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危険すぎる住宅ローンの話!突然月々の返済額高騰、いくら返済しても元金減らず増加(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/739.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 1 月 24 日 18:03:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

危険すぎる住宅ローンの話!突然月々の返済額高騰、いくら返済しても元金減らず増加
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13440.html
2016.01.24 文=山下和之/住宅ジャーナリスト Business Journal



 今年は年初から変動金利型住宅ローンの金利が下がり、注目度が高まっていますが、実は、このローンにはたいへんなリスクがあります。金利の低さに目を奪われるだけではなく、そのリスクを十分に理解した上で利用しないと、恐ろしいことになりかねません。どういうことなのでしょうか――。


■メガバンクが2年5カ月ぶりに金利引き下げ


 1月から三大メガバンクの変動金利型住宅ローンの金利が引き下げられました。店頭表示金利は2.475%で変化はないのですが、ほとんどの人に適用される引き下げ金利が0.775%から0.625%へ、0.15%下がったのです。


 図表1にあるように、店頭表示金利の2.475%だと、借入額3000万円当たりの毎月返済額は10万円台に達するのが、0.775%だと8万円台に減少し、さらに0.625%まで下がることで、ついに7万円台まで減少したことになります。なぜ、この時期の引き下げなのでしょうか。


■メガバンクの牙城が崩されつつある



 最近は人件費負担などがかからないネット銀行などが、大幅な金利引き下げにより攻勢を強めています。メガバンクでは15年末まで0.775%だったのが、ネット銀行では0.50%台、0.60%台のところもあるのです。それに対抗するため、地方銀行や信用金庫のなかにも、メガバンクより低い金利を打ち出すところが増えています。


 図表2にあるように、メガバンクは金融機関のなかでも新規融資に占める変動金利型のシェアが高いのが特色です。それが、ネット銀行などの低金利攻勢によって、牙城が崩されつつあります。そのため、メガバンクも利益を度外視してでも、金利を下げざるを得なくなったというのが実際のところではないでしょうか。


■変動金利型ローンには大きなリスクがある


 理由はどうあれ、こうした金利引き下げ競争は、利用者からみればたいへん喜ばしいことですが、実はこの変動金利型には大きなリスクが潜んでいます。低い金利ばかりが強調され、そのリスクがほとんど省みられないのは不安を禁じ得ません。


 変動金利型住宅ローンは、適用金利が市中の金利動向に応じて変化するローン。ですから、借入後に適用金利が上がれば、返済額が大幅に増加するリスクがあるわけです。


 そう頻繁に返済額が変わっては利用者は資金計画を立てにくいので、返済額の増加は5年に1回で、大幅に金利が上がった場合でも増額率は25%までに抑えることになっています。でも逆にいえば、10万円だった返済額が、6年目から12万5000円になり、11年目からは15万円以上に増える可能性がないとはいえません。


 変動金利型ローンの利用に当たってはそうしたリスクを想定して、途中で返済額が増えても問題がないかどうかまでしっかりとシミュレーションしておく必要があるわけです。


5■年以内の金利上昇時には“未払い利息”発生リスク



 変動金利型には、いまひとつ“未払い利息”のリスクもあります。これは約定通りに返済しているのに、元金が減るどころかむしろ実質的に増えてしまうという恐ろしい事態なのです。どういうことでしょうか――。


 変動金利型ローンの返済額見直しは5年に1回ですが、その間に金利が変化した場合、半年に1回適用金利を見直すことになっています。返済額を変えないで、利息と元金の割合を調整する仕組みです。


 図表3をご覧ください。これは、借入額3000万円、金利0.625%、35年返済の返済額の内訳表です。当初5年間の返済額は毎月7万9544円で変わりません。1回目の内訳をみると、利息が1万5624円で元金が6万3920円、2回目は利息1万5592円で元金6万3952円と、ジワジワと利息分が減って、元金分が増えていきます。


■返済しても元金がむしろ増えてしまう恐ろしい事態


 1年後、12回目返済終了後の残高は2923万0768円です。金利に変化がなければ、13回目の利息分は、


・2923万0768円×0.00625(0.625%)÷12(カ月)=約1万5224円


 となります。元金分は7万9544円−1万5224円で6万4320円です。したがって、返済後の残高は2916万6448円に減少します。


 ところが、この段階で適用金利が1.00%上がっていればどうなるでしょうか。


・2923万0768円×0.01625(1.625%)÷12(カ月)=約3万9583円


 と利息分が2倍以上に増えてしまいます。その分、元金は3万9661円に減って残高の減少ピッチが遅くなるのです。


 さらに、3.00%上がって適用金利が3.625%になると、利息分だけで8万8301円に達します。毎月返済額は7万9544円ですから、8757円不足する計算。これが、未払い利息といわれるものです。毎月約定通り返済しているのに、元金が減らないどころか、逆に未払い利息が積み重なっていくという最悪の状態。仮に、これが1年間続いたら、実質的に元金が10万円以上増えてしまう計算です。


■2年で3%の金利上昇は十分にあり得る?



