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NHK『「内部被曝」に迫る 〜チェルノブイリからの報告〜』でわかったあの学者たちもわからないという内部被曝問題
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/411.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 8 月 09 日 18:12:30: Mo7ApAlflbQ6s
 


8月6日に放送されたNHKBS1のドキュメンタリーWAVE『「内部被曝」に迫る 〜 チェルノブイリからの報告 〜』を見たが、内部被曝とりわけセシウムの内部被曝に関する興味深いものだった。

■ 核エネルギー利用推進のため無視され続けた内部被曝

内部被曝の主要な摂取源となる放射能汚染食材については、「それくらいの量なら食べても安全」とか「直ちに健康に影響を与えることはない」と言われているが、番組は、「実態がつかめていない内部被曝」というナレーションから始まる。

そして、その事実を裏付けするように、二人の大学教授が内部被曝についてコメントする。

不思議というか面白かったのは、コメントした二人の教授の所属大学は明示されているにも関わらず、名前が伏せられていたことだ。
NHKがたぶん気を遣ったのだろうが、一人はあの長崎大教授の山下俊一氏で、もう一人は、広島大原爆放射線医科学研究所所長の神谷研二教授である。
(神谷氏については番組後半で詳細な所属と名前が示される)

長崎大教授山下俊一氏は「放射性セシウムについては今なおよく分かっていません」とコメント、広島大教授神谷研二氏は、「内部被曝は影響が必ずしもよく分かっていない。今後、健康影響に関する研究は必要になっていく」と話した。

お二人のコメント内容は、内部被曝問題を認めていないICRP、チェルノブイリ事故で放射性ヨウ素による甲状腺ガンの因果関係は認めたものの、その他の疾患は因果関係が明らかではないと影響を認めていないIAEAといった“権威ある”国際機関が見せてきたスタンスを反映していると推察する。

一躍時の人となった山下俊一氏は、とにかく国民は政府や行政の指示に従うべきと“国策第一”の構えを貫く人だから、放射性セシウムが降下している「砂場で子どもたちを遊ばせても大丈夫」とか「100mSvまでは健康にまったく問題ない」と政府の代弁者丸出しの発言をしていながら、NHKの取材に対しては「放射性セシウムについては今なおよく分かっていません」と言う姿を見ても驚きはしない。

NHKも、そのような山下俊一氏だから、名前をテロップで出すことは憚れたのだろう。

もっともらしい言葉で住民に“安心”をふりまいてくれる、政策に従順で自分たちに都合がいいからと、このような人物を重用している菅政権や福島県は度し難いほど狂っている。


政府の態度という面で、日本もそうだが、チェルノブイリ事故の責を負ったソ連政府、現在負っているウクライナ政府とも、核エネルギー利用推進の立場である。

私に言わせれば、「実態がつかめていない内部被曝」という表現はまやかしで、事実は、「実態をつかもうとされていない内部被曝」、「疾患との因果関係が避けられてきた内部被曝」と表現する方が的確なのだ。

それは、原発など核エネルギーのリスキーなかたちでの利用を続けるためのゴマカシであり詐欺とも言えるものだ。

番組の主要部分は、放射線医学研究所を辞め福島で放射性測定器を車に積んで「汚染マップ」の作成に奮闘した獨協医科大学准教授の木村真三氏が、ウクライナに渡って内部被曝の実態を調査する過程からなる。

ウクライナの実態は後ほど述べる。

木村氏の帰国後6月に札幌で開催された「チェルノブイリ健康影響研究会」では、木村氏のウクライナ報告を受けて、多くの参加者(京大の今中さんはじめ環境衛生学者、医学者など)から、データが少ない、必要なデータが不足しているとの指摘が出た。
細胞薬理学の学者からは、「細胞のなかにどれくらい溜まっているかデータが欲しい」と言われ、他の学者からは、「食事や喫煙に関するデータも欲しい」との声があった。

要は、内部被曝に関して、生体観察を含め、あまりにもデータが少ないということである。
日本でも世界でも、内部被曝の研究とりわけ生体を使った研究は、緊急度が低い割に経費がかかるということでほとんど行われておらず、日本でも70年代以降ほとんど研究されていないという。

