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2035年の働き方、常に「学び直し」が必要 震源地は中国とサウジ?秋に災厄が世界経済 米国で同一労働同一賃金を達成
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/594.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 05 日 08:22:12: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 


2035年の働き方、常に「学び直し」が必要に

働き方の未来

東京大学大学院教授 柳川範之氏に聞く
2016年8月5日(金)
磯山 友幸
 約20年後、2035年の日本人の働き方はどう変わっているのか──。厚生労働省が設置した「働き方の未来2035 〜一人ひとりが輝くために」懇談会(座長・金丸恭文・フューチャーアーキテクト会長)が8月2日、報告書をまとめ、塩崎恭久厚労相に手交した。

 1月に設置された懇談会には様々な分野から比較的若手のメンバーが集まり、12回にわたって議論。筆者もメンバーのひとりとして参加した。報告書はメンバーが分担執筆、それを金丸座長らでまとめたもので、官僚が執筆に関与していない型破りの報告書となった。

 懇談会の事務局長として報告書の執筆や調整、修文に力を振った柳川範之・東京大学大学院教授に聞いた。
人工知能の発展などにより、世の中は猛烈な勢いで変わる


柳川 範之 (やながわ のりゆき)氏
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授

1983年、大学入学資格検定試験合格、88年慶應義塾大学経済学部通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程終了。慶應義塾大学経済学部専任講師や東京大学大学院経済学研究科助教授を経て、2011年から現職。著書に『日本成長戦略 40歳定年制』など。
報告書がまとまりましたが、柳川先生の自己評価は。

柳川:大きな方向性を厚生労働省の中で打ち出すことができた意義は十二分にあると思っています。同一労働同一賃金など足下の個別の政策課題については、さまざまな会議体などで議論されていますが、ともすると目先の利害調整になってしまいます。長期的に政策全体がどちらの方向に進むべきか、働き方の未来について道筋を示せたと考えています。

 AI(人工知能)の急速な発展など、これからの世の中は猛烈な勢いで変わっていきます。目先の政策のパッチワークではとても対応しきれない状況に直面しています。社会の変化に合わせて大胆に改革していくには、将来を見据える必要があります。

 後は、厚労省がこの大きな方向性に沿って、具体的な政策を作り上げていただければと思います。報告書をまとめた同じ日にさっそく、塩崎恭久大臣が省内に「働き方改革推進本部」を立ち上げていただきました。

「同一労働同一賃金」など個別問題には多様な見方

メンバーは多彩な方々が参加されましたが、大きな方向性についてはほぼ共有されていたように思います。

柳川:今回の懇談会での議論を通じて感じたのは、将来どうしたら良いのか、といった大きな方向性については、皆さんだいたい共通な思いを持っているということです。おそらくメンバーだけでなく、報告書を読んだ多くの方々にも共感いただけるのではないでしょうか。

 例えば、同一労働同一賃金といった足下の個別政策課題では、おそらくメンバーの間にも意見の違いがあったのではないかと思います。しかし、大きな方向性で一致したうえで、では今、何をやるべきか、どういう方向に改革すべきかを考えることは意味があると思います。

提言では、今後、多様な働き方がますます広がっていく中で、「今までの労働政策や労働法制のあり方を超えて、より幅広い見地からの法制度の再設計を考える必要性が出てくるだろう」という記述があります。

柳川:働き手と経営者の間できちんと働く事に関する契約を結ぶのが基本だと私は思っています。民法的な仕組みの中で発想することが大事です。もちろん労働契約は他の商取引とは違うという事は十分に理解しています。大事なのは、初めから特別だと別枠にするのではなく、どこがどう違い、どこから先を特別な法で手当てする必要があるか、それを時代の変化に合わせて考え直してみることです。

これまで抜け落ちていた対象に保護の網をかける

メンバーのひとりだった気仙沼ニッティング社長の御手洗瑞子さんが、これまで労働者の枠組みの中に捉えられて来なかった働く人々をきちんと包含する法体系、政策体系にすべきだと主張されていました。

