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マイナス金利、これ以上下げられない限界来ていると思わない=日銀総裁(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/662.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 20 日 14:16:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

 4月20日、日銀の黒田東彦総裁は、衆院財務金融委における日銀半期報告での質疑で、日銀のマイナス金利は、これ以上下げられないという限界に来ているとは思わないとの見解を示した。写真は都内で1月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)


マイナス金利、これ以上下げられない限界来ていると思わない=日銀総裁
http://jp.reuters.com/article/japan-boj-kuroda-idJPKCN0XH08O
2016年 04月 20日 12:39 JST


[東京 20日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は20日、衆院財務金融委における日銀半期報告での質疑で、日銀のマイナス金利は、これ以上下げられないという限界に来ているとは思わないとの見解を示した。丸山穂高委員(おおさか維新の会)の質問に答えた。

また、日銀の国債買い入れに限界は来ていないのかとの質問に対し、黒田総裁は流動性の低下による重大な問題は起きていないと指摘。国債の買い入れについて「当面、何年も量的、技術的に限界は来ないだろう」と語った。

円高と物価との関連では「確かに円高に振れると、物価引き下げの方向に動くのは事実」と指摘。輸出企業などの収益に影響が出る可能性に言及した。

そのうえで為替の動向を注視していくスタンスを繰り返し示した。同時に金融政策の目的として為替を念頭に置いているわけではないことも強調した。

(田巻一彦 編集:山川薫)

 

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1. 2016年4月20日 15:57:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[429]

日銀、繰り出す次の一手とは
By ALEX FRANGOS
2016 年 4 月 20 日 11:39 JST

 日本銀行にとって追加緩和策はもはやその是非ではなく、どうやって実施するかという問題になっている。

 黒田東彦総裁は18日付ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、必要であれば「ちゅうちょなく追加的な緩和措置を検討する」と述べ、追加緩和策の実施を公約したも同然だった。

 追加緩和の必要が極めて高いと総裁が考える理由は2つあるとみられる。まず、ここ最近の円の急上昇だ。物価への下押し圧力となり、日銀が目標としている2%のインフレ達成に大きな障害となっている。

左:生鮮食品とエネルギーを除いたCPI(日銀版コアコアCPI)の推移、右:日銀の黒田東彦総裁


 2つ目の理由は日銀の信認問題だ。1月に行ったマイナス金利導入というサプライズは逆効果となったらしく、円のさらなる上昇を引き起こした。このため、日銀の信認が問われる状況となっている。いずれはマイナス金利の実効性が証明されるかもしれない。しかし、当面は金利のマイナス化が日銀についても広くマイナスのイメージを作り出しているだけのようだ。

 27・28日に予定されている金融政策決定会合でも、日銀は引き続き市場を正しい方向に動かすことができることを証明しようとするだろう。このため、大規模な株式購入など想定外の措置がありそうだ。日銀は年間80兆円の資産購入プログラムの一環として、既に3兆円の上場投資信託(ETF)を購入している。HSBCのイズミ・デバリアー氏は、この購入額が10兆円まで引き上げられる可能性があると指摘する。日銀はまた、欧州中央銀行(ECB)に倣って社債を購入対象とすることもあり得る。

 さらなる利下げの可能性も排除すべきではない。黒田総裁は、性急に金利のマイナス幅を拡大するのでなく、マイナス金利導入の効果を見極めようとするかもしれないが、一方で、総裁がサプライズ好みだということを軽く見てはならない。

 黒田総裁が当面は除外しているように見える選択肢が、いわゆる「ヘリコプターマネー」、つまり中銀の国債引き受けだ。だが、黒田総裁はマイナス金利導入を発表する数週間前、マイナス金利に反対の姿勢を表明していたのだ。

 ただ、残念ながら信認を回復する最大の政策は日銀の手中にはなさそうだ。その施策とは来年4月に予定されている消費税引き上げの先送りであり、それを決めるのは安倍晋三首相だ。

 首相が増税先送りに応じる兆候もある。だが、先送りが行われないとすれば、日銀がどのような追加緩和を講じたとしても鈍い反応しか得られないだろう。

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黒田総裁インタビュー:一問一答(英語)
円高阻止、介入以外に手立て無しか
マイナス金利政策の次に来るもの、それはヘリコプターマネー
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AI719_JAPANH_16U_20160419072409.jpg

 


「日銀のイメージ」に近づいた無担保コール翌日物、ババ抜きゲームに
船曳三郎
2016年4月20日 00:00 JST

無担保コール翌日物の加重平均金利がマイナス0.078%と過去最低
「レート下がっただけで取引が膨らむ様子は見られない」−東短リ

利回り曲線(イールドカーブ)の起点となる無担保コール翌日物の金利が日本銀行の黒田東彦総裁の望む水準近くまでようやく下がり始めた。プラス金利での取引は短期金融市場からほぼ消え、金融機関が預ける日銀当座預金の一部にマイナス金利が課せられて発生する負担を他の金融機関に渡すババ抜きゲームの様相を呈している。
  19日の短期金融市場では無担保コール翌日物の加重平均金利がマイナス0.078%と過去最低を更新。2日間で6.8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。取引の値幅はマイナス0.07−マイナス0.08%程度。手数料などを勘案すると、資金の出し手のコストは日銀当座預金の一部に適用される0.1%のマイナス金利に近い水準と、セントラル短資の佐藤健司係長は指摘する。「実質的な下限まで一気に低下した形だ。資金の取り手が少ないことを意識した出し手が積極的に動いた」と言う。

  「日本銀行当座預金金利をマイナス化することでイールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買入れとあわせて、金利全般により強い下押し圧力を加えていく」ーー。1月末の「マイナス金利付き量的・質的緩和」の日銀発表を受けて、市場金利は軒並み低下した。国債市場では2月に、新発10年物利回りがすでにマイナス0.1%を下回る場面があったが、イールドカーブの起点であるはずの無担保コール翌日物金利は、短資会社のシステム対応が整った3月22日以降もわずかなマイナス水準で下げ渋っていた。
   東短リサーチの飯田潔上席研究員は、マイナス金利政策の効果について、「中長期金利だけ先に下がっていたが、イールドカーブの起点が下がったことでようやく日銀の描いたイメージ通りになってきた」と指摘。ただ、コール取引の量に関しては、「レートが下がっただけで取引が膨らむ様子は見られず、参加者に広がりが見られない」と言う。
  短資協会によると、マイナス金利が大幅に拡大した18日の無担保コール取引残高は2兆6554億円と、金融機関が日銀当座預金を積み上げた3月分の積み期の平均3兆372億円を下回った。日銀当座預金でマイナス金利の適用を受けていた信託銀行は、4月分の準備預金の積み期に入った18日から負担を転嫁する形で投信から手数料を徴収。これを受けた投信による資金放出の積極化で市場のマイナス金利は拡大したが、取引の活性化には至っていない。
  日銀が18日に公表した業態別の日銀当座預金残高によると、3月の積み期にマイナス金利が適用された残高は29.7兆円と、日銀が示す「10兆ー30兆円程度」の見込み額のほぼ上限に達した。割合では、信託銀とゆうちょ銀を含むその他の準備預金制度適用先の金融機関が22.9兆円とマイナス金利適用の大半を占めている。一方、資金の調達側にいるとみられる都市銀行と地方銀行は、ゼロ金利適用残高の上限に対してそれぞれ3兆ー5兆円前後の調達余地を残しており、マイナス金利でも取引を見送る傾向がうかがえる。
  セントラル短資の佐藤氏は、「誰かが必ずマイナス金利を課される政策設計になっているので、無担保コール翌日物は日銀の納得する水準まで下がってきた」と指摘する一方、「日銀当座預金に余裕がある金融機関が市場で動かないとコール市場の活性化はない」と話した。日銀は今後、ゼロ%適用のマクロ加算残高を拡大して金融機関の負担を抑え、コール市場で資金の取り手を増やそうとするのではないかと佐藤氏はみている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5V7SE6S972801


