、アウトプットトランスは20:600(1:5.5 +14.8dB)です。右側に貼ってあるのは中国杭州・西湖牌のコンソールのものですが、こちらもインプットトランスが600:5k(1:2.9 +9.2dB)、アウトプットトランスは150:600(1:2 +6dB)と似たような感じになっています。これはマイク入力ですので同列には比較できませんが、トランスである程度昇圧する共通点はあります。中国唱片廠に納入された中華牌コンソールの中身を開けた写真例では、600:6k(1:3.2 +10dB)のインプットトランスが入っているのが見えます。こちらもマイクです。このように昇圧の一部をトランスに依存すればトランス特有の味が乗りますので、現代の感覚で言うところのヴィンテージ感が出ます。現代ではハイエンドのプロ機器以外はトランスレスの方が普通ですし、ハイエンド機器であっても70年代以降のノイマン、SSLあたりから始まるトランスレスの流れもありますけれども、それは音楽が非常に多様になってきて、現代では日本国内でも世界中のあちこちの音楽の専門家がいて昔には考えられなかった状況であるし、何でもそれなりに対応しようという場合多少なりともトランスで色付けされてしまうのはやりにくい面があって、またエンジニア自身が持っている固有の音に達する方法論も確立されているところであらかじめ手が入れられている風の音はやりにくいので嫌うということがあります。しかし現代より交通の発達していなかった時代では、それぞれの国や地域で土地固有の常識があるし、それが当たり前という状況で最善を尽くせばトランス式が優れていた、なによりサウンドがナチュラルになることで採用されていたという、そしてそのことが現代の観点からみた時に固有のサウンド、ヴィンテージ感が感じられるのであろうと思います。もちろん現代でも味を重視する考え方はあって、マイクの選択に続いてヘッドアンプにもそれなりの方向性がないと使いづらい、そうすることで守備範囲が狭まってもしっかりした特徴が押し出されている方がやりやすいという見方のエンジニアもいます。つまり東洋の音を追求するという一事にしても、トランスを使うことで親和性を高めるのか、それとも全く特徴を消してより自然なサウンドを追求するのか、大まかに2通りの方向性がありそうだということです。どちらかのやり方に偏っている人もいれば(偏った方がコストはかからないから偏っているという人がほとんどかもしれません)、あらゆる選択肢を可能性から排除しないというエンジニアもいます。トランスを使うとは言っても、マイクアンプのインプットに入れるトランスは今も昔も難しいものでコストもかかりますので中国においてもほとんどのアンプにトランスは入っておりませんでした。トランスインプットは極限られたプロ機器に限定されていました。

 日本の古い放送・映画機材は東洋の基準での音作りなので、中華の録音に相性が良いのは容易に想定できます。池上の個体は結構増幅率があるので一応コンデンサーマイクを刺してみますがマイク用のアンプではないのでどうしても増幅があまり稼げずSN比もよくありません。それなりに増幅率もあることで一応録音は可能なので全く使えないこともありませんが無理があります。これは劣化したトランジスタを交換してアース対策も施した上でのことですが、交換前はラインでもかなりノイジーでした。テープの場合は(ある一定以上の年齢の方しかわからないと思いますけど)再生した時にテープが回転してどこかに擦れたような衣摺れのようなノイズがあってこれが味わいと落ち着きをもたらしていた面があったかと思いますが、本個体の音を聴くとあれは実はテープが擦れていたのではなく、こういう機材から出ていた雑音だったらしいと気付かされます。雑音が何でも悪い訳ではなく、あった方が緊張感や生命感の伝わるものもありますから、こういう雑音は欲しい感じはします。よく聞かないと聞こえないぐらいのレベルですし、全くの無音よりは静謐なノイズがある方が体にも気持ちが良いし格調も感じられます。しかしノイズをしっかり消すとより明瞭度が高まるので本来はノイズは容認すべきではないでしょう。結局最終的に消してメンテを終了しました。ちょっと残念な気はしましたが、デジタル時代、やむを得ません。

 日本の業務機器のトランスはタムラが製造していますが、こういう古い池上のモジュールであっても音色はタムラ主導という印象です。ですから音色だけであればタムラのトランスだけでも充分かもしれませんし、この東洋の音こそが中国楽器との相性を考えた時に価値があると思います。このようなモジュールを組み合わせると存在感と力強さが増します。こういう特徴は60年代の世界的な傾向かもしれません。まだ真空管の影響があったであろう時代でこの独特のサウンドの重みは米英独のものにも見られるからです。まず感じられるのは音の重心の位置です。東洋は西洋より前です。音が濃厚に感じられる一因でもあります。この概念の違いはおそらく楽器の構造と関係があります。西洋の楽器は容積で聴かせます。胴にそれなりの空間があり、楽器の中で響かせた音を放出します。これは弦管共に同じです。東洋は笛、ラッパ、琴などいずれも容積は音を作る空間ぐらいの印象、比較的狭くなっています。オリエントから入ってきた楽器には共鳴弦が付いていましたが、これは楽器そのものの振動を響きに変えるものでした。つまり空間内で生成された音を空気の振動として生かすのか(西洋)、或いは物体に移すのか(東洋)という違いです。胴鳴りというのは奥の方で鳴るものです。特に低音の楽器はそういう印象ですが、その重心を前に出してしまうと低音の塊そのものの印象になってしまいます。逆に控えて奥行きを与えると空間的響きになります。重みがあって濃厚になるのは前に出した方なのですが、しかしそれだと空間を感じる響きは失います。欧米の感覚で東洋楽器の収音だと、ないもの、どちらかというとあまり良くない部分を採りにいく事になる、胴鳴りに注目されると美しくはないのにそこが気になってしまう音が採れてしまいます。東洋は重心を前に置いて音の密度を高めた方が本来の美しさが出やすいということなのです。西洋では楽器だけでなくホールにも響きを求めます。東洋では舞台で作った響きを放出します。例えば円形のドームのようなものは西洋では建物の天井がそういう構造ですが、中国の劇場では舞台の上に吊ってあります。やはり楽器も演奏場所も概念は同じです。音の減衰に対する考え方の違いです。東洋の楽器は減衰時間が短い傾向です。西洋では音の余韻をサスティンと言って重視します。二胡は擦弦楽器なので余韻は関係ないように思いますが、西洋のアンプを使うと妙なキラキラが出ることがあります。このような研究で放送局を除けば最も熱心なのはサンプリング音源を作る会社です。本物の楽器を録音してその細切れな音をパソコンなどでつなぎ合わせることでいろんな曲に対応させる音のサンプルを販売する会社です。どうしてもこの種のものはユーザーからの要求が高くなりがちなので相当拘って作る傾向があります。しかしそのノウハウは企業秘密です。当たり障りない部分のみ公開していることがほとんどです。しかし1つ言えるのは、西洋録音を池上に通すと明らかに変化しますが、これらサンプリングの和楽器の音を池上に通しても全く変わらないということです。
 