 現在の経済状況を考えれば、そんな急激な金利上昇はあり得ない――多くの人がそう考えています。筆者も当面は現在の超低金利が続き、上がるとしても18年、19年以降と考えています。


 しかし、これからマイホームを見つけて契約したとしても、住宅ローンの融資実行を受けるのは1年先、2年先になるでしょう。メガマンションだと3年先といった物件があるかもしれません。そこから、変動金利型の返済額が変わらない5年の間にはかなりの金利上昇があってもおかしくはありません。


 図表4をご覧ください。1980年代のバブル期には、2年間で3%金利が上がったこともあります。その後は金利の下落が続いて、そんな激変は想像できなくなっていますが、絶対にないとは断言できないでしょう。


■店頭表示金利とは別に実質金利引き上げの可能性も


 それに、店頭表示金利は変わらなくても、実質的金利の引き上げという事態が十分に想定されます。冒頭でも触れたように、今回のメガバンクの金利引き下げは、店頭表示金利はそのままで、引き下げ幅を拡大、実質金利を引き下げただけです。その金利引き下げ幅がいつ縮小されてもおかしくはないのです。


 しかも、長い目でみれば、いずれは金融緩和策が終了して、ゼロ金利政策が解除されることになるでしょう。そうすると店頭表示金利もアップします。金利引き下げ幅の縮小と、金利上昇が重なれば、変動金利型ローンの返済額増額のリスク、未払い利息発生のリスクがいっそう高まります。


 かつての金利上昇時期を経験している人は少数派。金利上昇への免疫、抵抗力がない人がほとんどなので、金利上昇によりローン破綻に陥る人が続出する可能性があります。


■金利上昇の恐ろしさを体験していない日本人


 三大メガバンクといえばわが国の金融業界だけではなく経済界を代表するリーディングカンパニーです。そんな会社が、これほどのリスクを内在した商品を売っていいのでしょうか。


 少なくとも、商品が持つマイナス面もキチンと説明して販売する必要があります。それが金融機関としての「説明責任」ですが、まだ十分ではない面もありそうです。
 
 それだけに、消費者としては変動金利型に潜むリスクを十分に理解して、シッカリとした対策を立てた上で利用しなければなりません。それが、利用者側の「自己責任」ということでしょう。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)
 

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コメント
 
1. 2016年1月24日 18:45:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[191]
現代ビジネス
2016年01月19日(火) 池谷裕二
なぜ能力の低い人ほど自分を「過大評価」するのか
気鋭の脳科学者が「ココロの盲点」を明かす

〔photo〕iStock

文/池谷裕二(東京大学薬学部教授)

「自分は平均以上」と勘違い
先日電車に乗っていたら、隣に中学生くらいの女の子が座っていました。かわいい子だったので、手元のスマートフォンを操作している振りをしながら、横目でチラチラと見ていました。

すると、あろうことか、彼女は席を立ってしまいました。

ジロジロ見過ぎてしまったことを反省しましたが、しかし、どうやら私の視線が気になって席を立ったわけではないようです。理由はすぐに明らかになりました。「どうぞ」と目の前のお年寄りに席を譲ったのです。

深く恥じ入りました。

気が利く、気が利かないとはなんでしょうか。

彼女は気が利く人です。一方、私は気が利かない人です。これは明らかです。でも、ここで問いたいのです(決して言い訳のためではなく)ーー気が利かない人は、その時、自分を「なんと気が利かない人間だ」と残念に感じているでしょうか。

きっと感じていないでしょう。なぜなら、そもそもそのお年寄りが困っているという事実に気づいていないからです。気づいていてわざと席を譲らなかったら、それは気が利かないとは言いません。単に意地悪なだけです。

つまり、人は「自分がいかに気の利かない人間か」を知ることができないのです。ところが、他人が気が利かないことはすぐに気づき、指摘したり憤慨したりすることができますーー私がこんなに気を利かせているのに君はけしからん!

