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日本郵政グループ株(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)を買ったらこういう目に遭った
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/981.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 8 月 01 日 19:51:48: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 高配当銘柄を買うとこういう目に遭う _ JT 日本たばこ産業 (2914) 投稿者 中川隆 日時 2019 年 7 月 22 日 03:57:39)


日本郵政グループ株(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)を買ったらこういう目に遭った


公募割れ続く日本郵政とゆうちょ銀行 「騙された」株主のとるべき道は?=栫井駿介 2016年8月21日
https://www.mag2.com/p/money/20525


昨年11月に上場した日本郵政グループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)ですが、今年に入ってさえない値動きが続いています。特に日本郵政とゆうちょ銀行は公募価格を割り、上場によって新たに株主となった多くの投資家が含み損を抱えている状況になっています。株主は、このまま塩漬けにするか、損切りして売却するか悩んでいるのではないでしょうか。


プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

勝ち組と負け組がハッキリしてきた親子上場、今後有望なのは?

日本郵政グループの価値はほぼ金融2社のみ

日本郵政グループは、全国の郵便局を営業基盤として活動する国内最大規模の企業グループです。郵便だけでなく、銀行や生命保険も取り扱う、他に例を見ない業態となっています。ゆうちょ銀行とかんぽ生命は持株会社の日本郵政の傘下でそれぞれ上場し、もうひとつの主な子会社である日本郵便は非上場です。

出典:日本郵政 株式売出目論見書
https://www.mag2.com/p/money/20525

日本郵政の事業は、もともと郵政省が管理する国の事業でしたが、小泉政権時代に郵政民営化の方針が示され、その後紆余曲折がありながら、昨年11月についに上場を果たしました。上場時の売出規模は過去最大規模で、テレビコマーシャルまで使って大規模な販売が行われていたのは記憶に新しいと思います。

【関連】資産100万ドル以上!『となりの億万長者』に共通する7つの法則=栫井駿介
https://www.mag2.com/p/money/8964

もともと「官業」であったことから、その特色が今も色濃く残っています。例えば郵便局は日本全国の市町村に配置され、日本全国にあまねくサービスを行う「ユニバーサルサービス義務」が課せられています。

古くからの事業を行っていることから、特に高齢者には安心感を与えるブランドである一方、一般的な民間企業と比較して決断が遅く、コスト高になりがちな側面があります。

持株会社である日本郵政の利益を分解すると、その大部分は連結子会社のゆうちょ銀行とかんぽ生命に支えられていることがわかります。セグメント利益の約5割はゆうちょ銀行、約4割はかんぽ生命から生み出され、郵便関連事業からはほとんど利益があがっていない状況です。

出典:日本郵政 有価証券報告書
https://www.mag2.com/p/money/20525


つまり、実質的には日本郵政グループの価値はほとんど金融2社に支えられていると見るのが適切です。


明るい兆しの見えない金融以外の事業

持株会社である日本郵政は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の約9割の株式を持ち、郵便事業を行う「日本郵便」の全株式を保有しています。

将来的には、ゆうちょ銀行とかんぽ銀行の株式を売却することが決まっていますので、日本郵政の金融子会社からの利益の取り分は減少していきます。やがて日本郵政に残るのは郵便事業だけとなり、このままだと利益の大部分を失うことになってしまいます。

電子メール等の普及により、郵便物は益々減少していくことが確定的です。インターネット通販の隆盛により、ゆうパックのような宅配物は毎年確実に増えていますが、この事業は非常にコストがかかるため、利益を生むどころか、取扱数が増えるほど赤字が膨らむような状況になっています。

さらに、近ごろの人件費の高騰が追い打ちをかけています。

もちろん、日本郵政と子会社の日本郵便も手をこまねいているわけではありません。昨年オーストラリアの物流会社であるトール社を6,000億円で買収しました。また、郵便局でカタログギフトを販売するなど、様々な新規事業に手を出しています。

しかし、新規事業はあまりうまくいく様子が見られません。トール社は買収初年度から減収減益を記録しました。買収してから特にてこ入れをする様子はなく、高い買収金額を回収できそうにない状況です。


また、報道にもあった通り、決済代行事業からわずか2年で撤退するなど、踏んだりけったりの状況が続いています。

そもそも日本郵政は「お役所」であり、新規事業をやるような能力は備わっていません。これが中小企業であれば、社員の意識改革や人材の採用などを行うことで劇的に変わることもあるでしょうが、従業員数が20万人を超える企業で改革を行うのは並大抵のことはありません。


利益の大部分がやがて減少し、郵便事業は衰退、新規事業は鳴かず飛ばず。日本郵政(日本郵便)の将来性には明るい兆しが見えていないのです。


ゆうちょ銀行は「普通の銀行」になるだけでいい

ではその傘下のゆうちょ銀行はどうでしょうか。

ゆうちょ銀行は預金額約180兆円を誇る日本最大の銀行です。しかし、他の銀行と大きく異なり、一般企業への融資ができません。そのため、預かった預金を国債や社債に投資して得られる金利収入を収益源としています。

その内容に民営化以降変化が見られています。従来はほとんど国債で運用していましたが、今ではその割合は4割にまで下がり、さらに減少させる方向性です。

そして、代わりに買っているのが外債です。外債は一般的に日本国債よりも金利が高いため、単純に入れ替えるだけで、利回りの向上が見込めます。

出典:日本郵政 決算説明資料
https://www.mag2.com/p/money/20525/3


もちろん為替など一定のリスクは増えます。しかし、これまで保守的な運用をしていたゆうちょ銀行の規制上の自己資本比率は26パーセントもあり、他の銀行を大きく上回ります。

つまり多少のリスク取って収益を増やす余裕が十分にあるのです。


その他にも、投資信託の販売など、他の銀行がやっていることを真似するだけで利益を上積みできる、経営上これ以上ないシンプルな状況です。そのために外部から人材を採用し、ノウハウの取り込みも行っています。


直近の報道にあったように、振込手数料を有料化したのもその一環と考えられます。


長い目で見ればゆうちょ銀行が優位

ゆうちょ銀行の配当利回りは現在の株価で4.0%と、日本郵政の3.8%を上回ります。公募価格で買っていたとしても約3.5%の配当利回りですから、長期的に持っていっても悪くない水準です。安定的な利益成長を考えると、資産株として持っていて十分もとが取れます。

将来の兆しが見えない日本郵政と、淡々と改善を続ければ安定成長が見込めるゆうちょ銀行。日本郵政は持株会社なので、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の保有株式分の価値はあるという見方もありますが、お荷物の日本郵便が「マイナス価値」になることも十分にありえます。長い目で見れば、どちらを持っていた方が良いかは明らかでしょう。

日本郵政<6178> 日足(SBI証券提供)
ゆうちょ銀行<7182> 日足(SBI証券提供)
https://www.mag2.com/p/money/20525/4

今はマイナス金利の影響で、両社ともに株価が下落しています。しかし、いつまでもマイナス金利が続くことはないでしょうから、長期投資家はその先の展開を見越した投資をしなければなりません。

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日本郵政「4000億円損失」の裏事情と、株を買ってはいけない真のリスク=栫井駿介 017年4月27日
https://www.mag2.com/p/money/218326


