★阿修羅♪ > 昼休み52 > 816.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
意図的な世論誘導報道で悪魔呼ばわりされているシリア アサド大統領
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/816.html
投稿者 富山誠 日時 2013 年 6 月 08 日 18:44:07: .ZiyFiDl12hyQ
 


シリアの悲劇。

数年前まで平和だった国でも、2年でこんなに無残に破壊されてしまう。

もし、あなたがこの中にいたら、生き残れただろうか?


シリアは数年前まで、平和な国だった。

だから、2011年に、チュニジア・エジプト・リビア・イエメンと、次々とアラブ諸国が国家崩壊を起こしても、シリアの人々は、まさか自分たちの国が破滅的なことになろうとは想像もしていなかった。

ところが、今、この国で何が起きているのか。

それは、この恐ろしい街の破壊された光景を見て欲しい。たった2年で、この国の全土がこのような事態になってしまっているのである。

どこの国でも、戦争が起きる何らかの火種を持っている。日本も中韓に侵略されている最中だ。

第二次世界大戦が終わってから今まで無事だったからと言って、これからも無事である保証などまったくない。

シリアで起きているこの残酷な破壊の跡を、よく見て欲しい。いつの日にか、あなたはこの中で逃げ惑う登場人物のひとりとなるかもしれない。

こんなに凄まじい破壊行為が行われている中で、私たちはどうやって生き延びたらいいのだろうか。

まさか、物陰に隠れて生き残れると思っていないだろうか?

日本でも、明日何が起きても不思議ではない
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130503T0320390900.html

シリアのアサド政権は崩壊の危機に直面しつつある? 2012年12月27日

2011年1月から始まったアラブの動乱は、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンの独裁政権を次々となぎ倒し、今やシリアのアサド政権を崩壊させようとしている。

このアラブの独裁政権崩壊は、最初は国民の蜂起という形にしていた。

しかし、リビアのカダフィ政権があまりにも盤石だと見ると、NATOやアメリカが出てきて政権崩壊に動き出し、これが欧米主導の「仕掛け」であることが明るみになった。

シリアの崩壊もまた欧米が仕掛けている。

ヒラリー・クリントンはシリアを崩壊させるためにシリアの反政府勢力を公然と支援していたが、ついに2012年中にシリアを崩壊させることができず、体調を崩したまま政権を去って行く。

最終的にこのアラブの動乱はイランにまで到達するはずだったのだが、ヒラリーを中心とする一部の勢力はそれに失敗した。

それほど、アサド政権は強硬だったと言うこともできる。

深刻な懸念になっているのが化学兵器

しかし、アサド政権が持ち直すのかというと、ここまで来た以上、恐らくそれは難しい。シリア国内はすでに内戦によって行政も事実上ストップしており、政府機能も麻痺したままである。

物流は止まり、食料も飲料も手に入りにくくなって基礎物資のインフレ率は急上昇しており、現在前年対比で40%以上の値上がり、物によってはそれ以上の値上がりが見られるという。

この国内の混乱に伴って避難民も増え続けており、国連によると、これまで52万人5000人が周辺諸国に逃げていると言われている。

この数はさらに増え続けており、まったく止まらない。一日数千人規模で難民が出ているのである。

内乱の規模は非常に大きなものとなっており、シリア政府もついにスカッド・ミサイルをも使用し始めた。

反体制派勢力の拠点を標的にしているのは間違いないのだが、その拠点には当然、何の関係もない市民も普通に暮らしており、ますます国民が内戦の巻き添えになっていく。

アサド政権はこのスカッド・ミサイルを400発ほど所有している。他にも長距離ミサイルも20発ほど使用しており、さらに今後はナパーム弾も使われる可能性も指摘されている。

そして、もっと深刻な懸念になっているのは化学兵器だ。

2012年12月5日、アメリカのNBCテレビは、アサド政権はすでに猛毒サリンの原料となる化学物質を爆弾に搭載して、すでに使用準備を完了したと報道した。

これらはいつでも発射できる状態にしており、さらにはマスタードガスも準備しているのだという。

ロシアもアサド政権を見捨てた

これはアサド政権を孤立させて自壊させようとするアメリカやイスラエルの、世論誘導のための報道の可能性もあって真偽は確かではない。

懸念を表明したのはパネッタ米国防長官だが、ヨーロッパを回ってダブリンで「シリア化学兵器使用懸念」を大きく煽っていたのはヒラリー・クリントン国務長官だった。

ヒラリー・クリントンの裏にはイスラエルがいる。

逆に言えば、イスラエルがアメリカを引き込むように動いており、ヒラリー・クリントンがその手先になっているという言い方もできる。

イスラエルがこれほどまでシリアのアサド政権を敵視しているのはなぜか。もちろん、シリアがヒズボラやパレスチナ過激派を隠然と支援して、イスラエルの直接的な脅威の「黒幕」だったからである。

その頂点にアサド政権があったのだ。

欧米はそれぞれ温度差があったとしても、基本的にはすべて親イスラエルの姿勢であり、反イスラエルを貫く国は国際社会では苦境に陥るのが現在の潮流だ。

アサド政権もその轍を踏んでいる。2012年中の崩壊は免れたが、2013年も乗り切れるのかどうかは不透明になりつつある。

ロシアはシリアを支援していたが、2012年7月あたりから立場を微妙に後退させており、この動きは2012年12月にはより露骨なものとなっている。

ロシアのボグダノフ外務次官は2012年12月13日には「アサド政権は国土に対する統制をますます失っている」と公言し、プーチン大統領も12月20日にこのように発言した。

「われわれはアサド大統領の行く末は気に掛けていない」
「アサド一族は40年も権力の座にある」
「シリアに、変化は必要だ」

アサド政権の崩壊は、時間の問題でしかない

シリアの軍事的な後ろ盾であるロシアがアサド政権を見限ったというのは、すなわちアサド政権が追い込まれているということでもある。

いよいよ2013年に向けて、シリアは政権崩壊に向けて突き進んでいくということだ。フランスも「アサド政権の終焉が近い」との認識を示しており、NATOはもっと直接的な言い方でシリアの現状を表現した。

「アサド政権の崩壊は、時間の問題でしかない」

だから、シリア政府が持っている化学兵器を、アサド大統領が使用するかしないかの問題になっているとも言える。

シリアはサリンの原料となる化学物質を500トンも備蓄しており、その気になれば都市の人口を丸ごと化学兵器で大虐殺することも可能である。

果たして、追い詰められたアサド政権は、自国民に向けて化学兵器を使用することはあるのだろうか。

オバマ大統領は、「化学兵器の使用はレッドラインを踏み出す行為である」と警告を発しており、アサド政権の自制を求めている。

しかし、不穏が動きがここにきて一気に報道され始めている。

12月22日、シリア軍が化学兵器を1〜2ヶ所に集めていることを報告した。

12月23日、シリア人権監視団は「いよいよシリア軍が化学兵器を使って反体制派の民兵を殺害した」という情報を流して、それが世界中を駆け巡った。

12月25日、ロシアが、シリア人権監視団の発言に対して、「化学兵器は使われていない」と否定した。

アサド政権は確実に疲弊している

では、23日の情報は嘘だったのか。実は、実際に化学兵器は使われたのだが、使ったのは政府軍ではなく、反政府軍のほうであるとイラン政府は報道している。

ラジオイランによると、「テロリストは、現在まで、シリア軍に対し毒ガスを含んだ3つの立方体のプラスチック容器を投げ込み、兵士7名がこれらの容器から漏れた毒ガスの吸引により、死亡した」とある。

国際政治を巻き込んで進められている内戦については、各国の思惑が報道の中に紛れ込み、世論誘導が行われるので、真実がどこにあるのかはまったく分からない。

「化学兵器は使われたのか、使われていないのか」
「使ったとすれば政府側なのか、反政府側なのか」

現状ではどちらとも取れるし、その裏を取る方法はない。現地のシリア人ですら、最前線の兵士ですら、現状がどうなっているのかまったく分からないだろう。

しかし、ひとつ言えるのは、アサド政権は確実に疲弊し、衰退し、追い詰められ、崩壊しつつあることだ。

シリア政府が軍を維持するための資金は、あと数ヶ月で枯渇するとも言われている。先に対する展望がない以上、アサド政権はそこで終焉を迎えることになる。

アサド政権の崩壊のあとには何が来るのか。

今のエジプトやリビアを見れば分かる通り、いっそうの混乱と混沌である。そして、中東の混乱がさらに拡大し、サウジアラビアをも激震するようになると、間違いなく起きるのがエネルギー危機だ。

2012年はシリアの崩壊が先延ばしになったので、エネルギー危機は回避された。しかし、シリアが崩壊したあと、次のアラブ動乱が動き始めると、必ずサウジやイランが動揺する。

エネルギーを軸とした危機が勃発すれば、もちろんグローバル経済はすべて巻き込まれて行くことになる。
http://www.bllackz.com/2012/12/blog-post_27.html

シリアは、アサド政権が持ち堪えても地獄、崩壊しても地獄だ 2013年3月8日


シリアがもはや終わりのない虐殺の大地と化している。2013年3月6日、国連はシリアから周辺国に逃れた難民が100万人に達したと発表している。

そのほとんどは女性や子供なのだが、その理由は明らかだ。シリアの男たちは内戦の地と化した国から、せめて自分の妻と子供たちだけでも何とか助けようとして必死になって逃しているのである。

彼らが行き着く場所は、その多くは周辺国が用意した難民キャンプだが、それは広大な空き地の一角にテントを張っただけの簡素なものであり、そこで女性たちが子供と一緒に集団生活をしている。

国際社会はまったくシリア情勢に関心を示しておらず、難民のケアに必要な支援金はほとんど足りていない。

したがって、水も足りなければ食料も足りない。教育も行き届かなければ、医療も足りない。それなのに、難民の数はさらに増えていこうとしているのである。

混乱が長引けば長引くほど国は疲弊していく

100万人もの人間が着の身着のままのような状態で脱出しなければならないのだから、当然シリア国内はもっと悲惨なことになっている。

アサド政権はあくまでも徹底抗戦するつもりでいる。迎え撃つ反体制派は力不足で、アサド政権を一気呵成に崩壊させることができない。

本来であれば、こういった内戦にはアメリカが真っ先に介入していったはずだ。

しかし、2011年から起きているアラブ諸国の混乱に対しては、アメリカは一貫して直接介入を拒んでいる状態にある。

それは、2013年3月の歳出の強制削減を見ても分かる通り、もうアメリカには世界に介入する資金がなくなってしまっているからだ。

アメリカはイラクからもアフガニスタンからも撤退していく動きを見せており、東アジアでさえも領土拡張主義を取る中国に対して強く出られないでいる。

前国務長官だったヒラリー・クリントンは何とか自分の任期中の2012年までにシリアを崩壊させたかったようだが、それに失敗したまま役職を降りた。

NATOを構成する欧州圏もまたリーマン・ショック以降のユーロ危機によって自国の経済が傷ついている。

つまり欧米の強力なバックアップを得られなかったシリアの反政府軍は決定的な戦力を持つことができていないのだ。それが、シリア内の内戦を長期化させ、膠着させる原因となっている。

これはシリア国民には非常に不幸なことでもある。混乱が長引けば長引くほど国は疲弊し、犠牲者は増え、国家は分裂していくことになるからだ。

中東は、引き続き大混乱が続くことになる

アサド政権も無尽蔵に資金があるわけでもなく、2013年度中に軍費を賄うことができなくなって自壊していく可能性がある。

しかし、それで問題が解決するわけではない。

アサド政権が崩壊すると国内にはイスラム過激主義や、親アサド派や、軍閥がそれぞれ武力を保持したまま残される。

さらにはアラウィ派とスンニ派の対立もある。レバノンからはヒズボラも戦闘に加わっている。

これらの武装勢力がアサド政権崩壊後に新たな内戦を生み出し、やがて国そのものが分裂して、消滅するかもしれない。

シリアにとって、アサド政権が生き残っても地獄、崩壊しても地獄になる。

そして、問題はシリアだけにあるのではない。

リビアのカダフィ政権の崩壊では、北アフリカに最新兵器が流出した。それが2013年のマリやアルジェリアでのテロが引き起こされる遠因となった。

シリアのアサド政権の崩壊も、大量の武器流出で、中東の混乱を拡大させる可能性も指摘されている。

こういった中東地域の不安定化は、必ずイスラエルとサウジアラビアに拡大していくことになるが、そうなれば中東は今でも危険なのに、さらに危険な地域となっていくはずだ。

アサド政権はもはや先のない政権だ。

しかし、本当の混乱は、アサド政権が崩壊したあとに来る可能性が高い。

2011年からの中東・北アフリカは、もう以前とは完全に違った姿になってしまっている。

チュニジア・エジプト・リビア・イエメンと大国が次々と無法地帯化し、それがシリアに拡大し、シリアが崩壊したらヨルダンもサウジアラビアも無事でいられない。

中東は、引き続き大混乱が続くことになる。
http://www.bllackz.com/2013/03/blog-post_8.html

いよいよサリンまでばらまかれるようになったシリアの現状 2013年5月1日

ここのところ、相次いでシリア情勢が「ゲームチェンジした」という報道がなされている。いよいよ、化学兵器が使われ出したからである。

具体的に言えば、サリンが使用されたと言われている。

サリンと言えば、日本人はオウム真理教が行った「地下鉄サリン事件」を思い出すが、まさにそのサリンが今、シリアで使われた形跡があるという。

ただし、情報が錯綜していて、「本当にサリンが使われたのか」「政府軍が使ったのか、反政府軍が使ったのか」が明らかになっていない。

シリア政府と反政府派は互いに「相手がやった」と非難し合っており、アメリカも慎重姿勢を崩していない。

しかし、もし国連が調査に入り、その結果「シリア政府軍がやった」という調査結果が出た場合、それを口実としてシリア政府は一気にNATOやアメリカ軍の介入を受けて崩壊崩壊させられる可能性がある。

欧米は執拗にシリアのアサド政権の崩壊を望んでいる。化学兵器の使用は、軍事介入の格好の口実となる。

大きな政治勢力が背後にあって、それが動いている

誰も指摘しないが、アラブ世界は今、明確に欧米の「標的」にされている。今までの国家体制が根底から破壊されているのである。

それが見えてきたのが2011年だった。

2011年1月にチュニジアで反政府デモが起きるとそれが瞬く間にアラブ世界に拡散して、アルジェリア、イエメン、ヨルダン、エジプト、リビアを包んでいった。

発端となったチュニジアのベンアリ独裁政権は崩壊し、エジプトのムバラク政権も崩壊した。

そして、その流れはリビアのカダフィ政権を直撃し、カダフィ大佐が群衆に引きずられながら殺害されていった。(カダフィ大佐、撃つなと懇願するものの頭部を撃たれて死亡)

アラブの世界で起きているのは、「アラブの親米国家が破綻している」とか「反米国家が破綻している」という括りでは捉えきれない動きだ。

大きな政治勢力が背後にあって、それがアラブ圏リセットのために動いている。それは分かっている。

しかし、誰が何のためにやっているのか、いまだに全貌が見えてこない。なぜなら、アラブ圏リセットの動きはまだ途上にあるからだ。

もし誰かが裏で動いているのであれあば、本当の意図は最後の最後に分かる。そのとき、それは今までとは違うアラブ圏の姿になっているのは想像に難くない。


口や鼻から泡を吹いて苦しむこの症状はサリンに似ていると言われている。

いよいよ、サリンが使われ出しているのか?


アラブ圏の既存政権はすべて崩壊させられる

欧米勢力は、本当は矢継ぎ早にアラブ圏を崩壊させたかった意図があったようで、リビアの崩壊劇も非常に強引だった。

カダフィ政権は民衆の蜂起で自然に倒れたのではなく、無理やり欧米勢力に崩壊させられた。

ここに、「何が何でも」アラブ圏の既存政権を崩壊させるという意図が見える。

もしかしたら、2000年に入ってから、それはずっと意図されていたのかもしれない。

2001年 アフガニスタン崩壊
2003年 イラク崩壊
2009年 (イラン崩壊に失敗)
2011年 チュニジア崩壊
2011年 エジプト崩壊
2011年 イエメン崩壊
2011年 リビア崩壊
2012年 (シリア崩壊に失敗)

2003年から2011年までに間が空いたので、あまり連続しているという感がない。

しかし、長いスパンで方向性を見ると、無理やりアラブ圏を「リセット」している動きや意図があるのが分かる。

イランは実にタフに立ち回っていて欧米の思惑の通り崩壊するに至っていない。

イランが切り崩せないので、イランを飛ばして北アフリカのほうを先に行うように方向転換したように見える。それで、チュニジアからリビアまで一気にきた。

それと同じ意図が、今シリアに向かっている。

シリアのアサド政権は国民の支持を得ており、反政府勢力のほうがむしろ孤立しているのが実態だと言われている。

しかし、欧米メディアではアサド政権が「悪魔の独裁政権」「残虐な殺人政権」のような一方的な報道をしている。


国際社会から悪魔呼ばわりされているアサド大統領


意図的な世論誘導報道で、シリアを悪者に

欧米は、とにかく一刻も早くシリアを崩壊させようと動いている。本来であればシリアも2011年から2012年のどこかで崩壊させられる「予定」だった。

エジプトやリビアを見ると、アサド政権も持たないと誰もが考えたし、ヒラリー元国務長官もシリアのアサド政権崩壊を露骨なまでに「願って」いた。

しかし、アサド大統領は持ちこたえ、現在も国際世論の大反発の中で今でも政権を維持している。だから、ますますシリアに対してのバッシングが燃え上がっているのである。

私たちはアフガニスタンで起きている戦乱の虐殺や、イラクで起きている虐殺はほとんど目にすることはない。メディアはまるでそういったものに関心を寄せない。

しかし、今私たちは、シリアで殺された子供たちの遺体を見ることができる。なぜか。メディアがこぞってそれを意図的に報道するからである。

もちろん、そういった人非道的な行為が行われていることは広く知らしめなければならないし、報道されることには大きな意味がある。

しかし、それは「アサド政権は残虐でひどい国だ」ということをアピールするための意図的な世論誘導報道のひとつである。

そうやってシリアの現政権がひどいと煽り、シリアを崩壊させるのが正しいことだという「世論形成」をする意図が隠されている。

化学兵器にしてもそうだ。政府側と反政府側のどちらがサリンを撒いたのか誰にも分からない。しかし、グローバル・メディアの報道の中では意図的にシリア政府が主導したようなミスリードが行われている。

こういったシリア政権崩壊の世論形成は、これからもアサド政権が崩壊するまでずっと続く。

もちろんアサド政権は非常にクリーンで、崩壊させるべきではないとは言っていない。アサド政権は独裁政権に近く、民主的でも何でもない政権を支持したくない。

だから、アサド政権が崩壊して、本当に民主的な政治が行われるのであれば、それはそれで良いことだ。

しかし、欧米の謀略政治のあり方や、欧米メディアのやり口が正しいとも思わない。

自分たちの都合の悪いニュースは隠し、邪魔な政権に関しては一方的な報道をして世論を誘導する。

シリアという悪い存在と、欧米メディアという悪い存在が、互いにやりあっているというのが正しい現状認識だろう。

最後にどちらが勝つのだろうか?
http://www.bllackz.com/2013/05/blog-post.html?utm_source=BP_recent

トルコの反政府デモ。シリアの混乱がトルコに飛び火している 2013年6月5日

トルコで反政府デモが拡大している。このデモは、イスタンブールのタクシム広場にあるゲジ公園の存続を訴えるデモとして始まっている。

エルドアン首相は、この公園を壊して兵舎を建設する計画を立てたのだが、その建築物が非常にイスラム色の高いものとして反発を受け、デモに至ったと解説されている。

トルコは政教分離政策が進んでいて多くのアラブ諸国と違って世俗主義を取っている。しかし、2003年より政権の座にあるエルドアン首相は徐々にトルコをイスラム主義の方向に舵を進めていた。

2013年5月にはトルコではアルコールの販売規制が強化されて世俗派から大きな不満が出たのだが、そこにイスラム色の強い兵舎の建設が予定されていることが国民の不満に火を付けた。

政府は2013年5月27日から公園の木の伐採を始めたのだが、これに反対する人たちが取り囲み、それから数日後には一気に10万人規模の人となっていった。

5月31日には、ゲジ公園の存続を訴えるデモは、すぐに反政府デモに変質した。

激化していくトルコの反政府運動

政府はこれを暴力的に排除しようとしたが、それに反発してデモ隊も過激化し、一挙に事態は悪化してエジプトの「アラブの春」のような様相を見せ始めた。

イスタンブールのデモは次第に過激化して、催涙ガス、投石、放火、銃撃と、どんどんエスカレートしている。

これらの衝突によって負傷者は1000人を超えている。逮捕者は900人を超えて、すでに死者も2名が確認された。

さらにこの4日間でこの反政府デモが次々と地方都市にも拡大していき、67県でデモが起きている。

トルコの公務員労働組合は、政府の暴力的な強制排除に抗議して、ストライキを開始し、混乱はますます広がっている。

エルドアン首相は強気の姿勢を崩しておらず、この反政府派を「テロリズムと組んだものだと」と激しく批判した。

しかし、トルコ全土で半分以上の県で反政府デモが拡大していることからして、決して少数派のデモではないことが見て取れる。

トルコは欧米諸国から見るとイスラム国家ではあるが、トルコ国民はイスラム主義に傾いていくのを望んでいないことが今回のデモで分かってきた。

情勢が不利であることを悟ったエルドアン政権は、デモから5日経った2013年6月4日、副首相であるアルンチ氏に「デモ隊鎮圧に際して行き過ぎがあった」と認めて国民に陳謝して事態の幕引きに動き出した。

欧米はエルドアン政権を支持している

副首相の陳謝によって混乱はやや収まったかのように見えているのだが、タクシム広場には依然として約1万人近い人たちが結集したままだ。

人々はエルドアン政権の退陣を求めており、予断を許さない事態となっている。

では、これは「アラブの春」となって、エルドアン政権は混乱の中で崩壊していくことになるのだろうか。実は「そうならないのではないか」という声の方が今のところ大きい。

トルコの地理を見ても分かるが、トルコ南部にはシリアがある。このシリアは、アサド政権崩壊に向けた内戦が2年近く続いている。

欧米はアサド政権を崩壊させるために反政府戦闘員を支援しているが、その武器弾薬の中継ルートがトルコなのである。

エルドアン政権もまた親欧米の姿勢を崩しておらず、シリアの反政府組織を共に支援している。

つまり、欧米にとってトルコのエルドアン政権はシリア転覆のためには非常に重要な政権であり、今ここでこの政権が倒れると非常に厳しい事態になる。

だから、欧米はエルドアン政権を支持し、トルコで湧き上がっている反政府デモは鎮圧されるという筋書きだ。

エルドアン政権が、国土の半分以上で反政府デモが湧き上がっているのに強気の姿勢でいるのは、実は根拠がない自信ではなく、欧米が支援しているという背景の中での自信である。

シリアのアサド政権側は、もちろんエルドアン政権がシリアの反アサド派と結託していることを知っている。

これを受けて、シリアの情報大臣は「もしトルコがこのままシリアの内戦に関与するのであれば、トルコ自身が政府崩壊を引き起こすことになる」と警告していた。

シリアの混乱は、間違いなくトルコに飛び火している

つまり、トルコの今回の騒乱はシリア絡みである。

欧米は2011年中にシリアを崩壊させようとしていたが、アサド政権はまったく折れずに計画が狂ってしまい、2012年中にもやはり打倒することができなかった。

シリア内戦は泥沼化して2013年の6月に入った今もまだ勝負の帰結は分からないままだ。

今年初めには、シリアの国家予算は2013年秋には枯渇することから、政権崩壊は秒読みだと言われていた。

しかし、シリアはイランやヒズボラからも軍事支援を受けて反体制派の掃討を非常に効果的に行っており、むしろ瓦解するのは反アサド派ではないかと言われている。

そういった観点から今回のトルコの情勢を見ると、後ろ盾になっているエルドアン政権が動揺しているのだから、シリアの反アサド派の方が情勢が不利になっていることが分かる。

エルドアン政権はすでに10年に及ぶ長期政権である。もはや賞味期限が切れていると言われている。今回の反政府デモによって国民との離反が鮮明化すると、もう次はない。

トルコはエルドアン政権で安定した国家運営が続いたことから経済成長が続いてきた。

しかし、それによって国民の間で格差が広がって、経済成長の恩恵から取り残される国民を増えていた。今回の反政府デモの遠因には、この格差問題もあると分析するメディアもある。

もし、この反政府デモが長期化してトルコが混乱していくと、トルコの経済成長はストップする。それがさらなる反政府デモを引き起こす要因となる。

シリアの混乱は、間違いなくトルコに飛び火しているのだ。

場合によっては、欧米のメディアの楽観論とは裏腹に、トルコもまた混乱に落ちていく可能性もある。
http://www.bllackz.com/2013/06/blog-post_5.html

敵の心臓を食う兵士にあったのは、「戦争の狂気」ではない 2013年5月15日

シリアで反体制派の兵士が、殺したシリア軍の兵士の心臓を死体からつかみ出して切り取り、「おまえたちの心臓と肝臓を食べることを、われわれは神に誓う」と叫んで貪り食おうとしていた動画がユーチューブに流されている。

自由シリア軍に所属している戦闘員だが、自由シリア軍はすぐにこれを戦争犯罪だと声明を出したという。

これについて多くの人々は「戦争の狂気」と表現しているのだが、本当だろうか。この心臓を食べることを神に誓った男は、もはや狂気の野獣となってそれをしているのだろうか。

動画を掲載しておくが、これを見て、狂気と言うには、何か男に冷静なところがあると感じた人はいないだろうか。

実は心臓食いのこの男は、一見「狂気」に憑かれているとしか思えない残虐行為をしているが、実はそうではないかもしれない。

積年に分かって積もりに積もった「憎悪」の解放だったかもしれないのだ。狂気と憎悪は違う。狂気は「我を忘れている」が、憎悪は「分かっていてやっている」ものだ。

この違いは非常に大きいものであり、見逃すべきではない。

反政府軍を熱心に支援するシリア国民もいる

今、シリアでは政府軍と、反政府軍が互いに残虐な皆殺しを繰り返していることはよく知られている。

内戦は内戦なのだが、現場では通常の戦争とはかけ離れた残虐なまでの「皆殺し」が起きており、その残虐性に国際世論が息を飲んで見つめている。

この自由シリア軍はシリア人だけで構成されているのではない。外国から金目当てにやってきたアルカイダや、欧米に金をもらって戦っている傭兵が多数含まれている。

だから、国民を殺すことについても、政府軍を虐殺することについても何ら躊躇がないと言われている。

彼らがシリアに入り、市街戦を演じ、大量虐殺を繰り広げる。そして、捕虜にした兵士は勝手に「処刑」している。

彼らは殺人記録が好きなので、処刑した人間をよく撮してインターネットに上げている。

これを見ると、反政府軍の兵士が政府軍を皆殺しにして喜んでいるように見えるのだが、実はこの反政府軍を熱心に支援するシリア国民も大勢いることだ。

彼らの残虐性を支持しない国民もいるのだが、逆に彼らを煽って残虐性を発揮するたびに歓声を上げる国民の姿も実は多く記録されている。

なぜ、シリア国民は政府軍が残虐に殺されていく場面を見て、「喜ぶ」のだろうか。彼らは戦争で「狂気」に駆られて頭がおかしくなってしまったのだろうか。


狂気があるのではない。憎悪がある

逆にアサド政権側も正義なのかというと、まったくそうではない。こちらもまた反体制側にある国民や村を片っ端から空爆し、破壊し、銃撃戦の中で市民虐殺に走っている。

どのように反体制派の兵士を「処刑」しているのかはこれを見れば分かるはずだ。

彼らのやっていることはサディスティックな「いたぶり殺人」である。

ナイフを手にして、捕虜となった反体制派の人間を、めった刺しにして、最後は自動小銃で死体を破壊するその姿が克明に記録されているのが分かる。

つまり、今シリアで起きているのは、正義ではないシリア軍と、正義ではない反政府軍が、国民を巻き込みながら互いに大量虐殺をしている図式である。

これがもう2年近くも繰り返されており、戦闘が長引けば長引くほど、相互憎悪が募って戦場が残虐になっている。

これは「狂気」なのだろうか?

いや、彼らは至って冷静に、しっかりとメッセージを発しながら残虐行為を行っていることをもう一度確認して欲しい。

彼らは我を失っていない。冷静なのだ。

心臓食いの兵士も「おまえたちの心臓と肝臓を食べることを、われわれは神に誓う」と、自分がやっていることを自覚している。だから、政府軍にメッセージを送ることができるのである。

狂気があるのではない。憎悪がある。


イスラム教徒でも、「違う」イスラム教徒がいる

ところで、シリアでは「同じ」イスラム教徒たちが互いに殺し合っているという印象を持つ人も多いかも知れないが、実際はそうではない。

イスラム教徒でも、「違う」イスラム教徒がいる。

仏教でもキリスト教でも分派があっていがみ合っているのと同じだ。イスラム教徒にも分派があって、いがみ合っている。

シリアも他の中東の国々と同じく、国内にスンニ派とシーア派が別れている。アサド政権はシーア派(アラウィ派)、そして国民の大半はスンニ派である。

つまり、シーア派が、スンニ派を支配している。分かりやすく言えば、少数派が多数派を支配下においている。

シリアのアサド政権が、独裁的な権力体制を志向していたのは、シーア派が少数派なので独裁というスタイルでないと、多数派を支配できないという事情もあるからだ。

2年前のシリアのデモは「独裁政権に反対する」という民主化運動の皮をまとっていた。

しかし、2年経ってみると、この内戦は、いつの間にか宗教闘争のような様相を帯びるようになっている。それは、このような事情があるからだ。

覚えておくべきは、少数派の民族がある国で目立つようになったとき、激しい恨みを買うということだ。

何しろ、自分たちの代表ではない人間が権力を総取りにして、自分たちの上に君臨する。それで、恨みを買わない方がおかしい。


権力を持った少数派は、多数派に殺されていく

君臨しようとする少数派は、必ず報復される。傲慢になった少数派は、いずれ憎悪の中で殺されていく。

必ず、憎しみの対象になって、国内が混乱したときに激しい報復を受けることになる。

シリアの場合は、反政府軍がアサド政権の兵士を殺したら、決まって市民が取り巻いて喜ぶ図式がある。たとえば、以下の映像を見て欲しい。

・建物の上から捨てられている死体は少数派の人間。
・投げているのは反体制派。
・歓声を上げて喜んでいるのは大多数派の国民。

なぜ、少数派の人間が殺されて建物の上から捨てられて見ている人が喜んでいるのか。

それは、大多数派の国民は少数派の人間に徹底して冷遇されていたからである。

戦争が始まって恨みが募ったのではなく、むしろ積もり積もった恨みが戦争で爆発的に解放されている。今まで我慢していた憎悪をここで晴らしているのだ。

それほど、少数派に支配されるというのは、国民にとって屈辱的なことであり、かつ憎悪を募らせる状況である。

どこの国でも、権力を持った少数派は、多数派の激しい憎悪によって殺されていく現象がある。

傲慢になっていった少数派は、やがて多数派のヘイトスピーチの渦に巻き込まれ、何らかのきっかけで大虐殺に巻き込まれて行く。

間違えてはいけない。そこには狂気があるのではなく、憎悪があるのだ。

憎悪が何を生み出すのか、そして憎悪の行き着く最終地点は何なのか、心臓食いの兵士を見ながら考えるのは無駄ではない。憎悪がある場所では、どこでも起こり得る行為だ。
http://www.bllackz.com/2013/05/blog-post_15.html


いよいよあなたも「民族憎悪」を意識しなければならない理由 2013年5月8日


イスラム圏はイスラエルに対しては常に激しい憎悪を抱いているが、その根源となっているのがパレスチナ問題だ。

アラブ諸国は同胞であるパレスチナ国民を混乱と弾圧から救い出すことに失敗し続けて来ている。逆に言えば、それがイスラエル周辺国に激しいイスラム過激集団を生み出すきっかけにもなっている。

中東問題は別に何か難しく複雑な事態が起きているわけではない。ユダヤ人とアラブ人の民族憎悪だ。それが全世界を巻き込む国際問題になっているのは、この双方が国際的ネットワークを擁しているからだ。

ユダヤ人は祖国を持たない民族だったので、もともと国際的なネットワークを持つ民族として生き残って来た。

一方のアラブ人はウンマ(イスラム共同体)によって国際的なネットワークを持っており、イスラムによって国籍を超えて協調する。

だから、イスラエル・パレスチナという辺鄙な土地で起きている民族憎悪が、中東全体を揺るがし、欧米を巻き込んで進んでいる。

韓国の執拗なまでの日本人憎悪が日本人にも感染

民族憎悪は、今も昔も流血と混乱と戦争を生み出す元になっている。一度でも民族間の対立が生み出されると、それは解決されるよりも長い時間をかけて深刻化していく。最後には殺し合いにまで突き進む。

これは、ユダヤ人とアラブ人だけの現象ではない。

東アジアでもいよいよ中国・韓国の日本人憎悪が鮮明になっていく過程にある。特に韓国の執拗なまでの日本人憎悪は、よく報道されるようになり、日本人にも呼応するように韓国人を嫌う人が増えた。

韓国では日本の旗や安倍首相を模した人形を焼いたり、日本人を殺せという下品なプラカードを掲げてヘイトスピーチを吐いている。

こういった行動の裏側には、隠しきれないほどの日本人憎悪が込められているのは明白なのだ。これが民族憎悪というものである。

当然だが、今後は日本人と韓国人の間で流血の惨事が繰り広げられることになっていく。そして、一度でもそういったことが起きると、それが長い殺し合いの始まりとなる。

民族間の相互憎悪は野火のように広がって、最後には国と国が激突するまでに発展していく。どこの国でも隣国とはそのような歴史を刻んでいる。

日本と韓国は、いよいよそのような「流血の惨事」に向けて、ゆっくりと進み出したと認識した方がいい。今、それほどの憎悪が生み出されてきている。


アラブ女性に襲いかかるユダヤ人女性と子供。憎悪が見てとれる。


憎悪に囲まれたまま取り残されたイスラエル

イスラエルは、周辺国から憎悪を受け続けながら存続している国だ。憎悪を向けられれば向けられるほど、それに対して強硬な軍事攻撃で相手を黙らせてきた。

その軍事的優位性はバックについているアメリカとの強い同盟関係にあるのは周知の事実だが、ここ最近はそのアメリカがゆっくりとイスラエルへの関わりを薄めようとしている。

2008年9月15日に起きたリーマン・ショック以降、アメリカは一気に財政的な悪化に追い込まれて国力の衰退が目立ち始めた。

もはや中東で戦争を続けることが不可能になり、オバマ政権になってから相次いでイラク・アフガンからの撤兵に動いている。

2011年1月から起きたチュニジア・エジプト・イエメン・リビアで起きた中東の大混乱においても、アメリカは軍事的に目立った動きは何も起こさなかった。

イスラエルはイランが核保有国になる前にイラン攻撃をするように、執拗にアメリカにけしかけていたが、アメリカはそれにも乗らなかった。

また、シリアのアサド政権に対してもアメリカは表立って攻撃する意図はまったく見せていない。

アメリカが中東に関与してきたのは石油という重大なエネルギーが必要だったからだが、これについてもアメリカ国内でシェールガスが採掘できるようになって中東依存が解消され出している。

ますます、アメリカは中東から足抜けをできるようになりつつあるのだ。もはや、アメリカは中東で軍事的なイニシアティブを発揮することはない。

つまり、イスラエルは中東で憎悪に囲まれたまま取り残されたようになってしまった。業を煮やしたイスラエルは、2013年5月5日に、単独でシリア首都圏に空爆を行っている。


イスラエルが行った非常に大きなシリア爆撃。
核爆弾が落ちたかのような威力だった。


シリアの武器がヒズボラを通して自分たちに向かう

シリア問題に、いよいよイスラエルが関与し始めている。シリアはもはや国際世論から見捨てられた国家であり、アサド政権は遅かれ早かれ崩壊していく。

イスラエルが恐れているのは、シリア政府軍が崩壊したとき、シリアの持つ高度な武器がイスラエルを敵視するレバノンのヒズボラの手に渡ることだ。

リビアのカダフィ政権が持っていた武器はマリの武装勢力に流れて問題になったが、同じことがシリアとレバノンの間でも起きる可能性がある。

ヒズボラはイスラエルにとって「天敵」とも言える存在だが、このヒズボラが実はシリアのアサド政権に加勢するために内戦に加わり始めている。

これはすなわち、シリア政府軍の兵器にヒズボラがアクセスできるようになったことを意味している。

これはイスラエルから見れば、危険な状況だ。

アサド政権が崩壊したら、その脅威はそっくりそのままヒズボラを通してレバノンに移転する。そして、シリアの武器がヒズボラを通して自分たちに向かってくることを意味している。

だから、イスラエルはそれを避けるためにシリアを攻撃せざるを得ない状況になっている。

ヒズボラはシーア派の武装組織だ。この組織は1982年にイランの後ろ盾で誕生した組織であり、今でもイランと深い関係にある。

だから、イスラエルにとってはヒズボラもまた「イラン問題」である。


シリアの人々はこの地獄の中で生きている。
そして、裏にいるアメリカやイスラエルを強烈に憎むことになる。


憎悪が憎悪を生み出すのは当たり前のこと

このヒズボラを追ってイスラエルはシリアの内戦に関与したが、逆に言えば、この事態をもって、シリアの内戦は中東全体に拡大し始めたと言える。

アラブ諸国では、アメリカが反政府組織の裏にいてアサド政権の崩壊を画策していると捉えている。イスラエルが出てくることによって、それは確信になったはずだ。

それは、ますますイスラエルに対する憎悪を生み出すことになり、殺し合いはより拡大していくことになる。民族憎悪は、より大規模な殺し合いとなる。

日本人はこの中東の殺し合いに、もっと関心を持って見つめた方がいいかもしれない。民族憎悪は、すべての日本人にとっても他人事ではなくなっているからだ。

民族憎悪は、一方にその気がなくても、別の一方が憎悪を抱いていると、それがやがては感染して広がって行く性質を持っている。

つまり、日本人が中韓を憎んでいなくても、中韓が反日という「日本人に対する憎悪教育」をして国民全体が日本を憎み始めると、憎悪はやがて日本人にも伝染して相互憎悪になる。

憎悪が憎悪を生み出すのは当たり前のことだ。

今、東アジアでは日本人に対する憎悪が深く、広く拡散している状態だ。マグマが地下で燃えたぎり、地表に向けて上昇し、地表を膨張させ、やがて噴き上げるように、憎悪というマグマも、やがては噴き上げる。

東アジアでも、中東のように、民族憎悪に端を発した殺し合いがいつか爆発することになる。

だからこそ、日本人もこの民族憎悪を意識し、いかに殺し合いが生まれるかを研究しなければならない時代に入っている。あなたは、世の中に憎悪が満ちてきているのを感じないだろうか?


ヘイトスピーチを撒き散らしながら日本の旗や首相に模した人形を焼く韓国人。
まさに、憎悪で満ち溢れていることが分かる。
http://www.bllackz.com/2013/05/blog-post_8.html


溜め息をつくしかない。あまりにも美しすぎるシリア女性 2013-05-30


私たち日本人にとって、アラブ女性というのは本当に縁遠い存在だ。彼女たちは保守的な宗教の中で生きており、活き活きとした日常の姿を見せるのは家族や女友達の中だけだ。

欧米の女性たちのように、ファッションを誇示するような格好はしないし、そんなことをしていたら家族に名誉殺人で殺されてしまうだろう。

だから、私たちが見るのは、黒いベールをかぶった女性たちの姿であり、全体像がどうなっているのか、よく分からない。

ただ、中東の男たちが揃いも揃ってハンサムばかりなので、女性たちもまた非常に美しいことは想像がつく。

シリアもそうだ。シリアの男たちはハンサムでスタイルが良い男が多い。だから、女性たちも美しくなければおかしい。

調べてみるとやはりそうだった。彼女たちは非常に美しい。アラブ女性独特のくっきりとした目、太い眉。はっきりした顔立ちに豊かな髪。

ため息をつくしかない、あまりに美しいシリア女性たち

アラブ人が必死になって自分の妻を隠すのは、あまりに美しいからだという冗談もあるが、これは冗談ではなかったのかもしれない。

このシリアは、今や内戦状態だ。

数百万の難民、数十万の死者、爆撃、生物兵器と暗い話題が続いているが、この中で女性たちは恋愛やファッションどころではなくなってしまっている。

シリアの女性たちは、今、世界で最も危険な戦乱の中で暮らしていると言ってもいい。(市街戦。物陰に隠れて生き残れると思っていないだろうか?)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130503T0320390900.html


この戦場で、女性たちがレイプされているという話も昨年からずっと流れている。
(いよいよシリアでも女性が組織的なレイプの犠牲になり始めた)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120608T0015250900.html


人々は、憎しみの中で政府軍と反政府軍、スンニ派とシーア派に別れて殺し合っている。
(敵の心臓を食う兵士にあったのは、「戦争の狂気」ではない)
http://www.bllackz.com/2013/05/blog-post_15.html


今、いったいどんな女性たちが、この地獄の中に放り込まれているのだろうか。

ため息をつくしかない、あまりに美しいシリア女性たち。彼女たちが2012年から、苦難に落ちている。

001。暴力と破壊の中で、震えながら生きているシリアの女性たちとはベールの下では、このような美しい容姿をしている。

002。太く、はっきりとした眉はシリア女性だけでなく、多くのアラブ圏女性の特長だ。

003。シリア女性の髪はほとんどがブラックか、ブルネット系だ。金髪の女性は、恐らく染めているのだと思う。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130530T0503010900.html  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 中川隆 2013年6月08日 18:55:38 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


                l  /´     `, ,'-´ /`' ',  ` ` .、 ` 、 ̄ ̄ `、       `、     ヽ ̄    / ,
                ∨´   __ /,' / ,'  ,'     ` 、 ` 、 ` 、',       `、  、    .',    / 〈
                l  , ‐'     .// ,' .,'  i,  ` 、    ` 、 `、' , `、    ,   ' , ',    ',  /  /
                 i/ ., '´ ̄,' ̄ ,' ,r'  ,' .,' i i 、   `、    ',  `、 ' , i    ',    ', ',     ', / /7
                 l /   ,'  ,' , ',  ,' .i  i ', ',  ', ` 、   ' ,  ', ',i    .i     ', i    i /l´7´,
                .,イ    ,'   i ,' ,'  ,'  i  ,' ', ',  ' ,  ` 、   ',  ',  i   .i     i i    i /トーi i
                /〈 l    i   i ,' ,' ,',' i i .',  ' , ',  ',_ >‐、―,´,', i    ,'    ,イ i  i  ,' / 〉,'7 l
                .〉l.l.l      i' ,' ,,'  i ', .',   `、' , 、 ' ,` ,__',' ,'', ,'   ,'     ,'i i  i ,'./i7´〉 l
                〈,ヘ l      i ,',' ,'  ', i/、    ',`  ,衍不沁`/,', i  ,'     ,' i .,',  i,'ー、Lト/ .レ'
                ∨〉l      i ,', i', ,',   ',´, `_、     ' .杙てメ ,',',' ,' ,'    ,'i ,' ,', ',  iニ//7 ∠二
                 7、l,i    i i ', i〉,', ' , ', 、仍抃,       , ̄7/ ' ,' ,' ,' ,'   ,'/i ,' ,' ', ', i/7,//
                  ll lY,    i.i ',',' ,'', ',、',`' i`辷'      ////´ ,',' ,' ,'   / / ,'', ,','', .,〈l ,r'
                  l レ.〉   .i,r' ,'  ' , ',`  ∨//,         ,',' ,' ,'    ,' ´  ,' ,','_i,' /
                  '、,イ ',   , ',r' ,',',  ,',,' ,` ∧ `   _    ,' ,' ,'.'    ,'i   ,', ‐ ´ /
                    l  ', ,', ' ,' ' , ,'  ',' ,', ,' `、   く三'   '  , '    ,',' `、/ , -.,.'´
                    l ,'i´ .,'   ,'  ,' ,' ,' ,' ', ,', `,、      , '    , ','三='´   , '´
                    l ,' l .,' ,' ,' , ,'','_,-',,'-‐、 ', ' ,' ',>、  _, '   , ' ,' ,r'´   , '
                     l'  l i ,'  ,' '´.,、l 〈 ‐‐‐、`ー'´    7  , ' , ' , '/
                     .l  .i  i ,'_,-‐'´  ヽ     _ ,- -,'  , ', '  /    ., '              /
     r,-、_ _ _ _ - - - - -.、_ _ _  _l ,∠i i〉 ',  _ 二二_- 、 _ _´   ,'  ,' ,', 'l´    ., '             /
    /`´::::::::ノ          `〈/´`、´,' . '. ´ /::´::〈::'::)`、.  ` ‐ 、', ,' ,',' /l    .,'              /
   ,':::::::::::::::/            ヽ , '     i::::::::::::::::::::::i     `7,' ,'/=,l  ., '             _,'    /
  ,'  ̄  ̄ ´             //7     `、::::::::::::::::/      ,∨'`'三l  ,'  i           , '´,'   //
  ,'                 /  l       `  ̄ ´        ,i三三l    i          , '   /  //
 ,'                //   ∧                 ,l三三l    i       , '    / .//
 i            / 、,- l、, ','、_,-'´>- 、 _               i三三l    ヽ -         ///
 i          /三`´三三.,' /     `` ‐、 _         ,イl三三l             ,r'//
  ' ,    ,-‐∠二、三三, - 、_ ', /          `‐=ー、___/=7∨三=l           , '´/
  `〈 ̄/´      ヽ /   , _〉l             `\三三三=/ ∨三=l  ,      _, ‐ ´,〈
   `く        /  , r .'´  〉、              .\/  )'´  ∨三∧, '     ,_イ´   // \


※ c a u t i o n ※


喉を掻き切られた子供、
顔面の半分を吹き飛ばされた子供、
身体がふたつにちぎれてしまった少年、
顔の下半分が損壊してまだ生きている女性

など、おおよそ普通の人には正視できないような写真が多い。

" いよいよシリアでも女性が組織的なレイプの犠牲になり ...

"1998年から2003年までの大量虐殺のあとにも、まったく集団レイプ事件はとまらず、むしろレイプだけが加速していくような異常事態になっている。

レイプされた女性は分かっているだけで数十万人に達しており、「その惨状は人間の理解を超えている」とも言われている。

一部の被害者は膣に重度の損傷を負っており、適切な医療を必要するということだ。どのような状況下で「重度の損傷」を受けたのか。

どのようにしてレイプされたのかを見れば、それが納得できる。レイプは以下のようにして行われていた。

・棒で膣を刺された。
・カミソリやナイフで切り裂かれた。
・ハサミを突き立てられた。
・自分の家族の前で犯された。
・膣に銃を突っ込まれて撃たれた。

最初にこれらの残虐行為を行ったのはルワンダの兵士だったが、コンゴ内の兵士、あるいはブルンジとウガンダのグループもまた加担していて、もはやレイプの無法地帯となっている。

レイプされる対象もまたすべての年齢にまたがっており、わずか3歳の幼児も、あるいは妊婦でさえレイプされたという。

そして、レイプされるのは女性だけでなく男性もだ。肛門を集団で犯されている。

これが、コンゴの「今」の状況である。"


戦争とレイプ(3)コンゴのレイプ地獄から逃げて国境でも輪姦 (via yasai014)
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_08.html


"上記の死体は髪を剃られ、手足が切断されて見つかった女性の死体だが、まだティーンエイジャーほどの若い女性であることが分かる。切断痕からすると、これはチェーンソーで切り取られたのだろう。

切断のときに飛び散ったであろう大量の血液はきれいに水で洗い取られているが、単に切断して捨てるだけならそんな手間は必要ない。手間をかけたのは当然、「撮影」するためだったはずだ。こういったケースがメキシコで横行している。

また、こういった正真正銘のレイプ・スナッフビデオを愛好する変質者も世界には多くいるようで、然るべき筋に売られている。

メキシコの女性たちは、レイプされたあとは殺されることが多いようだが、その殺害場面や死体の切断場面まで記録されて出回る。人権侵害どころではないのは言うまでもない。"

殺戮大陸メキシコの狂気(5)被害者の下着が舞うレイプ・ツリー (via yasai014)
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_5173.html


"拉致し、暴行し、用済みになったら殺してバラバラにして「ごみ」としてゴミ箱に遺棄するのだから、被害者の尊厳などどこにもない。もちろん、その中には未成年も多く混じっている。行方不明のままの女性も多い。

死体が発覚されたくない場合は、酸(苛性ソーダ)で溶かすケースもあって、2009年1月に逮捕されたサンディアゴ・メザという男はそういう仕事を10年間続けていたという。処理した死体は300体。

一週間で600ドルをもらって、死体を溶かしていたという。この男の通称が「シチュー・メーカー」だった。この男の「職場」の画像もあるが、ドラム缶の中は見ないほうがいいだろう。"

殺戮大陸メキシコの狂気(5)被害者の下着が舞うレイプ・ツリー (via yasai014)
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_5173.html


"これとは別に、アメリカに密入国しようとしている女性を狙って、麻薬カルテルが片っ端からレイプしている事実もある。

彼らは女性をレイプした印に、被害者のパンティーやブラジャーを木に引っ掛けて誇示しているのだという。このような木を現場では「レイプ・ツリー」と呼ばれている。

レイプ・ツリーは途切れることなく延々と続き、何年も何年もそれが繰り返されている。被害に遭った女性たちの話では、夫が隣にいるそのすぐそばでレイプされる女性もいるということだ。"

殺戮大陸メキシコの狂気(5)被害者の下着が舞うレイプ・ツリー (via yasai014)
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_5173.html


"日本ではまるっきりシリアについては無関心な状態が続いているが、現在シリアでは国内のあちこちで虐殺や銃撃戦や爆撃が行われている。もはや内乱に近い状態だ。

そして、ほとんど毎日のように無残な遺体の山が築き上げられてそれを見続けているが、以前よりも死体損壊に対する残虐度も上がってきている。

子供たちも銃撃や砲撃で犠牲になっている。

喉を掻き切られた子供、顔面の半分を吹き飛ばされた子供、身体がふたつにちぎれてしまった少年、顔の下半分が損壊してまだ生きている女性など、おおよそ普通の人には正視できないような写真が多い。"

いよいよシリアでも女性が組織的なレイプの犠牲になり始めた (via yasai014)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120608T0015250900.html

http://shi92.tumblr.com/


暴力蔓延はレイプの時代の幕開け。経済崩壊のあとの世界 2011年8月29日月曜日


そろそろ、学習したほうがいいかもしれない。これから暴力の時代に入っていき、そうなると真っ先に狙われるのは女たちであることを。

戦争が起きたり、国が無法地帯になったとき、もっとも弱い存在になるのが女性たちだ。これから女たちにとって受難の時代がやって来る可能性がある。

戦争が起きたらレイプが横行する現実

日米欧で経済悪化が深刻化しているのが今の状態で、いずれ先延ばしができなくなって様々な国が破綻していくことになる。

当然、どこの国でも治安が悪化し、暴動が起きたり、内乱が起きたり、最期には恐らく戦争になる。

日本もグローバル社会に組み込まれているし、今まで圧倒的な軍事力で守ってくれていたアメリカが衰退することによって近隣国家から侵略も受ける可能性もゼロではない。

法の庇護がなくなれば、あとは肉食獣のような男たちが、暴力や、権威や、金で女たちを貪り尽くしていくことになる。

外国からの侵略を受けた国・民族・組織の女性は、常にレイプされているのはよく知られている。

ヒトラー率いるドイツ軍がロシアで何をしたか。アウシュビッツのユダヤ女性に何をしたか。日本軍が中国で何をしたか。敗戦したナチスドイツになだれ込んだロシア兵がドイツ女性に何をしたか。

そこではレイプが吹き荒れていたのではなかったか。

もちろん、遠い過去の話ばかりではない。独立運動を戦っていた東ティモールでインドネシア軍が民兵と共に何をしたか。

ルワンダでツチ族、フツ族の女性たちがそれぞれどうなったか。セルビアでの民族浄化とは何だったのか。 コンゴの女性たちはどうなっているのか。

コンゴの集団レイプ事件は、いまだに終わっていない。国連軍の目と鼻の先で女性が家族の前でレイプされているのである。


レイプされ、焼き殺されそうになったコンゴの女性


レイプされ、目をつぶされたコンゴの女性

・戦略的に女性をレイプ。史上最悪の暴力国家コンゴ
・コンゴのレイプ地獄から逃げて国境でも輪姦

2011年2月から8月までの半年間、リビアではNATO軍とカダフィ政権が激しく戦闘を繰り広げて国内が内乱状態になった。そこでもレイプ戦略が取られて独立派とカダフィ派が互いに相手の女性をレイプして回ったと言われている。

それぞれを仔細に見てみれば、まさに女性たちが血まみれになってレイプされ続けた残虐な記録で満たされている。その凄絶さは吐き気を催すほどである。


マン・アルオベイディ。
カダフィ派の兵士15人にレイプされたと訴えて泣いている。


戦争になれば正義など吹っ飛んでいく

歴史が冷酷に示しているのは、女性は略奪・レイプの対象だという事実だ。

有事になった瞬間に、人権という概念が失われる。剥き出しの暴力と欲望が秩序に取って変わる。歴史がそれを教えてくれている。

イラクの「治安維持」のために駐屯しているアメリカ軍でさえ、アブ・グレイブ刑務所で、イラク女性をレイプしていたという事実が英紙によってすっぱ抜かれた(レイプ写真まで出回った)。

ちなみにレイプされた女性の多くは自殺、妊娠した状態で保釈された女性は家族に一族の屈辱だと言われて殺されたという。

オバマ大統領はそういった写真の公開を見送って、今も事実が公開されていない。 一部の写真が漏れ伝わっているが、氷山の一角である。

正義がそこにあると思ってはいけない。戦争になれば、正義など吹っ飛んでしまうのである。

2011年エジプトのムバラク追放の民主化デモの際、取材に行っていたララ・ローガンは、独裁主義を倒す正義の集団と喧伝されていた民主化デモの男たちにレイプされたのは記憶に新しい。


レイプされたララ・ローガン

実は彼女がレイプされていた場面は動画としてあったようで、それを見た関係者は「彼女は6人の男に膣を犯され、無数の男が肛門もレイプ、さらには片方の乳首も噛みちぎられたように見える」と記している。


誰も助けに行かなかった

暴力時代になったとき、真っ先に女が犠牲になる例を挙げよと言われれば、いくらでも例を上げることができる。

スハルト政権が崩壊する寸前、スハルトは暴徒の矛先を華僑に向けるために、特殊部隊を使ってジャカルタ北部のコタを襲撃するように煽動したが、その際も華僑の女性たちが片っ端からレイプされて殺されていった。

このときのレイプ写真もやはり一部で出回っていたが、白昼の混乱した街で女性が男たちに羽交い絞めにされたままレイプされているものだった。


レイプされる華僑の女性


レイプされたあとは焼き殺されていた

写真と言えば、東ティモールで兵士たちが女性を踏みづけにしたり、上半身裸にして取り囲んだり、殺害した女性の死体を穴に棄てている写真も出回った。

最初から拷問し、殺してしまうことを目的にしてやっているのである。このような人権侵害が起きていることは20年間も訴え続けられていたが、国際政治は完全に「無視」を決め込んでいた。

アメリカも、ASEAN各国も、国連も、東ティモールの女性たちがレイプされ続けているのを知りながら、誰も助けに行かなかった。

こちらは東ティモールの実態を描いた書籍にも収録されているので知っている人も多いのではないか。


軍や警察が国民の敵になっていく

女性の時代というのは、平和時にのみ存在する概念であることを女性たちは気がついているだろうか。

それは非常にもろい基盤の上に成り立っているものであり、法と秩序が失われた瞬間に、すべての女は身の安全が保証されなくなってしまう。

治安悪化が当たり前になるときは、経済も破綻しているときだから、公務員の汚職、モラルの低下も起きている。これは何を意味するのかというと、警察までがアテにならない存在になっていくということである。

いや、軍や警察が国民の敵になっていくこともある。

インドネシア警察が売春婦を逮捕しては署内で「セックスすれば保釈してやる」と言っているというのはよく新聞沙汰になっていた。

インド・ゴアで、三人の警官が道端に立っている娼婦を捕まえて車内に押し込み、そのまま脅してレイプした事件があった。

この警官たちはそれを携帯電話でビデオに記録していて、同僚たちに見せて「自慢」して回っていたという( THE TIMES OF INDIA より)。

それだからこそ、世界が平和であることは女性にとっては最重要事項である。いざとなったら警察が守ってくれるなど、そんなことはあり得ない。警察こそが女性の最大の敵になるのである。


狂気のような犯罪者も解き放たれる

また治安が悪化していけば、当然のことながら犯罪も増えていく。女性をターゲットにしたレイプ犯罪も増えるだろう。

連続レイプ殺人が増えるのも、だいたいが警察権力が弱いときである。

もともと世の中には一定数のサディスト、ネクロフィリア、ネクロサディストといった危険な嗜好を持った男たちがいる。

普段は妄想の中にしかなかった彼らの性癖は、警察組織が弱まったと分かったら、弾けるように世の中に出ていくのである。

彼らは暴力を振るうことによって性的な快感を得る。

最初は、殴りつけたり、首を締めたりしているだけで満足を得ているのだが、そのうちにそれで飽きたらなくなり、一線を超えてしまう。

狙いをつけた女を殴り殺し、レイプし、死体を損壊し、ときには食べてしまったりする。このひとつひとつの行為に薄気味悪い名前がつけられている。

殴りつける サディスト
殺してレイプ ネクロフィリア
死体を壊す ネクロサディスト
死体を食べる カニバリズム

治安が悪化していくと、おおよそ正気とは思えない男たちが夜の街を徘徊して事件を起こすようになる。治安の悪化によって、狂気の犯罪者が解き放たれるのである。


レイプ殺人の現場


乳首がちぎられている。
犯罪者にネクロサディストの心理が見える



乳房の損壊を見ても、サディスティックな殺人であることが分かる


激しく損壊されている女性の死体。
腕が切り落とされ、内臓が取り出されている。
典型的なネクロサディストの殺人だ。


・ 暴力性愛・死姦・死体損壊は、どのような快楽なのか
・おぞましき屍姦の事件に、心の闇をのぞき込む


そろそろ暴力時代が来ることの覚悟を

平和が失われる理由はいろいろある。宗教問題、領土問題、民族問題、経済問題。

日本を含めた先進国が瓦解していくのは、経済問題が立ち行かなくなった時だろう。

日本でも、失業者が増え、財政がパンクし、債務不履行(デフォルト)を起こして世界中から信用を失くす時が来るかもしれない。

そうなると、今の日本では軍事力もなく、政治的交渉力もないので、そのまま侵略の対象となってもおかしくない。

世界を見渡してみれば、ほとんどの国の男たちが好戦的であり、無慈悲であり、銃の扱いを知っている。

第二次世界大戦後、日本はアメリカの庇護の下で、すっかり平和に慣れてしまったが、そのせいですっかり平和主義になって、銃の扱いすら知らないでいる。

今まではそれでよかった。しかし、もうこれからはそうはいかない。

治安悪化、テロ、暴力で満ち溢れていくので、これまでのような状態のままだと抵抗すらできないのである。

しかし、アメリカの覇権が失われていくと共に、日本に対する庇護が消えていく。

いよいよ日本も、自ら血と暴力の世界に足を踏み入れるしかない。そういう時期に来ている。

冒頭に書いた通りだ。無法地帯になったとき、もっとも弱い存在になるのが女性たちだ。

法の庇護がなくなれば、あとは肉食獣のような男たちが、暴力や、権威や、金で女たちを貪り尽くしていく。

日本人はそういう時代が来る可能性もあることを覚悟したほうがいいのではないだろうか。
http://www.bllackz.com/2009/12/blog-post_07.html

戦争とレイプ(1)アブグレイブ刑務所の惨劇
http://www.bllackz.com/2009/06/blog-post_08.html

戦争とレイプ(2)戦略的に女性をレイプ。史上最悪の暴力国家コンゴ
http://www.bllackz.com/2010/09/blog-post_09.html

戦争とレイプ(3)コンゴのレイプ地獄から逃げて国境でも輪姦
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_08.html

戦争とレイプ(4)スリランカ軍がゲリラ女性兵に行ったこと
http://www.bllackz.com/2012/05/blog-post_02.html

9ヶ月の赤ん坊もレズビアンも強姦される。南アフリカのレイプ地獄
http://www.bllackz.com/2010/12/blog-post_10.html

経済破綻・貧困・戦争がやってきたとき、女たちの人権はまったくない
http://www.bllackz.com/2009/12/blog-post_26.html


02. 2013年6月08日 19:14:02 : W18zBTaIM6

いつもは顔を隠してるアラブ人達がこんなにエロかったなんて知ってた?【38pic】
http://w-t-f.jp/archives/28062378.html

03. 中川隆 2013年6月08日 21:10:32 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


  / | | |     |i :ili、   l  |  |      ヽ ヽ!          /  ;イ
. /  | }|   ヽ\,__ili_i、   l   |  l     ハ    ┼   | ̄|  /   //
_,. イ! |  |      「 il|ヘ  |   |        !   |二|  | ̄|  レ/ / /
; i|l|i|リ        ,;iii yz ,z, |  |   l |     |  .|_|  | ̄|  レ  /
≠y、li|li|i      ″ '´ rぅxヾ寸、 ll   ! l      |   ┼ ノ  」     ./
气 `  ゙r;    ;  、、 ゝ‐′リii小从  |「`ヽ ヘ.{   _ク_  ヽ/    /
:ツ / 〃    {   \`‐=彡'″{^Yl}   | '.     `  |__|__| 二|二   /
=彡 ''"     丶         「゙弋ー、l  i      .|__|__| _|_  /  /
                     | 、 \ 、 |     / | | ヽ  |    /  ィ
         n  r        !|l  l ;;l :!        人    /イ//
           _,           | ||  l | | |       /  \    /
.     , /⌒ー'⌒ヽ.〈       ! l{  ' Vl |      ノ     \  /イ
    / /「「「「「「「「「「「い     jll{   Yj|      __|_ ヽヽ   ./ ,.イ
\ ll /!i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|} |i     /ノ   ,;i }`  、      | ー     /,、-'´/
  `ヽ{ レ'´  `く  ヽl| |i   /     ″′   ヽ     .| ヽー      /
     ヽ         ノ ′,;ii/        /            |       /
     ト- ==== ''" ,,;iill/       /       }       |      /
.      ノ        /iilil{        /       {      |      ``‐-、._
≧== 彡l||llx _ イ ∧         /     ,勿 ヽ     .|      _,、-‐'"
   ̄`xl|i彡'´    / ハ      〈    彡'´  ノ    | | | |    \
                                | | | |      \

シリアのアサド政権が崩壊すると、石油パニックがやってくる 2012年8月21日

シリアが激しい暴力の渦に巻き込まれている。アサド政府を支えるシリア軍と、政府支持のシャビーハ(民兵)が、反体制派を匿っている地域や村に襲いかかって虐殺を繰り返している。

その一方で、反体制派武装組織「自由シリア軍」は、イギリスやトルコから支援を受けて武器を拡充して住民を巻き込む形で戦闘を繰り返している。

自由シリア軍はアサド政権との話し合いを拒絶、事態が泥沼の状態になってきた。

メディアはこぞってアサド政権批判

シリアで何が起きているのか分からないのは、戦闘の最先端にいる兵士が、私服で戦っており、外部には誰がどちらなのかまったく見分けが付かないこともある。

また、あちこちで虐殺が起きているが、政府側と反政府側が互いに「相手がやった」と言って攪乱作戦を取っているので、真相もうやむやなままになっている。

真相を解明しようとしても、しばらくするとまたどこか別の場所で大虐殺が起きて目がそれていく。あとに残されたのは積み上がる遺体だけである。

2011年に起きたリビアのカダフィ政権の崩壊は、最初は民衆の抵抗だと言われていた。

しかし、カダフィ軍があまりにも強固であることを見ると、突如として欧米NATOが出てきてカダフィ軍を攻撃しはじめて、中東の大混乱は欧米が主導しているという姿が全世界に知れ渡った。

今回のシリアの大混乱も、反体制派である自由シリア軍に対してイギリスが支援している。

そして、メディアはこぞってアサド政権批判に回って政権崩壊を促している姿が垣間見える。

ひとつひとつの事件、虐殺を見ていると、双方の攪乱作戦に巻き込まれて何が起きているのか見えなくなっていく。

現場に入って何が起きているのかを知ろうとするジャーナリストも片っ端から殺されていくので、ますます様相が分からなくなっていく。

だから、俯瞰してシリアを見つめるしかない。そうすると、シリアもまた、2011年から始まった中東の民主化デモのひとつとして「欧米が崩壊を望んでいるのだ」ということが分かる。

アラブ世界壊滅の計画が2001年から始まっている

2011年から欧米が中東を破壊して回っている。「アラブ世界壊滅」の計画が進んでいる。これは2001年から計画が始まっていた可能性もある。

アメリカはアフガンとイラクを完膚なきまでに叩きつぶし、サダム・フセイン政権を崩壊させ、タリバン政権を崩壊させた。

2009年にはイランのアフマディネジャド政権を崩壊させようと民主化デモを引き起こして大混乱を狙った。しかし、欧米はイランを崩壊させることに失敗した。

折しもリーマン・ショックで欧米は経済崩壊寸前になってしまったのでイランとの核戦争シナリオは急速に萎んでいき、アメリカ主導の「アラブ世界壊滅計画」が頓挫した。

そこで今度は西から「アラブ世界壊滅計画」が進められて、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンと、次々にアラブ世界が崩壊させられていった。

これで終わりではなく、さらに現在はシリアが標的になっており、このあとにはサウジもイランも続いている。

シリアの政権崩壊が画策され始めたのは2011年3月からだ。

アサド政権はチュニジアやエジプト式に、なし崩しに崩壊すると最初は見られていた。

しかし、アサド大統領が徹底抗戦したために、「アラブ世界壊滅計画」がシリアで足踏みしている。

欧米各国の首脳は、最初に起きたアラブの民主化の動きには右往左往して戸惑いを見せていた。

しかし、あるときを境に突如としてこの動きに便乗してアラブ世界の崩壊に積極関与するようになっている。


アサド政権が崩壊すると、石油パニックが

「アラブ世界壊滅計画」の最終目標はイラン政権の崩壊にあると考えられるが、その過程で、サウジのような産油国も大混乱に巻き込まれていく。

だから、石油価格は覚悟しておいたほうがいい。もしかしたら新たな石油ショックが引き起こされて、世の中が一瞬にして激変する可能性がある。

石油の高騰が引き起こすのは、ハイパーインフレと、新興国の暴動と、大恐慌のような経済不況である。

日本の高度成長を終わらせたのは、1973年と1979年に起きた2つの石油ショックだった。

現在は、いまだリーマン・ショックの余波でグローバル経済がダッチロールのような状態になっていて、先進国が軒並み苦境に追いやられている。

そこに新たな石油ショックが襲いかかれば、グローバル経済は音を立てて瓦解する可能性もある。

折しも日本の福島第一原発の爆発から、全世界で原子力発電の見直し機運が生まれているが、そうなると代替エネルギーの開発が間に合わないから、人類は再び「石油」に戻らざるを得ない。

そんなときに、石油に異変が起きるのだから、これから相当な激変が来るのは分かっているし、世の中がめちゃくちゃになるのを覚悟しておくべきだろう。

シリアのアサド政権が崩壊すると、次はサウジもイランも控えている。これらの国が「アラブ世界壊滅計画」に巻き込まれていくと、石油パニックがやってくる。

そういった意味で、シリアの内乱は他人事ではない。
http://www.bllackz.com/2012/08/blog-post_21.html

リビアの内戦をチュニジアやエジプトの民衆革命と同一視してはならない 2011年3月5日


リビアの反政府勢力が欧米に空爆を要請したとのニュースが流れた。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011030300019


2011/3/5

リビア内乱・・・カダフィの汎アラブ主義  時事/金融危機

クリックすると元のサイズで表示します

■ リビア内乱の深層 ■

今回は記事の紹介です。

ソース→http://www.infowars.com/world-cheers-as-the-cia-plunges-libya-into-chaos/

【CIAの働き→リビア混迷化で世界は狂喜する】
by David Rothscum

カダフィが支配するリビアは国民を抑圧していたのか?もう一度ここに事実を呼び起こしてみよう。

混迷化以前、リビアで投獄された人間の数はチェコ共和国のそれより少なかった。アフリカ諸国の中でリビアは一番乳児死亡率が低かった。リビアの寿命はアフリカ諸国の中で最も長かった。栄養失調にかかっていたものは国民人口の5%以下。高騰する世界の食糧価格に対してリビア政府は早くから手を打っていた。「食品税」をすべて撤廃したのだ。

リビアの人々は豊かに暮らしていた。

一人当たりの購買力で見ると、リビアはアフリカで一番GDPが大きい。政府は国民全員にシェアがいきわたるよう富の分配に努力してきた。リビアはアフリカ大陸で最もHDI(人間開発指数)が高い。富は平等に分配されてきた。リビアでは貧困ライン以下の暮らしをしている人の割合はオランダよりも低い。

何故リビアはここまで豊かになったのか。

その答えはもちろん「原油」だ。実質「シェル石油」に支配されているナイジェリアのようなアフリカの国々と違って、原油埋蔵量が豊富なリビアは外国企業に自国の原油を盗ませて国民を飢餓に追いやったりしなかった。
国民を犠牲にしてパイの自分の取り分だけ多くしようとする腐敗した官僚がいるのは他の国々と同じだ。これに対処するため、カダフィは原油からの収入を直接国民に還元することを主張してきた。カダフィの見解では、「政府とは国民を欺く」ものだからだ。欧米の新聞記事は間違って書いているが、カダフィはりビアの大統領ではない。実際政府の中に彼の公職はない。これが大きな誤解だ。メディアはカダフィがリビアを支配している、と報じているが、実際は違うのだ。彼の地位は儀式的なものだ。それ以上でも以下でもない。言ってみれば「建国の父」のようなものだ。

リビアの真の指導者は国民から間接的な選ばれた「首相」である。現在の首相はバグダッディ・マハムーディである。カダフィをリビアの指導者と呼ぶのは、(日本の)明仁天皇を日本の指導者と呼ぶようなものだ。

欧米のメディア報道とは違い、リビア国内の意見は分かれている。カダフィを支持してマハムーディを追い出したいと思っている人もいるし、カダフィもマハムーディもいらないと主張する人もいる。もともと平和な暮らしをしていたいと思う人のほうがはるかに多いのだ。しかしリビアの指導者とみなされているカダフィに抵抗する反乱・革命だと描いて報道したほうが観客は飛びつくのだ。カダフィは汎アラブ主義と社会主義を適度にミックスさせて現在の政治制度、イスラム政府を作っただけなのだ。

先ほどまで流されていカダフィを支持する民衆の運動がたユーチューブから消えている。「カダフィ支持反マハムーディの人々のデモ」のテープと「ロンドンのリビア大使館前のカダフィ支持のデモ」テープが。切れ切れになった死体よりもっとショッキングなのは、優勢な体制側につかず、カダフィを追い出すために市中のデモ二トンかする人々の姿だ。

リビアの反体制派はエジプトやチュニジアの反体制派と同質なのだろうか。

全く違う。政府の対応はもっと暴力的だ。明らかに過激な暴力が国民に対して使われている。しかしデモ隊の行動に注目してみよう。怒った民衆は一般民衆の議会の建物、即ちリビアの国会議事堂に火を放った。これはデモ隊が米国会議事堂に火を点けるのと同じだ。アメリカ政府だったら、デモ隊が国会議事堂に火を放つのを黙ってみていると思うか。

現在起こっている暴動は、変化を求める非週休的な若者、によるものではない。エジプトやチュニジアで私たちが見てきたものとは異質のものだ。

「バルカのイスラム首長国連邦」と名乗る武装勢力が多くの人質を取り、警官2名を殺害した。バルカとはリビア北西部の以前の名前だ。2月18日(金)、少し前のことだが、この武装勢力はある港湾都市を襲撃し、4名の兵士を殺し、7千万台の車を盗んだ。軍のある中佐がグループに関与していて、以前からあろうことか大量の武器を彼らに与えていたのだ。武装蜂起はベンガジの東部の町から始まった。イタリアの外相が「ベンガジのイスラム首長国が独立を宣言するのではないか」と不安をあらわにした。

ここで、一体どこからこの突然の武装蜂起はもたらされたのか、という疑問が起こる。

この武装勢力に何十年も前から資金を提供していたのがアメリカだ。リビアを征服しようと機会をうかがっていた彼らが、チャンスとばかりに行動を開始したのだ。最近リビアで数多くの略奪や破壊工作をしてきた一派が逮捕された。外国籍のものが何十人も含まれていたことがわかった。リビア政府は「イスラエルとの関連を排除できない」と語った。

英国もリビアのアルカイダの分派に資金を提供していた。カダフィ暗殺を狙って。リビアの最大反政府勢力は「リビア救国国家最前線」(リビア救国フロント)である。この反政府勢力に資金を出しているのは、サウジアラビア・CIA・フランス諜報局である。この一派は他の反政府勢力と合体して「リビア野党国家会議」を結成した。2月17日「怒りの日」と叫んでリビアを混迷に陥れたのはこの組織であった。

彼らはこの武装蜂起を長年カダフィ支配に反対してきた保守的な都市ベンガジで起こした。注目すべきことは、「リビア救国国家最前線」(リビア救国フロント)は十分に武装されている、ということだ。1996年この一派はリビア東部で革命を起こそうとたくらんだ。NFSL(リビア救国国家最前線)の武装部隊、即ちリビア国軍を利用して蜂起を計画したが失敗した。

何故アメリカはこれほどまでに反カダフィなのか。

アメリカがアフリカの覇権を掌握する際にカダフィは大きな脅威となるからである。なぜならカダフィは反米を合言葉にアフリカ大陸を統一しようといているからだ。そのコンセプトは「アフリカ合衆国」である。実際カダフィはアメリカの利害に反するあらゆる構想を胸に暖めている。

カダフィはアメリカを非難する。「アフリカ大陸にHIVを繁殖させたのはアメリカだ」と。彼はいう。「マーティン・ルーサー・キングとジョン・F・ケネディの暗殺を陰で操ったのはイスラエルだ」と。「9.11のハイジャッカーたちはアメリカで訓練を受けた」と。また彼は9.11の後リビア国民にアメリカ国民のために献血せよと勧めた。

カダフィはまた「穏健汎アラブ社会主義革命家」の時代の最後の現役指導者だ。ナセルやフセインが排除された今となっては。そしてシリアがイランの同盟国となった今では。

一方アメリカとイスラエルはアフリカが強くなることなど一向に望んでいない。それどころか計画の根本にあるのは、リビアを混乱させ無政府状態にしてアメリカとイスラエルに跪かせることだ。

2010年後半、英国はリビア政府に武器を売りながら(武器商人で稼ぎ)そのてこ入れに余念がなかった。

リビアを破壊するのに内戦以上に確かな方法はあるだろうか。そういうちょっとした戦争を起こすには、リビアの部族制度を利用すればいいのだ。リビアはもともとさまざまな部族に分かれていたのだから。

これがリビア政府が外国人傭兵を雇い入れた理由でもある。ベンガジでは部族への忠誠が政府への忠誠に優先する。そういうわけで中央政府は国の東部を統制することはもはや不可能だ。傭兵を使わなければ部族間の闘争が始まるだけだ。

カダフィは41年かけて国を同質化しようとしてきた。しかし反政府勢力は外国政権から資金援助を受け国を19世紀の状態に逆戻りさせようとしている。がそれにはもう少し時間がかかりそうだ。

過激な暴力がリビア中に吹き荒れている。しかし誰もが状況はエジプトやチュニジアとは全く異なるのだということを忘れている。部族の絆が強いほど闘争は長く激しくなる。したがってより多くの血を奪うことになる。

いも繰り広げられているリビアの激しい内戦をチュニジアやエジプトの革命と同一視してはいけない。後者の革命は食糧不足と貧困から起こった平和なデモである。腐敗した政府への抵抗である。リビアの混迷は部族間の闘争を含んでいる。原油の争奪戦が絡んでいる。ベンガジ周辺のリビア東部が彼らの本命なのだ。過激なイスラム反政府勢力。遠く外国で西側諸国からの支援を受け政権転覆を狙っている亡命者組織。彼らが一般民衆にまぎれて暴動を過激化している本体なのだ。

カダフィは41年前病気の君主から無血クーデターにより政権を勝ち取った。「統一」のイデオロギーに基づき、エジプト・シリアと平和的統合を目指そうとしていた矢先に「民主主義デモ」感染を仕掛けられたのだ。

リビアの激動が収まってリビアに民主主義政府が樹立するなどということは奇跡が起こらなければあり得ない。パキスタンの二倍以上もある国土には広大な砂漠が広がり、都市間の行き来は想像以上に困難だ。過酷な地理的条件が民主主義で国土全体を統制することをさらに困難にしている。

引用終わり


■ 国民国家という概念が希薄な国々 ■

部族社会が色濃く残るアフリカや、イスラム教の宗派間の対立や民族対立がある中東諸国で、フセインやカダフィの様な独裁者が排除された後には、内乱と国の荒廃、そして欧米による収奪が待っています。

日本は第二次世界大戦後、アメリカに従順な国家と国民に変貌しましたが、それは日本が既に強力な中央集権国家であった事と、国民国家思想が当たり前の近代国家として成熟していたから出来た事です。

国家よりも部族や宗教への帰属意識の強いアフリカや中東の国家は、強権でしか統一を維持出来ません。

アフリカや中東の国境が直線的なのは、宗主国の手抜きでは無く、部族間対立や民族間対立の火種を永続させる為の策謀で、イギリスの常套手段とも言えます。

■ エジプトとは異質なリビア内乱 ■

エジプトの民主化運動は、「暇な若者のエネルギー」によって引き起こされました。これは日本における「安保闘争」と同じ構図を持っています。
エジプトではその運動に貧しい人々が賛同し、軍が見逃した為にムバラク政権が崩壊しました。
日本の「安保闘争」では、打算的な大人は若者を支持せず、警察によってその運動は鎮圧されました。

中国の「天安門事件」では、軍が戦車で若者達の運動をひき潰しました。

国家は軍や警察という「暴力装置」を運用しています。反体制運動に対して「暴力装置」が機能すれば、「革命」は成就しません。

リビアでは反体制派に対して「暴力装置」が機能しています。しかい一方で反体制派は「暴力装置」に浸透しています。素晴らしい手際で軍事拠点と石油施設を制圧しています。これはプロ(軍)の仕事です。

リビアで起きている事は、カダフィ独裁への反抗であると同時に、石油利権を巡る部族間闘争です。

カダフィを「砂漠の狂犬」と書きたてる日本や欧米のメディアからは、真実は伝わりません。
http://green.ap.teacup.com/pekepon/345.html


空爆などすれば、戦闘に無関係な市民の多くを巻き込むことになる。

いくらカダフィに圧力をかけるためとは言え、何の罪もない住民を無差別に死に至らしめることも厭わない、このような非道な要請を欧米に平気でできる「反政府勢力」っていったいどんな連中なんや?

これは、ネットで集まった市民が起こしたチュニジアやエジプトの革命とは全然違うのではないか?

…と思っていたか、やはりそうらしい。


反米の旗手であったカダフィが、イラク戦争以降(特に、2006年“テロ支援国家指定”が解除されて以降)、急におとなしくなり欧米と妥協していった事も、実に不思議だった。

おそらく、他の部族を抑え込むための武器の提供を条件に、原油の利権を切り売りしていったのではないのか?現在、反政府勢力を弾圧するために使っている兵器は、主にイギリスとアメリカから購入したものらしい。

↑これは、カダフィに反政府デモへの空爆を指令され、それに背いて亡命した兵士の戦闘機だが、こんな戦闘機をなんでカダフィが持ってる?欧米から購入したとしか思えない。

 参照:フィデル・カストロ「NATOの避けられない戦争」(3月3日)

カレイドスコープ 欧米主流メディアの信じられないリビア偏向報道

確かに、マスコミの報道だけを見ていると、カダフィは「砂漠の狂犬」そものののようにしか思えないが、今回和平交渉を提案して蹴られたあのベネズエラのチャベスも、日本のマスコミには同様の扱いだが、実際は彼は民衆に支持されている為政者のようである。

2002クーデター、裏にアメリカの影:3選ベネズエラのチャベス大統領

少なくとも、リビアの内戦をチュニジアやエジプトの民衆革命と同一視するのは誤りだろう。

米軍は、最新鋭の装備を携えて、相当な規模でリビア近郊に配備された。いつものように「平和維持のため」などと欺瞞を垂れ流しているが、リビアの部族間闘争に乗じて石油の利権でも狙っているのではないのか?

カダフィに武器を買わせ、さらに反政府勢力にも資金や武器を提供して、リビアの部族間闘争を煽っておいて、「平和維持のため…」とはまったく笑わせる。

両方の勢力に武器を渡して内戦を起こさせて漁夫の利を狙う、という手法を、欧米の金貸し連中は、世界のあらゆる場で、大航海時代以降ずっと繰り返してきた。今回のリビア内戦もその文脈の一部なのだということを忘れてはならない。

カダフィを「狂った独裁者」としてマスコミと一緒に非難するのは簡単だ。だが、このリビア情勢の報道は、しっかりと事実を検証しながら見ていく必要があるだろう。
http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/d6e696a3e69cee98cc1b3256a7e1865b


米国にとってフセインとカダフィは極悪人 2011年10月1日

アメリカにとって、イラクのサダム・フセインとリビアのカダフィ大佐はアメリカに敵対する極悪人のような存在だった。そして、実はアメリカの目で見ると日本の鳩山由紀夫氏もまったく同列の極悪人に見えていた可能性がある。

確かに強面(こわもて)のフセインとカダフィに比べて、我らが鳩山由紀夫氏はどこか頼りない印象でもあるが、アメリカは外見で彼らを見ているのではない。思想と行動で彼らを見ている。

そして、アメリカは彼らに共通項を見出し、明確に敵として認識した可能性が高い。

白アリに国家を食い荒らされているアメリカ

「強いドル」とはアメリカの政治家がよく口にするセリフである。アメリカにとっては世界を支配している象徴が基軸通貨としてのドルであり、決済手段としてのドルである。

ところが、2008年9月15日のリーマン・ショック以降、アメリカは目に見えるほどのスピードで急激に衰退が顕著になってきていて、それと平行して基軸通貨としてのドルの信認が揺らいでいる。

アメリカは、本当ならば2008年のリーマン・ショックでグローバル経済は破綻してもおかしくないような崖っぷちにまで追い込まれた。必死に破綻を回避して現在に至っているが、世界がアメリカを見る目がどんどん厳しくなってきている。

アメリカは2011年7月に累積債務の上限引き上げ問題に紛糾して、危うく国家破綻(デフォルト)する寸前にまで追い込まれた。

オバマ政権はタイムリミットぎりぎりの段階で何とかそれを回避したが、赤字削減学が低いとして今度は米国債の格下げで市場を動揺させることになった。

家の中で白アリが見つかると、その家の柱は食い荒らされて脆弱になっている可能性がある。

今のアメリカは莫大な負債という白アリに国家を食い荒らされている。

その結果、州財政が破綻していく問題であったり、失業率が高止まりしている問題であったり、FRBが莫大な不良債権を抱えて身動きできなくなっている問題であったり、米国債が格下げされる問題が、次から次へと噴出しているのである。

それぞれの問題を応急処置のように対処しても、もう間に合わないところにまで来ている。

そして、これらの出来事のひとつひとつが、ドルの衰退を示唆するものになってしまっている。

アメリカが覇権国家でいられたのは、世界で唯一ドルを印刷できる国だからである。ドルが信用されなくなってしまうと、アメリカは死ぬ。

だから、必死になってドルの価値を守るしかアメリカは生き残れない。

ドルを守る=ドル防衛のために、アメリカは何だってするだろう。死に物狂いになって、ドル離れを食い止め、ドルの前に立ちふさがる敵は徹底的に破壊しようとするはずだ。

「基軸通貨としてのドルを守るためにアメリカは死に物狂いである」という姿をまず、私たちは切実に意識しないとならない。


ドル防衛のために何でもするアメリカ


通貨基軸としてのドルの信頼低下

アメリカは大きな問題を抱えており、世界中がそれを認識している。その結果起きているのが米国債とドルの信頼低下である。

特に、通貨基軸であるドルはここ数年でどんどん価値を減退させており、それが日本では円高ドル安として認識されている。

実は、このドルの信頼低下がすべての問題を引き起こしているのである。

今までドルに変わる通貨基軸などないと世界は認識していた。しかし、今では世界中が「アメリカが国家破綻したらドルが紙切れになってしまう」という危惧を持っている。

国連までもが、米ドルが通貨基軸としての信認を失ってグローバル経済そのものがリクスにさらされているという見方を表明している。2011年5月25日のことだった。


国連が米ドル信頼の危機を警告、今年の日本の成長率予測を引き下げ

国連は25日、昨年12月に出した「世界経済情勢と見通し2011」の中間見直しを発表し、米ドルの主要通貨に対する価値が下がり続ければ、米ドルに対する信頼の危機、さらには米ドルの「崩壊」が起こりかねないと警告した。

中間報告は、主要通貨バスケットに対するドル相場が1970年代以来の水準に低下したことを挙げ、このトレンドの一因に、米国とその他主要国との金利差、米の公的債務の維持可能性に関する懸念の高まりがあると指摘。

「(予想される)外貨準備の一段の価値低下が起これば、それをきっかけに準備通貨としての信頼の危機が生じ、国際金融システム全体がリスクにさらされる」とした。

IMFと言えば、2009年3月25日、ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)専務理事はこのようなことを言っていた。

「米ドルに代わる新たな基軸通貨の創設に関する議論は合理的であり、今後数か月以内に実施される可能性がある」「新たな基軸通貨について議論することは全く道理にかなっており、数か月以内に協議が行われるだろう」

2008年 リーマン・ショック、アメリカ経済崩壊
2009年 ストロスカーン、米ドル以外の基軸通貨示唆
2010年 ギリシャ危機、勃発
2011年 5月、ストロスカーン、レイプ疑惑で逮捕

ここで覚えておきたいのは、ドミニク・ストロスカーン氏は明確に米ドルに変わる基軸通貨が必要だと主張していたことだ。アメリカにとってストロスカーンは、「とんでもない男」に見えていたに違いない。

アメリカの見方は2011年5月に世界が共通認識することになった。ストロスカーンは「レイプ魔だった」のである。


レイプで逮捕されたドミニク・ストロスカーンIMF専務理事


アメリカの決死のドル防衛

ドルの通貨基軸としての地位が揺らいでいるのが今のアメリカの状況である。

アメリカの当面のライバルになるのはユーロだが、このユーロは実は2006年には紙幣供給量がドルを超えており、アメリカにとっては非常に危険なライバルになった。

ユーロ紙幣は2002年に紙幣の流通を開始しているのだが、イラクのサダム・フセイン政権は石油の決済をドルからユーロへ変更すると言い始めてアメリカと鋭く対立するようになり、崩壊していった。

1999年 決済用仮想通貨としてユーロ導入
2000年 フセイン、石油の通貨をユーロに変更
2001年 アメリカ9.11同時多発テロ事件
2002年 1月1日ユーロ紙幣流通開始
2003年 フセイン政権、崩壊


アメリカの敵として葬られていったサダム・フセイン

中東GCC(湾岸協力会議)でも、原油のドル決済をやめて、中東独自の通貨「カリージ」を作って、それで決済をする方向が2008年あたりに決定した。

しかし、そのあとにアメリカと鋭く対立するようになり、2009年にはドバイ・ショックで中東湾岸諸国が危機に陥っていった。そして今、湾岸諸国は通貨どころか、国家存続の危機に立たされている。

2008年 リーマン・ショック
2008年 GCCによる中東独自通貨の導入決定
2009年 ドバイ・ショック
2010年 アメリカによるカリージ延期要請
2011年 中東諸国、暴動・デモで全面崩壊

アフリカでもドルに変わる通貨としてアフリカ共同体の共通通貨をアフリカ連合が画策していた。特に中心となったのがリビアのカダフィ政権である。

しかし、これもカダフィ政権が崩壊したことによって恐らく延期、もしくは中止になっていく可能性もある。

2002年 アフリカ連合(AU)発足
2008年 リーマン・ショック
2009年 AU総会議長にカダフィ大佐就任
2010年 アフリカ共通通貨構想の現実化
2011年 1月、北アフリカ諸国、次々と崩壊
2011年 8月、リビアのカダフィ政権、瓦解


アフリカ共通通貨を主張していたカダフィ大佐


イランは2007年にやはりフセイン政権と同じく石油の決済をドルからユーロへと変更している。

しかし、アメリカはイランを厳しい経済制裁を2007年に課して、事実上、イランの石油が国際市場で販売できないようにしてしまっている。

ユーロ決済云々の前にイランは石油販売ができないのである。イラン攻撃についてはずっとアメリカで検討されていたが、いまだそれは行われていない。

イランは強国であり、いったん攻撃となるとアフガンやイラクのようにすぐに終わらない可能性がある。しかし、アメリカはそれをする計画を立てていた。

ところが、2008年9月にリーマン・ショックが起きて、もうアメリカはそれどころではなくなった。

2005年 アフマディ・ネジャド政権発足
2007年 石油決済をドルからユーロへ変更
2007年 アメリカによるイラン経済制裁
2007年 イランの石油は国際市場では販売禁止
2008年 アメリカ、イラク攻撃を計画
2008年 リーマン・ショック。アメリカ経済危機

イランは首の皮一枚で生きながらえている。偶然にそうなったのか、それとも最後の手段で残しているのかは分からない。


アメリカにとって非常に危険な男、イラン・アフマディネジャド大統領


日本が沈んで行った理由

ちなみに、共通通貨についてはアジアでも検討されていて、これを強力に推進しようとしていたのが鳩山由紀夫氏だった。


鳩山代表、「アジア共通通貨」を提唱

次期首相候補の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)民主党(DPJ)代表が、10日発売予定の月刊誌「Voice」で、アジア地域の経済的および政治的な連携強化に向けた、アジア共通通貨の創設を提唱した。

出版社から入手した論文によると、鳩山氏はアジア共通通貨について、世界的な金融危機が将来起きた場合の衝撃を回避し、地域の政治的対立を軽減することに役立つと述べた。さらに、鳩山氏は、アジア地域において経済協力と安全保障のルールをつくりあげていくべきだと述べた。

もし、アジアに共通通貨ができあがったら、アジアの経済規模からしてドルの通貨基軸としての地位は完全に崩壊してしまうのは間違いない。

これはアメリカにとっては非常に危険な動きだった。端的に言うと、アメリカにとって、鳩山由紀夫はフセインやカダフィと同じくらいの極悪人だったことになる。


アジア共通通貨を提唱した鳩山由紀夫

そのせいなのかどうかは知らないが、結果的に言うと、アジア共通通貨を提唱した日本は現在、崩壊の危機に瀕している。

2008年 リーマン・ショック、アメリカ経済危機
2009年 鳩山氏、アジア共通通貨創設を提唱
2009年 民主党政権発足
2010年 鳩山由紀夫氏、失脚
2011年 東日本大震災、福島原発爆発

もちろん、2011年の東日本大震災、福島原発爆発は「偶然」起きた災害なのでアメリカが関係しているわけではない。アメリカは「トモダチ」作戦で助けてくれたではないか。

しかし、この震災によって、もはや日本はアジア共通通貨どころではなくなってしまったのは確かだ。

ちなみに、「ドル基軸通貨見直し論」は中国からも出てきている。これは周小川人民銀行(中央銀行)行長が2009年3月23日に「国際通貨システムに関する考察」と題する論文を発表したものが下敷きになっている。


周小川論文の波紋、中国から「ドル基軸通貨見直し論」
周小川人民銀行(中央銀行)行長は、3月23日、人民銀行のホームページに「国際通貨システムに関する考察」と題する論文を発表した。この内容は、ドルを国際基軸通貨とする現行の国際通貨システムには欠陥があり、ドルの代わりに国家主権を超越した新基軸通貨を創造すべきであり、当面はIMFの特別引出権(SDR)を活用すべきというものであった。

この論文に対し、英国タイムズは、「中国のドルに対する挑戦である」と論評し、米国オバマ大統領は、「私は(新たな)基軸通貨を創造する必要があるとは考えない」と反発した。しかし、国連の専門家チームのリーダーでノーベル経済学賞の受賞者でもあるスティグリッツは、これを支持している。

何度も言うが、ドルが基軸通貨でなくなった瞬間にアメリカは崩壊する。したがって、中国が「敵」になるのであれば、アメリカは容赦なく中国を破壊して回るだろう。


中国の将来にとても危険な発言をしていた周小川氏

アメリカが最終的に中国を破壊するのは、可能性としてゼロではない。中国がどのように破壊されるのかは、日本にとっては他人事ではないのは言うまでもない。(日本が完全に破壊され、二度と復活できない暗黒時代が来る)

アメリカが必死になってドル防衛をしている姿が世界中のあちこちで見て取れる。

ドル通貨基軸を揺るがす最大のライバルがユーロなのだとすると、当然今回のユーロ崩壊劇もアメリカの謀略が裏にあると考えていいだろう。

ギリシャの累積債務問題は、元はと言えばゴールドマン・サックスがギリシャ政府にアドバイザーとして入り込んでから始まったとも言われている。

ユーロが安定すると常にギリシャ危機が再燃する仕掛けになっていく。格下げのタイミングも絶妙だ。

最終的にユーロはどうなっていくのか。ユーロがドルを揺さぶる潜在的な危険性を持つ限り、ユーロの将来は極めて暗いと言ってもいいのではないだろうか。

なぜか。アメリカがそれを許さないからである。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post.html

カダフィ大佐の抵抗 2011年3月1日火曜日


アメリカはリビアに乗り込んでいくのか?

中東情勢が揺れている。カダフィ大佐は徹底抗戦をしているので、死者はまだ増えて行くだろう。

もうすでにカダフィ一族は27ヶ国で政府・個人資産の凍結をされて対リビア制裁も決まっている。アメリカ一国だけでリビア資産の凍結は2兆4,600億円にも上っている。

今後、カダフィ大佐は「戦争犯罪者」として扱われることになる。

もっとも、カダフィ大佐はまったく取り合っておらず、どんなに圧力がかかっても抵抗をやめることはないだろう。

国連は、もしカダフィ大佐が辞任するのであれば、亡命する権利を手にすることができるという。

しかし、カダフィはアメリカをまったく信用していない上に、今までずっと敵対してきた経緯もある。

アメリカの取材にも、「なぜ私が祖国を離れる必要があるのか」と突き放したように言っている。

いよいよ追い詰められたら、亡命よりも死を選ぶ確率のほうが高い。カダフィの子供たちも、もしかしたら一緒に死んでいくような目に遭わされるのかもしれない。

どのみち逃げ場がないので、カダフィ一族には極端な選択しか残らない。

そう言えば、追い込まれたサダム・フセインもその息子たちを射殺されているのを思い出した。

本当に死んだかどうかを明確にするために、アメリカは死んだフセインの息子たちの写真を公開したのだった。その写真はまだ私は持っている。

(私のハードディスクの中は死体の写真で満載だが、それは私がそれを好んでいるというよりも、そういう出来事ばかりが世の中に起こっているということだ)


〓 リビアとイギリスの腐れ縁

欧米の指導者がカダフィを殺したがっているのは、カダフィが多くの裏取引の実態を握っているからだ。

今さらこれが明るみになったら窮地に陥る欧米の政治家も多い。

そんな目に遭うくらいなら、カダフィには死んでもらって裏取引を闇に葬りたいと考える指導者が多いのだろう。

リビアはヨーロッパに近いので、裏取引の登場人物は欧州の政治家が中心となる。

今取り沙汰されているのはイギリスのブレア前首相だ。

トニー・ブレアは去年の夏にもカダフィ大佐と会っているのをマスコミに暴露されているが、リビアにはたびたび訪れてはビジネスの話をしていた。

イギリスの石油会社BPがリビアの石油利権を手に入れた際に、イギリス政府が不可解な動きをしていたりするのを見ても分るとおり、イギリスとリビアは非常に深い利権で結びついている。

1992年から経済制裁を受けていたリビアを国際社会に戻したのもイギリスだった。

初めてイギリス首相としてリビアに降り立ったのもトニー・ブレアだった。

トニー・ブレアは、リビアの軍人をイギリスが特殊訓練するという計画も立てていた。

防衛計画から、部隊のトレーニングから、軍事セキュリティ、特殊部隊の派遣まで含めた包括的なものである。

ブレアはカダフィと結託してビジネス(軍需利権)をリビアに構築したのだ。

イギリスはこれを受けて軍用車両から船舶、海洋巡視船、防空設備、武器弾薬を提供している。

現在、反政府軍を殺しているカダフィ派のライフルや弾薬は2007年以降にイギリスから手に入れたものであると言われている。

そこからも分るとおり、ブレア(イギリス)もリビアがこのようなことになってしまうとはまったく予期していなかったことが窺える。デイリーメール紙のインタビューではこう答えている。

「私は今起きていることに、他の誰よりも驚愕している」

ブレアはこの軍需利権についてはアメリカのJPモルガンのコンサルとして動いているのだが、そうだとしたらJPモルガンもカダフィ政権の行く末については知らなかったということになる。

今回の中東の騒乱はイギリスにとっても不測の事態であり、まして英の陰謀だという話にはならない。

カダフィ王朝が続くと思ったからこそ、ブレアはカダフィの子供たちとも親しく付き合い、人脈を密にしていたのである。

それは、すべて吹き飛んだ。2011年2月25日に、ブレア前首相はカダフィ大佐に2度、辞任を促す電話をしている。ブレアはもうカダフィを見限った。

混乱が高じて内乱になると、本当にイギリスの利権がそのまま吹き飛んでしまったり、あるいは石油施設の爆破につながって対リビアの投資が無に帰してしまう。

イギリスとしては早期にリビアの混乱を収束させて、利権を保持しつつカダフィを「処理」したいはずだ。

しかし、それからもカダフィ自身はその誇大妄想な性格さながらに大反撃・大虐殺を指揮している。

リビアはイギリスの思うようには動いておらず、むしろ事態は悪化しつつあるように見える。


〓 地中海にはアメリカの空軍・海軍が展開

イタリアもリビアに関しては歯切れが悪い。それはベルルスコーニ首相が個人的にもカダフィ一族とは非常に仲が良いからでもある。

カダフィの連れて来ている女性兵士(カダフィ・ガールズ)に興味津々のベルルスコーニ首相の姿もあるが、そういったところに惹かれ合うようなものも関係しているのかもしれない。

リビアにいる「イタリアの若い女性」を避難させるために専用機を飛ばすという話も出ているので、カダフィとベルルスコーニが「女」で友情を育んでいたとしても、それが冗談にならない。


フランスは早々に反政府軍に支援の武器を送っているが、これは逆にリビアには大した利権がないのでカダフィ政権には義理立てするものがないからだろう。

義理立てする必要がないのはアメリカも同じである。現在のアメリカは明らかにカダフィ大佐の權力への執着に苛立っている。

現在、スイスのジュネーブ国連施設にいるヒラリー・クリントンも強い調子でカダフィに辞任を迫っている。

「これ以上の暴力や流血を食い止めるため、現政権を終わらせなければならない」

すでに人道的支援のチームとは別に、アメリカの特殊部隊がリビアのベンガジに入り込んで反政府部隊と接触しており、場合によってはアメリカ軍が侵攻する可能性も出てきている。

また、地中海にはアメリカの空軍・海軍が展開しているという情報もアルジャジーラが伝えている。

カダフィ大佐はアメリカが軍事行動を起こす可能性も考えているようで、その場合も「徹底抗戦」するのだという。

カダフィは確かに追い込まれ、四面楚歌になっているのだが、もしここでアメリカが入り込んで行くと、今度は別の問題が発生するかもしれない。

イスラムの地にやってきた侵略者アメリカに対する抵抗運動と、イギリスのリビア利権の喪失だ。

すでに累積債務で身動きできなくなりつつあるアメリカが中東・北アフリカで泥沼にとらわれると経済的な崩壊のほうが差し迫った問題になっていく。

案外、アメリカが中東の騒乱に首を突っ込みたくないように見えるのは、「金がない」という泥臭い問題である可能性も高い。
http://www.bllackz.com/2011/03/blog-post.html


カダフィが死んで高笑いするヒラリーと八方美人外交の日本 2011年10月24日

欧米はアジア・アフリカを侵略し、植民地支配し、その富を奪うことで豊かになったという歴史がある。つまり、暴力で豊かになってきたという歴史が刻まれている。

暴力と成功体験がリンクしているのである。だから、根本的なところで暴力的であることが悪いとは思っていない。特にアメリカは建国史から暴力にまみれているのでそういう傾向が強い。

もちろん、暴力的であることが世界に支持されるとはアメリカも思っていないので、そこでアメリカが取ってつけた錦の御旗が「正義」である。どこかの国を「悪」に仕立て上げて、「悪を倒す」という名目で暴力を振るいに行くのである。

来た、見た、死んだ

なぜ暴力を振るうのかというと、そこの土地の指導者をいいように操ってその国の国富を収奪するためだ。だから、アメリカは「いざとなったら暴力がモノを言う」ことを否定していない。

その体質は、今回のリビアのカダフィ大佐が血まみれになって引きずり回されて殺されたのを見て、ヒラリー・クリントンがカエサル気取りで大喜びするのを見ても分かる。

"We came, we saw, he died"
(アメリカは来た、見た、カダフィは死んだ)

そういって、ヒラリー・クリントンは自分がプロポーズされたかのように屈託なく喜び、心から笑っているのが分かるはずだ。

別に私もカダフィが死んで悲しいとも思っていないが、これほどまで単純に喜べるわけでもない。

むしろ、これからリビアは収拾がつかない混乱に陥ることになるのは分かっている。喜ぶべきものではないはずだが、アメリカの戦略が一歩進んだことに、ヒラリーも喜びを隠せなかったのだろう。


捕獲され、死にゆくカダフィ大佐の最期の姿


カダフィが死んだと聞いて、心から喜ぶヒラリー・クリントン

何度も書いているが、アメリカは国家戦略の中に暴力を埋め込んでおり、世界中のどこの国も、アメリカの暴力から逃れられない。

言うことを聞かない国は叩きつぶせ(米軍)
相手が悪ならば、自分はそれ以上の悪になれ(CIA)
叩きつぶせないなら手を結べ(米政権)


アメリカの暴力哲学

アメリカの暴力哲学は歴史上、ほぼ一貫して行われていることは誰でも知っている。そもそも世界最大の軍需産業はすべてアメリカに集中している。

ロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオンを筆頭として、そこにぶら下がる無数の企業がアメリカを支えている。

ノースロップ・グラマン、ユナイテッド・テクノロジー、ゼネラル・ダイナミックス、ハネウェル、アライアント、ロックウェル・コリンズ、L3コミュニケーションズ。

これらの企業はアメリカの雇用を支えると同時に、多くの政治家を排出して、アメリカの暴力を支えている。だから、アメリカの政治が暴力と縁が切れないのは当然のことである。

雇用を支える必要があるから、暴力は正当化される。その暴力正当化の歴史が長かったので、それがアメリカのDNAになっているとも言える。

だから、アングロサクソンがアメリカ大陸に「侵略」して、ネイティブ・アメリカン(インディアン)を根絶やしに侵略し、虐殺し、絶滅品種に追いやったのは「正当化」される。

また、日本に原爆を落として一瞬にして20万人の人々を焼き殺したのも「正当化」されている。

ベトナムではナパーム弾、絨毯爆撃、枯葉剤と、おおよそ考えられる非人道的な皆殺し作戦を実行していた。

湾岸戦争では劣化ウラン弾を使用して現地を放射能まみれにした。すべて「正当化」されていて謝罪の言葉は聞いたことがない。

また、イラク・アフガン・パキスタンで、大量虐殺が発生していても、それが正義のためであると喧伝された上に「正当化」されている。これらの国の市民が誤爆や誤射で何人死のうが同じだ。

ヨーロッパのほうも南米やアフリカを激しく収奪してきた。現在のアフリカの問題、中東の問題、イスラエルの問題は、すべてイギリスやフランス等が種をまいたと言っても過言ではない。

リビアの空爆はNATO軍が行った。多くの市民が死んでいったが、ここでの暴力は「正当化」されている。カダフィの死も、アメリカの正義戦略の中で行われて目的が達成された。

ヒラリー・クリントンの高笑いは、アメリカの暴力がまたひとつの国を崩壊させたという満足感の現れである。


リビアの反政府軍はアメリカのカダフィ排除戦略に乗っている。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post_24.html


カダフィ大佐、撃つなと懇願するものの頭部を撃たれて死亡 2011年10月20日

リビアはこれから混乱の中へ

いずれにしても、中東の狂犬と言われた独裁者が有無を言わさず欧米の軍事の前に消されて行った。

多くの人々が今思っているのは「次はどこだ?」ということだろう。次はシリアのアサド大統領の打倒が行われる可能性も高い。ヨルダンも安泰ではない。

そして、北アフリカ・中東を片付けたあと、欧米の矛先はいったいどこに向かおうとするのか。

もし、イランが標的として残るのであれば、イスラエルを巻き込んだ大きな戦争になっていく。

まだ、誰も「次」が見えていない。

しかし、欧米が暇つぶしで北アフリカ・中東を潰しまわっているわけではないので、いずれその目的もはっきりとしていくこともあるかもしれない。

今日で、本当にリビアの独裁者カダフィ大佐が死んだというのであれば、欧米の描いている大きなシナリオがまたひとつ駒が進んだと考えてもいい。(2012年に向けて、大きな計画が予定されており欧米が焦って動いている)

今起きているのは、世界が無理やり「新しい時代」に移行させられている歴史的事象である。日本も3月11日以降から何もかもが変わったが、世界も激変していっている。

良い方向ではない。悪い方向のほうにである。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post_5294.html


“カダフィ死亡” 欧米による「独裁者からの解放」という名の“侵略”が着々と進む中東

2011年10月21日

リビアのカダフィが死んだらしい。読売のニュースサイトでは、「カダフィ氏」となぜか氏が付いているが…

殺され方に不審な点が多い。生かしておいて裁判にかけると、西側諸国に都合の悪い事をしゃべられるので、口封じのために殺されたのではないか。(その点はビンラディンがわけのわからんまま殺され水葬されたのと一緒?)

西側諸国はこれまで常に独裁者や圧制者を作り出す原動力となり、独裁者の誕生において中心的な役割を果たしてきた。

彼らを操ることで自らの覇権主義的な目的を果たし、中東の原油を支配してきた。

西側は独裁者が使い物にならなくなれば、これまでも容赦なく引きずりおろしてきた。

カダフィもそのような西側の駒の一人だった。

日本のメディアでは、独裁者が倒れて民主化が実現〜メデタシメデタシ…ということのようだが、チュニジアやエジプトの民衆革命とは本質的に異なっているというのを見落としてはならない。


リビアの内戦をチュニジアやエジプトの民衆革命と同一視してはならない

報道も、人々にこれを同一視させてお茶を濁そうという意図が透けて見えてほとほとうんざりする。

これは、アメリカがこれまで行ってきた、自国が利益を吸い上げるための軍事介入(=侵略。対外的な表現は「人道的介入」)のベクトルの上にのった動きの一つに過ぎない。


鈴木傾城(Keisei Suzuki)氏のブログ“Darkness of ASIA”より引用。

=======================================

どうみても欧米の侵略


(中略)最初から見ていて誰もが気がついたと思うが、この民主化は欧米のゴリ押しの民主化だった。

寄せ集めの反体制派が主導したと見せかけて、本当はNATO軍が堂々と政府打倒に動いていて、激しい空爆を行い、スパイ活動を行い、武器弾薬を反体制派に与え、「導いていた」のである。

NATO軍がなければカダフィ政権は打倒されることはなかった。リビアの民主化は放置しておけばカダフィ政権の圧勝だったのである。

それを欧米はなりふり構わず、半年にも渡って空爆をし続けて、カダフィ政権を追い詰めていった。

これは、どうみても欧米の侵略だ。

リビアのイラク化?

