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これが「アベノミクス」の超破壊力だ!(simatyan2のブログ) :政治板リンク
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/593.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 16 日 10:10:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

これが「アベノミクス」の超破壊力だ!(simatyan2のブログ)

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1. 2016年2月16日 13:32:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[276]
日本株続伸、原油や欧州銀行、円高懸念薄れる−金融、ソフバンク高い
2016/02/16 12:17 JST

    (ブルームバーグ):16日午前の東京株式相場は続伸。国際原油市況や欧州銀行の信用問題、為替の円高進行に対する懸念が和らぎ、リスク資産を見直す動きが続いた。中国株の上昇も投資家心理面でプラスに働き、銀行や証券、保険、その他金融株など金融セクターがそろって上げ、不動産や鉄鋼株も高い。大規模な自社株買いを行うソフトバンクグループは急騰した。
TOPIXの午前終値は前日比15ポイント(1.2%)高の1307.23、日経平均株価は144円26銭(0.9%)高の1万6166円84銭。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、「原油減産への期待がある。原油が下がり、リスクオフモードになっていたが、原油が戻し、これが日本株を支えている」との見方を示した。また、中国動向については「当局が経済減速へ打開策を講じるという市場の期待感は高い」と指摘している。
きょうの日本株は、前日に日経平均が1000円以上上昇、TOPIXは2008年10月以来の上げ幅となるなど急騰した反動売りから、日経平均は朝方に200円以上下げた。しかし、海外金融情勢や為替の落ち着きなどから投資家心理は改善方向にあり、徐々に下げ渋ると、中国株の上昇などを受け午前終盤にかけプラス圏での推移が鮮明になった。
15日の欧州株は銀行、自動車株中心に買われ、ストックス欧州600指数が3%高と続伸。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ドイツ銀行はリスクの高い「その他Tier1債」(AT1債)の利払いをことし、来年も履行できるとの見方を示した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は同日の欧州議会で、最近の金融情勢やエネルギー価格の動向について検証し、「この2つの要素のいずれかが物価安定に下方向のリスクをもたらせば、われわれは行動することをためらわない」と述べた。
三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「今後はG20に注目だ。金融市場の動向の協調方針が伝えられたらプラスになる」と話している。
15日のニューヨーク原油先物は電子取引でほぼ1週間ぶりに1バレル=30ドル台を一時回復した。サウジアラビア石油相は16日にロシアエネルギー相と石油市場について協議する計画だ、と事情に詳しい関係者がブルームバーグの取材に対し明らかにした。アジア時間16日午前の時間外でも上昇している。きょう午前のドル・円相場は1ドル=114円70銭付近と、前日の日本株市場の終値時点113円92銭に比べ円安方向で推移した。
きょうの上海総合指数は0.5%高で始まった後、上昇率が2%を超えた。中国1月の経済全体のファイナンス規模は3.42兆元と、市場予想の2.2兆元を上回った。人民元中心レートは1ドル=6.5130元、前日は6.5118元だった。中国紙の経済参考報は、中国当局が16年に金融と財政、税制などに関する政策パッケージを発表する見通しと伝えている。
一方、日本銀行のマイナス金利の適用がきょうから開始。各金融機関の昨年の年間平均残高に相応する日銀当座預金は従来通り0.1%、所要準備額に相当する残高や貸出支援基金残高に相応する準備額などはゼロ%が適用される。ただし、午前の市場では銀行株へのマイナスの影響は見られなかった。
東証1部33業種は不動産、銀行、証券・商品先物取引、鉄鋼、保険、その他金融、機械、鉱業、情報・通信、非鉄金属など27業種が上昇。食料品や電気・ガス、陸運、空運など6業種は下落。東証1部の午前売買高は14億2744万株、売買代金は1兆2494億円。上昇銘柄数は1381、下落は477。
売買代金上位では、5000億円を上限に自社株買いを行うソフバンクが急騰。三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループ、マツダ、オリックス、日立製作所、三井不動産、シスメックス、ダイキン工業、楽天、野村ホールディングス、三菱重工業、IHIも高い。半面、ファナックやNTT、日本航空、東京電力、オリエンタルランド、JR東日本、電通は下げ、今期営業利益計画が予想を下回ったキリンホールディングスも安い。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2M1YD6K50XZ01.html

 
Business | 2016年 02月 16日 11:30

中国の1月新規人民元建て融資は2.51兆元 予想上回る

[北京 16日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が16日公表した1月の新規人民元建て融資は2兆5100億元(3856億ドル)と前月の5978億元から大きく伸び、アナリスト予想も上回った。

1月のマネーサプライM2伸び率は前年同月比14%となり、こちらも市場予想を上回った。

1月末時点の人民元建て融資残高は前年比15.3%増加した。

ロイターがまとめたアナリスト予想は、新規人民元建て融資が1兆8000億元、人民元建て融資残高は14.4%増、マネーサプライの伸び率は13.4%だった。
http://jp.reuters.com/article/boc-idJPKCN0VP06H


中国、為替政策を柔軟運用へ
By LINGLING WEI AND CAROLYN CUI
2016 年 2 月 16 日 13:23 JST

 中国当局は人民元相場の管理でどんな手段でも使える余地を残している。主要貿易相手国の通貨を参照すると表明したものの、それがうまくいかなくなるとドルに再びペッグ(連動)させるという具合だ。

 中国人民銀行(中央銀行)は1月半ば以降、特に正式な発表もなく元を下落基調のドルに再び連動させている。つい1カ月前に、複数の通貨で構成するバスケットを参照すると表明したばかりというのにだ。

 投資家からすれば、こうしたご都合主義的な対応が混乱拡大を招いている。中国当局が一つの戦略を徹底しないため、その真意はどこにあるのか市場が頭を悩ませ続けた結果、相場が乱高下しているのだ。15日には人民銀が突如、元の対ドル相場の基準値(中間値)を元高に設定したことで、元は約10年ぶりの上昇率を記録した。

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 人民銀に近い当局者や顧問は、この動きは低下している元の信頼を回復させることが目的だと述べた。こうした信頼低下は企業や個人の元売り急増につながった。アナリストの試算では、2015年の中国からの資本流出額は5000億ドル〜1兆ドルに上る。

 この当局者の1人は「人民銀は柔軟性を保ちたいと考えている」とし、「その目的は通貨バスケットを元相場の参考にすることにあり、厳密なペッグ(連動)対象にすることではない」と述べた。

 人民銀の周小川総裁は週末に中国誌「財新」に掲載されたインタビューで、当局が為替制度改革をその時々の状況に応じて進めたい考えであることを示唆した。周総裁は、タイミングが良ければ通貨バスケットに基づく改革を進めるが、そうでない場合は「現実的かつ忍耐強く」対応すると述べた。

 周総裁は「方向性ははっきりしているが、改革の道のりはまっすぐではないだろう」と語った。

 一部アナリストの間でドルとの「準ペッグ」と呼ばれる状態に戻ったことで、米国の利上げ観測が後退し、円やユーロに対してドルが急落する中でも、中国当局は救われた。準ペッグのおかげで元はドルと一緒に減価し、貿易相手国通貨に対して人知れず下落することができた。