 この辺りの国産の機材についてあちこちに尋ねたり、池上本社にも出向いたりしましたが、わかっているのはもちろん年配者になるのですが、受ける印象が総じてネガティブ、音楽は舶来機材が一番、国産は真似して作っただけと切り捨てるように言う人が結構います。そこらの近所のおっちゃんではありません。皆、当時からの専門家です。作って供給していた側の人たちです。この感情は決して意味はわからなくはありません。若い方は古い国産の音は想像にしくいと思うので、ネットで60年代のNHK録音を探して聴いてみて下さい。なぜかピアノが多いと思うのですが、昔の戦後の日本を体現したような音です。高度経済成長より前の苦しい中で夢を見ていた時代の音です。外国物の方が特に米製などは活き活きとしているし、その時代に生きていた方であればなおさら深く考えたくはないという気持ちは理解できます。しかし我々は東洋の音を追求しているし、東洋の機材で西洋楽器たるピアノを録音したものなどどういう印象になろうが関係ありません。ただそれにしても当時はこの音で良かったのか? 違うんじゃないか? という感じもするのです。現代ではデジタルに変えられたもので聴いていたりもするわけですから、どこかでおかしくなっているのではないかという気もしないではありません。そこでタムラのやはり同時代のトランス1つを使い、これに通すと全然印象が違います。根暗な感じが消え失せ、力強い生命感の漲った音に変わります。これは素晴らしい、トランス1つだけでこの結果であれば、当時の再生システムではもっとだったでしょう。60年代特有のゴリっとした、魅力的なサウンドが展開されます。しかしタムラは今も昔も最高級品(ヤフオクは安いものも見つかりますが)、庶民がそれほどのクォリティのパーツを使用した再生装置を持っていたとは思えず、やはり当時の大多数はチープなままで聴いていたのではないだろうかとも思うのです。今や欧米の音というのは誰でも体感で知っていますが、欧米のあのままでNHKで時にやっている邦楽の三味線やら琴や鼓などを聴きたいと思う人はおらず、やはり現代でも和製の音でやっているのです。それがやっぱり自然に美しいのです。

 そこで今回の池上のモジュールですが、同じ型番のものを同じ販売者がもう一つ販売しています。それでそれも買い上げます。約2年後に製造されたもので、製造会社は最初に購入した古い方はOKI(沖電気)で、後で購入した新しい方はITCです(内部写真は左がOKI、右がITC)。池上は以前に医療関係機器も設計しており、それも製造がITCでした。そのためか現在ITCは医療関係の会社になっております。この2つは外観は違えど回路が非常に似ており、回路も違う部分が少なくないので新しい方も図を添付しました。OKIは初段の2SB73の表面が削られていて何なのかわかりませんでしたが、しかし当時のトランジスタでローノイズの初段管は2SB73しかないので、これで間違いないだろうと周辺の定数も合っているし、しかし削られた理由はおそらく粉が吹いてきたりしてノイズが出てきたので綺麗に磨いたと思われ、やはり交換はした方が良いということで実施しますとノイズはかなり低下しました。ITCの方を見て2SB73が入っていたのでやはりこれで間違いなかったようです。ノイズは他も新品に交換すれば劇的に改善されると思われ、そう思ったのはOKIは最終段の2SB80が新品に変えられていたからでした。ITCの方では2SB63が入っており、これは表記の読み取りが困難な程表面が荒れています。オリジナルは63と思われ、これが手に入らないので80に変えたのではないか、違うものですが問題はないと思いますね。定格範囲内であれば大概行けそうな感はありますし。ITCの方は2SD73が2SD192に変えられていて、これだけToshibaの金ピカのものが入っています(基板の左下端)。後で変えられたものと推測できます。しかしこれも錆だらけです。オリジナルは2SB73,2SB77,2SD77,2SB63と考えるのが自然でしょう。違うもので修理しても回路の定数は変えている形跡がないので、OKIとITCでは同じモデルを製造しながら回路は独自で決めていたのか、クライアントに合わせたものを製造していたのかどちらかだと思います。後者の可能性が高いと思いますね。なぜなら回路の基本は同じなので。独自に設計していたらこうはならないでしょう。使われている抵抗はITCには理研のカーボンが入っていますが、一部修理もされていて交換されています。メーカーがわからないのですがおそらくニッコームの金属皮膜で、エミッタ抵抗は同じくニッコームの角板型を使っています(基板上の右上端のオレンジ)。音の抜けを向上するための変更のように思います。カソード抵抗に巻線が採用されるのは1つのノウハウで、どちらも1Ωの2本に使われています。電源の入力にも使われていますが、こちらは回避できるようにもなっています。基板の色が違っているのは工場と年代が違うというのはあるかもしれませんが、おそらく用途の違いがわかりやすいようになっていたものと思います。製造時期は2年も離れていないのに随分違う印象です。実際に聴いてみるとサウンドはそれほど変わりません。

