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日銀「マイナス金利」の効果を徹底検証〜デフレ脱却に向けて、ボールは政府に投げ返された(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/248.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 04 日 09:37:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

          マイナス金利の導入を発表する日銀の黒田総裁 〔PHOTO〕gettyimages


日銀「マイナス金利」の効果を徹底検証〜デフレ脱却に向けて、ボールは政府に投げ返された
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47758
2016年02月04日(木) 安達 誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 現代ビジネス


■日銀の「マイナス金利政策」は機能するか


1月29日、日銀は新たな追加緩和策として「マイナス金利政策」の導入に踏み切った。日銀がこのタイミングで「マイナス金利政策」を導入するということは誰もが予想しえないことであったため、マーケットでは驚きの声があがった。


ただ、この「マイナス金利政策」のマーケットでの評価はまだ十分に定まっておらず、マーケットの右往左往が続いている。


筆者は、従来、「マイナス金利政策」の効果には懐疑的であったため、発表当初は正直、やや失望した。だが、声明文や黒田総裁の記者会見をみて、少し安心したという状況である。


その理由は、今回の政策は、決して、これまでの「量的質的金融緩和(QQE)政策」の限界を示したものではなかったからである。むしろ、今回の措置は、「QQE政策」の有効性を高めるための政策であり、QQE政策の「代替的な措置」ではなく、「補完的な措置」とみなすべきだろう。


つまり、日銀による「マイナス金利政策」は、QQE政策の継続、もしくは強化(国債買いオペの増額)を伴って初めて効果を発揮するものであり、単に利下げを進めるだけでは十分な効果は得られない。その意味では、従来のQQE政策の有効性をより高めるツールを新たに導入した、と見た方がよいだろう。


そこで、今回は「マイナス金利政策」の効果について考えてみよう。



同じくマイナス金利を導入しているECBのドラギ総裁 〔PHOTO〕gettyimages


■参考になるのはECBの金融政策


まず、既に「マイナス金利」を導入している国・地域はというと、デンマーク、スウェーデン、スイス、ユーロ圏(ECB)が挙げられる。だが、これらの中で、日本のマイナス金利政策の効果を考える際に参考になるのは、せいぜい、ECBくらいではないだろうか。


デンマーク、スウェーデン、スイスの中央銀行も、物価の安定(2%のインフレ目標)を金融政策の目標に掲げてはいるが、これらの国々は、いわゆる「開放小国(Small Open Economy)」という共通項を持つ。つまり、経済規模が小さく、しかも、国内経済が為替レート(特に対ユーロレート)の影響を受けやすい国である。


為替レートの安定が、物価の安定に決定的な意味を持つため、直接的な政策目標として、為替レートの誘導水準を明示している(デンマークは1ユーロ=7.46クローネ、スイスは1スイスフラン=1.2ユーロ。ただし、一定のターゲットゾーンを採用)。さらに、政策金利は、為替レートを誘導目標近傍に維持するために操作されてきた。


そして、2012年以降のユーロ危機において、これらの国の通貨にもユーロに対して大幅な上昇圧力がかかり(逆にいえば、ユーロの大幅下落)、それに対抗する措置として、政策金利をマイナスにせざるを得なかったという事情がある。


だが、日本は経済規模が大きく、「開放小国」とはいえない。よって、これらの国のマイナス金利政策はケーススタディとしてはあまり有効ではないと思われるのだ。


一方、ユーロ圏は、経済圏としては「大国」である。順序は日本と逆であったが、まず、2014年6月11日に超過準備預金(Deposit Facility)に対してマイナス金利を導入した(-0.1%の金利)。そして、同年9月10日にマイナス金利幅の引き下げ(-0.2%に)を行った後、2015年1月22日に量的緩和(QE政策)を導入。その後、同年12月9日に再度、マイナス金利幅の引き下げ(-0.3%に)を行い、現在に至っている。


現在、ユーロ圏の中央銀行であるECBは、マイナス金利政策だけに頼っているわけではなく、主に加盟国の国債の購入を通じてマネタリーベースを拡大させながら、マイナス金利を採用している。また、政策目標も、為替レートを適正水準に誘導することではなく、デフレ圧力の緩和(インフレ率の引き上げ)であることを明確にしている。


そのため、今後の日本の金融政策をみていくためには、ECBの金融政策を検証することが妥当であると思われる。


■金利のマイナス幅と量的緩和の継続がカギ


ところで、筆者は、日銀が「マイナス金利政策」導入を発表した後の株高および円安は、ただの「おまけ」に過ぎず、「政策効果が早くも発現した」という楽観的な見方はしていない。