おそらく現実の自分は、自分に対して抱いている自己像よりも、気が利かない人間であることは間違いないでしょう。

これは気が利く気が利かないだけの話ではありません。日常生活全般において、似た状況は少なくありません。結局のところ人は実際のレベルよりも自分を高く評価することになります。

たとえば、日常的に車を運転する生活を送っている人に訊いた調査結果があります。

「あなたは平均よりも運転がうまい方ですか?」。この質問のポイントは「平均より」という点です。抜群に優れている必要はありません。あくまでも平均に比べたら「まあマシな方かどうか」という判断です。

このアンケートの結果は驚くべきもので、なんと70%の人が「私は平均以上です」と答えるのです。70%という値は平均値の概念にそぐいません。つまり、多くの人が「自分は平均以上にデキる」と勘違いしていることがわかります。

ただし注意してください。このデータは、正しく自己評価できている人がいないと主張しているわけではありません。

では、どのような人が正しく自己評価でき、またどのような人が自己評価を誤る傾向があるでしょうか。そんな研究をしているのが、コーネル大学のダニング博士とクルーガー博士です。

脳のクセを知らないと損をする
たとえば博士らは、ジョークを楽しむ能力について調査しました。

ユーモアは洗練された知識と機知がないと理解できません。65名の大学生を対象に、30個のジョークを読ませ、どれほど面白かったかを評価してもらいました。この点数でユーモアの理解度がわかります。これと同時に「あなたのユーモアの理解度は同年代の中でどのくらいに位置していると思いますか」と訊きました。

調査の結果、ユーモア理解度の順位の低い人ほど自己評価の高い傾向があることがわかりました。

成績下位25%以内の人は、平均して「上位40%程度にいる」と自分を過大評価したのです。一方、成績上位25%以内の人は「上位30%程度にいる」と過小評価していました。

つまり実際の能力の個人差は、人々がイメージする差よりも、はるかに大きいということになります。なお、この現象はユーモアだけでなく、論理的思考力や一般学力試験にまで、普遍的に見られます。

博士らは、この現象を次のように説明しています。1.能力の低い人は自分のレベルを正しく評価できない。2.能力の低い人は他人のスキルも正しく評価できない。3.だから、能力の低い人は自分を過大評価する。

もちろんこの結果だけでは「能力が低いから自分を客観視できない」のか「自分を客観視できないから能力が低い」のかはわかりません。しかし、この研究は心理学では広く認知され、博士らの名前にちなんで「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれるようになりました。

この効果の面白いところは、ダニング=クルーガー効果について初めて知った人の多くが「たしかに自分を勘違いしている人はいますね。身近な人の顔が具体的に思い浮かびますよ」と笑顔で答えてくれることです。つまり多くの人は「まさに自分が該当する」かもしれない可能性に思い至らず、自分を棚に上げて、他人に例を探し始めるのです。

これこそが冒頭で説明した「気が利かない人は自分の気の利かなさに気づいていない」ことに相当します。これもまたダニング=クルーガー効果の亜型で、とくに「バイアスの盲点」と呼ばれます。

いずれにしても、ここで見逃せないポイントは、脳が無意識のうちに判断をミスしてしまうという点です。決して「わざと」でなく、あくまでも自動的で反射的な思考として「そう思ってしまう」わけです。

つまり、脳には特定の「思考癖」があるというわけです。

そうした脳のクセは「認知バイアス」と呼ばれます。認知バイアスは曲者で、しばしば奇妙で、ときに理不尽でさえあります。こうした心理のクセに気づいていないと、ふとしたところで判断を誤ったり、損したりしかねません。だとしたら、これをよく理解しておくことは、日常をよりよく生きることにつながります。

人間は心の多面体です。だから認知バイアスにはたくさんの項目があります。いくつか紹介しましょう。

どうすれば収入を増やせるか
まず「おとり効果」から。たとえば、カレー店を経営しているとします。店のメニューは、

普通カレー ¥1000
特製カレー ¥1500

の二つです。すると客の多くは安価な普通カレーを注文するかもしれません。

そこで認知バイアスを利用して、特製カレーの注文を増やし、増収を図ることができます。どんな対処法が考えられるでしょうか。最もシンプルな方法は選択肢を一つ増やすことです。

普通カレー ¥1000
特製カレー ¥1500
極上カレー ¥3000

この選択肢から選ぶ場合、特製カレーへの選好が心理的に高まることが知られています。高額な極上カレーをオプション(おとり選択肢)に加えることで、相対的に特製カレーを安く感じさせることができるわけです。これが「おとり効果」と呼ばれる理由です。