 TCWグループのマネジングディレクター兼新興国ソブリンアナリストのデビッド・ロービンガー氏は「現時点では人民銀の狙い通りに物事が進んでいる」とし、「差し当たり、元に対する圧力は相当軽減された。元安・ドル高に誘導する必要は薄れている」と述べた。

http://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AG184_YUAN_16U_20160215043910.jpg
(左)ドルの対人民元相場【青:基準値、黄:直物相場】、(右)通貨バスケットに対する人民元指数

 もっとも、中国に対するこうした追い風がいつまで続くかは分からない。15日の元の値動きは、中国の戦略がいかに複雑かを印象づけるものだった。

 1週間続いた春節(旧正月)休暇明け最初の取引となった15日、人民銀が元の対ドル相場の基準値(中間値)を大幅な元高水準に設定したため、オンショア(中国本土)市場で元高が1.35%進行した。それ以前は1ドル=6.57元前後で推移していた。

 人民銀が大幅な元高に誘導した狙いは、他の複数通貨に対して比較的安定している元相場を維持することにあった。これら通貨の一部は先週、ドルに対して上昇していた。マッコリー証券のアナリスト、ジェリー・ペン氏は「休暇が明け(休暇中の)ドルの動きに追い付こうとしている」とし、「だが目先は依然として資本流出の抑制が人民銀の最優先課題であるため、(ドルに)連動するパターンが続くだろう」と述べた。

 元は15日に大幅高となったことで、1月初めの下げ幅の大半を解消した。当時は景気減速が悪化する中、人民銀が予想外に元安誘導に動いていた。これで元の対ドル相場は昨年末以降の下落率が0.3%に縮まった。対照的に、13通貨で構成するバスケットに対しては1.7%下げている。人民銀は昨年12月、このバスケットがドルや円、ユーロ、オーストラリアドルなどで構成されることを公表した。

 ドルが再び急上昇すれば、中国当局はその戦略を再び調整しなければならない。通貨バスケットよりもドルとの連動性が高い元が上昇すれば、経済成長を上向かせるための重要な手段である人民銀の信用緩和能力が損なわれるためだ。

 ロービンガー氏は「(中国当局に)このゲームを長く続ける能力は十分あるが、いつまでも続けられるわけではない」と述べた。

 人民銀の当局者と顧問は、元相場の決定で通貨バスケットを参照することが人民銀の長期的な目標であることに変わりはないと強調している。人民銀は、中国から大量の資金が流出したりドル高が再燃したりした場合は、再び通貨バスケットを参照するとみられる。ドルはこの数週間、一部の主要通貨に対して下落している。

 この当局者と顧問によると、人民銀は長期的にはシンガポール型の為替制度を確立したいと考えている。シンガポール通貨監督庁(MAS、中央銀行)は「バスケット、バンド、クローリング」制度の下、加重平均通貨バスケットに対するシンガポールドル相場を管理している。一定のバンド(変動幅)内での変動を容認し、MASが適切と判断すればこのバンドを上下にクローリング(移動)させる。

 こうした為替制度を導入すれば、人民銀は元の将来の値動きに関して全体的な指針を提供するとともに市場介入を減らすことになるという。

 中国の経済状況(昨年の成長率は6.9%と、25年ぶりの低水準に減速)と元相場急落の恐れは、世界の投資家の不安材料となっている。こうした投資家は過去十数年間、成長の源泉として中国に依存してきた。中国当局はこうした懸念に言及している。政府高官らは市場との対話方法を改善すると表明しているが、人民銀の当局者らは(投機筋との闘いに関し)それによって予測がさらに難しくなることもあると示唆している。

 人民銀はこの8カ月間、元相場の管理方法や為替政策の伝達方法をめぐり批判にさらされてきた。予想外の動きや方針転換が相次いだためだ。人民銀が昨年8月に元を切り下げた際、日々の基準値設定で新たな方法を導入しようとしたが、困惑した投資家から元売りを浴びたことで撤回を余儀なくされた。

 世界的な投資家にとっては、今年の特に大きなリスク要因として元の大幅な切り下げがいまだに意識されている。中国の輸出品が割安になれば、それ以外の国の資産価格を押し下げられる可能性があるためだ。

 シュローダー・インベストメント・マネジメントの新興国債券部門共同責任者、ジェームズ・バリノー氏は「ペッグ制の解消はいつでも非常に微妙な問題だ」とし、「市場にそれを受け入れてもらうには、全体的な戦略をしっかり伝える必要がある」と述べた。

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人民銀行総裁が説明しても不可解な中国の為替政策
中国の外貨準備高が急減、元安容認への転換あるか
http://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AG184_YUAN_16U_20160215043910.jpg



中国、金融市場のリスクを引き続き注視=李克強首相
By LIYAN QI
2016 年 2 月 16 日 12:34 JST
 【北京】中国の李克強首相は、金融市場のリスクを引き続き注視すると明言する一方、雇用の安定によって中国経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は依然として堅調だとの見方を示した。

 15日遅くに中央政府のウェブサイトに掲載された報告によると、首相は、株式および外為市場の安定を目指し規制当局が昨年導入した政策は、国際的規範に基づけば正しいものであり、「一定の期間内における時限爆弾を排除」する上で貢献したと述べた。

 首相は「ただ、振り返れば政府関係機関も一定の教訓を得るべきだ」とし、各機関はよりタイムリーで効率的な対応ができたはずであり、内部管理を強化すべきだとの考えを示した。

 また、当局者らに対し、危機感を持って経済成長鈍化への対策を取るよう求めた。

 同首相は「いま起きているのは、事業のための資金は割り当てられても建設が再三先送りされるという事態だ」と述べた。

 李首相はまた、当局者らが記者会見を増やすなどして、市場との対話を改善するよう求めた。

人民銀行総裁が説明しても不可解な中国の為替政策
By ALEX FRANGOS
2016 年 2 月 16 日 09:35 JST 更新

 ここ数カ月にわたり動静が報じられていなかった中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁の長文インタビューが14日公表された。人民元安懸念を払拭したいという意図がうかがえる。

 周総裁は、元相場の基準値を決めるための貿易額加重平均に基づく通貨バスケットを策定する作業は続いており、バスケットは将来「調整される」と述べた。また、この通貨バスケットについてコンセンサスは形成されていないと明かした。その上で、人民元を「均衡水準」で維持することが人民銀行の使命だと語った。

 同総裁は、「均衡水準を正確に評価するのは難しいが、均衡水準に近くなければ為替レートを安定させることはできない」と述べたが、この発言に首を傾げた投資家も多いだろう。定義できないものを達成するのは難しそうだ。

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 周総裁はさらに、人民銀が将来発行する可能性があるデジタル通貨に触れた。総裁は公的なデジタル通貨と民間のデジタル通貨の間に存在するトレードオフの関係については非常に雄弁だった。周総裁は「デジタル通貨でプライバシー保護を強化するには、ブロックチェーン・テクノロジーが好ましい選択だ」との見方を示した。

