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3月中盤、立て続けにある中央銀行の会合。注目すべき論点はここ(HARBOR BUSINESS)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/423.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 09 日 14:16:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

3月中盤、立て続けにある中央銀行の会合。注目すべき論点はここ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160309-00085819-hbolz-bus_all
HARBOR BUSINESS Online 3月9日(水)9時21分配信


 2016年3月4日に米国が発表した2月雇用統計は、非農業部門雇用者数24万2000人増(予想:19万5000人増)、失業率4.9%(予想:4.9%)と好調な内容であった。一方、平均時給が+2.2%(前年同月比)と前月よりも下がったため、3月の利上げが遠のき、株式市場は上昇。ダウ平均は62.87ドル高の17006.77、S&P500株価指数は6ポイント高の1999ポイント、ナスダックは9.60ポイント高の4717.02で取引を終了した。原油価格も上昇した。米国株式市場は落ち着きを取り戻しつつある。日本の株式市場も、日経平均1万7000円をはさんだもみ合いが続いている。

 一方、2月18日、経済協力開発機構(OECD)は「中間経済見通し」を公表した。本サイト配信の記事「OECD、経済見通し下方修正で明らかになった日本の課題」(2月27日)で記したように、この中間経済見通しはOECDの勧告とも言えるものになている。その内容は、「需要を支えるため、より強力な協調的な政策対応が必要。金融政策だけでは機能しない。多くの先進国において財政政策は緊縮的であり、構造改革へのモメンタムは低下している。金融政策、財政政策、構造改革の3つのレバーをより活用して、強力かつ継続する成長を創出していく必要がある」というものだ。

 また、2月27日、中国・上海で開かれていた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、最近の金融市場の混乱に対し、「すべての政策手段を用いる」との文言を盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。

◆今週〜来週の中央銀行の動向に注目

 米雇用統計、OECDの中間経済見通し、G20と大きな経済イベントが立て続けに終わった流れ受けて、今週および来週は、欧日米の順に、中央銀行の会合が続く。今週は3月10日の欧州中央銀行(ECB)理事会、来週は3月14〜15日の日銀金融政策決定会合が、3月15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。中央銀行の決定事項が、株式市場の動向を左右することになりそうだ。

【欧州中央銀行(ECB)理事会(3月10日)】

 2016年1月21日、欧州中央銀行(ECB)理事会において、ドラギECB総裁は、「下振れリスクが再び増大」していることから、3月10日開催予定の次回理事会で「金融政策スタンスを見直し、再評価する必要が生じた」として追加緩和を示唆した。1月21日時点の下振れリスクとは、金融市場の混乱、原油安、中国など新興国の経済減速を背景にユーロ圏経済への逆風が強まっているとしていた。ドラギECB総裁は、金融政策手段をどこまで活用する用意があるのかに「制限はない」と発言し、政策に手詰まり感が出ているとの懸念を一蹴している。

 12月理事会の追加緩和決定については、より大胆な追加緩和を期待していた市場の失望、すなわち、株安を招いたので、3月は市場の失望が無いような形での追加緩和が市場関係者から期待されている。

 ECB下限政策金利である中銀預金金利の現行-0.3%からのマイナス幅の拡大、国債等の資産買入れプログラム(APP)現行月600億ユーロの買入れ額の拡大、買い入れの前倒し、買い入れ期間の延長などが、追加緩和のオプションになりそうだ。

【日銀金融政策決定会合(3月14〜15日)】

 マイナス金利付き量的・質的緩和政策が2月16日から開始され、民間銀行が日銀に預けている一部の資金に対して、マイナス0.1%の金利が適用された。マイナス金利導入により、国債の利回りが低下し、3月7日時点、10年国債までマイナス金利となり、30年国債も+0.72%という低い利回りとなっている。したがって、マイナス金利導入により、イールドカーブ(利回り曲線。償還までの期間=残存年数の異なる金利=利回りを線で結んでグラフにしたもの)全体を押し下げるという効果だけは確認される。果たして、予想インフレ率が上昇し、予想実質金利(=名目金利-予想インフレ率)が低下するかどうか?

 3月4日、日銀の黒田総裁は参議院予算委員会で、マイナス金利政策を加えた今の金融緩和策によって2%の物価安定目標は早期に実現されるとして、現時点でマイナス金利の幅を拡大する必要はないという考えを示した。黒田総裁は「物価安定目標をできるだけ早期に実現するために必要があれば、量・質・金利という3つの次元の手段を活用して適切に対処していきたい」と述べ、必要があれば追加の金融緩和も辞さない考えを改めて示した。

 3月の金融政策決定会合で追加緩和がおこなわれるかどうか?参議院予算委員会で「マイナス金利の幅を拡大する必要はない。」と黒田総裁が発言したからといって、3月の金融政策決定会合で追加緩和がおこなわれないと断言することはできないが、2%の物価目標にコミットする姿勢がマイナス金利導入により示されたので、やるときにはやるということだろう。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月15〜16日)】

 3月のFOMCでの利上げ決定は予想されていない。イエレンFRB議長やFRBの高官たちは米国経済の鈍化懸念や市場の混乱などを背景に、3月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ見送りを示唆している。

 しかしながら、先週金曜日の米2月雇用統計発表後、6月14〜15日開催のFOMCでの利上げ織り込み度は、1か月前の26%からに40%へ跳ね上がった。(参照:「Barrons」)3月のFOMCでの利上げが見送られたとしても、6月以降の利上げが無くなったわけではない。

◆日本の株式市場はどうなる?

 以上の中央銀行の動向で日本市場はどうなるだろうか?