 


Business | 2016年 04月 20日 11:42 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
世界経済に下方リスク、追加緩和有無は言えない=黒田日銀総裁

[東京 20日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は20日午前の衆院財務金融委員会に出席し、来週27━28日の金融政策決定会合について「今の時点で追加緩和の有無はいえない」「会合内容を占うのは差し控えたい」と述べた。一方、国際通貨基金(IMF)が世界経済に更なる下方リスクを指摘している点を取り上げ、2%の物価目標実現のためには「必要なら追加緩和する。スケジュール的に緩和するものでない」と指摘した。

同席した雨宮正佳理事は、熊本・大分地震による1)供給網、2)消費・観光、3)マインド──への影響を点検しているとした。

黒田総裁はIMFが先週、「中国以外ほとんどの国の成長見通しを下方修正した」点に言及。中国の過剰設備と資源価格の低迷により「世界経済に更なる下方リスクがあると指摘している」と引用した。

<量、質、金利、いずれも緩和余地>

今後、追加緩和に踏み切る場合、「量、質、金利、いずれの次元でも更なる緩和余地がある」とし、政策手段に限界があるとの懸念をけん制した。

1月のマイナス金利導入について、市場関係者の間では国債買い入れによる「量」の拡大が限界に達しつつあるためとの観測もあるが、黒田総裁は「量の拡大が限界とは思っていない」と強調。その上で「今後も、量・質での緩和も選択肢」として、国債やETF(上場投資信託)の買い入れ余地があるとの姿勢を示した。

長期国債について、日銀は現在年間、残高ベースで80兆円、フローで100兆円と、事実上、国債の年間発行額相当を全額買い入れいる。総裁は「長期国債買い入れを無限に続けることはできないが、市場にはまだ国債が残っている」として、金融機関や機関投資家などが保有する国債を買い取る意思を示した。

<ヘリコプターマネー、「あり得ない」>

市場では今後の緩和手段として、金融機関に補助金をつけて資金を貸し出す「ヘリコプターマネー」が取りざたされている。黒田総裁は「ヘリコプターマネーは、財政・金融の一体運営だ」とし、「現在の法的枠組みと矛盾する」と指摘。政策手段として「あり得ない。日銀としてまったく考えていない」と強く否定した。

(竹本能文、伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/kuroda-idJPKCN0XH06L?sp=true

ヘリコプターマネーの誘惑、日本国民に大惨事招くとJPモルガン警告
野沢茂樹、Kevin Buckland
2016年4月20日 00:00 JST 更新日時 2016年4月20日 13:55 JST

G20は通貨安競争けん制、財政出動を推奨−熊本地震も議論後押し
アベノミクスの初期段階から手を染めていたとBNPパリバ証

日本銀行の黒田東彦総裁による前例のない金融緩和でも景気回復とデフレからの完全脱却を果たせない中、安倍晋三内閣と日銀の経済活性化策が「ヘリコプターマネー」的な色彩を強めていくのではないかとの懸念が市場で浮上している。
  政府の景気刺激策の財源を中央銀行の紙幣増刷で賄うヘリコプターマネーは、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマン氏が1969年に提唱した。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は第2次世界大戦の遠因にもなった通貨安競争をけん制し、金融緩和効果の限界に言及。有望視される財政拡張の資金源として、ヘリコプターマネーをめぐる議論が世界的に広がっている。
  JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、日本政府がヘリコプターマネーに踏み切る「環境が完全に整った」とみる。円安要因となる金融緩和の強化とは異なり、財政拡張は「基本的に国内政策であり、他国から批判されにくい」と説明。ただ、ひとたびヘリコプターマネーの領域に踏み入れば、日本経済、とりわけ国民は最終的に「大惨事」に見舞われる恐れが強いと懸念する。

