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北アフリカ・中東情勢をイスラエルとアメリカの関係から見てみる
http://www.asyura2.com/10/kokusai5/msg/592.html
投稿者 仁王像 日時 2011 年 3 月 08 日 20:13:20: jdZgmZ21Prm8E
 

 まず、イスラエルとアメリカの関係をつたない知識で整理してみる。
 「イスラエル・ロビー」という二冊本がある。著者はハーバード大とシカゴ大の二人の教授。内容は、イスラエル・ロビーがアメリカ議会や全米で幅広く活動していることを細かく追跡していて、読むのもうんざりするほどのもの。
 で、主旨はこの活発なロビー活動で、アメリカはあまりにもイスラエルに肩入れし過ぎてアメリカの国益を損なうまでになっている、だから肩入れもそこそこにするべきだ、という内容だったと思う(著作の出版は世界権力の承認も得ているとみる)。
 だから今は、アメリカの国益を損なわないぐらいの、昔日の「二重基準(ダブル・スタンダード)」に立ち返っていると見る。

 一方では、イスラエルとアメリカは基本的に対立関係にある、やイスラエルという国家の存続自体が危うい(田中サイトか?)という議論もあるようだが、筆者は疑問に思っている。欧米(バックに世界権力)がこの地に打ちこんだクサビとしてのイスラエルの戦略的価値が、今日は激減しているという理由は見当たらない。その価値は昔日とそう変わってはいないと見ている。

 以下はこの前提を踏まえた推論になる。
 この立場でみれば、ムバラク政権の崩壊は元々アメリカが望ところではなかったはず、ということになる。民衆蜂起でムバラクはもはやもたない、と判断せざるを得なくなって退陣を要求したと見る。新政権が親米になる可能性は少なく、むしろ反米色になる可能性が高いのではないか。
 さらに北アフリカ・中東のドミノ倒しは、裕福なはずのバーレーンにまで及びアメリカは苦慮しているが報じられている。このことにも嘘はないと思う。このドミノ倒しをアメリカが画策したものとすれば、この計算違いはどこからきたのか、辻褄が合わなくなる。

 次にリビアとイスラエルの怪しい関係について。イスラエルの軍事会社がカダフィにアフリカ人の傭兵を供給しているという。外観は非常に奇妙で裏でなにかつながっているように見える。
 筆者はこの傭兵の供給は2003年、カダフィがアメリカに核開発で屈服してから以降ではないかと考える(調べ未)。3月7日のNクロ現でも、2003年、イラクのフセインがアメリカに葬られてから自分もこのままでは同じ運命に会うと考えて屈服したのであった。以降イギリスの当時のブレア首相がカダフィとの交渉(MI6を使って極秘裏に行った)にあたった。石油利権の確保が目的だった。2004年以降、イギリスの石油資本がリビアに進出、以降も続々と欧州各国のの資本が入っていった。それまではリビアの石油資源の7割は眠ったままであった。

 イギリスは軍事協力・支援も行った。2006年には防衛協力協定を締結した。英特殊部隊SASがリビア軍への軍事訓練を行っていたとも報じられた。また、デモ隊に使われた高圧放水砲やスタンガン催涙弾がイギリス製と見られることが英議会で問題になっている。
 このような文脈で考えると西側諸国の一員と考えられるイスラエルが傭兵を供給するという現象もそんなに怪しい関係ではなくなる。イスラエルは西側諸国の一員として軍事協力に轡(くつわ)を並べていたと考えれば異様でもなんでもなくなる。

 Nクロ現にゲスト出演した東大の准教授も、2003年を境にカダフィはまったく様変わりしたと証言している。2003年を境にもはやカダフィ(の内実)は反米でも反イスラエルでもなくなっていったとみる。西側諸国にすでに屈服している男を欧米が積極的に仕掛けて潰しに行く必然性はあるであろうか。カダフィ自身も反乱を仕掛けたのは「アルカイダ」だと言っていることにも注目すべきではないかと思う。

(付記)
 進行中の現代史の陰ではさまざまな秘密工作・作戦が行われているだろう。それを事前や直後に探り切るのはとてもではないだろう。これら無数の秘密作戦やその他の多くの事象が積分されてマクロの政治現象となって表舞台に現出してくる。この現象こそわれわれが確実に把握(認識)できるものだ。この現象を合理的に説明できる道筋は何か、という観点で思考し関連情報を探っていくという従来の古典的方法論を大切にすべきだと思う。(コメント欄に続く)

・イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策
 http://www.doi-toshikuni.net/j/column/20080322.html

・攻防リビア カダフィ体制のゆくえ/Nクロ現 H23.3.7
 http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3013  

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コメント
 
01. 仁王像 2011年3月08日 20:22:24: jdZgmZ21Prm8E : zqw7Lv8Ckk
(付記補足)
 阿修羅人のほとんどは付記に書いた方法論を取らず、陰謀があったに違いないという発想から出発しネット情報を探る。だが、ネットに秘密情報が事前や直後に漏れるはずがない。漏れたら仕事がやりにくくなる。だから秘密裏に行うわけである。
 ネットにある断片的情報を拾い上げても、そこから、今現出しているマクロな政治現象を合理的に説明できなければ意味がない。ネットに出るのは、もう用済みになった情報や漏れた方が仕事がやり易くなるケース、すでに露見していて隠しても意味のないもの、あるいは撹乱情報は当然考えられる。(端的に言って、ガサネタの方がはるかい多いと言ったら過言であろうか)

 もう一つ彼等のアジェンダ情報である。フォーリンアフェアーズに書かれるようなことは、彼等の仕事をやり易くするために出てくる場合も十分考えられる。それを見た読者は知らぬ間に、世界権力の伝道師となって吹聴する場合もあろう。それを見聞した多くの人々が「ああ、世界はそのように動いていくのか」とそのアジェンダを受け入れるようにいつの間にか洗脳されていることになる。
 断片的で不確かな情報から論を立てるから、「イスラエルとアメリカの代理戦争」などという妄想も生まれてくる。ネットは陥穽に満ちている。

http://www.asyura2.com/10/warb7/msg/338.html#c16

http://www.asyura2.com/10/warb7/msg/338.html#c22


02. 2011年3月09日 02:18:29: L4jnx0cajs
そりゃ、常識だ。

狂犬が生き残るには、飼い犬になるしかなかった。はじまったのはもっと前のリビア爆撃以後だよ。

で、イランも裏じゃしっかり、CIAのシナリオとおりに悪役を演じている。同時にそれはイラン国内じゃヒーローとなるwinwinシチュエーーションなんだ。

はい、皆さんわかりましたか。イラン=北朝鮮=中国

これらテロ国家群はすべてアメリカ裏支配層とねんごろだ。

陰謀論では、米ソの密約は半分常識だが、現在も同じ状況にあるんだぜ。


03. 偽の友をあばけ 2011年3月10日 03:35:19: XxD1rrfsbD1ZU : JceJNORN7w
>>02
全くやで。ゼニのかかる新米派のムバラクやのうて、「クリーン」な米英夷盲従分子エルバラダイにクビを挿げ替えたいちゅう思いはやな
強欲死奔醜義者どもにとっては当然行き着く先の「人情」やがな。

04. 仁王像 2011年3月10日 20:06:55: jdZgmZ21Prm8E : zqw7Lv8Ckk
 (01の続き)
 阿修羅諸氏の多くは陰謀があるに違いないという思いから出発し、いろいろ嗅ぎまわっている。こういう人たちは確実に「陰謀振り込め詐欺」に引っ掛かるだろう。なにしろ引っ掛かりたいと思っているのだから。

 そもそもネット上から”事前あるいは直後”に陰謀の証拠・痕跡を見つけ出すことができるだろうか、という原理的問題を提起する。筆者は不可能と考えている。その理由
@膨大なネット情報を調べきれるものではない。
A奴らがネットに秘密情報を漏らすようなドジを踏むはずがない。

 あるとすれば用済みになった本物情報に撹乱情報をくっつけて出す。その記事は本物らしく見えるので撹乱情報の方にも引っかかってしまう。又はあれこれの人物による思いこみ記事や観測記事である。又はそれとなく流された奴らのアジェンダ情報に、うまく乗せられて奴らの宣伝隊として嬉々として踊ることにもなる。
 中には華々しく登場したものの間もなくガサネタだと判断せざるを得ない他愛ないものもある。
 これらの記事のなかに陰謀らしき痕跡の見つかる場合もあるだろう。しかしわずかな不確かな情報をもとに論を立てると、とんでもない結論になることは日々目にするところである。
 だから、あれも考えられるしこれも考えられるという「思わせぶりな」投稿にしかならない。その類の質から終生脱却することができない。ああ無情!
 結論として、ネット情報から陰謀を事前・直後に暴きだす作業はまず徒労に終わるだろうということ。