 3月10日開催のECB理事会において、ドラギECB総裁が追加緩和を決定し、日本の株式市場も好感し、株価上昇となるか。昨年12月のECB追加緩和では、追加緩和の内容が期待を裏切り、株価は下がったが、内容次第では、今週の失望売りもありうる。

 3月14〜15日の日銀金融政策決定会合で、追加緩和があるか? マイナス金利の影響の点検で終わるかもしれない。先週、日本株は上昇したが、年金資金の買いが見られた。銀行株が買われており、マイナス金利幅の拡大と矛盾するので、追加緩和期待で買われているのではないだろう。追加緩和が無いからと言って、失望売りはないだろう。一方、マイナス金利幅の拡大、国債買い入れの規模拡大、ETF、J-REITの買い入れ拡大などの追加緩和があれば、サプライズで、株価上昇となる可能性もある。

 3月15〜16日のFOMCで利上げ見送りとなれば、リスクオンで、ラリー(株価上昇)が見られるかもしれない。

 いずれにしろ、今週〜来週は目が離せない状況になりそうだ。

<文/丹羽 唯一朗 photo by Wiiii on Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)>

ハーバー・ビジネス・オンライン
 

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コメント
 
1. 2016年3月09日 16:19:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[347]

マイナス金利下の長期債人気、リスクも膨張
日銀の黒田東彦総裁
By JAMES MACKINTOSH
2016 年 3 月 9 日 14:56 JST

 利回りがマイナスの国で最も買いを集めるのは長期債だ。日本銀行が1月にマイナス金利の導入を決めて以降、日本国債の利回りは急低下し、8日には過去最大の低下幅を記録した。

 マイナス金利は二つの重大な結果をもたらしている。

 まず、10年債利回りが3カ月物国庫短期証券(TB)利回りを下回り、利回り曲線が「逆イールド」化した。利回り曲線は今後の成長率を占う手掛かりとして注目度が高い。米国では少なくとも1970年代以降、リセッション(景気後退)の前には利回り曲線が必ず逆イールドを形成してきた。日本では90年代初め以降、逆イールドに指標としての信頼性はないが、何か意味があるとすればそれは良くないことだ。

 次に、今年は数ある資産の中でも日本国債の40年債が特に高い上昇率を記録している。価格は26%上昇している。投資家はかつて債券に価格の安定を求めたが今はそうした状況ではなく、8日は40年債の価格が6.4%上がった。

40年物日本国債の価格 ENLARGE
40年物日本国債の価格
 残存期間が10年を超える債券までもがマイナス利回りとなる中、何とかマイナスは回避したい投資家はより長い年限の債券を買い増し、ますます高いリスクを取っている。JPモルガン・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)として世界中の債券や通貨に投資しているボブ・ミシェル氏は、日本ではマイナス金利の影響で投資家が債券市場から退場させられていると指摘。「投資意欲を貯蓄需要がはるかに上回っている」と述べた。

 日本は最も極端な事例かもしれないが、プラスの利回りを確保するためにより多くのリスクをとる、というパターンは先進国市場のどこでも見られる。金融情報会社マークイットの調査アナリスト、サイモン・コルビン氏は、長期債に特化したETF(上場投資信託)への資金流入が年初来で40億ドルを超え、過去最大を記録したと報告した。

 利回りが低下し買いがより長い年限の債券に移り、投資家は利回りの変化に大きく影響を受けやすくなっている。債券投資の収益を吹き飛ばす利回りの変動幅がますます小さくなっている。投資家利回りが0.7%程度の40年物日本国債は、100万円を投資しても1年あたり7000円そこそこしか稼げない。

 40年債の保有者が抱える「デュレーションリスク」がどれ程のものかは、債券価格が8日の上げ幅を解消しただけでも12年分の利息収入を失うことになると言えば分かりやすいだろう。

 中央銀行がさらに創意工夫をこらしてインフレ喚起策を編み出したとしても、利回り追求の動きに拍車が掛かるだけのような気がする。だが、この強力なコンセンサスが間違いだったことが判明すれば、長期債に一斉に資金を移した投資家が今度は出口に殺到する恐れがある。

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迷う投資家、リスク資産も安全資産も「買い」
ニューヨーク証券取引所(8日)
By LESLIE JOSEPHS
2016 年 3 月 9 日 12:13 JST

 この1カ月は世界中の株式や米国のジャンク(投資不適格)債、国際商品(コモディティー)の工業品などが全面高となっているが、意外な注意点もある。それは、金や円といった相対的にリスクが低い投資対象もやはり上昇し、先進国の国債相場は総じて安定を保っているという点だ。

 こうした組み合わせは異例のため、投資家やアナリストは市場の次の動きがどうなるか頭を悩ませている。次の動きがまずはどういったものになるか、あと数日もすればだいたいのところはつかめるとの声もある。その間には欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備制度理事会(FRB)、スイス国立銀行が政策会合を開く。これら中銀は近く重大な決定を下す可能性もある。

 リスク資産も安全資産も一様に買われている状況は、各国が金融緩和策を実施し、コモディティー相場が大暴落する中、世界の経済成長や資産価格の先行きを見通せなくなっていることの表れだ。

 市場に動揺が広がった結果、ダウ工業株30種平均は2月に10%安と年初来安値に沈み、投資家は上昇相場が7年続いた株式に投資するリスクを思い知らされた。それでも、利回りの低さを嫌う多くの投資家が、少しでも高いリターンを得られる資産に殺到する状況は変わらない。

 アライアンスバーンスタインのチーフ市場ストラテジスト、バディーム・ズロトニコフ氏は、足元の市況は「異例中の異例」だと指摘。米国がリセッション(景気後退)に向かっているようには見えないが、経済成長を押し上げる要因もはっきりしないと述べた。

