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あえて「二流社員」を選んだ人たちの賢明なる生き方(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/175.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 27 日 08:25:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

一流でも三流でもない「二流」という生き方を選ぶ人が増えている。彼らは「二流人生」のどこに魅力を感じているのか


あえて「二流社員」を選んだ人たちの賢明なる生き方
http://diamond.jp/articles/-/91995
2016年5月27日 ダイヤモンド・オンライン


収入や名声に背を向け、あえて「二流」の生き方を選ぶ人が増えている。「一流」と呼ばれる人は確かに華々しいが、それ相応の苦労もあり、必ずしも幸せとは言い切れない。一方、「三流」と思われる人生も嫌だ。そこで注目されるのが、重圧も少なく自分のプライドも保てる「二流」という生き方だ。「二流」の道を行く人たちの声を紹介しつつ、そのメリットを分析したい。(取材・文/有井太郎、編集協力/プレスラボ)

■一流でも三流でもない
 「二流」という生き方を選んだ人たち

「管理職への昇進は、決してしませんでした。何度か要請されたものの、そのたびに断ったんです」

 小さい頃、多くの人が「一流のスポーツ選手になりたい」「一流の芸術家になりたい」といった夢を抱いたのではないだろうか。脚光を浴びる彼らを見て、「自分の好きなことを続けて一流のスターになれたら幸せだ」と考えた人は、決して少なくないはずだ。

 しかし、大人になるにつれて、そうした考えに対する疑問もわいてくる。果たして、一流の人生は本当に幸せか、と――。確かに一流のスターは、ある分野で頂点を極め、名声を得ている。だが、その裏には壮絶なトレーニングや努力があり、私たちが抱えたことのないプレッシャーと戦い、結果が出なければ大勢の人たちから叩かれる。一流だからこそ向き合わなければならない“苦しみ”があるのだ。

 一流の持つ“光”と“影”を天秤にかけて、「一流ではなくても、もっと地味で小さな幸せに満足できる人生でいいかな」と思う人も出てくるものだ。

 これはビジネスパーソンの世界でも同じかもしれない。産業能率大学では、『上場企業の課長に関する実態調査』を2010年から数年ごとに実施している。3回目となった2015年11月の調査では、「最終的になりたい立場」として、出世ではなく「プレーヤーの立場に戻る」と答えた課長の割合が、過去最高の14.9%となった。また、上昇志向を持たない課長(それ以上の出世を望まない)は、3回目の調査で初めて過半数を超えたという。

「役職」という1つの尺度で見るならば、「出世を望まない」というのは「一流を望まない」と近い意味に思える。その気持ちはよくわかる。出世すればするほど責任は大きくなり、部下と上司の板挟みになる。管理職の辛さについては、多くのビジネスパーソンが知るところだろう。

 かと言って、当然ながら、会社から必要とされず「三流」の扱いを受けるのは誰だって嫌だ。つまり、前述の結果からは「一流でも三流でもない、二流の生き方」を好む人が増えている、と言えるのではないだろうか。

 実際に筆者の周りを調査してみると、「二流の生き方」を選んだ人は少なからずいた。彼らはみな、満足いく生活を送っているという。幸せの定義は人それぞれだが、「一流ではなく、二流の方が幸せになれる」と考える彼らの話は、人生設計を考える上で参考になるはずだ。

 そこで本記事では、一流でも三流でもなく「二流」の生き方を選んだ人たちのエピソードをいくつか紹介し、その価値観やメリットを分析したい。

■若いうちに出世コースから離脱
 その先には趣味と家庭の幸せな人生が

 まず紹介するのは、すでに会社を定年退職したSさん(60代男性)。山梨県の地元企業に高卒で入った彼は、入社後、予想外にも「出世ライン」に立たされたという。そしてそこで、彼は早くも二流の生き方を選んだ。