  ヘリコプターマネーには、米連邦準備制度理事会(FRB)の議長に就任する前のベン・バーナンキ氏も2002年の講演で言及。金融不安とデフレ下の日本に対して提案した経緯があり、市場では「ヘリコプター・ベン」とも呼ばれる。中銀による財政ファイナンスは日米欧とも法律で原則禁止されているが、英銀スタンダードチャータードは日本が早ければ年内にも国債の日銀引き受けに踏み切る可能性があると読む。
  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「財政が拡張方向にあり、追加的な赤字が国債増発でファイナンスされればヘリコプターマネーだ」と言う。日本は13年に10兆円規模の補正予算と異次元緩和の導入で「アベノミクスの初期段階からヘリコプターマネーに手を染めていた」と指摘。今年度も日銀の国債保有増が財政赤字の2倍超に上るため、「追加財政を打つ分だけヘリコプターマネー的になる状況だ」とみている。
  今月15日のワシントンG20会合後の記者会見で、ルー米財務長官は日本の為替介入をけん制し、財政出動や構造改革による内需主導の成長押し上げを要望。増税の時期にも配慮を求めた。国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、広範囲な長期停滞局面に陥るリスクが高まっていると警告。今年の成長率を3.2%、来年は3.5%に引き下げた。特に日本は16年が0.5%に半減、17年は円高や消費増税を背景に0.3%からマイナス0.1%に下方修正した。
事実上の財政ファイナンス
  自民党の山本幸三衆院議員は熊本地震前の13日、10兆円規模の国費を投入する財政拡大策を主張。来年4月の消費増税も延期が当然だと述べた。14日付の日本経済新聞朝刊は、政府・与党がインフラ整備に使う資金をほぼゼロ%の金利で民間企業に融資する仕組みを検討すると伝えた。日銀のマイナス金利政策で発行コストが大幅に低下した国債を増発し、政府系金融機関を通じて最大3兆円を貸し出すとしている。
  日銀は2%の物価目標の達成に向けて13年4月にマネタリーベースを積み増す量的・質的金融緩和を導入し、翌年10月末には国債保有増を年80兆円に拡大する追加緩和を実施した。今年1月末には金融機関の当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用することを決定。金利低下を促し、結果的に債務残高や利払い負担の増加を抑えてきた。
  スタンダードチャータードでグローバルマクロ戦略・為替調査の責任者を務めるエリック・ロバートセン氏(シンガポール在勤)は「世界中の先進国に必要なのは財政支出、インフラ投資だ」とみる。日銀は物価目標を達成できず、景気低迷や円高・株安などが続けば、究極の選択を迫られると分析。「日本はすでに事実上の財政ファイナンス状態にあると多くの人々が考えている」と言う。
  財政ファイナンスとは、厳しい財政状況にある国の政府が多額の国債を発行して中銀に引き受けさせ、紙幣の増刷で財政赤字を穴埋めする状況を指す。財政破綻懸念から国債相場の暴落リスクにつながるほか、通貨の信認低下で為替相場が下落し、輸入物価急騰などを通じた高インフレが国民生活に深刻な打撃をもたらす恐れがある。
日本は「炭鉱のカナリヤ」
  財政法の第5条は公債の日銀引き受けを禁止。ただ、「特別の事由がある場合に、国会の議決を経た金額の範囲内」なら例外としており、日銀法にも第34条に同様の規定がある。日銀法は第43条で同法が規定していない業務を禁じているが、日銀の「目的達成上必要がある場合に、財務相及び首相の認可を受けた時」は例外扱いだ。
  黒田総裁は20日の国会質疑で、ヘリコプターマネー政策について「全く考えていない」と述べた。財政は政府と議会、金融政策は政府や議会から中立的な中銀が行うので、「一体としてやるのは法的枠組みと矛盾する」と指摘した。一方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は同政策について「興味深い」と発言しているが、第1次大戦後に極度のインフレに苦しんだドイツのバイトマン連邦銀行総裁は、政府と納税者がツケを払うことになるだろうと猛反対している。
  ドイツ銀行で外国為替調査の共同責任者を務めるジョージ・サラベロス氏らは15日付のリポートで、日本は既存の経済活性化策が限界に近づいており、次の世界的な政策の革新をめぐって「炭鉱のカナリヤ」的な位置付けにあると指摘。財政ファイナンスの確率は大方の予想より高そうだとみる。
  世界経済は1929年10月に発生した米国株の暴落をきっかけに恐慌に陥った。日本では31年に発足した犬養毅内閣の高橋是清蔵相が金本位制からの離脱や円の切り下げ、国債の日銀引き受けによる財政拡張というリフレ政策を断行。英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズが「雇用・利子及び貨幣に関する一般理論」を発表する数年前に、他の主要国に先駆けて景気回復とデフレ脱却を果たした。
  サラベロス氏らはヘリコプターマネーを分析したリポートで、高橋蔵相が「日本のケインズ」と呼ばれていると紹介した。麻生太郎財務相は第2次安倍内閣発足から間もない2013年2月にNHKのインタビューで、デフレ脱却については「歴史に学ぶ以外に方法はない」と発言。高橋蔵相の対応策を「いろいろ工夫しながら模倣している」と明かし、日本経済を数年で健全な状態に戻せるとの自信を示していた。
  高橋蔵相は前例のないリフレ政策で成功を収めた後、インフレを抑えるため軍事予算など財政の膨張抑制に転じた。これが遠因の一つとなり、1936年の2・26事件で落命。日本は財政面でも軍部の暴走を抑えきれなくなり、翌年からの対中全面戦争を経て第2次世界大戦に突き進み、45年に敗戦を迎えた。
  日本銀行百年史によると、国の一般会計歳出は戦時下の35−44年度の10年間に約10倍に膨張。政府債務残高の国民総生産(GNP)に対する比率は62.9%から204%に上昇した。日銀はこの間「国債の無制限引受機関に化して」おり、「敗戦後に爆発するに至った悪性インフレーションの十分な下地を形成した」と自己批判している。
  預貯金等残高と日銀券発行残高の合計は45年8月末に37年末の約8倍まで膨張し、公定価格に準拠する卸売物価指数は20年12月に前月比55%上昇、小売物価指数は94%上昇と高騰。実勢を映す消費財の闇物価の水準は公定価格の約37倍に達した。
  JPモルガン・チェース銀の佐々木氏は、日本がヘリコプターマネーの状況に至る確率を「10年以内に5割超」と読む。国債利回り急騰への懸念から巨額の買い入れを止められない日銀を見て、政府は国債発行を増やしていくと予想。株式や外貨建て資産に資産を移すのが難しい平均的な国民ほど、インフレ加速による預金の実質的な目減りに苦しむことになりかねないと言う。
  終戦後70年余りを経た日本では、国の債務残高が昨年度末に1087.3兆円に膨らんだもようだ。国際通貨基金(IMF)は日本の政府債務残高が今年、名目国内総生産(GDP)の249.3%に達すると予測。19年には251.9%に上昇し、少なくとも21年までは高止まりが続くと見込む。
  BNPパリバ証の河野氏は、政府が財政拡張を進めると規律の低下を懸念して市場金利が上昇する「債券自警団」が働くはずだが、ゼロ金利やマイナス金利下では機能しないと指摘。世界経済が拡大して海外の物価・金利が上昇すれば、円安が進んで国内物価も上がり、国民は「インフレ税」を負う一方、海外の経済が停滞して物価・金利が低迷すれば国内も同様でマイナス金利が続くため、いずれにせよ「金融抑圧的になる」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5VKPU6S972L01

日銀総裁:ヘリコプターマネー全く考えていない−法的枠組みと矛盾
下土井京子、日高正裕
2016年4月20日 13:05 JST 
必要ならちゅうちょなく3次元で緩和、限界はないと黒田氏
為替にひも付きで金融政策は運営しない−衆院財務金融委

黒田東彦日本銀行総裁は20日の衆院財務金融委員会の日銀半期報告の質疑で、景気刺激策の財源を中央銀行の紙幣増刷で賄ういわゆるヘリコプターマネー政策は「全く考えていない」と述べた。同時に、物価安定目標達成のために必要なら追加緩和を行う姿勢をあらためて示した。
  黒田総裁はヘリコプターマネーについて、金融政策と財政政策を一体的に行うとの認識を示した上で、財政は政府と議会、金融政策は政府や議会から中立的な中央銀行が行うので、「一体としてやるのは法的枠組みと矛盾する」と指摘。これまでに「具体的に検討したこともない」と重ねて否定した。また現在のマイナス金利付き量的・質的緩和は「財政ファイナンスではない」と述べた。
  今後の金融政策については、リスクを点検し必要なら量・質・金利の3次元で追加緩和をする姿勢を堅持した。国債市場の流動性に問題が生じているとの見方を否定し、「量的緩和の限界は当面考える必要ない」と強調。マイナス金利についても、技術的に「引き下げに限界はない」と指摘した。
  上場投資信託(ETF)購入に関しても十分留意しながら購入を続けているとし、「株式市場で日銀のプレゼンスが大き過ぎることはない」と述べた。
  週末に米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、「通貨の競争的な切り下げ回避や競争力のために為替レートを目標としないことを含む、為替相場についての以前のコミットメントを再確認する」との表現を声明に盛り込んだ。
  黒田総裁は、声明は従来のG20の考え方を再確認したもので、日銀のマイナス金利を含め金融政策を制約しないとの認識を示した。為替と物価の関係については「為替が円高に振れると物価を引き下げる方向に働くのは事実」としながらも、「為替にひも付きで金融政策を運営するということではない」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5WWYV6JTSE801


 


Business | 2016年 04月 20日 12:06 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
熊本地震、供給網やマインド含め日本経済への影響調査=日銀総裁

[東京 20日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は、20日午前の衆院財務金融委員会で、熊本地震の地元および日本経済への影響について生産の一時停止に伴う供給網(サプライチェーン)やマインドへの影響を調査していくと語った。現段階で金融面での問題は特に生じていないとの認識を示した。鈴木克昌委員(民進)への答弁。

総裁は、熊本地震の経済的な影響について「今の段階で具体的に申し上げることは難しい」としたが、企業や報道からの情報をもとに「特に輸送機械やIT関連の工場で部品の生産を一時停止するという動きがみられている」と説明。

そうした動きがサプライチェーンに及んでいる可能性を指摘し、「今回の地震が地元経済や日本経済全体に与える影響について、マインド面の影響を含めて引き続き調査したい」と語った。