 同氏によると、金相場の上昇といった最近の値動きは、日本や欧州で導入されたマイナス金利などの非伝統的な金融政策に対する投資家の懸念を反映している面もある。こうした政策が今後も同じくらい市場の方向性を左右すれば「予測しづらい投資環境になる」と述べた。

 例えば、2012年?14年には円相場が毎年2桁の下落率を記録したが、S&P500種指数は上昇した。だがこの1カ月は、円高・ドル安が3%程度進んだのに対し、S&P500種指数は上昇率が7%を超えた。

 多くの投資家が最も安全な投資先と考える米国債に対する需要は根強い。10年物の米国債利回りは過去1カ月にじりじりと上昇しているが、それでもまだ2%を下回る。

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 同時期に金先物相場は5%超上昇した。また、新興国市場ETF(上場投資信託)として最大級の「バンガードFTSEエマージングマーケッツETF」は約10%、ジャンク(投資不適格)債ETFとして最大級の「iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF」は5.4%それぞれ上昇した。

 米国でこの数週間に発表された経済指標は明るさを増している。雇用や個人消費が伸びたほか、低水準が続くインフレ率にも光明が差した。投資家は米国が景気後退に陥りつつあると危惧していたが、こうした強めの指標をきっかけに不安は和らぎ、年初に急落した株価が反発した。その一方で、中国経済は減速しており、世界的な原油の過剰供給状態も続いている。米国の製造業は不振にあえぎ、世界経済は低迷から抜け出せない。

 UBSウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジスト、デービッド・レフコウィッツ氏は「相場の下落幅のうち理不尽な下げや不安による下げは部分的に解消しているが、至極当然の逆風に見舞われているというのが現状だ」と述べた。

 同氏によると、UBSウェルス・マネジメントは今年、同社が運用する米投資家の資産に占める株式の割合を減らすと同時に、ハイイールド債(高利回り債)を購入した。

 S&P500種指数は最近こそ上昇しているが、年初来では2.9%のマイナスにとどまる。

 ラーデンブルク・テールマン・アセット・マネジメントのフィル・ブラカトー氏は、どの投資家も狙いは同じだと語った。同氏は先日、エネルギー関連のインフラ投資に特化したマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)の持ち分を購入した。

 アレリアンMLP指数はこの1カ月で16.7%上昇している。ブラカトー氏は安全策として連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)が保証する住宅ローン担保証券(MBS)も購入した。

 およそ22億ドルの資産を運用する同氏は「チップを全て賭けるべきではない」と語った。

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フランスやイタリア、過度な経済不均衡=欧州委
ルクセンブルクのグラメーニャ財務相(左)とベルギーのファンオフェルトフェルト財務相 THYS/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By VIKTORIA DENDRINOU
2016 年 3 月 9 日 13:49 JST

 【ブリュッセル】欧州連合(EU)当局は8日、フランス、イタリア、ポルトガルなどの経済に過度な不均衡があると指摘し、監視を強化した上で改革を迅速に進めるよう求めた。

 EUの執行機関である欧州委員会が11月に域内の18カ国を対象に開始した脆弱性やその深刻さに関する詳細な調査の結果で明らかになった。

 この調査は、ユーロ圏債務危機の再発を防ぐために経済政策を協調する新システムの一環として実施された。新システムは各国政府に対し、将来的な問題の種をまきかねない経済動向や政策がないかを調べるため、繰り返し厳しい調査を受けることを義務付けている。

 今回の報告では、ブルガリアとクロアチアでも過度な経済不均衡の存在が明らかになった。一方、ドイツ、アイルランド、スペインとその他4カ国では不均衡がそれほど深刻ではないとの見方が示された。

 欧州委のバルディス・ドムブロフスキス副委員長(ユーロ担当)は「各国で状況は異なるが、総じて公的、民間、対外にかかわらず債務が極めて高水準にとどまっていることや、金融部門の脆弱性、競争力の悪化が懸念の主な要因となっている」と述べた。

 報告書はフランスの不均衡は高水準の公的債務と世界レベルでの競争力悪化がもたらしており、同国経済にリスクとなるだけでなく、他国に影響が及ぶ恐れがあると指摘した。

 イタリアも高水準の債務と弱い競争力、銀行のバランスシートに積み上がる不良債権への対応の遅れによるリスクに直面しているとした。

 ギリシャとキプロスは別の救済プログラムの監視下にあるため、今回の調査からは除外された。

 欧州委はドイツに「過度」な不均衡があるとの見方は示さなかったものの、海外との貿易・金融フローの最も広範な指標である経常収支が大幅な黒字となっているため、注視する必要があるとした。

 欧州の政府や機関からは近年、ドイツの経常黒字は他国から十分な製品やサービスを購入していない表れだとして批判する声が上がっていた。

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IMFの警鐘、主要経済国に届かず
By IAN TALLEY
2016 年 3 月 9 日 09:54 JST

 国際通貨基金(IMF)は世界経済動向についての警告をますます声高にしている。だが問題は、経済大国にはそれがほとんど聞こえていないと思われることだ。

 リプトンIMF筆頭副専務理事は全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で8日、「世界経済に関するIMFの最新指標はまたも軟化の基調を示した」と語った。

 世界経済は拡大が続いているが、「景気が頓挫するリスクが増大するぜい弱な局面にあるのは明らかだ」との見方も示した。

 先月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でIMFは警告を発し、4月に世界経済の成長見通しを下方修正する公算が大きいことを示唆した。

 IMFのラガルド専務理事は協調的な取り組みが必要だとし、財政余地のある国が支出を拡大すること、また全ての国が長年の懸案である経済改革を加速させることの重要性を訴えた。