 パーツの実装方法はかなり特殊で、普通端子は90度に曲げて基板に刺しますが、OKIでは一回転、ITCでは2回転(コンデンサは回転なし)となっているのがわかります。このような面倒なことをするのは見た目が理由ではないでしょう。そもそもこんなことをすればインダクタンスが発生します。小学の理科で銅線を巻いてラジオから音を出したりということをやりますが、とにかく電子回路で巻くというのは何らかの影響があるので普通は避けるものです。今まで生きてきてこんなのは初めて見ましたね。ノウハウでしょうね。また電解コンデンサはアルミ剥き出しのケースになっており、現代のようにビニールで包まれていません。これを剥ぎ、表面にマイナス側、容量、耐圧を記入します。音が明瞭になります。アルミ面には極力傷をつけないようにするということと、アルミ面が配線に触れて導通しないように配慮が必要です。この回路図通りであれば逆相になりますので、入力か出力を反対に繋ぐ必要があります。逆相になっている理由はわかりません。前後の機器の関係でしょうか。OKI,ITC共に逆相なので意図的にそのように設計されているのは確かと思われます。

 OKIを通すことによる音の変化を波形で比べますと、ほとんど変わっていないのですが、ほんの僅かに加わっている部分と失われた部分があります。これが聴感上感じられる音の変化なのでしょう。秋葉原のラジオデパート地下のゼネラルトランスさんに伺った時に社長が「最高のトランスはファインメットである」と言って購入するよう強く勧めました。やはりトランス専門店だけに拘りが凄いんでしょうね。理由を伺いますと曰く「昔の機器は位相がずれている。トランスやパーツ、それぞれが特有の位相を持っていて、それがごちゃ混ぜになって音が出てくる。ファインメットは速度が違う。位相の問題は出ない」とのことでした。トランスの問題点を解決した極めて理想的なものであるとのことで、それだったらトランスを使わないのと同じだから、完全にトランスレスに出来ないところでトランスを嫌う向きで使うことになるから、トランス好きの人には勧められません。勧めた相手を間違ったね。社長の言う位相のズレがOKIにも出ており、しかもインダクタンスが発生するであろう実装までなされているという、この辺りが味の秘密なのかもしれません。そのすぐ後にAKB48劇場の前にあるアンディクス・オーディオにお邪魔しますと面白いものが見つかります。LUXの古いトランスです。型番はType 6056Xです。親父に「これは?」と聞きますと「わからない。何に使うのか? 数値もわからない。わかれば値段は付くのだけれどわからないからどうしようもない」。これは弦堂が持ち帰り調査しますと、LUXは43年に錦水電気工業株式会社と改称しますが、トランスの表記には「KINSUI DENKI KOGYO K.K. OSAKA JAPAN LUX DIVISION」とあります。低周波用(A.F.)との表記もあります。インターステージトランスで2.2:1ぐらい、戦中なら軍の通信用、戦後であればラジオの用途で使われていたものであろうと推測されます。LUXも50年代に入ると外観がもっと近代的になっているので、この個体は戦中或いは戦後間も無くのものという感じがします。大阪は現代でも精密な部品で世界でここだけしか作れないものを作っている中小工場が多いところなので、トランスに関しても特性が極めて優秀なものを作っていました。ハムバッキング巻きとあって、主にヴィンテージトランスで採用されていた巻き方ですが、商用電源の50或いは60Hzのノイズをキャンセルするためのものです。ハムバッキングと言えばレスポール型、そこまで味が濃いわけではありませんでしたが、AMラジオ用と思えるような密度を高めた、音が前にしっかり出てくるような音色でした。ソースは選びますが二胡は確実に大丈夫、むしろエネルギーが必要とする帯域に集中しますのでコンプを使わなくても自然に音圧が高められます。幾ら安いからといってこういうものを購入した上で張り紙を見て「こちらもファインメットトランスを扱っているのですか」と聞くから親父は「味はないのでトランスが好きな人にはお勧めできない」そうでしょうね。ファインメットは極めて澄んだ音がするという。雑味とか僅かな歪みこそが味わいをもたらすという考えとは異なりますが、位相のズレによる影響を考えさせるものにはなります。歪みを意図的に足しているのではないかと言われる昔の名機もありますが、池上の実装方法もその一種と思われ、東洋の1つのノウハウとして記憶しておきたいところです。