 これはビットコインの支持者を興奮させるには十分な内容だ。だがリアルな世界での中国の為替政策を見極めたいと思っている人々は今も頭をひねっている。

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中国の不透明な為替政策、市場を翻弄
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MP391_aoherd_M_20160215050503.jpg

直近の円高は異常、財務省は介入すべき=浜田内閣官房参与

By TAKASHI NAKAMICHI
2016 年 2 月 16 日 10:54 JST
 【東京】内閣官房参与で米エール大名誉教授の浜田宏一氏は、先週以降の急激な円高は「異常」なため、財務省は円の乱高下を防ぐために市場介入に踏み切るべきとの見方を示した。

 浜田氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最近行ったインタビューで、「直近の円高は統計学的にも異常」で、ヘッジファンドが仕掛けているようだと指摘。「したがって、円の方向を決めるためでなく、その乱高下を防ぐために、財務省が介入して投機者を牽制するほうがよいと思う」と述べた。

 これは「個人的見解」で、介入の是非は財務省の権限で決めるべきことだと浜田氏は強調した。

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 また、為替市場に介入すれば日本銀行の大規模な金融緩和を補完することになると述べた。

 今回の発言から、先週末以降に浜田氏の心境が変化したことがうかがえる。浜田氏は先週末WSJに対し、円相場についてそれほど懸念していないと語っていた。ただ、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は「大丈夫」で、マイナス金利も国内金融には意図した方向に効いているとの見方は変えなかった。

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Business | 2016年 02月 16日 11:04 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
焦点:日銀マイナス金利が始動、イールド押し下げ効果に自信

[東京 16日 ロイター] - 日銀のマイナス金利が16日から始動する。1月29日の正式発表後、折からの世界的な市場変動で一時、大幅に株安・円高が進行。市場の一部ではマイナス金利の副作用を声高に指摘する動きも出ているが、日銀はイールドカーブ全般を押し下げ、それによって緩和効果が出ると強調する。

2013年4月の量的・質的金融緩和(QQE)導入直後も国債価格は急変動後に落ち着いた。今回はどうなるか、市場の注目度は高い。

<実質金利低下、主たる波及メカニズム>

日銀の黒田東彦総裁は12日の国会で、1月29日に導入を決めたマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の効果について問われ、イールドカーブ全体の低下が実現しているとし「所期の効果が表れている」と評価した。


日銀ではマイナス金利の導入当初から、その直接的な狙いについて、イールドカーブの起点となる短期金利の引き下げで金利全体の低下を促す一方、日銀による物価2%目標達成に向けた強い決意を示すことによってインフレ期待を引き上げ、実質金利を低下させることを「主たる波及メカニズム」(黒田総裁)と説明している。

その意味では、導入決定直後から金利全般が低下。9日には長期金利JP10YTN1=JBTCが初のマイナスとなるなど、リスク回避による国債需要の高まりを除いても、名目金利を押し下げる効果は日銀の目論見通りといえる。

<翌日物マイナス金利、市場の見方交錯>

もっとも翌日物金利がマイナス0.1%まで下がるかどうか、市場では見方が交錯している。金融機関の間でマイナス金利で資金を貸し借りするインセンティブが少ないため、「メガバンクがあえてマイナスで取りにいかないと成立は難しいのではないか」(国内市場関係者)との声が出ている。

また、一部の金融機関のシステムでは、マイナス金利の入力ができないまま16日を迎えていると見られ、そうした点もマイナス金利の広がりに対する懸念材料となっている。

翌日物金利がマイナス0.1%まで下がらなければ、思惑でこれまでマイナス圏に下がってきた中期ゾーンの金利が反転上昇し、イールドカーブがむしろスティープ化する展開も、一部の市場関係者の間で懸念されている。

これに対して日銀内では、翌日物と異なり、より長い金利は経済・物価情勢を反映するため、イールドカーブが急激にスティープ化することはないとの認識が出ている。

一方、日銀が重視ているインフレ期待とマイナス金利の関係でも、市場では冷めた声が出ている。例えば、市場のインフレ期待を示す指標である物価連動国債から算出するブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、マイナス金利導入前のプラス0.5%程度から足元は同0.2%程度で推移している。

ただ、日銀内ではBEIは目安の1つに過ぎず、その他のアンケート調査やエネルギーと生鮮食品を除いた日銀版コアコアCPI(消費者物価指数)をみれば、物価の基調はしっかりしているとの立場を維持している。

<銀行株下落、いずれ修正と予想>

また、市場関係者の一部で注目されているのが、銀行株の下落だ。15日の市場で急反発したものの、依然として最近の下げを取り戻していない。

しかし、日銀ではマイナス金利導入に際し、当座預金残高を3階層にして金融機関収益への影響に配慮した点を強調。市場が冷静に客観情勢を織り込んでいけば、過度の銀行株下落は、時間の経過とともに修正されていくとみている。

また、最近の株安・円高現象に関しては、中国など新興国経済の不透明感と原油安に、米利上げペースや欧州の銀行問題など悪材料が重なった「外生要因」が、大きく作用しているとみている。

マイナス金利導入による金利の低下は、内外金利差やポートフォリオ・リバランスなどを通じて、株高・円安方向に影響を与え、市場の動揺が鎮静化するにつれ、その色彩が濃くなると展望している。日銀内には、もし1月29日に追加緩和を決断しなければ、今以上に株安と円高が進展していた可能性があるとの声も聞かれる。

<残る複数のリスク要因>

もっとも、市場の不安定な状態が長引くこと自体が企業と家計のマインドや支出行動に悪影響を与える可能性があり、日銀は警戒感を持って動向を注視している。

さらに原油価格動向も引き続き気掛かり。日銀の物価見通しは、原油価格が先行きに緩やかに上昇していくことが前提となっている。15日には原油先物が一時1バレル30ドルまで上昇したものの、先行きは不透明だ。原油価格が低水準で推移すれば、実際の消費者物価の低迷が長引き、人々の物価観に影響を及ぼしかねない。

黒田総裁は12日の国会で、戦力の逐次投入とは「その時点で必要なだけの金融緩和なり引き締めを行わずに、政策対応を繰り返すこと」と説明した。

日銀がこれからどのような政策判断を下していくのか。その動向を見極める上でも、16日からの短期金利から長期金利までのイールド全般の動きから目が離せない。

(伊藤純夫、竹本能文 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/kuroda-boj-idJPKCN0VP04R


 