柳川:ええ。なかなか調整の過程で表現は慎重になっていますが、その点はかなり書き込めたと思っています。今後、働く人の定義も保護の仕方も、規制のあり方も大きく変わってきます。これまで抜け落ちていた対象に保護の網を新たにかけ、あるいは、自由度を増しても大丈夫な働き手にはもっと自由度を与えることが必要でしょう。ただ、今後、どの法律をどう直していくのか、あるいは新しい法律を作っていくのかといった点については、専門家などの間でじっくり時間をかけて議論していくべきだと思います。

今の労働法や労働政策の枠組みが時代にそぐわなくなっている、と?

柳川:あえて抽象的な言い方をしますと、どんな学問領域でも、自分たちが前提にしていることが本当に「当然のこと」なのかどうかを、絶えず考えていく必要が出てきました。とくに技術革新が猛烈に進む中で、これまでの常識が大きく揺らいでいます。アカデミズムに携わるものとして、非常に面白い、チャレンジングな時代になったと思います。

仕事を提供する側と働き手が対等な関係で契約を結ぶためには、企業などがどんな働き方を求めるのか正確に開示する必要があると報告書にあります。いわゆる情報の非対称性ですが、それが無くなることはない、という批判もありますね。

柳川:労働分野に限らず、情報の非対称性を完全に無くすということは不可能です。ただし、大きな情報格差を是正していくという方向性は大事です。いつまでも企業は正しい情報は出さないという前提で、働き手を弱者として保護し続けなければならないとするのは間違いでしょう。とくに情報関連の技術革新は急ピッチなので、これまで私たちが前提にしていないような情報共有の仕組みができるかもしれません。

 ひと昔前だと、営業の担当者が社外で何をやっているか把握する術はありませんでした。今ではどこまで実際にやるかは別としてGPSを付ければ、どこにいるか一目瞭然です。実際、タクシーや運送業界では通行ルートなどを記録するのが当たり前になっています。

ブラック企業を見極める眼も大切

企業と従業員が対等な関係になることなど絶対にあり得ないという批判も出ています。

柳川:実は働く人の教育というのをきちんとやっていませんでした。そもそも契約とはどういうものなのか、契約を結ぶ際の心構えはどうあるべきか。考えてみると学校教育ではほとんど教えていません。ブラック企業などを厳しく罰するのも大事ですが、そうしたブラック企業には行かないような選択眼を持つ必要があります。

一つの会社にこだわらず、違う会社で働くようになるのが自然

柳川先生には『日本成長戦略 40歳定年制』というご著書もあります。今回の報告書にはそうした先生の持論は盛り込めたのでしょうか。

柳川:報告書全体を通して、20年後には1つの会社で一生働くという働き方だけでなく、違う場所、違う会社で働くようになるという姿が自然になっているという前提になっています。これは私がかねて言ってきた「40歳定年制」と整合的です。

 その場合の大きなポイントが「学び直し」です。報告書では生涯教育と書きましたが、人生の長さに比べて社会変化のスピードが速くなることで、常にスキルアップすることが重要になります。40歳ぐらいで自分の専門性が出来上がり、スキルアップのチャンスがある。これが私の一番言いたい事です。

多様な人たちが活躍できる社会になることが大事

報告書のような自立した個人が自由な働き方をする社会というのは、個人にとっても大変な社会ではないのでしょうか。

柳川:高い能力のある人にとっては良い社会だと書いたつもりはありません。この点は是非理解していただきたいですね。技術の進歩によって、多様な人たちが活躍できる社会になることが大事です。セーフティネットは最終的には国の責任かもしれませんが、新しい形の様々なコミュニティが支え合う役割を果たすようになると考えます。