 波形についてはITCも同様に僅かな変化しか確認できませんので掲載していません。OKIのメンテについては、電解コンデンサはまだ容量があり使用可能でしたのでとりあえずこのまま鳴らし、その後新品に交換しました。交換不要のようにも感じられますが、しかしトランジスタが劣化でノイズが出ているぐらいなのに、結構容量が高めに出すぎる半世紀前の古い電解を使い続けるのも怖い気がします。色々考えた結果、京都・ニチコンのオーディオ用で一番安いKAを採用します。300uF2つは同じくニチコンのグレードが高いミューズKZ,330uFx2を入れます。昔の機器なので古典的なパーツを使いたいというのがありますので、最新の研究が反映されたものを避ける方向で、KZに関しては手持ちがあったから入れただけです。オリジナルと音が変わらなかったのでこれで良しとします。しばらく慣らし運転をしているとなんとなく高域が不足している感じがしたので、これはイコライザがついているので調整するも、そういう問題ではない感があったので、KAの470uF1本を新たに購入して330uFx2と交換するとピッタリでした。今300uFというのがなくて全て330uFですが、昔は値がいい加減だったので変わらない筈なのです。同じように20uFは今は22uFだし、大きく出すぎているのかというところで少し抑えると丁度良かったのです。なるべくオリジナルパーツを残すというところで狂いが出ている分のズレが修正されたという感じがします。続いてITCに関しては音が変わってしまうのも覚悟の上で少し攻めることにし、今回は横浜・エルナのシルミックIIで試しました。これは名前から推測できるように中の電解紙に絹を織り込んであります。「全く新しいハイグレード品」という自信作で「シルクの”しなやか”が音楽の振動エネルギーを暖和し、高音域でのピーク感、中音域での粗さが大幅に減少し、さらに低音域の量感が増加させられるという、今までの電解コンデンサでは得られなかったハイクオリティーサウンドを実現」とあります。そのため確実に音は変わることになるのですが、実際、メーカーが言うように劇的に美しくなります。音の忠実さというのも難しい問題で、マイクで集音したそのままだと音の荒さが強調されがちだし、それだったらシルミックIIのようなものに通した方が実際に耳で聞く音により近いだろうということになります。しかし原音とは違うという言い方もできます。もちろんメーカーの方がそこは考えて開発しているのでバランスは絶妙ですが、もはやこういう議論自体が無意味と思える程の美しさで鳴るようになりますから、オリジナル以上に魅了されます。一方オリジナルの無骨さも残しておきたいということでこの2台体制でしばらく行くことになりそうです。その後、古いパーツがドミノ式に不調に陥っていき、サーミスタについては以下に言及しますが、この時にITCの低音のフィルター部にあります1.5uFが急速に抜けていき、これはテスターを使わずとも聴感ではっきりわかるほどでした。低音がなくなってスカスカになります。ここはタンタルコンデンサーが入っています。タンタルは故障するとショートするので危険とのことで(この池上の回路はフィルター部なので大丈夫です)オーディオ用というのはもう作られていないように思いますが(工業用はあります)、独特の甘さがあるので替えがないというのは頭の痛い問題です。ITCに関しては他にも0.4uFなど替えに迷うものもあるので、OKIの方も含めてそもそもまずこれらをコピーして自作しようという人はいないとは思いますが、仮に自作するにしてもITCは少々採用し難い面はあると思います。1.5uFというのが電解で有れば良いのですがないので3.3uFをシリーズで繋ぐ、この場合も誤差は問題になってきそうですし、フィルムはしっくりこない(クリアな音を望めばこの方がいいかもしれない)、オイルが良いのですがデカイ高いはまだしも1.5uFというのが見つかり難いと思いますね。ここはかなり音質に影響する箇所です。タンタルは電解とは異なり寿命はないとされているようですが、ヴィンテージ機器に入っている古いタンタルで狂っていないものは稀だし、しばらく使っていなかったであろうこういうパーツに活を入れるとさらなるご乱行に及ぶことが誠に多い、一番手堅い交換パーツは電解になると思います。もし見つかるなら、ニチコン、松尾のタンタルはオーディオ用にも使えると思います。ニチコンのタンタル部門は2012年に京セラへ売却されたので新規には作っていません。松尾は現行で製造しています。OKIには松尾の緑色のオイルコンデンサが入っています。NCCと表記がありますが、阪急電車神戸本線に乗ると車内から松尾の本社が見え、ビルの上にNCCと表記があります。オーディオ用にも産業用にも優れたコンデンサを供給しており、写真例の黄色の古いオイルコンデンサはLUXのアンプに使われていたものです。産業用にはAppleなどのパソコンや携帯用に出荷しています。

 回路図中に出力段の上下のベースを繋いでいるNTCサーミスタがあります(写真ではパワートランジスタの間に取り付けてある、赤でB-2Bと表記された白い物体)。その上にネジ穴がありますが、ここに金具をつけて固定してありました。パワートランジスタが熱くなってきた時に保護する目的で、温度が上がってきたら抵抗値を下げるようになっています。サーミスタは温度で値を変える抵抗です。20度常温で300Ω、30度で0.8倍ぐらいまで下げます。この300Ωというのが秋葉原にも売っておらず、DegiKeyでないと入手は難しそうです。しかし300Ωの固定抵抗に変えてしばらく運用してもトランジスタは熱くはなってきません。サーミスタでなくても大丈夫だと思いますね。プロ機器なので故障を避ける万全の組み方になっているのでしょう。しかし現代でもトランジスタは貴重品なので故障を避ける万全の体制は欲しいですね。そこで初めから0.8倍に落としておけばいいのではないかと思うようになりました。音を確認するも全く変わりありません。OKIとITCではパラレルに繋いでいる抵抗が違うのでそれぞれ計算します。OKIは200Ωとサーミスタ300Ωですが、両方外して100Ωにしました。なぜならこのサーミスタが古すぎて調子が悪く5分も使うと抵抗がゼロになってしまうからです。サーミスタの代わりに200Ωを抱かせても良かったのですが、1本に変えることにしました。同じくITCの方も1.2kとサーミスタを外して200Ωにしました。どちらも付いていたサーミスタはB-2Bでした。これはデータがないので自分で計測しました。一方、1倍で行くという手もありますが、その場合はOKIが120Ω、ITCは240Ωになります。この場合、微妙に熱があるような気がします。ほとんどわかりません。どうしても気になる場合は、放熱を万全にするか、僅かに抵抗値を下げるということになります。

 こういうラインアンプ的モジュールで音を決めていくやり方はビートルズで有名で、何か独自の固有のサウンドが欲しいという場合は、他にもいろんなやり方があると思います。ビートルズの場合は成功していたから資金面は潤沢だったし、録音技術も発展の過程にあったので、EMIのスタジオも様々な挑戦が可能だったのだろうと思います。英国のスタジオ内で独自の機器を製造したりもしていた中でドイツの既製品、Telefunken V72を入手して、しかしこれを改造して必ず最終段に入れていたと言われています。今でもラインアンプ自体は比較的安価なので同じようなことはやりやすい面はあります。今回の池上のもののようにテープ関係の機材は今のデジタル時代にはよりマッチングするように思います。オープンリールに内蔵されているアンプとか、物自体は結構残っているのでやろうと思えば、面倒ではありますが可能だと思います。ビートルズはテープに録音というところに真空管式V72、現代では同じことは難しくトランジスタの方が手堅いと思います。