日本郵政<6178>が、2015年に買収したオーストラリアの物流子会社・トール社を減損処理し、4,000億円の特別損失を計上すると発表しました。これにより、日本郵政の業績は民営化以来初の赤字に転落します。

海外企業の巨額買収に絡む減損損失の計上は、東芝<6502>を筆頭に相次いでいます。奇しくも、トール社を買収した時の日本郵政社長は、東芝出身の西室泰三社長でした。日本郵政も東芝のように経営危機に陥ってしまうのでしょうか。


東芝よりもタチが悪い? 日本郵政が抱える「本当の問題」とは

課題は金融2社依存からの脱却

日本郵政は、傘下に主要3子会社を抱える持株会社です。3社とは、日本郵便、ゆうちょ銀行<7182>、かんぽ生命<7181>です。トール社は日本郵便の子会社として買収しました。

出典:日本郵政 株式売出目論見書
https://www.mag2.com/p/money/218326


もともと郵政事業として国が行っていましたが、小泉内閣により民営化され、2015年11月に日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が上場しました。

なぜ持株会社と傘下の子会社が両方上場するのかというと、そこには複雑な事情があります。
日本郵政は政府が株式の1/3超を保有しなければならないため、現行の法律では完全な民間会社になることはありません。


政府関与の残る日本郵政がゆうちょ銀行やかんぽ生命(以下、金融2社)の株式の大半を保有していると、競合他社から「暗黙の政府保証が残る」とクレームが付きます。これでは事業が前に進まないため、日本郵政は金融2社の株式を放出しなければならないのです。

しかし、日本郵政の利益の大半は将来的に売却される金融2社に依存しています。経常利益に占める割合は2社で約9割に及びます。金融2社の株式を売却してしまったら、日本郵政には利益は残らないのです。

出典:日本郵政 有価証券報告書
https://www.mag2.com/p/money/218326


経営の根幹を支える金融2社の株式をこれから売却していこうとする中で、日本郵政は金融以外の成長戦略を示さなければ、投資家から見向きもされないことは目に見えていました。

金融2社に頼らないとなると、残るのは日本郵便です。しかし、郵便はインターネットの普及により年々縮小が続いています。インターネット通販の拡大により、ゆうパックなどの宅配サービスは伸びていますが、人件費の高騰もあり「豊作貧乏」が続きます。

それでも上場を前に目に見える形で成長戦略を打ち出さなければならない中で目をつけたのが、たまたま売りに出ていたトール社です。買収により「上場を経て一気にグローバル企業へ」と言えば、それらしくも聞こえるものです。


要するに、成長の可能性を匂わせるものであれば何でもよかったと考えられます。実際に、日本郵政は買収後も経営陣を送り込むことすらせず、完全に野放し状態が続いていました(そもそも日本郵政はお役所なので、海外企業を経営する能力はないのですが)。


6,000億円の買収は「金額ありき」

さらに問題なのが巨額の買収金額です。これまで「官業」で、ろくに買収などしたことのない会社が、いきなり6,000億円の金額を支払いました。これは市場価格に対して5割ものプレミアムを上乗せしたものです(上乗せ幅は3割が平均と言われます)。

この6,000億円という金額には、実は布石がありました。

上場前の2014年9月に、ゆうちょ銀行は日本郵政から株を買い戻し、日本郵政は1.3兆円の現金を手にしています。

これは、ゆうちょ銀行から日本郵政への「手切れ金」とも言えます。おそらく何らかの政治的な力が働いたのでしょう。日本郵政は、7,000億円を長年の問題になっていた退職給付債務の精算に使い、残りの6,000億円を日本郵便の成長戦略へと投資することになったのです。

出典:日本郵政Webサイト
https://www.mag2.com/p/money/218326/2


この経緯を踏まえると、買収金額6,000億円というのはあまりに出来すぎです。つまり、買収金額の6,000億円は、先に金額ありきで決められたものだと考えられるのです。


そこに細かな査定を行うはずもなく、「高値づかみ」はあっさり許容されました。今回の減損はある意味既定路線だったと言えるのです。


リスクは去ったが、成長は見えない

逆に言えば、6,000億円はゆうちょ銀行から「もらった」お金なので、ドブに捨ててもダメージは大したことではありませんでした。自動車免許取り立ての若者が、親から多額のお小遣いをもらって高い外車を買い、調子に乗って事故ったようなものです。

経営の根幹を脅かすものではなく、東芝のように急激に経営危機に陥ることはないでしょう。

巨額損失報道後、株価は一時下落しましたが、その後戻しています。減損処理を行ったことで、今後のリスクが減少すると市場は考えたのです。

これはある意味正しい考え方でしょう。日本郵政が抱える事業はいずれもローリスク・ローリターンのものばかりです。唯一大きなリスクとなっていたトール社を減損したことで、業績の下方リスクは軽減されました。

一方で、日本郵政の本当の問題はリスクの大きさではなく成長性です。

今回の件からもわかるように、日本郵政に成長戦略を実行する能力があるとは思えません。郵便事業はジリ貧の状況が続き、金融2社の株式を売却してしまったら、価値のあるものはほとんど残りません。


日本郵政が持つ最大の資源は、全国2万4,000件の郵便局です。最近ではIIJ<3774>と組んで、郵便局で格安スマホを販売するなど積極的な動きを見せています。

しかし、これくらいでは会社を大きく成長させるものにはならないでしょう。郵便局の局員が、切手を買いに来た人にスマートフォンの売り込みをしたり、複雑な契約をいちいち説明したりする時間や能力は必ずしも備わってないと思われるからです。


また、郵便局は金融2社の窓口業務を担うことで年間1兆円の収入を得ていますが、株式の売却が進めばこの委託手数料にも値下げ圧力がかかるでしょう。大幅な値下げが行われれば、単独としての郵便局はもはや立ち行かなくなるでしょう。


金融2社を除けば「マイナス価値」もありうる

株価のおおもととなる企業価値は、既存事業のキャッシュ・フローと将来の成長性によって形成されます。日本郵政はこのどちらもおぼつかない状況です。


日本郵政の価値が日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社で構成されると考えると、日本郵政の時価総額から金融2社株式の持分を除いた分が日本郵便の価値です。これを計算すると、上場時には5,000億円もあったものが、現在(2017年4月26日)では2,000億円にまで減少しています。

日本郵政が成長戦略を打ち出せない限り、この部分は今後限りなくゼロに近づいていくと私は考えます。今の体たらくを考えると、マイナスになってもおかしくないでしょう。

日本郵政は今年7月に政府による株式の売出しが予定されています。その際には、上場時のように証券業界を巻き込んだ大々的なマーケティング活動が行われるでしょう。

しかし、既に述べてきたとおり、日本郵政の本質的な価値を考えると魅力的なものではありません。右肩下りの会社に価値を見出すのは容易ではなく、長期投資の対象にはなりません。


それでも株式の売却を担う証券会社は、トール社の買収のようにいろいろと「売り文句」を考えてきます。長期投資家はそんなものには惑わされず、本質的な価値を見つめて投資判断を行いましょう。

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かんぽの問題は起こるべくして起きた?自らの強みを「情弱ビジネス」に悪用した末路=栫井駿介 2019年8月1日
https://www.mag2.com/p/money/740985