 全世界に打撃を与えた金融危機への対応で大規模かつ協調的な刺激策をG20が打ち出した2009年とは違い、IMF加盟国は今、問題の深刻さの認識やその解決法をめぐり反目し合っている。

 G20共同声明の作成が行われる中でドイツ政府関係者らは、「わが国は、G20が刺激策を用意していると公言することに断固反対だ」と他国に内密に伝えていた。

 このような態度は世界経済の成長を危険にさらすことになると、IMFは危惧している。

 リプトンIMF筆頭副専務理事は8日の講演で、「私は行動することを少しも恐れない。恐れるのは、ただ無為に時を過ごすことだけだ」という、第2次世界大戦時のチャーチル元英首相の言葉を引き合いに出した。

 問題の一つは、成長回復のために活用できる手段が底を突きつつあること、またはその手段に訴える政策担当者の決意が揺らいでいることだ。

 リプトン氏は「先進国と発展途上国は世界経済の利益を考え、過去の回復努力を特徴付けていた行動・協調の精神をよみがえらせ、この危険な考えを払しょくすることが不可欠だ」と述べた。

 IMFはG20に支出拡大を呼びかけているが、金融政策を犠牲にしてでもそうすべきと要請しているのではない。IMFはしばらく前から米連邦準備制度理事会(FRB)に予定してきた利上げを先送りすべきだとしているほか、欧州中央銀行(ECB)には景気刺激策を強化すべきだと訴えてきた。

 リプトン氏は、中銀からの刺激策が性急に解消されれば、世界経済はデフレスパイラルに陥る恐れがあるとの懸念を表明した。

2010年〜2020年のIMF世界実質経済成長見通し(水色:11年9月予想、肌色:12年10月予想、緑:13年10月予想、黄:14年10月予想、ピンク:15年10月予想、茶色:16年1月予想、黒実線:実際の成長率
2010年〜2020年のIMF世界実質経済成長見通し(水色:11年9月予想、肌色:12年10月予想、緑:13年10月予想、黄:14年10月予想、ピンク:15年10月予想、茶色:16年1月予想、黒実線:実際の成長率
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ECB理事会、低インフレ対策で試練に直面か
ECBのドラギ総裁 ENLARGE
ECBのドラギ総裁 PHOTO: MARTIN MEISSNER/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By TOM FAIRLESS
2016 年 3 月 9 日 11:30 JST

 【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)は今週10日の理事会で厳しい試練に直面する。不安定なユーロ圏の銀行を弱らせることなく、根強い低インフレに対処しなければならない。

 ECBが約1兆5000億ユーロ(190兆円)規模の刺激策を導入してから1年、ユーロ圏は大幅な原油安を背景にデフレに陥っており、低調な景気回復は行き詰まりの様相を見せている。ECBは2%弱のインフレ目標を3年連続で達成できておらず、一部の投資家は政策の力を疑問視している。

 状況を複雑にしているのが、銀行株に見られる最近の混乱で、ECBが預金金利をマイナス圏でさらに引き下げた場合、混乱は悪化する恐れがある。銀行は顧客へのコスト転嫁が容易にできないため、マイナス金利は銀行にとって一種の課税として作用する。

 ECBのドラギ総裁はインフレに屈しないとの公約を掲げており、新たな経済指標で必要性が明らかになれば、10日の理事会で刺激策を拡大する用意があると主張している。ECBが10日公表する最新の四半期経済予測では、インフレ率が今年も来年も目標を大幅に下回ることが示される見込みだ。

 ブラックロックのドイツ担当チーフ投資ストラテジスト、マーティン・ルーイック氏は「ECBはすでに多くの刺激策を用いているため、板挟みに陥っている」としつつ、「一方、国際商品(コモディティー)価格がこれほど下落するとは誰も予想できなかった」と述べた。

 エコノミストの多くは、ECBが預金金利(商業銀行がECBに預ける預金の金利)を少なくとも0.1ポイント引き下げ0.4%にすると予想している。また、債券買い入れの月額を最低でも100億ユーロ増額し、700億ユーロにするとみている。

 ルーイック氏によると、金融市場には現在、中銀預金金利の0.12%引き下げが織り込まれている。また、毎月の債券買い入れの増額は100億?150億ユーロと予想されている。

 だが、いずれの選択肢も困難を伴う恐れがあり、投資家が予想よりも小粒の刺激策に失望するリスクは高まっている。ECBが預金金利の0.1%引き下げと債券買い入れの6カ月延長を決めた昨年12月がまさにそうで、欧米株式市場は急落し、ユーロはドルに対し押し上げられた。

 12月理事会の議事録によると、この発表に先立ち、追加刺激策の必要性をめぐって理事会内の意見は分かれていた。一部メンバーは、ユーロ圏経済は回復しており、変動の大きい食料品とエネルギー品目を除いたコアのインフレは徐々に上昇していると主張した。

 ECBの債券買い入れ策を率直に批判するドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁は1月下旬、ECBは原油安に過剰反応すべきでないと警告した。

 エコノミストやECB当局者によると、バイトマン総裁はここ数週、追加刺激策のリスクについてあまり目立った発言はしていない。ECB理事会の投票権は輪番制となっており、ドイツ連銀は10日の理事会での投票権がない。

 12月理事会の議事録によると、中銀預金金利のさらなる引き下げを予想する理由の一つとして、理事会内で比較的異論が少ないことがある。複数のメンバーは、資産買い入れなど他の刺激策よりも預金金利のさらなる引き下げを支持すると言明した。

 政策金利がゼロかゼロ近辺で利下げできない他の主要中銀と同様、ECBは経済へ資金を注入する主な手段として民間の保有者から資産を買い入れている。マイナスの預金金利は銀行の法人・個人向け融資を促すことにより、債券買い入れを補完するとECBは主張している。