リビアには石油があるし、リビアが崩壊することによってアフリカ各国も欧米の影響力下に入っていく。

アフリカの各国家は安定した政権を持つことや、水準以上の力を持つことが「許されていない」ように見える。なぜなら、アフリカの資源は欧米が略奪することになっているからである。

そういった一連の動きを「民主化運動」だと言っているのだから、その嘘臭さには呆れてモノも言えない。

今後の状況としてはカダフィ大佐がどこまで抵抗できるのかにかかっているが、早くも巷でささやかれているのはリビアの「イラク化」である。

首都陥落も、どこか決死の抵抗というよりもある程度の抵抗をして、自発的に退却している。これは、イラクがアメリカに攻めこまれたときと同じだ。

ほとんど抵抗らしき抵抗もしないで、敵に国を明け渡している。しかし、その後はテロとゲリラ戦でアメリカ軍は翻弄され続けて、8年経ってもまったくテロがやまないのである。

結局アメリカ自身が経済破綻寸前にまで追い込まれてイラクを放棄せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。

カダフィ大佐が戦略的にそのようなゲリラ戦を戦うことにしたのであれば、実は今日からが欧米の新たな泥沼になる可能性もある。

=======================================

何度も書いているが、アメリカは、「自由と民主主義を世界に広める」「独裁者からの解放」などと口では言っているが、実はそれは他国への軍事介入のための単なる方便にすぎない。


これまでもアメリカは、様々な国家に介入してきた
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Databank/interventions.htm)。

しかしその論理と実際の行動は完全に乖離していた。

「民主主義のため」「抑圧され、人権を侵害されている人々のため」「麻薬撲滅の為」などと奇麗事を言いつつ、現実には、共産主義への防波堤として、あるいは資源や商売の利権を確保するため、中東・アジア・アフリカ・中南米の各地域にエージェントを送り込み、ただ親米でありさえすれば極めて非民主的な独裁権力も支援の対象としてきたのである。

チリでは少なくとも2万人が粛清されたピノチェト政権を支援、ベトナムでは腐敗しきった南のグエン・バン・ヒュー政権を支援し続けてベトコンと戦わせ、韓国においてはイ・スンマン(李承晩)政権、パク・チェンヒ(朴正熙)政権と軍事独裁政権を支援し続けてきた。他にも、フィリピンにおけるマルコス政権、インドネシアにおけるスハルト政権、イランのパーレヴィ政権、ニカラグアのコントラ支援…という具合で枚挙に暇がない。

要するに、「独裁政権であるかどうか」という観点ではなく、「為政者がアメリカに尻尾を振る奴であるかどうか」ということが、「“人道的介入”という名の軍事介入」を受けるかどうか、「CIAなどの裏工作で政府が転覆させられるかどうか」の基準になっているのである。

彼らが使う「民主主義」「人権」なる概念・言葉は、人々を欺くために捏造されたものである。

それらの概念に洗脳されていない頭で普通に考えたら、今回のリビアの件は、単に欧米によるイスラム諸国の侵略と破壊にすぎないことは明らかであろう。そう言えば、リビアには大量の原油が眠っていたよな〜

チュニジアやエジプトで反米の民主化運動が次々と起こり、アフリカ全体に反米の空気が起こることはアメリカにとっては極めて都合が悪い。それを警戒して、空爆で無差別に市民を虐殺することも厭わず、自らの力を誇示してアフリカの自立を封じ込めるために、今回の「民主化に見せかけたリビア侵略」があったのでは? という気がしている。
http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/a5d3ce5bb75f3b41a550db0f472bc4b3


4. 中川隆[7588] koaQ7Jey 2017年4月08日 00:14:46 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8075]

2011年10月1日土曜日
米国にとって鳩山由紀夫とフセインとカダフィは同じ極悪人

アメリカにとって、イラクのサダム・フセインとリビアのカダフィ大佐はアメリカに敵対する極悪人のような存在だった。そして、実はアメリカの目で見ると日本の鳩山由紀夫氏もまったく同列の極悪人に見えていた可能性がある。

確かに強面(こわもて)のフセインとカダフィに比べて、我らが鳩山由紀夫氏はどこか頼りない印象でもあるが、アメリカは外見で彼らを見ているのではない。思想と行動で彼らを見ている。

そして、アメリカは彼らに共通項を見出し、明確に敵として認識した可能性が高い。


白アリに国家を食い荒らされているアメリカ

「強いドル」とはアメリカの政治家がよく口にするセリフである。アメリカにとっては世界を支配している象徴が基軸通貨としてのドルであり、決済手段としてのドルである。

ところが、2008年9月15日のリーマン・ショック以降、アメリカは目に見えるほどのスピードで急激に衰退が顕著になってきていて、それと平行して基軸通貨としてのドルの信認が揺らいでいる。

アメリカは、本当ならば2008年のリーマン・ショックでグローバル経済は破綻してもおかしくないような崖っぷちにまで追い込まれた。必死に破綻を回避して現在に至っているが、世界がアメリカを見る目がどんどん厳しくなってきている。

アメリカは2011年7月に累積債務の上限引き上げ問題に紛糾して、危うく国家破綻(デフォルト)する寸前にまで追い込まれた。

オバマ政権はタイムリミットぎりぎりの段階で何とかそれを回避したが、赤字削減学が低いとして今度は米国債の格下げで市場を動揺させることになった。

家の中で白アリが見つかると、その家の柱は食い荒らされて脆弱になっている可能性がある。

今のアメリカは莫大な負債という白アリに国家を食い荒らされている。

その結果、州財政が破綻していく問題であったり、失業率が高止まりしている問題であったり、FRBが莫大な不良債権を抱えて身動きできなくなっている問題であったり、米国債が格下げされる問題が、次から次へと噴出しているのである。

それぞれの問題を応急処置のように対処しても、もう間に合わないところにまで来ている。

そして、これらの出来事のひとつひとつが、ドルの衰退を示唆するものになってしまっている。

アメリカが覇権国家でいられたのは、世界で唯一ドルを印刷できる国だからである。ドルが信用されなくなってしまうと、アメリカは死ぬ。

だから、必死になってドルの価値を守るしかアメリカは生き残れない。

ドルを守る=ドル防衛のために、アメリカは何だってするだろう。死に物狂いになって、ドル離れを食い止め、ドルの前に立ちふさがる敵は徹底的に破壊しようとするはずだ。

「基軸通貨としてのドルを守るためにアメリカは死に物狂いである」という姿をまず、私たちは切実に意識しないとならない。


ドル防衛のために何でもするアメリカ


通貨基軸としてのドルの信頼低下

アメリカは大きな問題を抱えており、世界中がそれを認識している。その結果起きているのが米国債とドルの信頼低下である。

特に、通貨基軸であるドルはここ数年でどんどん価値を減退させており、それが日本では円高ドル安として認識されている。

実は、このドルの信頼低下がすべての問題を引き起こしているのである。

今までドルに変わる通貨基軸などないと世界は認識していた。しかし、今では世界中が「アメリカが国家破綻したらドルが紙切れになってしまう」という危惧を持っている。

国連までもが、米ドルが通貨基軸としての信認を失ってグローバル経済そのものがリクスにさらされているという見方を表明している。2011年5月25日のことだった。


国連が米ドル信頼の危機を警告、今年の日本の成長率予測を引き下げ

国連は25日、昨年12月に出した「世界経済情勢と見通し2011」の中間見直しを発表し、米ドルの主要通貨に対する価値が下がり続ければ、米ドルに対する信頼の危機、さらには米ドルの「崩壊」が起こりかねないと警告した。

中間報告は、主要通貨バスケットに対するドル相場が1970年代以来の水準に低下したことを挙げ、このトレンドの一因に、米国とその他主要国との金利差、米の公的債務の維持可能性に関する懸念の高まりがあると指摘。

「(予想される)外貨準備の一段の価値低下が起これば、それをきっかけに準備通貨としての信頼の危機が生じ、国際金融システム全体がリスクにさらされる」とした。

IMFと言えば、2009年3月25日、ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)専務理事はこのようなことを言っていた。

「米ドルに代わる新たな基軸通貨の創設に関する議論は合理的であり、今後数か月以内に実施される可能性がある」「新たな基軸通貨について議論することは全く道理にかなっており、数か月以内に協議が行われるだろう」

2008年 リーマン・ショック、アメリカ経済崩壊
2009年 ストロスカーン、米ドル以外の基軸通貨示唆
2010年 ギリシャ危機、勃発
2011年 5月、ストロスカーン、レイプ疑惑で逮捕

ここで覚えておきたいのは、ドミニク・ストロスカーン氏は明確に米ドルに変わる基軸通貨が必要だと主張していたことだ。アメリカにとってストロスカーンは、「とんでもない男」に見えていたに違いない。

アメリカの見方は2011年5月に世界が共通認識することになった。ストロスカーンは「レイプ魔だった」のである。


レイプで逮捕されたドミニク・ストロスカーンIMF専務理事


アメリカの決死のドル防衛

ドルの通貨基軸としての地位が揺らいでいるのが今のアメリカの状況である。

アメリカの当面のライバルになるのはユーロだが、このユーロは実は2006年には紙幣供給量がドルを超えており、アメリカにとっては非常に危険なライバルになった。

ユーロ紙幣は2002年に紙幣の流通を開始しているのだが、イラクのサダム・フセイン政権は石油の決済をドルからユーロへ変更すると言い始めてアメリカと鋭く対立するようになり、崩壊していった。

1999年 決済用仮想通貨としてユーロ導入
2000年 フセイン、石油の通貨をユーロに変更
2001年 アメリカ9.11同時多発テロ事件
2002年 1月1日ユーロ紙幣流通開始
2003年 フセイン政権、崩壊


アメリカの敵として葬られていったサダム・フセイン

中東GCC(湾岸協力会議)でも、原油のドル決済をやめて、中東独自の通貨「カリージ」を作って、それで決済をする方向が2008年あたりに決定した。

しかし、そのあとにアメリカと鋭く対立するようになり、2009年にはドバイ・ショックで中東湾岸諸国が危機に陥っていった。そして今、湾岸諸国は通貨どころか、国家存続の危機に立たされている。

2008年 リーマン・ショック
2008年 GCCによる中東独自通貨の導入決定
2009年 ドバイ・ショック
2010年 アメリカによるカリージ延期要請
2011年 中東諸国、暴動・デモで全面崩壊

アフリカでもドルに変わる通貨としてアフリカ共同体の共通通貨をアフリカ連合が画策していた。特に中心となったのがリビアのカダフィ政権である。

しかし、これもカダフィ政権が崩壊したことによって恐らく延期、もしくは中止になっていく可能性もある。

2002年 アフリカ連合(AU)発足
2008年 リーマン・ショック
2009年 AU総会議長にカダフィ大佐就任
2010年 アフリカ共通通貨構想の現実化
2011年 1月、北アフリカ諸国、次々と崩壊
2011年 8月、リビアのカダフィ政権、瓦解


アフリカ共通通貨を主張していたカダフィ大佐


イランは2007年にやはりフセイン政権と同じく石油の決済をドルからユーロへと変更している。

しかし、アメリカはイランを厳しい経済制裁を2007年に課して、事実上、イランの石油が国際市場で販売できないようにしてしまっている。

ユーロ決済云々の前にイランは石油販売ができないのである。イラン攻撃についてはずっとアメリカで検討されていたが、いまだそれは行われていない。

イランは強国であり、いったん攻撃となるとアフガンやイラクのようにすぐに終わらない可能性がある。しかし、アメリカはそれをする計画を立てていた。

ところが、2008年9月にリーマン・ショックが起きて、もうアメリカはそれどころではなくなった。

2005年 アフマディ・ネジャド政権発足
2007年 石油決済をドルからユーロへ変更
2007年 アメリカによるイラン経済制裁
2007年 イランの石油は国際市場では販売禁止
2008年 アメリカ、イラク攻撃を計画
2008年 リーマン・ショック。アメリカ経済危機

イランは首の皮一枚で生きながらえている。偶然にそうなったのか、それとも最後の手段で残しているのかは分からない。


アメリカにとって非常に危険な男、イラン・アフマディネジャド大統領


日本が沈んで行った理由

ちなみに、共通通貨についてはアジアでも検討されていて、これを強力に推進しようとしていたのが鳩山由紀夫氏だった。


鳩山代表、「アジア共通通貨」を提唱

次期首相候補の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)民主党(DPJ)代表が、10日発売予定の月刊誌「Voice」で、アジア地域の経済的および政治的な連携強化に向けた、アジア共通通貨の創設を提唱した。

出版社から入手した論文によると、鳩山氏はアジア共通通貨について、世界的な金融危機が将来起きた場合の衝撃を回避し、地域の政治的対立を軽減することに役立つと述べた。さらに、鳩山氏は、アジア地域において経済協力と安全保障のルールをつくりあげていくべきだと述べた。

もし、アジアに共通通貨ができあがったら、アジアの経済規模からしてドルの通貨基軸としての地位は完全に崩壊してしまうのは間違いない。

これはアメリカにとっては非常に危険な動きだった。端的に言うと、アメリカにとって、鳩山由紀夫はフセインやカダフィと同じくらいの極悪人だったことになる。


アジア共通通貨を提唱した鳩山由紀夫

そのせいなのかどうかは知らないが、結果的に言うと、アジア共通通貨を提唱した日本は現在、崩壊の危機に瀕している。

2008年 リーマン・ショック、アメリカ経済危機
2009年 鳩山氏、アジア共通通貨創設を提唱
2009年 民主党政権発足
2010年 鳩山由紀夫氏、失脚
2011年 東日本大震災、福島原発爆発

もちろん、2011年の東日本大震災、福島原発爆発は「偶然」起きた災害なのでアメリカが関係しているわけではない。アメリカは「トモダチ」作戦で助けてくれたではないか。

しかし、この震災によって、もはや日本はアジア共通通貨どころではなくなってしまったのは確かだ。

ちなみに、「ドル基軸通貨見直し論」は中国からも出てきている。これは周小川人民銀行(中央銀行)行長が2009年3月23日に「国際通貨システムに関する考察」と題する論文を発表したものが下敷きになっている。


周小川論文の波紋、中国から「ドル基軸通貨見直し論」
周小川人民銀行(中央銀行)行長は、3月23日、人民銀行のホームページに「国際通貨システムに関する考察」と題する論文を発表した。この内容は、ドルを国際基軸通貨とする現行の国際通貨システムには欠陥があり、ドルの代わりに国家主権を超越した新基軸通貨を創造すべきであり、当面はIMFの特別引出権(SDR)を活用すべきというものであった。

この論文に対し、英国タイムズは、「中国のドルに対する挑戦である」と論評し、米国オバマ大統領は、「私は(新たな)基軸通貨を創造する必要があるとは考えない」と反発した。しかし、国連の専門家チームのリーダーでノーベル経済学賞の受賞者でもあるスティグリッツは、これを支持している。

何度も言うが、ドルが基軸通貨でなくなった瞬間にアメリカは崩壊する。したがって、中国が「敵」になるのであれば、アメリカは容赦なく中国を破壊して回るだろう。


中国の将来にとても危険な発言をしていた周小川氏

アメリカが最終的に中国を破壊するのは、可能性としてゼロではない。中国がどのように破壊されるのかは、日本にとっては他人事ではないのは言うまでもない。(日本が完全に破壊され、二度と復活できない暗黒時代が来る)

アメリカが必死になってドル防衛をしている姿が世界中のあちこちで見て取れる。

ドル通貨基軸を揺るがす最大のライバルがユーロなのだとすると、当然今回のユーロ崩壊劇もアメリカの謀略が裏にあると考えていいだろう。

ギリシャの累積債務問題は、元はと言えばゴールドマン・サックスがギリシャ政府にアドバイザーとして入り込んでから始まったとも言われている。

ユーロが安定すると常にギリシャ危機が再燃する仕掛けになっていく。格下げのタイミングも絶妙だ。

最終的にユーロはどうなっていくのか。ユーロがドルを揺さぶる潜在的な危険性を持つ限り、ユーロの将来は極めて暗いと言ってもいいのではないだろうか。

なぜか。アメリカがそれを許さないからである。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post.html

2011年10月24日月曜日


カダフィが死んで高笑いするヒラリーと八方美人外交の日本

欧米はアジア・アフリカを侵略し、植民地支配し、その富を奪うことで豊かになったという歴史がある。つまり、暴力で豊かになってきたという歴史が刻まれている。

暴力と成功体験がリンクしているのである。だから、根本的なところで暴力的であることが悪いとは思っていない。特にアメリカは建国史から暴力にまみれているのでそういう傾向が強い。

もちろん、暴力的であることが世界に支持されるとはアメリカも思っていないので、そこでアメリカが取ってつけた錦の御旗が「正義」である。どこかの国を「悪」に仕立て上げて、「悪を倒す」という名目で暴力を振るいに行くのである。


来た、見た、死んだ

なぜ暴力を振るうのかというと、そこの土地の指導者をいいように操ってその国の国富を収奪するためだ。だから、アメリカは「いざとなったら暴力がモノを言う」ことを否定していない。

その体質は、今回のリビアのカダフィ大佐が血まみれになって引きずり回されて殺されたのを見て、ヒラリー・クリントンがカエサル気取りで大喜びするのを見ても分かる。


"We came, we saw, he died"
(アメリカは来た、見た、カダフィは死んだ)

そういって、ヒラリー・クリントンは自分がプロポーズされたかのように屈託なく喜び、心から笑っているのが分かるはずだ。

別に私もカダフィが死んで悲しいとも思っていないが、これほどまで単純に喜べるわけでもない。

むしろ、これからリビアは収拾がつかない混乱に陥ることになるのは分かっている。喜ぶべきものではないはずだが、アメリカの戦略が一歩進んだことに、ヒラリーも喜びを隠せなかったのだろう。


捕獲され、死にゆくカダフィ大佐の最期の姿


カダフィが死んだと聞いて、心から喜ぶヒラリー・クリントン

何度も書いているが、アメリカは国家戦略の中に暴力を埋め込んでおり、世界中のどこの国も、アメリカの暴力から逃れられない。

言うことを聞かない国は叩きつぶせ(米軍)
相手が悪ならば、自分はそれ以上の悪になれ(CIA)
叩きつぶせないなら手を結べ(米政権)


アメリカの暴力哲学

アメリカの暴力哲学は歴史上、ほぼ一貫して行われていることは誰でも知っている。そもそも世界最大の軍需産業はすべてアメリカに集中している。

ロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオンを筆頭として、そこにぶら下がる無数の企業がアメリカを支えている。

ノースロップ・グラマン、ユナイテッド・テクノロジー、ゼネラル・ダイナミックス、ハネウェル、アライアント、ロックウェル・コリンズ、L3コミュニケーションズ。

これらの企業はアメリカの雇用を支えると同時に、多くの政治家を排出して、アメリカの暴力を支えている。だから、アメリカの政治が暴力と縁が切れないのは当然のことである。

雇用を支える必要があるから、暴力は正当化される。その暴力正当化の歴史が長かったので、それがアメリカのDNAになっているとも言える。

だから、アングロサクソンがアメリカ大陸に「侵略」して、ネイティブ・アメリカン(インディアン)を根絶やしに侵略し、虐殺し、絶滅品種に追いやったのは「正当化」される。

また、日本に原爆を落として一瞬にして20万人の人々を焼き殺したのも「正当化」されている。

ベトナムではナパーム弾、絨毯爆撃、枯葉剤と、おおよそ考えられる非人道的な皆殺し作戦を実行していた。

湾岸戦争では劣化ウラン弾を使用して現地を放射能まみれにした。すべて「正当化」されていて謝罪の言葉は聞いたことがない。

また、イラク・アフガン・パキスタンで、大量虐殺が発生していても、それが正義のためであると喧伝された上に「正当化」されている。これらの国の市民が誤爆や誤射で何人死のうが同じだ。

ヨーロッパのほうも南米やアフリカを激しく収奪してきた。現在のアフリカの問題、中東の問題、イスラエルの問題は、すべてイギリスやフランス等が種をまいたと言っても過言ではない。

リビアの空爆はNATO軍が行った。多くの市民が死んでいったが、ここでの暴力は「正当化」されている。カダフィの死も、アメリカの正義戦略の中で行われて目的が達成された。

ヒラリー・クリントンの高笑いは、アメリカの暴力がまたひとつの国を崩壊させたという満足感の現れである。


リビアの反政府軍はアメリカのカダフィ排除戦略に乗っている。


混乱がさらなる不安定化を加速

欧米の強みは経済力だが、逆に欧米の弱味もまた経済力だ。金融立国としてレバレッジを効かせたアメリカ、イギリス、ユーロ圏がその逆流で次々と破綻の危機に瀕するようになっている。

グローバル経済が立ち行かなくなると、ノルウェーやイギリスではすぐに暴力が国内で引き起こされた。アメリカでは格差に対する怒りの表明として、「ウォール街を占拠せよ」というデモが行われて拡散している。

チュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメン、ソマリアと北アフリカ・中東も激変の中にある。剥き出しの暴力が、今まさに行使されている。

中国は軍拡の真っ最中であり、ベトナム・フィリピン・日本・台湾と、次々と問題を引き起こすようになった。

世界の秩序が崩壊している。それは収まるのではなく、むしろ拡散していく方向にある。不安定がじわりじわりと拡散している。この世界的不安定が平和をもたらすことはあり得ない。

不安定になれば、混乱が生じ、その混乱がさらなる不安定化を加速させていく。

結論から言うと、これは世界が治安に問題を抱えるということである。さらに具体的に言うと、やがて暴力の蔓延する壮絶な時代がやってくるということでもある。

貧困者は、既存の社会システムや政治や人間関係、そして外国諸国に不満や憎悪を抱く。だから、それらを破壊してしまいたいという欲求に突き動かされる。

デモの多発、そして政治に対する不平不満の爆発は、誰もその裏に何があるのか気がつかないが、明確に「貧困」が広がっていることが起因となっているのである。

日本もそうだ。長かった成熟時代が終りを告げて若者たちはこれからさらなる貧困に落ちるしかない。それがやがて暴力を産み出すことになぜ誰も気がつかないのか。

暴力の時代は、これからなのだ。これは必然であると覚悟したほうがいい。世界であらゆる対立が今後は爆発的に増えて行くことになる。


ギリシャの暴動は、ほとんど内乱になっている。


日本のデモとは様相が違いすぎるのは見て取れる。
イギリスもフランスもドイツもデモが起きるとこのようになる。


日本もこのようになることはないと断言できるのだろうか?


昨今のデモの多発が意味するもの

こういった暴力に向かいつつある世界の動向を見ながら、ふと日本を振り返ると、やはり日本も徐々に世界の不安定化・暴力化に呼応していることが見て取れる。

これは国民の国・官僚に対する不信から端を発しており、それがデモという形で目に見えるようになってきている。

日本政府は、今のところ異常なまでの八方美人外交を維持していることは国民の誰もが気がついている。

政治家は対立を恐れ、中国や韓国やロシアに国土の侵害を受けても、まったく強硬姿勢が取れない。対立・暴力という選択肢は、あらかじめ排除されているところに日本の外交の異常性がある。

本来であれば強硬姿勢を取らなければならないところで妥協してしまっており、それがますます問題をこじらせる。

企業・政治・メディアの上層部が、わざと韓国や中国に利することをしていることも大きな問題として存在しているのは確かだ。

2011年10月19日に、野田首相が韓国の李明博大統領と会談し、両国の通貨スワップの限度額を5兆円に拡大することも、韓国を利する行為だとして国民の大反感を買っている。

「韓国のために、700億ドル(約5兆3600億円)もの我々の血税が使われるのか。これをなぜ、震災復興のために使わないのだ!」

日本国民の激しい怒りが沸騰しているが、この怒りがまったく政治に届かないのである。

今まで、あまりにも国民が平和主義を唱え過ぎて、政治家がぬるま湯に浸っているのも一因にあるのかもしれない。

しかし、「このまま平和主義でいると、尖閣諸島も竹島も盗られてしまう」と国民は思うようになり、同時に平和主義の限界に気がつくようになった。

これから時代が平和に向かうのであれば、平和主義もひとつの生き方なのかもしれない。

残念ながら時代はそちらの方向には向かっていない。むしろ、その逆になる可能性が高い。

平和ではなく、混乱の時代が来る。

国民が暴力に目覚めていけば、そのうちの政治家にも暴力の矛先が向かっていくのは分かりきっている。日本でもいずれは時代が変わる可能性がある。

世界が暴力に巻き込まれていこうとしている今、日本だけが平和主義でいられるはずもない。昨今のデモの多発がそれを暗示している。

暗澹たる時代だと言えばそうなのだが、世界の暴力化・日本の暴力化はむしろこれからが本番である。

それを見越して、もう一度これを読んで欲しい。(金融崩壊に危険な災害。危ない時代になったときの助かり方)

(1)今が正常だと思い込まない。
(2)非常時には他人を助けようとしない。
(3)みんなと同じ行動をしようとしない。

長い秋の夜は、これからの生き残りを考えるのに相応しい季節だ。


フジテレビの韓国偏向報道に抗議するデモ


中国の尖閣諸島問題に抗議するデモ


TPP反対のデモ


脱原発を推進する人たちのデモ
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post_24.html




06. 中川隆 2013年5月29日 06:48:34 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

米国はイラク侵攻に際し、道路、パイプライン、空港、送電網、公共施設などを重点的に爆撃し、復興計画を巨大な国家プロジェクトに仕立てた。

USAID(米国国際開発庁)が行った第一回目のイラク復興の入札にはケロッグ・ブラウン & ルーツ、ルイス・バーガー、パーソンズ、ワシントンなど政権と緊密な企業群が参加し10億ドルの業務を受注するが、開戦前からベクテル、フルーア、ハリバートンの各社は強力なロビー活動を推進し、2009年から2002年の間に約300万ドルの献金を行っている。

2003年、一連の戦争特需により4−6月期の米国GDPは前期から3.3%上昇、軍事費は45.8%増加し、ロッキード・マーティンは前年比18%増、ノースロップ・グラマンは同57%増、IBMは同10%増を記録した。

またマクダネル・ダグラス、ゼネラル・ダイナミクス、ロックウェル・インタナショナル、ボーイング、ユナイティド・テクノロジー、ゼネラル・エレクトリック、ウェスティング・ハウス、ハネウェルなど軍事企業はいずれも湾岸戦争以来の売上を達成。

さらに2004年、ジョージ・ブッシュはイラク対策費として870億ドルの補正予算を要請するが、フランスのル・モンド紙は復興予算総額を5600億ドルと見積もった。

イラクの原油埋蔵量は世界第2位と推定されているが、開戦前は経済制裁によって日量280万バレルの原油生産に止まっていた。しかし今後は日量600万バレルに増産される予定であり、さらに未開発の油田を採掘すれば日量800万バレルを突破し、サウジ・アラビアを抜いて世界第一位の産油国になると予測されている。イギリスのフィナンシャル・タイムス紙は、ハリーバートンが原油の採掘事業を独占し、シェブロンなどがその売買を行うことなどから、イラク戦争そのものが米国による経済行為であると批判したが、これに対し米国は「機密保安のため国内企業を優先する」と釈明した。

 

2004年、さらに米国はイラク国内法を改正し、公営企業の民営化に着手する。セメント工場、化学肥料プラント、燐酸や硫黄の鉱山、医薬品工場、航空会社などおおよそ産業主体となる企業群が対象となり、同時に資本規制を撤廃したため、イラクの公共資源は一挙に外資に売却された。また税制改革により進出企業はイラク国内での納税義務を回避し、本国に100%利潤を送金することが合法となる。一連の政策により失業者は70%以上に達し、困窮した国民は抵抗運動に参加するが、多国籍軍はこれをテロ行為とみなし、大規模な掃討作戦を展開した。

経済学者ジョセフ・スティグリッツは、イラク戦争による日本国の負担は30兆円を突破していると推計しているが、100兆円規模となる米国債などのドル建て資産が軍事費へ転化されていたことから、この間の円高による為替損40兆円を合算し、総計70兆円規模の負担であるとの見方が強い。
http://p.booklog.jp/book/69838/page/1699199

Whose Crisis, Whose Future?  2013/04/28

世界のトレンドとは福祉国家と石油経済の解体だ。

イラクと日本国においては、同期して市場原理主義に社会改変されているのだが、前者は戦争装置によるハードな改革であり、後者はメディア装置によるソフトな改革であると言えるだろう。

GHQによって精神解体された我々は、イスラムのように超越者を裏づけとする絶対のエートスを持たない、いわば空洞化した精神の民族なのであり、侵略集団は激しい暴力を起動することなく、情報統制と衆愚政策によって統治可能であると判断している。

石油経済とは、原油の決済代金を公共福祉や社会整備事業に投入する共生的な社会システムであり、フセイン政権は独裁と批判されながらも中東トップレベルの教育、医療、食料政策を施していたのだが、それはレーガノミクス以降の米国を遥かに凌ぐ高度な水準であったわけだ。

占領統治下におけるイラクでは「ワシントン・コンセンサス」が強行され、それは民営化、自由貿易、資本規制撤廃、福祉・医療・教育の削減という略奪スキームの発動であるのだが、国家議会から地方議会にいたるまで閣僚や議員は米軍による任命制であるため、民意が反映される余白は皆無に等しい。

バグダッドの陥落直後から、米国はシンクタンクとともにイラクの公営企業売却を策定したのであり、彼らが企業価値を高めるため従業員を大量解雇したところ失業率は70%近くに跳ね上がり、そのうえ入札から国内事業者を締め出し、主用200社の大半を欧米資本に落札させた挙句、破壊したインフラや公共施設の復旧事業を、ベクテルなど米国企業が全面的に独占したわけだ。あらゆる爆撃が、それを目的として周到に計画されていたことは語るまでもない。

構造改革により関税障壁を撤廃したところ、周辺国から安価な工業製品が流入したため国内生産者は壊滅状態となり、そのうえ劣化ウラン弾により放射線由来の疾患が爆発的に増加するなか、無料医療と食料配給を廃止し国民を絶望させるのだが、彼らはこの渦中さらに原理主義を推進し、多国籍企業がイラク国内で得る投資利潤100%の本国送還を合法化したのである。

占領軍は復興とセキュリティの応負担を事由として、20兆円分の原油を確保したとみられているのだが、さらに彼らは「新石油法」の制定によってシェル石油やブリティッシュ・ペトロリアムが恒久的に売買益を得る制度を確立したのであり、つまるところ一連の行動は公共資源と経済市場の略奪を目的とした戦争行動に過ぎなかったわけだ。

ハリー・バートン、ロッキード・マーティン、KPMG、RTI、パーソンズなどを筆頭とする多国籍企業群の株価が暴騰し、そのステークホルダーである当時の閣僚らは莫大なインセンティブを確保したのであり、それは軍事という米国本質の体現であり、いずれの時代においても戦争が最も金になるビジネスであるという、普遍事実の証明なのだろう。

陰謀論と一蹴されがちなのだが、経済現象から帰納すれば、9.11とは明らかにイラク攻撃を目的としたフィクションなのであり、それはアラモ砦、メイン号事件、真珠湾、トンキン湾、ルメイラ油田など、資本帝国が人類史に創作する虚構劇のひとつに過ぎないのだと思う。

メディアは侵略行動に抵抗するイラク市民をテロリストであると文脈化しているのだが、鎮圧には5万人の民間兵力が投入されているのであり、つまりブラック・ウォーター社などの傭兵による殺戮が横行しているのであり、すでに様相は「国家VS国民」ではなく「市場VS国民」なのであり、本質とは激化する資本と人間の二項対立なのだろう。

イラクと日本国はグローバル資本が欲望する地球最後のフロンティア(新世界)であるのだが、壮絶な新植民地主義の暴力に飲み込まれ、すでに解体の途上にあることは明白であり、イラク戦争と小泉政権がシンクロし、両国がグローバリズムによって平準されたことは偶然ではなく、それは新しい世界秩序形成にむけたアジェンダ(予定表)に他ならない。

この前提において、TPP加盟とは我々の体系がプランテーションとして確立される終局的フェーズを意味するのであり、米国の対日戦略が全領域的に完成し、それを触媒とする多国籍企業が絶対者として君臨することを示唆するのであり、すなわち今後100年以上におよぶ日本民族の奴隷化と同義である。
http://alisonn.blog106.fc2.com/blog-entry-423.html


07. 中川隆 2013年9月09日 14:16:21 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

松本 潤一 ・ 名古屋大学大学院

米国のシリアへの軍事介入問題の背景には、米国の経済的利益と真っ向から対立するアサド政権と、それを擁護するロシア・中国という構造があるが、この記事からはそれが完全に欠落している。

どこの誰が書いたのかと思ったら、「英エコノミスト誌」だそうだ。
意図的に書かなかったとしか思えない。

イラク戦争の時もそうだが今回のシリア問題も、化学兵器など大義名分に過ぎない。考えてみれば当然で、銃の掃射による虐殺と化学兵器による虐殺に差があるとは思えないし、そもそも内政干渉だ。

他国の内政問題に介入するほど、米国は暇人ではない。

真の理由はドルの基軸通貨としての地位を維持するためであって、それを裏付けているのは石油取引のドル決済だ。

フセインはそれを拒否したから潰された。

アサド政権も石油取引をドル以外の通貨で行おうとしている。

ドル石油体制が一度崩壊すると、少なくともドルが唯一の基軸通貨ではなくなり、世界最大の赤字国家にも関わらず、基軸通貨ゆえに保たれているドルの信頼が揺らぐ。(ユーロはユーロ内のみの基軸通貨)

ドルの信頼が揺らげば米国は超大国・覇権国家の地位を維持できない。

だから本当に使用されたかどうか怪しい化学兵器を口実にして、執拗にアサド政権をつぶそうとするし、ロシア・中国がアサド政権を支援するのも、米国覇権を終わらせてそれぞれが覇権国家になりたいからだ。

イラク戦争の時とは違い、リーマンショック後の米国は、もはや中東とアジアで両面作戦を展開できるほど力が残っていない。だから本当に米国を駆逐できるかもしれないと思い、中露とも躍起になって対抗している。

ロシアは中東から米国を駆逐したいから、できれば軍事介入を制止したいし、介入してきたらシリアの側に立つだろう。

中国はアジアから米国を駆逐したいので、中東に介入して欲しいと思っていて、できるだけ長期化して欲しいと思っている。

だからいざ米国が介入すると、裏で積極的にシリアを支援するだろう。

となるとこの問題はこれまでの中東問題よりも、長引く&拡大する可能性がかなり高い。



08. 中川隆 2013年12月29日 09:48:18 : 3bF/xW6Ehzs4I : 2D6PkBxKqI

サダム・フセイン  裁判で述べた言葉 2005年12月
http://www.youtube.com/watch?v=PudoIlLvpCU
サダムフセインのジョーク
http://www.youtube.com/watch?v=y_Iq3r-TZbM


09. 中川隆 2015年3月04日 21:43:10 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

もっとも残酷残忍な国は? 2015-02-18
 この見出しを見て、これまで私のブログを読んで下さっている皆さんは、「このブログの筆者は米国だと言いたいのだな」とお考えになるでしょう。ピンポン!です。

 私は九州大学教養部に奉職中、1959年、シカゴ大学物理学科からの招待で渡米して2年を過ごし、その直後に、サンホゼとボルチモアに計1年半ほど滞在し、1968年にはカナダに移住してしまいました。私は、その頃までは、米国という国は色々の意味で良い立派な国だと思っていました。ところが、それから約半世紀後の今では、米国は建国以来一貫して極めて残酷残忍な国家であると、私は考えています。日本には米国に好意を持っている人々が沢山おいでですから、この老人の考え方に不快感を覚える向きも多いでしょうが、私とて好きでこうなったのではありません。十分の理由があってのことです。否定の余地のない事実の数々を学び知ったことで、この考えにならざるを得なかったのです。

 刃物で人の首を刎ねたから残酷残忍というのは如何なものでしょうか。日本でも昔はよくやりましたし、フランスはその技法で歴史的にとりわけ有名です。Point-blankで射殺するのは残酷残忍ですが、高空の無人機から狙い撃ちするのは人道的ですか?

 2013年8月30日付のブログ記事『もう二度と幼い命は尊いと言うな』で、私は、

「8月21日、シリアの首都ダマスカスの近くの反政府軍の支配地区に対してロケットによる化学兵器(毒ガス)攻撃が行なわれ、多数の一般市民が殺されました。死者数は初め約1300人と発表され、現在では数百人とされています。」

と筆を起こし、

「今回の毒ガス使用が米欧の直接軍事介入の口実として行なわれたと私が確信する理由」

を述べました。幸いにも、ロシアの外交的努力のおかげで、米欧の直接軍事介入は阻止されましたが、シリアのアサド政権打倒を目指す米国は、代理戦争の形態であらゆる汚い手段を用い、とうとうイスラム国という恐ろしい擬似国家まで生み出してしまいました。

 シリア紛争がシリアの一般国民に与えている被害は甚大です。国連難民高等弁務官事務所の2014年3月の発表では、

「シリア紛争が始まってから3年が経過し、家を追われた人の数は900万人を超えた。シリアはまさに世界的に最も多くの難民、避難民を出す国になってしまった。シリア周辺国で難民登録を行った、もしくは難民登録待ちのシリア難民の数は256万人を超える。またシリア国内で避難を強いられている国内避難民の数は、650万人を超えている。難民、国内避難民を合わせた数は、シリア紛争開始前のシリア全人口の40%にあたり、そのうち約半分が子どもである。」

となっています。死者は10万人を優に超えていると推定されます。

 シリアで起こっている事態については、各国政府筋、シンク・タンク、専門家、論客などのあらゆる見解や分析が世に満ち満ちていますが、我々一般庶民にとって最も基本的な設問は

「米国がシリアの政権変革(regime change)を行おうとしなかったらどうなったか」

ということでなければなりません。“歴史的に現実に起こったことを、起こらなかったら、と仮定する議論は馬鹿げている”と言わないでください。クレオパトラの鼻の話ではないのです。イラクにしろ、リビアにしろ、シリアにしろ、もし、米国がそれぞれの国の政権を、武力を行使して、変えようとする行為に出なければ、百万のオーダーの庶民が戦火に殺され、千万のオーダーの庶民が難民化することはなかったのです。

イラクとシリアの国内でクルド人たちがひどい扱いを受けていたのは事実です。彼らが反政府行動に出たのも当然です。しかし、いわゆる北米インディアンの人々も同様の取り扱いを米国国内で受けています。けれども、米国と違い、イラクもリビアもシリアも、遠くの国に出かけて行って、内政に干渉し、武力で政権変革を試みるようなことは何もしていませんでした。国内では、国民はそれなりに一応平和な日常生活を営んでいました。いま私の思いは特にリビアの人たちの上にあります。「カダフィが生きていた頃は良かったなあ」というのがリビアの大多数の人たちの痛切な思いであるに違いありません。

 「もっとも残酷残忍な国は?」という設問に戻りましょう。

前掲の2013年8月30日付のブログ記事で、私は、毒ガス(サリン)を使ってシリアの一般庶民数百人を殺戮したのは反政府勢力側であり、その背後には米国があると判断しました。

毒ガス使用からわずか10日後の時点での、ズブの素人の断定でしたが、それから2年半後の現在、私の断定が正しかったと考えられる十分の理由があります。当時オバマ政府は、アサド政権側が行った確かな証拠を持っている、と言っていましたが、提出されてはいません。

もし世界に提示できる確たる証拠があれば、それを口実に、米国は、今からでも、リビアを破壊し尽くしたと同様の猛爆を、国連を操作して、シリアのアサド政権に対して開始し得るのです。勿論、そんなもののある筈はなく、むしろ、オバマ大統領の手元には、使用されたサリンの出所などについてのはっきりした資料があるのだろうと、私は推測します。

 ブログ記事のはじめの部分に引いたワシントン・ポストの8月23日付の記事を再録します。そのフォト・ギャラリーには、白布に包まれた幼い子供たちの死体が魚河岸の魚のように並べられた写真があります。他の写真の多くも子供の犠牲者の様子を撮ったものです。ご覧になって下さい。

http://www.washingtonpost.com/world/national-security/in-syria-chemical-attack-allegations-us-and-allies-push-for-immediate-probe/2013/08/22/00f76f2a-0b6f-11e3-8974-f97ab3b3c677_story.html?wpisrc=nl_headlines

これらの子供たちは、米国が打倒したいと考えるアサド政権に対する空爆を開始する口実を捏造するために殺されました。この国家的行為とイスラム国の誘拐殺人行為とどちらがより残酷残忍でしょうか。

 ここで、私としては、何度でも申し上げておきたいことがあります。どこからやって来たのかわかりませんが、「一つの命は、どれも同じく、一つの命だ」という片言のような言葉が私の心の中に住み着いています。“いたいけない子供だから”とか“愛くるしい少女だから”という気持ちを私は持ちたくありません。偽の証拠の捏造する目的で、誰が殺されても、私は同じように憤りを感じます。

 2002年4月、ベネズエラでクーデターが起こり、ウゴ・チャベス大統領は反乱軍側に拘束され、大統領の座から追われましたが、47時間後には、貧困層大衆のチャベスに対する圧倒的支持の表明と軍部内の大統領支持勢力によって、クーデターは失敗に終わりました。このベネズエラ政府転覆の試みの背後に米国の手が働いていたことは否定の余地がありません。

 先週木曜日2月12日に現ベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロは,新しいクーデター計画を阻止したと声明を出し、政府が把握した計画の詳細を発表しました。今回も米国のバックアップがあったことは見え見えです。クー実行の予定日は2月12日でした。このクーデター挫折のニュースは日本では殆ど報じられなかったようですが、十分の関連情報がネット上で入手可能です。

 計画の残忍性の点で、2月12日に行われる筈であった暗殺計画の標的の中に、マドゥロ大統領と政府の高官の他に、反政府側の何人かも含まれていたことに、私は特に注目します。

 2002年4月のクーデターの際、4月11日の午後、チャベス政府側が反政府のデモ隊に向けて発砲して十数人が射殺され、約60人が負傷したと報じられ、これがクーデターの決定的瞬間になったというのが、ニューヨークタイムズなどの主要メディアの主張したところでした。

しかし、その後、反政府デモ隊に発砲し、残忍な殺戮を行ったのは、政府側ではないことを証拠付ける映像の存在が確かめられ、殺戮は反政府側の自作自演であったことが判明しています。今回の、失敗に終わった政権乗っ取り計画で、反政府側の人間も暗殺の対象になっていたという事実は、前回と同じような偽りのストーリーのでっち上げの計画が事前に組まれていた証拠だと思われます。

米国のネオコン金融経済システムにべネズエラを組み込むという政策の実行のためには、その手先となって動いている人間たちでも、利益があれば、暗殺して省みないというのは、これぞ冷酷残酷残忍の極みと言うべきではありますまいか。

 言うまでもありませんが、もし米国の残酷性を思想的問題として本格的に論じるとするならば、第二次世界大戦での米国空軍の日本に対する空爆の問題を正面に据えなければなりません。これは、日本軍の行為についての反省、あるいは、米国の原爆使用の是非の問題と一応切り離して、考察すべき問題、考察可能の問題です。核抑止力の思想の中核とも深く結びついた問題です。いつの日か、この問題と対決したいと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/3c0b797a4727fc9dc5279fd9a8cf04b5


10. 中川隆 2015年3月12日 17:47:57 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

なぜ「正義の味方」は、暴力と破壊を生み出す元になるのか? 2013-08-01
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20130801T1443000900


「正義を強調すればするほど、世の中は悪くなる」と言えば、驚く人もいるかもしれない。しかし、それは事実だ。

もし、あなたがそれを知らなかったとしても別に驚く必要もない。なぜなら、それはわざと気が付かないように教育されて来たからである。

子供の頃から「正義のために悪を滅ぼす」ことを強調する馬鹿げた漫画やドラマや映画を見てこなかっただろうか? 今もそんなものを見ているのではないだろうか?

これは、子供に「正義のために悪を滅ぼすのは徹底的に正しい」という刷り込みを行うものでもある。子供の頃から、そんな刷り込みがなされている。

テレビが為政者の都合の良いものを垂れ流しして国民を洗脳しているのはよく知られている。

日本だけではない。アメリカでは特に、正義のヒーローが崇拝されていている。なぜ、政府は「正義のために悪を滅ぼす」ようなワンパターンを延々と国民に見せているのか。


暴力が正当化され、暴力が崇高なものになっていく

政府が国民に「正義のために悪を滅ぼす」ようなストーリーを崇拝させているのは、裏の意味がある。政府は、いずれ国民に「国のために戦わせる」必要があるからだ。

そのためには、国民が「正義のために悪を滅ぼす」という行動や思考に慣れていなければならない。国が「正義のために」と言えば、国民は無意識に「悪を滅ぼす」と条件反射で思うようにしておかなければならないのである。

それが完成すれば、国は「正義」を強調するだけで、国民を無意識に暴力に駆り立てることが可能になる。それを徹底的に行っているのが、アメリカであると言える。

正義を強調すると必然的に二元論に行き着く。

つまり、「正義の側」と「正義ではない側」とに二分する。水と油のように、それはくっきりと別れ、違う世界になる。

二元論に陥ると、どうなるのか。相手を受け入れる余地が、完全になくなってしまうのだ。相手は悪なので「滅ぼす対象」となるのである。

自分が正義の側に立っていると思うと、必然的に相手は「正義でない側=悪」というシンプルな構図に行き着く。

自分が正義だと強調すればするほど、対立する相手が完全なる悪になってしまう。

(1)私は正義だ。
(2)私と敵対する相手は悪だ。
(3)悪は倒さなければならない。
(4)相手を滅ぼすのは正当な行為だ。

自分が正義の側にあると思えば思い込むほど、正義のために相手を破壊しようという動機(モチベーション)が上がっていく。

暴力が正当化され、暴力が崇高なものになっていく。あるいは、相手(悪)を破壊することが、使命感溢れる行為へと祭り上げられる。

現場では残虐な殺戮行為が起きているのだが、それが思想的には正しいものへとなっていくのである。


正義を強調することによって、暴力が崇高なものになっていく。


このような二元論を好むのがアメリカという国

このような二元論を好むのがアメリカという国である。アメリカは自らを正義だと主張し、そして自分たちに挑戦してくる国を「正義に挑戦してくる国」だと見なす。

正義に挑戦してくる国というのは、当然「正義ではない国」という二元論が働くので、「敵対国は悪だ」という思想になる。

食い詰めたイギリス人(白人)がアメリカ大陸に渡ったとき、その大陸にはすでにネイティブ・アメリカン(先住民)たちが住んでいてひとつの文化を築きあげてきた。

しかし、白人たちは彼らが野蛮人であり、このような野蛮人を駆逐するのは正義だと思い込んだ。

つまり、自分たちのほうに正義があり、あちらは正義ではないという二元論に囚われた。

そこで何が起きたのか。

白人による先住民の大虐殺である。自分たちは正義であり、正義を脅かす先住民は「悪の権化」であり、それは徹底的に駆逐されなければならないと考えたのである。

正義の名のもとに大量虐殺が起きて、それが正当化された。

アメリカはこの二元論を第二次世界大戦にも応用して、自分たちは正義の側にあり、日本は「悪の権化」であると徹底的な刷り込みを国民に行なって、「正義と悪」の戦いに昇華させていった。

真珠湾攻撃はアメリカが日本を追い込んで「行わせた」という歴史が明るみになって来ているが、それは日本を「悪」にして、自分たちを「悪を懲罰する国=正義の国」という大義名分に必要なことだったのだ。

日本を壊滅させるのは正義であり、原発二発を落とすのもまさに正義の行使だったのである。

ソ連との冷戦もまたそうだった。アメリカ国内では資本主義が「正義」であり「正当」であり「正しいもの」だったので、それに挑戦してくる共産主義は「悪」であり、「悪魔」であり、「邪悪なもの」だった。

そして、悪と対抗するために、核爆弾を作って作って作りまくって世界を何回も破滅させることができるまでにそれを備蓄した。世界を破壊する兵器は「正義のため」に作られた。

そのとき、アジアでは共産主義が浸透し始めていたが、アジアを共産主義から守るのは「正義」だったので、アメリカは共産主義=悪からアジアを守るという名目でベトナムに介入した。

アメリカはベトナムに上陸して、傀儡政権を打ちたて、北部を絨毯爆撃し、ナパーム弾で森を焼き、農地を焼き、人を焼き殺し、枯葉剤をばら撒いてベトナム女性が産む子供を奇形児だらけにしたが、それは何のためだったのか。

すべては、正義のためだったのである。

戦争にもルールがあったはずだ。たとえば、非戦闘員を殺してはいけない、捕虜を殺してはいけないというルールである。

アメリカは原子爆弾で日本の非戦闘員を焼き殺し、ベトナムでナパーム弾や枯葉剤をばら撒いてルール無視の戦闘を行なってきた。

正義の名のもとに、それが行われた。


ベトナムが絨毯爆撃されたのも、正義のためだった。


正義とは胡散臭いものであり、一方的なもの

やがてその正義はさらに暴走していく。アメリカは2001年以降にイスラム国家のいくつかを「悪の枢軸国」と吐き捨てて、イラクが大量破壊兵器を持っていないというのに戦争に突入していくのである。

イラクは大量破壊兵器を持っていなかったが、アメリカは大量破壊兵器を持っていた。

レイセオン社の製造したパトリオット・ミサイル(愛国者爆弾)はイラク国民の土地で炸裂して非戦闘員であるはずの女性や子供たちが次々と死んでいった。

無人機爆撃、劣化ウラン弾、バンカーバスター。イラクではあらゆる大量殺戮兵器が投入されて、今や累計で100万人もの人たちが死んだとされている。

正義を強調すればするほど相手が悪になる。そして、そこから悪を倒せという暴力が生まれる。正義が暴力を産み出す。

だから、逆説的な話になるが、正義を強調しないほうが余計な暴力を産み出さないという言い方もできる。

正義を強調する人、正義というものが頭にある人は、自分や自分の属している社会を正義と見なし、それ以外を悪と見なす二元論に囚われる。

「どちらが正義か?」という問いは、どちらの立場に自分が立つかによって違ってくる。立場が違うと、それが正義にもなるし、悪にもなる。

すべては立場の問題だ。


イラク戦争は、アメリカは正義でイラクは悪だという論理で行われた。


正義という言葉は悪用されやすく、人々は騙されやすい

アメリカ人は先住民を大虐殺しても野蛮人を殺すのが正義だったと胸を張っている。日本に原爆を落として女性や子供を虐殺しても正義だと胸を張っている。

イスラエル人はパレスチナ人を大虐殺しても、パレスチナ人はテロリストだから自分たちに正義があると主張して胸を張っている。

パレスチナ人は自分たちの闘争を先祖代々の土地を奪ったイスラエル人と戦うのは正義の戦いだと主張して胸を張っている。

かつてキリスト教徒が十字軍を作ってキリストと敵対する宗教を悪と決めつけて異教徒を殺戮して回ったが、その殺戮を正義だと胸を張っていたのである。

同じことはイスラムが布教していく中でも見ることができる。オスマン帝国がキリスト教もユダヤ教も弾圧して迫害していく歴史はヨーロッパ人は今でも知っている。

オスマン帝国はイスラムを正義と見なし、その他を悪と見なしたのである。

しかし、私たちは冷静な目で歴史を振り返ると、正義を主張していた国や宗教や人たちには特に正義の根拠も何もなく、ただ自分たちの立場を正当化しているだけだというのが見えるはずだ。

正義を強調している人は、暗に自分の立場が有利になるように正義を利用しているわけで、単なる利己主義者、利益誘導者だということもできる。

正義という言葉は悪用されやすく、人々は騙されやすい。あまりにも内容のない正義が多いので、もう正義という言葉は信用しないほうがいい。

タチの悪い国、タチの悪い人たちがいる。彼らは、意図的に二元論で集団を分離し、暴力を正義と結びつける。しかし、誰もその深層に気がつかない。騙されるのである。

騙されないためには、私たちも自衛する必要がある。

まずは正義という言葉が「騙しのひとつ」であることに気がつくべきだ。

正義とは胡散臭いものであり、一方的なものであり、信じるに値しないと思うくらいで釣り合いが取れる。正義はどこにもない。正義の名のもとに行われた暴力なら、どこにでもある。

家族や友人を殺された人たちにとって、相手は正義の味方ではない。二元論の中では、正義という言葉自体が騙しの言葉である。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20130801T1443000900





11. 中川隆 2015年12月06日 14:46:07 : 3bF/xW6Ehzs4I[1094] : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw

トルコのロシア爆撃機撃墜事件とその石油利権がらみの背景について 2015年11月30日

国際政治事件の背景に石油利権がもとに起きているISがらみのトルコとロシア間事件の背景の黒幕組織について考察します。

トルコ政府がロシアの爆撃機が領空侵犯したとして、撃墜した上パラシュート降下中に一人を地上から射殺したと報じられている。勿論双方の発表は異なっているので、これはプーチン側の発表である。しかし、同時に映像も公開されている。確認できるのは、パラシュート降下中の飛行士を地上から射殺していることであり、これは国際法違反である。ゆえに、領空侵犯したから国際法に基づき撃墜したとの弁は、わずか17秒の領空侵犯があったから撃墜した(こんな短時間にパイロットが軍からの判断指示を受けるの無理!待ち構えていた筈だ)との言い訳とともに信憑性に問題がある。


衝撃ロシアプーチン側が真実を語っていると思われる。

少しずつ真実が分かってきてトルコ側は窮地に陥りつつある。しかし、日本の公式メディアであるNHKは、両者をいまだどちらが真理かは判定付かずの立場で、それぞれ政府の言動を報じているに過ぎない。


■NHKニュースWEB
ロシア トルコに経済制裁の大統領令
11月29日 5時39分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151129/k10010323131000.html

今回も石油利権が絡んでいる。ISの資金源は石油であり、その闇ルートの石油を世界に流通させている石油メジャーが存在する。

衝撃IS⇒トルコ石油公社⇒(米)エクソン・モービルと(英)ロイヤル・ダッチ・シェルが購入・流通元

背後の黒幕は、米国ロックフェラー一族の石油企業と英国ロスチャイルド一族の石油企業と言う事になります。

 財閥の要請どおりに動くのは、米オバマ大統領も同じですから背後に米英有りという事です。(これは、大統領選に巨額の資金が必要な事からそのスポンサーの思惑通りに政治を行うと言う宿命が米大統領には付きまとうからです。米大統領のスポンサーはロックフェラー財閥です。昨日NHKでも夜9時から放送していたようですが・・・)

以下それを明らかにしているメルマガを紹介します。
以下転載 


(No.177)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編
中東で起きている壊滅的な暴力の陰に潜む巨大な存在を見よ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

現在、中東で暴力が吹き荒れているが、ISISの資金源は石油の闇売りであると言われている。ISISは石油を盗削して、それをトルコに闇ルートで売り、トルコがそれを国際市場に流していたとされる。

これを暴露したのがロシアのプーチン大統領である。

2015年11月24日、トルコはロシアのスホイ24戦闘機を撃ち落とした。ロシアが石油施設やタンクローリーを片っ端から空爆で破壊するので、トルコの石油闇ビジネスが危機に瀕するようになったからだ。

2015年11月25日、プーチン大統領は次のように述べた。

「ISISは石油の密売から得られた数億ドル、あるいは数十億ドルという莫大な資金を有している」

そして、ロシアのマスコミが補足するように、その石油密売の黒幕は、トルコのエルドアン大統領の息子であるビラル・エルドアンが支配する石油会社「BMZ」が関わっていると詳細を発表した。

これにエルドアン大統領は激怒して、ロシアに「恥を知れ」「トルコはISISの石油と関わっていない」と激しく抗議した。


▼ ISISの陰にトルコ。そして、トルコの裏側にいる者
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
しかし、そう言っている矢先に大統領の息子ビラル・エルドアンがISISの幹部とにこやかに会食している現場写真が出回ってエルドアン大統領は窮地に陥る。

その結果、2015年11月28日には、「今回の事件で、本当に悲しんでいる。起きなければ良かった」と一気にトーンダウンしていった。

衝撃ISISが大量の石油を売りさばき、それを備蓄し、国際市場に売るには、もちろんテロリスト単独ではできない。その裏には国家が絡んでいたのは明白だ。それがトルコであることを、ロシアのプーチン大統領は暴露した。

さらにロシアは、ISISに関わっているのがトルコだけでなく、他にもあることを示唆している。

衝撃トルコで石油を掌握しているのは国営石油企業TPAO(トルコ石油公社)である。この「TPAO」と提携関係を結んでいるのが、イギリスのロイヤル・ダッチ・シェルと、アメリカのエクソン・モービルである。矢面に立っているのはトルコだが、このトルコの裏側にいるのが米英の巨大石油企業だ。石油業界を掌握しているのは、今でも「スーパーメジャー」と呼ばれる4つの企業である。

(米)エクソン・モービル
(米)シェブロン
(英)ロイヤル・ダッチ・シェル
(英)BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)

衝撃エクソン・モービルとシェブロンは、ロックフェラー一族の石油企業、ロイヤル・ダッチ・シェルとBPはロスチャイルド一族の石油企業となる。

つまり、どういうことなのか?

▼ 否が応でも「スーパーメジャー」の標的になる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ISISはシリア・イラク一帯を超暴力で石器時代にまで文明を退化させた。シリア・イラクの人々はインフラも崩壊し、仕事もなく、日常的に暴力が吹き荒れる地で崩壊した建物に潜んで生活している。

さらに、絶望してヨーロッパ方面に難民として溢れ出しているが、他国で福祉にすがって生きなければいけないわけで、言ってみれば極貧の流浪者である。

中東地域からはいくらでも石油が噴き出るので、本来であればシリアもイラクも豊かな国々となって、アメリカやヨーロッパの国民よりも豪奢で安楽な生活を送ってもおかしくなかったが、そうなっていない。

その理由は、石油や資源のある国は、「スーパーメジャー」が石油利権を奪うために、戦略的に国家混乱を引き起こしているからだとしか言いようがない。

衝撃石油のあるすべての国家は、否が応でも「スーパーメジャー」の標的になるのである。

サウジアラビアのように、スーパーメジャーに従順な一族は保護される。たとえば、サウジアラビアのサウド一族のように、徹底的にスーパーメジャーに従順な一族は安泰だ。

しかし、スーパーメジャーに反旗を翻すカダフィ大佐やサダム・フセインのような存在は存在そのものが排除される。

サダム・フセインもカダフィ大佐も石油を掌握した後、ドル通貨基軸からも離脱しようとユーロ決済での取引をするようになった。

しかし、そうやってアメリカやアメリカを支配するスーパーメジャーの支配下から逃れようとした人間は独裁者だろうが何だろうが、容赦なく叩き潰されるのである。

石油は現代文明を回す「血液」であり、私たちは石油で築かれた文明で生活している。逆に言えば、この石油を支配することによって「地球」そのものを支配することができるということになる。

▼ 中東で起きている破滅的な事件の本質とは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1990年代以降の人間の歴史は、そのまま石油の歴史だ。それは現代文明が石油によって成り立っているからだ。そして、その石油は、すでに石油は1990年代に「スーパーメジャー」4社ががっちりと掌握している。

・・・・中略・・・・・・

台頭するようになった各国の政府系石油公社がスーパーメジャーのくびきから逃れようとすると、凄まじい力で叩き潰されていく。こうした状況は、あと数十年変わることなく続く。

スーパーメジャーというのは、歴史すらも変えていく恐ろしいほどのパワーを持ち合わせているのである。

私たちは、中東で起きている破滅的な事件で「暴力」に目を奪われてしまう。しかし、その物事の本質はそこではない。私たちは、中東で起きている壊滅的な暴力の陰に潜む、「スーパーメジャー」という巨大な存在を見なければならない。

衝撃ISISの資金源やトルコ政府の密売事件を見ても分かる通り、中東一帯で起きているのは、実際には「石油」を巡る経済的事件である。歴史の裏には石油がある。
http://open.mixi.jp/user/29150853/diary/1948251485



12. 中川隆[1094] koaQ7Jey 2015年12月25日 10:44:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[478]

△▽

地球上の石油を掌握しているのは、スーパーメジャーと呼ばれている4社の石油企業である。

エクソン・モービル(ロックフェラー系)
シェブロン(ロックフェラー系)
ロイヤル・ダッチ・シェル(ロスチャイルド系)
BP(ロスチャイルド系)


この4つの多国籍企業は地球を覆い尽くして石油を支配しており、すべての国で隠然たる力を持つ。

東南アジアにもこの4つの企業が複雑に入り込んでいるのだが、エクソンは「エッソ・グループ」として東南アジアに潜り込み、シェブロンは今後「スター・ペトロリアム」としてタイにコミットすることになる。

文明の血液である石油。石油がなくなると現代文明も終わる。この石油を掌握しているのはスーパーメジャーと呼ばれている4社の石油企業である。この4つの多国籍企業がすべての国で隠然たる力を持つ。


絶対に自らが表に立たないようにする戦略を採る

欧米のスーパーメジャー4社は、実はタイでも東南アジアでも中東でも中南米でも、その国のエネルギー産業に君臨することができるだけのパワーと財力があるのだが、もちろんそんなことは決してしない。

なぜなら、その国のナンバーワンのエネルギー企業になってしまうと「欧米がエネルギー企業を使って国を植民地にしている」という批判が必ず湧き上がるからである。

2008年頃、中国のペトロチャイナがアフリカ・スーダンで石油事業を一手に引き受けたところ、ダルフールの虐殺者に手を貸していると大批判が巻き上がったことがあった。

実のところ、全世界に網を張っているのは中国よりもスーパーメジャー4社の方なのだが、スーパーメジャー4社は実に巧妙に「君臨」を避けて実体を隠しており、その国のエネルギーを制していても、絶対に自らが表に立たないようにしている。

タイではエクソンとシェブロンの2社が深くエネルギー分野にコミットしているのだが、常にシェアはPTT(タイ石油公社)に取らせて自分たちは陰に隠れている。

エクソン・モービルは「エッソ」というブランドで2位、シェブロンは今後「スター・ペトロリアム」という名前でタイのエネルギーに食い込むことになる。

つまり、石油事業ではスーパーメジャーが二位と三位のシェアを持っており、しかもその両者は巧みに名前を隠してタイ国民にアメリカがエネルギー支配をしていると気付かないようにしているのである。

スーパーメジャー4社は200ヶ国以上の国、要するに地球上のありとあらゆる国家に入り込んでエネルギー支配をしているのだが、それがまったく問題にならないのは、自分たちの名前がそこに出てこない戦略を採っているからである。

誰も気付かない中で、エネルギーによってほぼ地球を制覇しているのがスーパーメジャー4社であり、その支配の構図は文明が終わるまで変わらない。

タイではエクソンとシェブロンの2社が深くエネルギー分野にコミットしているのだが、常にシェアはPTT(タイ石油公社)に取らせて自分たちは陰に隠れている。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20151225T0304390900.html



13. 中川隆[1217] koaQ7Jey 2016年1月18日 22:07:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[956]

▲△▽▼

2016-01-18
ベネズエラが国家崩壊の危機に直面し、経済緊急事態を宣言

2016年1月15日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が「経済緊急事態」を宣言する騒ぎとなっている。ベネズエラはもう国家崩壊寸前であり、どうにもならないところにまで追い込まれてきている。

ベネズエラがこのようになったのは、原油価格の暴落に原因がある。ベネズエラは産油国であり、輸出の95%を石油に頼っている国である。

つまり、この国の浮沈は石油価格にかかっていたわけで、石油が暴落したらこの国も危機に陥る構造だったのだ。原油価格は2014年の半ばから怒濤の如く暴落するようになっており、今もまだその傾向が続いている。

ベネズエラの国内経済は大混乱し、インフレ率は2015年で210%を記録していた。食料も、衣料品も、日用品も不足して、人々は何も買えない状態に陥ってしまった。

そのためにベネズエラ政府は国営スーパーで配給制を始めるようになったが、それでも物資が手に入らず、反政府デモも過激になっている。


ベネズエラの輸出が、ほぼ石油しかないのであれば、この国が立ち直るのかどうかは石油価格がどう推移するかで決まる。

石油価格が持ち直さないのであれば、政権が変わったところでベネズエラが正常化する要素はまったくない。

悪いことに石油価格はさらに落ち込んでいる。

2015年はベネズエラにとって最悪の年だったが、2016年も最悪が継続するということであり、これがマドゥロ大統領の「経済緊急事態」の宣言につながっている。

ベネズエラ政府には、もう打つ手はない。インフレ率はさらに上昇し、このままでは2016年のインフレ率は300%を超えて400%に跳ね上がるのではないかとも予測されている。

ベネズエラの失業率は2012年までは7%で推移していて、これも決して低い数字ではないが、現在はもうそれどころではなく、2015年は14%に達していたはずだというのがIMF(国際通貨基金)の予測だ。

経済停滞と、物不足と、失業と、インフレが同時に起きているわけで、これは典型的な「スタグフレーション」である。

様々な局面の経済状況の中で、最悪の局面を示しているのが、この「スタグフレーション」であるのは言うまでもない。

少し考えればそれがどれほどひどい状況なのか想像できるはずだ。何しろ仕事がなくなって、モノもなくなって、かろうじて手に入るモノは今までの3倍も4倍も高い価格が付いているのだ。

手に入らないのは贅沢品のようなどうでもいいものではない。牛乳、米、肉、卵、野菜、果物、コーヒー、洗剤、トイレットペーパーのような、日々暮らす上で大切なものである。

ベネズエラでは新聞社や出版社も続々と廃刊に追い込まれているのだが、これは弾圧の結果そうなったわけではない。その前に印刷するための「紙」が手に入らなくなってしまったからである。


劣悪な状況になってしまっているベネズエラ国内

現在のベネズエラはこの最悪の経済状況に追い込まれて、しかも改善の余地がない。改善どころか石油価格がより下落している2016年はもっとひどいことになる。

すでにベネズエラという国に見切りをつけて周辺国に脱出する国民も多く、すでに150万人以上もの国民がベネズエラから逃げ出したとも言われている。

中には、着の身着のまま、一文無しで逃げ出す国民もいると言われているが、逃げ出しているベネズエラ人の多くは富裕層である。大半のベネズエラ人は逃げ出す金も余裕もなく、国内にとどまるしかない。

仕事もなく、食べるモノもなく、金もないので、犯罪率も急上昇している。

中南米はもともと犯罪率は高い地域として知られているが、ベネズエラも例に漏れず、今では世界最悪と言われているホンジュラスを超えるのではないかと言うNGO団体もある。

ホンジュラスを超える治安悪化なら、世界最悪の部類であると言っても過言ではない。(行ったら殺される。手の付けられない無法地帯、ホンジュラス)

公務員や警察も困窮しているので汚職や賄賂が蔓延して、腐敗が広がっており、それがベネズエラの治安をより悪化させているとも言われている。

石油依存から脱却して、国内の産業を多角化するという政策は長期的な施策であり、急場をしのぐ政策にはなり得ない。

そもそもこの産業の多角化もベネズエラは難しいと言われている。なぜなら、ベネズエラは主要な産業を前チャベス大統領が次々と国有化してしまっていたからだ。

国有化して政府が価格統制しようとしていたのだが、これがベネズエラの産業を停滞させる原因となった。

ベネズエラが95%もの石油依存になってしまったのは、非効率な国営企業で企業の競争力は削がれたからである。


アメリカに挑戦する国家を世界から一掃する

ベネズエラのチャベス大統領は2007年に石油事業を完全に国有化するため、アメリカのエクソンモービルを追い出して石油合弁資産を奪い取ってしまった。

そして、ベネズエラは石油価格の決済をドル建てを止めるべきだと2007年11月17日のOPEC(石油輸出国機構)で主張し、ドル通貨基軸からの脱却を訴えた。

それは、南米からアメリカを追い出し、中国やロシアと組むことによってアメリカの覇権を奪い取ろうとするチャベス前大統領の試みのひとつだった。

ベネズエラは反米国家としてロシアや中国やブラジルと共にアメリカ包囲網を作ろうとしていたのだ。

しかし、アメリカはドル通貨基軸に挑戦する国や人間を、絶対に許さない。「ドル通貨基軸」こそがアメリカの覇権の中核(コア)だからである。

その結果、どうなったのか。2011年になるとチャベス大統領は癌になり、「自分が癌になったのはアメリカの陰謀だ」と叫びながら2013年に死亡し、ベネズエラ政府は石油暴落によって国家崩壊寸前にまで追い込まれている。

エネルギーを握ることによってアメリカのドル通貨基軸に挑戦しようとしてきた国のすべては、2014年7月から始まった原油価格の大暴落によって国家存続を脅かされるようなダメージを受けている。

2016年に入ってから、ロシアも、ブラジルも、ベネズエラも、中国も、片っ端から経済危機に直面している。

そして、ここ数年、ドル建ての決済から逃れようとしていたサウジアラビアもまた追い詰められはじめた。(原油安に追い詰められていくサウジアラビアと激震する世界)

石油価格の下落は、アメリカに挑戦する国家を世界から一掃する役割を果たしている。

これらの国家が崩壊すれば、もちろんドル通貨基軸は守られ、欧米のスーパーメジャー(エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロン、トタル、コノコフィリップス)が全世界を支配することになる。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20160118T1921460900



14. 中川隆[1500] koaQ7Jey 2016年2月13日 12:01:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[1370]

▲△▽▼


2016-02-10
アメリカの都合の良いように、反米国家が窮地に落ちている


世界中の株式市場が変調しているが、これに対して今さら意外感を持つ人はいない。

中国が変調を来したということは2015年6月のバブル崩壊からすでに分かっている。2016年1月になるとさらに怒濤の下げとなって世界中が巻き込まれた。

2016年の変調は今も続いており、それがヨーロッパの株式市場や日本の株式市場にも波及している。

中国が変調を来しているので、全世界の株式市場が不安定になり、その結果、グローバル・マネーが安全を求めて日本の円に逃避している。

マイナス金利導入は中途半端だったので、他の通貨よりも円の方がまだ安全だとグローバルマネーは判断しており、それが急激な円高となって襲いかかった。

日本株式市場が連日のように価格を崩しているのは、日本企業も中国市場に関わっていた企業も多いということや、急激な円高も重なっているからだ。

日本人には投資家が少ない上に、闘志(アニマル・スピリッツ)がない投資家が多いので、株価が下がると蒼白になってみんな尻尾を巻いて逃げ出す。それで実体以上の下げとなる。


需要は減ったのに供給が増えた石油価格

中国経済はその成長の過程で石油をがぶ飲みしてきた。中国の成長が止まったことによって石油価格の需給関係は壊れ、石油価格の暴落は今も止まっていない。

石油が下がれば下がるほど、エネルギー価格に依存していた新興国が窮地に追いやられるようになっており、2016年はベネズエラが巨大な経済崩壊を起こすのではないかと言われている。

ベネズエラは経済が停滞しているにも関わらず、インフレが進んでいるという典型的なスタグフレーションの状態となっているが、もう誰もベネズエラを助けられない。

もしベネズエラが助かるとしたら「石油価格が上昇すること」しかないが、いつ石油価格が上がるのかは今のところ誰にも分からない。

この石油価格の暴落の直撃を受けているのは、ブラジルもロシアもサウジアラビアも同様である。

石油価格が暴落するのであれば、減産して石油価格を吊り上げればいいだけだが、それがそう簡単にいかない。なぜなら、産油国は石油価格の下落分を、さらに大量の石油を輸出することでカバーしようとしたからだ。

つまり、価格が下がったから、さらに大量の輸出をして利益を確保しようとして、ますます自分の首を絞めることになっているのである。

すべての産油国がそうしたチキンレースに乗った結果、需要は減ったのに供給が増えるという馬鹿げたことになって、新興国が崩壊の危機に瀕している。

2016年はいよいよ正念場に来ている。こうしたエネルギーに依存した新興国の経済はもう政府が支えきれないところにまで到達しつつあると言っても過言ではない。

これらの産油国は、エネルギー価格を武器にしてアメリカに挑戦しようとしていた反米国家である。反米国家は今や虫の息にまで追い込まれたと見ていい。


現在は、反米国家が崩壊の危機に瀕している

2015年はドイツにとっても最悪の年だった。VWグループはディーゼルエンジン不正問題が発覚して売上は急減速し、企業が存続できるかどうかの瀬戸際にまで追い込まれた。

VWグループは中国で販売を増やすことによって危機を乗り越えようと画策したが、2015年後半からは中国がバブル崩壊を起こしているので危機打開にはつながらない可能性がある。

VWグループを金融面で支えているのはドイツ銀行だ。

そのドイツ銀行もまた無謀な経営によって破綻の危機に瀕している。このドイツ銀行が破綻したらドイツの中枢が崩壊するも同然になるので、ドイツ政府は絶対に破綻を座視することはない。しかし、生きながらえても低迷を余儀なくされる。

ユーロ圏は移民・難民の問題で激震しているが、2016年に入ってからドイツでも反難民・反移民の気運が人々の間から大きなうねりとなって湧き上がっている。

能天気な人道主義で難民を100万人以上もドイツ国内に受け入れたメルケルは、ドイツ人から総スカンを食らい、支持率は30%台にまで落ち込んでしまった。

EU(欧州連合)はユーロによってドル通貨基軸に挑戦しようとしたが、その中核となっているドイツが崩れたらユーロの権威も崩れていくことになる。

親中派のマスコミやジャーナリストは、ドルが崩壊すると朝から晩までわめき立てているが、現実を客観的に見れば分かる通り、崩壊の危機に瀕しているのはむしろ中国の元や、ユーロ通貨の方である。

アメリカが崩壊の危機に瀕しているのではなく、反米国家が崩壊の危機に瀕している。ロシアが、ブラジルが、ベネズエラが、中国が、ドイツが国家的な危機に瀕している。

ドルが崩壊するどころか、今や世界中が自国通貨よりもドルが欲しいと言う状況になっている。


アメリカに賭けるのは、別に悪い選択肢ではない

今までのグローバル経済は「中国は成長する」という方向でコンセンサスができていた。しかし、もうそのコンセンサスは2015年の中国バブル崩壊と共に砕け散った。

中国の時代はもう終わった。同時に、中国が次の時代の覇権国家になるという馬鹿げた妄想も終わった。

ジョージ・ソロスは「このままでは中国は経済崩壊し、第三次世界大戦が起きる」と予言めいた発言をしているのだが、中国はそうなってもおかしくないほど追い詰められている。

(ソロス予言「中国は経済崩壊し、第三次世界大戦が起きる」)
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20150818T1710510900


反米新興国も軒並み破綻危機に見舞われ、EUもその中心となっているドイツが激しい動揺を見せることによってユーロ圏そのものがバラバラになりかねないほどの危機に直面しつつある。

そんな状況の中で、グローバル経済を俯瞰すると、最も有利な立場にあるのは、どう見てもアメリカであるとしか言いようがない。

もちろん、アメリカ企業もまたグローバル経済の変調に巻き込まれて売上も利益も落としているのだが、反米国家が国家存続の危機にまで落ちているのに較べれば、いかに足元がしっかりしているのかが分かる。

今追い詰められているのは、反米国家である。窮地に追いやられて通貨の信頼をなくしているのは、反米国家の方であり、アメリカのドルではない。2016年に危機に落ちるのはアメリカではなく、反米国家である。

アメリカは2015年からドル通貨基軸に挑戦しようとしていた国家を軒並み撃破することに成功している。

それがアメリカの陰謀だったのか、「たまたま」だったのかは誰も知る由もないが、今のところ、アメリカの都合の良いように反米国家が窮地に落ちているというのは事実だ。

中国やロシアやドイツに賭けるのは疑問だが、アメリカに賭けるのは、別に悪い選択肢ではない。長期的に見ても、アメリカはまだまだ有望だ。

グローバル経済の総本山、ニューヨーク株式市場。中国やロシアやドイツに賭けるのは疑問だが、アメリカに賭けるのは、別に悪い選択肢ではない。長期的に見ても、アメリカはまだまだ有望だ。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20160210T1819190900




世界を死の経済で支配する悪の帝国
Paul Craig Roberts 2016年2月22日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-c25c.html

わたしのアーカイブには、読者にジョン・パーキンスの重要な本『エコノミック・ヒットマン』をご紹介するコラムが一つか二つある。EHMというのは、開発途上国指導者に、経済計画や巨大な開発プロジェクトを売り込む工作員のことだ。ヒットマンは、国家政府に、プロジェクトの資金調達をするためにアメリカの金融機関か膨大な金額を借りれば、国の生活水準が上がると説得するのだ。借り手は、プロジェクトで、国内総生産と税収が伸び、そうした成長で融資を返済できるようになると請け負われる。

ところが、計画は、債務国が元本と利子が支払えないように、恩恵を過大評価するようしくまれている。パーキンスが書いている通り、計画は“歪曲した財政分析、膨張した見積もり、粉飾決算”に基づいており、もし欺瞞が効かない場合には、話をまとめるため“脅しと賄賂”が利用される。

詐欺の次の段階は、国際通貨基金IMFの登場だ。IMFは債務国に、それで、その国の債権者に返済するための金をIMFが貸して、信用格付けを救ってやると言うのだ。IMF融資は支援の一種ではない。国家の銀行に対する債務を、IMFへの債務に置き換えるだけなのだ。

IMFに返済するため、国家は緊縮政策計画を受け入れ、国有財産を民間投資家に売却することに同意よう強いられる。緊縮政策は、IMFに返済するために使われる、社会年金、社会福祉、雇用や賃金や、経常余剰の削減を意味する。民営化は、IMFに返済するため、石油、鉱物や公的インフラを売却することを意味している。協定は通常、国連で、アメリカと同じ意見で投票し、アメリカ軍事基地を受け入れる合意を押しつける。

時として、一国の指導者は計画や、緊縮政策や民営化を拒否することがある。もし賄賂が効かない場合、アメリカは略奪プロセスの障害を排除する暗殺者、ジャッカルを送り込む。

パーキンスの本は大評判になった。貧しい国々に対して役立ちたいというアメリカ合州国の態度が、諸国を略奪するための仕組みの単なる口実に過ぎないことを示している。パーキンスの本は百万部以上売れ、73週間も、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー・リストに留まった。

14の新たな章と、2004-2015年のヒットマン活動リスト30ページを加えて、改訂版が刊行された。パーキンスは、彼の暴露にもかかわらず、状況は更に悪化して、欧米自身内に広がっていることを示している。アイルランド、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアとアメリカ合州国自身の国民が、今やヒットマン活動によって略奪されている。

パーキンスの本は、邪魔になる他の国々に加えるとどまるところを知らない暴力においてのみ、アメリカが“例外”であることを示している。新たな章の一つは、この島を、そこからワシントンが、中東、アジアやアフリカの言うことを聞かない国々を爆撃が可能な空軍基地に転換できるようにするための、イギリスとワシントンによる、ディエゴ・ガルシア住民の、違法で非人道的な立ち退きを暴露すると脅したセーシェル大統領のフランス=アルベール・ルネの話だ。ワシントンは、セーシェル大統領を殺害するために、ジャッカルのチームを送り込んだが、暗殺者はしくじった。一人を除いて全員逮捕され、裁判を受け、処刑や投獄の判決を受けたが、数百万ドルの賄賂をルネに渡して、釈放させた。ルネは状況を理解し、従順になった。

旧版で、パーキンスは、パナマの言うことを聞かない大統領オマール・トリホスと、エクアドルの言うことを聞かない大統領ハイメ・ロルドスを処分するのに、ジャッカルが、どのように飛行機事故を仕組んだかという話を語っている。ラファエル・コレアがエクアドル大統領になると、彼はエクアドルで山積している違法な債務の一部の支払いを拒否し、アメリカ合州国の中南米最大の軍事基地を閉鎖し、搾取的な石油契約の再交渉を強い、中央銀行に、アメリカ銀行に預金してある資金を国内プロジェクトに使うよう命じ、ワシントンの中南米に対する覇権的支配に常に反対している。

コレアは自らを打倒か暗殺の標的にしてしまった。ところがワシントンは、外国権益より、ホンジュラス国民の利益を優先する政策の、民主的に選ばれたホンジュラス大統領マヌエル・セラヤを軍事クーデターで打倒したばかりだった。改革派大統領に対しする続けて二つの軍事クーデターは目立ってしまうという懸念から、コレア排除をするのに、CIAはエクアドル警察に頼った。アメリカ陸軍米州学校卒業生に率いられ、警察はコレア打倒に動いたが、エクアドル軍の力にはかなわなかった。しかしながら、コレアは状況え理解した。彼はアメリカ石油会社に対する政策を変え、エクアドルの熱帯雨林の巨大な区画を、オークションで、石油会社に売り渡すと発表した。パーキンスが関係していた、エクアドルの熱帯雨林と先住民の保護のために働いている組織、フンダシオン・パチャママを、彼は閉鎖した。

世界銀行が支援している欧米の銀行は、石油や製材企業より悪辣な略奪者だ。パーキンスは書いている。“過去三十年間で、世界で最も貧しい60か国が、5400億ドル融資の元本と利息で、5500億ドル支払ったが、その同じ融資にいまだに、5230億ドルも債務がある。この負債に対する返済の経費は、これらの国々が医療や教育に使っているよりも多く、毎年外国援助で受け取る金額の20倍だ。更に、世界銀行プロジェクトは、地球上で最も貧しい国民の一部に計り知れない苦難をもたらしたのだ。過去十年間だけでも、そうしたプロジェクトは推計340万人を強制退去させた。これらの国々の政府は、世界銀行プロジェクトに反対する人々を打擲し、拷問し、殺害した”

パーキンスは、ボーイングがワシントン州の納税者をいかに略奪したかを説明している。製造施設を他の州に移すため、ロビイスト、賄賂と脅迫を活用して、ボーイングは、ワシントン州l議会に、大企業への優遇税制措置をさせるのに成功し、87億ドルも、医療、教育や他の社会福祉から、ボーイングの金庫に向けさせた。企業が恩恵を得られるよう莫大な助成金を法制化するのは一種の「レント搾取」だ。

今やアメリカ国民の略奪に向かっている悪の帝国のためのヒットマンとしての自分の役割に、パーキンスは罪悪感を持っており、いまでも苦しんでいる。償うためにできる限りのことを彼はしたが、搾取の体制は何層倍にもなり、余りにありきたりで、もはや隠す必要もなくなったと彼は報じている。

パーキンスは書いている。

“このEHM体制の大きな変化は、現在は、アメリカ合州国や他の先進国でも活動しているという点だ。至るところにいるのだ。しかも、こうした手段のそれぞれには極めて多様な変種がある。何十万人ものEHMが世界中に散財している。彼らは本物の世界帝国を生み出した。彼は公然でも、陰ででも活動している。この体制が余りに広く、深く確立されているので、仕事を進める当たり前のやり方となっており、大半の人々にとって気がかりなものでなくなっている。”

国民は雇用の海外移転と借金で酷く略奪されているので、消費者需要は利潤を支えられない。その結果、資本主義は、欧米自身を搾取する方向に向かっている。抵抗の増加に直面して、EHM体制は“愛国者法、警察部隊の軍事化、多様な新たな監視技術、占拠運動への潜入と妨害、民営刑務所の劇的拡大”で武装するようになっている。民主的プロセスは、最高裁判所のシチズン ユナイテド対連邦選挙委員会判決や、他の裁判所の裁定、大企業が資金提供する政治活動委員会や、1パーセントから資金提供されているアメリカ州議会交流協議会ALECのような組織によって、覆されてしまった。多数の弁護士、ロビイスト、戦略家 賄賂を合法化するために雇われており、売女マスコミは、だまされやすいアメリカ人を、選挙は本物で、民主主義が機能しているのを表しているのだと説得すべく残業している。

2016年2月19日、OpEdNewsの記事で、マット・ペッペは、アメリカ植民地プエルトリコは、外国債権者を満足させるため酷使されていると報じている。

空港は民営化され、主要道路はゴールドマン・サックスのインフラ投資ファンドが組んだコンソーシアムによる40年リースで民営化た。プエルトリコ国民は、税金で作られたインフラを利用するのに今や私企業に金を払っている。最近、プエルトリコの消費税は6.4%から、11.5%に上がった。消費税の上昇は、インフレ上昇と等価で、実質所得の減少という結果になる。

現在、資本主義とギャング行為の唯一の違いは、資本主義は、ギャング行為を合法化するのに成功したおかげで、マフィアよりも有利な商談をまとめられることだ。

パーキンスは、悪の帝国が世界を“死の経済”で支配していることを示している。彼は“死の経済を葬り、生の経済を誕生させる”ため“我々には革命が必要だ”と結論づけている。政治家、ネオリベラル経済学者や売女マスコミからは何の助けも期待してはならない。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/02/22/the-evil-empire-has-the-world-in-a-death-grip-paul-craig-roberts/





製品の開発力も生産力も放棄したアメリカの支配層は通貨を発行することだけで生きながらえている。

そのため、ドルは基軸通貨であり続けねばならないのだが、それに挑戦する動きも出て来た。

例えば、2000年にイラクのサダム・フセイン政権は石油取引の決済をドルからユーロに変更する姿勢を見せ、その2年後にはマレーシアのマハティール・ビン・モハマド首相(当時)が金貨ディナールを提唱、リビアのムアンマル・アル・カダフィも金貨ディナールをアフリカの基軸通貨にして石油取引の決済に使おうとしている。


 すでにロシアや中国はドル決済をやめつつあるが、数年前からEUでも金をアメリカから引き揚げる動きがあった。例えば、オランダ中央銀行によると、アメリカに預けている金塊のうち122.5トンをアムステルダムへ移動させ、オランダで保管する金塊は189.9トン、アメリカが同じく189.9トン、カナダ122.5トン、イギリス110.3トンになった。


 ドイツの場合は1500トンの金塊を引き揚げようと計画したが、アメリカに拒否されてしまう。そこで2020年までにアメリカとフランスから合計674トンを引き揚げることにし、2013年1月にその計画を発表した。1年あたり84トン強になるが、実際に取り戻せたのは37トン、そのうちアメリカからは5トンだけだったという。結局、ドイツは引き揚げ計画を断念したようだ。


 ドイツの引き揚げ断念はスイスの動きと関連しているとする説もある。11月30日にスイスでは住民投票が実施され、(1) スイス中央銀行は、国外に保管している全ての金準備をスイスへ持ち帰る、(2) スイス中央銀行の全資産の20%を金準備とする、(3) スイス中央銀行の金準備の売却を行わない、の是非が問われる。


 金準備を全資産の20%まで引き上げるためには1500トンの金を5年以内に購入する必要があり、国外に保管されている金は2年以内にスイス国内へ引き揚げなければならなくなる。ドイツの引き揚げ計画を上回るインパクトだ。


 アメリカが公的に保有していたはずの金はどこかへ消えたという疑惑がある。2001年9月11日にも消えた金塊が話題になった。ちなみに、アメリカがリビアを攻撃した理由は保有する金143トンと石油利権だったことを暗示するヒラリー・クリントン宛ての電子メールが公表されている。


 本ブログでは何度も書いてきたが、1960年代にアメリカの経済は破綻し、1971年にリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換を停止すると発表した。この決定でブレトン・ウッズ体制は崩壊、1973年から世界の主要国は変動相場制へ移行する。


 基軸通貨を発行するという特権で生きながらえるしかなくなったアメリカは発行したドルを回収する仕組みを作っていく。そのひとつがペトロダラーだ。人間社会は石油に支えられていることに目をつけ、産油国にドル以外の通貨で決済させないように求め、そこで貯まったドルでアメリカの財務省証券や高額兵器を買わせて回収しようとしたわけだ。


 その代償としてニクソン政権が提示したのは、サウジアラビアと油田地帯の軍事的な保護、必要とする武器の売却、他国からの防衛、そしてサウジアラビアを支配する一族の地位を永久に保証するというもの。1974年に調印、これと基本的に同じ内容の取り決めを他のOPEC諸国もアメリカと結んだという。(Marin Katusa, “The Colder War,” John Wiley & Sons, 2015)


 ザキ・ヤマニ元サウジアラビア石油相によると、1973年に「スウェーデンで開かれた秘密会議」でアメリカとイギリスの代表は400パーセントの原油値上げを要求したという。1973年5月11日から13日にかけてビルダーバーグ・グループが実際に会議を開いていた。値上げを要求した中心人物はヘンリー・キッシンジャーだ。


 しかし、懸念材料がなかったわけではない。当時のサウジアラビア国王、ファイサル・ビン・アブドル・アジズはPLOのヤセル・アラファト議長を支えていた人物で、アメリカに従属しているとは言い難かった。その懸念材料が消されたのは1975年3月のこと。国王の執務室で甥のファイサル・ビン・ムサイドに射殺されたのだ。


 この甥はクウェート石油相の随行員として現場にいたのだが、この人物の背後にはイスラエルの情報機関モサドが存在していたという。ジャーナリストのアラン・ハートによると、この人物はギャンブル好きで、多額の借金を抱えていた。そこへ魅力的な女性が現れて借金を清算、その上でビン・ムサイドを麻薬漬けにし、ベッドを伴にしたりして操り人形にしてしまったという。(Alan Hart, “Zionism,” World Focus Publishing, 2005)


 その後のサウジアラビア国王は親米派が続く。そうした国王のひとりが戦闘機の購入に関する特使として1978年にアメリカへ送り込んだ人物が29歳だったバンダル・ビン・スルタン。その後、1983年から2005年まで駐米大使を務め、05年から国家安全保障会議事務局長、12年から14年にかけては総合情報庁長官を務めた。イスラエルと接触、アル・カイダ系武装集団を操っていたとも言われている。ブッシュ家と親しく、「バンダル・ブッシュ」とも呼ばれている。


 ドルを現実世界から吸い上げる仕組みとして投機市場も機能している。1970年代に新自由主義が世界へ広がり、金融規制が大幅に緩和されていき、投機市場は肥大化する。アベノミクスで供給された資金も大半は投機市場へ流れ込んだはずだ。現実世界でカネが溢れればハイパーインフレになるが、投機市場ではバブルになる。そのバブルの後始末を押しつけられるのも庶民だ。


 資金が投機市場へ流れ込むパイプの整備も1970年代に進み、ロンドンを中心とするオフショア市場のネットワークができあがる。ロンドンを軸にして、ジャージー島、ガーンジー島、マン島、ケイマン諸島、バミューダ、英領バージン諸島、タークス・アンド・カイコス諸島、ジブラルタル、バハマ、香港、シンガポール、ドバイ、アイルランドなどが結びついている。こうした仕組みによって巨大資本、富裕層、犯罪組織などは資金を隠し、課税を回避することが容易になり、庶民の負担が増えることになった。


 しかし、2010年にアメリカでFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)が発効してから状況が大きく変化したようだ。この法律によってアメリカ以外の国の金融機関はアメリカ人の租税や資産に関する情報をアメリカ側へ提供する義務を課されたのだが、その一方でアメリカは自分たちが保有する同種の情報を外国へは提供しないことになっている。アメリカはFATCAによってタックス・ヘイブンになった。


 そうした状況の変化を受け、ロスチャイルド家の金融持株会社であるロスチャイルド社のアンドリュー・ペニーは昨年9月、サンフランシスコ湾を望む法律事務所で講演した中で、税金を払いたくない富豪は財産をアメリカへ移すように顧客へアドバイスするべきだと語っている。


 新たなドル回収システムを作り上げたと言えるだろう。
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/323.html


《櫻井ジャーナル》2016.07.04

 西側支配層の内部で次期アメリカ大統領としてヒラリー・クリントンが内定したという話が流れたのは昨年6月のことだった。

この月の11日から14日かけてオーストリアでビルダーバーグ・グループの総会が開かれ、彼女の旧友として知られているジム・メッシナが出席していたことから生じた噂だ。

今年6月9日から12日にかけてドイツのドレスデンで開かれた会合にはヒラリーと同じ好戦派のフィリップ・ブリードラブ前SACEUR(欧州連合軍最高司令官)が参加している。


そのヒラリーに対する逆風がここにきて強まっているように見える。

FBIは7月2日、彼女から公務の通信に個人用の電子メールを使った件に絡む問題で3時間半にわたって任意の事情聴取したという。

すでに彼女は2万通とも3万通とも言われているメールを消去、捜査妨害や機密文書の違法な扱いなどが指摘され、逮捕されても不思議でないと言われているのだが、FBIの動きは緩慢で、有力メディアも寛大な姿勢を見せてきた。

 消去したメールについてヒラリーは私的な通信だと説明してきたのだが、彼女の側近であるヒューマ・アベディンはスケジュールに関するメールを「機密書類入れ」に入れ、消去する準備をしていたと証言しているという。スケジュールは公的な記録であり、残しておかなければならない。ヒラリーの弁明が崩れたと言える。

 こうしたことが実際に行われていたことよりも、ヒューマ・アベディンがこうした証言をしたことに驚く人は少なくない。彼女は1996年にインターンとしてヒラリーのそばで働き始め、現在に至るまで信頼された側近として働いてきたからだ。ヒラリーは切り捨てられたのかもしれない。

 ヒューマの母、サレハはムスリム同胞団の女性部門を指導、父親のシードはアル・カイダと関係していると主張する人もいる。後にヒューマはヒラリーの友人でネオコンのアンソニー・ウィーナーと結婚した。

 ムスリム同胞団は1954年にエジプトのガマール・アブデル・ナセルを暗殺しようとして失敗、それ以降、エジプトでは非合法化されたが、このときにメンバーを保護したのがサウジアラビア。そのサウジアラビアの国教がワッハーブ派だ。その結果、ムスリム同胞団はワッハーブ派の影響を強く受けることになる。

 サウジアラビアは1970年代の末、ズビグネフ・ブレジンスキーのプランに従って戦闘集団を編成するために戦闘員を雇った。その多くがサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団で、サウジアラビアの情報機関、総合情報庁長官を務めていたタルキ・アル・ファイサルが責任者だった。その下で戦闘員を集めていた人物がオサマ・ビン・ラディンだ。

 ヒューマと同様、ヒラリーに大きな影響を及ぼしてきた人物がマデリン・オルブライトとビクトリア・ヌランド。オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの弟子で、ビル・クリントン政権では当初、国連大使だった。ヌランドは後にウクライナでのクーデターに深く関与したネオコン。国務次官首席補佐官としてクリントン政権入りした。結婚相手はネオコンの中核グループの所属するロバート・ケーガンである。

 消去された分も含め、ヒラリーの電子メールをロシア政府は持っていると言われているが、容易にハッキングできる状態だったことから少なからぬ個人、組織、国がそのメールを持っていると言われている。その中にはイスラエルも含まれているだろう。

 ヒラリーはユーゴスラビアに対する先制攻撃だけでなく、リビアやシリアへの軍事侵攻にも深く関与、リビアからシリアへ戦闘員や武器を移動させる工作に関する情報も持っていた可能性が高い。リビアやシリアへの軍事侵攻ではアメリカ/NATOがアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使っていることも熟知、クリストファー・スティーブンス米大使がベンガジの米領事館で殺された背景も知っているはずということも本ブログでは何度か指摘した。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された10日後、ウェズリー・クラーク元SACEURはペンタゴンで、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺がイラク、シリア、イラン、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンを攻撃するプランを立てていると聞いたという。その10年前、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはシリア、イラン、イラクを5年で殲滅すると口にしたともクラーク元SACEURは語っている。

 1980年代にはアメリカ政府の内部でイラクをどうするかで揉める場面があった。ネオコン/シオニストがサダム・フセインの排除を主張したのに対し、ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領、ジェームズ・ベイカー財務長官、ロバート・ゲーツCIA副長官は彼を仲間だと認識していたことから対立が生じたわけだ。この当時、アメリカの一部勢力はイラクへ武器を密輸、それを反フセイン派が暴露している。いわゆる「イラクゲート事件」だ。

 1990年8月にイラクが石油を盗掘していたクウェートへ軍事侵攻、91年にはアメリカ軍を中心とする軍勢がイラクへ攻め込んでいる。このとき、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はフセインを排除しなかった。そこでネオコンは怒り、シリア、イラン、イラクを殲滅するというウォルフォウィッツの発言につながったわけだ。

 ネオコンがフセイン体制を倒したがった最大の理由は、ヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国帯を作り、シリアとイランを分断することにあった。イラクを破壊した後にシリアのバシャール・アル・アサド政権の打倒に執着しているのは、パイプラインの問題のほか、シリアのアサド体制を倒してイランを孤立させることにある。これはイランを敵視するサウジアラビアにとっても好ましいプランだった。

 ヒラリーやネオコンはソ連の消滅でアメリカは「唯一の超大国」になったと認識、誰も自分たちに逆らわないというところから思考は始まる。1991年にイラクを、また99年にユーゴスラビアをそれぞれ攻撃した時にロシア軍が出てこなかったことから、それ以降も出てこないと思い込んだようだ。こうしたことはヒラリーのメールからもうかがえる。

 アメリカの傀儡だったボリス・エリツィンからウラジミル・プーチンへ大統領が交代しても変化はないと考えたのだろうが、実際は違った。その変化にネオコンは対応できないでいる。軍事的な威嚇でロシアや中国を屈服させようとしているが、無理だ。

 しかも、その様子を見てアメリカ離れが起こり始めている。Brexitの結果もそのひとつの表れだと見る人もいる。トルコ外相は同国のインシルリク基地をロシア軍が使う可能性に言及した。(注)この基地は2011年春からシリア侵略の拠点で、反シリア政府軍の戦闘員を訓練、その教官はアメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員だと言われている。その基地をロシア軍が使う意味は小さくない。こうした変化にアル・カイダ系武装集団やダーイッシュが「派遣切り」を懸念、反応している可能性もある。

(注)4日の報道でインシルリクの話が外相の発言として出てきたが、数時間後、外相はこの発言を否定。誤報だったのか、アメリカからの圧力が訂正の原因なのかは不明。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201607040000/


 シリアでは2011年3月から戦闘が始まっているが、これはリビア、イラク、アフガニスタ、ユーゴスラビアなどと同じように侵略戦争。1980年代からネオコン/シオニストはイラクのサダム・フセイン政権を倒して傀儡体制を樹立、シリアとイランを分断して潰すという戦略を立てていた。その当時、イラクをペルシャ湾岸産油国の防波堤と認識していたアメリカ支配層の一部、つまりジョージ・H・W・ブッシュやジェームズ・ベーカーはネオコンやイスラエルと対立、それが原因で「イラクゲート事件」が浮上している。

 ブッシュが大統領だった1990年8月にイラク軍がクウェートへ軍事侵攻、91年1月にアメリカ軍を中心とする連合軍がイラクを攻撃している。いわゆる湾岸戦争だ。この戦争でネオコンはフセインを排除するつもりだったが、ブッシュ大統領はその前に停戦、怒ったポール・ウォルフォウィッツ国防次官は、5年以内にイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官は語っている。

 イラクがクウェートを侵略したのは、クウェートによる石油盗掘問題のもつれから。その直前にアメリカ政府はイラク軍がクウェートへ侵攻することを容認するかのようなメッセージを出していたが、これは罠だった可能性がある。そのとき、PLOのヤセル・アラファト議長やヨルダンのフセイン国王はフセインに対して罠の疑いがあると警告したのだが、フセインはそれを無視して攻め込んだ。

 軍事侵攻を受け、アメリカ下院の人権会議で「ナイラ」なる少女がイラク軍の残虐性を涙ながらに告発、アメリカで好戦的な雰囲気を高めることに成功したが、この「告発劇」はPR会社のヒル・アンド・ノールトンが演出したもので、主演の少女はアメリカ駐在クウェート大使の娘。つまり、全くの作り話だった。

 この時以来、ネオコンはイラクを乗っ取るチャンスを待っていた。そして2001年9月11日がやってくる。その日、ニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、ジョージ・W・ブッシュ政権はすぐにアル・カイダの犯行だと断定する。本ブログでは何度も説明したように、アル・カイダは戦闘員の登録リストにすぎず、そうした武装集団は存在しない。

 攻撃の翌日、ホワイトハウスでの会議に臨んだ対テロ担当のリチャード・クラークを待ち受けていたのは予想に反し、イラク攻撃をめぐる議論だった。どのような口実でイラクへ攻め込むかということだ。そして「大量破壊兵器」を理由にして攻撃することに決まった。イラクが「大量破壊兵器」を保有していないことを知っているブッシュ・ジュニア政権はそれを前提にした攻撃プランを作成、簡単に決着はつくと考えていたようだ。

 しかし、大量破壊兵器をイラクが保有していなくても簡単に戦争は終結しないと考えたのが統合参謀本部。リチャード・チェイニー副大統領やドナルド・ラムズフェルド国防長官たちと将軍が対立、開戦は約1年延びたと言われている。言うまでもなく、将軍たちの見通しが正しかった。

 恐らく正規軍を投入したイラクでの戦法を反省したネオコンは昔の手口を使う。つまりズビグネフ・ブレジンスキーが1979年に始めたゲリラ戦だ。パキスタンの情報機関が主体となる武装勢力を選定、サウジアラビアが資金と戦闘員(大半がサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団)を供給、イスラエルも協力した。サウジアラビアの情報機関、総合情報庁長官を務めていたタルキ・アル・ファイサルの下で戦闘員を集めていた人物がオサマ・ビン・ラディンだ。

 そのアル・カイダ系武装集団をリビアやシリアに投入、リビアではNATOが空爆、地上ではアル・カイダ系のLIFGが政府軍と戦い、ムアンマル・アル・カダフィ体制を倒すことに成功したが、シリアでは失敗する。NATOを介入させるために偽情報を流したが、その事実が発覚、化学兵器の使用を宣伝したが、それも嘘だということが明らかになってしまった。しかも、地中海方面から発射したミサイルが海中へ落下している。

 この軍事侵略をアメリカの支配層は「独裁者に自由と民主主義を求めて人民が武装蜂起した」と宣伝してきた。途中、嘘だと言うことは次々と明らかにされたが、西側の有力メディアは事実を無視してプロパガンダに徹している。そのメディアを信奉、「造反有理幻想」の中に浸り、侵略軍を「反体制派」と呼んでいる人がまだいるようだ。

 アメリカにもマーチン・デンプシー元統合参謀本部議長やマイケル・フリン元DIA局長のように、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュを手先として使うことの危険性を認識し、バラク・オバマ政権の方針に批判的な人もいるが、ヒラリー・クリントンを含む好戦派は意に介していない。現在、威シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒し、イランを攻撃したいと考えている。安倍晋三首相はその好戦派と同じことを叫んでいるだけである。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608050000/


ネオコンが有力メディアを押さえ、宣伝に利用していることは広くしられているが、そのひとつがニューヨーク・タイムズ紙。イラクを先制攻撃する雰囲気作りのため、偽情報を盛んに流していたひとりは同紙のジュディス・ミラーだった。
この人物は第101空挺団に「埋め込まれた」、つまり支配層から認められた記者。

化学兵器、細菌兵器、核兵器に関する極秘施設に関する情報を流し、サダム・フセイン政権が生体実験を行っていると伝えていたが、全て嘘だった。

 アメリカは巨大金融資本が支配する国で、戦争ビジネスはその下に位置し、宣伝部門が有力メディアだ。

現在、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の3点セットで巨大資本が国を支配するファシズム体制へ移行しようとしているが、その新体制も「嘘の帝国」であることに変わりはなく、事実を語ることは反逆と見なされるだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608090000/


 1980年代からネオコン/シオニストやイスラエルはイラクのサダム・フセイン体制を倒すべきだと主張していた。

イラクに傀儡政権を樹立させれば、ヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国でイランとシリアを分断することができると考えたからである。

すでにイラクを破壊、今はシリアを侵略している。

 欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたことのあるウェズリー・クラークによると、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがシリア、イラン、イラクを殲滅すると口にしていたという。そうした発言の背景には、そうしたネオコンの戦略があったということだ。

「アラブの春」、「民主化」、「人権」などは侵略を正当化するために掲げた中身のない看板にすぎない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608170000/




2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃される。いわゆる「9/11」だ。

その攻撃をジョージ・W・ブッシュ政権は「国家安全保障上の緊急事態」だと判断、「テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメリカを統合し強化する2001年法(愛国者法)」(注)が出現した。

(注)「Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001」のイニシャルをとってUSA PATRIOT Act

 この法律は340ページを超す代物だが、それを議会は1週間で承認、強制収容所の建設を推進する国家安全保障省の「エンド・ゲーム計画」も成立している。愛国者法案を大多数の議員は読んでいなかっただろう。こうしたことが可能だったのは、少なくとも13年という準備期間があったからにほかならない。

愛国者法は軍事侵略と表裏一体の関係にある。2001年9月12日、つまりニューヨークとワシントンDCが攻撃された翌日、ホワイトハウスでは会議が開かれている。その会議に出席したひとり、テロ担当のリチャード・クラークによると、そこで話し合われた議題は9/11についてではなく、イラク攻撃だった。

 攻撃の直後、ブッシュ・ジュニア政権は詳しい調査をしないで「アル・カイダ」が実行したと断定していたが、アル・カイダ系武装集団を弾圧していたイラクを攻撃する口実をどうするかと話し合っていたわけだ。

 そこで決まった口実が「大量破壊兵器」。イラクがそうした兵器を保有していないことを知っているブッシュ・ジュニア政権は大量破壊兵器による報復がないことを前提にした攻撃プランを作成した。簡単に決着はつくと考えていたようだ。

 当初、アメリカ政府は2002年の早い段階に攻撃するつもりだったようだが、統合参謀本部の反対で約1年間、開戦の時期が延びたと言われている。戦争の理由がなく、作戦が無謀だと考えたようだ。最近、明らかになったコリン・パウエル国務長官(当時)のメモによると、2002年3月28日にトニー・ブレア英首相はパウエルに対し、アメリカの軍事行動に加わると書き送っていた。この時、すでにブレアは開戦に同意している。

 アメリカ政府が攻撃しようと考えていた国はイラクだけでなかった。9/11から10日後にペンタゴンを訪れたウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺ではイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを先制攻撃する計画ができあがっていた。

このうち、シリア、イラン、イラクの3カ国は1991年の段階でポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が5年で殲滅すると口にしたという。

 そしてアメリカは侵略戦争を始めるが、シリアとウクライナで躓く。特にシリアではロシアが軍事介入、アメリカの好戦派が手先として使ってきたアル・カイダ系武装集団などを攻撃、アメリカのプランは崩れてしまった。

アメリカが中国とロシアを相手にした戦争を始めたと認識した中国はシリアで軍事訓練を始めるという。核戦争で脅せば中国やロシアでも屈服するとネオコン/シオニストは考えていたようだが、完全に誤算だった。


 アメリカはすでに戦争を始めている。今のところ戦闘の中心は傭兵が行っているが、好戦派はアメリカ/NATO軍を直接、軍事介入させようとしてきた。それを何とか回避させてきたのがロシアのウラジミル・プーチン大統領である。

アメリカの大統領選挙で共和党候補のドナルド・トランプが予想外の善戦をしているひとつの理由は、少なからぬアメリカ人がこうした事実を知り始めていることにあるだろう。ヒラリー・クリントンが大統領になった場合、最悪の事態、つまりロシアや中国との全面核戦争を覚悟しなければならない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608190000/


イランとアメリカは第二次大戦まで親密な関係だったが、大量の石油が発見された事が、両国の関係を対立的にした。
アメリカとイギリスは1950年代、イランの石油利権を手にしようと画策し、激怒したイラン側は石油会社を国有化した。


すると米英は大使館を通じてイランのテロ組織を支援し、テロや暴動、反政府運動を起こして政府転覆を図った。

この手口はアメリカに反抗した全ての国で実施され、最近ではウクライナで政府転覆、シリアなどでの反政府運動を支援した。

イラン側はさらにアメリカに対して敵意を燃やし、反資本主義や反米運動に火をつけてしまった。


イランの石油利権で絶縁した両国

要するにイランとアメリカの関係悪化は100%アメリカが悪いのだが、そうは思わないのがアメリカ人です。

自分が悪くても相手が悪いし、相手が悪ければ当然相手が悪いと言うのがアメリカ外交で、イランを「民主主義の敵」だと批判しました。

これにはアメリカが創設した「イスラエル」と周辺諸国の戦争も関係していて、欧米諸国が支援するイスラエルと、アラブ諸国は中東戦争を戦っていた。


そして米ソ冷戦の最中だったので、ソ連はアメリカに対立する国に、武器などを援助していた。

1979年に反米、反資本主義を唱えるホメイニ氏がイランでイスラム革命を起こし、アメリカと絶縁しました。

この時アメリカは武器を輸出する契約をイランと交わして、代金前払いで受け取っていたが、武器を渡さずお金を返さなかった。


これも契約の経緯を見ると、やはり100%アメリカが悪く、少なくとも受け取った代金は返すべきだった。

イランは最近になって国際司法裁判所に提訴し、両国は代金4億ドルと利息13億ドルの支払いで和解していました。
http://thutmose.blog.jp/archives/65145950.html



2016.09.06
人権も司法手続きも無視して殺戮を続ける米大統領がフィリピン大統領との会談を取り消した茶番

アメリカを中心とする反中国同盟に参加しているはずのフィリピンだが、同国のロドリゴ・ドゥテルテ大統領とバラク・オバマ大統領との関係が険悪化、予定されていたラオスでの会談が取り消されたとローターの記者がTwitterに書き込んでいる。引き金はフィリピン政府が進めている「麻薬戦争」にあるようだ。

 ドゥテルテが大統領に就任したのは6月だが、この人物は前任者のベニグノ・アキノ3世とは違い、アメリカの言いなりになっていない。中国を敵視する政策も軌道修正、話し合いを進めている。国内では麻薬業者の摘発に力を入れ、司法手続きを無視する形で400名以上の容疑者をすでに殺害、逮捕者は約4400名にのぼるという。選挙で公約した麻薬撲滅を実践しているのだが、その遣り方に対する批判が国連から発信され、ドゥテルテ大統領は反発していた。

 オバマ大統領との会談に先立ち、ドゥテルテ大統領は記者からオバマ大統領に麻薬取引の容疑者を殺害していることをどのように説明するかと問われ、オバマは「自分を何様だと思っているのだ。私はアメリカの操り人形ではない。主権国家の大統領であり、フィリピンの人びとに対してのみ、説明責任がある。」と応じていた。

 アメリカ人は自分たちが特別な存在であり、何をやっても許されると考えていると批判されているが、司法手続きを無視した殺害はオバマ政権が公然と実行してきたこと。無人機(ドローン)は殺害の道具だ。しばしば一般市民を殺害している。

 本ブログでは何度も書いてきたが、アメリカでは1997年にマデリーン・オルブライトが国務大臣に就任して以来、偽情報でターゲットを悪魔化しながら軍事侵略を進め、破壊と殺戮を繰り返してきた。ジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した2001年の9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、この攻撃に無関係だったイラクを先制攻撃している。その時に攻撃の口実に使われた大量破壊兵器の話も嘘だった。

 攻撃の直後、詳しい調査が行われていない段階でブッシュ・ジュニア政権は「アル・カイダ」が実行したと断定、「アル・カイダ」のメンバーで旅客機をハイジャックしたことになっているモハメド・アッタがチェコのプラハでイラクのエージェントと会ったとする情報も流れたが、この情報は間違っているとチェコの情報機関は認めている。イラクのサダム・フセイン政権は「人権無視」でアル・カイダ系武装集団を弾圧していた。

 イラク攻撃は「9/11」と無関係で、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年の段階でネオコン/シオニストのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていた。湾岸戦争でアメリカがサダム・フセインを排除しなかったことに怒っての発言だったようだ。

 アメリカの支配層は自分たちにとって都合の悪い体制を破壊し、その国の人びとを虐殺している。そこに「正当な手続き」などはない。アメリカ自体の歴史も先住民の虐殺から始まっているわけで、人権を口にするなどおこがましいのだ。

 麻薬取引に関しては、CIAが深く関与していることが明らかになっている。ベトナム戦争の際には東南アジアの山岳地帯、いわゆる黄金の三角地帯で栽培されるケシを原料とするヘロイン、ニカラグアの革命政権を倒す目的で始めた秘密工作ではコカイン、アフガニスタンでの戦争ではパキスタンとアフガニスタンにまたがる山岳地域で栽培されるケシを使ったヘロイン生産、いずれもCIAが関係している。アメリカでは麻薬取引を取り締まったロサンゼルス市警の捜査官が司法省によって警察から追放されている。

 この取り引きをテーマにした連載記事をサンノゼ・マーキュリー紙のゲイリー・ウェッブは1996年に書いているが、それが話題になるとロサンゼルス・タイムズ紙、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙を含む有力メディアから事実を無視した激しい攻撃を受け、新聞社から追放され、自殺に追い込められている。(こうしたアメリカの有力紙ブランドを有り難がるのは愚の骨頂ということ。)

 1998年にCIAの監察総監室はこの問題に関する報告書(IGレポート)を公表、ウェッブの記事が正しいことが確認されたが、有力メディアはこのレポートを無視、自分たちの記事を訂正せず、行為を謝罪していない。アメリカの政府機関が麻薬取引に手を出しているとは言えないのだろう。麻薬取引がアメリカの世界戦略と結びついていると言え、そのアメリカの政府が展開してきた「麻薬との戦争」はインチキだということでもある。

 現在、アメリカ政府は中国を封じ込めるための枢軸として日本、フィリピン、ベトナムを考え、そこへ韓国、インド、オーストラリアを結びつけようとしている。その一角を占めるフィリピンがアメリカから自立する意思を示しているわけで、何らかの工作で従属させようとする可能性はあるだろうが、アメリカの支配力が衰えていることも確かだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609060001/



 ズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めているように、アメリカを「唯一の超大国」と位置づけるネオコン/シオニストの世界制覇計画は破綻、軌道修正すべきだと考える人がアメリカ支配層の内部にもいるようだが、ネオコンを含む好戦派は1992年の初めに作成された世界制覇計画を諦めていない。この計画は国防総省のDPG草案という形でまとめられ、作業の中心には国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツがいた。
 その前年、この人物はシリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の証言だ。1991年1月にアメリカ軍を中心とする連合軍はイラクを攻撃したが、ネオコンの思惑とは違い、サダム・フセインを排除せずにジョージ・H・W・ブッシュ政権は停戦してしまった。それに怒ったウォルフォウィッツはイラクなど3カ国の殲滅を口にしわけだ。

 西側の政府やメディアが描いてきたストーリーは、独裁者に虐げられていた民衆が蜂起したというもの。ドラマやプロレスで好まれる典型的なパターン。虐げられた人びとが革命で救済されのは必然だと信じる人びとにとっても魅力的である。そのストーリーをアメリカの支配層は侵略や略奪を正当化するために使っている。事実を検証するならば、シリアの戦乱は侵略だということがわかる。決して「革命」でも「内戦」でもない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609100000/


2016.10.04
偽情報を作成、流布するため米国防総省は英国の広告会社へ5億ドル以上を支払って戦争を正当化

 アメリカの国防総省がプロパガンダのため、イギリスの広告会社ベル・ポッティンガーに5億4000万ドル(約550億円)を支払ったと伝えられている。

偽情報を流し、侵略戦争に人びとが賛成するように誘導することが彼らの仕事だ。

 昔から情報機関が行っていることだが、3種類のプロパガンダを実行している。

第1(白色)は発信源を明示したもの、

第2(灰色)は発信源を明示しないもの、

第3(黒色)は事実に反する発信源を示すもので、偽映像の制作も含まれている。


シリアでダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記する)が登場した際、斬首など残虐な場面が流れたが、すぐにフェイクだと指摘されていたことを思い出す。

 広告会社が戦争への道を切り開く宣伝を行ったことで有名な例は、1990年8月にイラク軍がクウェートへ攻め込んだ後にアメリカ下院の人権会議(公的なものではない)における少女「ナイラ」の「証言」だろう。


Faked Kuwaiti girl testimony
https://www.youtube.com/watch?v=LmfVs3WaE9Y


 その「証言」によると、アル・イダー病院でイラク兵が赤ん坊を保育器の中から出して冷たい床に放置、赤ん坊は死亡したという。

いかにイラク軍が残虐かを彼女は涙ながらに訴えた。心を動かされた人も少なくないだろう。

が、この「証言」には大きな問題があった。

「証言者」は駐米クウェート大使の娘で、現場にはいなかったのである。
広告会社ヒル・アンド・ノールトンの書いたシナリオに従って作り話をしたのである。

迫真の演技だったが、そこに事実はなかった。
そして1991年1月にアメリカ軍を中心に編成された連合軍がイラクを攻撃したわけだ。


 この戦争は3月まで続くのだが、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は排除しないまま停戦、ネオコン/シオニストは激怒する。ネオコンの中核グループに属すポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はその時、シリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたという。これは欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の元最高司令官、ウェズリー・クラークの話だ。

 1991年12月のソ連が消滅、翌年の初めにはアメリカ国防総省でDPGの草案が作成されている。アメリカを「唯一の超大国」になったと位置づけ、新たなライバルの再登場を阻止すると宣言している。潜在的ライバルと想定されているのは、旧ソ連、西ヨーロッパ、東アジア。エネルギー資源が存在する南西アジアも注目地域だと考えれている。

 当時の国防長官はリチャード・チェイニー、次官はポール・ウォルフォウィッツで、文書の作成はウォルフォウィッツが中心になっていたことから、このDPG草案は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 この世界制覇プランができると、西側支配層の傀儡であるボリス・エリツィンがロシアで独裁体制を強化、国民の資産を略奪してくが、それと同時にNATOを東へ拡大して支配地域を広げていく。これはロナルド・レーガン政権の約束に反する行為だが、アメリカ支配層は約束を守らない。

 NATOを拡大するだけでなく、既存の国を破壊しはじめ、ユーゴスラビアが最初のターゲットになった。アメリカ支配層の働きかけもあり、1991年6月にスロベニアとクロアチアが独立を宣言、同年9月にマケドニアが、翌年の3月にはボスニア・ヘルツェゴビナが続き、4月になるとセルビア・モンテネグロがユーゴスラビア連邦共和国を結成し、社会主義連邦人民共和国は解体された。

 さらに、コソボのアルバニア系住民が連邦共和国から分離してアルバニアと合体しようと計画、それをNATOが支援する。この活動を主導したイブラヒム・ルゴバ率いるLDK(コソボ民主化連盟)は非暴力で、セルビア側も事態の悪化を懸念して運動を許していた。1991年から92年にかけてLDKは地下政府を創設して選挙も実施しているが、セルビアの治安当局はこれも許容している。

 1992年2月にフランスで和平交渉が始まり、セルビア側はコソボの自治権を認め、弾圧もやめることで合意、交渉はまとまりかけたが、平和的な解決を望まないNATOはセルビアが受け入れられない条件を出した。つまり、車両、艦船、航空機、そして装備を伴ってNATOの人間がセルビアを自由に移動できるという項目が付け加えたのだ。つまり、セルビアをNATOは占領、支配するということだ。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)

 この条件をセルビア政府が受け入れられなかったのは当然。日本の外務省などは「セルビアがNATO軍のコソボ展開を受け入れず決裂」したと説明している。アメリカの属国の官僚はこうした言い方をする。

 1994年になると、アル・カイダ系の武装集団がアルバニアで活動を開始、ボスニアやコソボにも手を広げる。アメリカが傭兵を投入して戦乱を広げ、軍事介入しやすい環境を作り始めたわけだ。中東や北アフリカでもアメリカ支配層は基本的に同じ手口を使っている。

 先制攻撃を正当化するために西側は軍事的な緊張を高めるだけでなく、セルビアを悪魔化するプロパガンダを開始した。そのキーワードに選ばれたのは「人権」。有力メディアだけでんかう、投機家のジョージ・ソロスと関係がある人権擁護団体のHRWもプロパガンダに参加する。(この辺の事情は拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』に記載してある。)

 そうした宣伝の背後には、ドール米上院議員と密接な関係にあるアルバニア・ロビーが存在、コソボ紛争の宣伝戦で中核的な役割を果たしたのはルダー・フィンという広告会社である。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)コソボのアルバニア勢力は1992年10月に同社と契約を結んでいる。(Diana Johnstone, "Fools' Crusade," Monthly Review Press, 2002)

 当初、ビル・クリントン政権はコソボに興味を持たず、1995年にデイトンで和平交渉が行われた際にもコソボに関心を示していない。この態度はLDKのルゴバを窮地に追い込み、KLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)の台頭を招いた。この武装勢力は1996年2月にコソボの北部にいたセルビア人難民を襲撃することから活動をスタートさせた。(Gregory Elich, 'The CIA's Covert War,'CovertAction Quarterly, April-June 2001)

 クリントン政権はユーゴスラビアに対する軍事介入に消極的だったが、ネオコンは諦めない。例えば、クリントンが大統領に就任した1993年の9月、彼らはボスニアへの軍事介入を求める公開書簡を発表、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載されている。

 その書簡に署名した人物には、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相、アメリカのジョージ・シュルツ元国務長官、フランク・カールッチ元国防長官、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ポール・ニッツェ、ジョージ・ソロス、ジーン・カークパトリック、アルバート・ウールステッター、ポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パールが含まれている。(Wall Street Journal, September 2, 1993)ネオコンのオンパレードだ。

 西側の有力メディアや「人権擁護団体」はセルビアを攻撃するキャンペーンを展開するが、アメリカ政府は動かない。状況が変化したのは、国務長官がクリストファー・ウォーレンからマデリーン・オルブライトへ交代した1997年1月から。ウォーレンは戦争に消極的だったが、オルブライトは逆だった。このオルブライトを国務長官にするよう働きかけたのはヒラリー・クリントン、つまりビルの妻だとされている。

 そして1998年にモニカ・ルウィンスキーのスキャンダルが浮上、ビル・クリントンは身動きのとれない状態になる。この年の秋にオルブライトは空爆を支持すると表明、1999年3月にNATO軍は偽情報に後押しされる形でユーゴスラビアを先制攻撃した。

 決して親セルビアとは言えないヘンリー・キッシンジャーでさえ、1998年10月から99年2月までの期間における停戦違反の80%はKLAによるものだと語っている。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)西側メディアが盛んに宣伝していた人権話も嘘で、NATOには先制攻撃する正当な理由はなかった。

 その後、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを作成したグループには好都合なことに、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、国内のファシズム化、国外での軍事侵略が始まる。途中、グルジア(ジョージア)の南オセチアへの奇襲攻撃でロシアが予想以上に強いことが判明、その後はアル・カイダ系武装集団など傭兵を前面に出すようになった。

 シリアでのプロパガンダはシリア・キャンペーンなる団体が中心的な役割を果たしている。この団体と連携している白ヘルの主要な資金源でアルUSAIDはCIAの資金を供給する機関として設立された。シリア・キャンペーンは白ヘルと同じように国連や赤十字を敵視、シリアに飛行禁止空域を作るように要求している。つまり、シリア上空はアメリカ軍とその同盟軍のみが飛行、ダーイッシュやアル・カイダ系武装集団を空爆するロシアやシリアの飛行は禁止させるべきだというわけだ。そうしたことを強行すれば、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長が上院軍事委員会で語ったように、ロシアやシリアと戦争になる可能性が高い。

 シリア・キャンペーンを創設したのはパーパスという広告会社だとされている。そうした関係からか、シリア・キャンペーンのプロジェクト・ディレクターをしているアンナ・ノランはパーパスの上級戦略担当だった人物。

 そのパーパスはアバーズというキャンペーン会社からスピンオフしたようだが、そのアバーズはリビアに飛行禁止空域を設定するように主張していた。その結果、NATOの空爆とアル・カイダ系武装集団の地上戦(イギリスなどが特殊部隊を潜入させていたが)の連係プレイでムアンマル・アル・カダフィを倒し、「テロリスト」が跋扈する破綻国家を作り上げた。

 2001年9月11日以降、西側メディアはプロパガンダ機関化が急速に進み、「報道」は嘘で溢れている。その中から事実を探し出すのは至難の業だ。そうした状況を作り出した原因は、現代人の大半は騙されたがっていることにあるとも指摘されている。広告会社は人びと、特に「リベラル」や「革新」に色分けされている人びとが好む話、居心地良く感じる幻想を作り、プロパガンダに利用、効果を上げている。そもそも、支配層と本当に対立するような主張をしたくない人が大半だろう。西側の有力メディアを有り難がっている人は、肩書きや経歴が何であれ、信用しないことだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201610040000/


2016.10.08
米の石油生産量が減少しているようで経済の先行きは暗く、支配層の利益を守るため強引なことも


 アメリカの石油生産量が減少しているようだ。2015年6月のピーク時は日産960万バーレルだったが、今年は9月9日時点では11%減の日産850万バーレル。原油価格の大幅な値下がりで生産コストの高いシェール・ガス/オイル業界が壊滅的なダメージを受けているはずでこうしたことも影響しているだろう。

 原油価格の下落を仕掛けたのはアメリカとサウジアラビアだと言われているが、サウジアラビアの経済も危機的な状態。政府から巨大建設企業へ支払われるべきものが支払われず、兵士や労働者の中には賃金を7カ月にもわたり、受け取っていない人もいるという。この兵士はインド、パキスタン、スリランカの出身者が多く、労働者の大半も出稼ぎ。賃金の支払いは国際問題につながる。

 石油に依存しているサウジアラビアだけでなく、アメリカも経済基盤は弱く、現在の状態が続けば遠くない将来に崩壊する。アメリカの場合、ベトナム戦争の終盤、1971年にリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換を停止すると発表、73年から世界の主要国は変動相場制へ移行しているが、この段階でアメリカ経済は身動きのとれな状態になっていたと言える。

 基軸通貨のドルを発行する特権を利用、生き延びるしかなくなったのだが、単純に大量発行すればドルの価値が暴落、ドルは基軸通貨の地位から陥落してしまう。そこで考えられたのがペトロダラーの仕組みだった。

 アメリカは産油国に対して決済をドルにするように求め、集まったドルでアメリカの財務省証券や高額兵器などを購入させ、だぶついたドルを還流させようとしたのだ。このシステムでは、例えば、石油が欲しければドルの発行量を増やし、産油国へ流れたドルを回収するだけのこと。日本や中国が財務省証券を大量に購入してきたのも同じ理由だろう。一種のマルチ商法だ。

 その代償としてニクソン政権がサウジアラビアに提示したのは、同国と油田地帯の軍事的な保護、必要とする武器の売却、イスラエルを含む中東諸国からの防衛、そしてサウジアラビアを支配する一族の地位を永久に保障するというもので、この協定は1974年に調印されたという。これと基本的に同じ内容の取り決めを他のOPEC諸国も結んだという。

 1970年代に始まったドル回収システムのひとつは投機市場の拡大。現実世界に流通するはずのドルを投機市場へ流し込もうということだ。そのために規制緩和が推進され、「金融ビッグバン」ということになる。新自由主義をアメリカやイギリスの支配層が拡大させた一因はそこにあるだろう。

 アメリカに限らず、資本主義世界の巨大企業はため込んだ儲けを社会に還流させようなことはしない。そこで「カネ余り」になり、経済活動は行き詰まる。その滞留した資金の受け皿として投機市場が用意され、「バブル」になる。

 投機市場では実際に流れ込んだ資金量を遙かに上回る数値が表示され、大儲けした気になる人もいるが、それは幻影にすぎない。市場へ流入する資金量が減れば相場は下がり、幻影は消えていく。例えば、2008年9月にリーマン・ブラザーズが破産法第11条(日本の会社更生法、あるいは民事再生法に相当)の適用を申請、つまり倒産したのもそうした結果だ。

 通常はそれで幻影が消え、本来の姿が現れるのだが、この時、アメリカの当局は「大きすぎて潰せない」として巨大金融機関を救済、「大きすぎて処罰できない」ということで責任者が適正に処罰されることはなかった。現実を幻影に合わせることにしたのだが、それには資金が必要になる。当然、尻ぬぐいは庶民に押しつけられた。

 新自由主義の仕組みは残り、同じことを繰り返すことになる。安倍晋三首相は日銀の黒田東彦総裁と組んで「量的・質的金融緩和」、いわゆる「異次元金融緩和」は推進、資金を世界の投機市場へ流し込んだが、目的は投機市場へのテコ入れ。日本経済を立て直すことなど不可能だ。これは政府も日銀も承知しているだろう。

 投機市場へのテコ入れにはETF(上場投資信託)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も利用され、庶民がリスクを負うことになった。大損することは最初から見通されていたはずだ。

 アメリカにしろ、日本にしろ、支配層が目指している方向は一貫している。世界を支配し、富を独占することだ。国という仕組みは庶民の意思も反映されるようになっているので、彼らは破壊したがっている。ファシズムを欧米の巨大資本が支援していた理由もそこにある。

 フランクリン・ルーズベルト大統領は1938年4月29日、ファシズムについて次のように語っている。

「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」

 1932年の大統領選挙でウォール街はハーバート・フーバー大統領の再選を目指していた。この人物はスタンフォード大学を卒業した後、鉱山技師としてアリゾナにあるロスチャイルドの鉱山で働き、利益のためなら安全を軽視するタイプだったところを見込まれて「出世」している。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013)

 ところが、このフーバーが1932年の大統領選挙でニューディール派のルーズベルトに負けてしまう。そこで、JPモルガンを中心とする巨大金融資本は1933年から34年にかけて反ニューディール派のクーデターを計画している。バトラーの知り合いで、クーデター派を取材したジャーナリストのポール・フレンチによると、彼らはファシズム体制の樹立を目指すと語っていたという。この計画はスメドリー・バトラー海兵隊少将らが議会で証言で明らかになっている。

 このJPモルガンは日本の支配層とも深い関係がある。切っ掛けは関東大震災。復興資金を調達するため、日本側はJPモルガンに頼り、それ以降、日本の政治経済はこの金融機関の影響下に入ったのだ。

 1932年にジョセフ・グルーが駐日大使として日本へ来るが、この人物のいとこはジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりJPモルガンの総帥と結婚している。それだけの大物を送り込んできた理由のひとつは対日投資にあるだろう。グルーは日本軍が真珠湾を攻撃した後も日本に滞在、1942年に帰国する直前、岸信介からゴルフを誘われている。(Tim Weiner, "Legacy of Ashes," Doubledy, 2007)

 JPモルガンと最も近い関係にあった日本人は井上準之助と言われている。三井財閥の大番頭を務めていた団琢磨はアメリカのマサチューセッツ工科大学で学んだ人物で、アメリカの支配層と太いパイプを持っていた。

 新自由主義に食い荒らされた国々は死が間近に迫っている。支配層はその国を放棄し、直接投資に乗り出そうとしている。そして考えた仕組みがTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の3点セット。これは明らかにファシズムであり、第2次世界大戦の前から彼らが目論んでいたことだ。

 この長期計画を巨大資本が放棄するとは思えない。安倍晋三政権の動きを見ていると、強引にヒラリー・クリントンを大統領にさせ、屁理屈を使って3点セットを実現するとアメリカ側から言われているようにも思える。

 金融システムを巨大資本が支配する仕組みがアメリカに出現したのは連邦準備法が制定された1913年だが、これにはJPモルガンの創設者であるジョン・ピアポント・モルガンが関係している。

 ニッカー・ボッカー信託が破綻、その救済をモルガンが拒否したことから連鎖倒産が始まって相場が暴落、それを口実にしてセオドア・ルーズベルト大統領が国家通貨委員会を設立、巨大金融機関の代表がジキル島にあるモルガンの別荘に集まって秘密会議を開催、そこで連邦準備制度の青写真が作り上げられたのだ。この法律によってアメリカの通貨政策は民間の銀行が支配することになり、ドルが基軸通貨になってからは、そうした銀行を世界の金融を支配することになる。

 ドルが基軸通貨でなくなると、この仕組みが破綻してしまう。そうした動きの震源地は中国とロシアであり、その意味でもアメリカの巨大資本は中国やロシアを破壊しようと躍起になっている。アメリカの軍部は懸念しているようだが、ヒラリーの周辺にいるネオコンたちはロシアとの核戦争を辞さないという姿勢だ。彼らがその意味を理解しているかどうかは不明だが。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201610080000/


ヒラリーの戦争犯罪 Paul Craig Roberts 2016年10月20日

2016年10月20日の今日は、アメリカのオバマ大統領と、ヒラリー・クリントン国務長官が組織し、解き放った勢力によるムアマル・カダフィ虐殺五周年だ。 CBS“ニュース”での大喜びで笑いながらの殺人女の振る舞いを思い出して頂きたい。“来た、見た、彼は死んだ。”
https://www.youtube.com/watch?v=Fgcd1ghag5Y


ムアマル・カダフィは、世界で最も進歩的な指導者だった。

カダフィは、リビアの石油の富を、リビア国民のために使っていた

彼は、宮殿ではなく、立派なテントではあるが、テントで暮らしており、アメリカ政府の中東同盟国である、サウジアラビアや、産油首長国支配者一族につきもののヨーロッパ高級車や他のあらゆる身の回り品のコレクションを持っていなかった。

リビアでは、教育、医療と、電力は無料だった。ガソリンは事実上無料で、一リットル、14セントで売られていた。子どもを産んだ女性は、現金の助成金を貰い、カップルが結婚すると現金の助成金が貰えた。リビアの国営銀行は、無利子で融資し、農民には無償で開業資金を供与した。
http://www.globalresearch.ca/libya-ten-things-about-gaddafi-they-dont-want-you-to-know/5414289 
連中が、人々に知って欲しくないカダフィに関する10のことがら(英文)


カダフィがアメリカ政府から自立していたことが彼の没落をもたらしたのだ。若い頃のカダフィの目標は、アラブを、欧米の略奪に抵抗できる一つの圏に組織することだった。いらだった彼は、汎アフリカ主義に向かい、アメリカのアフリカ軍に参加するのを拒否した。彼は、アフリカ人をアメリカの金融覇権から解放するはずの、金本位のアフリカ通貨を導入したがっていた。

カダフィは、中国のエネルギー企業に、リビアのエネルギー資源を開発させており。、地中海でのロシアの存在で、既に腹を立てているアメリカ政府は、今や中国の存在にまで直面することになったのだ。アメリカ政府は、カダフィは、まずい連中と付き合っているので、退陣させるべきだと結論を出した。

アメリカ政府は、傭兵を編成し、連中を、シリアでと同様“反政府派”と名付け、リビア政府にけしかけた。カダフィ軍が勝っていることが明らかになると、アメリカ政府は、うぶでだまされやすいロシアと中国の政府を騙し、国連で、NATOによって、リビア領空に飛行禁止空域を設定することを認めさせた。飛行禁止空域の建前の目的は、やってもいなかった、カダフィによる民間人攻撃を防ぐためということだった。本当の理由は、主権国家のリビア空軍が、地上の軍隊を支援するため、自分の領空を使えなくするためだった。Onceだまされやすいロシアと中国が、安全保障理事会の議決で拒否権を行使そこねると、アメリカとNATO自身が決議に違反して、カダフィの軍隊を攻撃するために欧米の空軍力を用いて、紛争を、CIAが組織した傭兵に有利にした。カダフィは捕らわれ、残虐に殺害された。かつて繁栄し、成功していた社会だったリビアが、それ以来、混乱状態にあるが、それは、オバマ政権が望んでいたものだ。

サダム・フセインについて語られ、現在、シリアとロシアについて語られているウソと同様に、カダフィとリビアについては、あらゆるウソが語られた。

イギリス議会報告は、欧米の人々は、リビア破壊に対する支持を得るためのウソを各国政府から吹き込まれ、リビアは、カダフィが欧米の覇権にとっての障害と見なされていたがゆえに破壊されたと、明白に結論付けている。
http://www.globalresearch.ca/libya-war-was-based-on-lies-bogus-intelligence-nato-supported-and-armed-the-rebels-british-parliamentary-report/5547356?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles

彼女の監督下で準備されたこの戦争犯罪のかどで、ニュルンベルク裁判時の法律において、彼女が有罪であることについて、殺人女に質問した売女マスコミは皆無だ。殺人女を支配している巨大な政治力を持ったひと握りの集団と、連中の手先の売女マスコミは、この戦犯を次期アメリカ大統領にするつもりなのだ。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-5564.html




“連中”は本当に、ドゥテルテ大統領殺害を試みるだろうか?
2016年10月17日 Andre Vltchek

New Eastern Outlook


歯に衣着せぬフィリピン大統領、ロドリゴ・ドゥテルテは、今頃、帝国の権威ある秘密永久暗殺対象者リストに載った可能性がきわめて高い。

暗殺対象者リストは実に長大だ。ここ数十年、リストはずっと長いままだ。数がわからなくなったり、混乱したりしかねない。一体何人が標的にされ、密かに殺害されたのだろう? 彼らの一体何人が実際に死んだのだろう?