確かに株高・円安の動きが強まり、メディアの扱いも大きかったようだが、2014年10月31日の「ハロウィン緩和」と比較すれば、マーケットの動きは小さく、インパクトは小さかった。


定量的な検証はまだやっていないが、マーケットの動きから判断するに、日銀の「リフレレジームの強化」、言い換えれば、「デフレ解消に向けてのより強いスタンスを示すことで、マーケット参加者の行動パターンを変えた」とは言い難い。


このことは、日銀が「マイナス金利政策」を導入しただけで、世の中の人々の行動様式がデフレ脱却に向けて再び動き始めるわけではないことを示唆している。つまり、デフレ解消の実現は、日銀がどの程度、マイナス金利幅の引き下げを行いながら、同時に量的緩和を進めていくかに大きく依存しているのではないだろうか。


これは、マイナス金利、量的緩和導入後のユーロ圏にも同様のことがいえる。そこで、以下、ユーロ圏を例に、今後の日本にどの程度のマイナス金利が必要なのかを考えてみよう。


【図表1】は、ユーロ圏の短期金利と「潜在政策金利」の推移を示したものである。このうち、「瞬間フォワード金利」は、ユーロ圏の国債のイールドカーブから算出される「将来、現実的につくことが妥当とマーケット参加者が考える政策金利」を意味する(ここでは、3ヵ月後に実現すると予想される政策金利水準を意味する)。



グラフをみて分かるように、この「瞬間フォワード金利」は、ECBがマイナス金利政策を採用して以降、マイナスで推移している(2月2日時点で-0.43%)。


一方、「潜在政策金利」は、当コラムでも数回、言及したことがあるが、簡単にいえば、中央銀行(この場合、ECB)が政策金利の下限の制約(従来はゼロ金利、現状はマイナス金利の水準)を受けなかった場合、現状の経済状況下でどの程度まで政策金利を引き下げていたと考えられるか、すなわち、ユーロ圏経済の状況のみを考慮した場合に妥当であると思われる政策金利水準を意味する。


直近のユーロ圏の潜在政策金利は-5.8%である。つまり、政策金利に「下限」が存在しない場合、現在のユーロ圏経済の下でデフレ解消を狙うのであれば、ECBは政策金利を-5.8%程度まで下げていたであろうということを意味している。


ここで明らかなのは、潜在政策金利と現在の政策金利の間には大きなギャップが存在する点である。この両者のギャップ(潜在政策金利と瞬間フォワード金利の金利差)は、将来のインフレ率の方向性を指示している可能性がある。


【図表2】は、この金利差とユーロ圏の消費者物価指数(前年比)の関係を示したものであるが、この金利差は、インフレ率に約半年先行して動いている。そして、このグラフが示すことが正しければ、今後、ユーロ圏では、再びデフレ圧力が強まる可能性が高いということになる(そのため、ドラギECB総裁は3月の追加緩和の可能性に言及したと思われる)。



ところで、今回、日銀が導入したマイナス金利政策の効果として強調されているのが、「足元の金利水準をマイナス水準に誘導することによって、イールドカーブ全体の低下余地を高める」という点であった。そこで、【図表3】では、「潜在政策金利」の概念をイールドカーブ全体に拡張した「潜在イールドカーブ」を計算してみた(2月2日時点)。



もし、マイナス金利政策の目標が、国債のイールドカーブ全体を引き下げることであるとするならば、マクロ経済の現状と整合性のある「潜在イールドカーブ」になるべく近い形に誘導するのがよいということになる。


潜在イールドカーブと実際のイールドカーブの間には、少なくとも残存5年までには大きなギャップがある。詳細は、潜在イールドカーブの要因分解を行う必要があり、筆者の力不足でそこまではできていない。ただ、少なくとも、潜在イールドカーブの形状だけを見る限り、マイナス金利幅の引き下げだけでイールドカーブを引き下げでデフレ圧力に対抗しようと思えば、5%以上の金利引き下げが必要になる。


しかし、現実的には、-5%以上のマイナス金利は困難である。ちなみに、日本の直近時点(2月2日)の潜在政策金利は-6.2%であり、政策的なインプリケーションはECBとほぼ同様である。