おとり効果については、米マサチューセッツ工科大学のアリエリー博士らの面白い実験があります。経営学専攻の学生に英経済誌『エコノミスト』を定期購読してもらいました。

ウェブのみ購読  $59
冊子&ウェブ購読 $125

という選択肢では、冊子とウェブの同時購入を選んだ学生は32%だったのですが、選択肢を増やし、

ウェブのみ購読  $59
冊子のみ購読   $125
冊子&ウェブ購読 $125

としたら84%の学生が冊子とウェブの同時購入を選びました。冊子の値段を「冊子&ウェブ」と同一に設定することで、見かけ上のお得感を狙っているわけです。

実際、この効果は絶大で、おとり選択肢を一つ増やしただけで、40%以上の収入増となりました。

選択肢が多すぎると逆効果
ただし、やみくもに選択肢を増やせばよいというわけではありません。なぜなら「選択肢過多効果」と呼ばれる認知バイアスがあるからです。コロンビア大学のアイエンガー博士らのデータを紹介しましょう。

博士らは、ジャムの試食販売ブースで、6種のジャムを売る場合と、全24種を売る場合を比較しました。

立ち止まる人は24種のブースのほうが多かったのですが、実際に商品を買ってもらえる率は反対に6種のジャム売り場のほうが高くなりました。結果として、6種陳列のブースのほうが、7倍もの売り上げをあげたのです。

アイエンガー博士らはこの結果を「同時に処理できる情報には限界があり、許容量を超えると購買意欲そのものが低下する」と説明しています。

客のことを考えると「つい気を利かせて」たくさんの選択肢を用意してあげたくなりますが、選択肢が多いことは逆効果にもなるというわけです。言われてみれば、メニューが豊富なラーメン屋よりも、「うちは塩ラーメン一本だよ」と言ってもらったほうが、スカっと気持ち良いし、信頼できる気がします。

つづいては「コントラフリーローディング効果」について。これも選択肢過多効果に似て、直感に反する認知バイアスの一つです。

たとえば、こんな実験例があります。ある団体に所属するときに、希望すれば誰でも入会できる場合と、厳しい試練を経て仲間入りできる場合を設けます。すると、たとえ根拠のない無駄な儀式であっても何らかの入団基準があったほうが、入会後に、その団体への帰属感や愛着が強くなるのです。

脳は労せずに手に入れた(フリーローディング)ものよりも、何らかの対価を払って入手したものを好みます。これがコントラフリーローディング効果です。この効果が見られるのは人間だけではありません。私が研究室で飼育しているネズミを見てもよくわかります。

私は仕事柄、連日ネズミの行動を観察しています。通常、餌は皿に入れられていて、好きなときに食べられる状態にしてあります。もちろんネズミは十分に賢いので、レバーを押すと餌が出てくる仕掛けに変えても、すぐに学習し、上手にレバーを押して、餌を食べるようになります。

そこで、こんな実験をしてみましょう。2種の方法で、同時に与えてみるのです。一つは皿に入った餌、もう一つはレバーを押して出る餌。どちらの餌も同じものです。さて、ネズミはどちらの餌を選ぶでしょうか。

試せばすぐにわかります。レバーを押す率が高いのです。苦労せずに得られる皿の餌よりも、労働をして得る餌のほうが、価値が高いのです。

コントラフリーローディング効果は、多くの動物たち、たとえばイヌやサルはもちろん、トリやサカナに至るまで、動物界にほぼ共通してみられる現象です。

ちなみに、同じ実験を就学前の幼児に対して行うと、ほぼ100%の確率でレバーを押すことがわかります。成長とともにレバーを押す確率は減っていき、大学生になると五分五分の選択率となりますが、やはり、完全に利益だけを追求することはありません。

こうした脳の本質的なクセを知ると、労働の価値について考えさせられます。贅沢三昧で悠々自適な生活は、誰もが憧れます。しかし仮にそんな夢のような生活が手に入ったとして、本当に幸せでしょうか。

定年で突然仕事を奪われた手持ち無沙汰さからストレスを溜めこんでしまう「定年症候群」が近年しばしば話題にのぼりますが、働いて得た給料と、労働せずにもらえる年金では、おなじ1円でも価値が異なるというわけです。

ちなみに、これまで調べられたなかで、コントラフリーローディング効果が生じない動物が、一種だけ知られています。飼いネコです。ネコは徹底的な現実主義です。レバー押しに精を出すことはありません。

