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ドイツ銀行に忍び寄るリーマンの亡霊 苦境鮮明、救済抵抗、資金引揚 巨大銀行前途に暗雲 リスク回避 欧州銀行危機に直面せず
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/744.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 9 月 30 日 16:10:04: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

ドイツ銀行に忍び寄るリーマンの亡霊
ドイツ銀行の資本基盤は利益率の低迷で悪化している
By JAMES MACKINTOSH
2016 年 9 月 30 日 14:31 JST

 8年前の9月、米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した。パニックに陥ったヘッジファンドが資金を引き揚げたことが主な原因だった。一部の大手ヘッジファンドが懸念のあまりドイツ銀行へのエクスポージャー(投融資)を縮小している現状は、明らかに8年前と類似しているが、かなりの誤解を招く恐れもある。

 米司法省が住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売を巡りドイツ銀行に和解金として140億ドル(約1兆4000億円)を支払うよう提案したとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じてからここ数週間で、同行の株価は急落している。ドイツ銀行は和解金減額での合意に期待している。

 各方面の関係筋によると、一部ヘッジファンドの顧客はドイツ銀行へのエクスポージャーに懸念を募らせ、ファンドに資産の引き揚げを促し、同行幹部に経営の安定性をさらに担保するよう求めている。

 ヘッジファンドはドイツ銀行の顧客全員が直面するジレンマを共有している。ドイツ銀行にこだわっても得られる利益は極くわずかだが、同行がトラブルに陥った場合に被る損失は極めて大きい。

 リーマン破綻で窮地に追い込まれたことのあるヘッジファンドの運用担当者は、「誰もが過敏になっている。エクスポージャーを維持することに利点はほとんどないということをリーマンが皆に教えてくれた」と語った。

 リーマンの破綻は典型的な銀行破綻だった。顧客や取引相手が逃げ出す中、支払うための現金やすぐに売却できる流動資産が尽きたのだ。

 同じことはどの銀行にも起こり得る。全ての預金者へ直ちに払い戻す上で処分しやすい資産を、銀行が十分に保有することなど決してない。ドイツ銀行がいま注目を浴びている一因は、年初来50%余り下落している同行の株価急落に顧客がおびえていることにある。

 リーマンの場合は足元がことのほかもろかった。翌日物レポ市場やヘッジファンドに資金繰りを頼っていたためだ。最後の数日でいわゆる本業の証券仲介業務から巨額な現金や資産が失われ、レポ取引は更新できず、銀行や他の取引相手はデリバティブ(金融派生商品)取引の裏付けに追加担保を要求した。

 ドイツ銀行の場合は違う。ドイツの小口(リテール)金融やさまざまな法人向け業務など、顧客基盤がはるかに多様化している。破綻1カ月前のリーマンの流動性が資産の7.5%にあたる450億ドルだったのに対し、ドイツ銀行の流動性は6月末時点で2200億ユーロ(約25兆円)と資産の12%相当ではるかに多い。

 ドイツ銀行の資本基盤は利益率の低迷で悪化しているが、最後の2四半期の損失がいずれも自己資本の10%を超えていたリーマンほど問題は危機的ではない。

 最も重要な点は、ドイツ銀行が欧州中央銀行(ECB)を質屋として利用できることだ。つまり、売却が極めて難しい資産でも必要ならば現金化できるのだ。リーマンは信頼できる資産が十分にないとして、米連邦準備制度理事会(FRB)に金融支援を拒否された。

 だからといってドイツ銀行が悪影響を免れるというわけでは決してない。顧客や預金者の信頼を失えば、流動性がいくらあっても足りないかもしれない。必ずしも全ての資産をECBで現金に換えられるとは限らないためだ。ジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)が直面している課題は、顧客の信頼を早急に回復することだ。

 クライアン氏はまず、リーマン最後のCEO、リチャード・ファルド氏がとった手法を試すだろう。ドイツ銀行の大口顧客は、安心を約束する電話を個人的にまもなく受けるだろう。

 ただ、新株を発行し、既存株主を犠牲にしてでも経営基盤を強化すれば、信頼はもっと確実に回復するだろう。

 株価が下がり続けているので、ドイツ銀行はこれに抵抗している。株価にこだわり身の程をわきまえずに資本救済を拒んだのが、リーマンが残した教訓の一つだ。ドイツ銀行は同じ論理をたどらないよう注意するべきだ。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiCpdvPubbPAhURzWMKHe7uBEgQqQIIHzAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12281053434115554903104582345094224162020&usg=AFQjCNEG6HpZs1NvziNzSK4mk8sno084Tw
 