日本株ボラティリティ、2011年震災時来の揺れ−急騰後も消えない懐疑
2016/02/16 12:28 JST 

    (ブルームバーグ):日本株相場が荒れている。世界的な景気の減速リスクや為替の急激な円高、一部欧州金融機関の信用不安などが直撃し、わずか3営業日で日経平均株価は2000円以上急落したと思いきや、たった1日で1000円以上戻した。変動率の大きさを示す主要株価指数のボラティリティは、東日本大震災が起きた2011年3月以来の高水準に達し、投資家の間で安心と不安が交錯する。
日経平均とTOPIXのヒストリカル・ボラティリティ(HV、10日平均)は16日午前に60.81、66.45に上昇、ともに11年3月28日に記録した77.86、73.86以来の高水準となっている。ブルームバーグ・データによると、TOPIXの30日HVでは48.6と世界の中でイタリア、アルゼンチンを抑えトップだ。
15日の取引では、前週末に公表された米国消費統計の堅調や欧州の銀行株上昇、円高一服、国際原油市況の大幅高を受けグローバル投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、幅広い業種で買い戻しの動きが活発化。日経平均は昨年9月9日以来、上げ幅が1000円を超え、TOPIXの上げ幅はリーマン・ショック直後の08年10月以来の大きさを記録した。財務懸念が浮上していたドイツ銀行は12日、ユーロ建てとドル建て債の買い戻し計画を発表。ドル・円は1ドル=114円台まで円安方向に戻した。11日には110円99銭と14年10月以来のドル安・円高水準を付けた。
CLSAの日本担当ストラテジスト、ニコラス・スミス氏は「市場はパニック売りを受けてきたが、ついに目を覚ました。パニックは止まりつつある」と指摘。15日の急騰はショート(売り)ポジションの巻き戻しが中心と分析しているが、「投資家はバリュエーションをみており、現状は明らかにおかしい。市場が底を付けたとは思わないが、バリュエーションから判断すると今後6−12カ月で高値を目指す好機」と受け止める。
東証1部の予想株価収益率(PER)は13.69倍と、12年11月以来の水準にまで低下。ブルームバーグ・データによれば、米S&P500種株価指数の15.5倍、ストックス欧州600指数の14.2倍を下回っている。
記録的な日本株の急騰は、足元で低調な国内経済をサポートとする政策発動への期待感も後押しした。15日朝に発表された昨年10−12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率1.4%減と2期ぶりのマイナス成長となり、市場予想の0.8%減より悪かった。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、「株価・為替の変調、世界経済の先行きに下振れリスクが増していることを考えると、再び消費増税が先送りされる可能性も十分考えられる」と指摘。さらに、日本銀行は6月にも「再度付利を20ベーシスポイント引き下げる」と予想する。
UBS証券では、このまま円高基調が止まらない場合、財務省と日銀による為替介入の可能性が高まっているとみており、26ー27日に上海で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の行方に注目する考えを示した。
ただし、このまま日本株が急速に反転上昇していく可能性については懐疑的な見方も依然として多い。りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、15日の急騰に対し「恐怖感さえ覚える。動きだしたら際限なく上がり、下がる時も際限なく下がってしまう。これでよし買いだ、という受け止め方はなかなかされない」と言う。UBS証の大川智宏エクイティ・ストラテジストも、「日本の要因で動いているのではなく、今の市場のリスクは米利上げの延期とドイツ。マクロの善しあしで乱高下する」との認識だ。
プリンシパル・グローバル・インベスターズのファンドマネジャー、ビナイ・チャンゴシア氏(香港在勤)は「昨年末にかけ、ポートフォリオの中でリスク資産をいくらか減らした。現時点ではそのポジションを維持している。われわれは長期で資産を運用しており、こういう時期には短期のリターンを期待されている投資家よりも少し仕事がしやすい」と話す。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長も、「あすは何が起こるか分からない。割安だと思う株に投資し、長期目線を持つのは変わらない」と乱高下する相場に惑わされないよう努めている。 
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net;東京 北中杏奈 akitanaka@bloomberg.net;香港 西沢加奈 knishizawa5@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2KXIL6TTDS101.html


 

GPIFは「今まで通りで良いのか」、マイナス金利で変わる投資環境
2016/02/16 10:53 JST 

    (ブルームバーグ):日本の債券利回りのマイナス化と株価収益率の大幅な割安化が、世界最大の公的年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオを大きく変えてしまうかもしれない。市場関係者は国内債の削減と日本株などリスク資産の積み増しをさらに進める余地が広がったとみている。
日本銀行が1月の金融政策決定会合でマイナス金利政策の導入を決めたのをきっかけに、国債市場では10年物利回りが初のマイナスを記録。一方、株価急落に伴い、東証一部に上場している企業の予想株価収益率は13.7倍と、2012年11月以来の水準まで低下した。
クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは、GPIFは時価変動に伴う資産保有割合の調整だけでなく、国債利回りのマイナス化を受けて「今まで通りで良いのかという話になり、さらに国債の構成比を引き下げ、株式・外貨建て資産の買い増しを積極化していく」と分析。「今後マイナス金利が拡大すれば、国内債の目標値35%を割り込んで下限の25%に近づけていく可能性は十分にある」と読む。
第2次安倍晋三内閣が発足した12年末から昨年9月末にかけて、GPIFは国内債の保有額を約13兆円減らし、運用資産全体は約23兆円増やした。ただ、収益のけん引役だった日本株や外貨建て資産が昨夏の世界的な金融市場の混乱で大幅減に転じ、7−9月期の運用収益はマイナス7.9兆円と過去最悪を記録。安倍首相は5日の衆院予算委員会で、公的年金の運用成績は株価と単純に連動するわけではないと釈明に追われた。 
14年10月末の資産構成見直しでGPIFは、国内債の目標値を60%から35%に下げ、内外株式はそれぞれ12%から25%に、外債は11%から15%へ引き上げた。デフレに強い国内債への偏重から、株式と債券が半分ずつで国内6割・外貨建て4割という分散型に変えた。
メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、債券・株式・円相場などの変動による評価額の変化を把握するため、昨年9月末から売買がなかったと仮定して12日時点の資産構成割合を試算。GPIFの運用資産は約6兆円目減りし、構成割合は国内債が42.45%、国内株は18.99%、外債13.66%、外株20.23%、短期資産4.68%となった。同証の推計によると、GPIFのリスク資産の増加余地は12兆円近くに上る。
大崎氏はGPIFが短期資産を除いて35、25、15、25%の資産構成を目指す前提で、国内債の削減余地がまだ約11.7兆円あり、国内株に6.2兆円、外債に0.8兆円、外株に4.6兆円程度、振り向ける余地があるとみている。
「30%台前半」説も
日銀は先月末、金融機関の当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用する追加緩和を決定した。原油安や新興国・資源国経済の減速、市場の混乱を受け、企業信頼感の改善や人々のデフレ心理の転換が遅れ、物価の基調に悪影響が及びかねないと判断したためだ。イールドカーブの起点を押し下げ、巨額の国債購入とともに、金利全般により強い下押し圧力を加え、必要に応じて追加利下げもあり得るとした。
メリルリンチ日本証の大崎氏は、GPIFは国債利回りのマイナス化を受け、「償還分の再投資は金利がプラスでないと買わないといった新たな方針の下で国内債を減らしていく可能性はある」と指摘。資産構成の目標値の上下にある「乖離(かいり)許容幅を使って国内債を減らし、国内株などの買い支えなどに動く可能性はある。十の位が変わらないという心理的な観点もあり、30%台前半までなら十分あり得る」と読む。
日本証券業協会の統計によると、公的年金の売買動向を映す信託銀行は昨年後半に利付国債を合計9352億円売り越した。日本株の買越額は1月に6076億円。12月は7427億円で、09年3月以来の高水準を記録した9月に続いた。
日銀は2%の物価目標を達成するため、マネタリーベースを積み増す「量的・質的金融緩和」を13年4月に導入。14年10月末の追加緩和では国債保有増を年80兆円に拡大し、15年12月には買い入れの平均残存期間を7−12年程度に長期化するなどの補完措置も加えた。ETFやJ−REITの買い入れも含む量的・質的緩和は今後もマイナス金利と併用していく方針だ。
マイナス金利の国債を購入すると、償還時に損失が発生するため、より深いマイナス金利で転売できる見通しがないと大規模な新規買い入れや償還分の再投資は難しい。クレディ・アグリコル証の尾形氏は、日銀が巨額の国債購入を続けるには売り手が必要だとし、GPIFなどのポートフォリオ・リバランスが加速すれば「日銀にとって好ましい動きだ」と言う。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 北中杏奈 akitanaka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net; Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2016/02/16 10:53 JST