ECBの現行の国債買い入れが限度に達するまでにかかる月数、国別 ENLARGE
ECBの現行の国債買い入れが限度に達するまでにかかる月数、国別
 だが、預金金利の引き下げでさえ、さまざまな要因から懸念が浮上している。銀行や投資家は、経営難の域内銀行にさらなる圧力がかかることになると警告している。こうした銀行は利益率への懸念から、株価が今年に入って10%程度も下落している。国際決済銀行(BIS)は6日、中央銀行の緩和策には以前ほど金融市場をけん引する力はないとの見方を示し、金利のマイナス幅がさらに広がった場合、個人や団体の行動については不確実性が高いと述べた。

 エコノミストらは、ECBが銀行のコスト負担を補うため、預金金利をさらに引き下げる場合は階層構造を導入し、ごく一部の準備預金にのみ最も大幅なマイナス金利を適用すると予想している。

 また、ECBは債券買い入れを再び拡充する場合、極めて安全性の高いドイツ国債など一部の市場を独占しないよう、買い入れの仕組みを変更するとみられている。ただ、スペインやイタリアの国債購入に偏るようであれば、法律上問題になる恐れがあるとアナリストらは指摘する。そうなれば、ECBは欧州連合(EU)条約で禁止されている個別政府の財政支援を行うために紙幣を印刷しているとの懸念が浮上するかもしれない。

 一部のエコノミストらは、景気見通しの悪化を考慮し、ECBは買い入れ資産の対象を株式や不動産にさえ広げるに違いないと指摘している。

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円上昇、日中株安でリスク回避圧力−ECB会合控えユーロ下落
2016/03/09 15:40 JST

    (ブルームバーグ):9日の東京外国為替市場では円が上昇。日本株や中国株の下落を背景に、リスク回避に伴う円買いが先行した。
ドル・円相場は1ドル=112円台後半から一時112円41銭と1日以来の水準までドル売り・円買いが進行。その後は値を戻し、午後3時35分現在は112円56銭前後となっている。
ユーロ・円相場は1ユーロ=124円ちょうど前後から一時123円44銭と4営業日ぶりの水準までユーロ売り・円買いが進行。あすの欧州中央銀行(ECB)の定例政策決定会合では、金融緩和の拡大が予想されている。
外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、中国経済の減速懸念が再発しているようで、そうした中で原油や株価が下がり、「どうしても円にリスク回避的な買いが集まってくる」と指摘。もっとも、今週のECB会合、来週の日銀会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)と重要な金融政策イベントが続くため、「円高の動きも今のところ限定的」と語った。
9日の中国株式市場で上海総合指数は7営業日ぶりに反落。原油と金属相場の値下がりを受け、資源銘柄を中心に下げている。東京株式相場も下落し、日経平均株価は一時288円安まで下げ幅を拡大。ただ、午後は下げ渋り、140円95銭安の1万6642円20銭で引けた。
8日の海外市場では世界経済の先行き懸念から欧米株式相場が下落した一方、米国債相場が急伸し、10年債利回りは約1カ月ぶりの大幅低下となった。ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。前日は主要産油国による生産調整会議が開かれるとの観測などを背景に昨年12月24日以来の高値となる37.90ドルで引けたが、米エネルギー情報局(EIA)の週間統計発表を9日に控え、先週の米原油在庫は80年ぶり高水準に積み上がったとの見方が広がった。
JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、「今週に入ってからの流れを引き継いで、リスクオフでドル買い、円買いのクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)下落という感じだ」と説明。ドル・円については、「先週以降ドルと円が同じ方向に動く傾向が再び強まっているが、リスクオフでもリスクオンでも少しずつ円の方が強く、結果ドル・円は値幅が小さいが、上値が重くなっている」と指摘した。
ECB
ECBは10日に定例金融政策委員会を開く。ブルームバーグの調査では、ほぼ4分の3の回答者が量的緩和(QE)策での債券の月次購入額拡大を予想。1人を除き全員が中銀預金金利の追加引き下げを見込んでいる。
JPモルガンは、利下げとQE拡大と期間延長、条件付き長期リファイナンシングオペ(TLTRO)の拡充を予想。棚瀬氏は、積極的な緩和ならユーロ売りになるだろうし、仮に緩和をしなければ株が売られて、「円買いでユーロ・円は下がりやすい」と予想。「いずれにしてもユーロ・円の短期的なリスクは下かもしれない」とみている。
ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.1058ドルと2月26日以来の水準までユーロ高・ドル安に振れたが、その後反落。この日の東京市場でもユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0967ドルまで値を切り下げた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3QSZ06JTSE901.html


2016年 03月 9日 15:21 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ドル112円半ば、ECB理事会控えて方向感欠く
[東京 9日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の112円半ば。あすの欧州中央銀行(ECB)理事会を前に積極的な取引は手控えられ、方向感を欠く動きとなった。

前日の海外時間に112円前半まで売られたドルは、日経平均株価の寄り付きにかけて買い戻され、112.76円までじりじり値を戻した。その後、100円超安で始まった株価が200円超安へと下げを広げると、次第に上値が重くなった。

ドルは仲値公示を挟んで一時112.41円まで下押しされた。輸出企業によるドル売り/円買いが優勢となったもよう。一部でリパトリエーション(資金の本国還流)の動きも観測された。正午までは株価が安値圏でもみ合いとなり、ドル/円も方向感が出にくかった。

午後のドルは112.50─60円台を中心に小動きが続いたが、株価の下げ幅縮小を眺めて112.73円まで上昇する場面もあった。市場からは「仲値にかけて下方向が攻めきれなかったので買い戻しが入っているイメージ」(国内金融機関)との声が出ていた。