解雇の場合の補償金を契約書に盛り込んでおく方法も

契約をしても会社が傾いたり、個人の能力が失われたりすれば、契約を解除するケースも想定されます。

柳川:ここはかなり議論があり、表現は相当丸くなっていますが、私個人は、労働契約をはじめに結ぶ段階で、解雇など想定される場合の条件をできるだけ決めておくことが重要だと思っています。もちろん、あなたの事は会社が潰れない限り解雇しません、という契約があっても構いません。例えば解雇する場合に支払う補償金を契約書に盛り込んでおくことは、働き手の保護に役立つのではないでしょうか。

働く側は力関係が弱いので不利な契約が結ばされるという声もあります。

柳川:そうした不利な契約を結ばないために教育と並んで、契約前に働き手の側に立ってアドバイスするサービスなどが出てくるでしょう。労働組合がこうしたサービスを提供するようになるかもしれませんし、新しい組織が生まれてくるかもしれません。

 もちろん、なかなか十分に働けない絶対的な弱者も存在します。もちろんそうした部分は社会福祉で支える部分かもしれませんが、そうした絶対的弱者をできるだけ少なくしていくための教育が重要になってくると思います。最終章に教育のあり方を書いたのはこうした理由です。是非とも報告書をお読みいただきたいと思います。

【報告書】ダウンロード先(厚生労働省)
「働き方の未来 2035 〜一人ひとりが輝くために」

このコラムについて

働き方の未来
人口減少社会の中で、新しい働き方の模索が続いている。政官民の識者やジャーナリストが、2035年を見据えた「働き方改革」を提言する。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021900010/080400020


 

アップル、新規雇用で女性とマイノリティーが増加
「米国で同一労働同一賃金を達成」と報告
2016.8.5(金) 小久保 重信

 
『テレビが伝えない 中国人“爆買い”のウラ〜2016年インバウンド市場はどうなる?』(宮田将士著)

『本当は怖い!健康診断&人間ドック〜数値のウソと病院選びのワナ』(大竹真一郎著)
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 米アップルがこのほど公表した従業員多様性リポートによると、同社で過去1年間に世界で採用した従業員のうち、女性の比率は37%となり、2年前の31%、1年前の35%から拡大したという。


過去1年の採用で多様性拡大

 また過去1年間に米国で採用した従業員のうち、同社が「アンダーレプレゼンテッド・マイノリティー(URM)」と呼ぶ、黒人/ヒスパニック系/ネイティブアメリカンなどテクノロジー業界の雇用率が歴史的に低い人々の比率は27%となり、こちらも2年前の21%や1年前の24%から拡大した。

 同社が過去1年に米国で採用した従業員の人種比率は、アジア系が24%、黒人が13%、ヒスパニック系が13%、マルチレイシャルが4%、その他(ネイティブアメリカン、ネイティブハワイアン、太平洋諸島系)が1%。

 アップルはこれらの人々をマイノリティーに分類しているが、その比率を合計すると約54%。そして白人が残りの46%を占めている。

 これに対し現在(今年6月時点)の同社米国従業員全体の人種構成は、マイノリティーが44%、白人が56%。このことから同社は「過去1年の新規採用実態は、当社従業員全体の人種構成よりも多様性に富んだ」と説明している。

全体では白人男性が圧倒的な数

 ただしアップルも、ほかの米国テクノロジー企業と同様に依然白人男性が圧倒的に多い。例えば、現在の男性従業員の比率は世界全体で68%を占めている。

 この比率はアップルが多様性リポートを初めて公表した2年前から2ポイント低下するにとどまっている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47549

 

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 中国人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨に加わる時期が迫っている。2016年10月以降、SDRの通貨バスケットにおける人民元の構成比は10.92%となって円の8.33%を上回り、米ドルやユーロに次ぐ重要通貨になる。


 ところが人民元のSDR入りを控えた7月21日、米ダラス連邦準備銀行(FRBのメンバー行)は「人民元は投資家にとって安全資産にはなりえない」とする報告書を発表した。