情報弱者に対する、かんぽ生命の不適切な保険販売が話題となっています。この問題が起きた背景について、日本郵政との関係性から解説します。

ガバナンス不在で問題だらけの日本郵政グループ

かんぽ生命、ゆうちょ銀行の窓口である郵便局の立ち位置

かんぽ生命<7181>で不適切な保険販売が問題となっています。
※参考:かんぽ生命不正 倍増し18万件に 過去5年間で-FNN(2019年7月31日公開)

ざっくり言えば、郵便局員が営業成績達成のため、不必要・不適切な乗り換えや重複契約、ひどい例では特定の顧客に何重もの保険契約を結ばせていたということです。

「民営化の成功例」JRとの大きな違い

郵政グループは郵政民営化によって2006年に誕生しました。民営化により持株会社の日本郵政<6178>傘下にかんぽ生命とゆうちょ銀行<7182>がぶら下がる形となっています。

出典:日本郵政グループ ディスクロージャー誌 2017
https://www.mag2.com/p/money/740985


別会社にはなっていますが、かんぽ生命・ゆうちょ銀行の窓口は結局のところ郵便局です。今回の不正をはたらいたのも大半は郵便局員と考えられます。これらの会社は切っても切り離せない関係にあります。


私は証券会社にいた時にグループの新規上場に関わっていましたが、このニュースを見て、「なるべくしてなった」という印象を抱かざるを得ませんでした。

なぜなら、このグループは問題だらけだからです。特に問題を抱えているのが、ガバナンス構造です。

郵便事業は公営事業でしたから、利益を出すための構造を持っていません。民間企業、まして上場企業としてやっていくには本来大規模な改革が必要となります。

例えば、かつての国鉄であるJRは、労働組合とのあつれきを経ながら、相当な苦労をして現在のピカピカの形に持っていきました。それを可能にしたのは、会社の中にいて熱い志を持った経営陣です。

振り返って、日本郵政グループの役員を見ると、外部の金融機関や大手企業出身者、旧郵政省の役人ばかりです。

国鉄改革は、赤字を垂れ流す経営を改革することが目的でした。しかし、郵政グループは、なまじそこそこの経営ができていたために、経営改革ではなく株式売却による国庫収入の増大が目的となったのです。


そのため、この会社の至上命題は「いかに高く株を売るか」ということになってしまいました。だれも本気で経営改革を行う気概など持っていないのです。

ガバナンスの不在が自らの強みを「情弱ビジネス」に悪用する結果に

それでも、上場したときはそれなりの業績を出していたので、それなりの価格で株を売ることができました。

しかし、状況は悪化の一途をたどります。

保険事業を例にとっても、人口が減少する中で黙っていたら衰退待ったなしです。限られたパイを奪い合い、国内の競合がひしめき合います。

保険などの金融商品は簡単にコピーできるため、商品性で差別化することは困難です。そのため、鍵を握るのが「営業力」と「コスト競争力」です。

コスト競争力ではネット保険が圧倒的な優位性を誇ります。かんぽ生命はここで太刀打ちすることはできませんから、残った営業力が決め手です。

ここに関して、他社には真似することのできない強力な強みを持っていました。全国2万の郵便局網があったからです。しかも、郵便局と言えば「身近で安心」というイメージがあります。


本来この強みをうまく活かせば良かったのです。当たり前の商品を当たり前に売っていれば、それなりに買う人がいるでしょう。「ほけんの窓口」が店舗数を増やし続けているのを見れば十分に可能だったはずです。

経営陣は営業員任せにするのではなく、どうすれば当たり前に保険を買ってもらえるかを考えたマーケティングを展開するべきでした。

ところが、あろうことかこのイメージを逆手に取ったビジネスをしてしまいます。それはすなわち「情弱ビジネス」です。昔から馴染みのある高齢者を「カモ」にして、必要のない契約を結ばせる方向に行ってしまいました。

経営陣は「そんなことをしろと言った覚えはない」と言うでしょう。しかし、どんな顧客がいるかを把握せずにノルマだけを押し付けることは、遅かれ早かれこうなることは目に見えていたはずです。

そもそも、外部から来た経営陣が顧客のことを把握できているはずがありませんでした。彼らは自分の任期を「無難に」全うできればそれで良いのですから。

最近のトレンドにあるESG投資の「G」はガバナンスのことです。(「E」は環境、「S」は社会。)これは、企業の業績に直結し、投資家にとって最も重要な項目だと考えます。郵政グループはここが全く欠如しているのです。

ゴキブリは次から次に…

株価は上場3社ともに下落の一途をたどります。配当利回りは5%に近づき、買いたくなる投資家も少なくないでしょう。

青:かんぽ生命 赤:日本郵政 緑:ゆうちょ銀行
https://www.mag2.com/p/money/740985/2


しかし、私は全く買う気にはなれません。

ガバナンスの効いていない会社は、次から次へと問題が出てきます。まして従業員25万人(グループ全体)を抱える状況で、全体像を把握するにはあまりに時間がかかり、改革を実施できるとしてもずっと先のことになるでしょう。


台所にゴキブリが1匹いれば、その後に仲間がいっぱい出てくるものだ

ウォーレン・バフェット

郵政グループは良い会社でもなければ、劇的に安くもありません。長期で持つメリットは全く見いだせないのです。

 

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コメント
1. 中川隆[-8918] koaQ7Jey 2019年8月03日 07:46:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3812] 報告
2019年07月12日
かんぽ生命 高齢者を騙して不利な契約を結ばせていた

郵便局員は息子などの同席を拒否する書類に名前を書かせ、高齢者を孤立させ囲い込んだ

画像引用:郵便局が保険を“押し売り”!? 〜郵便局員たちの告白〜 - NHK クローズアップ現代+https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4121/

郵便局員は反社会集団と同じ

日本郵政のかんぽ生命保険保険が、顧客をだまして不利な契約に変更したり、2重に保険料を支払わせているのが発覚し問題になっている。

内部調査では2016年4月から18年12月の約2年間だけで、2万2千件の2重支払いが確認された。

このように2重支払いしている顧客は簡単に分かり、把握しながら会社ぐるみでやっていた疑いが強い。


かんぽ生命の報酬制度では、保険契約を結んだ顧客が半年以内にかんぽの新契約を結んでも、乗り換えと見なして報酬が半額しか支給されない。

だが契約後半年を経過すると新規契約となり、再び満額報酬を受け取ることができる。

またすでにかんぽ生命を契約している人が別に新規契約後、6ヶ月以内に旧契約を解約しても乗り換えとなり、報酬は半額になる。


そこで郵便局員は「新契約の申し込み後6カ月間は、旧契約を解約できない」と顧客を騙して2重払いをさせていた。

郵便局員は新規契約の報酬目当てに、知識のない高齢者などをターゲットにし、何度も契約を繰り返させた。

かんぽを契約した状態で新規契約すると、支払いの重複期間が発生し、2倍以上多く支払う事になる。


しかも長期間継続することで保険や貯蓄効果が高まる商品では、支払金額が増えて保険内容は低下してしまう。

例えば10年満期の保険を解約して途中で新規契約したら、支払金額は多く受け取る金額は少なくなるようなイメージです。(高齢になるほど支払金額が多くなる)