また、銀行間の資金決済を行う日銀ネットは正常に稼働しており、日銀・金融機関の支店も通常業務を続けていると指摘。「金融面で特別な問題は生じていない」と述べた。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/kumamoto-boj-idJPKCN0XH07M

ETF買い入れ、意味は十分ある プレゼンス大き過ぎない=日銀総裁

[東京 20日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は、20日午前の衆院財務金融委員会で、日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れについて、1部上場企業の株式時価総額との関係で日銀のプレゼンスが大き過ぎることはない、との認識を示した。資産価格のプレミアムに働きかける意味も十分にあると語った。

今井雅人委員(民進)への答弁。

日銀は2015年9月末現在で約7.8兆円(時価)のETFを保有しており、ETFの市場規模の約半分に達する。それでも総裁は「ETFは運用の対象となる株式が存在すれば新規に組成することはいくらでも可能だ」とし、東証1部上場企業の株式時価総額500兆円程度との関係から「日銀のプレゼンスが大き過ぎるということはない」と主張。国債のように償還期限のない資産だけに「十分に留意しながら購入を続けている」としながら、「資産価格のプレミアムに働きかける意味は引き続き、十分ある」と語った。

また、総裁は、長期国債買い入れによる量的拡大に限界があるとは思っておらず、量的拡大も選択肢との認識を示した。

政府による国債の新規発行分を大きく上回る額の買い入れを続けている中で「無限に続けることはもちろんできない」としたが、「まだまだ市場に国債は十分に残っている」と指摘。「当面、金融政策の運営にあたって量的・質的金融緩和を拡大していくことに制約があるとは考えていない」と語った。

今後の追加緩和の可能性については「今の時点で追加緩和があるともないとも申し上げられない」と述べるにとどめたが、2%の物価安定目標の実現に必要ならば追加緩和もちゅうちょしないとし、「スケジュール的に緩和をしていくというものではない」と語った。

*内容を追加します。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/etf-boj-idJPKCN0XH05H

消費増税めぐる環境変化、現時点であるとは考えてない=官房長官

[東京 20日 ロイター] - 菅義偉官房長官は20日午前の会見で、熊本地震を受けた来年4月の消費増税判断について「(引き上げの予定は)現時点では全く変わらない」と述べ、消費増税をめぐる環境変化があるとは考えていないとの認識を示した。

自民党の稲田朋美政調会長が熊本地震が経済に深刻な影響を与えると判断した場合は消費税率を1%ずつ上げていくことも選択肢との考えを示したことについては「政調会長の考え方だろう。政府の考え方は、安倍晋三首相が発言しているように基本的にそうした環境変化があるとは現時点で考えていない」と指摘。1%ずつの引き上げについて「考えたことはない」とした。

政府はこれまで、リーマン・ショックや東日本大震災のような重大な事態が起きない限り消費税率を来年4月に2%引き上げると説明してきた。熊本地震の全容が見えてきたなかで、今回の地震は東日本大震災のようなものには当たらないという判断かとの質問に、菅官房長官は「政府は経済の好循環を力強く回すことに全力で取り組んでいる。そうした状況ではないと判断している」と語った。

安倍首相が衆参同日選を見送るとの報道が出ていることについては「首相は解散のかの字もないと発言している。なぜ見送る必要があるのか」と指摘したうえで、「首相がかの字もないということは解散しないということだと思う。いずれにしろ解散は首相の専権事項だ」と述べた。

(石田仁志 編集:山川薫)
http://jp.reuters.com/article/suga-idJPKCN0XH07G


日経平均失速し一時マイナス、資源や輸出は堅調−紙パ、空運は下落
佐野七緒
2016年4月20日 08:05 JST 更新日時 2016年4月20日 13:34 JST

20日午後の東京株式相場は失速、日経平均株価は一時マイナス圏に沈んだ。石油・石炭製品、鉱業など資源株、電機や機械など輸出株、不動産株などが引き続き高い半面、パルプ・紙や空運株など原油上昇がデメリットになる業種群の一角、保険や情報・通信、小売株は安い。
  前日の海外原油先物の反発、為替の落ち着き、欧米株の堅調を材料に午前の取引で日経平均は一時200円以上上昇、およそ半月ぶりに1万7000円台に乗せた。しかし、来週以降に国内決算発表の本格化を控える中、心理的節目の水準をひとまず回復し、売り圧力も高まった。時間外取引での原油先物の下落、やや円が強含む午後のドル・円動向もマイナス要因だ。
  午後1時21分時点のTOPIXは前日比6.80ポイント(0.5%)高の1369.83、日経平均株価は61円41銭(0.4%)高の1万6935円85銭。
  SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、日本株は「為替、原油と一緒に動いており、朝方と逆の動きが出ている」と指摘。前日は下げ過ぎの反動で急伸したが、21日には欧州中央銀行(ECB)理事会なども控え、「ポジションをそう持てるわけではない。1万7000円前後では利益確定売りも出やすい」と話している。
  ニューヨーク原油先物はアジア時間20日の時間外取引で2.5%下落。石油輸出国機構(OPEC)で産油量4位のクウェートの石油労働者は、日本時間きょうにストライキを終結する。19日の先物価格は、クウェートのスト継続を材料に5営業日ぶりに反発していた。
  きょう午後のドル・円相場は1ドル=108円90銭ー109円付近で推移、一時109円20銭台だった午前に比べると円高方向にある。前日の日本株終了時点は109円3銭。また、中国上海総合指数は2%以上下落と弱い。
  東証1部33業種は石油・石炭製品、鉱業、その他金融、不動産、海運、電機、機械、倉庫・運輸、非鉄金属は下落。紙パや空運、保険、通信、小売は下落。東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1069、値下がりは747。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5WKI16JTSEI01

第一生命:日本国債買わず、ミドルリスク分野強化−16年度運用計画
伊藤小巻、野沢茂樹
2016年4月20日 15:00 JST

第一生命保険は2016年度の運用計画で新規資金や償還資金は日本国債には振り向けず、インフラやプロジェクトファイナンスへの投資や為替リスクをヘッジした外国債券の残高を増やす計画だ。日本銀行がマイナス金利政策を進める中、各資産クラスでミドルリスク・ミドルリターン分野への投資を強化し運用収益確保を目指す。
  20日記者説明した運用企画部の渡辺康幸運用企画室長は、日本国債について「買う予定はほとんど無い」と述べ、償還分についても「再投資しない」とし、今年度の残高は減る見通しだ。短期資金の運用については「今後も、マイナス金利で運用することは基本想定していない」という。
  一方、円建てのクレジット投資や、ヘッジ付き外債の残高は増やす計画だ。渡辺氏は「長期的にマクロ経済の環境を見渡したときにクレジットサイクルとしては成熟してきている」と分析。伝統的な株や社債などのコーポレートファイナンスから航空機ファイナンスなどの「キャッシュフローの見込めるアセットファイナンスを増やしていきたい」と話す。
  昨年度注力した国内銀行の劣後債に加えて、海外のインフラプロジェクトのデット部分に円建てや為替リスクをヘッジして投資する。ヘッジ外債については、国債だけでなく社債など債券の種類や年限を分散させ投資している。渡辺氏は「為替のヘッジコストを考慮した後の実質的な利回りでみても、相応に魅力の高い投資対象は現存している」と指摘し、さらに積み増す余地はあるとみている。
  オープン外債については「政治リスクは積極的には取りづらい」と述べ、為替水準を設けて投資をするのは厳しいという。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、6月は英国での欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票、秋には米大統領選が控えている。渡辺氏は「水準というよりは政治的な不透明感の状況を見ながら、追加投資のタイミングを図っていきたい」との考えだ。
  資産と負債の平均残存年限(デュレーション)・ギャップについては、過去10年で段階的に縮めてきたものの、ここ数年の低金利や足元のマイナス金利の運用環境では、積極的に縮める投資は行っていないという。渡辺氏は「金利水準を見ながらコントロールしていきたい」と述べた。円建て確定利付き資産のデュレーションは14年台半ば、負債は18年。
  記者説明に同席した山本辰三郎運用企画部長によると、貸し付けの残高は昨年度同様に返済により減少する見通し。国内株式は株価水準次第で残高を機動的にコントロールする。外国株とオルタナティブ(代替投資)は増加。不動産は横ばいの計画だ。
  第一生命の16年度の相場見通しは以下の通り。
国内金利(10年国債)がマイナス0.20%〜0.30% (年度末マイナス0.05%)
海外金利(米10年国債)は1.50%〜2.50%(同2.30%)
日経平均株価は1万3000円〜2万円(同1万8000円)
為替水準は1ドル=100円〜120円(同115円)、1ユーロ=110円〜140円(同126円)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5X3FF6KLVR401