 ダラス連銀のスタッフは、株価変動の指数と安全通貨とされる米ドルや円、ユーロ、ポンド、スイスフランに対する人民元の相対価値を分析した。その結果、「人民元のパフォーマンスは2011年から2015年後半までは主要通貨よりも良好だったが、その後市場のボラティリティーが高まる中で主要通貨に対する相対価値が低下した」ことが判明したという(人民元は今年に入って主要通貨に対して約3%下落)。

 経済成長の勢いに陰りが見られるとともに、人民元取引の自由化に逆行する動きが目立つ中国政府の姿勢から、「現時点で人民元が安全通貨だとの指摘は裏付けられず、人民元が安全通貨の地位に向けて前進しつつあるとの見方も疑問視される」と結論づけた。

 国際銀行間通信協会(SWIFT)の今年6月時点の発表によると、人民元の決済シェアは昨年8月にピークに達して以降、縮小傾向にあり、2014年10月以来の低水準(1.72%)となった。シェアの順位は5月と同じくカナダドルに次いで第6位である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47527
 

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コメント
 
1. 2016年8月05日 09:13:42 : dChoupYYXY : Pcb35E07xsM[6]
ドルは円に対して20%下落してるんだがw

2. 2016年8月05日 10:58:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[564]
震源地は中国とサウジ?秋に災厄が世界経済を見舞う
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2016.8.5(金) 藤 和彦
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中国・北京で開かれたEUと中国のビジネスサミットに出席する李克強首相。習近平国家主席との対立が伝えられている(2016年7月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/Ng Han Guan〔AFPBB News〕
?中国人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨に加わる時期が迫っている。2016年10月以降、SDRの通貨バスケットにおける人民元の構成比は10.92%となって円の8.33%を上回り、米ドルやユーロに次ぐ重要通貨になる。

?ところが人民元のSDR入りを控えた7月21日、米ダラス連邦準備銀行(FRBのメンバー行)は「人民元は投資家にとって安全資産にはなりえない」とする報告書を発表した。

?ダラス連銀のスタッフは、株価変動の指数と安全通貨とされる米ドルや円、ユーロ、ポンド、スイスフランに対する人民元の相対価値を分析した。その結果、「人民元のパフォーマンスは2011年から2015年後半までは主要通貨よりも良好だったが、その後市場のボラティリティーが高まる中で主要通貨に対する相対価値が低下した」ことが判明したという(人民元は今年に入って主要通貨に対して約3%下落)。

?経済成長の勢いに陰りが見られるとともに、人民元取引の自由化に逆行する動きが目立つ中国政府の姿勢から、「現時点で人民元が安全通貨だとの指摘は裏付けられず、人民元が安全通貨の地位に向けて前進しつつあるとの見方も疑問視される」と結論づけた。

?国際銀行間通信協会(SWIFT)の今年6月時点の発表によると、人民元の決済シェアは昨年8月にピークに達して以降、縮小傾向にあり、2014年10月以来の低水準(1.72%)となった。シェアの順位は5月と同じくカナダドルに次いで第6位である。

?IMFが2016年10月の人民元のSDR入りを決定したのは2015年11月30日だった。当時は「人口規模が米国の4倍以上もある中国が、経済規模で米国を上回るのは時間の問題であり、人民元が米ドルの基軸通貨としての地位を脅かす存在になる」とセンセーショナルに受け止められた。だが、今年に入り中国経済に対する悲観的な見方が支配的になったことから、人民元のSDR入りはほとんど話題に上ることはなくなった。

上海株式市場が下落、資金流出も再び拡大傾向に

?中国の不動産市場は今なおバブル崩壊には至っていない。むしろ北京や上海など一部都市では既に高止まりしていた不動産価格がさらに上昇するという不可解な現象が起きている。