かんぽ生命では保険解約から3か月以内に新規契約すると乗り換えになり、やはり局員報酬が半額になる仕組みだった。

郵便局員が家に押しかけて高齢者を恫喝

そこで郵便局員は解約後に契約する際には、3か月間を空けてから契約するようにし、満額報酬を受け取っていた。

この3か月以上顧客は無保険になり保証の対象にならないし、解約した事で新規の保険内容は不利になっていた。

この解約後の乗り換えでは、健康診断で新規契約を拒否された例が5年間で約1万8900件あり、無保険者になっている。


新聞報道では70代女性の自宅に複数の郵便局員が押しかけ、断っても強引に勧められてやむを得ず契約した。

郵便局員らは「相続税対策になる(実際にはならない)」などと嘘をつき、既に加入していたのと同じ保険を新規契約した。

契約時に郵便局員が勝手に特約をつけたため、毎月の支払額10万円以上を10年間も払い続ける事になった。


解約した最初の契約では支払金額は7万円で、支払期間は同じ10年間だったが解約した時はもう7年で満期になる予定だった。

つまりこの女性は郵便局員に脅されて有利な契約を解約させられ、不利な契約に乗り換えさせられた。

生命保険の保証は損害保険と違い、複数契約が可能で入院保障や死亡保険金は加入した分だけ受け取れるが、必要以上に加入させようとする傾向がある。


女性は他社でも保険契約をしていてかんぽ生命と補償内容が重複しており、そもそも必要以上の保険に加入させられていた疑いもある。

こうした高齢者は詐欺集団に目を付けられて何度もカモにされる例があり、郵便局員のカモになった。

高齢者の保険契約には家族の同席が必要だが、これも高齢者を騙して「家族の同席を拒否する」書類に名前を書かせていた。


彼ら郵便局員はSNSなどで「高齢者は郵便局員だと信用するから、騙しやすい」とうそぶいている。
http://www.thutmosev.com/archives/80363662.html

▲△▽▼

かんぽ生命の不正販売問題、日本郵便が社員にネット投稿禁止 SNSで不満続々
7/12(金) 20:50配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6329889


 かんぽ生命保険の不正販売問題に関連して、実際に同社の保険を販売する日本郵便は、社内情報をインターネットに投稿しないように全社員に周知した。郵便局員を名乗る人物が実態を暴露したり、危機管理の欠如や現場への責任転嫁を批判したりする投稿が相次いでいた。

【かんぽ生命の不適切契約のイメージ】

 11日付で全社員に対して、SNSなどに社内情報の書き込みを禁止する通知を文書で出した。日本郵便によると、通知に関わるマニュアルの見直し作業は、不正販売の実態に関する報道が一部で相次いだ6月から準備していたという。

 その後もSNSでは「尻尾(しっぽ)切り! 経営陣は守ってくれません!」「基本的に社員のことは一切信用してない」といった経営陣の責任を問う投稿が噴出しており、歯止めが利かなくなっている。【加藤明子】




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かんぽ、局員がざんげ うそまみれの顧客勧誘「申し訳なかった」
7/26(金) 10:14配信 西日本新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190726-00010001-nishinp-bus_all

過去に自身が行った保険の不正販売について説明する関西の郵便局員

 「ざんげしたいことがあります」。保険営業を担当する関西の郵便局の男性局員が重い口を開いた。

【写真】「あと2件アポ取れるまでは社員にも負荷を」郵便局幹部に上司から送られたメール

 男性は数年前まで、本来は保険に加入できない持病のある人に「告知の必要はない」と虚偽の説明をし、契約を結んでいた。

 この方法で契約させた40代の女性は持病が悪化して入院。かんぽ生命は「告知義務違反」を理由に保険金の支払いを拒否した。女性は「局員に告知しなくていいと言われた」と抗議したが、男性は会社の調査に「そんな説明はしていない」とうそをつき通した。

 上司から求められた1日5件の見込み客宅への訪問。訪問先がないときは、目的外使用が禁じられているゆうちょ銀行のデータを見て、資産がある顧客に電話をかけ続けた。多いときで1日50件。「制度が変わった」「相続税対策の説明をしたい」というのは表向きの訪問理由で、目的はもちろん保険契約の獲得だった。

 「だまして申し訳なかった。契約を取らないと局に帰れなかった」
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次々に生み出される新たな勧誘方法

 営業の現場では、勧誘のテクニックとして複数の“話法”が存在する。昨年、関東の局員はインストラクターと呼ばれる指導役に同行し、「生前贈与話法」を目の当たりにした。

 インストラクターは高齢女性に「天国までお金を持って行ったらお子さんが困りますよ」「毎年100万円をお子さんの通帳に動かして保険の形で預けてもらえれば、相続税も贈与税もかかりません」。女性と同席した娘にサインさせた。

 局員は「そもそも相続税の課税対象者でない場合や、相続税より保険料が高くなることもあるが、そういった説明は一切しなかった」と明かす。

 マイナンバー話法、介護施設話法、凍結話法‐。次々に生み出される新たな勧誘方法。保険内容を理解しないまま契約する高齢者は後を絶たない。
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 かんぽ生命のメイン商品である貯蓄型保険は長引く低金利政策によって魅力が薄れ、新規契約の獲得は困難になった。多くの局員は顧客が不利益となる「乗り換え」によって厳しい営業ノルマをしのいでいる。

 数年前に退職した九州の元局員は成績優秀者として表彰された経験があるが、ほとんどが乗り換えだった。「商品で勝負しても他社に負ける。お客さんに多少の不利益があっても乗り換えさせるしかなかった」


「もはや会社に自浄能力はない」

 報道によって発覚した9万件超の不正営業も、すべて乗り換えに関するものだった。旧保険の解約時期を意図的にずらすことで保険料を二重払いさせたり、無保険状態にさせたりする乗り換え隠しの「潜脱(せんだつ)」行為が横行。被保険者を変えることで新規契約を装い、満額の実績と手当金を稼ぐ手口も広まる。

 かんぽ生命の植平光彦社長は10日の記者会見で、不正営業を知ったのは「直近」と答えた。だが、実際は数年前から二重払いや無保険状態を問題視し、ひそかに件数を集計していた。

 「もはや会社に自浄能力はない」。現場の局員たちの間には無力感が漂う。

   ×    ×

 不正営業の発覚で窮地に立つ日本郵政グループ。民営化から12年。長年、地域に信頼されてきた郵便局で何が起こっているのか。巨大組織が抱える問題を探った。
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契約減、歯止めかからず

 郵政民営化された2007年10月時点のかんぽ生命の保有契約件数は5518万件だったが、年々減少。18年度末には2914万件とほぼ半減している。

 一方、新規の契約件数は民営化後、200万件前後で推移。中高年の契約者が多くを占めているが、保有件数の減少分を穴埋めできていない。

 主力商品は貯蓄型の養老保険。長引く低金利で苦戦を強いられるが、民業圧迫を避けるとの理由で新商品開発には他社以上に厳しい規制が課されている。このため、大手生保と比べて競争力が低いとされる。

 近年は競争力を補うため他社との提携を進め、日本生命や住友生命の商品を郵便局で販売。日本郵政は、がん保険の販売委託を受けるアフラック生命の米国親会社にも出資し、今後はグループ会社化して新商品の共同開発などに取り組む。
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かんぽ生命の不正販売は「中途半端な民営化」がすべての原因だ 根本的に議論をするときが来た
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66212