目先では112─115円レンジが意識されており、下限の112円に接近すれば押し目買いが支えになりそうだという。ただ、地合いの弱さも意識されており、株価が下げを深めるようならドル/円もレンジを下抜けする恐れがあるとの警戒感も聞かれた。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 112.54/56 1.0973/77 123.50/54

午前9時現在 112.69/71 1.0998/02 123.95/99

NY午後5時 112.59/60 1.1006/07 123.98/02

(為替マーケットチーム)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-fx-idJPKCN0WB0HC?sp=true


コラム:「衝撃と畏怖」与える時期逃したECB

Neil Unmack

[ロンドン 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏に「衝撃と畏怖」を与えるには、1カ月ばかり遅い。ECBは低迷するユーロ圏経済をテコ入れする必要があり、最も苦境にあえぐ国の国債購入を拡大することが痛みを和らげる最善の方法になる。だが、行動を起こす絶好の機会は過ぎ去ってしまったようだ。

ECBは10日の理事会で追加の景気刺激策を打ち出すことが求められている。物価は好ましくない方向に進んでおり、ドイツとフランス、スペインでは2月にマイナスを記録した。直近の世界的な金融市場の混乱が起きる前でさえ、ECBが国債を買い入れて政策金利をマイナスにしたのに、ユーロ圏の景気回復の勢いは鈍っていた。

最強の支援策は、イタリアやスペイン、ポルトガルといった南欧諸国の国債をもっと積極的に買い入れ、ユーロ圏で最も急速に上がっているこれらの国の借り入れ金利を押し下げることだろう。あるいはECBが銀行債を購入し、最近の銀行の資金調達金利の上昇を抑えることもできる。

いずれの手段も議論を呼ぶことにはなる。ECBは現在、加盟国の国債を出資比率に応じて買い入れている。これが各国政府へのファイナンスだとの批判をかわす根拠になっていた。一方、銀行債を買えばユーロ圏の銀行監督当局としての役割を果たすのは難しいだろう。

1カ月前の市場が混乱していた時期に、ドラギ総裁が南欧諸国の国債購入増額か銀行債買い入れを提案していたなら、今よりもすんなりと実施できたかもしれない。2月にはイタリア国債とドイツ国債の利回りスプレッドが50ベーシスポイント(bp)も跳ね上がったからだ。ただ、足元までにスプレッドはその半分まで下がっている。

一部の銀行の資金調達コストはまだ非常に高いものの、マークイットiトラックス欧州シニア金融債CDSインデックスが示す平均スプレッドは95bpと、2015年のピーク近辺にとどまっている。

そうなると今回はより無難な措置が打ち出される可能性が大きい。ドラギ総裁は中銀預金金利のマイナス幅をさらに拡大するか、毎月600億ユーロの債券買い入れ規模を、今まで通り出資比率に沿う方式で増やす可能性がある。とはいえ、マイナス金利の拡大は銀行の収益を損なうし、現行の枠組み内での債券買い入れ増額は、ECBが自主的に定めた制限に抵触しかねない。ECBは1国の国債ないしは国債の単一銘柄の発行残高の33%を買い入れの限度としている。

ドラギ総裁にとって一番実行しやすいのは、銀行の超過準備に課している手数料を減らすか、銀行により長期で条件の緩い形で低利資金を供給するかだ。どちらも南欧の銀行が置かれている状況を幾分かは改善できる。それでもユーロ圏経済がますます必要としているような刺激策の投入とは言えないだろう。

●背景となるニュース

*ECBは10日に理事会を開く。

*イタリアとドイツの10年国債利回りスプレッドは1月4日の0.99%ポイントから2月11日には1.55%ポイントまで拡大した。足元は1.25%ポイント。

*マークイットiトラックス欧州シニア金融債CDSインデックスによると、欧州金融機関が発行する債券利回りの平均スプレッドは、1月初めの75bpから2月11日に138bpに広がった。足元は100bpで推移している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/italy-banks-breakingviews-idJPKCN0WB04D


原油価格上昇は時期尚早、リバランス妨げる=ゴールドマン

[8日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスは8日、原油やその他のコモディティー(商品)価格の最近の急伸について、時期尚早との見方を示した。市場がリバランス(再均衡)するには、価格の低位推移が当面必要と説明した。

これまでの原油安で世界的に生産削減の動きが加速したことから、原油LCOc1はこの1カ月弱の間にバレル当たり10ドル超上昇した。

ただゴールドマンは、顧客向けのリサーチリポートのなかで、原油価格が早すぎるタイミングで上昇すれば、2016年下半期の市場リバランスに必要な供給削減が進まず、結局は自滅することになると指摘。

「リバランスを終えるためには、低価格が必要。そうでなければ、昨年春のように、原油価格上昇は自滅につながる」との見方を示した。

そのうえでゴールドマンは、原油市場の荒い値動きは当面続くとし、足元はバレル当たり20─40ドルで推移すると予想した。
http://jp.reuters.com/article/oil-price-goldman-idJPKCN0WB03R


マネーストックM3、2月は前年比2.5%増 現預金にシフトも

[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日に発表した2月のマネーストック統計によると、指標となるM3の月中平均残高は1238兆円となり、前年比で2.5%増加した。伸び率は前月の同2.6%増から小幅縮小した。日銀によるマイナス金利政策の導入で、現金や要求払い預金などへの資金シフトも見られている。

M3のプラス幅が縮小するのは2カ月ぶり。2月は貸出の伸び率がやや鈍化したことや、国債の減少幅の縮小、マネーストックの対象外である株式に資金が流入したことなどが背景とみられる。