 多くの阿修羅人は自らの方法論を根本的に見直す必要があるのではないだろうか(カラスの勝手だがー)。
 もっとも、あてずっぽうに撃ちまくっていても、まぐれ当たりもあるだろうから、それを楽しみに生きていく権利はもちろんある。

(関連)
http://www.asyura2.com/10/warb7/msg/338.html#c20


05. 2011年3月10日 23:32:36: EyYvBDWox2
インターネットは権威主義体制も救う
Posted on 02/12/2011 by ys347

2009年6月。イランで、大統領選挙の結果に抗議するデモが広がった。

デモの組織化に、ツイッターが大きな役割を果たしたと報じられ、「ツイッター革命」ともてはやされた。2010年12月、チュニジアの「ジャスミン革命」においても、同様のことが伝えられた。

「長年続いた独裁体制が、ツイッターやフェイスブックによって崩壊している。自由な情報交換が可能なインターネットこそ、民主化の切り札だ。」

こうした論調に、舌鋒鋭く、論戦を挑んでいるのは、新進の論客エフゲニー・モロゾフだ。

「ツイッター革命」に反論

ベラルーシ生まれのモロゾフは、今年の1月初めに、初の著書『Net Delusion: The Dark Side of Internet Freedom』を出版した。

そして、1月25日には、エジプトで大規模な反政府デモが発生。申し分ないタイミングのデビューだ。

インターネット論者の多くは、独裁国家で反政府運動が多発するさまを、「テクノロジーの勝利」と賞賛する。

それに対して、モロゾフは、民主化の原動力を、インターネットや携帯電話などのテクノロジーに還元する見方を、「サイバー空想家 (サイバー・ユートピアン)」と呼んで、切り捨てる。

旧ソ連圏での活動から得た経験と幅広い知識をもとに、インターネット論者たちに公然と挑みかかるモロゾフは、米国を中心として、大きな論争を呼んでいる。

テクノロジーの弁証法

『1984年』―。ジョージ・オーウェルが描いた独裁国家では、「偉大な兄弟」が、言論から私生活における一挙一動までをコントロールした。

だが、「2011年」の権威主義国家は、より狡猾で、ともすると「権威主義的」にはみえない方法で体制の温存を図る。インターネットも不可欠のツールだ。

たとえば、権威主義政府にとって、反体制分子は危険な存在だ。注意して監視する必要がある。こうした「危険人物」を調べあげるのに、フェイスブックは強い味方だ。

かつては仲間を吐かせるには拷問にかけるしかなかったが、今日のKGB(ベラルーシでは共産体制崩壊後もKGBが存在する)はフェイスブックに行けばいい。時間と労力を大幅に節約できる。

プロパガンダを広めるのに、ブログほど便利なものはない。ロシアには、ブロガーの養成学校さえあるという。

ベネズエラのチャベス大統領がツイッターのユーザーであることは、よく知られている。2月初めの時点で、約120万人のフォロワーがいる。チャベス大統領は、ツイッターを彼の「秘密兵器」だと言ってはばからない。

ロシア政府は、インターネットへのアクセスを、原則として制限しない。そして、オンラインで娯楽番組を提供するサイト「Russia.ru」をサポートしている。

権威主義国家の国民にとって、最大の関心事は政治ではない。米国と同じように、ダイエットや恋愛、それにポップカルチャーだ。

情報をオープンにすることで、国民の目は非政治的なものに向く。検閲するよりも、検閲なしで「コントロール」した方が好都合なのだ。

ツイッターがイランの反政府運動の状況を伝えたことは誰もが知っている。デモが組織されてしばらく後、マイケル・ジャクソンが死亡した。たちまちツイッターがマイケル・ジャクソン一色にとってかわったことは、あまり知られていない。