この会議は6月に開催されているから、7月8日発覚したセシウム汚染牛のことを知らないなかでの発言である。

ウクライナで調査に奮闘した木村氏は、体内に取り込まれたセシウムがどのように蓄積されていくのかを解明することが重要だと考え、人の臓器を調べるわけにもいかないので、現地のひとに頼み豚一頭を解体しその内臓を日本に持ち帰った。
(豚のほうが牛より生物学的に人に近いとされる)

持ち帰った豚の内臓は長崎大で放射能測定された。臓器別の値は次の通りである。

心臓:16.52Bq/kg
甲状腺:13.46Bq/kg
腎臓:21.29Bq/kg
肝臓:11.19Bq/kg
大腸:11.54Bq/kg
胃:15.00Bq/kg

長崎大の分析担当者は、セシウムは生体が必要とする元素ではないので、臓器にはあまり取り込まれないだろうと考えられてきたのに、これだけの値が出ているので驚いたと語っていた。

このような研究実態からも、放射性セシウムに汚染された牛は、殺処分ではなく、飼い主の被曝に留意しながら飼育を続け観察すべきだと思っている。

日本政府は、セシウム汚染牛騒動が起きても、尿検査でセシウム汚染の有無や濃度推定ができるにも関わらず実施しようとしなかった。

それは、福島県民の内部被曝をチェックするために尿検査も行っていることと強い関係があると推測する。

内部被曝の影響はわからないというのが“定説”にも関わらず、住民の尿検査でわかったセシウム濃度については、すべて“安全”の範囲で問題ないと評価された。

しかし、汚染牛で尿検査し解体した肉や臓器のセシウム濃度を測定すれば、人と牛では生体メカニズムが違うとはいえ、尿と体内(各種臓器から細胞まで)の汚染度連関が浮かび上がってくることになる。
汚染牛の観察で、尿で100ベクレルなら腎臓には1500ベクレルといったデータが出てくると、人についても類推的に当てはめられ、大きな疑念を呼ぶことになるだろう。

政府は、肝心なことには配慮できないのにくだらないことには気を回すという態度ではなく、内部被曝に関して可能な研究は積極的に行うべきである。

政府は、国民の外部・内部それぞれの被曝をできるだけ少なくするための政策をとり、不幸にして疾患が生じたときも、あれこれ理屈をつけて原発事故とは“因果関係なし”と冷たくあしらうのではなく、あやしいものはすべて因果関係を認めるという態度で臨むべきである。

NHKや内部被曝に関心を抱いている研究者も、不幸中の幸いであるが、研究の好機が生まれたのだから、「セシウムに汚染した牛の延命と研究」を政府に強く直訴していただきたいと思う。


※ 関連投稿

「政府が震災後これまで見せなかったほどの速さで汚染肉牛買い上げを政策化するワケ」
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/692.html


■ これまでの研究でわかっている内部被曝の影響

大阪大学医薬基盤研究所の名誉教授野村大成氏が、内部被曝に関する埋もれていた研究の成果を話した。

ベータ線を出す放射性物質をマウスに注射したところ、生まれた子どもの細胞に異常が見られ、突然変異で毛の色も部分的に変わった。細胞の異常は、将来様々な病気につながると考えられている。
ベータ線は、放射能の周囲1cmに強い影響力がある。そのため、放射性セシウムを体内に取り込むと、そばにある臓器や細胞にダメージを与えると考えられている。

野村さんは、「個体レベルで、結構な高い頻度で、ベータ線は細胞の組織に障害を与える。人でも当然起こると考えられる」と説明した。


ウクライナの放射線医学研究センターのステファーノバ教授は、「長期低線量被曝による児童のミトコンドリア機能障害」という論文を発表した。

汚染地域の子どもと非汚染地域の子どもの血液分析結果を比較し、汚染地域の子どもの血液では、細胞レベルのミトコンドリアに数多くの異常が起きていることが明らかになったという。
ステファーノバ教授は、それが疲労感の原因のひとつでもあると推定している。


■ ウクライナの内部被曝が原因と見られる疾患について

木村さんは、ウクライナに調査に行ったさい、ナロジチ地区中央病院にあった未整理のカルテを数多く見つけ、それを日本に送り分析したという。
分析結果によると、心疾患が事故前の6倍に増加し、地区住民の3人に一人という割合にのぼっている。