暗殺対象者リストは、まるで輝かしい世界指導者のカタログのようだ。ごく一例をあげればパトリス・ルムンバ(ザイール)から、モハンマド・モサデク(イラン)、ウゴ・チャベス(ベネズエラ)、スカルノ(インドネシア)、ジュベナール・ハビャリマナ(ルワンダ)、サルバドール・アジェンデ(チリ)から、ムアマル・カダフィ(リビア)、オマル・アル=バシール(スーダン)や゛フィデル・カストロ(キューバ)に至るまで。

直接、暗殺された人もあり、打倒された‘だけ’の人々もあり、ごく少数の‘著名’指導者だけが実際生き抜くことに成功し、権力の座に止まっている。

彼らのほぼ全員、良く似たいくつかの大罪をおかしていた。こうした罪には、自分の国と国民のきわめて重要な利益を擁護すること、多国籍企業による抑制なしの天然資源略奪を認めないことや、帝国主義の原則への抵抗が含まれている。帝国を批判するだけでも死罪に値することも多い。

ドゥテルテ大統領は、上記のこれらのあらゆる恐ろしい犯罪をおかしている。彼は‘告発の通り有罪’のように見える。彼は何も否定していない。彼に対し告発されている罪を誇りにしているようにすら見える。

‘彼は人生に飽きたのだろうか?’と疑問を抱くむきもある。‘彼は正気を失っているのだろうか? 彼は死ぬ覚悟ができているのだろうか?’

彼は、英雄、新たなアジアのウゴ・チャベスなのだろうか、それとも、抑制の利かないポピュリストに過ぎないのだろうか?

彼は確かに多くのものを危険にさらしている、あるいは彼は、断固あらゆるものを危険にさらしているのかも知れない。彼は今、欧米政権から見て、最も許し難い罪をおかしているのだ。彼は、帝国とその組織(国連、NATOやEUを含む)を公然と侮辱している。彼は連中を軽蔑さえしている!

‘しかも悪いことに、彼はおしゃべりしているだけではない。彼は断固たる行動をしている! 彼はフィリピンの貧しい人々を助けようとしていて、共産主義者や社会主義者といちゃつき、それに加え、彼は基本的に、中国とロシア両国に支援を求めている。

火花が散っている。時折、オバマや法王や、アメリカやEUや国連のような個人や組織が、くたばれと言われたり、ろくでなしや、売女の息子と命名されたりする!

しかもフィリピン国民は、これを完全に喜んでいる。ドゥテルテは、僅差で選挙に勝ったのだが、彼の最近の支持率は、急上昇し、びっくり仰天の76%だ。もし‘民主主義’というものが、本当に‘人々による支配’(あるいは、少なくとも、人々の意志を反映すべき)ならば、全て、まさに、全てが、今のフィリピンのようにあるべきではないかと主張する人々もいる。

*

(フィリピン大学ディリマン校)のアジア研究講師、エドゥアルド・クリマコ・タデムは、ドゥテルテの‘大統領らしからぬ’演説や、“市民的、政治的人権問題を否定的に評価している”点には批判的ながら、他の面における彼の実績には明らかに感心している。私宛の最近の手紙で、彼はこう書いている。

“他の面で、積極的な構想が進められています。農業改革、社会福祉や開発や、反貧困対策の閣僚に、共産党党員を任命したのは良いことです。他の左翼や進歩派の人々が、他の労働、文部、厚生、科学や、環境の閣僚になっています。より重要なのは、土地配分を前進させ、契約労働を終わらせ、広く手を差し伸べ、キューバの医療制度に学び、巨大採掘企業による環境上破壊的な事業を抑制する積極的な計画が行われていることです。更に、CPPと、MILF/MNLFそれぞれとの和平交渉も復活し、最初の一歩を踏み出したのは良いことです。

独自の外交政策が発表されており、彼以前の大統領連中とは違って、ドゥテルテはもはや、アメリカや欧米列強にぺこぺこしない。彼は中国との関係も修復しており、南シナ海における領土紛争の解決で、違った、それほど喧嘩腰でないやり方をしている…”

ワシントン、ロンドンと東京からすれば、こうしたことは全て‘悪’、極端な悪だ。このような振る舞いは、必ずや人目をひき、処罰なしには済まない!

今回は、ほぼ即座に、帝国の反撃が行われた。

2016年9月20日、インターナショナル・ビジネス・タイムズはこう報じた。

“フィリピン政府は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領に対するクーデターが画策されていると主張し、政権は画策容疑者を取り締まり中だと述べた。政府の広報担当官は、ニューヨーク在住のフィリピン系アメリカ人の一部が、かんに障る大統領を打倒する計画を立てていると述べた。

策謀の容疑者や計画を明らかにはせずに、フィリピン政府の大統領報道官マーティン・アンダナルは、こう述べた。ドゥテルテに対して陰謀を企んでいるこうした連中は“良く考えるべきだ… ‘アメリカ合州国内の信頼できる筋から、私は情報を得ている。我々は氏名は分かっているが、公表したくない。我々はこれを深刻に受け止めている。我々はこれを調査中だ,’”と、政府職員は述べた。

クーデター、暗殺策謀。Softクーデター、hardクーデター: ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ベネズエラ、シリア、ウクライナ、リビア、パラグアイ、ホンジュラスやスーダン、アフリカの半分… 全てわずか過去数年の間に…そして今、フィリピン? ブラボー、帝国は加速している! 帝国の人殺しの労働倫理は、明らかに進歩している。

*

ドゥテルテ大統領はこの全てを理解している。前述の通り、彼は既に、オバマ大統領を‘ろくでなし’、‘売女の息子’と呼び、最近は‘彼は地獄に堕ちる’と示唆している。

これは“セニョールW”としても知られているジョージ・W・ブッシュについて、ウゴ・チャベス大統領がいつも言っていたことより強烈だ。多くの中南米専門家によれば、チャベス大統領は、彼の率直さ、帝国や帝国主義全般に対する敵意ゆえに、自らの命を支払わされる結果になった。

帝国は、己の醜悪な姿を見せる鏡をつきだす連中を決して許さない。帝国は、不服従や反抗心ほんのわずかな兆しがあれば、容赦なく殺害する。帝国のプロパガンダ機関で右腕のマスコミが、常に適当な説明と正当化をひねり出してくれる。しかも、北アメリカとヨーロッパの国民は全く無頓着で、洗脳されていて、受け身だ。こうした人々は、犠牲者を守らず、自分の狭い利益しか守らない。特に、もし犠牲者が、どこか遙か彼方の‘被差別民’が暮らす国の人であれば。

偉大なインドネシアのスカルノ大統領は (何よりも)公にアメリカ大使に向かってこう叫んだかどで打倒され潰された。“あなた方の支援などまっぴら御免だ!” …そして、もちろん、彼の国民の利益を、帝国から守ったかどで。アフリカ人が、植民地開拓者連中を有り難く思う理由はないと大胆にも言ったがために、パトリス・ルムンバは暗殺された。

ドゥテルテは、それよりすごいことを言っている。彼は辛辣だが、そうなる無数の理由があってのことだ。アメリカ合州国は、百万人以上のフィリピン人を殺害しているが、その大半が、19世紀末と二十世紀始めのことだ。近年の歴史で、アメリカは、かつては誇り高く有望だった国を、アメリカ政府の気まぐれにひたすら頼り、いいようにされる、屈辱を与えられた半植民地に変えた。資本主義で、全くの親米のフィリピンは、インドネシアのような‘破綻国家’、社会的災厄、知的に荒廃した土地となった。

*

ドゥテルテ大統領は、志を同じくする知識人や官僚の固く決心した閣僚を実現することに成功した。

RTは最近こう報じた。


“時として、ボスの発言の火消し役をしている、ドゥテルテの外務大臣、ペルフェクト・ヤサイが、フェースブックに、“アメリカ は我々を失望させた”と題する声明を発表し、その中で、彼は“我々が永遠にアメリカに感謝すべき無数のことがある”が、アメリカは、決して、完全にフィリピンの独立を尊重したことがない。”と述べている。

“1946年7月4日に、独立を宣言して以来、フィリピン人は、自決と統治に対して十分訓練を受けてきたのに、アメリカ合州国は、本当に独立して、自由を得ることができない茶色の舎弟として、依存と服従へと我々を押さえ込む、目に見えない鎖に我々をつないだできた”と外務大臣は声明で述べている。”

ドゥテルテと彼の閣僚が絶えず悪魔化され、笑い物にされる欧米の主流マスコミで、このような発言が、報道されることは実にまれなことだ。

フィリピンに関する最近の記事見出しは下記の通りだ。

‘ プレイボーイの大物アントニー・モイニハンの麻薬売買をしている娘がフィリピンで射殺された’ (デーリー・メール)。

‘生きた男を、クロコダイルの餌にしたかどで、非難されているフィリピン大統領’ (ヤフー・イギリス & アイルランド・ニュースによるJournal.ie )

‘特報 -ドゥテルテの麻薬撲滅戦争で、現地住民が暗殺対象者リスト作成を支援’(ロイター)

‘ドゥテルテは司法職員を殺害したと、殺し屋がフィリピン上院議員に語る’(AFP)

社会的公正のための戦いについては皆無だ! 欧米帝国主義に対する戦いについては皆無だ。

麻薬撲滅戦争…

そう、多くのフィリピン人は‘死体が山積み’なのを心から懸念しており、現政権のやり方は、余りに手荒で、耐えられないほどだと定義することが可能かも知れない。

しかし、状況はさほど単純ではない。ここはヨーロッパではない。ここはアジアwith 独自の文化的力学や問題を抱えた。フィリピンで、犯罪率は、アジア太平洋の他のどの国でもほとんど見られないほどの異様な高さに達している。犯罪の多くが麻薬に関係している。だから人々は本当にうんざりしている。彼らは断固たる行動を要求しているのだ。

長年、ドゥテルテは、ミンダナオ島の都市、ダバオの市長をつとめていた。ダバオは、犯罪と同義語だった。暮らすのには大変な場所で、多くの人が、統治するのはほぼ不可能だと言っている。

ドゥテルテ氏は正直だ。もし彼が‘十戒を守っていたなら’長年、ダバオ市長を勤めることはできなかったことを彼は公然と認めている。おそらく、誰にも無理だったろう。

彼の人権実績に対する批判に対し、彼は実に敏感だ。国連や、EUや、アメリカなど、どこからのものであれ、彼の反応は極めて反抗的で、いつも同じだ。“くたばれ!”

そして、欧米でいつも報じられるのはこのことだ。

しかし、ロドリゴ・ドゥテルテが、いつもこう言って続けることは省かれている。

人権について私にお説教か? 最近のイラクや、リビアやシリアを含め、世界中であなた方が殺害している何百万人もの人々についてはどうなのだ? あなた方が殺害したフィリピン国民はどうなのだ? 毎日、警官に虐殺されているあなた方の自国民、アフリカ系アメリカ人はどうなのだ?

彼は欧米の偽善に対する深い反感を隠そうとはしていない。何世紀も、アメリカ合州国とヨーロッパは、何百万人も殺害し、大陸を丸ごと略奪しておいて、他の国々を評価し、批判し、偉そうに命令する権利を保持している。直接、あるいは国連のような連中が支配している機関を通して。またしても、彼の答えは明らかに、スカルノ風だ: あなた方など御免だ! あなた方の支援など、まっぴら御免だ!!”

だが、ニューヨーク・タイムズやエコノミストでこういう話題を読むことは決してない。‘麻薬撲滅戦争’の話題だけ、‘無辜の犠牲者’と、そしてもちろん‘独裁者’ドゥテルテの話題だけだ。

*

状況は急速に進展している。

最近、ドゥテルテ大統領は、‘フィリピン水陸両用上陸演習’(Phiblex)と呼ばれている軍事演習の中止を命じた。演習は、10月4日に始まり、一週間以上続く予定だった。約1,400人のアメリカ人と、500人のフィリピン人兵士が、南シナ海の紛争になっている島嶼に危険なほど近い海域で、軍事演習に参加した。

数人の主要なフィリピン人知識人によれば、アメリカは、常に中国に敵対し、挑発して、地域における攻撃的な帝国主義的野望に、フィリピンを利用し続けてきた。

ドゥテルテ政権は、欧米離れをし、一層中国寄りにすると決意している。フィリピンと中国が、予見しうる将来に、全ての意見の相違を解決できる可能性は極めて高い。つまり、もしアメリカを外して、よせつけずにいれば。

中国に対する善意を実証するため、また新たな自立の道を示すべく、マニラは、アメリカ合州国との28件の年次軍事演習全てをキャンセルすることも計画している。

ドゥテルテ大統領は、一体何が危機に瀕しているかは十分承知している。大統領の座について、100日を記念して、彼はいくつか激しい演説をし、欧米が彼を大統領の座から排除しようとして、彼を殺害さえする可能性もあることを認めた。

“私を追い出したいのか? CIAを使いたいのか? おやりなさい… どうぞご自由に。どうでも良い! 私が追い出される? 結構。(もしそうなら)それも私の運命だ。運命は余りに多くのものをもたらす。私がもし死んだら、それも私の運命だ。大統領は暗殺さされるものだ。”

そう。大統領たちは暗殺されることが多いのだ。

しかし、最近では世界中の国々が続々と反帝国主義連合に参加しつつある。なんとか克服している国もある。不安定化させられたり(ブラジルのように)、経済的に混乱させられたり(ベネズエラのように)、完全に破壊されたりしている(シリアのように)国もある。ロシアから中国、朝鮮民主主義人民共和国やイランに至るまで、反抗的な国々は、欧米政府プロパガンダとマスコミによって、ことごとく悪魔化されている。

しかし世界はもううんざりしているように見える。帝国は崩壊しつつある。帝国はパニックになっている。帝国は益々多くの人を殺害しているが、勝利してはいない。

フィリピン人も、この同盟に参加しようとしているのだろうか? 大統領に就任して、わずか100日で、ドゥテルテ大統領は覚悟を決めたように見える。もう隷属はしない! 戻ってくるな!

彼は生き残るつもりだろうか? 彼は今の路線を続けるつもりだろうか?

実際、彼は一体どれほど強靱なのだろう? 帝国と対決するには、鋼の神経が必要だ! 無数の複雑な暗殺策謀、巧妙なプロパガンダ作戦や、策略を生き抜くには、人は少なくとも不死身でなければならない。こうしたもの全てに対し、彼は覚悟できているのだろうか? 彼は覚悟しているように見える。

彼の国のエリート連中は、完全に欧米に寝返っている。インドネシアや、かなりの程度、タイやマレーシアの連中同様に。

これは困難な闘いになるだろう。すでにそうなっている。

だが国民の大多数は彼を支持している。現代史で初めて、フィリピン国民が、自らの運命を、自らの手で決める好機を得る可能性があるのだ。

そして、もし欧米が、マニラから溢れ出るものが気に入らなかったら? ドゥテルテ大統領は気にしていない。逆に質問する項目をたっぷり用意したと彼は宣言している。そして、もし、欧米がそれに答えられなかったら。

“もし連中が答えることができないなら、売女の息子よ、うせろ、けだもの。今度は蹴るぞ。私を怒らせるな。連中が私より賢明なはずがない、本当だ!”

十中八九、連中はそうではない。連中は彼より賢明ではない。しかし連中は絶対に遥かに冷酷で、遥かに残忍だ。

連中は彼の何を非難しているのだろう?‘麻薬撲滅戦争’で、約3,000人を殺害したことだろうか?

欧米(最近フィリピンでは、多くの人々が‘売女の息子’連中と呼んでいる)は、第二次世界大戦終結以降、世界中で一体何人の命を奪っただろう? 4000万人、それとも5000万人? 数え方次第だ。‘直接’か‘間接’。

帝国は、ほぼ確実に、ドゥテルテ大統領を殺害しようとするだろう、それも近い内に、ごく近い内に。

生き残る為、前進し続ける為、戦い続ける為、虐待され、搾取されてきた彼の国を守る為に、彼は十戒の全てを永久に絶対に忘れなければなるまい。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-5cb0.html


 2011年3月にアメリカをはじめ、イスラエル、サウジアラビア、トルコなど外国のシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒したい勢力が侵略戦争を始めた当初、ダニー・デイエムなるシリア系イギリス人が「アサド政権による弾圧」を発信、それを西側の有力メディアは垂れ流していたが、この仕組みは2012年3月に破綻する。「シリア軍の攻撃」を演出する様子を撮した部分を含む映像がインターネット上へ流出、西側メディアの伝えていた「報道」が嘘だということを多くの人が知ってしまったのだ。現在、SOHRと手を組んでいるのは「白ヘル」だ。

 イドリブの攻撃に関し、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使は西側の主張を否定している。国連の呼びかけに応じ、18日からロシアやシリアの航空機はイドリブから10キロメートル以内の空域を飛行していないというのだ。ロシア国防省は問題の日にアメリカのUAV(ドローン)のプレデターが飛行していたと主張、その事実は記録されているとしている。ロシアが上空から撮影した写真によると、学校の屋根に損傷は見られず、爆撃によるクレーターもないようだ。

 1991年12月にソ連が消滅、翌年の2月の世界制覇プラン(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)を作成してから、アメリカの支配層は有力メディアに偽情報を広めさせながら軍事侵略を繰り返してきた。ユーゴスラビアやアフガニスタンは人権、イラクは大量破壊兵器、ウクライナ、リビア、シリアは民主化だが、いずれも侵略を正当化するための口実に使われただけだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201610280000/


シリア空爆で破壊された学校の写真は「偽物」 ロシア外務省 2016年10月29日


シリアの反体制派が支配する北西部イドリブ県ハス村で、空爆を受けて破壊された学校の教室(2016年10月26日撮影)。(c)AFP/Omar haj kadour


【10月29日 AFP】ロシア外務省の報道官は28日、

シリアの反体制派が支配する同国北西部イドリブ(Idlib)県の学校が空爆されたとして発表された写真を専門家が鑑定したところ、写真は偽物だという結果が出たと述べた。

国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は、この空爆により児童22人が死亡したと発表している。

 露外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は、フェイスブック(Facebook)への投稿で

「シリア・ハス(Hass) 村での写真を分析した専門家によれば、実際には学校に対する空爆はなく、犠牲者も出ていないということが判明した。写真はコンピューター・グラフィックによるものだ」

と述べた。

 また露国防省のイーゴリ・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)報道官も27日、ロシアの無人機が撮影した写真では、空爆を受けたとされる学校の屋根に被害はなく、周辺エリアに空爆の跡はみられなかった上、「その日はロシア軍の戦闘機は1機もその地域に進入していない」と述べた。

 ユニセフは26日、シリアのイドリブ県ハス村の学校が空爆され、児童22人と教員6人が死亡したと発表していた。(c)AFP




見えざる政府の内実:戦争、プロパガンダ、クリントン & トランプ
2016年10月27日 John Pilger www.johnpilger.com
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-f084.html


アメリカ人ジャーナリスト、エドワード・バーネイズは、現代のプロパガンダを発明した人物と言われることが多い。

歪曲とごまかしの婉曲表現として、“広報活動”という言葉を創り出したのは、心理分析の先駆者、ジーグムント・フロイトの甥、バーネイズだった。

1929年、ニューヨークのイースター・パレードで、タバコを吸って、女性の喫煙を推進するよう、彼はフェミニストを説得した。これは当時異様なことと見なされていた行為だ。フェミニストの一人、ルース・ブースは“女性たちよ! もう一つの自由のたいまつに火をつけよう! 性的タブーと戦おう!”と宣言した。

バーネイズの影響力は広告を遥かに超えて広がった。彼の最大の成功は、アメリカ国民を、第一次世界大戦という大虐殺に参戦するよう説得した彼の役割だ。彼は言った。秘訣は、“国民にはそうと気がつかせぬまま、彼らを我々の意志に従って支配・統治”するため、国民の“同意をでっち上げる”ことだ。

彼はこれを“我々の社会における本当の支配力”と表現し、それを“見えざる政府”と呼んだ。

現在、見えざる政府は、一層強力となったが、ほとんど理解されていない。ジャーナリスト兼映画制作者という経歴上、今ほど、我々の暮らしの中に植えつけられ、まかり通っているプロパガンダを私は聞いたことがない。

二つの都市を想像願いたい。

二つの都市は、それぞれその国の政府軍に包囲されている。二つの都市は、人々の首を斬るなどの恐ろしい残虐行為をする狂信者連中に占領されている。

だが、ここには極めて重要な違いがある。一方の包囲は、政府軍兵士は、彼らの戦闘や空爆を熱心に報じる欧米の従軍記者連中によって、解放者として描かれている。こうした英雄的兵士が、勝利のVサインをしている写真が一面に掲載される。一般市民の死傷者については、ほとんど触れられない。

二つ目の都市で - すぐ近くの別の国で - ほとんど全く同じことが起きている。政府軍が同様な狂信者連中に支配されている都市を包囲している。

違いは、この狂信者連中は“我々”アメリカ合州国とイギリスに支援され、補給され、武器を提供されていることだ。連中には、イギリスとアメリカが資金を出したメディア・センターまである。

もう一つの違いは、この都市を包囲している政府軍兵士は悪者で、一つ目の都市で良い兵士がしていると全く同じこと、都市を攻撃し爆撃しているかどで非難されているのだ。

混乱されたろうか? そうではないだろう。プロパガンダの本質である基本的な二重基準はそういうものだ。もちろん私は、アメリカ合州国とイギリスに支援されたイラク政府軍による現在のモスル包囲と、ロシアに支援されたシリア政府軍によるアレッポ包囲のことを言っている。一方は善だ。もう一方は悪だ。

ほとんど報道されないのは、もし2003年に、イギリスとアメリカ合州国がイラクを侵略していなければ、この二つの都市が狂信者連中に占領され、戦争で荒廃されてはいなかっただろうことだ。あの犯罪的行為は、現在、シリア内戦に関する我々の理解を歪めているプロパガンダと、驚くほどよく似たウソを根拠に始められたのだ。

このニュースを装った絶え間ないプロパガンダさえなければ、醜悪なISISや、アルカイダや、ヌスラ戦線や、その他諸々の聖戦ギャングなど存在せず、シリア国民は、今のように、自分たちの命のために戦ってはいなかった可能性がある。

2003年に、BBC記者連中が続々とカメラに向かって、後に世紀の犯罪となったものに対し、ブレアは“潔白が証明された”と我々に語ったのを覚えている方々もおられよう。アメリカのテレビ局も、ジョージ・W・ブッシュに、同じ潔白証明をした。フォックス・ニューズは、コリン・パウエルのでっちあげを紛らすために、ヘンリー・キッシンジャーを担ぎだした。

同年、侵略直後、ワシントンで著名なアメリカ人調査ジャーナリスト、チャールズ・ルイスのインタビューを撮影した。私は彼に質問した。“もしも世界で最も自由なマスコミが、後になって粗雑なプロパガンダだったことが判明したものに、本気で異議申し立てをしていたら、どうなっていたでしょう?”

もし、ジャーナリスがきちんと仕事をしていれば“アメリカが、対イラク戦争をする必要がなかった可能性は非常に大きい”と彼は答えた。

これは衝撃的な発言で、私が同じ質問をした他の有名なジャーナリストたちも、CBSのダン・ラザー、オブザーバーのディビッド・ローズや、匿名希望のBBCジャーナリスやプロデューサーたちも同意していた。

言い換えれば、ジャーナリスたちが、きちんと仕事をしていれば、拡声するのでなく、プロパガンダに異議を申し立てし、調査をしていれば、何十万人もの男性、女性や子供たちは、今も生きていて、ISISもなければ、アレッポやモスル包囲もなかったはずなのだ。

2005年7月7日のロンドン地下鉄での大惨事もなかったはずなのだ。何百万人もの難民の奔流もなかったはずなのだ。惨めな難民キャンプもなかったはずなのだ。

昨年11月、パリでテロの惨劇が起きた際、フランソワ・オランド大統領は、シリアを爆撃するため、即座に航空機を送り込み - 更なるテロが続いているが、フランスは“戦争状態”にあり“容赦はしない”と言ったオランドの大げさな言葉に対する予想通りの産物だ。国家による暴力と、聖戦の暴力は、お互いを餌にして、続いているという真実を語れる勇気を持った国家指導者はいない。

ソ連の反体制派詩人、エフトシェンコは言った。“真実が沈黙に置き換えられる時”“沈黙はウソだ。”

対イラク攻撃、対リビア攻撃、対シリア攻撃は、こうした国々の指導者たちが、欧米の傀儡ではないがゆえに起きた。サダムやカダフィの人権実績は全く無関係だ。彼らは、そいれいに従わず、自国の支配を引き渡そうとしなかったのだ。

セルビア占領と、市場経済への転換を要求する“協定”への署名を拒否すると、スロボダン・ミロシェビッチにも同じ運命が待っていた。彼の国民は爆撃され、彼はハーグで起訴された。こういう独立は、許しがたい.

ウイキリークスが暴露している通り、シリア指導者バッシャール・アル・アサド2009年に、カタールからシリアを経由して、ヨーロッパに向かう石油パイプラインを拒否して初めて、彼は攻撃されるようになったのだ。

その時以来、CIAは、現在、モスルの人々を留め置き、東アレッポの人々を人質にしている狂信者連中と同じ聖戦狂信者を使ってのシリア政府打倒を計画してきた。

一体なぜこれがニュースにならないのだろう? 元イギリス外務省幹部Carne Ross、対イラク経済制裁運営責任者の、私に言った。“ジャーナリス連中は、秘密部分を削除した諜報情報というエセ事実を提供してやるか、締め出すかだ。これが、効くのだ。”

アメリカとイギリスが何十億ドルもの兵器を売っている、欧米にとっての中世のお客様、サウジアラビアが、余りに貧しく、最良の時期ですら、子どもの半数が栄養不足だったイエメンを、現在破壊している。

極貧の村や、結婚式や葬儀に対し、サウジアラビアが使っている“我々の”爆弾による大規模爆弾攻撃をYouTubeで見ることができる。

爆発は、小型原子爆弾のように見える。サウジアラビアの爆撃手は、イギリス人将校と並んで働いている。これは夕方のニュースにもならない。

オックスフォード、ケンブリッジ、ハーバード、コロンビア大学で立派な教育を受け、BBC、ガーディアン、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストでの素晴らしい経歴を持った連中が、我々の同意を画策する時に、プロパガンダは最も効果的になる。

こうした組織は、リベラルなマスコミとして知られている。連中は自らを、見識ある、進歩的な時代精神道徳の擁護者を装っている。彼らは人種差別反対で、フェミニズムを支持し、性的少数者を支持している。

そして、連中は戦争を愛している。

フェミニズムを語りながら、生存権を含め、無数の女性たちの権利を無視する飽くことを知らない戦争を支持しているのだ。

2011年、当時は現代的な国家だったリビアが、ムアマル・カダフィが、自国民に対する大量虐殺をしようとしているという口実で破壊された。あれは絶え間のないニュースだった。しかも、証拠は皆無だった。結局はウソだった。

実際、イギリス、ヨーロッパとアメリカ合州国が、アフリカ最大の産油国リビアで“政権転覆”と称するものを望んでいたのだ。アメリカ大陸における、カダフィの影響力と、何よりも、彼が自立していることが許しがたい.

それで、彼は、アメリカ、イギリスと、フランスが支援する狂信者連中に、背後を、ナイフで刺されて、殺された。彼の陰惨な死を、カメラの前で“来た、見た、彼は死んだ!”と叫んで、ヒラリー・クリントンは喝さいしていた。

リビアの破壊は、マスコミの勝利だった。陣太鼓が叩かれる中、ジョナサン・フリードランドは、ガーディアンにこう書いた。“リスクは極めて現実的ではあるが、介入の正当性を裏付けるものは強力だ。”

介入 - 何と礼儀正しく温和なガーディアン用語だろう。リビアにとって、本当に意味するものは、死と破壊なのに。

NATO自身の記録によれば、NATOは、9,700回の対リビア“攻撃出撃”を行い、そのうち三分の一以上が、民間施設を標的にしていた。武器には、ウラン弾頭のミサイルもあった。ミスラタやシルテの瓦礫や、赤十字が発見した集団墓地の写真をご覧願いたい。国連児童基金UNICEFは、殺害された子どもに関して“彼らの大半は十歳未満だ”と報じた。

直接の結果として、シルテは、ISISの首都になった。

ウクライナも、もう一つのマスコミの勝利だ。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストやガーディアンなどのリベラルなご立派な新聞や、BBC、NBC、CBS、CNNなどの主要放送局が、新たな危険な冷戦を受け入れるべく、視聴者を条件付ける上で、極めて重要な役割を演じた。

2014年のウクライナ・クーデターは、実際には、ドイツとNATOに手助けされた、アメリカ合州国の仕業なのに、ウクライナでの出来事は、全てロシアによる悪意ある行為として、事実を歪曲して報じられている。

こうした現実の逆転が余りに蔓延しているために、アメリカが、ロシアを軍事的に威嚇しても、ニュースにならない。昔の冷戦時代、子どもの私が教えられて育ったのと同じ、組織的な中傷、脅威キャンペーンに隠されてしまうのだ。またもや露助が、エコノミスト誌が、悪魔として描いた新たなスターリンに率いられ、我々を攻撃しにやってくるのだ。

ウクライナに関する真実の抑圧は、私が覚えている限りで、最も徹底的な報道管制の一つだ。キエフでクーデターを画策したファシストは、1941年のナチスによるソ連侵略を支援した連中と同じ穴のムジナだ。ヨーロッパでは、ファシストや、反ユダヤ主義の勃興を、散々恐れているはずなのに、ウクライナのファシストについて触れた指導者はいない。ウラジーミル・プーチンを除いては、しかも、彼は数に入らない。

欧米マスコミの多くが、ウクライナのロシア語話者住民を、決して、ウクライナ国内での連合化を求め、自分たちが選んだ政府に対して、外国が画策したクーデターに抵抗しているウクライナ人としてではなく、モスクワの手先として、彼ら自身の国にいる外国人であるかのように描き出そうと懸命に努力した。

まるで、戦争屋の同窓会で、気軽に賢さを張り合っているかのようだ。

ロシアとの戦争煽り立てているワシントン・ポストの太鼓持ち連中は、サダム・フセインは、大量破壊兵器を保有しているというウソを広めたのとまったく同じ編者たちだ。

我々大半にとって、アメリカ大統領選挙戦は、ドナルド・トランプが極悪人役を演じるマスコミによる見せ物だ。

だがトランプが、ワシントンの権力者に嫌われているのは、彼の反抗的な振る舞いや発言とは、ほとんど無関係な理由からだ。ワシントンの見えざる政府にとって、予測のつかないトランプは、アメリカの21世紀計画に対する障害なのだ。

これは、アメリカ合州国の優位を維持し、ロシアを、できれば、中国も支配下におくためだ。

ワシントンの軍国主義者連中にとって、トランプの本当の問題は、正気な時には、ロシアとの戦争を望んでいないように見えることだ。彼はロシア大統領と戦うのではなく、交渉をしたがっている。中国の主席と話し合いたいと彼は言っている。

ヒラリー・クリントンとの最初の討論で、トランプは、紛争で、最初に核兵器を使用することはしないと約束した。彼は言った。“決して私は先制攻撃はしない。核戦争が起きてしまえば、おしまいだ。”こういうことはニュースにならない。

彼は本気で言っているのだろうか? 誰にもわからない。彼は、よく矛盾したことを言う。だが、トランプが、誰がホワイト・ハウスにいようと、アメリカ合州国を運営している壮大な国家安全保障機構が維持している現状にとって、深刻な脅威と見なされているのは明らかだ。

CIAは彼の敗北を願っている。ペンタゴンも彼の敗北を願っている。マスコミも彼の敗北を願っている。彼自身の党さえ、彼の敗北を願っている。核武装したロシアと中国と戦争をする用意ができていることが明白なクリントンと違い、彼は世界支配者にとって脅威なのだ。

彼女は良く自慢するが、クリントンにはスタイルがある。実際、彼女の実績は証明済みだ。上院議員として、イラクでの大虐殺に賛成した。2008年に、オバマに対抗して立候補した際には、イランを“完全に消し去る”と脅した。国務長官として、彼女は、リビアとホンジュラスの政府破壊に共謀し、中国攻撃の手筈を整えた。

彼女は、ロシアとの戦争になる直接的な挑発である、シリアでの飛行禁止空域を支持すると誓っている。クリントンは、私の人生の中で最も危険なアメリカ大統領になる可能性がある -そこで卓越する競争は激しいが。

何の証拠も無しに、トランプを支援していて、彼女のメールをハッキングしたと、彼女はロシアを非難している。ウイキリークスが公開した、これら電子メールで、クリントンが裕福で強力な連中に対する非公式な講演で言っていることと、彼女が公に語っていることとが真逆なのがわかる。

これこそが、ジュリアン・アサンジを黙らせ、脅すことが極めて重要な理由だ。ウイキリークスの編集者として、アサンジは真実を知っているのだ。懸念しておられる方々に申しあげておく。彼は健在で、ウイキリークスは、フル回転している。

現在、第二次世界大戦以来、アメリカが率いる軍隊の最大の増強が進行中だ。カフカスで、東ヨーロッパで、ロシア国境で、そして中国が標的である、アジアと太平洋で。

大統領選挙サーカスが、11月8日のフイナーレに近づく中、このことをお忘れなく。もし、勝者がクリントンになれば、古代ギリシア劇の合唱隊のような無分別な評論家連中が、彼女の戴冠式を、女性にとっての偉大な前進だと慶賀するだろう。クリントンの犠牲者、シリアの女性たち、イラクの女性たち、リビアの女性たちに触れるものは誰もいるまい。ロシアで行われている民間防衛訓練に触れるものは誰もいるまい。エドワード・バーネイズの“自由のたいまつ”を思い起こすものは誰もいるまい。

ジョージ・ブッシュの大統領報道官が、かつて、マスコミを“共謀実現者”と呼んだことがある。

マスコミのおかげで可能になったウソで、大変な苦難をもたらした政権の幹部によるこの発言は、歴史の警告だ。

1946年、ニュルンベルク裁判の検事は、ドイツ・マスコミについてこう言った。“あらゆる大規模侵略の前に、彼らは敵を弱体化させ、心理的に、ドイツ国民を、攻撃に備えさせるよう計算された報道キャンペーンを立ち上げていた。プロパガンダ体制で最も重要な武器は日刊紙とラジオだった。”
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-f084.html


2016.11.08
自衛隊の部隊が派遣されているジブチと南スーダンは米国がアフリカと中東を侵略する拠点になる


 ジブチへ日本政府は約47億円をかけて拠点基地を2011年に建設、南スーダンには陸上自衛隊・中央即応集団を派遣している。ジブチの拠点を防衛省は来年、拡張するという。そのジブチと南スーダンは、アメリカがアフリカや中東を侵略する拠点にしようとしている国。資源を略奪するために破壊と殺戮を繰り広げる足場にしようというわけだ。

 2007年にアメリカはアフリカ大陸を担当する統合軍のAFRICOMを創設しているが、その目的は言うまでもなく、アフリカを侵略して支配することにあった。当然、アフリカ諸国は反発、AFRICOMは司令部をドイツに置かざるをえなくなり、ジブチはアメリカ軍の橋頭堡的な役割を果たすことになる。

 アメリカ軍をアフリカ諸国が拒否できた一因は、リビアに君臨していたムアンマル・アル・カダフィにある。彼は自国を自立させるだけでなく、アフリカを独立させようとしていた。そうしたプランの一環としてドル体制からの離脱を目指し、金貨ディナールをアフリカの基軸通貨にしようとしていた。

 アメリカが2011年にリビアを攻撃した際、リビアは143トンの金を保有していたと言われている。WikiLeaksが公表したシドニー・ブルメンソールからヒラリー・クリントンに宛てた電子メールによると、アメリカがリビアを攻撃した理由は、その金143トンと石油利権だったことを暗示している。

 伝えられるところによると、バラク・オバマ大統領にリビア攻撃を強く迫ったのは3人の女性、つまり国務長官だったヒラリー・クリントン、そしてサマンサ・パワーとスーザン・ライスだ。クリントンはカダフィが惨殺されたことを知らされ、「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。

 アメリカがAFRICOMを創設する前年、2006年3/4月号のフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号は、キール・リーバーとダリル・プレスの論文を掲載した。その中でふたりはロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張している。この雑誌は外交問題評議会が発行、アメリカ支配層の意思を何らかの形で反映していると言える。

 また、2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事によると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3カ国が秘密工作を開始、そのターゲットはシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラだとしている。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年に国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語り、2001年9月11日に世界貿易センターと国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて10日後には統合参謀本部でイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを先制攻撃する計画ができていると聞いている。この計画を作成したのはドナルド/ラムズフェルド国防長官の周辺だ。

 イラクはアメリカ軍主導の連合軍による先制攻撃で破壊、シリア、イラン、レバノンに取りかかっていたということだろうが、同じ頃、アメリカはエチオピア軍にソマリアを侵略させている。2011年にはリビアとシリアを傭兵(アル・カイダ系武装集団)に侵略させている。

 スーダンでは内戦が1983年から2005年まで続き、11年に南部が独立している。この戦乱は石油が原因だった。1974年にアメリカの巨大石油会社シェブロンがスーダンで油田を発見したのだ。1990年代の終盤になるとスーダンでは自国の石油企業が成長してアメリカの石油企業は利権を失っていき、中国やインドなど新たな国々が影響力を強めていった。

 南部ではSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始するが、SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にあるフォート・ベニングで訓練を受けた人物。結局、南部は独立に成功した。国境の周辺に油田があるのは必然だ。

 スーダン西部にあるダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激化した。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、ネオコンはダルフールへ積極的に介入した。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因。チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611070000/


1991年12月にソ連が消滅した段階でネオコン/シオニストはアメリカが唯一の超大国になったと認識、服わぬ国々は脅し、それでも屈服しなければ軍事的に破壊してしまうという戦略を立てた。ソ連消滅の直前、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は5年から10年でイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官の話だ。
 2001年9月11日以降、アメリカではネオコンが主導権を奪い、ウォルフォウィッツたちが描いた世界制覇プランを推進していく。クラーク元司令官によると9/11の10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていた。そこにはイラク、シリア、イランのほか、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンが載っていたという。
 ところが、21世紀に入るとロシアでウラジミル・プーチンを中心とするグループがロシアを再独立させ、ネオコンが描く世界制覇プランの前提条件が崩れてしまう。それでもプランを推し進めようとした結果、ロシアや中国を核戦争で脅すという事態になる。そうした動きの最前線にいたのがヒラリー・クリントンだ。

 その一方、軍や情報機関の内部でもロシアとの核戦争は避けるべきだと考える人びとがいる。マーティン・デンプシー元統合参謀本部議長やマイケル・フリン元DIA局長はその典型例。クリントンの電子メールをリークした人物は電子情報機関NSAの内部にいると推測する人もいた。こうした人びとの存在はクリントンが大統領選で敗れた一因だろう。

 しかし、クリントンを担いでいた勢力のネットワークは強力。すでにジョージ・ソロスはカラー(パープルらしい)革命を始めている。そうした人びとはロシアとの関係修復にも抵抗、場合によってはシリアへの本格的な軍事介入を強行するかもしれない。「アメリカの関東軍」であるNATOは懸念材料だ。

 アメリカでは「トランプ暗殺」の噂も流れているが、実際に殺さなくても何らかの形で排除し、ペンス副大統領を昇格させるということは想定できる。これはアメリカ支配層の常套手段だ。そこで、ペンスが注目されている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611140001/



ヒラリー・クリントンとは誰か
  ーーアメリカ大統領選挙を目前にして
 国際教育総合文化研究所 寺 島 隆 吉  2016年11月2日付

 
 アメリカの選挙情勢は11月8日の投票日を目前にしながら混沌としています。
 というのは、オバマ大統領や民主党幹部・特権階級だけでなく金融街や大手メディアからも圧倒的な支援を得ながらも、世論調査ではヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏の支持率は拮抗しているからです。

 トランプ氏は共和党幹部からもアメリカの財界・支配層からも支持や援助を得ていないにもかかわらず、そして大手メディアから袋叩きにあいながらも、拮抗状態なのです。
 たとえば、民主党のヒラリー女史は、10月19日に行われた最後のテレビ討論に出演しましたが、直後におこなわれたCNNテレビおよび世論調査機関ORCの調べでは、クリントン女史が勝ったと答えた回答者は52%、反対にトランプ氏が上まわったと答えたのは39%に留まっていました。

 ところがワシントン・タイムズ紙は、最後のテレビ討論に関する緊急調査で、同討論会で共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏がライバルのヒラリー・クリントン氏に圧勝したと報じているのです。

 同紙はサイト上で討論後に「最後の討論会、勝ったのはどっち?」という質問をおこなったのですが、討論の終了直後、トランプ氏には77%または1万8290票だったのに反し、ヒラリー女史には4100票または17%しか集まりませんでした。

 その後しばらく経つと状況はさらに変わり、10月20日の日本時間14時35分にはトランプ氏3万2000票(74%)クリントン氏9000票(21%)となりました。

 ワシントン・タイムズは米国で最も著名かつ保守的な編集方針で知られていますから、新聞社のバイアスがかかっているのかも知れませんが、それにしても、トランプ氏は圧倒的な支持を得ているのです。

 さらに、米国大統領選挙まであと16日という時点(10月23日)でのロサンゼルス・タイムズの世論調査では「トランプ支持44・4%、ヒラリーン支持44・1%」という結果でした。

 ご覧のとおり、共和党トランプ氏と民主党ヒラリー女史の支持率は、ほぼ拮抗しているのです。

     *

 さらに、もうひとつ面白い情報があります。「Sputnik日本」(10月28日)は、イギリス高級紙インデペンデントからの情報として次のような記事を載せているのです。

 ニューヨーク大学のヘルムト・ノーポース教授は、自分の作った米大統領選結果予測モデルによると勝利するのは共和党のドナルド・トランプ候補であることを明らかにした。インデペンデント紙が報じている。

 ノーポース教授の開発した選挙結果予測モデルは1992年から今までの米大統領選挙の予測を2000年の一度を除いて全て当てている。モデルは2000年は民主党の勝利を予測したが、実際はフロリダ州の浮遊票を集め、共和党のジョージ・ブッシュ氏が当選した。

 さて今回だが、このモデルの予測ではプライマリーでより見事な演説を行なった候補者が勝利する。ノースポース氏の見解では、プライマリー(予備選)で勝利を収めたのはトランプ氏で、このことから選挙で勝利する確率は高い。

     *

 トランプ氏は共和党幹部からもアメリカの財界・支配層からも支持や援助を得ていません。にもかかわらず、そして大手メディアから袋叩きにあいながらも、なぜこのように選挙で勝利する確率が高くなっているのでしょうか。

 それはヒラリー女史とトランプ氏の論争が進めば進むほど、ヒラリー女史の本性が民衆に分かり始めてきたことです。

 すでに民主党内の予備選でさえ、社会主義者を自称するバーニー・サンダース氏に追い上げられて、一時はサンダース氏が勝利するかも知れないと言われていたことすらあったのですが民主党幹部の裏工作、大手メディアの加勢で何とか乗り切ることができました。この間の事情を櫻井ジャーナル(2016年6月17日)は次のように書いています。

 ところで、民主党幹部たちが昨年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールが公表されている。本ブログでは何度か取り上げたように、昨年6月11日から14日にかけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加、欧米の支配層は彼女を大統領にする方向で動き出したと言われていたわけで、この電子メールの内容は驚きでない。

 この内定を揺るがしたのがサンダース。急速に人気を集め、支持率はヒラリーと拮抗するまでになった。ただ、そうした動きが現れる前に選挙人登録は終わっていたため、支持率が投票に反映されたとは言い難い。例えば、4月に投票があったニューヨーク州の場合は昨年10月9日までに民主党と共和党のどちらを支持しているかを登録しておかないと予備選で投票できず、投票できなかった人が少なくない。

     *

 このニューヨーク州の事態については長周新聞2016年5月4日で、私は「続・世界に恥ずべきアメリカの選挙制度」と題して既に拙論を載せてあったのですが、サンダース氏の進出を阻止する動きがもっと露骨になったのはカリフォルニア州の予備選でした。

 それを櫻井ジャーナルは上記に続けて次のように書いています。

 支持政党を登録していなくても投票できるカリフォルニアで予備選が行われる直前の世論調査ではサンダースがクリントンをリード、幹部たちを慌てさせたようだ。民主党支持者ではサンダースが57%、クリントンが40%、無所属の人ではそれぞれ68%と26%だとされている。

 そうした状況の中、予備選の前夜にAP通信は「クリントン勝利」を宣告した。「スーパー代議員(上位代議員、あるいは特別代議員と訳されている)」の投票予測でクリントンが圧倒し、勝利は確定しているというのだ。この「報道」がカリフォルニアにおける予備選でサンダースへの投票を減らしたことは間違いないだろう。

 カリフォルニア州の場合、本ブログではすでに紹介したように、投票妨害とも言えそうなことが行われていたという。政党の登録をしなかった人びとはサンダースを支持する人が多く、民主党の登録をしている人はヒラリー支持者が多いが、登録しているかしていないかで投票用紙が違う。

 投票所によっては投票用紙を受け取ろうとすると、政党無登録の人には予備選に投票できない用紙を自動的に渡す投票所があったという。投票するためには民主党支持変更用紙を要求しなければならない。予備選に投票するにはどうすべきかと尋ねられた係員は、政党無登録の人には民主党用の用紙は渡せないと答え、民主党支持変更用紙のことには触れないよう指示されていたケースもあったようだ。


     *

 こうした動きのなかで、突如、サンダース氏は選挙戦から降りると宣言し、勢いを増しつつあった支持者の運動や願いを裏切り、あろうことか「ヒラリー女史こそ大統領としてベストの候補者だ」という演説までもするようになりました。

 ではサンダース氏が今まで言ってきたこと、「ヒラリー女史はウォール街と一心同体であり富裕層の代弁者だ」という言はどこへ行ったのかと、支持者たちはやりきれない思いをしたに違いありません。

 ヒラリー女史および民主党幹部とサンダース氏の間に、裏でどんな取引があったのか分かりませんが、とにかくヒラリー女史はこうして無事に予備選をくぐり抜け、本選に挑むことができるようになりました。

 しかし相手は共和党のなかでさえ評判の悪いトランプ氏ですから、ヒラリー女史は本選では楽勝となり、「アメリカ史で初めての女性大統領」という栄冠を難なく手にすることができると思われていました。

 ところがウィキリークスがヒラリー女史や民主党幹部の裏舞台を暴露し始めた頃から雲行きが怪しくなってきました。

 元共和党政権の経済政策担当の財務次官補のポール・グレイグ・ロバーツは自分のブログ(2016年10月5日)で、それを次のように書いています。

 「…。彼女は、ウォール街・巨大銀行・軍産複合体の巨大な政治力を有するひと握りの連中、および外国利益の集団によって買収されている。その証拠は、クリントンの1億2000万ドルという個人資産と、2人の財団の16億万ドルだ。ゴールドマン・サックスは、講演で語られた智恵に対して、ヒラリーの3回の20分講演に、67万5000ドルを払ったわけではあるまい。…」

*Washington Leads The World To War
「世界を戦争へ導くワシントン」

     *

 上記で登場するゴールドマン・サックスは、2008年の世界金融危機の震源地のひとつとなった世界最大級の投資銀行です。そのように世界経済を破壊した機関で講演すること自体が問題ですが、その謝礼も私たち凡人の想像を絶する金額です。

 かつて私が大学教授として60〜90分の講演をしても、その謝礼は3〜5万円でしたから(ときには全く無料のものもあります)。ところがヒラリー女史は、そこで20分の講演を3回しただけで、67万5000ドル(約7000万円)の謝礼です。つまり、1回20分で約2300万円もの大金がもらえるのですから、いかに破格の謝礼であるかがよくわかるはずです。

 だからこそ、世界金融危機につながった住宅ローン担保証券の不正販売を巡る事件は、ゴールドマン・サックスから誰一人として刑務所に送られたものはなく、2016年1月に制裁金等33億ドルと借り手救済金18億ドルの和解金で決着してしまったのでしょう。世界最大級の投資銀行としては、おそらく、全くの端金(はしたがね)だったに違いありません。

 かつて民主党の支持基盤のひとつは労働組合だったのに、夫のビル・クリントンが大統領だったときにNAFTA(米国、カナダ・メキシコ3カ国による域内貿易自由化取り決め)によって、大企業がメキシコなどの国外へと移転して、労働者の多くは仕事を失いました。その結果、多くの労働組合が縮小・解体され、民主党は新しい財政基盤を必要とするようになりました。

 民主党が、労働者や一般民衆ではなく、財界や金融街に頼らざるを得なくなった物質的基盤は、このようなところにあります。自ら墓穴を掘ったと言うべきかも知れません。

 NAFTAを通じてビル・クリントンが追求した新自由主義政策は、貧富の格差を広げましたから、勤労者や貧困者から見れば、民主党というのは共和党と何も変わらない政党になったわけです。(日本の民進党と自民党も、全く同じ流れです。)

     *

 このような貧困化しつつあるアメリカ民衆の不満を代弁したかたちで登場したのが、民主党ではバーニー・サンダース氏であり、共和党ではドナルド・トランプ氏でした。しかし先述のとおり、サンダース氏は支持者を裏切るかたちで選挙戦から身を引きました。しかしトランプ氏の場合、共和党の幹部・特権階級からの妨害をものともせず進撃しつつあります。

 そして、かつては黒人票は民主党のものと思われていたのに、トランプ氏は着実に黒人票をも獲得しつつあるようです。とくに貧困層の黒人は、ヒラリー女史に見切りをつけ、トランプ氏に流れているようです。最近それを象徴する事件がありました。

 映画産業で有名なハリウッドの大通りには、有名スターの名前が入った星形メダルが埋め込まれた街路「ウォーク・オブ・フェイム」があるのですが、そのひとつにトランプ氏の名前が刻み込まれています。

 ところがヒラリー女史の支持者が、この刻み込まれたトランプ氏の名前をツルハシで破壊する事件が起きました。それにたいして今度は、この刻み込まれたトランプ氏の名前を守ろうとして座り込む女性が現れました。

 しかし、ここにもうひとつの事件が起きます。この座り込んでいた一人の黒人女性(しかもホームレスの老いた黒人女性だった)にたいして、なんとヒラリー女史支持者たちが罵詈雑言を浴びせかけ、彼女の衣類などが入っていたカートを彼女もろとも引っくり返して足蹴にする事件が起きたのです。そのうえ、なぜトランプを支持するかを書いた彼女のビラやポスターをずたずたに引き裂くようすがユーチューブに載せられたのでした。

 RT(2016年10月29日)の記事によれば、そのポスターのひとつには「オバマはクリントン一家に恩義を感じて我々黒人どもをバスの下に投げ込んでいる」といった文句が書かれていたそうです。

*Violent crowd attacks, insults homeless woman guarding Trump's Hollywood star
「暴力的群衆が、ハリウッド大通りに刻まれたトランプ氏の名前を守る女性を、襲ったり辱めたりした」

     *

 ロサンゼルス・タイムズは、今やカリフォルニア州立大学[全部で二三校から成るが全体でひとつの大学機構]の学生の、10人に1人がホームレスだと報じ(2016年6月20日)驚かされましたが、このような事態を生み出した民主党の特権階級にたいする怒りが、ホームレスの老いた黒人女性を上記のような行動に駆り立てたのではないでしょうか。

 「アメリカ史上、初の黒人大統領」と持てはやされる人物を頭(かしら)にいだく民主党政権が貧富の差を拡大させ、黒人どころか白人のホームレスまでもアメリカ全土に広がりつつあるのですから、実に皮肉と言えば皮肉です。

     *

 このような事態を考えると、社会主義者を自称するサンダース氏が選挙戦から落馬した現在、共和党から出馬したトランプ氏がアメリカ民衆の怒りを一身に背負うことになってきたことは、ある意味で当然のこととも言えます。

 これを裏書きするような象徴的な爆弾が、映画監督マイケル・ムーアによって投げつけられました。ムーアと言えば、映画『華氏九一一』やアメリカ医療を鋭く告発した映画『シッコ』などで有名ですが、そのムーア監督が、今度はトランプ氏を題材とした映画『トランプ・ランド』をつくりました。その映画上演会のため訪れたオハイオで彼は次のようなスピーチをして聴衆を驚かせました。

 「トランプ氏に投票する人たちは、必ずしもそんなに彼が好きなわけではありませんし、必ずしも彼の意見に同意しているというわけでもありません。彼らは必ずしも人種差別主義者ではありませんし、白人の肉体労働者でもありません。じっさい彼らはかなり礼儀正しい人たちです」

 「ドナルド・トランプ氏はデトロイト経済同友会にやって来て、フォード社の経営陣の前に立ってこう言ったのです。『あなた方がデトロイトでやろうと計画しているように、これらの工場を閉鎖してメキシコで建て直すつもりなら、そしてそこで生産した車をアメリカに送り返すなら、私はそれらの車に三五パーセントの関税率をつけるつもりだ。そうすれば誰もそれらを買わないだろう』」

 「それは、驚くべきことでした。政治家の誰も、共和党員であれ民主党員であれ、これまでに誰もそんなことを、これらの経営陣に言ったものはいません。それは、ミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州、ウィスコンシン州の民衆の耳には実に心地よい調べだったでしょう。 Brexit の諸州、つまりアメリカから脱出しようとする大企業の存在する州では、民衆は同じ思いで聴くでしょう」

 「トランプ氏の言っていることが本気かどうかは、ここではあまり関係がありません。なぜなら、それは傷ついている人々が聴きたいと思っていたことだからです。だからこそ、あらゆる打ちのめされて役立たずになり忘れさられた一般労働者、いわゆる中流階級の一部を成す人々のすべてが、トランプ氏を好きになるのです」

 「トランプ氏は、そのような人たちの待ち望んでいた人間火焔瓶・人間手榴弾なのです。彼らは、自分たちから生活を盗み奪った組織や機構に、それを投げ込むことができるからです」

 「そして11月8日は選挙の投票日です。民衆・勤労者は仕事を失い、銀行によって家を差し押さえされ、次にやってきたのが離婚。今や妻と子供は去って自分のところにはいない。そして車も回収・没収。彼らは何年ものあいだ本当の休暇をとったことがない。くそにもならないオバマケア(医療保険改革法)ブロンズプランは、お先真っ暗。この保険では解熱剤すら手に入らない。要するに彼らは持てるもの全てを失ったのです。民衆の手に残されたものがひとつだけあります。それをもつには一セントのお金すら必要ありません。それは合州国憲法によって所有が保証されているからです。それが投票権です」
 
*Michael Moore just gave the most convincing speech for Trump
「マイケル・ムーアが、今までのなかで最も説得力のある演説をトランプ氏のためにおこなった」

     *

 ムーア監督のスピーチは、まだ続いているのですが長くなるので、翻訳はここで止めます。

 ただスピーチの最後が、「トランプが選ばれれば、人類史に記録された最大の『くたばれ、この野郎』になること間違いなしです。勤労大衆にはさぞかし気持ちのよいことでしょう」で結ばれていることだけを紹介しておきます。

 今までサンダースを支援していたムーア監督が、ことここに至って、このようなスピーチをせざるを得なくなった悔しさがにじみ出ているようなスピーチではありませんか。

 ゼネラルモーターズの生産拠点の一つであったミシガン州フリントで生まれたムーア監督が、故郷フリントの自動車工場が閉鎖され失業者が増大したことを題材にしたドキュメンタリーの名作『ロジャー&ミー』をつくっているだけに、この無念さはひとしおだったことでしょう。

     *

 さて、このようなトランプ氏の動きに対してヒラリー女史はどのように対応したでしょうか。

 最初は財界寄りの政策でしたがサンダースの打ち出す政策が民主党の若者や貧困層の支持を得て自分が劣勢になりそうなのに気づいて、TPPなど民衆の生活を破壊する政策に反対を表明するように変わってきました。

 しかし最近のウィキリークスが暴露したところによると、「政治家は表の顔と裏の顔があるのは当然だ」とする意見を彼女は身内のものに漏らしています。さらに予備選では「左寄りの政策を掲げても本選では右に戻せばよい」とも語っています。

 もっと恐ろしいことには、RT(2016年10月29日)の記事によれば、彼女は『Jewish Press』というユダヤ人のための週刊紙のインタビューで、「パレスチナの選挙に裏工作をしてファタハを勝たせるべきだった、そうすればハマスの一派が勝利することはなかった」とすら述べています。

*Clinton bemoans US not rigging 2006 Palestinian election in newly-released tape
「クリントンは、新しく公開されたテープ録音のなかで、2006年のパレスチナにおける選挙で不正操作しなかったことを、嘆いている」

     *

 このようにヒラリー女史は、他国の選挙に干渉して傀儡(かいらい)政権をつくることを何ら悪いことだと思っていないのです。

 2014年のウクライナ政変では、彼女の盟友であるヌーランド国務次官補が、米国ウクライナ大使と一緒になって反政府デモに加わり、デモ参加者にお菓子を配って歩いている光景が堂々とテレビ画面に登場していますが、これほど露骨な内政干渉はないでしょう。

 (ロシアの外務省高官や在米大使館員が、ニューヨークその他のデモや集会、座り込みテントに参加して、差し入れなどすれば、アメリカがどんな態度をとるか。想像してみればすぐ分かることです。)

 ところがトランプ氏との論争になると、ヒラリー女史は、政策をめぐる論争はほとんどやめてしまい、「トランプ氏はプーチンの操り人形だ」とか「ウィキリークスによるヒラリー関係のメール暴露は、プーチンがアメリカのコンピュータに侵入してウィキリークスに渡したものだ」といった主張を繰りかえすだけになってしまいました。政策論争ではトランプ氏と争っても勝ち目がないということを自ら認めたに等しいでしょう。

 それどころか、自分が国務長官として公的なメールサーバーを使うべきだったのに、私的サーバーを使って外部から侵入しやすくなったことにたいする反省もありませんし、その漏れた国家的重要機密情報が、リビアのアメリカ大使館に勤務する大使その他の職員をイスラム原理主義者による死に至らしめる結果になったかも知れないのに、そのことにたいする反省もありません。

 もっと奇妙なのは、このように私的サーバーを使って最高機密情報を漏らした当人は、FBIから訴追されることもなく堂々と選挙に出馬できているという事態です。イラクにおける米軍の悪事を暴いたマニング上等兵が牢獄につながれ元情報機関職員だったスノーデンが亡命に追い込まれたのとは、天と地の違いです。「悪いやつほどよく眠る」の典型例と言うべきかも知れません。

     *

 ここまでは、ドナルド・トランプ氏と比較しながら、アメリカの国内政策を中心にして「ヒラリー・クリントンとは誰か」を論じてきたのですが、以下では外交政策をとりあげてヒラリー女史の問題点を探ってみたいと思います。

 しかし、これを論じていると長大なものになる予感がするので、今回は幹の部分だけを紹介して詳しくは次回に譲りたいと思います。

 それはともかく、ヒラリー女史とトランプ氏の外交政策における最大の違いは、ロシアとどう対峙するかという問題です。いまアメリカはシリアにおける内戦をどう解決するかという点で、ロシアと鋭く対立しているからです。

 いまヒラリー女史がシリア情勢で強く主張しているのは「リビア内戦時と同じようにシリアにおいても飛行禁止区域をもうけるべきだ」ということです。その理由としてあげられているのが、「ロシア軍とシリア政府軍がシリア第二の大都市アレッポを無差別に爆撃し一般市民からたくさんの犠牲者が出ているから」という口実です。

 これにたいしてトランプ氏は次のように主張しています。

 「アメリカは他国に内政干渉したり政権転覆に手を出すべきではない。国内には問題が山積していて他国に手を出す余裕などないはずだ」

 「今はロシアと手をつないで、『アルカイダ』『イスラム国』といったテロリスト=イスラム原理主義者集団をシリアから追い出すべきだ」

 これに関してロシアもシリア政府も、「リビア内戦時と同じようにシリアにおいても飛行禁止区域をもうけるべきだという主張は、シリアをリビアと同じような混乱に陥れ、シリアを破壊・解体して、さらに死傷者と難民を激増させるだけだ。休戦地帯をもうけろと言う主張は、テロと戦うという名目でアサド政権をつぶそうとする隠れ蓑にすぎない」と反論しています。

 この飛行禁止区域の設定については、ロシアもシリア政府も次のように主張し、アメリカの要求をきっぱりと退ける姿勢を示しています。

 「アレッポの東部地区を占拠して一般市民を『人間の盾』としながら休戦協定を無視してアレッポの西部地区の一般市民を無差別に攻撃しているのは、むしろ反政府勢力のほうだ。しかも彼らはアメリカの主張する『穏健派』どころか、『アルカイダ』『イスラム国』の一派であり、シリアには『穏健派』など存在しない」

     *

 ですから、このまま緊張状態が続けば、アメリカ軍とロシア軍との直接的な戦闘になり、いつ世界大戦になるか、いつ核戦争になるか分からない情勢です。トランプ氏は「『アルカイダ』『イスラム国』といった過激なイスラム原理集団をつくり出したのは、アメリカなのだから、そのような政策から手を引くべきだ」と言っているのですから、今までの感覚でアメリカを見ていたひとたちは頭が混乱するかも知れません。

 というのは、従来の図式からすれば、民主党=リベラル=ハト派であり、共和党=保守派=タカ派なのに、ヒラリー女史の方がトランプ氏よりはるかに好戦的だからです。それに反してトランプ氏は、ロイター通信(2016年10月25日)によれば、「ヒラリー氏が大統領になれば第三次世界大戦になりかねない」と主張しています。

 これはトランプ氏の単なる選挙戦術のようにもみえますが、同じ警告はあちこちから聞こえてきます。

 すでに前半で紹介したように、元共和党政権の経済政策担当の財務次官補だったポール・グレイグ・ロバーツは自分のブログ(2016年10月5日)で、下記のような「戦争に導くワシントン」という記事を書いています。

*Washington Leads The World To War
「世界を戦争へと導くワシントン」

 またイギリスの保守的高級紙と言われるインデペンデント紙(2016年10月25日)も次のような論文を載せています。

*Could Hillary Clinton start a world war? Sure as hell she could? and here's how
「ヒラリー・クリントンは世界大戦を始める可能性があるか、確かにそうだ。それはこうして始まる」

 どちらかというと今まではトランプに批判的だったインデペンデント紙がこのような論説を載せるようになったこと自体が、現在の情勢がいかに緊迫しているかをしめすものではないでしょうか。

     *

 もっと驚いたことには、調べてみると既に四月の時点で、クリントン氏の自叙伝の著者ディアナ・ジョンストン氏は、イタリアのイオ・ジョルナーレ紙のインタビューで、「クリントン氏の大統領選の勝利は、第三次世界大戦の勃発も含め予想外の結果をもたらす可能性がある」と語っているのです。

 RTの記事(2016年4月29日)によると、ジョンストン氏は次のように語っています。

 クリントン氏がまだ国務長官に在任していた頃、押しの強い外交政策を掲げていた。クリントン氏はアメリカのイラク侵攻及びリビアでの戦争参加を支持し、そして現在はシリアのバッシャール・アサド大統領に反対する姿勢を支持している。これに加え、クリントン氏は反ロシア的見解に固執している。世界は不安を呼び起こすような選挙公約を掲げるクリントン氏の「積極的な活動」に対して用心するべきだ。クリントン氏は外交の代わりに軍事力を用い、あらゆる事件が第三次世界大戦を引き起こしかねないほどにNATOを強化するつもりである。

     *

 このように、今まさに世界はアメリカ大統領選挙を前にして「伸るか反るか」の曲がり角に来ているのです。にもかかわらず、アメリカや日本の、リベラルを自称する知識人も大手メディアも、「アメリカ史上、初の女性大統領」という殺し文句に惑わされて、現在の深刻な事態が見えなくなっているように思われます。

 しかし現在の事態の深刻さを理解してもらうためには、ヒラリー女史が国務長官だったときだけでなく、それ以前に外交政策で彼女が何を主張し、どのような行動をとってきたかを、もっと詳しく説明する必要があります。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hirarikurinntontohadareka.html

ヒラリー・クリントン・とは誰か 下 ーーアメリカ大統領選挙を目前にして
国際教育総合文化研究所 寺 島 隆 吉   2016年11月4日付


 
 私は前回の論考「ヒラリー・クリントンとは誰か」(11月2日号)を次のように結びました。

 「このように、今まさに世界はアメリカ大統領選挙を前にして『伸るか反るか』の曲がり角に来ているのです。にもかかわらず、アメリカや日本の、リベラルを自称する知識人も大手メディアも、『アメリカ史上、初の女性大統領』という殺し文句に惑わされて、現在の深刻な事態が見えなくなっているように思われます。

 しかし現在の事態の深刻さを理解してもらうためには、ヒラリー女史が国務長官だったときだけでなく、それ以前に外交政策で彼女が何を主張し、どのような行動をとってきたかを、もっと詳しく説明する必要があります。とはいえ、すでに長くなりすぎていますので、これについては、次回の論考に譲りたいと思います。」

 そこで今回は、ヒラリー・クリントンなる人物が、アメリカの国務長官として何をしてきたかを、まず調べてみることにします。

    *

 さて「国務長官」というと、まるでアメリカの国内行政における最高責任者のように聞こえてきますが、実は日本の「外務大臣」にあたる外交政策の責任者です。
 アメリカの「防衛省」は、今は「防衛総省」(別名ペンタゴン)と言っていますが、かつては「戦争省」と言っていました。

 日本では「陸軍省」と誤訳(意図的?)されていますが、第2次大戦が終わる前までの正式名称は、「United States Department of War」すなわち「アメリカ戦争省」でした。

 まるで外国にたいして侵略戦争をし続けてきたアメリカの歴史を象徴するような名称ですが、アメリカにとって軍事力による外交=戦争は、内政よりも重要な「国務」であったからこそ、「外務省」を「国務省」(United States Department of State)と名付けたのかも知れません。

 アメリカ軍人として伝説的な英雄スメドレー・バトラー将軍は、退職したあと自分が軍人として果たしてきた役割を振り返って『戦争はペテンだ』という著書を著し、そのなかで、右のような事情を、次のように述べています。

 「私は、大企業、ウォール街、銀行、お偉方の用心棒として時を過ごした。
要するに私は資本主義に奉仕する恐喝者でありギャングの一員だった」

「私はウォール街の利益のために中米の六つの共和国の略奪を手伝った。恐喝の記録は長い」

「ギャングの親玉アル・カポネがやれたのは、せいぜい三つの地区のボロ儲けの口を操っただけのことだ。私なんか3大陸を操ったんだ」
(『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上巻442頁)


 このスメドレー将軍のことばは、アメリカ外交の本質を赤裸々に暴露しているのではないでしょうか。

    *

 それはともかく、ブッシュ氏が大統領になったとき、「9・11事件」を口実にアフガニスタンを爆撃し、それをイラクへの侵略戦争に拡大したのですが、それでもアメリカによる戦争は中東の小さな範囲にとどまっていました。ところがオバマ大統領とヒラリー国務長官のもとで、戦火は一気に地中海沿岸の北アフリカ(リビアの内戦)や東ヨーロッパ近辺(ウクライナやシリアの内戦)にまで拡大しました。

 それどころか、今まではブッシュ大統領が表立って手出しをしなかった中南米にまで手を出してクーデター工作をおこなうようになりました。このような戦争やクーデターの拡大に深く関わってきたのが、ヒラリー国務長官でした。

 いま深刻な人道危機をもたらしているシリアの内戦について、ヒラリー女史が「リビアと同じような飛行禁止区域をもうけるべき」だと強く主張していることは前回の拙稿で紹介したとおりです。

 アサド政権の要請でロシアが本格的にイスラム原理主義集団の掃討作戦に乗りだし、彼らの拠点を空爆し始めてからは、ダーイッシュ(今まではISISとかイスラム国と呼ばれていた)などのイスラム原理主義集団諸派は、負け戦です。

 サウジを中心とする湾岸諸国が資金と人員を供給し、アメリカやNATO諸国が(さらにイスラエルも)裏で、武器や特殊部隊を派遣して軍事訓練をしてきたにもかかわらず、この状態なのです。

 アメリカの基本戦略は、あくまでアサド政権の転覆です。そのためにはロシア軍の空爆をやめさせる必要があります。ロシア軍の空爆はアサド政権の正式な要請によるものですから、国際法に則った行為ですが、イスラエルやNATO諸国(トルコも含む)のシリア領内における空爆は領空侵犯になりますから、どうしてもリビアの時と同じような「飛行禁止区域」の設定が必要になります。

 これを強く主張しているのが、先述のとおり、ヒラリー女史です。

 しかし、ロシアは安全保障理事国ですから今のままでは国連の許可を得ることができません。残された道は、偽の人道危機をつくりだして、「ロシア軍やアサド軍は民間人を無差別に殺傷している」とか、「彼らは化学兵器を使っている」とかの口実で、世論を喚起して彼らを押さえ込む以外にありません。

 他方、ロシアの主張は次のとおりです。

 「リビアでは『独裁者カダフィが自国の民衆を無差別に爆撃して大量の死傷者を出している。だから飛行禁止区域を』という口実で、カダフィはイスラム原理主義集団と戦う手段を奪われてしまった。その結果、何が生まれたか。国土の荒廃と大量の難民だった。同じことをシリアでも繰りかえすつもりか」
    *
 シリアになだれ込んでいるイスラム原理主義集団は、サウジを中心とした湾岸諸国からだけでなく、ロシアのチェチェンや中国の新疆ウイグル地区といったイスラム教徒が多い地域からも流入してきています。彼らはロシアや中国を不安定化させる勢力としてCIAが以前から訓練してきた勢力だと言われています。

 ですから、シリアが内戦で崩壊した場合、そこで勝利したイスラム原理主義集団は、次の攻撃目標として、ロシアや中国に還流し、ロシアや中国を不安定化させることに最大の精力を注ぎ込むことになるでしょう。

 今やEUとアメリカに対抗する勢力として経済的にも軍事的にも対抗する大国になりつつある動きを、アメリカとしては何としても阻止しなければなりません。

 BRICsという興隆しつつある経済共同体の中心がロシアと中国だから、これはなおさら、アメリカにとっては放置できない事態です。

 だからこそ、ロシアと中国を不安定化させることが必要なのです。

 かつて中東一円からイスラム原理主義集団(ビンラディンもその中の一人でした)をかき集めてソ連をアフガニスタンに引きずり込み不安定化し崩壊させた方法を、シリアでもやろうというわけでしょう。

    *

 しかし、これはロシアや中国にとっても座視できない重大事です。

 ロシアと違って、中国は表立ってシリアに味方しては来ませんでしたが、最近、中国も、アサド政権を支えるために、裏で大きく動きはじめていると言われるのも、このような情勢から見ると当然のこととも言えます。

 ですから、ヒラリー女史が「シリアに飛行禁止区域を!」と大声で叫び、「ロシアやシリアが言うことをきかないのであれば軍事力の行使もいとわない」と主張することは、世界大戦になることを意味します。

 この戦いは、NATO諸国やサウジなどの湾岸諸国と一緒になって、アメリカが、ロシア=シリア=イラン=中国といった勢力と、軍事力で戦うことになるからです。

 前回の論考で述べたことですが、イギリスの高級紙インデペンデントだけでなく、ヒラリー女史の自叙伝を書いたディアナ・ジョンストンなどが、イタリアの新聞インタビューで

「クリントン氏の大統領選の勝利は、第3次世界大戦の勃発も含め予想外の結果をもたらす可能性がある」

と語っているのも、このような背景をふまえてのことだと、私は理解しています。

    *

 ここで、もうひとつ考えておかねばならないことは、ロシアの軍事力はシリアにおける原理主義集団との戦いで明らかになったように、通常兵器ではアメリカ軍をはるかに凌駕しているということです。

 ですから、アメリカ軍がロシア軍や中国軍と戦って本気で勝つつもりならば、残されている手段は核兵器による先制攻撃しかありません。

 しかも集団的自衛権でアメリカに縛られることになった日本も、否応なしに、この核戦争に巻き込まれるかも知れません。

 しかし、いったん核戦争が起きれば、生き残れる国はほとんどないでしょう。今は、それほど深刻な事態なのです。

    *

 話が少し横道にそれたので、クリントン女史に話を戻します。

 ロシアはヒラリーの主張する「飛行禁止区域の設定」について、「シリアをリビアのように破壊して、再び大量の死傷者を出し、EU全土を更なる難民であふれさせようとするのか」と怒っているわけですが、このリビア内戦にヒラリーは、どのようにかかわっていたのでしょうか。

 2016年10月20日は、リビアの元首だったカダフィ大佐が、アルカイダの一派に惨殺されて5周年になる日でした。

 カダフィが殺されたとき、ヒラリー女史は国務長官として、NATO軍のリビア攻撃を指揮・監督する立場にいたのですが、カダフィ惨殺の報が届いたときCBSのインタビューの中で

「来た・見た・死んだ」"We came, We saw, He died"

と、身振り手振りをまじえて、嬉しげに言っています。

 この言葉は、共和制ローマの将軍カエサル(日本ではシーザーとして知られている)が言ったとされることば「来た・見た・勝った」をもじったものですが、その嬉しげに語っている映像がユーチューブに流れ、ヒラリー女史の冷酷さ・好戦性を浮き彫りにするものとなりました。

    *

 では、リビアとはどのような国で、カダフィとはどのような人物だったのでしょうか。

 元財務省高官(財務次官補)で、かつウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者だったポール・グレイグ・ロバーツ氏は、このカダフィ惨殺五周年の日に、自分のブログで、それを次のように書いています。

 「ムアマル・カダフィは、世界で最も進歩的な指導者だった。カダフィはリビアの石油の富をリビア国民のために使っていた。

 彼は宮殿ではなく、立派なテントではあるが、テントで暮らしており、アメリカ政府の中東同盟国であるサウジアラビアや産油首長国支配者一族につきものの、ヨーロッパ高級車や他のあらゆる身の回り品のコレクションを持っていなかった。

 リビアでは、教育・医療・電力は無料だった。ガソリンは事実上無料で、1リットル14セントで売られていた。子どもを産んだ女性は現金の助成金を貰い、カップルが結婚すると現金の助成金が貰えた。リビアの国営銀行は無利子で融資し、農民には無償で開業資金を供与した。」


*Hillary's War Crime
「ヒラリーの戦争犯罪」

    *

 ロバーツ氏はこれらの事実を、グローバル・リサーチという独立メディアに載せられた「リビア:知られては困る、カダフィに関する10の事実」という小論に依拠しながら書いているのですが、日本では全く紹介されていない事実ばかりです。

 このロバーツ氏が依拠した小論には、カダフィが計画していた世界最大の灌漑施設の地図も載せられていて、驚かされました。カダフィの言う「緑の革命」は単なる夢想ではなかったのです。

 しかし日本で紹介されているカダフィ像は、アメリカ政府から流れてきた情報にもとづいた「自分の国民を冷酷に支配する独裁者」という悪魔化されたものばかりでした。


*Global Research
"Libya: Ten Things About Gaddafi They Don't Want You to Know"
「リビア:知られては困るカダフィ10の事実」

    *

 では、上記のような理想国家をつくろうとしていたカダフィ政権を、なぜアメリカとNATOは倒そうとしたのでしょうか。それをロバーツ氏は、先の引用に続けて次のように書いています。

 「カダフィがアメリカ政府から自立していたことが彼の没落をもたらしたのだ。若い頃のカダフィの目標は、アラブを欧米の略奪に抵抗できる一つの連合に組織することだった。

 それが思うように進展しないことにいらだった彼は、汎アフリカ主義に向かい、アメリカのアフリカ軍に参加するのを拒否した。また彼は、ドルではなく金をもとにしたアフリカ統一通貨を導入ようとした。そうすればアフリカをアメリカの金融覇権から解放できるからだ。

 カダフィは、中国のエネルギー企業にリビアのエネルギー資源を開発させた。以前から地中海におけるロシアの存在に腹を立てていたアメリカ政府は、今や中国の存在にも向き合わねばならなくなった。だからアメリカ政府は結論を出した。カダフィは悪い連中と付き合っているので退陣させるべきだと。」

    *

 私は今まで、アメリカとNATO軍によるカダフィの追放は、リビアの石油が目当てだとばかり思ってきたのですが、実はもっと深い理由があったのです。「ドルによる世界支配」を維持し、「中国のアフリカ進出」を阻止することが、カダフィ追放の真の理由だったのです。

 では、何を口実に、どのような手段で、カダフィを追放するか。それがアメリカにとって次の問題になります。米軍が直接、アフリカに乗りだしてリビアを破壊するのでは、世界の世論はもちろんのこと、アフガン戦争やイラク戦争に嫌悪感が強くなっているアメリカの世論も賛成しないでしょう。ではどうするか。それをロバーツ氏は先のブログで次のように説明しています。

 「アメリカ政府はイスラム原理主義者を使って傭兵を編成し、シリアと同様、連中を『反政府派』と名付け、リビア政府にけしかけた。

 カダフィ軍が勝っていることが明らかになると、アメリカ政府は、初心(うぶ)で騙(だま)されやすいロシアと中国の政府を罠(わな)にかけ、国連でリビア領空に飛行禁止空域を設定することを認めさせた。それを実行するのはNATO軍だ。

 飛行禁止空域の口実は、カダフィによる民間人攻撃を防ぐためということだった。しかしそれは嘘だった。本当の理由は、主権国家のリビアが自分の領空を使えないようにして、傭兵と戦っている地上軍をリビア空軍が支援できないようにするためだった。

 ロシアと中国がこれに騙されて、安全保障理事会の議決で拒否権を行使しそこねると、今度はアメリカとNATO自身が、決議に違反してNATOの空軍力を用いてカダフィ軍を攻撃した。こうして戦局はCIAが組織した傭兵に有利になった。

 カダフィは捕らわれ惨殺された。それ以来、かつて繁栄し成功していた国家リビアは混乱・混沌の極みだ。それは、オバマ政権が望んでいたものだ。」

    *

 ところが今やイギリスでは議会による調査報告書が、「カダフィが欧米の覇権にとっての障害と見なされていたがゆえにリビアは破壊された」と明白に結論づけているのです。だからこそ、ロバーツ氏は上記のブログを次のように締めくくっているのでしょう。

 「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では、彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について、この「殺人婆」(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ。

 なぜなら、この戦争はヒラリーが国務長官の職に就いているときに、彼女の監督下で準備されたものだからだ。

 もうひとつ注目すべきなのは、この「殺人婆」を所有している巨大な政治力を持ったひと握りの集団オリガーキーと、連中の手先である「売女マスコミ」 (presstitute=press+prostitute)は、この戦犯を次期アメリカ大統領にするつもりだということだ。

 この「殺人婆」や「売女マスコミ」という言葉づかいのなかに、元アメリカ財務省高官だったロバーツ氏の憤りが伝わってくるような気がします。

 ヒラリー女史にたいする怒りもさることながら、ロバーツ氏の大きな怒りは、トランプ叩きに終始しているアメリカの大手マスコミにも向けられているのです。

 それにしても、実名で公けにしているブログなのに、よくぞここまで大胆に言い切れるものだと、その勇気に感心・感動しました。日本の元政府高官に、このようなひとはいるのでしょうか。私は寡聞にして知りません。

    *

 以上で「シリアに飛行禁止区域を!」と主張するヒラリー女史の冷酷さ・好戦性が少しは分かっていただけたかと思いますが、これだけでは、リビア空爆の残酷さや戦犯性が今少し伝わりにくいように思いますので、そのようすを物理化学者・藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」から引用して紹介したいと思います。

 このブログの日付は「2011年8月31日」となっています。カダフィが惨殺されたのは10月20日ですから、そのことを念頭において読んでいただければと思います。

 「いま、リビアについての我々の関心は(好奇心は)、カダフィが何処でどのようにして捕まり、どのように処分されるかに釘付けにされているようですが、我々の本当の関心は、今回のリビア内戦でNATOが何をしたか、何をしているかに集中されるべきだと私は考えます。

カダフィの政府軍による大虐殺からリビア国民を守るという名目の下に開始されたNATOによるリビア空爆は、想像を絶する物凄さで行なわれました。8月23日のNATOの公式発表によると、過去5ヶ月間にNATO空軍機の出撃回数は2万回を超えました。1日あたり130回の物凄さです。

 対地攻撃を行なった戦闘爆撃機が1機に複数の爆弾や誘導ミサイルを搭載しているとすると、正確激烈な破壊力を持った数万の爆弾やミサイルがリビアの人々の上に降り注いだことになります。

 リビアの人口約650万人、人口的には福岡県と佐賀県を合わせた位の小国です。ミサイルの標的が戦車であれ、輸送車両、船舶であれ、カダフィの住宅であれ、放送局、大学であれ、無人ではない場合が普通でしょうから、多数の人間が殺傷されたに違いありません。8月上旬に、NATO空爆による死者2万という報道がちらりと流れたことがありましたが、あり得ない数字ではありません。

 しかも、NATOの反政府軍支援は空爆に限られたわけではありません。大型ヘリコプターなどによる兵器、弾薬、物資の補給も行なわれ、地上でも多数のNATOやCIAの要員が間接的に参戦した模様です。しかし、こうしたNATOの活動の具体的報道は殆ど完全な管制下にあります。

 これだけの規模の軍事暴力が、国際法的には全く合法性のないままで(UNの決議内容をはるかに超えて)、人口数百万の小独立国に襲いかかったのです。まことに言語道断の恐るべき前例が確立されました。カダフィと息子たちの今後の命運など、この暴虐行為の歴史的意義に較べれば、3面記事の値打ちしかありません。」

    *

 これを読んでいただければ、ロバーツ氏が先に、「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について殺人婆(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ」と言っていたことの意味が、改めてよく理解できるのではないでしょうか。

 そして、満面に笑みを浮かべて「来た・見た・死んだ」と言ったヒラリー女史にたいして、ロバーツ氏が悪罵を投げつけたくなった理由も。

    *

 それにしても、藤永氏は1926年生まれですから、2016年11月の現在で、氏は90歳前後のはずです。

 九州大学やカナダのアルバータ大学で教鞭を執っていた一流の物理化学者でありながら、老体にむち打ちつつ、NHKや朝日新聞などの大手メディアが目をつむって通り過ぎている事実を掘り起こし、上記ブログを通じてそれを私たちに伝える仕事を続けておられます。

 唯々(ただただ)、頭が下がります。

    *

 ところでリビアの事態は、単にカダフィの惨殺に終わったわけではありませんでした。

 前述のとおり、この戦争は全土を瓦礫に変え、「リビアの民主化」どころか大量の死者と難民をうみだしただけでした。そしてリビアはいまだに混沌の極致にあります。

 そのうえ今度は、このような惨劇をシリアに輸出しようとしているのがヒラリー女史なのです。

 それは単に彼女が「シリアにも飛行禁止区域を!」と叫んでいるからだけではありません。リビアで使ったイスラム原理主義集団を、実際にシリアに輸出しようとしてきたのが、ヒラリー女史を外交政策の責任者とするアメリカだったからです。

 この間の事情を櫻井ジャーナル(2016年8月20日)は次のように伝えています。

 「カダフィ体制が倒された直後、リビアのベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がユーチューブにアップロードされた。その事実をイギリスのデイリー・メイル紙でさえ、伝えている。リビアを侵略した軍隊は空がNATO軍、地上はアル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)だった。

 リビアを破壊した後、侵略軍はリビア軍の倉庫から武器/兵器を持ち出してトルコへ運んでいる。勿論、戦闘員も同じように移動した。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。

 運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、シリアへ軍事介入する口実にしようとしたと言われている。」

    *

 これを読むと、リビアから傭兵集団が兵器もろともトルコを経由してシリアに輸送されていることが分かります。しかも輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設で、輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたというのですから、二重の驚きです。というよりも二重の犯罪と言うべきかも知れません。それはともかく、櫻井ジャーナルの説明は次のように続いています。

 「そうした武器や戦闘員の輸送をアメリカ国務省は黙認した。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたヒラリー・クリントンもこの工作を知っていたはず。

 しかも、クリントンの部下にあたるクリストファー・スティーブンス大使は2012年9月10日、CIAの武器輸送担当者と会談、その翌日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。勿論、武器はトルコ経由でシリアの侵略軍へ渡される手はずになっていた。

 その9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されている。リビア議会が首相を指名する前日だ。その2カ月後にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。」

    *

 これを読むと、アメリカ大使館や領事館はCIAの拠点になっていることがよく分かります。日本のアメリカ大使館や領事館も同じ機能を果たしているのでしょうか。

 しかし、ここでもっと重大なのは、その領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されていることです。ヒラリー国務長官が公的なメールサーバーを使わずハッカー攻撃に弱い私的メールを使ったことが、大使殺害につながったかもしれないのです。

 あるいは、うがった見方をすればこのような極秘事項を手配した人物だけに、それを外部に知られては困るから、密かにテロリスト=傭兵集団に頼んで大使を消してもらったのでしょうか。

 櫻井ジャーナルはこれについては何も述べていないのですが、この私の仮説が正しければ、これほど身の毛のよだつ話はないでしょう。櫻井氏は、これに続けて次のように述べているだけです。

 「クリントンは戦争犯罪人と言われても仕方のないようなことをしてきたわけだが、欧米の支配層はクリントンを支持してきた。投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスも支援者のひとり。

 この支配層は軍事的に世界制覇を進めるだけでなく、巨大資本が国や国際機関を支配する仕組みを作り上げようとしている。それがTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、そしてTiSA(新サービス貿易協定)の3点セットだ。」

    *

 ヒラリー女史の好戦性、あるいはヒラリー女史が大統領になると、なぜ第3次世界大戦になる危険性があるかは、以上の説明で、かなり分かっていただけたのではないかと思います。

 しかし彼女の好戦的履歴は、このリビア爆撃にとどまるものではありません。

 とはいえ本稿もすでにかなり長くなってきていますので、以下ではその略歴だけを紹介して、この論考を閉じたいと思います。以下の引用は先の櫻井ジャーナル(同日付け)からのものです。

 「ウィキリークスによる電子メールのハッキング情報が続いている。今回は投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスだ。

 彼がターゲット国の体制を転覆させるために使っているオープン・ソサエティ基金もハッキングされたという。そうした電子メールの中には、ソロスがヒラリー・クリントンに対してユーゴスラビア=アルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスするものがある。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いたようだ。

 ヒラリー・クリントンは夫が大統領だった1990年代、マデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)と連携して政権をユーゴスラビアに対する先制攻撃へと導いているが、その背後にソロスがいたということだろう。国務長官に就任したオルブライトが主導する形で1999年3月にNATO軍は偽情報で環境作りをしながらユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。」

    *

 上記に登場するマデリーン・オルブライトとビクトリア・ヌランドという二人の女性は好戦的人物として有名ですが、この2人を、戦争にあまり乗り気ではなかった夫のビル・クリントンに紹介し強引に新しい国務長官や国務副長官の首席補佐官に据え付けたのも、ファーストレディだったヒラリー女史だったと言われています。

 ですから、彼女のタカ派ぶりは、ここでみごとに発揮されていると言えます。

 櫻井ジャーナルの叙述は、さらに次のように続いています。

 「2003年11月にはジョージア(グルジア)で「バラ革命」、04年から05年にかけてはウクライナで「オレンジ革命」があり、新自由主義体制になった。

当然、一部のグループが不正な手段で国民の財産を奪って莫大な富を築き、その後ろ盾になっていた西側の巨大資本も利益や利権を手にした。こうした「革命」でもソロスはスポンサーとしての役割を果たしていた。

 言うまでもなく両国の庶民は貧困化、そうした状況への怒りからソロスたち西側の富豪や巨大資本にとって好ましくない方向へ動いた。そこで仕掛けられたのがウクライナ首都キエフのクーデター。

2014年2月22日、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を主力とするグループがビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除している。そのクーデターを現場で指揮していたのがヌランド国務次官補だった。クリントンは2013年2月に国務長官を辞めているが、ヌランドは彼女の同志だ。」

    *

 私は「バラ革命」や「オレンジ革命」のニュースを聞いたとき、旧ソ連圏の東ヨーロッパで、新しい民衆運動が起きているものと信じていました。

 しかし今から考えると、実に巧妙に仕組まれた「偽の民衆革命」だったのです。これは一種のクーデターでした。

 しかも、このクーデターは東欧だけにとどまりませんでした。ヒラリー国務長官のもとで、クーデターは中米にまで飛び火していました。あの悪名高いブッシュ大統領ですら、やらなかったことです。以下の櫻井氏による説明は次のようになっています。

 「クリントンが長官に就任したのはバラク・オバマが大統領に就任した2009年1月のことだが、その年の6月にホンジュラスで実行されたクーデターでクリントンは黒幕的な役割を果たしたと言われている。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、マヌエル・セラヤ大統領を拉致し、コスタ・リカへ連れ去っている。

 現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、クーデター政権には正当性がないと明言した。

 このクーデター政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したとも報告されている。そのクーデターの背後にクリントン長官がいたということだ。」

    *

 以上で櫻井ジャーナルからの引用を終えます。まだまだヒラリー女史の好戦性・冷酷さを示す事例に事欠かないのですが、長くなりすぎていますので、ひとまずここで筆をおきます。今のアメリカ情勢を理解する一助にしていただければ幸いです。

 ただ一つだけ付け加えておきたいことがあります。それはアメリカの民衆が、知れば知るほどヒラリー女史に嫌気がさしているのに、他方の大手メディアがトランプ叩きに終始しているという事実です。

 これでは、アメリカ民衆は「どちらがワルとして我慢できるか」という選択肢しか残されていないことになります。これはアメリカ史上、最悪の大統領選挙と言えるでしょう。

 ただ私たち日本人に一つだけメリットがあるとすれば、今までアメリカは理想の国、民主主義のモデル国だと思われていたのに、それは虚像に過ぎなかったことが、この選挙戦を通じて見えてきたことではないでしょうか。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hirarikurintontohadarekage.html



2016.11.18
米と露で新自由主義派が力を失いつつある兆候が見えるだけに、形勢逆転を狙って暴走の可能性


 アメリカの次期政権の閣僚人事をめぐり、共和党内で「内紛」が勃発していると伝えられている。これが事実なら、ビル・クリントン政権の終盤から始まった軍事侵略、ジョージ・W・ブッシュ政権から始まったファシズム化という「2本柱」の政策が何らかの形で変化する可能性があるだろう。

 勿論、ドナルド・トランプ次期大統領は支配層の一員であり、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にあるカジノの経営者シェルドン・アデルソンを最大のスポンサーにしているわけで、フランクリン・ルーズベルトやジョン・F・ケネディのような政策を推進するはずはない。が、ヒラリー・クリントンならやりかねなかったロシアとの核戦争を避けることは期待できる。

 1991年12月にソ連が消滅して以来、ネオコン/シオニストをはじめとするアメリカの好戦派は脅して屈服させるという戦術を続けてきた。かつてのライバルだったソ連の残映であるロシアの大統領はアメリカ巨大資本の傀儡であるボリス・エリツィンが君臨、アメリカは唯一の超大国になったという判断だったようだ。

 そうした判断に基づき、1992年2月には国防総省のDPGという形で世界制覇プランを描き上げ、潜在的なライバルが実際のライバルに成長しないように手を打つことにする。そして1992年2月、国防総省のDPGという形で世界制覇プランが描かれた。

 潜在的なライバルが実際のライバルに成長しないように手を打つということで、潜在的ライバルと想定されたのは旧ソ連、西ヨーロッパ、東アジアの国々。エネルギー資源が存在する南西アジアも注目地域だと考えられている。

 旧ソ連から西ヨーロッパにかけての地域ではカラー革命で傀儡政権を樹立、ユーゴスラビアを先制攻撃で破壊したNATOは東へ向かって支配地域を広げ、ロシアとの国境は目と鼻の先。ミサイルを配備し、軍事的に圧力を加えている。

 欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラークによると、1991年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は、シリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたという。実際、2003年にイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した。今でも破壊と殺戮は続いている。イラクを攻撃する際、アメリカ政府は「大量破壊兵器」を口実にしたが、これは嘘だった。

 2001年9月11日にアメリカで世界貿易センターや国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたてから10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国のリストが作成されている。いずれの国も9月11日の攻撃とは無関係。その国とは、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランだ。

 イラクを攻撃する際にはアメリカ軍が乗り出しているが、その後、傭兵を使い始める。1970年代の終盤、ズビグネフ・ブレジンスキー国家安全保障担当補佐官が考えた作戦に基づいて編成されたサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心とする武装勢力をソ連軍と戦う傭兵部隊として使い始める。

 イラクでの戦乱が続く中、2007年にシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌で、アメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアは手を組み、シリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始、ヒズボラが拠点にしているレバノンを攻撃すると書いている。さらに、イランにもアメリカの特殊部隊JSOCが潜入して活動中だとされている。

 その秘密工作が顕在化したのが2011年春。北アフリカで発火した「アラブの春」だ。おそらく「プラハの春」をイメージとして取り入れたのだろうが、リビアやシリアではサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団、つまりアル・カイダ系武装集団を使った軍事侵略にほかならなかった。侵略の主体はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアだが、さらにフランス、イギリス、カタールといった国々が加わる。シリアではトルコやヨルダンも参加した。

 このシステムはリビアのムアンマル・アル・カダフィ政権が倒されるまでは機能したのだが、シリアで躓く。リビアでNATOとアル・カイダ系武装集団の連携が明白になり、シリアではロシアがNATOの軍事介入を止めたのである。

 本ブログでは何度も書いていうるように、2012年8月までにアメリカ軍の情報機関DIAはシリアの反政府軍がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIを主力としているとホワイトハウスに報告、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとも伝えた。

 その当時、バラク・オバマ政権はバシャール・アル・アサド政権の打倒を最優先、「穏健派」を助けるとしてアル・カイダ系武装集団を支援していた。自分たちが侵略に使っている傭兵なわけで当然だが。

 アル・カイダ系武装集団のAQIにしろ、アル・ヌスラにしろ、ファテー・アル・シャム(レバント征服戦線)にしろ、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)にしろ、アメリカをはじめとする侵略勢力の傭兵にすぎないのだが、そうした傭兵部隊を危険だと考える人物がアメリカ軍の幹部や情報機関の内部に存在しているようだ。

 例えば、2011年10月から15年9月まで統合参謀本部議長を務めたマーティン・デンプシー大将や12年7月から14年8月までDIA局長を務めたマイケル・フリン中将はそうした軍人であり、ヒラリー・クリントン関連の電子メールをリークしたのはNSAの人間ではないかとも言われている。

 こうした人びと以外にも、ロシアとの核戦争も辞さないという狂気について行けないと考える人は増えているようだ。デンプシーの後任議長であるジョセフ・ダンフォードは交代当時、好戦派と見られていたのだが、クリントンらが主張していたシリアでの飛行禁止空域設定には消極的。ロシアとの核戦争に発展する可能性が強いからだ。

 かつて、日本では「関東軍の暴走」で破壊と殺戮の泥沼から抜け出せなくなった。現在のアメリカにも関東軍と似た軍事組織が存在する。NATOだ。NATOの暴走はありえる。

 フランクリン・ルーズベルトが1932年の大統領選で勝利した直後、JPモルガンをはじめとする巨大金融資本は反ニューディール派のクーデターを計画した。これは海兵隊のスメドリー・バトラー少将らの議会における証言で明らかにされた。現在の巨大資本が似たようなことを考えても不思議ではない。

 このクーデター計画が失敗に終わった後、ルーズベルトは第2次世界大戦の終盤までウォール街にメスを入れることができなかった。ドイツの降伏が確定的になってからメスを入れようと動き始めたようだが、1945年4月にルーズベルトは急死、巨大資本がホワイトハウスで主導権を奪還している。

 似た構造が現在のロシアにもある。アメリカの巨大資本とつながる新自由主義派が今でもロシアの経済部門を支配しているのだ。政府でも首相、金融相、経済開発相というポストをおさえていたのだが、アレクセイ・ウルカエフ経済開発相が逮捕され、ウラジミル・プーチン大統領によって解任された。この動きも西側支配層は恐れているだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611180000/


2016.11.20
傭兵部隊などを使って軍事侵略したり露と核戦争するべきでないとする人物を強硬派と呼ぶメディア

 ドナルド・トランプは主導権を維持しているようで、ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力はカラー革命を目論んでいる可能性が高い。こうした勢力はトランプに「ネオ・ナチ」で白人至上主義者だというタグをつけ、ウラジミル・プーチン露大統領に対する敵視を隠していない。来年1月に予定されている大統領就任式を正常な形で行わせないようにしようという呼びかけもなされている。

 クリントンを大統領に就任させようとしていた富豪、例えばジョージ・ソロス、その息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーたちは11月13日から3日間、ワシントンDCのマンダリン・オリエンタル・ホテルで非公開の会議を開いた。トランプ政権を乗っ取る動きも見られるが、今のところ成功していないようで、旧ソ連圏で実行されてきた「カラー革命」や中東/北アフリカで展開された「アラブの春」と同じことをアメリカでも目論んでいるようだ。

 ヒラリー・クリントンを担いでいた好戦派は1999年3月にNATO軍を使ってユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。ビル・クリントン政権の2期目が始まった1997年1月に国務長官が戦争に消極的なウォーレン・クリストファーからズビグネフ・ブレジンスキーの教え子でヒラリー・クリントンと親しい好戦派のマデリーン・オルブライトに交代したことが攻撃の背景にある。

 この時に国防副長官の首席補佐官だったビクトリア・ヌランドは2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを現場で指揮していた。クーデターが始動したのは2013年11月21日。キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まったところから始まる。

 それから間もない12月13日、ヌランドは米国ウクライナ基金の大会で演説、ソ連が消滅した1991年からウクライナへ50億ドルを投資したと発言している。その際、彼女の背後には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。

 東部や南部で支持されて大統領に就任したビクトル・ヤヌコビッチの打倒をキエフ周辺の親EU派が目論んだのだが、EUは話し合いでの解決を模索する。そうした動きに怒ったのがヌランドで、ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使との電話会談で「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」という言葉を口にしている。

 この発言は何者かが盗聴、2月4日にインターネット上へアップロードされて発覚した。その会話の中でふたりは「次期政権」の閣僚人事について話し合っていた。政権の打倒が見通されている。ヌランドが高く評価していたアルセニー・ヤツェニュクはクーデターの後、首相に就任した。

 その後、キエフはヌランド好みの暴力に支配される。広場ではネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)のメンバーが棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始め、2月中旬には2500丁以上の銃が持ち込まれ、狙撃も始まった。

 それでもヤヌコビッチ大統領と反政府派の代表は一旦、平和協定の調印にこぎ着けるのだが、その直後に狙撃は激しくなり、「西側」の政府やメディアはヤヌコビッチ側が黒幕だと宣伝。そして23日の憲法を無視した解任につながる。

 その2日後にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は反ヤヌコビッチ派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をする。その結果を26日にEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で報告したのだが、それによるとスナイパーは反ヤヌコビッチ派の中にいるというものだった。

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」としたうえで、「新連合はもはや信用できない」としている。それに対し、アシュトンは「議会を機能させなければならない」と応じた。つまり、事実を隠して嘘を突き通せということだ。

 ウクライナをネオ・ナチが支配する3年前の春、リビアとシリアに対する侵略戦争が始まっている。その展開は本ブログで何度も書いてきたので、今回は割愛する。

 リビアでムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された翌年、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリア情勢に関してホワイトハウスに報告している。その中で、シリア政府軍と戦っている武装集団はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIが主力だとしている。西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとも伝えた。

 その報告では、アメリカ政府が方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとDIAは予測していたが、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になる。

 AQIにしろ、アル・ヌスラにしろ、アル・カイダ系武装集団の主力メンバーはサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団で、その背後にはサウジアラビア王室が存在している。このサウジアラビアがアメリカやイスラエルと手を組み、サラフ主義者やムスリム同胞団を使ってシリアやイランの政権やヒズボラを倒そうとしているとシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌の2007年3月5日号に書いている。

 リビアでNATO軍とアル・カイダ系武装集団との連携が伝えられたが、その後に新たなタグとしてダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が登場してくる。そのダーイッシュを作る手助けをアメリカがしたと米空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月にテレビで発言した。

 また、その年にマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。

 トランプが安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン中将は2012年7月から14年8月までDIA局長を務めていた。つまり、ダーイッシュの勢力拡大を予測していた報告が作成されたのはフリンが局長だった時代であり、オバマ政権とアル・カイダ系武装集団やダーイッシュとの関係を熟知しているはずだ。

 フリンはデンプシー大将と同じようにアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険であり、ロシアと連携すべきだと考えていた。今でも同じだろう。トランプの発言はそうした考え方と合致している。

 逆にクリントンの周辺はアル・カイダ系武装集団/ダーイッシュやネオ・ナチを手先として使って破壊と殺戮を繰り返し、ロシアや中国を屈服させようと軍事的な圧力と強めて核戦争の危険性を高めている。

 日本やアメリカのメディアなどではクリントンでなくトランプを強硬派だと表現する。クリントンの周辺にいる好戦派が手先として利用している武装集団に対する攻撃を強行する勢力だということなのだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611200000/


2016.11.23
米政府の政策はサラフ主義者の勢力を拡大させると警告してもフリンが反イスラムだとは言えない

 最近は知らないが、以前はカネ絡みの怪しげな仕事を始めるとき、ネズミ講やマルチ商法などの会員名簿を入手するところから始めていた。「被害者」の名簿が「顧客」の名簿になるのだ。それほど欲望の力は強く、何度でも騙されるということ。同じことが報道の世界でも起こっていて、何度でも騙される人が少なくない。いまだにアメリカの有力メディアを信仰しているのだ。

 かつて、西側の有力メディアは事実の中に嘘を混ぜて情報操作していたのだが、21世紀に入ると「報道」のほとんどが嘘になってしまった。日本のマスコミだけが「大本営発表」的なことを行っているわけではない。事実をチェックしていれば、そうしたことは誰でもわかるはずだ。

 西側の支配層が情報操作に力を入れてきたことは本ブログで何度も指摘してきた。ベトナム戦争で報道統制を強化しなければならないと考えた彼らは1970年代の後半から内部告発しにくい仕組みを作り、気骨ある記者や編集者を排除、その一方で規制緩和を進めてメディアを寡占化させた。

 ソ連が1991年12月に消滅した後、アメリカの支配層は残された「雑魚」を潰しにかかるのだが、その基本プランが1992年2月に国防総省のDPGとして作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリン。当時の国防長官はリチャード・チェイニー、次官がポール・ウォルフォウィッツ。そのウォルフォウィッツがネオコン仲間のI・ルイス・リビーやザルメイ・ハリルザドと一緒に書き上げたのだ。ちなみに安倍晋三や石原慎太郎のような日本の政治家を操っているのはリビーだと言われている。

 日本の政策もウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいて作られるようになるが、そのメッセンジャーとして働き、日本を戦争へと導いてきた人物がジョセフ・ナイ、リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーン、パトリック・クローニンたちだ。

 アメリカの支配層は手始めに旧ソ連圏への影響力を強め、とりあえずユーゴスラビアを解体しようとする。そこで西側メディアは「人権」キャンペーンだ。侵略を破壊を正当化するために「人権」というタグ、御札を使っただけで、西側メディアが人権を尊重しているわけではない。このキャンペーンには広告会社が深く関与、偽情報を発信していたことは本ブログや拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』(三一書房)でも指摘した。

 当初、ビル・クリントン政権はこうしたキャンペーンに動かされなかったが、クリントン大統領自身がスキャンダルで攻撃されて手足を縛られたような状態になり、2期目には戦争へと向かう。その象徴が1997年1月から国務長官を務めることになったマデリーン・オルブライト。この人事はヒラリー・クリントンの働きかけで実現したとされている。

 ジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した2001年の9月11日、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、人びとは思考停止状態になる。そうした状況を利用し、ネオコンは国内のファシズム化を推進、国外では侵略戦争を始める。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、9/11から10日後までにドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていた。そこに載っていた国は、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイラン。(3月、10月)

 9/11の際、ブッシュ・ジュニア政権は「アル・カイダ」が実行したと宣伝したが、その証拠は示されていない。それどころか内部犯行説が支持者を増やしているようだ。ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺と似た展開だ。アフガニスタンやイラクも9/11には無関係だった。

 そうしたこともあり、アメリカ政府はイラクを先制攻撃する口実として「大量破壊兵器」を持ち出し、すぐにでも核攻撃されるかのように宣伝していたが、これは攻撃前から嘘だと指摘されていた。