情報がオープンになるのは、必ずしも「民主化」の兆しではない。体制が世論を巧みにコントロールし、行動を監視するための手段にすぎない。

今日の権威主義政府は(おそらく北朝鮮を除いて)、情報へのアクセスを開放した方が有利であることも、インターネットやソーシャルメディアを利用する術も心得ている。

インターネットは、それ自体で、「本来的に」、自由を促進するものではない。民主化の役にも立つ一方で、体制の温存にも寄与する。インターネットを利用するのは、抑圧された国民だけではないのだ。

モロゾフがつきつけるのは、こうした「テクノロジーの弁証法」だ。

「サイバー空想家」からの転向

かつては、モロゾフ自身、インターネットが民主化をもたらすと信じる、「サイバー空想家」だったという。

祖国ベラルーシの状況悪化を憂慮したモロゾフは、NGOにとびこみ、インターネットを利用した旧ソ連圏の民主化運動にコミットした。

だが、同地域の政府が、より洗練された検閲の手法を学び、インターネットをはじめとするメディアを、積極的に利用し始めていることに気づいた。

一方、米国を中心に、「自由化」の道具としてのインターネット信仰が広まった。そして、インターネットを軸とした民主化プロジェクトが発足し、そこに米国からの救済資金が流れこんだ。

その結果、潤沢な資金を得たNGOプロジェクトが、権威主義体制の維持のために機能するさまを目の当たりにしたモロゾフは、インターネットについて、ナイーブな見方を捨てることを迫られたという。

旧共産圏の状況を目撃したモロゾフにとって、米国のインターネット論者は、いかにも現実味に欠ける「空想家」に見えたに違いない。

「インターネットのチアリーダー」とも称される彼らの議論を目にしたことのある者は、そのトーンが独特の高揚感に満ちていることに気づくはずだ。苦汁をなめたモロゾフの、冷徹な眼差しとは対照的だ。

万能ではない「テクノロジー決定論」

モロゾフを、「インターネット反対派」と伝えるメディアは多い。

だが、モロゾフは、民主化の運動にツイッターなどが果たすポジティブな役割を、はっきりと認めている。独裁国家での騒乱を、テクノロジーに「一元的に」還元するのは誤りだというのが、モロゾフの考えだ。

「サイバー空想家」の議論が、抽象的で、現実味に欠ける理由の一つは、そこに政治的、経済的な文脈が欠如しているためだ。

彼らの議論によれば、インターネットや携帯電話を与えれば、独裁体制は必然的に崩壊することになる。イランやチュニジア、エジプトの歴史や政治、経済状況が議論されることはまれで、あたかも革命は「真空地帯」に起こるかのようだ。

こうした「テクノロジー決定論」対して、モロゾフは、テクノロジーと同時に、それを利用する社会の文脈を考えあわせる必要性を強調する。

すでに民主化された国では、「サイバー空想家」の議論もそれなりの妥当性があるだろう。だが、権威主義体制ではそれは通用しない。それがモロゾフの主張だ。

「インターネットの自由」

今日、米国が民主主義を推進する舞台は、サイバースペースに移っている。米国の外交政策にとって、インターネットは最重要項目の一つだ。

「権威主義体制との戦い (war on authoritarianism)」は、「インターネットの自由をめぐる戦い (war for Internet freedom)」にとってかわったのだ。

2010年1月、クリントン国務長官は、「インターネットの自由」と題する演説を行った。

その中で、同長官は、地下出版物が出回ったことが、ベルリンの壁の崩壊を招いたと述べ、今日、そうした「地下出版物」に相当するのは、インターネットだと説く(*)。

ツイッターやフェイスブックの例に示されるように、世界でインターネット関連ビジネスを牽引しているのは、間違いなく米国だ。その力を利用して、外交においても主導権を握ろうという意図だ。

こうして、「米国のビジネス」が「世界正義」と結びつくことになる。

「グーグルが輸出しているのは、製品やサービスではない。自由を輸出しているのだ」―。

「インターネットのグル(導師)」と呼ばれる、ニューヨーク大学のクレイ・シャーキーの発言は、こうした文脈を念頭において読み直してみる必要があるだろう。

「ツイッター革命」がもてはやされるとき、米国の関心が、「革命」そのものよりも「ツイッター」(の影響力)の方にあるようにみえても当然のことなのだ。

(*) 情報の流入が共産圏が崩壊させたのかどうかは、決して明らかではない。「サイバー空想家」の議論と同様に、共産圏の内部はすでに崩壊していたことなど、当時の文脈がここでは無視されている。


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