社会的地位が高い人ほどモラルは低い?
最後に「上流階級バイアス」を紹介しましょう。簡単にいえば「金持ちはマナーが悪い」という傾向です。

意外にも思いますが、これもまた認知バイアスの一つです。これを証明したのがカリフォルニア大学のピフ博士らです。原著論文には、これを支持する実験証拠を七つ発表しています。ここでは三つ選んで紹介しましょう。

まずピフ博士らは運転マナーについて調査しました。車のレベルが社会的ステータスを反映していることはよく知られています。博士らは、車のランクを高級車から大衆車まで五つに分類し、階級別に交通規則をどれほど守っているかをモニターしました。

すると、横断歩道で手を上げている歩行者を待たずに通過してしまう確率は普通車35%のところ、高級車は47%であることがわかりました。また、交差点で相手の車を待たずに割り込む率は普通車12%のところ、高級車は30%と2.5倍にもなったのです。

次にピフ博士らはボランティア参加者を集めた実験を行いました。たとえば、参加者に面接官になってもらいます。就職希望者とうまく交渉しながら採用者の給料を決定するのです。この際、重要な事実があります。志願者は長期的で安定した職を求めていますが、実は、今回の採用ポジションは近々廃止予定なのです。さて、面接官は志願者にこの不都合な真実を告げるでしょうか。

実験の結果、下流階層の人は素直に事実を告げて志願者と交渉する傾向が強かったのですが、社会的ステータスの高い人は事実を隠したがることがわかりました。「あとから状況が変わったことにすればよい」という作戦でしょうか、ともかく騙してでもいいから、自分に有利に交渉を進めるわけです。

ピフ博士らが最後に行った実験が、もっとも象徴的です。「自分は社会的地位が高い」と思って行動をしてもらう実験です。すると、下流階級の人でも貪欲さが増し、非道徳的な態度になります。つまり、モラルの低さは生まれつきではなく、その地位が作ったものだと言えそうです。

さらに面白いことは、「金欲があることは悪いことでない」と付け加えると、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」はどこへやらで、下流階級者の尊大ぶりは、実際の上流階級よりもひどいものになりました。

単に有頂天で「天狗になっている」のか、あるいは、普段受けている仕打ちへの腹癒せなのかはわかりませんが、醜悪な心理を、見事に浮き彫りにした実験結果だと言えます。

人間が好きになる脳のトリセツ
いかがでしょうか。認知バイアスは、そうとわかっていても、つい落とし穴にはまり、なかなか修正することができないクセです。だからこそ認知バイアスなのです。

人は自分のクセに無自覚であるという事実に無自覚です。他人のクセには容易に気づくことができても、案外と、自分自身のクセに気づかないまま自信満々に生きているものです。最大の未知は自分自身です。

本当の自分の姿に気づかないまま一生を終えるなんてもったいないーー。せっかく人間に生まれてきたのですから、自分の認知バイアスについて知っておくのは、決して悪いことではありません。

こうした考えが、私も40代の後半に入り、ますます強くなってきました。これに押され、ついに認知バイアスについての初心者向け解説書『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版』(講談社ブルーバックス)を上梓する運びになりました。この本は、心の盲点を知るための手引き、いわば「心の辞書」です。


「脳」はこんなにダマされている!池谷裕二『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版』
ただし注意してください。脳に偏見があること自体は罪ではありません。クセは脳のデフォルトです。そして偏見はときに生きることを楽にしてくれます。

しかし、だからといって、その偏見は必ずしも礼賛されるとは限りません。もし全員が自分の「正しさ」を妄信したままコミュニケーションすると、不用意な摩擦が生じかねません。

傾向と対策ーー。脳のクセを知っていれば、余計な衝突を避ける予防策になります。それだけではありません。脳を知れば知るほど、自分に対しても他人に対しても優しくなります。そして、人間って案外とかわいいなと思えてくるはずです。

人間が好きになる脳のトリセツ。そんなふうに本書を役立ててもらえれば著者望外の喜びです。

「本」2016年2月号より

池谷裕二(いけがや・ゆうじ)
1970年、静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。現在、東京大学薬学部教授。脳研究者。海馬の研究を通じ、脳の健康や老化について探求をつづける。日本薬理学 会学術奨励賞、日本神経科学学会奨励賞、日本薬学会奨励賞、文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞などを受賞。主な 著書に『記憶力を強くする』『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』(ともに講談社ブルーバックス)、『海馬』『脳はこんなに悩ましい』(ともに共著、新潮文庫)、『脳には妙なクセがある』(扶桑社)などがある。

講談社
Copyright c 2010-2016 Kodansha Ltd. All Rights Reserved.

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47416

[32初期非表示理由]:担当:関連が薄い長文


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