 その後、2011年2月にリビアで始まった戦争ではアメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルがアル・カイダ系武装集団のLIFGと連携していることが明確になり、シリアでも次々と西側の政府や有力メディアが主張していた話が嘘だと判明していく。ウクライナのクーデターでも偽情報が流されていたことは本ブログでも繰り返し、書いてきた。

 侵略勢力はリビアを破壊して破綻国家にした後、シリアへの侵略戦争を続けている。その手先がアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)だということは本ブログでも指摘してきた。そのメンバーにはチェチェンや新疆ウイグル自治区などから来ている人もいるが、主力はサラフ主義者やムスリム同胞団。

 バラク・オバマ政権や西側メディアはシリア侵略を正当化するため、侵略軍を民主化を求める人民軍として描く。これが嘘だということは現地からの情報ですぐに判明、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフ主義者(ワッハーブ派)や外国人傭兵が実行したことを確認、その報告がローマ教皇庁系のメディアに掲載された。その中で、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。

 侵略戦争が始まった翌年、2012年の8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)はシリア情勢に関してオバマ政権へ報告しているが、その中でシリア政府軍と戦っている主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・ヌスラ)であり、西側、湾岸諸国、そしてトルコが支援していると書いている。アメリカ政府が方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとも予測していた。DIAはアメリカ政府がサラフ主義者の勢力を拡大させてシリアを孤立させようとしていると見ている。この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリンだ。

 DIAの予測はダーイッシュという形で現実になった。退役後、2015年8月にフリン中将はアル・ジャジーラの番組へ出演、司会者からサラフ主義者の勢力拡大を見通していたのになぜ阻止しなかったのかと詰問される。それに対し、自分たちの役割は正確な情報を提供することであり、政策を決定はバラク・オバマ大統領が行うのだとフリンは答えた。オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。

 DIAが報告書を書いた2012年には、アメリカの情報機関や特殊部隊がヨルダンの北部に設置された秘密基地で戦闘員を軍事訓練、その中にはダーイッシュに参加する人も含まれていたとされている。

 そしてダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧した。モスル制圧の際にトヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねてパレード、その様子が撮影されて世界に配信されている。

 アメリカ軍はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人からの情報などでダーイッシュの動きを把握していたはず。当然、ダーイッシュの部隊が小型トラックでパレードしていることを知っていただろうが、何もしていない。多くの人びとにダーイッシュの存在を知らせたかったのではないかと疑惑を持つ人は少なくないだろう。

 こうした展開の中、フリンはオバマ政権と対立、2014年8月7日にDIA局長を辞め、退役している。ズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代の終盤に編成、オバマ政権も育てたサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力を危険な存在だとマーチン・デンプシー統合参謀本部議長(2011年10月から15年9月)も認識、シーモア・ハーシュによると、デンプシーは2013年秋からアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに関する情報を独断でシリア政府へ伝え始めたという。デンプシーが議長を辞めた直後、ロシア軍はシリア政府の要請で空爆を始めている。

 オバマ政権はアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを手先として利用してきた。最近はアル・カイダ系武装勢力も「穏健派」扱いしているが、フリンはデンプシーと同じように、そうした武装集団を危険だと考えている。

 ナチスを批判する人を反ドイツと呼ぶことが間違いであるとの同様、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを敵視することが反イスラムを意味するわけでないことは言うまでもない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611230000/



2016.11.26
ダーイッシュを手先と考えるオバマやクリントンと対立していたフリンにイスラエル人脈が取り憑く

 今年のアメリカ大統領選挙で「有力候補」とされたのは民主党のヒラリー・クリントンと共和党のドナルド・トランプだった。有力メディアはクリントン優勢を伝えていたものの、選ばれたのはトランプ。権力内の力関係に変化が起こった可能性がある。

 この国では支配層につながる人物でなければ「有力候補」になることは困難で、両者ともそうした背景はある。クリントンはロッキード・マーチンの代理人とも呼ばれ、戦争ビジネスとは深い関係にある。夫のビル・クリントンだ大統領だった時には政府内へ引き込んだ友人にはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子だったマデリン・オルブライトやネオコンのビクトリア・ヌランド。後に側近中の側近と言われるようになるムスリム同胞団と緊密な関係にあるヒューマ・アベディンと知り合ったのもその時だった。

 また、投機家でソ連/ロシアの体制転覆を目論んできたジョージ・ソロスのハッキングされた2011年1月24日付けの電子メールによって、国務長官時代のヒラリー・クリントンがアルバニア情勢に関してソロスからアドバイスを受け、その通りに動いたことが判明している。ソロスは巨大金融資本の手先であり、そうした勢力からクリントンは操られていると言える。

 タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、トランプに対して最も多額の寄付をした人物はシェルドン・アデルソン。アメリカのラス・ベガスとペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。第2位はロシア系ユダヤ移民の息子であるバーナード・マーカスだ。

 もっとも、クリントンにもユダヤ系の富豪から高額の寄付を受けている。上位5位まではユダヤ系だ。つまり、ドナルド・サスマン(2080万ドル)、JBとマリー・カトリン・プリッツカー(1500万ドル)、ハイムとチェリル・サバン(1250万ドル)、ジョージ・ソロス(1180万ドル)、そしてS・ダニエル・エイブラハム(960万ドル)だ。そのほかフィルムメーカーのスティーブン・スピルバーグ、ファッション・デザイナーのラルフ・ローレン、Facebookのダスティン・モスコビッツなども高額寄付者である。

 しかし、ロシア外務省の広報担当を務めているマリア・ザハロワは11月13日に放送された番組の中で、アメリカの大統領選挙でトランプが勝利した理由をユダヤ人の資金だと語っている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはヒラリー・クリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたというのだ。

 アデルソンと緊密な関係にあるネタニヤフの父親はポーランド生まれのベンシオン・ネタニヤフ。学生時代からゼエブ・ウラジミール・ジャボチンスキーの「修正主義シオニスト世界連合」で活動、後にジャボチンスキーの秘書になっている。1940年にジャボチンスキーは死亡したが、ベンシオンはその後もニューヨークで活動を続け、コーネル大学やヘブライ大学の名誉教授になった。ベンヤミンも父親と同じように、ジャボチンスキーの思想を受け継ぎ、「大イスラエル」を目指しているようだ。

 トランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将がDIA局長だった2012年8月、DIAは反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとする報告書を作成している。

 つまり、アメリカの政府やメディアが言うところの「穏健派」などは存在しないということ。「穏健派」の支援とはサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力を支援することを意味し、その勢力はシリア東部にサラフ主義の支配地を作りあげるとDIAは予測していた。実際、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になっている。退役後、この問題をアル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている。

 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すとシリアはリビアのような破綻国家になり、「過激派」が支配するようになると懸念していたのはフリンだけでなく、統合参謀本部議長だったマーティン・デンプシーも含まれていた。

 こうした軍人のオバマ大統領に対する反抗は2013年に始まっているようだが、11年10月にアル・カイダ系武装集団のLIFGとNATOが連携してリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を破壊、カダフィを惨殺した直後から武器や戦闘員をアメリカ政府はシリアへ移動させている。カダフィ殺害をCBSのインタビュー中に知らされたヒラリーは「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいた。

 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。そうした事実をアメリカ国務省は黙認そ、輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれていたようだ。こうしたことをDIAは熟知していただろう。

 デンプシーらの反抗が始まる2013年の9月、ネタニヤフ首相の側近と言われているマイケル・オーレン駐米大使(当時)はアサド体制よりアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている。この時点ではイスラエル政府とデンプシーたちは対立関係にあった。

 オバマ大統領の方針と対立したフリンは2014年8月にDIA局長を辞めざるをえなくなって退役、デンプシーは15年9月に議長の座を降りた。シーモア・ハーシュによると、デンプシーは退役の直前、8月に自分がロシアのワレリー・ゲラシモフ参謀総長と接触していたことを明らかにしている。シリア政府ともパイプがあったようだが、デンプシーの退役でこのパイプはなくなり、その直後にロシア軍はシリア政府の要請の基づいて空爆を始めた。

 アメリカ軍の幹部には大まかに行って2種類のタイプが存在する。戦争ビジネスと結びつき、退役後に巨万の富を手に入れようとする人びとと、そうしたつながりを持とうとしない人びとだ。当然、富を求める軍人は支配層の意向に沿った言動をするわけだが、そういう軍人ばかりではない。デンプシーやフリンの背後にはそうした軍人や情報機関員が存在しているのだ。

 そのフリンは今年、「ラディカル・イスラムとその同盟者」との戦いをテーマにした本を出しているのだが、共著者であるマイケル・リディーンを問題にしている人もいる。この人物はイスラエルの情報機関と緊密な関係にあると言われ、1970年代の半ばにイタリアのイル・ジョルナレ・ヌオボ紙でジャーナリストとして働いていた際には「アカの脅威」を盛んに宣伝していた。

 当時、イタリアの情報機関SISMIのエージェントだったフランチェスコ・パチエンザとリディーンは親しくしていたが、そのパチエンザによると、リディーンもSISMIのエージェント。Z3という暗号名を持っていたという。1980年のアメリカ大統領選挙ではジミー・カーターの再選を阻止するため、盛んにスキャンダルを流していた。(Edward S. Herman & Noam Chomsky, "Manufacturing Consent," Pantheon, 1988)

 パチエンザは非公然結社P2と結びつき、グラディオと呼ばれるNATOの秘密部隊でも活動していた。1960年代から80年代にかけてグラディオは「極左」を装い、爆弾攻撃を繰り返していたことが知られている。この秘密部隊が存在することは1990年にイタリア政府も公式に認めている。

 トランプの周辺を取り巻くイスラエル人脈はアデルソン、ネタニヤフ、リディーンだけではない。娘のイバンカ・トランプが結婚したジャレド・クシュナーの父親は不動産デベロッパー、つまりドナルド・トランプの同業者だが、ニューヨーク・オブザーバー紙の所有者でもある。この新聞は親イスラエル派として有名だ。

 本ブログでは何度か指摘したが、イスラエルのネタニヤフ政権は今年に入ってアサド大統領を排除するという方針を止め、ロシアに接近しているように見える。その結果としてフリンともつながったのだろうが、イスラエル政府はデンプシーやフリンを取り込もうとしているとも考えられる。トランプが大統領に就任した後、ソロスたちはパープル革命を始める可能性があるが、政権内で対立が起こるかもしれない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611260000/



2016.11.30
シリア侵略計画が失敗に終わりそうで、戦争犯罪的な行為はサウジに責任が押しつけられる可能性

 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すという計画は風前の灯火だと言えるだろう。シリア侵略勢力に属していた国々のうちイスラエルやトルコはすでにロシアへ接近、アメリカではロシアと手を組むべきだと主張するドナルド・トランプが次期大統領に選ばれている。バラク・オバマ米大統領やヒラリー・クリントンの周辺、あるいはサウジアラビアやカタールなどは窮地に陥った。中でもペルシャ湾岸の産油国は難しい局面に立たされたと言えるだろう。トランプの言動を考えると、サウジアラビアは2001年9月11日に実行された攻撃の責任が問われることも考えられる。

 シリア侵攻の背後にはアメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、カタール、トルコ、イスラエルなどの国々が存在、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が手先として戦ってきた。こうした武装勢力の主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団だ。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、ネオコンのポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしたのは1991年のこと。この年の1月16日にアメリカが主導する連合軍はイラクへ軍事侵攻、2月末に停戦するが、国防次官だったウォルフォウィッツはそれが気に入らなかった。

 ウォルフォウィッツたちネオコン/シオニストは1980年代からサダム・フセインを排除したがっていたのだが、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はフセインを排除せずに戦闘を終結させてしまい、ネオコンを激怒させたのである。そしてウォルフォウィッツの発言につながった。

 1991年はソ連が消滅した年でもある。7月にイギリスのロンドンで開かれたG7の首脳会談で西側の首脳はソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領に対して新自由主義経済、いわゆる「ピノチェト・オプション」の実施を要求、それに難色を示したゴルバチョフは排除されることになる。

 言うまでもなく、ピノチェトとは1973年9月11日にチリで民主的政権をクーデターで倒したオーグスト・ピノチェトを指している。その軍事クーデターを操っていたのはヘンリー・キッシンジャーだ。

 クーデター後、ピノチェトはシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授の「マネタリズム」に基づく政策を導入、大企業/富裕層を優遇する政策を実施した。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のフリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。

 具体的な政策としては、賃金は引き下げ、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、つまり労働環境を劣悪化、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。国有企業の私有化とは国民の資産を略奪することにほかならず、安倍晋三政権が執着しているTPP(環太平洋連携協定)と基本的に同じ。実際、安倍政権はその方向へ向かっている。

 西側支配層はゴルバチョフに替わる選択肢を持っていた。ボリス・エリツィンだ。1991年7月に彼はロシアの大統領に就任する。

 その一方、ゴルバチョフの政策をソ連解体の策謀と考えるグループは「国家非常事態委員会」を組織、8月に権力の奪還を狙うものの、失敗する。その目論見を利用して主導権をを奪うことに成功したのがエリツィン。1991年12月8日に彼はベラルーシにあるベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めた。いわゆる「ベロベーシ合意」だ。12月21日にはCIS(独立国家共同体)が発足、ソ連は消滅するのだが、この過程に国民の意思は反映されていない。

 会議に出席したのはロシアからエリツィン大統領とゲンナジー・ブルブリス国務大臣、ウクライナからレオニード・クラフチュク大統領とビトルド・フォキン首相、ベラルーシのソビエト最高会議で議長を務めていたスタニスラフ・シュシケビッチとバツァスラフ・ケビッチ首相。会議を主導したのはロシアのブルブリスだと言われている。

 ソ連の消滅によってアメリカの支配層はアメリカが唯一の超大国になり、その超大国を支配している自分たちが世界を支配するというストーリーを考える。そこで1992年2月に国防総省のDPGとして世界制覇プロジェクトを作成する。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンで、旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようと計画している。

 こうした計画はビル・クリントン政権で塩漬けになるが、本ブログで何度も書いているように、ヒラリー・クリントンが政権の内部に引き込んだマデリーン・オルブライトやビクトリア・ヌランドが軌道修正、つまり戦争へと導いていく。オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子であり、ヌランドはネオコンだ。

 ビル・クリントン政権が侵略戦争へ進み始めるのはオルブライトが国連大使から国務長官に異動した1997年1月が大きな節目だった。なお、ヌランドは国務副長官の首席補佐官を務めていた。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、ホワイトハウスでネオコンなど好戦派が主導権を握る。攻撃の10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成され、そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたとクラーク元欧州連合軍は語っている。

 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に書いたレポートによると、アメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国(サウジアラビアやカタール)、イスラエルは遅くとも2007年にシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めていた。その手先はサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団だ。

 アル・カイダ系武装集団やダーイッシュが「独裁者に虐げられた人民」でないことはアメリカ支配層に属す人びとも認めている。例えば、2014年9月に空軍のトーマス・マッキナニー中将はアメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで発言、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年にはクラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。

 そして2015年8月、マイケル・フリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演した際、ダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の政策があったからだと指摘している。言うまでもなく、フリンはドナルド・トランプ大統領の安全保障担当補佐官に内定している。オバマ大統領、そしてオバマ政権で国務長官を務めたヒラリー・クリントンにとって嫌な人事だろう。

 そうした中、サウジアラビアの責任を問う話が流された。例えば、今年1月には侵略戦争の旗振り役を演じてきたニューヨーク・タイムズ紙もサウジアラビアがシリアの反政府軍の資金源だとする記事を掲載した。9/11にサウジアラビアが関与しているという話も流れている。

 アメリカの支配層がイスラエルの責任を問うとは考え難く、サウジアラビアは全ての責任を押しつけられる可能性もある。が、そうなると世界有数の油田国が不安定化してしまう。目先の個人的な利益を優先、アメリカの好戦派に従ってきた日本の支配層は日本を東アジアで孤立させ、破滅の瀬戸際に立たせた。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611300000/



2016.12.05
イスラエルからトルコへ大使が赴任、ネオコンが描いた中東を制圧する計画は崩壊しつつある

 イスラエルからトルコへエイタン・ナエーが大使として着任した。大使赴任は6年ぶりのことだ。6月下旬にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイスラエルとの和解を発表、その発言が形になったといえるだろう。6月下旬にエルドアンはロシアのウラジミル・プーチン大統領に対し、ロシア軍機の撃墜を謝罪、7月13日にはトルコの首相がシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆している。

 現在、西側ではドナルド・トランプ政権がイランを攻撃するというような話が流れているのだが、イラン、イラク、シリアを殲滅すると1991年に話していたのはポール・ウォルフォウィッツ。当時、アメリカの国防次官だった。翌年の2月にウォルフォウィッツを中心にして、国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランが作成された。

 1993年1月から2001年1月までのビル・クリントン政権でネオコンはホワイトハウスの主導権を失い、政府内で活動していたのはヒラリー・クリントンが引き込んだ人びとだけだった。そこで、外部で提言をしているのだが、そのひとつが1996年の「決別」。作成したのはネオコンのグループで、中心はリチャード・パールだった。ここでもイラク、イラン、シリアは敵視されている。

 2000年にネオコン系シンクタンクのPNACはウォルフォウィッツ・ドクトリンをベースにして「アメリカ国防の再構築」を作り上げている。執筆人にはウォルフォウィッツのほか、ロバート・ケーガンやI・ルイス・リビーなどネオコンのメンバーが名を連ね、翌年から始まるジョージ・W・ブッシュ政権はその計画に沿った政策を実行した。

 2003年にアメリカ政府はイラクを先制攻撃、サダム・フセインを排除した。イラクに存在しないことを知っていた大量破壊兵器を口実に攻め込んだのである。1991年にウォルフォウィッツが口にしたことを実行したわけだ。

 21世紀に入るとロシアでウラジミル・プーチン大統領が国を食い物にしていた腐敗勢力(西側では民主派とか呼ばれた)の摘発を開始、少なからぬ富豪がロンドンやイスラエルへ逃れた。その結果、イスラエルはそうしたオリガルヒの大きな影響を受けるようになってしまう。そのオリガルヒはイギリスのロスチャイルドや投機家のジョージ・ソロスと深い関係にあり、そうした勢力の影響がイスラエルで強まったとも言えるだろう。

 アメリカではソロスやロスチャイルドと親しいことで知られているヒラリー・クリントンが2009年1月から13年2月まで国務長官を務めているが、その間、アル・カイダ系武装勢力など傭兵を使ってリビアやシリアを2011年春から侵略し、リビアでは2011年秋にムアンマル・アル・カダフィが殺害された。リビアは現在、破綻国家だ。

 2012年からアメリカ、サウジアラビア、イスラエルを中心とする侵略勢力は武器/兵器や戦闘員をシリアへ集中させる。シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒した後はイランを潰す予定だったが、この計画はイスラエルの治安機関シン・ベトのユバル・ディスキン元長官や対外情報機関モサドのメーアー・ダガン元長官から反対されている。

 それでも2013年9月には駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンがバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている。オーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近で、この発言は首相の意思でもあると考えられた。その当時、アメリカではマーティン・デンプシー統合参謀本部議長やマイケル・フリンDIA局長はアル・カイダ系武装集団を危険だと考え、シリア政府と接触していたと言われている。

 モサドやシン・ベトはリクードと関係が深いはずで、本来ならネタニヤフ首相と対立することは考え難い。「元長官」でもそうだろう。対立が生じていたとするなら、そうした関係を壊すほどの存在がネタニヤフの背後にいたということだろう。今年に入り、その存在の力が弱まってきた可能性が高い。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612030001/





2016.12.13
シリアで政府軍と戦っているのはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュであり、反体制派はいない

 シリアで政府軍が戦っている相手に「反体制派」というタグをつけているマスコミが存在する。かつて、日本のアジア侵略を「大東亜共栄圏」を建設するためだと主張した人たちがいるが、それと同じようなものだ。

 リビアやシリアで体制転覆を目指して戦っている集団が「反体制派」でないことは戦闘が始まった2011年春の段階で指摘されていた。シーモア・ハーシュなどが何年も前から予告していたことが引き起こされたのだ。

 2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIAが反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、そうした勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとバラク・オバマ政権に報告している。その結果として、シリアの東部分にサラフ主義に支配された地域が作られるとも警告、それはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がトランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将だ。

 こうした武装勢力の戦闘員は武器/兵器と同じようにシリアの外から入った。リビアのムハンマド・アル・カダフィ体制が倒された後、戦闘員や武器/兵器をアメリカなどはシリアへ移動させたが、その拠点になったのがベンガジのアメリカ領事館だったことは本ブログでも紹介した。そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。

 サラフ主義から現在のタクフィール主義者は生まれた。この人びとはタクフィール(背教徒宣告)して人を殺す。2012年6月にエジプト大統領となったモハメド・モルシはシーア派へのタクフィールを許可、シリア侵略を後押しした。この許可はイラン侵略も視野に入っているのだろう。

 こうした侵略の背後にはネオコンの世界制覇戦略がある。ソ連消滅後、アメリカが唯一の超大国の超大国になり、その超大国を自分たちが支配していると認識した彼らは世界制覇プランを描き上げたのだ。1992年2月にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)たちが作成したDPGの草稿がそのプラン。「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 ソ連の消滅は西側支配層の傀儡だったボリス・エリツィンたちが仕掛けた。この事実は本ブログでも何度か指摘している。2度とソ連のようなライバルが出現しないように、彼らは旧ソ連圏のほか西ヨーロッパ、東アジアなどが成長しないような方策をとろうとし、力の基盤になるエネルギー源が地下に存在する西南アジアを支配しようと考えた。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、DPGが作成される前の年にウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていている。ソ連が消滅する前から彼らは世界制覇の野望を持っていたわけで、ソ連消滅はそうした野望を顕在化させることになった。

 しかし、このプランはジョージ・H・W・ブッシュ大統領が再選に失敗、ビル・クリントンが大統領に就任したことでお蔵入りになる。それを蔵から引きずり出したのがファースト・レディーだったヒラリー・クリントン。彼女と親しいマデリーン・オルブライトが国連大使から国務長官へ異動した1997年1月のことだ。そして1999年3月、NATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。ちなみに、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。ヒラリーのもうひとりの友人、ビクトリア・ヌランドは当時、国務副長官の首席補佐官を務めていた。

 本ブログではすでに書いたことだが、ウォルフォウィッツをはじめとする好戦派はユーゴスラビアを破壊、解体するため、ウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された直後からプロパガンダを始めている。例えば、ニューズデイのボン支局長だったロイ・ガットマンは1992年8月、ボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたと書いているのだが、これは嘘だった。この嘘を広めた功績で、後に彼はピューリッツァー賞を受賞している。

 2003年3月にアメリカ政府が始めたイラクへ侵略戦争も嘘を広めることから始めた。この時は偽情報を発信する目的で国防総省の内部にOSP(特殊計画室)が作られた。その室長に選ばれたエイブラム・シュルスキーはシカゴ大学でウォルフォウィッツと同じ教授について博士号を取得している。ふたりはネオコン仲間だ。

 1990年代からアメリカの侵略戦争に広告会社が深く関与してくるようになったことも本ブログで書いてきた。偽情報の作成と流布は彼らにとって御手の物だ。そうした偽情報をアメリカなど西側の有力メディアは垂れ流し、アメリカの政府や議会はそうした嘘を暴くメディアやサイトに「偽報道」というタグをつけ、検閲しようとしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612130001/


シリア的捏造:誰が、いかに、何のためにシリア紛争について偽情報を流しているのか? 2016年12月15日

インターネットの発達とともに、実際の情報とウソとの区別が、より難しくなってしまった。

スプートニクは、誰が何のために、シリアに関する偽情報を流しているのかを明らかにするため、複数の専門家に話を聞いた。

中東の安全保障問題の専門家でメディア分析を得意とするダニー・マッキー氏は、欧米マスコミによるシリア紛争の報道に対する自らの見解を示し、次のように指摘した-

「大量処刑や民間人への攻撃といった西側マスメディアが伝える情報のすべては、1枚の写真あるいはビデオによってさえ確認されていない。 プロパガンダ戦争が続いている。常にアレッポでは、それが特に激しかった。しかしシリア軍がこの町で勝利した事は、欧米マスメディアの主張の基盤を足元から崩し、彼らが作り出した民主主義リベラル勢力としてのシリアの穏健派在野勢力のイメージを木っ端みじんに吹き飛ばした。」

アレッポにおけるシリア政府軍に対する情報キャンペーンの枠内で、一部のマスコミそしてソーシャルネットワークの人気ページなどは、パレスチナ・ガザ地区の写真や、2014年2015年といった過去の写真を使い、それらを『平和に暮らす一般市民を迫害するアサド体制の獣のように残酷な軍隊』の行動ぶりを裏付けるアクチュアルな証拠として発表した。」

なお解放されたアレッポの実際の状況について、従軍記者のカメル・サカー氏は、次のようにレポートしている-

「私は、人々をテント村に移動させるための、よく組織された作業を目にした。必要不可欠なあらゆるもの、輸送手段、食料、薬品、負傷者に対する医療援助、それらはすべて提供されている。

多くの住民は、戦闘員が組織した食料の独占について証言した。それによって最も必要な物の値段が20倍にも高騰したという。

こうした事は、アレッポの状況に関する国連や人権団体すべての報告書が嘘であることを意味している。

国際的な人道組織は、アレッポの住民を全く助けていない。助けているのはシリア政府でありシリア軍であり、ロシアの軍人達だ。私自身、町に人道援助物資を運び込み、それを人々に分ける彼らのトラックを目にした。」
https://jp.sputniknews.com/politics/201612153138145/



 ロシアと中国とが強く結びつく原因を作ったのはバラク・オバマ政権。中国に対する挑発をオバマ政権も続けていたが、それ以上に中国を警戒させたのはウクライナ、リビア、シリアに対するアメリカの侵略行為だ。リビアの場合、中国が関係を強めていたアフリカを植民地化することが目的。
アフリカの自立で中心的な役割を果たしていたのがリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制だ。

そうした政策の一環として、カダフィはドル決済を止め、金貨ディナールをアフリカの基軸通貨にしようとしていた。

 シリアでもリビアと基本的に同じことをアメリカ支配層は行っている。

シリアとリビアで違うことはロシアの対応。シリアではアメリカ/NATOが制空権を握ることを許していない。

 アメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月に政府へ提出した報告書の中で、シリアにおける反乱の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと指摘、オバマ政権が政策を変えなければシリア東部にサラフ主義の支配地ができると警告していた。アル・カイダ系武装集団の中心もサラフ主義者やムスリム同胞団であり、その背後にはサウジアラビアなどペルシャ湾岸の産油国が存在する。この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将。その予測はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。

 退役後の2015年8月、フリン中将はアル・ジャジーラの番組に出演、サラフ主義者の勢力拡大を見通していたのになぜ阻止しなかったのかと詰問する司会者に対し、自分たちの役割は正確な情報を提供することであり、政策を決定はバラク・オバマ大統領が行うのだと答えている。オバマ政権の決定した政策がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。

 シリアでの戦闘が進むにつれ、各国の特殊部隊やトルコ軍の将兵だけでなく、チェチェンなどカフカスの周辺や新疆ウイグル自治区などから戦闘員が入り込んでくる。中国にとってもシリア情勢は重要な問題になり、戦闘に関係していった。

 こうした軍事的な理由だけでなく、アメリカ主導で西側がロシアに仕掛けた経済戦争が切っ掛けになってロシアと中国は急速に関係を深めている。東アジア、東南アジアで中国の輸送ルートをアメリカは断ち切ろうと目論んでいるが、それもロシアと中国を接近させる一因になっている。ネオコンはロシアや中国を攻撃しているつもりで、アメリカの足下を崩している。

 こうした状況の中、ロシアに秋波を送り、中国に肘鉄砲を食わせても、この両国を引き裂くことはできないだろう。ロシアの経済分野ではアメリカ支配層に従属している人が少なくないようだが、ロシア全体を動かすほどの力はなくなっているように見える。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612230000/


2016.12.26
オバマ大統領は国防授権法の中に言論の自由を破壊する条項を入れ、ファシズム体制を強化して去る

バラク・オバマ大統領が12月23日に署名した2017年国防授権法(NDAA)には言論統制の強化を合法化する条項があり、アメリカはますますファシズム化が進むことになるだろう。アメリカ下院は政府や有力メディアが伝える「正しい報道」に反する「偽報道」を攻撃する手段になる法律を11月30日に可決、12月8日は上院が対偽情報プロパガンダ法を通過させている。ロシアや中国などからの「プロパガンダ」に対抗するアメリカの同盟国を助けることが上院を通過した法案の目的だが、それがNDAAに組み込まれたのだ。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカでオバマ政権や有力メディアが宣伝している「偽情報」や「偽報道」とは、自分たちにとって都合の悪い情報を意味しているにすぎない。自分たちが発信してきた「偽情報」や「偽報道」の効果がないことに慌て、言論統制を強化しようとしているにすぎない。

 1992年にネオコンは世界制覇のプロジェクトを作成、その翌年に大統領となったビル・クリントンはそのプロジェクトを始動させない。そこで有力メディアはユーゴスラビアを先制攻撃させるために偽情報を流しはじめ、99年にNATO軍はユーゴスラビアを全面攻撃した。その間、メディアはクリントン大統領をスキャンダルで攻撃している。

 ユーゴスラビアに関する偽報道を広める上で活躍したひとりがニューズデイのボン支局長だったロイ・ガットマン。ボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたと1992年8月に書いているのだが、これは嘘だったことが判明している。この嘘を広めた功績で、後に彼はピューリッツァー賞を受賞した。

 この人物、今年12月にも偽情報を記事にしている。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を作ったのはシリア政府であり、「アル・カイダ」を操っているのはバシャール・アル・アサドだというのだ。この記事もすぐ嘘だとばれる代物だが、ピューリッツァー賞を信奉する人には効果があるかもしれない。

 ところで、クリントン政権がユーゴスラビアを軍事介入する方向へ舵を切るのは1997年1月のこと。ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子で、ファースト・レディだったヒラリー・クリントンと親しいマデリン・オルブライトが国務長官に就任してからだ。

 イラクを先制攻撃する際に言われた大量破壊兵器が嘘だったことは後に発覚、その事実はジョージ・W・ブッシュ政権の閣僚も認めざるをえなくなっている。この時、イギリスのトニー・ブレア政権が侵略を正当化する偽情報の流布に果たした役割も判明している。

 リビアやシリアへの軍事介入を正当化するために宣伝された民衆弾圧も嘘。シリアの場合、アメリカなど西側は当初、シリア系イギリス人のダニー・デイエムが使ってシリア政府の弾圧を宣伝していたが、彼のグループが「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像がインターネット上に流出、嘘が発覚した。次に化学兵器の使用を西側は主張したが、これも嘘がすぐに発覚する。

 ビル・クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権、バラク・オバマ政権、いずれも偽情報を流しながら世界に戦乱を広め、破壊と殺戮で人びとを苦しめてきた。その手先として偽報道を繰り返しているのが西側の有力メディアにほかならない。その嘘が余りにも露骨になって信じる人が減少、そこで言論統制の強化だ。

 第2次世界大戦が終わった直後からアメリカの支配層が組織的な報道コントロールを目論んでいたことは本ブログでも紹介した。いわゆるモッキンバードだ。その中心人物は戦争中から破壊活動を指揮していたウォール街の弁護士でもあるアレン・ダレス、その側近でやはりウォール街の弁護士だったフランク・ウィズナー、ダレスの側近で後にCIA長官になるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 日本ではウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだことから「言論の自由」を象徴するイコンとして崇められているワシントン・ポスト紙だが、情報操作に深く関与していたのだ。

 ウォーターゲート事件の取材で中心的な役割を果たしたカール・バーンシュタイン記者は1977年に同紙を辞め、その直後に「CIAとメディア」というタイトルの記事をローリング・ストーン誌に書いている。それによると、400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 1970年代の有力メディアには気骨のある記者や編集者がまだいたが、それでも情報機関にかなり浸食されていた。現在では露骨なプロパガンダ機関にすぎないのだが、それでもイコンとして扱いたがる人がいる。日本のマスコミは駄目だが、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙はすばらしいというわけだ。そうした西側メディア信奉者は国際情勢に目を向けたがらない。結局、日本の支配層を操るアメリカの支配層が描く幻影を受け入れることになる。


 言論統制の強化を後押しする記事をワシントン・ポスト紙が掲載したのは11月24日。政府や有力メディアが伝える「正しい報道」に反する「偽報道」を攻撃する手段になる法律が報道の2日前に下院へ提出され、30日に可決された。彼らはトランプを攻撃するだけでなく、巨大資本による支配システム、つまりファシズム化を実現するための体制を立て直そうとしている。そうした人びとが受け入れる幻影を流しているアメリカの有力メディアの「報道」に反する情報を封印しようというのが今回の法律だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612260000/



2016.12.30
有力メディアで情報操作できない米国が世界で孤立、オバマ大統領は真珠湾で安倍首相と同盟を宣伝

バラク・オバマ大統領はアメリカを孤立させてホワイトハウスを去ることになった。アジアの東側では属国だったはずのフィリピンが離反してベトナムも後を追い、西側ではアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を傭兵として利用した侵略戦争はシリアで破綻、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を利用したクーデターで実権を握ったウクライナは破綻国家になっている。

 シリア情勢について12月20日にロシア、イラン、そしてトルコがモスクワで話し合っているが、アメリカは相手にされていない。これまでネオコン/シオニストなどアメリカの好戦派は停戦を手駒の態勢立て直しに利用するだけで、真剣に戦乱を終結させようとはしてこなかった。アル・カイダやダーイッシュを危険だと考える将軍たちが統合参謀本部から排除されただけでなく、問題を外交的に解決する姿勢を見せていたジョン・ケリー国務長官はオバマ大統領から無視されていた。ケリーの外交を露骨に妨害していたのがネオコンでヒラリー・クリントンと親しいビクトリア・ヌランド国務次官補だ。

 2014年2月4日の時点で政権転覆後の閣僚人事をめぐってヌランドはジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使と電話で話し合っていたが、その中で彼女はがEUに対して「くそったれ」という言葉を浴びせた。外交を否定する流れの中でのことだ。そのヌランド、そしてヒラリーにズビグネフ・ブレジンスキーの弟子だと言われているオバマ大統領が引っ張られたのは当然かもしれない。

 ウクライナでヌランドと同じようにクーデターを煽っていたネオコンのジョン・マケイン上院議員は2013年5月、シリアへ違法入国して後にダーイッシュのトップとして登場するアブ・バクル・アル-バグダディと会っている。

 その3カ月後、シリアの首都ダマスカス近郊が化学兵器で攻撃され、西側の政府や有力メディアはシリア政府軍が使用したと宣伝、リビアと同じようにNATO軍が軍事介入する口実にしようとした。

 ところが、攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事も書かれた。

 すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者マザー・アグネス・マリアムはいくつかの疑問を明らかにした。例えば、攻撃のあった午前1時15分から3時頃(現地時間)には寝ている人が多かったはずだが、犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜなのか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずであるにもかかわらず明確になっていないのはなぜなのか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのか、などだ。(PDF)

 12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられていた。

 NATO軍の軍事侵攻が決定的であるかのように「報道」していた西側の有力メディアの宣伝がピークに達したのは9月3日。この日、地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されたのだ。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、その事実が公表されるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまう。

 シリア政府軍の残虐行為を口実にして本格的な軍事介入を目論んだアメリカ/NATOだが、これは失敗に終わった。その翌年、売り出してくるのがダーイッシュだ。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧したのだが、その際、トヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子が世界に伝えられた。当然、アメリカの軍や情報機関は偵察衛星や無人機で監視、通信傍受や人間による情報活動などで情報を集め、武装集団の動きを知っていたはずだが、黙認している。

 西側の有力メディアを使って偽情報を流し、幻影を事実だと人びとに信じ込ませてから軍事侵略して破壊と殺戮を繰り広げるというパターンはシリアで挫折した。そのシナリオ作成にはアメリカの広告会社が関与しているのだろう。

 そうした作戦を破綻させる上で中心的な役割を果たしたのがロシア。そのロシアを攻撃するため、アメリカのオバマ政権や有力メディアは「偽報道」だとするキャンペーンを展開中だ。「リベラル」だとされ、「言論の自由」を象徴する存在だと日本では見なされているニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙も有力メディアに含まれている。

 日本の大手マスコミが支配層の宣伝機関にすぎず、信頼できないことは少なからぬ日本人が知るようになった。人びとの心を操る仕組みとして機能しなくなりつつあると言えるだろう。

 そうした中、日本のマスコミを罵倒した上で、ニューヨーク・タイムズ紙などアメリカの有力メディアを持ち上げる人たちがいる。そうしたアメリカの有力メディアが信頼されなくなっているのだが、日本ではそうした認識がまだ薄いようで、日本のマスコミに替わる情報操作の手段として利用されているようだ。

 しかし、アメリカでは有力メディアと手を組んでロシアを攻撃しているオバマ政権に対し、選挙にロシアが介入したとする証拠を見せろという要求が強まっているようだ。第2次世界大戦直後にイタリアで行われた選挙から始まり、アメリカ政府は外国の選挙へ頻繁に介入してきたわけで、オバマ大統領たちの主張は滑稽なのだが、自分たちが行ってきたことを相手が行っていると宣伝するのもアメリカが頻繁に使う手口だ。

 アメリカが孤立してきた一因は、こうした事実が広く知られるようになり、人びとが辟易していることにあるだろう。オバマ大統領は自分たちが孤立していないことをアピールする必要がある。安倍晋三首相はハワイの真珠湾を訪れ、「日米同盟」を宣伝したというが、それだけオバマ大統領が追い詰められているということでもあるのだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612300000/


2017.01.01
ロシアとトルコが主導してシリアの停戦が実現、その間にロシア大使が殺され、シリアで貯水池に毒

ロシアとトルコは12月29日にシリアにおける停戦で合意した。イランも合意文書の作成に参加、シリア政府や反シリア政府の7組織(戦闘員総数約6万人)も署名、国連もこの合意を認めたようだ。今月に入り、カタールはシリアへの侵略戦争から離脱、平和交渉にはエジプトも加わると見られている。

 しかし、アル・カイダ系武装集団(AQI、アル・ヌスラ、ファテー・アル・シャム/レバント征服戦線と名称を変更したが、その実態は同じ)やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は参加していないようだ。アメリカ、フランス、イギリス、サウジアラビアも停戦には参加していないが、そうした勢力が雇ってきたのがアル・カイダ系武装集団やダーイッシュである。

 停戦の話し合いが進んでいた12月19日にアンカラでトルコ駐在のアンドレイ・カルロフ露大使が射殺され、28日と29日にはダマスカスのロシア大使館が攻撃された。話し合いを妨害するつもりだったのだろうが、成功していない。その間、23日にオバマ大統領はシリアの「反対者」への武器供給を認める法律に署名した。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュに対する支援を次期政権に押しつけるということだろう。

 ロシア系のメディアRTによると、ダマスカスに給水している貯水池にディーゼル燃料や毒が混ぜられ、24日から使用できない状態になっているという。一方、アレッポではダーイッシュが水を止めた。この地域ではダーイッシュやアル・カイダ系武装集団を支援するためにアメリカを含むNATO諸国やイスラエルの情報機関員が活動してきたと言われている。シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すために侵略戦争を始めた国々の一部は離脱したが、残った勢力は形振り構わず、和平への道を破壊しようとしているようだ。

 これまで戦争を煽ってきたアメリカなど西側の有力メディアにとっても状況は厳しい。シリアに平和が訪れて調査が進めば、自分たちがアメリカ政府の宣伝を垂れ流してきたことも発覚してしまう。「本当のこと」を伝えず、「権力者の代弁」を繰り返すそうしたメディアを無批判に信じてきた、あるいは信じた振りをしてきた人びとも責任を免れない。

 自戒を込めて書くのだが、多くの人は自分が望む心地よい情報を信じたがる。目先の個人的な利益を考えれば、どのような体制であろうと体制派である方が得であり、体制派であることを正当化する情報を欲しがることになる。有力メディアの重要な仕事は、そうした情報を流すことにある。

 ところで、アメリカが中東に破壊と殺戮を広めたのは2003年にイラクを先制攻撃してから。その際、大量破壊兵器が口実に使われ、今にもアメリカが核攻撃されるかのような話が流された。当時からそうした情報が嘘だと指摘されていたが、今では決定的。嘘を発信していた人びとも嘘を認めている。が、アメリカ人の53%は発見されなかった大量破壊兵器がイラクにあったと今でも信じているらしい。有力メディアの偽報道はバカにできないようだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701010000/





1999年にアメリカのビル・クリントン政権はNATOを使ってユーゴスラビアを先制攻撃し、2001年9月11日の世界貿易センターや国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃を利用してジョージ・W・ブッシュ政権はアフガニスタンやイラクを先制攻撃した。いずれも西側の有力メディアに偽情報を広めさせての侵略だった。
クリントン大統領は軍事介入に消極的。そのクリントンを攻撃するキャンペーンをネオコンや情報機関と関係の深い富豪は展開した。

ホワイトハウスでの影響力が弱まったネオコンは「民間人」としてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対して強硬策を求める。

1996年にリチャード・パールを中心とするネオコンのグループは1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリン(DPGの草稿)をベースとする提言「決別」をネタニヤフ首相に対して送っている。

その中にはイラクのサダム・フセイン大統領排除も含まれていた。

この提言が送られた一因は、ネオコンがネタニヤフの政策に不満を抱いていたからだろう。

 そして1997年1月に国務長官がウォーレン・クリストファーからマデリーン・オルブライトへ交代した時から政権が好戦的になる。ちなみに、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子で、その当時からヒラリー・クリントンと親しい。国務長官の交代はヒラリーが夫であるビルに求めたと言われている。そして1999年のユーゴスラビア攻撃につながった。

 ブッシュ・ジュニアの後、アメリカ大統領に就任したバラク・オバマはアメリカ軍の直接的な軍事介入は行わなかったが、2011年春からアル・カイダ系武装集団を使った侵略を始める。彼の師もオルブライトと同じようにブレジンスキー。そのブレジンスキーがジミー・カーター大統領の国家安全保障担当補佐官として1970年代の終盤に始めた手口をまねたとも言えそうだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701030000/


 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後、アメリカでは国内のファシズム化が進み、国外では侵略戦争を始めた。その攻撃から10日後、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官はペンタゴンで、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺がイラク、シリア、イラン、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンを攻撃するプランを立てていると聞いたと語っている。こうした国々は9/11と無関係だ。そしてイラクが攻撃される。
 2003年3月にアメリカ主導の連合軍がイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒しただけでなく、社会基盤を破壊し、100万人とも推計されている人びとを虐殺している。例えば、2006年10月に出されたイギリスのランセット誌によると、2003年3月から06年7月までの間に65万4965名以上のイラク人が死亡(Gilbert Burnham, Riyadh Lafta, Shannaon Doocy, Les Roberts, “Mortality after the 2003 invasion of Iraq”, The Lancet, October 11, 2006)、またイギリスのORB(オピニオン・リサーチ・ビジネス)は2007年夏までに94万6000名から112万人、NGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。

 この侵略戦争は2002年に始められる予定だったと言われている。当時の統合参謀本部で反対意見が多く、約1年間遅くなったという。大量破壊兵器の話が嘘だということは軍の内部でも常識、つまり戦争に大義はなく、作戦も無謀だったからだ。

 そうした状況の中、戦争を始めるために重要な役割を果たしたのがイギリスのトニー・ブレア政権。2002年9月に「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書、いわゆる「9月文書」を作成したのだ。これはメディアにリークされ、サン紙は「破滅から45分のイギリス人」というセンセーショナルなタイトルの記事を掲載している。

 コリン・パウエル国務長官が絶賛したこの報告書は大学院生の論文を無断引用した代物だとされているが、別に執筆者がいる可能性もある。その文書をイギリス政府はイラクの脅威を強調するため改竄したことも明らかになった。

 ブレア政権はイラクが45分で大量破壊兵器を使用できると主張していたが、開戦から2カ月後にこの主張をBBCのアンドリュー・ギリガンがラジオ番組で否定する。さらに、彼はサンデー・オン・メール紙でアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したとも主張している。2004年10月に「45分話」が嘘だということを外務大臣のジャック・ストローも認めた。

 トニー・ブレア英首相は2002年3月の時点でアメリカによるイラク侵攻に参加することを決めていたことが今ではわかっている。パウエルが2002年3月28日に書いたメモの中で、ブレア首相はアメリカの軍事行動に加わると書かれていたのだ。このメモが書かれた1週間後、米英両国の首脳は会談している。イギリスはアメリカの好戦派にとって便利な同盟国だ。

 9/11の2年前、アメリカはNATOを使い、ユーゴスラビアを先制攻撃して破壊した。ユーゴスラビアに関しては1990年代の前半から攻撃を正当化するために偽報道が繰り返されていた。その時のキーワードは「人道」だ。

 ユーゴスラビアが攻撃された1999年、アメリカ陸軍の第4心理作戦群の隊員が2週間ほどCNN本部で活動している。アメリカ軍のトーマス・コリンズ少佐(当時)によると、派遣された隊員は放送局のスタッフと同じように働き、ニュースにも携わったという。(Trouw, 21 February 2000)この時からCNNは「戦意高揚」のための宣伝機関としての色彩を強めていく。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701120000/


2017.01.23
TBSがシリア大統領をインタビュー、日本にも主権国家へ内政干渉する権利はないと釘を刺される

TBSがシリアのバシャール・アル・アサド大統領にインタビューしたようだ。シリアでは今でも戦闘が続いているが、勿論、これを「内戦」と呼ぶことはできない。この戦乱に「大統領退陣を求める反体制派のデモ」など事実上、無関係である。本ブログでも再三にわたって指摘しているように、ネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)がイラク、イラン、そしてシリアを殲滅すると口にしたのは1991年、26年前のことだ。

 サダム・フセイン体制を倒すため、アメリカがイラクを先制攻撃したのは2003年3月。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後の好戦的な雰囲気を利用、大量破壊兵器という偽情報を広めながらのイラク侵略だった。

 2007年になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌にアメリカ、サウジアラビア、イスラエルが中東で秘密工作を始めていると書いている。シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラがターゲットで、その手先はサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団。アル・カイダ系武装集団の主力でもあるが、「アル・カイダ」が9/11を実行したとジョージ・W・ブッシュ政権は宣伝していた。

 そして2011年春にリビアとシリアで戦乱が始まる。ハーシュが書いたように、その黒幕はアメリカ、サウジアラビア、イスラエルで、そこにフランス、イギリス、トルコ、カタールなどが加わった。

 NATOとアル・カイダ系武装集団が連携していることはリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒される過程で明確になった。2011年10月にアメリカなどがリビアの「レジーム・チェンジ」に成功した後、アメリカが武器/兵器と戦闘員をシリアへ移動させたことも明らかになっている。カダフィ体制が倒された直後、反カダフィ勢力の拠点だったベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その実態を少なからぬ人が理解した。(YouTube、デイリー・メイル紙)

 この段階で9/11は「アル・カイダによるアメリカに対する攻撃」というストーリーは破綻しているのだが、勿論、西側の政府、有力メディア、リベラル派などはそうした事実を認めたがらない。

 リビアでカダフィ体制が倒されると、戦闘員は武器/兵器と一緒にトルコ経由でシリアへ入る。その拠点になったのはベンガジにあったCIAの施設で、アメリカの国務省は黙認していた。その際、マークを消したNATOの輸送機が武器をリビアからトルコの基地まで運んだとも伝えられている。

 ベンガジにはアメリカの領事館があるのだが、そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたとされている。ということは、スティーブンスの上司にあたるクリントン長官も承知していた可能性が高い。2012年11月にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリー・クリントンと緊密な関係にある人物で、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。

 アル・カイダ系武装集団から派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はアメリカが監督する中で編成されたことをアサド大統領はTBSのインタビューで指摘し、デリゾールを攻撃しているダーイッシュをアメリカが止めようとしていないと語った。

 デリゾールでは昨年9月17日、攻勢の準備を進めていたシリア政府軍をアメリカ軍が主導する連合軍は2機のF-16戦闘機と2機のA-10対地攻撃機で攻撃、90名とも100名以上とも言われるの政府軍の兵士を殺し、28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊、政府軍の進撃を止めようとした。17日のケースでは、空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、アメリカ軍はダーイッシュと連携していたと見られている。

 TBS側は西側の政府や有力メディアが繰り返してきた根拠のない話をシリア大統領にぶつけていただけで、中身のあるインタビューだったようには思えない。アサド大統領からは日本が侵略勢力側だと指摘され、主権国家であるシリアの内政に介入する権利はないと釘を刺されている。なお、シリアで消息を絶った安田純平については、拘束したアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)はトルコ政府の指揮下にあり、トルコに尋ねるべきだと答えている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701230000/


 キッシンジャーはネルソン・ロックフェラーと親しいことで知られているが、デイビッド・ロックフェラーと親しいズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めるようになる。アメリカを唯一の超大国と位置づけ、潜在的なライバルを単独で先制攻撃するとした1992年2月のDPG(通称ウォルフォウィッツ・ドクトリン)を軌道修正しようとしているように見える。
 このドクトリンは名前の通り、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が中心になって作成され、その後もネオコンの基本戦略になってきた。このウォルフォウィッツが1991年の段階で、シリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたという。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラークがそのように話している。

 クラークによると、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたてから10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国のリストが作成され、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。

 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ大統領は国防総省内の反対意見を押し切り、約1年遅れでイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した。その後も軍事作戦は続き、破壊と殺戮は今でも続いている。

 そして2007年、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌で、アメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアは手を組み、シリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始、ヒズボラが拠点にしているレバノンを攻撃すると書いた。イランにもアメリカの特殊部隊JSOCが潜入して活動中だとしている。

 そうした秘密工作は「スンニ派過激派」つまりアル・カイダ系武装集団の勢力拡大につながるとハーシュは指摘するが、サウジアラビアなどは「スンニ派過激派」をイランよりましだとしている。少なくともその後にネオコンも同じ考え方をするようになった。

 ネオコンは1980年代からイラクのフセイン体制を倒すべきだと主張していたが、それはヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国帯を築いてイランとシリアを分断、両国を倒す、あるいは弱体化するためだった。ジョージ・H・W・ブッシュなど石油資本に近いグループはフセイン体制をペルシャ湾岸の産油国を守る防波堤と位置づけていたので、ロナルド・レーガン大統領の時代にはネオコンと対立している。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701310000/





2017.02.12
ネオコンのエイブラムズを国務副長官にする話は消えたようだが、トランプの娘のラインは残る

エリオット・エイブラムズを国務副長官にするという話はドナルド・トランプ大統領が拒否したようだ。前にも書いたようにエイブラムズはネオコンの中心グループに含まれている人物で、イラン・コントラ事件(イランへの武器密輸とニカラグアの反政府ゲリラに対する違法な支援)にも連座している。

 とりあえずネオコンの影響力がこれ以上強まることは避けられたが、影響を受けていないわけではない。トランプの娘、イバンカが結婚したジャレド・クシュナーはニューヨーク・オブザーバー紙を発行しているオブザーバー・メディアの創業者で、現在は大統領の顧問を務めている。ジャレドの父親であるチャールズもトランプやジャレドと同じ不動産開発業者で、現在は大統領の上級顧問だ。チャールズの両親はナチスによるユダヤ人迫害を経験しているとも言われている。こうした背景があるため、クシュナー親子は親イスラエルで、ネオコンに近いとも考えられる。

 ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の出現と勢力拡大をDIAが2012年の時点でバラク・オバマ政権に警告していたことは本ブログで紹介してきたが、その当時のDIA局長、マイケル・フリン中将は昨年、選挙キャンペーン中に「ラディカル・イスラムとその同盟者」との戦いをテーマにした本を出しているのだが、問題は共著者のマイケル・リディーン。この人物はイスラエルの情報機関と緊密な関係にあると言われ、1970年代の半ばにイタリアのイル・ジョルナレ・ヌオボ紙でジャーナリストとして働いていた際には「アカの脅威」を盛んに宣伝していた。

 当時、リディーンと親しくしていたイタリアの情報機関SISMIのフランチェスコ・パチエンザによると、リディーンもSISMIのエージェント。1980年のアメリカ大統領選挙ではジミー・カーターの再選を阻止するため、盛んにスキャンダルを流していた。パチエンザは非公然結社P2と結びつき、グラディオと呼ばれるNATOの秘密部隊でも活動していた。(Edward S. Herman & Noam Chomsky, "Manufacturing Consent," Pantheon, 1988)

 トランプ政権内でクシュナー親子を含む人びとはイランを敵だとしている。テロリズムの黒幕だというのだが、フリンはその黒幕がサウジアラビアだということを熟知しているはず。アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュのような存在を本気で潰すつもりなら、サウジアラビアを相手にしなければならないが、トランプを支える柱のひとつで石油産業もそれは受け入れられないだろう。

 イランを潰すとポール・ウォルフォウィッツは1991年の時点で口にしていた。その当時、国防次官だったウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを5年から10年で殲滅すると言っていたのだ。

 その年の1月16日にアメリカが主導する連合軍はイラクへ軍事侵攻、2月末に停戦するのだが、その際にサダム・フセインをジョージ・H・W・ブッシュ政権は排除しない。それが不満でウォルフォウィッツはそうした発言をしたようだが、その際、彼はアメリカが何をしてもソ連は動かないと信じることになる。

 ソ連消滅後、ウォルフォウィッツを含むネオコンはロシアに対して同じ見方をするようになる。「唯一の超大国」になったアメリカが軍事侵略してもロシアは傍観すると信じたのだ。それだけに、2015年9月末にロシア軍がシリアで空爆を始めたことがショックだっただろう。

 そうした思い込みに基づき、1992年2月には国防総省のDPG草案として世界制覇計画を作成した。ライバルだったソ連が消滅した後、残された雑魚を整理し、潜在的なライバルを潰すことを決めたのだ。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンである。

 2001年9月11日の攻撃を利用し、その攻撃とは無関係のイラクをジョージ・W・ブッシュ政権は先制攻撃、今度はフセインを排除した。当初、2002年には攻撃したかったようだが、統合参謀本部の反対で約1年間遅れたと言われている。

 イラク攻撃の口実に使われたのは「大量破壊兵器」。アメリカをはじめとする西側の有力メディアは攻撃を後押しする報道を続けたが、中でもニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラーは有名。偽報道を続け、イラク国土を破壊、約100万人とも言われるイラク人を殺す道を整備したのだ。

 2005年にミラーはニューヨーク・タイムズ紙を辞めてからFoxニューズで働き、政策研究マンハッタン研究所なるシンクタンクの特別研究員になるが、この研究所の共同創設者のひとりはウィリアム・ケイシー。1981年1月から87年1月にかけて、ロナルド・レーガン政権でCIA長官を務めた人物だ。

 その後、ミラーはニュマックスなるメディアで働くようになる。このメディアを創設したのはクリストファー・ルディーで、資金を提供したグループにはケイシーのほか、メロン財閥の中心的な存在で情報機関と密接な関係にあり、ビル・クリントン大統領を攻撃するキャンペーンのスポンサーでもあったリチャード・メロン・スケイフも含まれていた。ルディーはスケイフの下で働いていたことがある。

 ネオコンのネットワークは政府内だけでなく、議会、有力メディア、あるいはハリウッドにも張り巡らされ、その背後では巨大金融資本や戦争ビジネスが蠢いている。ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されて以降、この仕組みには向かった大統領はいない。

 コンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューで、控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないと語ったが、世界にはアメリカを快く思っていない人は少なくないということだ。各国の首脳たちはアメリカのカネに目が眩んでいるのか、暴力を恐れている。そうした中、公然とアメリカ支配層をロシアのウラジミル・プーチンは批判、ロシア軍の戦闘能力が高いことも見せつけた。アメリカ国内からプーチンと手を組もうと考える人が出てきても不思議ではない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702110001/



2017.03.02
世界制覇を今でも目指す米国の勢力はウクライナで攻勢を強め、シリアでの巻き返し図る(その1)

ロシアのビタリー・チュルキン国連大使が急死して8日後の2月28日、国際連合ではシリアに対する制裁を強化するように求める決議がロシアと中国の拒否権で阻止された。勿論、大使の死でびびるような2カ国ではない。この決議はアメリカ、イギリス、フランスが提出したもので、これらの国々はOPCW-UNの報告書を根拠に、2014年と15年にシリア政府軍が塩素を使用したと主張している。

 しかし、この報告書が示している根拠、証拠は信頼度の低いもの。その根拠薄弱な話を西側支配層の配下にある有力メディアがその中から都合の良い部分を都合良く解釈し、大声で叫んでいる。つまり、いつものパターンだ。

 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)をシリアへ侵入させ、破壊と殺戮を繰り広げてきた国はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど。今回、決議を提出した3カ国も含まれている。

 1991年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はシリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたと欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の元最高司令官、ウェズリー・クラークは語っているが、その中で最初に破壊されたのはイラク。大量破壊兵器という偽情報を有力メディアに広めさせ、2003年3月に配下の国々を従えて軍事侵略したのである。

 シリアでの戦闘は2011年3月に始まっている。リビアで似たことが始まった翌月のことだ。両国でも侵略勢力は偽情報の流布に力を入れてきた。そうした偽情報を発信していたひとつが2006年にイギリスで設立された「SOHR(シリア人権監視所)」。そこから出てくる話を西側のメディアや「人権擁護団体」は垂れ流してきた。

 SOHRは設立当時からCIAやイギリスの情報機関MI6が背後にいると指摘されていた。アメリカの反民主主義的な情報活動を内部告発したエドワード・スノーデンが所属していたブーズ・アレン・ハミルトン、プロパガンダ機関のラジオ・リバティが存在しているとも言われている。

 内部告発を支援しているWikiLeaksが公表した文書によると、SOHRが創設された頃からアメリカ国務省の「中東共同構想」はロサンゼルスを拠点とするNPOの「民主主義会議」を通じてシリアの反政府派へ資金を提供している。2005年から10年にかけて1200万ドルに達したようだ。

 こうした工作が始まった直後、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書き、その中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンがいると書いている。

 ハーシュの記事に登場するバリ・ナスルはサウジアラビアについて「相当な金融資産があり、ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係がある」としたうえで、「サウジは最悪のイスラム過激派を動員することができた。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」と語っている。

 このナスルはジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで、CFR(外交問題評議会)の終身メンバー、つまりアメリカ支配層の一員だ。そのナスルもムスリム同胞団やサラフ主義者、つまりアル・カイダ系武装集団を使う危険性を警告していた。

 2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は倒され、カダフィ自身は惨殺された。NATOの航空兵力とアル・カイダ系のLIFGの地上部隊が連携しての攻撃だった。政権が崩壊した直後にベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられたている。その映像はYouTubeにアップロードされ、デイリー・メイル紙も伝えていた。リビアでの任務が終わったアル・カイダ系武装集団の戦闘員は武器と一緒にシリアへ移動していく。

 その後のシリア情勢に関するホワイトハウス向けの報告書をアメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月に作成している。その中で反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、そうした勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているしていた。バラク・オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないとしているわけだ。

 また、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それはダーイッシュという形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がトランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703010000/



2017.03.03
世界制覇を今でも目指す米国の勢力はウクライナで攻勢を強め、シリアでの巻き返し図る(その2)

DIAの報告書が作成される3カ月前、2012年5月にシリア北部ホムスで住民が虐殺され、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝し始めるのだが、その話は矛盾点が多く、すぐに嘘だとばれてしまう。

 現地を調査した東方カトリックの修道院長は虐殺を実行したのは反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵だと報告、その内容はローマ教皇庁の通信社が伝えた。ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も、キリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えている。

 その修道院長は、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っていた。

 この当時、西側の有力メディアが盛んに登場させていた情報源のひとりがシリア系イギリス人のダニー・デイエムなる人物。シリア政府の弾圧を訴え、外国勢力の介入を求める発言を続けていた。

 ところが、しばらくするとダニー・デイエムのグループが「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像がインターネット上に流出してしまう。彼を使っていたメディアは反省するかと思いきや、そんなことを気にする様子は見られず、堂々とプロパガンダを続けている。つまり確信犯だ。

 デイエムの正体がばれ、ホムスでの虐殺を政府軍に押しつけることに失敗した侵略勢力は政府軍が化学兵器の使用したという宣伝を開始する。2013年3月にシリア政府は化学兵器を反政府軍が使ったと発表、それに対して反政府軍も政府軍が実行した主張する。

 これについてイスラエルのハーレツ紙は攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言した。

 その5カ月後、つまり2013年8月にダマスカスの近くで化学兵器が使われ、西側の政府や有力メディアはシリア政府が実行したと叫びはじめ、シリアに対する軍事侵攻を正当化しようと宣伝をはじめる。

 それに対し、攻撃の直後にロシアのチュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。

 それだけでなく、メディアも化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事を掲載、すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者マザー・アグネス・マリアムはいくつかの疑問を明らかにしている。

 例えば、攻撃のあった午前1時15分から3時頃(現地時間)には寝ている人が多かったはずだが、犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずであるにもかかわらず明確になっていないのはなぜか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのかといった疑問を発している。(PDF)

 12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。

 その後、アメリカなどシリアのアサド政権を転覆させて傀儡体制を樹立させようしている国々は「化学兵器」に執着しているようだ。新たな侵略のシナリオを思いつかないのだろう。

 2015年9月30日にシリア政府の要請に基づいてロシア軍がシリアで空爆を始めると戦況は大きく変化、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは崩壊寸前だと言われている。アサド体制の打倒を目的にしていたアメリカ軍などとは違い、ロシア軍は実際にそうした武装勢力を攻撃したからだ。司令部、戦闘部隊、兵器庫だけでなく兵站線を叩き、盗掘した石油を輸送するタンカーも破壊してきた。シリア侵略を目論んだ勢力は何が何でも戦争を継続したいはずだ。平和が訪れたなら、自分たちの行為を隠しきれなくなる。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703030000/




2017.03.12
14年前の3月に米軍は偽情報を口実にしてイラクを先制攻撃、中東/北アフリカを破壊と殺戮の地に

2003年、今から14年前の3月20日にアメリカ軍はイギリス軍などを引き連れてイラクを先制攻撃、中東から北アフリカにかけての地域を戦乱で破壊と殺戮の地にした。この地域に存在する自立した国を破壊しようという人びとは現在でも侵略戦争を続けている。

 2006年10月にイギリスの医学雑誌「ランセット」はジョンズ・ホプキンズ大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究による調査報告を掲載、それによると、2003年3月から2006年7月までの間に65万4965名以上のイラク人が死亡、そのうち60万1027名は暴力行為(要するに戦闘)が原因だという。イギリスのORB(オピニオン・リサーチ・ビジネス)は2007年夏までに約100万人が殺されたという調査結果を公表している。

 イラク攻撃を推進していたのはネオコンと呼ばれる親イスラエル派で、その中心グループに属すポール・ウォルフォウィッツは1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしている。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(3月、10月)1991年当時、ウォルフォウィッツは国防次官を務めていた。

 1991年12月にはソ連が消滅、ネオコンたちはアメリカが「唯一の超大国」になったと思い込み、目前に「パクスアメリカーナ」の時代があると認識、自立した「雑魚」を潰しにかかる。その基本プランが1992年2月に国防総省で作成されたDPGの草案。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。

 ソ連の消滅で世界は平和になると思った人びとは冷戦の構造を見誤っていたということである。武力による世界支配というアメリカ支配層の野望をソ連の存在が押さえ込んでいたのだ。実際、アメリカ支配層がソ連に圧勝できると考えたとき、全面核戦争の危機が高まった。そうした時期のひとつが1960年代の前半だ。

 アメリカの統合参謀本部(JCS)が1949年の段階に作成された研究報告で、ソ連の70都市へ133発の原爆を落とすということが書かれている。1954年にSAC(戦略空軍総司令部)が作成した計画では、1954年にSAC(戦略空軍総司令部)は600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すことになっている。そして1957年初頭には、300発の核爆弾でソ連の100都市を破壊するという「ドロップショット作戦」が作成された。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、1960年10月から62年9月までJCS議長を務めたリーマン・レムニッツァーやSAC司令官だったカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。そのために偽旗作戦のノースウッズも作成されたが、この目論見はジョン・F・ケネディ大統領によって阻止された。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンは2001年9月11日の攻撃で一気に動き出す。ネオコンの基本戦略はシリアとイランを分断することにあり、そのためにイラクのサダム・フセインを排除して親イスラエルの傀儡国家を成立させようとした。その口実に使われたのが大量破壊兵器。

 実際はそうした兵器をイラクが保有、あるいは開発している事実はなかったのだが、西側の政府や有力メディアは偽情報を盛んに流す。そうした中でもニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラー記者は目立った。その偽報道が露見すると彼女は同紙を2005年に辞めるが、07年には政策研究マンハッタン研究所へ迎え入れられ、08年にはFOXニューズに入る。2010年にはケイシーの家族やリチャード・メロン・スケイフという富豪が支援していたニューズマックスへ移籍した。また、偽報道の功績からか、CFR(外交問題評議会)のメンバーにもなっている。つまり、支配層から仲間として迎え入れられている。

 CFRが発行している雑誌、フォーリン・アフェアーの2006年3/4月号にアメリカはロシアや中国との核戦争で圧勝するとする論文が掲載された。これを書いたのはキール・リーバーとダリル・プレスで、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるとしている。アメリカの好戦派は1960年代と似た心理になっていたと言えるだろう。

 これに対し、ロシアはシリアで自分たちの軍事能力をアメリカに見せつけた。通常兵器での戦闘ならアメリカはロシアに負けると考える人は少なくない。歴史的に見てアメリカ軍が勝ったのは先住のインディアン、すでに国力が衰退していたラテン・アメリカのスペイン軍、そして日本くらいだろう。核兵器を手にして自分が世界の支配者になったと思ったようだが、ベトナムでもイラクでも勝てていない。シリアではアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)などワッハーブ派/サラフ主義者を主体とする集団、ウクライナではネオ・ナチを使って侵略戦争を繰り広げている。現在、ロシアや中国を軍事的に挑発しているが、通常兵器では勝てない以上、アメリカは核兵器に頼らざるをえない。2003年の先制攻撃によって、私たちはそうした世界に突入してしまった。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703120000/




55. 中川隆[7142] koaQ7Jey 2017年3月17日 18:56:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7613]

▲△▽▼

2017.03.17
逃げ場を失ったダーイッシュの指揮官たちを米軍がヘリコプターで救出しているとイラン系メディア

 アメリカ、サウジアラビア、イスラエルを中心とする国々がリビアやシリアで始めた侵略戦争の傭兵グループ、つまりアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は崩壊寸前にあるようだ。西側の有力メディア、「人権擁護団体」、あるいは国連などは侵略軍を攻撃しているシリア政府軍やロシア軍などを激しく批判しているが、戦況を変えることは難しいだろう。


 そうした中、アメリカ軍はイラクのモスルやシリアのデリゾールでダーイッシュの指揮官たちをヘリコプターで救出しているとイランのメディアは伝えている。ここにきて侵略軍は逃げ場を失っているので、そうせざるをえないのだろう。


 アル・カイダについてロビン・クック元英外相はCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルだと説明している。アル・カイダはアラビア語で「ベース」を意味し、「データベース」の訳語としても使われているようだ。なお、クックはこの指摘をした翌月、保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて死亡している。享年59歳だった。


 こうした訓練は1970年代の終盤にジミー・カーター政権の大統領補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが考えた戦略に基づいて始められた。アフガニスタンの武装集団とCIAを結びつけたのはパキスタンの情報機関ISI。資金を提供し、サラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心とする戦闘員を送り込んだのがサウジアラビア。アメリカはTOW対戦車ミサイルや携帯型のスティンガー対空ミサイルを提供、戦闘員を訓練していた。こうした構図の戦闘は1989年2月にソ連軍が撤退するまで続いた。


 2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された直後にジョージ・W・ブッシュ政権は証拠を示すことなく、アル・カイダという名前を「テロの象徴」として使い始める。その組織を率いているのがオサマ・ビン・ラディンだというのだが、この主張を嘘だとクック元英外相は2005年に指摘したわけだ。


 その翌年、フォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)の3/4月号にロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるとするキール・リーバーとダリル・プレスの論文が掲載された。ロシアや中国の反撃を恐れる必要はないという主張だ。当然、この論文はロシアや中国の人びとが読むことを念頭に置いて書かれたわけで、アメリカのすることの口出しするなという恫喝だったのだろう。


 その一方、2007年3月5日付けのニューヨーカー誌には、アメリカがイランとシリアを標的にした秘密工作を開始、イスラエルとサウジアラビアが参加していると調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが書いている。


 この工作を作成するにあたって中心的な役割を果たしたのはリチャード・チェイニー副大統領(当時。以下同じ)、ネオコンのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン国家安全保障問題担当顧問(元アメリカ駐在大使、後に総合情報庁長官)だという。ビン・スルタンはアル・カイダ系武装集団を動かしていた人物だ。


 2007年には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌に興味深い記事を書いている。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたというのだ。


 その記事の中で、ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで外交問題評議会の終身メンバーでもあるバリ・ナスルの発言を引用している。「サウジは相当な金融資産があり、ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係がある」としたうえで、「サウジは最悪のイスラム過激派を動員することができた。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」と指摘している。


 そのサウジアラビアの国王がアジア大陸の東岸に現れた意味は重い。彼らが見せびらかす札束の向こう側には地獄が存在している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703170000/



56. 中川隆[7296] koaQ7Jey 2017年3月23日 21:05:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7768]

▲△▽▼

2017年03月17日 米メディアを支配しているのは。。。
非常に長い記事ですのでかなり端折りました。

この記事の重要な点は、CIAがアメリカの主要メディアの全てを支配し、情報を操作・管理しながら、米国民だけでなく日本や世界の人々を騙してきたということです。アメリカの主要メディアはCIAのプロパガンダ・マシーンです。そしてアメリカのメディアの口パクでしかない日本のマスコミも同様にCIAから許可を得た記事やニュースしか報道できないようになっているのでしょう。CNNのニュースをそのまま報道しているのですから。。。

アメリカの主要メディアを支配しているのはユダヤ資本であり、CIAですから、NSAと同様にCIAもユダヤ資本(NWOの重要メンバー)に支配された機関ということになります。

CIAと呼ばれる極悪犯罪組織がアメリカの諜報機関として世界中で様々な犯罪を行ってきたのです。CIAは諜報機関などと呼ばれるような集団ではなく、秘密の犯罪組織です。
http://www.thedailysheeple.com/american-corporate-msm-is-merged-with-cia-and-has-been-since-the-1950s_032017 


(概要)3月16日付け


1940年代後半から1950年代前半にかけて、CIAのオペレーション・モッキングバードと呼ばれる秘密プロジェクトムが実行に移されました。その目的は、アメリカのメディアを支配し影響力を与えることで米国民が入手する情報や評論の全てを操作・統制・支配できるようにするためです。


この秘密プロジェクトは国家安全保障会議で考案されフランク・ウィスナー氏によって実行に移されました。

ウィスナー氏はワシントン・ポストのフィリップ・グレアム氏をメディア界におけるプロジェクトのトップに任命しました。また1950年代前半にはウィスナー氏はニューヨーク・タイムズ、ニューズウィーク、CBSを含む多くのメディア関係者を支配するようになりました。

1953年から1961年までCIA長官を務めたアレン・ダレス氏は1951年にCIAに加わりオペレーション・モッキングバードの主要作戦部員となりました。


1953年以降、メディアを支配するプロジェクトはCIA長官のアレン・ダレン氏が監督することになりました。当時、CIAは既に25社以上の新聞社と通信社に影響力を与えていました。


このプロジェクトは現在まで続いています。

メディアを通して報道されるニュースの全てがCIA及び関連の政府機関よって作成されたものです。つまり現在も主要メディアはCIAが作成する偽のニュースを報道するCIAのプロパガンダ・マシーンででり続けているということです。
報道を行ってきたということです。

CIAが完全に支配しているのは主要メディアだけではありません。彼等は芸能界も支配しています。

アメリカの主要メディアはCIAのアジェンダに沿った偽のニュースを報道するこどでCIAのプロパガンダを行っています。例えば、ブッシュ政権はジャーナリストにお金を払って反キューバの記事を書かせました。


テレビに出演したドイツのジャーナリストであり政治科学の専門家(Dr.Udo Ulfkotte)は、彼の名前で諜報機関が書いた記事を寄稿するよう命令されたと告白しました。命令に従わなかったDr.Ulfkotteは職を奪われました。彼によれば、アメリカとドイツのメディアは共に連携してヨーロッパやロシアで戦争を勃発させるための報道を行っています。彼等は反ロシアのプロパガンダを行いドイツだけでなくヨーロッパ中の人々を騙しています。


2014年に明らかになったことは。。。多くのジャーナリストが定期的にCIAから情報を受けとったり、CIAのイベントに参加したり、ジャーナリストが書いた記事をCIAに手渡しCIAに情報を加えてもらったり書き直してもらたりしているということです。

例えば、ロスアンゼルス・タイムズのリポーターも自分たちが書いた記事をCIAに確認(修正)してもらった後に報道します。

ペンタゴンも情報作戦行っています。2006年から、米軍の全部隊、師団、兵団は国内メディアを通して独自の心理作戦を実行してきました。このような軍事活動は、ラジオ局やニュース・ウェブサイトなどに資金を提供している国務省の報道キャンペーンと関連しています。

イギリスでは、国防省のDirectorate of Targeting and Information Operationsが、ベッドフォードシャーのDefence Intelligence and Security School の心理作戦のスペシャリストと連携してプロパガンダを行っています。

2013年に、CIAとワシントンポストの繋がりが明らかになりました。アマゾン及びワシントンポストのオーナーであるジェフ・ベゾフ氏はアマゾンのクラウド・テクノロジーのインフラに関してCIAと取引を行いました。つまりワシントンポストはCIAのプロパガンダのための報道を行っているのではないかと疑われるようになりました。

つい最近、トランプ大統領の国家安全保障担当補佐官だったマイケル・フリン氏が辞任に追い込まれましたが、これもCIAがメディアを使って反フリン氏の情報操作を行った結果です。

全ての主要メディアがフリン氏を辞任に追い込むためにヒステリックな報道をしていました。

また、フリン氏の会話を最初にリークしたのはワシントンポストでした。ワシントンポストはCIAの命令通りに情報をリークするはけ口なのです。

さらにフリン氏に対する攻撃はトランプが大統領になる前から始まっていました。オバマ政権が残りわずかになったころ、CIAのブレナン長官とクラッパー国家情報長官が大統領選中にロシアがハッキングをして情報をリークしたと騒ぎ立て、フリン氏がロシアと繋がっていることは国の安全を脅かすものだとフリン氏を非難した人物です。
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52004444.html




57. 中川隆[7387] koaQ7Jey 2017年3月28日 11:56:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7865]

▲△▽▼

2017.03.27
NATOがシチリア島を拠点として実施した艦隊演習「ダイナミック・マンタ」の目的は何か?(1)

NATOは地中海で艦隊演習「ダイナミック・マンタ2017」を3月14日から24日にかけて実施した。参加国はアメリカ(駆逐艦、潜水艦)のほか、カナダ(フリゲート艦)、フランス(駆逐艦、潜水艦)、ドイツ、ギリシャ(フリゲート艦、潜水艦)、イタリア(駆逐艦、潜水艦)、ノルウェー、スペイン(タンカー、フリゲート艦、潜水艦)、トルコ(フリゲート艦、潜水艦)、イギリス。水上の艦船が10隻、潜水艦が9隻、さらにP-8Aポセイドン(哨戒機)やヘリコプターも投入されたという。演習の拠点はシチリア島の東岸にあるカターニアのアウグスタ基地とシゴネラ基地だった。

言うまでもなく、シチリア島は地中海の真ん中にある要石的な存在であり、古代から戦争の舞台になってきた。北アフリカとヨーロッパをつなぐ中継地点であり、中東を睨む位置にもある。ここにきてロシア軍は中東での軍事的な存在感を強め、アメリカ/NATO、イスラエル、サウジアラビアなどの侵略戦争を妨害している。そうした動きも意識しているだろう。

2011年春にシリアやリビアで侵略戦争が始まり、同年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はNATO軍とアル・カイダ系武装集団LIFGなどの連携で倒され、その際にカダフィは惨殺されている。そのことをCBSのインタビュー中に知らされたヒラリー・クリントンが「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んぶ光景はインターネットで今でも見ることができる。

その直後、反カダフィ勢力の拠点だったベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メイル紙も伝えていているが、そのベンガジにあるCIAの施設を拠点にして戦闘員や武器/兵器がトルコ経由でシリアへ運ばれている。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたともいう。

2012年になるとアメリカの情報機関や特殊部隊がヨルダンの北部に設置された秘密基地で戦闘員を軍事訓練、その少なくとも一部はダーイッシュに合流していると報道された。トルコと同じようにヨルダンにはシリアへの侵入ルートがあると言われている。

その年の5月にはシリアのホムスで住民が虐殺され、西側は政府側は実行したと宣伝しはじめるのだが、現地を調査した東方カトリックの修道院長も反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と書いている。現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も、キリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えていた。

そうした中、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAは政府向けの報告書を作成した。反シリア政府軍の主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、アル・ヌスラはAQIの別名だと指摘している。つまりバラク・オバマ政権が主張するような「穏健派」は存在しないということであり、そうした武装集団は西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているともしている。さらに、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。CIAの工作を警告しているともとれる内容だ。

その報告書が出た翌月、2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺される。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていた。スティーブンスもCIAの秘密工作に加担していたわけだ。大使の上司にあたるクリントン国務長官(当時)も当然、知っていたはず。

当時のCIA長官、デイビッド・ペトレイアスはクリントン長官と近い関係にあり、この人脈からもクリントンは工作に関する情報を得ていた可能性が高いが、このペトレイアスは領事館襲撃の2カ月後、2012年11月にCIA長官を辞任した。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703270000/


2017.03.28
NATOがシチリア島を拠点として実施した艦隊演習「ダイナミック・マンタ」の目的は何か?(2)

2013年3月にシリア政府は反政府軍が化学兵器を使ったと発表、反政府軍も政府軍が実行した反論するのだが、これについてイスラエルのハーレツ紙は、攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測している。また、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言していた。

8月になるとダマスカス郊外のゴータで政府軍が化学兵器を使ったアメリカ政府は宣伝し始めるのだが、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使がアメリカ側の主張を否定する情報を国連で示し、報告書も提出している。

チュルキン対しが示した情報には、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾していることを示す文書や衛星写真が含まれていたようで、その後、国連内の雰囲気が大きく変化したという。

12月に調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍がサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があると指摘している。また、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授は、化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないというのだ。シリア政府軍が化学兵器を使ったという口実でアメリカはシリアへ軍事侵攻しようと目論んだが、この口実は崩壊したわけだ。

2013年1月30日に行われた4機のイスラエル戦闘機がシリアを攻撃しているが、その8日前、アビブ・コチャビAMAN(イスラエルの軍情報部)司令官はワシントンで攻撃計画を説明、同じ時期にイスラエル政府は安全保障担当の顧問、ヤコフ・アミドロールをロシアへ派遣して攻撃を通告していたとも言われている。2013年5月や14年12月にはシリア領内で大きな爆発があった。まるで地震のような揺れがあり、「巨大な金色のキノコに見える炎」が目撃された。爆発の様子を撮影したCCDカメラに画素が輝く現象(シンチレーション)も見られた。

2013年8月下旬にはNATOもシリアを攻撃する姿勢も見せ、9月3日には地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射されている。ロシアの早期警戒システムはミサイル発射をすぐに探知、2発のミサイルは海中に落ちた。その直後、イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表したが、事前に周辺国へ通告されてはいない。ジャミングで落とされたのではないかとも見られている。アメリカがイランと交渉するポーズを見せるのはそれ以降で、同年11月のイラン核開発に関する中間合意につながっている。

その当時、アメリカ政府はシリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備し、5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海に配備していたが、それに対抗してロシア軍は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道されている。地中海にはアメリカ軍、ロシア軍、中国軍の艦船が集結し、軍事衝突に発展しても不思議ではない状況にあったのだ。

シリアに対する直接的な軍事侵攻に失敗したネオコンなどアメリカの好戦派はソチ・オリンピックに合わせ、ウクライナでクーデターを実行、2014年2月23日にビクトル・ヤヌコビッチ大統領を憲法を無視する形で解任している。

中東では2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはモスルを制圧。この集団はアル・カイダ系武装集団から派生、後にダーイッシュ、IS、ISIS、ISILとも呼ばれるようになる。DIAの警告が現実化したわけだ。

その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れたが、それをアメリカ軍が黙認した。スパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報でアメリカの軍や情報機関は状況を把握していたはず。アメリカ政府を疑惑の目で見ている人は少なくない。

ダーイッシュによるモスル制圧から2カ月後の8月、サラフ主義者の支配国が出現する可能性を指摘した報告書が作成された当時のDIA局長、マイケル・フリン中将は退役に追い込まれた。

2011年10月から統合参謀本部議長を務めていたマーティン・デンプシー大将もアル・カイダ系武装集団などを危険視していたが、2015年9月25日に退役して好戦派が後釜にすわる。その3日後にロシアのウラジミル・プーチンが国連で演説、オバマ米大統領が自分たちに従えと威嚇したのに対し、プーチン露大統領は「自分がしでかしたことを理解しているのか?」とアメリカを公然と批判した。ロシアがシリアでアメリカの手先であるアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを空爆しはじめたのは演説の5日後だ。

この空爆でシリアの戦況は一変、政府軍が優位になり、侵略軍は崩壊寸前だ。アメリカは新たな戦闘集団を編成しようとしているとも言われているが、劣勢は否めない。そうしたロシア側の作戦の一環として昨年、ロシア海軍の重航空巡洋艦(空母)クズネツォフ提督を中心とする艦隊がシリア沖に派遣された。ロシア海軍は潜水艦を重視しているので、NATOによる今回の軍事演習が潜水艦をターゲットにしているのは必然だ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703280000/



58. 中川隆[7402] koaQ7Jey 2017年3月29日 08:24:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7881]

▲△▽▼

地中海の東岸、エジプトからギリシャにかけての地域に大量の天然ガスが存在している。2009年に発見されたのだが、USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると9兆8000億立方メートルの天然ガス、そして34億バーレルの原油が眠っているという。

シリアは1991年の時点でネオコンが殲滅すると宣言していた国であり、リビアはアフリカを自立させようとしていた国。

こうしたことから侵略され、リビアのムアンマル・アル・カダフィは倒されたのだが、この資源も「アラブの春」を引き起こした一因であり、イスラエルがガザ攻撃を激化させたのもそのためだと考える人もいる。


以前から、イスラエルにはシリアを経由し、トルコへパイプラインで運ぼうという計画がある。シリアのバシャール・アル・アサド体制がすぐに倒れていればイスラエルにとって問題はなかったのだろうが、ロシアの介入でその目論見は狂った。シリアの体制を転覆させるために送り込まれたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は敗走している。新たな戦闘集団をCIAは編成しているとも言われているが、厳しい状況だ。アサド政権と話をつけるため、ロシア政府に接近したようにも見える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703270000/




59. 中川隆[7496] koaQ7Jey 2017年4月03日 16:51:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7980]

▲△▽▼

2017.04.03
フリン中将は免責を条件に上下院の情報委員会で証言すると提案、秘密情報の発覚を議員は恐れる

免責を条件にマイケル・フリンは上院と下院の情報委員会で証言すると提案しているという。フリンは理由にならない理由で今年2月に国家安全保障担当補佐官を辞任、2014年8月にはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)をバシャール・アル・アサド政権を打倒するための手先として使っているバラク・オバマ政権と対立してDIA局長を解任されている人物だ。

フリンは退役後の2015年8月、アル・ジャジーラの番組に登場し、ダーイッシュが占領地を拡大できたのはオバマ政権の政策によると語っている。フリンがDIA局長だった2012年8月に作成されたDIAの報告書は、シリアで政府軍と戦っている勢力の中心をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・ヌスラというタグをシリアでは使っていたが、実態はAQIと同じだとしている)、つまり「穏健派」は存在しないとしたうえで、オバマ政権の「穏健派支援」が続けば東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があると指摘していた。

この警告通り、2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にダーイッシュはイラクのファルージャやモスルを制圧している。このとき、アメリカ軍はダーイッシュの制圧作戦、示威行進を黙認していた。ファルージャやモスルが制圧された2カ月後にフリンがDIA局長の職を解かれた理由は改めて言うまでもないだろう。

アル・ジャジーラの番組でフリンがオバマ政権の政策に触れることができたのは、2012年の報告書がすでに情報公開法に基づいて明らかにされ、秘密でなくなっていたからだ。職務上、機密情報を知りうる立場にある人物が機密情報を明らかにすることは禁じられている。

当然、フリンはオバマ、ヒラリー・クリントン、CIAなど情報機関などロシアとの関係を悪化させようとしている勢力にとって都合の悪い情報をまだ持っているはずだが、それらを口にすれば刑事罰が待っている。それがネオコンをはじめとする好戦派を守っているのだが、もしフリンが免責を認めえられたなら、アメリカの支配システムを揺るがす事態に発展しかねない。裏取引か脅しか、何らかの手を講じた上でなければ、上院や下院がフリンの提案を受け入れることはないだろう。議会は難しい決断を迫られていると見ている人もいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704030000/



60. 中川隆[7555] koaQ7Jey 2017年4月06日 13:54:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8040]

▲△▽▼

偽ニュースと偽TV専門家に苦しめられているアメリカ
Wayne MADSEN 2017年4月3日 Strategic Culture Foundation
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/tv-0b0e.html
最近、アメリカ上院情報特別委員会が、一部、ロシアが2016年選挙中にアメリカ合州国に対する大規模な“偽ニュース”キャンペーンを始めたという非難に向けた聴聞会を行った。代替の外国ニュース情報源が、アメリカ国民に人気があるのは、ロサンゼルスとニューヨークに本社を構える“娯楽情報”産業が、膨大な量の“まやかしニュース”をアメリカで、24時間、7日間たれ流して、アメリカのニュース視聴者を“白痴化”した後の現象であることを指摘する必要がある。

ロシア・トゥディ(RT)、中国のCCTV、アル・ジャジーラ、中南米のテレスールや、イランのPress TVが、アメリカ合州国に登場するやいなや、環境に適応できないハリウッド・スター連中に関するすっきりなしの子供だましではなく、本当のニュースを報道することで、彼らはあっと言う間に人気を得た。2001年9月11日のテロ攻撃以降、多くのアメリカ人は、外国ニュースが、ペンタゴン、中央情報局(CIA)や外交問題評議会のレンズを通して浄化されているのにうんざりしていたのだ。

多くのアメリカ人が、テレビを、RTやアル・ジャジーラや他の国際衛星ニュース・ネットワークに切り替え始めるやいなや、ニュースを装ったプロパガンダを行うのになじみがある当時の国務長官ヒラリー・クリントンなどのアメリカ政治家や、マスコミ内の連中の傀儡連中がアメリカ人を狙った“外国プロパガンダ”に文句を言いはじめた。アメリカ諜報機関のニュース操作者連中から見れば、“外国プロパガンダ”という表現は、“ラテン語の“プロパガンダ”という言葉は、アメリカの奥地に住む白痴化されたアメリカ人が理解するには難しすぎるので、現在は偽ニュース”に変更されている。

ロシアとトランプ政権を一挙に悪者扱いするため、CIAと国家安全保障局は、何人かの元職員に、テレビ、ラジオやツィッターにうってでて、ロシア政府とのつながりとされるものと、2016年選挙運動中、ロシアが指揮する“偽ニュース”アラシやボットに頼っていたかどで、トランプをこき下ろすのを認めている。CIA、NSA、国家安全保障会議や他のアメリカ諜報機関が、元職員や退職者にマスコミへの出演を奨励しているのは、アメリカ諜報界の狙いを推進するためだ。CIAの現場工作員はウソをつくように訓練されているのだ。ところが、ロシア、トランプ、外国ロビイストや他の“悪魔連中”についてわめき散らす、こうした偽プロパガンダ流布者を出演させれば満足のアメリカ・マスコミは、この事実を無視している。

MS-NBCが、アメリカ海軍在職中の最高職位が上級上等兵曹だった人物を“アメリカの諜報専門家”としているのは最大の欺瞞だ。この人物はあらゆる諜報情報にアクセスできていたかのように振る舞っているが、NSAのアラビア語専門家としての現役軍務でも許可されていなかったはずだ。下士官兵で、将校ではない上級上等兵曹も、少なくともMS-NBCプロデューサーにとって、二つ星や三つ星将官と比肩するものだったのだ。これは商業マスコミで、軍や諜報分野におけるわずかな経験を持った人々がどれだけ不足しているかの一例に過ぎない。

CNNが雇っている別の諜報“専門家”は、2001年初め、CIA湾岸問題局からジョージ・W・ブッシュの国家安全保障会議に転任させられていた。ところがトランプ ホワイト・ハウスに対する“ロシアの影響力”を激しく非難して胸を叩いている“専門家”は、サウジアラビアや湾岸諸国の金が、2001年初めと中頃、後に9/11攻撃をすることとなったアルカイダ・テロリスト集団への資金提供に使われていたことを確かめることができなかった。

フォックス・ニューズは、CIA後の自慢できることは、ニューヨークを本拠とするホスト、ドン・アイマスやグレッグ・“オピー”ヒューズやアンソニー・カミア (“オピー & アンソニー”)などの“過激発言をする”ラジオディスクジョッキー番組出演だという元CIA作戦職員“専門家”を起用している。この元CIA職員は、トランプの“ロシア問題”を、すべて元国家安全保障顧問マイケル・フリンになすりつける主要な発言者で、フリン最大の“犯罪”は、以前のロビーイング関係に関して、マイク・ペンス副大統領に正直に言わなかったことだと主張している。こうした偽情報流布の専門家者の念頭にあるのは、ペンスのような元インディアナ州ラジオ・トークショーの不気味なホストにウソをつくのは“犯罪”と同類だということだけかも知れない。

マイケル・モレル代理CIA長官や、ジョン・マクラフリンやマイケル・ヘイデンCIA・NSA長官や、CIA総合弁護士ジョン・リゾを含む元アメリカ諜報機関高官連中は、テレビに進んで出演し、トランプや彼の幹部を、ロシアとの接触で嘲笑している。これは、アメリカ
諜報権力過去にはなかった政治問題化の新たな高まりを示している。トランプ ホワイト・ハウスに対する厳しい報復を呼びかける連中の出演を進んで受け入れるあらゆるテレビ局に押し寄せることで、こうした諜報機関の陰の権力構造メンバー連中は、アメリカ政権に対する“陰の政府”の陰謀という主張を産み出しているのだ。

これらやらせ諜報専門家の口から語られる“ロシア”、“中国”、“ロシア銀行”やトランプ ホワイト・ハウスの脅威にまつわる延々と続く呼吸亢進は、CIA、NSA、国家情報長官事務所や、アメリカ・サイバー軍内部の情報工作組織が指揮しているものだ。これら専門家に、CIA、NSAや他の機関に“買収されている”議員連中が加わったプロパガンダに過ぎない。この連中には下院情報特別委員会筆頭理事アダム・シフ下院議員、上院情報特別委員会院長のリチャード・バー上院議員、上院情報特別委員会有力メンバーのマーク・ウォーナー上院議員、アリゾナ州のジョン・マケイン上院議員、サウスカロライナ州のリンジー・グラハム上院議員、カリフォルニア州のダイアン・ファインスタイン上院議員やオレゴン州のロン・ワイデン上院議員などがいる。

60年以上のCIAの歴史は、CIA偽情報・プロパガンダ工作を推進するよう仕組まれたニュース操作の例に満ちていることからして、CIAが突然“偽ニュース”を懸念するように改宗したのはお笑い種だ。CIAのモッキンバード作戦は、偽情報を広めるため、主要アメリカ新聞、放送局や雑誌出版社内に、CIA諜報機関の出先を作り出すことが狙いだった。そうすることで、この機関が、イラン、グアテマラ、シリア、英領ギアナ、イラク、ラオス、トーゴ、南ベトナム、ブラジル、ボリビア、インドネシア、ドミニカ共和国、ガーナ、カンボジア、チリ、オーストラリア、チャド、スリナム、グレナダ、フィジー、ブルキナファソ、パナマ、ガンビア、ルワンダ、ハイチ、ネパール、タイ、ホンジュラス、パラグアイ、リビアやウクライナの政府を転覆させてきたのを隠蔽するため、CIAは偽ニュース記事を作り出した。ジョン・F・ケネディ大統領に対する1963年クーデターも、このリストに加えることが可能だ、ケネディ暗殺を共謀した連中の一部が関与した1972年ウォーターゲート作戦は最終的にリチャード・ニクソン大統領を退陣させるよう仕組まれていた。

アメリカの諜報社会は、アメリカ合州国で、もう一つのマッカーシー時代を画策しているのだ。1955年に、反共産主義運動家ロバート・ストラウスツ・ヒュープが設立した、CIAとつながっている海外政策調査研究所で現在働いている、新たに作り出された“サイバー・セキュリティー専門家”元であるFBI職員クリント・ワッツは、2016年選挙におけるロシアの“干渉”に関する最近の上院情報特別委員会聴聞会で最重要証人だった。ジョセフ・マッカーシー上院議員やストラウスツ・ヒュープの1950年代の反ロシア・プロパガンダをオウム返しにして、ワッツはこう主張した。“2015年末から2016年頭まで、ロシアの影響を受けた体制が、大統領選挙結果に影響を与えようとして、話題やメッセージを押し出し始めた . . . ロシアによる公然のマスコミ言論と、非公然のアラシは、クレムリンに対する敵対的見解を持った政界内両派の競争相手を脇に追いやることを狙っていた”。

ワッツは、上院情報特別委員会メンバーのマルコ・ルビオ上院議員に、ルビオもそうした標的の一つだったと言った。ワッツは、マイアミ男娼としてのルビオのいかがわしい過去や、彼とマイアミのオンライン・ゲイ・ポルノ写真商売人とのつながりは全てロシアの“あらし屋”による産物だと全国に信じさせようとしたのだ。だが、ルビオの汚点は、上院議員の自業自得で、“ロシア”や他の外国のせいにできるものではない。1963年夏、彼のキューバ人の父親が、ニューオリンズで、リー・ハーヴェイ・オズワルドと一緒に活動していたことに関して、決して率直とは言えないテキサス州選出のテッド・クルス上院議員にも同じことが言える。

要するに、トランプとロシア“偽ニュース”に関する議会調査と、商業マスコミによる過剰宣伝報道など、すべてたわごとだ。偽ニュースで、何か教訓を得たいのであれば、CIAや、モッキンバード作戦や、この機関の“壮大なワーリッツァー”プロパガンダが、たわ言を言って、しっぽを振るマスコミに与えていた歴史を何かお読み頂きたい。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/04/03/america-plagued-with-fake-news-and-fake-tv-experts.html







61. 中川隆[7563] koaQ7Jey 2017年4月06日 18:45:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8048]

▲△▽▼

2017.04.06
またシリアで化学兵器が使われ、化学兵器を廃棄済みのシリア政府を西側は批判する合唱を始めた

シリアのイドリブで政府軍が化学兵器を使ったと西側の政府や有力メディアが再び叫んでいる。2013年にアメリカ/NATOは同じことを主張し、自らが軍事侵攻しようと目論んでいるが、このときは西側の嘘が明らかにされたこともあり、失敗に終わった。ここにきてドナルド・トランプ政権はネオコン色が強まっているが、それにともない、昔のシナリオを持ち出してきた可能性がある。

シリア政府は化学兵器の使用を否定、ロシア国防省は反政府軍の武器庫を通常の兵器で攻撃、その武器庫に保管されていた化学兵器が破壊されて環境中へ毒ガスが流れ出たと説明しているようだ。前回の化学兵器騒動の際、西側が侵略する口実をなくすため、ロシア政府が主導してシリア軍が保有していた化学兵器は全て処分した。現在、持っているのは反政府軍(アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ)。ムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された後、アメリカ/NATOなどがリビアからシリアへ化学兵器を持ち込んだほか、トルコが提供したとも言われている。

2013年の化学兵器使用は3月と8月の2回。3月はアレッポで使われ、シリア政府はすぐに調査を要請、西側の政府やメディアは政府軍が使ったと宣伝した。そのとき、アメリカのジョン・ケリー国務長官がイラン側との秘密交渉を始めている。そうした動きをネオコンたち好戦派は嫌っていた。

この攻撃について、イスラエルのハーレツ紙は状況から反政府軍が使ったと分析、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。

3月の攻撃に関する国連の調査が始まる中、8月21日にはダマスカスの郊外が化学兵器で攻撃された。例によって西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、NATOを軍事介入させようとするが、現地からそうした宣伝を否定する情報が流れていた。

今年2月20日に心臓発作で急死したロシアのビタリー・チュルキン国連大使は当時、アメリカ側の主張を否定する情報を国連で示して報告書も提出している。その中で反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾していることを示す文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。

そのほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事も書かれ、10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話が流れた。

12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

また、こうした化学兵器の使用について、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)が調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。

今回も西側の政府やメディアはシリア政府が化学兵器を使用したと批判しているが、そうした宣伝記事を書いているひとり、ニューヨーク・タイムズ紙のマイケル・ゴードンはアメリカがイランを先制攻撃する前、ジュディス・ミラーと一緒に原爆話を流していた人物。ミラーは現在、CFR(外交問題評議会)のメンバーであり、ゴードンは軍事担当記者として「活躍」している。ふたりともアメリカ支配層の覚えがめでたいようだ。ゴードンはウクライナの問題でもロシア軍が軍事侵攻したという偽情報を流している。

日本にはこうしたアメリカの有力メディアを有り難がっている人が今でもいるようだ。おそらく確信犯であるだろうマスコミはともかく、ほかの人びとはいい加減、目を覚ましてもらいたいものである。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704060000/



62. 中川隆[7577] koaQ7Jey 2017年4月07日 14:03:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8062]

▲△▽▼

2017.04.07
バノンをNSCから排除したトランプ政権は親イスラエル派で固められ、ネオコンの好戦的戦略へ回帰


ドナルド・トランプ大統領は4月5日、首席戦略官のステファン・バノンをNSC(国家安全保障会議)から追い出した。メディアからは「極右」のタグをつけられていたが、そうしたタグが当てにならないことは言うまでもない。これまでバノンはグローバル化、つまり資本の移動制限をなくし、生産拠点を労働環境の劣悪、つまり生産コストが安い国々へ移動させてきた勢力を批判、こうした主張が支配層から嫌われる原因になっていた。「極右」というタグで何かを理解した気になるのは危険だ。

トランプ政権ではロシアとの関係正常化を訴えいてたマイケル・フリン国家安全保障担当補佐官が2月13日に辞任、その一方でネオコンとの関係を強めているようだ。例えば、イスラエルと緊密な関係にあり、ロシアへの憎悪を剝き出しにしているニッキ・ハーレーを国連大使に据え、筋金入りの親イスラエル派でヨルダン川西岸への入植を支援してきたデイビッド・フリードマンをイスラエル駐在大使に指名した。

そうした中、シリアではイドリブで化学兵器が使われ、アメリカ、イギリス、フランス、イスラエルといった国々は調査もしない段階でシリア政府を激しく罵倒、ハーレー大使は国連に対し、アメリカの命令に従わなければ単独行動に出ると脅した。これは1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンの考え方だ。本ブログでも紹介したが、少し前に新たな戦闘集団をCIAは編成しているという話が流れていたが、そうした動きと今回の化学兵器の問題は関係しているかもしれない。

現在、流れている未確認情報によると、4月2日頃、トルコからシリアのハマへ向かった車列があり、そこには対戦車ミサイルTOWのほか、ガスマスクを含む化学戦用の防護服が積まれていたという。その途中、イドリブに立ち寄り、そこの武器庫に保管されていた化学兵器を積み込んでハマへ向かい、そこで使用する予定だったともされている。

ロシアの説明では、その武器庫をシリア軍が空爆したとしているが、シリア軍は爆発に自分たちは無関係だと主張、現場を飛んだ航空機は爆発後に派遣した偵察機だけだとしている。こうしたことも含め、詳しい調査が必要なのだが、アメリカなど西側の支配層としては、調査が進む前にシリア政府やロシア政府の悪いイメージを作り上げたいのだろう。

何か衝撃的な出来事が引き起こされ、調査しない段階で事件のシナリオを宣伝、人びとを守るという口実で軍事侵攻し、ターゲットになった国を破壊し、人びとを虐殺するということをアメリカの支配層は繰り返してきたが、今回もそうしたことを目論んでいるように見える。

ユーゴスラビア、南オセチア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなど、アメリカの主張はいずれも嘘だということが後に判明している。判明した時には破壊と殺戮が進み、取り返しはつかない。そうしたことを経験しながらアメリカの新たな嘘に乗る責任は重い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704060000/


2017.04.07
アメリカの支配層は東アジアも中東も戦争で破壊と殺戮を繰り広げようとしている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070000/

ヒラリー・クリントンが2013年にゴールドマン・サックスで発言:朝鮮がミサイル開発を進めたなら中国へアメリカはミサイルの標的にする。中国を標的にするため、朝鮮にミサイル開発を進めさせるとも聞こえる。


イラクを先制攻撃する口実にするため、アメリカの有力メディアは「大量破壊兵器」という嘘を広めた。そうした記事を書いたひとり、ニューヨーク・タイムズ紙のマイケル・ゴードンは調査もせず、シリア政府が化学兵器を使用したとする話を垂れ流し。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070000/

2017.04.07
西側の政府や有力メディアが情報源にしているSOHRや白ヘルは米英情報機関やアル・カイダと連携
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070002/


シリアのイドリブで化学兵器が使われ、多くの住民が殺されたという話の出所は「西側御用達」の白ヘルと「SOHR(シリア人権監視所)」のようだ。白ヘルの責任者であるラエド・サレーはアメリカへの入国を拒否された人物で、創設者のジェームズ・ル・メジャーはイギリスの元軍人で、傭兵会社のブラックウォーター(後にXe、さらにアカデミへ名称変更)で働いていたことがあり、アメリカ政府やイギリス政府から資金が提供されている。


2016年4月27日、アメリカ国務省の副スポークスパーソンだったマーク・トナーは白ヘルがUSAIDから2300万ドル受け取っていることを認めている。またSOHRは2006年にイギリスで設立された小規模な「団体」で、設立当時からCIAやイギリスの情報機関MI6が背後にいると指摘されていた。この白ヘルがアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)と緊密な関係にあることも有名だ。(例えば、ココやココやココ)

白ヘルの「医療行為」に疑問を表明している医師もいる。もし生きている人間に行ったら殺してしまうようなことをしているというのだ。2013年の時にも言われたが、アメリカなどの支援を受けたアル・カイダ系武装集団は子どもを拉致、それを犠牲者に仕立て上げている疑いもある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070002/
ヒラリー・クリントンが2013年にゴールドマン・サックスで発言:朝鮮がミサイル開発を進めたなら中国へアメリカはミサイルの標的にする。中国を標的にするため、朝鮮にミサイル開発を進めさせるとも聞こえる。


イラクを先制攻撃する口実にするため、アメリカの有力メディアは「大量破壊兵器」という嘘を広めた。そうした記事を書いたひとり、ニューヨーク・タイムズ紙のマイケル・ゴードンは調査もせず、シリア政府が化学兵器を使用したとする話を垂れ流し。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070000/






63. 中川隆[7588] koaQ7Jey 2017年4月08日 00:00:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8075]

▲△▽▼

2017.04.07
米支配層はオバマ政権の時代から化学兵器使用の濡れ衣をシリア政府へ着せて侵略を狙ってきた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070003/

シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、シリア国内で化学兵器を使用し、その責任をシリア政府になすりつけて軍事侵略を正当化しようという偽旗作戦をバラク・オバマ政権が許可したとイギリスのデイリー・メール紙が報道したのは2013年1月29日のことだった。


3月中旬になると、アメリカ、イギリス、フランスが反アサド軍の戦闘員を集め、ヨルダンで訓練していると報道されているが、その直後の3月19日にアレッポで化学兵器が使用されたと言われている。

ところが、その5日後になるとイスラエルのハーレツ紙は化学兵器を使ったのは政府軍ではなく反政府軍だった可能性が高いと報道、5月になると攻撃を調べていた国連の独立調査委員会のメンバー、カーラ・デル・ポンテも政府軍でなく反政府軍が使用した可能性が高いと発言する。それほど3月の偽旗作戦は稚拙だったということだ。

最初の攻撃から5カ月後、8月21日にダマスカスに近いゴータで再び化学兵器が使用され、アメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアはシリア政府に責任をなすりつける宣伝を展開したが、29日にはサウジアラビアが化学兵器を反政府軍に提供したと報道されている。


その間、ロシア政府はロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。このチュルキンは今年2月20日、心臓発作で急死している。

その後も調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ、あるいは国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授たちがアメリカ政府の主張を否定する報告をした。


ハーシュのレポートによると、マーチン・デンプシー議長時代の統合雄参謀本部やマイケル・フリン局長時代のDIAはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を危険な存在だと認識、そうした勢力を支援していたオバマ政権と対立していたことも明らかにしている。そのフリンは2014年8月7日、デンプシーは15年9月25日に任を解かれた。

ネオコンなど好戦派は軍を押さえ込み、ロシアとの戦争へ驀進している。すでにアメリカはドルという基軸通貨を発行する特権で生きながらえている状態で、そのドルを支える仕組みに組み込まれているサウジアラビアは石油価格の下落や侵略戦争の泥沼化で財政は厳しい状況になっている。このまま進めばアメリカにしろサウジアラビアにしろ、支配システムが崩壊するのは時間の問題になっている。19世紀にイギリスは経済の破綻を中国への軍事侵略(アヘン戦争)で何とか乗り切ったが、アメリカも同じことを目論んでいるのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704070003/


5. 中川隆[7590] koaQ7Jey 2017年4月08日 09:03:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8077]

2017.04.08
米軍が巡航ミサイルでシリア軍を攻撃、そうした状況を利用してダーイッシュが反撃に出ている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704080000/

アメリカ軍は4月7日、シリアの軍事施設に59発の巡航ミサイル(トマホーク)を撃ち込んで23発が目標に命中、シリア軍にダメージを与えた。そうした状況を利用し、パルミラ周辺ではダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が反撃に出ていると伝えあれている。

2015年9月30日にロシア軍が空爆を始めてからアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュの支配地域は急速に縮小、戦争の終結も近づいたと見られていた。そこでアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュに替わってアメリカ軍が要衝へ入ってシリア軍の進撃を阻止する体制を整えていた。CIAが新たな戦闘集団を編成しているとも伝えられていたが、今回の巡航ミサイルによる攻撃は、そうした動きに連動している可能性がある。

シリア政府軍が化学兵器を保有していないことは西側の政府もメディアも承知しているはずで、今回のシナリオは嘘がばれることを承知で叫んでいる。2013年にも化学兵器の使用を口実にシリアへアメリカ/NATOは直接的な軍事介入をしようと試みたが、その時は攻撃から1週間ほどでアメリカ側の嘘が指摘されはじめた。今回、化学兵器使用が話題になってすぐにアメリカ軍は攻撃した理由はその辺にあるだろう。

本ブログでも紹介したように、昨年8月、マイク・モレル元CIA副長官(2011年7月1日から9月6日、12年11月9日から13年3月8日の期間は長官代理)はチャーリー・ローズのインタビューでロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われるとその通りだと答えている。

この発言の後、射殺を含め、ロシアの幹部外交官が相次いで急死、ウラジミル・プーチンの専属ドライバーは尋常でない交通事故で死亡している。乗っていた大統領専用車は大破した。この段階でアメリカの支配層はロシアと戦争を始めたと見る人もいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704080000/


6. 中川隆[7592] koaQ7Jey 2017年4月08日 09:07:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8079]

2017年01月17日 世界を支配しているCIA3派とは・・・・
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52001108.html


非常に長い記事ですので一部をざっくりと訳してみました。全てをお伝えできず残念ですが、残りの部分はサイト内の本文をご覧ください。

この記事はCIAについて非常に詳細に説明してくれています。そして世界を実際に支配しているのはCIAの3派閥だとも言っています。これらの3派閥で内紛が勃発しているそうです。またCIA 対 NSAの闘争も起きているそうです。彼らの戦いが激化して共倒れすることを願うばかりです。

日本の政治家もCIAに暗殺されていますが、トランプ氏もケネディ大統領と同様に彼らに暗殺される危険性があります。CIAとは関係がなくスキャンダルも少ないトランプ氏はCIAと主要メディアと戦っていることがよくわかります。主要メディア(日本のマスコミも含め)は、大統領就任式間近の今、反トランプの情報操作を激化しています。マスコミはトランプ氏の暴言について嘲笑しながら伝えていますが、トランプ氏の暴言の内容は非常にまともで本当のことを言っています。これほど本当のことをストレートにいう政治家はいままでいなかったでしょう。
激しくののしっているように聞こえますが、トランプ氏はオルターナティブ・メディアが伝える内容をそのまま言葉にしているだけです。想像以上にアメリカの闇を知り尽くしているのでしょうね。


http://themillenniumreport.com/2017/01/exposed-cia-the-swamp-monsters/

(一部のみ)

1月14日付け

EXPOSED: CIA –The Swamp Monsters

世界を支配しているCIAの3派

By the Anonymous Patriots

The Millennium Report Exclusive

(非常に長い記事ですので、一部しかお伝えできません。ご了承ください。残りの部分はサイト内の記事をご覧ください。)

CIAの国内におけるスパイ活動は全ての米国民を標的にしている。いつ米国民がCIAに狙われ銃で撃たれてもおかしくない状況にある。

大統領選での様々なハッキング騒動は大統領選を無効にするためにCIAが行った偽旗であり、これには国を混乱に陥れているCIAの派閥争いも絡んでいる。
現在、CIAの派閥闘争及びCIAとCIAほど重要でない他の諜報機関(FBI、NSA、国土安全保障省、NIA国家情報機関、その他)の闘争が進行中である。
このような諜報機関同士のスキャンダル合戦は今に始まったものではないが。
米政府の代弁者でしかない主要メディアでさえ、米諜報機関同士の争いが起きていることを報道している。


CIAは他の全ての政府系諜報機関のトップに君臨している。
大統領令は極秘に扱われ、CIA以外の諜報機関には知らされることはない。
大統領の国際的な極秘事項に対してはCIA以外の諜報機関は部外者となる。

現在、オバマ大統領は、米議会、最高裁判所、米国民の承認を得ずに国際戦争を行っている。オバマ大統領は、NDAA(直訳:国防権限法)を修正し大統領の権限を増大させたため、米議会の承認なしに国内外で様々な戦争を行うことができるようになった。オバマはこの8年間で数々の違法な大統領令を確立させ、大統領の権限をかつてないほどに増大させた。


オバマが確立させた大統領令の下で国の安全を理由に大統領はアメリカの全資産を強奪できるようになった。

更に恐ろしいことは、CIAは、国際安全保障の名の下に大統領の上に立つことができるということだ。


CIAは、米連邦議会、大統領、米国民よりも優位な位置に自らを置き、秘密裡に何でも行えるようになってしまった。
CIAの絶大な権限で主要メディアはトランプ次期大統領に関するねつ造報道(ロシアのハッキングやロシアの脅迫など)を展開している。イギリスからこの国へ偽の調査書類が送られた。そしてCIAはトランプ次期大統領に対する


組織的誹謗中傷キャンペーンを実施している。


DNI国家情報長官のジェームズ・クラッパー氏(James Clapper)はCIAが提出した偽の調査書類に同意したことで、政府諜報機関の無能さが露呈した。


1981年にレーガ大統領が大統領令によりDNI国家情報長官を創設した主な理由は、米軍の高級将官が運営していたNSAをなくすためだった。DNIの職務はCIAの監視役として定義され、全諜報機関のトップに立った。しかし彼はCIAを支配することはできない。

国内外の情報活動に携わっている政府機関は世界各地に1271機関あり、政府から委託された民間会社は1931社存在する。つまり、85万4千人以上の職員が機密情報を取り扱っている。
諜報部員は85万4千人以上存在する。


クラッパーDNI国家情報長官は米議会で真実を話すことを宣言したにも関わらず、NSAは米国民の個人情報を収集していないと嘘をついた。
クラッパー氏はDNIに任命される前に、英軍に機密情報を提供している会社(Detica)の業務最高責任者を務めていた。同時に他の民間諜報機関(SRAとBoozAllen Hamilton)にも勤務していた。


クラッパー氏は諜報活動のための約75億ドルの年間国家予算を管理している。また彼はイギリスの元民間スパイである。それでも彼はトランプ氏に関する主要メディアのねつ造報道を見抜けなかったのである。
つまりこの男はプロの諜報部員を従えて年間75億ドルの予算を管理してるのにもかかわらず、CIAがトランプ氏を中傷するために偽の情報を流していることにさえ気づいていないのだ。
一方、我々市民は独立メディアの情報によりその真実を知っている。

法治国家であるならば、CIAによる次期大統領に関するねつ造報道は違法行為と見なされるがアメリカは法治国家ではない。

クラッパー氏は、現在、17の諜報機関(CIA、NSA、国土安全保障省、FBI、国務省、財務省、国防情報局、空軍情報局、陸軍情報局、米海兵隊情報局、沿岸警備情報局、エネルギー省、国家偵察局、麻薬取締局、国家地理空間情報局)のトップに君臨している。同時に彼は今でも3つの政府請負会社(Detica、BAE Systems、SRAインターナショナル、Booz Allen Hamilton)の取締役である。
クラッパー氏はアメリカの全ての情報機関を支配しているが、同時にアメリカの敵でもある。

彼は外国の諜報機関に所属してアメリカをスパイしていたこともある。
彼はアメリカの国家諜報機関のトップに上りつめ、全権力とカネを手に入れた。


オバマがクラッパー氏を国家諜報機関のトップに任命してから、アメリカではねつ造報道のオンパレードとなり、多国籍グローバリストの利益のために売国されるようになった。
CIAは国外の違法なハッカーを雇ってサイバー攻撃を行わせている。ヒラリーと民主党全国大会は彼らのサーバーがハッキングされた後にその調査を国外の民間会社に依頼した。しかしロシアが彼らのサーバーをハッキングした証拠は一切見つかっていない。

ほんの数人に権力が集中すると、必ず誤った方向へ進んでしまう。クラッパー氏は正確な情報を提供することに興味はない。彼はナチスの情報局と同様に単なるプロパガンダ・マシーンなのだ。
クラッパー氏は17の諜報機関を使って、彼らが流す情報は全て正しいと証拠もなしに我々に信じさせようとしている。

オバマの大統領令により、NSAは米国民と世界人類を監視することが可能となった。NSAが盗みとった個人データは全諜報機関が共有している。

スイス、ジュネーブのCIA海外本部はスイスの金融スキャンダルやCIAの犯罪活動に関わっている。


CIAのCiscoルーターやサーバーはNSAによってスパイされCIAの犯罪活動がNSAに知られてしまった。その結果、CIAと共謀したスイスの金融エリートらが逮捕された。NSAは今後もCIAに対するスパイを行っていく。

CIAのスイス本部は極秘施設であり、そこのサーバーがハッキングされたことでCIAは激怒した。
NSAに対するCIAの反撃として、CIA請負エージェントのエドワード・スノーデンを使って、NSAが米国民の個人情報を盗んでいることを示す大量のデータをリークさせた。


CIAは、CIAの3派閥を暴露したNSAがこれ以上CIAをスパイできないように対策を講じている。
クラッパー氏は米議会に呼ばれる度にNSAはスパイ活動を行っていないと嘘の証言をした。

CIAとNSAの闘争の中で、CIAはCisco SystemsやDARPAなどの活動情報をNSAに盗まれないようにした。

現在、CIA、NSAそして他の諜報機関の情報操作、情報収集合戦が進行中である。
しかしCIAは国際安全保障を担っているため国家安全保障を担当するNSAよりも優位に立っている。

CIAは国際的な紛争や事件に必ず関与している。通貨戦争、市場戦争、金融戦争、サイバー戦争、麻薬戦争そしてテロは常にCIAの関心事である。

オバマのNDAAは軍隊がテロリストと見なされた米国民を攻撃することを可能にした。愛国法により、CIAは米国民、企業、機関がテロリストでないことを証明できるまでテロリストと見なすことが可能となった。