ニュース一覧
日本株ボラティリティ、2011年震災時来の揺れ−急騰後も消えない懐疑
世界的な養魚飼料不足でM&A加速−米カーギルも水産養殖事業に重点
日本株続伸、原油や欧州銀行、円高懸念薄れる−金融、ソフバンク高い
ドル・円は114円台後半、中国や原油懸念緩和でリスク回避圧力弱まる
スタッツ橋都氏:変動率上昇で日本株ヘッジファンド「恵まれた状況」(1) 

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2L1PW6TTDSD01.html


 

コール翌日物は大幅低下、ゼロから0.001%に−日銀マイナス金利開始
2016/02/16 10:53 JST


    (ブルームバーグ):短期金融市場では無担保コール翌日物金利が大幅に低下している。今日から始まる日銀当座預金の一部の政策金利残高に対するマイナス金利適用が金利の下げ圧力になっている。半面、市場関係者からは、マイナス金利での取引が可能な金融機関は少なく、若干のプラス金利を維持し、取引高は大きく減る見通しとの見方が出ている。
セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は、16日午前の無担保コール翌日物は0.001%を中心に一部はゼロ%で取引され、15日の加重平均金利0.074%から大幅に水準が切り下がるものの、マイナス0.1%の政策金利残高の増加を警戒して資金の取り手は少ないと指摘した。「システム対応の問題からマイナス金利で取引できるところがいない。今日はマイナス金利を付けないのではないか」と予想する。
資金の取り手は地方銀行。一方、出し手は投資信託や信託銀行、生命保険会社や損害保険会社などとみられる。
東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは15日付のリポートで、「マイナス金利で資金を運用するつもり、という話は今のところ市場参加者から聞こえてこない。取引残高はいったん急減することが予想される」と指摘。背景として、1)金融機関のシステム対応の遅れ、2)結果的に利ざや縮小つながって行くマイナス金利運用への消極的な態度、3)生損保は 0.02 %の普通預金に余剰資金を滞留させる公算、4)投資信託はマイナス金利での運用をしない−ことなどを挙げた。
日銀の試算によると、今日からマイナス0.1%が適用される政策金利残高は約10兆円。市場関係者の間では、運用側が利息の支払いを少しでも抑えるため、マイナス0.1%を上回る水準で動くか注目している。
ただ、銀行は2月分の準備預金の積み期間(2月16日−3月15日)内に政策金利残高を調整すれば良いため、積極的な取引は資金繰りが明確になってくる積み期間の後半になるとの見方もある。
セントラル短資の佐藤氏は、「各金融機関ともマイナス金利へのシステム対応を頑張って急速に進めていると聞いており、対応さえできればマイナス金利が取引されるのは時間の問題だろう」とみている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 船曳三郎 sfunabiki@bloomberg.net;東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net 山中英典
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2M19Q6KLVRD01.html

 

 
方向見失う債券トレーダー、リセッション予測する従来の指標にひずみ
2016/02/16 10:09 JST 

    (ブルームバーグ):以前なら、米経済が苦境に向かっているかどうかを見極めるのは簡単だった。債券市場を見るだけで良かったからだ。だが、今はそうではない。
長年のゼロ金利政策で債券市場にひずみが生じているため、ウォール街の大手債券ディーラーはそれぞれ大きく異なる結論を導き出し、別の指標を考え出そうとしている。
過去半世紀の全てのリセッション(景気後退)を予測してきたバンク・オブ・アメリ(BOA)のモデルは、米国債の長短金利が既に逆転しているべきであることを示唆し、向こう1年にリセッション入りする確率を64%と試算。バークレイズやTDセキュリティーズも利回り曲線(イールドカーブ)への注目を取りやめている。バークレイズのモデルではリセッション入りのリスクは20%、TDによれば約50%と示されているという。
金融市場の混乱が深まり、中央銀行による世界経済支援への信頼が弱まる中、そのリスクはこれ以上ないほど高まっている。投資家にとって最大の懸念は、次のリセッション入り時に計器飛行も同然の状況に陥ることだ。数十年頼りにしてきたモデルへの疑念はますます強まっており、市場に動揺が広がり債券と株式、通貨、商品のボラティリティ(変動性)は悪化の一途をたどる恐れがある。
セージ・アドバイザリー・サービシズの共同創業者、マーク・マックイーン氏は「全く新しい領域に入った」と述べ、「過去の利回り曲線と現状を比較するのは危険だ」と指摘した。
通常なら、長期金利が短期金利を上回る状況は投資家が経済成長を見込むことを示唆し、その結果、物価上昇に伴う利子収入目減りリスクを補完する上乗せ金利が求められる。
しかし、この関係が逆転して逆イールドカーブと呼ばれる状況になると通常、経済収縮の恐れを示すサインと受け止められる。ブルームバーグの集計データによれば、1970年代以降の7回のリセッションの前に毎回、この現象が発生。平均で、利回り曲線の逆転から1年弱でリセッションが始まっている。
原題:Bond Traders Led Astray by This Can’t-Miss Recession Predictor(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker Barton swalker33@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2M5AM6KLVRG01.html


 

【FRBウォッチ】市場と指標、米経済の見方で相違
米国経済について市場で言われていることと経済指標が示す状況の隔たりが大きくなっている

By JON HILSENRATH
2016 年 2 月 16 日 07:58 JST

 米国経済について市場で言われていることと経済指標が示す状況の隔たりが大きくなっている。

 ダウ工業株30種平均は2月に入ってからこれまでに3%下落した。だが同じ時期に、アトランタ地区連銀の予測モデル「GDPナウ」に基づく1-3月期の国内総生産(GDP)推計値は前期比年率換算で1.2%増から2.7%増へ改善した。つまり、2015年10-12月期に失速した米経済は勢いを盛り返しているとみられる。

 この1-3月期のGDP推計値は12日、商務省が発表した1月の小売売上高の好調を受けて一段と上昇した。飲食店の売上高が5.8%増と、現在の景気拡大期の平均である5%増を上回った。米国の消費者は金融市場の乱高下にやきもきしているかもしれないが、外食を控えるまでには至っていない。