それでは、今後、日本がデフレを完全に克服するためには、どのような政策パッケージが必要となるのだろうか。


米国の潜在政策金利の推移をみると(【図表4】)、デフレ圧力の払拭と金融政策の正常化に向けた転換には、潜在政策金利が上昇し、ゼロ近傍に近づく必要があることがわかる。しかも、米国の事例をみる限り、それは、量的緩和の拡大(QE3の実施)によって実現されている。



米国の場合、低金利局面とはいえ、現在の日本やユーロ圏が直面した程の長期金利の大幅低下(10年物国債利回りがゼロ%近傍まで低下)には見舞われなかった。そのため、マイナス金利政策を採用せずとも、国債買いオペの効果が発現する環境であったと考えられる。


逆に言えば、ECBや日本は、長期金利が大きく低下している分、マイナス金利によって長期金利の低下余地を作り、より強力な量的緩和政策を行う必要がある、ということになるだろう。


つまり、日銀は、ECBとともに、量的緩和(QE)政策は依然としてメインの金融政策手段であり、その有効性を高めるためのマイナス金利政策という関係が成立するのではなかろうか。


また、国債の「玉不足(日銀による買い入れ対象の国債の枯渇)」がより大胆な金融緩和の実現を妨げているのであれば、国債増発を伴う財政支出の拡大も検討する価値があるのではないかと思われる。


特に、最近の「長期停滞」の議論においては、財政政策と金融政策が同時に緩和スタンスを強めることが最善策であるとの指摘がなされることもある。さらにいえば、安倍政権が「名目GDP600兆円目標」を本当に実現したいのであれば、マクロ経済政策を金融政策のみに依存させては、とうてい実現不可能な状況になってきたのではなかろうか。


つまり、「日本経済復活のための経済政策」というボールは、日銀のマイナス金策導入によって、再び、政府の方に投げ返されたと考えていいだろう。


■金融機関が抱えるリスクはどうなる?


最後になるが、今回のマイナス金利導入をきっかけとして、株式市場に広がっている銀行株に対する懸念は、やや行き過ぎではないだろうか。


特に、マイナス金利によって新たに発生する超過準備に対する金利負担の計算はほとんど無意味である。何故なら、マイナス金利の幅は、今後、変更される可能性が高いからである。


ユーロ圏の事例をみても、欧州の金融機関が超過準備に対する利子負担によって貸出を圧縮しているという証拠は見いだせない。欧州の場合、ユニバーサルバンキングを過度に追及した反動としてのビジネスモデルの再検討と、それに伴う投資銀行部門の整理縮小が、銀行株の下落につながっている側面があるわけだが、これは欧州金融機関自身の構造問題である。


欧州金融機関は域内(もしくは国内)の貸出については、デフレ懸念の台頭にもかかわらず、マイナス金利の導入や量的緩和の導入以降、減少幅を縮小させ、2015年半ば以降は前年比プラスに転じている。


日本の金融機関も、地方を中心に構造問題を抱えているという見方はできるが、例えば、信用保証の充実などの措置によって、金融機関が貸出に抱えるリスクを移転させる工夫がなされれば、それほど大きな問題にはならないのではなかろうか。


筆者は、現時点では、やや楽観的に考えている。


 

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コメント
 
1. 2016年2月04日 10:06:48 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[343]

 良い記事だね〜〜

 潜在政策金利というのは 初めて知ったが これが ほぼ 愛の主張と合致する

 その意味では 黒田バズーカのマイナス金利は「まやかしのマイナス金利」だ

 単なるスローガンといってもよい

 ===

 この記事に書かれていないが 本気でマイナス金利にすると たんす預金などが増えるわけで

 たんす預金を防御するには「電子マネー」にする必要があるわけだが 電子マネーは

 使用者と金額が全てコンピュータに入力 保存されることになるわけで

 ===

 甘利が 上着のポケットに入れた50万で 飲み屋にいって ドンちゃん騒ぎできるのは現金だからだ

 つまり 電子マネーを採用するには 自民党の狂った金銭感覚を修正しないと

 とてもではないが 法律が作られない

 ===

 それに 愛が主張する 2020年の資本主義の崩壊までに 全ての制度を変える
ことはできないのだから

 当然に 2020年は厳しいことになる

 ===

 つまりは 口先だけの マイナス金利と QEで お金の印刷をするくらいしか

 対策はないことになるので 2020年の経済危機を回避することはできない

 それでも 黒田の口先介入は もっと大きくはなるだろう

 ===

 結果 地方銀行の経営は 厳しくなるのが当然だ
 


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