「入社してすぐ、横浜、東京、米国と2年ごとに赴任しました。そこまでは、『頑張って経験を積もう』と前向きにやっていたんです。しかし、米国赴任が終わりにさしかかったとき、本社から『君がよければ、あと2年米国にいてほしい』と言われました。会社にとっては期待を込めた決断でしたが、私はショックでした」(Sさん)

 高卒から一気に各地を転々とし、異国でも2年を過ごしたSさん。日々が一変し、自分のリズムで生活できなくなった彼にとって、「あと2年米国に住むという未来は、地獄だった」という。「本社から打診された後、何気なく海を見たら涙が出ました。心から『日本に帰りたい』と思ったんです。そのとき、『こんな人生はやめよう』と腹をくくりました」と当時を振り返る。

「本社には『これ以上米国滞在はできません』と言い、日本に帰ってきました。以降、仕事はきちんとやりましたが、管理職への昇進は決してしませんでした。何度か要請されたものの、その度に断ったんです。自分の人生を、会社に捧げることはどうしてもできませんでした。40代後半からは、会社側も諦めたのか、私に出世の話を持ってこなくなりました」(Sさん)

 Sさんは、それからゴルフやラリーのレースに参加するなど、趣味を楽しんだという。家にあるラリー雑誌には、彼が映った写真が掲載されている。

 “父”としての責任も果たした。30代前半で結婚すると、2人の子どもは大学を卒業。すでに社会人となって、自分の手を離れた。「子どもが一番可愛いとき、毎週休日を一緒に過ごせたのは財産。仕事人間になっていたら、それはできなかったかも」と、二流の恩恵を感じている。

「途中で転職をしなかったので、退職金もしっかりもらえました。転職を考えなかったのは、出世や仕事へのこだわりがなかったからかも。そう考えると、退職金をこれだけもらえたのは、この選択の思わぬメリットでした」(Sさん)

 なお、「仕事にこだわりがない」と言っても、いい加減に業務をこなしてきたわけではないだろう。Sさんの能力は、会社に昇進を何度も要請されたことからも明らか。Sさんも「きちんと仕事をこなして同僚の信頼を得ないと、『仕事ができず昇進できない人』と思われる。それは情けないし、会社に申し訳ない」と言う。

■「二流」のポジションで安定するため
 会社になくてはならない存在を目指す

 次に紹介するのは、ある企業の経理部門で働くKさん(40代男性)だ。その企業は典型的な「営業至上主義」であり、優秀な人は営業部門へと回される。役職も営業部門に多く、Kさんは経理部門を統括しているが、決して「企業の中での地位は高くない」という。

「若い頃、営業部門に一度行きましたが、ノルマ競争のプレッシャーや過酷さに打ちのめされました。精神的にも追い詰められ、休職を考えたくらいです。そこで経理に回ったのですが、自分としてはそちらの方がずっと適任でした。出世コースに乗らなくていいから、このポジションを維持したいと思いました」(Kさん)

 Kさんの企業は異動が多く、経理は特にそれが激しかった。そこでKさんは「自分がいなくなると、経理部門が困るほどの存在になればいい」と考えた。それは、「自分が出世コース(営業部門)に戻らないため」だった。

「それから今まで、もう10年以上経理のリーダーをやっています。この会社では営業が花形ですが、あの重圧と苦しさは二度と味わいたくない。経理も忙しい時期はありますが、精神的に危うくなるほどの負担はないんです」(Kさん)

 経理部門にいる以上、Kさんの企業では「給料もほとんど上がらない」という。それでも「贅沢をしなければ十分暮らせる」と気にしない。また、彼の妻も「(営業をやっていた頃の)毎日つらそうな表情を見るより、平穏な今の方がずっといい」と話す。

 Kさんの話で大切なのは、彼の社内におけるポジションが“代わりの効かない状態”になっており、「二流」として安定できる状況がつくられていることだ。

■退職を慰留する会社への交換条件は
 「定年まで昇進させないこと」

 そんな状況をつくり出した人は他にもいる。中規模企業の営業マンであるMさん(40代男性)だ。彼は10年前に現在の会社に転職し、主要なエリアの営業をずっと担当している。