債券上昇、プラス利回りの国債買う動きが強い−30年と40年の格差縮小
池田祐美、山中英典
2016年4月20日 07:51 JST 更新日時 2016年4月20日 13:12 JST
新発30年債利回り0.30%、新発40年債利回り0.305%まで低下
先物一時7銭高の152円07銭まで上昇、長期金利マイナス0.13%

債券相場は上昇。新発30年物と40年物の国債利回りは過去最低を更新し、格差が0.5ベーシスポイント(bp)に縮小している。需給環境の良好さを背景に21日の20年債入札に対して楽観的な見方が出ており、金利水準がプラスにある年限を買う動きが強まっている。
  20日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比2銭高の152円02銭で取引を開始した。いったん152円00銭まで伸び悩んだ後、水準を切り上げ、一時は7銭高の152円07銭まで上昇。午後は152円05銭付近でもみ合いとなっている。
  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「需給面での金利低下バイアスが意識されている。通常は水準が下がれば益出し売りが想定されるが、海外金利も上昇しておらず、円安でもなく、益出し売りを出すタイミングや理由がない」と話した。「あすの20年債入札後は5月の30年債入札まで、超長期ゾーンの供給が3週間程度空いてしまう。次の焦点は、10年債入札よりも30年債入札だろう。3週間のうちに、日銀の超長期ゾーンのオペが3回以上入ってくる可能性がある。需給面を考えると売れる人がいない」と話した。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.13%で開始し、その後も同水準で推移している。新発30年物の50回債利回りは3bp低い0.30%と、過去最低を更新して開始。その後は0.305%で取引されている。
  新発40年物の8回債利回りは0.31%と、14日に記録したこれまでの最低水準0.405%を下回って開始。いったん0.32%を付けた後、午後には0.305%と、午前に付けた最低水準を更新。同債は日本で発行された国債で最も償還までの残存期間が長い。全ての国債利回りが0.4%を下回っている。

  ドイツ証の山下氏は、「来週の日銀金融政策決定会合でネガティブな政策が出てくることはないだろう。日銀だけがマイナス金利を拡大しても、為替が動くとは期待できない」と言う。
  日銀が実施した今月8回目となる長期国債買い入れオペ3本(総額1兆2400億円)の結果によると、残存期間1年超3年以下の応札倍率が前回から低下した。3年超5年以下、5年超10年以下は上昇した。
  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「あす入札を控えているが全然弱くならないので、証券会社にかなりショートがたまっているとか、翌日物コール金利が結構下がってきたので、海外勢がこれを理由にもう1回追加緩和できるんじゃないかという話も出ている。いろいろな要因が重なっている。今のオペ額を考えると多少買う人が出てくるだけで需給が完全に歪んで金利低下が加速してしまっている状況。需給主導の動き」と述べた。
20年債入札
  財務省は21日午前10時半から、20年利付国債の価格競争入札を実施する。156回債のリオープン発行となり、表面利率は0.4%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回から1000億円減額の1兆1000億円程度となる。
  ドイツ証の山下氏は、「10年債までマイナス金利に沈んでいるので、利回り曲線のプラス金利の年限を買ってくることになるだろう。全く手を出さないというよりも、ある程度買わざるを得ない投資家がいると思う。短期トレードの向きが多いなかで、20年債入札でも一定の需要があるだろう」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/-20-in80ywoo


中国株:上海総合指数、2カ月ぶり大幅安−下落率は一時4.5%
Fox Hu、Kyoungwha Kim
2016年4月20日 13:41 JST 更新日時 2016年4月20日 15:02 JST

20日の中国株式相場は下落。上海総合指数が約2カ月ぶりの大きな下げとなっている。年初来で最低水準にあったボラティリティ(変動性)を測る指標が上昇した。
  上海総合指数は前日比3.9%安の2924.35。8日以来の3000割れとなり、年初来の下落率は約17%に達している。一時4.5%安となる場面もあった。消費者関連とテクノロジー銘柄が下げの中心。上昇銘柄1に対して下落銘柄が73の割合。
  華西証券の魏瑋アナリスト(上海在勤)は、「1月の相場急落時の恐怖が戻っている」と説明。「この日の下げで特別な材料は聞いていない。中国の株式相場がこれほどの速さと大きさで下落しているのは奇妙であり、驚くべきことだ」とコメントした。
原題:China’s Stocks Tumble Most in Seven Weeks to Break Trading Calm(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5X0ER6KLVRF01

中国人民元、下落−4カ月ぶり高水準の中心レートもドル持ち直しで
Bloomberg News
2016年4月20日 14:23 JST

中国人民元は20日、対ドルで下落。中国人民銀行(中央銀行)はこの日の中心レートを4カ月ぶりの元高水準に引き上げたが、ドルが10カ月ぶりの安値から持ち直した。
  中国外国為替取引システム(CFETS)によると、上海市場で人民元は現地時間午後0時12分(日本時間同1時12分)現在、0.1%安の1ドル=6.4648元。人民銀は同日の中心レートを0.19%元高方向の6.4579元と、昨年12月15日以来の高い水準に設定した。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は4日ぶりに反発。
  ブルームバーグの集計データによれば、香港オフショア人民元は0.07%安の6.4733元。
原題:Yuan Shrugs Off Stronger Fixing to Decline as Dollar Rebounds(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5X2DA6KLVRW01

 

 