2019.07.31 加谷 珪一 現代ビジネス

郵便局が取り扱う「かんぽ生命」の商品で多数の不正販売があったことが明るみに出た。この問題は同社の販売手法といった個別の問題ではなく、中途半端な形で民営化してしまった日本郵政グループそのものの問題である。このまま経営の問題にメスを入れずに放置すれば、将来、同じようなトラブルが再発する可能性が極めて高い。

日本ではいまだにガバナンスという概念が定着していないが、稚拙な資本市場の運営は、結果的に消費者に大きな被害をもたらすという現実について、私たちはもっと理解しておくべきだろう。

高齢者にとって郵便局は今も「お役所」

かんぽ生命は2019年7月10日、保険の不正販売問題の発覚を受けて記者会見を行い、顧客に不利益があったとして謝罪した。半年以上にわたって顧客に新旧契約の保険料を二重払いさせていたケースや、本来であれば特約の切り換えで済むにもかかわらず新契約を結んでいたケース、旧契約を解除した後、健康状態などを理由に、新しい保険に乗り換えることができなくなったケースなど、内容は多岐にわたる。

一連の不正の背景となっているのが、販売を担当する郵便局員に課せられたノルマである。

例えば、二重払いのケースでは、新契約を結んでから6カ月以内に旧契約を解除すると乗り換えとみなされ、営業成績にカウントされないことから、6カ月が経過した後に解約させていた。旧契約の解約から3カ月以内に新契約を結んだ場合にも乗り換えとなってしまうので、3カ月経過してから、新契約を結ばせるケースもあったという。この場合、3カ月間は無保険状態なので、その間に何かあった場合には保険金は支払われない。

こうした不正販売が横行していたのは、顧客に高齢者が多いという郵便局特有の事情が関係している。高齢者にとって郵便局は今でも「お役所」であり、局員に言われるがままに契約をする人が少なくない。こうした状況を悪用し、不正契約を重ねていった可能性が高い。


一連の悪質な販売手法は、ごく一部の局員だけが行っていたというわけではなく、組織的だった可能性も指摘されている。

日本郵便が、全社員に向け「ソーシャルメディアへの機密情報などの書き込みを禁止する」という内容の文書を通知したことが明らかとなっており、経営陣が内部告発を強く警戒していることが分かる。

2900万件にのぼる全契約を対象に、手紙の送付や直接訪問などで契約内容の確認を行う方針を打ち出したことも考え合わせると、経営陣は広範囲にわたって不正契約が存在すると判断している可能性が高い。

郵便事業は儲からないが、インフラ維持は義務

ここまでは、過酷なノルマによる不正契約の横行という話だが、かんぽ生命の場合には、こうした単純な図式では済まされない事情がある。背景には、日本郵政グループのいびつな事業構造とガバナンスの欠如という根本的な問題があり、今回、不正契約を見直したところで、また別の形で問題が顕在化する可能性が高いからだ。

よく知られているように、日本郵政は2007年の郵政民営化以来、8年を経て2015年に上場を果たした。グループ内には、日本郵便、かんぽ生命、ゆうちょ銀行という事業会社があり、日本郵政はその持ち株会社だが、かんぽ生命、ゆうちょ銀行は独自に上場するという、いびつな構造となっている。

そうなっている理由は、民営化したとはいえ、ユニバーサルサービス(地域によって格差のない公平なサービス提供)が義務付けられた日本郵便の収益制が極めて低いという事情が存在しているからだ。
 
日本郵便は全国で約2万4000カ所の郵便局を運営しているが、同社が扱う郵便物の数は、過去10年で2割以上減っている。しかも、年賀状や暑中見舞いのハガキを送るのは高齢者が多いので、今後も郵便物の量は減っていく可能性が高い。一方で、郵便には書留など重要な役割を持ったサービスも残されており、基本的なインフラは維持しなければならない。

日本郵便における純粋な郵便事業は赤字に転落する期もあり、ゆうパックなどの宅配事業に加え、金融商品の販売といった付帯事業を加えることで何とか業績を維持しているのが実状だ。つまり日本郵政グループ全体にとって、金融商品の販売手数料は極めて重要な意味を持っており、そうであればこそ、郵便局員には過酷なノルマが課されていた。

競合企業にわざわざ資本参加する理由

手数料を何としても確保したいというグループの焦りは、企業戦略にも大きな影響を与えている。日本郵政は2019年3月、米保険大手アフラック・インコーポレーテッドの株式を7%取得する資本提携契約を締結している。

傘下にかんぽ生命という保険会社を擁していながら、ライバルともいえる企業にわざわざ資本参加するのは、アフラックが得意としているがん保険の販売を強化することで販売手数料を獲得するとともに、アフラックの収益を自社の決算に反映させるためである。

アフラックは日本におけるがん保険のパイオニアであり、現在もがん保険では6割以上のシェアを握っている。一方、かんぽ生命はがん保険を取り扱っていないのだが、これには日米間の特殊な事情が関係している。

突出した規模を持つかんぽ生命ががん保険に乗り出してしまうと、アフラックの収益が脅かされる危険があり、米国政府はかんぽ生命の業容拡大に懸念を示してきた。このためかんぽ生命は、アフラックとの競合商品をあえて投入してこなかったという経緯がある。

かんぽ生命とアフラックで商品の棲み分けが出来ているとはいえ、かんぽ生命が独自に上場し、親会社として日本郵政が二重に上場しているという図式において、さらにアフラックをグループ会社にするというのは、ガバナンス上、好ましくないのは言うまでもないだろう。

今回の不正販売を受けて日本郵政グループは保険営業を当面、自粛する方針を固めたが、アフラックの商品については引き続き販売を継続する意向だという。一部からは、無理な販売の対象となる商品が、かんぽ生命からアフラックにシフトするだけだというシニカルな声も聞こえてくる。

いずれにせよ、何らかの商品販売手数料がないと収益を確保できないという日本郵便の基本構造は変わっていない。このため、無理な販売をやめれば業績悪化を招く可能性があり、逆に販売手法の見直しが進まなければ、同じようなトラブルが再度、発生するリスクがある。

中途半端な民営化と上場がすべての原因

今回のトラブルによって日本郵政グループの株価は大きく下落しており、政府による株式売却シナリオも狂い始めている。結局のところ、一連の問題は、公共事業としての性格を残しながら、中途半端な状況で民営化と上場を進めたことがすべての原因といってよい。

郵政民営化は小泉政権時代に国論を二分するテーマだったが、最終的に政府が下した結論は、(その決断が正しいものかどうかはともかくとして)完全民営化はしないというものであった。

もし完全民営化を実施しないのであれば、収益を犠牲にしても、公共性を重視すべきなので、株式の上場もあり得ないし、ましてや金融商品を高齢者に無理に販売するなどもってのほかということになる。

一方、完全に民営化するのであれば、ユニバーサルサービスの維持は難しくなるので、過疎地域におけるインフラ対策は別の施策として考えなければならない。

足して二で割るような施策は、成長が続いている昭和の時代であれば、大きな問題にはならなかったが、人口が減少し、経済規模の縮小が見込まれる今の時代においては、時間稼ぎの効果しか得られない。

今回の不正販売をきっかけに、日本郵政グループをどう位置付けるべきなのか、過疎地のインフラをどう維持するのか、もう一度、ゼロから議論をやり直す必要があるだろう。

2. 中川隆[-8864] koaQ7Jey 2019年8月06日 14:23:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3868] 報告
郵政民営化なれの果てのかんぽ生命不正販売
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-8ed57e.html
2019年8月 6日 植草一秀の『知られざる真実』