 そんな彼は、5年ほど前に転職を考えた。そしてそれが、「二流として安定できる状況」をつくる機会になったという。

「うちの企業は上からのノルマがきつく、僕の属する営業チームはいつも厳しいことを言われました。そしてそのたびに『お前がチーム長になればいい』と昇進をほのめかされたんです。ただ、僕はどうしてもこの会社でチーム長になるのは嫌でした。ワンマンな社長の言いなりにはなれなかったんです。そこで、5年前に退職願を出しました」(Mさん)

 退職願を出すと、企業はMさんを必死に引き止めた。それだけ重要な人物だったのだ。そこでMさんは、この会社に残るための条件を1つ出したという。それが「今後、昇進しないこと」。つまり、今の一営業マンとして退職まで身分を固定してもらうことだった。

「営業部門を統括するのは、仕事としてやり甲斐もあります。給料も別格です。でも、その人たちは毎日遅くまで仕事をして、土日出勤も珍しくない。昇進した結果、人が変わったように自分のポリシーを捨てる人をたくさん見ました。僕は母の介護もあるし、土日は大好きなサッカーがしたい。何より、エリアの一営業マンという立場が、自分のポリシーを保てて一番楽しいんです」(Mさん)

 営業チームのリーダーとなり、会社の重要部門を統括するのは、キャリアにおける「一流」への階段。しかし、彼はそこに魅力を感じなかった。営業として毎日外回りをすることが“やり甲斐”だった。

 もちろん、プライベートも重要だ。彼は毎週友人たちと試合を行うほどのサッカー好き。また、高齢な母の面倒を見るという責任感もある。この時間を犠牲にはできなかった。そこで彼は、会社の残留交渉を逆手に取り、「二流」として生きられる状況をつくり出したのだ。

 とはいえ、「会社にわがままを言った以上、一営業マンとして最後まで数字を出さなければなりません。それだけは自分に言い聞かせています」とMさん。これは、二流を選んだ人間だからこそ感じる責任なのかもしれない。

■一流企業の肩書きを捨てても
 学ぶものは今の方がずっと多い

 前述の3人の他に、こんな「二流の人生」を選んだ人もいた。Oさん(40代男性)は、日本有数の大企業で販売を行っていたが、数年前にその会社を辞めて、趣味だった“ブリキのおもちゃ”のネット通販を始めた。

「入社したときから、この会社は役職が上がれば上がるほど、大変な責務が待っていることを知っていました。それで、20代の頃から『趣味であるブリキのおもちゃでいつか生活できないか』と考えたんです。最初はちょっとずつ通販を始めて、40歳の頃にはある程度平均的な収入を確保できるようになりました。そこで、会社での出世は捨て、趣味で食べていこうと考えたんです」(Oさん)

 退社するのではなく、前述した人たちのように、その企業で昇進せず同じポジションに留まる方法も考えられる。しかしOさんは、「大企業ゆえに、昇進を拒む社員の面倒を見てくれる雰囲気はなかった」という。そのため、彼は一流の肩書きになり得る大企業を辞めた。

「収入はもちろん少なくなりましたし、将来の安定も確約されていません。でも、生活できるレベルの収入はありますし、すでに一定の顧客もつくれました。何より、今の方が自分でビジネスの方針を考えたり、流通経路をつくったりする楽しさがあります」(Oさん)

 会社を辞めるときは多くの人から「なんで辞めるの?」と不思議がられたが、彼は今もその決断を全く後悔していないという。「その企業にいるより、今の方が新たな人との出会いや経営ノウハウなど、ずっと多くのことを学べている」と胸を張る。

 生き方が一流かどうかを考えるとき、どうしても「本業」である仕事のキャリアを基準に判断しがちだ。しかし、人生には趣味や家庭、恋愛など、様々な幸せの要素がある。もし一流のキャリアを目指せば、そのぶん、他の要素に時間を費やすことは難しくなるだろう。