CIAは3つの派閥に分類されており、世界中のスパイ活動を通して大きな利益を得ている。
アメリカはCIAに支配されており、ワシントンDCはCIAの泥沼の怪獣に包囲されている。
CIAは国内外で偽旗事件や非人道的犯罪を繰り返している。CIAによる殺人行為で無数の人々が犠牲になり、3兆ドルものアメリカの納税者の血税が無駄に使われた。CIAは国際戦争を勃発させるための偽旗事件を仕掛ける。またCIAはメディアを支配しサブリミナル・メッセージを流すことにより人々を洗脳している。


CIAは、元祖CIA(金に裏付けられたCIA=GB-CIA)、ブッシュCIA、Ex−CIAの3派閥に分かれている。それらの3派閥がアメリカや世界を支配してきた。


GB-CIA:Gold backed CIA

元祖CIA(OSS)は第二次世界大戦中に世界の国々から金(Gold)を盗んだ。ドイツや日本が他の国々から奪い取った金もCIAが奪った。しかしCIAは盗んだ金を返還するつもりはない。CIAが盗んだ金はアメリカには保管されておらず、フィリピンとスイスに保管されている。

GB-CIAはアメリカの国益のために海外で活動することになっているが、彼らは通貨市場、債券市場、株式市場に関与し世界中に影響をあたえている。

GB-CIAのメンバーは米財務省及びアメリカの経済政策を決めるESF経済安定資金に多く入りこんでいる。 ESFは通貨、債券、株式市場を操作し、FRBに金融政策を指示している。ESFはGB‐CIAにとってアメリカの金融市場を支配する上で最も都合の良いツールである。
GB-CIAこそがアメリカ経済を支配している。


GB-CIAは欲深く、世界中に戦争を仕掛けて富を強奪している。邪魔者は容赦なく殺害する。CIAは世界中で数々の残忍な犯罪活動を行っている。
ブッシュやクリントン周辺では、彼らに批判的な銀行のトップ、ブローカー、内部告発者が次々に不審死を遂げている。これまで数百人が殺害された。

また、GB-CIA は、彼らの性的異常行為、ピードフィリア(小児性愛犯罪)、悪魔崇拝の生贄儀式に多くの政治家や企業家を取り込んでいる。彼らは世界的な小児性愛犯罪ネットワークを構築させた。また、彼らは、難民のチャリティ団体を活用して世界最大の性奴隷の人身売買市場を運営している。また世界の麻薬密売も牛耳っており、イランーコントラ・スキャンダルやアフガニスタンのケシ栽培を行ってきた。
彼らは、麻薬、セックス、権力、支配、悪魔崇拝という通貨で絶大な権力を買っている。

Bush CIA (ブッシュ、クリントン、オバマ犯罪ファミリーとも呼ばれる):

パパブッシュが副大統領時代にブッシュCIAが正式に創設された。アメリカの16の諜報機関は国家情報長官によって支配されている。パパブッシュはCIA長官も務めたことがある。レーガン政権を支配していたのはパパブッシュである。彼はレーガンによってアメリカの外交政策の責任者に任命された。当時、パパブッシュはCIAの戦術を使ってソ連を崩壊させた。


パパブッシュ政権時代にジョージ・ソロスとレオ・ワンタが米財務省の偽の米国債を使ってロシア通貨を攻撃し不安定化した。

パパブッシュの兄(弟)は、Riggs Bankを経営しており、その傘下にVelment Bankを創設し、ロシアから奪ったお金とゴールドをロンダリングしている。一部のお金はミット・ロムニーの会社、Bain Capitalを介してロンダリングされた。
ソ連崩壊後、パパブッシュとブッシュのネオコン攻撃部隊(Vulcans)はロシア及びソ連から独立した国々から全ての資産(特に石油)を奪った。パパブッシュとキッシンジャーは、ブッシュCIAのごろつき集団の犯罪を介して個人的に巨額の富を得た。
パパブッシュはブッシュCIAのごろつき集団にホワイトハウス、司法省、国務省を取り込み、勢力を拡大した。その結果、CIAの犯罪は全て連邦判事や国務省の高官によって見逃された。

ブッシュ家はクリントン家とビル・クリントンがアーカンソー州知事になる前から親しい関係にあり、オバマの母親は元CIAエージェントである。そのためオバマは生まれた時からCIAと深い結びつきがあった。オバマは完全にCIAの創造物である。
オバマが抱える問題は、CIAの3派閥ともつながりがあることであり、どの派閥に属してよいのかわからない。彼のめちゃくちゃな政策は、GB-CIAとブッシュCIAの両派閥を満足させようとしたからに他ならない。


ピザゲートで悪名高いジョン・ポデスタ氏と彼の兄(弟)はワシントンで最も有力なロビーストであり、レーガン政権時代から米政府の小児性愛組織を牛耳ってきた。
パパブッシュはレーガン政権の事実上の権力者だったが、当時からホワイトハウスでは小児性愛犯罪が日常的に行われていた。
ホワイトハウスがこのような性犯罪を堂々と行っていたことで連邦議員らの倫理が完全に崩壊した。


パパブッシュはケネディを暗殺したCIAを当時から支配し続けており、やりたい放題のことをやってきた。誰もそれを止めることはできなかった。パパブッシュはレーガン大統領の暗殺も企てたが失敗した。

ホワイトハウスも司法省も国務省もCIAの犯罪行為に慣れてしまい、CIAや政治家の犯罪をひたすら隠蔽してきた。

ケネディが暗殺されたとき、パパブッシュはCIAエージェントだった。
当時GB-CIAは世界の地政学的領域で独占するようになり、政治リーダーの暗殺を行うことで政権を変えることが可能になったとパパブッシュは認識した。
当時、パパブッシュは外交政策の責任者としてCFR(元CIA、政府の諜報部員及び企業の諜報部員で構成されている)の命令に従って政策を実行していた。また、パパブッシュは自分が任命した政治家全員の脅迫状リストを作成し彼らに命令に従うことを約束させた。


パパブッシュはサウジ王族と非常に親しい関係を築いた。そして彼の人生の多くをサウジの宮殿で過ごすことになった。パパブッシュは世界最大の武器商人、麻薬王、マフィア、王族、金融詐欺集団と協力関係にあった。彼はどこの国を訪れてもセキュリティに引っかかることなく自由に入国を許され、彼のビジネス(犯罪活動)を世界中で展開することができた。

最終的にGB-CIAはブッシュCIAの活動に気が付き、両者間の緊張が高まった。


パパブッシュは、配下のジョージ・ソロスとレオ・ワンタがロシア通貨を崩壊させ巨額の富を得た時、ロシアから大量の
金(ゴールド)を盗んだ。
そしてその2年間でパパブッシュは絶大な権力と富を獲得し、ブッシュCIAとGB-CIAのいがみ合いが悪化した。GB-CIAはブッシュの協力を得て政府とのつながりを持ちたかった。彼らはクリントン大統領が単にパパブッシュの命令で動いていることを知っていた。


Ex-CIA:


既にGB-CIA対ブッシュCIAの対立が激化している中で、Ex-CIAがそれに参戦している。
政治家を脅迫して政権を変えることが好きなGB-CIAと非常に欲深く際限のない権力闘争に明け暮れるブッシュCIAの対立を逆手に取りEx-CIAはこれらの2派閥の戦術と利権を盗もうと考えた。多くのEx-CIAは、政府を去り、利益の多い民間の諜報機関に籍を置いている。民間諜報機関はアメリカの諜報活動の65%を行っている。

Ex-CIAは、政府、銀行、企業の最高の地位にいた元CIAエージェントたちである。また、Ex-CIAは、GB-CIA及びブッシュCIAで働いていたエージェントらによる無秩序スパイ集団として創設された。

Ex-CIAのメンバーは政府や大企業で最高の地位を獲得している。
弁護士のジミー・コメィ氏は、FBI長官になる前に、ニューヨーク南部の連邦検事、検事副総長、米最大の軍事契約企業、ロックヒードマーチン社の上席副社長、CIA関連企業の相談役、CIA銀行のHSBC及びGB-CIAの金を保管しているHSBCホールディングズの理事を務めていた。
CIAの高級エージェントはこのよう昇進の梯子を上っていく。


コメィ長官はFBIを去ったあとに別の場所で高い地位を得ることで、 彼が犯罪によって獲得した巨額の富は守られることになる。コメィ長官はCIAの3派閥の命令に従って動いていた。

ジョン・ブレナンCIA長官は、長官になる前に国土安全保障省の副補佐官、サウジアラビアのステーションチーフ、国家反テロセンターの所長、諜報ネットワークのAnalysis CorporationのCEO、National Security Allianceの会長、 Global Strategies 、GlobalIntelligence SolutionsそしてGTECの主任エージェントだった。


これらの3派閥はシリアで破壊活動を行っている。シリアでCIAはペンタゴンが支援している部隊を攻撃していることが明らかになった。

アレッポの外側でアメリカが支援している3つの集団がお互いに戦っていることが分かった。この事実を隠蔽するためにオバマはクラッパー氏に偽の情報を流すよう命令した。
それこそが、ロシアがトランプ氏を脅迫していることや大統領選でロシアがハッキング行為を行ったとするねつ造報道である。また、国土安全保障省が有権者のデータベースをハッキングしたと報道されたのはシリアにおけるオバマの個人的な戦争の実態を隠すための偽装工作である。

クラッパー氏、ブレナン氏、コメィ氏は共に17の諜報機関がメディアを介してねつ造報道を行うことに賛成した。トランプ氏に対する彼らの攻撃により、CIAの3派閥の汚職、共謀、グローバリズム・アジェンダ、反米姿勢が明らかになった。


トランプ氏はCIAに刃向かう戦士である。

トランプ氏はグローバリズムと戦い法の支配を推し進めているため、CIAの3派閥の一番の敵となった。


CIAの3派閥は法の上に君臨して権力を悪用しているが、反グローバリズム、反NWOのトランプ氏が大統領に選ばれたことで彼らはかなりの衝撃を受けている。そのため、3派閥はトランプ氏の信用を落とすためにあらゆる情報操作を行っている。また、彼らが継続的に行ってきた数々の邪悪な犯罪を隠蔽しようとしている。また、ケネディがやろうとして失敗したことをトランプ氏がやろうとしているため、それを阻止しようとしている。


トランプ氏は、CIAがCIAメンバーとCIAの利権を守るためなら容赦なく人を殺すことを知っており、彼の命が危険にさらされていることを十分認識している。
CIAはトランプ氏についての調査書類を持っておらず、彼がワイルドカードだったことをCIAは知らなかった。トランプ氏にはこれまで明らかになったスキャンダル以外は何もないのである。トランプ氏はCIAの3派閥とは一切関わり合いを持っていない。
トランプ氏はワシントンDCの関係者を一切信用していない。なぜなら彼らは既にCIAに取り込まれている恐れがあるからだ。

トランプ氏が1600ペンシルベニア・アベニューのビルにオフィスを構えることをしなかったのは賢い選択である。なぜなら、そのビルの隅々にCIAのスパイ装置が設置されているからである。
愛国者は、トランプ氏が使うことになるホワイトハウスの内装及びリフォームの費用を支援すべきである。

CIAはあらゆる手法を使ってトランプ氏を公然と攻撃しはじめた。CIAの3派閥と繋がりのあるジョージ・ソロスも世界の舞台で公然とトランプ氏を攻撃している。


ビルダーバーグや三極委員会、ボヘミアングローブ、CFRが一同に集まり会議を開いた。そこでトランプ氏を大統領にさせないための作戦を練った。世界中の邪悪なカバラ犯罪集団は神経をとがらせている。既に彼らはトランプ氏を殺害しようとした。また、彼に賄賂を贈ろうともした。彼らは他の政治家に対してならうまくいく戦術がトランプ氏にはうまくいかないことを知った。トランプ氏はCIAが日常的に行っている活動に一切関心がない。

以下省略
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52001108.html


7. 中川隆[7593] koaQ7Jey 2017年4月08日 09:10:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8080]

2017年03月17日 米メディアを支配しているのは。。。


非常に長い記事ですのでかなり端折りました。

この記事の重要な点は、CIAがアメリカの主要メディアの全てを支配し、情報を操作・管理しながら、米国民だけでなく日本や世界の人々を騙してきたということです。アメリカの主要メディアはCIAのプロパガンダ・マシーンです。そしてアメリカのメディアの口パクでしかない日本のマスコミも同様にCIAから許可を得た記事やニュースしか報道できないようになっているのでしょう。CNNのニュースをそのまま報道しているのですから。。。

アメリカの主要メディアを支配しているのはユダヤ資本であり、CIAですから、NSAと同様にCIAもユダヤ資本(NWOの重要メンバー)に支配された機関ということになります。

CIAと呼ばれる極悪犯罪組織がアメリカの諜報機関として世界中で様々な犯罪を行ってきたのです。CIAは諜報機関などと呼ばれるような集団ではなく、秘密の犯罪組織です。
http://www.thedailysheeple.com/american-corporate-msm-is-merged-with-cia-and-has-been-since-the-1950s_032017 
(概要)
3月16日付け


CIA media
by Brandon Turbeville

1940年代後半から1950年代前半にかけて、CIAのオペレーション・モッキングバードと呼ばれる秘密プロジェクトムが実行に移されました。その目的は、アメリカのメディアを支配し影響力を与えることで米国民が入手する情報や評論の全てを操作・統制・支配できるようにするためです。


この秘密プロジェクトは国家安全保障会議で考案されフランク・ウィスナー氏によって実行に移されました。

ウィスナー氏はワシントン・ポストのフィリップ・グレアム氏をメディア界におけるプロジェクトのトップに任命しました。また1950年代前半にはウィスナー氏はニューヨーク・タイムズ、ニューズウィーク、CBSを含む多くのメディア関係者を支配するようになりました。

1953年から1961年までCIA長官を務めたアレン・ダレス氏は1951年にCIAに加わりオペレーション・モッキングバードの主要作戦部員となりました。


1953年以降、メディアを支配するプロジェクトはCIA長官のアレン・ダレン氏が監督することになりました。当時、CIAは既に25社以上の新聞社と通信社に影響力を与えていました。


このプロジェクトは現在まで続いています。

メディアを通して報道されるニュースの全てがCIA及び関連の政府機関よって作成されたものです。つまり現在も主要メディアはCIAが作成する偽のニュースを報道するCIAのプロパガンダ・マシーンででり続けているということです。
報道を行ってきたということです。

CIAが完全に支配しているのは主要メディアだけではありません。彼等は芸能界も支配しています。

アメリカの主要メディアはCIAのアジェンダに沿った偽のニュースを報道するこどでCIAのプロパガンダを行っています。例えば、ブッシュ政権はジャーナリストにお金を払って反キューバの記事を書かせました。

テレビに出演したドイツのジャーナリストであり政治科学の専門家(Dr.Udo Ulfkotte)は、彼の名前で諜報機関が書いた記事を寄稿するよう命令されたと告白しました。命令に従わなかったDr.Ulfkotteは職を奪われました。彼によれば、アメリカとドイツのメディアは共に連携してヨーロッパやロシアで戦争を勃発させるための報道を行っています。彼等は反ロシアのプロパガンダを行いドイツだけでなくヨーロッパ中の人々を騙しています。

2014年に明らかになったことは。。。多くのジャーナリストが定期的にCIAから情報を受けとったり、CIAのイベントに参加したり、ジャーナリストが書いた記事をCIAに手渡しCIAに情報を加えてもらったり書き直してもらたりしているということです。

例えば、ロスアンゼルス・タイムズのリポーターも自分たちが書いた記事をCIAに確認(修正)してもらった後に報道します。

ペンタゴンも情報作戦行っています。2006年から、米軍の全部隊、師団、兵団は国内メディアを通して独自の心理作戦を実行してきました。このような軍事活動は、ラジオ局やニュース・ウェブサイトなどに資金を提供している国務省の報道キャンペーンと関連しています。

イギリスでは、国防省のDirectorate of Targeting and Information Operationsが、ベッドフォードシャーのDefence Intelligence and Security School の心理作戦のスペシャリストと連携してプロパガンダを行っています。

2013年に、CIAとワシントンポストの繋がりが明らかになりました。アマゾン及びワシントンポストのオーナーであるジェフ・ベゾフ氏はアマゾンのクラウド・テクノロジーのインフラに関してCIAと取引を行いました。つまりワシントンポストはCIAのプロパガンダのための報道を行っているのではないかと疑われるようになりました。

つい最近、トランプ大統領の国家安全保障担当補佐官だったマイケル・フリン氏が辞任に追い込まれましたが、これもCIAがメディアを使って反フリン氏の情報操作を行った結果です。

全ての主要メディアがフリン氏を辞任に追い込むためにヒステリックな報道をしていました。

また、フリン氏の会話を最初にリークしたのはワシントンポストでした。ワシントンポストはCIAの命令通りに情報をリークするはけ口なのです。

さらにフリン氏に対する攻撃はトランプが大統領になる前から始まっていました。オバマ政権が残りわずかになったころ、CIAのブレナン長官とクラッパー国家情報長官が大統領選中にロシアがハッキングをして情報をリークしたと騒ぎ立て、フリン氏がロシアと繋がっていることは国の安全を脅かすものだとフリン氏を非難した人物です。
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52004444.html


8. 中川隆[7594] koaQ7Jey 2017年4月08日 09:14:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8081]

昨年8月、マイク・モレル元CIA副長官(2011年7月1日から9月6日、12年11月9日から13年3月8日の期間は長官代理)はチャーリー・ローズのインタビューでロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われるとその通りだと答えている。


この発言の後、射殺を含め、ロシアの幹部外交官が相次いで急死、ウラジミル・プーチンの専属ドライバーは尋常でない交通事故で死亡している。乗っていた大統領専用車は大破した。この段階でアメリカの支配層はロシアと戦争を始めたと見る人もいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704080000/

2017年03月09日10:31
CIAは車両をハッキングして暗殺を企てていました。

ウィキリークスがまたやってくれました。
CIAの機密文書をハッキングし大量に盗み出しました。
ピザゲートと同様に、今後はCIAの犯罪が次々に明らかにされることでしょう。

ディープステートの主な戦力はCIAだと思いますから、CIAの機密資料が次々にリークされればCIAは活動しにくくなるでしょう。

それにしても車両の制御システムををハッキングして事故死させるのですから。。。恐ろしい連中です。

そういえば、大統領選前に、トランプが乗っていた車両の制御システムがハッキングの被害に遭い、ブレーキが効かなくなり非常に危険な目に遭ったようですが、それでもトランプは車内で冷静に対応したようですが。。。

暗殺、テロ、戦争しかやらないCIAは解体されるべきです。

http://tapnewswire.com/2017/03/85078/
(概要)
3月8日付け


A CIA internal report from 2009 shows that the spy agency repeatedly overstated the value of intelligence gained through the torture of its detainees.

火曜日にウィキリークスがリークしたCIAの機密情報(Vault 7)によると、無数の秘密工作で攻撃活動を行っているCIAですが、その中に、車両の制御装置をハッキングして外部から運転を操作するという秘密作戦があります。

CIAは暗殺などの邪悪な目的のために車両をハッキングしています。


2014年10月に CIA は自動車やトラックの制御装置にウイルスを感染させ、不慮の事故に見せかけた暗殺を企てていたことが明らかになりました。

最近の車両は、ブレーキ、エアバッグ、アクセル、ハンドル、ドアロック、他などの重要なシステムがコンピューターで制御されているものが多いのです。


MI5 foil seven terror attacks by reading suspects minds


2014年にハッカーのチャーリー・ミラーとクリス・バラセックは高速道路を走行中の車内でノートパソコンを使って、Wiredのレポーターが乗っていたジープの制御装置を外部から操作しました。

その事件を受けて、140万台の車両がリコールされました。

2013年には、ハッカーは走行中の車内からフォードのエスケイプとトヨタのプリウスを狙ってハッキングを行い危険な目に合わせたことが発覚しました。

このような自動車をハッキングして攻撃する手法はウィキリークスがリークした CIA の機密資料(Year Zero)に記されていました。

今回、ウィキリークスはバージニア州ラングレーのCIAサイバー・インテリジェンス・センターをハッキングして8761部もの機密資料を盗み取りました。ウィキリークスはそれらが本物であることを示す証拠を示すことができます。

エドワード・スノーデン氏もツイッターで、ウィキリークスが今回リークしたCIAの情報は本物のようだと伝えています。
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52003976.html


9. 中川隆[7597] koaQ7Jey 2017年4月08日 11:06:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8084]

米国トランプ政権がシリアをミサイル攻撃、各国の反応まとめ2017年4月8日


トランプ大統領率いるアメリカがシリアに59発のミサイルを打ち込んだ。言いたいことは色々あるが、先ずは事態の概要と各国の反応を纏めておきたい。

事の始まりは数日前に遡る。極力どの勢力にも肩入れしない形で説明を進めるが、ロイターによれば、4月4日にシリア北西部でシリア軍による反政府勢力への空爆があり、その対象地域において化学兵器を使用したと見られる痕跡が見つかっている。この空爆では70人が死亡している。

アメリカのトランプ政権はこれをシリアのアサド政権によるものと断定し、7日に化学兵器使用への抑止力という名目で59発のトマホークミサイルをシリアの空軍基地に打ち込んだ。シリアの国営通信社はこれらミサイルの一部は空港の近くの村にも着弾し、アメリカによる攻撃で市民9人が死亡した(APF)としている。

各国の反応

この件に関する各国の反応だが、先ず反アサド政権を標榜していた西側諸国は、アサド政権をめぐってロシアと和解するのではないかと思われていたトランプ大統領が反アサド的な軍事行動を取ったことに安堵しているようである。

イギリス政府はアメリカによる軍事攻撃を「野蛮行為への適切な対応」(ロイター)と呼んで賛意を表明した。ドイツのガブリエル外相はアメリカの行動を「理解できるもの」とし、「国連安保理が化学兵器の野蛮な使用に対して断固たる対応を取れなかったのはほとんど耐えがたい」と主張(Reuters、原文英語)した。

中東ではサウジアラビアなどイスラム教スンニ派の諸国とイスラエルがアメリカの攻撃を歓迎、一方でシーア派のイランなどは猛反発している(AFP)。因みにシリアではスンニ派が多数派だが、アサド大統領はシーア派と見なされている。この辺りがシリア騒乱の原因でもある。

シリア政府自身は化学兵器の使用を否定、ムアレム外相は会見で、シリアはテロリストに対してさえ化学兵器を使用したことは一度もないとした上で、問題の化学兵器はトルコからテロリストらのために運び入れられたものだと主張(Sputnik)した。因みにロシアはこの件をシリア軍の空爆が反政府勢力の化学兵器製造工場に直撃した結果起こったものと主張(CNN)している。

また、アサド政権を支持するロシアは、アメリカの行動について、「でっち上げられた口実のもとに行われた国際法違反」で「主権国家に対する侵略行為」だと非難(ロイター)、そしてこのような大規模なミサイル攻撃には相当の準備が必要であり、口実となった化学兵器の使用よりも以前に計画されていたはずだと主張(Sputnik)している。

中国はこの件について距離を置いた対応を取っており、すべての当事者に軍事ではない政治的解決を目指すよう呼び掛けた(ロイター)上で、「中国は他国の内政に干渉しない。アサド大統領はシリア国民によって選ばれたのであり、われわれは彼らの選択を尊重する」(Financial Times、原文英語)と主張した。個人的には中国の対応が一番理性的であると思う。

そして最後に日本だが、安倍首相が「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を支持」(日経)するという内容のない支持表明を行なっている。

情報が錯綜しているが、はっきりと分かる事実は一つであり、すべての国が自分の利害によって好き勝手なことを主張しているということである。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5987


10. 中川隆[7604] koaQ7Jey 2017年4月09日 07:44:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8091]
2017.04.09
米国の国連大使はさらなるシリアへの攻撃を準備していると発言、ネオコンはトランプ政権を賞賛


アメリカ軍がシリアの空軍基地をトマホーク巡航ミサイルで攻撃した後、ニッキー・ヘイリー国連大使はさらにシリアを空爆する用意があると国連で発言した。例によってアメリカは証拠を示すことなく「自分を信じろ」と言うだけ。説得力はない。2013年にシリア政府が化学兵器を廃棄したことは国連の調査官も認めていることで、化学兵器を使用する理由もない。

本ブログでも紹介したように、現在、化学兵器を保有しているのはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援する勢力だ。ちなみに、今回の攻撃で最初に歓迎の意を示したのはサウジアラビア、次いでイスラエルとトルコだった。

ジョン・マケインやリンゼー・グラハムのような民主党のネオコン議員は今回の攻撃を賞賛しているが、ヒラリー・クリントンの場合、攻撃の数時間前、トランプ大統領に対してシリア政府軍が使っている空港を使えなくするように要求していたという。クリントンが望むことをトランプは実行したことになる。

これまでロシア政府はアメリカ側の挑発に乗らず、自重してきた。そこで侮っているのかもしれないが、それはいつか限界がくる。今回、ロシアの国防省とアメリカのペンタゴンとを結んでいたホットラインは切られた状態のようで、地中海に入ったロシア海軍のフリゲート艦「グリゴロビチ提督」もアメリカ海軍の艦船と対峙することになるだろう。このフリゲート艦に積まれたカリブル巡航ミサイルは亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速で飛行、アメリカの艦船にとっては脅威になる。

ところで、アメリカによる巡航ミサイルの攻撃に対し、シリア側の防空システムは機能していない。目標になった空軍基地にS-300やS-400は配備されていなかったというが、イスラエル空軍による攻撃に対しても稼働していない。役立たずなのか、スイッチが切られているのだろうが、スイッチが切られていたのなら、今後は侵入機を撃墜する可能性がある。

1991年1月にアメリカ軍主導でイラクを先制攻撃、2月まで戦争は続いた。この際、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はサダム・フセインを排除せずに停戦、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官などネオコンは怒るが、その際にソ連軍が出てこなかったことから単独で軍事力を行使できると考えるようになった。ソ連消滅後、核兵器は「使える兵器」になったとも考えたようだ。

1992年2月、ウォルフォウィッツたちネオコンは国防総省のDPG草稿という形で世界制覇プランを作成する。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。アメリカは「唯一の超大国」であり、どの国も脅せば屈するという発想で動き始める。

1990年代、ボリス・エリツィン時代のロシアは西側巨大資本の属国だったが、21世紀になるとウラジミル・プーチンが再独立に成功、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの基盤は崩れる。それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進、核戦争の危機が高まっているわけである。

そうした状況を危険だと考える人はアメリカ支配層の内部にも現れたが、ドナルド・トランプ政権はネオコンに制圧されたようで、危機は再び高まっている。ヘイリー大使の発言はそれを象徴している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704080000/


11. 中川隆[7614] koaQ7Jey 2017年4月09日 13:23:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8101]

軍産複合体と正攻法で戦うのをやめたトランプのシリア攻撃
2017年4月8日   田中 宇
http://tanakanews.com/170408syria.htm


 米トランプ大統領は、米国東部時間の4月6日午後8時40分、訪中した中国の習近平主席との晩餐会などをやっている時、米軍に、59発の巡航ミサイルをシリア政府軍の空軍基地に撃ち込ませた。米国が正面からシリア政府軍をミサイル攻撃したのは、11年のシリア内戦開始以来、これか初めてだ(誤爆と称する攻撃は昨年あった)。トランプは、シリア政府軍が4月4日にシリア北西部のイドリブ近郊で化学兵器を使って村人たちを殺したので、その残虐な行為に対する報復をしたのだと述べた。だが、4月4日の事件は、化学兵器を使ったのが政府軍でない可能性がかなりあり、これから国連が真相究明を進めようとしていた。トランプは、勝手にシリア政府軍がやったと決めつけ、濡れ衣をかけた上で、報復と称してミサイルを撃ち込んだ。 (UN Seeks Compromise on Investigation Into Syria Gas Attack) (Trump’s Syria Strike Sends Not-So-Subtle Warning to U.S. Rivals)

 トランプは4月4日以来「化学兵器で子どもたちを殺したアサドが許せない。武力で転覆してやる」と息巻いている。だが実のところ、米軍がアサドを殺すことは不可能だ。アサドは、ロシア軍に守られている。米軍は今回、ミサイル発射前にロシアに通告し、ロシアは防御や対抗手段をとらずミサイル攻撃を批判しつつも看過した。だが、次に米国がシリア軍の施設をミサイル攻撃するなら、ロシアはもっと強い態度に出て、防御や対抗手段をとる。米軍機が勝手にシリア領空に入ってきたら、露軍が迎撃するかもしれない。米露の戦闘は、一歩間違うと人類破滅の核戦争になる。米軍の上層部は、ロシアを敵視するだけで、ロシアと戦争する気がない。シリア上空はロシア軍が抑えている。米軍は、そこに入って行かない。トランプはアサドを倒せない。 (Is Trump Going to Commit the Next Great American Catastrophe in Syria?) (U.S. Strike on Syria Shakes Up ISIS Fight)

 しかも、今回のトランプのミサイル攻撃は、シリア政府軍に少ししか損害を与えていない。攻撃された空軍基地は、シリア軍がISを空爆するための拠点で、倉庫やいくつかの戦闘機が破壊されたが、滑走路は無事で、翌日からISへの空爆が再開されている。

今回のような非効率なミサイル攻撃を繰り返すのは得策でない。トランプがシリアを攻撃するのは、今回が最初で最後かもしれない。 (U.S. Strike, Unlike in 2013, Probably Won’t Endanger Assad Rule) (Syrian Warplanes From US-Hit Air Base Said To Resume Air Strikes)

 米軍はこれまで、ロシア軍と協調し、シリア東部でIS退治の空爆を続けてきた。だが今回の濡れ衣的なミサイル攻撃で、ロシアは怒って米国との協調を解除した。米軍がシリアで活動するのは困難になった。今回の件は、シリアの将来を決める国際体制から米国が追い出され、ロシアやイランの影響力が増し、露イランの傘下でアサドが続投する多極化的な事態に拍車をかけそうだ。 (Kremlin says Syrian gas attack 'unacceptable' but U.S. data on it not obje...)

 ロシア政府によると、4月4日のイドリブ近郊の村での化学兵器拡散は、一帯を支配するアルカイダ(ヌスラ戦線)の武器庫が村にあり、それをシリア軍が空爆で破壊した際、武器庫に貯蔵されていた化学兵器用の物質が飛散して村人が犠牲になった可能性が高い。アサド政権は最近、国際的に続投を容認されつつあり、そんな中でシリア軍が意図して化学物質を村に飛散させたとは考えにくい。米英の外交官や議員からも、犯人はシリア政府軍でなさそうだという声が上がっている。 (Combat utilization of chlorine irrational for Damascus, Russian Foreign Ministry says) (Ex-UK Ambassador To Syria Questions Chemical Attack; "It Doesn't Make Sense, Assad Is Not Mad")

 露政府によると、アルカイダは、村に貯蔵した化学兵器(塩素系?)を、イラクのモスルなどで戦うISに売っていた。同様の化学兵器は昨秋、アルカイダが占領するアレッポでも使われ、シリア政府軍に濡れ衣が着せられた。またアルカイダは2013年にも、シリア南部で化学兵器(サリン?)を散布して住民を殺し、米マスコミなどがそれをシリア政府軍の犯行だと喧伝していた。アルカイダに化学兵器の原料や製造技能を与えたのは、米国とトルコの諜報機関だ。13年に濡れ衣をかけられたシリア政府はその後、国連決議を受けて化学兵器を全廃し、その後も国際的に監視されている。廃棄を手掛けたのは米軍だ。シリア軍は化学兵器を持っていない。 (Destruction of Syria's chemical weapons From Wikipedia) (Chemical Weapons 2017: What Just Happened In Syria?)

▼トランプは軍産に負けて傀儡になったのか?

 トランプは、米国の諜報機関やマスコミなどの軍産複合体が、アルカイダやISをこっそり支援したり、アサドやイランなどに濡れ衣をかけて攻撃したりする体制を破壊するために、大統領になったはずだ。大統領就任演説も、そのような方向性の「革命の檄文」だった。それなのに今回、トランプは突如、軍産お得意の濡れ衣戦争を、自分から積極的にやり出している。これは何を意味するか? (トランプ革命の檄文としての就任演説) (Trump’s Syria shift confounds foreign policy experts) (Tillerson: Steps Already Underway for US Removal of Assad)

 ありそうなのは、トランプ政権の上層部で、従来のトランプの軍産敵視の戦略を立案してきた「ナショナリスト(反覇権主義者)」と、軍産の意を受けた「国際(=米覇権)主義者」との権力闘争が激しくなり、ナショナリストが負けている結果、トランプが軍産の策に乗らざるを得なくなって翻身したことだ。 (The Trump Administration Goes Neocon-crazy)

 4月5日、ナショナリストのトランプ側近の筆頭であるスティーブ・バノンが、米国の世界戦略を決める大統領府の最高意思決定機関である国家安全保障委員会(NSC)の常任メンバーから外された。代わりにNSCを仕切るのは、米軍出身で軍産系とおぼしきマクマスターだ。 (Trump Removes Stephen Bannon From National Security Council Post) (Trump’s son-in-law behind Bannon’s removal: Report)

 トランプは、選挙戦中から大統領就任直後まで、バノンの意見を最も良く聞き、それがゆえにトランプはナショナリストで反覇権的な「米国第一主義」を掲げていた。だが、大統領就任後、トランプの娘婿であるジャレッド・クシュナーが、バノンに対抗する形で、トランプ政権の政策を立案決定する主導者として台頭してきた。クシュナーは、バノンと対照的に国際主義者と言われている。バノンをNSCから外すようトランプに進言したのもクシュナーだと報じられている。今や、トランプと習近平の米中首脳会談をお膳立てしたのも、米イスラエル関係を主導するのも、ユダヤ人のクシュナーだと報じられている。 (Bannon Threatened to Resign Over Clashes With McMaster, Kushner, Ivanka) (Bannon Responds: "I Love A Gunfight")

 このような説得性がありそうな話が、事実かどうかはわからない。だが、バノンとクシュナーの戦いが激しくなり、バノンが最後の抵抗を試みていた感じの3月末に、トランプ政権のシリア戦略が「アサドを許す」方に大きく振れた。ティラーソン国務長官やヘイリー国連大使が相次いで「アサドを辞めさせるのは、もはや米国の目標でない」と表明した。だがその後、結局バノンがNSCから外され、4月4日の化学兵器事件を契機にトランプがアサド敵視へと激変し、その2日後に、トランプがシリアに巡航ミサイルを撃ち込んでいる。 (White House Shakeup? Rumors Swirl That Bannon / Priebus On The Chopping Block)

 バノンは、NSCを辞めたあとも、大統領首席戦略官というトランプ側近の要職を保持している。だが、それも近いうちに辞めさせられるのでないかと、米マスコミが報じている。 (Donald Trump Considers Major Shake-up of Senior White House Team)

 これはつまり、トランプが自らの保身のため、軍産潰しの「革命」「覇権放棄(多極化)戦略」をあきらめて、一気に正反対の軍産傀儡、覇権主義に転換したということなのか?。シリアの状況を見ると、そうも言い切れない。トランプは軍産お得意の、濡れ衣に基づくシリアへのミサイル攻撃を挙行した。だが、すでに書いたように、その攻撃は、アサドとその背後にいる露イランを弱体化するどころか、むしろ強化している。 (Trump Betrays Trumpism: Syria in the Crosshairs by Justin Raimondo)

▼バノン式からオバマ式の戦いへと後退したトランプ

 トランプのもともとの戦略は「覇権放棄・多極化(隠然)推進」だ。トランプは当初、ロシアと仲良くして覇権を譲渡していくことを模索したが、軍産が「トランプ政権はロシアの傀儡だ」「ロシアは米国の選挙に介入してトランプを勝たせた」といった濡れ衣スキャンダルを展開し、トランプがロシアとの敵対を解いていくのを阻止した。対露協調の主導役だったマイケル・フリン安保担当補佐官が2月中旬に微罪で辞めさせられ、軍人のマクマスターと交代した。今回ついにバノンもNSCから追い出された。トランプは、覇権放棄戦略を正攻法で進められなくなった。 (フリン辞任めぐるトランプの深謀) (Trump says of Assad: "Something should happen") (Bannon Taken Off Trump National Security Council in Shake-Up)

 だが、正攻法でないやり方なら、まだやれる。トランプは、軍産の傀儡になってみせて、シリアを濡れ衣ミサイル攻撃したが、その結果見えてきたのは、ロシアと戦争できない以上、シリアをますます露イランアサドに任せるしかないという現実だった。「可愛い子どもたちを化学兵器で殺したアサドを武力で倒す」と(演技っぽく)激怒して息巻くトランプに対し、軍人や諜報界の人々は、ロシアと戦争することになるのでダメだと言い出している。おそらくNSCのマクマスターも、トランプに、米露戦争はできませんと進言している。トランプが軍産傀儡っぽく戦争したがるほど、軍産の人々は戦争したがらなくなる。 (Trump’s Bipartisan War Coalition) ("Assad Crossed Many, Many Lines": Trump Signals Imminent Change In Syria Policy)

 ネオコンやネオリベラルといった政治側の人々は、無責任に無茶苦茶な戦争をやりたがるが、軍人は、失敗するとわかっている戦争をやりたがらない。だからトランプは、NSC議長や国防長官といった地位に、マクマスターやマチスといった軍人を就かせている。戦争できない、どうしよう、と騒いでいるうちに、4月4日の化学兵器事件の真相が国連などの調査で暴露されていき、アサド政権は悪くないという話になる。ロシアと戦争したくない軍人たちが、アサド政権を濡れ衣から救う可能性が、すでに指摘されている。おそらくマスゴミは従来の濡れ衣戦争と同様、この真相をほとんど報じないだろう(マスゴミは全部つぶれた方が良いと言ったバノンは正しい)。しかし、外交官や軍人といった関係者たちは、濡れ衣を認めざるを得なくなる。米国の信用が低下し、トランプが正攻法でやった場合と似た結果になる。 (It Took A War For Trump To Win CNN's Approval: "Trump Became President Last Night")

 トランプが今回、突然に軍産の傀儡として振る舞い出してミサイルを発射したとたん、それまでトランプ敵視ばかりだった米議会が一転してトランプを称賛し始めた。反トランプなマスゴミの筆頭だったCNNが「トランプはようやく(一丁前の)大統領になった」と礼賛した。難航していた最高裁判事の人事の議会承認が、一気に可決した。議会の支持を維持できれば、経済や国内の政策も議会に通りやすくなる。結果が変わらないのであれば、バノンが提唱していた過激な正攻法のトランプ革命方式より、非正攻法の隠然とした傀儡演技の方が効率的ともいえる。 (Congress Backs Trump on Syria, Debates Its Own Role In Military Strikes) (In big win for Trump, Senate approves his conservative court pick) (不透明な表層下で進む中東の安定化)

 こうした非正攻法は、トランプの発案でない。オバマが得意とするやり方だった。オバマは13年夏に、今回のトランプと同種の、アルカイダが化学兵器を使ったのにそれがシリア政府軍のせいにされる濡れ衣事件に直面している。トランプはミサイル攻撃をやったが、平和主義を掲げるオバマはミサイル攻撃に踏み切らず、代わりにロシアをせっついてシリアに軍事進出させるところまで持っていった。ネオコンやネオリベは、オバマの「弱腰」を非難し続けたが、オバマは、シリアをロシアに押しつける多極化に成功した。この流れの中からイラン核協定も出てきた。トランプは、いくつもの点でオバマを批判しており、今回のミサイル攻撃も「弱腰のオバマが踏み切れなかったことを俺はやった」と豪語できるようにするための観がある。だが本質を見ると、トランプが目標とするもの(覇権放棄、多極化)は、オバマとかなり似ている。 (米英覇権を自滅させるシリア空爆騒動) (イランを再受容した国際社会) (Congress Supports U.S. Airstrikes Against Syria, Debates What Happens Next) (Russian PM: "US On Brink Of Military Clash With Russia")

(それ以前には、ビル・クリントンも、軍産からの批判を回避するため、スーダンの化学兵器工場=実は医薬品工場=などを98年に巡航ミサイルで破壊している) (Al-Shifa pharmaceutical factory)

 ゴラン高原でシリアと国境を接するイスラエルは、すでに、自国の安全保障を、米国よりもロシアに頼る傾向が強い。ゴラン高原のシリア側には、イスラエルの仇敵であるイラン傘下のヒズボラなどシーア派民兵が拠点を作っている。アサドがいるかぎり、イランやヒズボラはシリアを闊歩する。大きな脅威を感じ始めたイスラエルは、シリアとの国境地帯に、緩衝地帯を作り、戦争を避けたい。だがそれには、アサドの後見役であるロシアの協力が不可欠だ。 (Netanyahu seeks buffer zones against Iran and Hezbollah on Syria’s borders with Israel and Jordan) (Israeli-Russian clash over Hizballah’s Golan grab) (内戦後のシリアを策定するロシア)

 この件について、米国はほとんど役に立たない。米国の不能性は今回、トランプが軍産に譲歩してロシアと敵対してしまったことで、いっそう強くなった。軍産は本来、親イスラエルだが、イスラエルがロシアに近づくほど、ロシア敵視が不可欠な軍産は、イスラエルにとって迷惑な存在になっている。最近では、軍産との結託を強めている米民主党が、以前のごますりをやめて、イスラエル批判を強めている。イスラエルは、ロシアに頭が上がらなくなっている。イスラエルの右派閣僚が「化学兵器を使ったのはアサドだ。100%間違いない」と豪語したところ、その後の電話会談で、ネタニヤフがプーチンに強く叱られた。こんなのは一昨年ぐらいまでありえないことだった。 (Putin to Netanyahu: Unacceptable to Make 'Groundless Accusations' on Syria Chemical Attack) (イスラエルがロシアに頼る?)

 バノンがトランプ側近を辞任すると、おそらくトランプ政権内のナショナリストが総崩れになる。それは政治軍事だけでなく、経済の分野でも政策の大転換を引き起こしうる。以前に書いたが、米国がTPPに復帰し、NAFTAやWTOを再評価し、経済覇権の再獲得へと動くおそれがある。それについては、事態の推移を見ていきたい。 (金融界がトランプ政権を乗っ取り米国をTPPに戻す??)

 トランプがなぜ習近平がいるときにシリア攻撃を挙行したのかという点も書き忘れた。たぶん北朝鮮との絡みだろうが、これもあらためて考察する。 (What Will the Chinese Make of Trump Bombing Syria Over Dinner With Xi?) (Syria Attack Throws U.S.-China Summit Off Balance)


12. 中川隆[7633] koaQ7Jey 2017年4月10日 11:11:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8120]
今回の化学兵器使用・サリン攻撃の「犯人」はまだ不明。
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/880.html
 

今回のアサド政権による「サリン攻撃疑惑」については、まだ結論は出せない、と私は考えている。

一つには、アサド政権が化学兵器を使ったという疑惑は、これまで何度も出ては立ち消えになっていることだからだ。ニュースに新奇性はない。古い話の繰り返し。
その情報の発信源も、これまでと同じ。何が何でもアサドを潰したい、というアメリカの好戦勢力の主張をそのまま鵜呑みにすべきではない。

もう一つは、攻撃されたと語っている者たちが、そもそも「イスラム過激派」であるからだ。確かに子供の犠牲者は出ている。一見、無辜の民のように見える。しかし、「過激派=イスラム原理主義者」は住民の中に隠れている。というより、住民は「過激派戦士」の親族や血縁集団の者たちだろう。彼らは家族だろう。逃げられないから一緒にいるんだよ。逃げられるのだったら、とっくに逃げているだろう。

今回の場合、サリン攻撃の被害を発信してきた「医師」自身が、イスラム過激派と一体となっているとみなされている人物だ。この医師は、先祖は中東系かもしれないが、英国で医師になり、親族も皆イギリスにおり、現地シリアとは親族的な関係は全くない。イスラムへの信仰から「人助け」のために医者になり、シリアに来たのだそうだ。

そして2013年にテロ組織との関係を疑われて英MI6のお尋ね者となり、逮捕・起訴された過去をもつ。

欧州人のジャーナリストが「イスラム国」に捕まり、後に殺害されたのだが、この二人の欧州人を「医師として治療」した人物だ。(イギリスの裁判所は、人質被害中のジャーナリストが裁判所に出廷・証言できないという理由で、この起訴を退けた。)

この辺りの情報はネット上に出ている。誰も投稿しないようだから、「ど素人」の私がしゃしゃり出てきて、「どこにでも転がっている情報」をここに引用する。
YouTube 等で、この医師の名前 "Shajul Islam" で検索すればよい。

こちらが、今回の「サリン攻撃」の直後に、救急医療現場から投稿された動画。この医師自らが現場の様子を伝えている。
https://www.youtube.com/watch?v=ZTszOjAZNtI
https://youtu.be/ZTszOjAZNtI


こちらは、この医師の「イスラム国との関係⇒逮捕・起訴」について書いている Web ニュースの記事。
(Internatilnal Business Times, 2017/04/07)
http://www.ibtimes.co.uk/british-doctor-who-documented-chemical-attack-previously-held-terror-offences-1615849?utm_campaign=soficalflowfacebook&utm_source=socialflowfacebook&utm_medium=articles


こちらは、過去の「逮捕・起訴歴」に関して、あるWeb放送局(?) のインタビューに答えているところ。特定の過激派組織への加入歴はなく、自分は「医師として」過激派/一般市民の別なく治療を施す、と語っている。(この「弁明」を信用するかしないかは、聞き手の解釈次第。)
https://www.youtube.com/watch?v=j5j-RPMcm9Y

---------------------------------

中東というのは「情け容赦のない世界」なのだろう。アサド政権の基盤であるアラウィー派は、昔(とはいえ20世紀) は「洞穴暮らし」を余儀なくされるところまで追い詰められていた時期もあったのだそうだ。
「負ければ殺される」「住む処さえなくなる」という厳しい部族社会は、我々日本人の想像を超えるものなのだろう。

今回の「サリン攻撃事件」を最も喜んでいるのは誰か? 言うまでもなく、「イスラム国」とその同類だろう。化学兵器を使っても、アサド政権派には何の利益もない。しかし政権派の武装組織の一部が跳ね上がらないという可能性も不在ではない。

サリン攻撃や化学兵器について、「まだ結論は出せない」「真偽不明」というのが、私の見解だ。

「和平交渉」を受け入れない、「和平協議」に参加しない勢力がいる限り、「平和」は実現できない。

「条件闘争」に持ち込む以外にないことを、敗者も悟るべきだが、イスラム過激派は「世俗派」とは異なる心性の持ち主なので、そういう考え方はしないのだろう。「不信仰者」と戦って死ねば天国に行けるから。

「世俗派」が増える以外に、平和への道は開かれない。


13. 中川隆[7635] koaQ7Jey 2017年4月10日 14:25:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8122]
2017.04.10
化学兵器をシリア政府軍が使ったとする米政府の主張は偽旗作戦の疑い濃厚、露軍は応戦の準備

アメリカ軍がシリアの軍事空港を59発の巡航ミサイル(トマホーク)で攻撃した後、ロシア、シリア、イランは防空体制の強化に乗り出したようだ。S-300やS-400のような長距離対空ミサイル・システムだけでなく、中距離や短距離の防空システム、あるいは携帯型のシステム、機銃などの配備を進めるようだ。シリアの北部ではすでに政府軍がアメリカ軍の偵察機を領空外へ追い出すため、警告の銃撃掃射を行ったとも伝えられている。こうした攻撃の口実としてアメリカ政府はシリア政府軍による化学兵器の使用を主張していた。

当初、ロシア側はシリア軍がアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)の倉庫を爆撃、そこに保管されていたガスが漏れたと説明したが、シリア政府側は攻撃していないと主張、爆発の後に偵察機を飛ばしただけだとしていた。本当に化学兵器が漏れたのかどうかも含め、本来なら詳しい調査をしなければならないのだが、その前にアメリカは攻撃した。

これまでアメリカは「化学兵器」をシリア攻撃の口実に使おうとしてきた。例えば、本ブログではすでに紹介済みだが、2013年1月29日にイギリスのデイリー・メール紙は、「シリアにおいて化学兵器を使い、アサド政権を非難、国際的な軍事行動に拍車をかける作戦をオバマ政権は認めた」と伝えている。

その2カ月後、アレッポで化学兵器が使われたが、攻撃から間もない段階でイスラエルのハーレツ紙は状況から反政府軍が使ったと分析、また国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。

その5カ月後、8月にはダマスカスの郊外が化学兵器で攻撃され、例によって西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、NATOを軍事介入させようとするのだが、ロシア政府がすぐ反論したほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事が現れ、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話も流れた。

その年の12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

さらに、こうした化学兵器の使用について、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)が調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。

アメリカ軍がシリアを巡航ミサイルで攻撃したのは4月7日のことだったが、その2日前、リベラル派として知られているノーム・チョムスキーはデモクラシー・ナウに出演、アサド体制は道徳的に不健全だ。彼らは恐ろしいことを行い、ロシアが手を貸していると主張した。アメリカやサウジアラビアなどが侵略部隊としてシリアへ送り込んだアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)による破壊と殺戮には思い至らないようだ。

ホワイトハウスの報道官、シーン・スパイサー説明によると、事前にロシアへ攻撃を通告したのは軍のチャンネルだった。アメリカ政府でロシアとの核戦争を避けようとしているのは軍だけのようだが、「リベラル派文化人」も好戦派に仲間入りしたのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100000/


14. 中川隆[7662] koaQ7Jey 2017年4月11日 16:57:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8150]

トランプ大統領がシリアにミサイル攻撃した理由2017年4月11日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5999


アメリカのトランプ政権がシリアに59発のトマホークミサイルを打ち込んだ。トランプ氏は大統領選挙中より中東問題から距離を置くことを公約にしていたため、多くの人々を驚かせた。背景についてはこれまで概ね伝えているが、トランプ大統領がシリア空爆に踏み切った理由について、やはりもう一度書いておきたいと思う。

選挙時の不介入主義

トランプ氏は大統領選挙中からアメリカの過去の介入主義を批判してきた。アメリカはアフガニスタン、イラク、リビア、そしてシリアに介入し続けた。彼は選挙中、中東に軍を展開し続けたことで6兆ドルが浪費されたとして、しかもその結果中東は平和から程遠い状況にあることを指摘していた。
•トランプ次期大統領: アメリカは他国の政権転覆をやめる

この主張にはメディアに「トランプ政権の黒幕」と呼ばれたスティーブ・バノン首席戦略官の影響がある。バノン氏は右派のウェブメディアであるBreitbartの元会長で、トランプ氏の選挙戦において反移民やアメリカ第一主義などの主張を主導し、有権者の支持獲得に貢献した。彼に言わせれば「他国の紛争にアメリカ市民の血税を使うな」ということであり、そこに「アメリカは他国の政権転覆をすべきではない」というトランプ大統領の理性が加わったのが、トランプ政権の中東政策であった。ここまではトランプ氏とバノン氏の化学反応がしっかりと働いていた。

反ロシア勢力の反撃

しかし大統領選挙後、米国大手メディアを含むアメリカ国内の反ロシア勢力が抵抗を開始する。トランプ政権内の複数人が「ロシア大使と対話した」罪によってメディアによる大バッシングを受けた。

•トランプ政権を侵食するアメリカ政府のロシア嫌い


何度も言うように、ロシアとの対話の内容が問題となることはあっても、対話をすること自体が問題となることは理解不能であり、しかも批判に加わったアメリカ民主党の議員も同じロシア大使と接触していたことが明らかになっている。しかし米メディアと民主党によるトランプ政権の「ロシア疑惑」バッシングは止まることがなかった。

メディアと民主党による批判にトランプ大統領はどう反論したか? ここの読者には周知のことだが、もう一度引用してみよう。
•ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから


メディアは明日にでも「ドナルド・トランプはロシアと仲良くしたいらしい。酷いことだ」とでも言うだろう。しかしロシアと上手くやってゆくことは酷いことではない。良いことだ。(中略)ロシアに対して強硬姿勢を示す方がわたし個人にとってはよほど簡単だ。分かるだろう? しかしわたしはアメリカ国民にとって正しいことをしたいのだ。そして第二に、正直に言うならば、世界にとって正しいことをしたいのだ。

「アメリカ国民にとって正しいこと」とは、血税を他国の紛争に浪費しないことである。「世界にとって正しいこと」とは、他国の政権転覆を行わないことを意味しているのだろう。トランプ大統領がこの二つを分けていたということ、そして何より優先順位を付けていたということが後々重要になってくるのである。

いずれにしても、こういう反論がメディアと民主党を止めることはない。元々バノン氏の不介入主義はアメリカの政治界にとって異質のものであり、政敵である民主党はおろか、身内の共和党の支持も得にくいものである。第二次世界大戦以来、他国の事情に政治的、軍事的に介入してきたのがアメリカの歴史である。それがベトナムであり、朝鮮半島であり、アフガニスタンであり、リビアであり、イラクであり、そしてシリアなのである。

•トランプ次期大統領: アメリカは他国の政権転覆をやめる

選挙後のトランプ政権

結果、トランプ政権は機能不全に陥った。大統領選挙で確かな成果を上げたバノン氏のアメリカ市民第一主義が、今度は議会の政治家達を説得する上での障害になったからである。バノン氏の政策は民主党的ではなかったが、同時に共和党的でもなかったからである。

トランプ政権の法案は議会を通らず、フリーダム・コーカスなどの共和党保守派はトランプ大統領に敵対するようになった。トランプ大統領の支持者は政策が実行されないことを心配した。金融市場では投資家がトランプ政権の政策実行能力を疑うようになり、経済成長やインフレ改善への期待は減退した。


•ガントラック氏: オバマケア代替法案が否決なら米国株急落へ


この騒動のなか、ロシア大使と接触したフリン安全保障担当大統領補佐官が2月に辞任させられた。フリン氏は中東問題の解決に向けてアメリカはロシアと協力して動くべきだと主張していた。


•ロシア大使との会話を巡ってフリン大統領補佐官が辞任に追い込まれる


トランプ政権は完全に機能不全に陥っていた。法案は議会を通らず、政権内部は混乱している。トランプ大統領は何らかの打開策を見つけなければならない。この状況の原因となっている政策は何か? バノン氏やフリン氏の親ロシア政策である。ではその政策は政権にどのようなメリットをもたらしているのか?

大統領選挙の時からトランプ氏の演説を追っている読者があれば映像を覚えているかもしれないが、「他国の政権転覆をやめる」という主張は、トランプ氏の演説のなかで支持者からの反応が最も薄かった主張の一つである。

アメリカ国民とは、アメリカが「世界で最も偉大な正義の国」であると本当に信じている人々である。その彼らに「アメリカは他国の政権転覆をやめるべき」などと言えば、アメリカの歴史そのものが悪だと言うようなものである。


•ドナルド・トランプ氏は本当はアメリカが嫌いなのではないか?


だから、トランプ氏が演説でこの主張をしたときの支持者の反応は、賛同から程遠い当惑だった。アメリカの政治介入は悪だったのか? イラク戦争は正義ではなかったのか? 部外者から見れば何の正当性もないものが、アメリカ人には正当に映る。彼らはそう教育されているのである。

何度も言うが、アメリカ人とは広島長崎への原爆投下が正義の行いだったと本気で信じている国民である。個人の銃所有が治安向上のためになると全米ライフル協会が主張すればそれを信じ、ブッシュ大統領のイラク侵略の口実となったイラクによる大量破壊兵器の所有が全くの嘘でたらめだったと明らかになっても気にさえ留めない、政治的に非常に操作しやすい、頭の無い人々である。

だからこそトランプ氏は、政権転覆という表現よりも中東での軍事支出を減らすという主張に重点を置いた。「アメリカ人にとって正しいこと」は「世界にとって正しいこと」よりも先にあるものだと明確に述べた。上記で引用した通りである。

トランプ大統領の決断

親ロシア政策による利益とコストは明白だった。政治的コストはあまりに大きく、利益はアメリカ国民にも議会にも理解されない。

そこでトランプ大統領が何を決断したのか、もう読者にもお分かりだろう。彼の言う「世界にとって正しいこと」を選挙と議会における票のために犠牲にしたのである。フリン氏は辞任させられ、そしてロイターによれば、トランプ政権内ではバノン氏の更迭が検討されているという。トランプ政権内の反グローバリズムは風前の灯火である。

そしてシリア爆撃をアメリカ国民がどう捉えたかと言えば、トランプ大統領の支持者は言うまでもなく、彼に反対していたはずのリベラルのアメリカ国民でさえ、このミサイル攻撃を支持している。CBSの世論調査(原文英語)によれば、共和党支持者のシリア爆撃支持率は84%、そしてトランプ大統領を毛嫌いする民主党支持者でさえ、40%が爆撃を支持しているという。

以前伝えたように、この爆撃の口実となったシリア政府による化学兵器の使用はシリア政府自身は否定しており、ロシアは「アメリカによるこのような大規模なミサイル攻撃は口実となった事件よりもかなり以前から準備を進める必要があったはずだ」と主張している。また、シリアの国営放送はアメリカによる攻撃で民間人が死亡したと主張している。


•米国トランプ政権がシリアをミサイル攻撃、各国の反応まとめ


個人的には状況の認識についてシリア側の見解にも西側諸国の見解にも与するつもりはない。しかし仮に西側諸国の言う通り、シリア側の化学兵器使用が事実であったとしても、全く関係のないアメリカがシリアにミサイルを打ち込む理由になると信じられるのは、西側諸国の教育を受けた人間だけである。アメリカ人は諸手をあげて攻撃を支持している。日本人は、どれだけの数がそれに同意出来るだろうか。

結論

第二次世界大戦における原爆投下を「戦争の早期終結に繋がり、結果的に多くの人命を救った」行為として正当化することを含め、アメリカ人は教えられれば何でも信じる人種である。西洋はそうして戦争を行なってきた。キリスト教の布教を理由に全く関係のない国々を植民地化し、戦後は「自由でオープンな価値観」の布教を理由に人殺しを行なってきたのである。

特にアメリカ人は政治家にとって御しやすい。日本人やヨーロッパ人よりも単純であり、思想のコントロールが容易だからである。トランプ氏はそこから外れた価値観を政治に持ち込もうとしたが、結局は有権者の理解がなければどうにもならない。要するに、誰が大統領になろうとも、アメリカ人は所詮アメリカ人だったということである。

ただ、トランプ大統領にとっても、これまでの主張をすべて覆すようなシリア爆撃を結論するのは容易ではなかったはずである。だからトランプ大統領の決断にはもう一つ重要な要因が必要となった。この点についてはまた別の記事で書きたいと思っている。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5999


15. 中川隆[7664] koaQ7Jey 2017年4月11日 17:52:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8152]

2017.04.10
トランプ大統領はCIAから毒ガス流出の問題でアサド大統領に責任はないと説明を受けたうえで攻撃

アメリカ軍がシリアの軍事空港をトマホーク巡航ミサイルで攻撃したのは4月7日。その時の様子を見ているドナルド・トランプたち政府の幹部の写真が公表されている。誰かと誰かがにらみ合っている、といったことも話題になっているようだが、それ以上に深刻な話がこの写真には隠されているようだ。マイク・ポンペオCIA長官やダン・コーツ国家情報長官の姿が見えないのはなぜか、ということだ。

かつてコントラの麻薬取引を明るみに出したことで有名なジャーナリスト、ロバート・パリーによると、彼の情報源は次のように語っている:4月6日にポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していた。その情報を知った上でトランプ大統領はロシアとの核戦争を招きかねない攻撃を命令したわけである。

リビアやシリアの体制を転覆させるため、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルをはじめとする国々は1980年代の戦術を採用した。アル・カイダ系武装集団を編成、侵略の手先として使うというものだ。リビアの場合、そのアル・カイダ系武装集団LIFGをNATOが空爆で支援、目論見は成功した。

同じようにシリアの体制も倒そうとしたようだが、その前にロシアが立ちふさがる。そして登場してくるのがダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)だ。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にファルージャやモスルを制圧して名を知られるようになった。その際、トヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になった一因である。

2012年8月の段階でダーイッシュ的な武装集団の出現と勢力拡大をバラク・オバマ政権に警告していたのがアメリカ軍の情報機関DIA。当時の局長がマイケル・フリン中将だ。報告書では東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があると書かれている。

オバマ政権は「穏健派」が相手だとして反シリア政府軍への支援を続けていたが、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだとDIAは報告している。ダーイッシュを生み出し、勢力を拡大させたのはオバマ政権の政策だとフリンもアル・ジャジーラの番組で語っている。

DIAやCIAの報告を大統領に無視させたのはネオコンだと言えるだろう。今回の巡航ミサイルによる攻撃もジョン・マケインやヒラリー・クリントン、あるいは有力メディアは歓迎しているが、彼らは事実を尊重しない。欲望に任せて侵略を続けるだけだ。理性に訴えようとしても無駄だということでもある。これまで粘り強く話し合いで問題を解決しようとしてきたウラジミル・プーチン露大統領だが、限界が近づいているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100001/


16. 中川隆[7665] koaQ7Jey 2017年4月11日 17:58:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8153]

2017.04.11
反シリア政府の武装集団に穏健派はいないとDIAが報告したその月にオバマ大統領は化学兵器話


シリアのイドリブで毒ガスが4月4日に漏れたと言われている。アメリカ政府は証拠を示すことなく、調査もせず、シリア政府軍が化学兵器を使ったと叫びながら7日にはホムスにあるシリア軍の航空基地をトマホーク巡航ミサイルを攻撃した。59発のミサイルが2隻の駆逐艦、ポーターとロスから発射され、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達したという。

2013年にもアメリカ政府はシリア軍による化学兵器の使用を口実にして直接的な軍事介入を目論んでいる。アメリカ/NATOとアル・カイダ系武装集団の連携で体制を転覆させるというシナリオで、9月3日には地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されている。そのミサイルは途中で海中へ落下、後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だったと主張したが、実際に攻撃を始めたとも見られている。事前に通告はなく、発射実験だとする主張に説得力がないからだ。ジャミングなど何らかの手段で落とされたと推測する人もいる。

今回、アメリカ軍は59発のミサイルをほぼ一斉に発射している。ロシアの説明が正しいならば、その半数以上が目標に到達できなかったわけだ。2013年の反省から、シリア側の防空システムをかいくぐるため、60発近いミサイルを一気に発射した可能性がある。

かつてシリア軍も化学兵器を保有していたが、2013年に廃棄したことは国連の査察官も認めていること。それ以降、シリアで化学兵器を保有しているのはアメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエル、トルコなどが支援してきたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。

アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの戦闘員の主体はワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団だが、シリア政府軍と戦っている相手はこうした集団だとする報告書をマイケル・フリンが局長だった時代のDIAはホワイトハウスへ報告している。2012年8月のことだ。

2013年12月に公表された調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュの記事によると、反シリア政府軍(国外から侵入した戦闘集団)はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。

それだけでなく、2011年10月にリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された後、戦闘員だけでなく武器/兵器がトルコ経由でシリアへ運び込まれたとハーシュは報告している。その工作の拠点がベンガジにあったCIAの施設で、クリストファー・スティーブンス大使も工作に参加していた。2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、大使も殺されているが、その前日にスティーブンスは武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたという。その当時、CIA長官だったのがデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官はヒラリー・クリントンだ。

ペトレイアスもクリントンも化学兵器が反シリア政府軍の手に渡ったことを知っていたはずで、オバマも自分たちが支援している戦闘集団がアル・カイダ系武装集団やダーイッシュだということを2012年8月に知らされていた。そのオバマは2012年8月20日、シリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと発言している。その年の12月5日にクリントンは、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張している。

そして2013年1月29日、イギリスのデイリー・メール紙は興味深い記事を掲載している。シリアで化学兵器を攻撃に使い、その責任を政府軍になすりつけ、国際的な軍事行動に拍車をかける作戦はホワイトハウスは承認したというのだ。これはイギリスを拠点とするブリタム防衛なる会社のデイビッド・グールディング部長から同社を創設したフィリップ・ダウティへ宛てた電子メールの中に書かれていたという。そして同年3月と8月に西側の政府やメディアはシリアで化学兵器が使用されたと宣伝、その嘘が暴露されたわけだ。この辺の事情は本ブログでも採算書いてきたので、今回は割愛する。

それから4年、アメリカは同じことを繰り返したように見える。ただ、修正した点はあるようだ。シリア政府軍側で使わず、ロシア側に衛星写真を撮られてしまうので自分たちのミサイルは使わっていない。

それでもアメリカ側の主張に説得力はない。この問題に少しでも興味のある人なら、アメリカ側の説明を信じないだろう。それでも強行した。そうした行動に駆り立てた一員はリビア情勢にあるかもしれない。

イラクを先制攻撃する口実に大量破壊兵器(核兵器)という作り話が使われたが、今回は化学兵器だ。そうした演出をするのは、自分たち(アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど)が編成、訓練し、武器や資金を提供してきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュでは体制を転覆させられないからだ。イラクは勿論だが、ウクライナと同様、リビアもシリアもアメリカなどの侵略であり、これを「内戦」と表現すること自体が犯罪的である。

2017年4月5日、リベラル派の権威、あるいはスターとして知られているノーム・チョムスキーのインタビューをデモクラシー・ナウは流したが、その中で彼はアサド体制は道徳的に不健全だとしたうえで、彼らは恐ろしいことを行い、ロシアが手を貸していると主張した。カタールやサウジアラビアが「聖戦グループ」を支援していることには触れたが、アメリカやイスラエルなどとの関係は語らない。つまり戦争の本質から目をそらしていた

チョムスキーが振らなかった侵略の黒幕はシリアをリビアと同じような状態にしようとしている。そのリビアはカダフィ体制が破壊されてから破綻国家になり、ダーイッシュが跋扈している。

そうした中、リビアのカリファ・ハフター司令官はロシアを訪問、ダーイッシュと戦うための支援を要請、今年の3月にはロシア軍の特殊部隊がエジプトのリビアに近い地域に派遣されたと伝えられた。カダフィ体制の破壊に成功したと思っていたリビアでロシアが影響力を強める可能性が出てきたのだ。強引であろうと、ロシアの動きを止めなければならないとアメリカの支配層が考えたとしても不思議ではない。アメリカの支配層は追い詰められているとも言える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100001/


2017.04.11
ネオコンに都合良く加工された情報でトランプ大統領を操るマクマスター国家安全保障担当補佐官
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704110000/

ドナルド・トランプ大統領はCIAの分析部門が提供した情報を無視してシリアに対する直接的な軍事介入を始めた。そのトランプに偽情報を提供しているのが国家安全保障担当補佐官のH. R. マクマスターのようである。バラク・オバマ政権の政策はワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団、つまりアル・カイダ系武装集団を育て、シリア東部をその支配地にすると警告していたマイケル・フリンの後任だ。

マクマスターはデビッド・ペトレイアスの子分として有名で、このコンビはシリアへ15万人規模のアメリカ軍を侵攻させようと目論んでいると言われている。当然、ロシア軍と全面衝突になり、核戦争になる可能性は小さくない。そうしたビジョンを実現するため、彼らにとって都合良く加工された情報をマクマスターはトランプに提供しているようだ。フリンの解任は人類の運命を左右する大きな出来事だったと言えるかもしれない。

ペトレイアスは中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、そしてCIA長官に就任した軍人でリチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントン元国務長官に近い。つまりネオコン。現在でもNSC(国家安全保障会議)に大きな影響力を持っているという。

そのペトレイアスはエル・サルバドルの「汚い戦争」から大きな影響を受けている。1986年に同国を訪問、そこで特殊部隊のジェームズ・スティールと出会うのだが、この人物はアメリカ支配層にとって都合の悪い人物を殺していた「死の部隊」の黒幕だった。

スティールはネオコンのポール・ウォルフォウィッツともつながりがあり、2003年にアメリカがイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した後からイラクへ渡っている。チェイニーと近いドナルド・ラムズフェルド国防長官(当時)が彼を派遣、ジョン・ネグロポンテ駐イラク大使(同)の下で特殊警察コマンドの訓練をするようになる。ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在の大使を務めているが、この国は中央アメリカでCIAが行っていた秘密工作の拠点だった。アメリカはエル・サルバドルとイラクで同じことを行っている。両者で違うのはイメージ戦略にすぎない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704110000/


17. 中川隆[7690] koaQ7Jey 2017年4月12日 11:34:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8178]

2017.04.12
有毒ガスの流出が偽旗作戦だという公然の秘密をプーチン露大統領は記者会見で明言して米を批判


アメリカのレックス・ティラーソン国務長官がロシアを訪問する直前、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領との共同記者会見に臨んでいる。その席上、4月4日の有毒ガス流出事件は偽旗作戦だと明言、さらなる化学兵器による攻撃が計画されていると語っている。

今回の毒ガス事件にシリア政府は責任がなく、それに続いて4月7日に実行されたアメリカ軍によるシリア軍の空軍基地攻撃に正当性がないことはCIAも認めていることだが、それをプーチンが口にしたことは興味深い。プーチンはティラーソン長官と会談もしない。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、マイク・ポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、4月6日、つまり巡航ミサイルによる攻撃の前日に、バシャール・アル・アサド大統領は致死性毒ガスの放出に責任はなさそうだとドナルド・トランプ大統領に説明していたという。

化学兵器がシリアの反政府軍、つまりアメリカなどNATO諸国、サウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエルなどが送り込んだアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が保有するようになるのは遅くとも2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された後。CIAはリビアから武器をトルコ経由でシリアの反政府軍へ秘密裏に運ぶのだが、その中に化学兵器も含まれていた。

そうした工作の拠点がベンガジにあるCIAの施設で、アメリカ領事館も重要な役割を果たし、2012年9月10日にはクリストファー・スティーブンス大使がCIAの工作責任者と会談、その翌日には海運会社の代表と会っている。その直後にベンガジの領事館が襲撃されて大使は殺されたわけだ。その当時のCIA長官がデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官がヒラリー・クリントンだった。

襲撃の前月、つまり2012年8月にバラク・オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言、その年の12月にクリントンは「自暴自棄になったシリアのアサド大統領は化学兵器を使う可能性がある」と主張、13年1月になると、イギリスのデイリー・メール紙はアメリカの偽旗作戦に関する記事を掲載している。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけて非難、国際的な軍事行動につなげようという作戦をオバマ政権が許可したというのだ。

そして2013年3月と8月に化学兵器が使われたと西側の政府や有力メディアは叫び、軍事介入へ突き進もうとする。勿論、この時に化学兵器を使ったのは反政府軍だった可能性がきわめて高い。その辺の事情は本ブログでも繰り返し書いてきたことなので、今回は割愛する。

イワンカの影響で攻撃を命じたとトランプの息子、エリックは語っているのだが、CIAが責任はないとしているシリア軍を娘の頼みで攻撃したということになってしまう。大統領がそれほど愚かだとは思えない。安全保障に関係した情報をトランプ大統領に説明しているのはH. R. マクマスター国家安全保障補佐官。大統領にシリアを攻撃させたのはこの人物だろう。

前にも書いたが、マクマスターはペトレイアス元CIA長官(2011年9月〜12年11月)の子分だと言われている。このペトレイアスはエル・サルバドルの汚い戦争に影響を受けている人物で、中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、そしてCIA長官に就任した。リチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントンに近いことでも知られ、現在でもNSC(国家安全保障会議)に大きな影響力を持っているという。しかも、マクマスターとペトレイアスはシリアへ15万人規模のアメリカ軍を侵攻させようと目論んでいると言われているのだ。

しかし、この侵略計画が成功する可能性は小さい。通常兵器の戦争ではロシアが圧倒すると言われているからだ。プーチン体制になってロシアの軍事力が立て直されているのに対し、アメリカではソ連消滅で自分たちが唯一の超大国になったと思い込み、軍事力は単なるカネ儲けの仕組みになってしまった。その象徴が「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれるF-35戦闘機だろう。開発コストはうなぎ登りだが、模擬空中戦でF-16に完敗したと伝えられている。戦術も戦争ビジネスを儲けさせるように変更された。

そうした現実が明確になったのは2015年9月30日以降。ロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援しているアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を敗走させているのだが、その中でロシア軍の戦闘力が高いことを見せつけているのだ。

ロシア軍はシリアで軍事作戦を始めた直後、カスピ海の艦船から26基の巡航ミサイルを発射、全てのミサイルが約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で命中したとされている。その後、地中海に配置されている潜水艦からもミサイル攻撃を実施したという。ロシア軍がこうした兵器を保有していることを知らなかったようだ。こうした兵器を使用したひとつの理由は、戦争でアメリカは勝てないということを示すことにあったと見られている。

そのほか、海底1万メートルを時速185キロメートルで進み、射程距離は1万キロに達するという戦略魚雷に関する情報が「誤って」外部に漏れるということもあった。この新型魚雷は空母を沈められるだけでなく、海岸線にある都市を破壊することができる。勿論、日本の原発はひとたまりもない。

S-300やS-400といったロシアの防空システム、あるいはマッハ6.2で飛行し、命中精度は5〜7メートルという地対地ミサイルのイスカンダル、亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速でターゲットへ向かうカリブル巡航ミサイルも話題になっている。

4月7日の攻撃でアメリカ軍は駆逐艦のポーターとロスから59発のトマホーク巡航ミサイルを発射、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達したという。この数字は正しいようだ。つまり36発は途中で消えた。

アメリカ軍はS-400の迎撃をさけるため、トマホークはレバノン上空を通過させたようだが、そのうち5発は途中、地上に落下、残りは地中海に落ちたと見られている。ECM(電子対抗手段)や防空システムが使われたようだ。S-300やS-400などはロシア軍の防衛を優先していると言われ、今回はシリア軍の施設が攻撃されたことから、実際に使われたかどうかは不明だ。2013年の場合はこれほど多くのミサイルは発射されなかったのでシリアへ到達しなかった可能性が高い。

今後、ロシアやシリアはECMや長距離の防空システムを強化するだけでなく、中距離や短距離の防空システム、あるいは携帯型のシステム、機銃などの配備を進めると言われている。

そこで、ネオコンはロシアや中国を相手に、核戦争のチキン・ゲームを行っている。狂犬を装って恐怖を感じさせたり、暴力的な手段で脅せば屈すると彼らは信じている。拳銃やナイフを振りかざせば誰でも言うことを聞くという三文ドラマのようなシナリオだが、ロシアや中国には通用しない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704120000/


18. 2017年4月12日 20:28:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8192]


ロシア大統領、シリアでの陰謀説を示唆 「イラク開戦前と同じ」とも
2017.04.12 Wed posted at 18:57 JST

モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は11日、シリアで何者かが化学兵器を使った攻撃を企て、アサド政権の仕業に仕立て上げようとしているとの疑惑を示唆した。

ロシアを訪問しているマッタレッラ・イタリア大統領と会談した後の共同会見で語った。

プーチン氏は「さまざまな方面からの情報」として、シリアの首都ダマスカス南郊などに有害物質を設置し、政権の仕業と見せかける「挑発」行為が計画されていると指摘。この疑惑について、ハーグの国際機関や国際社会に調査を要請するつもりだと述べた。

同氏はまた、欧米諸国が政治的な目的のためにロシアとシリアを悪者扱いしていると主張した。

昨年秋の米大統領選までさかのぼり、当時多くの欧州諸国が反トランプの立場を取ったために、今はだれもが関係修復に躍起になっているとの見方を示した。そのうえで「シリアとロシアは共通の敵として、欧米の結束に向けた格好の基盤を提供している。我々としては、いずれ意思疎通によって流れが好転することを期待して、当面はじっと耐えるつもりだ」と述べた。

プーチン氏はさらに、米国が現在、イラク戦争前と同じ作戦に出ていると主張。米当局が2003年、イラクで化学兵器が見つかったと国連安全保障理事会に報告した時と「非常によく似ている」と述べ、当時は「それを受けてイラクの軍事作戦が始まった」と指摘した。

結果として国家が破壊され、テロの脅威が拡大し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が国際舞台に登場することになったと語り、「今まさに同じことが起きている。米国の友好国はそれを是認している」と批判した。

米軍は今月、シリア政権軍が北西部イドリブ県で化学兵器を使ったと断定し、対抗措置として同国中部の空軍基地を攻撃した。マティス米国防長官は10日、この攻撃で政権軍機の2割を破壊したと述べた。

しかしロシア国防省は11日、フェイスブック上の声明文で「国防総省が発表している数字は米国民向けで、専門家向けではない」と批判。米軍が主張するほどの成果はあがらなかったとの見解を示した。
http://www.cnn.co.jp/world/35099691.html


19. 中川隆[7719] koaQ7Jey 2017年4月13日 16:29:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8209]

娘のイヴァンカ氏、トランプ大統領にシリア攻撃を指示、反対した「極右」バノン氏は左遷へ2017年4月12日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/6046

米国のトランプ政権はシリアにミサイル攻撃を行なった。トランプ大統領のこれまでの主張と矛盾するものだが、そうなった経緯については前の記事で説明した。
•トランプ大統領がシリアにミサイル攻撃した理由

これに反対したのがトランプ政権の首席戦略官で、米国の大手メディアに極右の危険人物と呼ばれたスティーブ・バノン氏である。

「極右」スティーブ・バノン氏

右派のウェブメディアBreitbartの元会長で、トランプ氏の選挙公約のうち、反移民や反グローバリズムの部分を主導してきたバノン氏は、トランプ氏の最も過激な部分を演出する「影の大統領」としてリベラルメディアから大いに批判され、人種差別者、国粋主義者など様々なレッテルを貼られ続けてきた。

トランプ大統領の批判者が「トランプ氏のような人物が核ミサイルのボタンを手にするなど怖ろしい」と言えば、それは要するに「バノン氏のような人物が核ミサイルのボタンを手にするなど怖ろしい」ということである。

しかし実際に起こったことはどうだろう。大統領選挙の対立候補だったヒラリー・クリントン氏はトランプ氏に先駆けてシリア攻撃を主張(CNN、原文英語)、トランプ政権内ではグローバリズム寄りの「常識人」とされる娘イヴァンカ氏と娘婿クシュナー氏の夫婦がミサイル攻撃を支持した。

一方で、政権内で他国へのミサイル攻撃に反対していたのは極右で危険人物と呼ばれたバノン氏である(読売)。他国への軍事介入反対は大統領選挙におけるトランプ氏の公約だったが、政権内でともに反対するはずのフリン氏は既に辞任させられている。

•ロシア大使との会話を巡ってフリン大統領補佐官が辞任に追い込まれる

バノン氏は娘婿クシュナー氏を「グローバリスト」と呼び、ホワイトハウス内でシリア攻撃をめぐって対立したようだが、トランプ氏が取った結論は、言うまでもなく身内のものであった。娘のイヴァンカ氏はTwitter(原文英語)でこう述べた。


昨日の怖ろしいシリアの化学攻撃の写真に、心が痛み、激情にかられています。

前回の記事で説明したように、これまでの主張を180度転換するようなシリア空爆をトランプ大統領が決断する決め手となったのは明らかにイヴァンカ氏である。

イヴァンカ・トランプ氏

トランプ大統領は娘のイヴァンカ氏を溺愛している。Twitter(原文英語)では百貨店がイヴァンカ氏のブランドの商品を取り扱わなくなったことに癇癪を起こして批判し、娘は不当に扱われていると主張した。

このツイートで彼は娘を「素晴らしい人物であり、いつも自分に正しいことをするように導いてくれる」と表現し、だから百貨店はイヴァンカ氏のブランドを採用すべきだという論理で、やや異常である。

また2006年のテレビ番組では「自分の娘でなかったとすれば、多分付き合っている」とイヴァンカ氏本人の前で発言しているほどである。娘を持つまともな父親ならば同意してもらえるだろうが、彼の態度は常軌を逸している。

彼の家庭の問題に口を出すつもりはないが、それが政権の政策決定に影響するようになれば話は別である。

シリア空爆の後にトランプ氏が会見したとき、彼の話した内容のなかに彼自身が考えたとは思えない表現が含まれていたのを思い出したい。米国政府がシリアのアサド政権によるものと主張している化学兵器により「見目麗しい赤ん坊までもが(原文:even beautiful babies)」犠牲になったと、トランプ氏は言っていたのである。

この表現は明らかに彼自身のものではなく、イヴァンカ氏のものである。彼女がそう言うのだから、シリア攻撃は正しいに違いないと言わんばかりである。イラク戦争を含め、米国はもう何度も同じ過ちを繰り返しており、それを誰よりも批判していたのはトランプ大統領だったにもかかわらず、娘の感情的な言動でこの通りである。

•ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから

極右 vs 娘婿

そうして反グローバリストのバノン氏は娘イヴァンカ氏と娘婿クシュナー氏の前に敗退した。イヴァンカ氏の意見がシリア空爆に「大きな役割」を果たしたことは兄弟のエリック氏が証言している(Independent、原文英語)。そして敗北したバノン氏については、トランプ大統領がこのように述べている(New York Post、原文英語)。


スティーブのことは好きだが、彼がわれわれの選挙戦のかなり後半になるまで選挙戦略に関わっていなかったことを思い出してほしい。

その時までにはわれわれは既にすべての上院議員と州知事を打ち負かしていたが、スティーブは関わっていなかった。わたしがわたし自身の戦略官であり、あの腐敗したヒラリーとの戦いが厳しかったから、彼の戦略を採用したということではない。

何とも突き放した表現ではないか。これがトランプ氏の身内と争った人間の末路である。あるいはイヴァンカ氏と、と言うべきだろうか。トランプ政権で彼女と争った人間はこうなるのである。彼女は自分の意見が採用された攻撃についてTwitter(原文英語)でこう語った。


人道に対するおぞましい罪を容認することを断固拒否した父の決断を誇りに思います。

人道や人権という言葉が何度人殺しの口実に使われたことだろう。それがリベラルというものである。それが西洋の歴史である。

そのように勝利を宣言したイヴァンカ氏は、夫のクシュナー氏と結婚するためにユダヤ教に改宗したほどの「献身的」な妻である。だからクシュナー氏と争うことは、イヴァンカ氏と争うことに等しい。そしてクシュナー氏はバノン氏がグローバリストと呼んだ人物である。グローバリストとは、例えばシリアやイラクにミサイルを打ち込むことを正義だと考える人々のことである。

バノン氏とクシュナー氏の対立は、以前より明らかになっていた。グローバリストと反グローバリストが仲良くやっていけるはずがない。政権内の対立にうんざりしたトランプ大統領は二人に対して次のように言った。


スティーブはいい奴だが、彼らに言ったのは、関係を修復しろ、さもなければわたしが決着を付ける、ということだ。

その場合、どのように「決着を付ける」のかは明らかである。だからバノン氏はクシュナー氏に頭を下げることになったのだろう。Fox News(原文英語)は二人の和解を報じている。「和解」がどういう内容になったかは、報じられずとも明らかである。

バノン氏は政権に残るが、政権に残るだけである。トランプ政権における反グローバリズムは娘への個人的な感情によって死んでしまったということである。今後のトランプ政権の方針は、イヴァンカ氏とクシュナー氏を中心とするグループが決めてゆくことになるだろう。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/6046


20. 中川隆[7720] koaQ7Jey 2017年4月13日 16:32:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8210]

2017.04.13
シリアで化学兵器を使ったのはサウジとイスラエルの拠点基地から飛び立ったドローンの可能性


レックス・ティラーソン国務長官のロシア訪問に合わせ、シリア軍が化学兵器を使ったとする4ページの文書をアメリカ政府は公表した。NSC(国家安全保障会議)のスタッフが作成したとされているが、いつものように証拠は示されていない。情報源や情報の収集法法を隠すためだというのだが、その主張の根拠とされているのは上空から撮影した写真だとされ、隠す理由はない。実際、これまでは公表されてきた。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、彼の情報源からその写真に写っているのは戦闘機でなくドローンだという説明を受けたという。そのドローンが飛び立った場所はヨルダンの基地。そこはサウジアラビアとイスラエルによる作戦の拠点になっている。3月にドナルド・トランプ政権がバシャール・アル・アサド大統領の排除する目論見を放棄すると表明したことが毒ガス攻撃の理由だと疑われているようだ。

この文書が公表された後、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は証拠が示されていないと発言、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領と行った共同記者会見では、4月4日の有毒ガス流出事件を偽旗作戦だと言い切り、さらなる化学兵器による攻撃が計画されていることをつかんでいると語っている。

プーチン大統領はアメリカ政府に強い不快感を表明、ロシアを訪れたティラーソン長官に対してセルゲイ・ラブロフ外務大臣も厳しく対応、ティラーソン長官と会わないのではないかとも見られていたが、最終的に会談したようだ。

ネオコンは2014年にソチで開催された冬期オリンピックに合わせ、ウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行したが、その前年の7月、プーチン大統領をオリンピック絡みで脅した人物がいる。サウジアラビアの総合情報庁長官を務めていたバンダル・ビン・スルタンだ。

プーチン大統領との会談でスルタンはロシアにシリアから手を引かせようとする。手を引けば、つまりバシャール・アル・アサドを見捨てればオリンピックの安全を保証できると持ちかけたというのだ。当時、チェチェンの反ロシア武装グループはオリンピックでの破壊活動を行うとしていた。

シリアから手を引かなければオリンピックを攻撃させるとスルタンは脅したとプーチンは理解、その提案を拒否した上で、「ここ10年の間、チェチェンのテロリスト・グループをあなたたちが支援していることを知っている」と言い放ったという。ロシアに対する脅しは逆効果になる。それをトランプ政権は学ばず、今回も武力で脅したわけである。そしてロシア政府を怒らせた。

シリアを攻撃する一方、アメリカ政府は朝鮮を威嚇するために空母カール・ビンソン中心とする艦隊を朝鮮半島の近くへ派遣したが、海上自衛隊はその艦隊に数隻の駆逐艦を合流させようとしていると伝えられている。中国も朝鮮の行動に怒っているようだが、アメリカと中国が本当に見ているのは朝鮮でないだろう。両国が朝鮮を本気で相手にしているとは思えない。アメリカは中国を挑発している可能性が高い。そこへ自衛隊が入っていく危険性を認識しているのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704120000/

2017.04.13
米政府はシリアに設置した中継器を利用した偽通信で主張の裏付けにしようとしているとの情報も

シリア軍が化学兵器を使ったとドナルド・トランプ政権は証拠を示すことなく主張、いつものように「自分たちを信じろ」と威圧している。NSC(国家安全保障会議)のスタッフが作成したという4ページの文書をアメリカ政府は公表したが、そこにも証拠、根拠は示されていない。証拠は持っているとも宣伝されているが、公表しない。2003年にイラクを先制攻撃する際に証拠らしきものが示されたが、その結果、嘘が発覚してしまった。そうしたことを反省してのことだろう。だからこそ、アメリカは公正な調査を嫌がる。

本ブログでも紹介したが、トランプ政権が持っているという証拠は上空から撮影した写真だと言われているが、傍受された音声だとする話も伝わっている。2013年にもアメリカ政府は化学兵器の使用を理由にして調節的な軍事介入を目論み、その時も通信の音声を示したが、これもインチキだということが明らかになったと言われている。

岩や切り株などを装った電子機器の存在は昔から指摘されている(例えばココ)が、2013年には中継器が使われていたという。そうした機器を使い、シリア軍が化学兵器を使ったような偽会話を流して「確かな証拠」にしようとしたのだが、この中継器は発見され、国連にも提出されたと言われている。そうした機器をシリア国内に設置した工作員を乗せた潜水艦をシリア軍が沈没させたと主張する人びともいる。

今回も2013年と同じ手口が使われ、NATO加盟国にはそうした音声が示されたという情報も流れている。情報機関の内部から漏れてきた情報によると、衛星写真はシリア軍が化学兵器を使っていないことを示しているようで、それを「証拠」とするにはフォトショップあたりで加工する必要がある。

中継器を使って作成した音声が「証拠」として使われたとしても、NATOの幹部は嘘を見抜くだろう。そのうえで信じた振りをする。そうでなければ収入と地位、場合によっては命を失ってしまうからだ。他国における破壊と殺戮より、そうした個人的な利益が大事だと考えている「エリート」は少なくないだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704130001/


21. 中川隆[7722] koaQ7Jey 2017年4月13日 18:18:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8212]

敵と国際法に一切容赦なしのトランプ・ドクトリン
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-b588.html
2017年4月13日 マスコミに載らない海外記事


Finian CUNNINGHAM
2017年4月11日
Strategic Culture Foundation

子供を含む一般市民を虐殺する結果になった、トマホーク・ミサイルの集中攻撃で、シリアを攻撃しろというドナルド・トランプの命令は、単なる侵略という犯罪行為ではない。トランプ・ドクトリンという大統領職の定義を狙っているように見える。そのドクトリンとは、以下のように言い表せようか。まず銃撃、先にどんな質問もしないこと。

アメリカは最も無謀な、ならずもの国家だという警告を、世界が受けている。

トランプによる大統領ドクトリン追求は、冗談でなく、むしろ真面目に、こう表現できようか。アメリカが敵と規定したものと、国際法には一切容赦なし。

彼以前のホワイト・ハウス入居者全員、アメリカ大統領は、その外交政策を規定する各自独自のドクトリンで飾られるのが常だ。1823年に、ヨーロッパの植民地権益に対し、中南米という“裏庭”での、アメリカの覇権を主張する、モンロー・ドクトリンを残したジェームズ・モンロー大統領にまで、伝統はさかのぼる。

より最近では、9/11テロ事件後、GWブッシュが、アメリカは、どの外国においても一方的に“テロリストを追いかける”軍事権益を追求すると主張したブッシュ・ドクトリンだ。

トランプ直近の前任者バラク・オバマは、軍事力を行使する権利を保持しながら、敵対国と慎重に交渉するものとされるオバマ・ドクトリンを知らしめたが、イランの核計画を巡るイランとの外交を追求する政策が、おそらく、その好例だ。

トランプのドクトリン候補案は、ブッシュの一方的先制軍事攻撃政策を強化したものだ。シリアへの空爆攻撃からわずか数日後、北朝鮮に対する明白な警告として、アメリカ空母カール・ビンソン率いる航空母艦攻撃群に朝鮮半島に向かうよう、トランプは命じた。

先週のシリアに対するミサイルの集中攻撃後、ホワイト・ハウス報道官ショーン・スパイサーはこう述べた。“これはシリアのみならず、全世界に対して信号を送ったのだ”。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、この論理の要旨を把握して、トランプのトマホークによるシリア攻撃“は、ダマスカスのみならず、テヘランや平壌や、どこでも”おこりうる、と述べた。この“どこでも”は、邪悪な含意に満ちている。

二日前のイドリブ県における化学兵器攻撃事件への“報復”として、トランプは、シリア空軍基地の59発の巡航ミサイルによる攻撃を命じた。ホワイト・ハウスとアメリカ・マスコミ丸ごとが、簡単な疑問を問うこともせずに、シリア空軍がハンシェイクンに化学兵器を投下し、80人以上を殺害したと断言した。シリアを軍事支援しているのだから、こうした死には、ロシアが“共謀している、とまでホワイト・ハウスは非難している。

化学兵器攻撃事件の適切な調査に対するロシアの要求は、地中海の二隻のアメリカ戦艦から発射された巡航命ミサイルによる空爆実行を進めたワシントンに、はねつけられていた 。シャイラート空軍基地を狙ったのは、そこからシリア戦闘機がハンシェイクン攻撃を行ったためだとアメリカは主張した。ホムス市長タラル・バザリによれば、アメリカ・ミサイル攻撃により、標的にされた空軍基地近くで、子供四人を含む、一般市民九名が亡くなった。ハンシェイクンでの“可愛い赤ん坊”の死に対するトランプの哀悼は、その後の、アメリカによる空爆命令の動機となって、おしまいなのだ。

アメリカによるミサイル集中攻撃の後、ロシアのウラジーミル・サフロノフ国連代理大使は、アメリカが、真実が暴露されるのを“恐れて”、ハンシェイクンでの化学兵器事件とされるものへ公正な調査を行おうという取り組みを阻止していたと語った。シリア政府が攻撃を行ったというアメリカの主張は、全て“信頼できない情報源”と、聖戦武装集団とつながる“メディア活動家”が提供した怪しげなビデオ映像に基づいていると、先にサフロノフは述べていた。

事件以来、アメリカや他の西欧マスコミ放送は、懐疑の片鱗もなしに、一斉に、化学兵器攻撃を行ったのはシリア政府軍だったと結論づけた。例えばイギリス政府は、一般市民の死亡は、ロシアの“責任”だと非難し、今週予定されていたモスクワ公式訪問をキャンセルするというボリス・ジョンソン外務大臣による決定で、この主張を強調した。

シリア政府と、その同盟者に対する、こうした偏見に満ちた独占的言論で、ハンシェイクンでの化学兵器攻撃事件に対する公正な調査の可能性は、事実上不可能になった。2013年8月、ダマスカス近郊での悪名高いサリン・ガス中毒と同様、最新の攻撃という出来事は、バッシャール・アル・アサド大統領のシリア軍だったという信仰個条になってしまった。二つの出来事は、実際はアメリカ軍による介入を引き起こすため、諸外国が支援する聖戦士が実行した意図的な偽旗中傷戦術であるという証拠が多数あるにもかかわらず。

トランプ大統領は、2013年に、前任者バラク・オバマがためらった餌に食いついたのだ。先週のトランプによるあつかましい戦争行為は、驚くべきことに、聖戦戦士とつながる、信用を失ったホワイト・ヘルメットに所属するメディア活動家が提供したビデオ映像を除き、取るに足らない証拠に基づいていた。

だが明らかなのは、トランプが先に撃つ用意があることを示しただけではない。アメリカ・マスコミと同盟諸国政府に幇助されたトランプ政権は、後で決して誰もあえて質問できないようにした。下劣な侵略行動丸ごと既成事実と化した。

答えが必要な疑問は多々ある。2013年にロシアが仲介した廃棄協定以降、化学兵器を保持していないとシリア政府は主張している。シリアの武装解除は国連の査察集団、化学兵器禁止機関OPCWによって確認されている。

更にシリア政府は、わずか数週間前に、化学兵器禁止機関に、兵器用の有毒化学物質が、シリア国内で、聖戦戦士ネットワークによって移動されていると通知したと主張している。化学物質が秘かにトルコ軍から供給されていることは、最近、クルド人反政府集団によって確認されているようだ。これはまさに、数百人の一般市民がダマスカス郊外の東グータで殺害された2013年の同様な攻撃のためのサリンを聖戦士が入手したのと全く同じ経路だ。

ハンシェイクンでの最近の事件に関するロシア軍説明は妥当に思える。シリア空軍が近くの聖戦戦士集団に対し、通常の攻撃を行い、反政府戦士が保有する兵器庫から毒性化学物質が不測の漏洩をするに至ったのだ。反政府戦士は、シリア空爆攻撃を毒物意図的放出の隠れ蓑に利用し、そこでプロパガンダ目的で好都合にもビデオも撮影し、彼らの見地からして、トランプの後の攻撃命令を考えれば、狙いは成功した。

トランプがトマホーク攻撃命令を出したのが、木曜夜、彼のフロリダ州パーム・ビーチのリゾートで、習近平中国国家主席をもてなしていた時だったのは、決して偶然ではない。トランプは、晩餐中、中国首席に、この件を伝えたと報じられている。

数分後、トランプは、差し迫った対シリア空爆攻撃を公に発表した。アメリカ政策が、それまで“変更させるのに劇的に失敗してきた”独裁者の振る舞いだと、彼はアサドについて表現した。

そのわずか数日前、もし北京が金正恩の核兵器計画抑制に協力しないのであれば、アメリカは、中国の同盟国北朝鮮に対し、一方的な軍事行動をとる用意があると、トランプは発表していた。アメリカの選択肢には、平壌“斬首”攻撃も含まれると報じている。

こうした無謀な国際法無視に基づくマッチョ風シリア攻撃は、のどから手が出るほど欲しかった国内での称賛をトランプにもたらしたのみならず、かつての政敵を、全軍最高司令官のもとに結集させ、ロシアの傀儡という彼に対する主張を鎮めてしまった。

しかも、トランプは、シリアであれ、北朝鮮であれ、中国あるいは、ロシアでさえ、アメリカが敵と指定したあらゆる政権に対して圧倒的軍事力を行使する用意があるというメッセージを送っている。

朝鮮半島への航空母艦打撃群の急行が、“狂人”トランプによる力の誇示としての次の行動だ。これは、アメリカの敵と指定されたものに対しては“一切容赦なし”、証拠、事実、道徳や国際法にも、一切容赦なしだという恐ろしい兆しだ。

新たなトランプ・ドクトリンは、世界に対する、アメリカは最も途方もない規模のならず者国家だという通告だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/04/11/trump-doctrine-zero-tolerance-enemies-international-law.html
----------


22. 中川隆[7750] koaQ7Jey 2017年4月14日 18:01:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8240]


2017.04.14
2011年10月からCIAはシリアのアル・カイダ系部隊に化学兵器を渡し、それを口実にミサイル攻撃

アメリカ軍は4月11日、シリア政府軍を「誤爆」、18名の兵士を殺害したという。アメリカ側の説明によると、連携している軍からの要請だったというが、アメリカが連携している国はアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を支援してきたわけで、「誤爆」ではなかっただろう。

12日にアメリカ軍はデリゾールの近くにあったダーイッシュの兵器庫を空爆したが、その際に毒ガスが漏れたとシリア軍は主張している。アメリカ軍はそうした事実はないとしているようだが、ロシア軍はドローンを飛ばして調査しているようだ。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、2011年10月にリビアではアル・カイダ系のLIFGと連携したアメリカ/NATO軍はムアンマル・アル・カダフィ体制を倒した後、その兵器庫から化学兵器を含む武器/兵器をトルコ経由でシリアへ運び、反政府軍に渡している。

アメリカ政府はシリアの「穏健派」を支援してきたと今でも言い張っているが、そうした集団が存在しないことは2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAがホワイトハウスに報告していた。その当時のDIA局長がマイケル・フリン中将である。

その8月、バラク・オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインを生物化学兵器の使用だと宣言した。自分たちが化学兵器をアル・カイダ系武装集団やダーイッシュへ渡していることを知った上での発言だ。

リビアからシリアへ武器や戦闘員を運ぶ工作はCIAが主導、国務省が協力していた。その当時のCIA長官は、デイビッド・ペトレイアス、国務省長官はヒラリー・クリントンである。当然のことながら、このふたりは近い関係にある。

2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。襲撃の前日に大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。つまり大使も工作の当事者だった。

襲撃事件から3カ月後、自暴自棄になったシリアのアサド大統領は化学兵器を使う可能性があるとクリントン長官は主張、その翌月、つまり2013年1月29日にデイリー・メール紙はアメリカの偽旗作戦を記事にしている。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権に押しつけて非難、国際的な軍事行動へ結びつける作戦をオバマ政権が許可したとするものだった。

そして、2013年の3月と8月にそうしたシナリオに近いことが引き起こされる。シリアで化学兵器が使われ、西側の政府やメディアはアサド政権を激しく批判、アメリカ/NATOは直接的な軍事介入をしようとしたのだ。その間、シリア軍が化学兵器を使ったという話は否定され、発射されたミサイルは海中へ落下してしまった。

今回、アメリカ軍は調査、取材が始まる前にシリア軍を攻撃した。4月4日に化学兵器が使用されたとされているが、攻撃は7日未明。化学兵器の使用を主張したのはイギリスの情報機関と関係が深い「SOHR(シリア人権監視所)」とアル・カイダ系武装集団やダーイッシュと連携している白ヘルだという。攻撃までの期間が余りに短かったことから、攻撃の準備は4日より前に始まったと思っている人は少なくない。

4月11日から12日にかけて、アメリカのレックス・ティラーソン国務長官はロシアを訪問した。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と数時間にわたって話し合った後、ウラジミル・プーチンと2時間ほど会ったようだが、「こうしたことは2度と起こらないようにしろ」と釘を刺されただけのようだ。その前にティラーソンはG7の会議に出席、そこでイギリスのボリス・ジョンソン外相とロシアに対する制裁を強化する演出を目論んだが、失敗したと伝えられている。

トランプはネオコンを含むアメリカ支配層の好戦派に妥協、有力メディアや民主党などから歓迎されているが、世界では孤立の度合いを強めている。アメリカ帝国の足下は崩れ始めているように見える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704130001/


23. 中川隆[7855] koaQ7Jey 2017年4月18日 16:39:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8346]

2017.04.18
侵略戦争に反対するガッバード議員が議会で孤立、さらなる破壊と殺戮へ向かう米国の危機的状況

アメリカのドナルド・トランプ政権は好戦的な色彩を強めている。上院議員時代から軍需産業のロッキード・マーチンを後ろ盾にしていることで知られているヒラリー・クリントンと同じ道を歩み始めたとも言えるだろう。クリントンを支援していた人物の中には、インタビュー番組の中でロシア人やイラン人を殺すと公言したマイク・モレル元CIA副長官も含まれている。

ジョン・マケイン上院議員が2月中旬にシリアへ違法入国したことを同議員のオフィスは認めた。シリア政府の承認を受けずに入り込んでいるアメリカ軍の部隊に会ったとしているのだが、2013年5月にシリアへ違法入国したときには、後にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)のリーダーになるアブ・バクル・アル-バグダディを含む反シリア政府軍の幹部たちと会談している。そのほかマケインはウクライナで政権転覆を扇動するなど露骨な内政干渉を行うが、大して問題になっていない。

現在のアメリカではアメリカ支配層にとって目障りな主権国家に対する内政干渉や侵略、そうした敵対行為の手先になっている「テロリスト」への支援は容認されている。マケインの密入国など問題ではないのだろう。

議会の中にも、こうした行為を批判する人はほとんどいないが、例外的なひとりがタルシ・ガッバード下院議員。2004年には州兵としてイラクで戦っている。戦争の実態を知っているということだ。そのガッバード議員はCNNのインタビューで、シリアのアサド政権を倒すという違法で非生産的な戦争をアメリカやCIAは止めるべきであり、イスラム過激派との戦いに集中するべきだと語っている。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、バラク・オバマ政権はアサド政権を倒すためにイスラム過激派、つまりワッハーブ派/サラフィーヤやムスリム同胞団を中心とするアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を「穏健派」と称して支援してきた。マケインやクリントンもオバマの仲間であり、最近はトランプ大統領も引き込まれている。

アメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月の段階でオバマ政権に対し、シリアにおける反乱の主力はサラフィーヤ、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だとしたうえで、政府が方針を変えなければシリア東部にサラフィーヤの支配地が作られると予測していた。言うまでもなく、これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になる。

この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将で、トランプ大統領が最初に国家安全保障補佐官として選んだ人物である。DIA局長時代、フリンはオバマ政権の周囲とこの件で対立、2014年8月に退役に追い込まれた。このフリンを選んだトランプ政権は、少なくとも発足当時、侵略戦争に消極的だったと言える。

退役後、この文書に記載されたダーイッシュ出現の警告ともとれる部分についてアル・ジャジーラの番組で質問されたフリン中将は、そうした情報に基づいてオバマ大統領の決めた政策がダーイッシュを出現させたとしている。つまりオバマ政権の決定がダーイッシュの広大な地域を支配させることになったと言ったのだ。

このフリンを国家安全保障補佐官に選んだ時点のトランプ大統領はネオコンからの攻撃もあり、戦争へと舵を切る。その象徴的な出来事がフリンの排除。彼は2月13日に辞任させられてしまうのだ。フリンの後任であるH. R. マクマスターはクリントンに近いデビッド・ペトレイアスの子分。このコンビはシリアへ数万人とも15万人とも言われる規模のアメリカ軍をユーフラテス川の渓谷へ侵攻させようと目論んでいると報道された。ただ、軍の幹部にもこうした軍事介入に反対する人は少なくないようで、マクマスターもごり押しできなさそうだが、諦めているわけでもないだろう。

トランプ政権は4月7日、地中海に展開していた駆逐艦のポーターとロスに59発のトマホーク巡航ミサイルを発射させた。シリア政府軍の航空基地を破壊する目的だったが、ロシア側の発表によると、目標に到達したのは23発。ECMという電子的な妨害装置が使われたと言われている。

攻撃を正当化するため、アメリカ政府はシリア政府軍が化学兵器を使ったと主張したが、シリア政府軍が化学兵器を2013年に破棄している。これは国連も熟知している事実だ。しかもアメリカは詳しい調査を拒否している。

シリアで化学兵器を保有しているのはアメリカが支援してきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュのような傭兵部隊。2011年10月のリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されるとCIAはアメリカ国務省の協力を受けて武器/兵器を戦闘員と一緒にトルコ経由でシリアへ運んでいた。そうした武器/兵器の中に化学兵器も含まれていた。当時のCIA長官がペトレイアスであり、国務長官がクリントンだ。

シリアの反政府軍に穏健派は存在しないとDIAから警告された2012年8月、オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと発言するが、その時点で反政府軍が化学兵器を保有していることを彼は知っていたはずだ。その年の12月にクリントンは、自暴自棄になったシリアのアサド大統領は化学兵器を使う可能性があると主張する。クリントンも反政府軍が化学兵器を保有していること知っていただろう。

翌年の1月、イギリスのデイリー・メール紙はオバマ政権の偽旗作戦に関する記事を載せている。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけて非難、国際的な軍事行動を誘発しようという作戦をオバマ政権は許可したというのだ。

そして3月と8月に化学兵器が使用されるが、その嘘はすぐに発覚する。3月の場合、イスラエルのハーレツ紙は状況から反政府軍が使ったと分析、マケインがシリア入りした5月に国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテは反政府軍が化学兵器を使った疑いが濃厚だと表明している。状況から考え、デル・ポンテの見方は正しいと推測する人は少なくない。その5月にマケインはシリアへ密入国したわけだ。

8月21日にはダマスカス郊外が化学兵器で攻撃され、西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、NATOを軍事介入させようとするのだが、これも嘘を指摘する報道や報告が相次いだ。ガッバード下院議員の主張は当然なのだが、現在、議会で彼女は孤立無援だ。有力メディアも敵に回している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704170000/


24. 中川隆[-7744] koaQ7Jey 2017年5月07日 07:16:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.05.07
西側がシリアへの直接的な軍事侵攻を実行するために使ってきた白ヘルとダーイッシュの緊密な関係

アフガニスタンのハミド・カルザイ元大統領はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)について、アメリカによって作られた道具だ語っている。ダーイッシュの母体であるアル・カイダについてCIAから訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイルだと説明したのは、1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クック。アラビア語で「アル・カイダ」とは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使われる。そうした事実を、かつてアメリカの傀儡と言われたカルザイも口にするようになった。

こうしたことは2011年春にリビアやシリアに対する軍事侵略が始まった段階で知られていた。その年の10月にリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒され、カダフィは惨殺されているが、その直後にベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられていた。その映像はYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メール紙も伝えている。

ただ、NATOと連携してリビア政府軍と戦っていたLIFGがアル・カイダ系だということは早い段階から明確になっていた。LIFGの幹部がインタビューで認めているのだ。そうしたことをベンガジで掲げられたアル・カイダの旗は確認するものだったと言える。

こうしたことからアル・カイダとアメリカ/NATOの関係が知られるようになると、新たなタグをつけた戦闘集団が登場してくる。それがダーイッシュで、一時期はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルといった国々の支援で勢力を拡大していたが、2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入すると戦況は一変、ダーイッシュやアル・カイダ系武装集団は敗走している。

2012年からアメリカはシリアの体制をリビアと同じように倒すため、制空権を握って一気に方をつけようとするが、シリア軍は抵抗、バシャール・アル・アサド大統領も逃亡しなかった。2012年には「政府軍による住民虐殺」という偽情報を広めていたが、途中で偽情報の発信源だったシリア系イギリス人のダニー・デイエムの嘘が発覚していまう。西側の有力メディアが使っていた場面の前、デイエムが演出の打ち合わせをしている部分の映像が3月にインターネットで公開されてしまったのだ。

そこで持ち出されたのが化学兵器。まず、2012年8月にバラク・オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言、その年の12月にヒラリー・クリントンは「自暴自棄になったシリアのアサド大統領は化学兵器を使う可能性がある」と主張する。

ところが、2013年1月にイギリスのデイリー・メール紙はアメリカの偽旗作戦に関する記事を掲載している。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけて非難、国際的な軍事行動につなげようという作戦をオバマ政権が許可したというのだ。

そして2013年3月と8月に化学兵器が使われたと西側の政府や有力メディアは叫び、軍事介入へ突き進もうとするのだが、この時に化学兵器を使ったのは反政府軍だった可能性がきわめて高いことは多くの調査や研究で明らかになる。その辺の事情は本ブログでも繰り返し書いてきたことなので、今回は割愛する。

アメリカの支配層は新たな口実を考えつかなかったようで、今でも化学兵器を宣伝の材料に使っているが、ストーリーに新しい団体を加えた。白ヘルだが、侵略軍が敗走する中、ダーイッシュと白ヘルとの緊密な関係が明らかにされている。(例えば、ココ)

それでも西側の政府や有力メディアは白ヘルやSOHR(シリア人権監視所)をプロパガンダの軸に据えている。支配者の流す話をひたすら信じる人びとをコントロールすることに集中、自ら調べ、考えるような人びとを操ることは諦めたのかもしれないが、カルザイの発言からすると、西側メディアが発信する偽情報も限界に近づいているように思える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705070000/


25. 中川隆[-7539] koaQ7Jey 2017年5月23日 08:41:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.05.23
サウジでトランプ米大統領はアル・カイダとの関係や9/11に関する疑惑に触れず、イランを攻撃

ドナルド・トランプ米大統領は訪問先のサウジアラビアで5月21日に演説、その後イスラエルへ向かった。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)などを撲滅する必要があると語ったと報道されているが、ダーイッシュやアル・カイダ系武装集団と呼ばれているサラフィ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心とする武装勢力の戦闘員を雇い、戦費を負担してきたのはサウジアラビアやカタールといったペルシャ湾岸産油国だ。この関係はトランプも2014年9月にツイッターで書いている。

アメリカの「同盟国」がアル・カイダ系武装集団やダーイッシュと連携していることはトランプだけがいっている話ではない。アメリカの政府高官や軍人も認めてきた事実だ。

例えば、2014年9月にトーマス・マッキナニー空軍中将はアメリカがダーイッシュを組織する手助けをしたと発言、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で語っている。同じ年の10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると述べた。2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと語っている。

そしてフリン元DIA局長は2015年8月、アル・ジャジーラの番組へ出演した際にダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の政策があったからだと指摘しているのだが、その発言はフリンが局長時代、2012年8月にDIAがバラク・オバマ政権へ出した報告書に絡んで質問を受けて出てきた。

その中で、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだと指摘している。オバマ政権が主張するところの「穏健派」は存在しないと指摘しているのだ。さらに、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。

オバマ政権で国務長官だったジョン・ケリーもアメリカが反シリア政府軍に武器を提供し、戦闘員を訓練していることも認めている。その発言は2016年9月のもので、その音声が後にインターネット上へアップロードされた。

シリアやリビアに対する侵略戦争が顕在化する4年前の段階で、アメリカ、サウジアラビア、そしてイスラエルがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始したと指摘されている。同年3月5日付けニューヨーカー誌で調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが書いた、そうした内容の記事が掲載されたのだ。

その中で、ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで外交問題評議会の終身メンバーでもあるバリ・ナスルの発言をハーシュは引用、「サウジは相当な金融資産があり、ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係がある」としたうえで、「サウジは最悪のイスラム過激派を動員することができた。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」と警告している。言うまでもなく、外交問題評議会は欧米支配層と深い関係にある団体で、支配層の内部にもネオコン、サウジアラビア、イスラエルの侵略計画を懸念する人がいたということだ。

イスラエル政府は自分たちのアル・カイダ系武装集団に対する好意的な見方を隠していない。例えば、2013年9月には駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンはシリアのアサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている。またモシェ・ヤーロンは2016年1月19日、INSS(国家安全保障研究所)で開かれた会議で、イランとダーイッシュならば、ダーイッシュを選ぶと発言したと伝えられている。

アメリカをはじめとする侵略国とアル・カイダ系武装集団との関係を象徴する光景が2011年10月、リビアのムハンマド・アル・カダフィ体制が倒された直後に見られた。反カダフィ勢力の拠点だったベンガジで、裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられたのだ。その様子はYouTubeにアップロードされ、デイリー・メイル紙も伝えている。

ダーイッシュは2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはイラクのファルージャやモスルを制圧し、トヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねた「パレード」を行って広く知られるようになった。

当然、そうした動きをアメリカの軍や情報機関は知っていた。彼らは偵察衛星、無人機、通信傍受を保有、人間による情報活動のネットワークもある。小型トラックのパレードは格好の攻撃目標だったはずだが、何もしていない。

イラクの首相だったヌーリ・アル・マリキは2014年3月、サウジアラビアやカタールを反政府勢力へ資金を提供していると批判、ロシアへ接近する姿勢を明確にしていた。アメリカ政府も反政府武装勢力の仲間だと認識していたということだ。

イラクでは2014年4月に議会選挙があり、マリキを支えるシーア派聯合が328議席のうち157議席を獲得している。マリキが首相を続ければ、イラクはロシアへ接近する。そうした状況の中、フアード・マアスーム大統領はマリキを首相に指名することを拒否、アル・アバディが9月から首相を務めることになった。アメリカ政府からの圧力があったということだろう。

1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックも指摘しているように、アル・カイダとはCIAがアフガニスタンでロシア軍を潰すために雇い、訓練した数千名に及ぶムジャヒディン(聖戦士)のコンピュータ・ファイル。アラビア語でアル・カイダとは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使われる。戦闘集団にはさまざまなタグが付けられるが、その実態は同じ。「アル・カイダ」からピックアップされた戦闘員が中心になった武装集団にすぎない。

そうしたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに最も大きな影響力を持っていると言われているのがサウジアラビアの副皇太子で国防相でもあるモハンマド・ビン・サルマン。そのサルマンは今年3月にホワイトハウスでトランプと会談、アメリカのインフラを整備するために400億ドルを投資する計画だと語ったという。

今回の演説でトランプはイランに対する軍事的な圧力を強める発言をする一方、サウジアラビアがアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュのスポンサーだという事実、あるいは2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎に対する攻撃にサウジアラビアが関係している疑惑には触れなかったようだ。シリアやイエメンへの侵略で苦境に立ち、自らが仕掛けた原油相場の暴落で自国の財政が厳しい状況に陥っているサウジアラビアとしては、軍事的な緊張の高まりで原油価格が上昇することを願っているとも推測されている。

TWITTER

楽天SocialNewsに投稿!