?今年第1四半期の不動産業界への新規融資額は1.5兆元と、過去最高水準となった(昨年第4四半期は8000億元弱)。同業界の財務体質は目を覆うばかりである。5月21日付米ウェブサイト「The Automatic Earth」によれば、30%を超える上場不動産企業が金利負担に耐え切れず明日倒産してもおかしくない状態にあるという。

?中国の企業債務が経済成長率を大幅に上回る勢いで拡大していることを危険視する論調も高まっている。モルガンスタンレーによれば、現在の企業債務の水準は金融危機前の住宅バブル期の米国に比べても2倍に相当し、バブル崩壊により中国の銀行が被る損失額はサブプライム危機の米国の銀行の損失額の約4倍に上ると懸念されている。

?株式市場を見ても、このところ安定していた上海株式市場が7月下旬に6週間ぶりに大幅下落した。金融当局が、リスク性の高い理財商品を通じた株式投資の抑制に動きつつあるとの懸念が広がったからだ。

?中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は、盛京銀行などの都市銀行の金融投資額の伸びが前年比100%を超えている(6月14日付ブルームバーグ)状況を踏まえ、3.6兆ドル規模にまで膨らんだ理財商品に関する商業銀行の取り扱いについて、新たな規制を策定中であることを明らかにした(7月28日付ロイター)。これに対して市場関係者の間では、「当局の規制で過度の調整が起きるのではないか」と心配する声が上がっている。

?資金流出も再び拡大傾向にあるようだ。中国外貨管理局は「5月の純流出規模は約20億ドル」としているが、ゴールドマンサックスは7月2日、「中国からの資金流出が加速しており、5月の資金流出規模は260億ドルに達した可能性がある」との見方を示した。

経済政策の主体は李克強から習近平へ

?中国では7月下旬から8月にかけて「北載河会議」が開催されている。

?北載河会議とは、中国共産党の指導者や長老らが毎年夏、河北省の海辺の避暑地である北載河に集まって開く非公式の会議である。毛沢東時代から指導者らが家族連れで別荘に滞在しながら毎年重要な政治的決定がなされると言われている。

?今年の重要テーマの1つは、“政治局常務委員の定年制の見直し”だ。共産党の最高意志決定機関の7人のメンバーである政治局常務委員は、従来のル−ルでは節目の党大会の時点で「68歳以上」であれば引退しなければならない。そのため、習近平国家主席は反腐敗闘争の盟友である王岐山氏を常務委員の座に残すことができない。そこで、習近平国家主席はこのルールを「70歳以上」に改正するのではないかという観測がある。そうすれば、王岐山氏を首相に抜擢し、対立が囁かれている李克強首相を全国人民代表大会委員長という「閑職」に追いやることができるようになるからだ。

?中国では江沢民政権下の1998年から2003年まで在任した朱鎔基首相の時代に、民政分野の具体的問題について首相が全面に立って指導し、国家主席は首相を「立てる」方式が確立した。次の胡錦濤政権でも四川大地震(2008年)や高速鉄道事故(2011年)の際に現地に飛んで陣頭指揮をする温家宝首相の姿がクローズアップされた。

?しかし、今年の夏に全国規模の水害が発生した際、その陣頭指揮に立ったのは李克強首相ではなく習近平主席だった。異例の状態に中国メディアの関心が集まっている。

?経済問題についても、習近平政権の発足当初は李克強首相が活躍していたが、今年春頃から習近平主席の発言が目立つようになった。

?李克強首相と国務院の官僚たちは経済政策として、規制緩和を進めて民間企業を育成する、いわゆる「リコノミクス」を始動させていた。だが、5月9日付の共産党機関紙の人民日報がリコノミクスを厳しく批判する論説を掲載した。論説の筆者は、習近平主席の側近の経済専門家(劉鶴・党財経指導小組事務局長)とされている。彼の持論は「国有企業を保護し、経済に対する共産党の主導を強化する」である。共産党の主導強化に反することになる人民元のSDR入りにも、習近平主席は消極的だろう。