ナロジチの病院の院長も、「自分たちの実感として、心疾患、ガンなどにかかる人が事故前に較べて大きく増加しているように思える」と語った。

ナロジチでは体調の悪化を訴える子どもたちが多いが、事故後に生まれた子どもたちは、外部被曝ではなく内部被曝の可能性が高いと考えられている。

慢性的な疲労を訴える娘さんは、白血球が正常値の半分以下の3200台で、立っているだけで強い疲労感に襲われ座り込んでしまうこともあるという。

11歳の男の子は、免疫力が低下し、急激な疲労感に襲われる症状に悩まされている。いつも眠い、疲れが抜けず、学校から帰っても横になりたがり、友達と遊びに行くのもつらい。毎日、心臓と頭が痛い。

16歳のときにチェルノブイリ事故に遇い、政府の命令で移住し、21歳のときナロジチに戻ったという41歳の女性は、9年前に突然心臓発作に襲われ、心臓に異常が起きていることがわかった。ちょっとしたことで疲れてしまう。介助がないと歩けないこともある。医者は原因はわからないという。この女性は、ホールボディカウンターで測定したところ体内セシウム濃度が1980ベクレルと評価された。
ウランの核分裂でできるセシウム137はこれまでの日本人なら測定してもゼロだが、ウクライナでは許容量範囲だという。

ナロジチ地区中央病院の院長は、「体調不良を訴える回数が年1、2回から次第に増えていき、その後、心臓の病気につながるケースを数多く見てきた。放射能の影響なのか、他に原因があるのか、残念ながら私にはわかりません」と語った。

番組にも出演していたが、ウクライナの人々に見られる症状は、広島陸軍病院の医師だった肥田俊太郎氏が命名した「原爆ぶらぶら病」に近いものである。

日本では、「原爆ぶらぶら病」とされる症状は、(原爆による)内部被曝が原因だとは認められていない。


 

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コメント
 
01. 2011年8月09日 21:37:00: 186Q5NGJb6
現内閣を擁護するわけではないが、
菅をはじめ内閣から誤魔化されている可能性もある。

ただ、事の大きさから少しでも被害の少ない報告を信じたくなる
気になるのは良くわかる。


02. 浅見真規 2011年8月09日 22:40:38: AiP1TYI88G3dI : oGiSeEOCGw
セシウムは摂取後一年以内に大半は体外に排出されるようですし、周期表から
すればカリウムに似ているはずで、天然放射性同位体のカリウム40の放射能濃度
程度以下なら被曝被害は少ないと思います。

しかし、セシウムが存在する場合、検出が困難で放射能濃度に比して危険性の高い
ストロンチウムや核燃料物質が含まれている危険性があるので油断はできません。
(政府の定めたセシウムの暫定基準値ではそれも考慮されてるらしいです。)

チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故を比較する場合において、
事故で環境に放出された放射性セシウムと、放射性ストロンチウムや
核燃料元素の比率が問題になると思われます。

今までのところ、(用心すべき情報源かもしれませんが)NHKの報道と政府や
東電の報告を前提にすれば、で福島ではチェルノブイリより放射性
ストロンチウムや核燃料元素の比率が低いようです。


03. 2011年8月09日 23:05:05: 6lPBsMzEnM
>02 
1年で排出しても、つねに空気や食料からセシウムが補給されるので長期間にわたり体線量の被爆をする事になります。

周期表からセシウムはカリウムに似ているという大雑把な理論は完全に間違いです。

日本では検査しにくいストロンチウムはほとんど計られていません。
放出された各種の比率から考えればセシウムに匹敵する被爆を与えます。

ストロンチウムは半減期も長く骨に吸収される為、死ぬまで排出されません。


04. 爺さん 2011年8月09日 23:35:01: pkMRoq8j2xu8g : N3aZO5CBx2
情報が乱れ飛ぶ割にヤブロコフの研究報告が知らされないので、一部訳して投稿しておきました。
福島と言うより、関東・宮城・岩手など周辺地域向けの部分を訳しました。
私は福島は退避が課題と思います。
@「第4章12節 チェルノブイリでの食品と人々の放射能汚染」
   http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/501.html
A土壌汚染現在1138Bq/kgから5695Bq/kgで将来起こり得ること。「チェルノブイリ」から抜粋
   http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/568.html
B日本で起こり得ること ウクライナ ルギニ地区 1986年 50村中 22村 569Bq/kg-2,846Bq/kg, 26村 569Bq/kg以下
   http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/631.html
C第4章14節 チェルノブイリ放射能汚染地域での放射線防御の方法
   http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/694.html