拙著『25%の人が政治を私物化する国
−消費税ゼロと最低賃金1500円で日本が変わる−』
(詩想社新書)
https://amzn.to/2WUhbEK

に「民営化」と「小さな政府」について書いた。

「民でできることは民に」

のフレーズの下で民営化を推進したのが小泉純一郎内閣だ。

その象徴が郵政民営化だった。

その郵政民営化がもたらしたものは何であるのか。

いま話題のかんぽ生命保険の不正販売問題は、その氷山の一角だ。

かんぽ生命保険の不適切販売問題を受けて7月31日に日本郵政の長門

正貢社長がかんぽ生命の植平光彦社長、日本郵便の横山邦男社長とともに記者会見を開いた。

問題は顧客に不利になる保険商品を企業ぐるみで販売したこと。

保険商品乗り換えのために旧保険を解約したが、健康状態から保険の契約ができなかった、

新契約が告知義務違反とされて保険金が支払われなかった、

不利な新規商品に乗り換えさせられた、保険料支払いが二重になった、

無保険状態が発生した、などの事例が発覚した。

不正販売件数は18万件を超えたが全貌はまだ判明していない。

会見で日本郵政の長門社長は、かんぽ生命株を一般投資家向けに売り出した本年4時点では「不正を認識していなかった」と強調した。

かんぽ生命の植平光彦社長とともに「重大な認識に至ったのは6月」だと述べた。

ところが、かんぽ生命幹部が昨年6月以降に問題の存在を把握していたことを西日本新聞が報じた。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/532762/

かんぽ生命保険が株価に影響を与える重大な情報を隠ぺいして株式売り出しを行っていたとすれば損害賠償請求の対象となるだけでなく、刑事事件に発展する可能性も生じる。

金融機関には、資産を預ける顧客の利益を最大限にすることを目標にし、顧客の利益に反する行為を行なってはならないという「受託者責任」が課せられている。

英語では”Fiduciary Duty”( フィデューシャリー・デューティー)と表現される

この根本原則がないがしろにされるなかで、過剰なノルマが設定され、顧客に不利益を与える営業が企業ぐるみで展開されたのだと推察されている。

「民でできることは民に」のキャッチフレーズの下で推進されてきた「民営化」がもたらしているものは何であるのか。

主権者は現実を直視する必要がある。

「民でできることは民に」は間違いで「民がやるべきことを民に」が正しい判断だ。

「改革」政策の目玉として郵政民営化が強行された。

民による経営によって効率が高まり、利用者に利益がもたらされると喧伝された。

しかし、現実はまるで違う。

民営化は「新しい利権」を創作するための手段に過ぎない。

郵政民営化に際して、法律に「かんぽの宿」売却が潜り込まされた。

潜り込ませたのは言うまでもない。

担当相の竹中平蔵氏だった。

その「かんぽの宿」が2009年に「出来レース」によってオリックスに一括払い下げされそうになった。

当時の西川善文日本郵政社長直下に「チーム西川」が編成され、不透明極まるプロセスでかんぽの宿107施設が破格値で払い下げられそうになった。

本ブログで徹底究明した重大事案である。

鳩山邦夫総務相が不透明な案件であることを察知して待ったをかけた。

その結果、不正払い下げは未遂に終わったが、この事案の中核に位置したのが西川氏と共に三井住友銀行から出向した専務執行役だった横山邦男氏だった。

横山氏の「実績」はこれだけではない。

日本郵便に900億円を超える損害を与えたJPEX事業失敗でも中核的役割を果たしている。

横山氏はこれらの不祥事後に銀行に戻されたが、第2次安倍内閣発足後に日本郵便社長に起用された。

驚くべき不正人事であったと言うほかない。

その横山氏が社長を務める日本郵便が今回の問題を引き起こした。

横山氏の更迭は避けようがない。

3. 中川隆[-14997] koaQ7Jey 2019年11月12日 11:00:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2095] 報告
ゆうちょ銀、認知症高齢者に高額外貨保険販売…歪んだ郵政グループの構造的問題
https://biz-journal.jp/2019/11/post_127570.html
2019.11.12 文=編集部 Business Journal


 日本郵政・長門正貢代表執行役社長(ロイター/アフロ)


 日本郵政グループの転落が著しい。かんぽ生命での大規模な不適切営業を端緒に、同グループのゆうちょ銀行の投資信託商品の不適切販売も発覚するなど、常軌を逸した事態になっている。一連の報道では過剰なノルマが一因とされ、日本郵政はかんぽ生命の保険商品販売におけるノルマ廃止を表明するなど、対応に追われている。

■指導不足による営業社員の認識不足が原因?

 同行と日本郵便は9月13日、「投資信託の不適切な取扱いに関する社内調査結果および今後の対応について」と題するプレスリリースを発表した。70歳以上の高齢者に対する不適切な販売行為の社内調査結果の概要と、今後の再発防止策を以下のように公表した。

「ゆうちょ銀行および日本郵便は、窓販開始(2005年10月)以降、全ての高齢のお客さまに対して、投資信託の個別商品の理解状況等を確認するため、購入に係る申込受付前に管理者による承認を実施してきたところです。

 その後、日本証券業協会から高齢顧客への勧誘による販売に係るガイドライン(2013 年10 月)の考え方が示されて以降は、勧誘前に状況を確認し、勧誘すべきでないお客さまは勧誘しないとの趣旨を踏まえ、高齢のお客さまに対して、申込受付前に加えて、新たに勧誘前にこの観点からの管理者承認を行うことを社内規則に追加していたにもかかわらず、この取扱いを多数怠っていたというものです。

【調査結果】

       違反件数(割合※1) 違反店・局数(割合※2)

ゆうちょ銀行  17,700 件(43%)  213 店(91%)

日本郵便    1,891 件 (7%)   187 局(12%)

※1 調査対象の高齢者対面取引件数に対する割合

※2 投資信託取扱店舗数に対する割合

 発生原因・背景としては、ゆうちょ銀行、および日本郵便本社の指導不足による営業社員(管理者含む)の認識不足等があり、社員のコンプライアンス意識を向上させるために、研修、マニュアルの改正等にゆうちょ銀行、および日本郵便が全社を挙げて取り組んでまいります」

■認知症の高齢者に外貨建て保険販売

 一方、ゆうちょ銀行の内部資料を入手した西日本新聞は今月5日、『認知低下70代に1億円保険 ゆうちょ銀 家族抜き、取り消しも拒否』と題する記事を掲載した。

 同記事では、「79歳の母が500万円の外貨建て保険を契約していた。認知症の母にそのようなリスク商品を販売するのは違法ではないか」「貯金の手続きに行ったら強引に投資信託の話をされ、訳も分からないまま契約に至ってしまった」などという被害者の声を紹介。投資信託や外貨建て保険契約で高齢者から苦情が多数寄せられていることを明らかにした。

 また、「未曽有の低金利が続く中、同行は元本割れのリスクがある金融商品の販売強化を打ち出すが、現場の行員は『営業目標を達成するため、一部で顧客の意に沿わない販売が行われている』と証言する」として、ゆうちょ銀行の内幕を明かしている。