楽天プロフィール

最終更新日 2017.05.23 00:34:59






2017.05.22

露がシリア南部に特殊部隊などを派遣、ヨルダンを拠点として新傭兵部隊を編成中の米英軍に対抗


カテゴリ:カテゴリ未分類

アメリカが主導する同盟軍がヨルダンからシリアの南部へ侵攻しつつある。5月18日にはアメリカが主導する同盟軍の軍用機がヨルダン領内からシリア領空へ侵入、シリア南部のアル・タンフ近くで政府軍を攻撃、T-62戦車2輌を破壊、6名の兵士を殺害、何人かを負傷させたとされている。

2015年9月30日にシリア政府の要請でロシア軍が空爆を始めてからアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が劣勢になり、ここにきて政府軍はイラクとの国境近くも制圧しそうな勢いだ。トルコとの関係が悪化して北部からの侵略ルートをこれまでのように使えなくなっているが、イラクとの国境線をシリア政府軍が押さえたなら、侵略軍はイラクとの行き来も困難になる。

そこでイギリス軍やアメリカ軍はヨルダンで同国軍と共同で拠点を築き、そこからシリアへ侵入している。アル・タンフの周辺では米英の特殊部隊が反シリア政府軍を訓練しているのだが、そこへ政府軍が迫り、アメリカ主導軍による空爆につながった。

そうした動きに対応してロシア軍は空挺部隊と特殊部隊をシリア南部のスワイダーへ軍事顧問団として派遣、アル・タンフへ向かっているシリア政府側の部隊にはロシアのSu-30戦闘機が支援のためについたとも伝えられている。

反シリア政府軍はどのような名称で呼ばれようとその内情に変化はない。2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)がバラク・オバマ政権へ報告したように、サラフィ主義者/ワッハーブ派、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だ。アル・カイダ系武装集団とは集合体につけられたタグであり、サラフィ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団は戦闘員の出身母体の呼び名だ。つまり、現在、アメリカやイギリスの特殊部隊が訓練している戦闘員もそうした人びとだ。

しかし、アメリカ側はそうした戦闘集団の幹部をシリアのデリゾールやイラクのモスルから救出する一方、アメリカ陸軍の第75歩兵連隊がアレッポのマンビジへ入り、アメリカの第11海兵遠征部隊がジブチからクウェート経由でシリアのラッカへ侵攻したとも伝えれていた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705230000/


26. 中川隆[-7609] koaQ7Jey 2017年6月06日 16:02:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.06.05
50年前からイスラエルはゴラン高原を不法占領、その時にイスラエル軍は米海軍の艦船を攻撃


シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すという外国勢力の思惑は失敗に終わりそうだが、この国を侵略しようという目論見は何十年も前から続いている。ここで終わるということもないだろう。

トルコからシリアへ伸びていた侵略勢力の兵站ライン、ヨルダンの拠点化、イラクからの侵入、地中海からの攻撃、そしてゴラン高原でも戦闘は行われてきた。ゴラン高原ではシリア軍との戦闘で負傷した傭兵たちをイスラエル軍が救出、治療してきたことも知られている。

ゴラン高原はシリア領なのだが、西側3分の2はイスラエルが占領している。1967年6月5日から10日にかけて行われた第3次中東戦争から50年間、こうした状態が続いている。この侵略を「国際世論」、つまり西側の有力メディアは黙認してきた。

戦争の最中、6月8日にアメリカ海軍の情報収集船リバティーがイスラエル軍の攻撃され、乗組員のうち34名が死亡、171名が負傷している。リバティーはアメリカの船であることを示す旗を掲げ、攻撃の前にイスラエル軍は少なくとも8回にわたって偵察飛行を実施していることからアメリカの船であることを知った上で攻撃したことは間違いないだろう。

攻撃した目的は明確でないが、イスラエルのモシェ・ダヤン国防相はアメリカ政府の意向を無視してゴラン高原の占領を決めていることから、そうした動きを察知されたくなかったという見方は否定できない。戦争を始める数日前、イスラエルの外相はワシントンで攻撃計画を説明しているが、あくまでもエジプトが相手だとしていた。

逆に、アメリカ軍はイスラエルのために情報収集する目的でリバティーを派遣したと推測する人もいる。ところが、その時に約1000名のパレスチナ人とエジプト兵をイスラエル軍は処刑しているので、戦争犯罪に問われることを嫌った可能性はある。

実は、6月6日に統合参謀本部からジョン・シドニー・マケイン提督(ジョン・マケイン上院議員の父親)へリバティーをガザの海岸線から100マイル(約160キロメートル)以上離れるように緊急の指示が届いているのだが、これをマケインは艦船へ伝えなかった。

6月7日になるとアメリカの情報機関はイスラエルが8日にリバティーを攻撃するつもりだと言うことを知る。その攻撃はモシェ・ダヤン国防相が独断で決めたとされている。この人物はゴラン高原の占領も決めていた。

イスラエル軍はまず船の通信設備を破壊、さらにジャミングで交信を妨害している。戦闘機による攻撃ではロケット弾やナパーム弾が使われたが、ナパーム弾を使ったことから皆殺しにするつもりだったと見られている。

それでもリバティーの通信兵は何とか攻撃されていることを第6艦隊へ伝えることに成功した。攻撃開始から15分足らずの時点で空母サラトガはすぐ離陸できる状態のA1スカイホーク4機を艦長は離陸させている。

ところが、もう1隻の空母アメリカは戦闘機を発信させず、国防長官だったロバート・マクナマラは第6艦隊のローレンス・ガイズ少将に対し、ジョンソン大統領は一握りの水兵のためにアメリカの同盟国と戦争したり困らせたりしたくないと語ったことが明らかになった。

第6艦隊の第60任務部隊が空母サラトガと空母アメリカに対して8機をリバティ救援のために派遣、攻撃者を破壊するか追い払うように命令したのは攻撃開始から1時間11分後。それから二十数分後にイスラエルは最後の攻撃をしている。

この出来事の際の交信をNSAは傍受、記録していたはずだが、明らかにされることはなかった。交信を記録したテープは大量に廃棄したとされているが、複数の大統領へのブリーフィングを担当した経験を持つCIAの元分析官、レイ・マクガバンもこうした隠蔽工作があったとしている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201706040000/


27. 中川隆[-7320] koaQ7Jey 2017年6月28日 10:57:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.06.28
シリア軍が化学兵器を使っていないことを承知の上で攻撃した米政権が次の化学兵器の使用を予言
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201706280000/


ホワイトハウスの広報担当、シーン・スパイサーは6月26日、シリア政府が化学兵器を計画している可能性があるとしたうえで、もし攻撃したなら報復すると主張したが、それに対してウラジミル・プーチンの広報担当であるドミトリー・ペスコフはシリアの合法的な指導者に対するそうした脅しは受け入れられないと応じた。

アメリカは4月6日夜にアメリカ軍は駆逐艦のポーターとロスから巡航ミサイルのトマホーク59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射、少なくとも数機は目標へ到達したと言われている。バシャール・アル・アサドはシリアの防空システムは半分以上が破壊されていると語っているので、ロシア軍によるジャミングでミサイルを落とした可能性がある。

この攻撃はCIAの説明を無視して実行された。4月6日の早朝にマイク・ポンペオCIA長官はドナルド・トランプ大統領に対し、シリア政府側は化学兵器を使用していないと説明している。それにもかかわらず、アメリカ政府がバラク・オバマ政権の政策を変更、アサド大統領の排除を止めたと発表した直後の4月4日にシリア政府軍が化学兵器を使ったとしてアメリカ軍は攻撃したいうのだ。

現地の様子から化学兵器が使われたとする話に疑問を持つ人は少なくなかった。理由のひとつは、現場にいる人物が防護服を着ていないこと。そもそもアメリカ側の主張には、いつものことだが、証拠が示されていない。

巡航ミサイルによる攻撃の後、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領との共同記者会見で、4月4日の有毒ガス流出事件は偽旗作戦だと明言、さらなる化学兵器による攻撃が計画されていると語っているが、これは最悪の展開を避ける狙いがあったのだろう。

本ブログでも紹介したが、ジャーナリストのロバート・パリーは攻撃の直後、4月6日の早朝にドナルド・トランプ大統領がマイク・ポンペオCIA長官から化学兵器の使用を否定する説明を受けていたとする内部からの情報を伝えている。

そして、6月25日にはジャーナリストのシーモア・ハーシュが同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。攻撃の前からアメリカ側はロシアから情報を知らされていたのだ。その情報が何者かによって現地のアル・カイダ系武装集団へ伝えられた可能性は高い。

また、6月22日にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領がシリア政府による化学兵器の使用は根拠がないと話している。マクロンはロスチャイルド資本の代理人であり、ヨーロッパの支配層がネオコンと距離を置き始めた可能性がある。

4月4日の有毒ガス流出騒動は偽旗作戦だという情報が流れた直後、アメリカ政府はシリア政府を恫喝したわけだ。アメリカ支配層の悪事を暴こうとするとロシアと戦争を始めるぞと脅しているようにも聞こえる。ハーシュが明らかにしたアメリカの安全保障担当者の発言を借りると、トランプの周辺はロシア軍が張り子の虎でないことを理解していない。


28. 中川隆[-7304] koaQ7Jey 2017年6月29日 11:11:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.06.28
CNNがトランプとロシアとの戯言を流すのは視聴率稼ぎのためだと同局のプロデューサーが語った


アメリカのニュース専門テレビ局、CNNでプロデューサを務めているジョン・ボニフィールドは同局のロシア話について、CNNのジェフ・ザッカーCEOの視聴率を高めたいという意向に基づくと語った。会話を隠し撮りした映像がインターネット上に流れているのだが、これを撮影したのはジェームズ・オキーフが組織したプロジェクト・ベリタスの潜入ジャーナリストだ。

ボニフィールドに言われるまでもなく、CNNを含む西側有力メディアのロシアやウラジミル・プーチンを悪魔化して描く「報道」に根拠がないことは明確で、ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなどを侵略する前に展開された「報道」の嘘も次々に暴かれてきた。

例えばシリアの場合、西側の政府や有力メディアの宣伝とは違って市民の蜂起などはなく、したがって政府による弾圧もなかった。西側の宣伝では2011年3月にそうした蜂起があり、多くの市民が殺されたことになっているのだが、2010年からシリアで活動を続けているベルギーの修道院のダニエル・マエ神父もそうした蜂起はなかったと語っている。

実は、そうした情報は戦乱が始まった当時から流れていた。当時、リビアも似たような状況になり、2011年10月にはNATO軍がアル・カイダ系武装集団LIFGと連携してムアンマル・アル・カダフィの体制を倒し、カダフィを惨殺するが、その後に戦闘員、武器、兵器がトルコ経由でシリアへ運ばれている。その後、シリアでの戦闘が激しくなったことは言うまでもない。

西側の有力メディアがシリア政府軍の残虐な攻撃を伝えるために使っていた情報源がシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)。デイエムの場合、現地からの報告だということで、その話に飛びついた人は少なくなかったようだ。

シリア政府の弾圧を訴え、外国勢力の介入を求める発言を続けていたのだ。シリアへの軍事介入を望む西側諸国、ペルシャ湾岸産油国、あるいはトルコの支配層にとって好都合な訴えで、西側メディアは盛んに彼の話を伝えていた。(例えば、ココ、あるいはココ)

しかし、2012年3月1日にダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子が流出して彼の情報がインチキだということが判明するが、CNNを含む西側メディアは偽情報を大々的に「報道」しつづけている。

そして2012年5月にホムスで住民が虐殺される。反政府勢力や西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝、これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだが、宣伝内容は事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長だった。

その修道院長の報告をローマ教皇庁の通信社が掲載したが、その中で反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を殺したとしている。その修道院長は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。

こうした状況の中、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援していると主張していたが、アメリカ軍の情報機関DIAはこれを否定する報告を2012年8月にホワイトハウスへ提出している。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。

また、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がトランプ政権で安全保障担当補佐官に就任、1カ月足らずで辞任させられたマイケル・フリン中将だ。

こうしたことに限らず、CNNを含む西側有力メディアはアメリカによる軍事侵略を正当化するための偽情報を流し続けてきた。ドナルド・トランプとロシアとの問題だけではないのだ。

その背景にはCIAと有力メディアの緊密な関係がある。本ブログで説明してきたように、CIAの背景には金融資本が存在しているので、金融資本と有力メディアの関係と言うこともできる。

CIAは第2次世界大戦が終わって間もない1948年頃、報道をコントロールするためのプロジェクトを始めている。いわゆるモッキンバードだが、その中心にはアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズというCIAの大物やワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムがいた。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

ワシントン・ポスト紙の記者としてウォーターゲート事件を明らかにしたことで有名なカール・バーンスタインは1977年に同紙を辞め、その直後に「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。それによると、400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

最近では、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)の元編集者、ウド・ウルフコテもメディアとCIAとの関係を告発している。彼によると、ジャーナリストとして過ごした25年の間に教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないことで、多くの国のジャーナリストがCIAに買収されているとしている。その結果、ヨーロッパの人びとはロシアとの戦争へと導かれ、引き返すことのできない地点にさしかかっているとしていた。そして2014年2月、この問題に関する本を出したという。

CNNが偽報道をする理由として視聴率が挙げられているが、これはダメージ・コントロールの可能性もある。アメリカの有力メディアは支配層が情報をコントロールするための機関にすぎない。「言論の自由」や「社会の木鐸」を彼らに期待するのは無理なのだ。これだけ騙されているのに、まだ西側の有力メディアを信じている人がいるとするならば、よほど愚かなのか、騙されたがっているのか、騙された振りをしているのかだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201706280001/


29. 中川隆[-7159] koaQ7Jey 2017年7月16日 12:51:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.07.16
リビアに続いてシリアを破壊してきたジハード集団は露軍の攻撃で敗走しているが、EUで活動網


サウジアラビアはモスクの建設などによって、ヨーロッパに「過激主義」を広めているとウィリアム・パティーというイギリスの外交官は語った。勿論、モスク自体が危険なわけではない。モスクを拠点にして活動する人々が危険なのである。

パティーはスーダン、イラク、サウジアラビア、アフガニスタンの大使を務め、イスラムの事情には精通しているはず。スーダン、イラク、アフガニスタンはアメリカのネオコンが2001年秋の段階で侵略予定国のリストに載せられていた。イスラム系の過激派と見なされているのはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だが、ワッハーブ派はサウジアラビアの国教だ。

サウジアラビアが「テロリスト集団」へ直接資金を提供しているとは考えていないとしているが、サウジアラビアが「テロリスト集団」のスポンサーだということは公然の秘密。アメリカでは軍の元幹部や元副大統領なども「アメリカの友好国」という表現で認めている。この「テロリスト」を雇っている現在のサウジアラビア国王や皇太子はイスラエルやネオコンの強い影響下にある。

デイビッド・キャメロン政権はジハード集団、つまりサラフィ主義者やムスリム同胞団などに対する外国勢力の支援についての調査を承認したが、テレサ・メイ政権はその報告書を公表しない可能性が出てきた。報告書にはサウジアラビアやカタールといったペルシャ湾岸の産油国の名前が出ていることは間違いなく、それが報告書を封印する理由ではないかと見られている。

サウジアラビアが傭兵を雇い、アメリカが武器/兵器を提供して戦闘員を訓練、イスラエルが工作に協力するという構図は1970年代の終盤、アフガニスタンへソ連軍を誘い込むというズビグネフ・ブレジンスキーの戦略が作成された当時から続いている。

この当時、戦闘員をリクルートしていたのがオサマ・ビン・ラディンであり、ロビン・クック元英外相によると、CIAがアフガニスタンで訓練したムジャヒディン(聖戦士)のコンピュータ・ファイルがアル・カイダ。ちなみにアル・カイダとは「ベース」を意味、データベースの意味でも使われる。

1970年代から80年代にかけてアメリカ政府はこうした戦闘集団を「自由の戦士」と呼んでいたが、2001年9月11日以降は「テロリスト」の象徴になった。2003年にはアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃、その国土を破壊し、100万人とも言われる人々を殺している。そのとき、前面に出ていたのは正規軍や特殊部隊のほか、傭兵会社の戦闘員だった。

その方法が修正されたのは2011年。「独裁者に対する民衆の蜂起」というシナリオでリビアやシリアで侵略戦争が始まったのだ。そうした「民衆の蜂起」が起こるような状況にはなく、民衆役を演じたのが外国から送り込まれた傭兵、つまりアル・カイダ系武装集団だった。リビアではこうした集団をNATOが空爆で支援、ムアンマ・アル・カダフィ政権を倒すことに成功、今は暴力が支配する破綻国家になっている。この侵略の黒幕は、アメリカ、サウジアラビア、イスラエル、さらにイギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々だ。

シリアでもアル・カイダ系武装集団、そこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)による侵略戦争が展開され、アメリカ主導軍の支援もあってジハード集団は勢力を拡大、ダマスカス陥落の可能性も高まっていた。そうした流れを一気に断ち切り、侵略軍を壊滅寸前まで追い込んだのがロシア軍。自分たちの手先が総崩れになるのを見て、今ではクルド軍を支援するだけでなく、アメリカ軍もシリアへ侵攻させ、基地を建設している。

その一方、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどの支援を受けてきた戦闘集団の中枢にはカルトの信者がいる。1970年代終盤、サウジアラビア王室も手を焼く存在だった。そうした集団をアフガニスタンへ送り出した理由のひとつは、彼らを国外へ追い出す意味もあった。そうした人々がヨーロッパへ入り、ネットワークを作りつつある。しかも、そうした人々を各国の情報機関が守ってきた。コントロールできると考えたのだろうが、いつ暴走を始めても不思議ではない。アメリカはそれも計算済みかもしれない。ネオコンにとってEUも警戒すべき潜在的ライバルなのである。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201707150000/


30. 中川隆[-7136] koaQ7Jey 2017年7月18日 10:57:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.07.17
シリア政府が住民に化学兵器を使ったとする話の信憑性がなくなる中、CIA長官が大統領擁護の発言


マイク・ポンペオCIA長官は7月11日、INSA(情報国家安全保障連合)の夕食会で4月6日の出来事について語った。ドナルド・トランプ大統領から4月4日の攻撃について質問されたポンペオは6日、閣僚が集まった会合の席で攻撃に化学兵器が使われ、シリアの体制側が使ったというCIAの結論を伝えたとしている。

その報告に基づいてトランプは攻撃を決断、6日の夜、アメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射され、少なくとも数機は目標へ到達したという。

しかし、シリア政府軍は化学兵器を2013年に廃棄、現在、そうした兵器を保有しているのはアメリカが支援してきた反シリア政府軍だ。ロシア政府が現地での厳密な調査を求めたが、西側は拒否している。

以前にも書いたが、ジャーナリストのロバート・パリーは攻撃の直後、ポンペオ長官の主張とは全く違う話を伝えている。4月6日の早朝、ドナルド・トランプ大統領はマイク・ポンペオCIA長官から私的に化学兵器の使用を否定する説明を受けていたとする内部からの情報があるというのだ。

6月25日には、ジャーナリストのシーモア・ハーシュが同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えたとしている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。攻撃の前からアメリカ側はロシアから情報を知らされていたのだ。その記事が出る3日前、6月22日にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領がシリア政府による化学兵器の使用は根拠がないと話している。

パリーは1980年代の前半にCIAを後ろ盾とするニカラグアの反革命ゲリラ、コントラのコカイン取引を初めて明らかにしたジャーナリストであり、ハーシュはベトナム戦争の際に非武装の住民がアメリカ軍の部隊に虐殺されたソンミ(ミライ)事件を明らかにしたことで知られている。

こうしたジャーナリストやマクロン仏大統領の話は、トランプ大統領がシリア政府軍による化学兵器の使用を否定するCIAの情報を無視する形でシリアをトマホークで攻撃したことになる。そうしたことを否定する役割を負っているポンペオとしては、INSAでの発言のように主張するしかなかったのだろう。

CIAの歴史を振り返ると、事実を正確に分析する仕組みが破壊されてきたことがわかる。まず1950年10月に破壊活動を目的とする秘密機関のOPCに潜り込まれ、計画局が設置された。計画局の秘密工作の一端が露見したことから1973年3月に計画局は作戦局へ名称が変更され、9/11後の2005年10月にはNCS(国家秘密局)になった。この間、1970年代の半ばにはCIAの内部にソ連の脅威を誇大に宣伝する目的でチームBが活動している。

このチームBには後にネオコンと呼ばれる人物が含まれている。この時期、つまりジェラルド・フォード政権でデタント派を粛清した黒幕はポール・ニッツェやアルバート・ウールステッターだが、ニッツェはチームBのメンバー。ウーステッターの教え子で後にネオコンの中心的な存在になるポール・ウォルフォウィッツも加わっていた。このチームを率いていたのはハーバード大学の教授でネオコンと呼ばれるようになるリチャード・パイプス教授だ。

9/11の後、この攻撃と無関係のイラクをネオコンは攻撃しようとするが、統合参謀本部の反対もあって軍事侵攻を予定通りには始められなかった。そうしたこともあり、2002年にジョージ・W・ブッシュ政権は偽情報を広めるため、ネオコンダグラス・フェイス国防次官が国防総省の内部にOSP(特別計画室)という部署を設置した。その室長に任命されたのがウォルフォウィッツと同じようにウーステッターの教え子であるエイブラム・シュルスキー。そのメンバーは4、5名で、「陰謀団」と自称していた。

その後もCIAの分析部門は偽情報を広める上で邪魔な存在。そうしたこともあってか、トランプ政権になってCIAの組織見直しが言われるようになった。ネオコンの宣伝媒体になっているニューヨーク・タイムズ紙は見直しの責任者としてケルベロス・キャピタルという投資会社の共同創設者、ステファン・フェインバーグの名前を挙げている。ケルベロスはダインコープという傭兵会社を所有している。

現在、アメリカではアフガニスタンへ数千人規模のアメリカ軍部隊を送り込むと言われているが、正規軍ではなくアメリカの傭兵会社に任せるという話も出ている。そのためにトランプ政権はブラックウォーター(Xe、アカデミへ名称変更)の創設者であるエリック・プリンス、そしてフェインバーグを雇ったとも伝えられている。1980年代にアメリカ政府は軍や情報の分野を含めてアウトソーシングを進めたが、今では政府自体の私有化が進んでいるようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201707170000/


31. 中川隆[-7130] koaQ7Jey 2017年7月20日 21:33:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

トランプ政権: CIAがシリア反体制派への支援を打ち切り2017年7月20日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/6581

これには驚いた。いわゆる「ロシア疑惑」における米民主党と大手マスコミの主張の正当性が公に疑われるようになったので、トランプ大統領は遠慮なくロシアとの対立解消に向かえるようになったというころだろう。

トランプ政権とシリア紛争

Washington Post(原文英語)の伝えるところによると、トランプ大統領はCIAが行なっていたシリアのアサド政権の転覆を目論む反体制派への武器供給及び戦闘訓練プログラムを打ち切ることを決定した。

シリアへの強硬姿勢を支持するリベラル紙であるWashington Postの原文によれば、この反体制派は「シリアの反政府”穏健派”」と表現されているのだが、アメリカから与えられた武器を持って政府と戦闘をする穏健派とは一体何を意味しているのか、筆者には皆目理解出来ない。シリアでなければ、反政府武装組織はテロリストと表現されるだろう。マスコミの表現には恣意が満ちている。

さて、話を戻すと、この動きはトランプ大統領が大統領になるより前から公約していた政策である。トランプ氏は、自分が大統領に当選すれば、アメリカは他国の政権転覆政策を止めることになると主張していた。以下の記事で取り上げたトランプ大統領の発言を思い出してほしい。
•ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから


メディアは明日にでも「ドナルド・トランプはロシアと仲良くしたいらしい。酷いことだ」とでも言うだろう。しかしロシアと上手くやってゆくことは酷いことではない。良いことだ。

ロシアに対して強硬姿勢を示す方がわたし個人にとってはよほど簡単だ。分かるだろう? しかしわたしはアメリカ国民にとって正しいことをしたいのだ。そして第二に、正直に言うならば、世界にとって正しいことをしたいのだ。

トランプ氏の言う「正しいこと」とは、これまでベトナム、リビア、イラクなどで行われてきたアメリカによる他国の政権転覆を止めることである。しかし、その方針は民主党と大手マスコミによる「トランプ大統領とロシアの癒着疑惑」によって長らく妨害されてきた。ここでは随時報じていた通りである。
•ロシア大使との会話を巡ってフリン大統領補佐官が辞任に追い込まれる
•娘のイヴァンカ氏、トランプ大統領にシリア攻撃を指示、反対した「極右」バノン氏は左遷へ

しかし最近になって米大手マスコミのCNNが、この「ロシア疑惑」をでっち上げた記者を辞職させざるを得なくなったことで、疑惑の根拠が疑われていた。
•CNN、ロシア疑惑でっち上げで記者3人が辞職

この流れに、G20におけるトランプ大統領とプーチン大統領の会談の成功が加わったことで、トランプ政権はこの決定を公に出すことが出来たのだろう。政府高官は決定は一ヶ月も前に、プーチン大統領との会談以前に行われていたとしているが、このタイミングでこの情報が出てきた意味を考えても良いだろう。

ようやく行われた決定

2016年11月の大統領選挙からこの決断に至るまで、余りにも長い道程だった。マスコミと米民主党の妨害に遭い、トランプ大統領の公約は頓挫しかけていた。以下の発言はトランプ大統領が珍しく弱音を吐いた部分である。
•トランプ政権を侵食するアメリカ政府のロシア嫌い


自分にとってはロシアに強硬姿勢を取る方がよほど簡単だが、それではロシアと何らかの合意に至ることは出来ないだろう。今では、アメリカとロシアが取引出来るかどうかは分からない。分からないのだ。そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない。

マスコミによる妨害がこれほどのものとは予想していなかったのだろう。そうした中、トランプ大統領はリベラル寄りの娘の要望でシリアにミサイルを打ち込むこともあった。
•娘のイヴァンカ氏、トランプ大統領にシリア攻撃を指示、反対した「極右」バノン氏は左遷へ

しかし、紆余曲折はあったがトランプ大統領は決断をした。これでトランプ大統領は公約を守ったことになる。

決定の意味するもの

米国とロシアは長い間利害の対立を経験してきた。プーチン大統領は長らくアメリカの中東政策を非難していた。
•ロシア、プーチン大統領: ISIS(イスラム国)は米国のオバマ大統領が作った


要するに、あの領域に武器を持ち込んでいるのは誰なのかということだ。あなたがた(米国ジャーナリスト)は本当に、シリアで戦っているのが誰か、分かっていないのですか? 彼らのほとんどは傭兵です。彼らが金で雇われているということを理解していますか?

傭兵はどちら側であれ、金をより多く払う側に付きます。米国は傭兵に金を払っています。いくら払っているかもわたしは知っています。彼らは武器を与えられ、戦い、その武器は戦闘が終わった後も返ってくることはありません。

その後、彼らはその武器を持って、もう少し多く給与を払ってくれる組織(訳注:ISISを指す)を見つけ、その組織のために戦います。そしてシリアであれ、イラクであれ、油田を占拠するのです。

そして米国とロシアの対立は中東だけではない。ヨーロッパではウクライナとクリミアを巡って対立があった。ウクライナについては著名投資家ジム・ロジャーズ氏が面白いことを言っている。
•ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから

しかし、こうした状況も改善されるだろう。そう信じられる報道である。そうなれば、投資家にとって朗報なのは、ロシア株へのネガティブなリスクが取り除かれたということである。
•2017年はロシア市場こそがレーガノミクス上げ相場の再来となる


32. 中川隆[-6645] koaQ7Jey 2017年8月19日 11:36:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.08.19 露軍によって手先のダーイッシュが崩壊寸前に追い込まれた米国は地上軍を侵攻させ、占領を続ける


シリアにおけるアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の壊滅は時間の問題だと見られている。アメリカ政府も「ダーイッシュ後」の準備を進めている。ユーフラテス川の北へアメリカ軍が侵攻、イスラエルの影響下にあるクルド勢力と連携して「数十年」の間、占領すると伝えられている。いわば「満州国」の樹立だ。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、シリアの戦乱は「内戦」でなく「侵略」だ。侵略の黒幕はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟が中心で、イギリス、フランス、トルコ、カタール、ヨルダンなどが協力する布陣。こうした国々が侵略の先兵として送り込んだのがアル・カイダ系の武装集団。リビアでアル・カイダ系武装集団とNATOの連携が明確になったこともあり、2014年からダーイッシュが前面に出てきた。

「民主主義を望むシリア市民が独裁者の打倒を目指して蜂起した」という一般受けしそうなシナリオを侵略国の支配者は配下のメディアを使って宣伝していたが、その嘘は早い段階から明らかにされている。

2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒され、カダフィ自身は惨殺されているが、その後、CIAは国務省の協力を得てアル・カイダ系武装集団を武器/兵器と一緒にシリアへ運んだ。

輸送拠点のひとつがベンガジのアメリカ領事館で、クリストファー・スティーブンス大使も関係、2012年9月10日に大使は領事館でCIAの工作責任者と会談、その翌日には海運会社の代表と会っている。その直後に領事館が襲撃され、大使は殺された。その当時、CIA長官だったのがデイビッド・ペトレイアスで、国務長官がヒラリー・クリントン。このふたりがこうした工作を知らなかったとは思えない。

シリア政府を倒すために戦闘員や武器/兵器が送り込まれている最中、西側の有力メディア「市民の蜂起」というおとぎ話を宣伝していた。そうした宣伝の「情報源」とされたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)。シリア政府の弾圧を訴え、外国勢力の介入を求める発言を続けていた。

しかし、2012年3月1日にダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子を含む映像が流出し、彼の情報がインチキだということが判明する。が、CNNを含む西側メディアはこうした事実を無視、偽情報を大々的に「報道」しつづけた。

そして2012年5月、ホムスで住民が虐殺される。反政府勢力や西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝、これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだが、宣伝内容は事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長だった。その修道院長の報告をローマ教皇庁の通信社が掲載したが、その中で反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を殺したとしている。

その修道院長は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。その後もシリアで戦闘が続き、侵略軍が優勢になる理由のひとつは、西側の有力メディアが真実を語らなかったことにあると言えるだろう。

2012年にはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心に編成された戦闘集団だと指摘する報告書をホワイトハウスに提出している。報告書の中で、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されている。この警告は2014年、ダーイッシュという形で現実になった。

ダーイッシュの出現を口実にしてアメリカは2014年9月に連合軍を組織、アサド体制の打倒を目指す。連合軍に参加したのはサウジアラビア、カタール、バーレーン、アラブ首長国連合のペルシャ湾岸産油国、ヨルダン、トルコ、さらにイギリス、オーストラリア、オランダ、デンマーク、ベルギー、フランス、ドイツなど。

この連合軍は2014年9月23日に攻撃を始めるが、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。その後、アル・ヌスラやダーイッシュはシリアで勢力を拡大していくが、その理由は連合軍が本気で攻撃していなかったからだ。主なターゲットはシリアのインフラや市民だったようである。その後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは支配地を拡大していく。

そうした流れを変えたのが2015年9月30日に始まったロシア軍の空爆。アメリカ主導軍と違い、ロシア軍はシリア政府の要請に基づいての軍事介入だった。そして戦況は一変、侵略軍は押され始め、今では崩壊寸前になっている。そこでアメリカは地上軍を軍事侵攻させざるをえなくなった。

イスラエルはモサド(対外情報機関)の長官、アマン(軍の情報機関)の長官、国防省の高官をワシントンへ派遣、国家安全保障担当補佐官のH・R・マクマスター、副補佐官のダイナ・パウエル、そしてジェイソン・グリーブラットと会談するというが、「ダーイッシュ後」のシリアについても話し合うだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708190000/


33. 中川隆[-6600] koaQ7Jey 2017年8月24日 13:27:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017-08-18
世界を動かす12の原理-8〜アメリカのイラン、シリア攻撃に関する「大ウソ」〜
http://www.kanekashi.com/blog/2017/08/5407.html

イラン攻撃オバマ悩みシリア攻撃

「国家のウソ」とそこから見える「本音」と「建前」の続きです。

今回は、イラン戦争とシリア攻撃についてです。

イラン戦争は以前も扱ったことや、「本音」についてもかなり世間一般に周知されていることもあり、端的にまとめました。

シリア攻撃については、中身がやや複雑で「本音」の背景が、非常に興味深い内容です。アメリカによるマッチポンプの様相があったり、また、結果的には自分で自分の首を絞めることになったりと、それまで通用していた「本音」の部分が、ネットによる暴露→拡散の影響もあって、通用しなくなっています。

化学兵器に関しては、以前当ブログでも紹介したクライシス・アクター(アクトレス)等を使った捏造等も絡んで、これまでの「建前」では、世論の共認形成がし難くなっていることが伺えます。

以下、「クレムリン・メソッド」〜世界を動かす11の原理〜(北野幸伯著)

からの紹介です。

****************************

■アメリカがイランを叩く理由は「核兵器開発」であるという「大ウソ」

(ここでは本文から抽出した「本音」と「建前」をまとめました)

アメリカのイラン攻撃の「建前」の理由は、イランが「核兵器を開発しているから」

基本的な事実は以下

@イランは核兵器を開発する意向を一度も示したことがない。

Aアメリカも数年前まで、イランには「核兵器を開発する意図がない」ことを認めていた

B核兵器開発が「戦争」の理由であるならば、真っ先に攻撃されるべきはイランではない。

@について

・「核開発」は「原発用」だとしています。

Aについて

・「国家情報評価」(NIE)は、「イランは2003年秋に核兵器開発計画を停止させた」と分析していた。

・「国際原子力機関」(IAEA)のトップ、日本人・天野之弥氏は、2009年12月就任直前に「イランは核兵器開発を目指していない」と断言している。

Bについて

・イラン攻撃の可能性を何百回も公言しているアメリカは「北朝鮮は攻撃しない」と断言している。

にほんブログ村 経済ブログへ

アメリカのイラン攻撃の「本音」の理由は、

1 ドル体制防衛

・前回触れました

2 石油、ガス

FRBのグリーンスパン元議長が「米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと曝露」したように、イラン攻撃も同様。

イランの原油埋蔵量は、1570億バレルで世界4位。天然ガス埋蔵量は33.6兆立方メートルで世界1位。世界有数の資源大国。

3 イスラエル防衛

イランが、アメリカと非常に近いイスラエルを敵視していることも理由の一つと考えられます。

4 中国封じ込め

米中「派遣」争奪戦の観点から見ると、アメリカにとって、イランは非常に重要です。

中東産油国の民衆は、イスラム教徒で概して反米。

しかし、トップは、おおむねアメリカと良好な関係を築いています。

とはいえ、中東産油国で反米の国もあります。その代表がイラクとイランでした。

しかし、アメリカはイラクを攻撃し、傀儡政権をつくった。

残るはイランです。

これは非常に重要なのですが、アメリカがイランに親米反中傀儡政権をつくれれば、ほぼ「中東支配」は完了したとえます。するとどうなるか?米中関係がいざ悪化してきたとき、中東産油国を脅して中国に原油を売らせないようにすることができる。中国の方にもそういう危機感があります。

■米英仏がシリア攻撃を回避したのは、その根拠が「大ウソ」だったから

2013年、アメリカのオバマ大統領は、「シリアと戦争する!」と宣言した。ところがしばらくすると、今度は「やっぱ戦争やめた」といい、世界を驚かせました。

この理由は、以下二つの「絶対的定説」:「建前」があります。

@アメリカがシリア攻撃を検討したのは、アサド大統領の軍が、「化学兵器を使ったから」である。

Aアサド大統領は、「独裁者で悪」である。反アサド派は、「民主主義者で善」である。

どうでしょう?

ほとんど全ての人が、「そのとおりじゃないか!」と思っていることでしょう。

しかし、この二つの「ウソ」が暴露された。

中東シリアは、1971年から現在に至るまで、40年以上「アサド家」が支配しています。

1971年から2000年までは、ハフィズ・アサドが大統領だった。

2000年にハフィズが亡くなり、息子のバシャル・アサドが大統領になりました。

ですから、アメリカが「アサドは独裁者だ!」と非難するとき、それを否定する人はいません。この点で、アメリカは正しいのです。

中東・北アフリカでは、2010年末から「民主化」「反政府」運動(いわゆる「アラブの春」)が起こってきます。

2010年1月ごろから、シリアにもその影響がおよんできました。

はじめは小さな「反アサド・デモ」でしたが、徐々に規模が大きくなっていきます。3月には、既に数千人規模の大規模でもが全国で起こるようになった。

4月、デモは暴力を伴うようになってきた。各地で数万人規模のデモ参加者が、治安部隊と争うようようなります。

さて、内戦は激しさを増し、アメリカは2013年8月、「シリアを攻撃する!」と発表した。

理由は、既述のように、「アサドが化学兵器を使った!」というのです。

米英仏は、「アサドが化学兵器を使った!」ことを理由に、「戦争」を開始しようとしたのです。

この三ヶ月前に、国連はどんな報告をだしていたか?

国連が調査した結果、化学兵器を使っていたのは、「アサド派」ではなく、「反アサド派だ!」というのです。

もちろん、私も、「アサド派が化学兵器を使った可能性」を排除しません。

つまり、可能性は二つです。

@「アサド派」も「反アサド派」も化学兵器を使った。

A化学兵器を使ったのは、「反アサド派」だけである。

Aについて、「国連は『反体制派が化学兵器を使った』と報告しているが、『確定』ではないのでは?」という意見もあるでしょう。

そのとおりです。

しかし、だからといって、米英仏がこの調査結果を「完全無視」し、「アサド派だけ使った!」と強弁するのも、かなり無理があります。

化学兵器を「アサド派」も「反アサド派」も使ったのなら、米英仏は、「アサド派を攻撃」し、「反アサド派も攻撃」しなければならない。

そういうことでしょう?

しかし、米英仏は、「国連の調査で『化学兵器を使った』とされる、『反体制派』」を支援している。

これは、どう見てもおかしいですね?

これで、シリアに関する絶対的定説の一つが崩れました。

■「シリア反体制派は民主主義者で善である」という欧米の主張の「大ウソ」

シリア問題については、オバマが「戦争宣言」をする二ヶ月前の2013年6月、G8で協議されています。

このとき、いわゆるG7は、「好戦的なムード」だった。

ただ一人プーチン・ロシアだけが「反戦」だったのです。

では、プーチンは何を根拠に、アサドを守ったのか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16日、キャメロン英首相との会談後の会見でプーチン大統領は、シリア反体制派が政権側軍人の遺体を食べる映像を公表したことに言及し、「殺害した敵の内臓を食べる人たちを支援するのか」と欧米を批判。

G8議長のキャメロン首相は、シリア問題で譲歩しないロシアを外し「G7」での声明を出すことも検討したと伝えられた。(毎日新聞配信)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

プーチンが、「人肉を食べる人たちを支援するのは嫌だ!」と反対したら、「じゃあ、ロシアをG8からはずそう!」となった。

さらに、プーチンは,「化学兵器を使ったのは、『アサド派』ではなく、『反アサド派』だ!」と国連と同じ主張をします。

■シリアの「反体制派」内に、「イスラム国」というアルカイダ系がいる「真実」

さて、もう一つ、超重要な事実があります。

「反アサド派」「反体制派」といっても、いろいろな勢力がある。

彼らが、「内輪もめをした」ことを、AFP(フランス通信社)と時事通信が報じています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シリア北部の町占領、反体制派とアルカイダ系勢力対立の背景

とることの国境沿いにあるシリア北部アレッポ県の町、アザズで18日に戦闘になったシリア反体制派「自由シリア軍」と国際テロ組織アルカイダ系武力勢力「イラク・レバントのイスラム国(ISIS)」が停戦に合意したと、イギリスを拠点とするNGO「シリア人権監視団」が20日、明らかにした。

(AFP=時事)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

同じ反体制派内の「自由シリア軍」と「イラク・レバントのイスラム国(ISIS)」が仲間割れして、戦闘になったと。

そして、この「イラク・レバントのイスラム国」は、「アルカイダ系武力勢力」である、とはっきり書いてあります。

いったい彼らは、なぜアルカイダと共闘していたのか?

先の記事は、こう解説しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シリア反体制各派は、安定的な兵器の供給を受けて支配地域を拡大し「政府軍に匹敵する」ともされる残忍さを示すISISに怒りを募らせて折り、個々数ヶ月、反体制派がその大半を支配下において入るシリア北部を中心に反体制各派とISISの間で緊張が高まっていた。(同前)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シリア国民連合の内部にアルカイダがいるにもかかわらず、アメリカ、イギリス、フランスは、支持を表明した。

理屈は、「われわれが支援するのは、『自由シリア軍』でアルカイダじゃない」です。

これに関して、二つの問題があります。

一つが、米英仏が「自由シリア軍」に武器を与えた。しかし「自由シリア軍」と「アルカイダ系」は、同じ「シリア国民連合」に属している。

つまり、米英仏は、「間接的にアルカイダに武器を供与する」ことになる。

もう一つは、もしシリア国民連合が、アサド政権を打倒したとしましょう。

そうなれば、シリア国民連合は、新政府を組織する。

そのとき、大活躍したアルカイダ系勢力を、新政府から排除することができるだろうか?常識的に考えれば、難しいでしょう。

そうなれば、アメリカは、「9.11を起こした犯人たちが新シリア政府をつくるのを、全面的に支援した」結果になります。

このことをアメリカ国民が広く知れば、どうなるか?

結局、オバマは、「シリア戦争」を「ドタキャン」しました。

ちなみに、「反アサド派」でアルカイダ系の「イラク・レバントのイスラム国(ISIS)」は、現在「イスラム国」と名を変えています。

そして、2014年10月現在、「イスラム国」は、イラク現政権(アメリカの傀儡)と激しく対立している。

アメリカは、

自分で樹立したイラク政権を守るために、自ら支援して育てた「イスラム国」に空爆を繰り返すという「マヌケな」結果になっている。
http://www.kanekashi.com/blog/2017/08/5407.html


34. 中川隆[-6372] koaQ7Jey 2017年9月19日 09:49:28 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.09.18
デリゾールの孤立状況を解消させたシリア政府軍はユーフラテス川を渡り、クルドと衝突する可能性


シリアの戦況は新たな段階へ入った。戦略的に重要な場所と認識されているデリゾールはこれまでも政府軍が押さえていたが、周囲をダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に囲まれていた。その孤立した状況が解消されたのである。アメリカはシリアやイラクにいるダーイッシュの戦闘員をデリゾールへ集中させていたので、ここでの敗北は決定的だと言えるだろう。今後、政府軍/ロシア軍とクルド勢力/アメリカ軍が対峙する展開になる。

アメリカもデリゾールを重要だと考えていた。昨年9月17日、アメリカ主導軍のF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機がデリゾールでシリア政府軍を攻撃、80名以上の政府軍兵士を殺害した理由もそこにあるのだろう。「誤爆」ではない。

アメリカ軍が空爆した7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していた可能性が高い。その後、28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃、シリア政府軍がユーフラテス川を渡る手段を破壊した。

当時、ロシア政府のマリア・ザハロワ広報官はデリゾールでの空爆について「ホワイトハウスはダーイッシュを守っているのだ。疑いようがない。」と語っているが、その通りである。そのダーイッシュが使い物にならなくなったことからクルド系戦闘集団のSDFへ切り替えたのだ。勿論、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュは「タグ」にすぎず、クルド系の戦闘集団SDFにも合流している可能性がある。

この頃、バラク・オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、今年に入って第11海兵遠征部隊がシリアで戦闘態勢を整えたと報道されているほか、アメリカの特殊部隊がクルド軍とラッカへ入ったとも言われている。トルコ政府によると、アメリカはシリア領内に10カ所以上の軍事基地を建設済みだという。

国家安全保障補佐官のH. R. マクマスターはネオコンとして有名で、ヒラリー・クリントンにも近いデビッド・ペトレイアスの子分だ。そのマクマスターはユーフラテス川の周辺へ数万人とも15万人とも言われる規模の軍隊を送り込もうとしていたと言われている。ネオコンはシリア、イラク、イラン、トルコをまたぐクルドの「満州国」をでっち上げるつもりだろう。

今年5月18日、6月6日、そして6月8日にシリア南部のアル・タンフでアメリカ主導軍はシリア政府軍を攻撃、6月18日にシリアの要衝ラッカ近くでシリア政府軍のSasyuracom-22戦闘爆撃機がアメリカ主導軍のF/A-18E戦闘機に撃墜されている。こうしたシリア政府軍側に対する攻撃にもかかわらず、ダーイッシュの敗北は確定的。アメリカ軍はデリゾールにいた反シリア政府軍の幹部をヘリコプターで何度か運び去ったとも伝えられている。態勢立て直しのためだけでなく、その中にはアメリカが知られたくない人々も含まれているのだろう。

イラクにもクルド系の武装勢力が存在しているが、この勢力とシリアのクルドは別だと考えられている。イラクのクルドは1960年代からイスラエルの勢力下へ入り、サダム・フセイン体制を揺さぶる道具として機能してきた。

アメリカ軍はイラクの北部もクルド勢力を使って居座るつもりで、サウジアラビアもクルドの支配地に影響力を及ぼそうとしている。イラクの前首相で現在は副大統領を務めているノウリ・アル・マリキはイラク北部に「第2のイスラエル」が出現することを許さないと語っている。

しかし、シリアのクルドもアメリカの影響下に入った。シリアでは政府軍がユーフラテス川を渡り、北からトルコ軍が攻め込んでくることも予想される。クルドの「満州国」をアメリカ軍は守りたいだろうが、彼らにとってロシア軍の空爆や巡航ミサイルのカリバルは脅威。建設済みの基地は破壊されてしまうと見られている。そうした中、アメリカ軍はロシア軍がSDFを空爆していると主張しているが、これは自分たちが行ったことを相手にぶつけるというアメリカの得意技だ。ロシアの姿勢を和らげるために「交渉」、つまり、また騙そうとしているのだろうが、ロシア軍はアメリカ側の主張を否定、最近、SDFとダーイッシュは戦っていないとも指摘している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709170000/


35. 中川隆[-5873] koaQ7Jey 2017年11月18日 08:59:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.18
サリンを使用したと米政府がシリア政府を批判する根拠の国連報告書にはその主張を否定する事実
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711180000/


アメリカ政府は国連を使い、シリア政府がサリンを使ったと非難している。その根拠とされている国連の報告書があるのだが、そこにはシリア政府軍の戦闘機がサリンで攻撃したとするアメリカ政府のシナリオを否定する事実が「付録II」に書かれていることも事実である。

ロシア国防省はシリア政府軍が侵略軍の兵器庫を空爆したのは2017年4月4日の午前11時30分から12時30分だとしているのが、国連の報告書では午前6時42分から52分だとされている。ところが、それでもシリア政府軍がサリンを使ったことを否定する事実がその報告書には含まれている。6時には病院へ患者が担ぎ込まれているというのだ。攻撃があったとされる時刻より前にカーン・シャイクンでは57件、その他の地域を含めると100名以上になる。

本ブログではすでに書いたことだが、アメリカ国務省でさえ、10月18日に発表した旅行者向けの警告の中でダーイッシュやハーヤト・ターリル・アル・シャム(アル・ヌスラ)などのグループが化学兵器を使うことを認めている。それにもかかわらず、こうした勢力がサリンを使ったかどうかを国連は調べようとしない。それどころか、こうした勢力と一心同体の関係にあることが明白になっている白ヘルなどの主張に依存しているのだ。

化学兵器をアメリカ、イスラエル、サウジアラビアをはじめとする勢力が送り込んだ傭兵集団が使っていることは2013年の段階ですでに指摘されていたが、アメリカの政府や有力メディアは政府軍が使用したと強弁、それを口実にしてアメリカ軍やNATO軍による直接的な軍事介入を目論んできた。傀儡体制の樹立に失敗したなら、イラクやリビアのように国を破壊して「石器時代」のようにしようとしたわけだ。

アメリカが化学兵器の使用を口実にした直接的な侵略を口にしたのは2012年8月のこと。バラク・オバマ大統領が直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言したのだ。少なからぬ人は、アメリカ政府が生物化学兵器を使うことに決めたのだなと推測した。

2012年12月になると、国務長官だったヒラリー・クリントンがこの宣伝に加わる。自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張したのだ。翌年の1月になると、アメリカ政府はシリアでの化学兵器の使用を許可、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させるというプランが存在するとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。

そして2013年3月、ダーイッシュがラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難したが、この化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。

コントラの麻薬取引を明るみに出したことで有名なジャーナリスト、​ロバート・パリー​によると、4月6日にポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していたと彼の情報源は語り、その情報を知った上でトランプ大統領はロシアとの核戦争を招きかねない攻撃を命令したという。6月25日には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​もパリーと同じ話を記事にしている。化学兵器の使用にアサド政権は無関係だとするCIAの報告は無視されたということだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711180000/


36. 中川隆[-5810] koaQ7Jey 2017年12月02日 10:06:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.02
シリアで侵略部隊が壊滅寸前で、中国へ戻る可能性があるウイグル系戦闘員対策で中国が特殊部隊


​中国の対テロ部隊がシリアへ派遣される​と伝えられている。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に加わっている東トルキスタン・イスラム運動などウイグル系武装集団とダマスカスで戦うことが目的だという。

すでにアル・カイダ系武装集団やダーイシュは壊滅寸前。幹部クラスはアメリカ軍のヘリコプターで救出されているようだが、援軍的な立場の武装勢力は出身国へ戻る可能性があり、中国もそれを警戒している可能性がある。

反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で、その黒幕はアメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟で、これは1970年代にズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密工作に端を発している。

ソ連の消滅が視野に張っていた1991年、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が明らかにしている。(​3月​、​10月​)

2001年9月にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、詳しい調査をしないままジョージ・W・ブッシュ政権は「アル・カイダ」が実行したと断定、2003年3月にはアル・カイダ系武装集団と敵対関係にあったイラクのサダム・フセイン体制を先制攻撃で倒し、中東から北アフリカにかけてそうした武装勢力を拡散させた。

アル・カイダはアラビア語でベースを意味、データベースの意味でも使われるが、1997年から2001年までイギリスの外相を務めた​ロビン・クックはCIAから訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイルだと説明​している。つまり派遣戦闘員の登録リストで、主な雇い主はサウジアラビア。リビアやシリアへの侵略作戦ではカタール、トルコ、イギリス、フランスなども三国同盟と手を組んでいた。

2015年9月30日にシリア政府から要請を受けたロシア軍が三国同盟の手駒である武装勢力を攻撃、戦況は一変した。窮地に陥った三国同盟はクルド勢力へ切り替えようとしたが、思惑通りに進んでいない。戦争の長期化で経済的に追い詰められていたトルコはロシアへ接近、そこでアメリカはクーデターを目論んだが失敗、クルドの問題でアメリカ離れはさらに進んだ。

アメリカ軍はクルドが支配しているシリア北部に13基地を建設、7000名の将兵を送り込んでいると伝えられている。言うまでもなく不法占領で、今後も居座る姿勢を見せている。それを牽制するためなのか、ロシア軍は「テロリスト」をほぼ壊滅させたとして軍隊を引き揚げるとしている。シリア政府軍と連携、巡航ミサイルや空爆を有効に使ってきたロシア軍としては大規模な地上部隊を駐留させるメリットを感じていないのかもしれない。そうした中、アメリカ軍のような大規模な部隊ではなく、ウイグル系に特化した理由で中国の特殊部隊がシリア入りする。ロシアと中国との連携を見せつけるという意味もありそうだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712010000/


37. 中川隆[-5708] koaQ7Jey 2017年12月12日 17:40:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.12
シリア侵略を継続するために米軍はシリア占領を続けようとしているが、露大統領は軍に帰還命令


ロシアのウラジミル・プーチン大統領が12月11日に突如シリアのラタキアにあるフメイミム空軍基地を訪問、シリアのバシャール・アル・アサド大統領と会談した。その際、シリアに派遣されたロシア軍の主力を帰還させるよう国防相と参謀総長に命じたことを明らかにしている。ただ、フメイミム空軍基地とロシア海軍が使っているタルトゥース基地はこれまで通りだという。

軍に帰還を命じたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の殲滅に成功したからだとしているが、アル・カイダ系武装勢力と同じように、この戦闘部隊をアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする侵略同盟は手先として使ってきた。

その同盟からトルコやカタールは離脱したが、中核の3カ国はシリア侵略を諦めていない。アメリカ軍はそうした武装集団の逃亡を助けてきた。幹部をヘリコプターで救出したと伝えられている。「新ダーイッシュ」を編成する準備はできているだろう。

アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃した2年後、イギリスのロビン・クック元外相はガーディアン紙に寄稿した文章の中で、​アル・カイダはCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル​、つまり傭兵の登録リストだと指摘した。1970年代の終盤にズビグネフ・ブレジンスキーが計画した秘密工作で戦闘集団が編成されて以来、そうした仕組みは維持されている。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

アメリカ軍はロシア軍より1年前、2014年9月23日からシリア政府の承認を得ないまま軍事介入、トルコ政府によると、シリア北部に13基地をすでに建設済み。駐留している将兵は7000名に達するとする情報もある。

この軍事介入の口実としてアメリカ軍もダーイッシュ殲滅を掲げていた。ダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャでイスラム首長国の「建国」を宣言、6月にファルージャを制圧した。その際、トヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になった。8月にはジェームズ・フォーリーの首をダーイッシュが切ったとする映像が公開されている。

しかし、本当にダーイッシュをアメリカ政府が危険だと考えていたなら、ファルージャ制圧を黙認したはずはない。ハイラックスの車列は格好のターゲットだったはずだ。こうした行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはずだからだ。

アメリカは2014年9月、ダーイッシュの出現を口実にして連合軍を組織、アサド体制の打倒を目指す。連合軍に参加したのはサウジアラビア、カタール、バーレーン、アラブ首長国連合のペルシャ湾岸産油国、ヨルダン、トルコ、さらにイギリス、オーストラリア、オランダ、デンマーク、ベルギー、フランス、ドイツなどだ。

この連合軍は​2014年9月23日に攻撃を始める​が、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。その後、アル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュはシリアで勢力を拡大していくが、その理由は連合軍が本気で攻撃していなかったからにほかならない。その後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは支配地を拡大、アメリカ主導軍はインフラを破壊、住民の犠牲が増えていく。

このようにダーイッシュが売り出される2年前、​2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍について、その主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘​、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとする報告書をホワイトハウスへ提出している。しかも、その中で東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されていた。つまり、ダーイッシュの出現を見通していたのだ。当然、バラク・オバマ大統領もわかっていただろう。

そうした経緯があったこともあり、2014年にダーイッシュが登場するとオバマ政権の内部で激しい対立が起こり、その年の8月にマイケル・フリンDIA局長は解任されている。ファルージャやモスルをダーイッシュに支配させることはオバマ政権の主流派が望んでいたことだと言えるだろう。その翌月、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で証言している。

退役から1年後の2015年8月にフリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュの出現が見通されていたにもかかわらず阻止できなかった理由を問われ、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあると答えている。その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の仕事だということであり、​ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策による​というわけだ。

ロシア軍主力の撤退はシリアへ居座ろうとしているアメリカ軍への圧力という側面もあるだろうが、一旦占領した場所からアメリカ軍は引き揚げようとしない。実際、シリアでもそうした発言をしている。11月にはロシア軍を挑発して軍事的な緊張を高めようとしていたが、緊張が高まる前にロシア政府は主力の帰還を命じてしまった。

このままアメリカ軍が居座ろうとすれば自分たちが単なる侵略軍に過ぎないことを明らかにすることになる。それでも日本などはアメリカを侵略者だとは認めようとしないかもしれないが、世界の目は違う。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712120000/


38. 中川隆[-5806] koaQ7Jey 2018年1月13日 10:32:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.13
シリアの露軍基地を攻撃したドローンの技術は米または米の同盟国が提供したことを露政府は示唆

シリアの西部、地中海に面した場所にあるフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設を攻撃した無人機(ドローン)は手作りのように見えるが、高度の技術が使用され、専門知識を持つものが製作しているとロシア国防省は指摘している。攻撃の際、目標になったフメイミム空軍基地とタルトゥースの海軍施設の中間地点をアメリカの哨戒機P-8A ポセイドンが飛行していたこともロシアは明らかにした。

攻撃は100キロメートルほど離れた場所から飛び立った13機の無人機(ドローン)によって行われたが、GPSと気圧計を利用、事前にプログラムされた攻撃目標までのコースを自力で飛行、ジャミングされないようになっていたという。

アメリカ、イスラエル、サウジアラニアの三国同盟を中心とする勢力は2011年3月からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団を使ってシリアに対する侵略戦争を開始した。当初、西側の政府や有力メディアは「独裁者による民主化運動の弾圧」というシナリオを使っていたが、すぐに嘘が発覚する。

西側メディアは現地からの報告という形で弾圧を宣伝していたが、その重要な情報源のひとつとされたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムなる人物。シリア政府の弾圧を訴え、外国勢力の介入を求める発言を続けていた。リビアと同じようにNATO軍、あるいはアメリカ軍を介入させてバシャール・アル・アサド政権を倒して欲しいということだが、デイエムのグループが「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像が2012年3月にインターネット上へ流出、嘘がばれてしまう。

2012年5月にはシリア北部ホムスで住民が虐殺され、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝されたが、現地を調査した東方カトリックのフランス人司教はその話を否定する。虐殺を実行したのは政府軍と戦っているサラフィ主義者や外国人傭兵だと報告、その内容はローマ教皇庁の通信社で伝えられた。

「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とその司教は書いている。

2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラの実態は同じだとしている)だとバラク・オバマ政権へ報告している。当時、オバマ大統領は「穏健派」を支援すると主張して物資を供給していたが、そうした穏健派はいないという警告だ。これはホムスを調査した市況と同じ結論である。DIAの報告は、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していたが、これは2014年以降、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

2013年になると化学兵器による攻撃が問題になり、西側の有力メディアはシリア政府が使っていると宣伝するのだが、これは正しくないとする情報や分析が次々と出てくる。そうした中、オバマ政権はシリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を派遣し、5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海に配備して攻撃の姿勢を見せる。

これに対抗してロシア政府は空母キラーと呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道されている。

攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射されたが、2発とも海中に落ちてしまう。発射されたミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知、その事実を公表したこともあり、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表した。

事前にイスラエルは発射実験を発表していないことから、アメリカ軍やイスラエル軍は実際に攻撃を始めたと見られている。迎撃ミサイルや機銃が使われた事実はないようで、ジャミングで落とされたのではないかという説が有力だ。ちなみに、イランの核開発をめぐり、P5+1(国連安保理常任理事国とドイツ)がイランと暫定合意したのはその2カ月後だ。

そして2017年4月6日、アメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射され、少なくとも数機は目標へ到達したという。4月4日に政府軍が化学兵器を使用したというのだが、これも根拠のないもので、その主張を否定する調査結果が出ている。そもそもシリア政府軍は化学兵器を2013年に廃棄、現在、そうした兵器を保有しているのはアメリカが支援してきた反シリア政府軍だ。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、4月6日の早朝にマイク・ポンペオCIA長官はドナルド・トランプ大統領に対し、シリア政府側は化学兵器を使用していないと説明している。空爆の前、アメリカ側へ通告があり、アメリカ軍もCIAも状況を詳しく知っていた。

6月25日にはジャーナリストのシーモア・ハーシュも同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。その情報が何者かによって現地のアル・カイダ系武装集団へ伝えられたと推測する人もいる。

2013年の失敗を反省、この攻撃ではジャミングを想定して59機という数のミサイルを発射、目標に到達したものもあったようだ。この時にロシア側から流れてきたのは短距離防空システムの必要性。その後、S-300、S-400だけでなくパーンツィリ-S1の配備が進んだとも言われている。

今回の攻撃で使われたドローンがジャミングの影響を受けない仕組みになっていたのはロシア側の対応を見たかったのかもしれない。パーンツィリ-S1が有効だったことも確認されたが、ジャミング以外の電子戦兵器が何だったのかは不明だ。

ドローンを使ったのは武装勢力かもしれないが、技術を供与した科学技術の進んだ国が背後にいる可能性は高い。このドローンが離陸した地域にいる武装勢力のスポンサーはアメリカとトルコだが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領にはロシアのウラジミル・プーチン大統領からトルコ以外の国が関与していると伝えられたという。アメリカ、あるいはアメリカと緊密な関係にある同盟国だということだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801130001/

[12初期非表示理由]:管理人:混乱したコメント多数により全部処理

39. 中川隆[-5840] koaQ7Jey 2018年1月19日 09:36:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.19
米国務長官は自国軍をシリアから撤退させないと発言、不法占領を続ける意思を示した


​アメリカ軍はシリアに居座るとレックス・ティラーソン国務長官はスタンフォード大学でのスピーチで語った​。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が復活するのを防ぎ、中東全域で政治状況を変化させることが目的だという。ちなみに、ダーイッシュをほぼ壊滅させたのは、シリア政府の要請で2015年9月30日に軍事介入したロシア軍だ。

現在、シリアへ侵攻、占領しているアメリカ軍の数千名(正確な数は不明)と言われ、14カ所に基地を建設したと伝えられている。このうち12カ所は北部、2カ所は南部にある。中にはイギリス軍、フランス軍、あるいはクルド系の武装勢力も使用している基地も存在する。シリア政府軍やロシア軍の攻撃を受けていた地域からアメリカ軍、あるいはCIAが救出したアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュの戦闘員の一部がそうした基地に運び込まれ、そこから出撃しているという情報もある。

シリアに対する侵略戦争が始まったのは2011年3月のことだが、その前の月にリビアでも戦闘が開始されている。​リビアにおける反政府軍の主力はLIFGだが、この組織はアル・カイダ系​。途中、NATO軍と連携していることも明白になった。

しかも、2011年10月にムアンマル・アル・カダフィが惨殺された後、反カダフィ勢力の拠点だった​ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗​が掲げられ、その様子はYouTubeにアップロードされた。その事実を​デイリー・メイル紙​も伝えている。

2001年9月11日移行、「アル・カイダ」はテロリストの象徴になり、アメリカが軍事侵略する口実に使われていたが、元々は1970年代の終盤からアメリカが始めたアフガニスタンでの秘密作戦から生まれた代物。1997年5月から2001年6月までイギリスの外務大臣を務めた故ロビン・クックが2005年7月に指摘したように、​アル・カイダはCIAが訓練した「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル​にすぎない。アル・カイダはアラビア語でベースを意味するが、「データベース」の訳語としても使われる。ちなみに、この指摘をした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて死亡した。享年59歳だ。

ダーイッシュは2014年に売り出された武装集団だが、その2年前、2012年8月にそうした勢力の登場は警告されていた。リビアのカダフィ体制が倒された後、リビアからシリアへ戦闘員と武器/兵器がシリアへ運ばれていることが発覚、バラク・オバマ大統領は「穏健派」をなるタグを持ち出して誤魔化そうとした。自分たちが支援している反シリア政府軍は「穏健派」だから問題ないというわけだ。

しかし​、DIA(国防情報局)は2012年8月、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘​、つまりバラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとホワイトハウス向けの報告書に書いているのだ。しかも、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されていた。つまり、ダーイッシュの出現を見通していたのだ。本ブログでは何度も書いてきたが、この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将。ドナルド・トランプ政権の最初の国家安全保障補佐官だ。

現在、アメリカ軍やCIAはシリア政府軍と戦う新たな戦闘集団を編成しているようだが、その中にはダーイッシュの戦闘員や幹部も含まれている。シリアでの不法占領を継続する理由としてダーイッシュを持ち出すのは笑止千万な話だ。

アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュがシリア政府軍やロシア軍に敗北した後、アメリカ政府は新たな手先としてクルドを使おうとしている。それに反発、すでにクルド系武装勢力に対する攻撃を始めているのがトルコだ。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は2016年6月下旬、15年11月24日のトルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を謝罪してロシアへ接近している。そして2016年7月15日にエルドアン政権の打倒を目的とした武装蜂起があったが、これは失敗する。武装蜂起の直前、ロシアからクーデター計画に関する情報がトルコ政府へ伝えられたとも言われている。

このクーデター計画の背後にはアメリカでCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンがいて、アメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官が関係しているとトルコ政府は主張している。

アメリカ軍やCIAはトルコ軍とクルド勢力との軍事衝突を防ぎたいかもしれないが、アメリカ軍とトルコ軍、NATOに加盟するふたつの国の軍隊が衝突する可能性もある。このまま軍事的な緊張が高まった場合、周囲を敵に囲まれた形になるクルド勢力とアメリカ軍はどのように戦うつもりなのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801190000/


40. 中川隆[-5883] koaQ7Jey 2018年1月21日 14:37:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.21
米国がダーイッシュなど武装勢力に替わって侵略の手先にしようとしているクルドをトルコが攻撃

シリアの北部を支配しているクルド勢力、SDF(シリア民主軍)やYPG(クルド人民防衛隊)をアメリカ政府は自分たちの手先として使おうとしている。そのクルド勢力を敵視するトルコ軍はシリア北西部アフリンに対する攻撃を始めた。別に複雑な話ではない。山岳地帯のため、トルコ軍の戦車部隊が入ってくる可能性はないと見られているが、空爆の可能性はある。

トルコの軍事介入をシリア政府は批判する一方、クルド勢力の一部が外国勢力、つまりアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟からの支援を受けていると指摘している。この点はトルコ政府の認識も同じで、SDF/YPGを中心としてアメリカ軍が組織しつつある「シリア国境軍」を完成前に「溺死」させるとしている。

本ブログでは繰り返し書いているように、アメリカ政府がクルドと手を組んだのは、1970年代終盤からアメリカの好戦派が手先に使ってきたアル・カイダ系武装集団、そこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)をシリア政府の要請で2015年9月30日に軍事介入したロシア軍がほぼ殲滅したため。

アメリカがアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュと戦ってきたかのように主張する人が今でもいるようだが、これは遅くとも2011年10月、リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された時点で明確になっていた。侵略戦争が始まった同年2月の時点で「知る人ぞ知る」状態だったが、反カダフィ勢力の拠点だったベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その様子は​YouTubeにアップロード​されたのだ。その事実は​デイリー・メイル紙も伝えている​。これは象徴的な出来事だった。

シリアでも2011年3月に侵略戦争が始まったが、リビアでカダフィ体制が崩壊するとアメリカなど侵略の後ろ盾はアル・カイダ系武装集団や武器/兵器をシリアへ移動させる。これは西側メディアも伝えていた。そうした移動工作の中心がCIAであり、国務省が協力している。そうした工作はベンガジにあったCIAの施設が使われ、アメリカ領事館も拠点だった。当時のCIA長官はデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官はヒラリー・クリントンだ。

当初、アメリカをはじめとする西側の政府や有力マスコミは独裁政権による民主化運動の弾圧というシナリオを宣伝していたが、その嘘はすぐに発覚、バラク・オバマ政権は「穏健派」というタグを持ち出して武装勢力への支援を正当化する。

しかし、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)はそうした穏健派の存在を否定している。​反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団​だと指摘しているのだ。アル・カイダ系武装集団の主体はサラフィ主義者やムスリム同胞団であり、オバマ政権が支援している相手はアル・カイダ系武装勢力だと言っていることになる。しかも東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。つまり、ダーイッシュの台頭を見通していたのだ。この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すという計画をアメリカの好戦派は放棄していないようだが、難しい状況ではある。サラフィ主義者の支配国という目論見も実現できそうにない。そこでアメリカなど三国同盟はクルドの国を作ろうとしている。シリア政府の承諾を受けずにシリアへ軍事侵攻したアメリカ軍は14カ所に基地を建設したと伝えられている。このうち12カ所は北部、2カ所は南部。その一部にはイギリス軍、フランス軍、あるいはクルド系の武装勢力も使用している基地がある。

今後の展開次第ではシリア、トルコ、ロシアが対クルド戦争で連携する可能性もあるが、そうなるとクルド、アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランスと軍事衝突することも否定できない。

今年(2018年)1月6日、地中海に面した場所にあるロシア軍が使用しているフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設が13機の無人機(ドローン)に攻撃された。そのうち7機はロシア軍の短距離防空システムのパーンツィリ-S1で撃墜され、残りの6機は電子戦兵器で無力化されている。

13機のドローンは100キロメートルほど離れた場所から飛び立ち、GPSと気圧計を利用して事前にプログラムされた攻撃目標までのコースを自力で飛行している。しかもジャミングされないような仕組みになっていたという。攻撃の際、目標になったフメイミム空軍基地とタルトゥースの海軍施設の中間地点をアメリカの哨戒機P-8A ポセイドンが飛行していたこともロシアは明らかにした。

これまで武装勢力が使ったドローンの航続距離はせいぜい2キロメートルにすぎず、今回の場合は飛行した距離が格段に長い。一見、手作りのように見えるドローンだが、高度の技術が使用され、専門知識を持つものが製作しているとロシア国防省は指摘している。搭載されていた爆弾に使われていた爆薬、ペンタエリトリットの製造元の候補として、ウクライナのショストカにある工場が挙げられている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801210000/


41. 中川隆[-5872] koaQ7Jey 2018年1月23日 09:48:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018.01.23
アメリカ支配層がシリアで続ける侵略戦争の始まりは1991年だということを忘れてはならない

言うまでもなく、シリアでの戦争は「内戦」でなく「侵略」だ。その戦争の始まりは1991年のことである。

1991年7月にロンドンで開かれたG7首脳会議に出席したソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領は西側の首脳から新自由主義の導入を求められて難色を示し、その後、失脚する。替わって主導権を握ったのが西側の傀儡だったボリス・エリツィン露大統領。このエリツィンが独断で1991年12月にソ連を消滅させたわけだ。

それを受け、1992年2月にネオコンの中心グループに所属するポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心として国防総省のDPG草案が作成される。ソ連消滅でアメリカが唯一の超大国になったと認識、アメリカに屈服しきっていない国々を制圧して世界制覇を実現するというプランを作成した。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンである。このドクトリンに基づき、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。

ソ連を消滅させ、ロシアを属国化したアメリカの支配層が中国に目を向けるのは必然。そこで東アジア重視を打ち出し、潜在的なライバルが実際のライバルへ成長することを防ぐために潰そうとする。

そうした潜在的なライバルが出現する可能性がある地域としてヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が挙げられ、ラテン・アメリカ、オセアニア、サハラ以南のアフリカにもアメリカの利権があるとしている。目的を達成するため、アメリカは単独行動を辞さない、つまり国連を軽視するとも宣言している。

このドクトリンは最初の草案でなく、第1草稿が存在する。それが作成されたのは1991年9月だ。その頃、ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

1990年代に入ると有力メディアは戦争熱を煽るが、93年に大統領となったビル・クリントンは戦争を始めない。メディアがターゲットにした国はユーゴスラビアだ。

その扇動に乗らないクリントン大統領はスキャンダル攻勢で苦しめられ、第2期目には戦争へと舵を切る。その象徴的な出来事が1997年の国務長官交代だった。戦争に消極的なクリストファー・ウォーレンから好戦的なマデリーン・オルブライトへ交代したのだ。オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。オルブライトの教え子の中にはスーザン・ライスも含まれている。なお、コンドリーザ・ライスはオルブライトの父親の教え子だ。

ウォルフォウィッツの予告通り、2003年3月にアメリカはイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒し、今も破壊と殺戮は続いている。そして2011年3月にシリアに対する侵略戦争が始まる。イラクを攻撃する際には大量破壊兵器が口実として使われたが、全くの嘘だった。シリアでは独裁者による民主化運動の弾圧、あるいは化学兵器の使用といったことが宣伝されたが、これも嘘だということが明らかになっている。(この話は本ブログで何度も書いてきたことなので、今回は割愛する。)

2013年の夏になるとアメリカが強引にシリアへ本格的な軍事介入を始めるという話が伝えられ、9月3日には地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されている。そのミサイルは途中で海中へ落下、後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だったと主張したが、実際に攻撃を始めたとも見られている。事前に通告はなく、発射実験だとする主張に説得力がないからだ。ジャミングなど何らかの手段で落とされたと推測する人もいる。

その9月、​駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレン​がバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている。オーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近で、この発言は首相の意思でもあると考えられた。その当時、アメリカではマーティン・デンプシー統合参謀本部議長やマイケル・フリンDIA局長はアル・カイダ系武装集団を危険だと考え、シリア政府と接触していたと言われている。

シリアに対する自国軍の直接的な攻撃を始めることにアメリカは失敗、そして売り出されたのがダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。2014年1月にファルージャでダーイッシュは「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧した。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れている。

その際、アメリカ軍はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人からの情報などでダーイッシュの動きを把握していたはずだが、反応していない。パレードしている車列などは格好の攻撃目標のはずなのだが、アメリカ軍は何もしていないのだ。

ダーイッシュとアメリカとの関係はアメリカの軍人や政治家も口にしている。例えば、空軍の​トーマス・マッキナニー中将​は2014年9月、アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語った。また​マーティン・デンプシー​統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月には​ジョー・バイデン​米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。2015年には​ウェズリー・クラーク​元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べた。

そして2015年8月、マイケル・フリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演した際、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、その情報に基づいて政策を決定するのはバラク・オバマ大統領の役目だと指摘している。つまり、​オバマ政権の「穏健派支援」がダーイッシュの勢力を拡大させた​というわけだ。

ロビン・クック元英外相が指摘したように、​アル・カイダとはCIAから軍事訓練を受けたムジャヒディンのコンピュータ・ファイル​。こうした訓練は1970年代の終盤にジミー・カーター政権の大統領補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが考えた戦略に基づいて始められた。

アル・カイダ系武装集団にしろ、ダーイッシュにしろ、アメリカの敵とは言えない。侵略の道具であり、アメリカが介入する口実として使われているだけだ。

2012年5月、シリア北部ホムスで住民が虐殺された際、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝していたが、現地を調査した東方カトリックのフランス人司教はその話を否定する。虐殺を実行したのは政府軍と戦っているサラフィ主義者や外国人傭兵だと報告、その内容はローマ教皇庁の通信社で伝えられた。

「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」とその司教は書いているが、これは現在でも通用する。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801230000/


42. 中川隆[-5851] koaQ7Jey 2018年1月24日 14:35:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018.01.23
自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その1:ウォール街の利権)

日本にはアメリカを「自由と民主主義の旗手」と呼ぶ人もいるが、そのアメリカを支配してきた人々は民主的に選ばれた政権を軍事力、あるいは破壊活動で破壊してきた。つまり「自由と民主主義の破壊者」がその実態であり、彼らのターゲットのひとつがシリアにほかならない。アメリカによる侵略、破壊、略奪は大統領の個人的な資質によるのでなく、構造的な問題なのである。大統領を交代させても問題は解決しない。公的な情報の全面公開、巨大企業や富豪から特権を剥奪し、資本の移動を制限、オフショア市場を禁止するなど民主的な「レジーム・チェンジ」が必要なのだ。

シリアに限らず、欧米諸国は世界規模で植民地化を進めていた。言うまでもなく植民地は露骨な略奪の仕組みであり、その仕組みがなければ欧米の資本主義体制は維持できなかった。当然、植民地では人々の意思が暴力的に封印され、富は奪われていく。

植民地化は戦争から始まる。そこで、アメリカ海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将は戦争を不正なカネ儲けの手段だと言ったわけだ。有り体に言うなら、押し込み強盗だ。

しかし、アメリカでは1932年の大統領選挙でこうしたカネ儲けに反対する人物が当選してしまう。ニューディール派のフランクリン・ルーズベルトだ。そこでウォール街の住人たちはニューディール派を排除するためにクーデターを計画する。この計画を議会で明らかにしたのがバトラー少将。クーデターを成功させるためにはバトラーを抱き込む必要があったのだが、その工作に失敗したということだ。バトラーはクーデター派の中心はJPモルガンだとしている。

接触してきたクーデター派に対し、バトラーはカウンター・クーデターで対抗すると警告、またバトラーの話を聞いて取材したポール・フレンチは議会によると、クーデター派は「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」と答えたという。

JPモルガンは関東大震災以降、日本の政治経済に大きな影響力を持った巨大金融機関。そのJPモルガンの総帥と結婚した相手のいとこ、ジョセフ・グルーをハーバート・フーバー大統領はアメリカ大使として日本へ送り込んだ。その前年に日本軍の奉天独立守備隊に所属する河本末守中尉らが南満州鉄道の線路を爆破、いわゆる「満州事変」を引き起こし、1932年には「満州国」の樹立を宣言している。

当然のことながら、植民地やファシズムに反対する姿勢を見せていたルーズベルト政権が日本の中国侵略に対して厳しい姿勢で臨むことになる。日本はアメリカの情勢変化に対応できなかった。日本の支配層はウォール街の傀儡だからだ。

植民地やファシズムに反対していたルーズベルトはドイツが降伏する前の月、1945年4月に急死、第2次世界大戦が終わると欧米諸国は植民地の継続支配と目論むのだが、それに異を唱える人物がアメリカの上院に現れた。1957年7月にジョン・F・ケネディ上院議員がアラブ世界の自己統治とアラブ諸国に対する帝国主義的な介入の終焉を訴えたのだ。

ケネディは1961年に大統領となり、軍や情報機関の好戦派が目論んだソ連に対する先制核攻撃を阻止、63年6月にはアメリカン大学の学位授与式(卒業式)でソ連との平和共存を訴える「平和の戦略」を宣言する。

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、1960年10月から62年9月までJCS議長を務めたリーマン・レムニッツァーやSAC司令官だったカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。そのために偽旗作戦のノースウッズも作成されたが、この目論見の前にもケネディ大統領が立ちはだかった。そのケネディは1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺される。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801230001/

2018.01.24
自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その2:シリアのクーデター)

ジョン・F・ケネディ大統領(1961年〜63年)の甥、ロバート・F・ケネディ司法長官(1961年〜64年)の息子にあたるロバート・F・ケネディ・ジュニアはアメリカがシリアの体制転覆を目論む理由としてパイプライン建設の問題があると指摘している。民主的に選ばれたシリアの初代大統領シュルクリ・アル・クワトリは1949年3月、サウジアラビアの石油をシリア経由で運ぶトランス-アラビアン・パイプラインの建設に反対する。この建設計画の背後にはロックフェラーの利権が存在していた。

そこでアメリカはアル・クワトリの排除を決断、CIAがクーデター計画を始動させ、その月の29日にはフッスニ・アル・ザイムの独裁体制ができあがるが、パイプライン建設を承認する前、1949年8月にこの体制は倒された。再び民主的な政権が誕生するのは1955年のこと。この時もアル・クワトリが大統領に選ばれた。

それに対し、CIAは新たなクーデター計画を作成、1957年4月に指揮官としてカーミット・ルーズベルトとロッキー・ストーンがダマスカスへ入る。この際、ストーンはシリアの軍人や政治家を買収するために300万ドル持ち込んだという。クーデターにはムスリム同胞団が協力した。

ところが買収工作は失敗、シリア軍はアメリカ大使館を襲ってストーンを拘束、テレビを通じてイランでのクーデターやシリアでのクーデター計画について「告白」させられている。ドワイト・アイゼンハワー政権はストーンの話を拷問による虚偽の告白だと主張したが、後に事実だということが判明している。その後、シリアでは親米派の政治家がパージされ、クーデターに加担した軍人は処刑された。

1958年にはエジプトとアラブ連合共和国を結成するが、61年に分離。混乱を経て1970年に無血クーデターでハーフィズ・アル-アサドが実権を握り、71年3月に行われた国民投票でアル-アサドの大統領就任が承認された。この政権は宗派や民族の宥和を図り、体制は安定する。その息子がバシャール・アル-アサド。現在、シリアの大統領は選挙で選ばれている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240000/

自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その3:イランのクーデター)


シリアでCIAがクーデターを目論む4年前、1953年にカーミット・ルーズベルトとロッキー・ストーンはイランでクーデターを成功させている。同じことをシリアでも行おうとしたわけだ。

イランはイギリスにとって重要な植民地で、ここでの略奪は国を支える重要な柱だった。そのイランで民主化が進み、イギリスの重要な利権だったAIOC(アングロ・イラニアン石油)の国有化をイラン議会は1951年に決定する。

それに対し、イギリスではアン・キャサリーン・スウィンフォード・ランプトンという学者が1951年3月22日付けのタイムズ紙に匿名で、AIOC国有化はイラン国内で高まっている緊張を外に向けるために行われたとする記事を書いた。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

そうした圧力もあってムハマド・モサデク首相は7月16日に辞任、アーマド・カバム・サルタネーが後任になる。これは国民の意思に反することだったことから5日間で色を辞することになる。21日にはモサデクが再び首相に選ばれた。

当時、ソ連は中東を中立地帯にし、アラブ人に統治させようと提案していたが、これをアメリカやイギリスは拒否する。自分たちの利権を手放すことになるからだ。

それに対し、イギリスはクーデターを計画、秘密工作を始める。その責任者としてランプトンが推薦した人物はオックスフォード大学で講師をしていたラビン・ゼーナー。1943年から47年までテヘランのイギリス大使館で広報の仕事をしていた。イギリスの対外情報機関MI6はブート作戦を作成、都市部の組織や南部の族長たちを使ってテヘランを支配下におこうとした。

その一方、イギリスは単独でクーデターを成功させることが難しいと考え、アメリカに接触する。イランの利権が欲しいアメリカは協力することを決める。米英両国がモサデクの後継者と考えた人物はファジオラー・ザヘディ将軍。第2次世界大戦中、ナチスとの協力関係が問題になり、イギリスによって拘束された経歴の持ち主である。(Richard J. Aldrich,"The Hidden Hand," John Murray, 2001)

計画が動き始めるとモサデク派と見られていた主要な将校が誘拐され、殺害され、7月19日にになると、カーミット・ルーズベルトが「ジェームズ・ロックリッジ」の名前でイラクからイランへ入り、山間部の隠れ家から作戦を指揮することになった。

アメリカでイランでの秘密工作を主導したのはジョン・フォスター・ダレス国務長官とアレン・ダレスCIA長官の兄弟。ふたりともウォール街の大物弁護士だった。

1953年3月にアレンはNSC(国家安全保障会議)で革命の危機を訴え、それを阻止しないと全世界で算出されている石油の60パーセントをコミュニストに握られると主張したのだが、出席者の約半数はクーデター計画に反対する。アイゼンハワー大統領もモサデクの政策に反対していなかったようだ(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015)が、ダレス兄弟の意思は固く、3月中にアイゼンハワー大統領は計画を承認、5月中旬にアレン・ダレスは部下をキプロスに派遣して現地のMI6要員と情報交換させている。

ダレス兄弟にはモサデクを排除しなければならない事情があった。ふたりはサリバン・アンド・クロムウェルという法律事務所の共同経営者だが、この法律事務所の顧客リストにはAIOCも含まれていたのである。アメリカという国ではなく、法律事務所の利益のためにクーデターを成功させる必要があった。

6月25日にモサデク政権を転覆させる準備の許可を弟のアレン、そしてカーミット・ルーズベルトに出している。モサデクを倒す目的で「エイジャクス(アイアース:トロイ戦争の英雄)作戦」が練り上げられたのはこの頃である。(Richard J. Aldrich,"The Hidden Hand," John Murray, 2001)

このクーデターはきわどいところで成功、米英の傀儡だったムハマド・レザー・パーレビを国王とする独裁体制を復活させることができた。1954年にAIOCは社名をBPに変更している。このパーレビ体制は1979年にイスラム革命で崩壊するまで続く。

このイランをアメリカはイスラエルやサウジアラビアと共同で属国化、略奪の場にしようとしている。2011年にシリアへ侵略部隊を送り込んだ勢力の中にはこの3カ国以外に、サイクス-ピコ協定(オスマン帝国の領土分割などを定めた秘密協定)の中心だったイギリスとフランス、オスマン帝国の復活を夢見たトルコ、天然ガスのパイプライン建設をシリアに拒否されたカタールなどが含まれる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240001/


43. 中川隆[-5833] koaQ7Jey 2018年1月25日 09:01:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.25
自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その4:世界制覇)

イランで王制が崩壊した1979年、アメリカのジミー・カーター政権はアフガニスタンで秘密工作を始めていた。計画の立案者は国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキー。ソ連軍をアフガニスタンへ引き込み、CIAが編成、武器/兵器を供給し、戦闘員を訓練した武装勢力と戦わせるという内容だった。この目論見通り、1979年12月にソ連軍の機甲師団がアフガニスタンへ入ってくる。​CIAから訓練を受けた戦闘員、いわゆるムジャヒディンのコンピュータ・ファイルがアル・カイダ(データベース)​だ。「自由の戦士」も「テロリスト」も編成時にはこのファイルが活用される。

地政学的な側面からイラクを重視していたのがネオコン(シオニスト)。イラクに親イスラエル体制を樹立、トルコ、イラク、ヨルダンの親イスラエル国帯を築いてシリアとイランを分断、中東をイスラエルの支配下に置こうというわけだ。

そのネオコンで中心的な存在だったポール・ウォルフォウィッツが1992年2月に作り上げた国防総省のDPG草案はそうした戦略が反映されている。本ブログでは何度も書いてきたが、そのウォルフォウィッツは1991年にウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

イギリスやアメリカで作成された世界制覇プランはウォルフォウィッツ・ドクトリンの前にも存在する。中でも重要なものが1904年に発表されたハルフォード・マッキンダーのハートランド理論。彼は世界を3つに分け、ひとつはヨーロッパ、アジア、アフリカの世界島、ふたつめはイギリスや日本のような沖合諸島、そして最後に南北アメリカやオーストラリアのような遠方諸島と名付けた。世界島の中心がハートランドで、具体的にはロシアを指している。

また、ユーラシア大陸を囲むように、西ヨーロッパ、パレスチナ(1948年にイスラエル建国を宣言)、サウジアラビア(サウード家のアラビアを意味するサウジアラビアが登場するのは1932年)、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯が、またその外側に外部三日月帯が想定されている。イギリスと日本は内部三日月帯の両端にある外部三日月帯とされている。イギリスが明治維新を支援した理由を考える場合、この戦略を無視することはできない。時期的にマッキンダーの理論は後から発表されているが、考え方としては存在していた可能性がある。イギリスにとって日本はアジア侵略の拠点であり、日本人は侵略の手先ということ。現在の中東に当てはめるならば、日本はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに近い。

アメリカがアジア侵略の拠点にしたのはフィリピン。1898年にキューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインが爆沈、アメリカはスペインが爆破したと主張して宣戦布告、スペインと戦争を始めた。

この戦争で勝利したアメリカはスペインにキューバの独立を認めさせ、プエルトリコ、グアム、フィリピンを買収することになる。つまりこうした国々を植民地化した。ハワイも支配下におく。

1901年に出版された『廿世紀之怪物 帝国主義』の中で幸徳秋水はアメリカの行為を帝国主義だと批判している。「米国にして真にキュバ叛徒の自由のために戦えるか、何ぞ比律賓人民の自由を束縛するの甚だしきや。」「それ他の人民の意思に反して、武力暴力をもって強圧し、その地を奪い富を掠めんとす。」

この記述は基本的に今でも通用する。アメリカは帝国主義の国であり、フランクリン・ルーズベルトやジョン・F・ケネディは例外的な人物だった。現在のアメリカにこうした例外的人物が登場することは不可能に近いだろう。アメリカは「自由と民主主義の旗手」でなく、「民主主義の伝道師」でもない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240002/


44. 中川隆[-5800] koaQ7Jey 2018年1月27日 00:48:28 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.26
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その1:投票操作)

アメリカでは2000年の大統領選挙で投票操作が指摘されている。例えば、勝利者を最終的に決めたフロリダ州での投票では怪しげなブラック・リストの存在や正体不明の「選挙監視員」による投票妨害があった。有権者に関する怪しげなブラックリストが作られ、正体不明の「選挙監視員」が徘徊、投票を妨害する行為があった。旧式の機械やバタフライ型投票用紙で投票が正確にカウントされていない可能性が指摘され、出口調査と公式発表との差も疑惑を呼んだ。ジョージ・W・ブッシュ候補の当選を確定させたのは、12月に連邦最高裁が出した判決によってである。

2016年の大統領選挙でも事前に投票マシーンへの信頼度が揺らいでいた。2000年の選挙でブッシュを担いでいた勢力の中心にはネオコンがいたが、今回の占拠で彼らはヒラリー・クリントンの周辺に集まっていた。2015年6月の段階でクリントンを勝たせることが内定したとする噂が流れたが、その理由は​同月の11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合​にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。ビルダーバーグ・グループについて本ブログでは何度か説明しているので今回は触れないが、欧米支配層が築いているネットワークを構成する機関のひとつだとは指摘しておく。

こうしたことから、大統領選の前からクリントンを当選させるために投票数が操作されるのではないかと噂された。投票のコンピュータ化が進んだことから操作は2000年より簡単になっていたことは事実で、DESI(ダイボルド・エレクション・システムズ/現在の社名はプレミア・エレクション・ソリューションズ)の機械が実際の投票数と違う数字を集計結果として表示することを大学などの研究者が指摘されている。ハート・インターシビックという会社とミット・ロムニー家との関係も明らかにされた。(例えば、​ココ​、ココ、ココ、ココ)

2016年にはWikiLeaksがヒラリー・クリントンらの電子メールを公表、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。

民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。

こうしたクリントンを当選させる流れに変化が生じていることを暗示するような出来事があり、話題になっている。2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問し、ウラジミル・プーチン露大統領と会談して22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801260001/


2018.01.27
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その2:シリア侵略)


2011年3月からアメリカ、イスラエル、サウジアラビアぼ三国同盟を中心とする勢力がシリアへの侵略戦争を始めたことは本ブログで何度も指摘してきた。2003年3月のイラク、2011年2月のリビアに続く侵略で、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵部隊がその先陣を切った。そうした傭兵の登録リストがアル・カイダだということも本ブログでは繰り返し書いてきた。

当初、アメリカを中心とする西側の政府や有力メディアは「独裁者による民主化運動の弾圧」という構図で宣伝したが、宣伝の裏側が明らかになって説得力をなくす。2012年には住民虐殺が伝えられ、西側はシリア政府の責任を押しつけるが、実際はサラフィ主義者など外国人傭兵だということが判明する。現地を調査した東方カトリックのフランス人司教もその事実をローマ教皇庁の通信社を通じて報告している。

「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」とその司教は書いている。

これは現在でも通用する話。​2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIAがシリアで政府軍と戦っている戦闘集団について、その中心はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(DIAはアル・ヌスラと実態は同じだとしている)だと指摘​した。バラク・オバマ大統領が言う「穏健派」は事実上、存在しないということだ。オバマ政権が進める政策は東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国を作ることになるとも警告していた。この当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

その警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の台頭という形で現実になる。1月にファルージャで彼らは「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になったが、パレードを含め、ダーイッシュの行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはず。ところが静観していた。

その間、オバマ政権の中でフリンはダーイッシュ派を使っているグループと対立、2014年8月にDIA局長を辞めさせられている。退役後、この問題を​アル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている​。

売り出されたダーイッシュは人質の首を切り落とすパフォーマンスをするなど残虐さを前面に出し、そのダーイッシュと戦うと称してシリア政府の承諾を得ないまま空爆を始める。その空爆のターゲットがダーイッシュやアル・カイダ系武装集団出なかったことも本ブログでは書いてきた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801270000/


45. 中川隆[-5797] koaQ7Jey 2018年1月27日 12:29:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.27
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その3:核戦争の危機)


2014年2月22日にウクライナではビクトル・ヤヌコビッチ大統領がクーデターで排除されている。このクーデターが始動したのは2013年11月。​ウクライナのオレグ・ツァロフ議員が議会で行った演説​によると、クーデター計画は11月14日と15日に話し合われ、NGOがその手先として動くことになっていたという。ソーシャル・ネットワーキングを使って世論を誘導し、組織的な政権打倒運動を展開しようと目論んでいると同議員は主張していた。

実際、ツァロフ議員が議会で演説した翌日にユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で抗議活動は始まるが、当初はカーニバル的なもの。EUは話し合いで解決しようとするが、そうした方針に怒ったのがアメリカのジェオフリー・パイアット大使やビクトリア・ヌランド国務次官補。ヌランドはEUの遣り方が手ぬるいと不満で、「EUなんかくそくらえ」と口にしたわけだ。そして、パイアット大使やヌランド次官補を中心に、抗議活動は暴力的な方向へ誘導されていく。ヌランドはヒラリー・クリントンと親しい。

​ヌランドがEUを愚弄する言葉を口にした会話の音声​は2014年2月4日にインターネット上へアップロードされている。合法的に選ばれた大統領を暴力で排除した後に作られる次期政権の人事がその会話では語られている。その中でヌランドが強く推していた人物がアルセニー・ヤツェニュクで、クーデター後、首相に選ばれた。

その音声が公開された頃からキエフでは暴力が激しくなるが、その中心にいた集団はネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)で、2月18日頃から棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら、石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始める。ネオ・ナチは広場へ2500丁以上の銃を持ち込んでいたともいう。

当時、広場をコントロールしていたのはネオ・ナチの幹部として知られているアンドレイ・パルビー。この人物はソ連が消滅した1991年にオレフ・チャフニボクと「ウクライナ社会ナショナル党(後のスボボダ)」というネオ・ナチ系の政党を創設、クーデター後には国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長に就任、2014年8月までその職にあった。

広場では無差別の狙撃があり、少なからぬ犠牲者が出ているが、スナイパーはパルビーの管理下にあったビル。西側の政府やメディアは狙撃をヤヌコビッチ政府側によるものだと宣伝したが、2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は事実が逆だと報告している。反大統領派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をした結果だという。狙撃手は反ヤヌコビッチ派の中にいるとする調査結果を26日にEUの外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)だったキャサリン・アシュトンへ電話で報告する。

「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。​スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合(クーデター派)の誰かだというきわめて強い理解​がある。」としている。

2014年2月7日から23日にかけてロシアのソチでは冬期オリンピックが開催されていた。この時期を狙ってアメリカの好戦派はウクライナでクーデターを実施したと見られている。オリンピック前、アメリカが何らかの軍事作戦を実行すると推測する人もいた。ウクライナはロシアとEUの中間にある。ロシアとEUの関係を分断し、経済的にロシアを締め上げたいアメリカ支配層はウクライナでのクーデターを準備していたようだが、2014年2月が選ばれたのは、ロシアがオリンピックで動きにくいと考えてのことだと見られている。

このクーデターでEUとロシアとの関係促進を妨害することに成功したが、この後にロシアは中国へ接近、アメリカの本性を見た中国もロシアとの関係を強める方向へ動き出した。今では戦略的パートナーになっている。アメリカの「陰謀」は裏目に出た。

ウクライナではクーデターに反発する人も少なくなかった。特にヤヌコビッチの地盤だった東部や南部ではそうした傾向が強く、クリミアではロシアの構成主体になるかどうかを問う住民投票が3月16日に実施された。投票率は80%以上、そのうち95%以上が加盟に賛成した。国外からの監視団も受け入れ、日米に比べれば遥かに公正なものだったが、西側は今でも「民意」を受け入れようとしていない。

クリミアを制圧しそこなったことはアメリカの支配層にとって大きな痛手。ここは黒海に突き出た半島で、セバストポリは黒海艦隊の拠点になっているからだ。クーデター後、西側の政府やメディアはロシア軍が侵攻したと宣伝したが、そうした事実はなかった。ソ連消滅後の1997年にロシアはウクライナと条約を結び、基地の使用と2万5000名までの駐留がロシア軍に認められていたのだが、これを侵略部隊だと主張したのだ。この条約は1999年に発効、その当時から1万6000名のロシア軍が実際に駐留していた。

2014年4月10日にアメリカ海軍はロシアを威嚇するために黒海へイージス艦のドナルド・クックを入れ、ロシアの領海近くを航行させた。それに対してロシア軍のSu-24が近くを飛行したのだが、その際にジャミングで米艦のイージス・システムを機能不全にしたと言われている。その直後にドナルド・クックはルーマニアへ緊急寄港、それ以降はロシアの領海にアメリカ軍は近づかなくなった。

アメリカはウクライナでの戦乱を拡大、ロシア軍を引き込もうとした可能性もある。クーデター後に西側の有力メディアはロシア軍が侵攻してきたという事実に反する「報道」を展開するが、これは「予定稿」だったのではないだろうか。ロシア政府が自重したため、西側の「報道」は単なる嘘になった。

そのロシア政府は2015年9月30日、シリア政府の要請を受けて空爆を開始、アメリカ軍とは違い、ダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力を本当に攻撃して戦況を一変させた。空爆だけでなく、早い段階にカスピ海の艦船から26基の巡航ミサイルを発射、全てのミサイルが約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で命中したとされている。その後、地中海に配置されている潜水艦からもミサイル攻撃を実施したという。こうした巡航ミサイルをロシアが保有していることを知り、アメリカ側は震撼したという。ロシアが供給したT90戦車も威力を発揮している。潜水艦から発射され、海底1万メートルを時速185キロメートルで航行、射程距離は1万キロに達する遠隔操作が可能な魚雷の存在をリークして警告するということもロシアは行った。

CFR/外交問題評議会が発行しているフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、​アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張​されている。アメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると見通している。

これはネオコンの考え方と同じだが、これが間違っていることをシリアでロシア軍は明確に示した。アメリカは意外と弱い、昔の表現を使うと「張り子の虎」だという見方が政界に広がっている。こうした現実を見てヘンリー・キッシンジャーは2016年2月10日にロシアを訪問したのだろう。そこでロシアとの関係修復を訴えるドナルド・トランプの勝機が生じた。

そうした流れをアメリカの好戦派は引き戻そうとしている。情報と資金を独占し、国という機関が巨大資本に対抗できないシステム、つまりファシズム体制を構築しようとしているのだ。そうした流れの中、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)を復活させようという計画が動き出しても不思議ではない。

トランプが当選した後、アメリカではCIA、司法省、FBIなど情報機関や治安機関、あるいは有力メディアを使って選挙結果をひっくり返し、戦争体制へ入ろうとする動きが本格化した。そうした動きの内幕を明らかにする電子メールの存在が明らかになっているが、民主党だけでなく共和党の議員も動きは鈍い。好戦派に楯突く度胸はないのだろう。

かつて、ソ連のミハイル・ゴルバチョフはアメリカの脅しに屈し、ソ連を消滅させる道筋を作ったが、ウラジミル・プーチンに同じことを期待することはできない。21世紀に入り、アメリカの好戦派は1992年2月に作成された予定を実行するため、成功体験にすがり、全てが裏目に出ている。ロシアに対する脅しは核戦争を誘発させかねない。そうした展開を回避しようとしたのがトランプだったが、今ではクリントンやオバマと似た方向へ動き始めている。FBIゲートは破滅への道から抜け出すチャンス。まだチャンスが残っているかどうかはわからない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801270002/


46. 中川隆[-5791] koaQ7Jey 2018年1月29日 10:17:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.29
自分たちが中東を支配するための重要な拠点であるトルコを刺激したくない米国にクルドが反発か


アメリカとクルドとの関係が微妙になってきた。1月20日からトルコ軍がアフリンのクルド勢力に対して「オリーブの枝作戦」を開始したが、トルコとの関係をこれ以上悪化させたくないアメリカの動きは鈍く、クルド側は裏切られたと感じはじめているようだ。シリア政府はトルコの軍事侵攻を批判しているが、シリア北部に居座っているアメリカ軍も侵略者にほかならず、やはりすみやかに撤退することを求めている。

トルコはNATO加盟国であり、アメリカの中東支配にとって重要な拠点。シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力がサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団などで編成された傭兵部隊を使ったシリア侵略を本格化させた2011年3月当時から、トルコにあるインシルリク空軍基地は重要や拠点だ。

アメリカがクルドと連携した最大の理由は、言うまでもなく、送り込んだ傭兵部隊、いわゆるアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)がシリア政府の要請で2015年9月30日に軍事介入したロシア軍によって壊滅に近い状態になったからだ。アメリカの軍や情報機関はそうした戦闘員の一部をヘリコプターなどで救出し、一部はアフガニスタンへ、一部はクルドを中心に編成されている武装集団へ参加させている。

どのようなタグが付けられているにせよ、今の状態で傭兵部隊が真の意味で壊滅することはありえない。シリアなどを侵略している戦闘員は傭兵にすぎず、そうした戦闘員を雇い、命令している本体が健在だからだ。言うまでもなく、その本体はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟。

アメリカもクルドと組めばトルコ政府が怒ることを見通していただろうが、その前にアメリカの描いていたシリア侵略プランはロシア軍の介入で完全に狂っていた。2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は15年11月24日のロシア軍機撃墜を謝罪し、16年7月13日にトルコ首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。トルコで武装蜂起があったのはその2日後のことだ。このクーデター計画を失敗に終わらせた一因はロシアからの情報提供にあったと言われている。

このクーデター未遂に関し、エルドアン政権はその首謀者をアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあるとも言われているフェトフッラー・ギュレンだとしている。蜂起の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたとも主張、これ以降、トルコとアメリカとの関係は悪化する。ロシアへ接近していたことだけでなく、侵略軍の主力をクルドへ切り替えるためにもエルドアン政権を倒す必要があったのだろうが、これは裏目に出た。

エルドアンだけでなく、例えばリビアのムアンマル・アル・カダフィやイラクのサダム・フセインは、少なくとも一時期、アメリカと緊密な関係にあった。シリアのアサド政権もアメリカに敵対しようとはしていない。それでも従属度が足りないと判断されれば破壊と殺戮の対象になる。エルドアンもそうした現実を認識、ほかの国々の支配者も同じように感じただろう。

ウクライナでネオコンがネオ・ナチを使ってクーデターを実行したあたりから中国もアメリカが信頼できないことを認識してロシアとの関係を強めている。韓国もアメリカを信頼しているようには見えない。ひたすらアメリカに従属しようとしている日本の支配層は異様だ。アメリカに従属していれば自分たちの理不尽な言動も許され、日本が破壊されても自分たちだけは地位と富を保証されていると考えているのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801290000/


47. 中川隆[-5679] koaQ7Jey 2018年2月07日 15:35:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018.02.06
米国がシリアで新たな戦争を目論む中、MANPADSでロシア軍機が撃墜された(前半)


シリア北西部のイドリブで2月3日にロシア軍機Su-25がMANPADS(携帯型防空システム)で撃墜され、脱出したパイロットは地上での戦闘を経て死亡した。攻撃に関わったと見られるジャブハト・アル・シャム(ジャブハト・アル・ヌスラ)の戦闘員約30名はロシア軍が巡航ミサイルで殲滅している。

アル・シャムやアル・ヌスラというタグが付けられた武装集団はアル・カイダ系。つまり、サウジアラビアが雇い、CIAが訓練、イスラエルが協力してきた傭兵が源流で、​2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が作成した報告書​によると、反シリア政府軍の戦闘員はサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団が中心で、その実態はイラクで活動していたAQIと同じ。バラク・オバマ大統領が主張していた「穏健派」は存在していなかった。

DIAの報告書はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告しているが、これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。このダーイッシュも源流はアル・シャム、アル・ヌスラ、AQIと同じだ。

アル・シャムがMANPADSをどこから入手したか調べるためにシリアの特殊部隊がイドリブで活動中だというが、少なからぬ人はアメリカを頭に浮かべたはずだ。それを感じたのか、アメリカ軍はMANPADSの供給を否定している。

アメリカはシリア北部、トルコとの国境近くに3万人規模のシリア国境軍を編成するとしているが、その主体はSDF(シリア民主軍)/YPG(クルド人民防衛隊)。イスラエルでは、アメリカがこの勢力にMANPADSを提供していると伝えられている。

2011年にシリアへの侵略が始まった当時、その背後にはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心に、イギリス、フランス、トルコ、カタールなどが参加していた。侵略に使われた傭兵は三国同盟系、トルコ系、カタール系などに分かれていたようだが、当初は連携していた。

ところが、2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入して戦況が政府軍優位になると侵略勢力の結束が弱まり、トルコやカタールは離反した。その結果、傭兵集団も内部対立が生じる。イドリブの主要武装勢力はトルコ系とアメリカ系で、今回の撃墜にトルコ系は関与していないと見られている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802060000/

米国がシリアで新たな戦争を目論む中、MANPADSでロシア軍機が撃墜された(後半)


2011年当時、アメリカはシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を樹立させようとしたが、アサド大統領は亡命を拒否して国内に留まった。逃げ出さなかった閣僚や軍人も少なくない。

そこでアル・ヌスラやダーイッシュといったタグをつけた武装集団を利用してアサド体制を倒そうとしたが、これはロシア軍の介入で失敗、今はクルド勢力を中心にして、アル・ヌスラやダーイッシュの戦闘員を合流させて新たな戦争を始めようとしている。

アメリカは当初、ロシア軍が出てこないという前提で直接的な軍事介入を狙っていた。まずリビアと同じように、「独裁者による民主化運動の弾圧」というストーリーを有力メディアで宣伝したが、その嘘は露見してしまう。そこで住民虐殺を演出するが、その実行者は侵略勢力のサラフィ主義者だと判明、次に出てきたのが化学兵器による攻撃という話だ。

本ブログでは何度も書いてきたが、この化学兵器話が嘘だということも明らかにされてきたが、これは繰り返し主張されている。新たなストーリーが思いつかないのだろう。

今月に入り、ジェームズ・マティス国防長官もシリア政府軍によるサリンの使用に関心を持っていると発言したが、その証拠がないことも認めざるをえなかった。有力メディアも「国際社会」の行動を求める記事を掲載している。(例えば​ココ​)

アメリカ政府は侵略を正当化する最もらしい口実を考えることもできなくなっている。それだけ侵略戦争を近い将来に実行しなければならないという強迫観念に駆られているようだ。遅くとも1991年にイラク、シリア、イランを殲滅するプランを立て、92年2月にはそれをDPG草案として文書化したネオコンの戦略を実現しようと必死なように見える。イスラエルやサウジアラビアからせつかれている可能性がある。

それだけでなく、ドルが基軸通貨の地位から陥落するという危機感を持っている人がアメリカ支配層の内部にいるはず。世界をアメリカの巨大資本が支配するファシズム体制を実現し、ライバルとして成長してきたロシアと中国を屈服させるか破壊しなければならないと考えている人もいるだろう。TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は世界をファシズム化するための協定であり、だからこそ安倍晋三政権はTPPに固執しているのだ。

そうした環境の中、MANPADSによるロシア軍機撃墜が引き起こされた。安倍晋三政権は日本をアメリカの戦争マシーンに組み込もうとしている。日本を「戦争できる国」にするという漠然とした目標に向かっているのではなく、ロシアや中国、特に中国と戦争する準備を進めているのだと考えるべきだ。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802060001/


48. 中川隆[-5688] koaQ7Jey 2018年2月09日 10:10:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.02.09
シリア侵略の手駒だった傭兵部隊が崩壊、クルドが思惑通りに動かず、米軍は自らが戦闘の最前線へ


アメリカ主導軍は2月7日にデリゾールでシリア政府軍を空爆、政府側の戦闘員100名以上が殺されたとも伝えられている。アメリカ側はこれを「自衛」のためだと主張しているようだが、シリア政府の承認を得ずに軍隊を侵攻させているアメリカ軍は単なる侵略者にすぎない。

イスラエルやサウジアラビアからの強い要請もあり、アメリカは自らがロシア軍との戦闘に出ざるをえない状況になりつつあるように見える。強く出ればロシアも中国もアメリカに逆らわないという思い込みでネオコンは四半世紀以上、侵略戦争を続けてきた。

アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルは狂犬のようにならなければならないと同国のモシェ・ダヤン将軍は語ったが、そうした考えからネオコンは離脱できないでいる。二言目には「圧力を加えろ」と叫ぶどこかの国の人間と似ている。「神風」頼みの暴走。ドルが基軸通貨の地位から陥落し、アメリカの支配システムが崩壊する日が近いとネオコンも認識、ロシアと中国を屈服させるか破壊しようと必死なのだろう。

シリア政府の要請を受けたロシア軍が軍事介入してからアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の支配地は急速に縮小、こうした戦闘集団を傭兵として使っていたアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力は次の手先としてクルドと連携しはじめたが、思惑通りに進んでいないようだ。

ロシア軍が空爆を始めてから1年後の2016年9月、国務長官だったジョン・ケリーがシリア情勢について語っている音声がインターネット上を流れた。​ロシアは正当な政権に招き入れられたが、われわれは招かれていないとケリーはその中で口にしている​が、これは事実。アメリカ政府が反シリア政府軍に武器を提供し、戦闘員を訓練していることも認めている。その結果、ダーイッシュは強くなり、ロシア軍を軍事介入させることになり、状況は一変した。ケリーは​ロシアが方程式を変えてしまった​と表現している。

​バラク・オバマ政権が武器/兵器を供与していた相手がサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団、アル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQI)であり、そうした政策を続けると東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると2012年8月に警告​していたのはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)。その当時のDIA局長がマイケル・フリン中将、ドナルド・トランプ大統領が最初の国家安全保障補佐官に選んだ人物だ。

ケリーがシリア情勢について語っていた頃、デリゾールの南東に広がる油田地帯を制圧するためにシリア政府軍が進撃していた。​そのシリア政府軍をアメリカ主導軍がF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で2016年9月17日に攻撃、80名以上の政府軍兵士を殺している​。空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していると見られている。28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊して政府軍のユーフラテス川渡河を困難にしている。

ロシア系メディア(アラビア語のスプートニク)によると、その後、​9月20日にアレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部をシリア沖にいるロシア軍の艦船から発射された3発の超音速巡航ミサイルが攻撃、約30名を殺した​というが、その中にはアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールから派遣された軍人や情報機関の人間が含まれていたとも言われている。この司令部がデリゾールでの空爆を指揮したという情報も流れていた。

その1年後、2017年9月にはイドリブで注目すべき出来事が引き起こされている。その月の13日にイドリブの州都へパトロールのために入ったロシア軍憲兵隊29名が20日の朝にアメリカの特殊部隊に率いられた武装集団に襲撃されたのだ。戦車などを使い、ハマの北にある戦闘漸減ゾーンで攻撃を開始、数時間にわたって戦闘が続いた。作戦の目的はロシア兵の拘束だったと見られている。

それに対し、ロシア軍の特殊部隊スペツナズの部隊が救援に駆けつけて空爆も開始、襲撃した戦闘員のうち少なくとも850名が死亡、空爆では戦闘を指揮していた米特殊部隊も全滅したと言われている。イドリブでロシアやシリアの部隊がどこにいるかという機密情報がアメリカ主導軍からアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)へ伝えられていた可能性が高い。

21日にはロシア軍とアメリカ軍の軍人が直接会い、シリア情勢について話し合ったと伝えられているが、その直後にロシア軍のバレリー・アサポフ中将がデリゾールで砲撃により戦死した。この攻撃もアメリカ側から正確な情報が戦闘集団側へ流れていたと見られている。22日にはイスラエル軍機がダマスカス近郊を空爆した。

アメリカ主導軍がシリア政府軍を空爆した今年(2018年)2月7日にもイスラエル軍機が午前3時半にダマスカスへ向かって数発のミサイルを発射、シリア政府によると、そのミサイルは撃ち落とされている。また、時を同じくして各地に残っている戦闘集団が一斉にシリア政府軍をミサイルや砲撃で攻撃したという。

今年1月6日にはシリアの西部、地中海に面するフメイミム空軍基地とタルトゥースの海軍施設が13機の無人機(ドローン)攻撃されたが、ロシア軍の短距離防空システムのパーンツィリ-S1で7機が撃墜され、6機は電子戦兵器で無力化されたとされている。損害はほぼなかったということだ。

100キロメートルほど離れたイドリブの南西部地域から飛び立ったドローンはGPSと気圧計を利用して攻撃目標までのルートを自力で飛行、ロシア国防省によると、攻撃の際にはターゲットの空軍基地と海軍施設の中間地点でアメリカの哨戒機P-8A ポセイドンが旋回していた。この哨戒機は攻撃に何らかの形で関与、ロシアの防空体制、反応の具合などを調べた可能性がある。

また、2月3日にはイドリブでロシア軍のSu-25攻撃機がMANPADS(携帯型防空システム)で撃墜され、脱出したパイロットは地上での戦闘を経て死亡した。攻撃に関わったと見られるジャブハト・アル・シャム(ジャブハト・アル・ヌスラ)の戦闘員約30名はロシア軍が巡航ミサイルで殲滅している。

アル・シャムがMANPADSをどこから入手したか調べるためにシリアの特殊部隊がイドリブで活動中だというが、アメリカ軍はクルド勢力へMANPADSを供給している。アメリカ軍はシリア北部、トルコとの国境近くに3万人規模のシリア国境軍をSDF(シリア民主軍)/YPG(クルド人民防衛隊)主体で編成するとしているが、それに反発したトルコ軍がシリア領内に入り、クルド勢力を攻撃している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802090000/


49. 中川隆[-5659] koaQ7Jey 2018年2月10日 21:43:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.02.10
エネルギー資源から見たアメリカの世界戦略(その1)


アメリカ主導軍が参加したデリゾールにおける2月7日の攻撃で100名以上の親政府派部隊の戦闘員が攻撃されたと伝えられた​。現地からの情報として、殺された戦闘員の中にはヒズボラやロシア人傭兵も含まれているというが、ロシア国防省は25名のシリア人戦闘員が負傷しただけだとしている。

攻撃は自衛のためだったとアメリカ軍は主張しているが、ロシア国防省によると、攻撃された部隊は敵部隊の砲撃地点を特定するためにアル-イスバ石油精製施設を偵察中だったという。つまり親政府派部隊から攻撃を仕掛けていないという説明だ。その偵察部隊が砲撃やミサイルで攻撃され、続いてアメリカ主導軍の戦闘ヘリに空爆されたとしている。

まず確認しておきたいことは、そこがシリア領であり、アメリカ軍は無断で軍隊を侵入させて基地を建設している侵略者にすぎないということだ。2016年9月にインターネット上を流れた音声の中で国務長官だったジョン・ケリーがシリア情勢について語っている。​ロシアは正当な政権に招き入れられたが、われわれは招かれていない​とケリーはその中で口にしているが、これは事実である。

バラク・オバマ政権が侵略を正当化するために「民主化」、「人道」、「化学兵器」といったタグを使ってきたことは本ブログでも繰り返し書いている。そうした嘘が発覚する過程でオバマ政権は支援しているのは「穏健派」だと弁明しているが、これはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が否定している。

2012年8月に政府へ提出された報告の中で、​シリア政府軍と戦っている戦闘集団の中心はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(DIAはアル・ヌスラと実態は同じだとしている)だと指摘​している。つまり「穏健派」は存在しないということ。

また、「穏健派を支援する」というオバマ政権の政策が継続されると、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それは後にダーイッシュという形で現実になった。退役後、​この問題をアル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っていた​。食い物にしようと決めたターゲットへ碌でもない連中を送り込んで暴れさせ、その連中を押さえてやると言って乗り込む犯罪組織の手口とアメリカ支配層の遣り方は酷似している。

デリゾール周辺でアメリカ軍主導軍はシリア政府側の少なからぬ戦闘員を殺してきた。例えば、​2016年9月17日にアメリカ主導軍のF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機による攻撃で80名以上の政府軍兵士が死亡​している。空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していると見られている。28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊して政府軍のユーフラテス川渡河を困難にした。川を渡った先には油田地帯が広がっている。その1年後にはロシア軍のバレリー・アサポフ中将がデリゾールで砲撃により戦死した。アメリカ側からアサポフ中将の位置に関する正確な情報が戦闘集団側へ伝えられていたと言われている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802100000/


50. 中川隆[-5616] koaQ7Jey 2018年2月21日 15:58:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.02.21
シリア政府が化学兵器を使った証拠はないという事実を米国防長官が認めていると西側メディアも報道



シリアのバシャール・アル・アサド政権が自国民に対して毒ガスを使ったことを示す証拠はないと​ジェームス・マティス国防長官​は語っている。


本ブログでは繰り返し書いてきたように、シリア政府が化学兵器を使った証拠はなく、使う理由もない。それに対し、使ったのはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする侵略勢力が送り込んだ反政府軍だとする調査報告、分析などは存在する。ただ、興味深いのは西側の有力メディアであるニューズウィーク誌がマティスの話を伝えたこと。この件に限らないが、ここにきて西側支配層の内部で方針の対立が生じているように見える。

三国同盟がシリア侵略を始めたのは2011年3月のことだが、当初、西側の政府や有力メディアはアサドという「独裁者」がシリア国民の「民主化運動」を暴力的に弾圧、内戦が始まったと説明していた。そうした主張の根拠とされたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)の情報。

デイエムの発信する情報のいかがわしさは2012年3月1日に発覚している。この日、​ダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子​が流出したのだ。つまり彼の「現地報告」はヤラセだった。


SOHRはラミ・アブドゥラーマン(本名オッサマ・スレイマン)がイギリスで個人的に設置した団体。団体といっても事実上、スタッフはひとりで、情報源は不明。この人物は2000年にシリアからイギリスへ移住、シリア侵略が始まった2011年にはCNNが伝えたところによると、ウィリアム・ヘイグ元英外相とシリア反体制派の代表として会っている。米英の情報機関と連携していると推測する人もいる。

西側の宣伝では2011年3月にそうした市民の蜂起があり、多くの人々が殺されたことになっているのだが、2010年からシリアで活動を続けているベルギーの修道院の​ダニエル・マエ神父​によると、そうした蜂起はなかった。


2012年5月にホムスで住民が虐殺されるると、反政府勢力や西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝、これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだが、宣伝内容は事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長だった。

その修道院長の報告をローマ教皇庁の通信社が掲載したが、その中で反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を殺したとしている。その修道院長は「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」と語っている。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、​マザー・アグネス・マリアム​も外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。

こうした状況の中、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援していると主張していたが、アメリカ軍の情報機関​DIA​はこれを否定する報告を2012年8月にホワイトハウスへ提出している。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。

また、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

DIAが穏健派の存在を否定する報告をホワイトハウスに出した2012年8月、バラク・オバマ大統領はNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言している。

2012年12月になると国務長官だったヒラリー・クリントンがこの宣伝に加わり、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張する。翌年の1月になると、アメリカ政府はシリアでの化学兵器の使用を許可、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させるというプランが存在するとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。

そして2013年3月、ダーイッシュがラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難したが、この化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。

コントラの麻薬取引を明るみに出したことで有名なジャーナリスト、​ロバート・パリー​によると、4月6日にポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していたと彼の情報源は語り、その情報を知った上でトランプ大統領はロシアとの核戦争を招きかねない攻撃を命令したという。6月25日には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​もパリーと同じ話を記事にしている。化学兵器の使用にアサド政権は無関係だとするCIAの報告は無視されたということだ。

イラクを先制攻撃する前、アメリカやイギリスは大量破壊兵器の宣伝をしていた。その当時から根拠がないとする批判はあったが、強引に押し切って軍事侵攻している。侵略、破壊、殺戮の果てに大量破壊兵器の話は嘘だということを侵略の責任者も認めざるをえなくなるが、その嘘に同調していた人々の相当部分は反省していないように見える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802210000/


51. 中川隆[-5581] koaQ7Jey 2018年2月27日 10:30:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

アメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアは嘘の上に嘘を重ねてきた結果、ストーリーに整合性を持たせることが不可能になったようで、ありえない話を平然と繰り返すようになってきました。

第2次世界大戦で日本が降伏してから1年近くを経た1946年8月、伊丹万作は「戦争責任者の問題」と題した文章の中で、戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」と指摘、「このことは、戦争中の末端行政の現れ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオの馬鹿々々しさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心に且つ自発的に騙す側に協力していたかを思い出してみれば直ぐに判ることである」と書いています。似た状況になっていないでしょうか?


