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マス消費、独身隆盛、多様すぎる価値観…「正当な理由」がないと買わない消費者たち(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/181.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 01 日 00:18:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

マス消費、独身隆盛、多様すぎる価値観…「正当な理由」がないと買わない消費者たち
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14046.html
2016.03.01 文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学教授 Business Journal


 本連載前回記事において、1月に発表されたユーロモニターのレポート「世界の消費者、2016年の動向」に基づいて近年の都市部住民の消費行動についてみてきた。

 今回は、その消費者たちへのアプローチ方法について考えていきたい。

 レポートが挙げている、消費者の最新動向は以下の10点だ。

(1)矛盾する購買行動
(2)時間を買う
(3)高齢化(エイジングに挑戦する消費者たち)
(4)社会問題への関心
(5)不明瞭になる性差
(6)安全で自然な食べもの(また、食品廃棄をなくすようなグリーンな行動)
(7)精神的健全さ(心の問題)
(8)デジタル機器依存症
(9)安全を守るための消費
(10)旺盛な消費をみせる独身者

 テロ、不安定な経済、地球温暖化、自然災害、また多くの国には戦争もある。先行き不安な世界において、モノを持っていることは重荷となるだけだ。11年3月11日の東日本大震災では、直接の被害者のみならず、ニュースなどを通じて間接経験した人たちも家や家具、自動車、その他の物が一瞬で破壊されるのを目のあたりにした。また、戦火に見舞われた地域の住民は、命からがら身一つで逃げる。

 シェアリング経済が登場した背景がここにある。だからといって、先行き不安ななかで誰もが物欲をなくすとは限らない。同じ経験をしても、異なる反応はある。

 たとえば、01年9月11日の米同時多発テロを間接体験した米国人のなかには、人生の無常さを実感した結果として、好きなように生きようと決めた人たちもいる。「ダイエットしてウエストが細くなったとして、それが何になるのか。どうせ死から逃れられないのなら、好きなものを食べたほうがいいじゃないか」といった具合に達観した人たちもいた。そのため、脂肪分の多いアイスクリームが売れ、ステーキや大きなハンバーガーが人気を呼ぶようになった。

 同じことを経験しても、反応は人それぞれだ。

 ここで、ユーロモニター(1)の「矛盾する購買行動」の出番となる。今の消費者の購買行動は矛盾しているように見える。将来への不安が漂うなか、所得レベルに関係なく誰もが「節約しなければいけない」と思っている。一方で、「自分が気に入ったものは買いたい」とも思う。こういった心の葛藤を解消して、かつ自分の行動を正当化するために、「価格が安かったから買うことにしたのだ。お買い得だったのだ」と自分自身に言いきかせるのだ。しかし、そういった言い訳を真に受けて「今の消費者は安ければ買う」と考えるのは早とちりだ。どんなに低価格でも、欲しくないものは買わない。

 都市部の消費者は、教育レベルも高く、またネットのお陰で情報だけはたくさん持っている。しかも、不確実な社会において常に不安を感じている。不安があるということは、選択できなくて迷うことでもある。だから、消費においても自分の購買行動を正当化して自分を納得させる理由を必要とする。ちょっとしたきっかけで、そういった理由が見つかれば購買を決めるのだ。

 そのきっかけ(=動機づけ)とするためのアクションが、「低価格」や「ポイント付与」だけでは企業として知恵がない。レポートの(4)(6)に当たる「自分は社会に善いことをしている」、また(6)(7)(9)に当たる「自分や家族の安全を守るには必要」などと思ってもらえるような価値を提供するのも重要なきっかけとなる。

■コンテンツマーケティングが注目されるワケ

 では、こういった価値提供が効果的である消費者を見つけるにはどうすればいいのか。その答えがコンテンツマーケティングだ。すなわち、昨今コンテンツマーケティングが注目されている理由はここにある。

 とらえどころのない消費者を見込み客として捕まえるのがコンテンツマーケティングだ。ターゲットとしては、あまりに規模が小さく、マスメディアによるマーケティングでは効率が悪い。そういったミクロなセグメントの場合は、企業が客を見つけるのではなく、客のほうから企業を見つけてくれるような仕組みが必要だ。そこでコンテンツマーケティングが力を発揮する。

 レポート(10)に、「旺盛な消費をみせる独身者」とある。これに対応して、ヨーロッパのクルーズ会社は、一人用の船室を増やしている。ホテルも、一人用のシングルでスペースも広く設備も贅沢な客室を増やしている。

 独身者といっても若いとは限らない。配偶者に先立たれた人もいる。また、独身者でも30代半ば以降ならば、ある程度の年齢になった甥・姪がいる場合もある。こういった甥や姪を連れて旅行に出ることもある。それぞれが、ミクロなセグメントをつくる。各セグメントの客のプロフィールやライフスタイルを想像して、彼らがするであろう旅に役立つ情報やストーリーをブログやホームページに掲載する。

 たとえば、一人旅を考えている客が次のようなキーワードで検索する。「一人旅、大阪、静かなホテル、広いシングルルーム、24時間ルームサービス」。この検索によって、過去にホテルを訪れた30代の女性の経験談が1ページ目の上位に紹介される。――このホテルは宿泊客に感想文を募り、読み物として面白い感想文はホームページに掲載し、書いてくれた客には宿泊券を提供している――。自分と同じような好みを持つと思われる女性の経験談を読んで、「このホテルは自分にぴったりだ」と感じた客は、そのまま予約ページにアクセスする。

 コンテンツマーケティング会社のエコンテが、コンテンツマーケティングを実施している企業のマーケティング担当者600人を対象に調査したところ、76.3%が効果を実感していると答えている。フェイスブック、ツイッター、ライン、ユーチューブといったメディア、ブログ、自社サイトにおいて情報を提供することで、ブランド認知、見込み客獲得につながっているということだ。

 経済的レベルが一定以上となり、衣食住に関する基本的欲求(生理的かつ安全に関する欲求)が満たされると、人間は精神的満足度を求めるようになる。この段階になると、何に価値を感じるかは人によって大きく違ってくる。社会的に認められたい欲求といっても、それが大きな家を建てることやエルメスのバッグを所有することを意味する人もいるだろうし、そうではなくて、高齢者を助けるボランティア活動を意味する人もいる。だから、市場は小さなセグメントに分割される。

 花王の吉田勝彦専務は「スモールマス」という造語を使う。「マス市場がなくなり、スモールマスと呼ぶ一定の規模を持つ市場が数多く生まれている」と語っている。すでに花王ではスモールマスと位置づける商品群の売り上げ合計がマス商品を上回ったそうだ。スモールマスの時代は、特売は減りシェアより顧客の声を丹念に追うマーケティングになると説明している。

(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学教授)
 

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コメント
 
1. 2016年3月01日 03:11:57 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[872]

>どうせ死から逃れられないのなら、好きなものを食べたほうがいい
>脂肪分の多いアイスクリームが売れ、ステーキや大きなハンバーガーが人気

甘いなw

高脂肪、高糖質などの食事を続けていると、健康なまま、ぽっくり死ねる確率はほぼ0になり、

死ぬまでに、長期間、苦痛が多く、不自由で金がかかる状態に耐えねばならない確率が高まる


そういう目先の快楽に弱い人間に限って、死を恐れ、覚悟がないから

半身不随になったり、認知症になって、周囲の人々に迷惑をかけ、嫌がられ

見捨てられ、貧困に陥って、初めて後悔することになることも多い


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