他方、日銀によるマイナス金利政策の導入でマネーストック内での資金シフトも観察されている。利回りが大きく低下した譲渡性預金(CD)が同0.1%減と2013年8月以来の減少に転じ、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)の相次ぐ運用終了で投資信託は同13.9%増と前月の同17.1%増から伸びが大きく鈍化した。

一方、現金通貨は同6.7%増と2003年2月以来、13年ぶりの高い伸びとなった。要求払い預金など預金通貨も同4.5%増に伸び率を高めており、CDや投資信託から一時的に現預金などに資金がシフトした可能性がある。

幅広い金融資産を含めた広義流動性は同3.9%増と伸び率は横ばい。M3からゆうちょ銀行などを除いたM2は同3.1%増で、前月の同3.2%増から伸びが小幅縮小した。

(伊藤純夫 編集:山川薫)
http://jp.reuters.com/article/money-s-idJPKCN0WB03D


中国の資金流出抑制策、企業や個人は悲鳴
中国当局は企業や個人の外貨取引を規制している。写真は香港の両替所
By WEI GU AND CHUIN-WEI YAP
2016 年 3 月 9 日 15:12 JST

 中国政府当局は、前例のない資金の国外流出に歯止めをかけるとともに、人民元離れを進める個人を取り締まり、事業目的で元をドルに交換する必要のある企業を窮地に追いやっている。

 中国の外国為替当局はここ数カ月、個人の海外ファンド購入を監視するシステムを新たに導入し、銀行に対して外貨取引を制限するよう要請している。国内および外資系金融機関の幹部によると、当局は銀行関係者を呼び出して指導を行ったり、外貨取引が急増した場合は質問したりしている。

 ひいては銀行も、海外へ投資する中国の起業家から海外へ支払いを行う会社に至るまで、さまざまな企業の外貨取引の監視を強化している。

 ある欧州の化学メーカーは最近、上海で米ドル資金の調達に遅れが生じ、 海外のライセンス料の支払い期限が危ぶまれた。天津銀行は香港市場で予定している新規株式公開(IPO)について、本土投資家の出資を確保できずにいる。ある水処理会社は、エンジニア1人の米国出張費2000ドルを引き出すのも難しかった。

 香港の法律事務所ハーベイ・ローのグローバル・マネジング・パートナー、ジャン・フランソワ・ハーベイ氏は「中国から流出する資金は本当に取り締まられているようだ」と述べた。

 中国政府は昨年夏、外資系銀行による人民元のクロスボーダー取引の規制や、個人による外貨両替の上限違反の取り締まりといった資金流出抑制策を講じている。

 エコノミストらは、2月の中国外貨準備高が前月比286億ドルの減少と、前の2カ月の減少幅の3分の1未満にとどまった理由の一つとして、資本規制の強化を挙げている。

 経済成長の減速や人民元の下落に動揺した中国の企業や消費者は、価値を保てるかもしれない海外へ資金を移動させようとしている。推計によると、昨年は7000億ドル?1兆ドル程度の資金が中国から流出した。

 これはスイスの国内総生産(GDP)を上回っている上、中国の巨額のGDPの10%にも相当する。中国の外貨準備高は昨年12月に前月比1079億ドル減、1月と2月を合わせると1280億ドル減少し、2014年6月のピークを20%下回っている。

 資本流出によって通貨は不安定化し、減速する中国経済のかじ取りは難しくなっている。政府はすでに金融緩和で成長を刺激することを警戒している。緩和によって人民元はさらに下落し、資金流出を加速させる恐れがあるためだ。

 中国の規制当局は、資本流出について過度な懸念は抱いていないとし、新規や追加の資本規制は行わないと言明している。中国人民銀行(中央銀行)の易鋼副総裁は6日、記者団に対し、外貨準備高の減少は「想定の範囲内だ」と語った。人民銀行は問い合わせに応じていない。

 資金流出の大部分は、数年に及ぶ段階的な為替自由化を経て広がっている合法的な経路を経由しており、当局は抑制が難しくなっている。例えば、中国では個人の外貨両替が年間5万ドル(約563万円)に制限されている。

中国の資本流出入(左、四半期ごと)と毎月の外貨準備高 ENLARGE
中国の資本流出入(左、四半期ごと)と毎月の外貨準備高
 上海の保険会社幹部、ジュン・ワン氏は人民元安に懸念を抱いており、さらに下落する前に蓄えの一部を海外へ移したいと考えている。同氏は昨年12月、香港で12万米ドルの保険証券を購入するために、自分と妻、7歳の娘に割り当てられた両替枠を利用した。

 「中国が10年後にどうなるか、人々は確信がない」と同氏は語る。

 ゴールドマン・サックスの1月の推計によると、2015年後半の中国からの資本純流出額5500億ドルのうち、約60%は中国の居住者や企業による旅行や買収目的の外貨購入が占め、30%は中国企業によるドル建て債務の返済が占めた。

 UBSの中国担当エコノミスト、ワン・タオ氏など一部の専門家は、資本流出は気がかりではないという政府の見解に同意している。中国は引き続き輸出でドルを稼ぎ、2015年は過去最大の貿易黒字を計上した。2月末時点の外貨準備高は3兆2000億ドルと、日本の2倍を超える。

 中国の規制当局は、昨年夏に市場が混乱し、成長減速の兆しが増えたことを受け、資本流出の抑制に乗り出した。中国国家外為管理局(SAFE)は9月、中国の銀行カード利用者が海外のATM(自動預け払い機)で引き出せる金額に上限を設けた。