 ドイツ銀行のトーステン・スロック氏は「弱気派には問題がある。エネルギー業界の厳しい状況は経済全体へと波及せず、マクロ経済指標も悪化していない」と先週末に話した。

 他にも例がある。銀行株が売り込まれた半面、米国の銀行の融資は堅調で、加速している。2月上旬の米銀の貸出・リース総額は1年前に比べて8.5%増加し、景気拡大期の平均値(2.5%増)より大幅に伸びた。景気拡大期に入ってから平均4%の伸びを示してきた商工ローンは、2月上旬に11.9%増加した。

 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は12日、記者団に対し「米国の銀行について何ら懸念はない。極めて良い状態にあると思う」と語った。

 インフレはどうだろうか。米国債の利回りが急落し、ガソリンの大幅安でインフレ期待がしぼんでいる可能性を浮き彫りにした。金融市場の動きやアンケート調査からはじき出したインフレ期待は低下している。インフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)の目標とする2%を3年半にわたって下回り続けて来た。だがこの面でも、見た目ほど指標が弱いわけではない。

 食品とエネルギーを除く消費者物価指数(CPI)の伸びは加速している。15年12月にはCPIが前年同月比2.1%上昇し、5月の1.7%上昇に比べた差は明らかだ。FRBがより重視する個人消費支出(PCE)価格指数もこのところは小幅ながら上昇してきた。11月と12月はいずれも前年同月比1.4%上昇し、それまでの1.3%上昇を上回っている。

 日本やユーロ圏のコアインフレ率は昨年4月以降、若干は改善している。実際の経済指標を見る限り、原油安が広範なデフレ基調につながっている様子はない。

 米国の雇用拡大は力強いペースで安定、失業率も低下、そして賃金は緩やかな上昇の兆しを見せている。金融引き締めが最終的には経済を収縮させ、リセッション(景気後退)へ追い込みかねない、という市場の見方が実現する可能性はある。しかし逆に、投資家は米国経済がそれほど悪くないことに気付くかもしれない。

関連記事

米リセッション入りリスク増大、市場混乱が引き金
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http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MO552_0211re_M_20160211152513.jpg


 


 


FX Forum | 2016年 02月 16日 12:01 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:欧州の銀行不安は杞憂か

田中理第一生命経済研究所 主席エコノミスト
[東京 16日] - 世界的に金融市場の動揺が続くなか、新たな危機の震源として欧州の銀行セクターの健全性がにわかに注目を集めている。日銀が突如、マイナス金利政策を採用し、銀行収益圧迫への懸念が強まっている最中、ドイツの最大手行が高利回り債の利払いを停止する可能性があるとの報道をきっかけに、欧州銀の信用不安が市場を駆け巡った。

昨夏にギリシャ危機が鎮静化して以降、日本では欧州の経済・金融情勢に関する報道が激減してきた。この間、欧州の経済ファンダメンタルズが比較的良好だったこともあり、多くの読者にとって、欧州発の銀行不安は「寝耳に水」だったのではないだろうか。

ただ、欧州の銀行セクターをめぐる不安要素は、実はすでに昨年末頃から様々な形で顕在化していた。

<イタリアとポルトガルの教訓>

まず初めに市場が着目したのは、イタリアの不良債権問題だった。ユーロ圏内で回復の遅れが目立つ同国は、銀行セクター全体で3500億ユーロ、貸出総額の約17%に相当する巨額の不良債権を抱えているとされ、不良債権処理の遅れによる銀行貸出低迷が景気回復の足かせとなってきた。

危機感を強めた同国政府は昨年11月、4つの小規模な銀行の救済に着手。そこでは銀行の優先債保有者や預金者が完全に保護された一方、株主や劣後債の保有者に損失が発生した。同国は個人投資家による銀行債の保有割合が多く、破綻銀行の劣後債を保有していた年金生活者の1人が自殺したとのニュースをきっかけに、個人投資家の保護を求める声が高まった。政府は人道的な見地から損失を被った個人投資家に補償を提供することを決定した。

さらに昨年12月末にポルトガルで、経営危機に陥って2014年央に救済された大手行の追加資本増強が必要となり、監督権限を持つポルトガル中銀は、同銀の発行債券の一部をバッドバンクに移管することを決定した。

当該債券を保有していたのは外国資本の大手機関投資家で、個人投資家や国内の機関投資家は損失負担を免れた。公平性と透明性に欠ける銀行救済に批判の声が挙がっており、損失を被った投資家は法的手段に訴えるとしている。

こうしたイタリアとポルトガルの2カ国の銀行救済事例は、個人投資家に銀行救済での損失負担を求めることがいかに政治的に困難であるかを浮き彫りにし、多くの機関投資家が自身の保有する銀行債の損失負担リスクが想定以上に高いことを再認識させた。

<追い打ちをかけたハイブリッド債問題>

欧州連合(EU)では銀行行政一元化(銀行同盟)の一貫で、今年1月から域内で統一的な銀行の破綻処理ルールの適用が開始された。そこでは銀行救済に税金投入を回避する観点から、銀行が積み立てる破綻処理基金を利用するためには、銀行の株主や債券保有者が負債総額の最低8%に相当する損失を負担すること(ベイルイン)が求められる。両国の銀行救済は、そのタイミングからも、新たな破綻処理ルールの適用を回避するために駆け込みで行なわれたことは明らかだ。

新たなルールの下で銀行債の保有リスクが高まることは自明であったが、今後も各国当局が特例措置として個人投資家の保有債券をベイルインの対象から除外する可能性もあり、その分、機関投資家の損失負担が増す恐れがある。このことが世界的な市場動揺でリスク許容度が低下した投資家心理をさらに冷え込ませた。

その後も欧州銀の不安をかき立てる出来事が相次いだ。イタリアでは不良債権処理の加速を目指し、公的資金を用いて銀行から不良債権を買い取る政府案をめぐって、EUとの協議が難航。紆余曲折の末、最終的に焦げ付きリスクの低い不良債権のみを民間投資家が買い取る際に政府が保証するスキームで決着した。

だが、同施策が不良債権問題の抜本的な解決につながるか、市場には懐疑的な見方が根強い。この間、銀行の不良債権問題を検討する欧州中央銀行(ECB)のワーキンググループが、イタリアの銀行から情報提供を求めたとの報道も、同国銀行の不良債権をめぐって市場の疑心暗鬼を高めた。

そこに追い討ちをかけたのが、1月下旬から2月初旬にかけてのドイツ最大手行の赤字決算発表と同行の高利回り債の利払い停止観測だった。問題となった大手行は、資本市場業務の大幅縮小などの抜本的な経営改革を進める過程で巨額の減損やリストラ費用を計上したことや、昨夏以降の市場環境悪化によるトレーディング収入の減少が収益悪化につながった。

加えて、EUの新たな銀行破綻処理ルールの適用開始を受け、1月末に大手格付け会社が同行の優先債格付けを引き下げたことも信用リスクを高めた。

さらに2月初旬に同行がCoCo債と呼ばれるハイブリッド債の利払いを停止する可能性があるとの観測が広がり、市場の不安心理に拍車をかけた。CoCo債は自己資本比率が一定水準を下回ると、手元流動性の有無にかかわらず、任意の配当や利払いを停止する設計となっている。これは上位債権者を保護するためのもので、自己資本比率がさらに低下すると、普通株に転換し自己資本が増強される。