05. 2011年8月10日 00:48:24: K8oYat33sk
>学者たちもわからないという内部被曝問題

いや、分かってる事もかなりあります
内部被曝は低線量でも危険という意見に対しては
少なくとも今のところ確定的なデーターは無いと言う事
低線量での被害を疑わせる疫学的研究報告も確かに数多く存在しますが
大部分の物はデーターの取り扱いが不十分で
確定的な物とは言えません
もっともこう言う事は実際の学術論文を読みこなせないと
なかなか納得してもらえないでしょけど
とりあえず分かり易い例をリンクしておきます

http://togetter.com/li/170950


しかし次の事は確実なのです
低線量での内部被曝による健康被害は存在したとしても
大規模疫学的調査で確認出来るか出来るかぐらいの微妙な物だと言う事
つまり妄想されているような過大なリスクでは無いと言う事


06. 2011年8月10日 00:52:44: K8oYat33sk
もう一つ
学術論文の読み方について参考になるサイトをリンクしときます

http://d.hatena.ne.jp/aljabaganna/


07. 2011年8月10日 10:44:03: aLKNexFxxc
>05さん
だから低線量の内部被爆は気にするなってことですか?

08. 2011年8月10日 10:50:36: lBcXI6NWHk
木村真三氏とその一行は陰気臭かったねぇ。黒い背広を着て周りから明らかに浮いていて、何事かと不安そうに見ている村人を権威ぶっている様子で威圧しまくりだったな。
木村真三氏に進められて内部被ばくの検査をして、高濃度の放射性物質に汚染されていたあのナロジチ村の貧しい親子に対して、あの後木村氏はすぐにここから避難しなさいと忠告したのかな?福島の親子に対して小出教授や武田教授が言っているように「子供を被曝させておいて責任を感じないんですか?」ってね。まあ無理だろうね。原因ははっきりとは分からないって番組の最後で悔しそうに言ってたからね。
もっとも放射性物質が原因だと何となく臭わせていたけど。でも結局断定できなかったね。日本の他分野の研究者達からも放射性物質が原因だと結論付けたかった木村氏に対して、放射性物質だけではなくもっと他のデータも集めるべきだと突っ込まれてたしね。
チェルノブイリの事故から25年も経つのにまだ解らないんだな。逆に福島では解って無いのに危険だと断定してるわけか?放射性物質は見えなくて危険がすぐには解らない、そもそも危険かどうかも分からないのに危険をこれでもかと煽り本を出版して小出と武田は相当儲かったようだね。
そろそろ小出・武田と山下・神谷で討論番組で対決してもらいたいな。俺は小出・武田が逃げるんじゃないかと思うけどな。なにしろ山下・神谷と違って「専門外」だからね。

09. 2011年8月10日 18:20:42: s3sayX4hUw
セシウム137の体内分布に関しては、セシウム137が身体のどこに多く蓄積するかを、ベラルーシ・Gomel州で10歳までに死亡した52例の子どもの臓器から調べた結果が報告されていますが、この数値と今回のブタの結果とは一桁違います。何故なんでしょう。放送でもサンプルの放射量の機器数値を電卓で計算し直すシーンがありましたが、木村さんのホワイトボードには確かにBq/kgとありました。条件も違い、ヒトとブタの違いがあるにしても差が大きすぎると思うのですが。http://bit.ly/pOkviT

beatrice1600


10. 2011年8月12日 00:18:10: 08wfbyaLjI
>木村真三氏とその一行は陰気臭かったねぇ。黒い背広を着て周りから明らかに浮いていて、何事かと不安そうに見ている村人を権威ぶっている様子で威圧しまくりだったな。

日本人が外国にいるんだから浮くに決まっているのでは?そんなに悪い印象を与えたいんですか?議論以前の問題。

誰が逃げ出すかも勝手な妄想。


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