 さらに踏み込む場合は、マイクアンプに手を出すことが考えられますが、国産では古いものは極めて入手難です。それに理想は中華の機材です。見つかっても80年代ぐらいのものになってきます。文革以前のものはこれまで見たこともないですね。80年代のものが見つかってもモバイルコンソールがほとんどです。しかしこの場合はたくさんのチャンネルが一度に手に入ります。そこで弦堂は中華牌の5チャンネルミキサーを入手しました。ノイズの方が大きくて面食らいましたが、サウンド自体は中華の味がします。もう覚悟はしていたのですがすぐに壊れ、今は残骸になっています。ハラワタをじっくり検分します。回路図の方は途中経過ですが掲載してあります。ほぼ全貌は把握してあります。トランジスタは日本では全く入手できないので大陸で購入しての修理になります。回路は特に出力段が特殊だと思います。モバイル電圧6V特有の対策と思われますがよくわかりません。しかし今では電池仕様のモバイルミキサーはほとんどないでしょう。あっても品質に満足のいくものではなく、一般に売っているものはプロ仕様には耐えないと思われます。集積回路で省エネしても難しいのに、そこへ昔の中国で国営レコード会社がモバイルミキサーを使っていたというのも不思議な気がします。そもそもプロ機器が標準24Vのところを6Vとか、エフェクターですら9V、如何なものかと思うのですが、こうやって敢えて抑えるところがキモらしい、ラジオとかそういうものの方が魅力的に鳴ることも多い大陸音楽特有のノウハウと思われ、修理を経てのさらなる究明が待たれます。電圧が低いことによる問題はヘッドルームが狭くなり歪みやすくなるという点ですが、多くのプロ機器が24Vを採用しているのは、これぐらいあれば十分ということなのでしょう。しかし歴史的には比較的後発のSSL4000は±18Vに下げています。さらに現代のAPI500モジュールは±16Vとさらに下がっています。一方、ファンタム電源は24Vを倍電圧整流して48Vを得たとされています。この経緯についてはいろんな説明がありますが、電圧を高くした方が余裕のある音が録れるということだと思います。しかし場合によってはヘッドルームが広すぎることに疑問を持つ技術者もいるということです。だから電源電圧の設定は考え方の現れる部分です、まだ中華牌がなかった一昔前に後に中華牌を作る工場になった上海無線電18厰は18Vでプロ用コンソールをモノラルで作っていました。同時期の西湖牌は24Vでした。そこをステレオ時代に6Vにまで下げることになったのは電池駆動が求められたためと思われますが、だからと言って使えない音になってしまう機器は使えないし、それどころかこのコンソールは非常に評判が良いのです。電圧が低いためトランジスタの個数を増やして丹念に少しずつインピーダンスを下げながら増幅しています。18Vだった時には3DG6Cを3つ並べていただけでしたが6Vになると様々な種類のトランジスタを6つ組み合わせています。6Vの方は中国音楽専用のものなのでこの電圧設定は鍵になる部分です。電解コンデンサーが大量に使われていますが、これは流石にそのまま使うのは怖いので、これに関しては全て交換、ニチコンKAの採用としました。他のパーツは多少狂っておろうが、極力現状維持で修復することになります。


 さて、東洋音楽は東洋の機材で採るのが相応しいという考え方はプロの現場ではどのように考えられているのでしょうか。先日、贾鹏芳さんにお会いした時に先ほどまでレコーディングされていたとのことで少し話を伺いますと服部克久さんの作品に二胡を入れたとのことでスタジオで撮影した写真を見せていただきました。これはどこのスタジオですかと聞きますと、麹町のサウンドインとのことでした。お写真はCスタジオでした。施工は日本音響エンジニアリングが手がけ、そのWebサイト内の技術ニュースの項にNESスピーカーシステムについてという記事があります。こういう記事はいつの間にかなくなる傾向がありますがコピーするわけにいかないのでスクリーンショットを貼っておきます。このスタジオ入口の大きな造形は光舜堂の西野さんが手がけられたということでした。ストリートビューで見てみて下さい。工事は結構大変だったと言っておられました。

 やっぱりこうなるんですね。納得すると同時にがっかり、違う新しいやり方を期待していたのにやっぱりこうなのかという印象でした。西洋のものはそれはそれでいいのですが、合わないものはどうしても出てきます。音楽専門のレコーディングスタジオには少ない概念で、放送局独特と言えると思います。一般に放送局のスタジオは解放されていませんが、日本テレビ内にあるここはレンタルできます。Cスタジオはその国産オリジナルのコンソール・Over Quality(通称:オバQ)が入っている部屋です。NHKはもちろん、他の局でも解放はしていないだけで同じようなことはやっていると思われます。なぜなら、放送局というのはできる限りそのままを伝えなければならないのに、例えばの話、二胡を視聴者の皆さんに聞いていただいてサウンドはなぜかアメリカンとか、個人事業だったら好きにしたらいいですよ、公共電波なのでそういうわけにいかないのです。そして日本でやっている以上、そういうシーンは多々あるわけです。だからここも自社開発の国産コンソールの部屋が2つもあるのです。稼働率がそれぐらい高いのです。プロはわかっているのでこういうところを借りるわけです。西洋機材でも色付けがない個性を除いたとか、そういう部分が売りの機材がありますが、そういうものですらも放送局の概念では受け入れられないのだろうと思われます。そうでないと自社開発とか面倒でコスト高なことはしませんからね。そしてこのことは東洋の音が手に入りにくいということも示しています。しかもこの日本テレビの自社開発品はディスクリートであるという、そうすると古いパーツを使わざるを得ず(或いは中国がまだトランジスタを復刻しています)、一方弦堂は古い機材を修理していますが、小規模だからそれで間に合っているだけで、放送ともなると作るしかない、そこは違いますが本質的にはやっていることは変わらないわけで、結局こうなっていくしかないように思います。他にもやり方はあるかもしれないと思って、和楽器を得意とするスタジオの音を聞いたり、機材リストを見て推測したりしますが、やっぱり出てくる音はというと西洋ナイズされている感が強いのです。マイクは国産であってもです。それだけでは間に合いません。放送局の結論が唯一絶対とは断言できないですが、ここで言えることがあるとすれば簡単ではない、これだけは確かだろうと思います。レコーディングされる方で西洋系の作品を並べているならまだ良いかもしれないですが、伝統曲を収録したいという場合、放送系のスタジオを探すのは1つの方法だろうと思います。機材の準備がそれほどでなくても、技術者が対策を持っている可能性は高いと思います。放送でやってきた人材ですから、少なくとも話が通じないということはないでしょう。
http://www.cyada.org/oto/audio/053trans.html