CoCo債の利払い停止はそもそも債務不履行とは区別されるものだ。だが、世界的な市場混乱による投資家のリスク回避姿勢の高まり、欧州の銀行セクターに対する信用リスクの高まり、EUの新たな銀行規制下での銀行債の保有リスクの高まり、世界景気の減速懸念と政策対応能力の限界などが相まって、投資家はリスク過敏になっていた。高利回り債の利払い停止とのニュース報道のヘッドラインを目にし、CoCo債の任意利払い停止を債務不履行と混同した可能性がある。

<ECBに残された政策オプション>

日本では日銀がマイナス政策金利の採用を決定した直後にドイツの大手行をめぐる不安が広がったことから両者を結び付ける論調もあるが、欧州の政策当局者の間ではマイナス政策金利の副作用はそれほど大きくないとの見方が一般的だ。

だからこそECBは昨年12月、すでに預金ファシリティ金利は下限に達したとの前言を撤回し、追加利下げに踏み切った。他方、マイナス金利の政策効果については、同時に導入した量的緩和策や流動性供給策の効果も相まって、金利低下やユーロ安進行をもたらしたとの評価で一致している。

ただ、貸出増加がマイナス金利(罰則金利)によるものであったかは評価が割れている。ECBが政策金利をマイナス圏に引き下げた14年央以降、スウェーデンやデンマークなど周辺の欧州中銀がマイナス政策金利を強化しており、マイナス金利が通貨安を通じたゼロサム・ゲームの様相を呈していることがうかがえる。

日銀が新たにマイナス金利競争に参戦し、そのしわ寄せはドル高という形で米製造業の景況悪化懸念につながりやすい。マイナス金利導入によって期待されたはずの円安効果は、世界景気減速によるリスクオフで打ち消された。

一段の原油安進行で向こう数カ月の間にユーロ圏の消費者物価は再びマイナス圏に転落する恐れがある。中期的な期待インフレ率が再び下方屈折を始めており、低過ぎるインフレ率の長期化で徐々にデフレマインドが広がる恐れがある。

ECBは、次回3月10日の会合で金融政策スタンスを再評価し、場合によっては再考する必要があることを前回1月22日の理事会で表明している。市場の行き過ぎた緩和期待が失望を招いた昨年12月の二の舞を避けるため、今回は丁寧な市場対話と期待誘導を図る可能性が高い。

15日付けのロイター通信は、預金ファシリティ金利のさらなる引き下げについて理事会内に確固たる支持が広がっているとの関係者の発言を伝えている。預金ファシリティ金利の10ベーシスポイント(bp)程度の小幅引き下げは規定路線とみてよい。

このところの金融市場の動揺を受け、ECBがさらに大胆な緩和に踏み切るとの期待も広がっている。米国の利上げ観測後退もあり、為替市場にはユーロ高圧力がくすぶっており、小幅の追加利下げでは市場の期待に届かない可能性が高い。

ECBが取れる政策オプションは、1)預金ファシリティ金利の大幅な引き下げと同時に副作用を緩和する政策金利の階層化、2)中心レートである主要リファイナンス金利のマイナス化、3)量的緩和の期間・規模・構成の見直し、4)買い入れ総額を変えずに当面の買い入れを増額する前倒し購入、5)発行体や銘柄毎の買い入れ上限の緩和、6)預金ファシリティ金利未満の利回りの国債や残存30年超の国債を買い入れ対象に追加、7)貸出増加を条件とした流動性供給(TLTRO)の再開など、多岐にわたる。

出し惜しみをすればユーロ高進行によるデフレリスクを高める恐れがある一方、マイナス金利の大幅な拡大は欧州銀の信用不安を高めることや、ドル高進行による米景気の腰折れ懸念を高めることで、日銀同様に市場の手荒いしっぺ返しを受ける恐れもある。ドラギECB総裁は難しい判断を迫られることになる。

*田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-osamu-tanaka-idJPKCN0VP065


新興国企業の社債、新たな問題生む恐れも
新興国企業の社債に対する懸念が高まっている。写真はブラジル・リオデジャネイロのシンボル「コルコバードのキリスト像」
By JUSTIN LAHART
2016 年 2 月 16 日 13:07 JST

 新興国企業の資金調達方法は大きな変遷を遂げてきた。目下、新たな調達手段が試練の時を迎えているところだが、難局を切り抜けられるかは分からない。

 株価急落など最近の市場の混乱を受け、中央銀行は慌てて景気てこ入れ策を模索しているが、新興国企業をめぐるこうした不透明感が混乱を加速させている側面もある。

 新興国の企業にとって資金調達の常とう手段は従来、銀行からの借り入れだった。だが、2008年の金融危機以降、これは難しくなった。銀行は損失に見舞われ規制強化に直面する中で、融資に消極的になったのだ。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)など中銀は債券買い入れ措置を導入し、長期金利の引き下げや高リスク・高利回り資産への投資促進を図った。

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 これを受け、新興国の企業は債券市場からの資金調達を増やした。国際通貨基金(IMF)によると、2014年時点で、新興国企業が発行する債券は市場に流通する社債全体の17%を占めるまでになった。10年前には9%だった。

金融機関以外の新興国企業が発行したドル建て債券の残高(単位:兆ドル) ENLARGE
金融機関以外の新興国企業が発行したドル建て債券の残高(単位:兆ドル)
 新興国企業の社債の多くは現地通貨建てではなくドル建てだ。国際決済銀行(BIS)の推計では、金融機関以外の新興国企業が発行したドル建て債券の残高は08年末の5090億ドルから、15年7-9月期には約1兆1000億ドル(約125兆8000億円)に増加した。

 新興国の景気低迷やコモディティー(国際商品)価格の急落、ドル高を受け、足元で新興国企業の債務返済が厳しくなっている。08年の危機を乗り越えてきた投資家は影響が他方面に波及する可能性を心配しており、これは銀行株が大きく売られている理由の一つでもある。こうした懸念は行き過ぎかもしれない。債券の場合、世界中の膨大な数の投資家が保有しているため、国際的な大手銀行が抱える融資よりもリスクは分散されている。

 しかも、こうした社債投資家は銀行に比べてはるかに保有債務が少ない。短期で調達した資金を長期融資に充てるといったこともしていない。危機時に金融機関が事実上の資金不足に陥った一因はこの長短ミスマッチにあった。また、債券は償還期限が長い場合が多いため、企業がすぐに返済に窮することもない。

 だが、他の問題が起きる可能性はある。一つ目の問題は、新興国の多くがドルの準備金を大量に保有しているとはいえ、大半の国は銀行から債務問題を切り離して解決するメカニズムを有していないことだ。このため、銀行と共に融資の解決策を探るのではなく、経済への影響に対応せざるを得ない。これは費用がかかり効率が悪い上、将来的な問題につながりかねない。

 二つ目は、世界の投資家が新興国債券の売却を余儀なくされた場合、必要以上に積極的に債券を売る傾向があるということ。BISの調査によると、新興国債券ファンドの運用担当者はファンドからの資金流出量の1.1倍の額に相当する債券を売るという。これは損失を増幅させ、さらなる償還を引き起こす可能性がある。