国家統制と締め付けの経済政策

?習近平派の経済専門家が主導権を握るにつれて、強権的な手法による経済政策が目立つようになってきた。

?やり玉に挙がっているのは「ゾンビ企業」だ。中国人民大学によれば、実質的に経営破綻しているゾンビ企業は、2013年時点で約2.7万社に上る。上場企業でゾンビ企業の比率が高かったのは製鉄業(51.4%)、不動産(44.5%)、建設業(31.8%)である。

?中国メディアの報道を見ても「ゾンビ企業は中国経済にとっての『悪貨』だ!?今こそ駆逐せよ」という論調が目立つようになっている。「高い技術力を有する『良貨』の企業を増やすことで『悪貨』のゾンビ企業を淘汰せよ」という主張は一見正論のように聞こえる。しかし、「財務面で不利な環境に置かれている民間企業を一斉に駆逐して、国有企業を温存する」という習近平派の本音が見え隠れしているように思えてならない。

?また、今年になっても中国企業による海外でのM&A攻勢が旺盛だが、資金流出を防ぐための当局の強硬手段のせいで、買収を撤回する事例が相次いでいると いう(6月1日付ロイター)。7月に入り中国政府は国境をまたぐ為替取引の管理を強化している(8月3日付日本経済新聞)。

?ゴールドマンサックスは7月28日、「中国の最高指導部は資産バブルを警戒しており、金融当局は一段とタカ派になるかもしれない」との見方を示した。朱鎔基首相の時代に発生した金融危機を蛮勇を奮って乗り切った王岐山氏が首相に抜擢されれば、その傾向はさらに強まるだろう。

?チャイナウォッチャーの間では「南院(共産党中央の建物、中南海地区の南側にある)」と「北院(国務院の建物、中南海地区の北側にある)」の争いに注目が集まっている。いずれにせよ権力闘争が激化して犠牲になるのは経済そのものである。

サウジの建設事業が壊滅的状況に

?中国経済と同様にこのところ軟調気味なのが原油市場である。

?OPECの7月の原油生産量は日量3341万バレルと過去最高を記録する勢いである(7月30日付ロイター)。OPECの増産が嫌気され、8月1日、米WTI原油先物価格は一時約3カ月半ぶりに1バレル=40ドルの節目を割り込んだ。

?OPEC増産の要因は、イラクやナイジェリアで輸出量が伸びたことに加え、サウジアラビアも日量1050万バレルと過去最高の生産ペースを維持していることにある。

?気になるのは、サウジアラビアの原油需要の伸びが、少なくともここ6年で最低のペースになっていることだ。原油安はサウジアラビアの経済成長に深刻な打撃を与えている。以前のコラム(5月28日)で、サウジアラビア政府が深刻な財政不足から建設業者に対する支払いをIOU(政府借用証書)で行うことを検討していると紹介した。その後、建設業者が国家プロジェクトへの参入を避けるようになったため、同国内の建設事業は80%減少したと言われている。

?サウジアラビア株式市場は7月後半の2週間で株価が急落した。上場企業170社のうち株価の下落を免れたのは16社に過ぎなく、株式市場で140億ドル以上の損失が発生したと言われている。

?株価急落の要因は金融システムの崩壊に瀕していることにある(7月31日付ブルームバーグ)。国内銀行の破綻を回避するためサウジアラビア通貨庁(中央銀行に相当)は40億ドル規模の緊急支援を行うことを決定した。

?以上、中国とサウジアラビアの経済が置かれている厳しい状況を見てきた。私たちは秋にかけて世界経済にパーフェクトストーム(複数の災厄が同時に起こって破滅的な事態に至ること)が吹き荒れることを覚悟しなければならないだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47527