中国の40年に及ぶ経済発展は終息か−日本の景気悪化予測したスミス氏
Enda Curran
2016年4月20日 12:03 JST

中国はさらに踏み込んだ経済改革が必要だとスミス氏
スミス氏は1990年に日本の急激な景気悪化を予想

中国が共産党の厳しい管理下で数十年間にわたり成し遂げた急速な経済発展が終息しつつあるかもしれないと、米ニューヨーク大学スターン経営大学院のロイ・スミス教授が指摘した。同氏はバンカーだった1990年に日本のバブル崩壊を予測した。
  スミス氏は「中国は40年近くにわたり驚くべき経済発展を遂げた後、今やそれが存続するかが問われる段階に到達している」と指摘。中国の「ますます複雑かつ困難になる不足だらけの経済・社会システム」を共産党指導部が管理することは一段と困難になるだろうと述べた。同氏は2015年の中国株急落の前にも、日本が経験したような金融逼迫(ひっぱく)が始まりつつあると警告していた。
  習近平国家主席は13年、経済運営において市場に「決定的」役割を与えると約束したものの、金融システムは引き続き、指導部が選好する借り手を与信の対象とする国有銀行におおむね支配されている。
  国際銀行学と金融学を専門とするスミス氏は、当局は「市場原理により国を有意義に動かすことが可能となる改革を導入するため、今後はさらに踏み込む」必要があると指摘。習主席は「それが可能なように自らの権力基盤を強化してきたが、同氏にとっての試金石は多くの脆弱(ぜいじゃく)さを抱えた共産主義の超大国が成功し存続できるかどうかだ」と述べた。
  スミス氏は引き続き、最終的に日本経済の足かせとなった不良債権増加との共通点があるとみている。ただ、日中の間には多くの相違点もある。世界銀行のデータによると、中国は1990年当時の日本よりも低い経済発展段階にあり、13年の中国の1人当たり国内総生産(GDP)は依然として1960年時点の日本の半分に過ぎない。しかし、中国全体の債務は経済規模の2.5倍近くに膨らみ、減速する兆しをほとんど示していない。
  スミス氏は「中国は日本の経済発展モデルを模範としてきたが、現在は日本と同様の制御不能となる恐れがある金融危機に直面している可能性があり、それにより次のアジアの超大国を目指す勢いに陰りが出るかもしれない」と述べた。
原題:China Faces Make-or-Break Moment, Says Forecaster of Japan Slide(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5WTXQ6JIJUT01

 

中国中銀、追加策に消極的−ゴールドマンとUBSが成長予想引き上げ
Bloomberg News
2016年4月20日 15:01 JST

今年の中国成長率をゴールドマンとUBSは6.6%と予想
人民銀の馬駿氏は企業レバレッジの過剰な拡大に注意すると説明

中国人民銀行(中央銀行)が刺激策の追加にそれほど積極的でない姿勢を示している。国内経済の成長が加速している兆しを受け、民間エコノミストは相次ぎ経済成長率見通しを上方修正した。
  人民銀自体は政策スタンス変更について公式声明を一切出していないが、国営の新華社通信が18日配信した論説で最初のシグナルが発せられた。金融政策は今後数カ月、一定の緩和を維持する一方で、昨年と比べ慎重さがより顕著になるだろうと新華社は伝えた。
  人民銀研究局の馬駿チーフエコノミストは19日遅くに行った国内メディア向け説明会で、将来の政策運営は成長支援継続の必要性を見極めながら、企業レバレッジ(借り入れ)の行き過ぎた拡大といったマクロ経済リスクを防ぐために注意を払うことになるだろうと語った。
  中国が15日発表した3月の統計で、工業生産から固定資産投資に至る幅広い活動の持ち直しが示され、金融・財政緩和の効果が出ている兆候が強まった。3月の与信もエコノミスト予想を上回る伸びとなった。
利下げ
  北京在勤の宋宇氏らゴールドマンのエコノミストは今週のリポートで、1−3月(第1四半期)と比べ「国内投資への政策支援は積極さが低下するものの、緩和バイアスは引き続き維持すると見込んでいる」と指摘した上で、「政策当局が成長の状態をめぐる懸念を後退させる公算が大きい」とコメントした。
  2016年の中国経済成長率について、ゴールドマンは6.6%と予測し、従来予想(6.4%)を上方修正した。UBSグループも15日、今年の中国成長率見通しを6.2%から6.6%に引き上げた。
  香港在勤の汪濤氏らUBSのエコノミストは先週のリポートで、「財政・与信の政策支援が強いままの一方で、緩和の勢いはピークに達した可能性が高いと考えている」と説明し、年内の利下げをもはや予想していないことを明らかにした。
原題:PBOC Signals Less Appetite for Stimulus as Outlook Strengthens(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5WYJV6S972D01


 



野村HD:ウォーレン・バフェット氏お気に入りのアナリスト解雇
Noah Buhayar、日向貴彦
2016年4月20日 03:05 JST 更新日時 2016年4月20日 11:57 JST

野村ホールディングスが保険担当アナリストのクリフ・ギャラント氏を解雇したことが分かった。同氏は今月末に開かれる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの年次株主総会でウォーレン・バフェット氏への質問を予定していた。
  事情に詳しい関係者2人によれば、ギャラント氏が野村を去ったのは先週で、同社の広範な海外事業見直しの一環。関係者らは情報が非公開だとして匿名を条件に語った。
  バークシャーがネブラスカ州オマハで開催する株主総会への参加は、アナリストにとっては非常に名誉なこととされている。投資の世界では最も知られたイベントの一つであり、何万人もの出席者がバフェット氏(85)や同氏の長年のビジネスパートナーであるチャールズ・マンガー氏(92)によるビジネスや生活についての話に聞き入る。
Cliff Gallant
Cliff Gallant Source: LinkedIn
  総会では長年にわたり一般的な内容の質問が多かったが、バークシャーは2012年、同社が手掛ける事業に議論の焦点を合わせようと、3人の証券アナリストによるパネルを設置。これら3人のアナリストは記者や聴衆らとともに交代でバークシャー幹部に質問する。
  ギャラント氏は12年とその翌年に出席した。バフェット氏による今年2月の株主宛て年次書簡によれば、ギャラント氏は4月30日の総会にルエイン・カニフ・アンド・ゴールドファーブのジョナサン・ブラント氏、モーニングスターのグレッグ・ウォーレン氏とともに出席する予定になっている。
野村のビジネス戦略
  ギャラント氏は2013年にKBWから野村に移籍した。ブルームバーグ・データによれば、同氏は直近ではバークシャー社を「買い」推奨、目標株価は23万5000ドルとしていた。バークシャー社株はニューヨークで19日、21万9000ドルで取引を終え、年初来11%上昇している。
  野村HDは大規模なコスト削減に取り組んでいる。米国株の調査と投資銀行業務の縮小に着手。ヨーロッパでは欧州株のリサーチやリサーチ営業、デリバティブ、引き受け業務と中核ビジネスを閉鎖し、人員削減は欧米で1000人規模になる可能性があることが複数の関係者への取材で分かっている。
  バフェット氏には、ギャラント氏が参加するかどうか尋ねるメッセージを残したが、これまでのところ返答はない。ギャラント氏も19日のメッセージに返答していない。野村の広報担当はコメントを控えた。
  野村HDの株価は年初来25%下げ、日経平均株価の倍以上も下落している。
原題: Buffett’s Favored Analyst Cut by Nomura Before Omaha Meeting (2) (抜粋)



サウジ:100億ドル借り入れで合意、財政赤字穴埋めで−関係者
Matthew Martin
2016年4月20日 15:33 JST

サウジアラビアは少なくとも15年ぶりの政府借り入れの条件について銀行団と合意した。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。
  関係者が匿名を条件に述べたところによると、サウジ政府は100億ドル(約1兆900億円)の融資でロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に約120ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せの金利を支払う。期間は5年で月内に契約が調印される見込み。
  銀行団には米国、欧州、日本、中国の銀行が参加していると関係者らが述べた。サウジは当初、最大80億ドルの借り入れを目指していたが応募銀行が多く規模を拡大したという。同国は財政赤字穴埋めのため、他の資金調達先も探している。
原題:Saudi Said to Agree Terms on $10 Billion Loan to Fund Deficit(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5X4DA6JIJUO01