 1月には、個人の外貨購入を監視する新システムを導入した。クレジットカード各社は2月以降、海外保険証券の購入について請求が困難になった。

 ひそかな取り締まりも行われている。指示を受けた複数の銀行幹部によると、SAFE当局は銀行に対し、外貨取引を減らすよう要請している。まず2015年末に大手国営銀行や外資系銀行、今年に入って中小銀行に指示しているという。こうした事実は公式発表されていない。

 ある中国系銀行の関係者は「全て口頭での要請だった。文書は残っていない」と述べた。

関連記事

中国人民銀、マイナス金利導入する公算小=副総裁
中国「資本流出2.0」 わざと海外企業に敗訴?
http://si.wsj.net/public/resources/images/P1-BW651_YUANOU_9U_20160308170009.jpg


トランプ氏躍進、中国は期待と不安で熱い視線
By JOSH CHIN
2016 年 3 月 9 日 15:09 JST

 「チャイナ、チャイナ、チャイナ、チャイナ――チャイナ!――チャイナ、チャイナ」。米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走るドナルド・トランプ氏はソーシャルメディアで広がる合成画像の中で何度も何度もそう繰り返す。同氏は中国が米国の「悩みの種だ」と主張する。

 数知れず中国に言及するトランプ氏に、中国でも注目が集まっている。

 トランプ氏に対する中国人の関心は数カ月間くすぶり続けた後、今では沸騰中だ。中国メディアと外交政策研究者らは現在、トランプ氏の党正式指名が現実味を帯びてきたことの意味合いを理解しようと真剣に取り組んでいる。一方、同国のソーシャルメディアユーザーらは、トランプ氏の不自然になでつけられた髪形から、同氏の中国への明らかな執着に至るまでの全てに驚きを示している。

 ブロガーで米国のテレビ番組の翻訳者としてよく知られる「谷大白活(グダバイファ)」さんは、トランプ氏について中国の観客に説明するのに一役買っている人物の一人だ。彼はトランプ氏を「コメディーネタの宝庫」と表現するが、トランプ氏を侮ってはいないと話す。「彼を悪ふざけだとは考えていない。道化師だとも思わない。機会を鋭く見極める実業家だ」と語る。

 中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」でのトランプ氏に関するオリジナルの投稿数は、2月には週当たり300回を上回った。昨年6月にトランプ氏が出馬を表明したときには、同氏に関する投稿数は1週間に30件未満だった。香港大学で運営する同サイトの分析プロジェクト「微博視野(微博スコープ)」のデータで明らかになった。

 トランプ氏の出馬で、中国人の米予備選・党員集会への関心は通常よりもずっと高まっている。「超級星期二(スーパーチューズデー)」というハッシュタグ付のコメントに微博サイト上で5400件を越えるコメントが寄せられ、クリック数は1280万件を上回っている。

トランプ氏(赤)とクリントン氏(青)に関する微博サイトでの検閲されていないオリジナルの投稿数の推移 ENLARGE
トランプ氏(赤)とクリントン氏(青)に関する微博サイトでの検閲されていないオリジナルの投稿数の推移 PHOTO: THE WALL STREET JOURNAL
 米大統領選候補者が中国を批判するのは、中国の多くの人にとって耳慣れたことだ。しかし、トランプ氏ほど大量かつ多様に行っている人はこれまでほとんどいなかった。トランプ氏は中国と中国人を尊敬しているし、大好きだと話す。その一方で、中国を通貨操作国に指定し、中国製品に対して45%の輸入関税を課すと公約している。トランプ氏は今月に入り、共和党指名争いの対抗馬の一人、テッド・クルーズ陣営からの攻撃広告に反撃して送ったのと同様の停止通告書を、自らが大統領に就任すれば中国にも送付する可能性があると明らかにした。世界で最も人口の多い中国に対し、「われわれをかもにするのを止めるよう」要請するためだという。

 トランプ氏の集中砲火を浴びて、中国のメディアと外交政策機関の多くが、もしトランプ氏が米大統領に就任すれば世界で最も重要と考えられている両国関係にどんな意味があるのか、困惑しつつも見極めようとしている。

 微博サイトで最も人気のあるコメントの多くは、トランプ氏が大統領に就任し、米国の没落を加速することへの半分真剣な期待を表明している。

 映画業界の広報担当幹部、ユー・ジグオ氏は「トランプ氏が米大統領に就任すれば中国への恩恵になる」と投稿。「従って、今日から、中国政府はこのことに留意しておく必要がある。トランプ氏の勝利を妨害するようなことを言ったり、したりしないことだ。米国の民主主義をあざ笑い、攻撃する機会には絶対にしないことだ」と記した。

 中国人民大学(北京)の米中関係専門家、時殷弘教授は、こうした冗談は明らかな現実に根差しているとは言え、トランプ氏の実績が不足しているため、米国の将来的な衰退を期待することが間違っているかどうかの判断は難しいとの見方を示した。

 複数の国際関係専門家らは、中国首脳陣は米民主党指名選の最有力候補ヒラリー・クリントン氏よりも、トランプ氏が大統領に就任することを好む可能性があると考えている。理由は、実業家のトランプ氏は交渉に前向きな可能性が高いからだ。一方、クリントン氏は国務長官時代にアジアでの米国の軸足変更に尽力し、中国はこのことを脅威だと感じていた。

 中国政府はトランプ氏についてのコメントを避け、内政不干渉の原則に言及した。中国外務省の華春瑩報道官は先週、北京での定例記者会見で、ネバダ州党員集会でのトランプ氏の最近の勝利について質問され、「他国の内政には干渉しないので、特定の人物についてコメントはない」と発言。「われわれはいい関係を望む」と述べた。

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http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MY640_ctrump_M_20160307180117.jpg




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