1991年12月にソ連が消滅し、ロシアが西側巨大資本の属国になるとアメリカの好戦派は自分たちが冷戦に勝利し、アメリカが唯一の超大国になったと認識、世界制覇に向かって侵略戦争を始めました。そのプランが1992年2月に作成された国防総省のDPG草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンです。


その戦争はユーゴスラビア解体から始まり、旧ソ連圏をカラー革命で制圧、ウクライナをクーデターで手に入れ、自立の道を歩み始めていたリビアを無法地帯に変え、そしてネオコンの予定通りにイラクを破壊、シリアを侵略、そしてイランを脅していますが、最終目標はロシアでしょう。イギリスの世界制覇計画を引き継いだアメリカはロシアを支配することが世界制覇のカギを握っていると考えています。


おそらく、1991年12月の時点でアメリカの好戦派は世界制覇をほぼ実現したと考えたでしょうが、21世紀に入ってロシアは再独立、ネオコンの作成した日程表の通りにはいかなくなっています。それを元に戻すためにはロシアを屈服させるか破壊するしかありません。そのためにはロシアの戦略的パートナーになった中国も屈服させるか破壊する必要があります。


アメリカはすでに経済活動が破綻、基軸通貨であるドルを発行する特権を利用、それを循環させる仕組みを作り上げて支配システムを維持しています。この循環システムが機能しなくなればアメリカの支配システムも機能しなくなりますが、ロシアと中国はドルを基軸通貨の地位から引きずり下ろそうとしているように見えます。


それに対し、アメリカの支配層は巨大資本が国を支配する体制を築こうとしています。そうした体制を実現するために持ち出されたのがISDS(国家投資家紛争処理)条項で、それを含むTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の3点セットを彼らは簡単にあきらめないでしょう。実際、安倍晋三政権はTPPに固執しています。


巨大資本のカネ儲けにとって労働者の権利は不必要なわけで、安倍政権が「働き方改革関連法案」を成立させて裁量労働制を拡大、つまり労働環境の劣悪化を図るのは必然だといえるでしょう。そうした政策を後押ししてきたのが日本のマスコミでした。マスコミの姿勢は一貫しています。私的権力が国を上回る力を持つ体制を築く、つまりファシズム化の推進です。


そうした方向へ世界を導くため、日本を含む西側の有力メディアは幻影を映し出してきましたが、それも限界が近づいています。インターネット上で検閲が強化されているのはそのためでしょう。世界は岐路に立っています。未来を切り開くためには事実を知ることが必要です。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802270000/


52. 中川隆[-5578] koaQ7Jey 2018年2月27日 18:57:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
シリアでのアメリカ攻撃 - 帝国主義者の基本構想
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/--2fb5.html
2018年2月26日 マスコミに載らない海外記事


論説
2018年2月23日
Strategic Culture Foundation

シリアで長く続いている紛争と災いが8年目に入ろうとしているのは偶然ではない。これは意図的なものだ。アメリカ帝国主義計画だ。

だが最初に、この紛争の益々非難されるべき不条理さに気がつく。

ほぼ一カ月前、シリアの主権を侵害して、シリアを侵略したトルコが、今週、トルコによる攻撃下にあるアフリンに近い北部地域を防衛すべく、シリア政府が部隊を派遣した後、ダマスカスを“テロ”と非難した。

一方、米軍は、テロリスト過激派と戦っていると主張して、またもや違法に国際法に違反し、シリアを占領している。ところがたいてい、アメリカは様々なテロ集団に保護を与えているのだ。そして、テロ集団を一掃しようと、シリア国軍が前進した際、アメリカは、シリア軍部隊丸ごと皆殺しにしておいて、“自己防衛”行動だと主張している。

更に不条理なのは、アメリカやイギリスとともに、違法に、シリアを爆撃しているフランスが、ダマスカスの承認を得て合法的にシリアに駐留しているイラン民兵に、シリアから撤退しなければならないと警告したのだ。

状況がこれ以上奇怪にはなり得ないかのように、攻撃は“自衛行為”だと主張して、イスラエルは100回以上のシリア空爆を行った。

アサド大統領のシリア政府は、国連決議で認められている通り、シリアの主権当局だ。シリア政府には、国民を守り、違法な武装集団に強奪された地域を取り戻す権利がある。事実上全てのこれら武装反抗勢力は、連中の外国スポンサーの計画に沿って政権転覆のための戦争をしかけている、外国が支援する代理部隊だ。

シリアに合法的に駐留している唯一の軍隊は、シリア政府によって、国家を外国が支援する戦争から守るのを支援すべく合法的に要請されているロシア、イランと、関連する民兵だけだ。

首都ダマスカスに近い東グータ郊外を含む全ての地域を奪還するのはシリア政府の主権の範囲内だ。地域は国際的に禁止されているテロ集団のヌスラ戦線や「イスラム国」と提携しているジャイシュ・アル・イスラムと言う名の外国が支援する過激派集団の包囲下にあった。

過激派がすぐ近くのダマスカスを迫撃砲で攻撃し、恐ろしい結果をもたらしていることが、東グータ解放の誘因だ。

シリア軍と、その同盟者が、シリアを外国武装反抗勢力から救うのを、欧米諸国が軍事的に妨害して、国際法に違反しているのみならず、欧米政府とマスコミは、彼らの合法的義務を“野蛮”と歪曲し、シリア国軍を後ろ手に縛る企みで、プロパガンダ・キャンペーンをしかけている。

シリアにおける過去七年間の戦争で亡くなった50万人の人々のうち、全体のほぼ半数がシリア軍兵士だと推計されている。

シリアを巡る欧米の流言に加えて、シリア国軍が一般市民に化学兵器を使用したという主張がある。証拠は実際、偽旗プロパガンダに、これらの兵器を秘かに使用してきた欧米が支援するいわゆる聖戦士を指し示している。

シリアにおける混沌とした紛争を理解するには、アメリカと、その同盟諸国がシリアに対して抱いていた何十年間もの古い帝国主義計画に注意を向ける必要がある。1950年代に、旧フランス植民地のアラブ共和国を、不安定化し、支配下におきたがったアイゼンハワーとチャーチルのアメリカとイギリス政府にさかのぼる 。

1996年、リチャード・パール、ダグラス・フェイス、デイビット・ワームサーや他のネオコンが率いるワシントンの新世代帝国主義者が“Clean Break”戦略を構築した。戦略は、ロシア、イランとヒズボラと同盟しているがゆえに、イスラエルとともに、シリアを不安定化し“縮小する”ことを狙ったものだ。

より広範に、ワシントンのネオコンは、連中の計算上、イスラエルをより安全にするため、地域全体を小国に分割する連中の狙いをあからさま宣言している。シリアとイラクは、アメリカが押しつける混乱の最優先課題だった。

重要なのは、Clean Break戦略が、トルコを、この計画を実施するためのアメリカとイスラエルの主要パートナーとしていることだ。

ジョージ・W・ブッシュ大統領政権時代のアメリカ・ネオコン立案者と同じ連中がペンタゴンや国務省で重要な位置を占め続けている。石油豊富な中東に覇権を行使する方法としての組織化した混乱という連中の計略が、トランプ大統領下でも、暗黙のうちとは言え、アメリカ政府政策を継続して誘導し続けていると考えるべきあらゆる理由が存在する。

ロシア、イランとヒズボラは、昨年末、外国が支援する武装反抗勢力を広範に完敗させ、シリアが戦争を終わらせるのを大いに助けた。ところが、それに続く、ロシア、イランとトルコが仲介した和平プロセスは勢いを失った。シリア国内での暴力が再燃しているように見える。

益々露骨なアメリカとトルコ軍部隊の軍事駐留と、イスラエル侵攻は、紛争再開の最も明らかな要素だ。これまで以上に、アメリカと同盟諸国は、シリアと、その領土的一体性をばらばらにする恥知らずの帝国主義計画で活動しているのだ。

これは地域支配のための意図的計画に沿ったワシントンによる犯罪的武力侵略に他ならない。この帝国主義者の陰謀は、国連によって、その実態を非難されるべきだ。ところがこの機関の幹部連中は、国連憲章を擁護する代わりに、シリアがその国権を守っていることを非難する欧米の合唱に加わっている。

国連は、1930年代、ナチスとファシストの侵略に迎合した無力な国際連盟と似ているようだ。アメリカと同盟諸国が今シリアで行っているのは、その繰り返しで - 中東におけるより広範な戦争の火を煽っているのだ。

法律や主権がほしいままに破壊されているのに欧米マスコミや国連は武力侵略が見えない。実際彼らは現実をあべこべにして、侵略の犠牲になっている国を非難しているのだ。

単刀直入な結論は、アメリカ、トルコ、イスラエルや他のNATO諸国は、シリアから撤退しなければならないということだ。シリアの主権を尊重し、政権転覆という犯罪陰謀をやめることだ。これが国際法の最小限の順守だ。

もしこの連中が連中の犯罪計画に固執すれば、この地域は誰も容赦しない戦争へと向かうことになる。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/02/23/us-aggression-in-syria-imperialist-blueprint.html
----------


53. 中川隆[-5502] koaQ7Jey 2018年3月07日 16:25:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.06
東ゴータを制圧していた侵略勢力の傭兵を蜂起軍であるかのように言い続ける有力メディア(その1)

シリア政府軍は2月25日から東ゴータの武装集団に対する攻撃を開始している。東ゴータから武装集団はダマスカスを砲撃、そのターゲットにはロシア大使館も含まれていた。そうした行為をいつまでも放置することはないとウラジミル・プーチン露大統領は警告していたが、東ゴータ攻撃でシリア政府軍にロシア軍が同行しているという情報もある。それが事実なら、アメリカ軍も手を出しにくい。


アメリカの支援を受けて東ゴータを制圧していた武装集団の大半はサラフィ主義者で、住民を人質にする形で抵抗を続けていた。その過程で脱出を試みる住民を攻撃するということもあったと伝えられている。


相変わらずアメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアはシリアの戦闘を「内戦」であるかのように表現しているが、これは2011年3月に戦闘が始まってから間もない段階から嘘だと指摘されてきた。そうした指摘の中にはローマ教皇庁の司祭やアメリカのDIA(国防情報局)も含まれている。


例えば、2012年5月にシリア北部ホムスで住民が虐殺された際、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝していたが、現地を調査した​東方カトリックのフランス人司教​はその話を否定する。虐殺を実行したのは政府軍と戦っているサラフィ主義者や外国人傭兵だと報告しているのだ。その内容はローマ教皇庁の通信社で伝えられている。


その中で司教は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とも書いている。西側の有力メディアにも住民虐殺の責任があるということだ。


また、2010年からシリアで活動を続けているベルギーの修道院の​ダニエル・マエ神父​も住民による反政府の蜂起はなかったと語っている。西側の政府や有力メディアの宣伝とは違って市民の蜂起などはなく、したがって政府による弾圧もなかったということだ。現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、​マザー・アグネス・マリアム​も外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。


リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が2011年10月に倒された直後、反カダフィ勢力の拠点だった​ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられていた​。その様子はYouTubeにアップロードされ、その事実を​デイリー・メイル紙​も伝えている。リビアはNATO軍とアル・カイダ系武装集団の共同作戦によって倒されたのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803050000/

東ゴータを制圧していた侵略勢力の傭兵を蜂起軍であるかのように言い続ける有力メディア(その2)


​​本ブログでは繰り返し書いてきたが、「アル・カイダ」は戦闘集団でなくデータベース。1997年5月から2001年6月までイギリスの外務大臣を務めた故ロビン・クックが2005年7月に指摘したように、​​​アル・カイダはCIAが訓練した「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル​​にすぎない。アル・カイダはアラビア語でベースを意味するが、「データベース」の訳語としても使われる。ちなみに、この指摘をした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われ、59歳で死亡した。


リビアでカダフィが惨殺された後、戦闘員が武器/兵器と一緒にシリアへ運ばれたことは西側のメディアも報道していた。2012年からシリアの戦闘が激しくなると見通していた人は少なくない。


​そうした輸送作戦の拠点はベンガジにあるCIAの施設で、アメリカ領事館も重要な役割を果たしていた。その領事館が2012年9月11日に襲撃され、その際にクリストファー・スティーブンス大使も殺されている。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたとジャーナリストの​シーモア・ハーシュは書いている​。​


シリアで政府軍と戦う武装集団にアル・カイダ系武装集団の含まれていることが否定できなくなると、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援している言い始めるが、アメリカ軍の情報機関DIAはこの主張を否定していた。


​DIAが2012年8月にホワイトハウスへ提出した報告​には、反シリア政府軍の主力をサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだとしている。オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。オバマ政権が方針を変更しないと東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されている。これは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)という形で現実になった。


ダーイッシュのような武装集団が勢力を拡大することをDIAは予測、オバマ大統領に警告している。その警告を知った上でオバマ政権は「穏健派」の支援を続けたのだ。そして2014年1月にダーイッシュはファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧している。


その際にトヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になった。パレードを含め、ダーイッシュの行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはずだが、静観していた。


2012年の報告が出された当時のDIA局長はマイケル・フリン中将。こうした展開を受け、オバマ政権の中でフリンDIA局長はダーイッシュ派のグループと対立する。そして2014年8月に局長を辞めさせられた。退役後、この問題をアル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、​ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策による​と語っている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803060000/

東ゴータを制圧していた侵略勢力の傭兵を蜂起軍であるかのように言い続ける有力メディア(その3)



​ロビン・クック元英外相も指摘しているように、アル・カイダとはCIAが訓練した「ムジャヒディン」の登録リスト。その中からピックアップされた戦闘員を中心として編成されたのがアル・カイダ系武装勢力。武装勢力の実態は傭兵であり、その主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が主力だ。​

これは1970年代終盤、ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがスンニ派系武装集団の仕組みをアフガニスタンで作り上げて以来、変化はない。ただ、シリアでの侵略戦争ではサウジアラビア/アメリカだけでなく、カタール、トルコなどいくつかの系統ができている。


この仕組みがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対して動き始めるとする記事が​2007年3月5日付けのニューヨーカー誌​に掲載された。書いたのはハーシュ。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたとしている。


​その記事の中で、ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで外交問題評議会の終身メンバーでもあるバリ・ナスルの発言が引用されている。サウジアラビアは「ムスリム同胞団やサラフィ主義者と深い関係がある」としたうえで、「サウジは最悪のイスラム過激派を動員することができるだろう。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」と警鐘を鳴らしている。​


2007年当時のアメリカ大統領はジョージ・W・ブッシュであり、2011年はバラク・オバマ。アメリカの戦略に変化はないということ。少なくともこの件で「チェンジ」はなかった。


これも繰り返しなるが、2003年にアメリカ主導軍が侵略したイラク、そしてシリアとイランを殲滅するとネオコンのポール・ウォルフォウィッツが口にしたのは1991年、彼が国防次官のときだった。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)


2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから10日ほどのち、統合参謀本部で攻撃予定国のリストが存在することを知らされたともクラークは語っている。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイラン。これはドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺で決められたようだ。


2003年3月にイラクを侵略する前、アメリカやイギリスをはじめとする西側の政府や有力メディアは先制攻撃を正当化するために「大量破壊兵器」を宣伝していた。これが嘘だったことはアメリカやイギリスでも認められているが、同じことを政府とメディアはリビアでもシリアでもウクライナでも繰り返している。


昔からメディアにはプロパガンダ機関としての側面がある。支配層にとって都合の良い話を庶民に信じさせ、操ろうということだ。支配層には優秀なストーリーテラーがいるようで、その話は庶民にとっても心地良い。「真実そのものと人が真実と思うものは違う」とトルーマン・カポーティの『叶えられた祈り』(川本三郎訳、新潮文庫、2006年)に登場する人物は語っているが、これは真実だ。


ネオコンは信じたいことを信じ、事実を自分たちの妄想に合わせようとする傾向が強いが、勿論、ネオコン以外でもそうした方向へ流されがちにはなる。そこで根拠や証拠、他の出来事との整合性などが重要になってくるわけだが、そうしたことを無視する人が増えているようだ。


日本が降服して間もなく、映画監督の伊丹万作はこんなことを書いている:戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」。「このことは、戦争中の末端行政の現れ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオの馬鹿々々しさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心に且つ自発的に騙す側に協力していたかを思い出してみれば直ぐに判ることである。」(伊丹万作『戦争責任者の問題』映画春秋、1946年8月)


本当は騙されていないという気もする。騙された振りをしているということだ。言動の基本は「長い物には巻かれよ」、「勝てば官軍、負ければ賊軍」。少なくとも短期的にはそれが個人的な利益につながる。それは間違いない。日本のマスコミで働く人々は「オーソライズ」という言葉をよく口にしていた(そうした類いの人々との接触が少なくなったので今は不明)。権力システムに認められた「権威」を絡めることで支配層に恭順の意を表するのだと理解している。


日本の支配層はアメリカ支配層の傀儡にすぎないわけで、アメリカ支配層にとって都合の悪い情報はマスコミからも拒否される。その拒否を正当化するためにアメリカ支配層が用意した呪文が「謀略論」。支配層が明らかにされることを嫌う戦略や戦術に触れるとその呪文が唱えられるのだ。シリアでの侵略戦争でも西側の政府や有力メディアはそうした類いの呪文を必死に唱えている。(了)
​​​​​​ https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803060001/


54. 中川隆[-5451] koaQ7Jey 2018年3月11日 10:19:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.10
イラクで破壊と殺戮を始めたときと同じように嘘でシリアを破壊しようと必死の侵略勢力(その1)


​ダマスカスを砲撃する拠点になってきた東グータで政府軍の制圧作戦が進んでいる。アメリカ国務省のヘザー・ナウアート報道官は2月上旬にシリア政府軍が化学兵器を使用したと主張、それを口実にしてアメリカ、イギリス、フランスはダマスカスを空爆する姿勢を見せていたが、アメリカ国防省のダナ・ホワイト報道官はそうしたことを示す証拠を見たことがないと発言、ジェームズ・マティス国防長官は化学兵器を政府軍が使ったとするNGOや武装勢力の主張を裏付ける証拠は確認していないとしている。


シリアの戦闘に関して西側メディアがしばしば情報源として利用するNGOはSOHR(シリア人権監視所)やシリア市民防衛(白ヘル)。

SOHRはラミ・アブドゥラーマン(本名オッサマ・スレイマン)なる人物がイギリスで個人的に設置した団体で、スタッフはひとりだと見られている。その情報源は不明だが、シリアで戦争が始まった2011年にスレイマンはシリア反体制派の代表としてウィリアム・ヘイグ元英外相と会っていると報道されている。米英の情報機関と連携しているとする人もいる。

白ヘルは元イギリス軍将校のジャームズ・ル・メシュリエによってイギリスで創設された団体。この人物は傭兵会社のブラックウォーター(後にXe、さらにアカデミへ名称変更)で働いた経験がある。

白ヘルのメンバーを2013年から訓練しているのはイギリスの安全保障コンサルタントだというジェームズ・ル・メスリエだが、白ヘルなる団体を立案し、動かしているのはシリア・キャンペーンなる団体。この団体を立案したのは広告会社のパーパス。この会社はアバーズというキャンペーン会社からスピンオフしたのだという。

そのアバーズはリビアに飛行禁止空域を設定するように主張、その主張が実現してアメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、カタールなど侵略国連合は制空権を握り、NATOの航空兵力とアル・カイダ系武装集団の地上軍による連携でムアンマル・アル・カダフィ体制を倒し、事実上、国を消滅させてしまった。

西側の有力メディアが伝える​白ヘルの姿は演技​にすぎず、現地の住民は白ヘルが彼らを助けているという話を否定、​赤新月社(西側の赤十字に相当)のメンバー​は白ヘルが東アレッポにいなかったと語っている。白ヘルがアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあることも報告されている。


2011年3月にシリアで戦争が始まった当時から政府軍と戦っているのは外国から侵入した傭兵。雇い主はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟にイギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、パイプラインの建設をシリアに拒否されたカタール、そしてトルコだ。

シリアより1カ月早く戦争が始まっていたリビアも構図は基本的に同じで、その年の10月にムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されると、リビアからシリアへアル・カイダ系の戦闘員が武器/兵器と一緒にシリアへ運ばれている。そうした工作の拠点になっていたのがベンガジにあったCIAの施設で、アメリカ領事館も拠点のひとつだった。工作の黒幕はCIAと国務省ということだが、当時のCIA長官はデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官はヒラリー・クリントンだ。

ネオコンは遅くとも1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると口にし、2001年9月11日の攻撃から10日ほど後にはリビアも攻撃予定国リストに載っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803090000/


イラクで破壊と殺戮を始めたときと同じように嘘でシリアを破壊しようと必死の侵略勢力(その2)


​イラクを先制攻撃したときは大量破壊兵器という作り話を口実にし、シリアやリビアを侵略したときはカダフィやバシャール・アル・アサドという独裁者が民主化運動を暴力的に弾圧、内戦が始まったと説明していた。


そうしたストーリーを最もらしくする話を流していたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)の情報だが、デイエムの発信する情報のいかがわしさは2012年3月1日に発覚している。この日、​ダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子が流出​したのだ。つまり彼の「現地報告」はヤラセだった。

2011年3月にそうした市民の蜂起があり、多くの人々が殺されたという西側の政府や有力メディアの宣伝を否定する人もいた。例えば、2010年からシリアで活動を続けているベルギーの修道院の​ダニエル・マエ神父​もそうした蜂起はなかったと語っている。

2012年5月にホムスで住民が虐殺されるると、反政府勢力や西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝、これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだが、宣伝内容は事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長だった。

その修道院長の報告をローマ教皇庁の通信社が掲載したが、その中で反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を殺したとしている。その修道院長は「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」と語っている。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、​マザー・アグネス・マリアム​も外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。シリアにおける住民殺戮の責任を西側の有力メディアも免れないと言っているのだ。


アル・カイダ系武装勢力の存在を否定できなくなると、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援していると主張するのだが、アメリカ軍の情報機関DIAもこれを否定する報告を2012年8月にホワイトハウスへ提出している。​反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しない​というわけだ。

また、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803100000/

イラクで破壊と殺戮を始めたときと同じように嘘でシリアを破壊しようと必死の侵略勢力(その3)


​DIAが穏健派の存在を否定する報告をホワイトハウスに出した2012年8月、バラク・オバマ大統領はNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言している。


2012年12月になると国務長官だったヒラリー・クリントンがこの宣伝に加わり、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張する。翌年の1月になると、アメリカ政府はシリアでの化学兵器の使用を許可、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させるというプランが存在するとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。

そして2013年3月、ダーイッシュがラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難したが、この化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。

コントラの麻薬取引を明るみに出したことで有名なジャーナリスト、​ロバート・パリー​によると、4月6日にポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していたと彼の情報源は語り、その情報を知った上でトランプ大統領はロシアとの核戦争を招きかねない攻撃を命令したという。6月25日には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​もパリーと同じ話を記事にしている。化学兵器の使用にアサド政権は無関係だとするCIAの報告は無視されたということだ。

アメリカが化学兵器の話を持ち出すたびに嘘だということが指摘されてきたが、それでも繰り返すのがアメリカの支配層。それを信じる人がいるとするならば、思考力がないのか信じたいという欲求がよほど強いのだろう。

ところで、グータにいる戦闘集団はいくつかのグループに分かれているようだ。これは侵略の黒幕になっていた国が2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入してからバラバラになってきた影響である。主なものはトルコやサウジアラビアを後ろ盾とするアーラー・アル-シャム、アル・カイダ系のアル・ヌスラ、カタール、サウジアラビア、トルコ、アメリカを後ろ盾にしていたFSA(自由シリア軍)。本ブログでは何度も書いてきたが、アル・カイダとは、​ロビン・クック元英外相が指摘​したように、CIAから軍事訓練を受けたムジャヒディンのコンピュータ・ファイルだ。

これまでアメリカ軍はシリア政府軍が要衝を攻略しそうになると攻撃、2月前半にはロシア人傭兵を空爆で殺している。ロシアの正規軍を攻撃すると反撃が予想されるため、傭兵に的を絞ったようだが、その月の下旬にはロシア軍の地上部隊がシリアへ入り、グータ攻略戦に加わっているとする情報もある。グータでアメリカ軍の動きが見られないのはそうした影響かもしれない。

今年3月1日、​ウラジミル・プーチン露大統領がロシア連邦議会で行った演説​もアメリカに対するプレッシャーになっている可能性もある。その演説でプーチン大統領は、ロシアやその友好国が存亡の機を招くような攻撃を受けた場合、ロシア軍は反撃すると宣言したのだ。原子力推進の低空で飛行するステルス・ミサイル、海底1万メートルを時速185キロメートルで航行、射程距離は1万キロに達する遠隔操作が可能な魚雷、マッハ20で飛行する大陸間ミサイルRS-26ルビエシュを含む兵器で反撃すると宣言、レーザー兵器の存在も明らかにした。ロシアの反撃をアメリカの防空システムは阻止できず、アメリカ本土も安全ではないことを示したのである。アメリカには自分たちが攻撃されることはないと思い込んでいる人がいるようで、そうした人々に目を覚まさせることもプーチンは狙ったと見られている。


イラクを破壊するために大量破壊兵器という作り話を利用したように、化学兵器を利用してアメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、イスラエルなどがシリアに対する本格的な軍事侵略を始めた場合、ロシア軍は地球規模の反撃に出る可能性がある。勿論、イランが攻撃された場合も同じだ。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803100001/



55. 中川隆[-5464] koaQ7Jey 2018年3月21日 10:49:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.21
化学兵器の使用を口実にして熱戦に突入するのか、神経薬物による攻撃を口実にして冷戦に入るのか?



 生物化学兵器の使用がアメリカ軍の直接的な軍事介入のレッドラインだとバラク・オバマが大統領として発言したのは2012年8月のことだった。​シリア政府軍と戦っている戦闘集団の中心はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラ)だとDIAがホワイトハウスへ報告​したのと同じ月だ。


 2001年9月11日以来、アメリカ政府は「アル・カイダ」をテロリストの象徴として描き、そのテロリストを殲滅するという口実で他国を侵略している。ところがシリアでは、そのテロリストを守るためにアメリカはシリアへ軍事介入するというわけだ。


 シリアより1カ月早い2011年2月に侵略戦争が始まったリビアでは、その年の10月にNATOとアル・カイダ系武装集団のLIFGの連合軍がムアンマル・アル・カダフィの体制を破壊、カダフィ自身を惨殺している。その直後から戦闘員と武器/兵器を侵略勢力はシリアへ集中させ、リビアと同じようにバシャール・アル・アサド政権をオバマ政権は倒そうとしたわけだ。その口実が生物化学兵器。


 2012年5月にホムスで住民が虐殺されると西側はシリア政府に責任があると宣伝するが、すぐに嘘だと発覚する。例えば、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」と語っている。


 政府軍による住民虐殺という筋書きで軍事介入を正当化しようとしてアメリカは失敗、化学兵器の話に切り替えたわけだ。イラクを先制攻撃する前の大量破壊兵器話と同じだ。


 2012年12月になるとヒラリー・クリントン国務長官はアサド大統領が化学兵器を使う可能性があると発言、13年1月29日付けのデイリー・メール紙は、シリアで化学兵器を使ってアサド政権に責任をなすりつけて軍事行動へ向かうという作戦をオバマ大統領は許可したと伝えている。(すぐに記事はサイトから削除された。)


 実際、2013年3月19日にアレッポの近くで化学兵器が使われるが、その5日後にイスラエルのハーレツ紙は化学兵器を使ったのは政府軍ではなく反政府軍だった可能性が高いと報道、5月になると攻撃を調べていた国連の独立調査委員会のメンバー、カーラ・デル・ポンテも政府軍でなく反政府軍が使用した可能性が高いと発言する。


 8月21日にはダマスカスに近いグータで再び化学兵器が使用され、アメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアはシリア政府に責任をなすりつける宣伝を展開、23日にアメリカのネットワーク局CBSのチャーリー・ケイは、アメリカ海軍の司令官はシリアを巡航ミサイルで攻撃するため、艦船に対してシリアへ近づくように命じたとツイッターに書き込んだ。


 8月29日にはサウジアラビアが化学兵器を反政府軍に提供したと報道されているのだが、9月3日に地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されるが、途中、海中へ墜落してしまった。その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同でミサイル発射実験を実施したと発表したが、事前に周辺国(少なくともロシア)へ通告はなく、シリアに向かって発射された可能性が高い。何らかの電子戦用兵器が使われたと推測する人もいる。


 早い段階からロシアは侵略軍が化学兵器を使ったと主張していたが、​調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュの記事​、あるいは​国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授の分析​でもシリア政府軍が化学兵器を使ったという主張は否定されている。そのほかにも同じ趣旨の報告が相次いだ。こうした展開をアメリカ側は予想、そうした反論が出てくる前に攻撃したのだろうが、失敗したということだろう。

 アメリカは別のストーリーを考える余裕がないのか、その後も同じシナリオで直接的な軍事介入を目論んできた。そして今年3月1日、ウラジミル・プーチン大統領はロシアやロシアの友好国が国の存続を揺るがすような攻撃を受けた場合、ロシア軍は攻撃してきた拠点を含めて反撃すると宣言する。地中海に配備されたアメリカの艦船からミサイルが発射されたなら、その艦船を撃沈するということだと理解されている。


 イスラエルやサウジアラビアとの関係もあり、アメリカが侵略を中止する可能性は小さい。ロシアとの直接的な軍事衝突を覚悟の上でシリアやイランを攻撃するのか、冷戦の再現を目指すのだろう。ウクライナでドンバスに対する本格的な軍事攻撃を開始する可能性もあるが、そのケースでもロシアとの直接的な軍事衝突だ。


 かつての冷戦はソ連に対する先制核攻撃が困難になったことから生じた現象だった。今回もロシアに圧勝できないことを理解すれば、冷戦に持ち込もうとする勢力が出てくるかもしれない。


 プーチン演説の3日後、イギリスで神経薬物の騒動が引き起こされた。元GRU(ロシア軍の情報機関)大佐のセルゲイ・スクリパリとその娘のユリアがイギリスのソールズベリーで倒れているところを発見され、神経薬物(サリン、またはVXだとされている)が原因だとされている。テレサ・メイ英首相はロシア政府が実行したかのように発言しているが、証拠は示されていない。

 イギリス政府がロシアとの関係を悪化させようとしていることは明白であり、EUを巻き込もうともしている。イギリスの化学戦部隊はロシアがそうした薬物を使った証拠を見つけていない。​イギリス政府は担当者に圧力​をかけて証拠を捏造させるか、何も示さずに「我々を信じろ」と言い続けるしかない。ロシア側は証拠を示すか、謝罪しろと要求している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803200000/


56. 中川隆[-5498] koaQ7Jey 2018年3月22日 15:04:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8558]
2018.03.22
偽旗作戦を実行する前に武装勢力は化学兵器を政府軍に押さえられたが、米海軍は戦争体制



 シリアの首都ダマスカスの郊外に位置する東グータを政府軍が制圧しつつある。その東ゴータで「穏健派」の、つまりアメリカが手先として使っている​武装勢力が3月21日に買い物客で賑わうマーケットをミサイルで攻撃​、20名以上とも35名以上とも言われる人々が死亡したと伝えられている。


 制圧作戦の過程で政府軍は武装勢力が化学兵器を製造していた作業場を発見、内部の映像が公表された。シリア側の説明によると、装置はサウジアラビアから持ち込まれ、薬品や防護服は西側から持ち込まれたという。武装勢力が逃げる際に放置していった有害物質は40トン以上になるとロシア国防省は語っている。


 バラク・オバマが大統領だった当時からアメリカは化学兵器の使用を口実としてアメリカ/NATO軍が直接軍事介入してバシャール・アル・アサド政権を倒そうとしてきた。今年2月上旬にアメリカ国務省のヘザー・ナウアート報道官はシリア政府軍が化学兵器を使用したと根拠を示さず一方的に主張している。


 それに対し、アメリカ国防省のダナ・ホワイト報道官はそうしたことを示す証拠を見たことがないと発言、ジェームズ・マティス国防長官は化学兵器を政府軍が使ったとするNGOや武装勢力の主張を裏付ける証拠は確認していないとしていた。化学兵器の使用を口実にした直接的な軍事介入の目論みを主導しているのはCIA/国務省だと言えるだろう。


 ロシア参謀本部は3月17日、​アメリカ海軍が艦隊を紅海、地中海、そしてペルシャ湾に配置、シリア攻撃の準備を整えた​と警告している。実際に攻撃が実行されればインド洋中部にあるディエゴ・ガルシア島の基地も使われる可能性が高い。また同じ3月17日にセルゲイ・ラブロフ露外相は、アメリカ、イギリス、フランスを含む国々の特殊部隊がシリア国内へ侵入、すでに「代理戦争」の段階ではなくなっていると語った。アメリカなどはこうした主張を否定したようだが、2011年3月にシリアへの侵略が始まった直後から西側諸国は特殊部隊を潜入させていると言われている。


 言うまでもなく、こうした動きをロシア側は前から察知していたはずで、だからこそ​ウラジミル・プーチン露大統領は今年3月1日、アメリカとその同盟国がロシアやその友好国に対して存亡の機を招くような攻撃を受けたなら反撃するとロシア連邦議会で演説​したのだ。ウクライナの東部やクリミア、シリア、イランなど攻撃すればロシア軍との戦争になるという警告だ。


 その演説でプーチンは反撃用の兵器をいくつか紹介している。原子力推進の低空で飛行するステルス・ミサイル、海底1万メートルを時速185キロメートルで航行して射程距離は1万キロに達する遠隔操作が可能な水中ドローン、2000キロメートルの距離をマッハ10で飛行して正確に目標を捉えられるミサイルのキンザル、マッハ20で飛行する大陸間ミサイルRS-26ルビエシュだ。レーザー兵器の存在も明らかにした。ロシアの反撃をアメリカの防空システムは阻止できず、アメリカ本土も安全ではないことを示したのである。


 マティス国防長官は3月10日、プーチン大統領が語った兵器の実戦配備は何年も先だと主張したが、その日にロシアはミグ31がキンザルを発射する映像を公表している。このミサイルは昨年12月に発射実験を成功させていると言われ、これが事実ならアメリカを含む西側の軍や情報機関はその時点である程度の性能を把握していただろう。ロシアの警告で西側が攻撃を思いとどまれば冷戦へ向かうのだろうが、攻撃を強行すれば核戦争に発展する可能性がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803210000/


57. 中川隆[-7856] koaQ7Jey 2018年4月09日 09:26:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10042]
2018.04.09
シリア侵略の手先である武装勢力を支援するため、化学兵器話を再三再四使う侵略勢力



 シリア侵略部隊がダマスカス攻撃の拠点にしてきた東グータの大半を政府軍が制圧、武装解除された戦闘員の脱出も進む中、ドゥーマで政府軍が化学兵器で住民70名以上を殺したと宣伝されている。その情報源はサウジアラビアを後ろ盾とし、アル・カイダ系のアル・ヌスラと連携しているジャイシュ・アル・イスラム、そしてアル・カイダ系武装集団と一心同体の白いヘルメット。つまり、アル・カイダ系武装集団の主張に基づく宣伝だ。

 ロシア政府は反シリア政府軍が化学兵器を使おうとしていると再三警告、東グータでは化学兵器の製造場所がいくつか発見されている。今回の攻撃も西側は政府軍が化学兵器を使ったことを示す証拠は明らかにできていない。自分たちの主張を信用させようという熱意を失ったいるように見える。

 2003年3月に実行したイラクへの先制攻撃では事前に大量破壊兵器という嘘を広めていたが、シリアでは化学兵器。政府による住民虐殺という主張が現地調査で否定され、偽情報の発信源も露見した後の2012年8月、アメリカ大統領だったバラク・オバマはNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言している。

 本ブログでは何度も書いてきたが、オバマが宣言した月にアメリカ軍の情報機関DIAはホワイトハウスに​シリア情勢に関する報告書​を提出、その中で反シリア政府軍の戦闘員はサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団、あるいはAQI(イラクのアル・カイダ)が中心だとしている。アル・カイダ系武装集団の中心はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。

 その当時、シリアではアル・ヌスラという武装勢力の名前が流れていたが、その実態はAQIと同じだとDIAは指摘している。バラク・オバマ大統領はそうした勢力を支援していた。そこでシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとDIAは報告書の中で警告している。これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。

 シリアで侵略戦争が始まる1カ月前、2011年2月にリビアが侵略されている。その黒幕はシリアと基本的に同じで、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、カタールなど。リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はその年の10月の崩壊、カダフィ自身も惨殺された。その段階でNATO軍とアル・カイダ系武装集団のLIFGとの連携が明確になっている。これも本ブログで何度も説明してきた。リビアを破壊した侵略勢力は戦闘員や兵器/武器をシリアへ運ぶが、その際に化学兵器もリビアから持ちだしたと言われている。

 2012年12月になると、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると国務長官だったヒラリー・クリントンが主張する。そして翌年の1月、アメリカのオバマ政権はシリアでの化学兵器の使用を許可し、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させようとしているとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。

 そして2013年3月、ダーイッシュがラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難した。ところがこの化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出し、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。

 この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。

 早い段階でロシア政府は国連で証拠を示しながらアメリカ側の主張が正しくないことを説明しているが、8月29日にミントプレスは​サウジアラビアが化学兵器使用の黒幕​だとする記事を掲載した。記者に圧力がかかって執筆を否定する談話を発表するが、​編集長が反論、記者との遣り取りは記録されている​としている。記者からの再反論はなかった。10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、​ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話​が流れた。

 12月には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​もこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。​国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授​も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。


 このほか、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったと主張している。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられた。

 西側の政府や有力メディアが流した化学兵器話は崩壊したのだが、その後も似たような話が繰り返し宣伝されてきた。2017年4月4日にも化学兵器の使用が宣伝された。​マイク・ポンペオCIACIA長官​は7月11日、INSA(情報国家安全保障連合)の夕食会でその出来事について語った。それによると、ドナルド・トランプ大統領から4月4日の攻撃について6日に質問され、シリアの体制側が化学兵器を使ったというCIAの結論を伝えたとしている。

 その報告に基づいてトランプは攻撃を決断、6日の夜にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射している。そのうち目標に到達したのは23発で、5発は地上に落下、残りは地中海へ落ちたのではないかとみられている。

 しかし、ジャーナリストのロバート・パリーによると、​4月6日の早朝、トランプ大統領はポンペオCIA長官から私的に化学兵器の使用を否定する説明を受けていた​とする内部からの情報があるという。

 また、6月25日には、ジャーナリストのシーモア・ハーシュが同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、​4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えた​としている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。攻撃の前からアメリカ側はロシアから情報を知らされていたことになる。その記事が出る3日前、6月22日には​フランスのエマニュエル・マクロン大統領がシリア政府による化学兵器の使用は根拠がないと話している​。

 アメリカには、ロシアと全面戦争になってもシリアを破壊したいと考えている勢力が存在、大統領も逆らえない力を持っているように見える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804090000/


58. 中川隆[-7892] koaQ7Jey 2018年4月10日 09:45:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10090]
2018.04.10
シリア軍の基地を攻撃したのはイスラエルの戦闘機で、レバノン領空から8発を発射、5発は撃墜



 シリアのホムスにあるT4空軍基地を4月9日にミサイル攻撃したのはイスラエル空軍に所属する2機のF15戦闘機だったとロシア国防省は発表している。レバノン上空から8発のミサイルを発射、そのうち5発が撃墜され、3発は基地に到達して14名が死亡しているようだ。そのうち2名はイラン人で、ロシア人は含まれていないという。報復を避けるため、ロシア軍の兵士に犠牲者が出ないように攻撃した可能性がある。事前にイスラエル側はアメリカ政府へ通告していたが、ロシアへは知らせていない。

 現在、シリアではジハード傭兵、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が壊滅寸前で、ダマスカス攻撃の拠点になってきた東グータの大半も政府軍が制圧した。

 今回の制圧作戦がスタートする前、この東グータからダマスカスのロシア大使館へ向かって砲撃が毎日あった。ロシアのウラジミル・プーチン大統領はその攻撃について、いつまでも許すことはないと語っている。実際、そうした展開になった。この作戦ではアメリカ軍に妨害させないため、ロシア軍が同行していた可能性がある。

 武装解除された戦闘員の脱出が進む中、ドゥーマで政府軍が化学兵器で住民70名以上を殺したという宣伝が始まった。その情報源はサウジアラビアを後ろ盾とし、アル・カイダ系のアル・ヌスラと連携しているジャイシュ・アル・イスラム、そしてアル・カイダ系武装集団と一心同体の白いヘルメットだ。

 この化学兵器話とイスラエル軍機の攻撃を結びつける「解説」もあるが、先週、アンカラで開かれたロシア、イラン、トルコの首脳会談を意識しての示威行動だと見る人もいる。ドナルド・トランプ大統領の発言とは逆に、アメリカの支配層は自国の軍隊をシリアから撤退させる意思はなさそうだ。石油利権を手放すべきでないという露骨な本音を掲載する有力新聞もあった。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟とイギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビがロシア、イラン、トルコと対峙するという構図だ。

 今回、シリアを攻撃したとみられるイスラエル軍はガザで住民虐殺を続けているが、そのパレスチナ人をイスラエルは「人間の盾」としても使っている。ロシア軍が反撃してきた場合、そのパレスチナ人を皆殺しにするとロシア政府を脅している可能性はある。

 今後、アメリカ軍は昨年(2017年)4月6日に実行された攻撃と似たような攻撃を行うかもしれない。昨年のケースでは、地中海にいたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射されている。

 イスラエルはサウジアラビアはアメリカ軍にイランを攻撃させたがっている。アメリカ、イギリス、フランスはシリアへ地上部隊を侵入させた。ロシアの安全保障会議によると、アメリカ軍は基地を20カ所に建設済みで、油田地帯を制圧するだけでなくバシャール・アル・アサド政権を倒させたいと願っている勢力も存在する。

 もし昨年4月の攻撃を大幅に上回る攻撃をアメリカがシリアで実行、バシャール・アル・アサド政権を倒そうとしたなら、ロシア軍は反撃する。ウラジミル・プーチン露大統領は今年3月1日にロシア議会で行われた演説で、​ロシアやその友好国が存亡の機を招くような攻撃を受けた場合、反撃すると警告​している。もし地中海などに展開している艦船からミサイル攻撃を実施した場合、そうした艦船は攻撃される。シリアに建設されたアメリカ軍の基地も破壊されると考えるべきだろう。ロシア軍が反撃に出るか出ないかの境界線は微妙で、その位置をアメリカ側が読み間違えれば全面戦争になる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804100000/


59. 中川隆[-7894] koaQ7Jey 2018年4月11日 08:33:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10102]


2018.04.11
理屈に合わないシリアの化学兵器話が宣伝される中、疑問を投げかけたFOXニュースのキャスター



 ドナルド・トランプ米大統領がシリアから軍隊を撤退させると表明した直後、そのシリアで化学兵器が使用されたという話が流された。トランプ大統領の表明はシリア政府にとって朗報だが、シリア政府による化学兵器使用の話はその撤退計画を御破算にした。奇妙な話だが、そもそも東グータをほぼ制圧した政府軍が化学兵器を使う理由がない。これだけでも化学兵器話が胡散臭いことは明白だが、アメリカをはじめ西側の有力メディアは奇妙な化学兵器話を受け入れている。ところがFOXニュースの​タッカー・カールソンは番組の中で化学兵器話の奇妙さを指摘​した。

 非論理的な化学兵器話の発信源はアル・カイダ系武装集団と一心同体の白いヘルメットとアル・カイダ系武装集団と連携しているジャイシュ・アル・イスラムだということは本ブログでも指摘した。ジャイシュ・アル・イスラムもアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)と同じように残虐だ。こうした集団の情報を否定する赤新月社(イスラム諸国における赤十字)の証言を西側の有力メディアは無視する。そうした中でカールソンは例外的な存在だと言えるだろう。支配層の内部でも現在の流れに危機感を抱いている人がいるのかもしれない。
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/816.html#cbtm


60. 中川隆[-9823] koaQ7Jey 2018年4月15日 21:37:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10468]
2018.04.15
米英仏がシリア攻撃に使ったミサイルの7割をシリア軍が撃墜したと露国防省



 OPCW(化学兵器禁止機関)のチームが東グータへ入る直前、4月14日未明にアメリカ、イギリス、フランスの3カ国はシリアを巡航ミサイルで攻撃した。このチームが東グータへ入ることを拒否されたとアメリカ政府は弁明しているが、ロシア政府はそれを否定している。OPCWの調査を求めていたのはシリアやロシアであり、チームが現地へ入ることを拒否されたとする情報はない。

 ​アメリカ国防総省の発表によると​、攻撃のターゲットはバルザー化学兵器研究開発センター(76機)、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設(22機)、ヒム・シンシャー化学兵器(7機)。ミサイルは合計105機で、すべてが命中したとしている。

 しかし、シリアの化学兵器はOPCWが立ち会って廃棄済み。シリア側の説明によると、破壊されたのは抗癌剤の製造工場だという。

 ロシア国防省によると、攻撃されたのはダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍用空港(12機。全て撃墜)、バリー軍用空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍用空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍用空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍用空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)。そのほかターゲット不明の2機があるようだ。

 軍事施設には短距離防空システムのパーンツィリ-S1が配備されていると言われ、その能力はすでに確認済みだが、バシャール・アル・アサド大統領はソ連が1970年代に製造された防衛システムを賞賛している。S-200かS-300を指しているのだろう。

 化学兵器の使用を口実にしてシリアをアメリカ軍が直接攻撃するというプランが表面化したのは2012年8月のこと。バラク・オバマ大統領はNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言したのだ。

 同じ月に、アメリカ軍の情報機関​DIAはシリア情勢に関する報告書をホワイトハウスに提出​、その中でバラク・オバマ政権に対して反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないと書いている。

 さらに、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるともDIAは警告していた。つまり、ダーイッシュの出現を見通していたのだ。本ブログでは何度も書いてきたが、この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将。ドナルド・トランプ政権の最初の国家安全保障補佐官だ。

 この年の12月になると、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると国務長官だったヒラリー・クリントンは主張する。翌年の1月には、アメリカ政府がシリアでの化学兵器の使用を許可、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させるというプランの存在をイギリスのデイリー・メール紙が伝えている。

 そして2013年3月、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)がラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難したが、この化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出する。

 例えば、イスラエルの​ハーレツ紙​は攻撃されたのがシリア政府軍の検問所だと指摘、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測している。5月には国連独立調査委員会メンバー国連の調査官だった​カーラ・デル・ポンテ​が化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。

この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。

 昨年(2017年)4月にも化学兵器話が持ち上がった。4日に政府軍が化学兵器を使ったというのだが、コントラの麻薬取引を明るみに出したことで有名なジャーナリストの​ロバート・パリー​によると、4月6日にマイク・ポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していたと彼の情報源は語ったという。6月25日にはソンミ事件を明らかにしたことで有名なジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​もパリーと同じ内容の話を記事にしている。

 そして今回の化学兵器話とアメリカ、イギリス、フランスによるシリア攻撃。これはオバマ政権の時代に作られた軍事侵略のシナリオであり、イスラエルやサウジアラビアから実行を強く求められていた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804150000/


61. 中川隆[-9850] koaQ7Jey 2018年4月15日 23:32:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10492]

米英仏の空爆で破壊の研究施設、職員は化学兵器の製造を否定 シリア

4/15(日) 21:25配信 AFP=時事


シリアの首都ダマスカス北郊バルゼで、同国政権による報道陣向けツアーで案内された、破壊された科学研究施設(2018年4月14日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News


【AFP=時事】米英仏は14日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権による化学兵器開発に関与しているとみられる施設を標的に、同国の首都ダマスカス周辺で空爆を実施した。

【関連写真】報道陣向けツアーで案内された、破壊された科学研究施設
http://www.afpbb.com/articles/-/3171265?pid=20030982&tmpl_skin=gallery&utm_source=yahoo&utm_medium=news&cx_from=yahoo&cx_position=p1&cx_rss=afp&cx_id=3171265


 14日午前4時(日本時間同日午前10時)ごろ、米英仏軍は巡航ミサイルや空対地ミサイルによる攻撃を実施。まだ眠りの中にあったダマスカス近郊の住宅地の人々は慌てて目を覚ました。

 ダマスカス北郊バルゼ(Barzeh)にある複合施設も空爆を受けた。国営シリア・アラブ通信(SANA)は、バルゼの研究施設にミサイル数発が着弾し「科学研究所や訓練センターが入っていた建物が破壊された」と報じた。AFP記者は政権が案内する報道陣向けツアーに参加し、被害状況を視察した。

 空爆から数時間が経過していたが、現場では煙と焦げ臭い匂いが漂っていた。

 攻撃を受けた研究施設の技術者だというサイード氏は、施設は3階建てだったが、完全に破壊されたとAFPに語った。だが、空爆当時、施設内には誰もいなかったという。

 この施設について欧米側は、アサド政権の「化学兵器関連のインフラ施設」だと主張しているが、サイード氏によれば施設は民間の医薬化学品研究所で、サソリやヘビの毒に対する解毒剤の生産や、子どものおもちゃ用の化学製品などの試験を行っていたという。そのためサイード氏は、「私たちの施設が攻撃を受けるとは思ってもいなかった」「もしここに化学兵器があったのならば、私たちは今ここには立っていないだろう」と語った。

 サイード氏によれば、化学兵器禁止機関(OPCW)は数年前にこの施設を訪問しており、その際、同機関は施設には毒素兵器はまったくないと言明したという。【翻訳編集】 AFPBB News


62. 中川隆[-9894] koaQ7Jey 2018年4月16日 09:54:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10546]

2018年4月16日
シリア攻撃はトランプの“茶番” 被害は3人のけが人だけ?
紛争不介入の思惑浮き彫りに
佐々木伸 (星槎大学客員教授)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12529



 米英仏3カ国が4月14日未明、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして武力行使に踏み切った。しかし、アサド氏に対するトランプ米大統領の強硬な言葉とは裏腹に、攻撃はロシアやイランに被害が出ないよう抑制された出来レースのような趣が強く、アサド政権の戦争継続能力に「なんら影響のない“茶番”」(ベイルート筋)。かえって米欧の及び腰が浮き彫りになった。


14日、ホワイトハウス前でシリア攻撃を抗議する人々(Photo by Tasos Katopodis/Getty Images)

新しいレッドライン

 攻撃が行われたのはシリア現地時間の14日午前4時。ほぼ1年前の米単独攻撃では標的は1カ所だったが、今回はダマスカス近郊の科学研究所、中部ホムス県の兵器工場、貯蔵所など化学兵器に関連した施設3カ所が標的となった。発射された巡航ミサイルも前回のほぼ2倍の105発(米発表)に上った。

米軍は地中海上の艦船3隻とB1戦略爆撃機が、英軍はキプロスの基地から発進したトーネード戦闘機4機、潜水艦1隻が、仏軍はミラージュ戦闘機とフリゲート艦4隻がそれぞれ作戦に参加した。英仏が攻撃に賛同し、西側主要国の結束を示すことができたのはトランプ大統領にとっては大きな成果だった。

 しかし、ダンフォード米統合参謀本部議長によると、ロシア側にはシリアでの衝突を回避するホットラインを通じて、事前に通告していたといい、ロシア軍は標的周辺から退避するなどして被害はなし。イラン関係者やアサド政権軍にも大きな損害はなかった。シナリオ通りに出来レースが実施された感が強い。“茶番”と言われても否定はできない面があるだろう。

 とはいえ、ロシアのプーチン大統領は「国際法違反の侵略」、イランの最高指導者ハメネイ師も「戦争犯罪」と米英仏を強く非難した。トランプ大統領から「けだもの」「怪物」と罵られたアサド氏は「蛮行」と反発する一方、攻撃が行われたその朝、何もなかったかのように、大統領府に通常通り出勤する姿を動画で公表、攻撃にたじろぐことのない大物風に振る舞った。

 ミサイル攻撃の人的被害は3人のけが人だけとされており、この程度の攻撃ではイランやロシアなどからの報復もないだろう。トランプ政権がロシア軍との対決激化を招ねかないよう配慮したあまり、肝心の標的だったアサド政権の戦争継続能力を削ぐ効果はほとんどなかったのが実情だ。

むしろ、攻撃はアサド政権に打撃を与えるというより、米欧の「レッドライン」(超えてはならない一線)を示すことが目的だったように見える。逆に言うと、化学兵器を使用しない通常兵器であれば、どんな攻撃でも、どんなに民間人に死傷者が出ようとも米欧は容認するというシグナルでもある。アサド氏がそのように受け取ったとすれば、今後も焼夷弾のような樽爆弾など、残虐な殺戮兵器が使われ続けることになるのは確実だ。


戦略なき「ミッション完了」

 トランプ大統領は攻撃の後、「完璧な攻撃だった」「ミッションは完了した」と宣言し、攻撃が成功したことを誇示した。しかし「ミッションとはそもそも何だったのか」(米紙)、大きな疑問が残る。アサド政権の化学兵器の壊滅に使命を限定すれば、確かにその化学兵器製造能力は今回の攻撃で弱体化したのは事実だが、化学兵器を他に隠匿していないという保証はない。

 最も重要なことはこの攻撃が、50万人以上の国民が犠牲になり、1000万人以上が難民化しているシリア内戦を、終結に導く一助となるかどうかだ。だが、その可能性は小さい。アサド政権だけではなく、ロシア、イランの米国に対する反発が強まり、双方の対立の激化は免れまい。

 トランプ氏の思い描くミッションには元々、シリアの平和や安定の確保などが含まれているとは思えない。トランプ氏が米第一主義の観点から折に触れて言ってきたのは、2001年の米中枢同時テロ以降に始まった米国の中東介入は「人命とカネの無駄遣いだった」というものであり、4月に入ってからもシリアからの早期撤退論を語っていた。

 大統領は数日前に遊説先で、シリアの内戦について「他の連中に面倒を見させておけばいい」と本音をのぞかせ、内戦終結や政治決着に主導権を発揮するつもりのないことを明らかにした。さらに攻撃の際の発表でも「中東はやっかいな場所だ。米国は友人ではあるが、地域の運命はその国の国民自身に委ねられる」と突き放した。そこには、米国の利益にならない地域から1日も早く撤退したい、との思惑がにじむ。

包括的な戦略が欠如


 厄介事に手を染めたくないというのはトランプ氏に限ったことではない。英国のメイ首相も「攻撃が内戦への介入や政権交代を目指したものではない」ことを強調している。総じて言えるのは、特にトランプ大統領には「世界の不安定要因であるシリア問題にどう対処するのか、包括的な戦略が欠如している」(アナリスト)ことだ。今回攻撃に踏み切ったのは、シリア政策での弱腰を非難してきたオバマ前大統領に単に対抗するためだったのではないか。

 トランプ氏が「ミッション完了」という言葉をどんな意味で使ったのかは分からない。2003年5月、イラク戦争でフセイン独裁政権を打倒した時の大統領ブッシュ氏は米空母アブラハム・リンカーンの艦上で「ミッション完了」を宣言、勝利を内外に誇った。

しかし、米国はその直後から過激派組織「イスラム国」(IS)の前身だったスンニ派勢力とのテロとの戦いに苦しみ、イラクから米軍が完全撤退を果たしたのは8年後の2011年のことだった。トランプ氏が思惑通り、シリア紛争からきれいさっぱりと手を洗うのはそう簡単ではない。


63. 中川隆[-10233] koaQ7Jey 2018年4月18日 02:33:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10963]
2018.04.18
ドゥーマを取材した英有力紙の特派員は毒ガスでなく粉塵による呼吸困難で患者は運び込まれたと報告



 ドゥーマで政府軍が化学兵器を使ったと主張している人々にとって不都合は記事がイギリスのインディペンデント紙に掲載された。同紙のロバート・フィスク特派員が攻撃があったとされる地域へ入って医師らを取材、​患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれた​という説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。

 そうした患者を治療している最中、「白いヘルメット」のメンバーが「ガスだ」と叫んだことからパニックが始まったというが、ドゥーマで政府軍が化学兵器を使って住民70名以上を殺したと宣伝しているのはその「白いヘルメット」とアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラム。「白いヘルメット」がアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあることを本ブログでも再三再四、指摘してきた。

 ジャイシュ・アル・イスラムはCIAの影響下にあり、同じアル・カイダ系のアル・ヌスラと連携(タグの違い)、イギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーが指揮していると報告されている。MSF(国境なき医師団)が隠れ蓑として使われてきたとも言われている。

 カネと人を抱えている西側の有力メディアに実態を調べる能力があることはフィスクの取材でも明らか。つまり、ほかの西側メディアは取材せずアル・カイダ系集団の宣伝をそのまま垂れ流してきたわけだ。西側の政府も同じこと。ドゥーマで化学兵器が使われたという話が嘘だということは西側の政府も有力メディアも知っていたのだろう。

 メディアであろうと学者であろうと、体制の中でそれなりの地位と収入を確保して安穏な生活を送ろうとすれば、言動は体制が定めた枠組みの中に留めることは必要だ。その枠組みの中で「左翼キャラ」や「右翼キャラ」を演じていれば波風は立たない。そうした中から「戦争は良くないが、化学兵器を使うのも良くない」というような発言も出てくる。化学兵器話が嘘だと口にしたり書いたりすることは枠組みからはみ出す行為なのだろう。

 アメリカやイギリスはロシアがロンドンで化学兵器を使ったと証拠を示すことなく主張している。そのターゲットだとされているのはGRU(ロシア軍の情報機関)の元大佐であるセルゲイ・スクリパリとその娘のユリア。ふたりは3月4日にソールズベリーで倒れているところを発見されたとされている。

 セルゲイはスペインに赴任中の1995年にイギリスの情報機関MI6に雇われ、99年に退役するまでイギリスのスパイとして働いていた。そうした事実が退役後に発覚して2004年12月に逮捕され、06年には懲役13年が言い渡されているが、10年7月にスパイ交換で釈放された。それ以来、ソールズベリーで生活している。本名を名乗ってきた。娘のユリアは2014年にロシアへ戻っている。

 ユリアは4月9日に退院、当局の「保護下」にあるというが、本人の口からの説明はなく、どういう状況にあるのかは不明。ロシアに住むユリアの従姉妹ビクトリアはふたりを心配してイギリスへ行こうとしたが、ビザが下りなかった。ユリアが自分の意思で身を隠しているのかどうかも不明だ。

 イギリス政府はセルゲイとユリアに対して「ノビチョク(初心者)」という有毒物質が使われたと断定したが、元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マリーによると、イギリス軍の化学兵器研究機関であるポート・ダウンの科学者は使われた神経ガスがロシアで製造されたものだと特定できなかったと語っている。後にこの情報の正しさが確認されている。

 ノビチョクとは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称で、ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。イギリス政府がこの名称を使った理由はロシアとの関係を強調したいからだった可能性が高い。使われた化学物質はA-234という神経物質だとも言われているが、旧ソ連では2017年までにこうした物質や製造設備は処分された。それに対し、スイスの研究所は無力化ガスの3-キヌクリジニルベンジラート(BZ)が使われたと報告している。この分析が正しければ、ユリアの回復を説明しやすい。

 シリアの話にしろイギリスの話にしろ、アメリカ、イギリス、フランスは証拠を示すことなく化学兵器話を口実にして全面核戦争を招きかねない行動に出ている。勿論、化学兵器は原因でなく、ロシアを核戦争で脅すことが目的なのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804170001/


64. 中川隆[-10470] koaQ7Jey 2018年4月19日 08:04:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-11224]
2018.04.19
軍事的な緊張を高めている英首相、その夫は戦争ビジネスに多額の投資をしている会社の重役

 テレサ・メイ英首相の夫、フィリップが注目されている。アメリカのカリフォルニア州を拠点とする資産運用会社キャピタル・グループの重役なのだが、その会社は戦争ビジネスに多額の資金を投入している。​ロッキード・マーチンの場合、発行済み株式の7.69%(70億ドル相当)を保有​しているという。軍事的な緊張が高まり、戦争になれば大儲けだ。


 そうした会社の重役を夫にするメイ首相は証拠を示すことなくロシアを悪魔化して描いて両国の関係を悪化させ、証拠を示すことなく化学兵器話を広めてシリアをミサイル攻撃した。シリア北部にはアメリカやフランスと同じように特殊部隊を潜入させている。こうした国々がシリアの油田地帯を支配しようと目論んでいることは公然の秘密だ。ちなみに、ヒラリー・クリントンは上院議員時代、ロッキード・マーチンの代理人と言われ、その後は巨大金融資本とも結びついた。


 第43代アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュも戦争を好んでいた。「経済を復活させる最善の方法は戦争」であり、「アメリカの経済成長は全て戦争によって促進された」とブッシュ・ジュニアが語っていたとアルゼンチンのネストル・キルシュネル元大統領は証言している。(Produced and directed by Oliver Stone, “South Of The Border”, September 2009)


 兵器産業や傭兵会社を含む戦争ビジネス、不特定多数の人間を監視したり思想を調べる技術を開発している治安関連の業界、人々の嗜好、思想、行動をコントロールする広告産業だけでなく、こうした戦争が利益に直結している会社に投資している金融資本も戦争の原動力になっている。


 現在、世界を戦乱へと導いているのはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、そしてイギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビだ。日本は三国同盟に従属している。


 三国同盟が結成されたのは1970年代の終盤。ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密計画に基づいてCIAは1979年4月からイスラム武装勢力への支援プログラムを始める。その武装勢力の中心はサウジアラビアが送り込んだはサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)やムスリム同胞団。そうした戦闘員にCIAは爆弾製造や破壊工作の方法を教え、都市ゲリラ戦も訓練、武器/兵器を与えて侵略戦争を始めたのだ。現地の武装集団とも連携したが、その仲介役はパキスタンの情報機関ISIであり、イスラエルも協力している。そして1979年12月にソ連の機甲部隊がアフガニスタンへ軍事侵攻、ブレジンスキーの作戦は成功した。その後、三国同盟が編成した戦闘集団とソ連軍との戦いは続く。


 サイクス・ピコ協定はオスマン帝国の領土分割などを決めた秘密協定で、イギリスのマーク・サイクスとフランスのフランソワ・ジョルジュ-ピコの協議で原案が作られたことからこう呼ばれている。後にロシアも参加するが、1917年11月のロシア十月革命で実権を握ったボルシェビキ政権によって協定の存在が暴露されている。ちなみに、ウラジミル・プーチン露大統領はイギリスやフランスを含む勢力の中東支配プランに加担していない。


 この協定が結ばれた翌月、つまり1916年6月にイギリス外務省アラブ局はアラブ人を扇動して反乱を起こさせている。その部署にトーマス・ローレンス、いわゆる「アラビアのロレンス」も所属していた。このロレンスが接触、支援したアラブ人がフセイン・イブン・アリ。この人物にイギリスのエジプト駐在弁務官だったヘンリー・マクマホンはアラブ人居住地の独立を支持すると約束している。フセイン・マクマホン協定だ。


 イブン・アリは1916年にヒジャーズ王国を建国しているが、このアリはイブン・サウドに追い出されてしまう。そして1932年にサウジアラビアと呼ばれる国が登場した。サウジアラビア建国の背後ではイギリスが蠢いている。


 サイクス・ピコ協定が露見した2年後、つまり1917年11月に「バルフォア宣言」、つまりイギリスのアーサー・バルフォア外相の名義でウォルター・ロスチャイルド宛てに送られた書簡が書かれた。その宣言の中で「イギリス政府はパレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成する」と約束している。


 イギリス政府が言う「ユダヤ人の民族的郷土」は1948年に作られた。この年の4月4日にシオニストはダーレット作戦を発動、デイル・ヤシンという村をシオニストのテロ部隊であるイルグンとスターン・ギャングは襲い、住民を惨殺する。襲撃の直後に村へ入った国際赤十字のジャック・ド・レイニエールによると254名が殺され、そのうち145名が女性で35名は妊婦。イギリスの高等弁務官、アラン・カニンガムはパレスチナに駐留していたイギリス軍のゴードン・マクミラン司令官に殺戮を止めさせるように命じたが、拒否された。(Alan Hart, “Zionism Volume One”, World Focus Publishing, 2005)


 この虐殺を見て多くのアラブ系住民は避難を開始、約140万人いたパレスチナ人のうち5月だけで42万3000人がガザ地区やトランスヨルダン(現在のヨルダン)に移住した。その後の1年間で難民は71万から73万人に達したと見られている。シオニストが占領した地域にとどまったパレスチナ人は11万2000人にすぎないという。


 イギリスの学者で地政学の父とも呼ばれているハルフォード・マッキンダーは1904年、世界制覇のためのプランを発表した。彼は世界支配を実現するためにカギはロシアにあると考える。広大な領土を有し、豊富な天然資源、多くの人口を抱えるからだ。この理論に基づいてズビグネフ・ブレジンスキーも戦略を立てている。


 そのロシアを締め上げるため、マッキンダーはユーラシア大陸の沿岸地域に広大な弧を想定する。西ヨーロッパ、中東、インド、東南アジア、朝鮮半島をつなぐ三日月帯で、西の端にはイギリス、東の端には日本がある。この三日月帯の上にイギリスはサウジアラビアとイスラエルを作り上げた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804190000/


65. 中川隆[-10471] koaQ7Jey 2018年4月19日 08:41:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-11230]
シリア政府は内戦で化学兵器を全く使っていない?
2018年4月18日   田中 宇
http://www.tanakanews.com/180418syria.htm

 2011年からのシリア内戦では、化学兵器による攻撃が何度も行われている。ウィキペディアによると、直近のドウマの化学兵器攻撃(劇)までで、合計72回、化学兵器が使われた。このほか、国際機関のOPCWやUNHRCの報告書にだけ載っているものもある。13年3月19日にカンアルアサル(アレッポ郊外)のシリア政府軍基地に対して反政府軍がサリン入りの手製ロケット弾を撃ち込んだ攻撃、15年8月21日にマレア(Mare'a、アレッポ郊外)の住宅地にISがマスタードガス入りの砲弾を50発以上打ち込んだ攻撃など、4件は反政府勢力の犯行だとされている。 (Use of chemical weapons in the Syrian Civil War From Wikipedia)

 今年4月7日のドウマの攻撃劇など、白ヘルメットなど反政府側が「政府軍が化学兵器で攻撃し、市民が死んだ」とウソを喧伝しただけで、実際の化学兵器攻撃が行われていないものもいくつかある。「政府軍が化学兵器で攻撃してくるのですぐ逃げろ」とウソを言って住民を避難させ、そのすきに空き巣に入るといった事案もあった(14年4月29日のアルタマナなど。国連報告書S/2016/738の54ページ#13)。塩素やサリンが散布されて死傷者が出ているが、政府軍と反政府勢力のどちらがやったのか、OPCWが確定できなかったものも多い(現場調査に入れない、証言が人によって食い違っている、物証がないなど)。 (S/2016/738) (シリアで「北朝鮮方式」を試みるトランプ)

 だがそれらの「反政府側が犯人」「反政府側がウソを喧伝したが化学兵器攻撃はなかった」「誰が犯人か不明な化学攻撃」を除いたものの多くについて、シリア政府軍が化学兵器を使ったと、OPCWやUNHRC、欧米マスコミが「断定」している。マスコミは、白ヘルが捏造した動画などを鵜呑みにして大々的に報じてきた。対照的に、OPCWは犯人(化学兵器使用者)を断定するのに慎重だが、最近になるほど米英の圧力を受け、政府軍犯人説へと飛躍しがちだ。UNHRC(国連人権理事会)は、OPCWの調査結果を使い、慎重なOPCWが犯人を断定できない事案に関して「大胆」に政府犯人説を断定する傾向だ。 (UNHRC : Report of the independent international commission of inquiry on the Syrian Arab Republic)

 シリア内戦の化学兵器攻撃事案で、国際政治的に重要なのは3件ある。(1)13年8月21日のグータ、(2)17年4月4日のカーンシェイクン、(3)今年4月7日のドウマ、の3つで、いずれもシリア政府軍の仕業と喧伝されている(実はすべて濡れ衣だが)。(1)は、当時のオバマ大統領に対し、軍産やマスコミから「米軍がアサド政権を倒すシリア攻撃に入るべきだ」と強い圧力を受け、濡れ衣で開戦したイラク戦争の愚を繰り返したくないオバマが、ロシアに問題解決を頼み、今に続くロシアのシリア進出への道筋をつけた。(2)は、17年4月6日のトランプ大統領によるシリアへのミサイル攻撃につながったが、後で、シリア政府軍の仕業と断定できる根拠がない(濡れ衣攻撃だった)と、ティラーソンやマティスが認める事態になった。(3)は、中東大戦争や米露世界大戦(もしくは多極化)への瀬戸際状態を引き起こしている現在進行形だ。 (ミサイル発射は軍産に見せるトランプの演技かも) (無実のシリアを空爆する) (シリア空爆策の崩壊)

 私は、今回の記事の題名どおり、シリア内戦の72回以上の化学兵器使用のなかで、シリア政府軍が化学兵器を使って攻撃したと確定的に言える事案が一つもないのでないか、と考えている。シリアのISアルカイダは、サリンや塩素ガスを持っている。政府軍が通常兵器で攻撃してくるのに合わせて、それらの化学兵器を手製のロケット砲や手榴弾などの形式で発射し、住民に被害が出ると、その場で撮影(もしくは仲間内で演技して事前に制作)した動画をアップロードし「政府軍が化学兵器で攻撃してきた」と喧伝し、それを受けて米英で、ISカイダを支援する軍産の一味であるマスコミと当局が「アサドの仕業」を「確定」することを延々と繰り返してきた、というのが私の見立てだ。 (進むシリア平定、ロシア台頭、米国不信)

 サリンは、トルコの化学企業からトルコの諜報機関が原料を入手してシリア反政府勢力に渡していた。トルコは、16年にISカイダを見捨ててロシア側に転じており、その前後から反政府側のサリン在庫が減り、代わりにプールの浄化剤を転用して造した塩素ガスの使用が増えた。サリンや塩素ガスによる攻撃は、手製の小型ミサイルや手榴弾によって行われている。いずれも政府軍でなく、民兵団(テロリスト集団)である反政府勢力の手法である。 (Saraqib chemical attack - Wikipedia) (Ashrafiyat Sahnaya chemical attack - Wikipedia)

 米英軍産と傘下のアルカイダがグルになり、13年8月21日のグータの化学兵器攻撃の濡れ衣をシリア政府にかけた後、ロシアの仲裁で、シリア政府はそれまで持っていた(がシリア内戦で使っていなかった)化学兵器を、米露の検証のもと、すべて廃棄した。シリアが持っている化学兵器を全廃してしまえば、もう米英もシリアに化学兵器攻撃の濡れ衣をかけられないと露シリアは考えたのだろうが、それは甘かった。 (ロシアのシリア空爆の意味) (シリアをロシアに任せる米国)

 シリア政府が化学兵器を廃棄した後、シリア内戦での化学兵器使用は、むしろ増加した。ウィキペディアに載っている化学攻撃の回数は、グータの攻撃の前の1年間が17件だったが、その後の1年間は27件だった。化学攻撃の濡れ衣で非難されるのがいやで化学兵器を破棄したシリア政府が、その後の化学攻撃をやるはずがない。これらの27件や、その後現在までの30件近くの化学攻撃は、すべて反政府側が政府に濡れ衣をかけるためにやったものと考えられる。 (Use of chemical weapons in the Syrian Civil War From Wikipedia)

 15年秋からは、ロシア軍がシリアに進出した。これで、反政府勢力に対するシリア政府軍の優位は確立した。アサド政権は、内戦終了後もシリアで政権を維持できる可能性が高まった。国際的なイメージ改善がアサド政権の目標の一つになった。化学兵器の使用は、国際イメージを悪化させる。ロシアの支援を受けて軍事的に優勢になったシリア軍は、軍事戦略の面でも、化学兵器を使う必要が全くなくなった。だが、15年秋以降も、シリアでは10回以上の化学兵器による攻撃があった。これらがシリア政府軍の仕業であるとは考えられない。 (いまだにシリアでテロ組織を支援する米欧や国連)

▼3大案件は反政府側が犯人だった可能性が特に強い

 以下、シリア内戦で化学兵器が使われたとされる個別の案件について考察する。まずは、上記した3大案件から。

(1)13年8月21日のグータ。アルカイダが占領するダマスカス近郊のグータ地区の2箇所に、サリン入りのロケット砲が撃ち込まれた。ちょうど国連の化学兵器調査団が同年5月の化学兵器使用について調べるためにダマスカスに着いた直後のタイミングで発生した。タイミング的に、アルカイダが政府軍に濡れ衣を着せるためにやった感じだ(シリア政府は、国連調査団の現地調査の要請をすぐ了承した。シリア政府が犯人なら、現地調査の了承を遅らせるはずだ)。事件後すぐ(アルカイダの「上部機関」である)米英の政府やマスコミは、シリア政府軍の仕業だと断定し始めた。 (Ghouta chemical attack From Wikipedia) (United Nations Mission to Investigate Allegations of the Use of Chemical Weapons in the Syrian Arab Republic - Final report)

 UNHRCは、報告書(A-HRC-25-65_en、18-19ページ #127-131)で、13年8月21日のグータと、13年3月19日のカンアルアサルという、2件の化学兵器攻撃で使われたサリンの物質的な特質(markers、hallmarks)が共通しており、犯人(使用者、化学兵器保有者)が同じである可能性が高いと書いている。UNHRCは、このサリンは質が高く、こういったものを作れるのはISカイダのような民兵団でなく、シリア政府など国家機関だけだという理由で、2つの事件はすべて政府軍の仕業だと断定している。 (A-HRC-25-65 : Report of the independent international commission of inquiry on the Syrian Arab Republic)

 だが、すでに書いたように、アルカイダはトルコの諜報機関(という国家機関)からサリンの原料を供給されていた。事情を知らないトルコの警察が、シリアに運び込まれる途中のサリン原料をシリア国内で見つけて取り締まろうとして、諜報機関と悶着する事件も以前に起きている。 (Turkish Whistleblowers Corroborate Story on False Flag Sarin Attack in Syria) (2 Turkish Parliament Members: Turkey Provided Chemical Weapons for Syrian Terrorist Attack)

 今年1月のロイター報道によると、OPCWは、上記のグータとカンアルサルだけでなく、2017年4月4日のカーンシェイクンの化学兵器攻撃で使われたサリンも、他の2件と物性が同じであるという調査結果を出した。ロイターは、このサリンがシリア政府軍の所有物であるという前提で報じている。だが、グータとカンアルサルとカーンシェイクンが、同じサリンを使った、同一勢力による攻撃であるという、OPCWやUNHRCも認める「事実」をもとに考えると、むしろ3つの化学攻撃は、いずれも反政府勢力の仕業である可能性の方が高い。

https://www.reuters.com/article/us-syria-crisis-chemicalweapons-exclusiv/exclusive-tests-link-syrian-government-stockpile-to-largest-sarin-attack-sources-idUSKBN1FJ0MG Tests link Syrian government stockpile to largest sarin attack (Ghouta chemical attack - From Wikipedia)

 その理由の1つは、13年3月カンアルサルの攻撃が、シリア政府軍の基地に向かって反政府勢力(アルカイダ)がサリン入りの手製のロケット弾を飛ばしてきた事案だったからだ。この攻撃の直後、シリア政府は国連に、反政府勢力が化学兵器を使ったので調査し確定してほしいと要請し、8月に国連の調査団が現地を調査した。反政府勢力は、化学兵器を使ったのは政府軍だと反論した。13年8月の国連調査団のシリア入国の直後、グータで、サリン入りのロケット弾が撃ち込まれる化学攻撃が起きた。

 国連調査団は、カンアルサルでサリンが使われたことは認定したが、誰がサリンを使ったかについては、シリア政府の主張を裏付ける証拠が不十分であるとして、使用者不明のままとした。だが、国連の調査委員会の一員だったカルラ・デルポンテ(国連戦争犯罪担当主任検事)は13年5月に、化学兵器を使ったのは反政府勢力だとの判断を発表した。これに対し、米英などが鋭く反発し、翌日には調査委員会が「まだ何も結論は出ていない」とする声明を発表した。要するに、ふつうに考えると反政府勢力が犯人なのだが、そう表明することは米英が反対するのでできない状況だった。米英・軍産が、アサド犯人説以外の主張する人に大きな政治圧力をかけて黙らせ、アサド犯人説を「結論」にしてしまう今の構造が、13年5月の時点ですでに隆々と繁茂していたことが見て取れる。 (Khan al-Assal chemical attack -Wikipedia)

 13年3月のカンアルアサルの化学攻撃は、反政府勢力(アルカイダ)の仕業で、それを米英軍産がシリア政府軍の仕業という結論に歪曲した。アンアルアサルと同じサリンが使われた、13年8月のグータと、17年4月のカーンシェイクンの攻撃も、アルカイダの仕業だったことになる。これらの3件とも、米英軍産が結論を歪曲し、人類はアサド犯人説のウソを信じ込まされている。

 (2)17年4月のカーンシェイクンの攻撃。反政府勢力は「政府軍がヘリコプターからサリンを入れた樽型爆弾を住宅に落とした」と主張している。政府軍ヘリが樽型爆弾をアルカイダの地元司令官の武器庫つきの家に落としたのは事実のようだ。政府軍側は「樽型爆弾は化学兵器でなく通常の火薬しか使っておらず、政府軍の攻撃に合わせてアルカイダがサリンの入った手製の砲弾を撃ち、それを政府軍のせいにした」と主張している。その他、政府軍に空爆された司令官の家の武器庫にサリンが保管されており、それが空爆時に散布されたという説もある。OPCWは、犯人を特定していない。 (REPORT OF THE OPCW FACT-FINDING MISSION IN SYRIA REGARDING AN ALLEGED INCIDENT IN KHAN SHAYKHUN, SYRIAN ARAB REPUBLIC APRIL 2017) (Khan Shaykhun chemical attack Wikipedia)

 (3)今回のドウマの案件。最近、欧米記者として事件後に初めてドウマの現地入りしたロバート・フィスクが、地元の人々が皆、4月7日に化学兵器が使われた事実はないと言っていることを確認した。事件当日、ドウマの病院に担ぎ込まれた人々は、通常兵器の爆弾の噴煙による呼吸困難をわずらっていたが、誰も化学兵器の被害を受けていなかった。だが、突然白ヘルの一行が病院にやってきて「化学兵器が使われた」と叫びながら、相互に水を掛け合い、その光景をビデオに撮って帰っていった。ロシアの主張どおり、4月7日のドウマでは化学兵器が使われておらず、米英は、白ヘルによるウソを(意図して)鵜呑みにしている。 (Robert Fisk visits the Syria clinic at the centre of a global crisis) (Famed War Reporter Robert Fisk Reaches Syrian 'Chemical Attack' Site, Concludes "They Were Not Gassed")

 シリア内戦の無数の化学兵器使用事案に関して、OPCWが報告書で「シリア政府軍が犯人(使用者)だ(ろう)」と結論づけているのは、私がいくつかの報告書をざっと見た限りで、国連に出した報告書「S/2016/738」に載っている、14年4月21日のタルメネスと、15年3月16日のセルミン、14年4月18日のカフルジータの3件だけだ。これらの件では、いずれも政府軍がヘリコプターで樽型爆弾を反政府支配地に投下している。反政府側は「樽型爆弾に化学兵器が入っていた」と言い、政府側は「通常火薬が入った樽型爆弾を落とす際、反政府側が化学兵器(塩素)入りの手製のロケット弾や手榴弾を撃ってきた」と言っている。 (Third report of the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons-United Nations Joint Investigative Mechanism)

 ウィキペディアの表によると、反政府支配地への樽型爆弾投下後の塩素ガス被害という、同種類の案件が、14年春から15年春にかけて22件起きている。OPCWは前出の報告書 S/2016/738で、このうち8件について調査・分析している。政府軍の通常火薬の樽型爆弾投下に、時間的・場所的に、うまく合わせて反政府側が塩素弾を撃てた案件はOPCWの結論が「政府軍が犯人」になり、それ以外の案件は「犯人不明」になっている。OPCWは、反政府側が政府軍を陥れるために政府軍の通常爆弾の攻撃に同期させて化学兵器を撃った可能性を(意図的に)無視している。ウィキペディアも同様だ。この無視を勘案して再検討すると、これらの全ては、犯人が政府軍でなく反政府側の可能性の方が高い。 (Use of chemical weapons in the Syrian Civil War From Wikipedia)

 OPCWは、15年の報告書(s/2015/908、140-141ページ)で「政府軍がヘリで化学兵器(塩素)入りの樽型爆弾を落とした」という前提で、地元の(反政府側の)人々の証言と、現場で採取した爆弾の破片をもとに、こんな構造の塩素弾の樽型爆弾だったというイラストを載せている。これを見ると「化学兵器使用の犯人は政府軍だ」と思ってしまう。だが考えてみると、反政府勢力の証言をもとに、想像力をたくましくして破片を組み合わせて「復元」すれば、通常火薬の樽型爆弾を、化学兵器の樽型爆弾に化けさせることが十分に可能だ。このイラストは、政府軍犯人説の証拠にならない。 (OPCW : s/2015/908)

 ロシアも参加するOPCWは一昨年まで、UNHRCや米英マスコミに比べ、犯人探しの結論を出すことに慎重だった。そのため、OPCWが政府軍が犯人だと結論づけた案件は(OPCWの報告書の束を私がつらつら読んだ範囲では)、私が反駁した上記の3件しかない。それと上記の15年報告書のイラストぐらいだ。だが、これらの慎重なOPCWが出した結論ですら、容易に反駁されうる。シリア内戦でアサドの政府軍が一度でも化学兵器を使った可能性はかなり低く、国際社会から好かれたいとずっと思っているアサド政権のイメージ戦略から考えて、化学兵器を一度も使っていない可能性の方が高い。
http://www.tanakanews.com/180418syria.htm


66. 中川隆[-10654] koaQ7Jey 2018年4月20日 10:44:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-11443]
2018.04.20
ドゥーマで化学兵器が使用されたとする西側の政府や有力メディアの主張を否定する報告が続く



 シリアの​ドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はないとOAN(アメリカのケーブル・テレビ局)の記者が現地から報告​している。やはり現地を取材したイギリスのインディペンデント紙の特派員も同じことを伝えている。ロシア系の​RTは西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材​、やはり化学兵器が使用されたという話を否定している。

 こうした報告が伝えられた直後の4月17日、ドゥーマでは国連の治安チームが正体不明の武装グループから銃撃された模様で、OPCWのチームの調査は延期されたようだ。OPCWがシリア入りしたタイミングでシリアをミサイル攻撃して批判されたアメリカ、イギリス、フランスはこの銃撃戦の責任をシリア政府に押しつけている。調査を遅らせる、できたら中止させるため、米英仏が残置部隊を使ったと考えるのが自然だろう。(実際に銃撃戦があったのかどうかは明確でない。)

 シリア政府軍やジャーナリストの調査で化学兵器の使用が否定されているが、西側の政府や有力メディアはあくまでもシリア政府軍が化学兵器を使ったとする話を流し続けている。その情報源はアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあることが判明している「白いヘルメット」とアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラム。こうした主張を裏付ける証拠は示されていない。こうした主張をする政府や有力メディアはカネがあり、ヒトもいるのに現地を調べようともしていない。調べたくないので怪しげなNGOを使うのだろう。こうした仕組みを作っておけば、最後は「騙された」で逃げることができる・・・とでも思っているのだろうか?

 イラクを先制攻撃、破壊と殺戮を繰り広げる前にアメリカやイギリスは大量破壊兵器があると宣伝していたが、これは後に嘘だということは明らかになっている。この時と手口は同じだ。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された直後、ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をせずに「アル・カイダ」が実行したと断定したが、この時も証拠は示さなかった。アメリカ支配層の話を無条件に信じろというわけだ。こうしたアメリカ支配層の主張を「信じる」意味は本ブログで以前、書いたことがある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804200000/


67. 中川隆[-11020] koaQ7Jey 2018年4月23日 05:55:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-11881]
2018.04.23
西側の政府や有力メディアの嘘が暴かれているが、その一方で強まる言論統制



 アメリカをはじめとする西側で報道統制が強化されている。有力新聞やネットワーク局、いわゆる主流メディアに対するCIAの影響力は1970年代に明かされたが、その力はその後強まった。情報をコントロールするためにモッキンバードというプログラムが実行され、1980年代からはプロジェクト・デモクラシーと呼ばれる思想戦も始められた。勿論、本当に民主化しようというわけではない。破壊と殺戮に民主化というタグをつけようということだ。1990年代からアメリカは民主化や人道といったタグを盛んに使い始めている。プロジェクト・デモクラシーと並行する形でアメリカとイギリスはBAP(英米後継世代プロジェクト)も開始するが、そのメンバーには編集者や記者も参加、有力メディアは支配システムへの関与を深めた。自らが関わる工作は語らないため、この報道統制に関する話は広まらなかった。

 そうした中、数少ない「まとも」なメディアと見なされていたのがニューヨーカー誌なのだが、今年(2018年)4月14日の記事では​ジョシュア・ヤッファ​がアメリカなどのシリア侵略が正当化されている。本ブログでは再三再四書いているように、全く説得力のないアメリカの政府や有力メディアの主張、バシャール・アル・アサド政権が化学兵器を使ったという話を垂れ流しているのだ。

 このシリア侵略に関係する​シーモア・ハーシュ​の記事を同誌は2007年3月5日号に載せている。それによると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟はシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始したとしているのだ。これは事実だった。

 2011年3月にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、そしてトルコやカタールがジハード傭兵を使ってシリア侵略を開始、それを正当化するために「現地からの報告」を演出したが、これは嘘が発覚してしまう。西側の有力メディアが盛んに引用していた​ダニー・デイエム​なる人物をはじめとするグループが「シリア政府軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像が2012年3月1日にインターネット上に流出、嘘が発覚したのだ。

 次に化学兵器の使用を西側は主張したが、これも嘘がすぐに発覚する。その主張が事実に反していることを示す報告や分析が次々に現れたのだ。そうしたひとつが2013年12月に発表されたハーシュの記事なのだが、それは彼が拠点にしていたニューヨーカー誌でなく​LRB(ロンドン・レビュー・オブ・ブックス)​だった。

 2017年4月6日夜にアメリカ軍は駆逐艦のポーターとロスから巡航ミサイルのトマホーク59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射、ロシア政府によると23機が目標に到達したという。この時の経験からロシア政府は短距離防空システムのパーンツィリ-S1を配備したと言われている。

 ジャーナリストの​ロバート・パリー​によると、4月6日早朝、ドナルド・トランプ大統領はマイク・ポンペオCIA長官から私的に化学兵器の使用を否定する説明を受けていたという。これはCIA内部の情報源からの情報。同じ内容の話をシーモア・ハーシュは6月25日にドイツの​ディ・ベルト​で伝えている。

 ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃を計画、その内容を事前にアメリカ側へ通告したとしている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。攻撃の前からアメリカ側はロシアから情報を知らされていたのだ。

 ハーシュの記事が掲載されたメディアは執筆の拠点だったニューヨーカー(アメリカ)からLRB(イギリス)、そしてディ・ベルト(ドイツ)へと変わっている。これは情報統制が強化されていった道筋を示しているとも言える。

 なお、アメリカ、イギリス、フランスはドゥーマで政府軍が化学兵器を使ったと主張してシリアをミサイル攻撃したが、インディペンデント紙のロバート・フィスク特派員やOAN(アメリカのケーブル・テレビ局)の記者が現地を取材、化学兵器が使用された痕跡がないと報告しているが、ドイツのテレビ局ZDFの記者も同じように伝えている。

 ZDFも住民の圧倒的多数は化学兵器による攻撃はなかったとしているとしているが、イスラム武装勢力(おそらく西側が情報源として信頼しているアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラム)は塩素で住民を殺し、その様子を撮影してシリア政府軍が化学兵器を使った証拠だとしていたと複数の証人が話しているとも報告している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804220000/


68. 中川隆[-11416] koaQ7Jey 2018年4月28日 01:15:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12445]
「シリアの化学兵器使用はでっちあげ」 米英の報道機関が暴露 2018年4月26日

 米英仏軍が4月14日、シリア政府軍が「化学兵器を使用した」と叫んで、シリア政府の施設などを105発の巡航ミサイルで攻撃した。この軍事行動を糾弾する行動が世界各地に広がっている。そのなかで、マスコミのなかからも「化学兵器使用」の宣伝に疑義を表明する報道が出ている。

 「4月7日に化学兵器が使用された」と一斉に振りまかれた直後の9日、米ニュース専門チャンネルFOXニュース(20世紀フォックスルグループ)で、ホスト役のタッカー・カールソンは、こうした宣伝に疑問が多いと指摘した。これまではFOXニュースは共和党支持の立場をとってきた。

 カールソンはシリアとの戦争熱をあおる動きを指摘し、「そもそも毒ガスそのものから、疑ってかからなければならない。かれらはアサドが子どもたちを殺したというが、それはでっちあげだ。アサド軍はシリアで戦争に勝利している。(トランプ)政府は、IS(イスラム国)を抑え込んだので、シリアから米軍を撤退させると発表したばかりだった。それはアサドにとってよいことだ。それを逆行させ、みずからを傷つけるものでしかない毒ガス使用をするだろうか」と問題を投げかけた。このニュースのなかでカールソンは、トランプ政府が昨年4月にシリア政府軍が「サリンガスを使用した」としてやったミサイル攻撃についても、いまだに「証拠がない」ことを指摘している。

 またニュースネットワークのOAN(ワンアメリカニュースネットワーク)が流した4月16日のシリア現地報告は、「化学兵器使用」などなかったという住民の声を伝えている。シリア政府軍によって解放されたばかりの東ゴータのドゥーマ現地に取材に入ったOAN記者のピアソン・シャープは、民間防衛組織ホワイト・ヘルメットが「化学兵器使用」の画像として流した病院の近くに行き、10人ほどの住民に話を聞いている。住民は「化学兵器攻撃について何か見たりしたことも聞いたこともない」と話した。さらに街の別の地域に行き30〜40人の住民に聞いている。とくに注意したのは、無作為に声を聞くことだったという。住民らが話したのは、「化学兵器使用」は追いつめられて必死だった「反政府軍」によるつくり事だということだった。ちなみにOANはこれまでトランプ支持といわれてきた。

 イギリスのオンライン日刊紙『インディペンデント』は4月17日、同紙の中東特派員のロバート・フィスクのルポ「ドゥーマのガレキの中での真実の探求 化学兵器攻撃への疑問」を掲載した。このルポはホワイト・ヘルメットの画像の舞台となったドゥーマの地下病院の医師らへのインタビューが中心である。医師の証言は次のようなものである。

 「すべての医師はなにが起きたか知っている。その夜、政府軍の爆撃による粉塵が住民の住んでいた地下室にも入ってきて、低酸素や呼吸困難でこの病院に運ばれてきていた。そこにホワイト・ヘルメットが飛び込んできて「ガスだ!」と叫んだことで、パニックが起きた。人人はおたがいに水をかけあったりした。それをビデオ撮影していった。ニュースで流された映像は、ここを撮影したもので本物だが、それは低酸素症などで苦しむ人人で、ガス中毒ではない」。

 ルポのなかで記者は、ホワイト・ヘルメットや米英仏などが宣伝する「化学兵器使用」での多数の死者について住民に聞いたが、誰もそれを知らないし、米英仏のシリア攻撃がドゥーマでのことを口実にしていることさえ知らなかったとのべている。またホワイト・ヘルメットについて、ロシア軍の仲介工作を受け入れ重火器を捨ててドゥーマから退去した「反政府派」について出て行っており、現地にはいなかったことを報告している。

 ホワイト・ヘルメットは、民間防衛隊を装っているが「反政府派」を装う傭兵テログループの宣伝機関であり、創設者はイギリスの退役軍人である。ホワイト・ヘルメットがいかなる代物か、欧米ではすでに広く暴露されている。

 今回の米英仏のシリア攻撃でホワイト・ヘルメットの役割はあらためて証明された。元ロックバンド・ピンクフロイドのメンバーであるイギリスのミュージシャン、ロージャー・ウォーターズは攻撃直前の4月13日、スペイン・バルセロナのコンサート中、ホワイト・ヘルメットを糾弾する声明を発表している。

 声明は「ホワイト・ヘルメットはつくられたインチキ組織であることは絶対間違いない。ジハード主義者とテロリストの宣伝をつくるためだけの存在だ。もし僕らがホワイト・ヘルメットや他の宣伝を信じてしまうなら、自分たちの政府がシリアに爆弾を投下するのを助けてしまうことになる。これはものすごい誤ちだ。完璧な調査をおこなわず、実際に現地で何が起きているのか分からないうちは、そうさせてはだめだ」と呼びかけている。
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/7832


69. 中川隆[-11516] koaQ7Jey 2018年4月30日 07:06:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12589]
2018.04.30
OPCWもシリアのドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、被害者はいないと結論


​​​​​​​
 シリアのドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、犠牲者もいないとOPCW(化学兵器禁止機関)のチームも結論づけた。4月7日にシリア政府軍がドゥーマで化学兵器を使ったというアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にある「白いヘルメット」とアル・カイダ系武装集団の「ジャイシュ・アル・イスラム」の主張はOPCWにも否定されたわけだ。この主張を「信じた」のはアメリカ、イギリス、フランスの3カ国で、OPCWが現地を調査する直前の4月14日にシリアをミサイル攻撃している。

 ジャイシュ・アル・イスラムを指揮していたのはイギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーで、MSF(国境なき医師団)が隠れ蓑として使われてきたとも報告されているが、これが事実なら化学兵器による攻撃を宣伝した勢力とミサイル攻撃した勢力は同じだということになる。

 米英仏が攻撃する直前、国連の専門機関であるWHO(世界保健機関)は化学兵器の使用で多くの犠牲者が出ているとする声明を出したが、その情報源はWHOがパートナーと呼ぶ団体。その中に含まれているMSFは「白いヘルメット」を訓練している。独自の調査をしたわけでなく、アル・カイダ系勢力の宣伝をそのまま主張しただけだ。

 今回、OPCWは「白いヘルメット」や「ジャイシュ・アル・イスラム」の公開した映像に出て来た住民17名に証言させているが、いずれも化学兵器による攻撃はなかったと語っている。

 西側の有力メディアは基本的に自らは取材せず、「白いヘルメット」や「ジャイシュ・アル・イスラム」の話を垂れ流しているだけ。自分たちの取材に基づいて伝えると嘘の責任が問われてしまうので、「ロンダリング」しているつもりなのだろう。

 しかし、今回は西側のメディアで現地を取材した記者がいる。そのひとりがイギリスで発行されているインディペンデント紙の​ロバート・フィスク​特派員。攻撃があったとされる地域へ入って治療に当たった医師らに取材、患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。アメリカのケーブル・テレビ局、​OAN​の記者も同じ内容の報告をしている。ロシア系の​RT​は西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、やはり化学兵器が使用されたという話を否定している。

 米英仏が攻撃した後、OPCWのチームはドゥーマへ入ろうとしたのだが、国連から治安状況が良くないと言われ、予定が遅れた。実際はそうした状況でなく、その後、調査は行われた。

 シリア侵略は2011年3月に始まった。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、オスマン帝国の復活を妄想していたトルコ、天然ガスのパイプライン建設でシリア政府と対立していたカタールが侵略勢力の中心で、その手先として送り込まれたのがアル・カイダ系武装勢力だった。

 ​ロビン・クック元英外相も指摘​しているように、CIAが訓練したムジャヒディンの登録リストがアル・カイダで、その中からピックアップされた戦闘員を中心として編成されたのがアル・カイダ系武装勢力。その主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が主力だ。ちなみに、アラビア語でアル・カイダとはベースを意味し、データベースの訳としても使われる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804290001/


70. 中川隆[-11594] koaQ7Jey 2018年5月01日 06:40:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12685]
2018.05.01
ハマやアレッポにあるシリア軍の軍事施設が滑空型のミサイルで攻撃された模様


 シリア政府軍の軍事施設が4月29日に攻撃された。ターゲットになったのはハマの兵器庫とアレッポにある飛行場で、大きな爆発音が聞かれたという。いずれも近くにイランの武装勢力がいたようで、十数名のイラン人だ死亡したとも言われているが、ヒズボラ幹部の説明によると、犠牲者は出ていない。ハマには7から8機のミサイル、アレッポには5機のミサイルが使われたとも伝えられている。

 ミサイルは東の方から撃ち込まれたようだが、誰が攻撃したかは明確でない。最も有力な国はイスラエル。シリア政府軍は東グータを制圧した後、ダマスカスの南を占領しているジハード傭兵を攻撃する姿勢を見せているのだが、この武装勢力はイスラエルと緊密な関係にあると言われている。

 また、アル・タンフの東側から国境を越えてアメリカ軍が撃ち込んだとする情報もある。アル・タンフではアメリカとイギリスの特殊部隊が反シリア政府軍を訓練していた。ヨルダンにあるアメリカやイギリスの基地から発射されたとする情報も流れている。

 今回、西側がシリアに対する直接的な攻撃を始めた切っ掛けはドナルド・トランプ米大統領の発言。アメリカ軍をシリアからすぐに撤退させると3月29日に発言したのだ。これには政府内からも否定的な発言が出ている。

 そうした中、アル・ヌスラ(アル・カイダ系武装勢力)と連携しているジャイシュ・アル・イスラム、アル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にある「白いヘルメット」が4月7日にドゥーマで政府軍が化学兵器で住民70名以上を殺したと宣伝しはじめた。例によって証拠は示されず、西側の政府や有力メディアは調査をすることなくシリア政府を批判するキャンペーンを開始する。

 その後、インディペンデント紙のロバート・フィスク特派員やアメリカのケーブル・テレビ局OANの記者が攻撃があったとされる地域へ入って取材、毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないと伝えたが、ここにきてOPCW(化学兵器禁止機関)のチームもドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、犠牲者もいないと報告している。アメリカやイギリスは2003年にも「大量破壊兵器」という大嘘をついてイラクを侵略、破壊と殺戮を続けてきた。そうした国の政府を信じること自体が犯罪的だ。

 シリアに対してもイラクの時と同じ手口が使われていて、4月8日にはホムスにあるT4空軍基地をイスラエル軍の2機のF-15がミサイルで攻撃、4月14日にはOPCW(化学兵器禁止機関)の調査チームが現地を訪れる直前、アメリカ、イギリス、フランスの3カ国がシリアをミサイル攻撃した。

 14日に行われた攻撃のターゲットは、アメリカ国防総省の発表によると、バルザー化学兵器研究開発センター、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設、ヒム・シンシャー化学兵器で、それぞれ76機、22機、7機が使われ、すべてが命中したとしている。

 しかし、建物に比べて使われたミサイルの数がアメリにも多すぎ、真実味がない。ロシア国防省の発表によると、ダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍用空港(12機。全て撃墜)、バリー軍用空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍用空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍用空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍用空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)が狙われたというが、これが事実に近いだろう。

 この攻撃に使われたのは巡航ミサイルだが、4月29日に使われたのは​GBU-39​だと見られている。これは航空機から発射され、滑空しながらターゲットへ向かうタイプ。巡航ミサイルでは駄目だということで、別のミサイルを試した可能性がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805010000/


71. 中川隆[-12078] koaQ7Jey 2018年5月06日 16:56:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13366]
米国は中東で軍事的な緊張を高める一方、イランに経済戦争を仕掛けている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805060000/
2018.05.06 櫻井ジャーナル


 アメリカ海軍の空母ハリー・S・トルーマンを中心とする艦隊が4月下旬に地中海へ入った。シリア、イラン、ロシアなどへ軍事的な圧力を加えることが目的だが、それに対してロシアは武器/兵器を含む物資をシリアへ運び込んでいるとも伝えられている。シリアの北部ではフランスやイギリスも動きを活発化させ、南部ではイスラエルが影響力の拡大を狙う。

 アメリカをはじめとする侵略勢力が送り込んだジハード傭兵は壊滅状態で、アメリカ軍とロシア軍が直接対峙する情勢になってきた。ダマスカス攻略の拠点だった南グータを制圧した後にシリア政府軍はダマスカスの南にいるイスラエルと関係の深いジハード傭兵に対する攻撃を開始、イスラエルは自国の戦闘機のトランスポンダーにアメリカ軍機を示す信号を出させているという噂も聞く。

 アメリカ、イギリス、フランスの3カ国軍は4月14日にシリアをミサイル攻撃したが、これはドナルド・トランプ米大統領がアメリカ軍をシリアからすぐに撤退させると発言してから16日後のことだ。ジャイシュ・アル・イスラムの幹部は攻撃の後に不満を表明している。

 アメリカ軍は攻撃を成功だとしているが、ロシア国防省の発表によると攻撃に使われたミサイルの約7割は撃墜されたという。ロシア側がターゲットだとしているのは、ダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍事空港(12機。全て撃墜)、バリー軍事空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍事空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍事空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍事空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)。

 これもロシア側の情報だが、シリア政府軍が迎撃に使ったのはパーンツィリ-S1が25機(23機命中)、ブク・システムが29機(24機命中)、オサ・システムが11機(5機命中)、S-125が13機(5機命中)、クバドラートが21機(11機命中)、S−200が8機(0機命中)だとされているが、このほかECM(電子対抗手段)が使われた可能性がある。

 ジャイシュ・アル・イスラムの反応を見てもアメリカよりロシアの説明に説得力がのだが、ロシア国防省の発表は米英仏の攻撃が失敗だったことを示している。ジハード傭兵たちはこの攻撃でシリア軍に大きなダメージを与え、それを利用してダマスカスを攻略するつもりだったのだろう。

 その攻撃を正当化するため、侵略勢力は4月7日にドゥーマで政府軍が化学兵器で住民70名以上を殺したという話を流していた。発信源はアル・カイダ系武装勢力と連携しているジャイシュ・アル・イスラムと、アル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にある「シリア市民防衛(白いヘルメット)」。そこから出た情報を西側の政府や有力メディアは調査をすることなくシリア政府を批判するキャンペーンに利用した。

 政府やメディアも愚かではない。この化学兵器話も嘘だと言うことを知っていただろう。だからこそ、「自分を騙す存在」が必要。それが白いヘルメットだ。米英仏軍がシリアをミサイル攻撃したのはOPCW(化学兵器禁止機関)の調査チームが現地を訪れる直前のことだった。

 その後、インディペンデント紙のロバート・フィスク特派員やアメリカのケーブル・テレビ局OANの記者が攻撃があったとされる地域へ入って取材、毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないと伝えた。さらにOPCW(化学兵器禁止機関)のチームもドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、犠牲者もいないと報告している。

 ジャイシュ・アル・イスラムと白いヘルメットが流した化学兵器使用の話は嘘だった可能性がきわめて高い。白いヘルメットは本ブログでも繰り返し書いてきたように、これまでも戦争を煽るために嘘をつき続けてきた団体。2012年の終わりから13年のはじめにかけての時期に創設されたという。

 シリアで2011年3月に戦争が始まるが、西側の政府や有力メディアは『独裁者」が「民主化の望む市民」を武力で弾圧、血の海になっているというストーリーを広め、外国軍による軍事介入を求めるという雰囲気を作り上げていった。同年2月に同じような事態になったリビアではNATO軍が介入して10月にムアンマル・アル・カダフィ体制は倒され、今では暴力が支配する破綻国家になっている。その際、地上軍の主力はアル・カイダ系のLIFGだった。

 シリアで外国軍の介入を求める「声」を発信していたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムやイギリスの政府機関とつながっていると見られているSOHR(シリア人権監視所)。

 ところが、2012年3月1日にダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子がインターネット上に流出、彼の情報がインチキだということが判明する。SOHRはその後も存続しているが、ダニー・デイエムは消えた。そこで登場してくるのが白いヘルメットである。

 白いヘルメットは2012年3月にトルコでジェームズ・ル・ムズリーなるイギリス人から訓練を受け始めたという。この人物はイギリス軍の元将校でコソボでの作戦に参加、傭兵の世界へ足を踏み入れてブラックウォーターとも関係する。

 白いヘルメットは自力で組織されたということになっているが、シリアへ西側の軍隊が介入することを求めるシリア・キャンペーンが企画した。活動家ネットワークのアバーズや広告会社のパーパスの共同創設者であるジェレミー・ヘイマンズが関わったボイス・プロジェクトという広告会社があり、そのボイス・プロジェクトがシリア・キャンペーンを作りだしたのだという。

 2014年から資金を白いヘルメットへ提供しているとされているのがメイデイ・レスキューとチェモニクス。両組織はCIAの別働隊と見なされているUSAIDから資金を受け取っている。メンバーを見ると、白いヘルメットはアル・カイダ系武装勢力と一心同体の関係にある。そうした事情は本ブログでも説明してきた。

 アメリカの国務省はここにきて白いヘルメットへの支援を見直すという情報が流れている。ジハード傭兵を使って「レジームチェンジ」するという目論みが破綻、新たな戦術を考えている可能性がある。

 アメリカ/NATOがロシアとの軍事衝突を覚悟で直接軍事侵略するのか、経済戦争を強化するのではないかと見る人がいる。ミハイル・ゴルバチョフ時代のソ連でクーデターを成功させたKGBの幹部たちは健在であり、そうした黒幕に目をかけられてボリス・エリツィン政権で巨万の富を築いたオリガルヒのネットワークも残っている。ウラジミル・プーチン政権のアキレス腱は経済部門にあると言われるのはそうした事情があるからだ。

 同じようにイランも経済部門がアキレス腱になっている。イラク・イラン戦争の後、イランでは新自由主義化が進む。私有化や貿易の自由化が推進され、少数の大金持ちと多くの貧困層を生み出すことになったのだ。そして1989年に大統領となったハシェミ・ラフサンジャニは「経済改革」を実施、新たな経済エリートを生み出し、庶民は貧困化していった。

 こうしてできあがった利権集団は欧米の巨大資本と結びつき、現在に至るまで大きな力を持ち続けている。2005年の大統領選で勝利したマフムード・アフマディネジャドはこうした強者総取り経済を変えようと試み、まずパールシヤーン銀行にメスを入れようとしたのだが、成功しなかった。西側でアフマディネジャドが憎悪された理由はそうした政策にある。現政権はアフマディネジャドよりは西側よりだと見られていたが、西側の支配層はその政策に満足していない。

 そこで西側はイランに通貨戦争を仕掛けているようだが、これが切っ掛けになってイランはロシアや中国へ接近している。アメリカが金融を使って攻撃できるのはドルが基軸通貨になっているから。ロシアや中国がドル離れを図っているのはそのためだ。イランもドル離れを加速させるだろう。それはアメリカの支配システムを弱めることになる。ドルに執着したならイランが崩壊する可能性がある。


72. 中川隆[-12440] koaQ7Jey 2018年5月18日 19:11:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14023]
2018.05.18
ドゥーマでシリア政府軍は化学兵器を使っていないと結論したOPCWがイドリブでは使ったかもと報告



 アル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にある「シリア市民防衛(白いヘルメット)」はNGOと見なされている。そのNGOはシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアメリカが主導する軍隊にシリアを直接攻撃させようとしている。これは白いヘルメットの雇い主が願っていることにほかならない。

 その白いヘルメットは今年(2018年)2月4日にもシリア政府軍が化学兵器を使ったと主張、アメリカ国務省のヘザー・ナウアート報道官はそれが事実であるかのような発言をした。アメリカ国防省のダナ・ホワイト報道官がそうしたことを示す証拠を見たことがないと発言したのとは対照的だ。この手の主張に対し、「タカ派」で知られるジェームズ・マティス国防長官も化学兵器を政府軍が使ったとするNGOや武装勢力の主張を裏付ける証拠は確認していないとしていた。

 その​2月4日の話についてOPCW(化学兵器禁止機関)は塩素を使ったらしいといういい加減な報告書を5月15日に発表​した。国連の安全保障理事会で化学兵器の問題がある討議される2日前、前日に偵察飛行していたロシア軍のSu-25戦闘機がアル・カイダ系武装集団のMANPADS(携帯型防空システム)で撃墜され、脱出したパイロットは地上での戦闘を経て死亡したイドリブにシリア軍が危険を顧みずにヘリコプターを派遣して塩素をまいたという。この地域での空爆は長い間なく、防空壕へ住民が入る状況ではないのだが、なぜかその時は防空壕にいたともされている。このケースでOPCWは現地を調査していない。白いヘルメットなどシリア政府の打倒を目指す勢力が提供した話に基づく「分析」で、全ての疑問は封印された。

 4月7日にも白いヘルメットはアル・カイダ系武装集団の「ジャイシュ・アル・イスラム」と同じようにシリア政府軍がドゥーマで化学兵器を使ったと宣伝、その件を調べるためにOPCWのチームが現地であるドゥーマへ入る直前の4月14日にアメリカ、イギリス、フランスの3カ国はシリアをシリアをミサイル攻撃した。

 ロシア国防省の説明によると、この攻撃で3カ国は103機の巡航ミサイルを発射、そのうち71機をシリア軍が撃墜したという。ロシア国防省は攻撃された場所としてダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍用空港(12機。全て撃墜)、バリー軍用空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍用空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍用空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍用空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)を挙げている。

 アメリカ国防総省の発表によると、攻撃のターゲットはバルザー化学兵器研究開発センター(76機)、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設(22機)、ヒム・シンシャー化学兵器(7機)。すべてが命中したとしているが、攻撃目標と使用されたミサイルの数が不自然で、現地の様子とも符合しないため、これは正しくないと見られている。

 

 今回の攻撃に対し、アル・カイダ系武装集団ジャイシュ・アル・イスラムの幹部、モハマド・アルーシュは失望したと表明している。シリア軍の航空兵力を壊滅させ、地上の戦闘部隊がダマスカスを攻略して逆転勝利を狙っていた可能性がある。ただ、そうした攻撃を実行すればロシア軍は攻撃に参加した3カ国の艦船や航空機を破壊、全面戦争へ突入する可能性があった。ネオコンは「脅せば屈する」という考えに取り憑かれているようで、ロシア軍は出てこないと信じていたかもしれない。

 3カ国軍が攻撃する直前、国連の専門機関であるWHO(世界保健機関)は化学兵器の使用で多くの犠牲者が出ているとする声明を出したが、その情報源はWHOがパートナーと呼ぶ団体。その中に含まれているMSFは「白いヘルメット」を訓練している。独自の調査をしたわけでなく、アル・カイダ系勢力の宣伝をそのまま主張しただけ。今回のOPCWと同じだ。ただ、ドゥーマでのケースでOPCWの調査チームは化学兵器が使われた痕跡はなく、犠牲者もいないと結論づけている。OPCWの幹部はこの結論に動揺したことだろう。

 ドゥーマへ入り、取材した西側のジャーナリストも化学兵器は使われていないと伝えている。例えば、​イギリスのインディペンデント紙​が派遣したロバート・フィスク特派員は攻撃があったとされる地域へ入り、治療に当たった医師らに取材しているが、そこで患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。​アメリカのケーブル・テレビ局、OAN​の記者も同じ内容の報告をしている。ロシア系の​RT​は西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、やはり化学兵器が使用されたという話を否定した。

 化学兵器の使用を口実にしたシリアに対する直接的な軍事介入を計画したのはバラク・オバマ政権である。アメリカのDIA(国防情報局)がシリアに「穏健派」は存在しないととするホワイトハウスに出した2012年8月、バラク・オバマ大統領はNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言、その年の12月に国務長官だったヒラリー・クリントンがこの宣伝に加わる。自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張したのだ。翌年の1月になると、アメリカ政府はシリアでの化学兵器の使用を許可、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させるというプランが存在するとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。

 そして2013年3月、西側は政府軍がアレッポで化学兵器を使ったと非難したが、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。(この辺の話は本ブログで何度も書いてきたので、今回は詳細を割愛する。)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805180000/
​​


73. 中川隆[-12460] koaQ7Jey 2018年5月19日 18:50:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14059]
2018.05.19
西側の有力メディアが情報源にしてきたSOHRへ英外務省が20万ポンド近く支援したと同省が認めた


 西側の有力メディアがシリア情勢に関する情報源にしているSOHR(シリア人権監視所)へイギリス外務省が約19万5000ポンド相当の支援をしていることを同省が認めたとイギリスの​デイリー・メール紙​が伝えている。言うまでもなく、イギリスはアメリカの侵略戦争に加担してきた国であり、SOHRは侵略を進める仕組みに組み込まれていると言えるだろう。

 SOHRはラミ・アブドゥラーマン(本名オッサマ・スレイマン)なる人物がイギリスで個人的に設置した団体で、スタッフはひとりだと見られ、その情報源は不明だ。シリアで戦争が始まった2011年にスレイマンはシリア反体制派の代表としてウィリアム・ヘイグ元英外相と会ったと報道されている。

 アメリカは繰り返しシリアを属国化しようと試みて失敗、2011年3月にジハード傭兵を使って始めた侵略戦争も思惑通りには進まなかった。そこで化学兵器の使用を口実にしてアメリカ軍が配下の軍隊を引き連れて直接の攻め込もうとしている。すでにシリア北部には20カ所、あるいはそれ以上の場所に軍事基地を建設済みだという。

 2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィの体制は倒されたが、その際にNATO軍がアル・カイダ系武装勢力のLIFGと連携していたことが明確になった。その後、戦闘員が武器/兵器を一獅ノシリアへ運ばれたこともわかっている。そして2012年からシリアでの戦闘は激化するのだが、そこで西側の政府や有力メディアは「独裁者による民主化運動の弾圧」というシナリオを宣伝しはじめた。

 そこで使われた「情報源」はシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)だが、デイエムが偽情報を流していることが発覚、SOHRはイギリス政府との関係が指摘されても有力メディアは「情報源」にしている。デイエムが消えたあと、登場してきたのがシリア市民防衛(白いヘルメット)。この団体がアル・カイダ系武装勢力と一心同体の関係にあることは明らかにされている。

 シリアのような国が国民を敵に回し、大量虐殺したなら体制は持たない。かつてラテン・アメリカで軍事独裁政権が維持できたのはアメリカの巨大資本、その手先であるCIAが後ろ盾になっていたからだ。カネと暴力だ。アメリカの支配階級は自分たちがやっていたことをシリア政府が行っているかのように描き、それを受け入れる人が西側には少なくないらしい。支配システムから出たくないということだろう。出ないで住む口実を求めている人がいるように見える。

 ロ​ーマ教皇庁の通信社​は2012年6月の段階でシリアにおける戦争の実態を正しく伝えていた。市民が虐殺された場所へ入って調査した修道院長の報告を掲載したのだ。その修道院長は虐殺したのは政府軍と戦っているサラフィ主義者や外国人傭兵だとしたうえで、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。侵略戦争を侵略戦争だと伝えれば戦争はすぐに終わると言っているのだ。

 西側の有力メディアが実態を知らないとは思えない。知っているからこそ、自らが取材せず、デイエムやSOHRや白いヘルメットのような怪しげな存在を通した話を伝えているのだ。誰かに聞いたことにしておけば、嘘を認めざるをえなくなっても「騙された」と言い訳できると考えているのだろう。

 ところで、ドゥーマのケースでは西側の記者が現地を取材、西側の政府や有力メディアの主張を否定する報告をしている。例えば、イギリスの​インディペンデント紙が派遣したロバート・フィスク特派員​は攻撃があったとされる地域へ入り、治療に当たった医師らに取材しているが、そこで患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。アメリカのケーブル・テレビ局、​​OANの記者​も同じ内容の報告をしている。​​ロシア系のRT​​は西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、やはり化学兵器が使用されたという話を否定した。ほかの有力メディアもその気になれば取材できる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805190000/


