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壁にぶつかるグーグルファイバー、戦略見直し
グーグルファイバーが過去4年間でサービス展開できた大都市圏は6つだけ
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（写真は2013年3月、カンザスシティーで作業するグーグルファイバーの従業員） PHOTO: KEITH MYERS/TNS/ZUMA PRESS
By JACK NICAS
2016 年 8 月 15 日 16:42 JST
米グーグルの親会社アルファベットは、光ファイバー回線の高速インターネット接続サービス「グーグルファイバー」について、最初のサービス展開に予想以上の時間とコストがかかったのを受け、見直しを迫られている。
事情に詳しい複数の関係筋によると、同社は現在、ロサンゼルス、シカゴ、ダラスを含む約12の大都市圏では、住宅へのネット接続はケーブルではなく、無線技術を使うことを考えている。その結果、カリフォルニア州サンノゼとオレゴン州ポートランドでプロジェクトを中断し、代替技術の調査を行っているという。
それと同時に同社は、自前での構築ではなく、既存の光ファイバーのリースを受けたり、都市当局や電力会社にネットワークの構築を要請したりしている。
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グーグル、アルファベット設立1年の成果
この4年間でサービス展開できた大都市圏が6つだけという事実は、道路を掘り起こして数千キロに及ぶケーブルを埋設することの難しさやコストの高さを物語っている。
計画が少なくとも6カ月延期
カリフォルニア州パロアルト市の最高技術責任者（CTO）、ジョナサン・レイチェンタール氏は「電気通信業界に150年携わっている企業ならそれに驚くことはなかった。しかし、新規参入するソフトウエア企業にとって、これはまったく新しい世界だ」と語った。
グーグルファイバーの幹部たちは最近、パロアルトや近隣の都市にサービスを持ち込む計画が少なくとも6カ月延期されたということをレイチェンタール氏に報告したという。
グーグルファイバーは2012年、ミズーリ州カンザスシティーで米国の平均インターネット接続速度の約30倍となる毎秒1ギガビットのサービスを提供し始めた。グーグルは米国のインターネット接続速度を向上させることで、検索といった同社の他のサービスの需要を拡大させようと考えていた。
グーグルファイバーの最速ネット接続料金は月額70ドル、これに60ドルを追加するとテレビも視聴できる。アナリストらは、ネットワークが届く住宅の1世帯当たり初期費用を500ドル以上と見積もっているが、すべての世帯がそのサービスに加入するわけではない。
アルファベットはグーグルファイバーの加入者数を明かしていない。米調査会社モフェットナサンソンは今年3月、米著作権局に報告された数字に基づくと、昨年12月時点のテレビサービスへの加入者数を5万3000人と推計。ネット接続サービスへの加入者数はそれよりも多いとみられるが、「すべてのプロジェクトが小規模なので、どうしても高校の科学コンテストのような感じがしてしまう」とモフェットナサンソンは述べた。
一方、アルファベットは声明で次のように述べている。「われわれは多くの都市でグーグルファイバーを展開する可能性を模索するために都市のリーダーたちと連携し続けている。これは地元の考慮すべき問題や課題を理解しながら、われわれの製品ロードマップと合致した最新技術を導入していくということを意味している」
コストと時間がかかり過ぎる
グーグルファイバーは新たに5つの大都市圏で工事を始め、向こう数年間でさらに十数都市に進出する計画を発表した。今やそうした十数都市は、無線技術を推し進める上で実験台になるだろう。
グーグルファイバーは先月、光ファイバーに接続されたアンテナから集合住宅に取り付けられたアンテナにネットサービスを無線で飛ばすISP事業者、ウェブパスを買収した。同社が5つの都市でサービスを提供している建物は820棟に過ぎない。
ウェブパスのチャールズ・バー最高経営責任者（CEO）は無線技術について、光ファイバー網をゼロから構築する上での厳しい経済的条件を克服するチャンスを与えてくれるものだと説明。「住宅への光ファイバー接続を行ったすべての事業者はコストと時間がかかり過ぎるために断念してきた」と同氏は指摘する。
カンザスシティーではアルファベットも街灯に取り付けられたアンテナからインターネット接続を提供する無線技術を試している。同社は最近、向こう2年間にわたって米国内24カ所で無線接続用の「実験的送信機」をテストする許可を米連邦通信委員会（FCC）に求めた。
事情に詳しい人物によると、グーグルファイバーは中央ネットワークに光ファイバーを使い、各住宅と無線接続するのにアンテナを使うシステムを計画している。アルファベットのエリック・シュミット会長は6月の株主総会で、無線接続は「庭を掘り起こして光ファイバーを埋設するよりも安上がりになる」可能性があると述べた。
米通信大手のAT&Tとベライゾン・コミュニケーションズも住宅への「ラストマイル」接続に無線技術を利用することを検討してきたが、どちらもそれを広範に展開してきたわけではない。
台無しにされた芝生やガス管の破裂
グーグルファイバーはネットワークを拡張させるため、他の方法も試してきた。サンフランシスコとアトランタの一部では、既存のあまり使われていない光ファイバーのリースを受け、一戸建て住宅ではなく、集合住宅にインターネットを接続している。グーグルのために光ファイバーネットワークを構築することに合意したアラバマ州ハンツビルもサービスを展開する都市に選ばれた。
フロリダ州タンパでは、光ファイバー網の構築に関してある電力会社と協議している。カリフォルニア州アービン近郊の新築物件では、光ファイバーをあらかじめ設置することで不動産会社アービンと協力している。
こうした新戦略は、光ファイバー網構築に伴うさまざまな問題を受けてのことだ。カンザスシティーでは、台無しにされた芝生やガス管の破裂で家主たちから苦情を受けた。テネシー州ナッシュビルとケンタッキー州ルイビルでは、競合する通信会社が電柱へのグーグルファイバー接続を拒否している。
一部のアナリストは以前から、アルファベットの主目的は他のブロードバンド事業者を刺激してインターネットの通信速度を向上させることにあるのではと疑ってきた。AT&Tやコムキャストのほか、最近チャーター・コミュニケーションズに買収されたタイム・ワーナー・ケーブルなどは、実際に一部の競合市場で通信速度を向上させてきた。
それでもアルファベットはグーグルファイバーが本物の事業だと主張している。アルファベットのルース・ポラット最高財務責任者（CFO）は先月、「われわれはグーグルファイバーを引き続き大きな市場機会と見なしている」と投資家たちに説明。「われわれはその実行経路においてよく考え、慎重に行動している」と述べた。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwijtt7IxMPOAhWKnJQKHUqEDDQQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10191232058230093692804582252740240263860&usg=AFQjCNH1BtNjyfR4kWdOd4s4P7EtiywLow
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