産油国、サウジの手のひら返しで窮地に
ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)が運営する油井(2015年4月16日)

By BENOIT FAUCON, SELINA WILLIAMS AND SUMMER SAID
2016 年 4 月 20 日 13:35 JST

 サウジアラビアが国際的な原油生産抑制計画を拒否すると決定したことを受け、歴史的な原油安が約2年に及ぶ中、他の主要産油国は窮地に追い込まれる恐れがある。

 世界最大の原油輸出国であるサウジは、産油量を1月の水準で凍結し、原油安につながった世界的な供給過剰を抑制したいというロシアやベネズエラ、アンゴラなどの国の希望を打ち砕いた。イラク、ナイジェリア、アンゴラ、エクアドル、ベネズエラ、アゼルバイジャンなど、ドーハで開かれた産油国会合に出席した国の約半数は、国外に金融支援を要請している。

各国の原油あるいは天然ガスの平均生産コスト【原油はバレル当たり、天然ガスは1バレル相当の価格、赤線:19日のブレント原油価格】


 ベネズエラのマドゥロ大統領は、産油国会合を財政再建への第一歩と評していた。同国経済は原油収入の減少を背景に、今年再びマイナス成長が見込まれている。発電事業が資金不足に見舞われ、政府は18日に節電目的の祝日を発表した。現在はタイムゾーン(標準時間帯)の変更を検討している。

 ベネズエラのデルピノ石油・鉱業相は、どの国か名指ししなかったが、産油国会合が土壇場の決定に「妨害」されたと述べた。だが、同相は18日に開かれたモスクワでの会合の傍ら、原油価格の下落は深刻化しかねないため、現実問題として再協議を強いられる可能性があると記者団に語った。ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)のウェブサイトで明らかとなった。

 ドーハ会合をお膳立てしたロシアでは、ノバク・エネルギー相が合意の見送りを受け、原油価格の回復は2017年半ばまでずれ込むだろうと述べた。政府当局はリセッション(景気後退)から脱却する上で、原油価格の上昇を頼みの綱としていた。

 ノバク氏は、今では今年の生産凍結どころか「前年比での生産増加を見込んでいる」と語った。

 ロシアは原油安と西側諸国の制裁に見舞われ、15年の経済成長率がマイナス3.7%となった。ロシア銀行(中央銀行)は今年の成長率をマイナス1.5%と予想している。

 OPECに加盟するアンゴラは、重要な政治的移行に備え、国際通貨基金(IMF)に金融支援を要請している。

 同国財務省は今月、「原油部門への依存の高さが公的財政や経済全般の脆弱(ぜいじゃく)性を象徴していることを政府は認識している」と述べた。

 政府収入の75%を石油・天然ガス輸出に頼るアゼルバイジャンも、IMFと金融支援について協議している。インフレ率が13%に近いOPEC加盟国のナイジェリアは、今年予想される110億ドルの財政赤字を穴埋めするため、世界銀行と支援協議を行っている。

 一方、サウジは原油安をうまく乗り切れる態勢にある。IMFによると、同国は外貨準備高が2月末時点で5820億ドル相当に上り、2兆ドル規模の政府系ファンドの設立を計画している。また、国際エネルギー機関(IEA)によれば、サウジの余剰生産能力は日量200万バレルで、これは世界の余剰生産能力の大半に相当する。

 サウジはドーハ会合で合意する用意があると示唆していた。計画が土壇場で変更になった前日には、ムハンマド副皇太子がブルームバーグ・ニュースに対し、イランが増産凍結に参加しない限りサウジも加わらないとの考えを明らかにした。イランとサウジは長年にわたり中東での権力や影響力を競い合っている。

 スイスのエネルギーコンサルティング会社ペトロマトリックスのアナリスト、オリビエ・ジェイコブ氏は、OPEC加盟・非加盟国の今後の協力強化につながったはずの象徴的な第一歩を踏み出そうとしたところで、サウジのヌアイミ石油鉱物資源相はロシアなどの国の信頼を失った恐れがあると指摘した。

 サウジの考えに詳しい湾岸諸国の石油当局者によると、サウジの石油当局は「信頼を失ったことを十分認識している」。

 この当局者は「だが、サウジは今後の協力強化への扉を完全に閉ざしているわけではない」とした上で、「市場の実態が一段と明らかになれば」、原油生産に関する協議は再開する可能性があると指摘した。

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https://si.wsj.net/public/resources/images/WO-BA065_OILCRI_16U_20160419183331.jpg


ECB追加緩和、融資への影響無しの回答が80%=銀行貸出調査
欧州中央銀行(ECB)のフランクフルト本部

By JON SINDREU
2016 年 4 月 20 日 12:34 JST

 欧州中央銀行(ECB)が19日公表した1-3月期銀行貸出調査では、ECBによる大規模な資産買い入れとマイナス金利が家計・企業向け融資に好影響を与えていることが明らかになった。

 ECB関係者らは今回の調査結果を喜んだはずだが、シャンパンの栓を抜くのは見合わせたい思いかもしれない。実際のところ、調査に答えた域内銀行の大半はECBの政策を全く融資に影響がないと評したからだ。

 調査結果からは、マイナスの預金金利を受けて企業向け融資の金利が下がったことがうかがえる。だが、銀行の89%が、ECBが追加緩和を進めたからといって過去6カ月の実際の融資額は変わらなかったと答えた。マイナス金利が融資拡大に「いくらか」寄与したとの回答は7%にとどまり、マイナス金利の影響で融資額が減少したと答えた銀行は4%だった。

 それでも全体としては良い結果だった。ただ、素晴らしいと言うにはほど遠い。

 家計向け融資については、83%の銀行が1-3月期の消費者信用額にマイナス金利は影響しなかったと答えた。住宅ローンへの影響はないとの回答も78%に達した。

 調査に答えた銀行は今後6カ月の見通しについても同じような回答を寄せた。

マイナス金利の融資額への影響(青:企業向け、緑:個人向け、赤:住宅ローン)についての回答の割合

 ECBの債券買い入れの影響もわずかだったようだ。圧倒的多数の銀行が影響なしと答えた。

 とはいえ、回答全体を見る限り、ECBの政策が1-3月期の域内融資にたとえわずかだとしても心強い押し上げ効果をもたらしたことが分かる。

 これはおそらく、ECBからの資金供給がいまだ足りていないユーロ圏周縁国の銀行の借り入れコストが低下しているからだろう。過剰流動性が一定の水準を超えない限りマイナス金利は適用されないため、周縁国の銀行の場合、追加緩和が進むなかコスト低減の恩恵に預かるだけで、マイナス金利という悪材料の影響を受けない。

 さらに、ECBの資産買い入れによる余剰流動性が融資増加に「いくらか」寄与すると答えた銀行の数は、資産の購入先が銀行の場合よりも銀行以外から買い入れた場合の方がやや多かった。資産をECBに売却した企業が受け取った資金を銀行に預けることで、自動的に銀行のバランスシートが拡大するからだろう。バランスシートが拡大すると、銀行は債券・株式買いや融資に資金を投じる傾向が強まるようだ。