■持株比率が業務範囲に影響

 経済ジャーナリストの森岡英樹氏は一連の不祥事の背景に関して、次のように解説する。

「この問題の背景には、日本郵政グループの構造的な問題があります。日本郵政グループは持ち株会社の日本郵政の傘下にかんぽ生命、ゆうちょ銀行、日本郵便の3つの子会社を置く体制になりました。ちなみに米国でも民営化はされましたが、郵便業務だけは国営のままです。日本の場合、日本郵便を含めあまりに大きな組織になってしまったため、組織としての矛盾が生じています。

 現在、国は日本郵政の株を持ち、日本郵政がゆうちょ銀行の株をもっているという構造です。国は少しずつ持ち株比率を下げるため、株の売却を進めています。ここで問題になってくるのが、日本郵政が保有するゆうちょ銀、かんぽ生命の持株比率が50%を下回らないと、両社の業務範囲は自由(新規業務は登録制に移行)とならないことです。新規業務を行う際、郵政民営化委員会の許認可を得なければなりません。

 そうした状況下にもかかわらず日本郵政は上場しました。国としては少しでも売却時の株価を上げたい。このことが日本郵政グループ経営陣のプレッシャーになっています。この株の売却益は東日本大震災などの復興財源になる予定で、ある意味『おしりが決まっている財源』のため必要額を確保することが至上命題になっています。

 かんぽ生命、ゆうちょ銀行、日本郵便には民営化後もユニバーサルサービスとして全国一律で同質のサービスを提供することが求められています。新規事業を自由に行えず、しかも地理的、経済的な要因を加味したスタイルをとることもできない中で、確実に利益を上げなければいけないため、無理な営業につながっている懸念があります。

 また、子会社3社には民間から経営者を招聘しましたが、その手足となるのは民営化前から勤めている元公務員の社員です。売上増進のため、高いノルマを課し、歩合給の割合を引き上げました。このインセンティブにより、稼げる人と稼げない人との間には大きく差がつくことになりました。つまり業績不振だと年収の大幅な減額を招く可能性があるのです。

 トップがいくら指導しても、現場は収益を上げる事業のノウハウを積み重ねてきたわけではないのです。また元公務員だった職員らは、ある意味でまじめにノルマを達成しようと無理な営業をかけてしまっているのだろうと思います。

 しかも、銀行や保険業界など異なる業界からグループ3社のトップに就任した経営陣間のコミュニケーション不全も深刻です。現在発生しているさまざまな不祥事に関して、各社の経営陣はお互いに責任を回避しようとしています。国などが経営陣を刷新しようとしても、前述のように明らかに困難な業務であることがわかりきっているので、後任に手を挙げる人はいないでしょう」

 ゆうちょ銀行と日本郵便が示した改善策は「不足したしていた指導を営業社員に行う」ということだが、効果はあるのだろうか。

4. 2021年4月27日 17:24:46 : f5m0Jtw85g : LkkwM1h0M2RNZi4=[39] 報告
日本郵政 6,200億円で買収した会社が7億円に!どうしてこうなった?元担当者が真相を激白【ニュース×投資脳#02(2021 4 22)】





日本郵政が6,200億円で買収した豪トール社を7億円で売却することを発表しました。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。元証券会社担当としてその真相をお話します。
5. 2021年11月15日 08:11:33 : WByHHcQUzE : c1RmRy5mVXdmMkU=[22] 報告
日本郵便、経営危機の足音…ゆうちょ・かんぽからの8千億円の“補給金”が命綱
https://biz-journal.jp/2021/11/post_263635.html
2021.11.12 06:00 文=編集部 Business Journal


 政府は日本郵政株を追加売却した。売却価格は1株820.6円。10月25日の終値(837.4円)から2%割り引いた価格とした。売却株式数は10億2747万株で、国内で75%、海外で25%売り切った。証券会社に支払う手数料を差し引き8367億円を確保した。政府による日本郵政株の売却は3回目で、すべて東日本大震災の復興財源に充てる。

 郵政株の約60%を持つ政府は総株数の約27%を売り出した。出資比率は郵政民営化法で義務付けられた株式数の3分の1の33%まで下がった。政府は2013年に郵政株の売却で計約4兆円の復興財源を確保する計画を立てており、これまでの2回の売却で3兆円超を確保している。現在の総株数で9500億円を確保するには1株920円程度で売却する必要があったが、想定していた株価を下回ったため、政府は日本郵政株の追加放出で、残り1000億円程度を確保する可能性がある。

 3回目の売却までの道程は厳しかった。傘下のかんぽ生命保険の不正契約問題の発覚で郵政株は下落。今回の売り出し価格は2015年の上場時(1400円)や、17年の売却時(1322円)を大きく下回った。日本郵政の株価は上場来高値1999円(15年)を一度も超えていない。

 日本郵政は政府の売却完了後に1000億円を上限とする自社株買いを実施する。買い入れた株は消却する方針だ。株価維持策であると同時に、消却で総株式数が減れば、政府が追加で持ち株を売却する余地が広がるためだ。

■金融2社からの8600億円の業務委託手数料が生命線

 2007年10月の郵政民営化から14年。第3次となる今回の売却で国の出資比率は法定の下限の3分の1の33%まで下がり、大きな節目を迎えた。完全民営化に向けたプロセスが表向きは進んだかたちだが、日本郵政の完全子会社の日本郵便と、グループ金融子会社の、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険はビジネスモデルの転換が遅れ、成長戦略を描けていないのが実情だ。政府による日本郵政の株式の売却が一段落したら、金融2社の株式の売り出しを本格化させるという筋書き通りには進んでいない。

 国際物流の強化に向け、オーストラリア企業の買収で巨額の減損損失を出した。19年夏にはかんぽ生命の不正契約問題が発覚しグループ全体で成長戦略の見直しを迫られた。日本郵政はゆうちょ銀株の約9割、かんぽ生命株の5割弱を保有したままだ。八方ふさがりで売るに売れない状態なのである。

 祖業である郵便事業は郵便の取扱量の減少という逆風にさらされ続け、慢性的な赤字体質から脱却できない。それでも経営が成り立ってきたのは、全国2万4000の郵便局を通じて業務を委託する金融2社から年間計8600億円超の業務委託手数料を受け取ってきたからだ。

 支店の絶対数の少ない金融2社は日本郵便が持つ郵便局を営業基盤とする一方、日本郵便は2社から得る委託手数料を収益源とする。日本郵政の主要子会社3社が相互に依存する構図に変わりはない。近年はむしろグループの一体性を重視する動きが強まっているとの指摘があるくらいだ。

 郵政民営化法は日本郵政に対して金融2社の株式の売却を求めているが、資本関係が希薄になれば、日本郵便に対する“補給金”は減る。収益源を失った日本郵便は一気に経営危機に陥る。2012年、民主党政権下で成立した改正郵政民営化法では、郵便局にユニバーサルサービスの提供を義務付けた。

 全国津々浦々に行き渡っている2万4000の郵便局のネットワークを維持するという至上命題があるわけだが、金融2社と日本郵便の関係が希薄になれば砂上の楼閣となる。民営化法が定める「できるだけ早期に金融2社の(株式の)完全売却」は、すでに絵に描いた餅と化している。