 

ドイツ銀の苦境鮮明、選挙控え救済に抵抗感 資金引き揚げ報道も

[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツ銀行(DBKGn.DE)を取り巻く環境が厳しさを増している。モーゲージ担保証券(MBS)の不正販売問題で米司法省から巨額の制裁金の支払いを求められたことに端を発する財務不安から公的支援を受けるとの観測も浮上しているが、総選挙を来年に控え、議員は不人気な銀行救済に反対する姿勢を強めている。

またブルームバーグは29日、ドイツ銀のプライムブローカーサービスを利用していたファンドが今週、保有するデリバティブ(金融派生商品)の一部を他の金融機関に移したと報じた。

これを嫌気し、米国株式市場でドイツ銀の米預託証券(ADR)(DB.N)は大商いのなか8%超急落し、最安値を更新した。

ドイツ銀行の広報担当者は、トレーディング顧客の大半は同社の安定的な財務状況や現在のマクロ経済状況などを理解していると確信しているとコメント。不安の払しょくに努めた。

一方、ドイツで連立政権の一角を占めるバイエルン州の保守政党キリスト教社会同盟(CSU)のハンス・ミヒャエルバッハ議員は、政府は経営難の銀行への支援は行わないと述べた。

メルケル独首相はこの日、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁と会談。来年の総選挙を控え、メルケル氏の支持率は寛容な難民政策が国民の反発を招き、急低下している。昨今の金融危機は自力で乗り越えたドイツ銀行だが、公的救済を余儀なくされる事態となれば、ドイツの指導者として金融危機を乗り切ったとのメルケル氏の高い評判に疑問符が付きかねない。

こうした事情を背景に、ドイツ政府はすでに納税者による銀行救済を計画しているとの見方を強く否定している。

また金融危機時に支援を受けたコメルツ銀行(CBKG.DE)は、正社員の2割以上に当たる9600人の人員削減と当面の配当支払い停止を発表した。これを嫌気し同行株価は3.1%下落。ドイツのクセトラDAX指数.GDAXIの構成銘柄の中で最も大きく落ち込んだ。

ドイツ銀行のヘッジファンド部門のバリー・ボウザノ会長はCNBCとのインタビューで、ヘッジファンドは依然利益をあげている、と述べた上で、同行に対する感じ方について問題があることは間違いない、と語った。

さらに、同行のウェルス・マネジメント部門代表ファブリジオ・カメリ氏は、顧客を安心させようと努めており、目立った資金の流出はみられない、と説明した。

ドイツ銀行は、トレーディングの顧客からは引き続き支持が得られているとし「大半はわれわれの安定的な財務状況、現在のマクロ経済環境、米国での訴訟手続き、および、われわれの戦略の進展を理解していると確信している」との声明を発表した。
http://jp.reuters.com/article/germany-deutsche-bank-idJPKCN11Z2Z2

 

 

ドイツ銀や米ウェルズFの悪材料続出、巨大銀行の前途に暗雲
Caleb Melby、Angela Cullen
2016年9月30日 11:48 JST

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ドイツ銀向けエクスポージャーを一部ヘッジファンドが縮小
コメルツ銀は人員削減、ウェルズFCEOを下院が厳しく追及