74. 中川隆[-13285] koaQ7Jey 2018年6月17日 09:40:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-15691]
2018.06.16
アル・カイダ系集団と一心同体の白ヘルに米政権は660万ドルを払い続けると宣言

 ​ドナルド・トランプ米大統領はシリア市民防衛(白いヘルメット)を支援するため、約660万ドルを提供し続けることをUSAIDや国務省に認めた​。白いヘルメットへの支援を見直すという情報が流れていたが、見直しを取りやめたようだ。USAIDはNEDと同じようにCIAが工作資金を流すパイプ役の組織で、歴史的に国務省はCIAと緊密な関係にある。


 非武装で中立の立場だと宣伝してきた白いヘルメットだが、その実態はアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にある。そうした実態は様々な映像や証言で明らかだったのだが、アレッポを政府軍がアル・カイダ系武装集団の手から奪い返した際、白いヘルメットがアル・カイダ系武装勢力と連携したいたことが確認されている。その後も解放された住民がそうした関係を証言してきた。

 白いヘルメットはアル・カイダ系武装集団の医療部隊として機能していたわけだが、それだけでなく偽情報を発信してアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビなどに軍事侵攻を行う口実を提供するという枠割りも果たしてきた。

 その一例がドゥーマで政府軍が化学兵器を使ったという話。その発信源は白いヘルメットと武装集団のジャイシュ・アル・イスラムだった。西側の有力メディアはそれを垂れ流していたが、後にイギリスの​インディペンデント紙が派遣していたロバート・フィスク特派員​は攻撃があったとされる地域へ入って治療に当たった医師らに取材、患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。

 また、​アメリカのケーブル・テレビ局OANの記者​も現地を調査し、同じ内容の報告をしている。​ロシア系のRT​は西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、やはり化学兵器が使用されたという話を否定している。


 なお、ジャイシュ・アル・イスラムはCIAの影響下にあり、アル・カイダ系のアル・ヌスラと連携(タグの違い)、イギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーが指揮していると報告されている。MSF(国境なき医師団)が隠れ蓑として使われてきたとも言われている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201806160001/


75. 中川隆[-13424] koaQ7Jey 2018年7月05日 15:07:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16318]
2018.07.05
英軍戦闘機がシリア東部で親シリア政府の部隊を空爆して死傷者



 ​イギリス軍のタイフーン戦闘機がシリア東部、ヨルダンとイラクとの国境近くで親シリア政府の武装勢力を爆撃​したとサンデー・タイムズ紙が7月1日に伝えている。この爆撃でシリア政府軍の兵士ひとりが死亡、7名が負傷したという。ここにきてシリアやリビアでイギリス軍やフランス軍の動きが目立つようになってきたが、この攻撃もそうした流れでのことだと言える。


 ロラン・デュマ元フランス外相によると、シリア侵略が始める2年前の2009年、彼はイギリスでシリア政府の転覆工作に加わらないかと声をかけられたという。声を掛けてきたふたりが誰かは語られていないが、ニコラ・サルコジ政権やフランソワ・オランド政権がシリアでの平和を望んでいないとデュマに判断させるような相手だったという。

 また、シリア駐在のフランス大使だったエリック・シュバリエによると、西側のメディアやカタールのアル・ジャジーラがシリア政府が暴力的に参加者を弾圧していると伝えていた当時、実際は限られた抗議活動があったものの、すぐに平穏な状況になったことが調査で判明していたという。リビアでも西側メディアが宣伝したような弾圧はなかった。

 勿論、アメリカもシリア侵略を狙っていた。本ブログでは繰り返し書いてきたが、遅くとも1991年に国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたいう。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の話だ。(2007年​3月​、​10月​)

 ​調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌の2007年3月5日号に書いた記事​によると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟はシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始したとしている。


 2007年当時のアメリカ大統領はジョージ・W・ブッシュだが、次のバラク・オバマが2010年8月に出したPSD11はムスリム同胞団を使った体制転覆計画。これは「アラブの春」という形で現実になる。「民主化」というイメージを強調するため、1968年の「プラハの春」をもじったのだろうが、実際は傭兵を使ったクーデターにすぎなかった。目的は石油をはじめとする利権の維持と拡大。「南」からの略奪なしに「北」の支配体制は維持できない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807050000/


76. 中川隆[-13756] koaQ7Jey 2018年8月16日 17:52:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17887] 報告

2018.08.16
サウジアラビアでダーイッシュの考え方を持つ人物と当局の部隊が銃撃戦



 リヤドの北西にある​アル・ブカイリャで銃撃戦​があり、爆弾を仕込んだと思われるベストを着た人物を「無力化」、病院へ運んだとサウジアラビア内務省は8月15日に発表した。その襲撃者は「イスラム国(ダーイッシュ、IS、ISIS、ISILとも表記)」の考え方を信じているという。


 ダーイッシュはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とするジハード傭兵で、アル・カイダ系武装集団と本質的な違いはなく、その歴史は1970年代終盤、ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが始めたアフガニスタンでの秘密工作から始まる。その工作をカーター大統領は1979年7月に追認している。

 この秘密工作で使われた戦闘員の主な供給源がサウジアラビア。この国で国教とされているのがイスラム系カルトのワッハーフ派だ。このカルトを権力基盤に据えた体制を作り上げたのはイギリスにほかならない。ムスリム同胞団には様々な考え方の人が参加しているようだが、少なくとも一部はイギリスの手先として活動してきた。

 ムスリム同胞団は1954年10月にガマール・アブデル・ナセルの暗殺を試みて失敗し、エジプトでは非合法化される。この暗殺未遂事件にからんで約4000名のメンバーが逮捕され、6名に死刑の判決が言い渡されている。また数千名がシリア、サウジアラビア、ヨルダン、レバノンなどへ逃げたという。サウジアラビアへ逃れたメンバーはワッハーブ派の影響を強く受けることになった。

 1979年にイランでイスラム教シーア派が革命を成功させると、サウジアラビアでもシーア派の蜂起があったが、それ以上に衝撃を与えたのがサラフィ主義者を中心とするグループのアル・ハラム・モスクの占拠。アフガニスタンにおけるアメリカの秘密工作はこうした狂信的グループを国外へ追い出すためにも利用された。

 サウジアラビアなどからアフガニスタンへ戦闘員を送り込む仕事をしていたひとりがサウジアラビアの富豪の息子、オサマ・ビン・ラディン。このビン・ラディンをジハード(聖戦)の世界へ引き込んだのはムスリム同胞団のアブドゥラ・アッザムだと言われている。

 ビン・ラディンは1984年にアッザムと一緒にMAK(マクタブ・アル・ヒダマト/礼拝事務局)のオフィスをパキスタンのペシャワルで開設、このMAKがアル・カイダの源流だと言われている。

 このアル・カイダは武装集団でなく、ロビン・クック元英外相も指摘しているように、​CIAの訓練を受けたムジャヒディンの登録リストである。アラビア語でアル・カイダは「ベース」を意味する​が、「データベース」の訳語としても使われる。ちなみにこの指摘をした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われ、59歳で死亡した。


 ブレジンスキーの教え子と言われるバラク・オバマは大統領時代、このアル・カイダの仕組みをシリアやリビアへの侵略に使った。2010年8月にオバマはPSD11という指令を出し、ムスリム同胞団を傭兵とする侵略を始めている。そこにサラフィ主義者が合流したわけだ。

 2011年10月にリビアの破壊を終えたアメリカなど侵略勢力はアル・カイダ系武装グループのメンバーと武器/兵器をシリアへ輸送してバシャール・アル・アサド体制の打倒を目指すが、2015年9月30日にシリア政府の要請でロシア軍が介入すると戦況は一変、サラフィ主義者やムスリム同胞団を中心とするジハード傭兵は敗北してしまう。

 こうした戦闘員はアフガニスタンを中心に、イエメンやリビアなどへ移動している。アメリカ軍はその幹部(相当数はアメリカ、イスラエル、イギリス、フランスが送り込んだ軍人や情報機関員だと見られている)を救出、内情を詳しく知っているSCD(シリア市民防衛)、通称「白いヘルメット」のメンバーも素早く逃がしている。SCDはアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュに所属しているので、SCDのメンバーを受け入れた国はそうしたジハード傭兵を抱え込むことになる。サウジアラビアへ戻った戦闘員もいるはずだ。

 今年4月21日、サウジアラビアのリヤドにある王宮周辺で激しい銃声が聞こえたとする情報が流れた。おもちゃのUAV(無人機)を警備兵が銃撃したとされているが、銃撃戦の可能性も否定できない。

 この銃声の真相は不明だが、昨年(2017年)10月7日にも似た出来事があった。ジッダにある宮殿近くで宮殿への侵入を図った人物と治安部隊との間で銃撃戦があったという未確認情報が流れたのだ。その前、6月に皇太子が国王の甥にあたるムハンマド・ビン・ナーイフから息子のビン・サルマンへ交代、ナーイフは自宅軟禁になったと言われている。8月にはビン・スルタン皇太子の暗殺未遂が伝えられた。

 オバマ政権が仕掛けた侵略戦争が失敗、ジハード傭兵の一部はアメリカなどのコントロール外へ出ている可能性がある。その矛先が欧米やサウジアラビアへ向けられても不思議ではない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808160000/​

77. 中川隆[-13703] koaQ7Jey 2018年8月25日 07:49:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18085] 報告
2018.08.24
シリア侵略の手先に使っているジハード傭兵が壊滅した米国は自国の占領軍を増強


 アメリカ軍はシリア北東部にある基地へ約800台のトラックで兵器を含む軍事物資を運び込む一方、イスラエルを訪問したジョン・ボルトン国家安全保障補佐官はロシアはシリアで行き詰まり、復興の責任を放棄したがっていると主張したという。アメリカ政府はシリアの現体制を武力で倒す意思を示している。ロシア政府は腹をくくる必要があるだろう。その覚悟がない限り、アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランスなどの侵略戦争を止めることはできない。

 イスラエルやサウジアラビアはイランの現体制を転覆させ、ロシアを追い出したがっているが、自分たちだけでは不可能。アメリカを利用する必要があり、サウジアラビアは数十億ドルをアメリカへ提供したと伝えられている。ボルトンの発言はイスラエルやサウジアラビアを意識してのものだろう。

 シリア政府軍とロシア軍が次に制圧しようとしている場所はイドリブだが、ジハード傭兵は南部からの戦闘員を受け入れるなどして兵力を増強中。それでも太刀打ちできそうにないため、また化学兵器話を始めた。また「シリア市民防衛(SCD)」、別名「白いヘルメット」を偽情報の発信源として使うと見る人は少なくない。

 何度も指摘してきたが、このSCDはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の医療部隊として機能してきた。シリアの南部地域で活動してきたグループはイスラエルなどによって救出され、イドリブのほかイギリス、ドイツ、カナダなどへ運ばれた。

 今年4月14日にアメリカ、イギリス、フランスの3カ国がシリアのドゥーマを攻撃した際、SCDとジャイシュ・アル・イスラムというサラフィ主義者の武装勢力、つまりジハード傭兵はドゥーマで政府軍が化学兵器を使ったと宣伝していた。それをアメリカなどは攻撃の口実にしていたが、シリア政府やロシア政府は化学兵器が使われた痕跡はないと主張、OPCW(化学兵器禁止機関)に調査を要請していた。その調査チームが現地へ入る直前に攻撃は実行されたのだ。

 このケースでは一部の西側のメディアもドゥーマで化学兵器は使われていないと伝えている。例えば、イギリスのインディペンデント紙が派遣したロバート・フィスク特派員は攻撃があったとされる地域へ入って治療に当たった医師らに取材、そこで患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。アメリカのケーブル・テレビ局、OANの記者も同じ内容の報告をしている。そしてOPCW(化学兵器禁止機関)も7月6日に発表された中間報告で、神経物質や化学兵器の分解物質は発見されなかったとしている。シリア政府軍の進撃が速く、ジハード傭兵側が化学兵器を巻く余裕がなかった可能性がある。

 アメリカ政府が軍事侵攻を正当化する口実として化学兵器を言い始めたのは2012年8月。シリアに対する直接的な直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だとバラク・オバマ大統領が発言したのだ。

 しかし、​同じ8月にアメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだと指摘されていた)だとホワイトハウスに報告​した頃のことだ。当時、バラク・オバマ大統領は「穏健派」を支援しているとしていたが、そうしたグループは存在しないことをDIAの報告は示している。


 2012年12月にヒラリー・クリントン国務長官は、シリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると語り、13年1月29日付けのデイリー・メール紙にはイギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールに、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦をオバマ大統領が許可したという記述があるとする記事が載った。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 そして2013年春から繰り返しシリア政府が化学兵器を使ったという話が流れ始めるのだが、いずれも嘘だったことが判明している。ドナルド・トランプ政権もオバマ政権の手口を引き継ぎ、今年4月7日にSCDとジャイシュ・アル・イスラムが政府軍による化学兵器の使用が宣伝された。この話が嘘だということはOPCWや西側の一部メディアも認めているが、それでも西側の有力メディアや政府は嘘を繰り返し、少なからぬ人がそれを信じている、または信じているふりをしている。

 本ブログでは何度も書いてきたが、2012年5月にシリア北部のホムスで住民が虐殺された際、​現地を調査したローマ教皇庁のフランス人司教​は反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を虐殺したと報告、それは教皇庁の通信社がその報告を伝えた。ドイツの​フランクフルター・アルゲマイネ紙​も、キリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えている。

 その司教は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と書いているが、その通りだ。西側の有力メディアはその後も嘘をつき、6年にわたって殺戮と破壊が続いている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808240000/

78. 中川隆[-13699] koaQ7Jey 2018年8月27日 11:15:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18115] 報告
2018.08.27
例によって米政府は化学兵器を使った偽旗作戦でミサイル攻撃を実施する動き


 イスラエルを訪問していたアメリカの​ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官​は8月22日にシリア情勢についてコメントした。もしシリアのバシャール・アル・アサド大統領がイドリブ奪還作戦で化学兵器を使用した場合、ワシントンは極めて強く対応すると語ったのだ。イスラエルとサウジアラビアの意向が反映されているのだろう。

 この発言は現地のアル・カイダ系武装集団やSCD(シリア市民防衛)、別名「白いヘルメット」に対し、化学兵器を使った偽旗作戦を実行するように促したのだと受け取られている。イドリブにはアメリカ系とトルコ系の武装グループがいるが、問題はアメリカが支援するアル・カイダ系のタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)。


 アメリカ軍はシリア北東部にある基地へ約800台のトラックで兵器を含む軍事物資を運び込む一方、イドリブでは数千名の武装集団がハマやアレッポを攻撃するために集結中だと伝えられている。この武装集団とアメリカ、イギリス、フランスの軍隊が連携した攻撃が実行される可能性があり、ロシア側は複数の艦船をシリア沖へ向かわせている。

 ボスポラス海峡を通過して地中海へ入ったことが報じられているのは​フリゲート艦のピトリビー、グリゴロヴィチ提督、エッセン提督、戦車揚陸艦のオルスクとニコライ​。グリゴロヴィチ提督とエッセン提督には巡航ミサイルのカリブルが搭載されていると見られるが、このミサイルの威力はすでに証明されている。


 ボルトンたちは米英仏が攻撃する姿勢を見せることでロシア軍は動けなくなると期待しているのかもしれないが、もし、ここでボルトンが期待するようにロシアが自重したなら、米英仏は増長して事態が悪化する可能性が高い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808270000/

79. 中川隆[-13687] koaQ7Jey 2018年8月28日 08:42:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18118] 報告
​2018.08.28
見え見えの嘘を口実にして侵略を続ける米英仏政府(その1)

 アメリカはアル・カイダ系ジハード傭兵のタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)を使ってシリア西部のイドリブを占領してきた。そのイドリブをシリア政府軍とロシア軍が奪還しようとしている。現在の状況で戦闘が始まれば、短時間でジハード傭兵が敗北することは明白。それを阻止するため、アメリカ、イギリス、フランスは直接的な軍事介入を行うと恫喝、その軍事介入を正当化するために化学兵器の使用を口実にすると、事実上、宣言している。


 この地域にはトルコ系の武装集団も存在しているのだが、トルコ政府はアメリカ政府との対立が激化、ロシア側へ軸を移動させている。それでもアメリカとの関係を断絶したわけではなく、NATOからも離脱していない。イドリブで戦闘が始まると、トルコはアメリカとの関係を完全に断ち切るのか、ロシア側へ着くのか、決断を迫られる。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、シリア政府軍が化学兵器を使ったとする話はいずれも嘘だと言うことが明らかにされている。そもそも、政府軍が化学兵器を使う状況にはない。

 嘘であるために証拠を提示することができず、ただ西側の有力メディアを使って宣伝するだけである。化学兵器にかぎらず、ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアへの軍事侵攻、ウクライナでのクーデター、いずれも偽情報がそうした有力メディアによって流されていた。イラクの大量破壊兵器話はアメリカ政府やイギリス政府の責任者たちも嘘を認めている。これだけ嘘をつき続けている勢力の宣伝を信じるということ自体、犯罪的だ。

 第2次世界大戦で日本が降伏してから1年近くを経た1946年8月、映画監督の伊丹万作は映画春秋でこんなことを書いている。

 戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」。

 「『騙されていた』と言う一語の持つ便利な効果に搦れて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見る時、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。」

 「『騙されていた』と言って平気でいられる国民なら、恐らく今後も何度でも騙されるだろう。いや、現在でも既に別の嘘によって騙され始めているに違いないのである。」(伊丹万作『戦争責任者の問題』映画春秋、1946年8月)

 日本を含む西側の有力メディアの愚劣さは大戦中の新聞と大差はなく、今も「騙されていた」と言って平気でいられる人が少なくない。(続く)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808270000/

80. 中川隆[-13672] koaQ7Jey 2018年8月28日 13:42:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18121] 報告
2018.08.28
見え見えの嘘を口実にして侵略を続ける米英仏政府(その2)



 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカ政府が軍事侵攻を正当化する口実として化学兵器を言い始めたのは2012年8月。シリアに対する直接的な直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言したのだ。

 その月には​アメリカ軍の情報機関DIAが反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだと指摘されていた)であり、バラク・オバマ大統領が主張する穏健派は存在しないとホワイトハウスへ報告​している。


 2012年12月になると、ヒラリー・クリントン国務長官がシリアのバシャール・アル・アサド大統領は化学兵器を使う可能性があると語る。そして2013年1月29日付けのデイリー・メール紙には、イギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールに、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦をオバマ大統領が許可したという記述があるとする記事が載った。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 そして2013年3月にアレッポで爆発があり、26名が死亡したのだが、そのときに化学兵器が使われたという話が流れる。シリア政府は侵略軍であるジハード傭兵が使用したとして国際的な調査を要請するが、イギリス、フランス、イスラエル、そしてアメリカは政府軍が使ったという宣伝を展開する。

 しかし、​攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということをイスラエルのハーレツ紙が指摘​、​国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言​している。

 その間、アメリカのチャック・ヘーゲル国防長官やマーチン・デンプシー統合参謀本部議長は上院軍事委員会で直接的な軍事介入に慎重な姿勢を示した。議会の好戦的な要求をこのふたりが抑えていたのだが、ヘーゲルは2015年2月に解任、デンプシーは同年9月に再任拒否されている。オバマ大統領が主張する穏健派は存在しないとする報告を2012年8月に出したDIAの局長、マイケル・フリンは2014年8月に退役を強いられていた。

 2015年9月にオバマ政権はシリアに対する本格的な軍事侵攻の態勢を整えたわけだが、その直後にロシア軍がシリア政府の要請で介入、ジハード傭兵の支配地域は急速に縮小していった。そして今、シリア政府軍とロシア軍はイドリブを奪還しようとしている。ここが終わればユーフラテス川の北側。ロシアとの軍事衝突を避けたいならアメリカは占領部隊を引き揚げるべきなのだが、イスラエルやサウジアラビアはそうしたことを望んでいない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808280000/

81. 中川隆[-13662] koaQ7Jey 2018年8月29日 09:32:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18121] 報告
2018.08.28
見え見えの嘘を口実にして侵略を続ける米英仏政府(その3)

 アメリカをはじめとする侵略勢力は2013年8月にも化学兵器を使った偽旗作戦を実行した。ダマスカスの近く、ゴータで実際に使われたのだが、攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたと​ジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる​。


 それだけでなく、​メディアも化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事を掲載​、すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者​マザー・アグネス・マリアム​はいくつかの疑問を明らかにしている。


 例えば、攻撃のあった午前1時15分から3時頃(現地時間)には寝ている人が多かったはずだが、犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずであるにもかかわらず明確になっていないのはなぜか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのかといった疑問を発している。


 この犠牲者たちは直前に誘拐された子どもではないかとも言われている。ゴータへの攻撃が行われる10日ほど前、反政府軍がラタキアを襲撃し、200名とも500名とも言われる住人が殺され、150名以上が拉致されたと言われているのだ。最近、シリアの北西地域で40名以上の子どもが拉致されたと言われている。2013年の時と同じことが行われるのではないかと懸念されている。


 2013年12月には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​も8月の攻撃に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、​国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授​も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。


 また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。


 これも繰り返し書いてきたが、2012年5月にシリア北部のホムスで住民が虐殺された際、現地を調査したローマ教皇庁のフランス人司教は反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を虐殺したと報告、それは教皇庁の通信社がその報告を伝えた。その司教は「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」と書いている。

 中東における破壊と殺戮を引き起こしたのはアメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々の政府だが、真実を語ってこなかった西側有力メディアの責任は重い。その見え見えの嘘に騙されてきた、あるいは騙されたふりをしてきた人びとも同罪だ。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808280001/

82. 中川隆[-13616] koaQ7Jey 2018年9月05日 10:07:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18232] 報告


2018.09.05
シリア政府のイドリブ奪還を防ぐため、米政府は軍事的な恫喝を続ける(その1)

 シリア政府軍とロシア軍がイドリブ奪還作戦を始めるのは時間の問題だろう。そのイドリブを占領しているのはアメリカをはじめとする外部勢力が送り込んだジハード(聖戦)傭兵。シリアでの戦いを内戦と表現するのは間違い。侵略戦争にほかならない。

 そのジハード傭兵はサウジアラビアのほかにもスポンサーがいて、いくつかのグループに分かれている。現在、ジハード傭兵が支配しているのはイドリブだけだが、ここにいるのはアメリカ系とトルコ系。このうちトルコはアメリカと対立しているので、シリア政府軍とロシア軍がイドリブ奪還作戦を始めた場合、どう動くかが注目されている。

 シリア政府がイドリブの奪還に成功した場合、アメリカの傭兵はユーフラテス川の北側へ逃がし、クルドと合体させた戦闘員だけになる。アメリカ軍は現在、占領地で軍備を増強してシリアへ居座る姿勢を示しているが、イドリブ後はシリア政府軍、イラン軍、そしてロシア軍と対峙しなければならない。トルコとアメリカとの関係がさらに悪化したなら、物資の補給もままならなくなるだろう。


 アメリカはイドリブでリビアと同じような直接的軍事介入を目論んでいるようにも見える。化学兵器の使用、つまり偽旗作戦を実行し、それを口実にして攻撃しようということ。ジハード傭兵の占領地ではここにきて44名の子ども誘拐されたと伝えられているが、この子どもたちが偽旗作戦で使われる可能性もある。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々がジハード傭兵を使い、シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒す目的で侵略戦争を始めたのは2011年3月のこと。戦争が長引いたことでトルコやカタールは離脱、この両国、特にトルコは現在、アメリカと対立関係にある。結局、この侵略戦争は成功しなかった。

 ところで、傭兵の中心はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。こうした集団が傭兵に使われはじめたのは1970年代の終盤。ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密工作で使われたのだ。ソ連軍をアフガニスタンへ誘い込み、疲弊させるという計画で、その計画をカーター大統領は1979年7月に追認している。ソ連軍がアフガニスタンへ入ってきたのはその年の12月だ。

 この秘密工作で戦闘員を送り込み、その費用を供給したのはサウジアラビア。この国で国教とされているのがイスラム系カルトのワッハーフ派。このカルトを権力基盤に据えた体制を作り上げたのはイギリスである。戦闘員はCIAが訓練、武器も提供した。

 ロビン・クック元英外相によると、​CIAが訓練した「ムジャヒディン(聖戦士)」のコンピュータ・ファイルがアル・カイダ​。アラビア語でアル・カイダはベースを意味するが、「データベース」の訳語としても使われる。つまり、アル・カイダは戦闘員のデータベースだ。ちなみにこの指摘をした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われ、59歳で死亡した。

 現在、アメリカは軍事的な圧力を強めているが、もしアメリカ軍が直接攻撃を始めたとしても、ロシア軍は反撃すると推測する人が少なくない。​ドナルド・トランプ大統領は、シリア政府軍やロシア軍がイドリブを攻撃したなら数十万人が死亡する脅している​が、ロシア政府にそうした脅しは通用しない。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809040000/

83. 中川隆[-13609] koaQ7Jey 2018年9月05日 13:01:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18232] 報告

2018.09.05
シリア政府のイドリブ奪還を防ぐため、米政府は軍事的な恫喝を続ける(その2)


 ロシア軍はシリアへ武器/兵器を運び込んでいるだけでなく、地中海には最新鋭のフリゲート艦2隻、つまりグリゴロヴィチ提督とエッセン提督を含む15隻が配備された。ロシア軍がカスピ海からシリアのターゲットを攻撃できる巡航ミサイルを持っていることもすでに証明済み。シリアを占領しているアメリカ、イギリス、フランスなどの部隊はそのターゲットになってしまう。

 それに対し、アメリカはUAV(無人機)を含む高性能兵器をジハード傭兵へ供給、シリア軍やロシア軍と戦わせようともしている。すでにUAVを使った攻撃は何度か実行されているが、ロシアのメディアによると、トルコから200機のUAVが運び込まれた。トルコ人とチェチェン人の専門家も一緒だ。

 NATO軍が1999年にユーゴスラビアを空爆する前には人権侵害、イラクを攻撃する前には大量破壊兵器といった作り話が流され、リビアやシリアでは民主化運動という偽情報が宣伝された。当然、西側の有力メディアもこうした嘘を熟知していたはず。そして化学兵器話。この嘘を使う理由は、今のところ、そのストーリーが最も効果的だと考えているからだろう。

 西側で生活している人びとにとってアメリカは支配者であり、アメリカに逆らうと不利益を被る。目先の利益を考えれば、「賢い人」はアメリカに従う。そこで、アメリカに従うことを正当化する理由を求め、そうしたものがあれば飛びつく。そのひとつが化学兵器話だ。

 もしアメリカの支配層が敗北を認め、世界制覇プランを放棄した場合、自分たちが戦争犯罪人として処罰されると恐れている可能性はある。

 ロバート・マクナマラとカーティス・ルメイは第2次世界大戦の終盤、日本の67都市を焼夷弾で焼き尽くした作戦を作成した空軍の中心メンバー。マクナマラは大戦後、フォード自動車の社長を経て1961年から68年にかけてアメリカの国務長官を務めた。ルメイはSAC(戦略空軍総司令部)を経て1961年から65年にかけて空軍参謀長を務めている。マクナマラによると、ルメイは自分たちが行った空爆について、戦争に負けたなら戦争犯罪人として処罰されると語っていた。

 1991年12月にソ連が消滅すると、ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は自国が冷戦に勝利し、唯一の超大国になったと認識して侵略戦争を始めた。冷戦の終結で平和な時代になると考えた人びとは冷戦の本質を見誤っていたのだ。

 ユーゴスラビアから始まり、アフガニスタンやイラクを軍事侵攻、リビア、シリア、ウクライナはアル・カイダ系武装集団やネオ・ナチを傭兵として使ってアメリカは侵略してきた。ジョージアによる南オセチアへの奇襲攻撃はアメリカとイスラエルが黒幕だ。

 こうした侵略を正当化するため、有力メディアを使って偽情報を流してきたが、本ブログでも説明してきたように、その嘘は見え見え。アメリカの好戦派はマクナマラやルメイと同じことを考えているだろう。つまり、負けるわけにはいかない。負けるなら人類も道連れだと考えている可能性は小さくない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809040000/

84. 中川隆[-13599] koaQ7Jey 2018年9月07日 06:42:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18247] 報告
2018.09.07
シリア政府のイドリブ奪還作戦を前に、米国とトルコが攻撃反対で一致?



 アメリカ国務省によると、同省のマイク・ポンペオ長官は9月4日にトルコのメブリュット・チャブシュオール外相と電話で会談、シリア軍によるイドリブに対する攻撃は受け入れられないということで一致したという。その前日、アメリカのドナルド・トランプ大統領はツイッターに「シリアのバシャール・アル・アサド大統領はイドリブに対する向こう見ずな攻撃をするべきでない」と書き込んでいる。

 イドリブを支配してきたジハード傭兵にはアメリカ系とトルコ系のグループが存在していることから、トルコ政府の動向が注目されていた。アメリカ国務省の発表が正しいなら、トルコはイドリブの件でアメリカへ接近していることになる。

 勿論、こうしたことでシリア政府やロシア政府がイドリブ奪還作戦を諦めるとは思えない。昨年(2017年)7月、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の問題に関するアメリカの大統領特使、​ブレット・マクガークはイドリブについて、9/11からアル・カイダの最も大きな避難場所だと表現​していた。イドリブでアメリカの手先として活動しているタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)はアル・カイダ系の武装集団にほかならない。


 こうしたシリア軍やロシア軍の攻撃にブレーキをかけるため、アメリカ政府は化学兵器を持ち出し、直接的な軍事介入で脅した。例えば、ペルシャ湾に駆逐艦のサリバンズを派遣、B-1B戦略爆撃機をカタールに配備している。

 その一方、アメリカはUAV(無人機)を含む構成の兵器をジハード傭兵へ供給、シリア軍やロシア軍と戦わせようともしている。すでにUAVを使った攻撃が何度か実行されているが、ロシアのメディアによると、トルコから200機のUAVがトルコ人とチェチェン人の専門家もシリアへ運ばれたという。

 言うまでもなく、「シリア政府軍が化学兵器を使ったなら」という「条件」はシリア政府が化学兵器を使ったことにする偽旗作戦を実行するということにほかならない。44名の子どもが誘拐されたと言われているが、その実行者はSCD(シリア市民防衛)、別名「白いヘルメット」だとも伝えられている。イギリスの情報機関MI6がその子どもを犠牲者に仕立て上げようと計画していうというのだ。

 化学兵器に関し、ジム・マティス国防長官はジハード傭兵に化学兵器を使う能力がないと語っているが、そうした能力があることは何度も指摘されてきた。昨年10月には国務省もそうした能力があることを通達の中で認めている。

 アメリカのバラク・オバマ政権が化学兵器を軍事侵略正当化の口実として使い始めたのは2012年8月、アメリカ軍の情報機関​DIAが反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだと指摘されていた)であり、バラク・オバマ大統領が主張する穏健派は存在しないとホワイトハウスへ報告​した月のことだった。


 2012年12月にヒラリー・クリントン国務長官はシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると語り、13年1月29日付けのデイリー・メール紙には、イギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールにオバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦をオバマ大統領が許可したという記述があるとする記事が載った。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 そして2013年3月にアレッポで爆発があり、26名が死亡したのだが、そのときに化学兵器が使われたという話が流れる。シリア政府は侵略軍であるジハード傭兵が使用したとして国際的な調査を要請するが、イギリス、フランス、イスラエル、そしてアメリカは政府軍が使ったという宣伝を展開する。

 しかし、攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、​死亡したのはシリア軍の兵士だということをイスラエルのハーレツ紙が指摘​、国連独立調査委員会メンバーの​カーラ・デル・ポンテ​も反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。


 アメリカをはじめとする侵略勢力は2013年8月にも化学兵器を使った偽旗作戦を実行した。ダマスカスの近く、ゴータで実際に使われたのだが、攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたと​ジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる​。

 それだけでなく、​メディアも化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事を掲載​、すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者​マザー・アグネス・マリアム​はいくつかの疑問を明らかにしている。

 この攻撃では子どもの犠牲者が宣伝されたが、この子どもたちは直前に誘拐された子どもではないかとも言われている。ゴータへの攻撃が行われる10日ほど前、反政府軍がラタキアを襲撃し、200名とも500名とも言われる住人が殺され、150名以上が拉致されているのだ。

 2013年12月には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​も8月の攻撃に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、​国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授​も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。​化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使った​というのだ。この事実を公表した後、​エルデム議員らは起訴の脅し​をかけられている。


 アメリカの軍事的な脅しに対し、ロシアはシリアの軍備を増強、地中海には最新鋭のフリゲート艦2隻、つまりグリゴロヴィチ提督とエッセン提督を含む15隻が配備した。前にも書いたが、ロシア軍はカスピ海からシリアのターゲットを攻撃できる巡航ミサイルを持っている。

 ロシア軍は地中海で艦隊演習を実施するだけでなく、9月11日から15日にかけてウラル山脈の東で30万人が参加する大規模な演習ボストーク18を予定している。この演習には中国とモンゴルが招待されているという。万一、シリアでロシア軍とアメリカ軍が衝突、全面戦争に発展しても、その準備はできているということだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809060000/

85. 中川隆[-13627] koaQ7Jey 2018年9月08日 08:06:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18328] 報告
2018.09.07
シリアでの戦争を「内戦」だと言い張る侵略勢力(その1)

 ある国のあり方を決めるのは基本的にその国の国民であるべきであり、他の国が別の国のあり方を強制するべきでないとされている。内政不干渉の原則だが、それを理解できない人たちがいる。その代表格がアメリカの支配層だ。自分たちを特別の存在だと信じている。


 自分たちの意に沿わない体制、政権をあらゆる手段、つまり買収、恫喝、宣伝、要人暗殺、経済戦争、クーデター、軍事侵略などによって倒してきた。シリアもそのターゲットのひとつ。そうした事実を誤魔化すための呪文のひとつが「内戦」にほかならない。


 アメリカ支配層の中でも特に侵略志向の強い勢力がネオコン。1970年代半ば、ジェラルド・フォード政権の時代に台頭した親イスラエル派なのだが、台頭の背景にはキリスト教の一派が存在していた。イエスの再臨を実現するためにはイスラエルの存在が不可欠だと信じる福音主義者(聖書根本主義者)だ。


 ネオコンは1980年代からイラクに親イスラエル政権を成立させようとしていた。そのためにサダム・フセインを排除しようとする。彼らにとって1990年8月のイラク軍によるクウェート侵攻は願ってもないチャンスだったはずだ。


 その年の10月、イラクに対する攻撃を正当化するため、アメリカ下院の人権会議でイラク軍の残虐性をひとりの少女「ナイラ」が証言した。アル・イダー病院でイラク兵が赤ん坊を保育器の中から出して冷たい床に放置、赤ん坊は死亡したと涙を流しながら訴えたのだが、この話には大きな問題があった。この「ナイラ」はアメリカ駐在のクウェート大使の娘で、イラク軍が攻め込んだときにクウェートにはいなかったのである。この証言を演出したのは広告会社のヒル・アンド・ノールトン。これ以降、侵略の下地を作るため、アメリカ支配層は広告の手法を盛んに使い始めた。


 こうした工作が功を奏し、アメリカ主導軍は1991年1月にイラクへ軍事侵攻する。ネオコンはフセインを排除できると喜んだのだが、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は排除しないまま停戦してしまう。その決定を知ったネオコンは怒るが、そのひとりが国防次官だったポール・ウォルフォウィッツ。彼はシリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたという。これは​欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の元最高司令官、ウェズリー・クラークの話​だ。


 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され(9/11)、人びとが茫然自失の状態になったことを利用してジョージ・W・ブッシュ政権は攻撃と無関係なアフタにスタンとイラクを先制攻撃した。


 アフガニスタンは石油のパイプライン利権が関係していたが、イラクは1991年の段階でネオコンが決めていたターゲット国。現在、アメリカ支配層がアフガニスタンに執着している理由のひとつは中国が進める一帯一路を潰すことにある。


 9/11から10日ほど後、クラークは統合参謀本部でイラクを攻撃するという話をスタッフから聞く。その6週間ほど後、国防長官の周辺で攻撃予定国のリストが作成されていたことをやはり統合参謀本部で知らされている。そこに載っていた国はイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイラン。いずれも911とは無関係の国である。リストのトップに書かれているイラクは2003年3月に先制攻撃された。(​3月​、​10月​)(つづく
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809070001/

2018.09.08
シリアでの戦争を「内戦」だと言い張る侵略勢力(その2)

 1991年はCIA人脈がKGBの中枢と手を組み、ソ連でクーデターを成功させた年だ。これは本ブログでも書いたことがある。ハンマー作戦だ。その勢力に操られたボリス・エリツィンは1991年12月にソ連を勝手に消滅させてしまった。

 ソ連が消滅したことでネオコンたちはアメリカが唯一の超大国になったと認識、自由に世界を侵略できる条件が整ったと考え、単独行動主義へ傾斜、国連を無視するようになる。そして​1992年2月、国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成​した。旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなど潜在的なライバルを押さえ込むと同時にエネルギー資源を支配しようと考えた。中国が残された中の国で最も警戒するべき対象と考えられたことから、東アジア重視が打ち出される。


 このプランはウォルフォウィッツ次官を中心に作成されたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれているが、その基本的なアイデアは国防総省内部のシンクタンク、ONA(ネット評価室)で室長を務めていたアンドリュー・マーシャルが考えたと言われている。冷戦時代、マーシャルはソ連の脅威を誇張した情報を流してCIAの分析部門と対立していた人物で、ソ連消滅を受けて中国脅威論を叫び始めた。


 ブッシュ・ジュニア政権の終盤、アメリカ支配層の想定と違ってロシアの軍事力が強いことが判明、バラク・オバマ大統領は2010年8月にPSD-11を出してムスリム同胞団を使った侵略計画を承認した。そして「アラブの春」が始まる。


 この計画に基づき、2011年2月4日にNATOはカイロでリビアとシリアの体制転覆に関する会議を開き、2月15日にはリビアで侵略戦争を開始、3月15日にはシリアでも体制転覆を目指して戦争を始めた。この侵略戦争でアメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールが地上兵力として使ったのがムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とするジハード傭兵である。その後、様々なタグがつけられるが、基本構造に変化はない。


 シリアを侵略する口実として「民主化運動の弾圧」が掲げられていたが、2010年シリアで活動を続けているベルギーの修道院の​ダニエル・マエ神父​は住民による反政府蜂起はなかったと語っている。したがって、政府による弾圧もなかった。これは現地を取材したジャーナリストも指摘している。


 「民主化運動の弾圧」という幻影を信じさせるために使われたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)。その話に飛びつき、アメリカの侵略を受け入れた人もいるようだ。


 ところが、デイエムの発信する情報が信頼できないことを示す映像が2012年3月1日にインターネット上へアップロードされた。この日、ダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子が流出したのだ。つまり彼の「現地報告」はヤラセだった。


 2012年5月にシリアのホムスで住民が虐殺されるると、西側の政府やメディアはジハード傭兵と同じように、シリア政府軍が実行したと宣伝する。これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだものの、宣伝内容が事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長だった。


 現地を調査した​ローマ教皇庁のフランス人司教​は侵略軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を虐殺したと報告、それを教皇庁の通信社が伝えた。その司教は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と書いている。


 また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、​マザー・アグネス・マリアム​も外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。シリアにおける住民殺戮の責任を西側の有力メディアも免れないと言っているのだ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809080000/

86. 中川隆[-13643] koaQ7Jey 2018年9月08日 12:45:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18361] 報告
2018.09.08
シリアでの戦争を「内戦」だと言い張る侵略勢力(その3)



 アル・カイダ系武装勢力による殺戮と破壊を否定できなくなると、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援していると主張しはじめる。が、これはアメリカ軍の情報機関DIAによって否定された。


 ​DIA​が2012年8月にホワイトハウスへ提出された報告の中で、オバマ大統領の主張を否定したのだ。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだとしている。


 しかも、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるともDIAは警告、それは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

 ダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧、その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレードしている。そうした動きを当然、アメリカ軍は偵察衛星、偵察機、通信傍受、地上の情報網などでつかんでいたはず。ところが傍観していた。こうした展開になったことからフリンDIA局長は他の政府スタッフと激しく対立したようで、その年の8月に退役を強いられる。

 フリンは2015年8月に​アル・ジャジーラの番組​へ出演、司会者からダーイッシュの出現について質問され、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、情報に基づく政策の決定はバラク・オバマ大統領が行うと答えている。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。


 アメリカ自身やイスラエルについては言及していないものの、ジハード傭兵をサウジアラビアやカタールなどが雇ってきたことはアメリカの政府高官や軍人も認めていた。

 例えば、2014年9月、空軍の​トーマス・マッキナニー​中将はアメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで発言、​マーティン・デンプシー​統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月には​ジョー・バイデン​米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年には​ウェズリー・クラーク​元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。


 そしてオバマ大統領は2015年に戦争体制へ入る。上院軍事委員会で直接的な軍事介入に慎重な姿勢を示していたチャック・ヘーゲル国防長官とマーチン・デンプシー統合参謀本部議長を追い出したのだ。ヘーゲルは2015年2月に解任、デンプシーは同年9月に再任拒否されている。

 その直後、9月30日にロシア軍はシリア政府の要請を受けて軍事介入、それ以降、ジハード傭兵の占領地は急速に縮小していく。おそらく2015年の後半にオバマ政権はアメリカ主導軍にシリアを侵略させるつもりだったのだろうが、これはロシア軍の介入で難しくなった。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカ政府が軍事侵攻を正当化する口実として化学兵器を言い始めたのは2012年8月。シリアに対する直接的な直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言したのだ。DIAがホワイトハウスへ報告書をだしたのと同じ月だ。

 2012年12月になるとヒラリー・クリントン国務長官がシリアのバシャール・アル・アサド大統領は化学兵器を使う可能性があると語り、13年1月29日付けのデイリー・メール紙には、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつけようとしているとする記事が載る。イギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールに、そうした作戦をオバマ大統領が許可したという記述があるというのだ。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 2013年には3月と8月に政府軍が化学兵器を使ったという話が流れるが、いずれ無嘘であることがばれている。これは本ブログでも何度か書いた。9月の上旬にアメリカ主導軍はシリアに対するミサイル攻撃を始めた可能性が高いのだが、これは失敗に終わった。ECM(電子対抗手段)が使われたと言われている。

 そして登場してきたのが「残虐性」を誇示するダーイッシュ。そのダーイッシュを叩くという名目でアメリカ軍はシリア政府の承認を受けずに空爆を開始、シリアのインフラを破壊、後にシリア政府軍に対する攻撃も始めた。ロシア軍が介入するまでの約1年間、ジハード傭兵の支配地は拡大していった。

 ところが、ロシア軍の介入で戦況は一変。昨年(2017年)7月、ダーイッシュの問題に関するアメリカの大統領特使、​ブレット・マクガーク​はイドリブについて、9/11からアル・カイダの最も大きな避難場所だと表現している。このイドリブをアメリカ支配層は死守しようとしている。


 ジハード傭兵が敗走する中、アメリア軍はユーフラテス川の北側に軍事基地を次々と建設、今では20カ所を上回っている。最近も油田地帯であるデリゾールで新しい基地を建設していると伝えられた。アメリカ、イギリス、フランスの軍隊は地上部隊をシリアへ入れて占領している。これは本ブログで繰り返し書いてきた。

 シリアで続いている戦争はアメリカなどの国々による侵略であり、「内戦」ではない。この戦争を「内戦」と呼ぶことは侵略戦争を支援することに等しい。かつて日本の東アジア侵略を「大東亜共栄園の建設」という名目で正当化していたが、それと大差はないと言える。


 アメリカとクルドとの関係には不明な点があるのだが、少なくとも当初、アメリカ支配層はクルドを使い、シリアの北部地方からイラクやイランにかけての地域に「満州国」を建設しようとしていた。アフリカや中東における略奪なしに欧米は「文明」を維持できない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809080002/

87. 中川隆[-13645] koaQ7Jey 2018年9月11日 18:23:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18436] 報告
2018年09月11日
リアル過ぎてドラマに出来ないストーリー / 9/11の不都合な事実

テロで儲けたユダヤ人
Homeland 3Homeland 2

(左: 『ホームランド』で主役を果たしたダミアン・ルイストクレア・デインズ / 右: 『ホームランド』でCIA局員を演じた二人)

  今世紀に作られた映画やTVドラマでは、テロリズムを扱った作品が本当に多い。前世紀ではソ連のスパイが定番の悪役となっていたが、冷戦終結後、ロシア人の悪党に代わって中東アジアのテロリストが代表的な悪役となった。以前、当ブロクで紹介したアメリカの人気TVドラマ『ホームランド(Homeland)』には、狡猾なムスリム・テロリストが現れ、憎いアメリカを標的とする破壊活動が描かれている。9/11の同時多発テロを経験した西歐系アメリカ人は、容姿の違うアラブ人やパキスタン人に恐怖を覚え、テロを未然に防ぐためなら少々手荒な処置もやむを得ないと考えるようになった。それゆえ、テロリストに敢然と立ち向かうジャック・バウアーを描いたドラマ、『24』などがヒットするのだろう。

  第8シーズンを迎えようとする『ホームランド』も同じで、元CIA局員のキャリー・マセソンが米国で起こるテロに対処すべく、獅子奮迅する姿が描かれている。そして、彼女と一緒にテロを食い止めようとするのは、CIAの上級局員たるサウル・ベレンソンで、ユダヤ系アメリカ人という設定の諜報局員には、イスラエルに住む妹がいた。主人公の「キャリー」を演じるのは『ターミネーター3』にも出演したクレア・デインズ(Claire Danes)で、「サウル」の役を演じるのはユダヤ人俳優のマンディー・パティンキン(Mandy Patinkin)である。彼は大ヒットTVドラマの『クリミナル・マインド』でFBIのプロファイラー役を務めた男優だ。

Claire Danes 1Mandy Patinkin 2Murray Abraham 2

(左: クレア・デインズ / 中央: マンディー・パティキン / 右: マレー・アブラハム)

  このドラマには、もう一人CIAの上司が登場し、それが極秘作戦(black op / clandestine operation)を担当する「ダール・アダル」というベテラン局員である。彼はイスラエルの諜報機関「モサド」と連携し、何とか口実をもうけてイランを攻撃しようと謀っていた。このあたりは実にリアルだ。モサドと蜜月のCIA局員がイスラム教徒を利用して国内テロを画策し、アメリカの世論を騙し、嫌がる議会を反イラン制裁へと導くのは現実的に有り得る。CIA局内で隠然たる権力を誇る「ダール」役には、シリア系俳優のマレー・アブラハム(F. Murray Abraham)が起用されていた。フィクションのドラマと実際の政治を保守派のアメリカ人が眺めれば、深い溜息をついて陰鬱な気分になるだろう。例えば、国務省や諜報機関に目を向ければ、矢鱈とユダヤ人が多い。とりわけ、中東アジアを担当するのはユダヤ系の専門家で、彼らは合衆国よりもイスラエルの国益を優先する。あいつも此奴もユダヤ人じゃ、誰が愛国者で誰が売国奴なのかさっぱり判らない。

Paul Wolfowitz 1Richard Perle 2Eliot Cohen 1Elliot Abrams 1

(左: ポール・ウォルフォヴィッツ / リチャード・パール / エリオット・コーエン / 右: エリオット・アブラムズ )

  日本でもよく知られているポール・ウォルフォヴィッツ(Paul Wolfowitz)やリチャード・パール(Richard Perle)、エリオット・コーエン(Eliot A. Cohen)、エリオット・アブラムズ(Elliot Abrams)はユダヤ人で、彼らが推進したイラク戦争はアメリカではなくイスラエルの安全を図る戦争だった。民間部門で活躍するネオコンにもユダヤ系がウジャウジャいて、例えば、マイケル・ラディーン(Michael Ledeen)やウィリアム・クリストル(William Kristol)、ロバート・ケイガン(Robert Kagan)などが直ぐに思い浮かぶだろう。他にもたくさんいて、長老格のヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)や国土安全保障省の元長官マイケル・チャートフ(Michael Chertoff)、戦略論の研究家エドワード・ルトワック(Edawrd N. Luttwak)、トランプの娘婿ジャレッド・クシュナーと個人的に親しいアブラハム・バーコウィッツ(Avraham Berkowitz)などである。このバーコウィッツはトランプ大統領の特別顧問を務めてて、彼の従兄弟であるハワード・バーコウィッツ(Howard Berkowitz)は、全米にその名を轟かすユダヤ人団体「AIPAC」の元総裁だ。アメリカの中東アジア外政は、連邦議会の関与も大きいが、実際は有力なユダヤ人によって牛耳られている側面が否めない。

Michael Ledeen 1Michael Chertoff 1Edward Luttwak 3Robert Kagan 1

(左: マイケル・ラディーン / マイケル・チャートフ / エドワード・ルトワック / 右: ロバート・ケーガン)

テロ攻撃で幸運を摑んだユダヤ商人

  スパイ作戦や戦争を主題とするTVドラマでは、ムスリム・テロリストが米国や歐洲で殺戮事件を謀るのが定番だけど、実際はユダヤ人組織が無知なイスラム教徒を嗾(けしか)けて、大小のテロを実行させていると考えた方がいい。歐米の民衆は遠く離れた中東での戦争に消極的だから、身近で爆弾テロとか銃撃事件が起きないと、積極的に戦争を支持しないという性質がある。だから、モサドは米国籍を持つアラブ人とかパキスタン人に資金を流してテロ組織を育成し、時期を見計らって国内テロを実行するよう操作する。もちろん、現場で殺人を犯す下っ端は「聖戦」気取りで、誰に操られているのか分からないし、「操られている」ことにすら気がつかない。諜報機関の世界では、「バカを利用する」のは基本中の基本である。馬鹿真面目に「ジハード」を信じている実行犯は、裏で糸を引くのが誰なのかを知らないので、何処から観ても真剣なテロを起こす。被害者の歐米人もアホだから、実行犯組織の本体を調べずに「アラブのテロリストどもを叩き潰せ !」と熱狂する。漁夫の利を得るのは歐米とイスラエルに住むユダヤ人。これを暴く者は「反ユダヤ主義者」のレッテルを貼られて社会的に抹殺されてしまうのだ。

  公式見解によれば、9/11は「モハメット・アタ」の一味によって起こされたとなっている。が、どうも腑に落ちない点が多い。テロ事件の科学的解明が無いことも変だが、ワールド・トレード・センター(WTC)の崩壊で大儲けしたラリー・シルバースタイン(Larry Silverstein)に疑惑の目が向けられないのも妙だ。このユダヤ人不動産業者は、9/11テロが起きる約二ヶ月前の2001年7月26日、フランク・ローウィ(Frank Lowy)の「ウェストフィールド(Westfield Corporation)」社と一緒にWTCを99年間も借りるリース契約を結んでいたのだ。ちなみに、パートナーになったローウィはオーストリア出身のユダヤ人と言われているが、生まれはチェコスロヴァキアで、幼い頃はハンガリーのゲットーに住んでいた。やがて彼はフランス経由でパレスチナに移り、ユダヤ人の準軍事組織である「ハガナ(Haganah)」に属するようになって、1948年のアラブ・イスラエル戦争で奮闘したそうだ。つまり、筋金入りのシオニストといううわけ。

Larry Silverstein 5WTC 0001Frank Lowy 1

(左: ラリー・シルバースタイン / 中央攻撃を受けたWTC / 右: フランク・ローウィ)

  この武闘派ユダヤ人はオーストラリアに移住すると、如何にもユダヤ人らしく頭角を現すようになり、ショッピング・センターを世界的に展開手する「ウェストフィールド・コーポレーション」を運営するようになった。そして、彼はオーストラリアの中央銀行にあたる「オーストラリア準備銀行(Reserve Bank od Australia)」の理事長に就任する。また、彼はビジネスだけではなく、教育や慈善活動にも精を出し、大量のお金をばらまくことも忘れなかった。このオーストラリア・シャイロックは、カルフォルニア州にある「ユダヤ教大学(University of Judaism)」の理事長を務めたし、「オーストラリア・サッカー連盟(Football Federation Australia)」の会長まで務めていたのだ。大富豪となったユダヤ人が次に目指すモノは「名誉」で、歐米には札束で獲得できる「称号」がいくらでもある。ローウィは
慈善活動に1,000万ドル以上も注ぎ込み、3,000万ドルを以て「ローウィ国際政策研究所」を設立したかと思えば、「ローウィー癌研究センター(UNSW Lowy Cancer Research Center)」に1,000万ドルを寄付したという。こうした「慈善活動」が評価されて、卑しいユダヤ商人は英国の女王陛下からナイトの称号までもらう身分になった。英国のアングロ・サクソン民族がどう思うか分からないけど、英国の王室はお金に弱いから、金貨をちらつかせるユダに躊躇なく貴族の称号を与えてしまうのだ。(こんな薄汚い「称号」を持つユダヤ人貴族より、少年ジャンプの読者投票で一位になる漫画家の方がよっぽど偉い。)

Lewis Eisenberg 1(左 / ルイス・アイゼンバーグ )
  テロ事件が起きるちょっと前にWTCビルを借りるなんて妙だけど、この契約を仲介したのは、かつて「ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(Port Authority of New Nork and New Jersey)」の総裁を務めていたルイス・アイゼンバーグ(Lewis Eisenberg)であった。このユダヤ人元総裁は、競争相手の「ヴォルナド不動産トラスト(Vornado Realty Trust)」が高値をつけたにも拘わらず、そのリース契約を斥け、シルバースタインとウェストフィールドに賃貸の鍵を渡したのである。アイゼンバーグとシルバースタインは同じ穴の狢(ムジナ)で、彼らはユダヤ人で組織される「ユナイテド・ジューイッシュ・アピール(United Jewish Appeal)」という慈善団体で指導的立場にあったのだ。そして、シオニストのシルバースタインは、この組織の傘下にあるニューヨーク支部で会長を務めていたことがある。アイゼンバーグも負けず劣らずのシオニストで、アメリカの政治家が平伏す最強のユダヤ人団体「米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の副総裁を務めたこともある人物だ。彼はゴールドマン・サックスの元重役で、以前は民衆党支持者であったが、共和党リベラル派に潜り込み、大口献金者になっていた。

Ronald Lauder 1Josephine Esther Lauder 4Joseph Lauder 1

(左: ロナルド・ローダー / 中央: ジョセフィン・エスター・ローダー / 右: 夫のジョセフ・ローダー)

  ちなみに、港湾公社が所有していたWTCビルを民営化するにあたり、その音頭を取っていたのは、ジョージ・パタキ州知事に仕えていたユダヤ人ビジネスマン、ロナルド・ローダー(Ronald Lauder)ときている。彼は有名化粧品会社の「エスティー・ローダー(Estée Lauder)」を創設したジョセフ・ローダー(Joseph Lauter / 後にLauderと改名)とその妻ジョセフィン(Josephine Esther Mentzer)との間に生まれた次男だ。裕福なユダヤ人家庭に育ったロナルドは、レーガン政権でヨーロッパ担当の国防次官補になり、その後、駐オーストリア大使に任命された人物である。彼は政界を引退後、慈善活動にも力を入れ、ウィーンに「ローダー・ビジネス・スクール」を建てていた。このビジネスマン大使も強硬なシオニストで、世界ユダヤ人会議(World Jewish Congress)の総裁を務めており、イスラエルのテレビ局「チャンネル10」を買収した豪商としても有名だ。(それにしても何で、こうも凄い連中が9/11に係わっているのか不思議である。) 彼も有力な人脈を広げるユダヤ人で、娘のジェーン・ローダーは、FRBの常任理事となったケヴィン・ワーシュ(Kevin Warsh)に嫁いだ。この婿殿は元「モルガン・スタンレー」の社員で、ブッシュ大統領の経済政策顧問を務めていたという。そのお礼なのか、ブッシュ大統領はケヴィンをFRBのメンバーにしてあげたというのだ。

Jane Lauder 1Kevin Warsh 2

(左 : ジェーン・ローダー / 右: ケヴィッン・ワーシュ)

  とにかく、WTCの長期賃貸を取りつけたシルバースタインに、とてつもない「幸運」が舞い込んできた。他のアメリカ国民にとって、9/11テロは「悪夢」以上の惨劇であったが、シルバースタインにとっては宝籤以上の吉報である。というのも、ビルに突撃した二機の旅客機が、まるで金の卵をくわえるコウノトリみたいに思えてくるからだ。シルバースタインは1億ドルの賃貸契約を結んだが、テロ攻撃の損害を受けたお陰で、保険会社から約40億ドルの保険金が下りたのだ。さらに、彼が所有していたWTC第7ビルも「被害」に遭って全壊したので、8億6100万ドルの保険金を手にすることができたという。WCT7の崩壊は特に有名で、単なる飛び火による「火災」なのに、一瞬で崩壊したから皆驚いた。あの程度の火災であっけなく崩壊するんなら、大火災を起こした日本の「ホテル・ニュー・ジャパン」だって瞬く間に大崩壊したはずである。(これは永田町にあったホテルで、1982年すなわち昭和57年に起きた事件である。) WTC-7が崩れ去る映像を目にした建築家や科学者は、悉く「計画的破壊(controlled demolition)」と評し、物理学では説明できない「崩壊」に唖然としていたそうだ。BBCの女性レポーターはもっと凄くて、倒壊の約30分前にビルの全壊を報道してしまったのだ。たぶん、BBCの誰かが台本を読み間違えて、本番でドジを踏んだのだろう。やはり、人間が行うことなので、皆が脚本通りに動くとは限らない。

WTC building 7 BBC newsWTC Building-7

(左: 事前に崩壊を報じてしまったBBCのレポーター / 右: 一瞬で崩壊した第7ビル)

  高額な保険金を手にしたシルバースタインは本当にラッキーだった。なぜなら、昔に建てられたWCTビルにはアスベストが使われており、法的にその除去が命じられていたので、彼は2億ドルの修繕費を払わねばならなかったが、旅客機が突っ込んでくれたので、その手間が省けたというわけ。シルバースタインにとってアスベストは時限爆弾のようなものであったが、テロリストが爆破してくれたので、有害物質はコンクリートの粉塵と共に空中に消えていったのだ。

  ところが、シルバースタインはこれで満足しなかった。なんと、彼は保険金の倍額を要求したのである。というのも、テロ攻撃は二つ起きたからだ。つまり、WTCビル1に1機が激突し、WCTビル2にも別の飛行機が突入したので、35億ドルの保険金を二回払えと訴えていたのである。もう、ヴェニスのシャイロックも舌を巻くほどの強欲者だ。しかも、シルバースタインはハイジャックに遭ったアメリカン航空とユナイテッド航空に対しても11億ドルの損害賠償を求めていたのである。結局、裁判では9,510万ドルの賠償金で和解となった。これだから、濡れ手で粟のシルバースタインが、更地になった現場に新たなビルを建設できても不思議ではない。

  シルバースタインが起こした訴訟で注目すべきは、この裁判が陪審員不在の法廷だったことで、そこに君臨したのがアルヴィン・ヘラースタイン(Alvin Hellerstein)判事であったことだ。彼もユダヤ人で、これまた熱心なシオニスト。親爺と同じ法律家になったアルヴィンの息子ジョセフは、父の妹、つまり叔母と一緒に米国からパレスチナのユダヤ人占領地区に移住したというから、相当な変わり者というか、骨の髄までシオニストなんじゃないか。さらに興味深いのは、このアルヴィンとジョセフの親子は、かつて有名なユダヤ系法律事務所の「ストルック&レヴァン(Strook & Levan)」に属していたことだ。ユダヤ人のモーゼスとソロモンのストルック兄弟は、共同で法律事務所を構え、同種族のピーター・レヴァン(Peter I. B. Levan)を迎えて社名を変更した。ちなみに、この「ストルック&レヴァン」は長いこと米国におけるロスチャイルド家の代理を務めていたそうだ。

Alvin Hellerstein 2WTC 004Benjamin Netanyahu 1

(左: アルヴィン・ヘラースタイン / 中央: 崩壊したWTCビル / 右: ベンジャミン・ネタニヤフ)

  日本のマスコミは伝えていないが、このシルバースタインは、9/11の前からベンジャミン・ネタニヤフ首相と昵懇で、イスラエルの「ハーレッツ(Haaretz)」紙によると、毎週日曜の午後に必ず電話を掛ける仲であったそうだ。でも、どうしてイスラエルの首脳が頻繁に一般ビジネスマンと話していたのか不思議だが、よほど「込み入った問題」が二人の間にはあったのだろう。筆者には何の相談か分からないが、たぶん相当厄介な問題を抱えていたんじゃないか。もしかして、「WCTの第7ビルも一緒に吹っ飛ばしてくれないか?」と頼んでいたとか。実際、シルバースタインはビルの爆破解体を臭わす発言をしていた。だから、もし前もってWCT7に爆薬が仕掛けられていたとしたら、その所有者は何らかの交渉で「許可」を出していた、という可能性が高い。(シルバースタインは「WTCの第1と第2ビル、プラス第7の“セット”じゃなきゃ、取引に応じないぞ」、とゴネたんじゃないか。というのも、緻密な計画を立てたテロ組織が、“わざわざ”物議を醸すような第7ビルの「爆破」をしでかすとは思えない。)

アメリカの不幸で踊るイスラエル人

  9/11で忘れてはならないのは、イスラエルが事前にこのテロ攻撃を知っていたことである。事件当日、ニュージャージ州のリバティー・ステイト・パークで、飛び跳ねて喜ぶ男達がいた。彼らはWTCビルに旅客機が突っ込こむ光景を見てはしゃいでおり、対岸で炎上するビルを撮影していたという。この欣喜雀躍ぶりを近くのアパートに住む中年女性が発見し、双眼鏡を持ち出して眺めたそうである。踊り狂う男達を不審に思った目撃者は、ベルゲン郡警察に電話し、通報を受けた警察署は直ちにパトカーを出動させたという。しかし、記録映画を撮影し終わった連中は、早々に現場を後にしていた。残念 ! 悪い奴は手際が良くて、逃げ足も速い。ところが、午後3時過ぎ頃、パトカーに乗っていたスコット・デ・カルロ(Scott de Carlo)巡査は、東ラザフォードの通りで不審な白いバンを発見し、職務質問をかけて乗っていた男達5名を逮捕した。

  連行された男達は、皆イスラエル国籍のユダヤ人で、名目上は「イスラエルからの観光客」となっていた。また、彼らが運転していたバンは、「アーバン・ムーヴィング・システムズ(Urban Moving Systems)」という運輸会社が所有する車輌だった。この会社は労働ビザを有するイスラエルからの留学生をよく雇っていたそうで、捕まったユダヤ人たちもここで働いていたそうである。拘束された者のうち、シヴァンとポールのカーツバーグ(Sivan and Paul Kurtzberg)兄弟はモサドのエージェントで、「アーバン・ムーヴィング・システムズ」はモサドのフロント・カンパニー(front company)、すなわち工作員が隠れ蓑に使う偽装会社であった。さらに驚くのは、社長のドミニク・スーター(Dominik Suter)はアメリカ国籍を持つユダヤ人で、匿名の送金者から多額の資金をもらっていたのだ。しかし、海外からの送金なので、誰が振り込んだのかFBIでも判らない。FBIから尋問を受けたスーターは間もなく釈放されてしまい、身の危険を察知したのか、彼は9月14日にアメリカを去り、さっさとイスラエルへ逃げてしまった。

Dancing Israelis 111


(写真 / 拘束された「イスラエルの踊るユダヤ人」 )

  残りの三人、オマー・マーマリ(Omer Marmari)とオデド・エルナー(Oded Ellner)、ヤロン・シュメル(Yaron Shmuel)は下っ端の協力者で、モサドの正式エージェントではないらしい。正体がバレた連中は帰国後、イスラエルのテレビ番組に出演し、自分達の目的はテロ事件のドキュメンタリー・フィルムを製作することにあった、と述べていた。でも、アメリカの一般国民が知りたいのは、「なぜイスラエルの観光客が前もって飛行機の突入を知っていたのか?」ということである。普通の人間がテロ攻撃の時間と標的を事前に、しかも正確に知っているなんて有り得ない。どうしてイスラエルからの「観光客」が、FBIやCIA、NSAも摑めなかった情報を入手できたのか? また、どうしてFBI長官とブッシュ大統領は、この不審なユダヤ人どもを釈放したのか? テロ計画を事前に知っていた外国人なら、最重要参考人と指定され、厳しい尋を受けるはずだ。それなのに、無罪放免なんて、おかしいじゃないか! たとえイスラエル政府から釈放要求があっても拒否すべきだろう。そもそも、アメリカ合衆国は曲がりなりにも、最強の軍隊を有する独立主権国家のはず。なぜ、イスラエルの恫喝に屈服したのか? もし、日本人観光客がテロ情報を事前に掴んでいたら、日本政府が何と言おうとも絶対に釈放されないぞ。

  世間には「秘密結社イルミナティーの仕業だ」とか、「ユダヤ教徒の世界支配だ」と陰謀論を叫ぶ評論家がいるが、こんなのはお金儲けのために娯楽を提供する売文業者で、真摯な研究者ではない。本当に9/11テロを解明したい者であれば、ビルの倒壊を科学的に検証したり、証拠隠滅を謀った人物を調べるはずだ。WTC7の倒壊は本当に不自然だし、WTCの第1ビルと第2ビルの鉄骨を、早急に支那へ売却したブッシュ大統領は、物的証拠を湮滅した犯罪者である。FBI捜査官や裁判官、科学者はもちろんのこと、田舎の保安官だって唖然とするだろう。アメリカの一般国民は政府とマスコミが流す映像だけを目にして、「ムスリム・テロリストの犯行だ」と決めつけるが、実際のテロ行為には不審な点が多く、政府の調査も杜撰であった。しかし、脳天気なアメリカ国民は、ハリウッド映画だけを観て「戦争とテロの時代」を実感するだけで、自分の頭で考えようとはしないのだ。


jewish cartoon 1Jews 26

(左: 貪欲なユダヤ人を描いた風刺画 / 右: 米国のユダヤ教徒)

  確かに、『ホームランド』を始めとするTVドラマは所詮「娯楽作品」に過ぎない。しかし、一般人への影響は絶大だ。アメリカの世間がイメージする「テロリスト」は、中東アジアからやって来る兇暴なイスラム教徒で、その背後で糸を引く巨大な組織ではない。ドラマの中ではイスラエルが米国の同盟国で、CIAとモサドが一致協力してイラン人やアラブ人のテロ組織と闘っている。例えば、モサドの局員はCIAやMI6のスパイと情報の交換をして、歐米諸国に潜むアフリカ系テロリストやイランのスパイを摘発し、ユダヤ人が歐米の平和に多大な貢献をする、といったシナリオが多い。しかし、現実を見渡せば、ムスリム・テロの脅威はイスラエルにとって好都合となっている。歐米諸国の対テロ政策は、イスラム諸国に囲まれるイスラエルを支援する形になっており、イスラエルの敵が“そのまま”歐米諸国の敵にもなっているのだ。しかも、歐米諸国で要職に就くユダヤ人の官僚や議員、諜報員は、人々をテロから守る正義の味方で、自己犠牲をも厭わないヒーローになっている。

Muslim terrorists 23221Muslims 111


(左: イスラム過激派のテロリスト / 右: ムスリムの兇悪犯)

  西歐人にはある一つの重大な思考が抜け落ちている。歐米で作られる映画やTVドラマには、西歐人やその軍隊を唆して対テロ戦争に駆り立てる狡猾なユダヤ人は絶対に描かれない。アメリカやブリテン、フランス、オランダで起きるテロ事件が、実はモサドの“仕込み”なんていうシナリオは御法度。西歐人に恨みを抱くイスラム過激派に資金を流し、頃合いを見計らって爆破テロを仕組むモサド局員がいたら、本当にリアルだけど、「現実的」過ぎるから絶対に駄目。なぜなら、歐米の一般人が「そうだよなぁ、全部じゃないけど、幾つかのテロ事件は、ちょっと怪しいぞ」と勘づくからだ。9/11テロも同様で、アラブ人テロリストの犯行を描く映画は公開されたけど、モサドが暗躍する作品は一つも無かった。映画なんて所詮フィクションなんだから自由に脚本を書いて、イスラエルのモサドと米国のユダヤ人がチェイニー副大統領を中心とするアメリカ・チームと共謀して、9/11テロを計画したという物語もあっていいはずだ。日本人の漫画家なら思いつく筋書きなのに、なぜかハリウッドの脚本家は考えない。おそらく、何人かは居たのかも知れないが、仮に脚本を提出しても全部“ボツ”だろう。アメリカには「藝術の自由」があっても、一部の「自由」は検閲と圧力で潰されてしまうのだ。

  日本人は政治プロパガンダと聞けば、ナチスのヨゼフ・ゲッペルスを思い出してしまうが、米国にはこの宣伝大臣よりも遙かに優秀な宣伝部門があるのだ。ハリウッドの洗脳映画は官製ではなく、民間の娯楽作品であるから我々に判らないだけで、冷静に考えてみれば、個別的かつ自主的に作られる洗脳フィルムは本当に怖い。なぜなら、我々は役所から押しつけられたのではなく、自ら進んで劇場に赴き、お金を払って映画を観ているからだ。一般の観客は「洗脳」とは気付かずに、ある特定のイメージを植え付けられ、思考の枠組みまで変更されている。大衆操作は政治討論番組とかニュース番組よりも、アクション映画とかスパイ小説を通してなされると考えた方がよい。

Gideon Raff 2Howard Gordon 2Mandy Patinkin 1

(左: ギデオン・ラフ / 中央: ハワード・ゴードン / 右: マンディー・パティンキン )

  いま人気となっている『ホームランド』は、元々イスラエルで放送されたドラマ『戦争捕虜(Hatufim)』のアメリカ版で、原作者は元イスラエル軍兵士のギデオン・ラフ(Gideon Raff)である。これをユダや系アメリカ人のハワード・ゴードン(Howard Gordon)が筆頭プロデューサーとなり、ユダヤ人俳優のパティンキンが“アメリカ”のヒーローを演じている、という塩梅(あんばい)だ。率直な日本人だと「イスラエルの宣伝映画じゃん!」と口にしてしまうが、西歐系女優のクレア・デインズを主役にして誤魔化しているから、米国では「プロパガンダ作品」との位置づけではない。「外見」さえ整えておけば、「中身」はどうだっていいのだ。日本人だって鯛の身が入っていないのに、鯛の形をしているから「たい焼き」と呼んでいるじゃないか。ハリウッド映画だって同じ理屈だ。しかし、「西歐系俳優を用いているから、ユダヤ人映画じゃない」と言われても、いまひとつ納得できない。こうした「大人の事情」は、子供電話相談室に尋ねても、誰も答えてはくれないだろうなぁ。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68732542.html
  

88. 中川隆[-13654] koaQ7Jey 2018年9月12日 07:56:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18466] 報告
2018.09.12
イドリブへの空爆が始まる中、化学兵器を使った偽旗作戦が進行している


 シリアの北西地域にあるイドリブはトルコに接し、ジハード傭兵に支配されてきた。その地域を奪還するため、シリア政府軍とロシア軍は空爆を始めているようだ。アメリカ政府はロシア政府を恫喝しているようだが、効果があるようには思えない。

 この傭兵にはアメリカ系のグループとトルコ系のグループが存在、アメリカを後ろ盾とするタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)はアル・カイダ系。アメリカ大統領の​ブレット・マクガーク特使はこの地域について、9/11からアル・カイダの最も大きな避難場所だと表現​していた。

 アメリカを含む外国勢力が2011年にリビアを侵略した際、NATOがアル・カイダ系武装勢力LIFGと連携していることが明確になり、その戦闘員が武器/兵器と一緒にシリアへ移動したことも明らかになった。つまり、シリアへもアル・カイダ系武装勢力が攻め込んでいることが否定できなくなった。

 そこでバラク・オバマ大統領(当時)は「穏健派」というタグを持ち出して誤魔化そうとしたが、2012年8月、アメリカ軍の情報機関​DIA(国防情報局)はシリアで政府軍と戦っている勢力について、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)、ムスリム同胞団、アル・カイダ系のAQI(アル・ヌスラを実態は同じだとDIAは報告している)だと報告​している。オバマ大統領がいうところの「穏健派」は存在しないということだ。

 DIAはバラク・オバマ政権の反政府勢力への支援がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配圏を生み出すことになるとも警告しているが、これは2014年以降、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。その年にマイケル・フリンDIA局長は解任されている。

 DIAが報告を出した2012年8月、オバマ大統領は直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言した。シリア政府軍を攻撃して体制転覆を目指すということであり、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)、ムスリム同胞団、そうした人びとによって編成されているアル・カイダ系武装集団を助けるということにほかならない。

 2012年12月に国務長官だったヒラリー・クリントンはバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性を口にし、13年1月29日付けのデイリー・メール紙には、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつけようとしているとする記事が載る。イギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールに、そうした作戦をオバマ大統領が許可したという記述があるというのだ。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 2013年には3月と8月に政府軍が化学兵器を使ったという話が流れるが、いずれも嘘であることがばれている。これは本ブログでも何度か書いた。

 嘘が明らかになるまである程度の時間が必要だが、それまでの間にオバマ政権はアメリカ軍に攻撃を始めさせようとする。9月の上旬に実行するという話が流れる中、そのタイミングで地中海からシリアへ向かってミサイルが発射される。が、このミサイルは途中で海中へ落ちてしまう。イスラエルはミサイルの発射実験を行ったと発表するが、事前の警告はなく、ECM(電子対抗手段)が使われたと言われている。この直後、ロシア政府が主導、国連の決議を経てシリア軍は保有する化学兵器を全て廃棄した。

 そして2014年に登場してきたのが「残虐性」を誇示するダーイッシュ。そのダーイッシュを叩くという名目でアメリカ軍はシリア政府の承認を受けずに空爆を開始、シリアのインフラを破壊、後にシリア政府軍に対する攻撃も始めた。ロシア軍が介入するまでの約1年間、ジハード傭兵の支配地は拡大していく。

 その後、嘘が明らかになっても「化学兵器話」をアメリカ政府は持ち出す。その話を広める役割を果たしてきたのがSOHR(シリア人権監視所)やSCD(シリア市民防衛)。SCDは白いヘルメットと呼ばれることが多い。ロシア国防省によると、SCDは現在、化学兵器による攻撃を受けたとするシーンの撮影を行っているという。

 このSOHRはラミ・アブドゥラーマン(本名オッサマ・スレイマン)がイギリスで個人的に設置した団体だが、​イギリス外務省から約19万5000ポンド相当の支援​をしている。2011年にスレイマンはシリア反体制派の代表としてウィリアム・ヘイグ元英外相と会ったとも報道されている。


 今年(2018年)4月7日にシリア政府軍がドゥーマで化学兵器を使ったとSCDとジャイシュ・アル・イスラム(アル・カイダ系)が宣伝、それを理由にしてアメリカ、イギリス、フランスの3カ国はOPCWが現地を調査する直前の4月14日にシリアをミサイル攻撃した。ジャイシュ・アル・イスラムを指揮していたのはイギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーで、MSF(国境なき医師団)が隠れ蓑として使われてきたとも報告されている。

 SCDは2013年3月にジェームズ・ル・ムズリエというイギリスの元軍人が編成、訓練してきた。この人物は2000年にイギリス軍から退役し、傭兵組織の特別プロジェクトの幹部になる。この組織の後にアカデミ(ブラックウォーターとして創設、Xeに改名、現在に至る)に吸収された。

 SCDの設立資金30万ドルはイギリス、アメリカ、そして日本から得ているが、その後、アメリカ政府とイギリス政府から西側のNGOやカタールを経由して1億2300万ドルが渡った。

 また、アメリカ国務省の副スポークスパーソンのマーク・トナーは2016年4月27日、SCDがUSAIDから2300万ドル受け取っていることを認めた。言うまでもなく、USAIDはCIAの資金を流すパイプ役。そのほか投機家で旧ソ連圏の制圧を目指しているジョージ・ソロス、さらにオランダやイギリスの外務省も資金を提供している。

 リビアやシリアへの軍事侵略ではイギリスやフランスが積極的に動いているが、SOHRやSCDの背後にもイギリス政府が存在。アメリカのリチャード・ブラック上院議員は先週、イギリスの対外情報機関MI6がシリアで化学兵器を使った偽旗作戦を進めていると語っている。

 イドリブでタハリール・アル・シャームとジャイシュ・アル・イスラムは手を組んでいる。が、正確に言うならば本体は同じで、タグが違うだけ。つまり、連合ではなく合流したと言うべきだろう。

 その後にドゥーマへ入って調査した​OAN(アメリカのケーブル・テレビ局)の記者​やイギリスのインディペンデント紙の​ロバート・フィスク特派員​は化学兵器が使われた痕跡はないと報告している。

 また、ロシア系の​この3カ国にドイツが加わる動き​は西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、その親子は化学兵器が使用されたという話を否定している。その後、現地入りしたOPCWのチームも化学兵器が使用された痕跡はないとしている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809120000/

89. 中川隆[-13640] koaQ7Jey 2018年9月15日 08:51:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18547] 報告
2018.09.15
米政権はイランの石油輸出を止めようとしたが、中国とインドが買い続けて失敗



 アメリカのドナルド・トランプ政権はイランの現体制を破壊しようとしている。ロスチャイルド資本と関係の深いネオコンにしろ、ウラジミール・ジャボチンスキーを祖とし、ベンヤミン・ネタニヤフにつながるリクードの人脈にしろ、この点は同じだ。

 イランでは1979年にイスラム革命で王制が倒され、その年の11月に「ホメイニ師の路線に従うモスレム学生団」を名乗るグループがアメリカ大使館を占拠、機密文書を手に入れる一方、大使館員など52名を人質にとる。

 その翌年はアメリカで大統領選挙が行われた。現職だったジミー・カーターはパレスチナ人に近すぎるとして親イスラエル派に嫌われ、反カーター・キャンペーンが展開されていたのだが、52名の人質が選挙前に解放された場合、カーターにとって追い風になって再選の可能性があった。

 そこでロナルド・レーガンやジョージ・H・W・ブッシュを支援していた共和党のグループはイスラエルのリクード政権と手を組み、人質の解放を遅らせようとする。この工作は成功し、人質が解放されたのはレーガンの大統領就任式の当日、つまり1981年1月20日のことだった。

 この工作でイランの革命政権ともパイプができ、アメリカからイランへ武器が密輸される。この密輸の儲けがニカラグアの反革命ゲリラ支援に使われ、この工作が発覚してから「イラン・コントラ事件」と呼ばれるようになる。

 この工作の背後にはズビグネフ・ブレジンスキーが始めたアフガニスタンでの秘密工作があった。ソ連軍をアフガニスタンへ誘い込み、サウジアラビアが雇い、送り込んできたサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心に編成した傭兵部隊と戦わせるという内容で、これは成功した。

 アフガニスタンでの工作資金を捻出するためにCIAはヘロインを売る。そのため非合法のケシを栽培する中心地は東南アジア(黄金の三角地帯)からアフガニスタンとパキスタンの山岳地帯へ移動した。中米における工作ではコカインが使われている。

 イスラム革命の翌年、1980年の9月にイラク軍がイランの南部を攻撃してイラン・イラク戦争が始まった。イラクのサダム・フセインはCIAの手先として権力を握った人物で、アメリカ支配層の要請を受けての行動だったのだろう。この戦争でイランはアメリカから武器を調達する必要に迫られ、イランとアメリカとの関係が接近する。

 イラン・イラク戦争は1988年8月に終了、その翌年にイラン大統領となったのはハシェミ・ラフサンジャニ。この政権は新自由主義化を進め、私有化や貿易の自由化を推進した。その結果、少数の大金持ちと多くの貧困層を生み出すことになる。

 当然、イランの庶民は激怒、マフムード・アフマディネジャドが2005年の大統領選で勝利した。新大統領はこうした状況を変えようと試み、まず欧米の金融資本と結びついたパールシヤーン銀行にメスを入れようとしたのだが、成功しなかった。この勢力に西側は期待しているのだろう。

 ハサン・ロウハーニ大統領は西側から「穏健派」、つまりラフサンジャニに近い人物だと見られていたが、西側の思惑通りには動かなかった。そこでトランプ政権による「制裁」につながる。

 イランでは1951年にムハマド・モサデク首相がイギリス系のAIOC(アングロ・イラニアン石油)の国有化を決める。この会社を通じてイギリス支配層はイランの富を盗んでいた。1950だけでAIOCが計上した利益は1億7000万ポンド、そのうち1億ポンドをイギリスへ持ち帰っている。AIOCの筆頭株主はイギリス政府で、発行済み株式の約半分を保有していた、つまりAIOCの利益がイギリスの財政を支えていたのである。イラン国民はほとんど利益を受け取っていない。

 そこでイラン政府はAIOCの国有化を決めたのだが、それに対してイギリス政府はアメリカ支配層の力を借りてクーデターを実行、モサデク政権を倒しているが、その際に米英側はイラン政府が石油をオープン・マーケットで売却することを阻止、イランは経済的に追い詰められた。そこでソ連に接近するのだが、この商談はクーデターで成功しなかった。

 トランプ大統領はこの「成功体験」を再現しようとしたのだろうが、イランの石油の約6割を買っているという中国とインドがアメリカの命令に従わない。イランの石油輸出による収入は今年3月に比べて7月は6割増になっているという。アメリカが仕掛けた経済戦争は裏目に出たようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809150000/

90. 中川隆[-13568] koaQ7Jey 2018年9月22日 07:08:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18742] 報告
2018.09.22
フランスとイギリスがシリア侵略で積極的な歴史的背景



 ロシアの電子情報支援機IL20の撃墜に絡み、IFF(敵味方識別装置)の問題が指摘されている。IFFが機能していればシリア政府軍が発射したS200によってロシア軍機が撃ち落とされることはないだろうというわけだが、ロシア国防省は輸出用のS200にはIFFが搭載されていないとしている。S200は1960年代の後半から使われている旧型のミサイルだということもあり、ロシア側が主張するようにIFFは搭載されていなかったようだ。

 しかし、IL20が撃墜されるタイミングでフランス海軍のフリゲート艦オーベルニュがミサイルを発射しているとロシア国防省は発表している。イスラエル軍のF16戦闘機4機による攻撃とオーベルニュの攻撃が無関係だとは思えない。イスラエル軍とフランス軍は連携してシリアを攻撃したのだろう。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、2011年春にリビアとシリアに対する侵略戦争が始まった当初からフランスとイギリスは積極的だった。アメリカに強制されたとは言えない。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権で国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツは1991年にシリア、イラン、イラクを殲滅すると発言したとウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が語っている。

 1991年1月から2月にかけてアメリカ軍はイギリス、フランス、サウジアラビア、クウェートの軍隊を引き連れてイラクへ軍事侵攻(砂漠の嵐作戦)したが、サダム・フセインを排除しなかった。

 ウォルフォウィッツなどネオコンはブッシュ大統領の決断に怒り、シリア、イラン、イラクを殲滅するという発言につながったのだが、ロシア軍が出てこなかったことにも注目している。ロシア軍はアメリカ軍の行動に手を出せないと判断したのだ。

 当時、ロシアは西側巨大資本の傀儡だったボリス・エリツィンが実権を握っていた。ロシア軍に軍事介入する力はあったのだが、アメリカに逆らわなかったのだ。21世紀に入り、ウラジミル・プーチンが大統領に就任すると状況が変化、アメリカ従属はの力は弱くなり、2008年にはジョージア軍を使って南オセチアを奇襲攻撃したが、ロシア軍の反撃で惨敗している。

 ジョージア軍は何年にもわたってイスラエルとアメリカから軍事訓練を受け、兵器の提供も受けるなど長い準備期間を経ての作戦だった。その作戦自体、イスラエルが立案したと推測する人もいる。そのジョージア軍と反撃してきたロシア軍は同程度の規模だったのだが、ロシア軍が勝利するまでに要したのは96時間だけだった。

 ロシア軍とアメリカ軍が衝突した場合、アメリカ軍に待っているのはジョージア軍と同じ運命。そのためか、2011年にリビアとシリアを侵略する場合、バラク・オバマ政権はサラフィ主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)やムスリム同胞団を主力とするジハード傭兵を使った。

 リビアではこうしたジハード傭兵(アル・カイダ系武装集団)とNATO軍の連携が機能してムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月に倒され、カダフィ自身は惨殺される。ところがシリアは違った。シリア軍の強さもあるが、国内事情の違いもあった。国内にアメリカなど外国勢力が使える反政府勢力が存在しなかったのだ。

 ところで、ネオコンは遅くとも1991年にシリア侵略を考えているが、1988年から93年にかけてフランスの外相を務めたロラン・デュマによると、イギリスとフランスは2009年の段階でシリア侵略を目論んでいた可能性が高い。彼はあるパーティーでイギリス人とフランス人のふたりからシリア政府の転覆工作に加わらないかと声をかけられたというのだ。そのふたりが誰かは語られていないが、ニコラ・サルコジ政権やフランソワ・オランド政権はシリアでの平和を望んでいないとデュマが判断するような相手だったという。

 また、シリア駐在のフランス大使だったエリック・シュバリエによると、2011年3月にシリアでは大規模な反政府行動があり、政府が暴力的に参加者を弾圧しているとする報道があった際にシュバリエは現地を調査、抗議活動は大規模な者でなく、すぐに平穏な状況になったことを確認し、そのようにパリへ報告したのだが、ジュッペ外相はそれを無視するだけでなく、シリアのフランス大使館に電話して「流血の弾圧」があったと報告するように命じたというのだ。「独裁者による民主化運動の弾圧」というストーリーをフランス政府は求めていた。勿論、侵略を正当化するためだ。

 2011年当時から言われていたが、イギリスとフランスは「サイクス・ピコ協定(小アジア協定)」のコンビ。第1次世界大戦の最中、16年5月にイギリスとフランスは帝政ロシアも巻き込んで利権の獲得を目的とした秘密協定を結び、6月にイギリス外務省アラブ局はアラブ人を扇動して反乱を起こさせたのだ。この部署に所属していたひとりがトーマス・ローレンス、いわゆる「アラビアのロレンス」である。この人物を主人公としたイギリス映画がデビッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演で作られた理由は言うまでもないだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809210000/

91. 中川隆[-13530] koaQ7Jey 2018年9月28日 10:00:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18883] 報告

2018.09.28
シリア侵略に失敗した西側諸国の軍隊が艦船を地中海へ集めている



 アメリカ主導軍が艦船を地中海へ集めている。ロシアの電子情報支援機IL20が撃墜される直前にミサイルを発射していたフランス海軍のフリゲート艦オーベルニュのほか、第2常設北大西洋条約機構海洋グループ(オランダ軍の駆逐艦デ・ロイテル、ギリシャ軍のフリゲート艦エリ、カナダ軍のフリゲート艦ビル・ド・ケベック、アメリカ軍の4駆逐艦カミー、ロス、ウィンストン・S・チャーチル、バルケリー)、アメリカ第6艦隊の揚陸指揮艦マウント・ホイットニーと3隻以上の原子力潜水艦、空母ハリー・S・トルーマンを中心とし、巡洋艦ノルマンディーを含む艦船、ドイツ軍のフリゲート艦アウクスブルクなどがこの海域へ現れたと伝えられている。ロシア軍はIL20が撃墜された後にシリア沖で軍事演習を実施した模様だ。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールなどがジハード傭兵を使って2011年3月に始めたシリア侵略は失敗に終わった。2015年9月にロシア軍がシリア政府の要請で介入、その傭兵軍を敗走させたからだ。

 ユーフラテスの北側でアメリカ軍はクルド勢力を抱き込み、イギリス軍やフランス軍と20カ所以上で軍事基地を建設して居座る姿勢を見せているが、南側ではトルコと接するイドリブをアメリカの影響下にあるアル・カイダ系のタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)が支配、アル・タンフはアメリカが不法占領し、同国とイギリスの特殊部隊が反シリア政府軍を訓練してきた。アメリカ軍はそのアル・タンフで今月(2018年9月)上旬に軍事演習を実施している。

 イドリブではシリア政府軍とロシア軍が奪還する作戦を始める姿勢を見せ、対抗してアメリカ、イギリス、フランスは直接的な軍事介入を行うと脅していた。米英仏の3カ国は軍事介入を正当化するために化学兵器を使った偽旗作戦を実施する準備を進めているとロシア軍は警告していた。

 化学兵器の使用をアメリカ政府が言い始めたのは2018年8月。当時のアメリカ大統領はバラク・オバマだが、この大統領は生物化学兵器の使用をシリアに対する直接的な直接的な軍事介入のレッド・ラインだとした。それ以来、化学兵器は侵略の口実として使われてきたが、いずれも後にアメリカの主張は嘘だと言うことが判明している。

 イドリブでの制圧作戦をシリア政府軍とロシア軍が本格化させた場合、アメリカ主導軍と軍事衝突に発展する可能性もあったのだが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とロシアのウラジミル・プーチン大統領は政府軍とジハード傭兵軍との間に15から20キロメートルの幅で非武装地域を設置することで合意している。IL20が撃墜されたのはその数時間後だ。その後、イドリブを攻撃するために終結していたシリア政府軍はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に対する掃討作戦を実行するために南部へ移動したと言われている。

 ロシアとトルコの合意によってアメリカなどが計画した化学兵器を口実とした軍事侵攻は難しくなった。IL20をフランス軍が撃墜したとなればNATO軍とロシア軍の衝突という事態もありえたが、シリア軍のS200がイスラエル軍機を間違って撃ち落としたとロシア国防省は説明、シリア軍へS300を2週間以内に引き渡し、シリアの防空部隊司令部に自動化されたコントロール・システムを装備させ、航空機の衛星ナビゲーション、搭載されたレーダー、通信システムをECM(電子対抗手段)でジャミングすると宣言した。ロシア軍は事実上、シリア上空を飛行禁止にしたと考えられている。

 シリア侵略のためにオバマ政権が立てた最初の作戦は破綻した。ドナルド・トランプ政権はシリアから手を引く姿勢も見せたのだが、イスラエルやサウジアラビアはアメリカ政府に軍事的なエスカレーションを要求、おそらくイギリスやフランスもアメリカ軍にさらなる軍事力の行使を求めただろう。そして、アメリカ主導軍は艦船を地中海へ集めているわけだ。

 イランの石油輸出を止めるというアメリカ政府の目論見も失敗した可能性が高く、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランスといった国々の圧力で新たな戦争が勃発しても不思議ではない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809280000/

92. 中川隆[-13415] koaQ7Jey 2018年10月07日 05:35:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19057] 報告

2018.10.07 追い詰められるアメリカ

 かつてリチャード・ニクソンは世界を自分たちが望む方向へ導くため、人びとにアメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせるべきだと考え、またイスラエルのモシェ・ダヤン将軍は狂犬のようにならなければならないと語ったと言います。


 「触らぬ神に祟りなし」と思わせようということでしょうが、そうした「神」に対して下手に出たところ、つけあがって手に負えなくなりました。こうした「神」が支配する体制で官僚と呼ばれる神官たちは支配を正当化するために神話を作り出し、信徒たちは自分たちの信仰を正当化するため、「民主」、「自由」、「人権」といった実態の伴わない空疎な呪文を唱えています。


 この神国にはソ連というライバルが存在したのですが、そのソ連が1991年12月に消滅すると、その神官たちは世界をカルト化するために侵略戦争を計画します。それがウォルフォウィッツ・ドクトリンだということは本ブログで繰り返し書いてきました。


 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によりますと、ソ連の消滅が見通されていたであろう1991年にアメリカの国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていました。


 ウォルフォウィッツたちネオコンは1980年代からフセイン政権を倒してイラクに親イスラエル体制を樹立させ、シリアとイランを分断して個別撃破するというプランを立てていました。すでにサウジアラビアはイスラエルの影響下にあり、イラク、シリア、イランで「レジーム・チェンジ」に成功すれば中東全域を支配できるというわけで、それはエネルギー資源の独占につながります。


 ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づく侵略戦争が本格化する引き金になった出来事が2001年9月11日に引き起こされます。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州のアーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃です。


 その後、この攻撃に無関係だったアフガニスタンとイラクを先制攻撃、ジョージアを使って南オセチアを奇襲攻撃して失敗、正規軍の戦闘でロシア軍に勝つことは難しいと考えたのか、バラク・オバマ政権はジハード傭兵を使って2011年春にリビアとシリアへの侵略戦争を始めます。


 アメリカの支配層が中東からアフリカにかけての地域で侵略戦争を始めた理由は石油をはじめとする資源を支配するためでした。アフガニスタンでは殺戮と破壊が続き、イラクのサダム・フセイン体制はアメリカ主導軍による先制攻撃で破壊され、リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はジハード傭兵とNATO軍の連合軍によって倒されました。その次がシリアですが、この国は屈服せず、イランやロシアの支援を受けて侵略軍を追い出しつつあります。1990年代のロシアは米英巨大金融資本の属国でしたが、21世紀に入って再独立、急速に国力を回復させたのです。


 ジハード傭兵とは1970年代の終盤、ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが考えたサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団のメンバーを主力とする傭兵たちで、アメリカから武器/兵器の提供を受け、CIAから軍事訓練を受けてきました。そうした訓練を受けたメンバーのデータベースがアル・カイダです。アメリカの軍や情報機関はチェチェンや新疆ウイグル自治区の出身者も傭兵として使っています。


 少し前からアメリカ軍はジハード傭兵の幹部をヘリコプターなどで救出、一部はアフガニスタンへ運び、一部はユーフラテス川の北を支配しているクルド勢力に合流させたと言われています。イドリブにはアメリカ系の傭兵が残っているようですが、その他の地域で救出されなかった戦闘員は切り捨てられたか、欧米以外を後ろ盾とする戦闘集団である可能性があります。


 脅して屈服させるというアメリカ/NATOやイスラエルが使ってきた戦術の限界が見えています。これまではロシア政府が巧妙に回避してきましたが、それを「弱さの証拠」と考えている可能性が高く、軍事的な緊張を緩和されようとするとは思えません。


 しかし、こうしたアメリカ/NATOやイスラエルの姿勢は自らを孤立化させることになりました。そうした動きは中東だけでなく、東アジアでも見られます。朝鮮半島の問題ではロシア、中国、韓国が主導権を握り、朝鮮を巻き込んで緊張緩和の方向へ引っ張っているように見えます。アメリカ支配層は追い詰められているのです。


 そうした中、9月17日にはシリア沖でロシア軍の電子情報支援機IL−20が撃墜されました。その原因を作ったとしてイスラエル軍をロシア政府は厳しく批判、これまでイスラエル政府に配慮してシリア軍へ提供していなかった防空ミサイルS-300をシリア側へ引き渡しています。さらに、自動化されたコントロール・システムをシリアの防空部隊司令部へ提供、航空機の衛星ナビゲーション、搭載されたレーダー、通信システムをジャミングするともしています。事実上、シリア上空を飛行禁止空域にしたわけです。


 アメリカは支配力を回復しようと軍事力を使い、威嚇するだけでなく破壊と殺戮を繰り返し、ドル支配を利用して経済戦争を仕掛けています。先住民の殲滅から始まったアメリカの歴史は血塗られています。


 ロシアが再独立した結果、恐怖が和らぎ、冷静に国際情勢を観察する人が増えてきたようです。冷静に見ると、アメリカは醜悪で貧弱だということがわかります。そうした実態を知る人が増えたなら、アメリカの支配力は急速に低下するでしょう。アメリカは追い詰められています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810070000/

93. 中川隆[-13326] koaQ7Jey 2018年10月18日 06:19:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19300] 報告
2018.10.18
シリアの侵略戦争と有力メディアの責任


 シリアの人びとは侵略者と戦っている。内戦が繰り広げられているわけではない。侵略者とはアメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールの支配者たちだが、後にトルコとカタールは離脱した。

 調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​によると、2007年の初めにジョージ・W・ブッシュ政権は中東政策の方針を大きく変更している。シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを最大の敵だと定め、スンニ派の過激派と手を組むことにしたのだ。

 手先として利用されるスンニ派の勢力はサラフィ主義者とムスリム同胞団だという見方をハーシュは紹介しているが、それはイラクで倒されたサダム・フセインの残党が含まれていることを意味する。サラフィ主義者とムスリム同胞団を主力とする傭兵集団とはアル・カイダ系武装集団にほかならず、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)にもつながる。

 この方針転換の中心には副大統領だったディック・チェイニー、国家安全保障副補佐官だったエリオット・エイブラムズ、イラク駐在大使だったザルマイ・ハリルザド、そしてサウジアラビアの国家安全保障会議事務局長だったバンダル・ビン・スルタン。バンダルはブッシュ家やチェイニーと親しいことで知られている。国単位ではアメリカ、イスラエル、サウジアラビアが主体になることが決まった。この3国同盟は1970年代の終盤に作られている。

 2009年1月にアメリカ大統領はバラク・オバマになるが、このオバマはムスリム同胞団を中心にした蜂起でシリアやリビアで体制を倒そうとする。そして2010年8月に出された指令がPSD-11。ブッシュ・ジュニア政権とオバマ政権の政策は継続されている。

 西側の有力メディアは政府の治安当局が住民による民主化要求の蜂起を弾圧したことが戦乱の始まりだと宣伝していたが、2010年からシリアで活動を続けているベルギーの修道院の​ダニエル・マエ神父​は住民による反政府の蜂起はなかったと語っている。西側の政府や有力メディアの宣伝とは違って市民の蜂起などはなく、したがって政府による弾圧もなかったということだ。現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、​マザー・アグネス・マリアム​も外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。

 2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は侵略勢力に倒され、戦闘員や兵器/武器はシリアへ集中されるのだが、体制転覆に手間取る。リビアのケースと同じようにNATO軍を投入するため、「政府軍による住民虐殺」を宣伝するが、これは嘘だとすぐにばれてしまう。嘘を暴いたひとりが東方カトリックのフランス人司教で、​現地を調査した結果をローマ教皇庁の通信社が伝えている​。

 この司教も住民を虐殺したのはサラフィ主義者や外国人傭兵だと報告している。そして、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とも書いている。シリアが戦乱で破壊され、多くの人が殺されている原因を作っているのは西側の有力メディアだと指摘しているのだ。こうしたメディアの人間は今だに何も反省していない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810180000/

94. 中川隆[-13507] koaQ7Jey 2018年11月07日 07:15:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20215] 報告
2018.11.07
フェイク・ニュースを発信する米有力メディアへの信仰を捨てられない人びと
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811050000/


 アメリカの支配層はフェイク・ニュースで人心を操作している。その重要な道具が有力メディアだということは言うまでもない。日本にはアメリカの有力メディアを「言論の自由」の象徴だと錯覚、崇拝している人もいるようだが、実態はプロパガンダ機関、つまりフェイク・ニュースの発信源だ。

 第2次世界大戦が終わった直後に情報をコントロールする目的でモッキンバードというプロジェクトが始められたことは本ブログでも繰り返し書いてきたが、1991年12月にソ連が消滅した後、西側ではあからさまな偽情報が伝えられるようになった。これはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づくネオコンの世界制覇計画と連動している。

 有力メディアが戦争熱を煽るが、1993年にアメリカ大統領となったビル・クリントンは戦争に消極的。そうしたこともあり、この年の9月2日には有力者の公開書簡がウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載された。署名した有力者にはイギリスのマーガレット・サッチャー元首相、アメリカのジョージ・シュルツ元国務長官、フランク・カールッチ元国防長官、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ポール・ニッツェ、ジョージ・ソロス、あるいはネオコンとして知られているジーン・カークパトリック、アルバート・ウールステッター、ポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パールが含まれていた。その後、クリントン大統領はスキャンダルで苦境に陥る。

 クリントン政権が好戦的な方向へ開示を切ったのは、ヒラリー・クリントンの友人でブレジンスキーの教え子でもあったマデリーン・オルブライトが国務長官へ就任した1997年1月以降。オルブライトは1998年秋にユーゴスラビアへの先制攻撃を支持すると表明した。

 1998年10月にクリントン大統領はリチャード・ホルブルックをユーゴスラビアへ派遣、コソボから軍隊を引き揚げなければ空爆するとスロボダン・ミロシェビッチ大統領を脅し挙げた。ミロシェビッチは10月の終わりに撤退計画を発表しているが、アメリカ支配層は空爆へ突き進む。

 コソボにあるユーゴスラビアの警察署で45名が虐殺されたという話が1999年1月に流されるが、これは嘘だった。死者が出たのは警察側とKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)との戦闘の結果で、その様子はAPのテレビ・クルーが撮影していた。

 偽情報の発信源であるウィリアム・ウォーカーはアメリカの元エル・サルバドル駐在大使。大使時代の1989年にエル・サルバドルではカトリックの指導的立場にあった司祭6名とハウスキーパーやその娘がエルサルバドル軍によって殺害されたが、この事件に関する調査をウォーカーは妨害している。教会が脱出させようとした目撃者にウォーカーたちは接触し、証言内容を変えなければエルサルバドルに送り返すと脅したのだ。そして1999年3月、NATO軍はユーゴスラビアに対して全面攻撃を加えた。

 なお、1999年3月にクリントン大統領を追及していた検察側の中心的な証人が反クリントン・キャンペーンを展開しているグループからカネを受け取っていることが判明、検察側が偽証工作を行った疑惑も出て来た。(Murray Waas, 'Behind the Clinton cocaine smear,' SALON, March 26, 1998)

 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ政権はイラクを先制攻撃するが、その口実にされた「大量破壊兵器」の話が嘘だということはブッシュ政権の閣僚たちも認めている。その嘘でイラクは破壊され、100万人程度の市民が殺されたと推測されている。

 バラク・オバマ大統領が2011年にアル・カイダ系武装勢力(サラフィ主義者やムスリム同胞団が中心)を使ってリビアやシリアへの侵略戦争を開始、リビアではNATO軍がその武装勢力を空爆で支援した。この辺の事情は本ブログで繰り返し書いてきたので、今回は割愛する。この侵略戦争では人権や民主といったタグが使われたが、いずれも嘘だった。

 オバマ政権は2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを実行している。その手先になったのはネオ・ナチ。民主的に選ばれた政権を暴力的に排除、今でも破壊と殺戮を続けている。このクーデターをロシアからの侵略だと宣伝してきたのも西側の有力メディアだ。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィは8カ月ほどで倒されたが、シリアのバシャール・アル・アサド政権は倒れない。オバマ政権が直接的な軍事介入の準備を整えた2015年にロシア軍がシリア政府の要請で介入、アメリカなど侵略勢力の手先になっていたアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の支配地域は急速に縮小、アサド政権の打倒は無理な状況になっている。

 アメリカ支配層は富を独占するために破壊と殺戮を繰り返し、その実態を隠すためにフェイク・ニュースを流し、その嘘を暴く情報を「フェイク・ニュース」だと攻撃してきた。事実をチェックすれば有力メディアの嘘はすぐわかるのだが、権威好きの人びとには有力メディアのフェイク・ニュースは効果的なようだ。

 アメリカの支配層にはビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ、ドナルド・トランプといった歴代大統領も含まれている。支配層には一種の派閥があり、今は対立が激しくなっている。オバマやヒラリー・クリントンを担いだ勢力はトランプやウラジミル・プーチンを悪役に仕立て上げ、自分たちは善人づらしているが、フェイク・ニュースという点ではこの反トランプ派の方があくどい。

 こうした反トランプ派の有力メディアが展開してきたロシアゲートは証拠が示されていない。単なる言いがかり。いや、証拠はそれがフェイク・ニュースだということを示しているのだが、アメリカの有力メディアを崇拝している人にはその実態が見えていない。

 第2次世界大戦後、そうしたフェイク・ニュースをつかった人物がアメリカで猛威を振るった。その人物とは上院議員だったジョセフ・マッカーシー。その背後にはFBI長官だったJ・エドガー・フーバーがいた。「マッカーシー旋風」はマッカーシー上院議員だけで行ったわけではない。

 フーバー長官は映画の影響力を認識、ハリウッドの情報収集と弾圧を展開する。そのときに手先になったひとりがロナルド・レーガン。後のアメリカ大統領だ。ハリウッドはカリフォルニア州にあるが、1943年から53年にかけてカリフォルニア州知事を務めたのが後にジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関する委員会の委員長に就任するアール・ウォーレン。その関係でフーバーとウォーレンは関係が深かった。言うまでもなく、現在のハリウッドは支配層の宣伝機関、偽情報の発信源にすぎない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811050000/

95. 中川隆[-13656] koaQ7Jey 2018年11月19日 19:33:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20911] 報告

【討論】中東情勢の真実2018 Part2−トランプと中東戦略の行方[桜H30-11-17] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=UGgHTO15YJ8


2018/11/17 に公開

◆中東情勢の真実2018 Part2−トランプと中東戦略の行方

パネリスト:
 加瀬英明(外交評論家)
 山正之(コラムニスト)
 田中宇(国際情勢解説者)
 藤和彦(経済産業研究所上席研究員)
 馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)
 宮崎正弘(作家・評論家)
 吉川圭一(グローバル・イッシューズ総合研究所代表)
司会:水島総

96. 中川隆[-13634] koaQ7Jey 2018年11月26日 11:38:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21145] 報告
2018.11.26
シリアが安定しつつある中、アメリカが戦闘の激化を目論む動き

 シリアのバシャール・アル・アサド政権の打倒を目指して戦闘を続けてきたサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とするジハード傭兵は壊滅寸前の状態で、内部抗争も伝えられている。

 イラクの政府系武装集団のハシュド・アル・シャービによると、アメリカ軍はダーイッシュを率いてきたと言われているアブ・バクル・アル・バグダディを助けるため、ライバルの武装集団のリーダーをドローンで殺害しているという。

 シリアから流れてくる情報によると、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の幹部をアメリカ軍はヘリコプターで救出している。

 そのハシュド・アル・シャービはシリアに残っているダーイッシュを攻撃する準備を進めているようだが、アメリカの情報機関はイラクにあるハシュド・アル・シャービの基地に関する情報を収集中で、攻撃の準備ではないかとも言われている。

 アル・バグダディはムスリム同胞団の出身だと言われ、アメリカの軍や情報機関と連携している可能性は高い。バラク・オバマ大統領が2010年8月に出したPSD-11はイスラム世界で政権転覆工作を実行するためにムスリム同胞団を使うとしている。

 アル・バグダディはイスラエルのスパイだという噂もあるが真偽は不明。ただ、シリアで戦うジハード傭兵がゴラン高原でイスラエルと連携していることは本ブログでも何度か書いた通りだ。

 エルサレム・ポスト紙によると、​2013年3月から16年5月までイスラエルの国防大臣を務めたモシェ・ヤーロンは在任期間中、シリアの反政府軍と会っている​。アル・カイダ系武装集団にしろ、ダーイッシュにしろ、イスラエルを攻撃することはない。

 ジハード傭兵を使った侵略を行ってきたのはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟、イギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビ。当初はトルコやカタールもシリア侵略に加担していた。

 しかし、2015年9月末、アメリカのバラク・オバマ政権が閣僚を好戦的な布陣に変更した直後、シリア政府の要請でロシア軍が介入したことで戦況は一変、アメリカなどが送り込んだジハード傭兵の支配地域は急速に縮小、今ではアサド政権の打倒は無理だという認識が広がっている。そうした状況を受け、シリア政府との関係を修復する動きが現れてきた。


 こうした動きはアメリカの支配層にとって好ましくない。アメリカ軍はシリア領内でジハード傭兵に対する訓練を続けているようで、再び戦火を広げようとしているのかもしれない。そうした中、反政府軍はアレッポで塩素を使用、ロシア軍はその部隊を空爆したと伝えられている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811260000/

97. 中川隆[-13732] koaQ7Jey 2018年11月30日 06:45:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21442] 報告
2018.11.29
外部で発信される嘘を伝えるという米有力メディアの手法(1/2)


 イギリスのガーディアン紙が伝えたポール・マクフォートとジュリアン・アッサンジが何度か会ったとする記事は信憑性が薄く、同紙の信頼度をさらに低めることになっているが、アメリカの有力メディアはその報道を伝えるという形で宣伝を展開している。

 そうした報道/プロパガンダで作り上げたイメージを使い、アメリカ支配層はアッサンジを逮捕させ、アメリカで刑務所へ入れてしまおうと考えているのかもしれない。

 西側の有力メディアは偽情報を伝える際、一種の濾過システムを利用してきた。例えばシリアでの戦争では当初、シリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)を情報源として使った。間違っていても責任はデイエムやSOHRという構図だ。

 実際、デイエムの発信する情報が信頼できないことが2012年3月に発覚する。この人物を中心とするグループが「シリア政府軍の攻撃」を演出する様子が流出してしまったのだ。つまり「ヤラセ」が発覚した。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々がシリアやリビアに対する侵略戦争を始めたのは2011年春だが、その何年も前から順部は始まっていた。

 中東で侵略戦争を本格化させたのはジョージ・W・ブッシュ政権。2003年3月のイラクに対する先制攻撃が始まりだ。そのときに倒されたサダム・フセイン体制はスンニ派。戦争を主導したネオコンは親イスラエル体制を築く予定だったのだろうが、実際はイラクの多数派であるシーア派が実権を握り、イランと結びつく。

 そこで、2007年初めにブッシュ政権は中東政策の方針を大きく変更しているという。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、​シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを最大の敵だと定め、スンニ派の過激派と手を組むことにした​のだ。

 スンニ派の過激派とはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とするジハード傭兵で、その中にはフセイン体制の将兵も含まれていると言われている。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811290000/


2018.11.30
外部で発信される嘘を伝えるという米有力メディアの手法(2/2)


 2009年1月に大統領はバラク・オバマへ交代になるが、そのオバマは10年8月にPSD-11を出し、ムスリム同胞団を主力とする体制転覆プロジェクトを始める。それが2011年春に顕在化したわけだ。リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が2011年10月に倒れると傭兵や武器/兵器はシリアへ運ばれた。翌年に入ってシリアでの戦闘が激化したのはそのためだが、デイエムの嘘はばれてしまった。

 そこで現れてきたのがSCD(シリア市民防衛)、いわゆる「白いヘルメット」だ。この団体は2014年10月に創設されたことになっているが、前年のはじめにはジャームズ・ル・メシュリエが訓練を始めている。この人物はイギリス軍の元将校で、傭兵会社のブラックウォーター(後にXe、さらにアカデミへ名称変更)で働いた経験がある。

 西側では「善玉」として描かれるSCDだが、その実態はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の医療部隊。SCDとジハード傭兵のメンバーは重なっている。

 こうした個人や団体だけでなく、イギリスのトニー・ブレア政権もアメリカ支配層の侵略戦争を実現するため、偽情報を発信してきた。その一例が2002年9月にイギリス政府から発表された「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」、いわゆる「9月文書」だ。作成された文書はすぐにリークされ、イギリスのサン紙は「破滅から45分のイギリス人」という扇情的タイトルの記事を掲載した。

 アメリカのコリン・パウエル国務長官も絶賛していたが、これはある大学院生の論文を無断引用したもの。内容もイラクの脅威を正当化するために改竄されていたことが後にわかる。

 この文書が作成される半年前に​パウエルが書いたメモ​の存在が判明している。その中で、ブレア首相がパウエルに対してイギリスはアメリカの軍事行動に加わると書かれている。つまり開戦の1年前にでブレアは開戦に同意していた。ブッシュ政権は当初、2002年春に攻撃を始める予定で、その攻撃にイギリス軍も参加すると言うことだ。

 しかし、アメリカの統合参謀本部の内部では反対が強く、開戦は延期された。当初からイラクは2001年9月11日の攻撃に無関係で、大量破壊兵器を保有していないことをアメリカ軍はCIAと同様、熟知していたはず。イラクに対する戦争攻撃には「大義」がないということだ。しかもネオコンの立てた計画は無謀で、戦争の泥沼化は不可避だと判断されていた。

 そうした反対の結果、半年から1年ほど開戦が遅れた可能性が高い。そしてブレア政権の報告書は発表された。開戦を正当化するために作成されたと考えるべきだろう。

 そして2003年3月にアメリカやイギリスはイラクを先制攻撃するが、BBCのアンドリュー・ギリガンは5月にラジオ番組に登場、「9月文書」は粉飾されていると語る。サンデー・オン・メール紙では、アラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したと主張した。

 ギリガンがこの話を語って間もなく、彼の情報源が国防省で生物兵器を担当しているデイビッド・ケリーだということがリークされる。実際、2003年5月にギリガンとケリーはロンドンのホテルで会っていた。

 そのためケリーは7月15日に外務特別委員会へ呼び出されるのだが、その2日後に死亡する。公式発表では「自殺」ということになっているが、疑問は多く、今でも他殺説は消えていない。

 その後、「9月文書」が正しくないことはイギリスの外務大臣だったジャック・ストローが認めているが、その嘘を伝えたBBCでは粛清があり、執行役員会会長とBBC会長が辞任、ギリガンもBBCを離れた。政府に屈服したBBCはそれ以降、単なるプロパガンダ機関になる。

 アメリカの有力メディアは外部の個人や組織が流した情報を伝える傾向が強まっているように感じられる。支配層の好戦派にとって都合の良い話、つまり嘘を伝える役割を負っている彼らだが、その責任を回避するため、こうした手法を採用しているのかもしれない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811300000/

98. 中川隆[-13701] koaQ7Jey 2018年12月20日 09:19:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22207] 報告
2018.12.20
トランプ大統領が米軍をシリアから撤退させるという情報が事実ならクルドは苦境

 ドナルド・トランプ米大統領はシリアから軍隊を撤退さえる準備をしていると伝えられている。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の殲滅を完了したからだという。

 本ブログでも繰り返し書いてきたことだが、ダーイッシュやタハリール・アル・シャーム(アル・ヌスラ)といった戦闘集団はアメリカなどが編成したサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵にすぎない。

 その傭兵の歴史はジミー・カーター政権までさかのぼることができる。同政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーはアフガニスタンへソ連軍を誘い込み、そこでゲリラと戦わせるというプランを立てたのだ。

 戦闘集団の主力はサウジアラビアが送り込んだサラフィ主義者やムスリム同胞団。現地の同盟相手はパキスタンの情報機関が選び、アメリカは戦闘員を訓練すると同時に携帯防空システムのスティンガーや対戦車ミサイルのTOWを含む武器/兵器を供給した。西側の政府やメディアはこの戦闘員を「自由の戦士」と呼んだ。これは「テロリスト」の別名。

 ブレジンスキーのプランをカーター大統領が承認した1979年7月、アメリカとイスラエルの情報機関に深く関係している人々がエルサレムで「国際テロリズム」に関する会議を開いている。それ以降、その会議の参加者は「テロリズム」の黒幕はソ連だと宣伝しはじめた。

 アメリカなどは2011年春からジハード傭兵を使った侵略戦争をリビアとシリアで始めるが、その年の10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を壊滅させ、カダフィ自身は侵略軍に惨殺された。その際、NATO軍とアル・カイダ系武装集団LIFGの同盟関係が明確になってしまう。しかもリビアで戦った傭兵がシリアへ運ばれていることも発覚する。そこで使われ始めたのが「穏健派」と「過激派」、つまり「良いアル・カイダ」と「悪いアル・カイダ」が存在するという主張。

 勿論戯言だが、アメリカ軍の情報機関​DIA(国防情報局)も2012年8月にその事実を政府へ報告​している。シリアで政府軍と戦っているのはサラフィ主義者、ムスリム同胞団、アル・カイダ系のアル・ヌスラ(報告書はAQIと同じと指摘している)であり、「穏健派」などは存在しないとしている。

 しかも、オバマ政権が反政府軍を支援し続けるなら、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると警告していた。この当時のDIA局長がマイケル・フリン中将で、トランプ大統領は国家安全保障補佐官に据えたが、すぐに解任された。

 2014年に入るとDIAの警告はダーイッシュという形で現実になる。フリンがDIA局長を解任されたのはこの年のことだ。

 フリン中将は2015年8月にアル・ジャジーラの番組へ出演、報告書でサラフィ主義者の支配国が出現すると警告していたにもかかわらず、ダーイッシュの出現を阻止できなかった責任を問われる。

 それに対し、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、その情報に基づいて政策を決定するのはバラク・オバマ大統領の役目だとフリンは回答している。​ダーイッシュを出現させた責任はオバマ大統領にある​ということだ。

 アメリカ軍はそのダーイッシュを攻撃するという名目でシリアでの空爆を開始、住民を殺害し、インフラを破壊、その一方でジハード傭兵へは物資を「誤投下」していた。当然、ダーイッシュの支配地域は拡大し、首都のダマスカスも危な