24. 中川隆[-12199] koaQ7Jey 2020年6月30日 10:04:28 : B9c2NF4iX5 : TC9qY1kzZWc0djY=[2] 報告
ヤフオク
【希少/ビンテージ】 Western Electric ウエスタンエレクトリック 618-B使用 昇圧トランス ★ 5BEF2-8 ストア

個数:1
開始日時 :2020.06.19(金)22:25
終了日時 :2020.06.24(水)23:47
開始価格 :1,000 円
入札件数 182

現在価格 958,000円(税込 1,053,800 円)
出品者情報 toomookaanaaさん
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m420081922


▲△▽▼

オークション情報〜WE618B昇圧トランス〜
2020年06月26日 | オークション情報
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2cc418d19d444c9f50d924ff1b712cf0

「現在、オークションにウェスタンの昇圧トランス618−Bが出品されてますね。かねがね噂だけはたっぷりと聞かされている代物ですが、これはご承知のとおりMC型カートリッジを使うときの昇圧トランスですけど、DACからパワーアンプに直接つなぐときの増幅用としても使えますかね。どうなんでしょう?」と、我が家の古典管の主治医である「北国の真空管博士」に伺ってみた。

「618−Bですか・・。かなり当たり外れがあるみたいですよ。MC型カートリッジの昇圧用なのでDACからの昇圧は無理です。いずれにせよ軽く50万円は超えるでしょう。それだけあれば立派な真空管アンプが製作できますから結局はウェスタンの信者向きでしょう。」

と、「費用 対 効果」にシビアな姿勢をお持ちの博士の冷静なお言葉が返ってきた。

いずれにせよ”知る人ぞ知る”あの数々の伝説に彩られた「WE618ーB」だ。このトランスに(微細な)音声信号を通すだけで「天上のサウンド」になるという話をよく聞かされてきた。

めったにお目にかからない出品物なので野次馬根性で落札価格を注視していたところ、落札結果は24日(水)、価格は958,000円。

100万円近い金額に驚いた! たかが昇圧トランスごときで〜(笑)。

しかし、よく考えてみるとこの「618−B」じゃないと絶対に出せない音があるそうで、それに今では再生産不可能でまず手に入らない代物となるとそのくらいの金額を出すマニアがいても不思議ではないのかもしれない。

巷間、オーディオシステムの中で一番音を左右するのは(部屋の大小は除外するとして)「スピーカー」であり、その次が「アンプ」であり、音の「入り口部分」である「レコードやCD」の機器類、そして最後の仕上げが「電源対策」と「ケーブル類」とされている。

それにもかかわらず「618ーB」は、「音の入り口」部分のほんのわずかな一端を担うだけで全体のサウンドを一変させる力があるという常識外の逸品なのだろう。
物理的な見地からすると「音の入り口」部分で発生した微細な情報は、良い部分も悪い部分もすべてアンプで増幅されてスピーカーに伝達されるので、そういう意味では最初が肝心なのは分かりきったことだが、それにしても・・、ぜひ一度聴いてみたいものではある。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2cc418d19d444c9f50d924ff1b712cf0


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世にオーディオの種は尽きまじ - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年06月30日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/25724f8d013c4043339aa6d43529adbb

前々回に投稿した「オークション情報〜WE618B昇圧トランス〜」については、なかなかアクセス数が多くて久しぶりの快ヒットとなった。読者の反響がいいとついうれしくなる。

これは日頃からなるべくマンネリ化にならないように、あれこれ話題を散りばめているので、きっとその成果に違いない。誰も褒めてくれないので「自画自賛」しておこう(笑)。

さて、この「618B」の性能については凄いという方もあれば、お値段の割にはどうなんだろうかと懐疑的な方もいるようで、それぞれのオーディオ環境も感性も違うので一概に決めつけられないのは当然のこと。

そこで、実際に使っている方の話を伺えれば一番「現実感」が出てくると思っていたところ、ありがたいことに関東地方の「S」さんという方からメールが飛び込んできた。

「このメールをそのまま転載していいでしょうか」とお伺いを立てたところ、「匿名ならいいですよ」と、ご了解をいただいたので以下のとおり紹介させていただこう。

「618Bのお話が出ておられましたので、私見を申し上げます。世のWEマニアという輩がその世界の入り口というか罠にはまるきっかけというも
のが往々に618Bであるようです。

ちなみにそういう私もその一人です。

大してWEに興味も無く期待もせず偶々自宅の装置につないで聞いてみたら、それ まで既に20年ぐらいいろいろ取っかえ引っかえしても、たいした変化も無く既に 機器に対する大きな期待は薄れておりました。

つないだ618Bからは私の装置というより眼前に音楽が水平線を見るように奥へ広 がっていました。機器の存在は無いかのようでした。だから当然、618Bを買うしかないと。

後で聞きましたが618Bを聞いてしまうと戻れなくなり、深みにはまるとい うことでした。

本物であれば当たり外れは一切ありません。
特に出品されていたものは超貴重品のシルバータイプで現在の市価は170〜200万 ぐらいです。

当時私はマランツ7とマッキン275、ガラード301、SME3012、SPU-AE、 パートリッジトランスでした。

マランツ、マッキンはいろいろ聞きました。ステップアップも同様です。
現在の私はほとんどWEとなってしまいました。
お近くであれば618Bをお聞かせできるのですが、こちらは関東ですので残念 です。」

以上のとおりだが、Sさん宅はどうやら全国的な「ウェスタン詣で」の一角を占められているようで、遠い関東地方というのが非常に残念。

しかし、改めて「WE恐るべし」の感がありますね。

「オーディオの深い闇」がまるで底なし沼のようにパックリと口を開けている。無暗に嵌らないようにしなくては、用心、用心・・(笑)。

続いて、メールをいただいたのはメル友の「I」さん(東海地方)からだった。
「レコードを聴いているクラシックファンは年季の入った方たちでしょうね。オーディオマニアは少ないかもしれません。演奏の解る人たちですね。