グローバル展開する巨大銀行の一部にとって、29日はニューヨーク株式市場で取引開始の鐘が鳴る前から厳しい一日になりそうな気配があったが、悪材料が続出し大西洋の両岸の銀行が打撃を受けるとはほとんど予想されていなかった。
  銀行株は人員削減や不祥事、財務懸念といったニュースで急落し、多くの投資家は終わりの見えない痛手を受けた。発端となったドイツでは、コメルツ銀行が業績てこ入れのための新たな戦略を発表。従業員の2割を削減する計画を明らかにした。ワシントンでは、顧客に無断で口座開設したとされる問題で米銀ウェルズ・ファーゴのジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)を議会が一段と厳しく追及した。
ドイツ銀行本店(フランクフルト)
ドイツ銀行本店(フランクフルト) Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
  さらにドイツでは、一部ヘッジファンドがドイツ銀行向けエクスポージャーの縮小に動き出しているという驚くべき事態が判明、同行は国際金融における最大の懸念材料となっている。また、ウェルズ・ファーゴのスタンプCEOが4時間余りにわたる厳しい質問攻めを受けた下院金融委員会を後にする前、同行が軍人所有の自動車を不正に差し押さえたとして制裁を科されることが明らかになった。
  ドイツ銀へのエクスポージャー、一部ヘッジファンド顧客が減らす
  インベスター・レスポンシビリティー・リサーチ・センター・インスティチュートのエグゼクティブディレクター、ジョン・ルコムニク氏は、「それぞれ独自の難題を抱えているが、これらの銀行で生じている圧倒的な問題は、自らの目標を忘れている点であり、複雑さのために誤りを犯す可能性が高まっている」と指摘した。
  金融危機から8年を経て、世界の銀行は進むべき道筋を手探りで探している。世界の規制当局は銀行をより退屈な公共事業のようにすることを目指しているが、その道のりは厳しい。当局は国際的なポピュリズム(大衆迎合主義)の高まりを受けて銀行に制裁を加え続け、各行は取引高の減少や資本基準の厳格化に対応するため収益確保に奔走している。
  38銘柄で構成されるブルームバーグ欧州銀行・金融サービス指数は今年24%下落した。米銀では18%値下がりしたウェルズ・ファーゴ株主導でKBW銀行指数が4.6%下げている。
原題:From Deutsche Bank to Wells Fargo, a Bad Run for Giant Lenders(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-30/OEALAE6KLVRT01


ドイツ銀の運命決めるのはこの10人−メルケル、ショイブレ、ドラギ氏
Alessandro Speciale、Angela Cullen、Patrick Donahue
2016年9月30日 11:19 JST

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ドイツ銀の監査役会会長やベア米司法次官代行らも含まれる
ドイツ銀CEOは資本調達について「現時点で問題ではない」と発言


ドイツ銀行が住宅ローン担保証券(RMBS)販売をめぐる調査を決着させる条件として、140億ドル(約1兆4200億円)前後の支払いを米司法省から求められたと発表して以降、同行に対する圧力は強まるばかりだ。
  ドイツ銀の財務をめぐる不安が広がる中で、同行の「プライムブローカレッジ」サービスを利用する約10社のヘッジファンド運用会社が上場デリバティブ(金融派生商品)の保有の一部を他の金融機関に今週移したことが、ブルームバーグ・ニュースが確認した内部文書で明らかになった。
  ドイツ最大の銀行であるドイツ銀は人員削減のほか、利益につながらない顧客との契約打ち切りや一部業務からの撤退に動いている。同行が自力でやっていけると同行自身もドイツ政府も主張しているが、新たに資本を調達せずに複数の司法調査に資金面で対応できるのか、疑問は残る。
  今後の事態の展開に伴い、ドイツ銀の運命を左右することになりそうな10人の名前を次に挙げる。
ベア米司法次官代行
  米司法省のナンバー3であり、ドイツ銀との協議で采配を振る人物。ベア氏はドイツ銀について直接コメントしていないが、住宅証券の調査決着に向けた交渉がなかなか進展しないのは銀行側に責任があると指摘。「不透明感という雲が覆う時間を長引かせているのは、それぞれの金融機関であり、早い段階から協力していた場合に比べて支払額がずっと多くなっている」と語った。
ドイツ銀のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)
  クライアン氏は資産売却と人員削減、配当停止を断行する一方、資本バッファーの増強や採算性の改善に取り組んでいる。今週の独紙ビルトに掲載されたインタビューでは、資本調達について「現時点で問題ではない」と述べ、政府による支援に関心はないと説明した。
ドイツ銀のパウル・アハライトナー監査役会会長
  銀行業界に深い人脈を持つことで知られ、米英の検察当局から厳しい追及を受けた違法行為を前任者らが根絶できない状況を受けて、事態の収拾に当たる人材としてクライアン氏を選んだ。
メルケル独首相
  ドイツ銀への政府支援が行われる場合、2008−09年の金融危機を乗り切ったメルケル首相が最終的な決断を行うことになる。
ショイブレ独財務相
  ドイツ銀を政府が救済する場合には、ショイブレ財務相がその立案と実行の指揮を執る。2月時点では「ドイツ銀について心配していない」と発言。同行の救済プランに関する作業を政府が進めているという独週刊紙ツァイトの報道を財務省は否定したが、ショイブレ氏自身は公のコメントを控えている。
ショイブレ独財務相
ショイブレ独財務相 Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁
  ドラギ総裁は特定の金融機関の事業整理や分割に先立って関与する可能性が高い。ECBの政策委員会は、銀行監督部門である単一監督メカニズム(SSM)の決定を追認することになるが、このケースでは、銀行が直面する苦境の深刻さと、銀行の解体がユーロ相場や欧州の景気回復に壊滅的な打撃を与えるリスクを比較検討したいと政策担当者は考えるだろう。
  このほか、ヌイSSM議長と単一破綻処理委員会(SRB)のケーニヒ委員長、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)のフーフェルト長官、ベステアー欧州委員(競争政策担当)もキーパーソンと考えられる。
原題:Ten People Who Will Be Key in Deciding Deutsche Bank’s Future(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-30/OEAM456S973801