3. 2016年8月05日 10:59:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[565]
アップル、新規雇用で女性とマイノリティーが増加
「米国で同一労働同一賃金を達成」と報告
2016.8.5(金) 小久保 重信
カトリック教会、女性聖職者復活も 法王が検討委設立
カトリック教会、女性聖職者復活も 法王が検討委設立。写真はバチカン市国のサンピエトロ広場で修道女と面会したローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(2016年6月30日撮影)〔AFPBB News〕
?米アップルがこのほど公表した従業員多様性リポートによると、同社で過去1年間に世界で採用した従業員のうち、女性の比率は37%となり、2年前の31%、1年前の35%から拡大したという。

過去1年の採用で多様性拡大

?また過去1年間に米国で採用した従業員のうち、同社が「アンダーレプレゼンテッド・マイノリティー(URM)」と呼ぶ、黒人/ヒスパニック系/ネイティブアメリカンなどテクノロジー業界の雇用率が歴史的に低い人々の比率は27%となり、こちらも2年前の21%や1年前の24%から拡大した。

?同社が過去1年に米国で採用した従業員の人種比率は、アジア系が24%、黒人が13%、ヒスパニック系が13%、マルチレイシャルが4%、その他(ネイティブアメリカン、ネイティブハワイアン、太平洋諸島系)が1%。

?アップルはこれらの人々をマイノリティーに分類しているが、その比率を合計すると約54%。そして白人が残りの46%を占めている。

?これに対し現在(今年6月時点)の同社米国従業員全体の人種構成は、マイノリティーが44%、白人が56%。このことから同社は「過去1年の新規採用実態は、当社従業員全体の人種構成よりも多様性に富んだ」と説明している。

全体では白人男性が圧倒的な数

?ただしアップルも、ほかの米国テクノロジー企業と同様に依然白人男性が圧倒的に多い。例えば、現在の男性従業員の比率は世界全体で68%を占めている。

?この比率はアップルが多様性リポートを初めて公表した2年前から2ポイント低下するにとどまっている。

?また前述のとおり、現在の米国従業員に占める白人の比率は56%だが、これは昨年の54%、一昨年の55%から増えている。

?同社によると、今年の技術職における白人の比率は55%で、アジア系は27%、黒人とヒスパニック系はいずれも8%だった。管理職になると、白人が67%とほぼ7割を占め、アジア系が21%、ヒスパニック系が7%、黒人が3%にとどまる。

男女や白人・マイノリティー間で賃金格差是正

?アップルは今回のリポートで従業員の賃金についても報告している。それによると、同社では「同一労働には同一賃金が相当する」とのポリシーの下、過去1年間、米国従業員の報酬を調査した。その結果、賃金公平性の実現に成功したという。

?米国では、同様の職務や実績において、男性の賃金1ドルに対し、女性の賃金も1ドルになった。また白人の賃金1ドルに対し、マイノリティーの賃金も1ドルになったという。

?米シーネットによると、米政府は先頃、男性賃金1ドルに対し、女性賃金は0.78ドルだと報告していた。

?また、米ザ・バージによると、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は今年2月に開催した株主総会で、同社では男性賃金1ドルに対し女性賃金は0.996ドル、マイノリティーの賃金は0.997ドルと報告していたという。

?なおアップルは、今後全世界の従業員を対象に給与、賞与、株式報酬について調査し、格差が存在するならば問題に取り組み、賃金の平等を確保するとしている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47549


4. 2016年8月07日 09:01:31 : qkAZ7zSU8E : W9AATMVkcgM[45]
>常にスキルアップすることが重要になります。

ここでいうスキルアップならば、それが本当に個人にとって幸せなのか疑問である。
多様な人々が活躍する社会とは、必ずしも常にスキルアップを必要とするものではなかろう。常にスキルアップを要求するのは、利益増大を目指す資本主義組織にすぎず、技術革新の進んだ今日ではもっと別のものが、生み出されてくるものと思われる。
 我々はもっとあるべきものについて、活発に議論すべきではなかろうか。


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