WEの昇圧トランスを使う人は、まず第1に「WEマニア」であるのでしょうが、〇〇様のお見込みのとおり、聴いてる音楽はクラシックではないかも知れません。ジャズ・ロック・ポップス・映画音楽etc・・・

何故そう思うのかといいますと、クラシックファンは圧倒的にデジタルに向かうと、私は確信しているからです。

なぜデジタルか? 物理特性が段違いにデジタルの方が上ということだと思います。特に重要な特性(と私が考える)であるノイズレベルとセパレーションレベルがデジタルの圧勝です。

オーディオは生と比較すべきではないとい考え方もあるようですが、意識のうちには当然”生”があってもいい訳で、その”生”に対抗するのがデジタル技術です。名手の演奏を特等席で聴けるなんて「生ではまず無理」で、デジタルオーディオは総合的に”生”をも越えるものだと思います。
レコードを聴いている人の横綱がWE618Bだとすると、序の口がオンキョーP309(私)でしょうか。

私は一度アナログプレイヤーを手放しましたが、今は回帰しています。ジャズを聴くのは99%レコードです。反対に、クラシックは99%デジタルです。CDとFMとBSですが。

ジャズにはアナログレコードが有効に作用していると思います。 音の質、音質でなく・・・音の出方というか、ノイズも音の一部(演奏とノイズに音の質的な親和性がある)という聴き方ですね。針が飛ぶような傷ノイズや演奏がマスキングしきれない(親和性のない)ようなノイズは論外です。

ところで、ジャズオーディオは”生”を越えられるか? 越えてます! 今、ドルフィーの”生”が聴けますか? これは理論のすり替えです(笑)
比較すべき”生”がないのがジャズオーディオです。暴論ですねえ・・
そういえば、グレン・グールドは何十年も昔に、「生より録音媒体の方が優位」と感じて、コンサート・ドロップ・アウトしてましたね。」
以上のとおりです。

ご両人とも随分参考になるご意見をいただき、たいへんありがとうございました。
ものごとにこれほどまでに集中できる熱意と努力に対して敬服の至りです。
最後に「浜の真砂は 尽きるとも 世にオーディオの種は 尽きまじ」で終わりとしましょうかね(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/25724f8d013c4043339aa6d43529adbb

25. 中川隆[-11976] koaQ7Jey 2020年8月01日 10:51:43 : gXX2MKPhiY : dVYxWTg3bzVOQWc=[2] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ライントランスをCDラインに使うと・・・ 2015年10月11日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1e8ddd9af0d08d34220e6075ce17f94d?fm=entry_awp


上の写真は何か判りますか? 中にはWEのライントランスが入っています。入出力はフルテックのロジウム仕様XLRプラグを使い、内部配線は特殊な銀泉配線にしています。半田材も銀入り鉛レス半田を使っています。箱材は無垢花梨材で響きの良さを考えています。

正体はWE#15Aライントランス。型番から推測すると1910年ごろのモノではないかと推測されます。2セット目を探していましたが、この1セットしか手に入りませんでした。

入荷当時はこのようにして使われていました。

古い配線のままでは「古い音」しかしません。しかし、一聴しただけでただモノではないと感じました。音のキレ・ヌケ・ノビの良さと、質感の麗しさを感じました。このトランスに出会う前に、おなじWEのライントランスも#111C、93F、93A、90A、63C、63A、50Aと同じ仕様に作成して比較試聴を繰り返してきました。その結果、「どんどん古くなる」程「音質が高い」事を実感してきました。

ライントランスの選定は実際に使ってみて決めています。タムラ(複数)、タンゴ、UTC(21・22)等のトランスも使ってきましたが、サイズが大きいほどゆとりの有る音になり、音質的にも高くなる傾向がある様です。UTCのトランスは小さくてもそこそこ良い音がしました。(音楽的に)

トランスのサイズが大きいほど良いなら、一番大きいサイズを目指して、WE#111Cにたどり着きました。1個2Kg有ります。しかし、同じWEでも古いトランスほど「音質が良い」事がわかり、どんどん古いトランスを買い集めました。その結果、@#15A〜50AのグループとA60A〜63Cまでのグループ、B90A〜93Fまでのグループ、C111c以降のグループと音質の傾向がグループごとに違います。型番が古いほどいい音の傾向だと思います。

実際にライントランスを使うとどのような音になるかというと、平面的なCD音が立体的なアナログの音に変わると感じました。トランスが小さいとスケール感が小さく、大きくなるとスケール感も大きくなります。更にトランスの個性で「艶やかさ」等の質感も出てきます。今では15A等まず一般的には手に入らないと思います。私にとっては宝物のようなものです。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1e8ddd9af0d08d34220e6075ce17f94d?fm=entry_awp

26. 中川隆[-11874] koaQ7Jey 2020年8月14日 13:47:32 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[12] 報告
「真空管アンプは7割トランスで決まると聞きます」

『その通りです。日本で作られた最高峰のトランスはTAMURAがオリンピックの時に
作ったものなのです。それをアメリカに持って行くとアメリカの中級グレードなんです。

アメリカの最高級トランスをイギリスに持って行くと、大体イギリスの中級クレードなんです。』

27. 中川隆[-10262] koaQ7Jey 2020年11月03日 13:02:34 : TuqvwFp9Ek : UFloSzJYUlNNUjY=[12] 報告
晴耕雨聴 2020年10月31日
マークレビンソンのヘッドアンプ(JC-1AC)は凄く良い !!
https://91683924.at.webry.info/202010/article_11.html


 (ベンプレ亭書斎にやって来たマークレビンソンJC-1ACです。JCですからジョン・カールの設計ですね)

https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/000/160414417587129862129-thumbnail2.jpg.html