 最後に挙げられるのが、ドルを借りた新興国企業の多くが自国通貨建て資産に投資したことだ。自国経済が好調で現地通貨が上昇していた時代にはこれは素晴らしい戦略だったが、このような類のキャリー取引は目下、解消の動きが優勢だ。こうした動きは新興国の経済をいっそう混乱させ、一段のドル高を招く可能性がある。

 ここまでに挙げた問題だけでは、世界の銀行がこれまでの危機で経験してきたほどの大きな負荷はおそらく生じないだろう。だが投資家からすれば、新たな懸念の根源ではある。

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世界の市場で何が起きているのか−5つの背景
米国債、当面は最良の投資先
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MP064_credit_M_20160212174200.jpg



日銀マイナス金利、裏目に出た円安誘導の意図
安全逃避やキャリートレードの巻き戻しが円高誘発


円の価値は下がるどころか急騰し、日本株は急落

By RANDALL W. FORSYTH
2016 年 2 月 16 日 08:26 JST
•マイナス金利が生み出した世界

 『われらが不満の冬』の世界へようこそ。(訳注:これはノーベル文学賞を受賞した米国の作家ジョン・スタインベック氏の作品)

 プロ、アマ問わず、投資家たちはほぼ例外なく、カロライナ・パンサーズのクォーターバック(QB)、キャム・ニュートン選手のように打ちひしがれた気分になっている。ニュートン選手は先日のスーパーボウルで、デンバー・ブロンコスのディフェンス陣に手荒く扱われた。投資家は年初から株価不振に悩まされてきたが、特にこの2週間のダメージは大きかった。

 日本では1月29日、日本銀行がマイナス金利の導入を決めた。マイナス金利政策は低迷するデフレ経済と軟調な金融市場にとってアルコール度数の高い気付け薬になると言われてきた。欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀行、スウェーデン国立銀行(リクスバンク)、デンマーク国立銀行などがそれを処方して以来、欧州大陸には若干の刺激が提供されてきたように見える。

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 ところが、日本でのマイナス金利政策の発表は予想に反する効果をもたらした。日銀の黒田総裁は先週、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが初めてマイナス圏に突入するなど、政策が意図した通りに機能していると述べた。しかし、その円に対する意図は裏目に出た。円の価値は下がるどころか急騰し、日本株は急落した。

 しかし、その全てを日銀のせいにするのは明らかに間違っている。市場の大混乱の大半は欧州銀行株の急落によるものだからだ。それでも、マイナス金利政策は貸倒損失のリスクを高めると同時に銀行の純利ざや(NIM)を縮小させるという、予期せぬ結果をもたらしてきた。

 過去を振り返ると、低金利は銀行の業績を強力に後押ししてきた。資金調達コストの低下は銀行のNIMを拡大し、低い借入金利が融資需要に拍車を掛けていた。ところが今回は違うとルネッサンス・マクロ・リサーチのチーフストラテジスト、ジェフ・デグラーフ氏は指摘する。マイナス金利政策はNIMの縮小を招くのだ。ほとんどのマイナス金利スキーム下では市中銀行が中銀に準備預金の手数料を支払うことになる。その一方で国債の利回りは全ての償還期間で低下し、貸出スプレッドも小さくなる。

 つまり、銀行は貸倒損失の増加、貸出マージンの縮小に直面することになる。中銀のよく練られた計画も失敗することがあるという一例だ。予期せぬ結果は他にもある。

 上品な集まりで公に語られることはないが、マイナス金利は為替レートを下げるための手段でもある。ところがこれも裏目に出てしまった。特に日銀がマイナス金利政策の導入を決めてから、円とユーロの価値は大幅に上昇してきた。

 マイナスリターンが保証されている通貨の価値がなぜ上昇するのだろうか。市場が混乱しているとき、投資家は安全資産のユーロと円に殺到する傾向があるからだ(恐らく最も安全な避難所はドルだと思うのだが)。

 投機家が価値の下落が見込まれる円やユーロのような低コストの通貨を借りて、よりリターンの大きな投資を行うキャリートレードの巻き戻しも起きている。投機家がそうして得た資産を自主的に、あるいはマージンコール(追加証拠金)への対応として売却するとき、その融資の返済のためにユーロや円を買わざるを得なくなるので、その価値が上昇するのである。

 このようにマイナス金利はこれまでの常識が通用しない世界を生み出してきた。その結果、リスク資産の価値は上昇ではなく下落してしまった。市場が不機嫌な状態にあるのも当然だろう。

•12日の米株高はショートカバー

 日経平均は先週だけで11%も下げたが、米国の株式市場はそれに比べれば明るい気分で一週間を締めくくった。2月12日、ダウ工業株30種平均(NYダウ)とS&P500指数はそれぞれ2%の上昇を示し、ナスダック総合指数も1.7%上昇した。この上昇で主要株価指数の週間の下げ幅はそれぞれ1.4%、0.8%、0.6%に縮小した。

 米国株の反発が始まったのは、またしても石油輸出国機構(OPEC)が協調減産に向けて話し合うという報道が出た2月11日のことだった。S&P500指数はチャート上の重大な水準に達しようとしていたが、この報道を受けて原油価格と株価は上昇に転じた。期近のWTI原油先物価格は12日に12%の急騰を示したものの、依然として1バレル=30ドルを下回っており、週間の下げ幅は4.7%だった。

 デグラーフ氏は12日の市場の動きについて、ショート(売り)ポジション解消の特徴が見られると指摘した。米国では15日のプレジデンツデーを含み3連休となるので、その前にポジションを解消しておきたいという投資家も多かったはずだ。

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最近の相場変動、来週G20で協議へ=ドイツ財務相
ドイツのショイブレ財務相は来週のG20財務相・中央銀行総裁会議で最近の市場変動について議論する考えを示した

By ANDREA THOMAS
2016 年 2 月 16 日 08:17 JST

 【ベルリン】ドイツのショイブレ財務相は15日、最近の金融市場の大きな変動は世界の景気情勢に影響を及ぼしており、26日・27日に中国・上海で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で現在の不確実要素への対応方法を議論する方針だと語った。

 財務相は「われわれを取り巻く経済状況は、これまでほとんど直面したことがないほどの規模のさまざまなボラティリティー(変動率)、危機、不確実性に満ち溢れている」とし、「当然ながら(G20会合で)、世界の景気情勢をどう見るか、幾多の危機を考慮した上でわれわれに何ができるのか、どうすれば現状を安定させることができるのか、議論するつもりだ」と述べた。

 さらにユーロ圏加盟国政府に対し、域内の経済問題の解決にあたり欧州中央銀行(ECB)の金融政策に期待し過ぎてはならないとくぎを刺し、各国レベルで持続可能な経済成長の達成に向け改革を実施すべきだと要請した。

 また、緊縮財政策を回避するために厳しい財政規則を緩和しようとする多数の国が、欧州連合(EU)の安定・成長協定を「一斉攻撃」しているとも指摘した。

 一方、国際支援策を受けているギリシャについては、進捗(しんちょく)は悪くないが、景気回復までの道のりは長いとの認識を示した。

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