米当局:ドイツ銀、バークレイズ、クレディSとの一括決着望む−FT
Marcus Wright
2016年9月30日 15:02 JST
米司法省は住宅ローン担保証券(RMBS)販売問題をドイツ銀行とバークレイズ、クレディ・スイス・グループの欧州3行との間で一括して決着させたい考えだと、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が30日報じた。
  3行との決着をまとめることで、米大統領選挙前に巨額制裁金についての注目度を最大限に高められると同紙は解説している。
  司法省が同問題で140億ドル(約1兆4200億円)の巨額支払いを求めたことでドイツ銀の株と社債は売り込まれた。同行は交渉により米銀と同程度までの減額を勝ち取れるとの見通しを示している。
  他の2行と一括決着すれば市場の注目が幾分はドイツ銀からそれるかもしれないともFTは分析した。
  ドイツ銀の香港在勤の広報担当、エイミー・チャン氏はコメントを控えた。バークレイズとクレディ・スイスには連絡がついていない。
原題:U.S. Seeks Joint Settlement of Banks’ Mortgage Claims, FT Says抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-30/OEAYT06KLVR801

 

 
【コラム】ドイツ銀行が欧州の投資家に告げる教訓−エラリアン
コラムニスト:Mohamed El-Erian
2016年9月30日 09:05 JST

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ドイツ銀は3つの逆風に直面
ドイツ銀の苦境は欧州の銀行業界全体の現実

ドイツ銀行の株価が過去1年で半分以下になった。株価の変動は異例の激しさで、債券の値動きも荒い。
  下落を受けて資本水準や戦略、非中核資産売却の必要性、ドイツ政府との関係などについてさまざまな臆測が浮上した。ドイツ銀の苦境は欧州の銀行セクター投資家への重要な教訓を含んでいる。欧州の金融機関の一部は世界金融危機の負の遺産をまだ乗り越えていないからだ。

  ドイツ銀は三つの逆風に同時に直面しているが、これは他の金融機関もさらされているものにほかならない。

  *欧州と日本の国債の大きな部分のマイナス利回りを含め、超低水準の金利が伝統的な仲介機能によって利益を生み出す銀行の能力を損なっている

  *長引く景気の弱さが一部の借り手の返済能力を弱めている

  *中央銀行による介入や規制強化を含めた金融市場のゆがみが資本市場活動から収入を生み出す余地を奪っている

  これらの逆風が近いうちにやむことはない。そのため、銀行は堅固な資本基盤を持つこと、さらに資本基盤が強いと見なされることが必要になる。そうでなければドイツ銀行のように市場から手荒い扱いを受ける。欧州債務危機に対応する差し迫った必要があったために、米銀と違って過去の問題への包括的対処ができなかった欧州銀にとっては特にそうだ。

  ある水準で株式に転換される偶発転換社債(通称CoCo)のような新しい「ハイブリッド」証券の影響によって流動的になった資本構造が、市場のボラティリティを増幅する。これらの証券は、銀行セクターのストレスが及ぼすシステミックな影響を打ち消すこと、例えば政府救済の必要性を減らすことなどを目的に設計されている。しかし一方で、市場が既に圧力下にある時に株式を希薄化させるなど追加の懸念も生じさせる。