 ベンプレ亭書斎はLP再生にMC型ばかり使用しています。高出力MCのオルトフォンMC30turboとベンツマイクロACE SHはMM用のフォノイコに直接入れていますが、その他の針は昇圧トランスを使っています。

 EMT TSD15用のフォノイコ139st、TMD25用の139stレプリカはフォノイコ内に昇圧トランスが入っていますので外付けのトランスは使用していませんが、デンオンDL103Rはアルテック/ピアレス15095トランスを経て製作者不詳マランツ7cタイプフォノイコに信号を入れています。

 昇圧トランス、実は好きなんです。コロッとしてて可愛いですよね。
 もう自宅に無いものも含め、思い出してみると…

オルトフォンSTM72Q、
アントレET100、
ヨルゲン型番忘却、
パートリッジTH7834、
トライアッドTS-1、
ロンドンWE32750、
英国製トランス忘却3機種、
米国製トランス型番忘却2機種、
ピアレス15095、同4722、
ハウフェT890、
クラシックオーディオ型番忘却

…ちょっと数えただけで14機種もありますなw

 MCトランスとして製作された物もあれば、ライントランスやマイクトランスをMC用にガレージ・メーカーが流用したもの、あるいはアマチュアのケーシングらしきもの、トランスだけ買って私がケーシングしたもの、いろいろあります。

 先日ヤフオクを見ていると、ヘッドアンプのマークレビンソンJC-1ACのきれいなヤツがマアマアの値段で出ていました。

 1975年の発売なので、45年も前の製品ですが、動作はしているみたいです。若かりし頃、マークレビンソン製品は価格的に手が届かないものばかりでしたが、流石に45年前のヘッドアンプならベンプレ親父でも買えますな。

 特に使うあてはないのですが、トランスはいろいろ試しましたので、使った事のないヘッドアンプ、一丁やってみるかなと。

 さて、やって来たJC-1AC、どこに使いましょう。考えられるところは二つ、マランツ7cタイプの前に入れるか、今は使用していないマッキンC40のフォノ入力の前に入れるかですね。

 繋ぎ変えが簡単なので、JC-1ACは7cタイプの前に入れ、アルテック/ピアレス15095と比較試聴してみました。針はDL103R、試聴LPは「ゲッツ&ジルベルト」、「ビル・エバンス、ライブ・イン・トーキョー」です。

 するとですね…ちょっと驚いたんですが…JC-1ACの圧勝、完勝、大勝利です !!
 音の鮮明さが際立ち、低域のレンジは広大、スピード感、キレ、味の濃さ、全部JC-1ACが上ですね。

 真空管式のマランツ7cタイプの前段にトランジスタ式ヘッドアンプなんて野暮だと思いましたが、結果は…もうグウの音も出ませんや。

 これならSPUでもイケるかもと、手持ちのSPU Royal Nを繋いでみましたが、バリバリ鳴ります。これなら昔聴いていたSPU-AE+パートリッジTH7834を上回ると思います。

 うーむ、SPUをJC-1ACを経由してマークレビンソンLNP2Lで鳴らしておられる方をネットで拝見し、音は良いとしても場違いっぽいよなーと勝手に思っていましたが、ベンプレ亭書斎ではSPU+JC1-AC+マランツ7cタイプですぞ。
 人に見られたら教養無いなコイツと笑われそうですが、ナニ結果が一番ですし。

 うーむ、ヘッドアンプがトランスより良いのでしょうか?それともマークレビンソンが良いのかな?
 オーディオはやる事が無くなりませんなーw
https://91683924.at.webry.info/202010/article_11.html

28. 中川隆[-9837] koaQ7Jey 2020年11月17日 18:02:00 : GmJ0HtwMbI : NzRCRVhEMHdYY1E=[67] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ライントランスはサイズでスケール感が変わる 2017年02月13日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/e3f658cf8ca698a2e27d1189bfbb5296


CDをアナログみたいな立体感のあるサウンドにしたくてライントランスを色々試した事が有ります。一言で言うなら「サイズでスケール感が変わる」と言う事。

田村製やタンゴ製の国産のライントランスも何種類か使った事が有るが、サイズで音のスケール感が変わる。UTCのトランスはサウンドが凝縮されていて非常に多彩なサウンドを奏でる。しかしサイズの束縛からは解放されない。そこでWE111cと云う1個2Kgのトランスを入手して見た。

WE111cトランスは「パーマロイコア」と呼ばれるものだ。今までの小さなトランスと違いスケール感や情報量は圧倒的に良い。しかし、ライントランスの半田材や配線類を吟味してやらないと宝の持ち腐れになる。普通のケーブルではその真価が発揮できない。

WEのライントランスも111c→93F→91A→62c→50A→15Aと古い物に遡って行く程に、中音の厚みが増して立体的になる。また音色もゾクゾクする様な艶が載って来る。特に15Aや50Aクラスの古い物は「純鉄コア」で作られている様で、「鉄」をうまく使うとこんなにも豊かなサウンドになるのか?と驚かされる。

一般に入手しやすい111cで試して見ると良いだろう。CDの平面的なサウンドがアナログみたいな立体感のあるサウンドに変わってくれる。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/e3f658cf8ca698a2e27d1189bfbb5296

29. 2022年2月01日 12:30:22 : bGUqVB3sRo : LnVQaG84bEpIMUk=[8] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
CDからアナログ的なサウンドを出す為に
2022年02月01日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/c7d5eeca3a1b3c7c0eaab13d3c10e308


CDからアナログ的なサウンドを出す為に、「ライントランス」を使っています。トランスもサイズや重量を変えて、色々なトランスを使って来ました。

その結果、WEの1個2Kgの大きなトランスを使った時が最良だと判断しました。WEのライントランスと云っても、111C(117C)、91A、63C、63A、50A、15Aと段々若いNoになって行きました。現在手持ちは、50Aと15Aを使っています。

XLRソケットの仕様にして、オールバランス伝送で使う様にしています。CDPだけだと二次元の世界ですが、これを使うと3次元のサウンド(アナログに近い?)になります。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/c7d5eeca3a1b3c7c0eaab13d3c10e308

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