 逆に言えば、二流の生き方のメリットとは、本業以外の様々な要素を満喫することかもしれない。一流の生き方でもそれは可能かもしれないが、二流の生き方を実現した人は、明らかに本業以外の要素を楽しんでいることが多かった。

 なお、二流の生き方を目指す人の多くは、昇進や管理職になることを望まなかった。その背景には、「昇進に魅力を感じない」「管理職になることが幸せではない」という考えもあると言えよう。

■一流への登竜門となる管理職を
 目指さない人が増えた構造的な原因

 人事コンサルタントの山口俊一氏は、「二流の生き方との関連性はわかりませんが」と前置きした上で、ビジネスパーソンが管理職に魅力を感じない構造を説明する。

「平均年齢の高齢化に伴って、管理職は狭き門になっています。しかしその割に、日本の管理職は他国に比べて賃金面でのメリットが少ないんです。さらに、長時間労働の会社などは、残業代がなくなるぶん、管理職の方が給与ダウンするケースも少なくありません。もちろん、責任負担を避けたいこともあるでしょう」

 こういった管理職のネガティブな点が、昇進意欲を抑止しているのは明らか。もちろん、それは「国や日本企業の将来」といった大きな視点で見ると、あまり良いことではない。山口氏が指摘する。

「以前と比べて、明らかにビジネスパーソンのハングリー精神は弱まっています。となると、戦後の高度経済成長を遂げたような活力は望めません。普通に考えれば、国際競争で劣勢になっていくでしょう」

 そうした未来が現実になれば、私たちにとっても喜ばしいことではないはず。それでも、実際に働いているビジネスパーソンからすれば、会社や日本の幸せよりも自分の幸せを優先してしまうもの。そうして追い求める形として、「二流の生き方」があるのではないだろうか。

 一流のような重圧やしがらみはなく、三流のような悔しさを感じることもない。絶妙なポジションで、安定した人生を送る。そして、本業だけではない様々な人生の楽しみを謳歌する。それが二流の生き方のメリットと言えそうだ。

 ただし、今回話を聞いた人に共通していたのは、彼らにそれ相応の人望や能力があったこと。出世を拒みながら、それでも企業が必要とするほどの人望、1人で事業を行える能力――。それらがなければ、実現しなかった生き方ではないか。また、出世を望まない彼らだが、“本業”である仕事への姿勢は真摯だったことも印象的だった。

 人生の価値観は人それぞれ。「二流の生き方」と言われて、喜ぶ人は少ないかもしれない。しかし、本稿に登場した人たちが、楽しそうに人生を振り返っていたのは確かである。あなたは彼らの生き方を見て、何を感じるだろうか。
 

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コメント
 
1. 2016年5月27日 14:58:31 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[370]

こうした大企業病が蔓延した企業は、いずれ競争に負け淘汰されるので、適正な賃金分布が実現されることになる。
ただし現在のグローバル企業の賃金分布は、マネジメント側の既得権による政治的な面も強いし、
働き甲斐といった別の面も考慮すれば、最適な分布は、その中間にあるのだろう。


2. 2016年5月27日 19:58:47 : GX0jAPhTD6 : CIhbabyss1g[3]
>>1
欧米では出世するのは一部のエリート層。
大多数の一般社員ははじめから出世とは無縁ですよ。

3. 2016年5月27日 20:19:10 : vDo0FXKOB6 : C8BtA8OiI@I[4]
こんなぬるい事を言ってられるほど既得権の人たちってのは世間を知らないのですね。
下っ端の人たちはもうすでにふらふら状態ではないですかね。札幌の地下鉄でもとび職風の工員がシートに座ったまま小便を垂れ流し続けていたのか、ひどい悪臭がしていましたが。外国では見られない光景ですよ。

4. 2016年5月28日 06:51:51 : jqrTHfaxH6 : u_anhjkxb@Y[424]
仕事ソコソコ、趣味の傍ら子供2人を大学にやれる財力とは素晴らしい会社ですなあ。

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