  銀行への投資家は、法的な問題が残っていることも気付かされた。米司法省は今月、ドイツ銀に140億ドル(約1兆4200億円)の制裁金を科す方針を明らかにした。この件や米銀ウェルズ・ファーゴの不祥事は市民の信頼回復に向けた銀行業界の前進を阻むものだ。

  クレディ・スイス・グループのティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)ら欧州銀のトップが、今後数カ月に業界が直面する困難さを強調するのも無理はない。銀行は厳しい経済・金融環境の中で競争していけるようにビジネスモデルを調整する必要があるが、そればかりではなく、過去の過剰なリスクテークへの対策として、銀行を面白みのない「公益」企業にしようと何年もかけて取り組む規制当局とも渡り合わなければならない。しかも、これらを評判回復に努めながらやり遂げなければならない。

  ドイツ銀行は極端なケースかもしれないが、同行の苦境は欧州の銀行業界全体が直面している現実を表している。米銀勢と異なり、一部の欧州銀は金融危機後にしっかりした足場をまだ回復していない。繰り返し起こる市場での感染やボラティリティショック、評判へのリスクに対して脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれている業界で、銀行を選別し機会をつかもうとするなら、投資家は精神的にずぶとくなければならない。

  (モハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)
原題:What Deutsche Bank Tells European Investors: Mohamed A. El-Erian(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-30/OE9LZI6KLVS101


 


コラム:
ドイツ銀CEO、「5年前の自分」からの助言 

Dominic Elliott and John Foley

[ロンドン 29日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ドイツ銀行(DBKGn.DE)のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)が5年前、2016年現在の自分に向けてアドバイスを送るとしたら、どんな内容になるだろう。

「ジョン、目を覚ませ。問題が持ち上がった。ドイツ銀行は巨額の罰金を科せられ、増資はほぼ必至だと市場は踏んでいる。今週は株価が急落して深刻な懸念を呼び覚ましている。2008年この方、世界がすっかり変わったことはお互い承知しているし、バランスシートには2200億ユーロを超える流動性があるから安心だ。だが早めに手を打つに越したことはないぞ」

「お前が俺だったころを思い出せ。UBS(UBSG.S)のインベストメントバンカーとして金融サービス企業に助言してただろ。ドイツ銀行みたいな顧客には3つの選択肢があるって言ってたよな。増資、資産売却、さもなければ解体だ」

「どれ一つとして単純じゃない。罰金の額も分からないのに、市場が増資に応じるはずがない。売れるものもあまりない。資産運用事業にはざっと75億ユーロの価値がありそうだが、着実な収益源だから手放したくない」

「解体はややこしい。いずれは避けられない道かもしれないけど。米連邦準備理事会(FRB)がドイツ銀の資本計画を却下し続けるなら、米国ではこのままの形で存続できそうもないからな。だけど米国で事業を解体したら、当行は損失を被るだろう」

「買い手を探すという考えもあるぞ。コメルツバンク(CBKG.DE)との統合は検討済みだ。BNPパリバ(BNPP.PA)なら、コーポレートバンク部門に関心を示してくれる可能性がある。成績が振るわないリテール・フランチャイズの一部もパリバに売れるかもしれない。投資銀行部門にも新たな買い手が必要かもしれない。分かったよ、とりあえずこの案はなしだ」

「だけど他にも選択肢はある。ここはぐっと我慢して、まず米当局と手を打つ。司法省が言う140億ドルはどう見ても高過ぎるが、その半分なら対処できるだろう。ゴールドマン・サックス(GS.N)が50億ドルで手を打ったけど、実際にはそれより少ない額で済んだのを覚えてるだろ。あれは消費者ローン絡みの調整など、キャッシュ以外の項目が含まれていたからだ。10億や20億の節約に望みを託すのでは割に合わない。なにしろドイツ銀の時価総額は今月だけで30億ドル以上も減っている」

「第2に、コスト削減にもっと大ナタを振るおう。資本コスト以上に稼ぐための明確な計画もないのに、時価総額が簿価の0.3倍という当行に出資してくれる者などいないだろう。相当工夫を凝らす必要があるが、はっきり言ってそれが俺たちの仕事だ。金融危機の時、ゴールドマンがウォーレン・バフェットを説き伏せ、優先株とワラントを使って投資してもらった例を考えてみろ。お前なら、前の勤め先だったシンガポールの政府系ファンド、テマセクにお願いできるだろう」