 日本郵便は金融2社への依存度を軽減できるような経営基盤をどうやって築くのか。日本郵便が金融界から新たなパートナーを見つけることなど「事実上不可能」(日本郵政の元幹部)との見方もある。

 かんぽ生命の不正契約問題を受けた経営刷新で、20年1月、元総務相の増田寛也氏が日本郵政の社長に就任した。2025年度までの中期経営計画で金融2社の株式の保有比率を50%以下に引き下げる方針を打ち出したが、売却には「(郵便局の)ユニバーサルサービスに影響が出ないこと」などという付帯条件がついている。

 改正郵政民営化法は現政権の自民、公明両党も合意のうえでつくられた経緯がある。全国郵便局長会の支援を得る与党に改正法を見直す機運はない。この法律の採決で反対票を投じ、官房長官時代に金融庁と足並みを揃えて郵政の経営改革を後押ししてきた菅義偉氏は権力の座から降りた。

■打開するにはパワーのある経営者が必要

 日本郵政は楽天グループに約1500億円出資し、資本業務提携した。3月末に第三者割当増資を引き受け、日本郵政は楽天の第4位の株主(出資比率約8.3%)に浮上した。

 楽天モバイルの販促や基地局の設置に全国の郵便局網の活用が盛り込まれ、楽天側のメリットばかりが今は目立つ。明確な成長戦略を描けない日本郵政が「楽天に抱きついた」(アナリスト)と株式市場は冷ややかに見ている。楽天市場向けの宅配(ゆうパック)が伸びるくらいでは、日本郵政グループは「もとがとれない」(同)。

 日本郵政によるかんぽ生命の持ち株比率は21年5月に50%を切った。新規業務の認可は届け出制に変わった。計画通り進めば、数年以内にゆうちょ銀の保有比率も5割を下回る。

 金融2社株の売却の具体的な道筋を示すことができるかどうかで、郵政民営化のゴールは変わってくる。金融2社はマイナス金利下、稼ぐ力が相当落ちている。全国銀行協会は9月、「完全民営化への道筋が示されていない」と、かんぽ生命の届け出制移行についても「慎重な対応を求める」との意見書を出した。「民業圧迫」の批判が根強くある一方で、新規事業への進出に関して手足を縛られている状態が収益改善の足カセになってきたことは否定できない。

 郵政グループだけの問題とはせず、政治も行政も「完全民営化への道筋をどうするか」について真剣に議論しなければならない時期にさしかかった。ピーク時の半分にも届かない株価が郵政グループの先行きの厳しさを映し出す鏡となっている。

 成功体験を持ったパワーのある経営者に代わらないと日本郵政グループの明日はないのかもしれない。

6. 保守や右翼には馬鹿し[38] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年3月03日 18:44:06 : 85J99zrxRM : M2RSejBzcEoybGc=[6] 報告
【銀行株×高配当】ゆうちょ銀行の売出しに応じるべきか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091808
7. 中川隆[-12640] koaQ7Jey 2023年4月19日 09:45:27 : zVITAL2P9c : NHFBcjZxWDBGdS4=[1] 報告
忍び寄る世界金融危機 米銀発危機の連鎖 焦点は「信用収縮」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/bf456cab7e0660da729ce2e1f2471f2d33ebd19e


米国商業銀行の商工業向け融資基準
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf456cab7e0660da729ce2e1f2471f2d33ebd19e/images/000


「週末、ニューヨークと電話会議に追われた。彼らが注視しているのは、ゆうちょ銀行と農林中央金庫だ」

 東京都心のオフィスでそう語るのは米金融業界の関係者だ。3月10日、米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻した直後から、ニューヨークの本部は邦銀への影響に関心を強めているという。

 同じ頃、『ウォール・ストリート・ジャーナル』やブルームバーグなど英語圏メディアも「SVBと邦銀」を結びつける記事を相次いで載せた。例えばロイターは「SVB事態で邦銀の債券保有が焦点、株価上昇は急停止」というタイトルの15日付記事で、「邦銀は債券を大量に保有する点でSVBと共通する。債券利回りが上がると価格は低下することから支払い能力のリスクを抱える」と伝えた。ブルームバーグは16日、「貸し出しより証券投資に重点を置く農林中央金庫、ゆうちょ銀行、信金中央金庫のような銀行にとって、金利感応度は非常に高い」と、米格付け会社の分析結果を報じた。

 ゆうちょの決算説明資料によれば、2022年末現在、運用資産の34.9%に当たる77兆円を外国債券と投資信託に投資しており、後者については「投資対象は主として外国債券。プライベートエクイティファンド等を含む」と脚注に記す。つまり、77兆円の多くは米国債を含む外国債券だ。農林中金の外国債券も同年9月末現在、24兆円に上る。

 SVBは米国債の多くを満期まで保有するつもりだったが、売却損が膨らんだ。3月上旬、ソーシャルメディアで信用不安が拡散し、顧客の「バンクラン」(取り付け騒ぎ)が破綻の引き金となった。

 ゆうちょは「当行は、SVBと異なり個人預金が大宗であり、一般的には(SVBのような)法人預金や市場性調達に比べて流動性の面で安定的」とした上で、流動性が高い日銀当座預金を中心とした預け金を60兆円超保有していることなどから、SVBとは状況が異なるとする。農林中金も「貯金者の多くは農漁協の組合員(出資者)でもあることから、金庫の預金の属性は(テック企業が多い)SVBと大きく異なり、粘着性も非常に高い」と説明。


米投資信託評価会社モーニングスターのシニア・エクイティ・アナリスト、マイケル・マクダッド氏は「日本でバンクランが起きるリスクは非常に低い」としつつ、こう話す。

「ゆうちょと農林中金は米国債の投資額が大きいため、投資活動に変化があれば、巨大な米国債市場にさえ影響を及ぼし得る。仮に新規投資をやめるようなことがあれば、債券利回りが上がりかねない。だから米当局も米メディアも関心を持たざるを得ない」

 ◇米銀は融資厳格化

 SVBの破綻後、米地銀のシグネチャー銀行が破綻し、クレディ・スイスが経営危機に陥ってライバル行に救済買収された。信用不安の連鎖は米欧を駆け巡っている。

 三菱UFJ国際投信の荒武秀至チーフエコノミストは「米経済は今までインフレが焦点だったが、信用収縮がきっかけになって潮目が変わろうとしている」とみる。荒武氏が根拠とするのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が調べた商業銀行の融資基準だ。最新の今年1月調査分では、大・中堅企業向け融資を「厳格化した」という回答は44.8%、中小企業向けでは43.8%に達した(図)。FRBが金融引き締めを始めてから銀行が融資基準を厳格化するまで1年ほどのタイムラグが見受けられる。次回調査はSVBなどの米銀が破綻した後の4月だ。翌5月発表の次回調査結果で、「融資基準のさらなる厳格化が明らかになるだろう」と荒武氏は見通す。

 FRBは5月、政策金利の上限を現行の5%から0.25%引き上げるという見方が多い。荒武氏は「政策金利を5%までに引き上げたことで名目成長率を超えたとみられる。過去の経験上、利上げ水準がオーバーキル(行き過ぎて景気に悪影響があること)となることが分かっている」と指摘する。

 FRBの利上げから1年。米国債価格の下落が銀行の破綻を誘発し、実体経済を冷やし込もうとしている。世界は再び金融危機に直面するのか。その火種が見え始めたことは確かだろう。

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