ECBが銀行から債券を買い入れた場合の融資額への影響(青:企業向け、緑:個人向け、赤:住宅ローン)についての回答の割合

 だが、やはり影響は小さい。全般的に見れば、ECBが銀行に供給する流動性の規模が銀行融資に及ぼす影響は極めて間接的なものにすぎない。銀行準備はあくまでも中銀の口座に預けられている資金なので、そのまま家計・企業向け融資に回すことはできず、用途は銀行間での資金決済に限られる。

 つまり、より安いコストで準備預金を増やせば銀行の資金調達コストは下がり、銀行は通常コストが浮いた分を顧客に還元するものの、融資がすぐさま増えるわけではないということだ。

 マイナス金利についても、貸出金利の低下を受けて家計や企業の借り入れが増えることが見込まれる。

 だが、借り手は将来の所得に明るい展望を持っていない限り借り入れを増やしたいとは思わないだろう。そして、銀行側も信用度が一定の水準に達している顧客にしか融資しない。ECBが政策で影響を及ぼすことができるのは金利だけだが、銀行融資を促す上で金利は景気見通しほど重要ではない。

ECBが銀行以外から債券を買い入れた場合の融資額への影響についての回答の割合


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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NP770_ECBLEN_M_20160419075623.jpg
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NP772_ECBLEN_M_20160419075846.jpg
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NP773_ECBLEN_M_20160419075952.jpg



FRB、利上げのペース速める可能性も
By BEN EISEN
2016 年 4 月 20 日 13:49 JST

 金融市場が混乱した2月半ば、米連邦準備制度理事会(FRB)関係者はドル高や借り入れコストの上昇がもたらす経済的な悪影響について強調し始めた。

 こうした市場の変動が金融面に及ぼす影響はそれ以降なくなっている。これは経済にとって良い兆候だが、FRBに利上げの余地を与えてもいる。

 この数週間でドルは下落し、株価は上昇、信用スプレッドは縮小した。19日にもその傾向が見られ、主要通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のドル指数は0.40%低下した。ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらによると、現在の金融状況は、市場に当初の混乱が生じた2015年8月以降で最も緩和的だという。これは経済成長を促すはずだ。

 イエレンFRB議長は2月10日の議会証言で、米国の金融状況は以前ほど経済成長を支えるものではなくなっているとの見解を示したが、これとは状況が大きく異なる。

 米民間銀行と地区連銀は、それぞれ若干異なる金融状況指数を通じてこれらの影響を調べている。その一つがシカゴ地区連銀の全米金融状況指数だ。また、指数を構成する要因の内訳を知るには、ゴールドマン・サックスのものが参考になる。

シカゴ地区連銀の全米金融状況指数 ENLARGE
シカゴ地区連銀の全米金融状況指数
 FRBが利上げのペースを定める上で、金融状況は重要な鍵を握る部分だとアナリストらは言う。金融状況の引き締まりに伴い、FRBは今年の利上げ回数を昨年12月に予想した4回から2回に引き下げる方針を示唆した。

 このパラダイムは反対方向にも作用する。CMEグループのデータによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は年内に1度の利上げしか織り込んでいない。だが、ゴールドマン・サックスのエコノミスト、ヤン・ハチウス氏とクリス・ミシャイコフ氏は19日付のリポートで、金融状況が過度に緩和的になれば、FRBは利上げのペースを速めるだろうと指摘した。

 「われわれは債券市場に織り込まれているよりもかなり大幅にFRBが金融政策を引き締めると予想している」と言う。

ゴールドマン・サックスの金融状況指数 ENLARGE
ゴールドマン・サックスの金融状況指数
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米経済、人手不足に陥る危険性大−今後10〜15年で=産業審議会
米国では作業療法士、鉄道技師、数学者、機械修理工などが不足する恐れがある。写真は患者のリハビリに付き添う理学療法士(カリフォルニア州)

By JEFFREY SPARSHOTT
2016 年 4 月 20 日 14:50 JST

 米国では作業療法士、鉄道技師、数学者、機械修理工などが不足する恐れがある。人手不足が深刻化すれば長期的な景気低迷に陥りかねない。

 全米産業審議会(コンファレンスボード)は19日公表した報告書で、「今後10〜15年で米国の労働力需要は供給を上回り、ひいては経済成長全般が抑えられるだろう」と指摘した。

 グレートリセッション(大不況)や10%の失業率がまだつい最近のことのようにつらい記憶としてよみがえる中で、労働力不足について語るのは時期尚早のように思えるかもしれない。一方、米国の労働参加率は歴史的に低い水準で、賃金が上向く兆しはほとんど見受けられない。

 コンファレンスボードは、米国は完全雇用の状態に急速に近づきつつあり、退職者の穴埋めや増え続ける求人需要に見合うほど生産年齢人口が増加する兆しはほとんどないと考えている。

 コンファレンスボードは457の職業について調査し、将来的に人手が不足する可能性がどれほど高いかによって順位付けした。

 雇用市場が引き締まりつつある兆しはいくつかある。失業率の低下、離職者の増加、新規採用者数を上回るペースで増えている求人件数などで、雇用主が人材確保に苦労している様子がうかがえる。

青:採用者数、赤:求人数

 もちろん、雇用市場が依然として完全雇用にほど遠いことを示唆する指標も複数ある。労働参加率は上向いたものの、まだ歴史的に低い水準だ。

 さらに、賃金上昇率は微々たるもので、労働者にあまり交渉力がないことを示唆している。ただ、一部の指標は明るい兆候を見せている。

 コンファレンスボードは、失業率の低下が続く中、賃金は今後数年で大幅に伸びが加速すると予想している。米労働省が発表した3月の失業率は5%だった。失業率は2016年末までに4.5%をつけ、景気が大きく減速しなければ17年末には約4.2%まで下がるというのがコンファレンスボードの見立てだ。

 近いうちに米経済が人手不足に直面することが予想される最大の理由は人口動態の変化だ。一つ目の変化として、ベビーブーム世代の高齢化に伴う退職者の増加が挙げられる。コンファレンスボードの推計によると、退職者数は直近のリセッション(景気後退)前は年間およそ40万人増だったが、ここ4年間は同120万人余りの勢いで増えている。

労働参加率(軍人除く、季節調整済み


 二つ目は社会全体の高齢化だ。高齢化の進展により、ヘルスケアを中心に一部の領域で労働力需要が高まるだろう。人手不足が見込まれる職業を見ればこれは一層明らかで、作業療法士や看護師の人材需要が増えることが予想される。一方、退職者の増加に伴い、これまで若年層が避けてきた、技術を要する職種の求人が増えるとみられる。プラントオペレーター、鉄道作業員、機械工、電気技師など、特定の技能が求められるが必ずしも大卒の資格は必要ない仕事だ。

 結果的に、コンファレンスボードの経済成長見通しは厳しいものとなった。

 コンファレンスボードは「最終的には、2005年から30年までの25年間で米経済の年間成長率は平均1.5%という予想になる」とし、「これはかつてないことだ。米国の現代史上これほど長く低成長が続いたことは一度もない」と述べた。

 考えられる解決策は企業側の対応が中心となりそうだが、どれも驚くような対応策には思えない。移民の受け入れ拡大、自動化、そして生産拠点などの海外移転だ。

時給の平均伸び率(緑=アトランタ地区連銀の時給指数、薄緑=米労働省発表の平均時給、3カ月平均)


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2. 2016年4月20日 16:57:57 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[1061]

 −2%マイナス金利 = 2%インフレ と同じで 最適値 
 
 

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