「本当はもう一つ、やれることがある。政治家に黙ってもらうんだ。メルケルが当行を破綻させないだろうことは周知の事実だが、ドイツ政府による救済計画の話が報道されるたびに、市場は救済の必要があるんだなと思う。そんな計画はないと当行が否定すれば、もっとひどいことになる。要は、救済など必要ないというところを示すことだ。だからぐずぐずせず、急いで仕事にとりかかれ」

●背景となるニュース

*ドイツ銀と米司法省との紛争で、メルケル・ドイツ首相が同行に手を貸さない姿勢を示したとドイツ誌フォーカスが報じたため、同行の株価は26日の週だけで11%程度下落した。

*ドイツ銀は26日、司法省が要求する罰金140億ドルを減額するため、ドイツ政府の支援は必要としていないと表明した。

*ドイツの有力議員は29日、政府は今後、経営の悪化した銀行を支援しないと述べた。ドイツ財務省は28日、ドイツ銀が増資できなかった場合の救済計画を準備中との報道を否定した。

*米司法省は最大140億ドルの罰金を提案しているが、ドイツ銀はそれだけの額を支払う意向はないとしている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/deutsche-ceo-idJPKCN12002R

 


 

 


ドル/円上値重い、欧州金融不安でリスク回避ムード

[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の101円前半だった。欧州の金融不安を背景に市場がリスク回避ムードとなっており、ドル/円の上値は重かった。

午前のドルは方向感が出なかった。朝方発表された8月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)が市場予想を下回ったことで一部の投機筋が円売りを手掛けたといい、一時101.25円まで上昇した。

ただ、追随する動きは限定的で、株価が200円超の下げとなる中、ドルの上値追い気運も盛り上がらなかった。午前11時半頃までに100.92円まで下押しされた。

欧州では、ドイツ銀行が住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売をめぐり米司法省から140億ドルの和解金の支払いを求められている。市場では「期末なので取引は多いと思うが、マーケット全体がリスクオフなので上方向に行きにくい」(邦銀)との声が出ていた。

正午過ぎ、101.15円付近に値を戻していたドルは、101.80円まで急騰した。企業のM&A(買収・合併)絡みか、月末要因の特殊なフローが入った可能性があるという。その後、午後3時に向けてじりじり値を下げ、正午過ぎの上昇分をほぼすべて返上した。

午後の下落局面では、黒田東彦日銀総裁の発言も伝わっていた。黒田総裁は衆院予算委員会で、現行ゼロ%程度としている長期金利の操作目標を実現するため、年間80兆円程度をメドとしている国債買い入れ額が「増減することがあり得る」と語った。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 101.08/10 1.1216/20 113.38/42

午前9時現在 101.19/21 1.1217/21 113.51/55

NY午後5時 101.03/06 1.1222/27 113.38/42

(為替マーケットチーム)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-fx-idJPKCN1200KW

 


欧州は銀行危機に直面せず=オーストリア中銀総裁

[ベルリン 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は29日のイベントで、欧州は2007─2008年に見舞われたような銀行危機に直面していないとの見方を示した。

また、一部で出ている単一通貨ユーロは崩壊するとの懸念について、大げさなものと一蹴。一部加盟国が問題を抱えているに過ぎないとした。

イベント前のロイターの取材では、12月に見直し期限を迎える新銀行自己資本規制(バーゼルIII)案をめぐる懸念について問われると、「懸念を誇張することはしない。金融業界は過渡期に入り、学習段階にある」と発言。

金融機関は新たな銀行規制への適応方法を学ぶ必要があるとし、規制の変更は理にかなっており、正しい方向に向かうものだと語った。

総裁は、ロイターの取材では財務状態が懸念されるドイツ銀行(DBKGn.DE)についてのコメントを拒否したが、その後のイベントでは、いかなる金融機関も破綻させる前にあらゆる影響を検討することが重要だと述べた。

総裁はまた、中銀当局者はバーゼルIIIをめぐりまだ意見が割れているが、銀行に要求される自己資本比率が引き上げられる可能性は高いとの見方を示した。
http://jp.reuters.com/article/ecb-europe-cricis-idJPKCN12001M  

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